5101

横浜ゴム(5101)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ゴム製品 自動車・輸送機

事業の概要

  • タイヤ事業が主力
    横浜ゴムグループは、乗用車用から建設車両用まで多岐にわたるタイヤの製造・販売をグローバルに展開しています。特に、国内外に多数の製造・販売子会社を持ち、世界中の自動車産業を支える基盤事業として収益の大部分を占めています。
  • MB(マルチプルビジネス)事業
    コンベヤベルト、各種ホース、航空部品などの工業製品や、防舷材、オイルフェンスといった海洋関連製品を手掛けています。これらの製品は、社会インフラや産業活動に不可欠なものであり、タイヤ事業とは異なる分野で安定的な収益源となっています。
  • その他事業とグループ構成
    スポーツ用品(プロギアなど)や情報処理サービスも手掛けていますが、グループ全体の事業構成としては小規模です。当社グループは、横浜ゴム本社を中心に158社の子会社と35社の関連会社で構成され、各社が特定の製品の製造や販売、またはグループ内サービスを提供することで、多角的な事業展開を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • タイヤ事業
    横浜ゴムグループの最大の稼ぎ頭であり、売上高4,522.68億円、営業利益363.29億円を計上しています。乗用車用、トラック・バス用、建設車両用など多種多様なタイヤを国内外で製造・販売しており、グローバルな生産・販売体制を確立しています。
  • MB(マルチプルビジネス)事業
    コンベヤベルト、各種ホース、航空部品、防舷材などを手掛ける事業で、売上高1,122.1億円、営業利益74.9億円を上げています。産業インフラや海洋分野など、タイヤ事業とは異なる領域で安定した収益を確保しています。
  • アライアンスタイヤグループ事業
    売上高254.78億円、営業利益は-21.09億円と赤字を計上しています。この事業は、主に建設・鉱山用車両向けタイヤなどをグローバルに展開するGoodyear社のOTR事業買収(事業譲受)によるもので、今後の事業統合や効率化が課題となる可能性があります。
FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Tires 事業 4,523 363 8.0%
MultipleBusiness 事業 1,122 75 6.7%
AllianceTireGroup 事業 255 -21 -8.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,407 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び関係会社)は、当社及び子会社158社、関連会社35社で構成され、当社グループが営んでいる主な事業の内容と事業を構成している各関係会社の当該事業における位置づけは次のとおりであります。なお、以下の3事業は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメント情報におけるセグメントの区分と同一であります。 事業主要製品区分国内海外タイヤ乗用車用、トラック・バス用、小型トラック用、農業機械用、産業車両用、鉱山・建設車両用、林業機械用などの各種タイヤ、チューブ、アルミホイール、自動車関連用品主要製造販売会社当社愛知タイヤ工業㈱日本ジャイアントタイヤ株式会社YTMMX Japan合同会社 (更生タイヤ)ヨコハマタイヤリトレッド㈱Yokohama Tire Philippines, Inc.杭州優科豪馬輪胎有限公司Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.蘇州優科豪馬輪胎有限公司LLC Yokohama R.P.Z.Yokohama Tire Manufacturing Mississippi, LLCYokohama Tire Vietnam Inc.Yokohama Tire Manufacturing Virginia LLCYokohama India Private Ltd.Alliance Tire Company Ltd. ATC Tires Private Ltd.ATC Tires AP Pvt. Ltd.Yokohama TWS S.p.A.Yokohama TWS Czech Republic a.s.Yokohama TWS North America, Inc. 他12社主要販売会社㈱ヨコハマタイヤジャパン 他60社Yokohama Tire Corporation 他57社その他ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ㈱浜ゴムエンジニアリング㈱ 他4社Yokohama Corporation Of North America 他12社MBコンベヤベルト、各種ホース、防舷材、オイルフェンス、マリンホース、航空部品主要製造販売会社当社Yokohama Industries Americas Inc.Yokohama Industries Americas Ohio Inc. 協機工業股份有限公司Yokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd.杭州優科豪馬橡胶制品有限公司Yokohama Industries Americas de Mexico, S. de R.L. de C. V. PT.Yokohama Industrial Products Manufacturing Indonesia山東横浜橡胶工業制品有限公司  他1社主要販売会社横浜ゴムMBジャパン㈱ 他1社上海優科豪馬橡胶制品商貿有限公司Yokohama Aerospace America Inc. 他1社その他スポーツ用品、情報処理サービス等 ㈱プロギアハマゴムエイコム㈱ 他7社Y.T. Rubber Co., Ltd. 事業の系統図は、次のとおりであります。 (注) その他の会社は、主にグループ内におけるサービスの提供、持株会社機能等を有しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競業他社との販売競争激化による市場シェアダウン及び価格競争の熾烈化による販売価格の下落
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
精緻で高度な分析・解析技術、新素材開発、シミュレーション技術、AIを活用した開発の高度化
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況(景気後退、需要減少、通商政策) / 為替レートの変動 / 季節変動(スタッドレスタイヤ販売)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

横浜ゴムは「ADVAN」や「GEOLANDAR」といったブランドを持つが、グローバルなタイヤ市場ではミシュランやブリヂストンといった強力なブランド力を持つ競合が存在する。特許や技術力は有するものの、それが決定的な競争優位に直結しているとは言い難い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーとの取引では、OEM供給における品質基準や開発協力により、一定のスイッチング・コストが発生する。しかし、アフターマーケットではブランドや価格による乗り換えも多く、顧客の固定化は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

タイヤ製造・販売事業において、ネットワーク効果はほとんど見られない。プラットフォーム型ビジネスではないため、ユーザー数の増加が直接的に製品・サービスの価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウと規模の経済により、一定のコスト競争力を持つ。特に、特定の製品群や地域においては、効率的な生産体制を構築している可能性がある。しかし、原材料価格の変動リスクは存在する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

グローバルで事業展開しており、タイヤ業界における一定のシェアを確保している。特にトラック・バス用タイヤや産業用ホースなど、特定のセグメントでは規模の経済が働きやすい。しかし、業界トップ企業との差は依然として大きい。

  • グローバルな生産・販売ネットワーク
    横浜ゴムは、日本国内だけでなく、北米、アジア、欧州など世界各地に製造・販売拠点を有しています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応し、効率的な製品供給体制を構築することで、安定的な事業展開を可能にしています。
  • 多岐にわたる製品ラインナップ
    乗用車用から大型の鉱山・建設車両用まで、幅広い種類のタイヤを製造しており、多様な顧客の要求に応えることができます。また、タイヤ以外のMB事業では、産業用ゴム製品や航空部品など、専門性の高い製品を提供し、事業の多角化を図っています。
  • 技術開発と品質への注力
    有価証券報告書からは直接的な記述はありませんが、タイヤメーカーとしての競争力を維持するためには、低燃費性能や安全性、耐久性といった製品技術の継続的な開発が不可欠です。また、高品質な製品を提供することで、顧客からの信頼を獲得し、ブランド価値を高めていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営の基本方針当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す ・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する ・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる ・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする (2) 目標とする経営指標 当社グループでは、2026年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んで参ります。売上収益1兆3,000億円事業利益1,880億円事業利益率14.5%自己資本比率50%を目安ROE10%超 (3) 経営環境及び経営戦略・対処すべき課題当社グループは、2024年から2026年までの3カ年計画として、中期経営計画「Yokohama Transformation 2026 (YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)の取り組みを2024年度より開始しております。既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという 強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。こうした考えの下、各事業で定めた成長戦略を断行し、「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指します。 各分野での戦略と取り組み内容は、次の通りです。 ■タイヤ消費財タイヤ消費財では近年、低コスト・低価格な新興タイヤメーカーが生産能力を拡大し、市場シェアを伸ばしています。これに対し「YX2026」では高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指します。これに加え「Hockey Stick Growth」を果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率な生産体制の構築を目指します。その象徴的な取り組みである、1年で工場を立ち上げる「1年工場」への挑戦においては、現在、立上げ中の中国新杭州工場にて、建設着工から試作タイヤの生産開始までを11カ月で行い、目標を1カ月前倒しで達成しました。今後も引き続き、中国・メキシコ新工場だけでなく、既存工場においても低コスト・高効率化を推進します。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続しブランド価値向上に取り組みます。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進します。 ■タイヤ生産財OHT事業OHT市場の長期での市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できます。OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、当社グループがトップシェアを誇っており、Tier(ティア)1~Tier3までティアごとに持つ生・販・技の強みを活かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化します。市場の25%と予測され、当社グループが市場2位のシェアを持つ産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図ります。また、当社グループが僅かなシェアに留まっている建設・鉱山用車両向けタイヤでは、2025年2月に全世界で高いプレゼンスを持つGoodyear社のOTR事業の買収を行いました。この買収は、中期経営計画 「YX2026」で掲げる「Hockey Stick Growth」に向けた、OHT事業全体での「Programmatic M&A」(プログラマティックM&A)戦略に沿って検討を進めてきたもので、建設・鉱山用車両向けタイヤにおける販路拡大・生産能力の増強のみならず、Goodyear社のOTR事業の持つ生産技術を含む高い技術力を、当社グループがトップシェアを持つ農業・林業用機械向けタイヤを含む既存カテゴリーで培った技術と融合することにより、OHT事業でのさらなる成長を目指します。 TBR事業TBR(トラック・バス用)タイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しています。当社グループはこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指します。 ■MB事業MB(マルチプル・ビジネス)事業は、事業再編や収益改善策の実行により収益を生み出す事業基盤を整えました。 その結果、2025年度の事業利益率は10.5%となり、「YX2026」の当初目標値である10%を1年前倒しで達成しました。 引き続き、ホース配管事業は、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行います。工業資材事業は、コンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を進め、航空部品では防衛装備品の強化と生産体制構築の準備を推進し、MB事業の存在感を高めていきます。 ■技術・生産「YX2026」では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに当社グループ全体の基盤強化に取り組みます。「よいもの」では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、そして「スピーディー」ではタイヤ消費財戦略で目指す「Hockey Stick Growth」の目玉である「1年工場」への挑戦を遂行し、早期量産立上げによる投資金額の早期回収と収益の最大化を図るとともに、AI・シミュレーション技術の活用によるタイヤ開発のスピードアップを図ります。 ■サステナビリティ当社グループでは、サステナビリティの取り組みは、企業の成長と企業価値の向上に資するものであるべきと考えています。環境投資においても十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指します。重要課題の一つである温室効果ガス排出量の削減では、買収前のY-TWSの排出量を加算した2019年の排出量を2026年に30%、2030年に40% 削減することを新たな目標とし、追加コストをかけることなく目標達成を目指す計画を策定しました。再生可能・リサイクル原料の利用拡大によるサーキュラーエコノミーへの貢献では、温室効果ガス排出量(Scope3)の削減の観点からも再生可能・リサイクル原料の使用比率の向上を加速させ、2026年に28%、2030年に40%とすることを新たな目標として設定しました。当初、2030年の目標は30%でしたが、さらなる使用比率の向上を目指し、40%に引き上げました。 ■財務「YX2026」でも引き続き「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却および遊休不動産などの資産売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現 (自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約4,750億円のうち、約3,100 億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。 株主還元については、「YX2026」で当初計画していた配当性向20%・総還元性向30%を、2026年度より配当性向を30%に、総還元性向を30%以上に上方修正しました。引き続き、持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、安定的なキャッシュフローの創出と資産売却により、成長投資と株主還元の両立を行います。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 経営の基本方針当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す ・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する ・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる ・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする (2) 目標とする経営指標 当社グループでは、2026年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んで参ります。売上収益1兆3,000億円事業利益1,880億円事業利益率14.5%自己資本比率50%を目安ROE10%超 (3) 経営環境及び経営戦略・対処すべき課題当社グループは、2024年から2026年までの3カ年計画として、中期経営計画「Yokohama Transformation 2026 (YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)の取り組みを2024年度より開始しております。既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという 強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。こうした考えの下、各事業で定めた成長戦略を断行し、「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指します。 各分野での戦略と取り組み内容は、次の通りです。 ■タイヤ消費財タイヤ消費財では近年、低コスト・低価格な新興タイヤメーカーが生産能力を拡大し、市場シェアを伸ばしています。これに対し「YX2026」では高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指します。これに加え「Hockey Stick Growth」を果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率な生産体制の構築を目指します。その象徴的な取り組みである、1年で工場を立ち上げる「1年工場」への挑戦においては、現在、立上げ中の中国新杭州工場にて、建設着工から試作タイヤの生産開始までを11カ月で行い、目標を1カ月前倒しで達成しました。今後も引き続き、中国・メキシコ新工場だけでなく、既存工場においても低コスト・高効率化を推進します。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続しブランド価値向上に取り組みます。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進します。 ■タイヤ生産財OHT事業OHT市場の長期での市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できます。OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、当社グループがトップシェアを誇っており、Tier(ティア)1~Tier3までティアごとに持つ生・販・技の強みを活かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化します。市場の25%と予測され、当社グループが市場2位のシェアを持つ産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図ります。また、当社グループが僅かなシェアに留まっている建設・鉱山用車両向けタイヤでは、2025年2月に全世界で高いプレゼンスを持つGoodyear社のOTR事業の買収を行いました。この買収は、中期経営計画 「YX2026」で掲げる「Hockey Stick Growth」に向けた、OHT事業全体での「Programmatic M&A」(プログラマティックM&A)戦略に沿って検討を進めてきたもので、建設・鉱山用車両向けタイヤにおける販路拡大・生産能力の増強のみならず、Goodyear社のOTR事業の持つ生産技術を含む高い技術力を、当社グループがトップシェアを持つ農業・林業用機械向けタイヤを含む既存カテゴリーで培った技術と融合することにより、OHT事業でのさらなる成長を目指します。 TBR事業TBR(トラック・バス用)タイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しています。当社グループはこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指します。 ■MB事業MB(マルチプル・ビジネス)事業は、事業再編や収益改善策の実行により収益を生み出す事業基盤を整えました。 その結果、2025年度の事業利益率は10.5%となり、「YX2026」の当初目標値である10%を1年前倒しで達成しました。 引き続き、ホース配管事業は、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行います。工業資材事業は、コンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を進め、航空部品では防衛装備品の強化と生産体制構築の準備を推進し、MB事業の存在感を高めていきます。 ■技術・生産「YX2026」では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに当社グループ全体の基盤強化に取り組みます。「よいもの」では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、そして「スピーディー」ではタイヤ消費財戦略で目指す「Hockey Stick Growth」の目玉である「1年工場」への挑戦を遂行し、早期量産立上げによる投資金額の早期回収と収益の最大化を図るとともに、AI・シミュレーション技術の活用によるタイヤ開発のスピードアップを図ります。 ■サステナビリティ当社グループでは、サステナビリティの取り組みは、企業の成長と企業価値の向上に資するものであるべきと考えています。環境投資においても十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指します。重要課題の一つである温室効果ガス排出量の削減では、買収前のY-TWSの排出量を加算した2019年の排出量を2026年に30%、2030年に40% 削減することを新たな目標とし、追加コストをかけることなく目標達成を目指す計画を策定しました。再生可能・リサイクル原料の利用拡大によるサーキュラーエコノミーへの貢献では、温室効果ガス排出量(Scope3)の削減の観点からも再生可能・リサイクル原料の使用比率の向上を加速させ、2026年に28%、2030年に40%とすることを新たな目標として設定しました。当初、2030年の目標は30%でしたが、さらなる使用比率の向上を目指し、40%に引き上げました。 ■財務「YX2026」でも引き続き「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却および遊休不動産などの資産売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現 (自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約4,750億円のうち、約3,100 億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。 株主還元については、「YX2026」で当初計画していた配当性向20%・総還元性向30%を、2026年度より配当性向を30%に、総還元性向を30%以上に上方修正しました。引き続き、持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、安定的なキャッシュフローの創出と資産売却により、成長投資と株主還元の両立を行います。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績の状況 前連結会計年度当連結会計年度増減率 百万円百万円%売上収益1,094,7461,234,95912.8 タイヤ980,8961,121,28414.3 MB105,249105,5520.3 その他8,6008,123△5.6事業利益134,379166,57724.0 タイヤ127,157154,97921.9 MB8,57711,09029.3 その他△1,360518- 調整額5△11-営業利益119,157152,90128.3税引前利益115,359157,18636.3親会社の所有者に帰属する当期利益74,919105,39840.7 (注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。 当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では、米国関税引き上げを巡る影響はあったものの、年後半にかけて影響は一巡し、雇用や所得環境の改善により、個人消費は緩やかに持ち直しています。また、エネルギー価格の低下などによるコスト減を背景に景況感は全体としては底堅く推移しています。海外においては、米国は、関税政策を巡る動きが落ち着きつつあるものの、個人消費を中心に景気は減速傾向にあります。欧州は、関税引き上げによる外需の不振が景気の重しとなり、また、中国では外需は好調を維持しているものの、消費や固定資産投資がマイナス成長となるなど内需は減速傾向にあります。こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、変革の「総仕上げ」を目指す中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」の取り組みにより、全事業領域で好調な実績となりました。当期の連結売上収益は、1兆2,349億59百万円(前期比12.8%増)、利益面では、連結事業利益は1,665億77百万円(前期比24.0%増)、連結営業利益は1,529億1百万円(前期比28.3%増)、また、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,053億98百万円(前期比40.7%増)と、5期連続の増収増益かつ過去最高の業績を更新しました。タイヤセグメントの売上収益は1兆1,212億84百万円(前期比14.3%増)で、当社グループの連結売上収益の90.8%を占めました。YX2026で掲げる「Best Alternative戦略」が、OHT(オフハイウェイタイヤの略)を含むタイヤセグメント全体で成果を創出し収益構造が大きく転換しています。タイヤ消費財における新車用の売上収益は、国内での新規納入車種の拡大に加え、欧米においてもSUV・CUV車種を中心に、プレミアムカーへの新車装着の獲得や、その他の新規納入も増加したことにより前期を上回りました。タイヤ消費財の市販用の売上収益は、戦略的なOE(新車装着)リターンの刈り取りに加え、国内におけるかねてからの丁寧な販売活動の効果や、欧州各国におけるハイインチ品販売への注力、北米におけるオンロード系SUV・CUV用タイヤ販売の強化などにより高付加価値商品販売が伸長したほか、各地域で新規取引先の開拓や既存顧客との取引拡大が順調に進んだことで前期を上回りました。OHT(オフハイウェイタイヤ)の売上収益は、2025年2月に買収したGoodyear社のOTR(Off-The-Road)事業の業績が加わったこともあり、前期を上回りました。農機用タイヤは、新車用においては、厳しい環境の中でも顧客との関係強化を図ることでシェア向上を実現したほか、市販用においては、当社のマルチブランド戦略の強みを活かし、「Mitas(ミタス)」「Alliance(アライアンス)」「Galaxy(ギャラクシー)」ブランドを中心に、各地域において継続して販売拡大に努めたことで、欧州・北米の主要市場で需要を上回る販売伸長を果たしました。MB(マルチプル・ビジネス)セグメントの売上収益は1,055億52百万円(前期比0.3%増)で、当社グループの連結売上収益の8.5%を占めました。ホース配管事業の売上収益は、国内建設機械メーカーの需要減はあったものの、北米自動車メーカーの需要増により前年同期を上回りました。工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトの安定的な受注や、海洋商品における旺盛な需要の取り込み、防衛装備品の受注増などにより、前年同期を上回りました。全社の事業利益は、Goodyear社OTR事業の連結化に伴う一過性費用の計上はありましたが、タイヤ消費財での販売数量増や、「ADVAN(アドバン)」、「GEOLANDAR(ジオランダー)」、ウィンタータイヤをはじめとする高付加価値商品(AGW)やハイインチ品の販売増に加え、MB事業における既存事業の収益性改善、抜本的コスト改善の積み増しや構造改革などの内部努力が寄与し大幅な増益となりました。 (2)財政状態の状況当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,628億16百万円増加し、1兆9,983億60百万円となりました。流動資産は営業債権の増加等により、8,261億68百万円(前期比10.2%増)となりました。非流動資産は有形固定資産の増加等により、1兆1,721億92百万円(前期比18.9%増)となりました。流動負債は有利子負債の増加等により、4,470億41百万円(前期比19.3%増)となりました。また、非流動負債についても有利子負債の増加等により、5,110億89百万円(前期比11.9%増)となりました。資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により1兆402億31百万円(前期比15.1%増)となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて288億23百万円減少し、1,073億91百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、1,356億30百万円(前連結会計年度比411億33百万円の収入増加)となりました。これは主として、税引前利益1,571億86百万円、退職給付信託の一部返還を受けたこと等による退職給付に係る資産及び負債の増減額191億56百万円、法人税等の支払額571億25百万円の計上等であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の減少は、2,412億98百万円(前連結会計年度比2,399億6百万円の支出増加)となりました。これは主として、子会社の取得を含む事業譲受による支出1,405億27百万円、有形固定資産の取得による支出1,116億26百万円等であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の増加は、683億17百万円(前連結会計年度は632億13百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入1,424億87百万円、長期借入金の返済による支出556億49百万円、配当金の支払額158億61百万円等であります。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (4)生産、受注及び販売の状況①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産金額(百万円)前年同期比(%)タイヤ825,4793.9M B74,74214.0そ の 他30410.0合  計900,5254.6 (注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ②受注状況当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売金額(百万円)前年同期比(%)タイヤ1,121,28414.3M B105,5520.3そ の 他8,123△5.6合  計1,234,95912.8 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。  (5)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

事業リスク

  • 世界経済の変動と需要減少
    自動車用タイヤの需要は、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場の景気状況に大きく左右されます。景気後退や通商政策の変更、競合激化による価格競争は、横浜ゴムの業績や財務状況に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 為替レートの変動と原材料価格の高騰
    グローバル事業の拡大に伴い、外国通貨建て取引が増加しており、為替レートの変動が業績に与える影響が大きくなっています。また、天然ゴムや石油化学製品といった主要原材料の価格高騰は、製造コストを押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。
  • 地政学リスクと災害・感染症
    ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスク、地震や感染症のパンデミックは、生産活動や物流の停滞を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、生産拠点や主要仕入先が集中する地域での災害発生は、サプライチェーン全体に大きな影響を与えかねません。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,129 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは下記のようなものがあります。なお、文中における将来等に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経済状況  当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車用タイヤの需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の減少、また、各国による通商政策の動向は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、競業他社との販売競争激化による市場シェアダウン及び価格競争の熾烈化による販売価格の下落も、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替レートの影響 当社グループは主として円建で一般商取引、投融資活動等を行っておりますが、米ドルその他の外国通貨建でもこれらの活動を行っております。今後一層の事業のグローバル化の進行に伴い、海外事業のウエイトが高まることが予想されます。したがって、従来以上に外国通貨建の一般商取引、投融資活動等が増加し、外国為替の変動により当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける度合いが大きくなります。為替予約の実施等、為替レートの変動によるリスクを最小限にとどめる努力を行っておりますが、当該リスクを完全に回避することはきわめて困難であります。 (3) 季節変動の影響  当社グループの業績は上半期と下半期を比較した場合、下半期の業績がよくなる傾向にあります。特に、寒冷地域で冬場の降雪時に使用する自動車用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の販売が下半期に集中することが主な理由であります。従って、降雪時期の遅れや降雪量の減少等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 原材料価格の影響 当社グループの製品の主要な原材料は、天然ゴム及び石油化学製品であります。従って、天然ゴム相場の大幅な上昇及び国際的な原油価格の高騰があった場合、当社製品の製造コストが影響を受ける可能性があります。これらの影響を最小限にとどめるべく各種対策を実施しておりますが、吸収できる範囲を超えた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 資金調達力及びコストの影響 当社グループは資金調達の安定性及び流動性の保持を重視した財務運営を行っておりますが、日本を含めた世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、計画通りに資金調達を行うことができない可能性があります。また、格付会社より当社グループの信用格付けが大幅に下げられた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 有利子負債の影響 当社グループの資産合計に占める有利子負債の割合は、約26.8%(2025年12月31日現在)であります。グループファイナンスの実施によりグループ資金の効率化を行うことで財務体質の改善に取り組んでおりますが、今後の金利動向によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの一部の借入契約には財務制限条項が付されております。 (7) 保有有価証券の影響 当社グループが保有する市場性のある有価証券のうち日本株式への投資が大きな割合を占めております。従って、日本の株式市場の変動及び低迷等による有価証券評価損の計上等で、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 投資等に係る影響 当社グループは世界的な自動車用タイヤの需要に対応すべく、北米、中国での新たな生産拠点の建設を進めております。また、日本、アジアを中心に生産能力の増強及び市場ニーズに対応するための設備投資を行っております。この投資により製品の品質向上を図るとともに需要増やニーズの多様化にも対応でき、当社グループの信頼を高め、シェアアップが期待できます。しかしながら、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が生じた場合、期待した成果を得ることができなくなるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (9) M&A、資本・業務提携による影響 当社グループは、さらなる成長の実現に向けた競争力強化の為、他社の買収や他社との資本・業務提携を行うこと があります。2025年2月4日付にて建設・鉱山用車両向けタイヤなどの生産販売をグローバルに展開するGoodyear社のOTR事業の買収(事業譲受)を行っております。対象事業や過去に買収した会社・事業の業績が買収時の想定を下回る場合、または事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 退職給付債務 当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は割引率、年金資産の期待運用収益率等の一定の前提条件に基づいて数理計算を行っております。実際の割引率、運用収益率等が前提条件と異なる場合、つまり、金利低下、年金資産の時価の下落、運用利回りの低下等があった場合や退職金制度、年金制度を変更した場合、将来の退職給付債務の増加により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 災害等の影響  当社グループは地震等の自然災害、疾病、テロに直接又は間接的に影響を受ける可能性があります。特に、自然災害については災害に備え、各種対応策を検討し、計画的に実施しております。しかしながら、生産拠点及び原材料の主要な仕入先が所在する地域でこれら事象が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11-2) 感染症の大流行 当社グループは新型コロナウイルスなどの全世界的な感染症の流行に備え、従業員の安全と社内外への感染拡大抑止を第一に対策を講じておりますが、感染症の拡大や長期化の状況によっては、当社グループが事業を展開している国・地域における活動規制や企業活動の停滞等により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11-3) 地政学リスク 現下のウクライナ情勢により、ロシアの乗用車用タイヤ生産会社の生産については、状況を注視しながら判断する 方針ですが、進展状況や対応によっては今後当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、中東情勢を始めとした地政学リスクの高まりや、それに伴う今後の各国・地域の情勢の変化により、当社グループが事業を展開している国・地域における企業活動や物流の停滞等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11-4)気候変動 当社グループは温室効果ガス排出量の削減などを通じて気候変動への対策を講じておりますが、各国の温室効果ガス排出量削減目標や炭素税の導入による調達・製造コスト上昇などの「移行リスク」や気候変動による洪水や渇水による工場操業停止などの「物理的リスク」により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスク管理プロセス及び詳細な分析結果については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動 ②リスク管理 および ③戦略」をご参照ください。 (12)人権侵害 当社グループは「横浜ゴムグループ人権方針」に基づき、人権デューデリジェンスや苦情処理メカニズムの整備を進めておりますが、サプライチェーンにおける人権侵害や潜在的な負の影響の防止・軽減を適切に行うことができなかった場合、レピュテーションの毀損などにより、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 知的財産権の影響  当社グループは技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者の知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品または技術が、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 製品の品質による影響  当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制の万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良を皆無にすることは困難であります。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 法律・規制・訴訟の影響  当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、輸出管理、独占禁止、個人情報保護、環境保護など、当社グループが、展開している様々な事業に関連する法律や規制の適用を受けております。 将来において、国内外における新たな法律や規制の施行又は予期せぬ法律や規則の変更などにより、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 これらの他、当社グループは国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重大な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 情報セキュリティリスク当社グループは、グローバルな事業展開に伴うサイバーリスクへの対策を進めておりますが、外部攻撃や災害等によるシステム障害の発生可能性を完全に排除することは困難です。万一、重要な業務の停止や情報の漏洩が生じた場合、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

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