研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 6,757 |
| 2024-03 | - | 6,574 |
| 2023-03 | - | 3,817 |
| 2022-03 | - | 1,767 |
| 2021-03 | - | 1,695 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,049 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れるための「先進技術活用・イノベーション推進」に取り組んでいます。また、「生産技術革新」に関する研究開発として、システム開発の効率化・高品質化や生成AI技術の活用、クラウド基盤の構築等に引き続き注力しています。先進技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約・活用しイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いていきます。さらに、日本電信電話㈱との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は28,258百万円です。研究開発の成果は、日本、海外セグメントに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <生成AI活用コンセプト「SmartAgent」の実現に向けた取り組み> AIエージェントが新たな労働力を提供する「SmartAgent」のコンセプト(以下、本コンセプト)を発表し、グローバルにサービス展開を進めるべく、その第一弾として営業向けAIエージェントサービス「LITRON Sales」の提供を開始しました。 本コンセプトの特徴は、特定の業務に最適化された「パーソナルエージェント」が、複数の専門性を持つ「特化エージェント」と自律的に協調しながらユーザーの業務プロセス全体を一気通貫で支援する点です。「LITRON Sales」は、データ入力、アポイントメント調整、提案書作成、契約書・社内文書作成等のタスクを自律的に実行することで、営業担当者の業務負荷を低減します。その結果、お客様への提案活動等の付加価値業務に充てられる時間の創出につなげるとともに、社内外の多様なインプット活用を通じた仮説構築力や提案力の向上を実現します。今後は、営業領域に加えて、マーケティング、法務、経理等の多様な業務シーンで「SmartAgent」を提供していく予定です。 新たな労働力を活用することにより、人口減少に伴う労働力不足の社会課題の解決に寄与するとともに、お客様を労働集約から知識集約・AI駆動型のビジネスに変革させることで、お客様のビジネスをより付加価値の高い領域にシフトさせ、生成AI関連ビジネスで2027年度にグローバル全体で3,000億円の売上を目指します。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社グループあるいは他社等の登録商標または商標です。
FY2024|1,578 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約・活用しイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いていきます。 さらに、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は20,491百万円です。研究開発の成果は、日本、海外セグメントに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <生成AI活用をグローバルで推進> 当社グループは、グローバルレベルでの生成AI展開戦略を通じてお客様のバリューチェーンの変革に注力するとともに、生成AIを活用した抜本的な業務効率の向上、イノベーションの促進、企業文化の醸成等社内のバリューチェーンの変革を推進するため、Generative AI推進室を設立しました。 当社グループでは、かねてより生成AIに関して、さまざまなユースケースでのお客様とのPoCや実案件適用等を実施してきましたが、Generative AI推進室の設立により、生成AIのソフトウェア開発分野への適用や顧客との共創の推進、生成AI関連のアセット開発への投資とグローバルでの適用拡大、ハイパースケーラーとのアライアンスや生成AI活用のためのガイドラインの策定やグローバルガバナンス体制の整備等を加速しています。 取り組みの一例として、当社グループの文書読解AI(自然言語処理AI)ソリューションである「LITRON」に日本電信電話株式会社が開発した大規模言語モデルである「tsuzumi」を連携させることで、より業務に特化した日本語の回答文章を生成できる文章検索・回答生成システムの提供を開始しました。また、当社グループ内の各拠点が持つさまざまな生成AIアセットを活用することで、お客様へのグローバル規模での展開も図っていきます。 当社グループは、生成AI関連のアセット開発、商用展開をさらに進め、生成AIの適用範囲を広げる取り組みをグローバル規模で加速させていきます。 <生成AI活用によるデジタルプラットフォームの強化> 当社グループは会話型AIプラットフォーム「eva」に生成AIの機能を追加し、顧客のデジタルプラットフォームの競争力を強化しました。これにより、「eva」を利用するL'Oréal社(以下、ロレアル)は、リアルタイムでの顧客別商品提案、及び顧客の購入ライフサイクルを通じたサポートによる効果的な販売促進が可能となりました。 当社グループの提供する「eva」は、顧客との過去のやり取り、閲覧履歴、購買行動、その他の統計情報を含む包括的なユーザデータに基づいてトレーニングされており、さらに生成AIを搭載することで、よりパーソナライズされた商品提案をすることが可能になりました。当社グループは本案件を通じて、ロレアルにおけるコンタクトセンター運用コストの削減及び顧客満足度の向上を実現しており、今後は生成AIを搭載した「eva」についてロレアルのSNSやチャットボット等、さまざまなチャネルへの展開を予定しています。 当社グループは生成AIを利用したサービスを幅広く提供することで、お客様のバリューチェーンの変革に貢献していきます。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社グループあるいは他社等の登録商標または商標です。
FY2023|2,592 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約・活用しイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いていきます。 更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は24,937百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人、海外セグメントに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <グローバル6カ国に「イノベーションセンタ」を設立> 当社は、世界トップクラスの先進技術活用力の獲得をめざし、2022年8月に世界6カ国にイノベーションセンタを設立しました。本センタは、技術戦略を策定する戦略グループと、日本・米国・イタリア・ドイツ・中国・インドのローカルセンタで構成され、各拠点に技術戦略に基づいた技術テーマを設定し、先進的なお客様と共創R&Dを進めるほか、大学やスタートアップとの連携により、現地で先行する技術活用事例をいち早く収集し次の技術戦略に活かします。設立に当たり、今まで世界中に点在していたリサーチャー、コンサルタント、エンジニアを中心としたエキスパート100名を本センタに集結しました。 本センタは、各国で先進的なお客様とのPoC(注1)を実施しており、今年度イタリアのメディア会社とインダストリアルデジタルツイン領域におけるイノベーションパートナーシップ契約を締結したほか、メタバース領域や量子コンピューティング領域において、それぞれ重工業・自動車製造業等の大型の先進的なお客様との共同プロジェクトを受注しています。 今後は、2025年度末までに体制を300名に増強の上、先進的なお客様との中長期R&Dパートナーシップを50件以上創発することをめざします。2023年度は、インダストリアルデジタルツイン領域や量子コンピューティング領域、及び当社がEverest Group PEAK Matrixにてお客様をサポートする世界のリーディングITサービスプロバイダーであると評価(注2)されたブロックチェーン領域を含めた3領域を、中期経営計画の戦略4(先進技術活用力とシステム開発技術力の強化)で策定しているEmerging領域の次の段階であるGrowth領域として注力設定し、お客様のビジネスを革新するための実ビジネス拡大を加速します。 <イジングマシン(注3)を用いた組合せ最適化技術を活用> 当社と株式会社香味醗酵(以下、香味醗酵)、及び日本電信電話株式会社(以下、NTT)の3社は共同で、数千種類の匂い成分から最適な組み合わせを計算し、少数の匂い成分で様々な匂い・香りを瞬時に再構成する手法の実機検証を2022年11月から2023 年3月に実施しました。 本検証は、香味発酵の持つ匂いデータベースから最適な組み合わせを算出する「匂い分子の組み合わせ最適化」について、NTTの次世代光イジングマシンLASOLV及び当社の分析技術(注4)を用いた最適化計算を適用し、従来手法との比較評価を実施しました。従来の手法では、匂いの組み合わせ計算で対象とする匂い成分は1,000種類が限界でしたが、8,000種類以上に拡張可能であることが確認できました。また、最適化計算精度の向上や匂いのABテスト(注5)工程支援にも、本検証の手法が有効であるとの結果を得ました。 前述の成果を得たことから、当社と香味醗酵は、2023年4月よりパートナーシップ契約を締結しており、ビジネス連携も含めた検討を開始しています。今後両社は、香料開発の効率化・高度化だけでなく、映像産業やメタバースへの匂い情報の実装などを含めた新たなビジネスの開拓に取り組み、2025年までに10件以上の匂いに関するビジネス創出をめざします。また、当社は、香料分野に限らず様々な分野で組合せ最適化問題に対する新たな手法の適用によるビジネスイノベーションを推進します。グローバルに量子コンピュータや次世代アーキテクチャー・ラボのサービス展開を行い、今後3年間で100件以上の新手法による業務改善の実現をめざします。 (注1) PoC(Proof of Concept)「概念実証」のことで、新たな概念やアイディアの実現可能性を示すための簡易な試行のことです。 (注2) Everest Group PEAK Matrixにてお客様をサポートする世界のリーディングITサービスプロバイダーであると評価当社は、2021年12月に発行された米国社の調査レポート「Enterprise Blockchain Services PEAK Matrix Assessment 2022」において、「リーダー」評価を獲得しました。 (注3) イジングマシン次世代光イジングマシンLASOLV は、NTTが研究開発に取り組む、新しい原理に基づいた計算装置です。LASOLVは常温で利用可能で、複数のパルス光の位相の組合せ、“光の物理現象” でイジングモデルを模擬し、解の候補が最適に近いほど位相の組合せの変化が少なくなる(=安定する)といった相互作用を作り出すことで解を導出します。LASOLVは組合せ最適化問題を極めて高速に解くことが可能であるため、これまでは解くことができなかった課題の解決が期待されています。 (注4) 当社の分析技術当社は、業界を問わず様々な実ビジネスの問題を、量子コンピュータや「組合せ最適化」の効率的な計算を行うイジングマシンを適切に活用し、業務要件に基づいた検証・評価を行うサービスを提供しています。 (注5) ABテスト2つのパターンを比較し、どちらの方が良いかを決定するテスト手法のことです。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2022|2,479 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約・活用しイノベーションを推進するとともに、次世代の生産技術を磨いています。更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は19,707百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <社員のデジタル対応力強化の取り組みを推進> クラウドやAI等、高度なITを活用したシステムの迅速な開発の需要が増加していることから、このような世の中の変化を捉え、社員のデジタル対応力強化を重点的に取り組みました。・クラウドを活用したデジタルビジネス推進を目的としたパートナーとの戦略的協業を強化し、その施策の1つとしてデジタル人財育成強化に取り組んでいます。パートナーから提供されるトレーニング等の活用により、コンサルティングや先進技術の活用を支援できる人財を育成し、お客様のDXに貢献します。・当社社員及びビジネスパートナー(注1)のデジタル人財認定制度を整備しました。デジタル人財のレベル別管理、エンジニアの質の可視化、育成パスの明示化によって高スキル人財の市場価値を高めるとともに、デジタル対応力の底上げを行いました。・当社を代表するトップ技術者が直接指導する「技統本塾」を2021年度は当社グループにも展開し、グループ全体でのトップ技術者の育成を進めています。・デジタルビジネスを推進する人財の育成のため、所属部署とは異なる部署で2年間、先進領域のプロジェクト経験を積んでから元の部署に復帰する「人財還流プログラム」を実施しています。所属部署においてデジタルプロジェクトをリードするスキルを身に付けるという効果を狙います。 <Green Software Foundationに運営メンバーとして加盟> カーボンニュートラル実現に向け世界的にCO2排出量の削減の動きが活発化する中、ソフトウェアの分野でも削減に向けた検討が始まっています。当社は、ソフトウェアのCO2排出量削減をグローバルに推進する団体であるGreen Software Foundation(注2)に、アジア初の運営メンバーとして2021年9月に加盟しました。 ソフトウェアのCO2排出量削減に向けた第一歩である正確な排出量の把握に向け、当社は Green Software Foundation の加盟メンバーとともにCO2排出量の評価手法 Software Carbon Intensity(注3)のα版の策定に取り組みました。本手法を活用することで、同じ機能を持つソフトウェア同士の運用における環境負荷の比較や、ソフトウェアの改修がCO2排出に与える影響の把握を可能にします。また、これらの示唆は環境負荷の少ないソフトウェア選定やソフトウェア開発・運用技術の開発に役立てることができます。 当社は、このような活動を通じて、より環境負荷の少ないソフトウェア開発・運用の技術や方法論を確立し、グリーンなソフトウェアやサービスを提供することで社会の脱炭素化に貢献していきます。 <高セキュリティの確保やサイバー攻撃への迅速な対応を実現し、セキュリティインシデントの被害軽減に寄与> 当社では、前中期経営計画で掲げた「グローバルデジタルオファリングの拡充」の施策において、セキュリティを注力領域の一つとして取り組み、ゼロトラストセキュリティ(注4)のコンサルティングから構築・運用までを一気通貫でサポートするサービスを2021年11月より提供開始しました。日々高度化・複雑化するサイバー攻撃を企業経営に影響を与える重点リスクの一つと捉え、世界で50を超える国・地域の約15万人が利用するゼロトラスト環境を当社グループで導入・運用しています。そのノウハウを活用し、戦略的パートナー企業とともに、グローバル全体で約1,000人のスペシャリストがサービス提供できる体制を構築しました。本サービスは、働く場所や端末を選ばない柔軟な働き方に合わせた業務環境を提供するとともに、多要素認証やログ監視などの技術による高セキュリティの確保、外部からのサイバー攻撃の迅速な検出・対応・復旧を実現し、セキュリティインシデントの被害軽減に寄与します。 (注1) ビジネスパートナー 協力して開発を行うビジネスパートナー会社の社員のことです。(注2) Green Software Foundation2021年5月にAccenture、GitHub、Microsoft、Thoughtworksの4社が、Linux Foundationの配下に設立した非営利団体です。協力して開発を行うビジネスパートナー会社の社員のことです。2022年4月末現在、28の会社・組織から合計594名のメンバーが参加しています。(注3) Software Carbon Intensityソフトウェア利用時の炭素排出を構成する電力利用、ハードウェア利用、利用する電力の炭素強度をもとに炭素排出量をスコアとして評価する手法のことです。(注4) ゼロトラストセキュリティクラウドの普及により保護すべきデータやシステムが様々な場所に点在することから、すべての通信を信頼しないことを前提に対策を講じるセキュリティのことです。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2021|2,169 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。中期経営計画においては、最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約し、活用する基盤の構築によりイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いています。更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は22,739百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <アジャイル開発フレームワークを用いてお客様のビジネス変革を支援> 大規模アジャイル方法論である「Scaled Agile Framework」(注1)を保有するScaled Agile, Inc.と連携し、アジャイル開発を含むDevOps(注2)を推進しました。DevOpsは、当社の中期経営計画の戦略に基づきグローバル横断で取り組んでいるCoE(注3)活動の一環として当社が重点的に推進している最先端技術の一つであり、今後「Scaled Agile Framework」を用いてよりいっそうお客様の大規模な組織変革とビジネスアジリティーの向上を支援していきます。・当社は、Scaled Agile, Inc. のパートナー認定制度において、「Global Transformation Partner」を取得しグローバルレベルのビジネス変革パートナーとして2020年9月に認定されました。「Scaled Agile Framework」はこれまで2万社以上で採用され、グローバルでトップシェアを誇るフレームワークです。本パートナーシップの認定は世界で3社目であり、日本を含むアジア地域に本社を置く企業としては初となります。「Scaled Agile Framework」を含むお客様のビジネス変革サポートについては2022年度にグローバル全体で年間500億円の売上をめざします。・当社とNTTデータ先端技術(株)は、これまでお客様へ提供していたアジャイル開発関連研修のメニューに、管理職マインド変革研修及びScaled Agile, Inc.の公式研修を追加しました。これらの研修はデジタル化を検討しているが、何から始めればよいかきっかけを模索している企業や組織に対し、必要なマインドの習得やフレームワークの理解を支援するものであり、2023年までに2,000名へのサービス提供をめざします。 <AIシステム開発推進のための工程・品質管理手法を策定> AIを組み込んだシステムの普及に伴い必要とされる開発プロセスの整理や品質の保証について、当社ノウハウを組み込んだ工程体系やツールの提供によりお客様が安心して利用できるシステムの開発を推進しました。・AIシステムの開発における共通的な工程を体系化して定義した「AI開発プロセス」を策定し、2020年7月より当社が行う全てのAI案件への試行適用を開始しました。「AI開発プロセス」では、社会的倫理、コンプライアンス上のチェック観点、データの事前加工及び品質管理に関するノウハウが組み込まれています。本プロセスを適用することで、性能、拡張性、セキュリティ、プライバシー等総合的な観点から、お客様が安心して利用できるAIシステムを実現します。・当社内のユースケースにおけるAIシステム開発固有のリスク抽出とその原因分析を通じて、AIシステム開発のための品質アセスメントツールを開発し、2020年10月よりトライアルでのサービス提供を開始しました。本サービスは従来のソフトウェア品質管理手法では十分に対応できなかったAIを構成するデータとモデルの品質管理の向上を目的としています。品質アセスメントツールを用いてレビューやテスト、品質改善活動を推進することにより、安心・安全な開発に必要なチェック項目の洗い出しと確認・合意タイミングの設定が可能になり、早期のリスク発見が可能になります。 (注1)Scaled Agile FrameworkScaled Agile, Inc.が提供する、リーン、アジャイル、DevOps の原則、プラクティス、コンピテンシーを組み合わせたビジネスアジリティー実現の基盤となるフレームワークのことです。(注2)DevOps開発チームと運用チームが連携してシステムに対するお客様要求に高品質・柔軟・短期間に対応するために、ツールや開発手法等で構成される仕組みのことです。(注3)CoE(Center of Excellence)高度な研究・開発活動を行い、人財及び事業の創出・育成の中核となる拠点のことです。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2020|1,453 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。中期経営計画においては、最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約し、活用する基盤の構築によりイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いています。更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は21,793百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 <AI技術のグローバル集約拠点を設立するとともに、AI指針を策定> 当社は、中期経営計画の戦略「グローバルデジタルオファリングの拡充」に基づき、グローバル横断でCoE(注)の拡充に取り組んでおり、その一環としてAI CoEを2019年5月に設立しました。AI CoEは、グローバルでのAIに関する知識の集約、トレーニング、技術支援、アセット(知的資産)提供等の機能により、グローバル横断でデジタルビジネス拡大を支援するための拠点です。今回のAI CoEの設立により、CoEはBlockchain、Digital Design、DevOps、AIの4分野となりました。 また、当社は、人間とAIが共生する「より豊かで調和のとれた社会」(以下、AI社会)の実現に貢献するための取り組み姿勢をまとめた「NTTデータグループAI指針」を策定しました。本指針に基づき、AIを単なる効率性確保の手段として利用するのではなく、お客様を含めたすべての関係者がAIのメリットを享受できるAI社会の実現をめざし、AIの研究、開発、運用、利活用等を推進していきます。 <産学連携により、医療分野のAI画像診断の取り組みを推進> 患者の医療画像をAI技術で分析し、疾患の可能性がある箇所を示すことで医師の診断をサポートするAI画像診断支援ソリューションを展開しました。・当社及び国立大学法人宮崎大学は、AI画像診断支援ソリューションで腎臓のあらゆる異常の検出を行う実証実験を2019年8月に実施しました。本実証実験の結果、人種や生活習慣の異なる複数カ国の患者に本ソリューションが適用できることが確認され、特に癌の検出に関しては高い検出精度を持つことが確認されました。・当社及びメッドサポートシステムズ㈱は、脳MRI撮影画像診断領域におけるAI画像診断支援ソリューションの商用利用に向けた実証実験を2019年11月に開始しました。本実証実験では、メッドサポートシステムズ㈱の画像診断情報システムのノウハウと当社のAI技術を用いて、脳MRI撮影画像に対するAI診断支援エンジンとAI診断支援実証用ビューアを開発し、その有用性を評価しました。 (注)CoE(Center of Excellence)高度な研究・開発活動を行い、人財及び事業の創出・育成の中核となる拠点のことです。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2019|3,052 文字
5 【研究開発活動】当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取り組みに対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。 当連結会計年度の研究開発費は15,094百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 [生産技術の革新]当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術の更なる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取り組みを進めています。 <IT業界のリーディングカンパニーとして国内外における情報セキュリティ対策を強化>当社はIT業界のリーディングカンパニーとして、インターネット黎明期より他社に先駆けて、日々の生活に欠かせない重要インフラ等を強固なセキュリティ技術で守ってきましたが、世界的に情報システムへのサイバー攻撃が激しさを増している中、更なるセキュリティ強化施策に取り組みました。・当社は、セキュリティ分野の先進技術を有する㈱イエラエセキュリティ及び㈱神戸デジタル・ラボと、プラントや電力インフラ等で使用される監視制御システムや製造工場で使用される製造ライン管理システム等の制御系システム向け脅威分析サービスの提供を目的として業務提携することで2018年9月に合意しました。・当社グループは、刻々と変化するエンドポイント(注2)の状況に応じた脅威の検知、対応及び復旧が可能な「Tanium(タニウム)」を国内外の当社グループ拠点へ導入しました。また、当社グループのセキュリティ管理プラットフォームとして、ネットワーク機器や様々なエンドポイント機器のログの収集と分析が一元的に可能な「Exabeam(エクサビーム)」を順次導入開始しました。これらの取り組みを通じ、国内外における当社グループの情報セキュリティレベルが向上しました。また、各ソリューションを当社グループの拠点に導入したことにより得られた知見をもとに、より高度なセキュリティコンサルティング等に関するお客様へのサービス提供を目的として、2018年11月からエヌ・ティ・ティ・データ先端技術㈱と共にタニウム合同会社と、2019年1月から米国のExabeam, Inc.と協業を開始しました。・セキュリティ分野においては求められる専門性の高さにより人材の不足が懸念される中、当社グループではセキュリティ人材の育成とスキル向上に積極的に取り組み、2018年度には、NTTグループが推進する「セキュリティ人材認定」を有する8,300人以上が国内外で活躍しています。・世界で増大するセキュリティ被害の抑止を目的に、サイバーセキュリティのグローバル動向及び今後の予測に関する調査レポートを日本語及び英語で四半期ごとに公開するとともに、テレビ、新聞、雑誌等への取材協力を行いました。 [最先端技術の活用]特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注3)として策定・公開する取り組みを行っています。 <お客様のデジタルビジネスの実現に向けた、六本木のデザインスタジオ“AQUAIR”の開設及びグローバルネットワークの強化>・お客様のデジタルビジネスの企画から実証実験・マーケティングまでをシームレスに実現するためのデザインスタジオ「Fluid Experience Design Studio "AQUAIR(アクエア)"(以下、本スタジオ)」を2018年6月に開設しました。本スタジオは、最新の技術・ワークスタイルが体験できる施設であり、実証実験を行うための仮設店舗も備えています。2018年度は100社を超えるお客様や当社パートナーが本スタジオを訪れ、デジタルとリアル空間を融合した新規サービスの実現に向けた、様々な体験や技術検証の場として活用されました。また、本スタジオを含む海外の当社グループのデザインスタジオ(グローバル全体で15拠点)が連携する「NTT DATA Design Network(注4)」との活動を通して、UX-UI(注5)を強みとする人材や各種事例の共有及び国を越えたプロジェクトの推進を実施しました。 (注1)レガシーモダナイゼーション長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様を棚卸しして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと再構築(刷新)することです。(注2)エンドポイントPC、スマートフォン、サーバ等のネットワークに接続された端末のことです。(注3)NTT DATA Technology Foresight情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。(注4)「NTT DATA Design Network」グローバル全体で15拠点あるデザインスタジオの間で、相互に事例やノウハウを共有したり、プロジェクトを支援したりすることによって、より広い視野でのビジネスデザインの検討を実現するための当社グループのネットワークのことです。(注5)UX(ユーザーエクスペリエンス)-UI(ユーザーインターフェース)UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスを通じて受け取る体験やそれに伴う感情のことです。UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーとサービスとの接点であり、両者の間で情報をやりとりするための仕組みのことです。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2018|2,237 文字
5 【研究開発活動】当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取り組みに対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。当連結会計年度の研究開発費は14,569百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 「生産技術の革新」 当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術の更なる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取り組みを進めています。 <デジタルトランスフォーメーションへの取り組みを加速>・企業のデジタルトランスフォーメーション実現のための課題である既存のIT資産の最適化・軽量化のため、デジタル化戦略の策定と既存IT活用のアセスメントを行う「デジタルコンサルティング」、基盤システムをクラウドに移行してコスト削減する「Lift&Shift」、多様なユーザーがあらゆるデータを安全に活用できるようにする「データ民主化」の3点について推進しました。これらを含む、デジタルやレガシーデジタルインテグレーションの技術的なケイパビリティを高めるため、2017年10月にレッドハット㈱、EMCジャパン㈱と連携し、既存IT資産のデジタル化を推進する基盤を一般企業に向けて提供開始するとともに、2017年11月にはPivotalジャパン㈱と、ビジネスパートナー契約を締結しました。 「最先端技術の活用」 特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注2)として策定・公開する取り組みを行っています。 <NTT DATA Technology Foresight 2018を公開>・海外グループ会社のCTOと連携し、AI等のブレイクスルーの期待が高まっている技術と、それらの技術がもたらす社会発展の方向性に着目し、NTT DATA Technology Foresight 2018を策定・公開しました。今回で7回目となる本取り組みは、認知度も向上しており、お客様のイノベーション創出に繋げる活動として、海外含めて講演会や個別説明会を2017年の1年間で333回実施しました。また、2017年の「技術トレンド」の一つである「人工頭脳の浸透」の実現例として、㈱NTTファシリティーズと共に業界初となる超高層建物の振動制御にAIを活用する新しいアクティブ制振技術(注3)を2017年8月に開発しました。これは、最適な振動制御を学習したAIが、地震のエネルギーを吸収することで建物の揺れを抑える装置(ダンパー)を、地震の揺れに応じて制御する技術であり、従来技術に比べ長周期地震動による超高層建物の揺れを50%以上低減することができます。 (注1)レガシーモダナイゼーション長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様を棚卸しして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと再構築(刷新)することです。(注2)NTT DATA Technology Foresight情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。(注3)アクティブ制振技術外部からのエネルギーを用いて、揺れの抑制に必要な制御力を建物に与える振動制御方法です。センサにより計測したデータに基づいて制御力を決定し、ダンパーを能動的に動かして建物の揺れを制御します。 この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。
FY2017|2,133 文字
6 【研究開発活動】当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取組に対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。さらに、日本電信電話㈱との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。当連結会計年度の研究開発費は12,359百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション及びグローバルに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。 「生産技術の革新」 当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術のさらなる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取組を進めています。 <主な取組事例>・さらなるグローバルシナジーの発揮による持続的な成長を見据え、世界各国の当社グループの開発方法論を統合した。2017年4月より、本開発方法論を国内外の開発拠点で共有し、当社グループ内で共通の概念を持つことで、用語に起因する齟齬の発生を防止し、高い生産性と品質を実現するプロジェクト遂行が可能となることを目指す。今後、本開発方法論をベースとし、国内外の当社グループ全社が保有する人財リソースやナレッジをグループ内で有効活用することで、グローバル規模で開発力のさらなる強化を図り、地域によらず高水準で一貫したサービス品質を提供していく。・全社のシステム開発環境をクラウド上に集約し、システム開発の生産性向上を目指す「統合開発クラウド」の運用を2017年4月に開始した。昨今、既存ビジネスや業務プロセスを効率化する「守りのIT(SoR(注2))」だけでなく、新しいビジネスを創出する「攻めのIT(SoE(注3))」への対応や、その両者をシームレスに連携することが求められている。これらのニーズに応えるため、今後は当社の海外子会社への展開を行うとともに、商用環境(お客様サービス)への適用も順次進めていく。 「最先端技術の活用」 特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注4)として策定・公開する取組を行っています。 <主な取組事例>・当社及びスペイン子会社であるeveris Groupは、スペイン最大病院であるVirgen del Rocio University Hospital in Sevilleと集中治療室(ICU)向け「スマートアラートソリューション」を開発した。本ソリューションは患者が重篤な合併症を発症するリスクを予測し、情報を速やかに医師等に提供し、医療介入の早期化を図ることを目的としている。今後はスペイン以外の複数国での検証を計画しており、2017年内を目途に商用化し、スペイン、南米、北米から世界各国の病院へと展開を進めていく。 (注1)レガシーモダナイゼーション長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様の棚卸をして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと刷新することです。(注2)SoR(Systems of Record)基幹システム等従来型の業務システム全般を指します。(注3)SoE(Systems of Engagement)企業のビジネスプロセス革新や新ビジネス創造等のデジタル革新を実現するシステムを指します。(注4)NTT DATA Technology Foresight情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
FY2016|2,909 文字
6 【研究開発活動】当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされております。そのような環境下で競争に勝ち残っていくために、システム開発の高速化、高品質化など「ソフトウェア工学」に対する研究開発に重点的に取り組んでおります。また、お客様に最先端技術を活用した魅力的なシステムを提案・提供するための「IT基盤技術」、「先進技術」に対する研究開発の強化を進めております。さらに、日本電信電話㈱との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しております。当連結会計年度の研究開発費は12,410百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション及びグローバルに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしておりません。 [ソフトウェア工学] 当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできました。これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっておりましたが、近年では競合他社でのソフトウェア開発自動化技術への取組も進んできております。そうした中で、自動化技術のさらなる高度化と、社内の開発プロジェクトへの適用率向上が競争上の重要な要素となってきております。 また、今後IT業界でニーズが高まることが予想される新たな技術要素として、レガシーシステムの更改(レガシーモダナイゼーション)があります。過去に開発し、その後度重なる機能追加等を繰り返す中で、お客様自身もシステム仕様の全体像を把握できなくなってしまっているシステムの更改は非常に難易度の高い作業となります。現行システムの老朽化とともに、今後こうした案件が増加していくことが想定されており、レガシーモダナイゼーションを安全・確実に遂行するための方法論の確立が必要とされております。(主な取組事例) ソフトウェア開発の自動化技術について、自動化技術を適用可能な案件には原則全て適用する方針とし、自動化技術の普及展開を推進。当連結会計年度は、自動化技術を提供すべき案件を選定するための適用条件定義書の精度向上と、これに基づく普及展開に取り組み、年度通算での適用率は7割に到達。また、当社オープン系システムの開発基盤(アプリケーション・フレームワーク)を刷新し、「TERASOLUNA Server Framework for Java 5」をリリース。世界中で広く利用されているSpring Frameworkを採用し、最新技術への追従や、グローバルでの開発者確保が容易となった。 [IT基盤技術] お客様がITシステムに期待する柔軟性、高可用性、短期構築を高いレベルで実現するインフラ構築、管理技術がますます重要となってきております。当社は、これまで各種ベンダのクラウド基盤提供サービスにも対応した、IT基盤の標準化に取り組んできております。今後はお客様の要望に合わせて、様々なIT基盤技術を高度に組み合わせたインフラを高信頼かつオンデマンドで提供する技術の確立が必要とされております。 また、当社は、従来からApache Hadoop等をはじめとする大規模分散処理基盤の構築に関する知見を広く社外に公開してきましたが、そのノウハウを社会インフラに適用し、様々な物がITシステムにつながる「IoT」や、「デジタル社会」の実現に貢献していくことが求められていると認識しております。(主な取組事例) 大規模データを高速に並列分散処理するオープンソースソフトウェアApache Hadoop及び関連製品のApache Sparkにおいて、「プロジェクトマネジメント委員」と呼ばれるコミュニティ運営まで担う主要開発者に、当社社員が日本企業として初就任。同コミュニティに対し、当社の貢献量は世界ランクで第4位であり、実際に運用する中で得た知見のフィードバックを積極的に進めている。これらの活動を通じて得られた成果を活用し、「Apache Sparkの構築・運用ソリューション」としてサービス提供を開始。 [先進技術] 当社では、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、様々な観点から将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注1)として策定・公開する取組を行っております。NTT DATA Technology Foresightが示すトレンド情報を指針として、将来社会に必要とされる先進技術の開発を重点的に進めることが、お客様に魅力的なシステムを提案・提供し続けるための重要な要素となっております。当連結会計年度は、技術トレンドの中でも重要性・注目度が著しく増してきている、コミュニケーションロボットをはじめとした人工知能(AI)技術への取組を強化することとし、AI技術の専門部隊を新設しました。 なお、NTT DATA Technology Foresightは、外部講演やお客様へのプライベートセミナ等を通じて情報を公開し、広く活用頂いております。このような活動を通じて、当社の技術力・先進性を訴求し、ブランドの向上、顧客ロイヤリティの向上を図っております。また、当連結会計年度は、NTT DATA Technology Foresightを活用してお客様と一緒に新たなビジネスアイディアを創出する「共創ワークショップ」の活動が飛躍的に活性化しました。これらの活動を通じて新規案件の受注等も生まれ始めております。 『NTT DATA Technology Foresight 2016』の技術トレンド (主な取組事例) コミュニケーションロボットによる「顧客対応業務」の実現を目指した取組として、お客様の来店を自動検知するセンサーデバイスとの協調や音声対話技術を組み込んだクラウドロボティクス基盤(注2)の開発を行い、それを活用した日本科学未来館での来館者へのアンケート対応の実証実験及び㈱りそな銀行の戦略的な店舗である豊洲支店(セブンデイズプラザとよす)での「顧客対応支援」の共同実証実験を実施。実証実験を通じてコミュニケーションロボットの活用ノウハウを蓄積し、店舗における「顧客誘導」「商品紹介」など顧客対応業務の支援の幅を広げて2016年度中の実用化を目指す。 (注1)NTT DATA Technology Foresight情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。(注2)クラウドロボティクス基盤音声認識、対話制御などロボットに必要な機能等をクラウド上で実現する仕組のことです。