事業の概要
- グローバルな事業展開住友ゴム工業は、日本を含むアジア、欧州、米州など世界中で事業を展開しており、特にタイヤ事業、スポーツ事業、産業品他事業の3つの柱で収益を上げています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、多様な市場からの収益獲得を目指しています。
- 多角的な製品ポートフォリオ自動車用タイヤからゴルフ用品、さらには医療用ゴムや制振ダンパーといった高機能ゴム製品まで、幅広い製品を手掛けています。これにより、様々な産業や消費者のニーズに対応し、安定した事業基盤を築いています。
- 製造から販売まで一貫体制国内外に製造拠点と販売拠点を持ち、製品の開発から生産、そして顧客への販売までを一貫して行っています。これにより、品質管理を徹底し、効率的なサプライチェーンを構築することで、顧客満足度の向上とコスト競争力の維持に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- タイヤ事業自動車、建設車両、モーターサイクルなど幅広い用途のタイヤ・チューブを製造・販売する主力事業です。国内外に多数の製造・販売子会社を持ち、ダンロップやファルケンなどのブランドでグローバルに展開しており、会社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
- スポーツ事業ゴルフクラブ、ゴルフボール、テニス用品などのスポーツ用品の製造・販売に加え、ゴルフトーナメントやスクールの運営も手掛けています。ダンロップやスリクソンといったブランドで展開し、特にゴルフ用品は国内外で高い知名度を誇ります。
- 産業品他事業制振ダンパー、OA機器用ゴム、医療用ゴムなどの高機能ゴム製品や、炊事・作業用手袋、車椅子用スロープなどの生活用品、防舷材などのインフラ関連製品を扱っています。多様な分野でゴム技術を応用し、社会の様々なニーズに応える事業を展開しています。
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3【事業の内容】当社の企業集団は、当社と子会社89社(以下「当社グループ」という。)及び関連会社9社並びにその他の関係会社1社(住友電気工業㈱)で構成され、タイヤ事業、スポーツ事業及び産業品他事業のほか、各事業に付帯・関連するサービス等の事業を国内及び海外で展開しております。各事業における各社の位置づけの概要は次のとおりであります。なお、以下の3事業は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業主要製品区分国内海外タイヤタイヤ・チューブ(自動車用、建設車両用、産業車両用、レース・ラリー用、モーターサイクル用等) オートモーティブ事業(パンク応急修理剤、空気圧警報装置等)製造当社㈱ダンロップリトレッドサービスPT Sumi Rubber IndonesiaSumitomo Rubber (Thailand) Co., Ltd.Sumitomo Rubber do Brasil Ltda.Sumitomo Rubber South Africa (Pty) LimitedSumitomo Rubber AKO Lastik Sanayi ve Ticaret A.Ş.Sumitomo Rubber USA, LLC住友橡膠(常熟)有限公司住友橡膠(湖南)有限公司販売当社㈱ダンロップタイヤ住友橡膠(中国)有限公司Falken Tyre Europe GmbHSumitomo Rubber North America, Inc.Sumitomo Rubber Middle East FZESumitomo Rubber Australia Pty. Ltd.Micheldever Group Ltd. 他23社その他中田エンヂニアリング㈱SRIロジスティクス㈱Sumirubber Thai Eastern Corporation Co., Ltd.SRI USA, Inc.Sumitomo Rubber Europe GmbH(計63社)他9社他10社スポーツスポーツ用品(ゴルフクラブ、ゴルフボール、その他ゴルフ用品、テニス用品等) ゴルフトーナメント運営 ゴルフスクール・テニススクール運営製造当社㈱ダンロップゴルフクラブRoger Cleveland Golf Company, Inc.Dunlop Srixon Sports Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.他1社販売㈱ダンロップスポーツマーケティングSrixon Sports Europe Ltd.Dunlop Sports Korea Co., Ltd.Cleveland Golf Canada Corp.他9社その他㈱ダンロップスポーツエンタープライズDunlop International Group Limited(計27社)他1社他7社産業品他高機能ゴム事業(制振ダンパー、OA機器用ゴム、医療用ゴム等) 生活用品事業(炊事・作業用手袋、車椅子用スロープ等) インフラ事業(防舷材、工場用・スポーツ施設用各種床材等)製造当社中山住膠精密橡膠有限公司Sumirubber Vietnam, Ltd.Sumirubber Malaysia Sdn. Bhd.他2社販売当社㈱住ゴム産業㈱ダンロップホームプロダクツ香港住膠有限公司 その他--(計8社)その他その他の関係会社住友電気工業㈱(計1社)(注)1.事業ごとの会社数には当社を含めておりません。 2.Sumitomo Rubber USA, LLC(以下「SRUSA」)における生産活動をすべて終了し、その後必要な準備を行った のちに同社を解散することを2024年11月7日開催の取締役会にて決議しております。 3.Falken Tyre Europe GmbHは、2026年2月23日付で、Dunlop Tyre Europe GmbHに商号変更しております。 4.Sumitomo Rubber North America, Inc.は、2026年1月1日付で、Dunlop Tires North America, Inc.に商号変更して おります。 5.Sumitomo Rubber Middle East FZEは、2026年2月6日付で、Dunlop Tyre Middle East FZEに商号変更しておりま す。 6.Sumitomo Rubber Australia Pty. Ltd.は、2026年1月1日付で、Dunlop Tyre Australia Pty. Ltd.に商号変更して おります。 7.Srixon Sports Europe Ltd.は、2026年1月1日付で、Dunlop Golf Europe Ltd.に商号変更しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。(注)1.SRUSAにおける生産活動をすべて終了し、その後必要な準備を行ったのちに同社を解散することを2024年11月 7日開催の取締役会にて決議しております。 2.Falken Tyre Europe GmbHは、2026年2月23日付で、Dunlop Tyre Europe GmbHに商号変更しております。 3.Sumitomo Rubber North America, Inc.は、2026年1月1日付で、Dunlop Tires North America, Inc.に商号変更して おります。 4.Sumitomo Rubber Middle East FZEは、2026年2月6日付で、Dunlop Tyre Middle East FZEに商号変更しておりま す。 5.Sumitomo Rubber Australia Pty. Ltd.は、2026年1月1日付で、Dunlop Tyre Australia Pty. Ltd.に商号変更して おります。 6.Srixon Sports Europe Ltd.は、2026年1月1日付で、Dunlop Golf Europe Ltd.に商号変更しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 製品の品質確保に万全の対策を講じているが、欠陥やクレーム発生のリスクがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 タイヤの性能持続技術、アクティブトレッド、センシングコアなどの独自技術。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:自然災害のリスク / 情報セキュリティに係るリスク / 労働災害・火災等のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
住友ゴム工業は「DUNLOP」や「SRIXON」といったブランドを保有。特にゴルフ用品やテニス用品におけるブランド認知度は高く、一定の無形資産を形成している。しかし、タイヤ業界全体でのブランド力はミシュランやブリヂストンに比べて限定的であり、特許やライセンスによる独占性は低い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
自動車メーカー向け純正採用タイヤでは、一度採用されるとモデルチェンジまで継続採用される傾向がある。しかし、アフターマーケットでは、価格や性能、ブランドへの志向が多様であり、顧客の乗り換えハードルはそれほど高くない。特に高性能タイヤ以外では、スイッチングコストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ゴム製品の製造・販売事業において、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。プラットフォーム型ビジネスではないため、ユーザー数の増加が製品価値を直接高める構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
長年のゴム製品製造で培われた生産技術と、住友ゴムグループとしての調達力により、一定のコスト競争力を有している。特に、グローバルな生産拠点網を活用した効率的な生産体制は強み。しかし、原材料価格の変動リスクは常に存在する。
規模の経済★★★★☆
住友ゴム工業は、グローバルでトップクラスのタイヤメーカーの一つであり、生産・販売規模が大きい。この規模を活かした研究開発投資や、グローバルな販売網の構築は、競合他社に対する優位性となっている。特に、グローバル市場でのシェアは上位に位置する。
- 幅広い製品とブランド力ダンロップやファルケンといった世界的に認知されたタイヤブランドに加え、スリクソンなどのスポーツ用品ブランドも展開しています。これにより、多様な顧客層にアプローチし、製品に対する信頼とブランドイメージを確立しています。
- グローバルな生産・販売網世界各地に製造工場と販売ネットワークを持つことで、各地域の市場ニーズに迅速に対応できる体制を構築しています。これにより、効率的な物流と供給体制を維持し、国際的な競争力を高めています。
- 技術開発力と多角化タイヤだけでなく、高機能ゴム製品やスポーツ用品など、ゴム技術を核とした幅広い分野で製品開発を行っています。これにより、特定の事業に依存しない安定した収益構造を構築し、技術革新を通じて新たな市場機会を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営戦略等当社グループは、2025年3月、グループ全社員にとって意思決定の拠り所や行動の起点となる企業理念体系「Our Philosophy」を具現化するべく、2035年に向けた成長の道筋を示す長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を策定しました。当社グループの強みである「ゴム・解析技術力」と、グローバルで統一された「DUNLOP」ブランドをはじめとする複数のブランドを創造・育成してきた「ブランド創造力」をいかし、モビリティ、スポーツ、医療、暮らしの様々な領域において、お客様に喜ばれる価値を提供してまいります。2035年に目指す姿として、「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべての人に提供し続ける」ことを掲げており、「ブランド経営強化」「ゴム起点のイノベーション創出」「変化に強い経営基盤構築」の3つの成長ドライバーのもと、目指す姿の実現を図ってまいります。 長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」 ロードマップ また、当社グループは、中期計画(2023年~2027年)に基づき、2025年をターニングポイントと位置づけ、既存事業の選択と集中、成長事業の基盤づくりを進めてまいりました。既存事業の選択と集中については、約10の構造改革対象事業・商材すべての目途づけが完了しました。成長事業についても、既存事業での取り組みに加え、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権取得や、車両部品の故障予知で実績のある米国Viaduct,Inc.(以下「Viaduct社」)の買収など、基盤強化を進めております。2026年は、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」に基づく新中期計画(2026年~2030年)を策定し、新たな成長ステージへの移行を図ってまいります。 さらに、2025年12月、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権に加え、マレーシア・シンガポール・ブルネイにおけるDUNLOP商標使用権も取得し、グローバルで「DUNLOP」ブランドを展開する体制を整備しました。2026年より、「DUNLOP」ブランドを軸としたブランド経営を推進してまいります。 「DUNLOP」は130年以上にわたり、世界初の技術や商品を創出し、常に挑戦を続けてきました。当社グループは「ONE DUNLOP」のもとで全社員が結束し、これまでの歴史で培った革新性と信頼性を礎に、世界中のお客様へ新たな価値を提供し続けることで、プレミアムブランドとしての地位確立に取り組んでまいります。 また、当社グループは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」のもと、サステナビリティ経営を推進し、事業を通じた社会課題の解決に向けて価値創造につながる活動を展開しております。基幹ブランド「DUNLOP」のもと、新しいブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」を掲げ、これまでにない体験をステークホルダーの皆様へお届けすることを約束しております。このステートメントを達成するため、事業活動における環境や社会への責任を果たすとともに、当社グループが提供する価値の最大化を目指し、サステナビリティへの取り組みを一層推進してまいります。 [Environment(環境)]当社の環境に対する取組みについては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。 [Social(社会)]当社グループでは、「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」の実現に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を重要な要素として位置づけております。多様性を尊重するとともに、多様性を組織の力に変えるインクルージョンの実践を重視し、多様な力を人的資本経営に取り込み、組織の持続的な成長につなげてまいります。また、社長コミットメントのもと、2025年4月には、長期経営戦略を支える人的資本経営の実行に向け、全取締役がDE&Iトップコミットメントを策定し公開しました。個人の能力や強みを存分に発揮できる組織風土を育み、組織と個人がともに成長を続けることで、企業価値および社会的価値の向上につなげてまいります。なお、詳細については「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」に記載のとおりであります。 [Governance(ガバナンス)]当社グループは、顧客・サプライヤー・投資家をはじめとする多様なステークホルダーの皆様に支えられております。社会環境の激しい変化に対応し得る、強く柔軟な経営基盤を築き、企業倫理の徹底を通じて、これからもステークホルダーの皆様の信頼に応えてまいります。 当社では、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役会の実効性につき、自己評価・分析を毎年実施しております。2025年は、2024年に引き続き、第三者機関によるアンケートを実施し、その集計結果をもとに取締役会にて分析・議論を行いました。今回のアンケート結果では、取締役会の構成に関する項目(員数・多様性・社内外比率)や、指名・報酬委員会における審議時間の確保に関する項目などで、評価の改善が確認されました。一方で、中長期経営計画のフォローアップ、サステナビリティ関連テーマの議論、内部統制や子会社モニタリングのあり方などについては、改善の余地があるとの回答もみられました。これらの結果を踏まえ、中長期経営計画の進捗状況のモニタリング強化、サステナビリティ領域を含む議論機会の充実など、取締役会の機能向上に向けた取り組みを今後も継続し、実効性のある取締役会運営を進めてまいります。 また当社では、任意の委員会として指名・報酬委員会を設置しており、その委員長は社外取締役が務め、委員の過半数を社外役員としております。2025年の委員会においては、委員構成の見直しに加え、役員報酬について固定報酬の比率が相対的に高い点を踏まえ、中長期的な企業価値向上に資する報酬体系のあり方(報酬構成・評価指標等)について見直しを行いました。今後も、中期計画達成に向けて取締役がグループ全体を主導できる体制づくりを支えるべく、指名・報酬の透明性・客観性の向上に向けた取り組みを継続してまいります。 加えて当社は、コンプライアンスの確保に向け、内部通報制度(企業倫理ヘルプライン)を運用しております。企業倫理ヘルプラインは、社内・社外の相談窓口から構成され、通報者保護の徹底を図るとともに、その利用状況については、社長を委員長とする企業倫理委員会へ定期的に報告し、取締役会にも報告しております。2025年は、「Bad News First/Fast」の考え方について、グループ全体で改めて周知徹底を図る研修を実施し、早期の報告・相談を促す取り組みを進めました。海外子会社においては、海外拠点の従業員が母国語で利用可能な社外通報窓口の設置を進め、概ね整備を完了しました。今後は、グループ全体で通報制度の周知・利用促進および適切な運用の徹底を図り、制度の運用の充実に取り組んでまいります。 (2)経営環境及び対処すべき主な課題当社グループを取り巻く情勢は、今後も様々な変化が想定され、グローバルでの競争激化やサステナビリティへの社会的要請の高まりなど、対処すべき課題は多岐にわたります。このような情勢のもと、当社グループは、「R.I.S.E. 2035」および新中期計画(2026年~2030年)、さらにはサステナビリティ長期目標への取り組みを通じて、企業の経済的価値・社会的価値の向上を目指し、次のような課題に取り組んでまいります。 (タイヤ事業)「DUNLOP」を基幹ブランドとし、当社独自の新技術であるアクティブトレッドを搭載した商品の拡販と、成長事業の柱であるセンシングコアの事業化を引き続き進めてまいります。 当社の強みである「ゴム・解析技術力」から生まれたアクティブトレッド技術を搭載した商品「SYNCHRO WEATHER」を2024年10月、国内市場で発売しました。2025年にはサイズ拡大も行い、販売は順調に推移しております。アクティブトレッド技術は、様々な路面に適応し、ゴム自ら性質が変化する画期的な技術です。2027年には欧米での新商品展開を計画しております。今後もオールシーズン・オールウェザータイヤ、SUV・ピックアップトラック向け大外径タイヤなど、同技術を搭載した新商品の開発・展開を進め、プレミアム商品の拡販による収益向上を図ってまいります。 欧州・北米・オセアニア地域における「DUNLOP」タイヤ販売は、2026年より本格化いたします。2025年より販売開始した北米・オセアニア地域に続き、欧州でも2026年1月から販売を開始しており、順調な立ち上がりとなっております。今後も「DUNLOP」ブランドの新商品を順次発売し、プレミアム商品を中心に拡販を図るとともに、グローバルで「DUNLOP」ブランドの価値向上に向けた活動を展開し、事業拡大につなげてまいります。 車輪の回転速度からタイヤ周りの状態・状況を検知するセンシングコアは、将来のモビリティ社会に貢献できる当社独自の技術であり、当社グループの成長事業の柱として取り組んでおります。2025年には、他社に先駆けて大型商用車向けに車輪脱落予兆検知システムが本格採用されました。また、同年8月には、車両部品の故障予知で実績のある米国「Viaduct社」の買収契約を締結し、膨大なデータを独自のアルゴリズムで解析することにより、異常の早期発見や予測、さらには原因特定まで可能とする高い汎用性を備えたAI技術を取得しました。すでに大手顧客での実績を重ねており、今後は自動車分野にとどまらず、様々な分野への事業展開を視野に入れております。 (スポーツ事業)ゴルフ用品では、世界最大市場である北米においてマーケティングおよび営業体制を強化するとともに、日米2拠点での開発体制により、市場ニーズを踏まえ、他社と差別化した魅力のある商品を投入することで、一層の拡販と新たな価値創出につなげてまいります。 テニス用品では、全豪オープンとのオフィシャルパートナー契約やATPツアーとのグローバルパートナーシップ契約の継続、全米大学テニス協会とのオフィシャルパートナー契約、世界有数のアカデミーとの協業による若手育成およびトッププロ選手との契約強化を通じた「DUNLOP」ブランドの価値向上施策を基盤に、ボールやラケットのシェア拡大を図ってまいります。 また、今般のタイヤ事業における「DUNLOP」のグローバル展開に伴うクロスマーケティングなど、シナジー創出につながる取り組みも強化してまいります。今後もスポーツ関連用品やサービスを通じて、お客様に感動と「ヨロコビ」を、引き続き提供してまいります。 (産業品他事業)これまでに既存事業の選択と集中、構造改革で強化してきた収益基盤をいかし、今後は海外展開による事業拡大と新商品の継続的な上市により、持続的な成長を目指してまいります。アジア・欧米を中心に、国内で高いシェアを有する既存商品の展開と販売チャネルを強化すること、並びに海外生産拠点の事業拠点化を進めるとともに、高付加価値を追求した共感商品の開発を加速してまいります。また、制振事業では用途拡大や品揃えの充実による多角化を進め、医療用ゴム製品事業では市場拡大が見込まれる領域での製品拡充を図ってまいります。これらの取り組みにより、今後も多様な社会課題の解決に貢献し、企業価値の一層の向上を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針及び経営戦略等当社グループは、2025年3月、グループ全社員にとって意思決定の拠り所や行動の起点となる企業理念体系「Our Philosophy」を具現化するべく、2035年に向けた成長の道筋を示す長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を策定しました。当社グループの強みである「ゴム・解析技術力」と、グローバルで統一された「DUNLOP」ブランドをはじめとする複数のブランドを創造・育成してきた「ブランド創造力」をいかし、モビリティ、スポーツ、医療、暮らしの様々な領域において、お客様に喜ばれる価値を提供してまいります。2035年に目指す姿として、「ゴムから生み出す“新たな体験価値”をすべての人に提供し続ける」ことを掲げており、「ブランド経営強化」「ゴム起点のイノベーション創出」「変化に強い経営基盤構築」の3つの成長ドライバーのもと、目指す姿の実現を図ってまいります。 長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」 ロードマップ また、当社グループは、中期計画(2023年~2027年)に基づき、2025年をターニングポイントと位置づけ、既存事業の選択と集中、成長事業の基盤づくりを進めてまいりました。既存事業の選択と集中については、約10の構造改革対象事業・商材すべての目途づけが完了しました。成長事業についても、既存事業での取り組みに加え、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権取得や、車両部品の故障予知で実績のある米国Viaduct,Inc.(以下「Viaduct社」)の買収など、基盤強化を進めております。2026年は、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」に基づく新中期計画(2026年~2030年)を策定し、新たな成長ステージへの移行を図ってまいります。 さらに、2025年12月、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権に加え、マレーシア・シンガポール・ブルネイにおけるDUNLOP商標使用権も取得し、グローバルで「DUNLOP」ブランドを展開する体制を整備しました。2026年より、「DUNLOP」ブランドを軸としたブランド経営を推進してまいります。 「DUNLOP」は130年以上にわたり、世界初の技術や商品を創出し、常に挑戦を続けてきました。当社グループは「ONE DUNLOP」のもとで全社員が結束し、これまでの歴史で培った革新性と信頼性を礎に、世界中のお客様へ新たな価値を提供し続けることで、プレミアムブランドとしての地位確立に取り組んでまいります。 また、当社グループは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」のもと、サステナビリティ経営を推進し、事業を通じた社会課題の解決に向けて価値創造につながる活動を展開しております。基幹ブランド「DUNLOP」のもと、新しいブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」を掲げ、これまでにない体験をステークホルダーの皆様へお届けすることを約束しております。このステートメントを達成するため、事業活動における環境や社会への責任を果たすとともに、当社グループが提供する価値の最大化を目指し、サステナビリティへの取り組みを一層推進してまいります。 [Environment(環境)]当社の環境に対する取組みについては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般」に記載のとおりであります。 [Social(社会)]当社グループでは、「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」の実現に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を重要な要素として位置づけております。多様性を尊重するとともに、多様性を組織の力に変えるインクルージョンの実践を重視し、多様な力を人的資本経営に取り込み、組織の持続的な成長につなげてまいります。また、社長コミットメントのもと、2025年4月には、長期経営戦略を支える人的資本経営の実行に向け、全取締役がDE&Iトップコミットメントを策定し公開しました。個人の能力や強みを存分に発揮できる組織風土を育み、組織と個人がともに成長を続けることで、企業価値および社会的価値の向上につなげてまいります。なお、詳細については「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」に記載のとおりであります。 [Governance(ガバナンス)]当社グループは、顧客・サプライヤー・投資家をはじめとする多様なステークホルダーの皆様に支えられております。社会環境の激しい変化に対応し得る、強く柔軟な経営基盤を築き、企業倫理の徹底を通じて、これからもステークホルダーの皆様の信頼に応えてまいります。 当社では、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役会の実効性につき、自己評価・分析を毎年実施しております。2025年は、2024年に引き続き、第三者機関によるアンケートを実施し、その集計結果をもとに取締役会にて分析・議論を行いました。今回のアンケート結果では、取締役会の構成に関する項目(員数・多様性・社内外比率)や、指名・報酬委員会における審議時間の確保に関する項目などで、評価の改善が確認されました。一方で、中長期経営計画のフォローアップ、サステナビリティ関連テーマの議論、内部統制や子会社モニタリングのあり方などについては、改善の余地があるとの回答もみられました。これらの結果を踏まえ、中長期経営計画の進捗状況のモニタリング強化、サステナビリティ領域を含む議論機会の充実など、取締役会の機能向上に向けた取り組みを今後も継続し、実効性のある取締役会運営を進めてまいります。 また当社では、任意の委員会として指名・報酬委員会を設置しており、その委員長は社外取締役が務め、委員の過半数を社外役員としております。2025年の委員会においては、委員構成の見直しに加え、役員報酬について固定報酬の比率が相対的に高い点を踏まえ、中長期的な企業価値向上に資する報酬体系のあり方(報酬構成・評価指標等)について見直しを行いました。今後も、中期計画達成に向けて取締役がグループ全体を主導できる体制づくりを支えるべく、指名・報酬の透明性・客観性の向上に向けた取り組みを継続してまいります。 加えて当社は、コンプライアンスの確保に向け、内部通報制度(企業倫理ヘルプライン)を運用しております。企業倫理ヘルプラインは、社内・社外の相談窓口から構成され、通報者保護の徹底を図るとともに、その利用状況については、社長を委員長とする企業倫理委員会へ定期的に報告し、取締役会にも報告しております。2025年は、「Bad News First/Fast」の考え方について、グループ全体で改めて周知徹底を図る研修を実施し、早期の報告・相談を促す取り組みを進めました。海外子会社においては、海外拠点の従業員が母国語で利用可能な社外通報窓口の設置を進め、概ね整備を完了しました。今後は、グループ全体で通報制度の周知・利用促進および適切な運用の徹底を図り、制度の運用の充実に取り組んでまいります。 (2)経営環境及び対処すべき主な課題当社グループを取り巻く情勢は、今後も様々な変化が想定され、グローバルでの競争激化やサステナビリティへの社会的要請の高まりなど、対処すべき課題は多岐にわたります。このような情勢のもと、当社グループは、「R.I.S.E. 2035」および新中期計画(2026年~2030年)、さらにはサステナビリティ長期目標への取り組みを通じて、企業の経済的価値・社会的価値の向上を目指し、次のような課題に取り組んでまいります。 (タイヤ事業)「DUNLOP」を基幹ブランドとし、当社独自の新技術であるアクティブトレッドを搭載した商品の拡販と、成長事業の柱であるセンシングコアの事業化を引き続き進めてまいります。 当社の強みである「ゴム・解析技術力」から生まれたアクティブトレッド技術を搭載した商品「SYNCHRO WEATHER」を2024年10月、国内市場で発売しました。2025年にはサイズ拡大も行い、販売は順調に推移しております。アクティブトレッド技術は、様々な路面に適応し、ゴム自ら性質が変化する画期的な技術です。2027年には欧米での新商品展開を計画しております。今後もオールシーズン・オールウェザータイヤ、SUV・ピックアップトラック向け大外径タイヤなど、同技術を搭載した新商品の開発・展開を進め、プレミアム商品の拡販による収益向上を図ってまいります。 欧州・北米・オセアニア地域における「DUNLOP」タイヤ販売は、2026年より本格化いたします。2025年より販売開始した北米・オセアニア地域に続き、欧州でも2026年1月から販売を開始しており、順調な立ち上がりとなっております。今後も「DUNLOP」ブランドの新商品を順次発売し、プレミアム商品を中心に拡販を図るとともに、グローバルで「DUNLOP」ブランドの価値向上に向けた活動を展開し、事業拡大につなげてまいります。 車輪の回転速度からタイヤ周りの状態・状況を検知するセンシングコアは、将来のモビリティ社会に貢献できる当社独自の技術であり、当社グループの成長事業の柱として取り組んでおります。2025年には、他社に先駆けて大型商用車向けに車輪脱落予兆検知システムが本格採用されました。また、同年8月には、車両部品の故障予知で実績のある米国「Viaduct社」の買収契約を締結し、膨大なデータを独自のアルゴリズムで解析することにより、異常の早期発見や予測、さらには原因特定まで可能とする高い汎用性を備えたAI技術を取得しました。すでに大手顧客での実績を重ねており、今後は自動車分野にとどまらず、様々な分野への事業展開を視野に入れております。 (スポーツ事業)ゴルフ用品では、世界最大市場である北米においてマーケティングおよび営業体制を強化するとともに、日米2拠点での開発体制により、市場ニーズを踏まえ、他社と差別化した魅力のある商品を投入することで、一層の拡販と新たな価値創出につなげてまいります。 テニス用品では、全豪オープンとのオフィシャルパートナー契約やATPツアーとのグローバルパートナーシップ契約の継続、全米大学テニス協会とのオフィシャルパートナー契約、世界有数のアカデミーとの協業による若手育成およびトッププロ選手との契約強化を通じた「DUNLOP」ブランドの価値向上施策を基盤に、ボールやラケットのシェア拡大を図ってまいります。 また、今般のタイヤ事業における「DUNLOP」のグローバル展開に伴うクロスマーケティングなど、シナジー創出につながる取り組みも強化してまいります。今後もスポーツ関連用品やサービスを通じて、お客様に感動と「ヨロコビ」を、引き続き提供してまいります。 (産業品他事業)これまでに既存事業の選択と集中、構造改革で強化してきた収益基盤をいかし、今後は海外展開による事業拡大と新商品の継続的な上市により、持続的な成長を目指してまいります。アジア・欧米を中心に、国内で高いシェアを有する既存商品の展開と販売チャネルを強化すること、並びに海外生産拠点の事業拠点化を進めるとともに、高付加価値を追求した共感商品の開発を加速してまいります。また、制振事業では用途拡大や品揃えの充実による多角化を進め、医療用ゴム製品事業では市場拡大が見込まれる領域での製品拡充を図ってまいります。これらの取り組みにより、今後も多様な社会課題の解決に貢献し、企業価値の一層の向上を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況 前連結会計年度当連結会計年度増減率 百万円百万円%売上収益1,211,8561,207,061△0.4 タイヤ事業1,046,3941,043,683△0.3 スポーツ事業125,650125,574△0.1 産業品他事業39,81237,804△5.0事業利益87,94190,7863.2 タイヤ事業76,18179,8124.8 スポーツ事業7,8786,831△13.3 産業品他事業3,7254,15911.7 調整額157△16-営業利益11,18682,584638.3親会社の所有者に帰属する当期利益9,86550,379410.7(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。 為替レートの前提 前連結会計年度当連結会計年度増減1米ドル当たり152円150円△2円1ユーロ当たり164円169円5円 当社グループは2023年から2027年を対象とした中期計画を着実に実行してきました。この中期計画では2025年をターニングポイントと位置付けており、構造改革と成長事業の基盤づくりに注力しました。1月に欧州・北米・オセアニア地域の四輪タイヤのDUNLOP商標権等の譲受契約を締結、5月7日に本取引をクロージングし、まずは北米・オセアニア地域にてDUNLOPビジネスをスタートしました。また、3月には2035年に向けた長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を発表しました。「R.I.S.E. 2035」では、ゴムから生み出す"新たな体験価値"をすべての人に提供し続けることを想いとして込め、タイヤのプレミアム化を推進するとともに、新たな収益の柱を構築することを目指しています。その一環で、8月にはAIソリューションを提供する米国ベンチャー企業「Viaduct社」の買収契約を締結しました。12月には"DUNLOPブランド戦略発表会"を開催し、130年を超える歴史を持つDUNLOPブランドを軸にしたブランド経営推進について皆様にお伝えしました。当連結会計年度のタイヤの販売本数については、グローバルでの競争激化やインフレ等の影響による市況停滞に加え、一部の低採算品を下市したこともあり、前期を下回りました。事業利益については、米国関税影響や人件費等のコスト上昇はあったものの、値上げや様々な内部努力に加え米国タイヤ工場閉鎖効果もあり対前期で増益となりました。この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,207,061百万円(前期比0.4%減)、事業利益は90,786百万円(前期比3.2%増)、営業利益は82,584百万円(前期比638.3%増)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は50,379百万円(前期比410.7%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 (タイヤ事業)タイヤ事業の売上収益は、1,043,683百万円(前期比0.3%減)、事業利益は79,812百万円(前期比4.8%増)となりました。国内新車用タイヤは、前期に一部自動車メーカーにおいて減産があったことに加え、当期は自動車生産が堅調であったこともあり販売本数は前期を上回りました。国内市販用タイヤは2024年秋に廉価品を下市した影響に加え、オフテイク品の受注減が影響し、前期を下回りました。海外新車用タイヤについては中国を中心にアジア圏における自動車メーカー向けが大きく減少しました。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域においては消費者の節約志向が一段と高まるとともに、中華系大手メーカーが価格攻勢を強める中、当社グループは収益性を重視した販売に注力したこともあり前期よりも販売本数が減少しました。欧州地域においてはオールシーズンタイヤをはじめFALKENブランドタイヤを拡販できた一方で、英国の市況悪化による販売減もあり、欧州全体としての販売は若干減少しました。米州地域においては、北米では二輪用タイヤの市況悪化や、一時的要因による売上減に加え、関税影響の販売価格への転嫁を積極的に行ったことなどにより対前期で販売本数が減少しました。DUNLOPブランドタイヤの北米での販売は6月から予定通り開始しており、12月には自社生産の商品を発売しました。南米においては市況が上向かない中で販売代理店と緊密に連携しながら拡販を進めたことなどにより販売本数を伸ばすことができました。以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を下回りましたが、事業利益は増益となりました。 (スポーツ事業)スポーツ事業の売上収益は、125,574百万円(前期比0.1%減)、事業利益は6,831百万円(前期比13.3%減)となりました。ゴルフ用品は、主力のSRIXONブランドのゴルフクラブ・ボールの販売が好調だったことや、日本で11月に発売したXXIO14が好調に推移したことなどで、韓国の市況悪化の影響による減収をカバーし、売上収益は前期を上回りました。テニス用品は主要市場である日本や欧州で増収となったことから、売上収益は前期を上回りました。ゴルフスクール・テニススクールを除くウェルネス事業について対象会社の全株式を2024年12月上旬に新たな株主へ譲渡したこともありスポーツ事業の売上収益は前期並みの水準となりました。事業利益については収益性が高い韓国での販売減少が響き減益となりました。 (産業品他事業)産業品他事業の売上収益は、37,804百万円(前期比5.0%減)、事業利益は4,159百万円(前期比11.7%増)となりました。OA機器用ゴム部品および手袋事業の販売が減少したことに加え、3月末をもってガス管事業から撤退したこと、さらに前期に欧州の医療用ゴム製品製造・販売子会社の株式譲渡を実施したことなどが影響し、売上収益は前期を下回りました。事業利益は医療用ゴム製品の国内向け販売および制振ダンパー事業の販売好調に加え、OA機器用ゴム部品の構成良化などにより前期を上回る結果となりました。 ②財政状態の状況 前連結会計年度当連結会計年度増減 百万円百万円百万円資産合計1,341,1231,459,932118,809負債合計665,313723,62258,309資本合計675,810736,31060,500親会社の所有者に帰属する持分656,134716,08059,946親会社所有者帰属持分比率(%)48.949.00.1ROE(%)1.57.35.8ROA(%)6.76.5△0.2有利子負債331,218406,62975,411D/E レシオ(倍)0.50.60.11株当たり親会社所有者帰属持分2,494円54銭2,724円44銭229円90銭(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。 当連結会計年度末の資産合計は、1,459,932百万円と前連結会計年度末に比べて118,809百万円増加しました。その他の流動資産などの増加により流動資産が9,552百万円増加しました。また、無形資産の増加などにより非流動資産は109,257百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は、723,622百万円と前連結会計年度末に比べて58,309百万円増加し、有利子負債残高は、406,629百万円と前連結会計年度末に比べて75,411百万円増加しました。 当連結会計年度末の資本合計は736,310百万円と前連結会計年度末に比べて60,500百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は716,080百万円と前連結会計年度末に比べて59,946百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.0%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,724円44銭となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,740百万円減少し、当連結会計年度末には98,642百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、150,427百万円(前連結会計年度比46,102百万円の収入の増加)となりました。これは主として、法人所得税の支払16,916百万円などの減少要因があったものの、税引前利益の計上77,789百万円、減価償却費及び償却費の計上78,669百万円などの増加要因によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、186,556百万円(前連結会計年度比121,897百万円の支出の増加)となりました。これは主として、無形資産の取得による支出120,177百万円、有形固定資産の取得による支出58,900百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出15,137百万円などによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、30,880百万円(前連結会計年度は35,623百万円の資金の減少)となりました。これは主として、社債償還及び長期借入金の返済による支出22,271百万円、配当金の支払額16,821百万円、リース負債の返済による支出16,479百万円を行ったものの、社債発行及び長期借入による収入で87,271百万円増加したことなどによるものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)タイヤ事業854,37697.6スポーツ事業65,631102.4産業品他事業25,89192.4合計945,89897.8(注)1.金額は、販売価格によっております。 ②受注実績 当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)タイヤ事業1,043,68399.7スポーツ事業125,57499.9産業品他事業37,80495.0合計1,207,06199.6(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、販売数量減少による減益と販売価格の改善であります。主力のタイヤ事業において、販売面では低採算品の下市を積極的に実施したことや、競争環境の厳しい市場で採算重視での販売を行ったことなどもあり、販売本数が前年から減少しました。セグメント別にみますと、新車用タイヤについては、国内において前連結会計年度は自動車メーカー各社による減産の影響を受け販売数量が減少したものの、当連結会計年度は自動車生産が堅調に推移したことから、国内向け販売数量は前連結会計年度を上回りました。一方、海外においては、中国を中心としたアジア圏において自動車メーカー向け供給が減少したことにより、販売本数は前連結会計年度を下回りました。市販用タイヤについては、国内においては昨年下期に低採算品を戦略的に減らした影響に加え、オフテイク品の受注減が影響したことから、販売数量は前連結会計年度を下回りました。海外においては、北米では自動車部品関税に対応するための値上げが影響したことなどにより販売本数が減少しました。また、アジアや欧州といったその他の主要な地域でも採算重視で販売を行った結果、販売本数が減少したことから、海外市販全体でも販売本数は前連結会計年度を下回りました。コスト面においては、北米工場閉鎖による生産性改善や固定費の圧縮に加え、部門横断で取り組んだコスト削減プロジェクトの成果もあり、それぞれ増益要因となりました。一方で原材料では天然ゴム価格の上昇、経費では人件費の増加によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円高傾向に推移したため、減益要因となりました。米国関税影響は大きなマイナスとなりましたが、タイヤ価格の値上げに加え、経費の節減等に努めた結果、ほぼ相殺することができました。この結果、前連結会計年度に対し、販売価格で約253億円、固定費で約70億円、直接原価で約42億円がそれぞれ増益要因となったものの、数量・構成他で約253億円、経費で約60億円、為替で約9億円、原材料で約7億円の減益要因となり、タイヤ事業全体で事業利益は前連結会計年度に比べ約36億円の増益となりました。スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。 当連結会計年度 事業利益の増減要因以上の結果、売上収益は1,207,061百万円と前連結会計年度に比べ4,795百万円(△0.4%)の減収、事業利益は90,786百万円と前連結会計年度に比べ2,845百万円(3.2%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し、7.5%となりました。その他の収益及び費用では、減損損失や事業再構築費用の減少等により、前連結会計年度に比べ68,553百万円の増益となりました。この結果、営業利益は82,584百万円と前連結会計年度に比べ71,398百万円(638.3%)の増益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ5.9ポイント上昇し、6.8%となりました。金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差益が為替差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ9,908百万円の減益となりました。以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は50,379百万円と前連結会計年度に比べ40,514百万円(410.7%)の増益となりました。中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。 ③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは36,129百万円のマイナスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払16,821百万円を行いました。今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.6を前倒しで達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。
事業リスク
- 自然災害による影響地震、津波、台風、豪雨などの自然災害が国内外の生産拠点やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。これにより、生産活動の停止や物流の混乱が発生し、売上減少や復旧費用増加により業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 情報セキュリティリスクサイバー攻撃やシステム障害により、営業秘密や顧客情報などの機密情報が漏洩したり、生産システムが停止したりするリスクがあります。これにより、企業の信用失墜、損害賠償、生産機会の損失などが発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 製品の品質管理リスク製品に欠陥が発生した場合、リコールや損害賠償、ブランドイメージの低下につながる可能性があります。品質管理には万全を期していますが、予期せぬ欠陥が発生した場合、多額の費用負担や顧客からの信頼失墜により、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす恐れのある経営リスクについては、「リスク管理規定」に基づき、それぞれの担当部署及び各子会社において事前にリスク分析、対応策を検討し、経営会議等で審議しております。リスク分析・対応策の検討にあたっては、必要に応じて外部の専門家に助言・指導を求めております。経営リスクのうち、組織横断的リスクについては、当社管理部門の各部が、それぞれの所管業務に応じ関連部署と連携しながら、全社的対応を行っております。また、「リスク管理規定」に基づき社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しており、年2回開催する同委員会にて当社グループのリスク管理活動を統括し、リスク管理体制が有効に機能しているか適宜調査・確認しております。当社グループにとって重大なリスクが顕在化し、又は顕在化が予想される場合には、「危機管理規定」に基づき、社長が危機管理本部を設置します。このようなリスク管理体制のもと、グローバルに展開する当社の事業活動も考慮のうえ、当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを次のとおり記載しております。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスクを認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。 (自然災害のリスク)当社グループは、グローバルに事業を展開しており、地震、津波、台風、豪雨等の影響を直接的又は間接的に受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった巨大地震、集中豪雨、大型台風等により被害を受けた経験を踏まえ、大規模自然災害が発生した際も重要業務を継続し、迅速な復旧を図るため、事業継続計画(BCP)の策定と、国内外の拠点で災害を想定しBCPに基づいて事業継続のために対応する実践訓練を行うなど、従来より対策を講じております。また、各事業所で地震、火災等を想定して防災避難訓練及び安否確認訓練を実施するなど、有事の際に被害を最小限に抑えるよう従業員の防災意識を高めるための活動を実施しております。 (情報セキュリティに係るリスク)当社グループは、事業活動を通じて、営業秘密、ノウハウ、データ等の機密情報のほか、顧客情報や従業員の個人情報も電子情報として保有・管理し、また商品企画、研究、開発、製造、販売等の様々なプロセスにおいて、情報システムやネットワークを活用しております。コンピューターウイルス感染や不正アクセスなどのサイバー攻撃のほか、災害や人為的な要因により情報システムに障害が発生した場合、機密情報・個人情報の漏えいのほか、重要な業務や製造の停止といったインシデントが発生し、社会的信用の失墜、ブランドイメージの低下、生産停止による機会損失など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、機密情報や個人情報等の秘密保持については、社内規定の整備と運用の徹底、情報機器へのセキュリティ対策などソフト面、ハード面での対策を実施し、リスクを最小化するよう取り組んでおります。 (労働災害・火災等のリスク)当社グループは、日本、アジア、欧州等に製造拠点を有しており、各製造拠点において負傷、疾病等の労働災害、火災、爆発等の産業事故や環境汚染が発生し、工場の操業や地域社会に大きな影響を及ぼした場合、社会的信用の失墜、被災者への補償、復旧費用、生産活動停止による機会損失、顧客に対する補償など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、労働災害、産業事故を予防するため、点検と対策を計画的に進め、事故の発生防止対策を実施しております。また、定期的に海外製造拠点を含め監査を実施し、対策の点検と評価を行い、各拠点の活動強化を図っております。環境面でも環境汚染防止のための設備対策やモニタリングを実施するなど、環境に配慮した事業運営を実施しております。また、重要設備の停止による生産活動への影響を最小限に抑えるために、日常的及び定期的な設備保全を行う一方、老朽化更新を計画的に進めております。 (サステナビリティ経営に係るリスク)当社グループは、サステナビリティ経営を推進しておりますが、ESG投資に関する非財務情報の不十分な開示や、SDGs等の社会的要請に対する対応の遅れ等が発生した場合、信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」という「Our Philosophy」のPurposeを体現すべく、事業活動を通じて環境問題、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指しております。サステナビリティ経営の推進にあたっては、サステナビリティ統括役員を委員長、各部門担当役員を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を開催し、各種テーマごとに設置された部会において実施している活動を継続的にフォローし、リスクを最小化するように取り組んでおります。また、2025年1月より外部ステークホルダーと経営層とが対話する「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、ステークホルダーとの連携を深め、社会的要請に対する対処を適切に実施しております。 (製品の品質管理に係るリスク)当社グループは、所定の品質基準に基づき、製品の品質確保に万全の対策を講じておりますが、製品の欠陥やクレームが発生する可能性があります。当社グループは、欠陥が発生した場合又は裁判等により欠陥が認定された場合に備え、欠陥に起因する損害賠償等の諸費用に対する損害保険を付保しておりますが、保険で補償されない費用が発生する可能性があります。また、クレームに対する処理費及び製品の回収・交換による費用が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質保証本部を中心に品質保証体制の強化や過去の不適切事案を教材としたケーススタディ研修、部門間・拠点間のコミュニケーション向上やグループガバナンスの強化につながる諸施策を継続的に進めております。引き続き、「Our Philosophy」に掲げる「信用と確実」の遵守を徹底し企業風土改革を推進するとともに、Bad News First/Fastも徹底していくことで、不適切な事案が再発しない体制づくりを進めてまいります。 (人権侵害に係るリスク)当社グループは、グローバルに事業を展開しており、サプライチェーン上で強制労働等の人権問題が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、法令に基づく処罰、訴訟の提起及び信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「人権」をマテリアリティの1つとしており、顧客やサプライヤーおよび拠点周辺の地域社会など、当社の事業とつながっている人々への人権尊重の責任を果たすため、全社横断組織である人権部会を立ち上げ、主管部門に加え、海外拠点を含む各関係部門が参画し、各部門のリスク調査と対応状況をフォローできる体制の整備、「サステナビリティ推進委員会」並びに経営層への報告を定期的に行っております。また、人権リスクが高いと考えられる現場の実態を把握するため、外部の専門家にもアドバイスをいただきながら、部会メンバーが天然ゴム農園、国内外の製造拠点を含むグループ会社の視察や労働者との対話を実施し、より実践的な人権リスクの特定・予防・是正の活動に努めています。今後も部会会合の開催に加え、継続的に現場視察やステークホルダーとの対話を行いながら、人権の保護・尊重の取組みを進めてまいります。 (政治経済情勢等に係るリスク)当社グループは、タイヤ事業、スポーツ事業及び産業品他事業をグローバルに展開しており、事業活動を行っている各国の政治情勢や経済環境の変化により、影響を受けることがあります。アジア・大洋州、欧州・アフリカ、米州の各地域を統括する組織を設置し、必要に応じて弁護士やコンサルタント等の専門家と契約するなどして現地特有の法規制、商習慣、リスク等を踏まえ現地拠点の経営について協議する等、リスク管理の面からも各地域における関係会社の支援を行っております。また、当社グループは、連結売上収益に占める、国内外の自動車用タイヤの割合が大きく、自動車産業の景況が悪化した場合、自動車用タイヤの需要減少や大口顧客との取引減少など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、各市場において、輸入規制や関税率の引き上げ等により、売上が減少、もしくは原価率が悪化するリスク、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更や移転価格税制等により税金コストが増加するリスクなど各市場における法律・規制変更が当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (人材獲得に係るリスク)当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業の優位性を確保し持続的な成長を実現するためには、多様な人材の安定的な確保及び育成が重要であります。特に、デジタル革新人材(DX人材)、海外事業を担うグローバル経営人材等の高度専門人材は、当社グループの技術力及び競争力の維持・向上において重要な役割を担っております。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の減少や採用競争の激化、働き方や価値観の多様化、各国の労働市場環境の変化等により、当社グループが必要とする人材を十分に確保できない可能性があります。また、競争環境の変化等により、当社グループの中核人材や高度専門人材が流出した場合には、技術・ノウハウの流出、事業運営の停滞、事業機会の損失等が生じる可能性があります。さらに、人材確保のための採用費用や人件費の増加等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、このようなリスクに対応するため、多様な人材が活躍できる組織風土の醸成に取り組んでおります。その一環として、2025年より従来の組織体質アンケートを見直し、エンゲージメントの要因分析や社外ベンチマークとの比較が可能なエンゲージメントサーベイへ移行しております。当該サーベイを定期的かつ継続的に実施することにより、客観的なデータに基づく職場課題の把握と改善を図り、心理的安全性の向上及び従業員エンゲージメントの向上に努めております。採用面では、主としてスタッフ系新卒採用においてインターンシップ制度や職種別採用を取り入れるなど、入社時の希望と配属先のミスマッチ低減に努めております。スタッフ系キャリア採用では、将来的な採用ニーズを見据えたタレントプールの構築や、当社退職者との継続的な関係維持を通じたアルムナイ採用を行うことで、必要な人材への機動的なアプローチを可能とする体制整備を進めています。加えて、全採用区分を意識して当社の魅力を対外的に発信することで求職者の拡大を目指しております。なお、これらの取り組みの詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」において、その概要を記載しております。 (コンプライアンスに係るリスク)当社グループは、グローバルに事業を遂行するにあたり、国内外の各種法令の適用を受けております。これらの法令に違反する行為、企業倫理に反する行為などにより、法令に基づく処罰、訴訟の提起及び信用・評判の失墜など、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「住友の事業精神」をベースに制定した「Our Philosophy」に基づき、コンプライアンスを基盤とした事業運営が実践できるよう取り組んでおります。組織としては、社長を委員長とする「企業倫理委員会」を設置し、年4回の委員会開催を通じ当社グループのコンプライアンス体制の強化を図っております。併せて、企業倫理ヘルプライン(相談窓口)として、社長直轄の「コンプライアンス相談室」を設置し、当社グループ内で問題が発見された場合には、相談者が不利益を被らないよう十分配慮したうえで、事実関係の調査を進める体制を整えております。また、必要に応じて顧問弁護士の助言を得るなど、適法性にも留意しております。さらに、コンプライアンスに関するべからず集である「企業行動基準」を作成し、国内従業員に配布するほか、英語版や当社グループが所在する地域のその他の言語版も作成し、毎年10月の法令遵守・企業倫理月間において浸透活動を行うなど、グローバルでのコンプライアンス強化を図っています。 (知的財産に係るリスク)当社グループは、特許権、商標権等の知的財産権の取得により自社の知的財産権保護を行っておりますが、他社からの知的財産権侵害等により競争優位性が損なわれるなど当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社が開発する製品及び技術については当社が保有する知的財産権による保護に努めているほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう細心の注意を払い、リスク管理を徹底しております。