研究開発活動(本文)
FY2026|3,243 文字
6【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域として位置づけ、新しい価値と市場の創造に取り組んでまいりました。「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しました。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(太陽光発電・電気自動車)およびBiomedical Science分野(ゲノム解析・再生医療の自動化)に焦点を当てて取り組みました。また、技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下「YTC」)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまの価値を格段に向上させる新たな製品の開発をタイムリーに行います。以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は24,006百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めました。YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。国立大学法人東京科学大学においては、「YASKAWA未来技術共同研究講座」にて、超軽量人協働ロボットの実現をゴールとした超軽量アクチュエータの共同研究を継続しています。さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。農業生産においては自動化実証などを進め、きゅうりの葉かき作業に加え、収穫作業機能を備えた「きゅうり収穫作業ロボット」の実導入を完了しました。ヒューマノイドロボットの開発においては、当社が株式の100%を取得した東京ロボティクス株式会社の知見を活用し、新しいアクチュエータの開発に着手しました。これらの将来技術に寄与する研究開発は、当社作成の製品・技術ロードマップに沿ったテーマについて、産学官連携を強化して進めていきます。これらにおける当分野の研究開発費は5,057百万円です。 〔モーションコントロール分野〕ACサーボドライブ「Σ-Xシリーズ」に、欧州やアジア地域での利用や大型の機器にも対応可能な400V入力仕様のサーボモータ・サーボパックを新たにラインナップしました。また、センシングデータの一次解析と自軸のモーション制御をサーボ単独で実行でき、簡易な自軸の位置決めなどの制御が可能な機能を備えた「Σ-XシリーズFT54仕様」を開発しました。これらの機能により、サーボ単独での自律分散システムの構築を実現します。「i³-Mechatronics」を実現するコントローラソリューション「iCube Control」のマシンコントローラ「MPX1000シリーズ」に、フィールドネットワークによる装置システムの構築や機能拡張など様々な装置の要求への対応が可能となるMPX1310オプションモジュール搭載モデルおよびオプションモジュール8種を新たにラインナップしました。マシンコントローラ「MPX1310」は、2025年“超”モノづくり部品大賞「機械・ロボット部品賞」を受賞しました。さらに、「iCube Control」の新たなシリーズとして、国際規格化されたPLC言語 IEC 61131-3に準拠するとともに、グローバルに広く普及しているモーションネットワークのEtherCATを採用したマシンコントローラ「iC9000シリーズ」を展開し、その第一弾として、マシンコントローラ「iC9200」モデルのiC9226M-ECとiC9226M-FSoE(機能安全対応)を開発しました。これにより、お客さまの装置の更なる付加価値向上を実現します。太陽光発電用パワーコンディショナ「Enewell-SOL P2シリーズ」の後継機種として、産業用低圧・高圧向け更新ニーズに対応した「Enewell-SOL P3H」を開発しました。本製品は自家消費の市場にも適用できるよう、既存製品にはなかった自家消費機能も追加しました。これらにおける当分野の研究開発費は11,672百万円です。 〔ロボット分野〕ロボット自らが周りの環境を認識し、判断して作業を実行する自律型のAIロボット「MOTOMAN NEXT」シリーズの自律人協働ロボット「MOTOMAN NEXT-NHC12」が「2025年 第68回十大新製品賞」を受賞しました。2025年12月開催の「2025国際ロボット展(以下「iREX」)においては、人作業中心の領域におけるMOTOMAN NEXTの活用事例や成長市場向けの最新ソリューションなどを提案しました。また同月、当社のAIロボティクスとソフトバンク株式会社のAI-RANを活用したフィジカルAIにおける協業を開始し、フィジカルAI分野における新たな自動化ソリューション創出に向けた第一歩として、オフィス向けロボットのユースケースを共同開発し、iREXで実演しました。MOTOMAN GPシリーズの新たなラインナップとして、高可搬、ロングリーチで自動車製造工程の省スペース化に貢献するMOTOMAN-GP280L/360(可搬質量280kg/可搬質量360kg)を開発しました。フットプリントを最大限抑えながら、高可搬、ロングリーチを特長としており、従来の機種では適用が困難だった現場への活用が可能となります。また、省スペースや軽量さを維持しながら動作領域と可搬重量を拡大した多用途適用型小型ロボットMOTOMAN-GP10(可搬質量10kg)を開発しました。単なる従来機種の高可搬化ではなく、安川電機が産業用ロボットの設計で培ってきた省スペース化や耐環境技術、高精度動作技術を用いることで、これまでの小型機種ラインナップの拡充では対応が不十分であった領域での自動化に貢献します。これらにおける当分野の研究開発費は6,522百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕システムエンジニアリング分野においては、変化する市場・顧客要求に対応するため、システムコントローラの新規開発、ドライブ装置の機能強化・拡充開発および誘導モータの高効率化開発などを進めました。これらにおける当分野の研究開発費は753百万円です。
FY2025|3,317 文字
6【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しております。「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しております。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(太陽光発電・電気自動車)およびBiomedical Science分野(ゲノム解析・再生医療の自動化)に焦点を当てて取り組んでおります。また、技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまの価値を格段に向上させる新たな製品の開発をタイムリーに行います。以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は23,773百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めております。YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。国立大学法人東京科学大学においては、「YASKAWA未来技術共同研究講座」にて、超軽量人協働ロボットの実現をゴールとした超軽量アクチュエータの共同研究を継続しています。さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。農業生産においては自動化実証などを進め、「きゅうりの葉かき作業」は本格的な現地導入フェーズへと移行しております。これらにおける当分野の研究開発費は5,528百万円です。 〔モーションコントロール分野〕2024年1月より展開している新マシンコントローラ「MPX1000シリーズ」のラインアップとして、自動車関連製造装置で多数使用されている株式会社ジェイテクト製PLC TOYOPUC-Nano 10GXにバス接続できるマシンコントローラ「MPX1012J」を開発しました。「MPX1012J」は、「MPX1310」で実現したモーション処理性能の大幅な向上および制御可能軸数の増加といった機能・性能面の進化は引き継ぎながら、TOYOPUC-Nano 10GXとの親和性を高めることで、PLCを含んだシステムとしての性能を大幅に向上しています。これにより、当社のサーボドライブ製品の性能と合わせ、お客さまの装置性能と付加価値を大きく向上させることが可能です。ACサーボモータ「∑-Xシリーズ」に、サーボパック側面に取り付けられるアドバンストセーフティモジュール(ASM-X)と、機能安全対応サーボモータの2つを新たにラインアップしました。この2つの製品を組み合わせることで、CEマーキング機械指令にも適合した安全システムの構築を実現します。さらに、安全フィールドバスによるシステムを構築することにより、システム全体の省配線化が可能です。インバータ「LA700」(エレベータ専用タイプ)を開発しました。「LA700」は従来機種の「L1000」からオートチューニングなどの基本的性能を向上させるとともに、エレベーター専用のセットアップウィザード(対話方式)により初期設定が容易になりました。お客さまの使いやすさを向上し、セットアップ・試運転時間の短縮を実現します。また、従来機種よりもスムーズに加減速できるようになったことで、エレベーターの乗り心地を更に向上させました。幅広い容量のラインアップを揃えており、多くのエレベーターに適用いただくことが可能です。これらにおける当分野の研究開発費は11,204百万円です。 〔ロボット分野〕ロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット「MOTOMAN NEXT」が2024年「十大新製品賞」を受賞しました。「MOTOMAN NEXT」はロボット業界で初めて自律制御ユニットをコントローラ内に標準搭載し、今まで人手作業が避けられなかった未自動化領域の自動化実現を目指す戦略製品です。お客さまのノウハウとの融合を実現するオープンプラットフォームを準備することで、人工知能(AI)ベンダーの技術導入の障壁を下げ、継続的な進化を可能にした点などが評価されました。アルミ材の摩擦撹拌接合(※)(Friction Stir Welding 以下「FSW」)への適用が可能なロボット「MOTOMAN-GG250(可搬質量250kg)」を製品化しました。本製品は高剛性化に加えて高精度化も実現しており、FSW以外にも切削加工用途(穴あけ、面加工、バリ取りなど)や位置決め用途など、従来はロボットの適用が困難だった領域でも活用が可能です。電動自動車(EV)の床面に取り付けられることが多い大容量バッテリー組み付けに対応した業界初となる1t可搬質量を持ち、低床部へアクセス可能(地上同一面まで降下可能)なスカラロボット「MOTOMAN-ME1000」を製品化しました。重量化するバッテリーの車体床面への組み付け作業を支援・自動化するロボットとして従来、ロボットによる自動化が困難だった領域でも活用が可能となります。本製品はEVバッテリー以外の重量物搬送用途への適用も可能です。また、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の「2024年度省エネ大賞」において、最上位の「経済産業大臣賞」(製品・ビジネスモデル部門)を受賞しました。モータ総容量を小容量化することで消費電力を削減し、お客さまの生産設備のトータルコスト削減とコンパクト化が可能となります。ロボット質量あたりの可搬能力を従来製品の1.6倍にするとともに、モータでの消費電力を約45%削減した点などが評価されました。これらにおける当分野の研究開発費は6,471百万円です。(※)摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding):突起のある円筒状のツールを回転、同時に強い力で押し付けて接合部に貫入させ、摩擦熱で母材を軟化させて練り混ぜることで、複数の部材を一体化する接合方法 〔システムエンジニアリング分野〕システムエンジニアリング分野においては、変化する市場・顧客要求に対応するため、システムコントローラの新規開発、低圧ドライブ装置の機能強化・拡充開発および誘導モータの高効率化開発などを進めました。これらにおける当分野の研究開発費は568百万円です。
FY2024|2,546 文字
6【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しております。「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しております。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(太陽光発電・電気自動車)およびBiomedical Science分野(ゲノム解析・再生医療の自動化)に焦点を当てて取り組んでおります。また、技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまを勝たせる新たな製品の開発をタイムリーに行います。以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は21,247百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めております。YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。農業生産においては自動化実証などを進め、「きゅうりの葉かき作業」は本格的な現地導入フェーズへと移行しております。これらにおける当分野の研究開発費は5,811百万円です。 〔モーションコントロール分野〕装置や産業用ロボットなどで構成されたいわゆる“セル”を統合的に制御し、同時に同期性の高いデータをリアルタイムに収集・活用してフィードバックできるYRMコントローラ「YRM1010」を開発しました。従来機種より処理性能・通信を強化し変種変量生産を実現します。i³-Mechatronicsを実現する新マシンコントローラ「MPX1000シリーズ」の展開を開始しました。その第1弾となる「MPX1310」は、従来機種からモーション処理性能などの性能向上と、機能強化を実現しています。これにより当社のサーボドライブ製品の性能を最大化させ、お客さまの装置性能と付加価値向上に貢献します。また、一般産業用途向け安川インバータ「GA700シリーズ」の400V級の容量ラインアップを従来の0.4~355kWから630kWへ拡大しました。大容量帯を拡充したことで、大型の一般産業用機械や設備に適用可能となり、より幅広くGA700をご使用いただけるようになりました。従来機種と比較して大幅に小型化・軽量化を実現しており、お客さまの設備の省スペース化に貢献します。これらにおける当分野の研究開発費は9,303百万円です。 〔ロボット分野〕産業用ロボットの業界で初めて(※)、ロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット「MOTOMAN NEXT」を開発しました。「MOTOMAN NEXT」シリーズは、不確定なモノの状態・形状・大きさのバラツキ、作業順序の変更や割込みが存在するような作業など、人が判断を行い作業している「未自動化領域」の自動化に貢献します。FA分野を始め、食品・物流・農業といった産業における労働力不足などの社会的課題の解決につなげてまいります。デジタルツイン環境を実現するシミュレーション検証をベースにしたエンジニアリングツール「YASKAWA Cell Simulator」を開発しました。設計から立ち上げ、セル全体の動作確認、動作分析と再設計まで、バーチャル環境を活用することにより一気通貫でエンジニアリングすることが可能となり、セルシステム上の各段階での様々な課題解決に寄与します。これらにおける当分野の研究開発費は4,661百万円です。(※)当社調べ 大手ロボットメーカー対象 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、脱炭素社会実現に向けた自家消費特化型太陽光発電用パワーコンディショナ 「Enewell-SOL P3A 25kW」が2023年度「省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門 資源エネルギー庁長官賞」(一般財団法人省エネルギーセンター主催)と、第66回「十大新製品賞 日本力(にっぽんぶらんど)賞」(日刊工業新聞社主催)をダブル受賞しました。本製品は、200V級では最大級の出力となる25kWを実現することで、特に中規模自家消費型太陽光発電システムにおいて優位性を発揮します。これらにおける当分野の研究開発費は1,470百万円です。
FY2023|2,715 文字
6【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っております。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しております。「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i³-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しております。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(風力/太陽光発電・電気自動車)およびHumatronics分野(バイオメディカル用ロボット)に焦点を当てて取り組んでおります。また、2021年9月より本格稼働した技術開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)においては、基礎技術開発から量産試作までを含めた上流から下流までの全プロセスを集約するなど、技術開発機能を結集させ、一貫した仕組みのなかで開発を進めることで、お客さまを勝たせる新たな製品の開発をタイムリーに行います。以上の取組みにより、当連結会計年度の研究開発費は18,778百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に引き続き取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発およびAI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めております。YTC内のローカル5Gを活用した産業用ロボットの遠隔制御の研究や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発を進めております。また、大学の研究室などとロボットの制御技術の開発や、農業分野での最先端技術の研究に加え、それぞれの技術を生かした新しい市場の開拓に向けた取組みを進めております。国立大学法人九州大学においては、最先端の技術開発や人材の育成などの幅広い活動によって、ともに持続的な成長とシナジー創出を実現する関係を築いております。国立大学法人九州工業大学においては、YTC内にて次世代ロボットの共同開発を継続しております。さらに、全国農業協同組合連合会においては、畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心に、スマート農業の具体化に向けた取組みを継続しております。これらにおける当分野の研究開発費は5,531百万円です。 〔モーションコントロール分野〕「i³-Mechatronics」を実現するACサーボドライブ「Σ-X」(シグマ・テン)シリーズの新たなラインアップとしてセンシングデータのカスタマイズ機能を備えた「Σ-XシリーズFT55/FT56仕様」を製品化しました。本製品は、センシングデータの収集や一次解析に加えモーション制御へのフィードバックを行うことができます。この機能により上位コントローラの処理負荷を軽減するとともに、処理周期やネットワークの遅延に依存しないモーション制御を高速に行うことが可能となり、今まで以上に装置の高機能化・高性能化に貢献します。「i³-Mechatronics」における「integrated(統合的)」の強化として、新世代の産業ネットワークであるMECHATROLINK-4に対応したASIC「JL-L000A」を開発しました。伝送効率の向上やマルチマスタ機能の追加等により、より効率的で高度な制御を実現しております。本製品とホストCPUを組み合わせることにより、お客さまの更なる高性能な製品開発に貢献します。また、様々な機器と接続してデータを入出力するためのツールとして、産業用の各種通信ネットワークに対応したリモートI/O製品「SLIO I/Oシリーズ」を製品化しました。各種通信ネットワークに対応した柔軟なシステムの構築が可能となり、お客さまの用途に合わせたデータ収集が可能となります。これらにおける当分野の研究開発費は7,959百万円です。 〔ロボット分野〕熟練を要する微妙な力加減や複雑な動きの作業工程をロボット化するため、人の動き(実演)を直接ロボットに教え込むこと(教示)が可能な、実演教示パッケージ「MOTOMAN-Craft」(モートマンクラフト)を製品化しました。樹脂や金属面の研磨工程において、熟練技能者の動きと力加減を忠実に再現し、研磨作業の自動化に貢献します。自動車生産ラインの塗装ブース内で、塗装ロボットの動作に合わせて自動車ボディーのドア開閉を行う塗装用途オープナーロボット「MOTOMAN-MPO10L(可搬質量10kg)」を製品化しました。搬送コンベヤに追従しながら塗装ロボットと協調してドアの開閉や保持が可能なため、走行装置を無くした設計が可能となり、導入・稼働・メンテナンスの各場面においてコストを削減できるほか、人手による既設の塗装工程の自動化も容易となります。また、新たに導入する設備においてはブース幅を短縮できることから、空調エネルギーの削減が可能となり、カーボンニュートラルにも貢献します。人協働ロボットの新たなラインアップとして、段ボール等のパレタイジング用途への適用が可能な「MOTOMAN-HC30PL(可搬質量30kg)」を製品化しました。可搬質量を30kgに向上させたことで、人と同じ作業スペースで重量物をハンドリングすることが可能となり、パレタイジングに適した仕様で設備の省スペース化を実現します。これらにおける当分野の研究開発費は3,932百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、脱炭素社会実現に向けた自家消費特化型太陽光発電用パワーコンディショナ 「Enewell-SOL P3A 25kW」を開発しました。逆潮流を防止するために必要な自家消費の機能を内蔵し、200V級では最大級の出力となる25kWを実現することで、特に中規模自家消費型太陽光発電システムにおいて優位性を発揮します。これらにおける当分野の研究開発費は1,354百万円です。
FY2022|2,301 文字
5【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、世界初・世界一にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しています。「工場自動化・最適化」においては、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i3-Mechatronics」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しています。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化に向けた取り組みを進めました。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics分野(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)に焦点を当てて取り組んでいます。さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制を構築するために、基礎技術開発から量産試作までを一貫した開発拠点「安川テクノロジーセンタ」(以下、YTC)の本格稼働を2021年9月に開始しました。以上の取り組みにより当連結会計年度の研究開発費は18,175百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、2021年度はソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めています。2021年3月に九州初となるローカル5G無線局免許を取得し、YTCにおいて5Gを活用して産業用ロボットの遠隔制御や新しい生産設備の検証を行うなど、お客さまのスマート工場化実現のためのソリューション開発に着手しました。2021年6月には国立大学法人九州大学と包括的な連携を図っていくことを合意しました。これまでプロジェクトごとにテーマを設定し共同研究を行ってきましたが、最先端の技術開発、異分野での連携、人材の育成など、幅広い活動で共に持続的な成長と双方にとってプラスとなる関係を築き、広い範囲でのシナジー創出を目指します。2021年8月には「日本の農業の発展と日本の食と農の国際競争力強化に貢献すること」を目的として、全国農業協同組合連合会と業務提携を締結しました。畜産・農業生産・流通販売の3分野を中心にスマート農業の具体化に向けた取組みを加速します。当分野の研究開発費は5,681百万円です。 〔モーションコントロール分野〕「i3-Mechatronics」の実現に向けた製品として、装置や産業用ロボットなどで構成された“セル”の様々なデータを高速かつリアルタイムそして時系列に同期し、統合的に制御する「YRM-X(テン)コントローラ」を業界で初めて製品化しました。半導体製造や電子部品組立て装置の高速化や高機能化に貢献するマシンコントローラMP3200用CPUユニットの最上位機種となる「CPU-203」、および新世代の産業ネットワークで従来のMECHATROLINK-Ⅲと比べて伝送効率が4倍のMECHATROLINK-4に対応した「CPU-203F」を製品化しました。また、脱炭素社会の実現が世界共通の目標となる中、製造業を中心に省エネやカーボンニュートラルへの取組みを加速する動きがみられます。そこで当社は、業界最薄となるモータ長かつ全容量において世界最高効率であるIE5を達成した「エコPMモータフラットタイプ」を製品化しました。冷却ファンレスによる小型化を徹底的に追求し、ビルや工場などの空調設備・ポンプなどの省スペース化や消費電力の削減に貢献します。当分野の研究開発費は7,305百万円です。 〔ロボット分野〕2022年3月に開催された「2022国際ロボット展」には、「i3-Mechatronics」コンセプトに基づき、変種変量・工程変化など多様化する生産に柔軟に対応する製品群として、装置とロボットが融合したDX化ソリューションや新型自律ロボットなどをリアルおよびオンラインで出展しました。食品加工用途の新たなラインアップとして、特殊な表面処理と食品機械用の潤滑剤を使用した新仕様の「MOTOMAN-GP8」(可搬質量8kg)を製品化しました。また、スマートフォンのように直感的なロボット操作ができるタブレット型のプログラミングペンダント「スマートペンダント」を小型垂直多関節ロボット4種に適用した「スマートシリーズ」の提供を開始しました。人協働ロボットの新たなラインアップとして、小型ながら従来比2倍の可搬質量を持つ「MOTOMAN-HC20SDTP」(可搬質量20kg)や、さらに、手元作業性を高めたショートアームタイプの「MOTOMAN-HC10SDTP」(可搬質量10kg)を製品化しました。省スペースでフレキシブルな生産ラインの実現に貢献します。当分野の研究開発費は3,726百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、太陽光発電関連機器の開発などを進めました。当分野の研究開発費は1,461百万円です。
FY2021|2,702 文字
5【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、“世界初”“世界一”にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。長期経営計画「2025年ビジョン」では、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定し、新しい価値と市場の創造を目指しています。「工場自動化・最適化」では、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i3-Mechatronics(※1)」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を継続しています。安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)においては、データの収集・視える化、そして、蓄積・解析を一括して行うことができるソフトウェアツール「YASKAWA Cockpit(※2)」の実証を進めています。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics分野(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)に焦点を当てて取り組んでいます。さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制を構築するために、基礎技術開発から量産試作までを一貫した開発拠点「安川テクノロジーセンタ」の開設(2021年3月開設)に向けて準備を整えました。以上の取り組みにより当連結会計年度の研究開発費は17,851百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、2020年度はソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めています。2020年7月、当社と株式会社YE DIGITALは、「i3-Mechatronics」を軸とした製造業向けのIoTソリューションの強化を図るため、合弁会社「株式会社アイキューブデジタル」を設立しました。同じく2020年4月には、国立大学法人東京工業大学と「YASKAWA未来技術共同研究講座」を開設し、10年後の超軽量人協働ロボットの実現をゴールとした超軽量アクチュエータの共同研究を開始しました。2021年3月に開設した安川テクノロジーセンタ内では、国立大学法人九州工業大学との次世代ロボット共同開発も本格化します。また、クラリベイト・アナリティクス(本社:米国フィラデルフィア)が独自に知財・特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業・機関100社を選考する「Derwent Top100グローバル・イノベーター2020」に5年連続で選出されました。当分野の研究開発費は3,932百万円です。 〔モーションコントロール分野〕「i3-Mechatronics」で掲げる3つのiの一つ「integrated(統合的)」の強化のため、従来と比べて伝送効率が4倍の産業ネットワーク「MECHATROLINK-4」に対応したACサーボドライブ「Σ-7シリーズ」およびマシンコントローラ「MP3000シリーズ」を製品化し、生産現場の設備や装置から検出されるビッグデータの種類や量を大幅に向上しました。さらに、業界最高のモーション性能とデジタルデータソリューションを提供するACサーボドライブ新シリーズ「Σ-X」を開発しました。また、ACサーボモータは1983年の市場投入以来、累積出荷台数2,000万台、インバータは1974年の世界初のトランジスタインバータを出荷して以来、累積出荷台数3,000万台を達成しました。当分野の研究開発費は8,521百万円です。 〔ロボット分野〕高速通信規格「5G」普及などによる半導体の設備投資拡大で需要増加が続く半導体製造装置用途として、当社のACサーボモータ「Σ-7シリーズ」のダイレクトドライブモータを採用した半導体ウエハ搬送用クリーンロボット「SEMISTAR-GEKKO MD124D」を開発しました。従来機種に比べて位置決め精度や振動発生を大幅に改善することにより、微細化や多層化など半導体製造プロセスの進化でますます高まるウエア搬送への要求に応えました。主に電気・電子部品を始めとした3C(コンピューター・家電製品・通信機器)市場および三品(食品・医療品・化粧品)市場に向けては、クラス最高の動作性能を持つ小型ロボット「MOTOMAN-GP4」(可搬質量4kg)をラインアップに加え、多様化する一般産業分野のお客さまのニーズに応えるとともに「i3-Mechatronics」の提案力強化を目指しました。また、自動化ニーズの高まる物流業界などでの箱詰めや箱積み工程に適用されるパレタイジングロボット4機種を製品化しました。MOTOMAN-PL190(可搬質量190kg)、320(可搬質量320kg)の2機種については、可搬質量の向上とともに大幅な形状のスリム化を実現しました。産業用ロボットMOTOMAN(モートマン)は、1977年に市場投入以来、累積出荷台数50万台を達成しました。当分野の研究開発費は4,244百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、産業用高圧と発電事業者用特別高圧の2つの領域で適用できる高電圧かつ高出力の分散型太陽光発電用パワーコンディショナ「XGI1500 150kW」を開発し日本市場に投入しました。当分野の研究開発費は1,152百万円です。 ※1 i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス):機械工学を表すメカニズムと、電気工学を表すエレクトロニクスを融合させた「Mechatronics(メカトロニクス)」に、3つの“i”(integrated:統合的、intelligent:知能的、innovative:革新的)を重ね合わせ、お客さまの工場の生産現場から、経営課題の解決に貢献するソリューションコンセプト。2017年10月に発表。※2 YASKAWA Cockpit(安川コックピット):「i3-Mechatronics」コンセプトを実現するソフトウェアソリューション
FY2020|2,567 文字
5【研究開発活動】当社は、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、“世界初”“世界一”にこだわった製品・技術の研究開発をグローバルな体制で行っています。前中期経営計画「Dash 25」の遂行状況を踏まえて、2015年4月20日に開示した長期経営計画「2025年ビジョン」の見直しを行い、メカトロニクスを軸とした「工場自動化・最適化」と「メカトロニクスの応用領域」を事業領域に設定しました。「工場自動化・最適化」では、これまでのソリューションに「デジタルデータのマネジメント」を加えたコンセプト「i3-Mechatronics(※1)」を軸とした産業自動化革命の実現に向け、メカトロニクス技術とICTの融合により、新しい自動化ソリューションの開発を加速しました。2018年12月より本格稼働開始した安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)においては、データの収集・視える化、そして、蓄積・解析を一括して行うことができるソフトウェアツール「YASKAWA Cockpit(※2)」の実証を進めました。「メカトロニクスの応用領域」では、メカトロニクス技術が応用できる分野を探索・実証しながら、事業化を見極めていきます。特に、Energy Saving分野(省エネ機器・高効率モータ)、Food & Agri分野(野菜生産システム・食品工場自動化)、Clean Power分野(風力/太陽光発電・電気自動車)、Humatronics分野(リハビリ機器・バイオメディカル用ロボット)に焦点を当てて取り組んでいます。さらに、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制を構築するために、基礎研究から量産試作までを一貫する研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ」の新設(2021年予定)に向けて準備を行っています。以上の取り組みにより当連結会計年度の研究開発費は18,999百万円となりました。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、2019年度はソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の具体化に向けた研究開発に取り組みました。IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるため、オープンイノベーションのさらなる強化を進めています。また、メカトロニクスの応用領域拡大に向けて、前腕回内回外リハビリ装置「CoCoroe PR2(ココロエ ピーアールツー)」を製品化しました。本装置は、前腕の回内・回外運動のリハビリに特化した装置で、日本国内において管理医療機器(クラスⅡ)/特定保守管理医療機器として医療機器認証を取得しました。当分野の研究開発費は4,694百万円です。 〔モーションコントロール分野〕「i3-Mechatronics」の具体的なソリューションの一つとして、モーションとロボットの制御を統合しデータ収集・解析をリアルタイムに行える「YRMコントローラ(仮称)」を開発し「IIFES 2019」へ参考出展しました。また同展示会では、各種センサデータをリアルタイムで収集・解析し装置制御へフィードバックすることが可能な次期サーボドライブのコンセプトを紹介しました。インバータでは、機械・設備の状態や情報の可視化、故障予兆診断や長寿命化を実現できる新機能を搭載した汎用小型高機能インバータ“GA500”を製品化しました。安川ソリューションファクトリでは、サーボモータなどから検出したデータを「YASKAWA Cockpit」と連携させることで、装置の予防保全や製品の品質管理への活用実現を進め、ラインの不具合発生から改善までのサイクルの大幅な短縮や生産スピードの向上を達成しました。当分野の研究開発費は7,965百万円です。 〔ロボット分野〕「i3-Mechatronics」コンセプトの実現に向け、人口知能(AI)を活用したロボットによる自動搬送や研磨などのアプリケーションを2018年に設立した株式会社エイアイキューブと開発し、「2019国際ロボット展」に出展しました。デジタル空間に仮想の製造現場を再現し、現場のデータの反映による高精度なシミュレーションで開発や生産を効率化する技術「デジタルツイン」の開発も進めています。安全柵が不要で人と並んで作業ができる人協働ロボットのさらなる用途拡大のため、新たなラインアップとして、ちりやほこり・液体などへの耐環境性を向上させた人協働ロボットMOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様タイプ、食品製造ラインで求められる安全性や衛生面へ配慮した人協働ロボットMOTOMAN-HC10DTFを製品化しました。また、環境に配慮したエコカーの開発が世界規模で進められ、自動車の材料や製造ラインの構成が大きく変化しつつある中、新しい素材の溶接や高付加価値ラインの構築に対応した新型ロボットを開発し、ラインアップの拡充を図りました。自動車分野以外の一般産業分野向けでは、高速なサイクルタイムが求められる小型部品の組立工程や搬送工程などに最適な水平多関節型スカラロボットを開発・製品化しました。当分野の研究開発費は4,513百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、大型風力・太陽光発電関連機器の開発など、Clean Powerのコア事業化を進めました。米国においては、ユーティリティ規模の太陽光発電市場に対応したパワーコンディショナ「XGI1500」を開発しました。当分野の研究開発費は1,825百万円です。 ※1 i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス):機械工学を表すメカニズムと、電気工学を表すエレクトロニクスを融合させた「Mechatronics(メカトロニクス)」に、3つの“i”(integrated:統合的、intelligent:知能的、innovative:革新的)を重ね合わせ、お客さまの工場の生産現場から、経営課題の解決に貢献するソリューションコンセプト。2017年10月に発表。※2 YASKAWA Cockpit(安川コックピット):「i3-Mechatronics」コンセプトを実現するソフトウェアソリューション
FY2019|1,845 文字
5【研究開発活動】当連結会計年度は、2016年度~2018年度中期経営計画「Dash 25」の最終年度に当たり、グローカル開発体制によるスピーディな製品開発、および新規事業・新分野のコア事業化に向けた研究開発を加速し、新製品の開発・市場投入を通じ主力事業の受注拡大を進めるとともに、長期経営計画「2025年ビジョン」に掲げる「新たな産業自動化革命の実現」に向け、ソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を提唱し、デジタルデータソリューションの提供につながる研究開発を進めました。当社は、グローバルで高い競争力を有する当社のコンポーネント製品にAI技術を加えることで、新たなソリューションの提供を目指しており、製造・産業用ロボット向けのAIソリューション開発などを手掛ける株式会社エイアイキューブの設立や、人工知能(AI)のアルゴリズム開発・コンサルティングを手掛けるAIベンチャー企業の株式会社クロスコンパスとAIソリューション開発の加速を目的とした戦略的提携を行いました。さらに、世界中の製造業における生産設備や機械などの高度化・自動化へのニーズが急速に高まる中、お客さまの要求に対してスピーディに対応できる体制の構築を目的に、基礎研究から量産試作までの一貫した研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ(仮称)」を新設することを決定いたしました。当連結会計年度の研究開発費は207億92百万円であり、各分野におけるその状況は、以下のとおりです。 〔研究開発分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」の実現に向け、2018年度はソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」に基づく研究開発へと集約した取り組みを加速しました。また、IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるためのオープンイノベーションもさらに強化して進めています。当分野の研究開発費は50億96百万円です。 〔モーションコントロール分野〕「i3-Mechatronics」コンセプトの実現に向け、世界トップクラスのサーボドライブとロボットの制御技術を結集し、マシンコントローラから産業用ロボットの制御が可能なハード面でのソリューションとなる“ロボットモジュールRM100”を開発しました。サーボモータではデータ検出機能を向上させ、従来と比べてより多種・大量のデータを詳細に監視することが可能となりました。インバータでは機械・設備の視える化、および故障予知や不具合の検知を実現する機能を強化しました。また、マトリクスコンバータ「U1000」を各種船級規格に適合させました。2018年12月より本格稼働開始した安川ソリューションファクトリ(埼玉県入間市)では、サーボモータなどから検出したデータを「YASKAWA Cockpit」と連携させることで、装置の予防保全や製品の品質管理への活用実現に向け取り組んでいます。当分野の研究開発費は84億円です。 〔ロボット分野〕環境に配慮したエコカーの開発が世界規模で進められている中、自動車製造ラインの構成が大きく変化しつつあります。また、従来の鋼材とは異なる新しい素材が採用され始めています。このようなトレンドに対し、新しい素材の溶接や高付加価値ラインの構築に対応した新型ロボットの開発を進めております。また、研磨やダイカストにおける高い防滴・防じん性への要求や、食品を直接扱うニーズに対応するため、ロボットの耐環境性を向上させた防滴仕様タイプと、機械潤滑剤に食品機械用グリースを採用した食品グリース仕様タイプを新たにラインアップしました。MOTOMAN-HC10DTハンドキャリータイプは、人協働ロボットと手押台車を組み合わせることで、ものづくりプロセスのフレキシビリティ向上を実現いたしました。当分野の研究開発費は46億86百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、大型風力・太陽光発電関連機器の開発など、Clean Powerのコア事業化を進めました。当分野の研究開発費は24億8百万円です。 〔その他分野〕長期経営計画「2025年ビジョン」に掲げるヒューマトロニクスの事業領域確立に向けて、前腕回内回外リハビリ装置の臨床研究機を開発しました。本装置は、前腕の回内・回外運動のリハビリに特化した装置です。当分野の研究開発費は2億円です。
FY2018|1,445 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度は、中期経営計画「Dash 25」3年間の2年目に当たり、グローカル開発体制によるスピーディな製品開発、および新規事業・新分野のコア事業化の実現に向けて研究開発を加速しております。また、新製品の開発・市場投入を通じ主力事業の受注拡大を進めるとともに、新たな産業自動化革命の実現に向けた当社の新コンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を掲げて、次世代のものづくりの支援を目指した研究開発活動を推進しています。当連結会計年度の研究開発費は190億72百万円であり、各分野におけるその状況は、以下のとおりです。 〔モーションコントロール分野〕IoT(Internet of Things)やAIを活用したものづくりに向け、フィールドネットワークではMECHATROLINK-4により、高度な制御・伝達効率の向上を可能に、また機器レベルでの高機能化に不可欠なセンサ情報とエンコーダ情報の同期送受信が可能な画期的な機能を追加したΣ-LINK Ⅱを開発しました。サーボモータでは超小型ACサーボミニシリーズや中空型の拡充で多様なものづくりの形態に対応可能としました。インバータでは独自の制御技術により特別なハードウェアを追加することなく種々の課題解決を可能としました。また、入間事業所内に建設中の、i3-Mechatronicsコンセプトを実証する最新の次世代工場「安川ソリューションファクトリー(仮称)」は、2018年度上期中の稼働開始を予定しております。当分野の研究開発費は69億5百万円です。 〔ロボット分野〕新型ロボットコントローラ YRC1000に対応した中大型可搬質量の新規29機種をリリース、ロボットのラインアップの充実を加速しています。YRC1000は2016年度にリリースされ、新たな制御方式により大幅な動作軌跡の改善を実現し、世界各地で異なる電圧へ対応すると同時に、標準機種で電源回生も可能な新型ロボットコントローラです。YRC1000に接続されるロボットのラインアップ拡大により多様な生産ライン構築への包括的なソリューションを提供します。また、今後の製造形態の変化に対応すべく、業界最小・最軽量のロボットMotoMINI、人協働ロボットの製品化や動作域を大きく広げ多用途に対応可能なロングリーチアームのロボットなど製品シリーズの拡大を図りました。当分野の研究開発費は44億87百万円です。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー分野においては、省エネ・創エネ技術を応用し、大型風力・太陽光発電関連機器の開発など、Clean Powerのコア事業化を進めました。当分野の研究開発費は22億86百万円です。 〔その他分野〕拡大するレーザ加工分野に適用される、高速、高自由の制御が可能なガルバノスキャナ製品において、作業時間の革新的な短縮を目的に位置センサ等の他機器との同期が可能な制御機能を開発しました。当分野の研究開発費は2億44百万円です。 〔研究開発分野〕新長期計画「2025年ビジョン」の実現に向け、本2017年度は当社の新ソリューションコンセプトi3-Mechatronicsに基づく研究開発へと集約した取り組みを開始しました。また、IoTを軸とする新製品・新技術開発、AI技術を製品に反映させるためのオープンイノベーションはさらに強化して進めています。当分野の研究開発費は51億48百万円です。
FY2017|1,429 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度は、中期経営計画「Dash 25」の初年度に当たり、前中期経営計画「Realize 100」で確立したグローカル開発体制によるスピーディな製品開発、および新規事業・新分野のコア事業化の実現に向けて研究開発を進めております。新製品の開発・市場投入を通じ主力事業の受注拡大や、船舶駆動関連・EV(電気自動車)などの環境・エネルギー分野についてコア事業化を進めました。当連結会計年度の研究開発費は179億79百万円であり、各分野におけるその状況は、以下のとおりであります。 〔モーションコントロール分野〕次世代生産システムとして注目されているインダストリ4.0ではビッグデータや高速処理の要求が予想されます。このような将来の要求を見据えて、高速性に優れリアルタイムOSに対応可能なマシンコントローラMP3110を製品化しました。また、バッテリーレス絶対値エンコーダを搭載したサーボモータをラインアップし、メンテナンスフリー、配線の簡素化を実現しました。インバータドライブでは、産業用汎用インバータGA700シリーズを対象としたクラウドサービスとして「YASKAWA Drive Cloud」をリリースし、サーボ・コントローラ向けおよびロボット向けのクラウドサービスとともに,さらに利用領域を拡大しました。また、入間事業所内に、当社のIoT(Internet of Things)やAIのコンセプトを具現化する最新の次世代生産工場「ソリューションファクトリー」の開設を決定しました。稼働開始は平成30年度上期を予定しております。「ソリューションファクトリー」では安川版インダストリ4.0のコンセプト実証の取り組みとして、生産、製品の側面から先端的なものづくりを実証していきます。当分野の研究開発費は82億54百万円であります。 〔ロボット分野〕産業用途では世界的需要が増大する既存分野と新たな利用領域の拡大を指向する新型ロボットを市場に投入しました。小型製品の塗装に最適な小型ロボットや、バイオメディカルなど高度な衛生管理が求められる分野に最適な6軸垂直多関節ロボットなどを製品化しました。また、AI機能を搭載したアーク溶接電源と新型ロボットコントローラYRC1000の組み合わせにより、薄板溶接の品質と効率を併せて向上するシンクロウェルディング機能を実現しました。当分野の研究開発費は41億91百万円であります。 〔システムエンジニアリング分野〕Clean Power事業領域における船舶システム事業の強化拡大を図るため、子会社を通じて船舶用ドライブ製品の開発および製造部門を取得し、市場ニーズに合ったドライブシステムの開発を強化しました。当分野の研究開発費は11億26百万円であります。 〔その他分野〕レーザー溶接や加工に最適なファイバーレーザ専用3Dガルバノヘッドユニットを製品化し、ガルバノスキャナ製品のラインアップを拡充しました。当分野の研究開発費は2億63百万円であります。 〔研究開発分野〕「2025年ビジョン」の実現に向けた取り組みとして、「Realize 100」の成果の製品展開や、安川版インダストリ4.0、IoTの活用を軸とした新製品・新技術開発に取り組んでおります。特に、AI技術を製品に反映させるべくオープンイノベーションを活用することで開発を加速しています。当分野の研究開発費は41億43百万円であります。
FY2016|1,530 文字
6【研究開発活動】当連結会計年度は、中期経営計画「Realize 100」の最終年度に当たり、基本方針である開発力・生産力・販売力を継続的に進化させ、グローバルな事業遂行力を強化してきました。既存事業分野での市場対応力強化を目的に製品ラインアップの拡充および市場投入、環境エネルギー分野での最適エネルギー変換技術・製品開発や、人と共存するロボットに関する技術・製品開発を進めました。当連結会計年度の研究開発費は168億19百万円であり、各分野におけるその状況は、以下のとおりであります。 〔モーションコントロール分野〕サーボドライブでは、7つの性能を極めたACサーボドライブΣ-7シリーズに用途最適機能を内蔵した機種や、高トルク・高精度のダイレクトドライブなどを製品化しました。また、コントローラでは、マシンコントローラMP3300シリーズに更なる高速化を実現したCPUモジュールをラインアップしました。さらに、小規模な装置や機構の制御に最適なコントローラ内蔵2軸一体サーボパックΣ-7Cを製品化しました。インバータドライブでは、従来のインバータシリーズを刷新した次世代インバータの第一弾として、一般産業用途向けにGA700を製品化しました。環境・エネルギー領域では、自然エネルギーを利用した小容量発電システム用制御装置Enewell-GD/GCのラインアップの拡充とともに、高周波トランス絶縁方式を採用した太陽光発電用パワーコンディショナEnewell-SOL P2H(9.9kW,200V級,三相),高効率な電力変換を実現した小形風力発電用パワーコンディショナEnewell-WINを製品化しました。当分野の研究開発費は81億75百万円であります。 〔ロボット分野〕産業用ロボットとしては、スポット溶接、塗装、ハンドリング用途向けに新形ロボットのラインアップを拡充するとともに、人共存形ロボットや小型部品の搬送に最適な小型ロボットなどを開発しました。また、産業用ロボットMOTOMANを対象に、クラウドを活用した新しいサービスMOTOMAN-Cloud(モートマンクラウド)を開始しました。ロボティクスヒューマンアシスト用途においては、介護ベッドと車椅子間における介助者による抱え上げ支援をサポートする移乗アシスト装置、脳卒中等による歩行障害に対する歩容改善および歩行能力の回復が期待される足首アシスト歩行装置など早期製品化に向けて、更なる開発を進めました。当分野の研究開発費は36億88百万円であります。 〔システムエンジニアリング分野〕環境・エネルギー領域として、国の補助事業に参画し、再生可能エネルギーの導入など非常時にも対応できる港湾システムの構築への取り組みを開始しました。また、大型風力発電用電気品の信頼性を検証する風車模擬システムを構築し、高信頼性の電気品の提供に取り組んでいます。当分野の研究開発費は10億50百万円であります。 〔その他分野〕ガルバノスキャナシステムを使用したレーザ加工において、高速化と大容量加工データに対応できるガルバノスキャナシステム用コントローラを開発しました。当分野の研究開発費は2億57百万円であります。 〔研究開発分野〕当分野では、人と地球に優しい「ヒューマン&エコ メカトロニクスの創造」をコンセプトにロボティクスヒューマンアシスト、環境エネルギー、メカトロニクスソリューションでの技術開発を進め、世界初のフルSiCパワー半導体を搭載した入出力電圧電流正弦波マトリクスコンバータ,世界初のGaNパワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモータなどを開発しました。当分野の研究開発費は36億46百万円であります。