事業等のリスク
双日グループは、グローバルな事業展開に伴い様々なリスクに直面しています。マクロ経済環境の変化は、世界経済の動向が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の国や地域における政治・経済・法制度の変化、社会情勢の不安定化はカントリーリスクや地政学リスクとして事業活動を阻害し、損失発生につながる可能性があります。また、為替変動、金利変動、商品価格変動、有価証券の価格変動といった市場リスクも存在し、ヘッジを行っても完全に回避できる保証はありません。これらのリスクは、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
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FY2026|11,278 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスク管理① リスク管理の考え方当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。このため、リスクを「事業戦略およびビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、経営環境の多面的な分析とリスクの把握、戦略的対応を通じて企業価値向上に資するよう、全社的リスク管理の高度化に取り組んでおります。また、リスクの重要性を評価のうえ、適切かつ合理的な方法でリスク管理を推進しています。 ② 全社的リスク管理体制当社グループが取り組む全社的リスク管理においては、CFOを委員長とする「内部統制委員会」(事務局:内部統制統括部)が、各種社内委員会(4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④業務執行機関 4)社内委員会)とも連携しながら、方針の協議と策定、業務執行組織(第1線および第2線)が実行するリスク管理の状況の全体俯瞰とモニタリング、ならびに関係先への指示など、その枠組みを有効に機能させる主体となります。また、監査部は第3線として独立した立場で、第1線・第2線が運用しているリスク管理についての客観的な検証を行います。これらを踏まえ、内部統制委員会は、経営会議・取締役会・監査等委員会に対して、全社的リスク管理の状況について定期的に報告を行います。全社的リスク管理体制の概要は下図のとおりです。 全社的リスク管理のプロセス当社グループにおける全社的リスク管理のプロセスは以下となっております。 当社グループでは、第1線(営業本部など)・第2線(コーポレート)の各部署において、外部環境、経営戦略、業務プロセスなど、将来予想されるものも含めて網羅的にリスクを検討、識別しています。識別されたリスクについては、影響度と発生可能性による2軸評価によって重要度を測定し、内部統制委員会における協議と取締役会への報告を経て、リスク対応方針を決定しています。このリスク対応方針に沿って、第1線(営業本部など)では、業務執行におけるリスクについての自律的コントロールを行う一方、第2線(コーポレート)では、担当するリスクに関連して経常的に実施する管理業務のほか、第1線への支援やモニタリング、PDCA管理も含めた継続的レビューを行います。第1線および第2線が行うリスク管理活動については、内部統制委員会がモニタリングし有効性を評価したうえで、経営会議・取締役会・監査等委員会に報告を行います。昨今の世界情勢の変化や地政学リスクの高まりを踏まえ、突発的なリスク発現時の影響度合いを把握できる体制の整備を進めております。また、営業本部・コーポレートとの継続的な対話・連携を通じ、リスク発現時の機動的対応力の向上と、事業継続性の確保およびレジリエンス(回復力)の一層の強化にも取り組んでおります。さらに、リスク・リターンを踏まえた事業投資マネジメントを行うことで、当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。 (2) 個別のリスクについて当社グループの事業に関しては、以下①から⑱のリスクがあります。これらのリスクのほか、当社グループ資産が晒されるリスクを「リスクアセット」として計測管理し、この結果をリスクに対する収益性や、財務の健全性を維持するための指標として活用し、リスクをコントロールしています。リスクアセットは自己資本の1倍以内に収めることを目標としており、2026年3月末のリスクアセットは自己資本の0.6倍であります。なお、以下①から⑱の各リスクにおける将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、一定の前提または仮定のもとでの予測などが含まれます。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本および関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 地政学リスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、特定国・地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりにより、従業員、物資、資本、情報などの経営資源が危険に晒されたり、貿易・投資、その他の自由な経済活動が阻害される可能性があります。こうした地政学リスクの高まりによる不確実な情勢に対応するため、特定国・地域における取引内容やビジネスへの影響を確認するとともに、調査・分析および研修を通じて、有事の際に適切な対応がとれるよう努めております。また、安全保障貿易管理委員会を中心に各国の外交政策、制裁措置、武力紛争などの外部環境変化へ柔軟に対応しております。しかしながら、全ての地政学リスクを回避することは困難であり、当社の事業に影響を与える事象が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、ならびに、上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクに晒されております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 1) 為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、海外の事業会社からの受取配当金等も含め、外国通貨に対する為替変動リスクに晒されております。この為替変動リスクに伴う損失の発生または拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はありません。また、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、損益および財務諸表を日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。これらは予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間8億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 2) 金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入または社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2026年3月末の当社グループの有利子負債残高は1兆2,956億17百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.72%、1年内返済予定の長期借入金は1.69%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は2.05%となっております。 3) 商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクに晒されております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額と最大損失額を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額が最大損失額の90%に抵触した場合、最大損失額の範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 4) 上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 信用リスク当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残ならびに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業投資リスク当社グループは、様々な事業領域において事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。実行済の事業投資案件については、毎年、モニタリング・撤退該否判定として、ROIC(Return on Invested Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Invested Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。モニタリング・撤退該否判定に関する概要は下図のとおりです。 このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、当社グループが保有するのれんや固定資産などの価値が毀損し、減損損失が発生する、または当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。こうした場合において、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達リスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金または社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・気候変動リスク当社グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、環境・気候変動などにかかわる問題が発生した場合などに、当社グループの社会的評価の低下、事業活動の停止・中止、訴訟や損害賠償などの負担、サプライチェーンからの除外などが生じるリスクがあります。また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、環境・気候変動への対応の一環として脱炭素社会実現に貢献できるように取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。) ⑨ 人権リスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっております。当社グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、労働安全衛生や人権(強制労働、児童労働、差別、ハラスメントなど)にかかわる問題が発生した場合などに、事業活動の停止・中止、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスクに加え、当社グループがサプライチェーンから外される、または当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、人権方針や人権にかかわる個別方針を策定・実行するなどサプライチェーンを含む人権尊重に取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。) ⑩ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを行っております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 法務リスク事業活動に関連して、当社グループが国内または海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告または当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、手続きの結果によっては、損害賠償金、和解金等の負担が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ システムリスクコンピュータシステムの品質不良や運用トラブルによるビジネス遂行の支障や損失、ならびにITリソースやシステムの統合管理の不十分さなどによるシステムリスクが存在します。当社グループは、システムを適切に保守・運用するため、CIOを中心とした管理体制を構築しております。重要な情報システムやネットワーク設備について、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理を行い、システムの安定運用を図っております。このように総合的なシステムの強化と事故防止に努めておりますが、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でシステムリスクが顕在化した際には、予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 情報セキュリティリスク不正なアクセスやサイバー攻撃、情報資産(紙媒体を含む)の管理ミスなどによる情報の漏洩、改ざん、破壊、紛失などにより、損失を被り、社会的評価が悪影響を受ける情報セキュリティリスクが存在します。当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、CISOを議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。また、定期的なセキュリティ遵守状況評価を通じて当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩または毀損する可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ イノベーションリスクAIの高度活用を含むDX、その他の技術革新およびビジネスモデルの変革が進展する環境下で、当社グループがこれらに適切に対応できず、取引先に提供する機能や付加価値が低下し、成長機会を逸失するリスクおよびAIガバナンスの不備に起因する情報漏洩、権利侵害等が発生するリスクがあります。これらのリスクに対して、当社グループでは、デジタル人材の育成・拡充、データ・AI活用のためのデジタル基盤の整備・構築等の推進と社会ニーズに合わせたビジネス変革の取組みを連動させる “Digital-in-All” を推進しています。さらに、社内委員会としてDX推進委員会および同委員会下にAIガバナンス分科会を設置し、DXに関する全社方針や目標に向けた体制の整備や各種施策・取組みの推進、AI特有のリスクポイントに対する統制、これらの状況のモニタリング等を行っています。しかしながら、このような取組みによっても急速なAIの進化・ビジネス構造の変革や法規制等への対応の遅延や不十分さにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的または間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルならびに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 人的資本リスク当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指し、M&A・デジタル・法務など専門性の高い人材の獲得に注力するなど、人材ポートフォリオを意識した採用を推進しています。また、キャリア採用を通じて、当社社員の年齢構成の適正化を図るほか、新卒採用では女性比率の目標を設定し、ジェンダーにかかわらず活躍できる環境の整備に取り組んでいます。人材育成に関しては、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」、「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」、「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」を重点テーマとし、事業戦略の実現に必要となる人材の育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な資質・能力を有した人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。 人的資本リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8) 人材戦略に関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。 ⑰ 品質に関するリスク当社グループは、総合商社として様々な事業を展開しています。近時、事業領域が拡大・多様化するなか、製造業やサービス業への進出も増加しています。それに伴い、品質管理体制強化の目的で、全社共通の品質管理基本方針である「双日グループ・品質管理ポリシー」を制定し、現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、全社横断組織として品質管理委員会を設置し、事業現場で提供するモノ・サービスの品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。体制の概要は下図のとおりです。 また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みを進めております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑱ レピュテーションリスク当社グループにおいて、製品やサービスの品質問題、コンプライアンス違反、情報漏洩、不正なアクセスやサイバー攻撃などの事象が発生した場合に、対象の事実はもとより、情報開示の適時性や開示内容の客観性などの不備・不足により、ステークホルダーからの当社グループへの信用やブランド価値が毀損する可能性があります。対外発信においては、開示における透明性・適時性・公平性などを確認し、一貫性のある適切な発信が行われるよう努めていますが、報道やSNSなどの情報により、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスクにも晒されております。システムの脆弱性に関しては、上記⑬の「情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努め、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや運用規程を定めて、当社グループからの適切な情報発信を行う体制を整えております。しかしながら、このような対策を講じても、運用に起因する批判・非難が集中するリスク、意図しない著作権・商標権・肖像権の侵害、取引先や顧客に限らない第三者による外部サイトやSNSに当社グループを特定しての投稿が為されるリスクがあります。情報の真偽にかかわらず、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2025|11,141 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスク管理① リスク管理の考え方当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。このため、リスクを「事業戦略及びビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、経営環境の多面的な分析とリスクの把握、戦略的対応を通じて企業価値向上に資するよう、全社的リスク管理の高度化に取り組んでおります。また、リスクの重要性を評価のうえ、適切かつ合理的な方法でリスク管理を推進しています。 ② 全社的リスク管理体制当社グループが取り組む全社的リスク管理においては、社長・CFOがメンバーを務める「内部統制委員会」(事務局:内部統制統括部)が、各種社内委員会(88ページ)とも連携しながら、方針の協議と策定、業務執行組織(第1線及び第2線)が実行するリスク管理の状況の全体俯瞰とモニタリング、並びに関係先への指示など、その枠組みを有効に機能させる主体となります。また、監査部は第3線として独立した立場で、第1線・第2線が運用しているリスク管理についての客観的な検証を行います。これらを踏まえ、内部統制委員会は、経営会議・取締役会・監査等委員会に対して、全社的リスク管理の状況について定期的に報告を行います。全社的リスク管理体制の概要は下図のとおりです。 図1:全社的リスク管理の体制 全社的リスク管理のプロセス当社グループにおける全社的リスク管理のプロセスは以下となっております。図2:全社的リスク管理のプロセス 当社グループでは、第1線(営業本部など)・第2線(コーポレート)の各部署において、外部環境、経営戦略、業務プロセスなど、将来予想によるものも含めて網羅的にリスクを検討、識別しています。識別されたリスクについては、影響度と発生可能性による2軸評価によって重要度を測定し、内部統制委員会における協議と取締役会への報告を経て、リスク対応方針を決定しています。このリスク対応方針に沿って、第1線(営業本部など)では、業務執行におけるリスクについての自律的コントロールを行う一方、第2線(コーポレート)では、担当するリスクに関連して経常的に実施する管理業務のほか、第1線への支援やモニタリング、PDCA管理も含めた継続的レビューを行います。第1線及び第2線が行うリスク管理活動については、内部統制委員会がモニタリングし、リスクの重要度に応じて有効性評価を実施したうえで、経営会議・取締役会・監査等委員会に報告を行います。昨今の外部環境や事業領域の変化を踏まえ、個々のリスクをサプライチェーン全体で捉え、突発的なリスク発現時の影響度合いの把握や、機動的な対応を通じた、レジリエンス(回復力)強化に取り組んでおります。地政学リスク、災害リスクそれぞれについては想定するシナリオを策定し、営業本部・コーポレートとの対話並びに経営会議での議論を通じて、リスク発現時の対応策などを確認しております。また、不正なアクセスやサイバー攻撃への対策の強化にも重点的に取り組んでおります。さらに、リスク・リターンを踏まえた事業投資マネジメントを行うことで、当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。 (2) 個別のリスクについて当社グループの事業に関しては以下のようなものがあります。このほか、当社グループ資産が晒されるリスクを「リスクアセット」として計測管理し、この結果をリスクに対する収益性や、財務の健全性を維持するための指標として活用し、リスクをコントロールしています。リスクアセットは自己資本の1倍以内に収めることを目標としており、2025年3月末のリスクアセットは自己資本の0.7倍であります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 地政学リスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、特定国・地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりにより、従業員、物資、資本、情報などの経営資源が危険に晒されたり、貿易・投資、その他の自由な経済活動が阻害されたりする可能性があります。こうした地政学リスクの高まりによる不確実な情勢に対応するため、特定国・地域における取引内容やビジネスへの影響を確認するとともに、調査・分析及び研修を通じて、有事の際に適切な対応がとれるよう努めております。また、安全保障貿易管理委員会を中心に各国の外交政策、制裁措置、武力紛争などの外部環境変化へ柔軟に対応しております。しかしながら、全ての地政学リスクを回避することは困難であり、経営資源に影響を与える事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクに晒されております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 1)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクに晒されております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間8億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 2)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2025年3月末の当社グループの有利子負債残高は1兆864億73百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.35%、1年内返済予定の長期借入金は2.43%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.80%となっております。 3)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額と最大損失額を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額が最大損失額の90%に抵触した場合、最大損失額の範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 4)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 信用リスク当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残並びに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業投資リスク当社グループは、様々な事業領域において事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。実行済の事業投資案件については、毎年、モニタリング・撤退該否判定として、ROIC(Return on Invested Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Invested Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。モニタリング・撤退該否判定に関する概要は下図のとおりです。図:モニタリング・撤退該否判定このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、当社グループが保有するのれん及び固定資産などの価値が毀損し、減損損失が発生する、又は当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達リスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・気候変動リスク当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境・気候変動などにかかわる問題が発生した場合、又は環境団体を含む様々な主体から環境にかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、当社グループの社会的評価の低下、事業活動の停止・中止、訴訟や損害賠償などの負担、サプライチェーンからの除外などが生じるリスクがあります。また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、環境・気候変動への対応の一環として脱炭素社会への実現に取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティに関する基本方針 リスク管理(23ページ)」を併せてご参照ください。) ⑨ 人権リスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっております。当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は人権保護団体などから労働安全衛生、人権などにかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスク、当社グループがサプライチェーンから外される、又は当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、人権方針や人権にかかわる個別方針を策定・実行するなどサプライチェーンを含む人権尊重に取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティに関する基本方針 リスク管理(23ページ)」を併せてご参照ください。) ⑩ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 法務リスク事業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ システムリスクコンピュータシステムの品質不良や運用トラブルによるビジネス遂行の支障や損失、並びにITリソースやシステムの統合管理の不十分さなどによるシステムリスクが存在します。当社グループは、システムを適切に保守・運用するため、チーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)を中心とした管理体制を構築しております。重要な情報システムやネットワーク設備について、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理を行い、システムの安定運用を図っております。このように総合的なシステムの強化と事故防止に努めておりますが、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でシステムリスクが顕在化した際には、予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 情報セキュリティリスク不正なアクセスやサイバー攻撃、情報資産(紙媒体を含む)の管理ミスなどによる情報の漏洩、改ざん、破壊、紛失などにより、損失を被り、社会的評価が悪影響を受ける情報セキュリティリスクが存在します。当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。また、定期的なセキュリティリスクアセスメントを通じて当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損する可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 人的資本リスク当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指し、M&Aやデジタル人材など専門性の高い人材の獲得に注力するなど、人材ポートフォリオを意識した採用を推進しています。また、キャリア採用の強化を通じて、当社社員の年齢構成の適正化を図るほか、新卒・キャリア採用ともに女性比率の目標を設定し、ジェンダーに関わらず適材適所で活躍できる環境の整備に取り組んでいます。人材育成に関しては、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」、「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」、「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」を重点テーマと置き、経営人材、デジタル人材、外国人人材など、事業戦略の実現に必要となる人材の育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な資質・能力を有した人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。 人的資本リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人材戦略に関する基本方針 リスク管理(39ページ)」を併せてご参照ください。 ⑯ 品質に関するリスク当社グループは、総合商社として様々な事業を展開しています。近時、事業領域が拡大・多様化するなか、製造業やサービス業への進出も増加しています。それに伴い、品質管理体制強化の目的で、全社共通の品質管理基本方針である「双日グループ・品質管理ポリシー」を制定し、現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、全社横断組織として品質管理委員会を設置し、事業現場で提供するモノ・サービスの品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。体制の概要は下図のとおりです。図:品質管理モニタリング体制図 また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みをしております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ レピュテーションリスク当社グループにおいて、製品やサービスの品質問題、コンプライアンス違反、情報漏洩やセキュリティ侵害などの事象が発現した場合に、発生した事実はもとより、情報開示の適時性や開示内容の客観性などの不備不足により、ステークホルダーからの当社グループへの信用やブランド価値が毀損する可能性があります。対外発信においては、開示における透明性・適時性・公平性などを確認し、一貫性のある適切な発信が行われるよう努めていますが、報道やSNSなどの情報により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスクに晒されております。システムの脆弱性に関しては、上記⑬の「情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努め、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや運用規程を定め、当社グループからの適切な情報発信を行う体制を整えておりますが、このように情報発信内容と運用における対策をもちましても、運用に起因する批判・非難の集中や意図しない著作権・商標権・肖像権の侵害、取引先や顧客に限らない第三者による外部サイトやSNSに当社グループを特定しての投稿が為されるケースもあり得ます。情報の真贋によらず、その内容と発信媒体あるいは時期により影響度は異なり、それを事前に予測することはできないものの、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|9,679 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクにさらされております。また、ロシアのウクライナへの軍事侵攻の長期化や、デジタル化の加速、価値観・ニーズの多様化など、外部環境は著しく変化し続けており、常に、新たなリスクへの対応が必要であると考えております。特に、当社グループのみならず、仕入先、販売先、業務委託先などを含めたサプライチェーン全体でリスクを捉え、準備、対応することも重要と認識しております。 当社グループは、2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」において、このような著しい事業環境の変化を機会と捉え、事業やビジネスモデルを変革し続けることを目指し、企業価値向上に向けた各種施策に取り組んできました。こうした中、内部統制の基本的な考え方である3線ディフェンス(第1線:営業本部、第2線:コーポレート、第3線:監査部)における第1線、及び第2線のリスクマネジメント力の強化や、当社グループ全体のリスク評価・可視化等に関し、経営における議論を進めてきました。 当社グループでは、「リスク管理基本規程」に則り、社長管下の業務執行機関である内部統制委員会が、全社を俯瞰し、業務遂行に伴う様々なリスクを認識・分類・定義した上で、新たな事業や環境の変化により生じるリスクの確認と対応の検討を継続的に行っております。これらのリスクについては、リスクテーマごとに細分化、網羅的な把握、重要性評価がなされた上で、各々のリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、PDCAサイクルを展開しております。また、内部統制委員会がその進捗を四半期ごとにモニタリングし、必要に応じて改善施策の協議、担当部署への指示を行うほか、結果を経営会議、取締役会に報告しております。取締役会は、定例報告などを通じてリスク管理運営状況を監督し、リスク管理体制・プロセスの実効性を評価しております。 <リスク管理基本規程におけるリスク管理PDCA活動のイメージ図> また、昨今の外部環境や事業領域の変化を踏まえ、サイバーセキュリティ、安全保障貿易管理及びBtoCビジネスに対するリスク対応について、重要性を鑑みた管理体制強化に努めるほか、個々のリスクをサプライチェーン全体で捉え、突発的なリスク発現時の影響度合いの把握や、機動的に対応を通じた、レジリエンス(回復力)強化に取り組んでおります。2023年度には、地政学リスク、災害リスク、環境・人権リスクそれぞれについてシナリオを策定し、営業本部・コーポレートとの対話並びに経営会議での議論を通じて、リスク発現時の対応策などを確認しております。 なお、当社グループ資産が晒されるリスクをリスクアセットとして市場、事業、信用、カントリーの4つのカテゴリーで計測し、リスクに対する収益性を確認する指標として活用するほか、財務の健全性を維持すべく自己資本の1倍以内に収めることを目標としております。2024年3月末のリスクアセットは自己資本の0.6倍であります。 当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、適切なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらの全てのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 (1) マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 ①為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間7億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間2億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 ②金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2024年3月末の当社グループの有利子負債残高は9,067億4百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.87%、1年内返済予定の長期借入金は2.70%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.90%となっております。 ③商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とMax Loss Amount(MLA)を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がMLAの90%に抵触した場合、MLAの範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 ④上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。「中期経営計画2023」においては、2020年12月末現在の政策保有株式を半減させる方針のもと着実に売却を進め、当初の計画どおり実行いたしました。「中期経営計画2026」においても前中計と同様、保有する上場株式の個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続する方針です。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 信用リスク当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残並びに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 事業投資リスク当社グループは、様々な事業領域において企業買収や新規事業会社設立といった事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。実行済の事業投資案件については、投資案件ごとにROIC(Return on Investment Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Investment Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、当社グループが保有するのれん及び固定資産等の価値が毀損し、減損損失が発生する、又は当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 資金調達リスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 環境・社会(人権)リスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっておりますが、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境問題や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は環境・人権保護団体などから環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化費用の支出、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスク、当社グループがサプライチェーンから外される、又は当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。当社グループは、長期ビジョンとしてサステナビリティ チャレンジを策定し、環境方針や人権方針などの個別の方針も策定して、これらの環境・社会(人権)リスクに対応すべく、取り組んでおります。 環境・社会(人権)リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ チャレンジ リスク管理(23ページ)」を併せてご参照ください。 (8) コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 法務リスク事業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)システム・情報セキュリティリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。さらに、2021年度から取り組んでいる本社、子会社のセキュリティリスクアセスメントを当期も実施し、必要に応じたセキュリティ対策の指導を行いました。本取り組みは毎年繰り返し、PDCAを通じた継続的な対応改善を図ると共に、当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11)災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、サプライチェーンへの影響の可視化と保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスク及び運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記(10)の「システム・情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努めております。また、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや規程類に基づき、ウェブサイト・SNSを保有する組織ごとに、投稿に関する事前承認手続きやウェブサイトの定期見直しなどをルール化、明文化することを義務づけております。しかしながら、このような取り組みによっても、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13)品質に関するリスク当社グループでは、事業投資の実行に伴い、事業領域が拡大・多様化しており、製造業やサービス業への進出も増加しています。これに伴い、全社に共通する品質管理の基本方針を「双日グループ・品質管理ポリシー」として制定し、これに基づく現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、提供するモノ・サービスの品質を適切に管理する全社横断組織として品質管理委員会を設置し、下図に示すように、事業現場での品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。 <品質管理モニタリング体制図> また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みをしております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14)人材リスク当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、人材ポートフォリオを意識した、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指したM&Aやデジタル人材など専門性の獲得を目的としてキャリア採用に力を入れています。2023年度のキャリア採用人数は47名(採用目標人数:新卒採用100名、キャリア採用40名~50名)となり、キャリア採用の強化を通じて、30代から40代前半が少ない当社社員の年齢構成の適正化を図っております。人材育成に関しては、多様性と自律性を備える「個」の集団形成を目指す人材戦略の中で、経営人材、デジタル人材、外国人人材など事業戦略の実現に必要となる人材育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。 人材リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人材戦略に関する基本方針 リスク管理(36ページ)」を併せてご参照ください。
FY2023|10,446 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクにさらされております。また、ロシアのウクライナ侵攻といった世界情勢の不確実性の高まりや、デジタル化の加速、価値観・ニーズの多様化など、外部環境は著しく変化し続けており、常に、新たなリスクへの対応をする必要があると考えております。特に、当社グループのみならず、仕入先、販売先、業務委託先などを含めたサプライチェーン全体でリスクを捉え、準備、対応することも重要と認識しております。このようなリスク・著しい変化を機会と捉え、事業やビジネスモデルを変革し続けることを目指し、当社グループは、2023年度を最終年度とする中期経営計画2023において企業価値向上に向けた各種施策に取り組んでおります。全社レベルでのリスク管理として、「リスク管理基本規程」に則り、社長管下の業務執行機関である内部統制委員会が、業務遂行に伴う様々なリスクを認識・分類・定義した上で、新たな事業や環境の変化により生じるリスクの確認と対応の検討を継続的に行っております。リスクについては、リスクテーマ毎に細分化、網羅的な把握がなされた上で、各々のリスク項目毎に任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、これに基づくPDCAサイクルを展開しております。リスク管理運営計画の進捗は、四半期毎に内部統制委員会がモニタリングを行い、必要に応じて改善施策の協議、担当部署への指示を行っております。また、モニタリング結果は、四半期毎に経営会議、取締役会に報告されます。取締役会では、リスク管理に関する重要事項の付議、定例報告などを通じてリスク管理運営状況の監督及びリスク管理体制・プロセスの実効性を評価しております。また、期中で新たなリスクが識別された場合には、リスク管理体制、対応状況の確認を行うことで、リスク対応の検証を行っております。なお、当社グループのリスクのうち、市場、事業、信用、カントリーの4つのリスクについては、リスクアセットを計測し、リスクに対する収益性を確認する指標として活用するほか、財務の健全性を維持すべくリスクアセットを自己資本の1倍以内に収めることを目標としております。2023年3月末のリスクアセットは自己資本の0.6倍であります。 また、中期経営計画2023において、内部統制の基本的な考え方である3線ディフェンス(第1線:営業本部、第2線:コーポレート、第3線:監査部)における第1線、及び第2線のリスクマネジメント力の強化に加え、新たな事業領域への参画に伴い発現するリスクへの対応強化を進めております。期中で新たなリスクが識別された場合には、都度全社的なリスク体制、対応状況の確認を3線ディフェンスの考え方に基づき行うことで、リスク対応の検証を実施しております。 具体的には、研修、eラーニングなどによる業務管理の最前線を担う営業本部管理職のリスクマネジメント意識の向上や組織毎にリスクポイントをチェックする自己点検を実施することにより、全社員へリスクの重要性についての意識を浸透させております。また、昨今における外部環境や事業領域の変化を踏まえサイバーセキュリティ、安全保障貿易管理及びBtoCビジネスに対するリスク対応について、重要性を鑑みた管理体制強化に努めております。2022年4月には、リスクの多様化やサプライチェーンの広がりに対応するため、トレード事業におけるリスク管理組織を再編し、サプライチェーンリスク管理部を設置しております。同部では、個々のリスクをサプライチェーン全体で捉え、突発的なリスク発現時においても速やかに影響度合いを把握し、機動的に対応することを通じた、レジリエンス(回復力)強化に取り組んでおります。2022年度には、地政学的リスク、災害リスク、品質リスク、環境・人権リスクそれぞれについてシナリオを策定し、営業本部・コーポレートとの対話並びに経営会議での議論を通じて、リスク発現時の対応策などを確認しております。また、環境変化のスピードが加速し、企業を取り巻くリスクが多様化していることなどから、従前以上に問題発生から解決までの対応・判断スピードが重要性を増しております。そのため、必要な経営判断を迅速に行い、リスクが拡大する可能性を最小化することを目的として、現場から経営への第一報を上げる報告プロセスと体制を整備しております。 当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、適切なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらの全てのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 (1) マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐に亘っており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 ① 為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間7.5億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 ② 金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2023年3月末の当社グループの有利子負債残高は8,837億4百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は4.48%、1年内返済予定の長期借入金は2.79%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.62%となっております。 ③ 商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐に亘る商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位毎にポジション(ロング・ショート)限度額とMax Loss Amount(MLA)を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がMLAの90%に抵触した場合、MLAの範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 ④ 上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。中期経営計画2023において、2020年12月末比で2024年3月末までに政策保有株式を半減させるという方針のもと、実行時期も含めた具体的な売却計画を策定し、計画に基づく着実な売却を実行しております。また、引き続き保有する上場株式については、個別銘柄毎の保有意義の見直しを毎年実施しております。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 信用リスク当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先毎に取引限度を設定し、債権残並びに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 事業投資リスク当社グループは、様々な事業領域において企業買収や新規事業会社設立といった事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。実行済の事業投資案件については、投資案件毎にROIC(Return on Investment Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Investment Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、事業投資先で損失が発生する、又は当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件毎にカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域毎にカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。また、当年度は、特定地域におけるリスク発現シナリオを検討・協議し、当社の取引、並びに経営への影響度を確認しました。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及び使用権資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 資金調達リスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 環境・社会(人権)リスク当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範に亘っておりますが、その当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境問題や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は環境・人権保護団体などから環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化費用の支出、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスク、当社グループがサプライチェーンから外される、又は当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。当社グループは、長期ビジョンとしてサステナビリティ チャレンジを策定し、環境方針や人権方針などの個別の方針も策定して、それらの環境・社会(人権)リスクに対応しております。 環境・社会(人権)リスクについては、第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ チャレンジ リスク管理(22ページ)を併せてご参照ください。 (9) コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲に亘っております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 法務リスク事業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) システム・情報セキュリティリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。当期からは、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、従来から本社中心に取り組んでいたセキュリティ対策をグループ全体に展開しております。さらに、2021年度から取り組んでいる本社、子会社のセキュリティリスクアセスメントを当期も実施し、必要に応じたセキュリティ対策の指導を行いました。本取り組みは毎年繰り返し、PDCAを通じた継続的な対応改善を図ると共に、当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施してまいります。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、サプライチェーンへの影響の可視化と保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスク及び運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記(11)の「システム・情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努めております。また、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや規程類に基づき、ウェブサイト・SNSを保有する組織毎に、投稿に関する事前承認手続きやウェブサイトの定期見直しなどをルール化、明文化することを義務づけております。しかしながら、このような取り組みによっても、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) 品質に関するリスク当社グループでは、事業投資の実行に伴い、事業領域が拡大・多様化しており、製造業やサービス業への進出も増加しています。これに伴い、全社に共通する品質管理の基本方針を「双日グループ・品質管理ポリシー」として制定し、これに基づく現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、提供するモノ・サービスの品質を適切に管理する全社横断組織として品質管理委員会を設置し、下図に示すように、事業現場での品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。 また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みをしております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。なお、当年度は、個別取引のリスク発現シナリオを検討し、想定される損害や保険などによるヘッジ状況を確認しました。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15) 人材リスク当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、人材ポートフォリオを意識した、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指したM&Aやデジタル人材など専門性の獲得を目的としてキャリア採用に力を入れています。2022年度のキャリア採用人数は40名(採用目標人数:新卒採用100名、キャリア採用40名~50名)となり、キャリア採用の強化を通じて、30代から40代前半が少ない当社社員の年齢構成の適正化を図ります。人材育成に関しては、多様性と自律性を備える「個」の集団形成を目指す人材戦略の中で、経営人材、デジタル人材、外国人人材など事業戦略の実現に必要となる人材育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。 人材リスクについては、第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人材戦略に関する基本方針 リスク管理(33ページ)を併せてご参照ください。
FY2022|9,594 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクにさらされております。また、世界情勢の不確実性の高まり、デジタル化の加速、価値観・ニーズの多様化など、外部環境は著しく変化し続けており、常に、新たなリスクへの対応をする必要があると考えております。このようなリスク・著しい変化を機会と捉え、事業やビジネスモデルを変革し続けることを目指し、当社グループは、2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」において企業価値向上に向けた各種施策に取り組んでおります。こうした中で、「リスク管理基本規程」に則り、当社を取り巻くリスクを分類・定義した上で各々のリスク項目毎に任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定します。リスク管理運営の進捗、改善状況及びモニタリング結果は、四半期毎にCFOが委員長を務める内部統制委員会を介し、経営会議、取締役会に報告され、取締役会では、リスク管理に関する重要事項の付議、定例報告などを通じてリスク管理運営状況の監督を行っています。また、期中で新たなリスクが識別された場合には、リスク体制、対応状況の確認を行うことで、リスク対応の検証を実施しています。分類したリスクのうち、定量化が可能なリスク(市場リスク、信用リスク、事業投資リスク、カントリーリスク)に関しては、リスク量(リスクアセット)を四半期毎に計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、定量化が困難なリスク(資金調達リスク、環境・社会(人権)リスク、コンプライアンスリスク、法務リスク、システム・情報セキュリティリスク、災害等リスク、ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク、品質に関するリスクなど)についても、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらの全てのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐に亘っており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間5億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で15億円程度の影響があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年3月末の当社グループの有利子負債残高は1兆527億24百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は0.71%、1年内返済予定の長期借入金は1.80%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は0.97%となっております。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐に亘る商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位毎にポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。「中期経営計画2023」において、より一層の政策保有株式の縮減を進めることとしており、2020年12月末比で2024年3月末までに政策保有株式を半減させるという方針のもと、実行時期も含めた具体的な売却計画を策定し、計画に基づく着実な売却を実行しております。また、引き続き保有する上場株式については、個別銘柄毎の保有意義の見直しを毎年実施しております。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先毎に客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先毎の取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動の1つとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで株主価値の向上及び損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、株主価値を創造し続け、撤退・整理損を最小化する目的で、モニタリング・撤退基準に基づき、資本コストを超過していない事業を選別し、適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画どおりに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件毎にカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域毎にカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及び使用権資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達リスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・社会(人権)リスク当社グループは、サステナビリティ重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を掲げ、脱炭素社会実現への貢献、サプライチェーン上の人権配慮に取り組んでいます。このほか、環境方針、サプライチェーンCSR行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知を行っています。事業活動に伴い生ずる環境・社会(人権)リスクについては、国連のビジネスと人権に関する指導原則のフレームワークに基づき、商材や事業形態の特性を踏まえたリスク評価を行い低減に努めています。当社グループの事業の中でも特にリスクが高い事業分野を特定すると共に、一般的に、サプライチェーン全体においてどこで環境・人権リスクが発生しやすいかを分析・確認することが重要であり、商材や事業形態の特性を踏まえたリスク評価を行い低減に努めています。特定した高リスク事業分野については、当社グループ会社のみならずサプライチェーンにおけるリスクの該否及び対応について確認し、その上で、外部専門家の意見も聴取し、さらに強化・改善すべき部分の洗出しを行うなど、PDCAを通じた継続的な対応改善を図っています。加えて、投融資案件の審議過程においては、当該事業の環境・社会(人権)リスクの確認に加え、そうしたリスクが、将来の事業の持続性に及ぼす影響についても議論しています。また、地球環境や生物多様性、ひいては社会システムや企業活動にも大きな影響を及ぼす気候変動リスクについては、パリ協定を踏まえた国内外の脱炭素に向けた政策や規制などの動向のほか、産業別の温室効果ガス排出量の多寡、代替的な技術動向などを注視すると共に、当社グループの各事業におけるCO2排出リスクを把握、評価しています。なお、気候関連の「リスク」と「機会」が当社事業に与える影響についてはサステナビリティ委員会などで討議・確認すると共に、TCFDの提言に沿って分析を行った上で、方針・目標を策定し、当社グループのみならず、サプライチェーン上のCO2量(Scope3)などの把握にも取り組んでおり、積極的な情報開示と透明性向上に努めています。気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの「移行リスク」については、CO2排出リスクが高いと想定され、当社グループの事業活動、経営戦略、財務計画にもたらす影響がより大きいと考えられる事業分野についてシナリオ分析を順次行い、財務への影響を分析した上で、方針を策定し、具体的な対応を行っております。また、気温上昇により洪水などの被害が増加する「物理的リスク」については、まず、洪水や干ばつなど、主に「水」に関するリスクに注目し精査を行っています。 <脱炭素対応方針>●既存事業(1)Scope1とScope2の目標・Scope1、Scope2の合計:2030年までに6割削減、2050年までにネットゼロ *1(うち、Scope2は、2030年までにネットゼロ *2)・石炭火力発電:現在保有無し。今後も保有しない。*1 *2 2019年度を基準年として、単体及び連結子会社が対象。証書などによるオフセットを含む。取り組みを加速するために、インターナルカーボンプライスの導入を検討。 (2)Scope3(資源権益事業)関連の目標・一般炭権益 :2025年までに半分以下、2030年までにゼロ *3・石油権益 :2030年までにゼロ・原料炭権益 :2050年までにゼロ*3 2018年度末を基準とした権益資産の簿価ベース。公表済みの「2030年までに半分以下にする」 目標を前倒し。 (3)Scope4/削減貢献量・脱炭素社会への移行を「機会」と捉え、Scope4の増加を図る。まずは計測と把握に努め、将来の目標の設定を 検討。 ●新規事業今後手掛ける新規事業においても2050年までのネットゼロを目指します。 しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などに係る問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲に亘っております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 法務リスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ システム・情報セキュリティリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会(2022年4月より情報・ITシステムセキュリティ委員会に改組)などを中心とした管理体制を構築しているほか、当期よりチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を設置し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。特に、リモートワークが一定程度定着した当期においては、サイバー攻撃を早期に検知することで影響を抑え込むためのソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練の国内・海外の子会社への実施拡大など、セキュリティ対策に重点的に取り組んでおります。また、当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化した上で、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策計画を策定するため、外部専門機関とも協力し、本社・子会社のセキュリティリスクアセスメントを実施しました。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症に関しては、社内外における感染予防・感染拡大防止とグループ従業員・ステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、政府の方針・行動計画・要請に基づき各種対応策を講じております。具体的には、時差通勤・テレワークの実施、有給休暇取得の推奨、出張規制の強化、会議・イベント実施に関する規制強化、海外から日本への渡航者に対する自宅待機措置、事業所内の感染防止策の周知、健康推進室でのグループ従業員の健康状態の把握・管理、感染者が発生した場合の対策の周知を実施し、グローバルネットワークを通じた動向の把握と各地の状況に応じた退避指示などの対策を行っております。 ⑬ ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんや収集した個人情報の流出リスク及び運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記⑪にて記載のとおり、合理的な範囲内で可能な限りの安全対策に努めております。運用に関しては、投稿に関する事前承認やウェブサイトの定期見直しなどのルール化を義務付け、ウェブサイト・SNSを保有する組織毎に明文化し運用しておりますが、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 品質に関するリスク当社グループは、事業投資の実行に伴い、事業領域を拡大・多様化しており、製造業やサービス業への進出も増加しています。こうした中、当社では品質管理委員会を設置し、提供するモノ・サービスの品質を全社横断的に管理する体制を整えております。また、多岐に亘る事業領域があり個々に取り組む管理手法が多様であっても、全社に共通する品質管理の基本方針を「双日グループ・品質管理ポリシー」として制定し、グループ全役職員の品質管理意識の醸成に取り組み、実践しています。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|8,500 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングした上で管理状況を経営に報告しています。分類したリスクのうち、定量化が可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、定量化が困難なリスク(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害等リスク、システムリスク等)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間5億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間2.5億円程度、自己資本で15億円程度の影響があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2021年3月末の当社グループの有利子負債残高は9,083億34百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は0.99%、1年内返済予定の長期借入金は1.50%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.00%となっております。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式に関しては、毎年実施している個別銘柄毎の保有意義の見直しに加え、資本効率向上の観点から上場株式の売却を更に進めることとしておりますが、大幅に株価が下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及び使用権資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・社会(人権)に関するリスク当社グループは、サステナビリティ重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を掲げ、脱炭素社会実現への貢献、サプライチェーン上の人権配慮に取り組んでいます。このほか、環境方針、サプライチェーンCSR行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知を行っています。事業活動に伴い生ずる環境・社会(人権)リスクについては、商材や事業形態の特性を踏まえたリスク評価を行い低減に努めています。加えて、投融資の審議過程においては、当該事業の環境・社会(人権)リスクの確認に加え、そうしたリスクが、将来の事業の持続性に及ぼす影響についても議論しています。また、地球環境や生物多様性、ひいては社会システムや企業活動にも大きな影響を及ぼす気候変動リスクについては、パリ協定を踏まえた国内外の脱炭素に向けた政策や規制などの動向のほか、産業別の温室効果ガス排出量の多寡、代替的な技術動向などに注視すると共に、当社グループの各事業におけるCO2排出リスクを把握、評価しています。また、気候関連の「リスク」と「機会」が当社事業に与える影響についてはサステナビリティ委員会等で討議・確認すると共に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿って、当社グループの事業活動、経営戦略、財務計画にもたらす影響がより大きいと考えられる事業分野について、順次シナリオ分析を行い、財務への影響を分析しています。特に、CO2排出リスクが高いと想定される事業分野については、方針を策定し、具体的な対応を行っております。 <脱炭素対応方針>●既存事業(1)SCOPE1とSCOPE2の目標・SCOPE1、SCOPE2の合計:2030年までに6割削減、2050年までにネットゼロ *1(内、SCOPE2は、2030年までにネットゼロ *2)・石炭火力発電:現在保有無し。今後も保有しない。*1 *2 2018年度を基準年として、単体および連結子会社が対象。証書などによるオフセットを含む。取り組みを加速するために、インターナルカーボンプライスの導入を検討。 (2)SCOPE3(資源権益事業)の目標・一般炭権益 :2025年までに半分以下 *3、2030年までにゼロ *4・石油権益 :2030年までにゼロ・原料炭権益 :2050年までにゼロ*3 2018年を基準とした権益資産の簿価ベース。*4 公表済みの「2030年までに半分以下にする」目標を前倒し。 ●新規事業今後手掛ける新規事業においても2050年までのネットゼロを目指します。 しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などに係る問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 災害等に関するリスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症に関しては、社内外における感染予防・感染拡大防止とグループ従業員・ステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、政府の方針・行動計画・要請に基づき各種対応策を講じております。具体的には、時差通勤・テレワークの実施、有給休暇取得の推奨、出張規制の強化、会議・イベント実施に関する規制強化、海外から日本への渡航者に対する自宅待機措置、事業所内の感染防止策の周知、健康推進室でのグループ従業員の健康状態の把握・管理、感染者が発生した場合の対策の周知を実施し、グローバルネットワークを通じた動向の把握と各地の状況に応じた退避指示などの対策を行っております。 ⑬ ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんや収集した個人情報の流出リスク、及び、運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記⑪にて記載の通り、合理的な範囲内で可能な限りの安全対策に努めております。運用に関しては、投稿に関する事前承認やウェブサイトの定期見直しなどのルール化を義務付け、ウェブサイト・SNSを保有する組織ごとに明文化し運用しておりますが、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 品質に関するリスク当社グループは、事業投資の実行により、事業領域を拡大・多様化しています。製造業やサービス業への進出も増加しており、製造・提供する製品・サービスの品質を管理する体制を整えております。しかしながら、予期し得ない品質問題が発生した場合には、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ イノベーションに関するリスク当社グループは、総合商社として多岐にわたる事業領域でビジネスを行っております。デジタル革命・新技術によるビジネスモデル変革への対応、並びに、全社の業務効率向上に取り組んでおりますが、急速な技術革新などによる産業構造の急激な変化が起きた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2023」に関するリスク「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
FY2020|8,411 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングした上で年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、定量化が可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、定量化が困難なリスク(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害等リスク、システムリスク等)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間5億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間2.5億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年3月末の当社グループの有利子負債残高は8,932億58百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は1.57%、1年内返済予定の長期借入金は1.40%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.22%となっております。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式に関しては、毎年、個別の銘柄毎に保有意義の見直しを行っておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。 事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。 新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及び使用権資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・社会(人権)に関するリスク当社グループは、サステナビリティ重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、環境方針、サプライチェーンCSR行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知やリスク評価・改善の取り組みなどを通じ、事業活動に伴い生ずる環境・社会(人権)リスクの低減に努めています。投融資の審議過程においては、当該事業の環境・社会(人権)リスクの確認に加え、そうしたリスクが、将来の事業の持続性に及ぼす影響についても議論しています。また、地球環境や生態系、ひいては社会システムや企業活動に大きな影響を及ぼす気候変動に伴うリスクについては、パリ協定を受けた国内外の低炭素・脱炭素に向けた政策や規制などの動向に注視すると共に、産業別の温室効果ガス排出量の多寡、代替的な技術動向及び政策・規制面での動向など第三者による外部調査も活用し、当社グループが行う各事業におけるCO2排出リスクを評価し、当社グループの関連する事業における影響を分析しております。また、定期的に開催する本部と経営陣とのミーティングにおいても気候関連の「リスク」と「機会」が当社事業に与える影響について討議・確認すると共に、当社グループの事業活動、経営戦略、財務計画にもたらす影響がより大きいと考えられる事業分野については、順次シナリオ分析を行い、財務への影響を分析しています。特に、CO2排出リスクが高いと想定される石炭権益事業や発電事業に関しては、以下の方針を2019年5月に策定し、具体的な対応を行っております。<石炭権益事業及び石炭火力発電事業に関する取り組み方針>・2030年までに一般炭権益資産を半分以下にする。・原則、一般炭権益の新規取得は行わない。・石炭火力発電事業の新規取り組みは行わない。 しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などに係る問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 災害等に関するリスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、社内外における感染予防・感染拡大防止とグループ従業員・ステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に、政府の方針・行動計画・要請に基づき各種対応策を講じております。具体的には、時差通勤・テレワークの実施、有給休暇取得の推奨、出張規制の強化、会議・イベント実施に関する規制強化、海外から日本への渡航者に対する自宅待機措置、事業所内の感染防止策の周知、健康推進室でのグループ従業員の健康状態の把握・管理、感染者が発生した場合の対策の周知を実施し、グローバルネットワークを通じた動向の把握と各地の状況に応じた退避指示などの対策、世界レベルでのマスクの融通などの対策を行っております。 ⑬ ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんや収集した個人情報の流出リスク、及び、運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記⑪にて記載の通り、合理的な範囲内で可能な限りの安全対策に努めております。運用に関しては、投稿に関する事前承認やウェブサイトの定期見直しなどのルール化を義務付け、ウェブサイト・SNSを保有する組織ごとに明文化し運用しておりますが、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 品質に関するリスク当社グループは、事業投資の実行により、事業領域を拡大・多様化しています。製造業やサービス業への進出も増加しており、製造・提供する製品・サービスの品質を管理する体制を整えております。しかしながら、予期し得ない品質問題が発生した場合には、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ イノベーションに関するリスク当社グループは、総合商社として多岐にわたる事業領域でビジネスを行っております。デジタル革命・新技術によるビジネスモデル変革への対応、並びに、全社の業務効率向上に取り組んでおりますが、急速な技術革新などによる産業構造の急激な変化が起きた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2020」に関するリスク「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。なお、「中期経営計画2020」の最終年度である2020年度におきましては、当期純利益750億円以上とすることを目標としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による世界経済の減速が見込まれることから、2020年3月末時点において当社が把握している情報を基に、足元の状況が3ヶ月(2020年6月まで)継続する前提で見通しを策定しており、当期純利益は400億円を見込んでおります。今後の実際の感染拡大の収束時期や、内外主要市場の経済環境、為替相場の変動など様々な要因により、実際の業績等は大きく変動する可能性があります。
FY2019|7,118 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングした上で年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、定量化が可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、定量化が困難なリスク(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害等リスク、システムリスク等)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式に関しては、毎年、個別の銘柄毎に保有意義の見直しを行っておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。 事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。 新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・社会(人権)に関するリスク当社グループは、サステナビリティ重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、環境方針、サプライチェーンCSR行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知やリスク評価・改善の取り組みなどを通じ、事業活動に伴い生ずる環境・社会(人権)リスクの低減に努めています。また、地球環境や生態系、ひいては社会システムや企業活動に大きな影響を及ぼす気候変動に伴うリスクについては、パリ協定を受けた国内外の低炭素・脱炭素に向けた政策や規制等の動向に注視すると共に、当社グループの関連する事業における影響を分析しております。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などに係る問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ ウェブサイト・SNSを介した企業情報発信に関するリスク当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんや収集した個人情報の流出リスク、及び、運用に起因する批判・非難の集中や著作権・商標権・肖像権の侵害リスクにさらされております。システムの脆弱性に関しては、上記⑪にて記載の通り、合理的な範囲内で可能な限りの安全対策に努めております。運用に関しては、投稿に関する事前承認やウェブサイトの定期見直し等のルール化を義務付け、ウェブサイト・SNSを保有する組織ごとに明文化し運用しておりますが、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループの信用やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 品質に関するリスク当社グループは、事業投資の実行により、事業領域を拡大・多様化しています。製造業やサービス業への進出も増加しており、製造・提供する製品・サービスの品質を管理する体制を整えております。しかしながら、予期し得ない品質問題が発生した場合には、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ イノベーションに関するリスク当社グループは、総合商社として多岐にわたる事業領域でビジネスを行っております。デジタル革命・新技術によるビジネスモデル変革への対応、並びに、全社の業務効率向上を促進するため、ビジネスイノベーション推進室を設置しました。しかしながら、急速な技術革新等による産業構造の急激な変化が起きた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2020」に関するリスク「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
FY2018|6,292 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、計測が可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的或いは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、特に上場株式に関しては保有意義を定期的に確認しておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出したうえで、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。 事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。 新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・社会(人権)に関するリスク当社グループは、サステナビリティに関わる重要課題(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を特定すると共に、環境方針、CSRサプライチェーン行動指針、人権方針などを定め、グループ内での遵守・徹底、サプライヤーへの当社方針の周知などを通じ、事業活動に伴い生ずる環境、社会(人権)リスクの軽減に努めています。また、パリ協定など国内外の低炭素・脱炭素に向けた規制動向にも注視しています。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2020」に関するリスク「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
FY2017|6,637 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っております。分類したリスクのうち、計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しております。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理しております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的或いは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、特に上場株式に関しては保有意義を定期的に確認しておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出したうえで、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社は、100%子会社のSojitz Graos Brasil Participacoes Ltda.を通じて、ブラジルにおいて穀物集荷事業を行っている持分法適用会社のCGG Trading S.A.社(以下CGGT社)へ43.1%出資しております。 CGGT社は、天候不順による穀物不作に伴う取扱数量の減少や、ブラジル国内の内陸輸送コストの高騰及び積港での滞船料の影響などにより営業損失が拡大、また農家の収益悪化に伴う農家宛て債権の不良債権化などもあり、債務超過となりました。かかる状況を踏まえ、穀物の取扱数量の回復及び拡大には時間を要する見通しであり、当初計画通りの利益を確保出来ないと判断し、当社個別財務諸表において140億円の関係会社等整理・引当損を計上しました。当社連結財務諸表においては、CGGT社に対する取込損失として「持分法による投資損益」61億円の損失及び、投資に係る減損損失として「関係会社整理損」67億円を計上しました。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・人権に関するリスク当社グループは、双日グループ・コンプライアンス行動基準をはじめ、双日グループCSRポリシー、CSR重点取り組みテーマ(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を定め、企業活動とステークホルダーの利益を高い次元で調和させ、発展を目指すと共に、環境、人権リスクの軽減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 自然災害リスク地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2017」に関するリスク「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
FY2016|6,240 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載しております、事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、目標、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。 (1)事業上のリスク当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめとして、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。これらの事業は性質上、様々なリスクにさらされており、当社グループでは、「リスク管理基本規程」に則り、リスクをリスク項目毎に分類・定義した上で、リスクの性質に応じた管理を行っております。さらに、定量的に計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、「統合リスク管理」としてリスクを計測し、算出されたリスクアセット数値に基づくリスク管理を行っております。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。 当社グループの事業に関しては、以下のようなリスクがあります。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク当社グループは、グローバルにビジネスを展開する総合商社として国内外で事業を展開し、その事業活動は、自動車、航空産業・情報、環境・産業インフラ、エネルギー、石炭・金属、化学、食料・アグリビジネス、生活資材、リテール事業などと多岐にわたっております。このため当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けており、世界的な或いは特定地域における景気減速が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場リスク当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によってミニマイズすることを基本方針としております。 (a)為替リスク当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)金利リスク当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)商品価格リスク当社グループは、総合商社として様々な業務分野において多岐にわたる商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っております。 (d)上場有価証券の価格リスク当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、特に上場株式に関しては保有意義を定期的に確認しておりますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与すると共に、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じております。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出したうえで、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善又は信用リスク抑制の措置を講じることとしております。 しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業投資リスク当社グループは、主要な事業活動のひとつとして様々な事業に対して投資活動を行っておりますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っております。さらに、事業投資の多くがもつ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。 事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、並びに撤退について各々基準を設け、管理を行っております。 新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価すると共に、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えております。 既に実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失をミニマイズするために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しております。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損をミニマイズする目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しております。 このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び案件の事後管理に係る手続きを整備してはおりますが、期待通りの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画通りに行えないリスクを完全に回避することは困難であります。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ カントリーリスク当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。 カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。 しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画通りの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 固定資産に係る減損リスク当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産及びリース資産については、減損リスクにさらされております。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っております。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・人権に関するリスク当社グループは、双日グループ・コンプライアンス行動基準をはじめ、双日グループCSRポリシー、双日環境方針、双日グループサプライチェーンCSR行動指針を定め、企業活動とステークホルダーの利益を高い次元で調和させ、発展を目指すと共に、環境、人権リスクの軽減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は地域住民や環境・人権保護団体などから環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コンプライアンスリスク当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底及び指導を図っております。しかしながら、このような取組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟などに関するリスク営業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、社内委員会などを中心とした管理体制を構築しております。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。 このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、未知のコンピュータウイルスの発生や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 自然災害リスク地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)「中期経営計画2017」に関するリスク「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、当社グループは、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」を策定しております。策定時において適正と考えられる経済状況、産業動向、その他様々な情報、見通しなどに基づき策定しておりますが、事業環境の急激な変化などの様々な要因により、目標に向けた諸施策が計画したとおり進まない可能性や、期待される成果の実現に至らない可能性があります。