研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 1,100 |
| 2024-12 | - | 792 |
| 2023-12 | - | 624 |
| 2022-12 | - | 549 |
| 2021-12 | - | 388 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,849 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、21,382百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、929百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 (1)タイヤ既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、18,387百万円であります。 1)AIでタイヤ打音から空気圧を判定する技術の実証実験を開始トラック・バス用タイヤの打音からAI(人工知能)を活用して空気圧状態を判定する技術を開発し、実証実験を開始しました。トラック・バス用タイヤの空気圧の日常点検において、依然としてハンマーによる打音点検が主流となっています。しかし、打音のみで空気圧が適正かを判断することは熟練のドライバーでも容易ではなく、手軽かつ正確に空気圧の状態を判定できる方法が求められています。こうしたニーズに応え、㈱METRIKAと協力して、さまざまな環境音の中からタイヤの打音を識別し、打音に基づいて空気圧を予測するAIアルゴリズムを開発しました。さらに、専用のアプリケーションを試作し、専用機器の設置や判定スキルの習得なしで、誰でも高精度な空気圧点検が可能になります。今後は実証実験を通じて、IoTを活用して最適な商品および運用プランの提案を迅速に行う横浜ゴム独自の次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」との連携も計画しています。 2)植物原料由来などのエタノールから高効率でブタジエンを生成する技術のベンチ設備を導入当社と日本ゼオン㈱(以下、ゼオン)は、植物原料由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術を実証するためのベンチ設備※1を山口県周南市のゼオン徳山工場内に建設することを決定しました。ベンチ設備は、2026年から稼働を開始し、ブタジエンの確保並びに量産に向けた各種データを収集していきます。今回実施する実証実験は、植物原料由来などのエタノールを高効率な触媒によってブタジエンに変換する技術を実証するもので、植物原料由来などの合成ゴムを量産化する技術確立の第一歩となります。ゼオンはベンチ設備で生成したブタジエンからポリブタジエンゴム(ブタジエンゴム)を試作し、当社はそのブタジエンゴムを使用したタイヤの試作および走行テストを実施し、大規模実証に向けたデータ収集を行います。※商業化に向けた連続実証設備(パイロット設備)へ移行するために必要なデータを取得する大規模設備 3)ゴム摩擦研究の第一人者であるB. N. J. Persson博士とマルチスケール凹凸路面でのゴム摩耗予測に関する世界初の理論モデルを構築ゴムの摩擦・接触に関する研究の第一人者であるBo Nils Johan Persson(ボ・ニルス・ヨハン・ペルソン)博士との共同研究により、凹凸路面上のゴム摩耗率と摩耗粉粒子のサイズ分布を予測する理論モデルを世界で初めて構築しました。本研究は2025年2月21日付、物理学術誌「The Journal of Chemical Physics」(米国物理協会)において、掲載論文の中で最も注目に値する研究が選ばれる表紙論文に選ばれました。当社は長年のゴム研究における実績と高い技術開発力が認められ、マルチスケールコンサルティングと契約し、Persson博士と共にゴムと路面の摩擦・摩耗に関する研究を進めてきました。このたび世界で初めて、理論化が難しかった凹凸路面上のマルチスケール(ナノ~センチレベル)におけるゴム摩耗挙動の理論モデルを構築しました。ドライおよびウェット滑走下でのゴムの摩耗挙動を様々な接触圧と速度で計測した結果、理論モデルが予測する摩耗率(単位滑走距離あたりの質量損失)と摩耗粉粒子のサイズ分布が実験結果と合致し、本理論がそれらの予測に使用できることを確認しました。当社は今後もPersson博士およびマルチスケールコンサルティングとの研究を進め、高次元の耐摩耗性能を実現したタイヤ開発を追求するとともに、EVなど高重量な電動車の増加に伴い、ますます重要性を増すタイヤ摩耗による環境課題の解決に貢献していきます。 4)天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指す国際共同研究に協力当社が協力会社として参画する国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発(以下、本研究)」の成果が2025年12月9日、インドネシア大学で開催された「5th Joint Coordinating Committee Meeting (toward application of joint technologies for new breeding of natural rubber trees)」で発表されました。本研究はゴムノキの病害抑制により天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指すもので、外務省と文部科学省の支援のもと、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されています。当社はプロジェクトが立ち上げられた2020年より協力会社として本研究に参画し、2024年からはスクリーニングにより選定された殺菌剤が天然ゴムの品質に与える影響の調査を開始。すでに大規模農園でのフィールド評価において、適切に散布・使用すれば殺菌剤がゴムの特性および加硫物性に影響を及ぼさないことが確認できており、現在は本研究がターゲットとする小規模農園での影響調査に協力しています。当社は「持続可能な天然ゴムの調達方針」の中で、小規模農家を含むサプライチェーンに関わる方々への支援を掲げており、本研究への参画により、天然ゴムの生産および農家の収入の安定化に貢献します。なお、SATREPSの研究課題では天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究」にも連携機関として参画しています。 <OHT事業>OHTのすべてのカテゴリーにブランドを持つマルチブランド戦略に基づき、各ブランドの提供価値の最大化を目指して研究開発活動を行っています。Trelleborg、Mitasの両ブランドで事業展開するYokohama TWSは、市場で最も先進的な技術の開発を通じて、農業機械用タイヤや産業車両用タイヤを中心にプレミアムサプライヤーとしての地位を強化し続けています。また、Alliance、Galaxy等のブランドの農業機械・建設車両用タイヤなどを展開するYokohama ATG(=Y-ATG、 =旧YOHT)は、開発リードタイムの短さを活かして、ニッチ商品の早期開発・投入などを通じて、バリューセグメントでのプレゼンスを高めています。 1)アダプティブ・タイヤ・マネジメント・システム(ATMS)ATMSは、荷重、圧力、温度などの作業条件をリアルタイムに検知し、常に最適なトラクターの車両設定を提案することで、農業の生産性の向上を実現する当社独自のシステムです。対応車種の拡大に向け、現在OEM各社による検証が進められています。 2)製品・材料開発厳しい使用条件下における農機用タイヤの耐久性と性能向上を目的とした先進材料技術への投資を行っています。また、持続可能なコストでバイオ素材とリサイクル素材の採用を推進する取り組みを継続しています。2025年6月には、特定製品の5,000時間走行保証プログラムを開始しました。 3)ラバートラック世界的な需要拡大傾向にあるラバートラック市場にて、従来の農業における生産性の概念を再定義するような次世代ソリューションの提供を目指し、革新的な製品の開発に取り組んでいます。 (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,850百万円であります。 1)柔軟性とコンパクト性を追求した高圧ホース「レベックスC(CWP)」シリーズを新発売建設・土木機械や工作機械、産業機械まで幅広く使用できる高圧ホース「レベックス」シリーズの新たなラインアップとして、柔軟性とコンパクト性を追求した「レベックスC(CWP)」シリーズを2025年1月から日本国内で販売を開始しました。最高使用圧力35MPa、内径19mmと25mmの2サイズからスタートし、今後は他のサイズも拡充していく計画です。新商品の「レベックスC(CWP)」は、従来品である「レベックス(NWP)」の特徴である優れた耐久性※、耐熱性、耐摩耗性、耐候性を踏襲しながら、外径をよりコンパクトに、柔軟性の向上(曲げ剛性の低減)や10%以上の軽量化(25mmサイズの場合、当社比)などを達成。耐久性能と扱いやすさを高いレベルで両立させました。※ISO18752 BC級相当のインパルス試験に合格。これにより、配管スペースが狭く屈曲が必要な内部配管など、これまで高圧ホースの取り回しが難しかった配管でもよりスムーズな作業が可能となります。 2)省エネルギー性能を高めた難燃性コンベヤベルト 「FLAME GUARD ECO」を発売難燃性コンベヤベルトとして好評を博している「FLAME GUARD」シリーズから省エネルギー性能を高めたコンベヤベルト「FLAME GUARD ECO(フレイムガード・エコ)」を発売しました。「FLAME GUARD ECO」は火災防止のために難燃性コンベヤベルトが必要とされる港湾や火力発電所の石炭搬送ラインでの使用を想定し開発しました。省エネ性能向上にあたっては、世界トップレベルの省電力性能を実現した横浜ゴムのコンベヤベルト「ECOTEX」で培った技術を活用し、ゴム配合を最適化。これにより、エネルギーロス発生の一因であるベルトがローラーを乗り越える時のゴム変形を小さくし、走行抵抗を抑制しコンベヤの消費電力削減に貢献します。難燃性と省エネ性能の両立により、安全な操業に貢献するとともに、エネルギーコスト削減やCO2排出量削減による環境負荷低減に寄与します。特殊配合ゴムにより自己消火性を持つ「FLAME GUARD」シリーズとして、難燃性、難燃超耐摩耗性、難燃重耐油性、難燃中温耐熱性、難燃高温耐熱性のコンベヤベルトを品揃えしています。今回、ベルトがローラー上を通過する際に発生する乗り越え抵抗を大幅に低減させた「FLAME GUARD ECO」の発売により、さらに強力な商品ラインアップとなりました。 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 216百万円あります。
FY2024|4,336 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、19,800百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、878百万円であります。 ・ゴム材料の電子顕微鏡画像を明瞭化する新たな画像処理手法を開発ゴム材料の内部におけるナノスケール構造を鮮明に可視化する、新たな画像処理手法を開発しました。本手法により、網目状の分子ネットワーク構造を明瞭に捉え、さらに内部構造に関わる因子を数値化することに成功しました。本研究では、ゴムの内部構造を撮影した電子顕微鏡画像に対して、ゴム分子がネットワーク状に凝集する領域のみを強調する画像処理手法を開発しました。ゴム材料に関する知見と数理的手法を組み合わせた新たな画像処理技術により、ノイズが多く輪郭が不明瞭な電子顕微鏡画像からでも、ゴム内部のネットワーク構造をナノスケールで明瞭に捉えることができます。従来、電子顕微鏡画像からゴムの内部構造を解析するには、解析対象のネットワーク領域を手動で設定する必要がありましたが、本手法では自動で算出できるため、恣意性を排除しつつ、多数のサンプルを同時に解析することが可能となりました。本手法を用いて各サンプルにデータ処理を施し、ゴムの物性に関わる因子となるネットワークの長さを算出したところ、実験値と高い相関を示し、本手法の妥当性が確認できました。本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST 課題名「反応リマスターによるエコ材料開発のフロンティア共創(JPMJCR2235)」の一環として実施されました。また本研究は、筑波大学と横浜ゴム株式会社との共同研究契約に基づいて行われました。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 (1)タイヤ既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、17,089百万円であります。 1)人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab」の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab※(ハイコラボ)」の研究開発において一般社団法人日本ゴム協会の「第36回日本ゴム協会賞」を受賞しました。「日本ゴム協会賞」はゴムおよびその周辺領域における科学・技術またはその産業分野の発展に寄与し、その業績が極めて顕著なゴム協会会員に授与されるものです。授与数は毎年2件以内で、基準を満たす技術者がいない場合は授与されません。今回は横浜ゴムの小石正隆による研究開発1件が受賞しました。今回受賞した「HAICoLab」は横浜ゴムが2020年10月に策定した、「人間特有のひらめき」や「発想力」と「AIが得意とする膨大なデータ処理能力」との協奏によって新たな発見を促しデジタル革新を目指すAI利活用フレームワークです。※Humans and AI collaborate for digital innovationをもとにした造語 2)XAIを活用したタイヤ設計支援システムを独自開発2024年7月、XAI(eXplainable AI=説明可能なAI)※を活用したタイヤの設計支援システムを独自に開発しました。これにより、技術者の知識や経験を補う情報(求めるタイヤ特性に役立つ特徴量)が得られるため、経験の浅い技術者でもタイヤ設計が容易になり、開発のスピードアップやコスト削減が可能となります。さらに、特徴量を俯瞰することで新たな気づきやひらめきが得られ、より高性能な商品の開発が期待できます。本システムは、技術者が設定したタイヤの基準仕様と目標特性値から改善すべき特性(目的特性)と定量値を定め、その目的特性の改善に役立つ特徴量をXAIで提示します。技術者はXAIで得られた情報(求めるタイヤ特性に役立つ特徴量)を多角的な視点で解釈して仕様を修正し、横浜ゴムが2021年に開発した特性値予測AIを使って各特性値が目標を達成しているかを確認します。このプロセスを繰り返すことで最終仕様を決定し、さらにXAIによって最終仕様の根拠(各特性値の改善や維持に役立った設計因子(特徴量)とその寄与率)も確認できます。このように“人とAIとの協奏”によって新たな発見やひらめきを得ることができ、より高性能な商品開発に繋げることが期待できます。※ブラックボックスとなっているAIの判断基準やルールをユーザーが推測するための技術 3)㈱T2が実施するレベル4自動運転トラック幹線輸送の公道実証実験に参画2024年11月から2026年3月までを実証実験期間として、自動運転トラックの開発などを行う㈱T2が実施するレベル4自動運転※トラックによる幹線輸送の公道実証実験に参画し、タイヤ検証を行います。車両には来春発売予定のトラック・バス用タイヤの新商品を装着し、自動運転トラック向けタイヤに求められる性能などを検証します。また、今後は自動運転トラック向けのタイヤソリューションサービスについても実用化を進めます。実証実験は関東~関西間の高速道路上の一部で実施します。レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスは限定領域においてドライバーがいない状態での運行が可能となるため、物流の2024年問題の解決に貢献するだけでなく、人間以上に安全な運転、高回転・高頻度物流による物流効率の向上、安定走行による燃費の改善など社会・環境に優しく、持続可能な物流の実現が期待できます。㈱T2では2027年にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送事業の実現を目指しています。※特定の走行環境条件を満たす限定された領域において自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態 <YOHT>革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく活動をしております。 1)各種展示会への出展世界最大級の屋外農業機械展示イベントであるWorld Ag Expo(ワールド アグ エクスポ)やOff-The-Road Tire Conference(オフ・ザー・ロード タイヤ コンファレンス)、米国北東部最大級の林業製品産業見本市であるThe Loggers’ Expo(ザー ロガーズ エクスポ)、イタリアで行われる国際農機展EIMA International 2024(イーアイエムエー インターナショナル)等への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し販売拡大に努めており、ALLIANCEブランドやGalaxyブランドの新商品発売・サイズラインナップ拡充を行いました。 (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,634百万円であります。 1)セル型およびコーン型ソリッド防舷材を新発売、総合的な製品ポートフォリオ構築へ2024年4月より、港湾の係留施設に設置されるソリッド防舷材として、セル型防舷材とコーン型防舷材を製品のラインアップに加えました。2023年7月に発売したベーシックモデルであるV型ソリッド防舷材に続いて、より高性能な2商品を発売することで幅広いユーザーニーズに応えるラインアップが完成しました。今後は現在販売しているトップエンドモデルの空気式防舷材「ABF-P」と合わせてオンショア(岸壁)市場全体をカバーする総合的な製品ポートフォリオを活かし、シェアをさらに拡大していきます。防舷材は船体と岸壁を接岸や接舷の衝撃から保護する緩衝材で、港湾の係留施設では岸壁と船、洋上の荷役では船体の間に設置されます。空気式は内包した空気弾性、ソリッド式はゴム弾性により衝撃を吸収します。今回販売するミドルモデルのセル型防舷材は耐久性に優れる円柱形状の防舷材で、ハイエンドモデルのコーン型防舷材は衝撃のエネルギー吸収効率をより高めた円錐台形状の防舷材です。いずれも船体の荷重を受け止める受衝板を備えており、小型船から大型の客船や貨物船、タンカーまで幅広く使用されます。販売にあたり、一般財団法人港湾空港総合技術センター(SCOPE)の認証を取得しています。 2)コンベヤベルト向けのセンシング技術を確立2027年中のサービス提供を目指して、稼働中のコンベヤベルトをリアルタイムで遠隔監視し、異常を検知するセンシング技術を確立しました。今後はセンシング技術で検知したデータに基づいてコンベヤベルトの最適な運用管理を提案する総合ソリューションサービスの構築を進めます。センシング技術を活用した総合ソリューションサービスをご利用いただくことで、潜在的なリスクを検知して事故を未然に防ぐなど安全性を向上させるほか、保全コストの削減といった経済性にも貢献します。また、点検作業の負担軽減やメンテナンスの省力化により作業現場の課題となっている人手不足にも対応します。さらに、当社の専門スタッフによる運用管理により、適切な点検頻度や交換サイクル、製品仕様の最適化などユーザーごとに異なる使用環境や要望に合った最適な提案を実現します。当社の総合ソリューションサービスをご利用いただき最適な運用管理を実現することは製品の長寿命化にも寄与し、製造時のCO2排出量や原材料の削減など環境課題への貢献も期待できます。 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 198百万円あります。
FY2023|7,075 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、17,972百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、929百万円であります。 ・信州大学と劣化なくリサイクル可能な高分子微粒子から亀裂が進みにくいゴム材料を開発信州大学学術研究院(繊維学系)の鈴木大介准教授らの研究グループと共同で、高分子微粒子※1を活用し有機溶剤や補強剤などの添加剤を使わずに、亀裂(クラック)に対して高い耐久性を有するゴム材料を開発しました。本研究で得た知見をもとにさらに研究を進めることで、人や環境にやさしく、より安全で耐久性の高いタイヤやゴム製品の開発に繋げることが期待できます。また、開発したゴム材料は簡単に劣化なくリサイクルすることが可能であり、サーキュラーエコノミーへの貢献も期待できます。この微粒子フィルムは超分子化合物※2として知られるロタキサン分子※3を微粒子の内部に架橋剤として導入することで、補強剤などその他の添加剤を一切使用せずに、切れ目から亀裂が広がりにくい性質を持たせることに成功しました。また、この微粒子フィルムはゴム材料としての高い伸縮性も維持しています。さらに、微粒子フィルムは環境負荷の小さい水とエタノールの混合溶媒に浸すだけで微粒子個々に分解することができます。その後、揮発性の高いエタノールのみを蒸発させて元の微粒子と水から成る分散水溶液に戻すことができるため、同じ微粒子フィルムを簡単に劣化なく再生することが可能です。なお、本成果は米国化学会のLangmuir誌に掲載されました。※1:高分子微粒子とはマイクロスケール(1マイクロメートル=100万分の1メートル)より小さい高分子の粒子。※2:複数の分子が比較的弱い相互作用によって秩序高く会合して形成される分子集合体。分子を集合させることで、分子の機能を制御したり、新機能を発現することができる。※3:ロタキサン分子は環状分子に軸分子が貫通し、その環状分子が軸分子から抜けないようにした構造を有する分子集合体。 ・先端計測と計算科学を組み合せた化学反応可視化技術によりゴムとスチールコードの接着老化メカニズムを解明“人とAIとの協奏”によってデジタル革新を目指すAI利活用構想「HAICoLab(ハイコラボ)」に基づき、先端計測と計算科学を組み合わせた化学反応可視化技術を開発し、タイヤ内のゴムとスチールコードの接着老化反応のメカニズムを解明しました。接着老化を抑制する研究に応用することで、耐久性を大幅に高めたタイヤなどの開発が期待できます。本研究は名古屋大学唯研究室、国立研究開発法人理化学研究所、北陸先端科学技術大学院大学ダム研究室、高輝度光科学研究センターとの共同研究により実施しました。本研究の論文はオープンアクセスの科学誌「Communications Materials」に掲載されています。当社は2020年に「HAICoLab」を策定し、人が設定する仮説に沿ったデータの生成・収集とAIによる予測・分析・探索を繰り返すことで未踏領域での知見の発見を目指しています。これまでにも同構想に基づきゴムの配合物性値予測や配合設計、タイヤの特性値予測システムなどを開発しており、今後も全社的にAI利活用を推進していきます。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 (1)タイヤ既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し「YX2023」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、15,127百万円であります。 1)キャンピングカー専用タイヤ「BluEarth-Camper」を新発売、CP規格適合サイズをラインアップ2023年3月に、高荷重に対応し、高い耐久性と操縦安定性を両立した当社初のキャンピングカー専用タイヤ「BluEarth-Camper(ブルーアース・キャンパー)」を日本国内で発売しました。キャンピングカーは高荷重、高重心の車両特性による運転時のふらつきなどが発生しやすく、それに対応するタイヤ商品がキャンピングカーユーザーより求められており、「BluEarth-Camper」はその要望に応えるためキャンピングカー専用タイヤとして開発し、高い耐久性と操縦安定性を両立しています。さらに雨の日の運転にも配慮し、優れたウェット性能を実現しています。構造には専用設計を採用し、トレッド全体にベルトカバーを配置したフルカバー構造とし、ベルト部の耐久性を向上させています。ビードフィラーには低発熱のコンパウンドを採用し、負荷時の発熱を低減することにより高荷重への耐久性を高めました。トレッドパターンには実績のある、雨に強い「BluEarth-Van RY55」の技術・デザインを採用し、高硬度のキャップコンパウンドを組み合わせることで、運転時のふらつきの抑制と優れた操縦安定性を実現します。また、タイヤサイドにはキャンピングカーにふさわしく雄大な山岳をモチーフにしたデザインを施し、キャンプやアウトドアをイメージさせる外観に仕上げました。 2)商用ピックアップトラック向けオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T XD」を北米と豪州で発売2023年3月に、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」の新商品として、フルサイズピックアップトラックなど商用車両向けのオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T XD(ジオランダー・エーティー・エックスディー)」を北米とオーストラリアで発売いたしました。 「GEOLANDAR A/T XD」は鉱業や農作業などの現場で用いられる商用車両向けに、過酷な使用環境に耐える性能を備えたオールテレーンタイヤです。開発にあたっては耐久性に主眼を置きつつ、オフロードや雪上などでの悪路走破性、ロングライフ性能を追求しました。冬用タイヤとして認められた証「スノーフレークマーク」を取得しており、冬季の使用にも対応します。 3)EVバスでタイヤソリューションサービスの実証実験を開始2023年3月より、当社が開発したタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーとタイヤ空気圧遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)のEVバスでの実証実験を神奈川中央交通㈱の協力の下、開始しました。同実験は神奈川中央交通㈱が神奈川県平塚市で運行しているEVバスを使用しています。当社は輸送事業者向けのタイヤソリューションサービスとして、タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES(ハイテス)」とタイヤ運用を総合的にサポートするタイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」を展開しています。今回、すでに乗用車向けとしてカーシェアリング事業者やタクシー事業者と行っている実証実験を初めてEVバスで行い、EV車両に求められるエネルギー消費の効率化と「TPRS」の精度向上の効果を検証します。車両のEVシフトが世界的に本格化する中、高レベルな燃費(電費)性能、耐久性、静粛性がタイヤに求められるEVバスで実施することにより、EVバスにおいても経済性や安全性の向上、効率的なタイヤ運用に貢献できるソリューションサービスの確立を目指します。併せてEVバスに対応するタイヤ開発にも活かします。 4)EV 専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV」を発売2023 年秋頃より、EV 専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を、欧州などで順次発売します。 「ADVAN Sport EV」は、当社のハイパフォーマンスカー向けタイヤである「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイイチマルナナ)」をベースに、EV をはじめとした電動車の代表的なニーズである「低電費」「静粛性」に応えるべく開発した、プレミアムEV 向けウルトラハイパフォーマンスサマータイヤです。当社はすでにBMW やメルセデス AMG などのプレミアムEV を含む様々な電動車向けに新車装着(OE)用タイヤを納入しており、「ADVAN Sport EV」にはそれらの開発で培った技術を惜しみなく投入しています。 「低電費」については、OE タイヤ開発で実績のある低転がり抵抗のコンパウンドを採用することで航続距離の拡大に貢献します。また、ウェット性能も高い次元で両立しており、濡れた路面での安全性を提供します。「静粛性」については、専用設計のポリウレタンフォーム「SILENTFOAM(サイレントフォーム)」をタイヤの内面に貼り付けることで、走行時に路面の凹凸により発生する空洞共鳴音を低減し、不快なノイズを減らすことで快適な車内空間を作り出します。タイヤサイドには「SILENTFOAM」の刻印を施しています。 <YOHT>革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく活動をしております。1)各種展示会への出展2023年1月から3月にかけては、世界最大規模の建設機械展示イベントであるCONEXPO-CON/AGG(コネクスポ-コン/アグ)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品及びサービスを理解していただく場を設けました。2023年4月から6月にかけては、スウェーデンで行われる林業博覧会SWEDISH FORESTRY EXPO2023(スウェーディッシュフォレスト―リーエクスポ2023)への出展、その他各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2023年7月から10月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2023(ファームプログレスショー2023)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2023年10月から12月にかけては、ドイツで行われる世界有数の農業機械見本AGRITECHNICA 2023(アグリテクニカ 2023)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し販売拡大に努めており、商品のサイズラインナップ拡充を行いました。 (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,593百万円であります。 1)耐熱性コンベヤベルトとして好評を博している「HAMAHEAT」シリーズから高温耐熱性コンベヤベルト「HAMAHEAT Super 80(ハマヒート・スーパーハチジュウ)」を発売高温耐熱性ベルトの主要業種は鉄鋼やセメントであり、焼結鉱※1やコークス※2、焼結成品※3、クリンカー※4など高温または中温の物質を運搬する用途で使用されます。搬送物の温度や環境温度などの使用条件によりベルト表面の温度は上昇し、ベルトが劣化することで寿命が短くなるため、以前より熱によるベルトの劣化を防ぐ商品が求められていました。「HAMAHEAT Super 80」は、高温耐熱性が非常に高く評価されている「HAMAHEAT」シリーズのハイグレード商品「HAMAHEAT Super 100」をベースに、より使用条件に合わせて性能を最適化し、コストパフォーマンスに優れた商品の提供を目指して開発したミドルグレード商品です。耐熱老化特性及び耐摩耗性能に優れ、許容ベルト表面温度180℃までの高温搬送物、特にセメントのクリンカー搬送用途に最適なコンベヤベルトです。※1:粉状にした鉄鉱石に粉コークスと石灰石を混ぜ一定の大きさに焼き固めた物※2:石炭を高温で蒸し焼きにして抽出した物※3:金属やセラミックスの粉末を成形し融点より低い温度で焼き固めた物※4:石灰石などをキルンで焼成して作るセメント原料であり、鉱物などが焼き固まった物 2)中温耐熱性と難燃性を兼ね備えた難燃中温耐熱性コンベヤベルト「FLAME GUARD #2110(フレイムガード・ニセンヒャクトオバン)」を発売耐熱性と難燃性を両立した難燃耐熱性ベルトとしては、2021年に発売した難燃高温耐熱性ベルト「FLAME GUARD Super 100(フレイムガード・スーパーヒャク)」に続き、第2弾商品となります。近年、焼結鉱※1やコークス※2、焼結成品※3など高温または中温の物質を運搬するコンベヤベルトは、熱によるベルトの劣化を防ぐ耐熱性に加えて、安全性をより高めるため、ベルトの燃焼を防ぐ難燃性(自己消火性)を有する商品のニーズが高まっています。横浜ゴムはこうしたニーズに応えるため、様々な耐熱性ベルトや難燃性ベルトを生み出してきたゴム配合技術を駆使し、中温域において両性能を併せ持つ「FLAME GUARD #2110」を開発しました。「FLAME GUARD #2110」は、国内外で中温耐熱性が高く評価されている耐熱性コンベヤベルト「HAMAHEAT #2110」をベースに開発した商品です。耐熱性能は「HAMAHEAT #2110」と同様の運搬物温度70~200℃(塊状:70~200℃、粉状:70~150℃)、許容ベルト表面温度60~100℃を確保しながら、日本産業規格(JIS)のJIS K6324:2013 難燃性コンベヤゴムベルト3級の難燃性を実現しています。※1:粉上にした鉄鉱石に粉コークスと石灰石を混ぜ一定の大きさに焼き固めた物※2:石炭を高温で蒸し焼きにして抽出した物※3:金属やセラミックスの粉末を成形し融点より低い温度で焼き固めた物 3)難燃超耐摩耗性コンベヤベルト 「FLAME GUARD SWR SWR‐70 」を発売「FLAME GUARD SWR-70」は、製鉄所での焼結鉱やコークス搬送ライン、石炭火力発電所での石炭搬送ラインでの使用を想定し開発しました。同商品は近年、安全性の面からニーズが高まっている難燃性(自己消火性)に加え、耐摩耗性の向上でベルトの交換周期を伸ばしランニングコストを削減できるほか、安定的な操業に寄与します。特殊配合ゴムにより自己消火性を持つ「FLAME GUARD 」シリーズとして、難燃性、難燃超耐摩耗性、難燃重耐油性、難燃中温耐熱性、難燃高温耐熱性のコンベヤベルトを品揃えしています。今回、横浜ゴムの独自商品である世界トップレベルの耐摩耗性を実現したコンベヤベルト「Tuftex α」の開発で培われた技術を使用し、ゴム配合の最適化を図ることで、従来の難燃超耐摩耗性コンベヤベルト(FLAME GURAD SWR)の耐摩耗性を30% 向上させた「FLAME GUARD SWR SWR-70」を開発しました。 4)護衛艦向け複合アンテナの共同開発で防衛基盤整備協会賞を受賞日本電気㈱および三波工業㈱と取り組んだ護衛艦向け複合通信空中線「NORA-50(通称:UNICORN※)」の開発で、公益財団法人防衛基盤整備協会より「令和5年度防衛基盤整備協会賞」を受賞しました。同賞は防衛装備庁後援のもと、防衛装備品の開発や生産において特に優れた業績をあげた個人やグループに贈られるものです。※UNIfied COmplex Radio aNtennaの略で、ステルス性向上を目的に、従来甲板上の柱(マスト)の複数箇所に取り付けられていた様々な空中線(アンテナ)を1本の支柱に集約したもの。優れたステルス性だけでなく、アンテナの最適配置により外部から発信された電波の最大探査距離を向上したほか、整備および取り付け工程の簡略化を実現しました。現在、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦に装備されています。横浜ゴムが開発を担当したのは「UNICORN」全体を覆うアンテナ用カバー(レドーム)で、これまで航空機用のレドーム開発で培ってきた技術を活かし、電波透過性を最大限高めながら、基本性能である耐候性はもちろん、落雷からアンテナを保護する耐雷性も兼ね備えています。 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 322百万円あります。
FY2022|7,058 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、16,034百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、898百万円であります。 ・炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択当社と日本ゼオン㈱が実施する「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」として採択されました。グリーンイノベーション基金事業は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という国が掲げた目標の達成に向けて、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションの加速を目指して、経済産業省により設置された制度です。この目標に経営課題として取り組む企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援するものです。本実証事業では、使用済タイヤやバイオマスなどの再生可能炭素資源から、炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品であるブタジエン、イソプレンを高い収率で製造する、2つの高度な技術を確立し、2030年代に社会実装することを目指します。これにより、タイヤ・ゴム産業における資源循環性の向上、カーボンニュートラル化に貢献していきます。 ・タクシー事業者向けタイヤソリューションサービスの実証実験を開始2022年5月より、当社とタイヤ販売子会社である㈱ヨコハマタイヤジャパンは京都タクシー㈱、興進タクシー㈱の協力を得て、タイヤソリューションサービスとして当社が開発したタイヤ空気圧の遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)の実証実験を開始しました。「TPRS」はタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーが検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握することができるシステムで、タイヤ空気圧の始業前点検の大幅な省力化および空気圧情報の記録化、タイヤの空気が徐々に抜けるスローパンクチャーの早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献します。「TPRS」の実証実験はカンパニーカー向けやカーシェアリング事業者向けとして行ってきましたが、今回同じく厳しいタイヤ管理を求められるタクシー事業者向けの実証実験を行うことにより、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指します。 ・サステナブル資源を用いたゴム材料の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞2022年6月、サステナブル資源を用いたゴム材料の研究開発において、一般社団法人日本ゴム協会の「第34回日本ゴム協会賞」を受賞しました。本研究開発は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)との共同研究であり、タイヤ用ゴムをサステナブル資源化するため、トウモロコシやサトウキビなどから作られるバイオエタノール(生物資源)を合成ゴムの材料であるブタジエンに変換する世界最高レベルの高性能な金属酸化物触媒を開発したものです。さらに、同触媒で生成したブタジエンから重合したブタジエンゴムをタイヤのキャップトレッドやサイドウォールに適用したタイヤ試作に成功しました。なお、今回受賞の対象となった業績は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務として参画した「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」における6年間の研究成果です。 ・AIによる配合生成技術を活用したゴムの配合設計システムを独自開発2022年7月、情報システム開発子会社のハマゴムエイコム㈱の協力を得てAIによる配合生成技術を活用したゴムの配合設計システムを独自に開発し実用を開始しました。目標とするゴムの物性値を満たす配合をAIが提案するもので、これにより人が考え付かなかった配合など新たな知見を得ることができ、開発のさらなるスピードアップやより高性能な商品の開発が期待できます。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤ既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し「YX2023」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、13,219百万円であります。 1)ミニバン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03」、コンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用低燃費タイヤ「BluEarth-RV RV03CK」を新発売2022年2月より低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」のミニバン専用タイヤ「BluEarth-RV RV03(ブルーアース・アールブイ・アールブイゼロスリー)」を日本およびアジアにて発売しました。また、コンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用タイヤ「BluEarth-RV RV03CK(ブルーアース・アールブイ・アールブイゼロスリー・シーケー)」を2022年2月より日本で発売しました。「BluEarth-RV RV03」はミニバン専用の低燃費タイヤで、当社のミニバン専用タイヤとしては7年ぶりの新商品となります。従来品「BluEarth RV-02」から高い評価を得ている国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」と転がり抵抗性能「A」※に加え、優れた耐ふらつき性能や耐偏摩耗性能を踏襲しつつ、新たな付加価値として「さらに長持ち、ますます快適なミニバン専用タイヤ」をコンセプトに耐摩耗性能と静粛性を一段と高めました。「BluEarth-RV RV03CK」はコンパクトミニバン・軽ハイトワゴン専用の低燃費タイヤで、従来品「BluEarth RV-02CK」の発売から5年ぶりの新商品となります。「BluEarth-RV RV03」同様の性能を追求しつつ、全サイズにおいて従来品のウェットグリップ性能「b」を「a」にグレードアップしました。転がり抵抗性能は「A」を獲得しています。※:全29サイズ中、7サイズは転がり抵抗性能「AA」を獲得しています。 2)高性能ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」を新発売2022年2月よりストリートスポーツタイヤの新商品「ADVAN NEOVA AD09(アドバン・ネオバ・エイディゼロキュウ)」を日本、アジア、北米地域で発売しました。「ADVAN NEOVA AD09」は従来品「ADVAN NEOVA AD08R」の後継モデルとして9年ぶりとなる新商品です。「ADVAN NEOVA」シリーズの特長である“一番速く、一番楽しい”を継承しながら、当社商品中最強のストリートタイヤに相応しいドライグリップ、コントロール性、耐摩耗性能のさらなる進化を追求しました。部材から見直し再設計した新構造や強さとしなやかさを追求した新プロファイルにより、YOKOHAMA史上最高レベル※のケーシング剛性を実現しています。また、緻密に最適化した専用の非対称トレッドパターンと粘弾性のバランスを追求した新コンパウンドを採用。これらにより、ラップタイムの短縮が期待できるドライグリップに加え、アマチュアドライバーを助ける優れたコントロール性、サーキット走行でも長く使用できる耐摩耗性能を実現しています。※ 市販向け夏用タイヤにおける比較です。 3)グローバルフラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V107」を新発売2022年3月よりグローバルフラッグシップタイヤの新商品として、ウルトラハイパフォーマンスタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイイチマルナナ)」を全世界で発売しました。「ADVAN Sport V107」は「ADVAN Sport V105」の後継モデルとなるグローバルフラッグシップ・ウルトラハイパフォーマンスタイヤです。「プレミアムハイパフォーマンスカー」、「プレミアムハイパフォーマンスSUV」、そして「プレミアムEV」の3つのプレミアムカーカテゴリーをターゲットとし、プレミアムカーメーカーとの共同開発や世界一過酷なテストコースと言われるニュルブルクリンクでのテストで鍛え上げ、すでに昨年よりメルセデスAMGやBMW Mなどのプレミアムカーでもさらに特別なモデルを中心に納入を開始しています。今回この新車用「ADVAN Sport V107」をベースに、市販向けサイズを開発しフルラインアップ化します。 4)タイヤ内のセンシング波形から摩耗状態を推定する技術を開発2022年4月、アルプスアルパイン㈱と共同開発中のタイヤ内面貼り付け型センサーから得られるセンシング波形を独自の信号処理技術を用いて解析することで、乗用車用タイヤの摩耗状況を検知する技術を開発しました。今回、タイヤ内面に貼り付けられたセンサーを通じて、走行中のタイヤの繰り返し変形に応じたセンシング波形を取得し、独自の解析手法を用いることで新品と摩耗品の判別が可能となりました。これにより、タイヤ寿命を伸ばす効果のあるタイヤローテーションや、すり減ったタイヤの交換時期をドライバーや車両管理者に通知することで、経済的・環境的負荷の低減や安全性を考慮したタイヤメンテナンスが可能になります。また、自動運転車両では、タイヤの摩耗状態をドライバーや車両管理者が目視で確認する機会が減ってしまうため、摩耗状態をクラウド経由で見える化することで、モビリティサービスの安全かつ持続的な運行に寄与することができます。 5)農業機械用タイヤ「ALLIANCE」がヤンマーのトラクターに装着2022年6月より、ヤンマーアグリ(株)の農耕用トラクター「YT3R」シリーズの「YT330R」「YT333R」「YT338R」「YT345R」の新車装着(OE)用タイヤとして「ALLIANCE AGRISTAR Ⅱ(アライアンス・アグリスター・ツー)」の納入を開始しました。「ALLIANCE AGRISTAR Ⅱ」は農業機械用・林業機械用・産業車両用・建設車両用などオフハイウェイタイヤ(OHT)事業を担っているYokohama Off-Highway Tires(ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ=YOHT)のブランド「ALLIANCE」の最新農業機械用タイヤ。走行性能とロングライフ性能を高次元で両立するとともにタイヤのラグの上層部と下層部で異なる形状を組み合わせた独自の階層レイヤー技術(Stratified Layer Technology)により、トラクションの持続力を高めました。また、65km/hで走行可能なスピードシンボル「D」を獲得しています。 6)高性能ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」が「日刊自動車新聞用品大賞2022」の「タイヤ部門賞」を受賞2022年7月、高性能ストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09(アドバン・ネオバ・エーディー・ゼロキュウ)」が、㈱日刊自動車新聞社が主催する「日刊自動車新聞用品大賞2022」の「タイヤ部門賞」を受賞しました。受賞した「ADVAN NEOVA AD09」は走りやカスタムチューニングを愛するユーザー向けに開発した当社商品中最強のストリートスポーツタイヤ。モータースポーツで培ったレーシング技術を惜しみなく投入し、ドライグリップ、コントロール性、耐摩耗性能を高次元でバランスするとともに、斬新かつ洗練されたパターンやコントラストを鮮明にしたブランドロゴを採用するなど外観も妥協なく追求しました。受賞にあたっては性能のみならず外観も重視し、カスタマイズを楽しめるストリートスポーツタイヤとした点が評価されました。 7)サステナブル素材を33%活用したレーシングタイヤを2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権に供給2023年から「全日本スーパーフォーミュラ選手権」にサステナブル素材を活用したADVANレーシングタイヤをコントロールタイヤとして供給します。ドライ用はすでに開発が完了し、ウェット用も2023年からの供給を目指し開発を継続しています。供給するドライ用タイヤは天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど各種自然由来の配合剤を活用するとともに、リサイクル鉄や廃タイヤから再生したリサイクルゴム、さらにマスバランス方式※の合成ゴムを採用することで原材料全体の約33%をサステナブル素材としながら、2022年の現行タイヤと同等の性能を維持しています。※原料から商品への加工・流通工程において、使用したバイオマス由来の原料と同じ重量だけ商品へバイオマス由来という特性を割り当てることができる手法。バイオマス由来の原料を割り当てられた商品については、実際のバイオマス由来原料の含有量とは関係なく、バイオマス由来商品としてみなされる。 <YOHT>1)各種展示会への出展2022年1月から3月にかけては、世界最大級の屋外農機展であるWORLD AG EXPO(ワールドアグエキスポ)や米国における主要な屋内農機展の一つであるIOWA AG EXPO(アイオワアグエキスポ)への出展、その他各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2022年4月から6月にかけては、メキシコで行われる主要な国際工作機械展Expomaq 2022(エキスポマク2022)への出展、その他各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2022年7月から10月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2022(ファーム プログレス ショー 2022)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し販売拡大に努めており、当期において次の新商品の発売を行いました。[GALAXYブランド]・Earth Pro 102(アースプロ 102):モダンなトレッドパターンを採用し、軟らかい土壌から舗装路まで幅広い路面に適したインプルメント向けタイヤ。(2022年12月発売)・Earth Pro 104(アースプロ 104):ユニークな深溝トレッドパターンによりトラクション性能、タイヤ寿命に優れ、高いセルフクリーニング性能も併せ持つトラクター向けタイヤ。(2022年10月発売)・Earth Pro 701(アースプロ 701):オンロード、オフロード両方での使用に適し、土壌圧縮を抑制しつつ、優れたトラクション性能も発揮する中~大型トラクター向けラジアルタイヤ。(2022年12月発売) (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,602百万円であります。 1)工業資材製品へ実装するセンシングシステムのフィールド実証テストを開始 ゴム・樹脂ポリマーアロイを用いて自動車用エアコンホースの大幅な軽量化に成功2022年5月、国内外ユーザーの協力を得て、RFID※を内蔵したマリンホースとコンベヤベルトのフィールド実証テストを開始しました。マリンホースでは、内部損傷による内圧変化などを検出可能なRFIDタグを内蔵し、そのタグの情報を外部からスキャンして読み取ることで異常を検知することにより、マリンホースの異常を早期に発見し、損傷を予知することでオイル漏れを予防するシステムの実現を目指します。コンベヤベルトでは摩耗、損傷、温度変化などを検知可能なRFIDタグを内蔵し、そのタグの情報を周囲に設置したアンテナによって自動で読み取り異常を検知し、これらのデータを分析することで、コンベヤベルトの損傷や火災を予知する技術の確立を目指します。※RFID(Radio Frequency Identification)=電波を用いて情報を非接触で読み書きする自動認識技術 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 315百万円あります。
FY2021|10,282 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、15,297百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、891百万円であります。 ・AIを活用したゴムの配合物性値予測システムを独自開発2020年12月、AIを活用したゴムの配合物性値予測システムを独自に開発し、タイヤ用ゴムの配合設計において実用を開始しました。この予測システムにより、膨大な仮想実験が可能となるため、開発のスピードアップやコスト削減、高性能な商品の開発に加え、経験の浅い技術者による配合設計が容易になることが期待できます。今回のシステムは当社のAI利活用構想「HAICoLab※(ハイコラボ)」に基づいて開発しました。人がゴムの配合設計パラメーターを入力するとAIが予測される配合物性値を出力します。さらに人が予測された結果を判断しやすくするために予測値の確からしさを表示する機能や、目標とする配合物性値に近しい配合を探索する機能を付加しました。また、人とAIが協奏しながら新たな知見が得られるシステムを設計しました。今後はタイヤのみならずホースやコンベヤベルトなど多岐にわたるゴム商品開発での利用を開始します。※Humans and AI collaborate for digital innovation をもとにした造語で、人とAI との共同研究所という意味合いも込めました。 ・バイオマスからブタジエンを生成する新技術を開発2021年4月、国立研究開発法人理化学研究所、日本ゼオン㈱と共同で設置している「バイオモノマー生産研究チーム」により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエンを生成できる新技術を開発したことを発表しました。ブタジエンは、自動車用タイヤなどの原料として使われる合成ゴムの主原料として使用されており、現在はナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されています。バイオマスからのブタジエン生成技術を確立することにより、石油への依存度を低減することができ、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献することが可能となります。今回、同チームはバイオマスからの優れたブタジエン生成方法の創製に成功しており、これまで開発してきた知見も取り入れることで、ブタジエンの発酵生産でのコストを大幅に削減することができると期待されています。また、本技術によって世界初の発酵生産により生成したブタジエンを用いてブタジエンゴムを得ることにも成功しました。 ・NEDOおよび産総研、ADMATとの共同研究によりバイオマス由来のブタジエンゴムでタイヤを試作国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)との共同研究により、バイオエタノールからブタジエンを大量合成し、従来と同等の性能を持つ自動車用タイヤの試作および一連のプロセスの実証に成功しました。NEDOの「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」の委託事業として、超超PJが推進する「計算科学技術」「プロセス技術」「先端計測技術」の三位一体での開発により、バイオエタノールからブタジエンを高速かつ効率的に合成する技術開発に取り組んでいます。2019年、当時では世界最高のブタジエンの収率を持つ触媒システムを開発し、また2020年にはより最適な触媒を検討し、2019年と比べて1.5倍のブタジエン収率を持つ世界最高の触媒システムの開発に成功しました。今回の成果はこれをさらに進化させたもので、バイオエタノール処理量を約500倍にした大型触媒反応装置を設計・製作してバイオエタノールからのブタジエン大量合成を検討。反応条件の最適化や生成したブタジエンの捕集方法の改良により、約20kgのブタジエンの製造に成功しました。さらに、このブタジエンを蒸留精製により高純度化した後、重合反応によって得られたブタジエンゴムを原料にして自動車用タイヤの試作に成功しました。試作タイヤはグランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51」の185/60R15サイズです。このタイヤのキャップトレッドとサイドウォールを全てバイオエタノール由来のブタジエンゴムと天然ゴムに変更したため、両部分のゴムは持続可能なゴム材料のみで構成されています。また、試作タイヤは従来の石油由来のゴムを使用した時と同等の材料性能を有しています。 ・AIを活用したタイヤ特性値予測システムを独自開発2021年12月、AIを活用したタイヤの特性値予測システムを独自に開発し、タイヤ設計において実用を開始しました。これにより、膨大な仮想実験が可能となるため、開発のスピードアップやコスト削減、より高性能な商品の開発に加え、経験の浅い技術者によるタイヤ設計が容易になることが期待できます。今回のシステムは当社が2020年10月に策定したAI利活用構想「HAICoLab(ハイコラボ)」に基づいて開発。人がタイヤの設計パラメーターである構造や形状に関する仕様データ、コンパウンドなどの物性値に関する材料データ、評価条件を入力すると予測されるタイヤ特性値をAIが出力します。また、本システムではタイヤ設計で起こりがちなAIの予測精度の低下を抑制しています。内部構造が異なるタイヤでは設計パラメーターの種類や数が異なるため、AIの学習に利用する全データを構造特徴に合わせて細分化して使い分ける必要がありますが、学習データの細分化によってAIの予測精度が低くなることが少なくありません。そこで関連する他の領域で学習したAIの予測能力を移植(転移学習)することによって予測精度を向上させています。2020年12月にAIを活用したタイヤ用ゴムの配合物性値予測システムを実用化しています。今後は今回のタイヤ特性値予測システムと組み合わせることで、多岐にわたるタイヤ商品開発に利用していきます。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤ既存既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し「YX2023」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、11,854百万円であります。 1)タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES4」がUDトラックス㈱の大型トラックに採用2021年1月、トラック・バス用タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)「HiTES4(ハイテスフォー)」が純正オプションとしてUDトラックス㈱のフラッグシップ大型トラック「クオン(Quon)」に採用されました。対象は4軸車CG、3軸車CD、2軸トラクターヘッドGKの3モデルの国内向け車両です。「HiTES」はタイヤ内部の空気圧と温度をリアルタイムで確認することが可能で、管理値から外れた際には警報を発するモニタリングシステムです。今回採用された「HiTES4」は2020年9月より販売している第4世代モデルで、異常が検知された際に音と色点滅で伝えるインジケーターやスマートフォン・タブレットでタイヤ状態を確認できる機能により空気圧の見える化を図りました。また、IoTを活用してタイヤ点検情報などを管理する当社のタイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」と連携させることで、車両から離れた場所からでもタイヤ内部の空気圧と温度や車両の位置をモニターすることができます。 2)乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン 「SensorTire Technology Vision」を発表2021年2月、乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン「SensorTire Technology Vision」を発表しました。「SensorTire Technology Vision」とは、センシング機能を搭載したSensorTire(IoTタイヤ)から得られる情報をドライバーや外部の様々な事業者に提供することで、新たなモビリティ需要の変化に対応しつつ、人々の移動を足元から支え、安心・安全に持続的に貢献することを目指すものです。具体的にはセンシング機能とリアルタイム性を指標として提供するサービスを分類して、それぞれに適したセンシング機能やデータ分析・予測技術を段階的に構築し、センシング機能の利活用範囲の拡大を行います。まずは個人向けや車両運行管理会社を対象とした空気圧通知サービスの実証実験から開始し、2023年までに摩耗検知機能を追加します。これにより、タイヤローテーション時期のお知らせやフリート(複数の車両を所有する企業や官公庁など)向けの効率的なタイヤ点検計画などの提案が可能となります。さらに将来的には、地図情報や様々なプローブ交通情報(渋滞情報、天候情報)などとタイヤデータを関連付けて分析することで、安全な運行ルートの提案といった新たな付加価値情報を提供し、自動運転車両やMaaS※に関連したサービスを提供する会社などの安心・安全な車両運行管理をサポートすることも目指します。※Mobility as a Serviceの頭文字。地域住民や旅行者の移動ニーズに対応して複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービス 3)タイヤ・路面検知システムの実証実験を開始2021年2月、当社はアルプスアルパイン㈱、㈱ゼンリンと路面検知システムを搭載した「IoTタイヤ」で得たデータを地図情報と紐付ける実証実験を行い、新たなタイヤビジネスの検討を開始したことを発表しました。本実証実験では、当社とアルプスアルパイン㈱が共同開発する先進タイヤセンサーを実験用車両に装着して路面検知を行います。タイヤセンサーが有する路面検知情報とゼンリンが有する豊富な地図情報との紐付けを行うことで、様々な路面のデータの分析・蓄積とシステム構築を加速させ、新たな付加価値を提案するタイヤビジネスの実現を目指します。本実証実験によるデータ分析を通じて、将来のソリューション提供を目標としています。例えば、摩耗状態や空気圧不足を検知し、急勾配・急カーブ道路を避けるナビゲーションや路面凍結・陥没道路などの情報提供による安全運転支援、自動運転車両の制御など様々なソリューションを検討・提案します。 4)国内農機メーカーへのOE納入を開始2021年5月、ヤンマーアグリ㈱の農耕用トラクター「YT4A」シリーズの「YT460A」「YT465A」の新車装着(OE)用タイヤとして、「ALLIANCE AGRISTAR Ⅱ(アライアンス・アグリスター・ツー)」の納入を開始しました。当社が国内農機メーカーへOE納入するのは約50年ぶりとなります。当社は中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」のタイヤ生産財事業において、農業機械用・林業機械用・産業車両用・建設車両用などを扱うオフハイウェイタイヤ(OHT)事業をさらなる成長ドライバーと位置づけております。従来の「YOKOHAMA」の他、今回OE納入を開始したOHT事業の「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」、愛知タイヤ工業の「AICHI」といったマルチブランド戦略によりに事業拡大を進めています。 5)オリックス自動車とタイヤソリューションサービスの実証実験を開始2021年08月、オリックス自動車㈱の協力を得て、新たなタイヤソリューションサービスとして当社が開発したタイヤ空気圧の遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)の実証実験を開始しました。実証実験はオリックス自動車のカーシェアリング事業であるオリックスカーシェアの車両に「TPRS」を導入し、東京都と神奈川県の首都圏の一部で実施します。今回の実証実験はCASE※1、MaaS※2など自動車業界の変革に対し、当社の「TPRS」の効果を検証するものです。タイヤメンテナンスの省力化や精度の高いタイヤ管理、効率的なメンテナンス計画など車両保有者にとっての有効性を探るとともに、安定的な安心・安全運行や燃費向上など車両利用者にとってのメリットを検証し、車両保有者と利用者双方の安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指します。※1:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語※2:Mobility as a Serviceの頭文字。地域住民や旅行者の移動ニーズに対応して複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービス。 6)乗用車用スタッドレスタイヤ「アイスガード セブン」新発売2021年9月、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」の新商品「iceGUARD 7(アイスガード セブン)」を発売しました。「アイスガード セブン」は「YOKOHAMAスタッドレスタイヤ」の第7世代の新商品です。「アイスガード」が一貫して追求してきた「氷に効く=氷上性能」をさらに向上させました。また「雪に効く=雪上性能」もレベルアップし、従来品「アイスガード シックス」で定評のあった「永く効く=性能持続性」も兼ね備えています。トレッドパターンは当社の新たな開発アプローチである「接地とエッジの両立技術」によって、YOKOHAMAスタッドレスタイヤ史上最大の接地面積と溝エッジ量を実現した専用パターンを開発しました。「マルチベルトブロックEX」「コレクティブビッグブロックEX」などが接地面積の拡大とブロック剛性の向上に寄与して氷上性能をレベルアップ。また、「マルチダイアゴナルグルーブ」「トリプルライトニンググルーブ」が溝エッジ量を増大させ、優れた雪上性能を発揮します。そのほか、50%摩耗時にサイプが太くなる新形状の「クワトロピラミッド グロウンサイプ」の採用により、使用後期まで氷上性能をキープします。加えて、新開発の「ダブルエッジマイクログルーブ」により装着初期の氷上性能も高めています。 7)ゼンリンとタイヤ内面貼り付け型タイヤセンサーを使った実証実験を開始2021年10月、㈱ゼンリンの協力を得て当社が開発中のタイヤ内面貼り付け型タイヤセンサーの実証実験を開始いたしました。実証実験用の車両を用意し、日本全国で実施いたします。本実証実験は、当社が開発中のタイヤセンサーとアルプスアルパイン㈱が開発した車載器を、ゼンリンの協力のもと実証実験用車両に取り付け、タイヤ内面貼り付け型センサーの市場耐久性の確認及び、車両に搭載する車載器によるタイヤ空気圧の遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)の検証・構築を行います。また、空気圧情報とGPS情報による位置情報をゼンリンが有する豊富な地図情報との連携により、新たな付加価値を提案するタイヤビジネスの実現を目指します。当社の「TPRS」は、CASE、MaaSなど自動車業界の変革に対し、タイヤメンテナンスの省力化や精度の高いタイヤ管理、効率的なメンテナンス計画など車両管理者にとっての有効性を探るとともに、安定的な安心・安全運行や燃費向上など車両保有者にとってのメリットを検証し、ドライバーの安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指します。 (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,985百万円であります。 1)ゴム・樹脂ポリマーアロイを用いて自動車用エアコンホースの大幅な軽量化に成功このほど、自動車用エアコンホースの大幅な軽量化に成功しました。現在、実用化に向けて開発を加速しており、2024年からの本格的な事業展開を目指します。今回、軽量化に成功したホースは、当社の独自技術を駆使して開発したゴム・樹脂ポリマーアロイ※1を用いることで柔軟性、耐熱性といったゴムの特性を活かしながら、樹脂の高いガスバリア性によって従来比50%の大幅な軽量化を実現しています。また、ホースを製造する際、多量の熱を使う加硫が不要のため、カーボンニュートラル達成に貢献します。当社はホースと配管を一体化した設計・評価を強みとしており、様々な顧客要求、配管レイアウトに対応することが可能です。配管についてはオール樹脂化を進め、ホースと配管の組み合わせでも大幅な軽量化を実現します。今後は実用化に向けた開発を継続しながら、他の自動車配管への参入も目指します。※1:海相が樹脂で構成され、島相がゴムで構成される海島構造体。 2)難燃高温耐熱性コンベヤベルト「Flame GUARD Super 100」を発売高温耐熱性と難燃性を兼ね備えた難燃高温耐熱性ベルト「Flame GUARD Super 100(フレイムガード・スーパーヒャク)」を発売しました。近年、焼結鉱※1やコークス※2など高温の物質を運搬するコンベヤベルトラインでは、安全性をより高めるため、熱によるベルトの劣化を防ぐ高温耐熱性に加えて、ベルトの燃焼を防ぐ難燃性(自己消火性)を有する商品のニーズが高まっています。横浜ゴムはこうしたニーズに応えるため、様々な耐熱性ベルトや難燃性ベルトを生み出してきたゴム配合技術を駆使し、両性能を併せ持つ「Flame GUARD Super 100」を開発しました。「Flame GUARD Super 100」は、国内外で高温耐熱性が高く評価されている耐熱性コンベヤベルト「Hamaheat Super 100」をベースに開発した商品です。耐熱性能は「Hamaheat Super 100」と同様の運搬物温度100~400℃、ベルト表面温度60~200℃を確保しながら、日本産業規格(JIS)のJIS K6324:2013 難燃性コンベヤゴムベルト 3等級の難燃性を実現しています。※1:粉上にした鉄鉱石に粉コークスと石灰石を混ぜ一定の大きさに焼き固めた物※2:石炭を高温で蒸し焼きにして抽出した物 (3)ATG 革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。 当連結会計年度における研究開発費の総額は、291百万円であります。 1)各種展示会への出展2021年1月から6月にかけては、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、展示会への参加は見送りましたが、各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2021年7月から9月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2021(ファーム プログレス ショー 2021)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2021年10月から12月にかけては、中南米最大級の屋外農機展Expo AgroAlimentaria Guanajuato 2021(エキスポアグロアリメンタリアグアナフアト 2021)への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当期において発売した商品は、主に次のものとなります。[ALLIANCEブランド]・AGRI STAR Ⅱ(アグリ スター Ⅱ)優れたトラクション、走行安定性、耐磨耗性を発揮するトラクター用フラッグシップラジアルタイヤ。新サイズおよび90扁平シリーズを上市。 (2021年7~9月新サイズ発売)、95,70,65扁平シリーズの新サイズを上市。 (2021年11~12月新サイズ発売) ・585多方向性の深溝ブロックパターンにより、タイヤライフの長期化を実現。作業効率、生産性向上に貢献する建設車両用ラジアルタイヤ。新サイズを上市。(2021年7月新サイズ発売)・699対角線上に配置されたラグパターンにより、優れたトラクションと耐久性を発揮。作業効率、生産性向上に貢献する建設車両用バイアスタイヤ。(2021年11月-12月新サイズ発売)・400S硬くて粗いコンテナヤードで長時間使用されるリーチスタッカー向けに耐久性に特化したパターンデザインのバイアスタイヤ。(2021年10月新サイズ発売)・775高荷重で長時間、粗いコンテナヤードで多段積み作業をする重フォークリフトと空コンテナハンドラー向けに設計されたバイアスタイヤ。(2021年11月新サイズ発売)・Agriflex+ 881(アグリフレックスプラス 881)40%低い空気圧でスタンダードタイプと同じ荷重能力のあるVF規格を採用し、土壌圧縮を抑制し、牽引力・トラクション性能、乗り心地を向上したラジアルタイヤ。19.5インチシリーズを上市。(2021年10月-11月新サイズ発売)・590方向性のないパターンと優れた耐カット・チッピング性を備えた頑丈なスチールベルト構造のフローテーションラジアルタイヤ。26.5インチ,30.5インチシリーズを上市。(2021年11月-12月新サイズ発売) [GALAXYブランド] ・EarthPRO RC(アースプロ アールシー)65km/hまでの高速走行が可能な上、トラクション性能を高める深溝パターンを採用しており、作業効率向上に貢献。セルフクリーニング性にも優れたスプレーヤー、作業機向けロークロップラジアルタイヤ。・LHD 510 SDS(エルエイチディー 510 エスディーエス)耐チッピング・チャンキング性と耐熱性を両立するコンパウンド、超深溝パターンの採用によりタイヤライフの長期化を実現。サイドまで溝を配した独自設計パターンによりトラクション性やクッション性にも優れ、オペレーターの作業効率、快適性向上に貢献するホイールローダー用超深溝クッションタイヤ。・MGSR 210(エムジーエスアール 210)オールスチール構造で耐久性に優れ、独自のスノーパターン設計によって雪上やぬかるんだ路面で高いグリップを発揮。セルフクリーニング性も優れたラジアルタイヤ。・YARDMASTER SDS(ヤードマスター エスディーエス)幅広のタイヤプロファイル、接地面積により荷重負荷能力、走行安定性、タイヤ寿命、トラクションに優れるフォークリフト用クッションタイヤ。新サイズを上市。(2021年9月新サイズ発売)・CTM 101小型のホイールローダーやバックホー、テレハンドラー向けに耐カット、耐衝撃性に優れた特別なゴムを使用した万能バイアスタイヤ.(2021年10月新サイズ発売)・LDSR 510厳しい作業環境での長寿命を実現するための特別なコンパウンドを採用したホイールローダー、ドーザー向けオールスチールラジアルタイヤ。(2021年11月新サイズ発売)・Mighty Mow - TS(マイティモウティーエス)ブロックトレッドデザインと独自のショルダーラグデザインは、ステアリング安定性と横方向のトラクションを発揮するだけでなく、芝へのステアリングによるダメージが大幅に軽減される。芝刈り機用バイアスタイヤ。7つの新サイズを上市。(2021年10月-12月新サイズ発売) [PRIMEXブランド]・Mine Star(マイン スター)、Mine Blastar(マイン ブラスター)主に地下鉱山での使用を想定し、耐チッピング・チャンキング性や耐熱性に優れたトレッドコンパウンドを採用。タイヤライフの長期化により、ダウンタイムやコストの削減に貢献するホイールローダー用超深溝タイヤ。(2021年6月発売) 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 276百万円あります。
FY2020|9,910 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、14,125百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、888百万円であります。 ・当社はこのたび、デジタル革新のためのAI 利活用構想「HAICoLab※(ハイコラボ)」を策定しました。“人とAI との協奏”によって、AI が苦手とするデータの存在しない領域(未踏領域)も含めた知見の探索を可能とし、プロセスや製品やサービスの革新を目指します。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上および内閣府が提唱するAI やIoT などの革新技術により実現する新たな未来社会の姿「Society 5.0」の実現に貢献します。※Humans and AI collaborate for digital innovation をもとにした造語で、人とAI との共同研究所という意味合いも込めました。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤ当社の強みである独自の特性コントロール技術とグローバルな開発体制の拡充により、卓越した性能と品質の商品を作り出し「GD2020」の事業戦略を支えていくことを目標とし、以下のような活動を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、10,671百万円であります。 1)クロスオーバーSUV向けマッド&スノーグランドツーリングタイヤ 「GEOLANDAR CV G058」新発売2020年2月、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」の新商品としてクロスオーバーSUV向けグランドツーリングタイヤ「GEOLANDAR CV G058(ジオランダー・シーブイ・ジーゼロゴーハチ)」を発売しました。「GEOLANDAR CV G058」は、街中での走行に対応しつつ、快適なロングドライブにも応えるよう進化させたグランドツーリングタイヤで、急な降雪にも対応する「M+S(マッド&スノー)」規格となります。安全性や静粛性などハイウェイテレーンタイヤとしての基本性能を高めながら、耐摩耗性能や低燃費性能に配慮しトータル性能を向上させました。トレッドパターンにはサイプによりエッジ効果を高めた独自の「サイプベースパターン」を採用。耐偏摩耗性能に寄与するとともに、ウェット路面や急な降雪時でも優れたトラクションを発揮する「2-3Dコンビネーションサイプ」や、優れたトラクションと耐ハイドロプレーニング性能を両立させた「4コンビネーショングルーブ」を採用したほか、「5ピッチ・バリエーション」が耳障りな音域のパターンノイズを低減しています。先進のシリカテクノロジーを駆使した専用コンパウンドは、ウェットや降雪時など低温域の路面を含む様々な路面状況で安定感ある走りに貢献し、また新開発プロファイルにより幅広でフラットな接地形状を実現し、耐摩耗性能・耐偏摩耗性能を確保しました。 2)クロスオーバーSUV向けオンロード用サマータイヤ 「BluEarth-XT AE61」新発売2020年2月、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の新商品としてクロスオーバーSUV向けサマータイヤ「BluEarth-XT AE61(ブルーアース・エックスティー・エーイーロクイチ)」を発売しました。「BluEarth-XT AE61」はクロスオーバーSUV専用として開発したサマータイヤで、市街地や高速道路などオンロードを思い通りに走るシャープなハンドリング性能やSUVの車内に静かな空間を提供する静粛性のほか偏摩耗を抑制して長く使えるロングライフ性能を兼ね備えています。さらに、全サイズで国内タイヤラベリング制度において、ウェットグリップ性能最高グレード「a」、転がり抵抗性能「A」を獲得。両立の難しいウェット性能と転がり抵抗性能を兼ね備え、雨の日の高い安心感や低燃費にも貢献します。トレッドパターンはクロスオーバーSUVに求められる性能を発揮する非対称パターンを専用開発。ショルダーからセンターリブに至るまで高剛性を追求した設計を施すことで、ハンドリング性能と耐偏摩耗性能を実現したほか、「4ストレートグルーブ」+「インサイドナローグルーブ」が高いウェット性能に貢献します。さらに、エアポンピング音を抑制する「非貫通グルーブ」や「5ピッチ・バリエーション」を採用し、ノイズを抑制するパターン設計を施したことで、より優れた静粛性を実現しました。コンパウンドにはウェット性能および低燃費性能に効くシリカとポリマーを配合した「ナノブレンドゴム」を採用。プロファイルでは滑らかな接地形状と接地圧を均一化する「マウンド・プロファイル」の採用により、直進安定性と耐偏摩耗性能を発揮します。 3)耐摩耗性能に優れた「BluEarth」初のバン専用タイヤ「BluEarth-Van RY55」新発売2020年1月から、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」初のバン専用タイヤ「BluEarth-Van RY55(ブルーアース・バン・アールワイ・ゴーゴー)」を発売しました。「BluEarth-Van RY55」はバン専用タイヤに最も求められる耐摩耗性能の向上に主眼を置きながら、優れたウェット性能の実現を目指し、トレッドには新開発の専用パターン「エクストラパワフルパターン」を採用、ショルダー部には深溝とサイプを交互配置した「アグレッシブショルダー」を搭載したことで、耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を向上させました。さらに、コンパウンドに強度を高めるトリプルポリマーを配合するとともに、接地形状を最適化する専用プロファイルを開発し、偏摩耗を抑制したほか「トライアングルブロック」および「ワイドセンターグルーブ」が高い剛性や排水性に寄与します。 4)「ADVAN APEX V601」が世界的に権威ある「iF デザインアワード 2020」を受賞2020 年2月、当社のウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN APEX V601(アドバン・アペックス・ブイロクマルイチ)」※1が、最も長い歴史を持つデザイン団体のひとつ「iF International Forum Design」(独・ハノーヴァー)により 1953 年に創設されたデザイン賞である「iF デザインアワード 2020」(プロダクト部門)を受賞しました。「iF デザインアワード」の応募作品は革新性・仕上、機能性、美しさに加え、信頼性やポジショニングなどの基準に基づいて総合的に評価され、今回は 56 の国と地域から 7,298 件の応募の中、デザイン専門家 78 名により、厳正な審査が行われました。受賞した「ADVAN APEX V601」は当社の歴史的ヒット商品である「YOKOHAMA A008(ヨコハマ・エイ・ゼロゼロハチ)」※2のトレッドパターンを彷彿とさせる非対称パターンに最新のハイパフォーマンスタイヤテクノロジーを投入し、ウェット性能やハンドリング性能を高次元で両立するとともに、優れた静粛性を実現しています。また、高品質のマイクロシリカを配合したトレッドコンパウンドにより優れたコーナリング性能を発揮します。※1:「ADVAN APEX V601」は現在北米で発売している商品です※2:日本名「ADVAN HF Type D(アドバン・エイチエフ・タイプディー)」 5)IoTを活用した次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S」をリニューアル当社は、IoTを活用した次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」をリニューアルし、9月10日よりサービスを開始すると共に第4世代となるトラック・バス用タイヤ空気圧モニタリングシステムの新商品「HiTES4(ハイテスフォー)」を発売しました。「T.M.S」はヨコハマタイヤのセールス担当者が輸送事業者様を訪問した際に取得する車両基本情報、装着タイヤ情報、タイヤ点検結果などの情報を管理するサービスで、2018年より当社内でクラウドデータベースでの運用を試行してまいりましたが、今回、輸送事業者の皆様からもアクセスいただけるようになりました。また、タイヤ点検台数の増加や点検ニーズの高まりなどを背景に、リニューアルした「T.M.S」ではスマートフォンと連携するデプスゲージ(タイヤの溝の深さを測るデバイス)によるタイヤの溝深さの自動入力を可能とし、点検のスピードアップや効率化を実現しました。また2003年に日本で初めて導入し、2009年に第2世代、2013年から第3世代を販売してきたトラック・バス用タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES」では、第4世代となる「HiTES4」においては、タイヤ内部の空気圧と温度をリアルタイムで確認し、管理値に達した際には音と色点滅で分かりやすく警報を伝えるインジケーターを採用しました。また、スマートフォンやタブレットで簡単にタイヤ状態を確認できる機能を追加、データ保存形式を見直し「T.M.S」のクラウドサーバーとの連携を可能にしました。この「T.M.S」と「HiTES4」を連携させることで、運行・整備管理者が専用WEBページより、トラックやバスと離れた場所からタイヤ内部の空気圧と温度や車両の位置を確認することが可能となります。さらにモニタリングデータは当社独自のアルゴリズムを用いて解析することで、タイヤの耐久性を予測し、リトレッドタイヤとしての再利用可否の指標にもなります。当社は、次世代モビリティを見据えた重要なタイヤ拡販施策の一環としてデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを加速しており、今回のトラック・バス用タイヤにおける「T.M.S」「HiTES4」のリニューアルに加え、アルプスアルパイン(株)と共同で乗用車用タイヤセンサーの開発を進めています。 6)乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」が「日刊自動車新聞用品大賞2020」の「タイヤ部門賞」を受賞2020 年7月、当社の乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21(ブルーアース・フォーエス・エーダブリュー・ニーイチ)」が(株)日刊自動車新聞社が主催する「日刊自動車新聞用品大賞2020」※1の「タイヤ部門賞」を受賞しました。受賞した「BluEarth-4S AW21」はウェットやドライ路面での性能を確保しつつ、急な積雪にも対応できるしっかりとした雪上性能を実現したオールシーズンタイヤで、冬用タイヤ規制時でも走行可能※2なタイヤとして認められており、サイドウォールには国際基準で定められたシビアスノータイヤ条件に適合した証である「スノーフレークマーク」※3が打刻されています。受賞にあたっては近年オールシーズンタイヤ市場が注目を集めている中、高レベルでの雪上性能、ウェット性能、ドライ性能のバランスを実現し、サマータイヤ、スタッドレスタイヤに加わる新たな選択肢を自動車ユーザーに提供したことが評価されました。※1:「日刊自動車新聞用品大賞」は1987年にスタートした賞で、今回は、2019年4月から2020年6月の期間に注目を集めたカー用品を対象に、販売数量だけでなく、商品開発のアイデアや話題性、業界貢献度などを総合的に評価し、さらにカー用品販売店などへ実施したアンケート調査の結果を参考に各賞が選定されました。※2:冬用タイヤ規制の場合は走行可能ですが、全車チェーン規制の場合は、いかなるタイヤ(スタッドレスタイヤを含む)もチェーン装着が必要です。※3:欧州で冬用タイヤとして認証されたマーク 7)トラック用ウルトラワイドベース スタッドレスタイヤ 「903W」を新発売2020年秋から、トラックの後輪に使用するウルトラワイドベースタイヤとして、新たにスタッドレスタイヤ「903W(キューマルサン・ダブリュー)」を全国のヨコハマタイヤ販売会社を通じて販売開始しました。当製品は、トラックやバスに装着される複輪(2本1組)を単輪(1本)に置き換えることができる超偏平シングルタイヤで、タイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化や1軸当たりの軽量化が可能になります。また、タイヤの回転方向と平行にスチールコードを配置したベルト層を有する独自開発のベルト構造「SpiraLoop®(スパイラループ)」を採用しました。これにより、当社従来ベルト構造でウルトラワイドベース化を図った場合に弱点となるショルダー部の成長とベルト部の歪みを抑制し、優れた耐偏摩耗性と耐久性を確保することができ、タイヤの長寿命化に貢献します。加えて、トレッドパターンは、氷雪上性能重視型スタッドレスタイヤ「ZEN 903ZW」をベースに、ブロックエッジ量を増加させる「小ピッチワイドグルーブ」やブロック剛性を維持し接地面積を確保する「6列トラクションZブロック」を採用し、これらをウルトラワイドベースタイヤ用に最適に配列することで、優れたスタッドレス性能を発揮します。当社は、中期経営計画「GD2020」においてタイヤ生産財事業を次の100年の収益の柱とすることを掲げ、トラック・バス用タイヤの拡販に取り組んでおり、独自技術である「SpiraLoop®」を採用した超偏平シングルタイヤを北米や日本で積極的に展開しています。 8)タイヤ5商品が2020年度グッドデザイン賞を受賞2020年10月、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の2商品、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」の2商品およびトラック用ウルトラワイドベーススタッドレスタイヤ「903W(キューマルサン・ダブリュー)」が2020年度グッドデザイン賞※を受賞しました。なお、「903W」は受賞対象の中で審査委員会により特に高い評価を得た100件に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。「BluEarth」の受賞商品は乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21(ブルーアース・フォーエス・エーダブリュー・ニーイチ)」およびクロスオーバーSUV専用サマータイヤ「BluEarth-XT AE61(ブルーアース・エックスティー・エーイーロクイチ)」で、「BluEarth-4S AW21」はウェットやドライ路面での性能を確保しつつ急な積雪にも対応できる雪上性能を実現しており、「BluEarth-XT AE61」はオンロード性能に特化し、クロスオーバーSUVにふさわしい舗装路でのハンドリング性能や静粛性のほか、ロングライフ性能を兼ね備え、両商品ともにユーザーのニーズや車社会の変化に対応している点が評価されました。「GEOLANDAR」の受賞商品はクロスオーバーSUV向けグランドツーリングタイヤ「GEOLANDAR CV G058(ジオランダー・シーブイ・ジーゼロゴーハチ)」およびSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックスエーティー)」で、「GEOLANDAR CV G058」は安全性や静粛性のほか耐摩耗性能や低燃費性能を備え、「GEOLANDAR X-AT」はアグレッシブな外観と優れたオフロード性能に加え、オンロードでの快適性や環境性能を両立するなど、オンロード性能とオフロード性能をバランスさせた点が評価されました。「903W」は優れたスタッドレス性能と長寿命化を両立したウルトラワイドベースタイヤで、トラックに使用する2本1組の複輪を単輪に置換できるため軽量化による積載量増加やタイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化に貢献、独自技術「SpiraLoop®(スパイラループ)」によってベルト構造を強化することで幅広タイヤの課題となる形状保持を実現し、製品化を達成した点が高く評価されました。※「グッドデザイン賞」は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザイン評価推奨制度で、国内外の多くの企業や団体が参加しています。グッドデザイン賞受賞作品には優れたデザイン性を象徴する「Gマーク」の使用が認められます。 9)乗用車用ベーシックスタッドレスタイヤ「iceGUARD iG52c」を新発売2020年10月、スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」のベーシックモデル「iceGUARD iG52c(アイスガード・アイジー・ゴーニー・シー)」を国内のヨコハマクラブネットワーク※限定で販売開始しました。「iceGUARD iG52c」は海外向けに販売している商品で、商品コンセプトは「iceGUARD」ブランドの基本性能を備えた“さまざまな冬道に効く”ベーシックスタッドレスタイヤです。専用の方向性パターンに加え、凍結路面への密着性を高めた吸水素材、剛性確保に効く「トリプル 3-D サイプ」や氷上でのエッジ効果を補完する「細密マイクログルーブ」など「iceGUARD」のスタンダード技術を採用し、凍結や圧雪、シャーベット、ウェットやドライ路面で優れた性能を発揮します。※自系列タイヤショップ「タイヤガーデン」「グランドスラム」のほか横浜ゴムとパートナーシップ契約を結ぶタイヤショップの総称。 (2)MBお客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,985百万円であります。 (3)ATG 革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。 当連結会計年度における研究開発費の総額は、294百万円であります。 1)各種展示会への出展2020年1月から3月にかけては、世界最大規模の建設機械展示イベントであるCONEXPO-CON/AGG(コネクスポ-コン/アグ)、英国有数の農業関連展示会LAMMA(ラマ)など、様々な農業機械や建設機械の展示会へ出展し、ATGの製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2020年4月から6月にかけては、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、展示会への参加は見送りましたが、オンライン会議システムを利用したプレスイベントの企画、開催等を通じて、ATGの製品およびサービスを理解していただく場を設けました。2020年7月から12月にかけては、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、展示会への参加は見送りましたが、各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、ATGの製品およびサービスを理解していただく場を設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当期において発売した商品は、主に次のものとなります。[ALLIANCEブランド]・AGRI STAR Ⅱ(アグリ スター Ⅱ)新規開発の2層トレッドラグにより、優れたトラクション、走行安定性、耐磨耗性を発揮するトラクター用ラジアルタイヤ (2020年1月発売) ・202独自の深溝トレッドパターン、強化サイドウォールにより、タイヤ寿命の長期化を実現すると同時にロードアンドキャリー能力も向上させた建設機械用タイヤ(2020年1月発売)・579芝や砂地、泥濘地からアスファルトまで様々な路面に対応し、主に庭園や農園においてスムーズな作業を可能とするユーティリティートラクター用ラジアルタイヤ(2020年2月発売)・AGRIFLEX+ 881(アグリフレックスプラス 881)土壌ダメージの低減と耐荷重性を両立するVF構造、切り株によるタイヤへのダメージを低減する高剛性コンパウンドの採用により、生産性、タイヤ寿命ともに優れたラジアルタイヤ (2020年5月発売) ・Slick Master(スリック マスター)刈り株ダメージを低減させる高剛性コンパウンド、スリックパターンの採用によってタイヤ寿命の長期化とダウンタイムの最小化を図り、ユーザーの生産性向上に貢献するインプルメント用タイヤ (2020年7月発売) ・768 Value Plus(768 バリュー プラス)耐荷重性、トラクション性能、耐久性に優れるセンターピボット灌漑システム向けタイヤ(2020年8月発売) ・415高い耐磨耗性と耐発熱性を両立する独自のコンパウンドにより連続走行を可能とし、さらに偏磨耗を最小化し広い接地面積を確保する深溝トレッドパターンの採用により、タイヤ寿命の長期化を実現するリーチスタッカー用タイヤ(2020年7月発売) ・590高剛性スチールベルト、非方向性パターン、耐カット・チッピング性に秀でたコンパウンドの採用により、高い荷重負荷能力と耐久性を実現するとともにオンロード/オフロード問わず高い走行性を発揮。作業効率改善に貢献するラジアルフロテーションタイヤ (2020年11月発売) ・890接地圧が均一になるように設計され、路面舗装工事における作業効率、完成度向上に貢献。耐油性コンパウンドを使用し、耐久性にも優れるコンパクター用タイヤ (2020年12月発売) [GALAXYブランド] ・IMP PRO(インプ プロ)接地面積を拡げるプロファイル、剛性を高めた内部構造の採用により、草地や軟弱な土壌での走行安定性に優れ、且つ耐久性、負荷能力を向上させたインプルメント用タイヤ (2020年2月発売)・FLOT PRO(フロット プロ)トラクションやフロテーション性を高めるプロファイルの採用により、作業性に優れ、同時に土壌へのダメージを低減するインプルメント用のタイヤ (2020年1月発売)・EARTH-PRO RADIAL 650(アース-プロ ラジアル 650)ラジアル65扁平構造により、土壌ダメージを低減するとともにトラクション性を向上。さらにトレッドラグのマルチアングル化、内部構造強化によって乗り心地や耐久性にも優れたトラクター、ハーベスター用タイヤ (2020年2月発売)・Garden-Pro XTD(ガーデン-プロ エックスティーディー)独自形状の深溝トレッドパターンの採用により、耐久性やトラクション性能に優れた汎用トラクター向けラジアルタイヤ(2020年9月発売)・MGSR 210(エムジーエスアール 210)オールスチール構造で耐久性に優れ、独自のスノーパターン設計によって雪上やぬかるんだ路面で高いグリップを発揮。セルフクリーニング性も優れたラジアルタイヤ(2020年11月発売) ・LHD 510(エルエイチディー 510)耐チッピング・チャンキング性と耐熱性を両立するコンパウンド、超深溝パターンの採用によりタイヤライフの長期化を実現。サイドまで溝を配した独自設計パターンによりトラクション性やクッション性にも優れ、オペレーターの作業効率、快適性向上に貢献するホイールローダー用超深溝タイヤ (2020年12月発売) ・SAND 750(サンド 750)リブパターン、高剛性カーカス、強化サイドウォールの採用により高い走行性と耐久性を発揮。特に砂地での使用に適したスキッドステアローダー向けタイヤ (2020年12月発売) 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 287百万円あります。
FY2019|10,243 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、15,026百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、866百万円であります。 ・バイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを短期間で開発国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)との共同研究により、インフォマティクス(情報科学)を活用しバイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを開発しました。また、生成したブタジエンを使ったブタジエンゴムの合成に成功しました。タイヤの主原料のひとつである合成ゴムの元となるブタジエンをバイオマス(生物資源)からの生産技術の確立により石油への依存度低減やサステナブルな原料調達の促進が期待できます。今回、バイオエタノールからブタジエンをより多く生成できる金属酸化物触媒を探るため、AIを使用した量子化学計算による一次スクリーニングを行いました。次にそれらの最適な配合状態や反応条件を探索するため、複数の条件下で試験する迅速触媒評価とそれぞれの反応性を高速に計測するハイスループット実験を行い、活性成分の触媒調製条件や温度などの反応条件における最適解を発見しました。世界最高の生産性を有する非常に高活性な触媒システムの極めて短期間での発見であり、触媒開発におけるインフォマティクスの有用性を実証することにも成功しました。今後はより高度なAI技術による計算科学をベースとしたハイスループット実験を通して、2030年のバイオマス由来の合成ゴム実用化を目指します。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤ当社の強みである独自の特性コントロール技術とグローバルな開発体制の拡充により、卓越した性能と品質の商品を作り出し「GD2020」の事業戦略を支えていくことを目標とし、以下のような活動を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、11,384百万円であります。 1)グランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51」新発売2019年2月、低燃費タイヤブランド「BluEarth」からトータルパフォーマンスに優れたグランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51(ブルーアース・ジーティー・エーイーゴーイチ)」を発売しました。「BluEarth-GT AE51」はミドルクラスセダンをメインターゲットに「走行性能、快適性能、環境性能の全てに優れるグランドツーリングタイヤ」をコンセプトとして開発し、長距離移動することを語源とする「グランドツーリング」に相応しい力強くしっかりとした走行性能を追求したほか、従来品(BluEarth-A)で定評のあった優れたウェットグリップ性能を確保しながら、低燃費性能を一段と向上させ、国内ラベリング制度においては全サイズで最高グレードのウェットグリップ性能「a」、ころがり抵抗性能では31サイズで「AA」、26サイズで「A」を獲得しました。また専用開発の非対称パターンにより快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立するとともに、トレッドパターンに施した「ライトニンググルーブ」や「ブレードカットサイプ」が優れたウェット性能に貢献します。さらに、専用のチューニングを施した高剛性構造や接地圧を均一化したトレッドプロファイルが力強く、快適な走りを実現するほか、発熱によるエネルギーロスを抑える2層構造の「低燃費レイヤードゴム」や歪みを低減するサイドプロファイル、放熱効果を生む「ディンプルショルダーデザイン」により低燃費性能を向上しています。 2)新次元ハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-CV」新発売2019年4月、SUV用タイヤブランド「GEOLANDAR」からハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けのハイウェイテレーンタイヤの新商品「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」を発売しました。「GEOLANDAR X-CV」は、近年増加しているモノコック構造の中・大型輸入車に代表される高速性能と運動性能を重視したハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けに開発した新次元ハイウェイテレーンタイヤで、同SUVに相応しい安全性、快適性、経済性を備えながら、急な降雪にも対応する「M+S(マッド&スノー)」規格を獲得しており、さらに全サイズで最高速度270km/hに対応するスピードレンジ「W」を実現しています。安全性及び経済性では「4本ワイドストレートグルーブ」や「2-3Dコンビネーションサイプ」などを採用した専用開発の非対称パターンと新開発の「ハイシリカ・コンパウンド」が優れたウェット制動性能と耐摩耗性能を発揮するほか、快適性では非対称トレッドパターンに加え、高剛性・高耐久の専用構造が高速走行時の安定感を高め、ハイウェイでのアクティブな走りを生み出すとともに、快適なロングドライブを実現するほか、トレッドのブロックに施した「5ピッチ・バリエーション」が耳障りなパターンノイズを抑え、静粛性の向上に貢献します。 3)世界的なタイヤ技術会議「Tire Technology Expo 2019」で技術プレゼンテーションを実施2019年3月、世界で高い注目を集めるタイヤ技術会議「Tire Technology Expo 2019(ドイツ ハノーバー開催)」にて、横浜ゴムからタイヤ解析や材料に関する技術を3件、グループ会社のATG(アライアンスタイヤグループ)からタイヤリサイクルに関する技術を1件、横浜ゴムグループとして合計4件の技術を発表しました。<発表した技術の概要>[逆畳み込み手法によるタイヤの振動解析]乗心地の良いタイヤを作るために必要な解析項目である「路面の凹凸がタイヤに与えた振動が車体側にどのように伝わるか」について、画像解析や信号処理に用いられている「逆畳み込み」手法をタイヤの振動解析に適用した結果を報告しました。[セルロースナノファイバーによるSBR(合成ゴム)の補強]従来から使われているカーボンブラックによるSBR(合成ゴム)の補強と、木材を原料としゴムの補強材として将来有望なサステナブルマテリアルであるセルロースナノファイバーによる補強とを比較し、その特徴について報告しました。[濡れた平滑路面上を滑るゴムの接触挙動解析]タイヤのウェット性能向上のため必要な調査事項である、「ゴムが濡れた路面の上でどのように接触しているか」について、摩擦中のゴムが非常に速い周期で密着と滑りを繰り返していることを明らかにした結果を報告しました。[リサイクルゴムの持続可能性と最適化(ATG)]地球環境を保護し持続可能な社会を実現するための重要な課題である、使用済みタイヤの再利用について、使用後のタイヤゴムを粉末化した粉ゴムをタイヤのゴムに少量添加して再利用するための最適な手法を報告しました。 4)舗装路・非舗装路用ダンプ向けラグタイヤ「302C」新発売2019年6月、ダンプ用クロスラグタイヤ「LY317」の後継となる、舗装路・非舗装路用ダンプ向けラグタイヤの新商品「302C(サンマルニ・シー)」を発売しました。「302C」では、耐外傷性能の向上によりタイヤ寿命を延ばすことで、お客様の求める経済性を追求しつつ、安全性や利便性の改善を目指して開発しました。センター部に耐カット・チッピング性能に優れるトレッドコンパウンドをベルト付近まで配置し、走行により発熱しやすいベルトエッジ部周辺には、発熱を防ぐアンダートレッドゴムを配置(セパレートアンダートレッド構造)することで、摩耗末期までカット・チッピングを防止するよう設計しました。またサイドプロテクターを設けることでサイド部のカットを防止するなど、耐外傷性能の向上によりタイヤ寿命を延ばし、経済性を改善しています。安全性においては、トレッド幅を従来品比4%アップしたワイドトレッドデザインが、優れた操縦安定性を実現するほか、トレッドパターンに偏摩耗を抑制する「センターブロック千鳥配列」やウェット性能を向上する「センタージグザグ溝」などを採用し、それらの配置を最適化することで、耐カット・チッピング性能やウェット性能、悪路でのトラクション性能を向上させています。さらに、従来品では、非舗装路向けと舗装路向けに分かれていた仕様を統一し、両路面に対応可能な商品とすることで、利便性も改善いたしました。 5)日本ゴム協会の優秀論文賞を受賞2019年5月、当社技術者によるゴム技術に関する研究論文「加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明」が、一般社団法人日本ゴム協会の「第66回優秀論文賞※1」を受賞しました。これまで、タイヤ加硫時に気泡が発生するメカニズムは十分明らかになっていませんでしたが、本研究において、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムにシリカやカーボンブラックを充填剤として配合し、加硫した後にゴム内部の発泡の様子を大型放射光施設「SPring-8」を活用したX線イメージング法※2により観察する方法を開発したことで、ゴムに存在する水分を主とする揮発成分量及び架橋剤の配合量とそれらの発泡状態の関係を明らかにしました。今回は、こうした気泡生成における発生機構の解明が、信頼性の高いゴム製品を製造する際の条件設定の一助となったことが評価されました。※1 「優秀論文賞」は今年で66回目となる歴史ある賞で、過去3年間に日本ゴム協会誌に発表された論文の中から毎年優秀なものに対し最多で2件に授与されます。※2 高輝度X線を用いて透過像を短時間で多数取得する方法。これにより加硫中のゴム内部で気泡が発生する様子を観察することが可能になった。 6)オフロード感を高めた新カテゴリーのSUV・ピックアップトラック向け タイヤ「GEOLANDAR X-AT」新発売2019年9月、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」からオンロードでの快適性を求めながら、オフロードチューニングやドレスアップを楽しむユーザー向けに開発した「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックスエーティー)」を日本国内で発売しました。「GEOLANDAR X-AT」は、現在販売中のオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T G015」とマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」の中間に位置する新カテゴリー商品で、デザイン面では特徴的なブロックを組み合わせたアグレッシブブロックパターンを採用したほか、トレッドデザインをサイドウォール上部まで伸長させ存在感を一段と高めるとともに、タイヤ両側のサイド部をそれぞれ異なるデザインとし、好きなデザインを車両外側に装着できるデュアルサイドブロックデザインを採用しました。また性能面ではトレッドに施したサイプと細溝のコンビネーションがウェット路面や滑りやすいオフロード路面で高いトラクション性を発揮するほか、ショルダー部の横溝とセンター側の縦溝に配したストーンイジェクターが泥や石噛みによるダメージを緩和します。コンパウンドにはトリプルポリマーを採用することで、耐摩耗性能と耐カットチッピング性能を確保し、接地性の高いワイドトレッドデザインや高剛性3プライ構造などにより、操縦安定性や耐サイドカット性能を高めています。 7)オールシーズンウルトラワイドベースタイヤ 「902L」新発売2019年9月、トラックに装着される複輪(2本1組)を単輪(1本)に置き換えることができる超偏平シングルタイヤのオールシーズンウルトラワイドベースタイヤ「902L(キューマルニ・エル)」を日本国内で発売しました。単輪への置き換えにより、タイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化や、1軸当たり約85kgの軽量化※1が可能となることから、例えば後輪2軸の大型トラックでは、約170kg※2の積載量を増加させることが可能となります。「902L」は、タイヤの回転方向と平行なスチールベルト層を有する独自開発のベルト構造「SpiraLoop®(スパイラループ)」を採用しており、走行によるショルダー部の成長とベルト部の歪みを抑制し、優れた耐偏摩耗性と耐久性を確保することで、タイヤの長寿命化に貢献します。また、トレッドパターンでは小ピッチブロックやスプリットクローズドサイプによりトラクション性能を高めたほか、転がり抵抗を低減するウェーブドグルーブ、排水性と操縦安定性に配慮した7本溝パターンを採用しています。当社では近年のトラック用タイヤのシングル化需要に合わせ、ワイドベースの商品を豊富にラインアップしている中で、今回、11R22.5の後輪用タイヤのシングル化として、455/55R22.5の「902L」を当社としては日本で初めて本格導入しました。※1:(11R22.5の当社トラック・バス用タイヤ「710R」+鉄ホイール)×2本に対し(455/55R22.5の「902L」+アルミホイール)×1本の場合※2:1軸当たりの軽量化できる重さ約85kg×2軸=約170kg 8)タイヤ3商品が2019年度グッドデザイン賞を受賞2019年10月、グランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51(ブルーアース・ジーティー・エーイーゴーイチ)」、ハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けタイヤ「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」、舗装路・非舗装路用ダンプトラック向けラグタイヤ「302C(サンマルニ・シー)」の3商品が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。「BluEarth-GT AE51」は走行性能、快適性能、環境性能などトータルパフォーマンスに優れ、力強い走行性能を追求しながら、高いウェットグリップ性能と低燃費性能を両立しています。「GEOLANDAR X-CV」は安全性、快適性、経済性を備えながら、急な降雪にも対応する「M+S」規格を獲得しつつ、全サイズで最高速度270km/hに対応するスピードレンジ「W」を実現しています。これらの商品は、優れた性能と高いデザイン性を兼ね備えている点が評価されました。また「302C」は耐カット・チッピング性能、ウェット性能を向上するとともに、低燃費性能、耐久性を確保するなど地球環境にも配慮した点を高く評価されました。なお「グッドデザイン賞」は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザイン推奨制度で、国内外の多くの企業や団体が参加しています。グッドデザイン賞受賞作品には優れたデザイン性を象徴する「Gマーク」の使用が認められます。 9)タイヤ3商品が「2019 SEMA Show」の「New Products Award」でタイヤ関連部門賞を独占2019年11月、米国販売子会社 Yokohama Tire Corporation(ヨコハマタイヤコーポレーション)はネバダ州ラスベガスで開催された世界最大規模の自動車用品ショー「2019 SEMA※1Show」に出展し、「New Products Award」におけるタイヤ関連部門の3つの賞を独占しました。最も優れた商品に与えられる「Best New Tire Winner」ではオフロード感を高めた新カテゴリーのSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックスエーティー)」が受賞し、続いて優秀な商品に与えられる「Runner-up Awards」では、ハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV 向けハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」とウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN APEX V601(アドバン・アペックス・ブイロクマルイチ)※2」の2商品が受賞し、タイヤ関連部門の賞を独占しました。※1:SEMA:Specialty Equipment Market Association 米国自動車用品工業会※2:「ADVAN APEX V601」は北米向けに開発された商品です。 10)「第46回東京モーターショー2019」に出展2019年10月23日~11月4日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「第46回東京モーターショー2019」に出展し、“優れた技術開発力”をアピールしました。未来のモビリティを見据えた将来技術コーナーでは、今後急速な進展が見込まれるCASE※1対応技術として、タイヤのIoT化技術「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」をはじめ、自動運転・無人運転に対応する走行持続性技術「Self Seal Concept Tire」、次世代車向けタイヤノイズ低減技術「Silent Foam面ファスナー Concept Tire」の3つの新技術を紹介しました。またサステナブル社会の実現に貢献する環境技術では、大幅なタイヤの軽量化技術を用いた「Ultra Lightweight Concept Tire」を初披露したほか、バイオマスから合成ゴムを生成する技術やリサイクル可能な熱可逆性ゴムなどを紹介しました。 さらに先進技術体感コーナーでは、カーカス構造の違いによる剛性の違いを模型によって体感いただくコーナーや、ウェット路面でのグリップ力の違いを比較体験出来るコーナーを設置しました。※1:CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語 (2)MBお客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、2,147百万円であります。 (3)ATG 革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。 当連結会計年度における研究開発費の総額は、286百万円であります。 1)各種展示会への出展2019年1月から3月にかけては、欧州最大級の農業機械展示イベントであるSIMA(シマ)、米国における主要な屋内農機展の一つであるIowa Power Farming Show(アイオワ パワー ファーミング ショー)などの展示会へ出展しました。2019年4月から6月にかけては、世界最大級の建設車両関連展示会Bauma-Munich Germany(バウマ ミュンヘン ドイツ)や国際環境展示会Waste Expo2019(ウェスト エクスポ2019)などの展示会へ出展しました。また、大手農機メーカーDEUTZ-FAHR社主催のイベントDEUTZ-FAHR Power Tour(ドイツ-ファール パワーツアー)にオフィシャルタイヤパートナーとして参加しました。2019年7月から9月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2019(ファーム プログレス ショー 2019)、アメリカ中西部における主要農機展HUSKER HARVEST DAYS(ハスカー ハーベスト デイズ)などの展示会へ出展しました。また、第2四半期に引き続き、大手農機メーカーDEUTZ-FAHR社主催のイベントDEUTZ-FAHR Power Tour(ドイツ-ファール パワーツアー)にオフィシャルタイヤパートナーとして参加しました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当期において発売した商品は、主に次のものとなります。[ALLIANCEブランド]・398 MPT(398 エムピーティー):高負荷かつ高速での走行が可能な上、舗装路と比舗装路の両方で優れた走行性能を発揮するフローテーションラジアルタイヤ。 (2019年1月発売)・HAUL PRO-ML(ホール プロ エムエル)耐久性に優れ、土壌接地圧を低減。高速での走行も可能なトラクター用タイヤ。(2019年7月発売)・321 PLUS(321 プラス)トラクションや耐久性、放熱性に優れ、オンロード・オフロード両方での幅広い作業を支えるバックホーローダー用タイヤ。(2019年8月発売) [GALAXYブランド]・Lifter SDS(リフター エスディーエス)耐久性に優れたコンパウンドと、耐摩耗性の高いトレッドデザインを採用。比較的強度が低い作業を行うフォークリフト向けに設計された高コストパフォーマンスクッションタイヤ(2019年1月発売)・Super Severe Double Width Lug(スーパー シビアー ダブル ウィドゥス ラグ)耐熱性コンパウンドと広い接地面積を確保するトレッドデザインの採用により、発熱を最小限に抑え、耐磨耗性、耐久性に優れながら同時に高い走行性を発揮する港湾荷役機械用タイヤ。(2019年1月発売)・S-300(エス 300)優れた牽引力、安定性と耐久性を発揮し、軟弱な路面から小石が転がる硬い路面まで幅広く対応する建設車両向けタイヤ。(2019年2月発売)・LIFTOP SDS IND(リフトップ エスディーエス アイエヌディー)強固な3層構造とユニークなトレッドデザインにより、優れた耐久性とともに高いグリップ性能を発揮するフォークリフト・特殊カート向けタイヤ。(2019年4月発売)・GIRAFFE ND(ジラフ エヌディー)独自の非方向性深溝パターンにより不整地でのトラクション性を高め、タイヤ寿命を長期化させたテレハンドラー用タイヤ。(2019年7月発売)・TERMINAL MASTER(ターミナル マスター)深溝リブパターン、ラジアル構造の採用によりスムースな取り回しが可能な上、トラクションに優れ、タイヤ寿命を長期化させた港湾トラクター用タイヤ。(2019年9月発売) 3)世界最大の農業機械展で農業機械用タイヤが銀賞受賞2019年11月、オフハイウェイタイヤの生産販売子会社であるアライアンスタイヤグループ(ATG)は、ドイツのハノーバーで開催される世界最大の農業機械展「AGRITECHNICA 2019」に出展し、「Innovation Award AGRITECHNICA(イノベーションアワードアグリテクニカ)」で銀賞を受賞しました。受賞した農業機械用タイヤ「Alliance 398 MPT(アライアンス・サンキューハチ・エムピーティー)」は農場や舗装路など路面状況に合わせて空気圧を自動で調整できるセントラルタイヤインフレーションシステム※1に対応。また、スチールラジアルフローテーション構造※2により、トラクションや積載量の増加のほか、土壌保護性など農場での優れた性能と高速での操縦安定性や静粛性、乗り心地など高いオンロード性能を両立しました。農業機械用タイヤとして世界初※3となる最高時速100kmを実現しています。これにより、農場での作業後、積み替え無しで収穫物を輸送できるため、穀物カートといった機器が不要になるほか、作業の効率化にも貢献します。「AGRITECHNICA」は1985年から隔年開催されており、前回の2017年は52カ国から2,802の企業・団体が出展し、来場者は45万8,000人を記録しました。※1 農場では空気圧を下げ、接地面積を増やすことで荷重を分散させて土壌への負担を軽くする一方、舗装路では空気圧を上げて走行する必要があるが、その上げ下げがトラックから降りることなく自動で調整ができるシステム※2 農業機械用スチールラジアルタイヤ構造の中でも、泥濘路などの路面で土壌への負担を軽くするために要求されるフローテーション(浮力)性能に優れた構造のこと※3 当社調べによる 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 343百万円あります。
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5 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様にご満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、151億69百万円であります。 当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。研究本部の研究開発費の金額は、10億85百万円であります。 ・バイオマス(生物資源)からイソプレンを生成する世界初の新技術を開発 2018年7月、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)、日本ゼオン(株)との共同研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にイソプレンを生成できる世界初の新技術を開発したことを公表いたしました。 この新技術は、世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により、優れたイソプレン生成能を持つ細胞を創製し、この細胞内(in vivo)で出発原料であるバイオマス(糖)からイソプレン生成までを一貫して行い、さらに生成したイソプレンを重合してポリイソプレンゴムを合成することを実現したものです。 イソプレンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴム(ポリイソプレンゴム)の原料として使用されており、現在は、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されています。 今回開発したイソプレン生成技術を確立することにより、石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素削減に貢献することができます。 なお、研究にあたっては理研・環境資源科学研究センター(CSRS)が保有する細胞設計技術、植物科学技術を活用しています。・高強度・高弾性ウレタン系接着剤の基礎技術を確立 過酷なヒートサイクルにさらされる電子機器をはじめとした工業用接着剤や、構造用接着剤の開発などに応用可能な、高い強度と優れた弾性を両立した2液型ウレタン系接着剤の基礎技術を確立しました。 特に近年、100年に一度の大変革時代と言われる自動車業界では、軽量化を目的に鉄鋼、アルミ、炭素繊維強化樹脂(CFRP)などの軽量材料を組み合わせるマルチマテリアル構造が欧州を中心に急速に実用化され、構造用接着剤のニーズが高まっています。 こうした中、当社は、エポキシ系に匹敵する20MPa~40MPaの最大引張り強度とウレタン系ならではの最大伸び率200%~500%の優れた弾性を両立させることに成功しました。 これは、一般的に達成困難な技術領域を定める技術的上限曲線(通称バナナカーブ)を越える数値であり、また温度特性においては、-30℃~180℃の広い領域で安定した物性を保持します。 さらに、動的な耐久性にも優れることに加え、2液の混合比率の変動が最大±20%以内であれば強度、伸びともに変わらない品質の安定性を保てる一方、逆に積極的に混合比を変えることで物性を任意に調整し、異種材料間あるいは接着部位に適した物性に調整することを可能とする技術です。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤグローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、110億25百万円であります。 1)JAF指定のレーシングカート用タイヤ「ADVAN SLJ」を発売 2018年1月から、JAF(日本自動車連盟)指定タイヤ規則に適合したレーシングカート用タイヤ「ADVANSLJ(アドバン・エスエルジェイ)(名称:ADJ)」を発売しました。「ADJ」はカデットクラス向けドライタイヤで、従来品の「ADVAN SLJ(名称:AAJ)」をベースに寸法の見直しなどを行い、2017年に施行された新たなJAF指定タイヤ規則の摩耗基準をクリアする耐久性と優れた操縦安定性を実現しました。 2)世界トップクラスのプレミアムカーメーカーの技術承認を取得 グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」が独・BMW社の新型「X3」に新車装着されました。「ADVAN Sport V105」は世界有数のハイパフォーマンスカーに数多く新車装着されておりますが、当社がBMW社へ新車向けタイヤを納入するのは今回が初めてとなります。 「ADVAN Sport V105」は、横浜ゴムのハイパワー・プレミアムカー向け高性能タイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせており、今回新車装着されたタイヤはBMW社と共同開発したもので、タイヤサイドには同社の承認を示す★印(スターマーク)が刻印されています。 なお「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」は、独・BMW社が2018年3月より全世界で発売開始した新型「M5」、 2018年7月より発売開始した新型「X4」にも新車装着されました。 また、世界トップレベルのレースへ参戦するBMW社に対し、高性能レーシングタイヤを供給しておりますが、世界ツーリングカー選手権の初代チャンピオン(1987年)、欧州ツーリングカー選手権チャンピオン(1988年)のほか、世界的耐久レースであるニュルブルクリンク24時間とスパ・フランコルシャン24時間において計5回の優勝を獲得するなどの輝かしい戦績を残しています。 国内では、全日本ツーリングカー選手権クラス3の初代チャンピオン(1985年)、2011年のSUPER GTのGT300クラスにおいてシリーズチャンピオンを獲得しています。 3)耐摩耗性能重視型トラック・バス用オールシーズンタイヤ「710R」新発売 2018年3月、耐摩耗性能重視型トラック・バス用オールシーズンタイヤの新商品「710R(ナナイチマル・アール)」を発売しました。「710R」は、耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を大幅に向上させることによって、輸送業経営者の求める経済性を追求しつつ、多くのドライバーが不安を抱える空荷時の安全性の改善を目指して開発されました。新開発の専用パターンを採用したワイドトレッドデザインにより耐摩耗性能を向上し、互い違いにブロックを配置した千鳥ブロックレイアウトや「Z」型のブロックを交差配置したセンター「Z」ブロックが偏摩耗を抑制します。さらに、ワイドセンターブロックとワイドセンターグルーブが空荷時のグリップ力と排水性の向上に貢献します。 また、コンパウンドには耐摩耗性能に優れるポリマーとウェット性能に貢献するシリカを配合し、さらに新C’ROLL製法(C’ROLLはCOLD&ROLLの略。従来、高温下で行われていたゴムのミキシングを、低温でさらにロールを使用して丹念に練ることで、ゴムの分子切断を抑制し、補強剤であるカーボンをより均一に分散できる製法)を採用することにより従来品の「ZEN 701ZE(ゼン・ナナマルイチ・ゼットイー)」)に比べ耐摩耗性能を20%以上(※1)向上、空荷時ウェット発進スリップ性能を57%(※2)改善したほか、ウェット制動性能や雪上性能も従来品同等レベル以上を確保しています。※1、2:性能データについてはタイヤ公正取引協議会に届け出てあります。 4)ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053」に新サイズを追加 2018年3月、ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053(アドバン・エイ・ゼロゴーサン)」に新サイズを追加し、全4サイズとなりました。 同商品は左輪用と右輪用で異なるパターンを採用しており、硬く締まった路面から柔らかい土質まで様々に変化するグラベルステージに対応すると共に、ハイスピードな道はもちろん、低中速コーナーでも高いトラクション性能を発揮します。同商品は日本のラリー、ダートトライアルの最高峰である全日本ラリー選手権のグラベル路面や、全日本ダートトライアル選手権でも使用されており、2016年の全日本ラリー選手権ではJN5とJN2でシリーズチャンピオンに、2017年にはJN2クラスで2連覇を達成したほか、全日本ダートトライアル選手権では2016年に4クラス、2017年に3クラスでシリーズチャンピオンを獲得しております。 5)「ADVAN Sport V105」にランフラットサイズを追加 2018年4月、グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」に新たにランフラットサイズ全8サイズを追加し発売しました。 今回発売する新サイズのサイドウォールにはランフラット構造タイヤ(※)であることを示す「Z・P・S」マークが打刻されています。 空気が抜けた状態(ゼロプレッシャー状態)でもタイヤが車両を支えられるようタイヤのサイドウォール(タイヤ側面)を強化したほか、新開発の「小型化ビードフィラー」と適切に組み合わせ配置した「2nd フィラー」の採用および、ビードフィラーゴムの低発熱化を実現することでランフラット構造タイヤに求められる耐久性を向上させました。 さらに、この効果によってサイドウォールを強化する部材の軽量化が可能となり、タイヤの軽量化も同時に実現しました。(サイズにより採用技術が異なります。) ※パンクなどで空気が抜けた状態でも一定速度で、一定距離を走行できるタイヤ 6)SUV用スタッドレイヤiceGUARD SUV G075」新サイズを拡充 2018年9月、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」のSUV向け商品「iceGUARD SUV G075(アイスガード エスユーヴィ ジーゼロナナゴ)」に新サイズを追加し、全42サイズから全66サイズにラインアップを拡大します。 同製品では「SUVに、飛躍の氷上性能を」をテーマに、「iceGUARD(アイスガード)」シリーズで培った独自技術を惜しみなく搭載し、SUVユーザーからのニーズが最も高い氷上性能を向上させたほか、氷上性能の持続性、省燃費性、更に近年人気の都市型SUVに対応するための静粛性を追求しました。 7)冬用タイヤの吸水効果を評価する新技術を開発 金沢大学理工研究域岩井研究室との共同研究により、氷上路面と摩擦中のゴム(走行中のタイヤをイメージ)の接地状態を可視化する評価技術を開発しました。 本技術は、高速度カメラを搭載した特殊試験機の開発により接地状態を可視化し、真実接触部を識別、さらに、接触画像を数値化する解析技術の確立により、ゴムの吸水性や排水性を数値的に評価することに成功したものです。 本特殊試験機では氷あるいは氷を再現した透明で平滑な円盤とゴムサンプルを最大時速50kmで摩擦させ、その接地面のミクロレベルの画像を高速度カメラで1秒間に100万枚撮影し、試験中の摩擦力を同時に測定することができます。 本技術を活用することで吸水性に優れた新たな配合剤の発見や排水性の高いトレッドパターンの開発をより高精度に行うことが可能となり、氷上性能を飛躍的に高めた冬用タイヤの開発が期待できます。 8)ヨコハマ・スタッドレス史上最高傑作「アイスガード シックス」のランフラットモデルを新発売 2018年10月、乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 6(アイスガード シックス)※1」のランフラットモデルとして「iceGUARD 6 Z・P・S(アイスガード シックス ゼット ピー エス)※2」を発売しました。 「iceGUARD 6 Z・P・S」は2017年9月に発売したヨコハマ・スタッドレスタイヤの最高傑作「iceGUARD 6」をベースに開発したランフラット・スタッドレスタイヤで、当社のグローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」のランフラットサイズにも搭載されている「Z・P・S ビードフィラー」を採用しており、サイドウォールにはランフラット構造タイヤであることを示す「Z・P・S」(※3)マークが打刻されています。 「Z・P・S ビードフィラー」はビードフィラー小型化と2nd フィラーの組み合わせにより、ランフラット耐久に寄与し、さらに専用のプロファイル、構造を開発することで氷上性能、ウェット性能をはじめとするiceGUARD 6」の優れた性能と空気が抜けた状態(ゼロプレッシャー)での耐久性を高次元でバランスさせました。※1:愛称;「アイスガード シックス」 製品名;「アイスガード アイジー ロクジュウ」※2:愛称;「アイスガード シックス ゼット ピー エス」 製品名;「アイスガード アイジー ロクジュウ ゼット ピー エス」※3:Zero Pressure System の略 9)ストリートスポーツタイヤ「ADVANA052」のサイズ追加 2018年10月、12月、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN」のストリートスポーツタイヤ「ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)」に新サイズを追加し、全34サイズとなりました。 「ADVANA052」は「ADVAN」最強のストリートスポーツタイヤ「ADVANNEOVA AD08R」を凌ぐグリップ力とハンドリング性能を発揮しつつ、騒音や燃費も配慮した次世代のストリートスポーツラジアルタイヤとして2016年8月より発売しました。 先進のレーシングテクノロジーから生まれた構造技術「マトリックス・ボディ・プライ」を採用するとともに専用プロファイルを開発し、コーナリングフォースの最大化を図り、また新規開発した専用コンパウンドはドライグリップとウェットグリップを高次元で両立させ、素直で扱いやすいハンドリング特性を実現、これらによりサーキットで速いラップタイムを安定して刻むことができ、さらに周回を重ねてからのタイムの落ちを抑制することが可能となりました。 さらに、ウェットグリップ性能、騒音、転がり抵抗に係る規制を定めた国際基準「UN/ECE Regulation No.117 02 Series(R117-02)」をクリアしており、走りだけでなく環境や人に優しいタイヤとなっています。 当社では、2018年からスタートした3カ年の中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」のタイヤ消費財戦略において「ホビータイヤ戦略」を掲げ、レースやクラシックカーなどあらゆる自動車趣味に対応する新商品の開発を加速するとともに既存商品のサイズラインアップ拡充を進めています。 10)タイヤ3商品で2018年度グッドデザイン賞受賞 2018年10月、プレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V552(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーニ)」、ヒストリックカー向けタイヤ「ADVAN HF Type D(アドバン・エイチエフ・タイプディー)」、SUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-MT(ジオランダー・エックスエムティー)」の3商品が2018年度グッドデザイン賞を受賞しました。 「ADVANdB V552」はヨコハマ史上最高の静粛性を提供するプレミアムコンフォートタイヤで、優れた静粛性に加え、ウェットグリップ性能と低燃費性能を高次元でバランスしました。 「ADVANHF Type D」は1981年に発売した歴史的ヒット商品の復刻モデルで、オリジナル商品の特徴であった非対称パターンを継承しつつ、現代の基準に適合した走行性能や安全性能を実現しています。 また「GEOLANDARX-MT」はオフロード走行、ロックトレイルを楽しむユーザー向けに開発したSUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤで、自然界の岩をイメージしたオフロード感溢れる「ロックコンセプトトレッド」を採用し、性能面ではあらゆる路面でのオフロード性能を追求しつつ、パターンノイズの抑制にも配慮しており、各商品ともターゲットユーザーの目線に立った特徴的なデザインや優れた性能が評価されました。 なお「グッドデザイン賞」は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザイン推奨制度で、国内外の多くの企業や団体が参加しており、グッドデザイン賞受賞作品には優れたデザイン性を象徴する「Gマーク」の使用が認められます。 (2)MB お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、24億63百万円であります。 1)ホース配管事業・バリアタイプホース バリアタイプホースは自動車用エアコンシステムで冷媒を輸送するための配管に用いられるゴム製ホースの一種で、カーエアコンの次世代冷媒として普及が進んでいるHFO-1234yfに対応した製品となっております。今回開発したのは高圧用および低圧用のホースで、すでに現行型「Jeep® Wrangler」及び「Jeep®Compass」に採用されています。 現在、カーエアコンの冷媒として広く使用されているHFC-134aはGWP(地球温暖化係数)が1,430と高いため、地球温暖化防止を目的として、同係数が低いHFO-1234yf(GWP=4)への切り替えが進みつつあります。しかし、HFO-1234yfは長期使用により徐々に分解が進み、酸を発生させる性質があるため、最内面に樹脂層を持つホースでは樹脂が腐食してしまうという問題がありました。この対策として樹脂層の内面にゴム層を有するホース構造を採用し、樹脂との接着性を改善した内面ゴムを開発することで冷媒と樹脂との直接の接触を防ぎ、樹脂の腐食・冷媒の漏えいを防ぐカーエアコン用ホースを開発しました。なお、今回開発したホースの内面ゴム材料は日本で特許を出願しています。 今後は自動車部品ビジネスのグローバル展開を推進するため、ラインアップをさらに充実させ、海外販売を強化していきます。 ・IHX (Internal Heat Exchanger) IHXは、自動車用エアコンシステムで冷媒を輸送するための配管の一部で、従来は別々に構成されていた2本の冷媒配管の一部を一体化して2重管として構成したものであり、高温冷媒と低温冷媒の温度差を利用して内部熱交換することでエアコンシステム全体の冷却効率が向上させることができる製品となっております。 現在、カーエアコンの冷媒として広く使用されているHFC-134aはGWP(地球温暖化係数)が1,430と高いため、地球温暖化防止を目的として、同係数が低いHFO-1234yf(GWP=4)への切り替えが進みつつあります。一方、HFO-1234yfはHFC-134aと比較して冷却効率が低下してしまいますが、今回開発した2重管型内部熱交換器によって、この冷却効率低下をカバーすることができます。 なお、カーエアコンシステムはエンジンルーム内の狭い空間に配管されていることからそのエンジンルーム内のレイアウトに応じて配管設計を行う必要がありますが、今回開発したIHXは曲げても冷媒の流路が潰れないため、従来のエアコンシステム配管と同様に自由に配管設計を行うことが可能です。 今回開発した2重管型内部熱交換器は、すでに現行型「Jeep® Wrangler」及び「Jeep®Compass」に採用されています。今後も北米を中心に販売を強化していくと共に、採用拡大に向けて高性能仕様の開発を行っていきます。 2)工業資材事業・超大型防舷材 空気式防舷材は、船舶の接岸または接舷時における船体及び岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材で、1958年に世界で初めて生産販売を開始した空気式防舷材は、洋上で原油やLPGなどを移送する2船体間荷役において欠かせない製品となっております。 2017年12月世界最大となる直径6mの超大型防舷材を開発いたしました。同商品は洋上にてLNG(液化天然ガス)の液化・貯蔵・出荷を行うLNG-FPSO(Floating Production, Storage and Off-loading system:浮体式生産貯蔵積出設備)からLNGタンカーへの荷役の際に使用され、LNG-FPSOは、近年のLNG需要の高まりを受けて増加が見込まれております。LNG-FPSOでは約-160℃のLNGをLNGタンカーへ安全かつ効率的に荷役しなければならず、今回開発した超大型防舷材は、従来の防舷材に比べLNG荷役中にLNG-FPSO とLNGタンカーの距離を広く保つことができるため、より安全な荷役を実現できます。また、大型海洋構造物など海洋工事分野での活用も期待されております。 ・縦型空気式防舷材新型口金具 空気式防舷材は、船舶の接岸または接舷時における船体及び岸壁の損傷防止を目的として、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材で、縦型空気式防舷材は、海中に船体やその一部が深く沈み込んでいる艦船で使用されます。2018年1月縦型空気式防舷材に取り付けたままの状態で安全弁の検査が行える新型口金具を開発、販売を開始いたしました。 空気式防舷材には、過剰に圧縮された際に内圧の上昇による破裂を防ぐため内部の空気を放出する安全弁が取り付けられております。従来、安全弁の検査は空気式防舷材をクレーンなどで陸揚げし、空気を抜くなどした後、口金具ごと安全弁を取り外して行う必要があり、多大なコストがかかる問題を有していました。これに対し、新開発の口金具は、安全弁検査用の圧力容器を口金具背面に設置し、手動バルブを閉じることで防舷材本体と口金具の間の空気の通り道を遮断し、防舷材本体を密閉状態にできる構造といたしました。これにより防舷材を陸揚げすることなく安全弁の検査が可能となり、メンテナンスコストの大幅削減につなげることができます。 ・インドネシアの海洋商品生産販売子会社がマリンホースの国際型式認証を取得 海洋商品の生産を行う当社の子会社、横浜工業品製造インドネシア(PT Yokohama Industrial Products Manufacturing Indonesia)は、原油・石油製品の海上移送に使用する「Seaflex(シーフレックス)」ブランドのマリンホースに関し、石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定する「GMPHOM2009」の型式認証を2018年8月、全モデルで取得いたしました。マリンホースの「GMPHOM2009」の型式認証は、すでに日本の平塚製造所、イタリアのヨコハマ工業品イタリア(Yokohama Industrial Products Italy S.r.l.)で取得しており、今回、横浜工業品製造インドネシアが認証を取得したことで、横浜ゴム海洋商品の全生産拠点で国際型式認証を取得したことになります。 ・省電力コンベヤベルト「ECOTEX」 省電力コンベヤベルト「ECOTEX(エコテックス)」は、その省電力性能と高い耐久性が評価され、日本最長のコンベヤラインである秩父太平洋セメント(株)のKLTライン※へ2015年から2017年にかけて納入されました。 この「ECOTEX」の省電力性能も評価され、同社は、2018年5月に行われた第77回石灰石鉱業大会にて「石灰石鉱業協会賞 最優秀功績賞」を受賞しました。 「ECOTEX」は優れた耐久性に加え、ローラーと接する下面カバーゴムの粘弾性を最適化し、ローラーの乗り越え抵抗を小さくすることでコンベヤの消費電力削減に貢献します。今回納入したKLTラインでは同商品納入後の消費電力測定において、当社従来品と比べて50%以上の大幅な消費電力削減(当社調べ)を実現しました。 当社は耐摩耗性、耐熱性、難燃性、省電力性など使用用途に応じた多様なコンベヤベルトを生産販売しており、世界トップクラスの性能を実現しております。当社商品は世界的にも高い信頼を得ており、日本国内だけではなく、これまでに海外でも数多く採用されております。※KLTラインは、14キロメートルと9キロメートルのコンベヤを使用して群馬県多野郡神流町の叶山鉱山から埼玉県秩父市までを結び、今回納入したコンベヤベルトは、日本最長となる約14キロメートルのコンベヤ向けとなります。 3)ハマタイト・電材事業・土間目地用2成分形ポリサルファイド系シーリング材「Hamatite SC-DM2」 「Hamatite SC-DM2」は、従来の2成分形ポリサルファイド系シーリング材よりも硬化が速く、工期の短縮を可能にするとともに、歩行者の安全性に配慮し、ハイヒールなどが目地に刺さることがないよう硬度を高めたほか、当社独自の配合技術を用いることで耐候性や耐油・耐薬品性にも優れた商品です。また、ホルムアルデヒド放散等級の最高等級であるF☆☆☆☆認定を取得し、安全と環境にも配慮しています。さらに、シーリング材を着色するカラーマスターを「Hamatite SC-MS2NB/SUPERⅡ」、「Hamatite SC-PS2」と共通化することにより、製品在庫管理を容易にするとともに、主剤の包装容器にテーパー缶を採用し、使用後に積み重ねることで省スペース化を考慮した仕様にしました。今回新たに土間目地用商品をラインアップしたことでさらなる販売強化を図ります。 ・第2回「接着・接合EXPO」に出展 12月5日から7日、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された国内最大の接着・接合・溶接の専門展「接着・接合EXPO」に出展し、接着剤やコーティング材をメインに開発中、販売中の商品を多数紹介し、当社の高い技術開発力をアピールしました。 接着剤分野では異種材料間での接着・接合が急速に求められている自動車やエレクトロニクス分野での応用が期待される高強度・高弾性を両立した「2液高弾性ウレタン接着剤」の開発品を展示、また販売中の商品では、音(振動)特性に優れる速硬化型接着剤や絶縁性に優れる熱伝導接着剤、シール部材の解体・リサイクルが期待できる易剥離性のホットメルト型接着剤などを展示しました。更にコーティング材では、開発中の耐水・耐熱性に優れる「1液型防曇コート材」と経時で傷を修復する機能を持つ「自己修復コート材」に加え、ブルーライトなど特定の波長光を選択的に反射する「UV硬化型コート材」を紹介しました。 そのほか、床目地(土間目地)に使用する高硬度・速硬化の建築用シーリング材や各種構造材の補強材として新規開発中の高強度発泡フォームなども展示しました。 (3)ATG 革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。 当連結会計年度における研究開発費の総額は、2億60百万円であります。 1)各種農機具展示会への出展 2018年1月から3月にかけては、世界最大級の屋外農業機械展示イベントであるWorld Ag Expo(ワールド アグ エクスポ)や南欧における主要な農業機械展示イベントであるFIMA(フィマ)などの展示会へ出展しました。 2018年4月から6月にかけては、世界最大級のタイヤ国際見本市であるTHE TIRE COLOGNE(ザ タイヤ ケルン)、世界三大国際土木建設機械関連見本市であるINTERMAT PARIS(インターマット パリ)、中近東最大の国際自動車アフターマーケット展示会であるAUTOMECHANIKA DUBAI(オートメカニカ ドバイ)、南米最大の農業関連展示会であるAGRISHOW(アグリショー)などの展示会へ出展しました。 2018年7月から9月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2018(ファーム プログレス ショー 2018)、アメリカ中西部における主要農機展HUSKER HARVEST DAYS 2018(ハスカー ハーベスト デイズ 2018)、ドイツで開催される国際林業機械展INTERFORST 2018(インターフォルスト 2018)などの展示会へ出展しました。 2018年10月から12月にかけては、世界最大規模の自動車パーツ見本市SEMA SHOW(セマ ショー)、欧州3大農機展の一つであるEIMA International 2018(イーアイエムエー インターナショナル)、インド最大級の建機展bauma CONEXPO INDIA(バウマ コネクスポ インディア)などの展示会へ出展しました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。 当連結会計年度において発売した商品は、主に次のものとなります。[ALLIANCEブランド]・Super Soft 802(スーパー ソフト 802): 様々な農業機械や産業車両において優れたパフォーマンスを提供し、特に牽引タイプのインプルメントに最適なバイアスタイヤ (2018年2月発売)です。・Trailer 448(トレイラー 448): 非方向性パターン、広い接地面積、耐磨耗性コンパウンドにより優れた操作性、安定性ならびに抜群の耐久性を発揮すると同時に、転がり抵抗を低減しつつ高いトラクション性を実現することによって全世界のユーザーの生産性改善に寄与するトレイラー用バイアスタイヤ(2018年2月発売)です。・381 AGRIFLEX +(381 アグリフレックス プラス): リブパターンを基調とし、接地面を拡げることで土壌接地圧を最小化しつつ、ショルダー部のラグ溝によりタイヤスリップを抑制するなど、土壌や作物の保護が特に求められる特殊な用途での使用を想定して開発されたスチールベルトラジアルフロテーションタイヤ(2018年6月発売)です。・344 FORESTAR ELIT(344 フォレスター イーエルアイティー): ケーシングの改良を重ね、標準的な製品に対して荷重は維持したままで空気圧を半減することに成功し、低圧での走行が可能となったことにより、接地面の拡大、高いトラクション性能、燃費の改善を実現する革新的林業機械用タイヤ(2018年5月発売)です。・551 MULTIUSE PROFESSIONAL(551 マルチユース プロフェッショナル): 独自開発コンパウンド、トレッドパターンを採用し、グリップ性能を向上させることで雪上・氷上でのオペレーションの安定化に貢献。また、高剛性スチールベルト構造によって、年間通して高い耐久性を発揮するトラクター・ローダー向けラジアルタイヤ(2018年11月発売)です。・643 FORESTAR Ⅲ、644 FORESTAR Ⅲ(643 フォレスター スリー、644 フォレスター スリー): 強化ケーシング、最適化されたモダンなトレッドデザイン等を採用、導入。様々な厳しい使用環境に対応する新たな林業機械用タイヤ(2018年11月発売)です。 [Galaxyブランド] ・YM SDS(ワイエム エスディーエス): 特別に開発した構造やコンパウンドによって、倉庫や店舗の厳しい使用条件における耐久性を向上させたソリッド(プレスオンバンド)タイヤ(2018年1月発売)で、当商品の発売により、ATGのフォークリフト用タイヤのフルラインナップ化が完了しました。※プレスオンバンドタイヤ:ソリッドタイヤは金属製のベースバンドに、ゴムないしはウレタンを加硫接着したタイヤで、主としてリーチ式フォークリフトに装着されます。・Flotation(フローテーション): 特殊な構造により高負荷かつ過酷な使用条件に耐え、低い空気圧によってオン&オフ問わず土壌接地圧および転がり抵抗を低減し、独自のトレッドパターンでセルフクリーニング性にも優れたバイアスフローテーションタイヤ(2018年1月発売)です。・LDSR 300(エルディーエスアール 300): 剛性の高い内部構造とサイド部のプロテクターにより、耐久性を高め、また特別なトレッドコンパウンドによって優れた耐ダメージ性を発揮し、厳しい使用環境における機械のダウンタイム削減に寄与するホイールローダー用ラジアルタイヤ(2018年6月発売)です。・MGSR 200(エムジーエスアール 200): 剛性の高い内部構造とサイド部のプロテクターにより、耐久性を高め、また特別なトレッドコンパウンドによって優れた耐ダメージ性を発揮し、ユニークなトレッドパターンによって不整地でのトラクション性にも優れ、機械のダウンタイム削減に貢献するグレーダー用ラジアルタイヤ(2018年6月発売)です。・LHD 500(エルエイチディー 500): 溝深さを超深溝とし、トレッド部へのダメージを低減する耐カット性コンパウンドを採用することによってタイヤライフの長期化を実現し、オペレーションにおけるダウンタイム削減に寄与するホイールローダー/ロードホールダンプ向けバイアスタイヤ(2018年9月発売)です。・YARDMASTER RADIAL(ヤードマスター ラジアル): ラジアル構造の採用、トレッドパターンの最適化等により、優れた操作性、安定性、乗り心地、燃費を発揮するとともに高速での長時間走行を可能とする重作業用フォークリフト向けラジアルタイヤ(2018年9月発売)です。 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 3億36百万円あります。
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6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様にご満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、150億95百万円であります。 当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。研究本部の研究開発費の金額は、12億8百万円であります。 ・マテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料開発技術を確立マテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料の開発技術を確立しました。本技術は、当社が革新的なゴム材料設計の発想を得るために研究を進めてきたシミュレーション技術と実際のゴムを使った設計・加工、分析・計測の研究結果から得たデータを統合し、さらにAI(機械学習)による情報・知識探査を導入したものです。これにより、今までにない高機能なゴム開発の精度とスピードを飛躍的に高めることが期待できます。・インフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発タイヤのゴム材料と形状設計にインフォマティクス技術を活用したタイヤ設計技術を開発しました。本技術はAI(機械学習)による情報・知識探査を活用したことが最大の特長で、高性能タイヤの開発精度や開発スピードを飛躍的に高めることが期待できます。 従来は、技術者が主観的に行っていた情報と知識の探査過程において、AI(機械学習)を活用することにより、様々な商品カテゴリーに合った性能バランスを実現するために重要な設計因子を、客観的かつ定量的に短時間で導き出すことが可能となりました。 また、既存の検討範囲を超えた広大な設計空間でのデータ取得が可能となり、ブレイクスルーに繋がる設計因子の獲得、さらにその設計因子が重要となるメカニズムも解析可能となり、今後、そのメカニズムに基づいた新たな開発アプローチの発想を得ることも期待できます。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤグローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をしました。研究開発費の金額は、107億9百万円であります。 1)新型「トヨタ ヴィッツ」・「トヨタ ハイラックス」、新型「SUBARU XV」・「SUBARU WRX STI」、 「マツダ CX-5」及び新型「Jeep Compass」に新車装着・2017年1月からトヨタ自動車株式会社が発売し、日本、オーストラリア及びニュージーランドで販売の新型「ヴィッツ」の新車装着(OE)用タイヤとして「YOKOHAMA dB E70(ヨコハマ・デシベル・イーナナマル)」、「BluEarth E70(ブルーアース・イーナナマル)」及び「S73(エスナナサン)」を納入開始しました。「YOKOHAMA dB E70」は、静粛性にプライオリティを置いて開発しており、ハイレベルな静粛性に加え、優れた走行安定性、高い剛性、快適な乗心地を実現させたほか、低燃費性能も追求しています。「BluEarth E70」及び「S73」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術 を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。 また、2017年9月から13年ぶりに国内販売を再開したピックアップトラック新型「ハイラックス」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR A/T G94(ジオランダー・エイティー・ジーキューヨン)」の納入を開始しました。「GEOLANDAR A/T G94」は、SUV用オールテレーンタイヤで、当社の先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーを採用しており、様々な路面を走破するユーティリティ性能に加え、優れた低燃費性能や快適性能、安全性能を発揮します。・2017年2月、株式会社SUBARUが大幅改良して発売した「WRX STI」の新車装着(OE)用タイヤとして、グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルゴ)」を納入開始しました。「ADVAN Sport V105」はハイパワー・プレミアムカー向けタイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせています。 また、2017年5月に株式会社SUBARUが国内で発売した新型「SUBARU XV」の新車装着(OE)用タイヤとして「BluEarth E70」を納入開始しました。「BluEarth E70」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術 を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。・2017年2月にマツダ株式会社が発売したクロスオーバーSUVの新型「マツダ CX-5」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G98(ジオランダー・ジー・キューハチ)」」の納入を開始しました。「GEOLANDAR G98」は、SUV用タイヤ「GEOLANDAR」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を採用し、低燃費性能を高めながら、高級SUVに相応しい走行性能や安全性能、快適性能をバランスさせたタイヤです。・2017年4月、FCA US LLC(所在地:米国ミシガン州、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の子会社)が2017年6月から北米で発売した新型「Jeep Compass」の新車装着(OE)用タイヤとして「GEOLANDAR G055(ジオランダー・ジーゼロゴーゴ)」を納入開始しました。「GEOLANDAR G055」は、横浜ゴムの先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーにより開発したSUV用タイヤで、世界的に人気の都市型クロスオーバー車や中・小型SUVなどオンロード走行を重視した車両をターゲットとして、様々な路面を走破するユーティリティ性能に加え、優れた低燃費性能、快適性能、安全性能を実現させています。 2)ハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701」に15サイズを追加2017年3月、「楽しいハンドリング」をテーマに開発された「ADVAN」の新たなハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」に15サイズを追加拡充し、スポーツカーをはじめ、コンパクトカーからミドルセダン、インチアップユーザーからのニーズに幅広く対応する全39サイズとなりました。 「ADVAN」の“走る歓び”をより多くのドライバーに提供することを開発のコンセプトとして、通常の市街地での街乗りやワインディングロード、高速道路などの様々なシーンでスポーティーなハンドリングをドライバーに提供します。 さらに、全39サイズについて、国内タイヤラベリング制度におけるウェットグリップ性能で最高グレード「a」を獲得しており、雨の日のドライビングでの安心感を確保しています。 また、ハイパフォーマンス・スポーティータイヤに対する多くの軽自動車ユーザーからの要望に応え、軽自動車向けサイズを3サイズ追加し、2017年10月から日本国内にて販売を開始しました。これらは、国内で販売されているハイト系軽自動車純正タイヤサイズとして業界で初めて国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」を獲得しました。また、転がり抵抗性能においても全サイズ「A」を獲得しています。この3サイズ追加により、当社のウェットグリップ性能最高グレード「a」を実現したサイズの数は、業界初の215サイズとなります。 3)ハイト系コンパクトカー・軽自動車向けタイヤ「BluEarth RV-02CK」を発売2017年3月、ハイト系コンパクトカー及び軽自動車向け専用商品となる「BluEarth RV-02CK(ブルーアース・アールブイ・ゼロツー・シーケー)」を日本で発売しました。 ハイト系のコンパクトカーや軽自動車は、装備などの充実化にともない、従来より車高は高く、重量は重くなってきており、タイヤの「しっかり感」を求めるお客様が増えています。 「BluEarth RV-02CK」は、「低燃費で雨に強い」をコンセプトに「背の高い車や重量の重い車で起こりがちなふらつきと偏摩耗の抑制」と「優れた静粛性」を発揮するミニバン専用タイヤ「BluEarth RV02(ブルーアース・アールブイゼロツー)」をベースに開発し、パターンデザインの最適化などにより、お客様のニーズに対応しているほか、国内タイヤラベリング制度では、転がり抵抗性能は「A」を獲得し、またウェットグリップ性能は「b」にランクされます。 また、「BluEarth RV-02」は、3月から発売したクロスオーバーSUV向けの新サイズを含めると、全35サイズとなり、Lクラスミニバンからハイト系軽自動車までを幅広くカバーしています。 4)タクシー用タイヤ「TAXI TOURING 898」を発売2017年4月からタクシー用タイヤの新商品「TAXI TOURING 898(タクシー・ツーリング・ハチキューハチ)」を発売しました。 「TAXI TOURING 898」は、タクシー用タイヤに求められる耐摩耗性能とグリップ性能を両立させる新しいトレッドパターンと専用コンパウンドを採用しました。さらに、アーチ型の断面形状を持つ「マウンド・プロファイル」を搭載し、ブロックの接地圧をきめ細かくコントロールすることで偏摩耗を抑制し、低燃費性能にも配慮しています。 また、2017年10月から、トヨタ自動車株式会社が国内で発売した次世代タクシー「JPN TAXI」の新車装着(OE)用タイヤとして納入を開始しました。 5)SUV・ピックアップトラック向けマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」を発売2017年8月、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR」のマッドテレーンタイヤの新商品「GEOLANDAR M/T G003(ジオランダ―・エムティー・ジーゼロゼロサン)」を発売し、10月には「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。 「GEOLANDAR M/T G003」は、従来品の「GEOLANDAR M/T+(ジオランダー・エムティー・プラス」の発売から13年ぶりとなる、特にオフロードユーザー向けの新商品で、マッド、ロック、ダート、砂利などあらゆる路面でのオフロード性能を追求するとともに、耐久性・耐摩耗性の向上による優れたロングライフ性能を追求しました。 6)スタッドレスタイヤの最高傑作「iceGUARD 6」を発売2017年9月、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD」の新商品「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を発売し、10月には「2017年度グッドデザイン賞」を受賞しました。 「iceGUARD 6」は、「iceGUARD」の基本コンセプトである「氷に効く」、「永く効く」、「燃費に効く」に加え、第4のベネフィットとしてウェット性能(「ウェットに効く」)が新たに追加され、スタッドレスタイヤの最重要性能である氷上制動を大幅に向上させつつ、ウェット性能を一段と高めることを目指して開発されました。 7)世界初、ゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を開発東北大学多元物質科学研究所内の陣内研究室と株式会社日立ハイテクノロジーズが共同で、タイヤ内のゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術を世界で初めて開発しました。同技術により、接着劣化しにくい材料配合や新素材などの研究が可能となり、耐久性を大幅に高めた高品質タイヤの開発などを期待することができます。 タイヤの補強材として使用されるスチールベルトは、ゴムとスチールコードを接着してベルト状にしたもので、ゴムとスチールコードの接着保持力は、タイヤの耐久性において極めて重要となります。これまでも接着界面を解析する研究が行われてきましたが、2次元の解析では、タイヤが劣化した後の接着界面の正確な把握が困難だったため、タイヤの開発には十分に活かされていませんでした。 今般、集束イオンビーム(FIB)による数ナノメートル単位での接着界面の断面作製と走査型電子顕微鏡(SEM)による断面画像収集を自動で繰り返し、接着界面の3次元構造を構築できる株式会社日立ハイテクノロジーズの最新のリアルタイム3DアナリティカルFIB-SEM複合装置「NX9000」を活用し、これに陣内研究室が開発した画像処理技術を組み合わせることにより、劣化した接着界面の正確な把握と劣化によって発生する元素レベルでの組成変化を解析することに成功し、2017年5月に開催された日本ゴム協会の「2017年年次大会」及び「第66回高分子学会年次大会」で発表しました。 今後はさらに研究を進め、乗用車用タイヤはもちろん、より過酷な条件下で使用されるトラック・バス用タイヤやOR(オフ・ザ・ロード)タイヤの開発でも同技術を活用していくほか、ゴムとスチールコードの接着部材を使用しているタイヤ以外の商品(コンベヤベルトなど)への応用も検討していきます。 8)スポーツ走行を強く意識したストリートラジアルタイヤ「ADVAN A08B」の 16インチをモデルチェンジ2017年9月、ストリートラジアルタイヤ「ADVAN A08B(アドバン・エイゼロハチ・ビー)」の16インチサイズをモデルチェンジしました。 今回のモデルチェンジでは、パターン、コンパウンド、構造の見直しを図り、従来モデルで定評のあった高速域での優れた操縦安定性をさらに向上しつつ、ドライ・ウェット性能を高次元で両立させています。 また、過去に2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した「GAZOO Racing 86/BRZ Race」プロフェッショナルシリーズのレギュレーションを満たしており、10月にスポーツランドSUGOで開催された同シリーズの第7戦で表彰台を独占しました。 9)「ADVAN」装着車が「SUPER GT 2017開幕戦 GT300クラス」で優勝、「全日本ダートトライアル選手権」の トップクラスでシリーズチャンピオンを獲得し5連覇を達成・2017年4月、岡山国際サーキット(岡山県)で開催された「SUPER GT 2017シリーズ開幕戦 GT300クラス」で「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「グッドスマイル 初音ミクAMG」が優勝しました。「ADVAN」レーシングタイヤ装着車は、昨シリーズのGT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得しており、2年連続チャンピオンに向けて好スタートを切りました。・2017年7月、輪島市門前モータースポーツ公園(石川県)で開催された「全日本ダートトライアル選手権」のトップクラスであるDクラスにおいて、「ADVAN」ラリー・ダートトライアル用タイヤを装着した「ADVAN トラスト クスコ WRX」が、2戦を残してシリーズチャンピオンを獲得し、5連覇の偉業を達成したことで、「ADVAN」の高い戦闘力を実証しました。・2017年11月、ツインリンクもてぎ(栃木県)で開催された「SUPER GT 2017最終戦 GT300クラス」で、「ADVAN」レーシングタイヤの装着車が3位入賞を果たし、シリーズチャンピオンを獲得しました。GT300クラスでのヨコハマタイヤ勢のシリーズチャンピオン獲得は、昨年に続き2年連続となり、横浜ゴム創立100周年の年に有終の美を飾りました。 10)「第45回東京モーターショー2017」に出展2017年10月、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「第45回東京モーターショー2017」に出展しました。同年同月に創立100周年を迎えることを記念し、長い歴史の中でエキサイティングな走りを提供してきた過去と現在のヒット商品を展示するほか、”YOKOHAMA”の高い技術力を象徴するゴムの技術や未来へ向けた次世代技術を訴求しました。 ブースでは日本初のコードタイヤ「ハマタウン」(1921年製造)の再現モデルや横浜ゴム初のラジアルタイヤ「G.T. スペシャル」(1967年発売)、スポーツラジアルという新しいカテゴリーを切り拓いた「ADVAN HF(アドバン エイチエフ)」(1978年発売)などの歴史的商品と併せて、秋から販売した「ADVAN HF Type D(アドバン エイチエフ タイプディー)」や高い走行性能を発揮するストリートスポーツタイヤ「ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)」などの過去から現在に渡りモーターファンを魅了させたタイヤを展示し、100年の歴史の中で脈々と受け継がれてきたチャレンジスピリッツを伝えるとともに、そこから生まれた先進かつハイパフォーマンスな商品を紹介しました。 ゴムの技術では、特にウェットグリップ技術を訴求し、”YOKOHAMA”史上最高の静粛性を提供するプレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V552(アドバン・デシベル・ブイゴーゴーニ)」や多くのプレミアムカーに新車装着されているグローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」、ハイパフォーマンス低燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」など多くの商品で高いウェットグリップ性能を実現していることをアピールしました。 時代を見据えた次世代技術としては、省資源化による環境貢献を目的として、大幅に軽量化を実現したライトウエイトタイヤや、車体が受ける空気の流れをコントロールし燃費や安全性能を高めるエアロダイナミクスタイヤの進化モデルなどを参考出展しました。 11)最新の軽量化設計技術を採用したライトウエイト低燃費タイヤ「BluEarth-air EF21」を開発創立100周年を記念し、最新の軽量化設計による環境貢献を目指した先進技術コンセプトタイヤ「BluEarth-air EF21(ブルーアース・エアー・イーエフ・ニーイチ)」を開発しました。 「BluEarth-air EF21」は、燃費向上を目的とした車両全体の軽量化への寄与、使用材料の省資源化による環境貢献を目指し、最新の軽量設計技術を採用しており、軽量で薄くかつ高剛性な構造を実現し、質量において約25%の軽量化を達成したほか、新たに開発した専用コンパウンドと最先端のゴム混合技術「A.R.T. Mixing」を採用しました。 また、国内タイヤラベリング制度において、転がり抵抗性能「AAA」、ウェットグリップ性能「a」の最高グレードを獲得しており、優れた低燃費性能とウェット性能を発揮します。 (2)MB お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。研究開発費の金額は、25億99百万円であります。 1)ホース配管事業・高圧ホースは、建設機械、産業機械、船舶や港湾設備向けの油圧機器用に幅広く使用されております。このうち、船舶や港湾設備で使用される高圧ホースは、各国または国際的な船級協会の認証を取得する必要があります。このため、すでに米国のSAE規格あるいは欧州のEN規格適合品として建設機械、産業機械向けを中心に海外販売を行っている「SAE100R1S」及び「SAE100R2S」について、さらなる市場拡大を狙い、DNV GL(ノルウェー・ドイツ船級協会)の船級認証を取得しました。・2017年11月、高圧ホースとして地盤改良に用いられるグラウト工法用の水・グラウトホース「GTシリーズ」に最高使用圧力42MPa「GT420」(5サイズ)を追加発売しました。グラウト工法とは、地下鉄やトンネル、ビルなどの建設にあたり、地中に固化材(グラウト)を注入して地盤改良や強化を図る工法で、近年、工期短縮のため超高圧化したグラウト注入に対応した超高圧グラウトホースが求められていました。そこで、「GT420」は従来35MPa高圧ホースの実績を生かし、ホース補強層構造には耐久性に優れたスパイラル構造を採用したほか、ホース取扱い時のホースへの外傷による寿命低下に対応するため、汎用高圧ホースに比べて耐摩耗性の高いホースカバーを使用しているのが特徴です。今後、耐震補強工事や液状化対策工事、さらに都市部の社会基盤整備の需要増加が見込まれます。 2)ハマタイト・電材事業・波長選択型ブルーライトカット 中国では、スマートフォンやタブレットに使用されるブルーライトカット保護フィルムの需要が伸びており、従来の青色光を失った光を透過させるため、補色である黄色光が強く見えてしまう「吸収」タイプに代わり、薄っすらと表面が青く光り、意匠性においても好まれる「反射」タイプが人気となっています。当社が開発した反射する光の波長をコントロールする技術を活かして、ブルーライトカットフィルムの「反射」機能をもつコーティング材として「HR380-553」を発売し、中国のフィルム加工メーカーでPETフィルムへの塗布・加工に使用されています。本技術は、各色反射の意匠性向上や赤外線反射等にも応用可能です。・易剥離性弾性ホットメルト 優れた柔軟性及び粘着性を有し、かつ容易に剥離することができる粘着材(ホットメルト材)を開発しました。また、剥離可能であることから、この粘着財が使用された製品が不要となった際には、部品のリサイクルを促進することができるので、自動車、建築、家電市場におけるリサイクル要求への対応手段として期待できます。 (3)ATG 革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。 研究開発費の総額は、2億51百万円であります。 1)各種農機具展示会への出展2017年2月から3月にかけては、欧州最大級の農業機械展示イベントであるSIMA(シマ)、世界最大規模の建設車両展示イベントであるCONEXPO(コネクスポ)などの展示会へ出展しました。 2017年5月から6月にかけては、中近東最大の国際自動車アフターマーケット展示会であるAUTOMECHANIKA Dubai(オートメカニカ ドバイ)、世界最大級の林業機械展であるElmia Wood(エルミア・ウッド)など、様々な農業機械、建設車両、林業機械の展示会へ出展し、ATG製品を理解していただく場を設けました。 2017年10月から12月にかけては、世界最大級の自動車アフターマーケットの見本市であるSEMA Show(セマ ショー)、世界最大規模の農業機械展であるAGRI TECHNICA(アグリ テクニカ)などの展示会へ出展しました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。 当連結会計年度において発売した商品は、主に次のものとなります。[ALLIANCEブランド]・337 DEEP LUG(337 ディープ ラグ):水田等走行時に求められるトラクション性能およびセルフクリーニング性能を兼ね備え、オン&オフ問わず乗り心地も快適なトラクター用バイアスタイヤ(2017年2月発売)・374 AGRI-STAR(374 アグリ スター):段状のラグにより、水田やサトウキビ畑等にて求められるトラクション、グリップ性能を実現し、セルフクリーニング性能にも優れるトラクター用ラジアルタイヤ(2017年3月発売)・AGRIFLEX+ 389(アグリフレックスプラス 389):一般的なフローテーションタイヤと比べて空気圧が30%低い状態での走行を可能にしたことにより、接地面を拡げ、土壌への接地圧を低減した農業トレーラー用VFフローテーションラジアルタイヤ(2017年5月発売)・MH-504(エムエイチ 504):マテリアルハンドリング(生産や物流の拠点内における原材料や製品等の移動)に求められる高い耐荷重性、安定性を有し、最適化されたトレッドパターンにより舗装路面上で優れたパフォーマンスを発揮するフォークリフト用タイヤ(2017年8月発売)・392:高速かつ高荷重でのオペレーションを可能とし、対カット・パンク性やトラクション性に優れ、同時に土壌接地圧・転がり抵抗を低減させた軟質路面向け農業機械用ラジアルタイヤ(2017年11月発売) [Galaxyブランド] ・MIGHTY MOW - TS(マイティー モウ - ティーエス):接地面積を最適化したトレッドパターンにより、芝生へのダメージを軽減すると同時に高い磨耗性能を実現した芝刈り機用バイアスタイヤ(2017年4月発売)・YARDMASTER SDS(ヤードマスター エスディーエス):パンクによるダウンタイムをなくすことに加えて、長いタイヤ寿命を実現することで、現場の生産性改善とコスト削減に貢献するフォークリフト用プレミアムノーパンクタイヤ(2017年9月発売)・HM 500S(エイチエム 500エス):超深溝のスムーストレッドパターン、特別に開発したケーシング及びトレッドコンパウンドにより、摩耗しやすい舗装路面において優れた耐久性を発揮する港湾荷役機械用バイアスタイヤ(2017年11月発売) [PRIMEXブランド]・GRADE ROCK XT Ⅱ(グレード ロック エックスティー ツー):特別なトレッドコンパウンドと広い接地面を有するパターンにより、耐カット・パンク性に優れ、同時に耐磨耗性、トラクション性を高次元でバランスさせた建設・産業車両向けタイヤ(2017年8月発売) 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 3億29百万円あります。
FY2016|15,703 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、144億83百万円であります。 当社研究本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。研究開発費の金額は、12億65百万円であります。 ・日本ゴム協会から「優秀論文賞」受賞平成28年5月に当社の従業員3名と共同研究者である小澤助教(東京工業大学理工学研究科)によるゴム技術の研究に関する論文が、一般社団法人日本ゴム協会から「第63回優秀論文賞」を受賞しました。 この「優秀論文賞」は、今年で63回目となる歴史がある賞で、過去3年間に同協会誌に発表された論文の中から特に優秀なもの2件が表彰されました。 ・流体音響シミュレーション技術がHPCI利用研究課題の「優秀成果賞」受賞当社と宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所による「次世代低騒音タイヤ開発に向けた高精度流体解析とデータマイニング」が、平成28年10月、HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)一般利用枠研究課題の「優秀成果賞」を受賞しました。 HPCIとは、文部科学省が構築を進めている「京」と全国の大学や研究機関に設置されたスーパーコンピューターを高速ネットワークで結び、革新的な共用計算環境を実現する基盤システムです。HPCIシステムを運用する一般財団法人高度情報科学技術研究機構では、1年間に同システムを利用して実施された一般利用枠研究課題の中から特に成果が認められた課題を優秀成果賞として表彰しており、今年度は、全134課題の中から9課題が「優秀成果賞」に選ばれました。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(1)タイヤタイヤ事業においては、グローバル市場における独自の存在感の確立及び高付加価値商品のグローバル展開を目標とし、以下のような活動をいたしました。研究開発費の金額は、100億26百万円であります。 1)北海道旭川市の冬用タイヤテストコース開所平成28年1月に北海道旭川市の冬用タイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center ofHokkaido=TTCH)」で開所式が執り行われました。 同テストコースは、敷地面積は東京ドームの19倍強に当る906,462㎡あり、直線距離が約1キロにおよぶ圧雪路のほか、氷盤路、登坂路、雪上・氷上旋回路、ハンドリング路を備えています。乗用車で時速100キロメートル以上のテスト走行ができるほか、トラックやバスについても登坂など様々な路面状況での制動・発進・加速テストを行うことができます。 氷点下の気温が安定的に続く12月末から翌年2月末までの厳冬期に冬用タイヤのテストを行い、それ以外の季節は、夏用タイヤのテストに活用しています。 2)バス停での乗降をスムーズにするバリアフリー縁石の実証実験に協力平成28年1月に新潟市、新潟交通株式会社等の協力を得て、公益社団法人日本交通計画協会が主催するバス停のバリアフリー縁石の実証実験に参加しました。 従来のバス停は、バスの車体と縁石を密着させることが難しく、乗降口と歩道の間に生まれる隙間は高齢者や車椅子、ベビーカーの使用者が乗降する際に大きな負担となっていますが、バリアフリー縁石にはこの隙間を解消する効果があります。 使用されたバリアフリー縁石は、既に欧州市場にて実用化されている縁石(欧州製)と、日本国内で開発中の縁石の計2種類あり、いずれも車道に面した側面が内側にカーブを描くように加工されている特殊な縁石で、タイヤのショルダー部をカーブに沿うように接触させながら停車することで縁石側面がタイヤのガイドとなって車体を正確に縁石側まで寄せることが可能となります。 バリアフリー縁石の使用にあたっては、縁石に接触するタイヤショルダー部の耐久性が重視されるため、夏タイヤの「MY777(エムワイ ナナナナナナ)」とスタッドレスタイヤの「ZEN 903ZW(ゼン・キューマルサン・ゼットダブル)」を使用し、タイヤ形状の違いによる耐久性への影響や正しい位置に車両を停車することなどを確認しました。 現時点では国内におけるバリアフリー縁石の導入事例はないものの、東京都の都心と臨海副都心を結ぶBRT(Bus Rapid Transit)システムをはじめ、全国各地において導入を検討する動きがはじまっています。 3)「東京 オートサロン2016」、「インド オートエキスポ2016」、「スイス ジュネーブモーターショー2016」、 「上海 国際展覧会」、「横浜 ジャパントラックショー2016」、「北九州 ゴム・エラストマー技術展」に出展・カスタムカーの祭典「東京オートサロン2016」平成28年1月に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2016」に出展しました。タイヤブースとホイールブースを展開し、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」の全15種をフルラインアップで展示し、未発表のスポーツラジアルタイヤのプロトタイプも参考出品したほか、平成27年7月からパートナーシップ契約を開始したバークレイズ・プレミアリーグ「チェルシーFC」コーナーも設置しました。 タイヤブースでは平成28年から「ADVAN」レーシングタイヤをワンメイク供給する国内最高峰のフォーミュラレースである全日本スーパーフォーミュラ選手権のマシンとSUPER GTの参戦マシンを展示し、“ADVAN=走り”を強力に印象づける「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルゴ)」の高い技術力と走行性能をアピールしました。 ・インド最大のモーターショー「オートエキスポ2016」平成28年2月にインドの現地法人であるヨコハマ・インディア PVT. LTD. は、インド最大のモーターショーである「第13回 オートエキスポ2016」に出展しました。同モーターショーは隔年開催で、ヨコハマ・インディアPVT. LTD. は平成20年から5回連続で出展しています。 メイン商品として、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN」やSUV用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、インド専用の「YOKOHAMA Earth-1(ヨコハマ・アースワン)」やスポーツタイヤ「S.drive(エス・ドライブ)」を展示しました。 さらに、日本で販売している低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」から低燃費フラッグシップタイヤ「BluEarth-1 EF20(ブルーアース・ワン・イーエフ・ニーマル)」を参考出品し、環境問題への意識が高まっているインド国内のユーザーにヨコハマタイヤの優れた環境技術を訴求しました。 ・スイスの「ジュネーブモーターショー2016」平成28年3月にスイスで開催された「第86回ジュネーブモーターショー2016」に出展しました。 タイヤ周辺の空気の流れをコントロールすることで、車の燃費と安定性の向上に貢献する新形状エアロダイナミクスタイヤや最新の軽量化技術を織り込んだコンセプトモデルを展示し、YOKOHAMAの先進技術を訴求しました。 また、世界有数のハイパフォーマンスカーに新車装着されているフラッグシップモデル「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」を紹介するほか、平成27年7月からパートナーシップ契約を開始したバークレイズ・プレミアリーグ「チェルシーFC」のロゴを刻印した「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION(ブルーアース・エース・チェルシー・エフシー・エディション)」なども展示しました。 ・上海の自動車部品及び関連サービスに関する「国際展覧会」平成28年6月に中国の事業統括会社である優科豪馬橡膠有限公司は、上海で開催された自動車部品及び関連サービスなどに関する国際展覧会「Shanghai International Auto Parts and Service Exhibition Auto New Energy Source Service Exhibition Auto New Energy Source Technology & Auto Intelligence Show 2016」に出展しました。乗用車用からトラック・バス用、建設・鉱山車両用(OR)タイヤまで豊富な商品のラインアップに加え、最新のタイヤテクノロジーを紹介し、大需要地域である中国での存在感を高めました。 乗用車用タイヤとして、中国で高い評価を得ている低燃費タイヤブランド「BluEarth」をはじめ、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN」や人気が高まっているSUV向けブランド「GEOLANDAR」を展示しました。 併せて、世界有数のハイパフォーマンスカーやプレミアムカーに選ばれてきた実績やモータースポーツ活動を紹介し、YOKOHAMAの高性能・高品質に対する信頼性を高め、モータースポーツファンに人気の「ADVAN NEOVA AD08R(アドバン・ネオバ・エイディー・ゼロハチ・アール)」などのスポーツタイヤも展示しました。 技術訴求では、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールすることで車の燃費と安定性の向上に貢献する新形状エアロダイナミクスタイヤを紹介し、次世代を見据えたYOKOHAMAの先進性をアピールしました。 ・「横浜 ジャパントラックショー2016」平成28年9月、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催された日本最大級のトラック関連総合展示会「ジャパントラックショー2016」に出展し、従来一軸で片側2本必要だったリアタイヤを1本にすることで、軽量化による燃費向上や省資源に寄与するほか、積載スペースの拡大によって積載効率を高めることができる大型トラック、トレーラー、バス用の超偏平シングルタイヤを参考出品しました。 また、タイヤ個別のコンディションや運行履歴、点検状況などを一元管理することで、安全性が高く無駄のないタイヤの運用や管理・メンテナンスの省力化をサポートする「タイヤ個体管理サービス」のひとつとして、タイヤの空気圧とタイヤ内空気温度をリアルタイムで監視する空気圧モニタリングシステム「HiTES(ハイテス)」の新型プロトタイプを展示しました。 “次世代”をテーマに安全性、経済性、環境性に貢献するタイヤとサービスを紹介することで、運輸・輸送業界での存在感を高めていきます。 ・IRC 2016 Kitakyushu「ゴム・エラストマー技術展」平成28年10月、福岡県北九州市で開催された『IRC 2016 Kitakyushu「ゴム・エラストマー技術展」』に出展し、「環境技術」をテーマにタイヤ、ホース配管、工業資材の各種製品を幅広く展示するほか、バイオマス(生物資源)から合成ゴムの原料を合成する新技術を紹介しました。 「ゴム・エラストマー技術展」は、世界中のゴム・エラストマー分野の関係者が一堂に会す「IRC(International Rubber Conference=国際ゴム技術会議)2016 Kitakyushu」と併催され、ゴム・エラストマーの製品や技術に関連する企業、大学、研究機関などが出展する展示会です。 当社は、国内タイヤラベリング制度で最高グレードの転がり抵抗性能「AAA」とウェットグリップ性能「a」を獲得した環境フラッグシップタイヤ「BluEarth-1 EF20」と優れたトータルバランスを実現した低燃費タイヤ「BluEarth-A」を展示したほか、タイヤ周辺の空気の流れをコントロールすることで車の燃費と安定性向上に貢献する「エアロダイナミクスタイヤ」を参考出展しました。 4)「クライスラー パシフィカ」、「トヨタ プリウス」、「トヨタ オーリス」のハイブリッドモデル、 「マツダ CX-4、CX-9」、「日産 セレナ」、「スバル インプレッサ」及び「ポルシェ 新型モデル 3車種」に新車装着・平成28年2月からクライスラーブランドの車両を生産する FCA US LLC. (Fiat Chrysler Automobiles)の新型ミニバンであるクライスラー「パシフィカ」の新車装着用(OE)タイヤとして、「AVID S34(エイビッド・エスサンヨン)」の納入を開始しました。「AVID S34」は、北米市場で販売している乗用車用オールシーズンタイヤである「AVID」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を投入して開発しており、優れた走行性能と安全性能を確保しながら低燃費性能も高めております。 ・平成28年3月からトヨタ自動車株式会社が発売した新型「プリウス」への新車装着用(OE)タイヤの納入を開始しました。日本、オセアニア、欧州向けとして乗用車用サマータイヤの「BluEarth E70(ブルーアース・イーナナマル)」、北米向けには乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth S34(ブルーアース・エスサンヨン)」、また、その他の国向けとして「ASPEC A349(アスペック・エーサンヨンキュウ)」が装着されます。 ・平成28年3月からトヨタ自動車株式会社が発売した新型スポーツハッチバック「オーリス」のハイブリッドモデルの新車装着用(OE)タイヤとして、「ADVAN dB(アドバン・デシベル)」の納入を開始しました。「ADVAN dB」は、横浜ゴムのプレミアムコンフォートタイヤで、優れた静粛性を誇るパターンを採用しながら、「ADVAN」の開発技術を惜しみなく搭載し、ハイレベルな走行性能と快適性を実現させ、さらに低燃費性能も向上させています。 ・平成28年6月からマツダ株式会社が中国で発売した新型クロスオーバーSUVl「CX-4」の新車装着用(OE)タイヤとして、「GEOLANDAR G91(ジオランダー・ジーキュウイチ)」の納入を開始しました。「GEOLANDAR G91」は、SUV用タイヤ「GEOLANDAR」にYOKOHAMAの先進タイヤ技術「BluEarth」テクノロジーを投入して開発され、SUV用タイヤならではのユーティリティ性能に加え、都市型クロスオーバー車や中・小型SUVに求められる低燃費性能や安全性能、快適性能を実現しています。 ・マツダ株式会社が今春より北米で発売した新型3列ミッドサイズクロスオーバーSUV「CX-9」の新車装着用(OE)タイヤとして「GEOLANDAR H/T G056(ジオランダー・エイチティ・ジーゼロゴーロク)」の納入を開始しました。「GEOLANDAR H/T G056」は、世界的に販売が増加している中・大型SUV向けに開発したハイウェイテレーンタイヤで、ユーザーが求める耐摩耗性能や耐久性、静粛性や快適性、ハンドリング性能などを高レベルでバランスすることを追求して開発し、都市やハイウェイでの快適な走りを実現しています。 ・平成28年8月、日産自動車株式会社が発売した新型「セレナ」の新車装着用(OE)タイヤとして「BluEarth E52(ブルーアース・イーゴーニー)」の納入を開始しました。「BluEarth E52」は、「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を採用し、低燃費性能を高めながら安全性能と快適性能をバランスさせた乗用車用サマータイヤです。 ・富士重工業株式会社が発売する新型「インプレッサ」の新車装着(OE)用タイヤとして、国内及び豪州では「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」、北米では「AVID S34(エイビッド・エスサンヨン)」の納入を開始しました。 「ADVAN Sport V105」は、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせたハイパワー・プレミアムカー向けサマータイヤです。また、「AVID S34」は、北米市場で販売している乗用車用オールシーズンタイヤ「AVID」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth」の基盤設計や材料技術を採用し、優れた走行性能と安全性能を実現しながら低燃費性能も高めています。 ・グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105(アドバン・スポーツ・ブイイチマルゴ)」がポルシェ社の新型「911」、「718ボクスター」及び「718ケイマン」に新車装着されました。「ADVAN Sport V105」は、ハイパワー・プレミアムカー向けタイヤで、高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに優れた快適性や安全性を高次元で実現しています。また、今回新車装着されたタイヤはポルシェ社と共同開発したもので、タイヤサイドには同社の承認を示す「N0」マークが刻印されています。1989年に初めてポルシェ社の技術承認を取得し「YOKOHAMA A008P」が911のタイプ964に装着されたのを皮切りに、その後も数多くの車両に新車装着されています。 5)ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053」に新サイズを追加平成28年6月、ラリー・ダートトライアル用ラジアルタイヤ「ADVAN A053(アドバン・エイ・ゼロゴーサン)」に新サイズを追加し、すでに販売中の2サイズと合わせて全3サイズとなりました。 同商品は左輪用と右輪用で異なるパターンを採用し、ラリーでの耐久性を重視したMコンパウンドとダートトライアルやショートステージ用のSコンパウンドを用意しています。 「ADVAN A053」は、硬く締まった路面から柔らかい土質まで様々に変化するグラベルステージに対応すると共に、ハイスピードな道はもちろん、低中速コーナーでも高いトラクション性能を発揮し、「FIAプロダクションカー世界ラリー選手権」や「全日本ラリー選手権」においてその高い戦闘力を実証しております。 6)SUV用オールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T G015」を日本で発売、「2016年度グッドデザイン賞」を受賞平成28年8月、SUV用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダ―)」のオールテレーンタイヤの新商品「GEOLANDAR A/T G015(ジオランダ―・エイティジーゼロイチゴ)」を日本で発売しました。 「GEOLANDAR A/T G015」は「GEOLANDAR」ブランド20周年を記念する商品で、アクティブなライフスタイルを楽しむドライバーをターゲットに、オフロードでの走破性と耐久性を向上させつつ、オンロードでの快適性や静粛性も高めるなど全面的に改良し、定評のあるオフロード性能をレベルアップすると共に、ウェット性能や雪上性能を向上させました。 また、トレッドパターンやタイヤショルダーには新しいデザインを採用し、力強くスタイリッシュなイメージを創出しました。 コンパウンドは、オレンジオイル配合技術をはじめとするYOKOHAMAの先進技術を結集し、優れた耐摩耗性能に加え、様々な路面への対応力を高め、オフロードはもちろん、オンロードでの高速走行時にも安定感のある走りを発揮するよう、構造とプロファイルを最適化しました。これらにより、従来品(GEOLANDAR A/T-S)に比べ、耐摩耗性能を17%、ウェット制動性能を4%、パターンノイズ性能を22%(騒音エネルギー低減率)、ロードノイズ性能を11%(騒音エネルギー低減率)向上させています。 さらに、平成28年9月、「2016年度グッドデザイン賞」を受賞しました。審査委員からは、「乗用車テイストの強い都市型SUV(スポーツユーティリティーヴィークル)が増える一方、あえてオフロード色を強めることで差別化を図るユーザーもいる中で、オフロードタイヤのようなタフなデザインを採用しつつ、通常路面での性能にも考慮しているのが特徴で、特にショルダー部のアグレッシブなデザインは、SUVで個性を主張したい人の目に魅力的に映るだろう。」と評価されました。 7)ハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤ「ADVAN FLEVA V701」を発売平成28年8月、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN(アドバン)」の新商品「ADVAN FLEVA V701(アドバン・フレバ・ブイナナマルイチ)」全24サイズを日本で発売しました。 「ADVAN FLEVA V701」は、「ADVAN」の“走る歓び”をより多くのドライバーに提供するため、「楽しいハンドリング」というテーマに基づき「ADVAN Sport V105」をベースに開発されたハイパフォーマンス・スポーティー・タイヤで、スポーツカーをはじめ、コンパクトカーからミドルクラスセダン、CUV、チューニングカーなど多くの車種に幅広く対応し、市街地、ワインディングロード、高速道路など様々なシーンでスポーティーなハンドリングを実現します。 トレッドパターンにはウェット性能や静粛性を高めながら「ADVAN」らしい“攻めのスタイル”を感じさせる方向性パターンを開発し、また、コンパウンドにはウェット性能、耐摩耗性能、低燃費性能を高レベルでバランスした「ナノブレンドゴム」を採用しています。 さらに、グローバル・フラッグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」のプロファイルを継承し、近年日本国内でも人気の高い欧州プレミアムカーのニーズを満たす優れた操縦安定性を実現しています。 8)乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD」初のSUV用タイヤ「iceGUARD SUV G075」を発売平成28年9月、乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD(アイスガード)」初のSUV用タイヤ「iceGUARD SUV G075(アイスガード エスユーヴィ ジーゼロナナゴ)」を発売しました。 「iceGUARD SUV G075」は、「SUVに、飛躍の氷上性能を」をテーマとし、「iceGUARD」の基本コンセプト「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」を踏襲しつつ、最新技術を惜しみなく搭載し、SUVユーザーの最も高いニーズである氷上性能の向上に主眼を置いて開発したほか、性能の永持ちと省燃費に加え、近年人気の都市型SUVに対応するため、静粛性も追求しました。 「氷に効く」では、スリップの原因となる水膜を吸水する「iceGUARD」の最新コンパウンド技術「スーパー吸水ゴム」が「iceGUARD」のパターン技術を取り入れた専用トレッドパターンとの相乗効果により、高い接地性とエッジ効果を発揮し、氷上制動性能は従来品(「GEOLANDAR I/T-S」)に比べ23%向上しました。 「永く効く」では、「スーパー吸水ゴム」に配合した「ブラックポリマーⅡ」と「エボ吸水ホワイトゲル」が低温時でもゴムの柔らかさを維持し、長期間にわたって高レベルの氷上性能を持続します。 「燃費に効く」では、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の技術を応用した「低発熱トレッドゴム」を採用し、発熱によるエネルギーロスを抑え、転がり抵抗を5%低減しました。 さらに、当社独自のシミュレーション技術により溝配置を適正化することで、パターンノイズを28%低減(騒音エネルギー低減率での比較)するなどの静粛性を高めています。 9)ストリートスポーツタイヤ「ADVAN A052」を発売平成28年8月、グローバル・フラッグシップブランド「ADVAN」のストリートスポーツタイヤの新商品「ADVAN A052(アドバン・エイ・ゼロゴーニ)」を日本で発売しました。全開発サイズ19のうち7サイズの発売を開始しました。 「ADVAN A052」は、「ADVAN」最強のストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD08R」を凌ぐグリップ力とハンドリング性能を発揮しつつ、騒音や燃費も配慮した次世代のストリートスポーツラジアルタイヤです。先進のレーシングテク10ノロジーから生まれた構造技術「マトリックス・ボディ・プライ(ADVAN Sport V105に搭載)」の採用に加え、フラッグシップ低燃費タイヤ「BluEarth-1 EF20」で活用した「多目的設計探査」を駆使し、コーナリングフォースを最大化するプロファイルと構造を開発しました。 また、ドライグリップとウェットグリップを高次元で両立した専用コンパウンドを新規開発したことにより、サーキットで速いラップタイムを安定して刻むことや周回を重ねてからのタイムドロップの抑制、素直で扱いやすいハンドリング特性を実現しました。 なお、ウェットグリップ性能、騒音、転がり抵抗に係る規制を定めた国際基準「UN/ECE Regulation No.117 02Series(R117-02)」をクリアしており、走りだけでなく環境や人に優しいタイヤとなっています。 10)ADVANレーシングタイヤ装着車が「SUPER GT第3戦 GT500クラス・GT300クラス」、「SUPER GT第4戦 GT500クラス」、「SUPER GT第7戦 GT500クラス・GT300クラス」で優勝平成28年7月、「SUPER GT第4戦 GT500クラス」で「ADVAN」レーシングタイヤを装着した「フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R」は、決勝レースでタイヤ無交換作戦を敢行するも、ADVANレーシングタイヤがしっかりと足元を支え、優勝しました。平成28年10月には「SUPER GT第7戦 GT500クラス・GT300クラス」でポール・トゥ・ウィンを達成しました。さらに、平成28年11月開催の「SUPER GT第3戦」では、「GT500クラス・GT300クラス」で優勝しました。当社は、SUPER GT 2016シリーズにおいて「GT500クラス」で通算3勝を挙げ、最多勝利タイヤメーカーとなったほか、「GT300クラス」では、チームのシリーズチャンピオンが決定しました。 11)米国ノースカロライナ州に「タイヤ研究開発センタ」ー設立米国ノースカロライナ州に「タイヤ研究開発センター」を新設し、平成28年9月からシャーロット地域で研究開発活動を開始しました。 当社は、「地産地消」をテーマとして市場に近い地域でのタイヤ研究開発活動を強化しており、これまでにもドイツの「ニュルブルクリンク・テストセンター」、タイの「タイヤテストセンターオブアジア」、中国の「優科豪馬中国技術センター」を設立しましたが、本研究開発センターは機能・人員数で海外最大の技術開発拠点となります。 また、本研究開発センターでは、消費財タイヤの設計から開始し、生産財タイヤの設計、試験・評価、技術サービス、品質保証など業務の範囲を拡大していく予定です。また、現在北米向けタイヤの研究開発活動を米国の複数の州と日本に分散して行っていますが、研究開発体制の強化や市場に適したスピーディーな新製品投入を目的として、近い将来、これらの研究開発活動拠点を集約し、研究開発活動機能の統合に伴い、北米の研究開発スタッフを倍増する予定です。 (2)MB MB事業においては、お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行っており、以下のような活動をしました。研究開発費の金額は、27億62百万円であります。 1)ホース配管事業環境貢献商品の開発における取り組みとして、将来の燃料電池自動車の普及に備えた水素ステーション機器用の高圧水素用樹脂ホースを水素ステーションに継続的に納入しており、市場実績の積み上げと共に水素社会の普及に貢献していきます。 燃料電池自動車に水素を充填するディスペンサー用ホース「ibar HG82(アイバー・エイチジーハチニー)」を開発し、平成28年8月より販売を開始しました。法改正による水素ステーションの昇圧化に伴い、82MPaでの水素充填に対応するほか、軽量で柔軟性に優れており、運搬や充填作業がしやすいのが特徴です。 「ibar HG82」は、従来品である「ibar HG70」の開発で培った技術をベースに開発し、繊維と鋼線を組み合わせたハイブリッド構造(特許出願済)とすることにより、高圧対応に加え軽量化と柔軟性および耐久性を実現しています。同時に、これまでの評価で得られた知見を活用し、実際の水素ステーションでの使用環境を想定した独自のホース評価試験法を開発、実施することで安全性を追求した高圧水素ガス用ホースとなっています。 また、昇圧仕様の87.5MPa用についても、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務を継続しており、耐久性向上にむけた開発を進めております。 2)工業資材事業・イタリアのマリンホース製造販売子会社が国際規格の認証を取得し「Seaflex」の製造・販売を開始工業資材事業の主力商品の一つであるマリンホース「Seaflex(シーフレックス)」は、その品質と信頼性が市場から高く評価され、55 年以上にわたり原油荷役で主要な役割を担っています。当社では市場でより確固たる地位を確立するため、平成26年12月、アメリカ石油協会(API)が発行する規格「API Specification Q1 9th Edition」(=API Spec Q1)の認証を取得しました。同規格は歴史が古く、石油業界における世界的権威となっており、石油、石油化学、天然ガスに関わる産業で事業を行う組織の品質マネジメントシステム(生産現場におけるリスクアセスメントや変更管理など)に関し厳しく定められているものです。また、当社のマリンホース製造販売子会社であるヨコハマ工業品イタリアS.R.L.が、「Seaflex(シーフレックス)」ブランドのマリンホースにて石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定する「GMPHOM2009」の型式認定を取得し、平成28年上期より販売活動を開始しました。これにより、為替変動リスクが低減され競争力が高まるため、アフリカ・中東地域での販売強化が図れます。 当社は、これらの認証取得を契機に積極的な営業活動を展開し、マリンホースのトップメーカーとしてのブランド力強化及びシェア向上を図ります。 ・新型道路ジョイント「YHT-N」型が首都高速1号羽田線で採用当社の道路橋用伸縮装置(道路ジョイント)は、全てのタイプにおいて内部の伸縮止水ゴムと側板を一体化させる加硫接着構造を採用しているため、長期にわたり信頼性の高い止水性能を維持することができるのが特徴です。 また、「YHT-N(ワイ・エッチ・ティー・エヌ)」タイプは、伸縮止水用ゴム部分の厚みをさらに増すことで機械的損傷への耐性を強化するとともに、道路ジョイント装置内部を全てゴムで覆う被覆構造とし、鋼材部の露出を極力なくすことで本体内部の腐食を防ぎ、より長期にわたって性能確保することが可能です(特許出願済)。 今般、首都高速道路株式会社の採用条件となる騒音・振動試験を当社のタイヤテストコース「D-PARC」にて実施し、その結果首都高速道路株式会社から認定され、首都高速1号羽田線での採用に至りました。 ・世界トップレベルの耐摩耗性を実現したコンベヤベルト「Tuftex α」の生産・販売を開始工業資材事業の主力商品の一つであるコンベヤベルトは、その品質と信頼性が市場から高く評価され、長年にわたり多くのお客様に使用されております。 平成28年8月、鉄鉱石や石炭を貯蔵敷地から運搬するリクレーマー用に、世界トップレベルの耐摩耗性を実現したコンベヤベルト「Tuftex α」(タフテックス アルファ)を発売しました。リクレーマーは高速でコンベヤベルトを回し、短時間に大量の運搬物を運ぶため、ベルトの水平方向に激しい摩擦が加わることから、耐摩耗性の向上によりベルトの交換周期が伸長され、ランニングコストを削減できるメリットがあります。 「Tuftex α」は、独自の摩耗評価法を用いて現場でのトライアルを繰り返した結果、ゴムを素材から見直すことで、従来品の超耐摩耗性コンベヤベルトに比べ耐摩耗性を64%向上させました。さらに、炎天下で紫外線に長時間さらされる過酷な使用環境にも対応する優れた耐久性を実現しています。 当社は、日本と中国にコンベヤベルト工場を保有し、石炭や鉱石などの資源開発用として、北米、中南米、豪州、中国などに数多く納入し、高い信頼を獲得しております。現在、コンベヤベルトのブランド強化を進めており、耐久性に優れた付加価値商品として「Tuftex」ブランドを市場に投入し、今後さらなるラインナップの拡充を計画しています。また、ユーザーの様々なニーズに応えた商品開発を進め、新規ユーザーの開拓を図ります。 3)ハマタイト・電材事業・建築用シーリング材のブランドリニューアルと付加価値商品の上市ハマタイト・電材事業及び建築用シーリング材のブランドリニューアルに合わせ、付加価値を向上した製品を開発し、上市しました。 [2成分形ポリサルファイド系シーリング材「SC-PS2」]従来品「SC-500NB」の高耐候性と低石目地汚染を継承しつつ、作業性を極限まで追求した「SC-PS2」を平成28年11月に上市しました。完全な2成分の反応硬化形とすることで硬化性を向上させたほか、材料を建物に施工する際の作業性を向上させたほか、容器を見直して開けやすい缶になりました。 [1成分形変成シリコーン系シーリング材「SC-MS1NB-LM」] 従来の「スーパーワンLM」に塗装適正(ノンブリード性能)を付加しつつ コストパフォーマンスを向上させた汎用型1成分形変成シリコーン系シーリング材としてリニューアルしました。 [1成分形変成シリコーン系シーリング材「SC-SD1NB」]戸建サイディングボード用として、これまでの「さいでぃんクン+1」に塗装適正(ノンブリード性能)を付加しつつ、作業性を大幅に向上させ、幅広いお客様のご希望にお応えする製品となりました。 ・プライマーレス樹脂用接着剤自動車を取り巻く環境の一環として部材の樹脂化による軽量化が進む中、自動車部材に採用される難接着な樹脂部材に対して、前処理(プライマー処理)を不要とする接着技術を開発しました。このプライマーレス樹脂用接着剤は、車両軽量化に貢献するのみならず、有機溶剤を含有しているプライマーを使用しなくて済む点でも環境負荷低減に貢献することができ、カーメーカーへの納入を開始しております。 ・シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム用多機能ハードコートタッチパネル周辺には多くの樹脂フィルムが使用されていますが、近年その複屈折の小ささからCOPフィルムがPETフィルムに代わって使用され始めています。それらのフィルムには、傷防止、アンチブロック性のハードコートが必須ですが、COPはその難密着かつ脆い性質から、ハードコートの密着性を確保するのが難しく、かつ割れ防止の性能も必要となります。機能付与と密着性は両立しえない場合が多く、COP用のコーティング材の多機能化は非常に困難でしたが、当社の高い密着技術によりCOP密着性、割れ防止、高濡れ性、アンチブロック性、高透明性の全てを併せ持つハードコートを開発することに成功しました。 (3)ATG ATGにおいては、革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をいたしました。 研究開発費の総額は、1億24百万円であります。 1)各種農機具展示会への出展平成28年8月に米国最大の農産業の屋外イベントであるFarm Progress(ファームプログレス)、10月はインド最大級の農機具展示会であるKrishi Darshan Expo(クリシダーシャンエキスポ)、11月にはイタリアで開催の世界60カ国以上から2,000社近くが出展する国際農機具展示会であるEIMA(イーアイエムエー)など、様々な農機具の展示会へ出展し、ATG製品を理解していただく場を多く設けました。 2)新商品の発売多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。平成28年下期に発売した商品は主に次のものとなります。[Galaxyブランド] PORT MAX(ポートマックス):軽量化することで発熱を低減すると同時に、構造面を見直し、高い耐久性を実現した港湾リーチスタッカー用タイヤ(平成28年7月発売)SUPER SMOOTH SDS(スーパースムース エスディーエス): 高い耐久性を有したスキッドステアローダー用ソリッドタイヤ(平成28年12月発売) [Primexブランド] ROCK MINE LUG PLUS(ロック マイン ラグ プラス):特殊コンパウンドの使用により耐パンクや耐切断性能を強化し、タイヤ内部の構造を最適化したことによりリトレッド性能も高めた鉱山車両専用に開発されたタイヤ(平成28年12月発売) 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 3億4百万円あります。