6588

東芝テック(6588)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

東芝テックは、主にPOSシステムなどの「リテールソリューション事業」と、複合機などの「ワークプレイスソリューション事業」を展開しています。リテールソリューション事業では、スーパーやコンビニなどで使われるPOSシステムや、自動認識システム(オートIDシステム)を国内外に提供し、店舗の効率化を支援しています。ワークプレイスソリューション事業では、オフィス向けの複合機やオートIDシステムを国内外で販売しており、これらが主な収益源となっています。海外では「TOSHIBA」ブランドを中心に展開し、子会社や代理店を通じて販売しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

東芝テックの事業は、「リテールソリューション事業」と「ワークプレイスソリューション事業」の二つのセグメントで構成されています。リテールソリューション事業は、POSシステムやオートIDシステム、関連サービスを国内外で提供し、売上高3335.23億円、営業利益80.98億円と、売上の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。ワークプレイスソリューション事業は、複合機やオートIDシステム、関連サービスを国内外で提供し、売上高2434.99億円、営業利益121.52億円となっています。どちらの事業も国内外で展開しており、特に海外市場での「TOSHIBA」ブランドを通じた販売が特徴です。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RetailSolutionsBusiness 地域 3,335 81 2.4%
WorkplaceSolutionsBusinessReportableSegment 地域 2,435 122 5.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|986 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、親会社、連結子会社62社、関連会社3社から構成され、その主たる事業は、POSシステム等を取扱うリテールソリューション事業及び複合機等を取扱うワークプレイスソリューション事業であります。当社グループの各報告セグメントにおける事業の内容及び関係会社の位置付け等の概要は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品・サービス等の提供を行っております。国内はTECブランドにて当社及び代理店が販売する体制となっております。海外はTOSHIBAブランドを中心として、海外の子会社及び代理店を経由して販売するとともに、取引先ブランドにより販売する体制となっております。<主な関係会社>東芝グローバルコマースソリューション社、東芝テックソリューションサービス㈱、東芝テックシンガポール社、テックインドネシア社、東芝グローバルコマースソリューション・メキシコ社、東芝グローバルコマースソリューション・オランダ社、テックインフォメーションシステムズ㈱、東芝グローバルコマースソリューション・イタリア社、東芝グローバルコマースソリューション・スペイン社、東芝グローバルコマースソリューション・ホールディングス㈱ (ワークプレイスソリューション事業)国内及び海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品・サービス等の提供を行っております。国内は当社及び代理店を経由して、海外は海外の子会社及び代理店を経由して主にTOSHIBAブランドにて販売する体制となっております。なお、当社は、当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業をエトリア㈱に、当社グループのインクジェットヘッド事業の全てを理想テクノロジーズ㈱に、それぞれ2024年7月1日付で承継させました。<主な関係会社>東芝アメリカビジネスソリューション社、東芝テックドイツ画像情報システム社、東芝テックフランス画像情報システム社、東芝テックビジネスソリューション中国社、東芝オーストラリア社、東芝テック英国画像情報システム社、東芝テックカナダビジネスソリューション社、東芝テックマレーシア社、エトリア㈱ 事業の系統図は、以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
独立系ソフトウェアメーカー及び大手ソリューションベンダーとの競合が厳しい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
先端的なエレクトロニクス技術、システム・ソフトウェア技術等を活用した新事業・新商品開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:リテールソリューションの事業環境変化 / ワークプレイスソリューションの需要減少 / 世界情勢(物価上昇、地政学的リスク、為替変動)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東芝ブランドの認知度は高いが、近年は事業再編の影響もあり、特許やIPにおける明確な競争優位性は限定的。POSシステムや複合機におけるブランド力は一定程度存在する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

POSシステムや券売機は、導入・運用にコストと時間がかかるため、顧客(主に小売・飲食業)の乗り換えハードルは高い。システム連携やデータ移行の複雑さがスイッチング・コストを生む。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

特定のプラットフォーム上でユーザーが増えることで価値が増幅するようなネットワーク効果は、現時点では見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

複合機やPOSシステムにおける量産効果やサプライチェーンの最適化はある程度進んでいるが、競合他社との圧倒的なコスト差を生み出すほどの構造的な優位性は確認できない。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

複合機やPOSシステム市場において、国内では上位のシェアを維持しており、一定の規模の経済性を享受している。特に保守・サービス網の広さは強み。

東芝テックは、長年にわたるPOSシステムや複合機の開発・製造で培ったエレクトロニクス技術とシステム・ソフトウェア技術が強みです。特にリテールソリューション事業では、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡販に注力しており、顧客の店舗運営効率化や多様な購入形態への対応を支援することで、競合他社との差別化を図っています。また、国内外に広がる販売・サービス網と、地域に分散した生産体制により、安定的な製品供給と顧客サポートを実現している点も優位性と言えます。長年の実績とブランド力も、事業を支える要素です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ではなく、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出しグローバルトップのソリューションパートナーを目指してまいります。 (2)経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズに加え、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減等の多様な社会課題を解決するソリューションが求められております。当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。 (ワークプレイスソリューション事業)オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の顧客各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、情報技術(IT)を使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。 (3)中長期的な経営戦略と目標上記の経営環境下において、当社グループは、グローバルな顧客基盤、販売・保守網等のタッチポイントを活かし、①基盤事業の収益力強化、②成長事業の領域拡大、③経営変革・人財強化・サステナビリティ強化の取り組みに経営資源を重点的に配分します。それらの取り組みを通して、当社はグローバルトップのソリューションパートナーを目指してまいります。各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。 (リテールソリューション事業)流通業界における省人化ニーズへの高まり、DXの推進及び競合企業のポートフォリオ再編等の事業環境の変化は、当社グループが社会に貢献できる大きな事業機会に繋がっております。これらの事業機会に対して、圧倒的なグローバル顧客基盤を活用した「マーケットイン発想」の事業構想と実行及び「業界トップのグローバルプレイヤーならではの充実した戦略的パートナーシップ」により、当社ならではの高収益新規事業拡大を加速し、収益性の向上を図ります。・基盤事業の収益力強化グローバル共通のハードウェア開発・製造共通化により収益力強化を目指します。国内・海外ともに機能を拡充してきたグローバルリテールプラットフォーム「ELERA」によるデータ活用ソリューションビジネスを本格的に拡大してまいります。加えて、グローバルに展開された保守網を活用し、当社の機器だけでなく他社のIT機器をカバーするマルチベンダー保守サービス等の高付加価値サービスを提供することで、小売業の抱える人材不足の解消に貢献し、収益拡大を図ります。・成長事業の領域拡大強みであるタッチポイントを起点にデータビジネス事業ドメインを従来の小売業から、決済業者、物流業、広告、メーカー・卸に拡大しデータのバーティカルインテグレーションを図ります。これを実現するため、当社は、生成AI等の高度技術を活用し、POSデータを起点に業種を横断した課題解決を行う完全子会社ジャイナミクス㈱を2024年10月1日付で設立し、体制強化をいたしました。また、当社は、今後さらに重要度を増すソフトウェア開発において、事業部門横断のグローバル連携を強化すべく、ソフトウェア開発センターを2025年4月1日付で新設いたしました。このような取り組みを通して、新規事業におけるサービス・ソフトウェアの割合を拡大し、更なる収益力の強化を図ります。 (ワークプレイスソリューション事業)当社及び㈱リコーは、複合機等の開発・生産を担う合弁会社であるエトリア㈱を2024年7月1日付で組成いたしました。さらに、2025年度においては、沖電気工業㈱のエトリア㈱への参画が予定されており更なる商品性競争力・コスト競争力向上が期待されます。今後は、競争力のある高品質・高付加価値商品ラインナップの拡充を図るとともに、成長領域への集中と提供価値の変革を加速させます。・エトリア㈱による開発・生産の強化及び効率化(基盤事業の収益力強化)オフィス向けプリンティング機器の開発・生産に関する三社の技術的な強みを持ち寄り、企画・設計開発機能の拡充を図ります。また、部品や材料の共同購買や生産拠点の相互活用を進めるとともに、地政学リスクの高まりに柔軟に対応するレジリエントなサプライチェーンの構築を進め、より一層強いものづくりの実現を目指します。三社の保有するリソースをイノベーションの領域や個々の差異化領域により注力できるようにシフトし、競争力を高めて事業基盤の強化を図ります。さらに、パートナー戦略による文書管理システムソリューションや、当社が持つバーコードプリンタやRFID等を活用した自動認識技術を活かしたソリューション等の成長領域事業を加速してまいります。 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)であります。なお、当社は、2024年5月23日に公表した「中期経営計画(2024~2026年度)」において当該指標に関する目標値を定めておりますが、米国関税措置をはじめとする昨今の経営環境の変化を踏まえ、目標値の見直しを検討しております。目標値の見直しについて決定した場合には、速やかに開示いたします。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。・成長事業拡大の加速リテールイノベーションへの積極投資として、購買体験・店舗の変革需要の高まりを支援するための投資拡大を実施いたします。成長事業拡大の加速を支える4つの取り組みとして、ソフトウェア開発体制強化、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の進化、データを利活用した新たな価値の創出、パートナー連携強化を実施いたします。・高付加価値ビジネスへの移行リテールソリューション事業において、より付加価値の高いソリューションサービスへのシフトを進めることにより、収益性の拡大を目指します。・グローバルリテールソリューション事業の競争力強化保守サービスの拡大、「ELERA」を軸としたソリューションビジネスの拡大を通して、既存顧客の維持及び新規顧客の獲得、さらに収益性の高いリカーリングモデルにシフトしてまいります。・ワークプレイスソリューション事業の更なる収益性回復エトリア㈱の組成及び同社への沖電気工業㈱の参画により、強靭でスリムなオペレーション体制の構築を進めるとともに、ソリューションの競争力を高めることで更なる収益性向上を目指します。 また、上記の重要施策に加え、外部環境の変化による経営への影響を低減するため、これまで実施した構造改革の効果を継続的に維持することに加え、更なる業務の効率化や間接経費のコントロール、製造原価改善等のコスト削減施策とともに、市場動向を踏まえた売上拡大施策を実施いたします。 (5)次期の見通し今後の世界経済は、物価上昇や地政学的リスク等の影響を引き続き受けるとともに、米国の新しい関税措置等により大きく動揺し、景気の先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、持続的な成長の実現に向けて、各種施策の実行にグループ一丸となって取り組む所存でございます。具体的には、当社のフィジカルアセットであるグローバルな顧客基盤と営業・保守網を活かし、パートナーとの共創によりエコシステムを構築し付加価値の高いソリューションの提案を進めることで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。また、当社は、米国関税措置等の影響により、相当額のコストアップが見込まれることに加え、米国を中心に各国の市況も不透明なことから、現時点において今後の業績を見通せておりません。当社は、販売価格の改定やサプライチェーン体制の再検討といった諸施策に取り組むことなどにより、米国関税措置等の業績への影響を抑制してまいります。なお、当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象) (事業セグメント区分の変更)」に記載のとおり、2025年4月1日付で従来ワークプレイスソリューション事業に含めておりました国内市場向け複合機に関する事業をリテールソリューション事業に移管しております。 2025年度(第101期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)主力商品である国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向け複合機、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品の拡販と、顧客のDXを推進するトータルソリューションの提供を行ってまいります。さらに、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」、当社の子会社であるジャイナミクス㈱に代表される生成AI活用サービス及び戦略的パートナーシップによる高付加価値のソリューションビジネスの拡大、地域に即した営業・マーケティングの展開、リカーリングビジネスの強化、販売サービス網の最適化を通して既存事業を強化するとともに、新規事業を加速し収益力の向上を図ってまいります。 (ワークプレイスソリューション事業)主力商品である海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品の拡販と、幅広い商品群・マーケットを活かしたトータルソリューションの提供を行ってまいります。同時に、地域に即した営業・マーケティングの展開、販売サービス網の最適化、新興国事業の強化等により、強靭でスリムなグローバル・オペレーション体制を構築し、収益体質の強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ではなく、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出しグローバルトップのソリューションパートナーを目指してまいります。 (2)経営環境当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズに加え、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減等の多様な社会課題を解決するソリューションが求められております。当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。 (ワークプレイスソリューション事業)オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の顧客各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、情報技術(IT)を使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。 (3)中長期的な経営戦略と目標上記の経営環境下において、当社グループは、グローバルな顧客基盤、販売・保守網等のタッチポイントを活かし、①基盤事業の収益力強化、②成長事業の領域拡大、③経営変革・人財強化・サステナビリティ強化の取り組みに経営資源を重点的に配分します。それらの取り組みを通して、当社はグローバルトップのソリューションパートナーを目指してまいります。各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。 (リテールソリューション事業)流通業界における省人化ニーズへの高まり、DXの推進及び競合企業のポートフォリオ再編等の事業環境の変化は、当社グループが社会に貢献できる大きな事業機会に繋がっております。これらの事業機会に対して、圧倒的なグローバル顧客基盤を活用した「マーケットイン発想」の事業構想と実行及び「業界トップのグローバルプレイヤーならではの充実した戦略的パートナーシップ」により、当社ならではの高収益新規事業拡大を加速し、収益性の向上を図ります。・基盤事業の収益力強化グローバル共通のハードウェア開発・製造共通化により収益力強化を目指します。国内・海外ともに機能を拡充してきたグローバルリテールプラットフォーム「ELERA」によるデータ活用ソリューションビジネスを本格的に拡大してまいります。加えて、グローバルに展開された保守網を活用し、当社の機器だけでなく他社のIT機器をカバーするマルチベンダー保守サービス等の高付加価値サービスを提供することで、小売業の抱える人材不足の解消に貢献し、収益拡大を図ります。・成長事業の領域拡大強みであるタッチポイントを起点にデータビジネス事業ドメインを従来の小売業から、決済業者、物流業、広告、メーカー・卸に拡大しデータのバーティカルインテグレーションを図ります。これを実現するため、当社は、生成AI等の高度技術を活用し、POSデータを起点に業種を横断した課題解決を行う完全子会社ジャイナミクス㈱を2024年10月1日付で設立し、体制強化をいたしました。また、当社は、今後さらに重要度を増すソフトウェア開発において、事業部門横断のグローバル連携を強化すべく、ソフトウェア開発センターを2025年4月1日付で新設いたしました。このような取り組みを通して、新規事業におけるサービス・ソフトウェアの割合を拡大し、更なる収益力の強化を図ります。 (ワークプレイスソリューション事業)当社及び㈱リコーは、複合機等の開発・生産を担う合弁会社であるエトリア㈱を2024年7月1日付で組成いたしました。さらに、2025年度においては、沖電気工業㈱のエトリア㈱への参画が予定されており更なる商品性競争力・コスト競争力向上が期待されます。今後は、競争力のある高品質・高付加価値商品ラインナップの拡充を図るとともに、成長領域への集中と提供価値の変革を加速させます。・エトリア㈱による開発・生産の強化及び効率化(基盤事業の収益力強化)オフィス向けプリンティング機器の開発・生産に関する三社の技術的な強みを持ち寄り、企画・設計開発機能の拡充を図ります。また、部品や材料の共同購買や生産拠点の相互活用を進めるとともに、地政学リスクの高まりに柔軟に対応するレジリエントなサプライチェーンの構築を進め、より一層強いものづくりの実現を目指します。三社の保有するリソースをイノベーションの領域や個々の差異化領域により注力できるようにシフトし、競争力を高めて事業基盤の強化を図ります。さらに、パートナー戦略による文書管理システムソリューションや、当社が持つバーコードプリンタやRFID等を活用した自動認識技術を活かしたソリューション等の成長領域事業を加速してまいります。 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)であります。なお、当社は、2024年5月23日に公表した「中期経営計画(2024~2026年度)」において当該指標に関する目標値を定めておりますが、米国関税措置をはじめとする昨今の経営環境の変化を踏まえ、目標値の見直しを検討しております。目標値の見直しについて決定した場合には、速やかに開示いたします。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。・成長事業拡大の加速リテールイノベーションへの積極投資として、購買体験・店舗の変革需要の高まりを支援するための投資拡大を実施いたします。成長事業拡大の加速を支える4つの取り組みとして、ソフトウェア開発体制強化、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の進化、データを利活用した新たな価値の創出、パートナー連携強化を実施いたします。・高付加価値ビジネスへの移行リテールソリューション事業において、より付加価値の高いソリューションサービスへのシフトを進めることにより、収益性の拡大を目指します。・グローバルリテールソリューション事業の競争力強化保守サービスの拡大、「ELERA」を軸としたソリューションビジネスの拡大を通して、既存顧客の維持及び新規顧客の獲得、さらに収益性の高いリカーリングモデルにシフトしてまいります。・ワークプレイスソリューション事業の更なる収益性回復エトリア㈱の組成及び同社への沖電気工業㈱の参画により、強靭でスリムなオペレーション体制の構築を進めるとともに、ソリューションの競争力を高めることで更なる収益性向上を目指します。 また、上記の重要施策に加え、外部環境の変化による経営への影響を低減するため、これまで実施した構造改革の効果を継続的に維持することに加え、更なる業務の効率化や間接経費のコントロール、製造原価改善等のコスト削減施策とともに、市場動向を踏まえた売上拡大施策を実施いたします。 (5)次期の見通し今後の世界経済は、物価上昇や地政学的リスク等の影響を引き続き受けるとともに、米国の新しい関税措置等により大きく動揺し、景気の先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、持続的な成長の実現に向けて、各種施策の実行にグループ一丸となって取り組む所存でございます。具体的には、当社のフィジカルアセットであるグローバルな顧客基盤と営業・保守網を活かし、パートナーとの共創によりエコシステムを構築し付加価値の高いソリューションの提案を進めることで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。また、当社は、米国関税措置等の影響により、相当額のコストアップが見込まれることに加え、米国を中心に各国の市況も不透明なことから、現時点において今後の業績を見通せておりません。当社は、販売価格の改定やサプライチェーン体制の再検討といった諸施策に取り組むことなどにより、米国関税措置等の業績への影響を抑制してまいります。なお、当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象) (事業セグメント区分の変更)」に記載のとおり、2025年4月1日付で従来ワークプレイスソリューション事業に含めておりました国内市場向け複合機に関する事業をリテールソリューション事業に移管しております。 2025年度(第101期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。 (リテールソリューション事業)主力商品である国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向け複合機、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品の拡販と、顧客のDXを推進するトータルソリューションの提供を行ってまいります。さらに、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」、当社の子会社であるジャイナミクス㈱に代表される生成AI活用サービス及び戦略的パートナーシップによる高付加価値のソリューションビジネスの拡大、地域に即した営業・マーケティングの展開、リカーリングビジネスの強化、販売サービス網の最適化を通して既存事業を強化するとともに、新規事業を加速し収益力の向上を図ってまいります。 (ワークプレイスソリューション事業)主力商品である海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品の拡販と、幅広い商品群・マーケットを活かしたトータルソリューションの提供を行ってまいります。同時に、地域に即した営業・マーケティングの展開、販売サービス網の最適化、新興国事業の強化等により、強靭でスリムなグローバル・オペレーション体制を構築し、収益体質の強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (1)経営成績① 事業全体の状況当連結会計年度の世界経済は、総じて緩やかな回復基調にある一方で、物価上昇や地政学的リスクの高まり等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続きました。このような状況下で、当社グループは、中期経営計画(2024~2026年度)の基本方針「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の下で、持続的な成長の実現に向けて、基盤事業の収益力強化、新規事業の領域拡大、経営変革・人財強化・サステナビリティ強化等の施策に取り組み、グローバルトップのソリューションパートナーを目指して社会課題解決への貢献に努めてまいりました。売上高については、海外市場向けPOSシステムの売上が増加したことや為替の影響などから、5,770億23百万円(前連結会計年度比5%増)となりました。損益については、海外市場向けPOSシステムの損益が米州を中心に改善したこと、複合機が2024年10月以降の売上規模減少等により減益となったものの引き続き一定の利益を確保したことなどから、営業利益は202億51百万円(前連結会計年度比28%増)、経常利益は183億44百万円(前連結会計年度比67%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、事業構造改革費用を特別損失に計上したものの、当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業を当社と㈱リコーとの合弁会社であるエトリア㈱に、当社グループのインクジェットヘッド事業の全てを理想科学工業㈱の完全子会社である理想テクノロジーズ㈱に、それぞれ承継させたことに伴い、持分変動利益及び事業譲渡益を特別利益に計上したことなどから、299億37百万円(前連結会計年度は67億7百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ② 各報告セグメントの状況(リテールソリューション事業)国内及び海外市場向けPOSシステム、国内市場向けオートIDシステム、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているリテールソリューション事業は、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」及び戦略的パートナーシップによるソリューションビジネスの拡大、リカーリングビジネスの強化、当社の機器だけでなく他社のIT機器をカバーする保守サービス(BPO)の拡充に加え、新規事業の領域拡大のための顧客基盤の拡大等に取り組んでまいりました。国内市場向けPOSシステムは、原材料の高騰、物価上昇の影響により厳しい状況が続きましたが、セルフレジ、決済端末、「スマートレシート」等の拡販に注力し、製品価格、保守サービス価格の改定等の施策に取り組んだことなどから、売上は概ね前連結会計年度並みとなりました。海外市場向けPOSシステムは、米州を中心に販売が増加したことや為替の影響により、売上は増加いたしました。国内市場向けオートIDシステムは、特定顧客向けを中心にポータブルプリンタ等の販売が伸長しましたが、高級機種の販売が減少したことなどから、売上は減少いたしました。この結果、リテールソリューション事業の売上高は、3,335億87百万円(前連結会計年度比7%増)となりました。また、同事業の営業利益については、国内市場向けPOSシステムの利益が為替によるマイナス影響を受けつつも前連結会計年度並みの水準を維持したこと、海外市場向けPOSシステムの損益が米州を中心に改善したことなどから、80億98百万円(前連結会計年度比260%増)となりました。 (ワークプレイスソリューション事業)国内及び海外市場向け複合機、海外市場向けオートIDシステム、国内及び海外市場向けインクジェットヘッド、並びにそれらの関連商品等を取り扱っているワークプレイスソリューション事業は、働き方改革・オフィスのDX推進による印刷量の減少、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境の中で、基盤事業の収益力強化に注力し、MFPソリューション事業、オートIDソリューション事業及び顧客サポートビジネスの展開等に取り組んでまいりました。なお、当社は、当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業をエトリア㈱に、当社グループのインクジェットヘッド事業の全てを理想テクノロジーズ㈱に、それぞれ2024年7月1日付で承継させました。複合機及びオートIDシステムについては、販売部門はエトリア㈱への承継対象に含まれておらず、当社グループの販売体制に変更はありませんので、当連結会計年度の売上への影響は僅少であります。一方、インクジェットヘッドについては、販売部門を含む全事業を理想テクノロジーズ㈱に承継させたため、2024年7月1日以降は、インクジェットヘッドに関する売上は当社グループの売上に含まれておりません。複合機は、米州及びアジア等で販売が好調であったことや為替の影響により、売上は増加いたしました。海外市場向けオートIDシステムは、全地域で販売が増加したことや為替の影響により、売上は増加いたしました。インクジェットヘッドは、前記のとおり、その事業の全てを2024年7月1日付で理想テクノロジーズ㈱に承継させたことから、売上は減少いたしました。この結果、ワークプレイスソリューション事業の売上高は、2,470億99百万円(前連結会計年度比2%増)となりました。また、同事業の営業利益は、これまでに実施してきた構造改革・構造転換による改善効果はありましたが、2024年10月以降の売上規模減少等により複合機の損益が悪化したことなどから、121億52百万円(前連結会計年度比11%減)となりました。 (注)オートIDシステムとは、ハード・ソフトを含む機器により、自動的にバーコード、ICタグ等のデータを取り込み、内容を識別・管理するシステムをいいます。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)リテールソリューション72,915△13.9ワークプレイスソリューション35,909△73.7合計108,825△50.8 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.ワークプレイスソリューション事業の生産実績が前連結会計年度と比べ大幅に減少した主な理由は、当社グループの複合機及びオートIDシステムの開発及び製造に関する事業をエトリア㈱に、当社グループのインクジェットヘッド事業の全てを理想テクノロジーズ㈱に、それぞれ2024年7月1日付で承継させたことによるものです。 ② 受注実績当連結会計年度におけるリテールソリューション事業の国内ストア・オートメーション向け「個別ユーザー対応物件」分野の受注状況は、次のとおりであります。なお、他の分野においては、当社と販売会社との間で行う需給予測を考慮した見込生産を主体としているため、記載を省略しております。区分受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)(リテールソリューション)個別ユーザー対応物件66,1451.89,638△0.9 (注)金額は、販売価格によっております。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)リテールソリューション333,5237.3ワークプレイスソリューション243,4992.6合計577,0235.3 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (3)財政状態当連結会計年度における資産は、前連結会計年度に比べ88億62百万円増加し、3,463億71百万円となりました。これは主に、流動資産の「受取手形、売掛金及び契約資産」が51億9百万円、「仕掛品」が14億71百万円、「原材料及び貯蔵品」が48億17百万円、「その他」が34億63百万円、有形固定資産の「工具、器具及び備品(純額)」が12億89百万円、「建設仮勘定」が11億56百万円、投資その他の資産の「退職給付に係る資産」が14億22百万円減少しましたが、流動資産の「商品及び製品」が13億12百万円、投資その他の資産の「投資有価証券」が265億62百万円、「その他」が16億2百万円増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度に比べ105億86百万円減少し、2,306億86百万円となりました。これは主に、流動負債の「1年内返済予定の長期借入金」が12億57百万円、「未払法人税等」が16億34百万円、「前受収益」が14億76百万円増加しましたが、流動負債の「支払手形及び買掛金」が14億78百万円、「未払金」が45億39百万円、「その他」が52億39百万円、固定負債の「退職給付に係る負債」が35億98百万円減少したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度に比べ194億48百万円増加し、1,156億85百万円となりました。これは主に、「利益剰余金」が配当金の支払いにより23億82百万円、「為替換算調整勘定」が57億68百万円、「退職給付に係る調整累計額」が21億円、「非支配株主持分」が5億62百万円減少しましたが、「利益剰余金」が親会社株主に帰属する当期純利益により299億37百万円増加したことによるものであります。 (4)キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ92億円増加となりましたが、連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額が98億48百万円となったことから、479億33百万円となりました。なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは148億98百万円の収入となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動については、税金等調整前当期純利益が425億74百万円であり、減価償却費が174億89百万円、仕入債務の増加額が101億85百万円となった一方で、持分変動利益が211億51百万円、事業譲渡益が56億54百万円、その他が76億78百万円、法人税等の支払額が80億90百万円となったことなどから、248億86百万円の収入(前連結会計年度は194億11百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動については、事業譲渡による収入が67億50百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が137億4百万円、無形固定資産の取得による支出が32億41百万円となったことなどから、99億87百万円の支出(前連結会計年度は161億35百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動については、長期借入れによる収入が86億83百万円となりましたが、ファイナンス・リース債務の返済による支出が38億65百万円、長期借入金の返済による支出が72億23百万円、配当金の支払額が23億81百万円となったことなどから、57億39百万円の支出(前連結会計年度は36億24百万円の支出)となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。 当社グループの運転資金は、主に製品製造に係る原材料や部材の調達のほか、製造費、販売費及び一般管理費等に計上される財・サービスに費消しております。設備投資資金は、有形固定資産や無形固定資産の取得、投資等に費消しております。これらの必要資金は、当社グループ内の内部留保による確保、及び資産の圧縮や資産効率の向上により創出される自己資金を基本として流動性を確保しつつ、必要に応じて金融機関等からの資金調達を実施してまいります。 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、上記「(1)経営成績」から「(4)キャッシュ・フロー」まで、並びに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)を掲げております。当連結会計年度においては、売上高は5,770億23百万円、営業利益は202億51百万円、営業利益率(ROS)は 3.5%、親会社株主に帰属する当期純利益は299億37百万円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス248億86百万円、投下資本利益率(ROIC)は9.6%となりました。 (6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、より重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 ① 債権の回収可能性当社グループは、売掛金、販売金融債権及び貸付金その他これらに準ずる債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。将来、債権の相手先の財務状況がさらに悪化して支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 ② 棚卸資産の評価減当社グループは、商品、製品及び半製品は先入先出法による原価法(連結貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、仕掛品及び原材料は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、貯蔵品は最終仕入原価法を採用しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、商品、製品及び半製品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。 ③ 固定資産の減損判定当社グループは、固定資産のうち減損の兆候があるかどうかの判定を実施し、減損の兆候があった場合、資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローでの見積り及び仮定について将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。 ④ 投資有価証券の減損判定当社グループは、販売又は仕入に係る取引先等の株式を保有しています。これらの株式には市場価格のない株式等以外のものである上場会社の株式と市場価格のない株式等である非上場会社の株式が含まれます。当社グループは、市場価格のない株式以外のものの株式の減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、市場価格のない株式等である非上場株式の減損処理にあたっては、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。なお、将来の市況悪化又は投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収が不能となる状況が発生した場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。 ⑥ 退職給付債務の算定当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、長期期待運用収益率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)2.確定給付制度(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

事業リスク

東芝テックの事業にはいくつかの重要なリスクがあります。特に、リテールソリューション事業では、顧客の投資が従来のハードウェアからセルフレジやソフトウェア・サービスへ移行しており、競争激化により販売に影響が出る可能性があります。ワークプレイスソリューション事業では、コロナ禍以降の働き方の変化により、オフィスでの複合機需要が減少傾向にあり、収益悪化のリスクがあります。また、グローバルに事業を展開しているため、世界情勢の変化、為替変動、大規模災害、地政学的リスク、品質問題、コンプライアンス違反、情報セキュリティ侵害なども業績に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,360 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスク及びその他の主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、万全なリスク管理体制により、このようなリスクの発生を回避するとともに、事業継続計画(BCP)の整備等により、リスク発生時における影響の極小化に最大限努めてまいります。なお、文中の将来に関する事項は、原則として、当連結会計年度末現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。 (特に重要なリスク)(1)リテールソリューションの事業環境当事業における市場の状況は、顧客である大手流通小売業において、店舗運営効率化や顧客の購入形態の多様化、コロナ禍以降の販売形態の変化等に伴い、セルフレジをはじめとする店舗従業員との接触を抑えた形のチェックアウト機器や、ソフトウェア及びサービス分野への投資比重が増えております。このような市場構造の変化により、従来型のハードウェアPOSへの投資優先度が低下傾向にあることや、独立系ソフトウェアメーカー及び大手ソリューションベンダーとの競合が厳しくなることから、当社製品の販売に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、当該リスクを最小限に抑えるべく、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡販等により、収益の改善を目指してまいります。なお、具体的な施策等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 (2)ワークプレイスソリューションの事業環境当事業は、コロナ禍以降の働き方の変化によりコア事業であるオフィス領域での需要減少傾向が継続するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合には、複合機の販売台数の減少や保守サービスの売上減少等により、当事業の収益が悪化する可能性があります。なお、当該リスクに対する具体的な施策等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。 (その他の主要なリスク)(1)新事業開拓・新商品開発当社グループは、先端的なエレクトロニクス技術、システム・ソフトウェア技術等を活用して顧客ニーズに応えてまいりました。引き続き、新たな事業の形成に至る新技術や、各国の環境保護規制に対応する新技術等、積極的に新事業開発や新商品開発への対応に努めてまいりますが、これらに関しては不確実要素も多々あり、想定外の事項の発生が、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)世界情勢当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、各地域の政治・経済情勢の変化や各種の規制、急激な為替レートの変動等が、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、2025年度は、物価上昇や地政学的リスクに加え、米国関税措置等の影響により相当額のコストアップが見込まれ、さらに、米国を中心に各国の市況も不透明なことから、先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。当社グループは、販売価格の改定やサプライチェーン体制の再検討といった諸施策に取り組むことなどにより、米国関税措置等の業績への影響を抑制してまいります。 (3)大規模災害等当社グループは、グローバルに販売・サービス、生産・調達拠点を有しておりますが、それぞれの地域において大規模災害、テロ、感染症等が発生した場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)グローバル生産体制当社グループは、安定的な製品供給及びコスト競争力確保のために、日本、シンガポール及びインドネシア等、地域的に分散したリスク対応を図っておりますが、為替影響、紛争等の地政学問題が当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに備えるために、あらゆる視点からグローバル生産体制の検討を実施しております。 (5)品質問題当社グループは、製品の設計・部品調達・製造・試験・検査等全ての部門で品質及び安全性の検証体制を構築し、最新・最良の技術で優れた商品を提供することに注力しております。また、保守を伴う事業を展開しており、点検等により製品の品質と安全にかかわる大きな問題発生を未然に防ぐ努力をしております。しかしながら、システム・ソフトウェア対応の増大及び製品機能の高度化に伴う不確実要因等、開発・製造・保守サービスの一連のプロセスにおいて、想定外の品質問題発生もあり得るため、これらが当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)コンプライアンス・内部統制関係当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。コンプライアンスについては、グループ共通の行動規範として「グループ行動基準」を制定し、従業員一人ひとりがこの行動基準を遵守し、法令・社会規範・倫理に則した行動を行うよう、周知徹底に取り組んでおります。また、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、この委員会の統括下でコンプライアンスの徹底にグループ一体となって取り組んでおります。しかしながら、コンプライアンスを始めとした内部統制システムには一定の限界があるため、その目的の達成を完全に保証するものではありません。このため、将来において法令違反等が生じた場合は、当社グループ業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 補足事項(元従業員による不正行為について)当社は、2025年2月18日付で、当社の従業員1名が、架空の受注計上により、私的着服を目的に物品を受領し転売していた事実を確認した旨を公表いたしました。本件は組織的な不正ではなく、元従業員個人による不正事案であり、内部統制の重要な不備には当たらないと判断しております。ただし、業務プロセスに係る内部統制の一部に是正すべき事項があると考えており、当社は、再発防止に向けて、業務プロセスの見直しやコンプライアンス教育など内部管理体制の一層の強化に努めてまいります。 (7)情報セキュリティ当社グループは、技術情報、営業情報、個人情報、会社の経営に関する情報等、事業遂行に関連する多数の情報を有しております。当社グループは、関連法令を遵守し、情報の漏洩防止に万全を期すために、情報の管理体制や適切な取り扱い方法等を定めた各種社内規程を制定するとともに、従業員教育、情報管理施策を継続して実行するなど、情報保護の徹底に努めております。また、サイバーセキュリティリスクへの対応強化策として、製品面、情報セキュリティ面各々につき、専門チームを設置しております。しかしながら、予期せぬ事態により情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用する可能性があり、このような事態が生じた場合、この対応のために生じる多額の費用負担や企業の信頼低下が当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要であり、当社グループは、情報システムの安定的運用に努めておりますが、コンピュータウイルス、サイバー攻撃、ソフトウェアまたはハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能しなくなる可能性が皆無ではありません。 (8)退職給付債務等当社グループは、退職給付債務については優良社債の利回りを考慮して計算しておりますが、社債利回りが現在の水準より低下する場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、年金資産は、企業年金設計上、相応の運用収益を期待して運用しておりますが、諸因により運用実績が悪化する場合は、当社グループ業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、従業員の定年後のライフプラン支援及び退職給付の多様なニーズへの対応を目的として、当社を含む国内グループ会社を対象に2015年10月1日から順次東芝グループ企業型確定拠出年金制度に加入いたしました。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 東芝テック の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →