事業の内容
レノバグループは、太陽光、バイオマス、風力、地熱、水力といった再生可能エネルギー発電所の開発、所有、運営を通じて収益を得ています。主な事業は、長期的に発電所を所有し売電を行う「再生可能エネルギー発電等事業」と、新たな発電所の開発や運営管理を行う「開発・運営事業」の2つです。蓄電池や新燃料を含むグリーン・トランスフォーメーション(GX)事業も推進しており、持続可能なエネルギーシステムの構築を目指しています。収益は、発電した電力を電力会社に売却することで得られる売電収入が中心です。
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FY2025|15,268 文字|出典 docID: S100VZPK
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上・洋上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。そして、上記に留まらず、蓄電池、アンモニア・水素等を含む新燃料等、グリーン・トランスフォーメーション事業(以下、「GX事業」という)を推進しています。当社グループは、(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の所有と当該発電所及び蓄電所による売電(「再生可能エネルギー発電等事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所及び蓄電所の開発と運転開始済み発電所及び蓄電所の運営管理(「開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電等事業を運営又は管理する連結子会社19社、持分法適用会社4社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2023年に473GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2024 Global Status Report - Global Overview」)。また、ロシア・ウクライナ危機を受けたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。2023年11月に開催されたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)で発表した、123カ国が2030年までに世界の再生可能エネルギーの容量を3倍に拡大するという目標を達成するため、2024年11月に開催されたCOP29においては、2030年までに世界全体のエネルギー貯蔵容量を2022年時点の6倍以上となる1,500GWまで拡大することを誓約する等、再生可能エネルギー及び蓄電池等の更なる導入による脱炭素化に向けた動きが活発化しています。日本国内の再生可能エネルギー導入に向けた動きも加速しています。経済産業省は2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、再生可能エネルギー電源の比率を50~60%に高めることを参考値として示しました。さらに、日本政府は、2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」を閣議決定し、2040年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を40~50%程度まで高める目標を設定しました。本目標は、同日に閣議決定された地球温暖化対策計画において定められた、2040年度において温室効果ガスを2013年度比で73%削減する目標と整合する形で設定されました。また、固定価格買取制度(FIT制度)(*1)による買い取りが継続して行われる中、2022年度から導入されたFeed in Premium制度(FIP制度)(*2)による買い取りも開始されています。加えて、電力需要家による再生可能エネルギー電力の調達ニーズも高まっています。自社事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100(*3)に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*4)の実例も増加しています。さらに、新規電源投資を促進し、長期にわたって脱炭素電源による供給力を調達するための長期脱炭素電源オークション(*5)が2024年1月より開始されました。加えて、2024年12月、政府はGX実行会議の下で取りまとめた「分野別投資戦略」を改定し、2030年に累計14.1~23.8GWhの系統用蓄電池の導入見通しを公表しています。再生可能エネルギーや蓄電池の導入に対する政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び系統用蓄電池市場はより一層拡大していく見通しです。 (*1)固定価格買取制度(FIT制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づき、買取義務者が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で一定期間買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その買取価格及び買取期間等は経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会や関係省庁の意見に基づき経済産業大臣が決定します。2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、一般送配電事業者は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 (*2)Feed in Premium制度(FIP制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格を踏まえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしています。 (*3)RE100:「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。 (*4)コーポレートPPA:企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。 (*5)長期脱炭素電源オークション 国全体で必要となる脱炭素電源の容量確保のため、再エネや蓄電池などの新規電源投資(リプレース、改修も含む)の促進を目的に、2023年度より容量市場の一部として開設された入札制度です。容量提供事業者の長期的な収入予見性を確保するため、電力広域的運営推進機関より、原則20年間、設備容量に落札金額を乗じた容量確保契約金額が長期固定収入(但し、物価変動分が制度適用期間の年度ごとに毎年補正される)が保証されます。 (国内外における再生可能エネルギー発電及び蓄電池業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電及び蓄電池業界は、①各種メーカーによる発電等設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車、蓄電池等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*6)及びEPC事業者(*7)や施工事業者による発電所又は蓄電所の建設、③運転開始済み発電所又は蓄電所による発電・充放電、AM事業者やO&M事業者(*8)による当該発電所の運営・管理・保守、並びに特定卸供給事業者(*9)による電力の需給調整運用業務、そして④一般送配電事業者等(*10)のオフテイカー(*11)による電力小売又は電力需要家の各分野に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所又は蓄電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所又は蓄電所の長期にわたる発電及び売電に関与するため、一般的に複数年にわたり安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の所有と当該発電所及び蓄電所による売電(「再生可能エネルギー発電等事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所及び蓄電所の開発と運転開始済み発電所及び蓄電所の運営管理(「開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。 (*6)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。 (*7)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。 (*8)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。 (*9)特定卸供給事業者:再生可能エネルギー発電所や蓄電所、需要側のリソースを統合して、市場動向や電源動向など、様々な情報を踏まえながらリソース運用を行う事業者のことを指します。発電事業者が蓄電池の運用を特定卸供給事業者に委託する場合や発電事業者が自ら特定卸供給事業者としての業務を担う場合があります。 (*10)一般送配電事業者等電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (*11)オフテイカー事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電等事業2025年3月末現在、「再生可能エネルギー発電等事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有・運営する再生可能エネルギー発電所が発電した電力及び当該電力由来の環境価値を、FIT制度、FIP制度、売電契約に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期にわたり所有し、当該発電所が発電した電力や当該電力由来の環境価値の販売収入を「再生可能エネルギー発電等事業」の収益として計上しています。FIT制度、FIP制度や売電契約に基づいた事業については、制度や契約等の定めにより、所定の買取期間にわたり売電価格が固定されるため、「再生可能エネルギー発電等事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。2025年3月末現在、当社グループは、大型太陽光発電に関しては連結子会社12社、小規模分散型太陽光発電に関しては連結子会社1社、バイオマス発電に関しては連結子会社6社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電及び環境価値の販売を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の太陽光発電所一覧)(2025年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)運転開始時期FIT制度Non-FIT株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月● 株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月● 株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月● 株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月● 九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月● 那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月● 大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月● 四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市20.0%21.636円2019年3月● 那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月● 軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)48.036円2019年7月● 軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)80.836円2019年12月● 軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町55.0%(連結)40.836円2021年10月● 第一太陽光発電合同会社同左東京都中央区100.0%(連結)-非公表2023年1月以降順次 ●人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市100.0%(連結)20.836円2023年6月● (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 当社は、2022年4月に四日市ソーラー匿名組合事業の出資持分の一部を譲渡し連結対象及び持分法適用対象外としました。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2025年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)運転開始時期FIT制度Non-FITユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.5固定PPA2016年7月 ●苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町53.1%(連結)75.024円/32円2021年6月● 合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市60.0%(連結)74.9524円/32円2023年11月● 徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8%(連結)74.824円/32円2023年12月● 合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市51.0%(連結)74.95固定PPA2024年3月 ●合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市56.0%(連結)75.024円/32円2025年1月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、固定PPA以外においては、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.バイオマス発電事業の買取価格は、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWh、一般木質等バイオマスが24円/kWhです。4.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。5.徳島津田バイオマス発電所合同会社の配当比率は、70.4%です。6.合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの配当比率は、62.93%です。7. 合同会社御前崎港バイオマスエナジーの配当比率は、75.0%です。 (運転中の陸上風力発電所一覧)(2025年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)運転開始時期FIT制度Non-FITLIEN LAP WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG HUY WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG NGUYEN WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (運転中の地熱発電所一覧)(2025年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)運転開始時期FIT制度Non-FIT株式会社南阿蘇湯の谷地熱同左熊本県阿蘇郡南阿蘇村30.0%(持分法)2.040円2023年3月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (3) 開発・運営事業「開発・運営事業」は、デベロッパーとして、新しい発電所や蓄電所等の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所及び蓄電所は前述の「再生可能エネルギー発電等事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*12)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*13)等を行い、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所を建設します。再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の運転開始後、発電所SPCにおいては発電した電気及び環境価値をオフテイカーに販売し、蓄電所SPCにおいては卸電力市場、需給調整市場及び容量市場を通じて電力の販売及び容量確保価値を販売します。売電、環境価値の販売及び容量確保価値の販売から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の運転開始後の売電及び環境価値の販売による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関しては、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。また、蓄電所の保守・運営業務に関しては、SPC又はO&M事業者が行い、需給調整業務等の運用管理はSPC又は特定卸供給事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社又は当社グループのAM事業者が行います。 (再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発・運営スキームの例示) (*12)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所及び蓄電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所及び蓄電所の立ち上げに応じてSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*13)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「開発・運営事業」は、発電所および蓄電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*14))、配当・匿名組合分配益(*15)、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所又は蓄電所の開発成功時に発電所又は蓄電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*16))を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所又は蓄電所の開発状況により変化します。そのため「開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電等事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*14)運営管理報酬:発電所・蓄電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所・蓄電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*15)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「開発・運営事業」の収益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「開発・運営事業」の収益に反映されます。なお、これら「開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*16)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所又は蓄電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発から運転までの流れは、新たな事業候補の「用地開拓」、事業用地の確保・発電所及び蓄電所の設計・許認可取得等の「開発」、「電力需要家開拓」、「オフテイカー協議」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所及び蓄電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所及び蓄電所開発の一連のプロセスにおいて「用地開拓」から「工事」までにおける、事業設計やエンジニアリング業務、オフテイカーとの協議、協力業者や資金調達先の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割) (注) 上記は開発プロセスの代表的な例示であり、国・地域、電源種、各案件の個別要因等によって異なる場合があります。蓄電事業の場合、蓄電所の運用委託先協議を含みます。 「用地開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。また、電力需要家の開拓にも取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間にわたる風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*17)を本格的に実施して開発を推進します。なお、Non-FIT発電事業においては売電契約締結に向け、売電先との協議も並行して進めていきます。また、蓄電事業においては、オフテイク契約(*18)を締結する場合にはオフテイカーとの協議や、日本においては、2023年度より開始された長期脱炭素電源オークションでの応札も視野に入れて開発を進めます。当社は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー及び蓄電事業において2025年3月末時点までに累計約5,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。また、この段階で同時に売電契約等の締結も行います。「資金調達」、「売電契約等締結」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所及び蓄電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模な事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所及び蓄電所の建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期にわたり発電所及び蓄電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期にわたる事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*17)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (*18)オフテイク契約:オフテイカーが蓄電所運用権を取得する対価として、蓄電所に対して蓄電所利用料等を長期間固定で支払う契約のことを指します。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約を締結した「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。①建設中事業②推進中事業③先行投資事業・ローン契約締結・EPC契約締結下記全項目の一定の蓋然性を確認済み・事業用地利用・系統接続・売電契約締結・主要許認可取得・一定の事業性に関する確認・開発に必要な先行投資を開始済み (注)1. 国・地域による規制の相違、電源種による開発プロセスや事業性確保に向けた条件の相違、及び各事業の個別要因等により、事業の分類の判断基準が上記と必ずしも一致しない場合があります。 2. 建設中事業には、ローン契約・EPC契約締結済みの着工準備中の事業も含みます。 (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2025年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期FIT制度Non-FITその他 合同会社唐津バイオマスエナジー同左佐賀県唐津市35.0%(持分法)49.9固定PPA2021年8月 ● KIANGAN MINI HYDRO CORPORATION同左フィリピンイフガオ州40.0%(持分法)8.35.87 PHP2021年4月● 苓北風力合同会社同左熊本県天草郡苓北町38.0%(持分法)54.621円2023年3月● 福島復興風力合同会社同左福島県田村市他10%未満約147固定PPA2022年4月 ● 姫路蓄電池匿名組合事業合同会社姫路蓄電所兵庫県姫路市22.0%(持分法)15.0市場価格2023年8月 市場取引アールツー蓄電所合同会社同左東京都中央区39.0%(持分法)215.0容量確保契約金額2026年度中 LTDA (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3.合同会社唐津バイオマスエナジー及び福島復興風力合同会社の買取価格は、需要家とのPPAに基づく長期間にわたる固定価格となります。4. 当社は唐津バイオマス発電事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2025年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率16.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%となります。なお、当発電所の竣工は2025年9月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。 5.フィリピン共和国イフガオ省キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。6. 福島復興風力合同会社は、2025年3月31日に完工し、同年4月2日よりFIP制度に基づく商業運転を開始しました。7. アールツー蓄電所合同会社は、2023年度長期脱炭素電源オークションにおいて選定された系統用蓄電所3ヵ所(北海道苫小牧市、北海道白老郡白老町、静岡県周智郡森町睦実)を着工準備中です。当社は2025年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき長期脱炭素電源オークションの制度適用以降、共同スポンサーの出資持分(出資比率48.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は87.0%となります。なお、当蓄電所の竣工は2028年度中を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8. LTDA: 長期脱炭素電源オークション(Long Term Decarbonization Auction)は、国全体で必要となる脱炭素電源の容量確保のため、再エネや蓄電池などの新設・リプレース/改修を入札対象とした制度で、電力広域的運営推進機関より、原則20年間、設備容量に落札金額を乗じた容量確保契約金額が支払われます。落札金額については、物価変動分が制度適用期間の年度ごとに毎年補正される仕組みとなっています。9.上記6事業のうち、「共同推進」事業であるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATION、福島復興風力合同会社及び姫路蓄電池匿名組合事業における事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2025年3月31日時点)地域/電源出力(MW)買取価格(1kWhあたり)(税別)環境アセスメント事業推進形態(当社主導/共同推進)非開示(国内)(蓄電池)30-該当無し当社主導フィリピン(太陽光)90--共同推進米国(蓄電池)200--当社主導米国(蓄電池+太陽光)(蓄電池)150(太陽光)150--当社主導 (注)1.推進中事業の一覧表は、2025年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。 (開発中の事業一覧 ③先行投資事業)(2025年3月31日時点)地域/電源出力(MW)買取価格(1kWhあたり)(税別)環境アセスメント事業推進形態(当社主導/共同推進)北海道(陸上風力)80-配慮書完了当社主導秋田県(陸上風力)80-配慮書完了当社主導青森県(陸上風力)170-配慮書完了当社主導非開示(蓄電池)80-該当無し当社主導韓国(陸上風力)40--当社主導フィリピン(陸上風力)50--当社主導フィリピン(太陽光)60 --共同推進 (注)1.先行投資事業の一覧表は、2025年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。 この他、当社は主に太陽光発電、陸上風力発電、蓄電事業等の種別毎に専属チームを組織し、国内外で複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図)
FY2024|12,886 文字|出典 docID: S100TNIO
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上・洋上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。そして、上記に留まらず、蓄電池、アンモニア・水素等を含む新燃料等、グリーン・トランスフォーメーション事業(以下、「GX事業」という)を推進しています。当社グループは、(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社18社、持分法適用会社4社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2023年に473GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2024 Global Status Report - Global Overview」)。また、ロシア・ウクライナ危機を受けたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。足もと、2023年11月に開催されたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会合)では、再生可能エネルギーの更なる導入策を協議し、123カ国が2030年までに世界の再生可能エネルギーの容量を3倍に拡大することを誓約する等、再生可能エネルギーの更なる導入による脱炭素化に向けた動きが活発化しています。日本国内の再生可能エネルギー導入に向けた動きも加速しています。経済産業省は2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、再生可能エネルギー電源の比率を50~60%に高めることを参考値として示しました。さらに、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」においては、2030年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を36~38%程度まで高める目標に設定しました。なお、2024年度には、2035年以降を目標としたエネルギー基本計画の議論が開始されます。また、固定価格買取制度(FIT制度)による買い取りが継続して行われる中、2022年度から導入されたFeed in Premium制度(FIP制度)による買い取りも開始されています。加えて、電力需要家による再生可能エネルギー電力の調達ニーズも高まっています。自社事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100(*1)に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*2)の実例も増加しています。さらに、新規電源投資を促進し、長期にわたって脱炭素電源による供給力を調達するための長期脱炭素電源オークションが2024年1月より開始され、再生可能エネルギーや蓄電池の導入に対する政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び蓄電市場はより一層拡大していく見通しです。 (*1)RE100:「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。 (*2)コーポレートPPA: 企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。 (国内外における再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*3)及びEPC事業者(*4)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*5)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④一般送配電事業者等(*6)のオフテイカー(*7)による電力小売又は電力需要家の各分野に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期にわたる発電及び売電に関与するため、一般的に複数年にわたり安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期にわたる発電所の所有、当該発電所による売電と環境価値の販売(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。 (*3)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。 (*4)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。 (*5)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。 (*6)一般送配電事業者等電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (*7)オフテイカー事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業2024年3月末現在、「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有・運営する再生可能エネルギー発電所が発電した電力及び当該電力由来の環境価値を、FIT制度、FIP制度、又は売電契約に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期にわたり所有し、当該発電所が発電した電力や当該電力由来の環境価値の販売収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT制度や売電契約に則った売電については、制度や契約等に基づき所定の買取期間にわたり売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。2024年3月末現在、当社グループは、大型太陽光発電に関しては連結子会社12社、小規模分散型太陽光発電に関しては連結子会社1社、バイオマス発電に関しては連結子会社5社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の太陽光発電所一覧)(2024年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FIT株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月● 株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月● 株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月● 株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月● 九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月● 那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月● 大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月● 四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市20.0%21.636円2019年3月● 那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月● 軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)48.036円2019年7月● 軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)80.836円2019年12月● 軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町55.0%(連結)40.836円2021年10月● 第一太陽光発電合同会社同左東京都中央区100.0%(連結)-非公表2023年1月以降順次 ●人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市100.0%(連結)20.836円2023年6月● (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 当社は、2022年4月に四日市ソーラー匿名組合事業の出資持分の一部を譲渡し連結対象及び持分法適用対象外としました。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2024年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FITユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.532円/24円2016年5月 ●苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町53.1%(連結)75.024円/32円2021年6月● 合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市60.0%(連結)74.9524円/32円2023年11月● 徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8%(連結)74.824円/32円2023年12月● 合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市51.0%(連結)74.9524円/32円2024年3月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.バイオマス発電事業の買取価格は、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWh、一般木質等バイオマスが24円/kWhです。4.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。5.徳島津田バイオマス発電所合同会社の配当比率は、70.4%です。6.合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの配当比率は、62.93%です。 (運転中の陸上風力発電所一覧)(2024年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FITLIEN LAP WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG HUY WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG NGUYEN WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (運転中の地熱発電所一覧)(2024年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FIT株式会社南阿蘇湯の谷地熱同左熊本県阿蘇郡南阿蘇村30.0%(持分法)2.040円2023年3月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、デベロッパーとして、新しい発電所や蓄電所等の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所及び蓄電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な再生可能エネルギー発電所の事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*8)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*9)等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気及び環境価値をオフテイカーに販売し、売電及び環境価値の販売から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関しては、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社又は当社グループのAM事業者が行います。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発・運営スキームの例示) (*8)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*9)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*10))、配当・匿名組合分配益(*11)、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*12))を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化します。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*10)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*11)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。なお、これら「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*12)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「用地開拓」、事業用地の確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、「電力需要家開拓」、「売電先協議」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「用地開拓」から「工事」までにおける、事業設計やエンジニアリング業務、売電先との協議、協力業者や資金調達先の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割) (注) 上記は開発プロセスの代表的な例示であり、国・地域、電源種、各案件の個別要因等によって異なる場合があります。 「用地開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。また、電力需要家の開拓にも取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間にわたる風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*13)を本格的に実施して開発を推進します。なお、Non-FIT発電事業においては売電契約締結に向け、売電先との協議も並行して進めていきます。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2024年3月末時点までに累計約4,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。また、この段階で同時に売電契約の締結も行います。「資金調達」、「売電契約締結」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期にわたり発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期にわたる事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*13)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約を締結した「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。①建設中事業②推進中事業③先行投資事業・ローン契約締結・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域及びその他関係者の同意取得・系統接続の確定・売電契約先の確定・一定の事業性に関する確認・開発に必要な先行投資を開始済み (注)国・地域による規制の相違、電源種による開発プロセスや事業性確保に向けた条件の相違、及び各事業の個別要因等により、事業の分類の判断基準が上記と必ずしも一致しない場合があります。 (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2024年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期FIT制度Non-FIT合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市38.0%(持分法)75.024円/32円2019年11月● 合同会社唐津バイオマスエナジー同左佐賀県唐津市35.0%(持分法)49.924円2021年8月● KIANGAN MINI HYDRO CORPORATION同左フィリピンイフガオ州40.0%(持分法)8.35.87 PHP2021年4月● 苓北風力合同会社同左熊本県天草郡苓北町38.0%(持分法)54.621円2023年3月● 福島復興風力合同会社同左福島県田村市他10%未満約14722円2022年4月● 姫路蓄電池匿名組合事業合同会社姫路蓄電所兵庫県姫路市22.0%(持分法)15.0市場価格2023年8月 ● (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3.バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。4.当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2024年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2024年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5. 当社は唐津バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2024年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率16.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%となります。なお、当発電所の竣工は2024年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。 6.フィリピン共和国イフガオ省キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。7.上記6事業のうち、「共同推進」事業であるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATION、福島復興風力合同会社及び姫路蓄電池匿名組合事業における事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ③先行投資事業)(2024年3月31日時点)地域/電源出力(MW)買取価格(1kWhあたり)(税別)環境アセスメント事業推進形態(当社主導/共同推進)北海道函館市(地熱)未定-方法書完了当社主導千葉県いすみ市(洋上風力)約[350-450]-配慮書完了当社主導佐賀県唐津市(洋上風力)未定-配慮書完了当社主導 (注)1.先行投資事業の一覧表は、2024年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。 2.地熱発電に関しては、地熱資源調査を実施しており、JOGMEC(独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構)による地熱資源開発調査事業に採択されています。 この他、当社は太陽光発電、バイオマス発電、陸上・洋上風力発電、地熱発電、水力発電及び蓄電所等の種別毎に専属チームを組織し、国内外で複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図)
FY2023|13,754 文字|出典 docID: S100QZ6W
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社14社、持分法適用会社4社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2021年に314GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2022 Global Status Report」)。また、ロシア・ウクライナ危機を受けたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。さらに、足もと、アジアの各国においては、将来の再生可能エネルギーの供給割合として掲げていた政府目標をさらに引き上げるなど、脱炭素化に向けた動きが活発化しています。このような中で、国内の再生可能エネルギー市場においては、2020年12月に経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、2050年には発電量の50~60%を再生可能エネルギーで賄うことを参考値として示しました。さらに、2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」における2030年度の電源構成は、「第5次エネルギー基本計画」では24~26%であった総発電電力量に占める再生可能エネルギー電源の比率が、野心的目標として36%~38%程度に大幅に引き上げられました。日本政府は、国内における再生可能エネルギー導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT制度)(*1)を導入しています。また、価格や需給を意識した効率的な発電や売電を促し、再生可能エネルギー由来の電気が適切に市場で取引できる環境を整えることを目的として、2022年4月からFeed in Premium制度(FIP制度)(*2)を導入しました。当該制度は、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格をふまえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。さらに、内閣官房GX実行会議が2022年12月22日に策定した「GX実現に向けた基本方針(案)」においては、再生可能エネルギーの主力電源化やGX投資先行インセンティブに向けた炭素排出に値付けをするカーボンプライシングの本格導入に向けた検討を進める方針が示されています。加えて、電力需要家による再生可能エネルギー電力の調達ニーズも高まっています。自社の事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100(*3)に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*4)の実例も増加しています。今後も、再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー市場は、より一層拡大していく見通しです。 (*1)固定価格買取制度(FIT制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づき、買取義務者が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で一定期間買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その買取価格及び買取期間等は経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会や関係省庁の意見に基づき経済産業大臣が決定します。2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、一般送配電事業者は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 (*2)Feed in Premium制度(FIP制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格を踏まえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしています。 (*3)RE100:「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。 (*4)コーポレートPPA: 企業などの電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。 (国内外における再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*5)及びEPC事業者(*6)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*7)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④一般送配電事業者等(*8)のオフテイカー(*9)による電力小売又は電力需要家の各分野に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期にわたる発電及び売電に関与するため、一般的に複数年にわたり安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期にわたる発電所の所有、当該発電所による売電と環境価値の販売(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。 (*5)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。 (*6)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。 (*7)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。 (*8)一般送配電事業者等電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (*9)オフテイカー事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業2023年3月末現在、「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有・運営する再生可能エネルギー発電所が発電した電力及び当該電力由来の環境価値を、FIT制度、FIP制度、又は売電契約に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期にわたり所有し、当該発電所が発電した電力や当該電力由来の環境価値の販売収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT制度や売電契約に則った売電については、制度や契約等に基づき所定の買取期間にわたり売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。2023年3月末現在、当社グループは、太陽光発電に関しては連結子会社12社、バイオマス発電に関しては連結子会社2社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の太陽光発電所一覧)(2023年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FIT株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月● 株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月● 株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月● 株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月● 九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月● 那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月● 大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月● 四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市20.0%21.636円2019年3月● 那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月● 軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)48.036円2019年7月● 軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)80.836円2019年12月● 軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町55.0%(連結)40.836円2021年10月● 第一太陽光発電合同会社同左東京都中央区100.0%(連結)-非公表2023年1月以降順次 ● (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 当社は、2022年4月に四日市ソーラー匿名組合事業の出資持分の一部を譲渡し連結対象及び持分法適用対象外としました。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2023年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FITユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.532円/24円2016年5月● 苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町53.1%(連結)75.024円/32円2021年6月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.バイオマス発電事業の買取価格は、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWh、一般木質等バイオマスが24円/kWhです。4.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (運転中の陸上風力発電所一覧)(2023年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FITLIEN LAP WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG HUY WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● PHONG NGUYEN WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (運転中の地熱発電所一覧)(2023年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期FIT制度Non-FIT株式会社南阿蘇湯の谷地熱同左熊本県阿蘇郡南阿蘇村30.0%(持分法)2.040円2023年3月● (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*10)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*11)等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気及び環境価値をオフテイカーに販売し、売電及び環境価値の販売から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関しては、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社又は当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*10)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*11)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*12))、配当・匿名組合分配益(*13)、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*14))を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化します。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*12)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*13)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されます。なお、これら「再生可能エネルギー開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*14)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「用地開拓」、事業用地の確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、「電力需要家開拓」、「売電先協議」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「用地開拓」から「工事」までにおける、事業設計やエンジニアリング業務、売電先との協議、協力業者や資金調達先の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの代表的な例示であり、国・地域、電源種、各案件の個別要因等によって異なる場合があります。 「用地開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。また、電力需要家の開拓にも取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間にわたる風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*15)を本格的に実施して開発を推進します。なお、Non-FIT発電事業においては売電契約締結に向け、売電先との協議も並行して進めていきます。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2023年3月末時点までに累計約4,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。また、この段階で同時に売電契約の締結も行います。「資金調達」、「売電契約締結」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期にわたり発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期にわたる事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*15)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約を締結した「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。①建設中事業②推進中事業③先行投資事業・ローン契約締結・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域及びその他関係者の同意取得・系統接続の確定・売電契約先の確定・一定の事業性に関する確認・開発に必要な先行投資を開始済み (注)国・地域による規制の相違、電源種による開発プロセスや事業性確保に向けた条件の相違、及び各事業の個別要因等により、事業の分類の判断基準が上記と必ずしも一致しない場合があります。 (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2023年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期FIT制度Non-FIT人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市38.0%(連結)20.836円2019年11月● 徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8%(連結)74.824円/32円2019年2月● 合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市38.0%(持分法)75.024円/32円2019年11月● 合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市38.0%(持分法)75.024円/32円2020年3月● 出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期FIT制度Non-FIT合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市29.0%(持分法)75.024円/32円2020年8月● 合同会社唐津バイオマスエナジー同左佐賀県唐津市35.0%(持分法)49.924円2021年8月● KIANGAN MINI HYDRO CORPORATION同左フィリピンイフガオ州40.0%(持分法)17.45.87 PHP2021年4月● 苓北風力合同会社同左熊本県天草郡苓北町38.0%(持分法)54.621円2023年3月● 福島復興風力合同会社同左福島県田村市他10%未満約14722円2022年4月● (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3.バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。4.当社は人吉ソーラー匿名組合事業に関して、2023年5月31日に「匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき、共同スポンサーが保有する匿名組合出資持分を買い増す権利を行使し、当社の出資比率は100%となりました。5. 当社は徳島津田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当発電所の竣工は2023年8月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。6.当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2023年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7.当社は石巻ひばり野バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2023年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率13.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%(配当比率は62.9%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年8月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8.当社は仙台蒲生バイオマス事業(合同会社杜の都バイオマスエナジー)に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2023年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率31.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は60.0%となります。なお、当発電所の竣工は2023年11月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。9. 当社は唐津バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2023年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率16.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%となります。なお、当発電所の竣工は2024年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。10.フィリピン共和国イフガオ省キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。11.上記9事業のうち、「共同推進」事業であるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATION及び福島復興風力合同会社における事業以外の事業は「当社主導」事業です。 この他、当社は太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電及び水力発電等の電源毎に専属チームを組織し、日本及びアジアで電源毎に複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図)
FY2022|14,695 文字|出典 docID: S100O9MP
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社14社、持分法適用会社3社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2020年に250GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2021 Global Status Report」)。また、2021年10月にはCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会合)が開催され、世界的な温室効果ガスの排出量削減に向けた取り組みの実効性が一層高まりました。アジアの各国においても、今後の再生可能エネルギーの供給割合として掲げていた目標を更に引き上げる等、脱炭素化に向けた動きが活発化しています。このような世界的なエネルギー政策の潮流の中で、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT制度)(*1)を導入しています。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されており、固定価格買取制度の下で急速に市場は拡大しています。 (*1)固定価格買取制度(FIT制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づき、買取義務者が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で一定期間買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その買取価格及び買取期間等は経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会や関係省庁の意見に基づき経済産業大臣が決定します。2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、一般送配電事業者は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 経済産業省は2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表し、2050年には発電量の50~60%を再生可能エネルギーで賄うことを参考値として示しました。そして、日本政府は2021年4月、米国主催の気候変動サミットにおいて、2050年にカーボンニュートラルゼロを実現するために、2030年時点のCO2削減目標を46%とする新目標を公表しました。その上で、2021年10月に「第6次エネルギー基本計画」を閣議決定し、「第5次エネルギー基本計画」では24~26%であった総発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率について、2030年度までに36%~38%程度に高めることを目標として掲げました。このように再生可能エネルギーの更なる普及に向け政府の支援姿勢は継続しており、今後も再生可能エネルギー市場はより一層拡大していくことが期待されます。 出典:第6次エネルギー基本計画を元に当社作成 なお、日本政府は価格や需給を意識した効率的な発電や売電を促し、再生可能エネルギー由来の電気が適切に市場で取引できる環境を整えることを目的として、2022年4月からFeed in Premium制度(FIP制度)(*2)を導入しました。当該制度は、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格をふまえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。FIT・FIP制度に基づく再生可能エネルギーの入札の対象イメージは、以下の通りです。(*2)Feed in Premium制度(FIP制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格を踏まえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしています。 (FIT制度/FIP制度・入札の対象イメージ)(2022年4月30日現在) 出典:経済産業省ウェブサイトを元に当社作成(注)1.kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。2.表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味します。3.バイオマスの区分は下記のとおりです。一般木質等:製材端材、輸入材、パーム椰子殻等間伐材等由来:国内発生の未利用間伐・主伐材等 (国内外における再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*3)及びEPC事業者(*4)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*5)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④一般送配電事業者等(*6)による電力小売の各事業に大別されます。(海外における発電事業者の売電先は、電力会社のみならず、電力の需要家をオフテイカー(*7)として直接売電契約を締結する場合もあります。)上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*3)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*4)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*5)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*6)一般送配電事業者等電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。(*7)オフテイカープロジェクトファイナンスにおいて、事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業2022年3月末現在、「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、国内においてはFIT制度に則り、一般送配電事業者等のオフテイカーに販売する事業です。海外においては、各国のFIT制度又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT制度又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社12社、バイオマス発電に関しては連結子会社2社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社にて発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要及び売電契約先の状況は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2022年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月東京電力パワーグリッド株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月東京電力パワーグリッド株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月中部電力パワーグリッド株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月中部電力パワーグリッド株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月九州電力送配電株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月東京電力パワーグリッド株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月九州電力送配電株式会社四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市100.0%(連結)21.636円2019年3月中部電力パワーグリッド株式会社那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月東京電力パワーグリッド株式会社軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)48.036円2019年7月東北電力ネットワーク株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)80.836円2019年12月東北電力ネットワーク株式会社軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町55.0%(連結)40.836円2021年10月東北電力ネットワーク株式会社 (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 当社は、2022年4月22日付で、当社の連結子会社である四日市ソーラー匿名組合事業の匿名組合出資持分の80%を譲渡いたしました。譲渡後の当社の保有匿名組合員持分は20%となり、四日市ソーラー匿名組合事業は、当社の連結対象及び持分法適用対象から外れます。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2022年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.532円/24円2016年5月東北電力ネットワーク株式会社苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町53.1%(連結)75.024円/32円2021年6月九州電力送配電株式会社 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (運転中の陸上風力発電所一覧)(2022年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先LIEN LAP WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月VIETNAMELECTRICITYPHONG HUY WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月VIETNAMELECTRICITYPHONG NGUYEN WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2021年10月VIETNAMELECTRICITY (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*8)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*9)等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を一般送配電事業者等のオフテイカーに売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社または当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*8)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*9)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*10))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*11))及び配当・匿名組合分配益(*12)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化します。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*10)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。(*11)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。(*12)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益、匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「開拓」、事業用地の確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける事業設計、エンジニアリング、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、事業によって異なります。また、事業によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*13)を本格的に実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2022年3月末時点までに累計約4,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。(*13)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①最終投資意思決定のうえファイナンス関連契約又はプロジェクト関連契約が締結され、EPC契約書上で工事の着手日を迎えている「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③資源量の賦存ポテンシャルが一定程度評価されており、かつ環境アセスメントや許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項が明確化され、対応に着手済みである「アセス中事業」、④当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③アセス中事業及び④先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 ①建設中事業②推進中事業③アセス中事業④先行投資事業太陽光・最終投資意思決定済み・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント実施 (必要のある場合)・事業認定取得済み (国内の場合)・資源量の一定のポテンシャルを評価済み・環境アセスメント、許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項に着手済み・事業性に関する一定の社内確認済み・開発に必要な先行投資を開始済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性確認済み風力・風況観測による資源量確認済み地熱・地表調査及び掘削調査による資源量確認済み水力・流域調査による資源量調査済み (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2022年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市38.0%(連結)20.836円2019年11月九州電力送配電株式会社徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8%(連結)74.824円/32円2019年2月四国電力株式会社合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市38.0%(持分法)75.024円/32円2019年11月中部電力パワーグリッド株式会社合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市38.0%(持分法)75.024円/32円2020年3月東北電力ネットワーク株式会社合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市29.0%(持分法)75.024円/32円2020年8月東北電力ネットワーク株式会社合同会社唐津バイオマスエナジー同左佐賀県唐津市35.0%(持分法)49.924円2021年8月九州電力送配電株式会社株式会社南阿蘇湯の谷地熱同左熊本県阿蘇郡南阿蘇村30.0%(持分法)2.040円2021年6月九州電力株式会社KIANGAN MINI HYDRO CORPORATION同左フィリピンイフガオ州40.0%(持分法)17.45.87 PHP2021年4月- (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3.当社は人吉ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2022年3月31日現在において、「匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき、発電所竣工後、共同スポンサーが保有する匿名組合出資持分を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は100%となります。なお、当発電所の竣工は2023年6月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。4. バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。5. 当社は徳島津田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当発電所の竣工は2023年3月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。6.当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2022年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7.当社は石巻ひばり野バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2022年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率13.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%(配当比率は62.9%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年5月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8.当社は仙台蒲生バイオマス事業(合同会社杜の都バイオマスエナジー)に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2022年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率31.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は60.0%となります。なお、当発電所の竣工は2023年11月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。9. 当社は唐津バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2022年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率16.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%となります。なお、当発電所の竣工は2024年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。10.当社は南阿蘇湯の谷地熱発電事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当発電所の竣工は2022年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。 11.フィリピン共和国イフガオ省キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。12.上記8事業のうち、「共同推進」事業である株式会社南阿蘇湯の谷地熱及びKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONにおける事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2022年3月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)熊本県天草郡苓北町(陸上風力)54.621円評価書の確定当社主導福島県阿武隈(陸上風力)約14722円必要あり共同推進 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 福島県阿武隈の陸上風力については、2022年4月1日に建設工事を開始しました。 (開発中の事業一覧 ④先行投資事業)(2022年3月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)北海道函館市(地熱)未定-方法書準備中当社主導千葉県いすみ市(洋上風力)約[350-450]-配慮書完了当社主導佐賀県唐津市(洋上風力)未定-配慮書完了当社主導 (注) 1.先行投資事業の一覧表は、2022年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。2.地熱発電に関しては、地熱資源調査を実施しており、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による地熱資源開発調査事業に採択されています。 この他、当社は太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電及び水力発電等の電源毎に専属チームを組織し、日本及びアジアで電源毎に複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。(事業の主な系統図)
FY2021|14,888 文字|出典 docID: S100LJD5
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電、水力発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社13社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。2015年末にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において2020年以降の温暖化対策の国際枠組みについて合意(パリ協定)が得られ、脱炭素化に向けたグローバルでの取り組みが加速し、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが加速しています。この潮流を受け、世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2019年に200GWを超えました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2020 Global Status Report」)。このような世界的なエネルギー政策の潮流並びに2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所における事故を経て、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT)(*1)を導入しています。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されています。しかしながら、我が国における総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2018年において18%(水力を除くと10%)と欧州主要国に比して遅れているのが現状です。 (主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(2018年))出典:経済産業省・資源エネルギー庁「日本のエネルギー2020」より当社作成 (*1)固定価格買取制度(FIT):「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。また、2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、旧一般電気事業者(東京電力・北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の総称)は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 日本政府は2021年4月、米国主催の気候変動サミットにおいて、2050年にカーボンニュートラルゼロを実現するために、2030年時点のCO2削減目標を45.9%とする新目標を公表しました。また、日本政府は2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定しており、総発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率について、2030年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げましたが、現在検討が進められている「第6次エネルギー基本計画」においては、2050年までにカーボンニュートラルを実現するために、再生可能エネルギーの比率を最大限引き上げることを重視した検討が行われています。2020年12月に、基本政策分科会において「2050年目標として50-60%を参考値」とする整理がなされ、再生可能エネルギー主力電源化に向けた検討が進捗しています。このように、今後再生可能エネルギー発電市場の更なる拡大が期待されています。 なお、FIT法に基づく再生可能エネルギーの買取価格及び買取期間は、下記表のとおりです。FIT法は、再生可能エネルギーの導入と発電コストの持続的な低減を促し、長期的な目線で再生可能エネルギーを自立した電源とすることを企図した制度です。そのため、固定価格での買取単価は、各再生可能エネルギー電源の導入量又は導入見通し等に鑑み、年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において見直しが行われます。 (買取価格及び買取期間一覧表)(2021年3月31日現在)再生可能エネルギー 発電設備の区分等参入時期別の買取価格(1kWhあたり)(税別)買取 期間電源種類・規模2021年度2022年度2023年度太陽光250kW以上入札制20年間バイオマス間伐材等由来 2,000kW以上32円20年間一般木質等 10,000kW以上入札制20年間風力陸上入札制20年間洋上 (一般海域の着床式)公募・入札制20年間洋上 (浮体式)36円20年間地熱15,000kW以上26円15年間15,000kW未満40円15年間 出典:経済産業省ウェブサイトより抜粋(注)1 kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。2 買取価格は、各年度の期間内にFIT法に基づく要件を満たした再生可能エネルギー発電所の買取期間に亘り適用される、固定の電力買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味します。4 バイオマスの買取価格設定区分は下記のとおりです。間伐材由来:国内発生の未利用間伐・主伐材等一般木質等:製材端材、輸入材、パーム椰子殻等 (国内外における再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*2)及びEPC事業者(*3)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*4)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④一般送配電事業者等(*5)による電力小売の各事業に大別されます。(海外における発電事業者の売電先は、電力会社のみならず、電力の需要家をオフテイカー(*6)として直接売電契約を締結する場合もあります。)上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*2)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*3)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*4)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*5)一般送配電事業者等電気事業法第2条17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。(*6)オフテイカープロジェクトファイナンスにおいて、事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、国内においてはFIT制度に則り、一般送配電事業者等のオフテイカーに販売する事業です。海外においては、各国のFIT制度又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に則り、オフテイカーに販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT制度又は再生可能エネルギー発電所導入促進のための各制度等に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社11社において、バイオマス発電に関しては連結子会社1社において発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2021年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市100.0%(連結)21.636円2019年3月中部電力株式会社那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月東京電力エナジーパートナー株式会社軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)48.036円2019年7月東北電力株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0%(連結)80.836円2019年12月東北電力株式会社 (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2021年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.5間伐材等由来の木質バイオマス32円及び一般木質等バイオマス24円2016年5月東北電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*7)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*8)等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を一般送配電事業者等のオフテイカーに売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、大規模太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社または当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*7)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*8)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*9))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*10))及び配当・匿名組合分配益(*11)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化し、年によっては「再生可能エネルギー開発・運営事業」における他の収益に比べて多額となることがあります。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*9)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。(*10)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。(*11)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益、匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「開拓」、事業用地の確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける事業設計、エンジニアリング、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、事業によって異なります。また、事業によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*12)を本格的に実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2021年3月末時点までに累計約3,800億円のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。(*12)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①最終投資意思決定のうえファイナンス関連契約又はプロジェクト関連契約が締結され、EPC契約書上で工事の着手日を迎えている「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③資源量の賦存ポテンシャルが一定程度評価されており、かつ環境アセスメントや許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項が明確化され、対応に着手済みである「アセス中事業」、④当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③アセス中事業及び④先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 ①建設中事業②推進中事業③アセス中事業④先行投資事業太陽光・最終投資意思決定済み・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント実施 (必要のある場合)・事業認定取得済み (国内の場合)・資源量の一定のポテンシャルを評価済み・環境アセスメント、許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項に着手済み・事業性に関する一定の社内確認済み・開発に必要な先行投資を開始済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性確認済み風力・風況観測による資源量確認済み地熱・地表調査及び掘削調査による資源量確認済み水力・流域調査による資源量調査済み (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2021年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町46.0%(連結)40.836円2018年4月東北電力株式会社人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市38.0%(連結)20.836円2019年11月九州電力株式会社苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町43.1%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2018年6月九州電力株式会社徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8%(連結)74.8一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2019年2月四国電力株式会社合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市38.0%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2019年11月中部電力株式会社合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市38.0%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2020年3月東北電力株式会社合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市29.0%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2020年8月東北電力株式会社Lien LapWind PowerJoint StockCompany同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2020年5月VIETNAM ELECTRICITYPhong HuyWind PowerJoint StockCompany同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2020年5月VIETNAM ELECTRICITYPhong NguyenWind PowerJoint StockCompany同左ベトナムクアンチ省40.0%(持分法)48.08.5cents(US$)2020年5月VIETNAM ELECTRICITY (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3.当社は軽米尊坊ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2021年3月31日現在において、「匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき、発電所竣工後、一部の共同スポンサーが保有する匿名組合出資持分を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は55.0%となります。なお、当発電所の竣工は2021年10月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。4.当社は人吉ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2021年3月31日現在において、「匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき、発電所竣工後、共同スポンサーが保有する匿名組合出資持分を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は100%となります。なお、当発電所の竣工は2023年6月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5. バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。6.当社は苅田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当社は2021年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、諸条件の充足を前提に共同スポンサーの出資持分(出資比率10.0%分)を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2021年6月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7. 当社は徳島津田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当発電所の竣工は2023年3月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8.当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2021年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。9.当社は石巻ひばり野バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2021年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率13.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%(配当比率は62.9%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年5月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。10.当社は仙台蒲生バイオマス事業(合同会社杜の都バイオマスエナジー)に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2021年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率31.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は60.0%となります。なお、当発電所の竣工は2023年11月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。11. ベトナム社会主義共和国クアンチ省における3事業の買取価格は、2021年10月までに運転開始している設備に適用されるFIT単価です。12. 上記10事業のうち、「共同推進」事業であるベトナム社会主義共和国クアンチ省における3事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2021年3月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)熊本県阿蘇郡南阿蘇村(地熱)約240円必要なし共同推進 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている買取価格(消費税抜表示)を示しています。 この他、当社は洋上・陸上風力発電、バイオマス発電及び地熱発電の電源毎に専属チームを組織し、電源毎に複数事業の事業開発を日本全国で進めています。また、海外事業開発の専属チームにより、アジアを中心とした海外事業の開拓及び開発を推進しています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。バイオマス発電に関しては、現在、環境アセスメントの実施が必要な、複数の事業の開発を推進しています。洋上・陸上風力発電に関しては、複数の事業を開発中です。風況観測機器を設置した風速の測定、地盤調査、環境アセスメント等を行っています。地熱発電に関しては、複数の事業の開発を推進しています。一部の事業につきましては、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による助成金を取得しての資源量調査を行なっています。海外事業に関しては、アジアの複数ヶ国において、太陽光、陸上風力、洋上風力事業等の開発を推進しています。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。(事業の主な系統図)
FY2020|13,770 文字|出典 docID: S100IT8W
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社13社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。2015年末にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において2020年以降の温暖化対策の国際枠組みについて合意(パリ協定)が得られ、脱炭素化に向けたグローバルでの取り組みが加速し、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが加速しています。この潮流を受け、世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2018年に過去最多の約181GWを記録しました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2019 Global Status Report」)。このような世界的なエネルギー政策の潮流並びに2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所における事故を経て、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT)(*1)を導入しています。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されています。しかしながら、我が国における総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2017年において16%(水力を除くと8%)と欧州主要国に比して遅れているのが現状です。 (主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(2017年))出典:経済産業省・資源エネルギー庁「日本のエネルギー2019」より当社作成 (*1)固定価格買取制度(FIT):「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。また、2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、旧一般電気事業者(東京電力・北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の総称)は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 日本政府は2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定し、総発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率を2030年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げています。このため、今後再生可能エネルギー発電市場の更なる拡大が期待されています。なお、国内再生可能エネルギー発電市場の成長性は次のように見込まれています。 (国内再生可能エネルギー発電導入量及び政府目標(GW)) 太陽光バイオマス風力地熱2019年3月末50.24.03.70.52030年度政府目標64.06.0~7.310.01.4~1.6成長倍率約1.3倍約1.5~1.8倍約2.7倍約2.7~3.1倍 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「FIT制度の抜本見直しと再生可能エネルギー政策の再構築」 また、FIT法に基づく再生可能エネルギーの買取価格及び買取期間は、下記表のとおりです。FIT法は、再生可能エネルギーの導入と発電コストの持続的な低減を促し、長期的な目線で再生可能エネルギーを自立した電源とすることを企図した制度です。そのため、固定価格での買取単価は、各再生可能エネルギー電源の導入量又は導入見通し等に鑑み、年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において見直しが行われます。 (買取価格及び買取期間の抜粋)再生可能エネルギー 発電設備の区分等参入時期別の買取価格(1kWhあたり)(税別)買取 期間電源種類・規模2019年度2020年度2021年度太陽光250kW以上入札制(2019年度は500kW以上に限定)未定20年間バイオマス間伐材等由来 2,000kW以上32円20年間一般木質等 10,000kW以上入札制未定20年間風力陸上 19円18円未定20年間洋上 (着床式)36円入札制未定20年間洋上 (浮体式)36円未定20年間地熱15,000kW以上26円15年間15,000kW未満40円15年間 出典:経済産業省ウェブサイトより抜粋(注)1 kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。2 買取価格は、各年度の期間内にFIT法に基づく要件を満たした再生可能エネルギー発電所の買取期間に亘り適用される、固定の電力買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味します。4 バイオマスの買取価格設定区分は下記のとおりです。間伐材由来:国内発生の未利用間伐・主伐材等一般木質等:製材端材、輸入材、パーム椰子殻等 (再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*2)及びEPC事業者(*3)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*4)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④小売電気事業者又は一般送配電事業者(*5)等による電力小売の各事業に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*2)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*3)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*4)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*5)小売電気事業者又は一般送配電事業者:電気事業法第2条17項における小売電気事業者又は一般送配電事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、FITに則り小売電気事業者又は一般送配電事業者に販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT法に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社11社において、バイオマス発電に関しては連結子会社1社において発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2020年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市100.0%(連結)21.636円2019年3月(運転中)中部電力株式会社那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0%(連結)19.236円2019年5月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町51.0%(連結)48.036円2019年7月(運転中)東北電力株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町69.3%(連結)80.836円2019年12月(運転中)東北電力株式会社 (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2020年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.5間伐材等由来の木質バイオマス32円及び一般木質等バイオマス24円2016年5月(運転中)東北電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*6)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を小売電気事業者又は一般送配電事業者に売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を原則として持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、大規模太陽光発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*6)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*7))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*8))及び配当・匿名組合分配益(*9)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化し、年によっては「再生可能エネルギー開発・運営事業」における他の収益に比べて多額となることがあります。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*7)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*8)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*9)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社又は合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益、匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「開拓」、土地確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける事業設計、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、事業によって異なります。また、事業によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力及び地熱事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*10)を本格的に実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2020年3月末時点までに累計約3,000億円のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*10)環境アセスメント:1997年6月に制定された環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約が締結され、EPC契約書上で工事の着手日を迎えている「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③資源量の賦存ポテンシャルが一定程度評価されており、かつ環境アセスメントや許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項が明確化され、対応に着手済みである「アセス中事業」、④当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③アセス中事業及び④先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 ①建設中事業②推進中事業③アセス中事業④先行投資事業太陽光・ローン契約 締結済み・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント実施 (必要のある場合)・事業認定取得済み・資源量の一定のポテンシャルを評価済み・環境アセスメント、許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項に着手済み・事業性に関する一定の社内確認済み・開発に必要な先行投資を開始済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性確認済み風力・風況観測による資源量確認済み地熱・地表調査及び掘削調査による資源量確認済み (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2020年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町46.0%(持分法)40.836円2018年4月(建設中)東北電力株式会社人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市38.0%(持分法)20.836円2019年11月(建設中)九州電力株式会社苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町43.1%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2018年6月(建設中)九州電力株式会社徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市38.2%(持分法)74.8一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2019年2月(建設中)四国電力株式会社合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市38.0%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2019年11月(建設中)中部電力株式会社合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市38.0%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2020年3月(建設中)東北電力株式会社 (注) 1 太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。また、バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。3 当社は軽米尊坊ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2020年3月31日現在において、「匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき、発電所竣工後、一部の共同スポンサーが保有するの匿名組合出資持分を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2021年10月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。4 バイオマス発電事業の買取価格は、一般木質等バイオマスが24円/kWh、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWhです。5 当社は苅田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当該事業の株主間契約において、当社は共同スポンサーから株式を買い増す権利を有していません。なお、当発電所の竣工は2021年6月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。6 当社は徳島津田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2020年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率24.7%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は64.4%(出資比率は60.8%、配当比率は70.4%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年3月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7 当社は御前崎港バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2020年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率18.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は56.0%(配当比率は75.0%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8 当社は石巻ひばり野バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2020年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率13.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は51.0%(配当比率は62.9%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年5月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。9 上記6事業のうち、「共同推進」事業である苅田バイオマス事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2020年3月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)宮城県仙台市(バイオマス)75程度一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円必要あり当社主導 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (開発中の事業 ③アセス中事業及び④先行投資事業)(2020年3月31日時点)当社はバイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電の電源毎に専属チームを立ち上げ、電源毎に複数事業の事業開発を日本全国で進めています。また、海外事業開発の専属チームにより、アジアを中心とした海外事業の開拓及び開発を推進しています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。バイオマス発電に関しては、現在、環境アセスメントの実施が必要な、複数の事業の開発を推進しています。洋上・陸上風力発電に関しては、複数の事業を開発中です。風況観測機器を設置した風速の測定、地盤調査、環境アセスメント等を行っています。地熱発電に関しては、複数の事業の開発を推進しています。一部の事業につきましては、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による助成金を取得しての資源量調査を行なっています。海外事業に関しては、アジアの複数ヶ国において、太陽光、陸上風力、洋上風力事業等の開発を推進しています。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。(事業の主な系統図) (注) 2020年3月31日現在において事業を営んでいない関係会社(軽米尊坊ソーラー匿名組合事業、人吉ソーラー匿名組合事業、苅田バイオマスエナジー株式会社、徳島津田バイオマス発電所合同会社、合同会社御前崎港バイオマスエナジー、合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー及び千秋ホールディングス株式会社)は、上記事業系統図には記載していません。
FY2019|13,784 文字|出典 docID: S100G1SO
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営又は管理する連結子会社10社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。2015年末にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において2020年以降の温暖化対策の国際枠組みについて合意(パリ協定)が得られ、脱炭素化に向けたグローバルでの取り組みが加速し、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが加速しています。この潮流を受け、世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2018年に過去最多の約181GWを記録しました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「Renewables 2019 Global Status Report」)。このような世界的なエネルギー政策の潮流並びに2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所における事故を経て、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT)(*1)を導入しています。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されています。しかしながら、我が国における総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2017年において16%(水力を除くと8%)と欧州主要国に比して遅れているのが現状です。 (主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(中国は2016年、その他の国は2017年))出典:経済産業省・資源エネルギー庁「日本のエネルギー2018」より当社作成 (*1)固定価格買取制度(FIT):「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。また、2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、旧一般電気事業者(東京電力・北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の総称)は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 日本政府は2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定し、総発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率を2030年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げています。このため、今後再生可能エネルギー発電市場の更なる拡大が期待されています。なお、国内再生可能エネルギー発電市場の成長性は次のように見込まれています。 (国内再生可能エネルギー発電導入量及び政府目標(GW)) 太陽光バイオマス風力地熱2018年12月末48.63.83.70.52030年度政府目標64.06.0~7.310.01.4~1.6成長倍率約1.3倍約1.6~1.9倍約2.7倍約2.7~3.1倍 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「FIT制度の抜本見直しと再生可能エネルギー政策の再構築」 また、FIT法に基づく再生可能エネルギーの買取価格及び買取期間は、下記表のとおりです。FIT法は、再生可能エネルギーの導入と発電コストの持続的な低減を促し、長期的な目線で再生可能エネルギーを自立した電源とすることを企図した制度です。そのため、固定価格での買取単価は、各再生可能エネルギー電源の導入量又は導入見通し等に鑑み、年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において見直しが行われます。 (買取価格及び買取期間の抜粋)再生可能エネルギー発電設備の区分等参入時期別の買取価格(1kWh当たり)(税別)買取期間電源種類・規模2018年度2019年度2020年度太陽光2,000kW以上入札制-(未定)20年間バイオマス間伐材等由来2,000kW以上32円20年間一般木質等10,000kW以上入札制-(未定)20年間風力陸上 20円19円18円20年間洋上(着床式)36円(一般海域の利用ルール整備に合わせて、ルールの適用される事業は入札制に移行)-(未定)20年間洋上(浮体式)36円20年間地熱15,000kW以上26円15年間15,000kW未満40円15年間 出典:経済産業省・資源エネルギー庁ウェブサイト(注) 1.kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。kWh(キロ・ワット・アワー)は電力量を示す単位で、GWh(ギガ・ワット・アワー)は千MWh(メガ・ワット・アワー)、百万kWh(キロ・ワット・アワー)又は十億Wh(ワット・アワー)と同じ量を意味します。2.買取価格は、各年度の期間内にFIT法に基づく要件を満たした再生可能エネルギー発電所の買取期間に亘り適用される、固定の電力買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味しています。4.バイオマスの買取価格設定区分は下記のとおりです。 間伐材等由来:国内発生の未利用間伐・主伐材 一般木質等 :製材端材、輸入材、パーム椰子殻、もみ殻、稲わら等 (再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*2)及びEPC事業者(*3)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*4)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④小売電気事業者又は一般送配電事業者(*5)等による電力小売の各事業に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*2)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*3)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*4)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*5)小売電気事業者又は一般送配電事業者:電気事業法第2条17項における小売電気事業者又は一般送配電事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、FITに則り小売電気事業者又は一般送配電事業者に販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT法に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社8社において、バイオマス発電に関しては連結子会社1社において発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2019年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市100.0%(連結)21.636円2019年3月(運転中)中部電力株式会社 (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2019年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.5間伐材等由来の木質バイオマス32円及び一般木質等バイオマス24円2016年5月(運転中)東北電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」といいます。)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」といいます。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*6)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を小売電気事業者又は一般送配電事業者に売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を原則として持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、大規模太陽光発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*6)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*7))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*8))及び配当・匿名組合分配益(*9)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化し、年によっては「再生可能エネルギー開発・運営事業」における他の収益に比べて多額となることがあります。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*7)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*8)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*9)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映された株式会社SPCからの配当金及び匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「開拓」、土地確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける事業設計、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、事業によって異なります。また、事業によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力及び地熱事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況ポールを設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*10)を本格的に実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2019年3月末時点までに累計約2,200億円のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*10)環境アセスメント:1997年6月に制定された環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約が締結され、EPC契約書上で工事の着手日を迎えている「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③資源量の賦存ポテンシャルが一定程度評価されており、かつ環境アセスメントや許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項が明確化され、対応に着手済みである「アセス中事業」、④当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③アセス中事業及び④先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 ①建設中事業②推進中事業③アセス中事業④先行投資事業太陽光・ローン契約 締結済み・EPC契約に基づく工事着手日到来・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント実施 (必要のある場合)・事業認定取得済み・資源量の一定のポテンシャルを評価済み・環境アセスメント、許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項に着手済み・事業性に関する 一定の社内確認 済み・開発に必要な先行投資を開始済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性確認済み風力・風況観測による資源量確認済み地熱・地表調査及び掘削調査による資源量確認済み (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2019年3月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.0%(持分法)48.036円2016年3月(建設中)東北電力株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.5%(持分法)80.836円2016年12月(建設中)東北電力株式会社那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市38.0%(持分法)19.236円2018年1月(建設中)東京電力エナジーパートナー株式会社軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町46.0%(持分法)40.836円2018年4月(建設中)東北電力株式会社苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町43.1%(持分法)75.0一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2018年6月(建設中)九州電力株式会社徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市38.2%(持分法)74.8一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円2019年2月(建設中)四国電力株式会社 (注) 1.太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.建設着手時期は、EPC契約書上の工事の着手日を基準に記載しています。4.当社は軽米西ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2019年3月31日現在において、「合同会社軽米西ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、当発電所の竣工から2年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5.当社は軽米東ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2019年3月31日現在において、「合同会社軽米東ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(61.5%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、竣工から1年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。6.当社は那須烏山ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2019年3月31日現在において、「合同会社那須烏山ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、当発電所の竣工から1年間の期間を必要とします。なお、当発電所は2019年5月1日付で運転開始しました。7.当社は軽米尊坊ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2019年3月31日現在において、「合同会社軽米尊坊ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの匿名組合出資持分(9.0%)を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2021年10月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8.当社は苅田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。なお、当該事業の株主間契約において、当社は共同スポンサーから株式を買い増す権利を有していません。9.当社は徳島津田バイオマス事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2019年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの出資持分(出資比率24.7%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は64.4%(出資比率は60.8%、配当比率は70.4%)となります。なお、当発電所の竣工は2023年3月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。10.上記6事業のうち、「共同推進」事業である苅田バイオマス事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2019年3月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)静岡県御前崎市(バイオマス)75程度一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円必要あり当社主導熊本県人吉市(太陽光)21程度36円必要なし当社主導 (注) 1.バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (開発中の事業 ③アセス中事業及び④先行投資事業)(2019年3月31日時点)当社は大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電の電源毎に専属チームを立ち上げ、電源毎に複数事業の事業開発を日本全国で進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。大規模太陽光発電に関しては、事業認定取得済みの事業の開発を進めています。バイオマス発電に関しては、現在、環境アセスメントの実施が必要な、複数の事業の開発を推進しています。洋上・陸上風力発電に関しては、複数の事業を開発中です。風況ポールを設置した風速の測定、地盤調査、環境アセスメント等を行っています。地熱発電に関しては、複数の事業の開発を推進しています。一部の事業につきましては、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による助成金を取得しての資源量調査を行なっています。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図) (注) 2019年3月31日現在において事業を営んでいない関係会社(軽米西ソーラー匿名組合事業、軽米東ソーラー匿名組合事業、那須烏山ソーラー匿名組合事業、軽米尊坊ソーラー匿名組合事業、苅田バイオマスエナジー株式会社、徳島津田バイオマス発電所合同会社及び千秋ホールディングス株式会社)は、上記事業系統図には記載していません。
FY2018|14,066 文字|出典 docID: S100DZXB
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営する連結子会社8社を中心に構成されています。なお、当社グループの連結財務諸表の注記事項に掲げるセグメント情報においては、「再生可能エネルギー発電事業」、「再生可能エネルギー開発・運営事業」及び「プラスチックリサイクル事業」の3つの報告セグメントに区分されていました。当社グループは、今後市場成長が期待され、かつ社会的意義の大きい再生可能エネルギー分野へ経営資源を集中させるべく、2017年5月期第1四半期に、「プラスチックリサイクル事業」を担う当社連結子会社の全株式の譲渡を実施しました。本書提出日現在において当社グループは「プラスチックリサイクル事業」を行っていません。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。2015年末にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において2020年以降の温暖化対策の国際枠組みについて合意(パリ協定)が得られ、脱炭素化に向けたグローバルでの取り組みが加速し、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが加速しています。この潮流を受け、世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2017年に過去最多の約178GWを記録しました(出典:Renewable Energy Policy Network for the 21st Century(本部:パリ)「The Renewables 2018 Global Status Report」)。このような世界的なエネルギー政策の潮流並びに2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所における事故を経て、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、2012年より固定価格買取制度(FIT)(*1)を導入しています。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されています。しかしながら、我が国における総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2015年において16%(水力を除くと8%)と欧州主要国に比して遅れているのが現状です。 (主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(2015年))出典:経済産業省・資源エネルギー庁「平成29年度エネルギーに関する年次報告」(IEA「World Energy Balances 2017 Edition」を基に作成)より当社作成 (*1)固定価格買取制度(FIT):「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。また、2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、旧一般電気事業者(東京電力・北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の総称)は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 なお、日本政府は2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定し、総発電電力量に占める再生可能エネルギーの比率を2030年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げています。このため、今後再生可能エネルギー発電市場の更なる拡大が期待されています。なお、国内再生可能エネルギー発電市場の成長性は次のように見込まれています。 (国内再生可能エネルギー発電導入量及び政府目標(GW)) 太陽光バイオマス風力地熱2016年12月末37.63.13.20.52030年度政府目標64.06.0~7.310.01.4~1.6成長倍率約1.7倍約1.9~2.4倍約3.1倍約2.8~3.2倍 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題について」 また、FIT法に基づく再生可能エネルギーの買取価格及び買取期間は、下記表のとおりです。FIT法は、再生可能エネルギーの導入と発電コストの持続的な低減を促し、長期的な目線で再生可能エネルギーを自立した電源とすることを企図した制度です。そのため、固定価格での買取単価は、各再生可能エネルギー電源の導入量又は導入見通し等に鑑み、年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において見直しが行われます。 (買取価格及び買取期間の抜粋)再生可能エネルギー発電設備の区分等参入時期別の買取価格(1kWh当たり)(税別)買取期間電源種類・規模2017年度2018年度2019年度2020年度太陽光2,000kW以上入札制20年間バイオマス間伐材等由来2,000kW以上32円20年間一般木質等10,000kW以上20,000kW以上は21円(2017年9月末まで24円)入札制に移行20年間風力陸上20kW以上21円(2017年9月末まで22円)20円19円18円20年間洋上(着床式)36円(一般海域の利用ルール整備に合わせて、ルールの適用される事業は入札制に移行)20年間洋上(浮体式)36円20年間地熱15,000kW以上26円15年間15,000kW未満40円15年間 出典:経済産業省・資源エネルギー庁ウェブサイト(注) 1 kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。kWh(キロ・ワット・アワー)は電力量を示す単位で、GWh(ギガ・ワット・アワー)は千MWh(メガ・ワット・アワー)、百万kWh(キロ・ワット・アワー)又は十億Wh(ワット・アワー)と同じ量を意味します。2 買取価格は、各年度の期間内にFIT法に基づく要件を満たした再生可能エネルギー発電所の買取期間に亘り適用される、固定の電力買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味しています。4 バイオマスの買取価格設定区分は下記のとおりです。 間伐材等由来:国内発生の未利用間伐・主伐材 一般木質等 :製材端材、輸入材、パーム椰子殻、もみ殻、稲わら等 (再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*2)及びEPC事業者(*3)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*4)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④小売電気事業者又は一般送配電事業者(*5)等による電力小売の各事業に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*2)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*3)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*4)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*5)小売電気事業者又は一般送配電事業者:電気事業法第2条17項における小売電気事業者又は一般送配電事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、FITに則り小売電気事業者又は一般送配電事業者に販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT法に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社7社において、バイオマス発電に関しては連結子会社1社において発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2018年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)26.240円2015年9月(運転中)東京電力エナジーパートナー株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1 出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2018年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2%(連結)20.5間伐材等由来の木質バイオマス32円及び一般木質等バイオマス24円2016年5月(運転中)東北電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1 出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 第1四半期連結会計期間において、ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(URE)の持株会社である千秋ホールディングス株式会社(千秋HD)を新たに設立し、連結子会社としています。これに伴い、第1四半期連結会計期間において、UREに対する議決権比率が増加し、当社グループが同社の議決権の過半数を保有することとなったため、同社を持分法適用関連会社から連結子会社としています。なお、当社の千秋HDに対する持株比率(51%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*6)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を小売電気事業者又は一般送配電事業者に売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を原則として持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、大規模太陽光発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*6)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPCから支払われる報酬(事業開発報酬(*7))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*8))及び配当・匿名組合分配益(*9)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化し、年によっては「再生可能エネルギー開発・運営事業」における他の収益に比べて多額となることがあります。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*7)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する事業開発報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*8)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*9)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映された株式会社SPCからの配当金及び匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、新たな発電事業候補の「開拓」、土地確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける事業設計、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、事業によって異なります。また、事業によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は創業以来取り組んできた1,000件以上に及ぶ環境・エネルギー分野における調査・コンサルティングの実績や、当社既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力及び地熱事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況ポールを設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*10)を本格的に実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2018年7月末時点までに累計約1,700億円のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*10)環境アセスメント:1997年6月に制定された環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約が締結され発電所工事に着手済みの「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③資源量の賦存ポテンシャルが一定程度評価されており、かつ環境アセスメントや許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項が明確化され、対応に着手済みである「アセス中事業」、④当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③アセス中事業及び④先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 ①建設中事業②推進中事業③アセス中事業④先行投資事業太陽光・ローン契約 締結済み・工事着手 済み・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント実施 (必要のある場合)・事業認定取得済み・資源量の一定のポテンシャルを評価済み・環境アセスメント、許認可取得手続き、設備設計等、事業化に必要な主要な事項に着手済み・事業性に関する 一定の社内確認 済み・開発に必要な先行投資を開始済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性確認済み風力・風況観測による資源量確認済み地熱・地表調査及び掘削調査による資源量確認済み (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2018年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.0%(持分法)48.036円2016年3月(建設中)東北電力株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.5%(持分法)80.836円2016年12月(建設中)東北電力株式会社四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市38.0%(持分法)21.636円2017年9月(建設中)中部電力株式会社那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市38.0%(持分法)19.236円2018年1月(建設中)東京電力エナジーパートナー株式会社軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町46.0%(持分法)40.836円2018年4月(建設中)東北電力株式会社 (注) 1 いずれも電源種類は太陽光であり、出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 当社は軽米西ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2018年5月31日現在において、「合同会社軽米西ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、当発電所の竣工から2年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。4 当社は軽米東ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2018年5月31日現在において、「合同会社軽米東ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(61.5%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、竣工から1年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5 当社は四日市ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2018年5月31日現在において、「合同会社四日市ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、当発電所の竣工から1年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年3月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。6 当社は那須烏山ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2018年5月31日現在において、「合同会社那須烏山ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。また、全ての権利を行使するには、当発電所の竣工から1年間の期間を必要とします。なお、当発電所の竣工は2019年5月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7 当社は軽米尊坊ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2018年5月31日現在において、「合同会社軽米尊坊ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後、共同スポンサーの匿名組合出資持分(9.0%)を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2021年10月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。8 上記5事業はいずれも「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2018年5月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント事業形態(当社主導/共同推進)福岡県京都郡苅田町(バイオマス)75程度一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円必要なし共同推進徳島県徳島市(バイオマス)75程度一般木質等バイオマス24円及び間伐材等由来の木質バイオマス32円必要なし当社主導 (注) 1 バイオマスの出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 福岡県京都郡苅田町におけるバイオマス発電事業については、2018年6月に主要な融資関連契約等を締結し、着工しています。当該事業における、当社の議決権所有割合は43.1%、売電契約先は九州電力です。なお、当該事業の株主間契約において、当社は共同スポンサーから株式を買い増す権利を有していません。そのため、当社は株主間契約に則った持分の買い増しを行うことはできません。 (開発中の事業 ③アセス中事業及び④先行投資事業)(2018年5月31日時点)当社は大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電の電源毎に専属チームを立ち上げ、電源毎に複数事業の事業開発を日本全国で進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。大規模太陽光発電に関しては、事業認定取得済みの事業の開発を進めています。バイオマス発電に関しては、現在、環境アセスメントの実施が必要な、複数の事業の開発を推進しています。洋上・陸上風力発電に関しては、複数の事業を開発中です。風況ポールを設置した風速の測定、地盤調査、環境アセスメント等を行っています。地熱発電に関しては、複数の事業の開発を推進しています。一部の事業につきましては、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による助成金を取得しての資源量調査を行なっています。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図) (注) 2018年5月31日現在において事業を営んでいない関係会社(軽米西ソーラー匿名組合事業、軽米東ソーラー匿名組合事業、四日市ソーラー匿名組合事業、那須烏山ソーラー匿名組合事業、軽米尊坊ソーラー匿名組合事業及び千秋ホールディングス株式会社等)は、上記事業系統図には記載していません。
FY2017|12,130 文字|出典 docID: S100B0DJ
3 【事業の内容】当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等の複数種類電源(マルチ電源)の発電所を開発し、所有・運営することを事業の目的としています。当社グループは、(Ⅰ)長期に亘る再生可能エネルギー発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電事業を運営する連結子会社7社及び関連会社1社を中心に構成されています。なお、当社グループの連結財務諸表の注記事項に掲げるセグメント情報においては、「再生可能エネルギー発電事業」、「再生可能エネルギー開発・運営事業」及び「プラスチックリサイクル事業」の3つの報告セグメントに区分されていました。当社グループは、今後市場成長が期待され、かつ社会的意義の大きい再生可能エネルギー分野へ経営資源を集中させるべく、2017年5月期第1四半期に、「プラスチックリサイクル事業」を担う当社連結子会社の全株式の譲渡を実施しました。本書提出日現在において当社グループは「プラスチックリサイクル事業」を行っていません。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) 概要当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電、地熱発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。 (再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流です。世界各国は再生可能エネルギーの導入に係る取り組みを推進しており、世界の再生可能エネルギー発電設備の新規導入容量は2016年に過去最多の約161GWを記録しました(出典:REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century 本部:フランス・パリ)「The Renewables 2017 Global Status Report」)。また、2015年末にはCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において2020年以降の温暖化対策の国際枠組みについて合意が得られたことからも、グローバルで更なる再生可能エネルギーの導入が期待されます。再生可能エネルギーは、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として近年注目されています。しかしながら、我が国における総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は、2014年において15%(水力を除くと7%)と欧州主要国に比して遅れているのが現状です。 (主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(2014年)) 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「平成28年度エネルギーに関する年次報告」(IEA「World Energy Balances 2016 Edition」を基に作成)より当社作成 このような世界的なエネルギー政策の潮流並びに2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所における事故を経て、日本政府は国内における再生可能エネルギーの導入拡大を目的とし、固定価格買取制度(FIT)(*1)を導入しました。 (*1)固定価格買取制度(FIT):「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT法)に基づき、電気事業者(電気事業法上に定義された、小売電気事業者、一般送配電事業者及び登録特定送配電事業者の総称)が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その販売単価は年度毎に経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会において定められます。電気事業者との受給契約(売電契約)・系統連系契約(電力系統への接続契約)が締結された場合、一定期間(10kW以上太陽光・バイオマス・風力・水力:20年間、地熱:15年間)に亘り設備認定(2017年4月以降は事業計画認定(事業認定))手続き等に基づき適用される固定価格での電力売買が行われます。 FIT法に基づく再生可能エネルギーの買取価格及び買取期間は、下記表のとおりです。 (買取価格及び買取期間の抜粋)再生可能エネルギー発電設備の区分等参入時期別の買取価格(1kWh当たり)(税別)買取期間電源種類・規模2016年度2017年度2018年度2019年度太陽光2,000kW以上24円入札制に移行20年間バイオマス間伐材等由来2,000kW以上32円20年間一般木質等20,000kW以上24円21円(2017年9月末まで24円)20年間風力陸上20kW以上22円21円(2017年9月末まで22円)20円19円20年間洋上20kW以上36円20年間地熱15,000kW以上26円15年間15,000kW未満40円15年間 出典:経済産業省・資源エネルギー庁ウェブサイト(注) 1 kW(キロ・ワット)、MW(メガ・ワット)は電力の大きさを示す単位で、MWは千kW(キロ・ワット)又は百万W(ワット)と同じ大きさを意味します。kWh(キロ・ワット・アワー)は電力量を示す単位で、GWh(ギガ・ワット・アワー)は千MWh(メガ・ワット・アワー)、百万kWh(キロ・ワット・アワー)又は十億Wh(ワット・アワー)と同じ量を意味します。2 買取価格は、各年度の期間内にFIT法に基づく要件を満たした再生可能エネルギー発電所の買取期間に亘り適用される、固定の電力買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 表示年度は各年4月から翌年3月までの期間を意味しています。4 バイオマスの買取価格設定区分は下記のとおりです。 間伐材等由来:国内発生の未利用間伐・主伐材 一般木質等 :製材端材、輸入材、パーム椰子殻、もみ殻、稲わら等 日本政府は2015年7月に「エネルギーミックス」を公表し、現在の再生可能エネルギー発電の比率を2030年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げました。このため、今後再生可能エネルギー発電市場の更なる拡大が期待されています。なお、国内再生可能エネルギー発電市場の成長性は次のように見込まれています。 (国内再生可能エネルギー発電量(GWh/年)) 太陽光バイオマス風力地熱水力発電2013年度実績11,40017,6005,2002,60084,9002030年度政府目標74,90039,400~49,00018,20010,200~10,30093,900~98,100成長倍率約6.6倍約2.2~2.8倍約3.5倍約3.9~4.0倍約1.1~1.2倍 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2015年度版」 (再生可能エネルギー発電業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電業界は、①各種メーカーによる発電設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*2)及びEPC事業者(*3)や施工事業者による発電所の建設、③運転開始済み発電所による発電及び電力卸売、並びにAM事業者やO&M事業者(*4)による当該発電所の運営・管理・保守、そして④小売電気事業者又は一般送配電事業者(*5)による電力小売の各事業に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所の長期に亘る発電及び売電に関与するため、一般的に複数年に亘り安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期に亘る発電所の所有と当該発電所による売電(「再生可能エネルギー発電事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所の開発と運転開始済み発電所の運営管理(「再生可能エネルギー開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。(*2)AM事業者:発電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。(*3)EPC事業者:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。(*4)O&M事業者:発電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。(*5)小売電気事業者又は一般送配電事業者:電気事業法第2条17項における小売電気事業者又は一般送配電事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電事業「再生可能エネルギー発電事業」は、当社の連結子会社及び関連会社が所有する再生可能エネルギー発電所が発電した電力を、FITに則り小売電気事業者又は一般送配電事業者に販売する事業です。当社グループは「再生可能エネルギー開発・運営事業」において開発した発電所を連結子会社又は関連会社として長期に亘り所有し、当該発電所の売電収入を「再生可能エネルギー発電事業」の収益として計上しています。FIT法に基づき所定の買取期間に亘り売電価格が保証されるため、「再生可能エネルギー発電事業」は長期的に安定した収益が見込まれます。現在、当社グループは、大規模太陽光発電に関しては連結子会社7社において、バイオマス発電に関しては関連会社1社において発電・売電を行っています。現在運転中の発電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の大規模太陽光発電所一覧)(2017年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0%(連結)15.340円2014年2月(運転中)東京電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0%(連結)40.440円2014年7月(運転中)東京電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0%(連結)9.440円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0%(連結)7.540円2015年2月(運転中)中部電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0%(連結)25.440円2015年5月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0%(連結)24.840円2015年9月(運転中)東京電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0%(連結)19.036円2016年4月(運転中)九州電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1 出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2017年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)発電開始時期売電契約先ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市30.8%(持分法)20.5間伐材等由来の木質バイオマス32円及び一般木質等バイオマス24円2016年5月(運転中)東北電力株式会社ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 (注) 1 出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 当社は、2017年7月7日付でユナイテッド計画株式会社との共同新設分割により千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」という。)を設立しました。千秋HDは、上記新設分割により、2017年7月7日に当社及びユナイテッド計画株式会社の保有するユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」という。)の全株式及びUREに係る契約上の地位及び権利義務を承継し、千秋HDのUREに対する議決権の所有割合は69.2%となりました。また、当社は、同日に千秋HDの株式1,180株をユナイテッド計画株式会社から追加取得し、当社の千秋HDに対する議決権の所有割合は51.0%となりました。この結果、当社は千秋HD及びUREを連結子会社としています。 (3) 再生可能エネルギー開発・運営事業「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、新しい発電所の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所は前述の「再生可能エネルギー発電事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「再生可能エネルギー開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*6)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設します。再生可能エネルギー発電所の運転開始後、SPCは発電した電気を小売電気事業者又は一般送配電事業者に売電し、売電から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を原則として持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所の運転開始後の売電による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関して、大規模太陽光発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社グループのAM事業者が行います。 (事業開発・運営スキームの例示) (*6)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所毎に共同事業者が異なること、またプロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所を立ち上げる毎にSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 「再生可能エネルギー開発・運営事業」は、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所の開発成功時に発電所を所有するSPCから支払われる報酬(事業開発報酬(*7))、発電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*8))及び配当・匿名組合分配益(*9)を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所の開発状況により変化し、年によっては「再生可能エネルギー開発・運営事業」における他の収益に比べて多額となることがあります。そのため「再生可能エネルギー開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*7)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所に係る土地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する事業開発報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*8)運営管理報酬:発電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等の業務に代表され、発電所の建設期間及び売電期間に亘り支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されています。(*9)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが株式会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、これはセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「再生可能エネルギー開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。なお、これらセグメント利益に反映された株式会社SPCからの配当金及び匿名組合SPCからの分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所の事業開発から運転までの流れは、案件候補の「開拓」、土地確保・発電所の設計・許認可取得等の「開発」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所開発の一連のプロセスにおいて「開拓」から「工事」までにおける案件設計、協力業者や資金調達元の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所の事業開発における一般的なプロセス) (注) 上記は開発プロセスの例示であり、案件によって異なります。また、案件によっては「②開発」における一部のプロセスが「③資金調達」における融資実行の前提条件となる場合もあります。 「開拓」段階において、当社は案件候補の事業性評価を行い、有望案件を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は創業以来取り組んできた1,000件以上に及ぶ環境・エネルギー分野における調査・コンサルティングの実績や、環境関連の人的・情報ネットワークを活用して新規案件開拓に取り組んでいます。一定の事業性が認められた案件については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力及び地熱案件においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力案件においては、風況ポールを設置して一定期間に亘る風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱案件においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*10)を実施して開発を推進します。当社は再生可能エネルギー発電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、案件毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業は、発電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の一つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー事業において2017年5月期末時点までに累計94,310百万円のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結に伴い発生します。「資金調達」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模の案件を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期に亘り発電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期に亘る事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる案件開拓に繋げていきます。 (*10)環境アセスメント:1997年6月に制定された環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (開発中の案件)当社グループの開発中の案件に係る進捗評価基準は次のとおりです。案件の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約が締結され発電所工事に着手済みの「建設中案件」、②開発が一定程度進捗している「推進中案件」及び③当社の経営会議にて一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「初期検討案件」と分類しています。案件開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中案件が最も高く、②推進中案件は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③初期検討案件は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。なお、開発中の案件は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」案件と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」案件に分類しています。 ①建設中案件②推進中案件③初期検討案件太陽光・ローン契約 締結済み・工事着手 済み・主要な地権者・地域 及びその他関係者の 同意取得済み・環境アセスメント 開始済み (必要のある場合)・設備認定取得済み・事業性に関する 一定の社内確認 済みバイオマス・燃料調達等の実現可能性 確認済み風力・風況観測による資源量の 確認済み地熱・地表調査及び掘削調査に よる資源量確認済み (開発中の案件一覧 ①建設中案件)(2017年5月31日時点)出資先名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)出力(MW)買取価格(1kWh当たり)建設着手時期売電契約先軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.0%(持分法)48.036円2016年3月(建設中)東北電力株式会社軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町38.5%(持分法)80.836円2016年12月(建設中)東北電力株式会社 (注) 1 いずれも電源種類は太陽光であり、出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3 当社は軽米西ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2017年5月31日現在において、「合同会社軽米西ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後2年間に亘り段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(62.0%)を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2019年7月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。4 当社は軽米東ソーラー匿名組合事業に関して、他の出資者(共同スポンサー)と出資を行っています。当社は2017年5月31日現在において、「合同会社軽米東ソーラーに係る匿名組合出資持分等の譲渡に関する覚書」に基づき発電所竣工後1年間に亘り段階的に共同スポンサーの匿名組合出資持分(61.5%)を買い増す権利を有しています。なお、当発電所の竣工は2019年12月を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5 軽米西ソーラー及び軽米東ソーラーは「当社主導」案件です。 (開発中の案件一覧 ②推進中案件)(2017年5月31日時点)地域(電源)出力(MW)(予定)買取価格(1kWh当たり)環境アセスメント案件形態(当社主導/共同推進)三重県四日市市(太陽光)20程度36円必要あり当社主導栃木県(太陽光)20程度36円必要なし当社主導 (注) 1 太陽光の出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。なお、出力規模は今後の詳細設計に伴い変動する可能性があります。2 買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT法に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。 (開発中の案件 ③初期検討案件)(2017年5月31日時点)当社は大規模太陽光発電、バイオマス発電、洋上・陸上風力発電及び地熱発電の電源毎に専属チームを立ち上げ、電源毎に複数案件の事業開発を日本全国で進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている案件に加え、事業パートナーと共同で推進している案件もあります。大規模太陽光発電に関しては、設備認定取得済みの案件の開発を進めています。バイオマス発電に関しては、現在、環境アセスメントの必要がある案件及び無い案件それぞれ複数の案件の開発を推進しています。洋上・陸上風力発電に関しては、複数の案件を開発中です。一部の案件につきましては、風況ポールを設置して風速の測定をしています。地熱発電に関しては、複数の案件の開発を推進しています。一部の案件につきましては、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)による助成金を取得しての資源量調査を行なっています。 本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図) (注) 2017年5月31日現在において事業を営んでいない関係会社(軽米西ソーラー匿名組合事業、軽米東ソーラー匿名組合事業及び瑞諾華股份有限公司(レノバ台湾)等)は、上記事業系統図には記載していません。