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横浜ゴム

ゴム製品 自動車・輸送機

研究開発費(時系列)

年度R&D費用(億円)設備投資(億円)
2025-12 - 1,100
2024-12 - 792
2023-12 - 624
2022-12 - 549
2021-12 - 388

研究開発活動(本文)

FY2025|4,849 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。当連結会計年度における研究開発費の総額は、21,382百万円であります。 当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。 研究先行開発本部の研究開発費の金額は、929百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 (1)タイヤ既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、18,387百万円であります。 1)AIでタイヤ打音から空気圧を判定する技術の実証実験を開始トラック・バス用タイヤの打音からAI(人工知能)を活用して空気圧状態を判定する技術を開発し、実証実験を開始しました。トラック・バス用タイヤの空気圧の日常点検において、依然としてハンマーによる打音点検が主流となっています。しかし、打音のみで空気圧が適正かを判断することは熟練のドライバーでも容易ではなく、手軽かつ正確に空気圧の状態を判定できる方法が求められています。こうしたニーズに応え、㈱METRIKAと協力して、さまざまな環境音の中からタイヤの打音を識別し、打音に基づいて空気圧を予測するAIアルゴリズムを開発しました。さらに、専用のアプリケーションを試作し、専用機器の設置や判定スキルの習得なしで、誰でも高精度な空気圧点検が可能になります。今後は実証実験を通じて、IoTを活用して最適な商品および運用プランの提案を迅速に行う横浜ゴム独自の次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」との連携も計画しています。 2)植物原料由来などのエタノールから高効率でブタジエンを生成する技術のベンチ設備を導入当社と日本ゼオン㈱(以下、ゼオン)は、植物原料由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術を実証するためのベンチ設備※1を山口県周南市のゼオン徳山工場内に建設することを決定しました。ベンチ設備は、2026年から稼働を開始し、ブタジエンの確保並びに量産に向けた各種データを収集していきます。今回実施する実証実験は、植物原料由来などのエタノールを高効率な触媒によってブタジエンに変換する技術を実証するもので、植物原料由来などの合成ゴムを量産化する技術確立の第一歩となります。ゼオンはベンチ設備で生成したブタジエンからポリブタジエンゴム(ブタジエンゴム)を試作し、当社はそのブタジエンゴムを使用したタイヤの試作および走行テストを実施し、大規模実証に向けたデータ収集を行います。※商業化に向けた連続実証設備(パイロット設備)へ移行するために必要なデータを取得する大規模設備 3)ゴム摩擦研究の第一人者であるB. N. J. Persson博士とマルチスケール凹凸路面でのゴム摩耗予測に関する世界初の理論モデルを構築ゴムの摩擦・接触に関する研究の第一人者であるBo Nils Johan Persson(ボ・ニルス・ヨハン・ペルソン)博士との共同研究により、凹凸路面上のゴム摩耗率と摩耗粉粒子のサイズ分布を予測する理論モデルを世界で初めて構築しました。本研究は2025年2月21日付、物理学術誌「The Journal of Chemical Physics」(米国物理協会)において、掲載論文の中で最も注目に値する研究が選ばれる表紙論文に選ばれました。当社は長年のゴム研究における実績と高い技術開発力が認められ、マルチスケールコンサルティングと契約し、Persson博士と共にゴムと路面の摩擦・摩耗に関する研究を進めてきました。このたび世界で初めて、理論化が難しかった凹凸路面上のマルチスケール(ナノ~センチレベル)におけるゴム摩耗挙動の理論モデルを構築しました。ドライおよびウェット滑走下でのゴムの摩耗挙動を様々な接触圧と速度で計測した結果、理論モデルが予測する摩耗率(単位滑走距離あたりの質量損失)と摩耗粉粒子のサイズ分布が実験結果と合致し、本理論がそれらの予測に使用できることを確認しました。当社は今後もPersson博士およびマルチスケールコンサルティングとの研究を進め、高次元の耐摩耗性能を実現したタイヤ開発を追求するとともに、EVなど高重量な電動車の増加に伴い、ますます重要性を増すタイヤ摩耗による環境課題の解決に貢献していきます。 4)天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指す国際共同研究に協力当社が協力会社として参画する国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発(以下、本研究)」の成果が2025年12月9日、インドネシア大学で開催された「5th Joint Coordinating Committee Meeting (toward application of joint technologies for new breeding of natural rubber trees)」で発表されました。本研究はゴムノキの病害抑制により天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指すもので、外務省と文部科学省の支援のもと、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されています。当社はプロジェクトが立ち上げられた2020年より協力会社として本研究に参画し、2024年からはスクリーニングにより選定された殺菌剤が天然ゴムの品質に与える影響の調査を開始。すでに大規模農園でのフィールド評価において、適切に散布・使用すれば殺菌剤がゴムの特性および加硫物性に影響を及ぼさないことが確認できており、現在は本研究がターゲットとする小規模農園での影響調査に協力しています。当社は「持続可能な天然ゴムの調達方針」の中で、小規模農家を含むサプライチェーンに関わる方々への支援を掲げており、本研究への参画により、天然ゴムの生産および農家の収入の安定化に貢献します。なお、SATREPSの研究課題では天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究」にも連携機関として参画しています。 <OHT事業>OHTのすべてのカテゴリーにブランドを持つマルチブランド戦略に基づき、各ブランドの提供価値の最大化を目指して研究開発活動を行っています。Trelleborg、Mitasの両ブランドで事業展開するYokohama TWSは、市場で最も先進的な技術の開発を通じて、農業機械用タイヤや産業車両用タイヤを中心にプレミアムサプライヤーとしての地位を強化し続けています。また、Alliance、Galaxy等のブランドの農業機械・建設車両用タイヤなどを展開するYokohama ATG(=Y-ATG、 =旧YOHT)は、開発リードタイムの短さを活かして、ニッチ商品の早期開発・投入などを通じて、バリューセグメントでのプレゼンスを高めています。 1)アダプティブ・タイヤ・マネジメント・システム(ATMS)ATMSは、荷重、圧力、温度などの作業条件をリアルタイムに検知し、常に最適なトラクターの車両設定を提案することで、農業の生産性の向上を実現する当社独自のシステムです。対応車種の拡大に向け、現在OEM各社による検証が進められています。 2)製品・材料開発厳しい使用条件下における農機用タイヤの耐久性と性能向上を目的とした先進材料技術への投資を行っています。また、持続可能なコストでバイオ素材とリサイクル素材の採用を推進する取り組みを継続しています。2025年6月には、特定製品の5,000時間走行保証プログラムを開始しました。 3)ラバートラック世界的な需要拡大傾向にあるラバートラック市場にて、従来の農業における生産性の概念を再定義するような次世代ソリューションの提供を目指し、革新的な製品の開発に取り組んでいます。 (2)MB「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,850百万円であります。 1)柔軟性とコンパクト性を追求した高圧ホース「レベックスC(CWP)」シリーズを新発売建設・土木機械や工作機械、産業機械まで幅広く使用できる高圧ホース「レベックス」シリーズの新たなラインアップとして、柔軟性とコンパクト性を追求した「レベックスC(CWP)」シリーズを2025年1月から日本国内で販売を開始しました。最高使用圧力35MPa、内径19mmと25mmの2サイズからスタートし、今後は他のサイズも拡充していく計画です。新商品の「レベックスC(CWP)」は、従来品である「レベックス(NWP)」の特徴である優れた耐久性※、耐熱性、耐摩耗性、耐候性を踏襲しながら、外径をよりコンパクトに、柔軟性の向上(曲げ剛性の低減)や10%以上の軽量化(25mmサイズの場合、当社比)などを達成。耐久性能と扱いやすさを高いレベルで両立させました。※ISO18752 BC級相当のインパルス試験に合格。これにより、配管スペースが狭く屈曲が必要な内部配管など、これまで高圧ホースの取り回しが難しかった配管でもよりスムーズな作業が可能となります。 2)省エネルギー性能を高めた難燃性コンベヤベルト 「FLAME GUARD ECO」を発売難燃性コンベヤベルトとして好評を博している「FLAME GUARD」シリーズから省エネルギー性能を高めたコンベヤベルト「FLAME GUARD ECO(フレイムガード・エコ)」を発売しました。「FLAME GUARD ECO」は火災防止のために難燃性コンベヤベルトが必要とされる港湾や火力発電所の石炭搬送ラインでの使用を想定し開発しました。省エネ性能向上にあたっては、世界トップレベルの省電力性能を実現した横浜ゴムのコンベヤベルト「ECOTEX」で培った技術を活用し、ゴム配合を最適化。これにより、エネルギーロス発生の一因であるベルトがローラーを乗り越える時のゴム変形を小さくし、走行抵抗を抑制しコンベヤの消費電力削減に貢献します。難燃性と省エネ性能の両立により、安全な操業に貢献するとともに、エネルギーコスト削減やCO2排出量削減による環境負荷低減に寄与します。特殊配合ゴムにより自己消火性を持つ「FLAME GUARD」シリーズとして、難燃性、難燃超耐摩耗性、難燃重耐油性、難燃中温耐熱性、難燃高温耐熱性のコンベヤベルトを品揃えしています。今回、ベルトがローラー上を通過する際に発生する乗り越え抵抗を大幅に低減させた「FLAME GUARD ECO」の発売により、さらに強力な商品ラインアップとなりました。 上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 216百万円あります。

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