有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|10,841 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。当社グループでは事業に密接関連性のあるリスクとして、中長期にわたって対処すべき経営上の重要課題(マテリアリティ)のうち「委託リスク(物流ソリューションの高度化)」、「人的資本リスク(人材・パートナーとの成長基盤の強化)」、「気候変動リスク(環境課題への対策強化)」、「法令違反リスク(安全・コンプライアンスの向上/ガバナンスの高度化)」及び事業全体のリスクである「情報セキュリティリスク」をグループの戦略リスクとして設定し、グループリスクマネジメント会議を通じて、リスクの対応策について検討・議論を行い、経営計画への反映を図っております。なお、当社グループとしましては、これらのリスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1) 戦略リスク① パートナー企業との連携強化を含むサービスインフラの維持・強化当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち7割程度を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分をパートナー企業に委託しております。ロジスティクス事業等においても、デリバリー事業と同様に一部業務をパートナー企業に委託しております。そのような中、当社では「SAGAWAパートナープログラム」を推進し、SGパートナーモールの展開や相談窓口・お知らせ機能の設置、各種マニュアル・動画の掲載による情報発信等、コミュニケーションの強化を図っております。また、「適正取引促進会」を通じた適切な単価改定等に関する協議や、2025年8月に設立したSDトランスライン株式会社を通じたパートナー企業の経営課題の解決に資するプログラムの開発・提供等、パートナー企業の支援を含む持続可能な輸配送インフラの維持・強化に取り組んでおります。当社グループは、想定輸送量・業務量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループ従業員の業務時間が長時間化することで人件費の想定以上の増加や、配達の遅延等が発生する可能性があります。また、「2024年問題」への対応、少子高齢化による労働力不足や、インフレ・賃金上昇により外注費が高騰する場合は、当社グループで負担する費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の業務品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材・パートナーとの成長基盤の強化少子高齢化が進み、長期の人口減少過程に入っている日本において、人材の採用・確保競争は今後も激化することが想定されます。持続的な成長の実現に向けて、インフラを支える人材を量的・質的にも確保することは、労働集約型産業である当社グループにとって重要性が極めて高い課題です。自社、パートナー企業を含めたリソースの継続的な確保や、成長に必要な知見を有した人材を十分に確保・育成し定着させるため、誰でも働きやすい環境の整備や、適正な評価、給与等を通じて、働きがいのある職場づくりに取り組んでおります。働きやすい環境の整備については、多様な人材の活躍を目指して、「女性キャリア支援研修」等の女性活躍推進策を実施しております。事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材については、DXによるオペレーションの見直し(省力化×負荷軽減)、インフレ環境を前提とした継続的なベースアップの実施、及びパートナー企業との連携強化により、限られた人材で効率的なオペレーションが維持できるよう、物流現場の生産性向上に取り組んでまいります。加えて、グループ各社の社内求人情報に対し自らの意思で挑戦できる「グループ公募制度」、実力のある優秀な人材が、年齢や経験年数などに関係なく、2階級上の役職へ早期昇格を目指しチャレンジできる「チャレンジ制度」、自身の今後のキャリア希望を「自己申告制度」を通して申告し「キャリア面談」を受けられる制度など、様々な仕組みを運用し、柔軟な人材登用にも取り組んでおります。また、新たな取組みとして従業員自らが希望する職務を自己申告し、申告されたスキルや経験が希望部署のニーズと一致した場合にその部署への異動の機会を得ることができる「フリーエージェント制」の導入や従業員インセンティブ・プランとして、株式報酬制度(株式付与ESOP信託)を導入しております。これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、長期ビジョン・中期経営計画の基盤となる人的資本の不足につながり、目標の未達、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 気候変動への適応と緩和近年、気候変動等の影響により日本各地において深刻な風水害や山火事が頻発しており、災害対策の強化が必要な状況にあります。地球温暖化は急速に進行しており、世界気象機関によると、2024年から2028年までの5年間で世界平均気温はさらに上昇するとみられ、気候変動の適応策及び緩和策の検討と実施は急務となっております。また、日本政府は、2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しており、脱炭素社会への移行が急速に進む中、企業におけるGHG排出削減の取組みが重要になっております。特に運輸部門のGHG排出量は約2割を占め、物流という社会インフラを担う当社グループの脱炭素社会に向けた取組みは責務であり、対策を従来以上に強化する必要があります。さらに、当社グループは国内のみならず海外でもM&Aなどを通じて事業拡大しており、従来以上に気候変動に対してより多角的にリスクへの感度を上げて対応してまいります。気候変動リスクの適応策及び緩和策につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動への対応 ② 戦略」をご参照ください。 ④ リスク管理体制の高度化当社グループの事業運営に当たっては多くの許認可等を取得しているため、関係法令のコンプライアンスを含むリスク管理体制の強化を図り、違反行為の発生を防止する取り組みを実施しております。具体的には、当社グループ各社がリスクを識別・評価した上で、対応策を策定、継続的なモニタリングを実施し、必要に応じてリスク項目や対応策を見直す体制を構築しております。また、関係法令のコンプライアンスなどの当社グループ全体に影響がある重大リスクについては、各社にリスク対応策の策定・モニタリングを義務付けるなど、グループ全体のリスク管理の強化を図る体制を構築しております。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合、当該法規制への対応に係る追加費用の発生や、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ サイバー攻撃への対応強化当社グループは、情報資産の保護、顧客の信頼確保及び事業活動の安定的な継続のためサイバー攻撃への対応強化に継続的に取り組んでおります。第三者機関による定期的な当社グループ情報セキュリティ対策へのアセスメントを通じて、国際的なガイドライン及び業界標準に基づいた情報セキュリティ体制の適切性の確認、自社が開発・運用するシステム及びアプリケーションに対する定期的な脆弱性診断の実施、社内における各種ログ情報を集約・分析する体制を整備し、異常の早期検知及び迅速な対応を可能とする運用の整備を行っております。また、経営層をはじめ、従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発の継続的な実施及び標的型攻撃メール等を想定した訓練等を実施するとともに、組織・体制面の整備として、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置及び日本シーサート協議会に加盟する等の取組みを行っております。万が一、サイバー攻撃等により情報の漏えい・喪失や業務システムの停止による業務停止等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求及び情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業に関するその他のリスク① デリバリー事業への依存デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の6割超を占める主要な事業であります。当社グループでは、「ロジスティクス事業」「グローバル物流事業」を2031年3月期までの長期ビジョンにおける重点事業と位置づけ、顧客のサプライチェーン全体に物流ソリューションを組合せて提供する「トータルロジスティクス」の提供を成長戦略の基本方針としております。特にグローバル物流事業では、継続的な経済成長が見込まれる消費国へのフレイトフォワーディング事業を中心に、顧客インダストリの拡大と物流領域の拡張を行うことで事業規模を拡大し、2031年3月期にはデリバリー事業に次ぐ規模の営業収益6,000億円を目標としております。国内においては、ロジスティクス事業により荷物の保管及び流通加工等の付加価値の高いサービスを提供することで、デリバリー事業の取扱個数の増加に寄与するほか、競争環境に左右されにくい事業基盤を構築してまいります。当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷や地政学リスク等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 燃料価格等の上昇当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、燃料価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発された際には、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、中東情勢の悪化等による急激な燃料価格の上昇が生じた場合や、サービス価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合、当該費用増加を運賃等のサービス価格に転嫁できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境の激化デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。当社グループとしましては、サービス競争力の強化及び「GOAL」を中心としたトータルロジスティクスの提案により、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューションの提供を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存であります。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化によるサービス価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 輸送トラブルデリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の増加に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。2026年3月期には、想定以上の取扱個数の増加により、一時集荷停止及び配送遅延が生じました。これを受けて、需要予測の向上、オペレーションの改善、中継機能の強化を重点課題として対策を進めております。当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制するべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発した場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化するなど、機動的に売却するバランスシートのコントロールを通じて、営業収益及び営業利益を計上しています。当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び売却価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 重大事故当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、運送事業者の安全対策に係る規制が継続的に強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積することで、事業停止命令を受けた場合や、事業許可の取消しがなされた場合は事業の継続が困難となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外展開当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、国際・海外物流を含むグローバル物流事業の強化を図る所存であります。このため、世界各国間の貿易摩擦の激化及び紛争等の影響による為替及び海上・航空運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や各種感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ M&A、事業提携当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上に向け、M&A及び事業提携についても選択肢の一つとしております。特にこれらの経営戦略を実行する場合は、対象会社への十分なデューデリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等の実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等の実施当初に企図した成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合も、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 役員との取引関係当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、サステナビリティ活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。また、2025年3月期、当社グループは一般財団法人SGH防災サポート財団を設立し、栗和田榮一が理事長に就任しております。当財団は2025年12月に内閣府から公益財団法人の認定を受け、公益財団法人SGH防災サポート財団に移行しております。当財団は災害が頻発する日本の防災という社会課題を解決すべく、災害時の物資支援に関わる物流インフラを整備・運用し、官民連携のもと、被災地の復興支援や被災された方々の生活支援に加え、災害発生直後の緊急支援にも対応する体制を整え、災害に強く、持続可能な社会の実現を目指して活動してまいります。なお、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団は、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨を定めており、当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、公益財団法人SGH防災サポート財団は議決権を行使しない方針です。さらに、これら全ての財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ⑩ 今後の設備投資当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、関東エリアにおける中継機能強化と輸送ネットワークの更なる効率化を目的に、2026年7月より関東ハブセンターの稼働を予定しております。また、2027年3月期に関西、2029年3月期に九州において大型中継センターの稼働を予定するなど、今後も継続的に持続可能な輸配送インフラの維持・強化を図っていく方針であります。当該物流施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの投資効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 規制、コンプライアンスに関するリスク当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合、当該法規制への対応に係る追加費用の発生や、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 事業上の重要な許認可等当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めておりますが、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等]許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業宅地建物取引業宅地建物取引業法国土交通省免許2026年8月23日同法第66条不動産事業第二種金融商品取引業金融商品取引法金融庁登録なし同法第52条不動産事業指定自動車整備事業道路運送車両法国土交通省指定なし同法第93条その他自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省認証なし同法第93条その他労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省許可2029年6月30日同法第14条その他 (注) 昨年度まで記載しておりました通関業の許可につきましては、2026年6月1日付の任意開示文書のとおり取消処分を受けたため、記載を削除しております。 ② 労務関連法令当社グループは、2026年3月期末現在において従業員60,483人、パートナー社員等45,281人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げるなど、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。このように、当社グループでは継続的に労働環境の改善を進めておりますが、労務管理に関する不祥事が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報セキュリティ、システムに関するリスク① 情報漏えい当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、顧客企業向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理、アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、経営層も含めた全従業員に対して情報セキュリティ教育・訓練による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。しかしながら今後、システムトラブル、当社グループ従業員の故意・過失、サイバー攻撃等による不正アクセス及びコンピュータウイルス感染等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求及び情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムトラブル当社グループ事業の中で、特にデリバリー事業及びロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理及び倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況であります。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見、サイバー攻撃等による不正アクセス及びコンピュータウイルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供元におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性のほか、システム上の問題への対応及び当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク① 訴訟その他の法的手続当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の発生当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピュータシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種感染症の感染拡大が発生した場合、行動制限による輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2025|9,624 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。当社グループでは事業に密接関連性のあるリスクとして、中長期にわたって対処すべき経営上の重要課題(マテリアリティ)のうち「アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」「グローバル化に対応したガバナンスの構築、コンプライアンスの継続的な高度化」「気候変動への適応と緩和」をグループの戦略リスクに特定し、グループリスクマネジメント会議を通じて、各種リスクをコントロールする方策について検討・議論を行い、経営計画への反映を図っております。なお、当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1) 戦略リスク① 気候変動への適応と緩和近年、気候変動等の影響により日本各地において深刻な風水害や山火事が頻発しており、災害対策の強化が必要な状況にあります。地球温暖化は急速に進行しており、世界気象機関によると、2024年から2028年までの5年間で世界平均気温はさらに上昇するとみられ、気候変動の適応策及び緩和策の検討と実施は急務となっております。また、日本政府は、2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しており、脱炭素社会への移行が急速に進む中、企業における温室効果ガス排出削減の取組みが重要になっております。特に運輸部門のCО2排出量は約2割を占め、物流という社会インフラを担う当社グループの脱炭素社会に向けた取組みは責務であり、対策を従来以上に強化する必要があります。気候変動リスクの適応策及び緩和策につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組み(3) 気候変動への対応 ② 戦略」をご参照ください。 ② アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち7割程度を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。ロジスティクス事業等においても、デリバリー事業と同様に一部業務を外部業者に委託しております。そのような中、当社では「SAGAWAパートナープログラム」を推進し、委託先とポータルサイトを通じてSGパートナーモールの展開や相談窓口・お知らせ機能の設置、各種マニュアル・動画の掲載による情報発信等、コミュニケーションの強化を図っております。また、2023年度に設立いたしました「適正取引促進会」を通じて適切な単価改定等について委託先と協議を行っております。当社グループは、想定輸送量・業務量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループ従業員の業務時間が長時間化することで労務費の想定以上の増加や、配達の遅延等が発生する可能性があります。また、いわゆる「2024年問題」とされる時間外労働の上限規制への対応、少子高齢化による労働力不足や、インフレ・賃金上昇により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の業務品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人的資本への投資及びエンゲージメントの向上少子高齢化が進み、長期の人口減少過程に入っている日本において、人材の採用・確保競争は今後も激化することが想定されます。持続的な成長の実現に向けて、働きやすい環境の整備、従業員エンゲージメントの向上、そして人材の育成を重要課題と位置づけ取り組んでおります。働きやすい環境の整備については、多様な人材の活躍を目指して、「女性キャリア支援研修」等の女性活躍推進策を実施しております。加えて、実力のある優秀な人材が、年齢や経験年数などに関係なく、2階級上の役職へ早期昇格の挑戦ができる「チャレンジ制度」を運用しており、柔軟な人材登用に取り組んでおります。従業員エンゲージメントについては、毎年、当社グループの国内従業員を対象にWeb調査によるモニタリングを実施しております。組織別の分析結果を踏まえ、各社毎に改善施策を立案し実行しております。人材の育成については、経営人材、ソリューション提案ができる人材の育成が急務であると認識し、経営幹部候補を対象とした「新規GM資格認定者向けセミナー」や次代を担う人材を対象とした「かがやく未来そうぞう委員会」等の人材育成プログラムを継続実施しております。これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、長期ビジョン・中期経営計画の基盤となる人的資本の不足につながり、目標の未達、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ グローバル化に対応したガバナンスの構築、コンプライアンスの継続的な高度化当社グループは、海外各国へ事業展開をしていることから、グローバル化に対応したガバナンスの構築とコンプライアンスの継続的な高度化への対応を実施しております。グローバル化に対応したガバナンスの構築としては、内部通報申請フォームの言語拡大を実施し、不正・不祥事の発生を防ぐための体制を構築しております。コンプライアンスの継続的な高度化の対応としては、贈収賄防止方針の制定や、各国の法令に基づいた個人情報保護法への対応を行っております。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業に関するその他のリスク① デリバリー事業への依存デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の7割程度を占める主要な事業であります。当社グループでは、当事業において顧客に対し「GOAL」の推進等によりトータルロジスティクスを提案・提供することで、デリバリー事業のみならず、ロジスティクス事業等の収益拡大も図ってまいります。付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の安定化に努めてまいりました。当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 燃料価格等の上昇当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発された際には、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影 響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境の激化デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。当社グループとしましては、サービス競争力の拡大及び「GOAL」を中心としたトータルロジスティクスの提案により、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューションの提供を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存であります。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 輸送トラブルデリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制するべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、また、会計処理の複雑性を起因として、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 重大事故当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、運送事業者の安全対策に係る規制が継続的に強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外展開当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、国際・海外向けサービスの強化を図る所存であります。このため、世界各国間の貿易摩擦の激化及び紛争等の影響による為替及び海上・航空運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や各種感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ M&A、事業提携当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上に向け、M&A及び事業提携についても選択肢の一つとしております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合も、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 役員との取引関係当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、サステナビリティ活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。また、当期において、当社グループは新たに一般財団法人SGH防災サポート財団を設立し、栗和田榮一が理事長に就任しております。当財団は災害が頻発する日本の防災という社会課題を解決すべく、災害時の物資支援に関わる物流インフラを整備・運用し、官民連携のもと、被災地の復興支援や被災された方々の生活支援に加え、災害発生直後の緊急支援にも対応する体制を整え、災害に強く、持続可能な社会の実現を目指して活動してまいります。なお、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団は、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、一般財団法人SGH防災サポート財団は規程において議決権を行使しない旨を定めております。さらに、これら全ての財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ⑩ 今後の設備投資当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、2021年3月期には、路線輸送の効率的な運用やキャパシティの向上を目的として、東京都江東区に建設した「Xフロンティア」を本稼働させました。また、2027年3月期に関東及び関西、2029年3月期に九州において大型中継センターの稼働を予定するなど、今後も継続的にインフラの強化を図っていく方針でありますが、施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 規制、コンプライアンスに関するリスク当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 事業上の重要な許認可等当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等]許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業宅地建物取引業宅地建物取引業法国土交通省免許2026年8月23日同法第66条不動産事業第二種金融商品取引業金融商品取引法金融庁登録なし同法第52条不動産事業指定自動車整備事業道路運送車両法国土交通省指定なし同法第93条その他自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省認証なし同法第93条その他労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省許可2029年6月30日同法第14条その他 ② 労務関連法令当社グループは、2025年3月期末現在において従業員58,217人、パートナー社員等46,324人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げるなど、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。このように、当社グループでは継続的に労働環境の改善を進めておりますが、労務管理に関する不祥事が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 情報セキュリティ、システムに関するリスク① 情報漏えい当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、顧客企業向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、近年世界的に被害が急増しているランサムウェアを始めとした外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じるなど、情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本シーサート協議会に加盟するなど、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは当社グループ従業員の故意・過失、又はサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムトラブル当社グループの事業の中で、特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況であります。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。現時点で問題は生じておらず、また、リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供元におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性のほか、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク① 訴訟その他の法的手続当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の発生当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピュータシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種感染症の感染拡大が発生した場合、行動制限による輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|9,989 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。 当社グループでは事業に密接関連性のあるリスクとして、中長期にわたって対処すべき経営上の重要課題(マテリアリティ)のうちリスク側面を持つものを戦略リスクと位置づけております。グループのリスクマネジメント機関である「グループリスクマネジメント会議」を通じて、戦略リスクを中心とした各種リスクに関してコントロールする方策について検討・議論を行い、経営計画への反映を図っております。 具体的なリスク管理方法につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ ②リスク管理」をご参照ください。 なお、当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1)戦略リスク① 気候変動への適応と緩和 近年、気候変動の影響により日本各地において深刻な風水害が頻発しており、災害対策の強化が必要な状況にあります。温暖化は急速に進行しており、世界気象機関によると、今後5年で世界平均気温はさらに上昇するとみられ、気候変動の緩和策の検討と実施は急務となっております。 また、日本政府は、2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しており、脱炭素社会への移行が急速に進む中、企業における排出削減の取り組みが重要になっております。特に運輸部門のCО2排出量は約2割を占め、物流という社会インフラを担う当グループの脱炭素社会に向けた取り組みは責務であり、対策を従来以上に強化する必要があります。 気候変動リスクの適応策および緩和策につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)気候変動への対応 ②戦略」をご参照ください。 ② アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち7割程度を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。ロジスティクス事業等においても、デリバリー事業と同様に一部業務を外部業者に委託しております。 そのような中、当社では「SAGAWAパートナープログラム」を推進し、委託先とポータルサイトを通じてSGパートナーモールの展開や相談窓口・お知らせ機能を設け、コミュニケーションの強化を図っております。 また、2023年度に設立いたしました「適正取引促進会」を通じて適切な単価改定等について委託先と協議を行っております。 当社グループは、想定輸送量・業務量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループ従業員の業務時間が長時間化することで労務費の想定以上の増加や、配達の遅延等が発生する可能性があります。また、「2024年問題」への対応、少子高齢化による労働力不足や、インフレ・賃金上昇により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。 加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の業務品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人的資本への投資及びエンゲージメントの向上 少子高齢化が進み、長期の人口減少過程に入っている日本において、人材の採用・確保競争は今後も激化することが想定されます。持続的な成長の実現に向けて、働きやすい環境の整備、従業員エンゲージメントの向上、そして人材の育成を重要課題と位置づけ取り組んでおります。 働きやすい環境の整備については、多様な人材の活躍を目指して、「女性キャリア支援研修」等の女性活躍推進策を実施しております。加えて、実力のある優秀な人材が、年齢や経験年数などに関係なく、2階級上の役職へ早期昇格の挑戦ができる「チャレンジ制度」を導入し、柔軟な人材登用に取り組んでおります。 従業員エンゲージメントについては、毎年、当社グループの国内従業員を対象にWeb調査によるモニタリングを実施しております。組織別の分析結果を踏まえ、各社毎に改善施策を立案し実行しております。 人材の育成については、経営人材、ソリューション提案ができる人材の育成が急務であると認識し、経営幹部候補を対象とした「新規GM資格認定者向けセミナー」や次代を担う人材を対象とした「かがやく未来そうぞう委員会」等の人材育成プログラムを継続実施しております。 これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、長期ビジョン・中期経営計画の基盤となる人的資本の不足につながり、目標の未達、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ グローバル化に対応したガバナンスの構築、コンプライアンスの継続的な高度化 当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開をしていることから、グローバル化に対応したガバナンスの構築とコンプライアンスの継続的な高度化への対応を実施しております。 グローバル化に対応したガバナンスの構築としては、内部通報申請フォームの言語拡大を実施し、不正・不祥事の発生を防ぐための体制を構築しております。コンプライアンスの継続的な高度化の対応としては、贈収賄防止方針の制定や、各国の法令に基づいた個人情報保護法への対応を行っております。 今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業に関するその他のリスク① デリバリー事業への依存 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の8割程度を占める主要な事業であります。 当社グループでは、当事業において顧客に対し「GOAL」の推進等により総合物流サービスを提案・提供することで、デリバリー事業のみならず、ロジスティクス事業等の収益拡大も図ってまいります。付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の安定化に努めてまいりました。 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 燃料価格等の上昇 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境の激化 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存であります。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 輸送トラブル デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制するべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、また、会計処理の複雑性を起因として、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 重大事故 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、「運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外展開 当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、国際・海外向けサービスのグローバル強化を図る所存であります。 このため、今後、為替及び海上・航空運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や各種感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当連結会計年度においては、感染症拡大に端を発した世界的なサプライチェーンの混乱が収束へと向かう中、海上・航空運賃の下落が急速に進んだことに加え、各国での物価上昇や金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、サプライチェーンの混乱の中で荷主企業が在庫を増加させたことなどが影響し、海上・航空取扱量についても当初予想を大幅に下回ったことで、ロジスティクス事業における国際輸送の業績のボラティリティの高さが連結ベースの財政状態及び経営成績にも影響を及ぼす結果となりました。今後も同様に、マクロ環境の変動に伴う国際輸送の業績の変動が当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLCは、スリランカを本社所在地としており、当該国においては、2022年4月頃からいわゆる「スリランカ経済危機」と呼ばれる大規模な政治・経済の混乱が発生しております。しかしながら、スリランカに対しては、2023年3月に国際通貨基金理事会で金融支援が承認されるなど国際的な支援が開始されているほか、同社の主要事業であるフォワーディング事業においては、基本的な取引通貨は米国ドルであり、スリランカ以外での取引が中心であること、また、同社の金融機能についてはシンガポールを拠点としていることから、「スリランカ経済危機」による同社の事業、財政状態及び経営成績への影響は、本有価証券報告書提出日現在においては軽微と考えております。 ⑧ M&A、事業提携 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合も、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 役員との取引関係 当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、サステナビリティ活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ⑩ 今後の設備投資 当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、2021年3月期には、路線輸送の効率的な運用やキャパシティの向上を目的として、東京都江東区に建設した「Xフロンティア」を本稼働させました。2026年度にも関東および関西において「Xフロンティア」と同規模の大型中継センターの稼働を予定するなど、継続的にインフラの強化を図っていく方針でありますが、施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)規制、コンプライアンスに関するリスク 当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 事業上の重要な許認可等 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等] 許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業宅地建物取引業宅地建物取引業法国土交通省免許2026年8月23日同法第66条不動産事業第二種金融商品取引業金融商品取引法金融庁登録なし同法第52条不動産事業指定自動車整備事業道路運送車両法国土交通省指定なし同法第93条その他自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省認証なし同法第93条その他労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省許可2029年6月30日同法第14条その他 ② 労務関連法令 当社グループは、2024年3月期末現在において従業員52,309人、パートナー社員等41,094人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げるなど、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。 このように、当社グループでは継続的に労働環境の改善を進めておりますが、労務管理に関する不祥事が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)情報セキュリティ、システムに関するリスク① 情報漏えい 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、顧客企業向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、近年世界的に被害が急増しているランサムウェアを始めとした外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じるなど、情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟するなど、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは当社グループ従業員の故意・過失、又はサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムトラブル 当社グループの事業の中で、特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況であります。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。 現時点で問題は生じておらず、また、リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性のほか、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク① 訴訟その他の法的手続 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の発生 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピュータシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種感染症の感染拡大が発生した場合、行動制限による輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|10,395 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。なお、当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1)事業に関するリスク① デリバリー事業への依存 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の7割程度を占める主要な事業であります。 当社グループでは、当事業において顧客に対し「GOAL」の推進等により総合物流サービスを提案・提供することで、デリバリー事業のみならず、ロジスティクス事業等の収益拡大も図ってまいります。付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の安定化に努めてまいりました。 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 燃料価格等の上昇 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境の激化 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存であります。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 輸送トラブル デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制するべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、また、会計処理の複雑性を起因として、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 不正等の発生 当社グループは、日本全国を網羅する拠点網を有し、また、アジアを中心とした海外各国でも事業を展開しており、実際の業務運営について当社グループ内の各社・各拠点の業務従事者に委任しております。また、グループ内で対応できない場合は、外部業者を利用してサービス提供を行うケースもあります。このため、代金引換サービスによる収受金の着服や売上の不正計上等が生じる可能性は否定できません。 当社グループとしましては、業務運営上必要な規程・手順書を整備するとともに、内部監査や委託先選定時のチェック等を通じた牽制体制を敷くことでこれらの不正等が生じることがないよう努めておりますが、今後、不正等が発生又は発覚し、また、その金額が多大なものとなる場合は、当社グループへの社会的信用が低下するとともに、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 重大事故 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、「運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 委託先の活用 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち7割程度を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。当社グループは、想定輸送量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループドライバーの業務時間が長時間化することで労務費の想定以上の増加や、配達の遅延が発生する可能性があります。また、今後、「2024年問題」に向けた対応やドライバー不足により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の輸送品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 海外展開 当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、国際・海外向けサービスのグローバル強化を図る所存であります。 このため、今後、為替及び海上・航空運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や各種感染症の発生等のリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当連結会計年度においては、感染症拡大に端を発した世界的なサプライチェーンの混乱が収束へと向かう中、海上・航空運賃の下落が急速に進んだことに加え、各国での物価上昇や金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念や、サプライチェーンの混乱の中で荷主企業が在庫を増加させたことなどが影響し、海上・航空取扱量についても当初予想を大幅に下回ったことで、ロジスティクス事業における国際輸送の業績のボラティリティの高さが連結ベースの財政状態及び経営成績にも影響を及ぼす結果となりました。今後も同様に、マクロ環境の変動に伴う国際輸送の業績の変動が当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLCは、スリランカを本社所在地としており、当該国においては、2022年4月頃からいわゆる「スリランカ経済危機」と呼ばれる大規模な政治・経済の混乱が発生しております。しかしながら、スリランカに対しては、2023年3月に国際通貨基金理事会で金融支援が承認されるなど国際的な支援が開始されているほか、同社の主要事業であるフォワーディング事業においては、基本的な取引通貨は米国ドルであり、スリランカ以外での取引が中心であること、また、同社の金融機能についてはシンガポールを拠点としていることから、「スリランカ経済危機」による同社の事業、財政状態及び経営成績への影響は、本有価証券報告書提出日現在においては軽微と考えております。 ⑩ 人材の育成・確保 当社グループでは、長期ビジョンの実現に向け、人的資本の側面からは、事業基盤としての宅配便事業の収益性維持と生産性向上を担うセールスドライバーをはじめとする現場のオペレーションを支える人材を「オペレーション人材」、成長エンジンとするTMS、3PL及び国際事業(宅配便以外)の拡大を担う人材を「ソリューション人材」として戦略を策定しており、持続的な成長の実現に向けては、これらの人材の育成・確保が必要であると認識しております。しかしながら、少子高齢化に伴い、人材の採用・確保競争は今後も激化することが想定されます。 当社グループとしましては、多様な人材が活躍できる働きやすく働きがいのある職場環境の整備や、多様な働き方の提供、業務に見合った報酬体系の構築、IT・先端技術を活用した業務の効率化に加え、採用後も定期的な研修を重ねることで長期ビジョンの実現に向けて十分な人材確保に努める方針ですが、これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、長期ビジョン・中期経営計画における目標の未達、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ M&A、事業提携 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合も、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社及び佐川急便株式会社(以下、本項目において「佐川急便」という)は、2016年3月30日付でロジスティード株式会社(2023年4月1日付で株式会社日立物流から商号変更 以下、本項目において「ロジスティード」という)との間で資本業務提携契約を締結しております。当該契約に基づき、当社は、前連結会計年度末においてはロジスティードの普通株式8,210,600株を保有しておりましたが、当連結会計年度においてその全てを売却し、特別利益として投資有価証券売却益を計上いたしました。これにより、同社との資本関係は解消されましたが、業務提携については引き続き継続し、佐川急便・ロジスティード両社の物流機能を相互に活用すること等を通じ、両社の提供するサービスの付加価値向上を目指し、協業を推進してまいります。 ⑫ 役員との取引関係 当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、CSR活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ⑬ 中期経営計画 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画を策定しており、経営戦略に基づいた2024年3月期の連結業績予想については、当社ホームページ上にて公表しております。しかしながら、当該中期経営計画は、デリバリー事業における平均単価・取扱個数、人件費・外注費、ロジスティクス事業における為替及び海上・航空運賃など、様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できず、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 今後の設備投資について 当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、2021年3月期には、路線輸送の効率的な運用やキャパシティの向上を目的として、東京都江東区に建設した「Xフロンティア」を本稼働させました。今後も継続的にインフラの強化を図っていく方針でありますが、施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 気候変動について 当社グループは、総合物流事業を展開し、多くの貨物自動車を使用しております。社会インフラの一部を担う物流企業グループとして、脱炭素社会に向けた取組みが責務であると認識し、世界的な喫緊の課題である地球温暖化防止への対策をこれまで以上に強化するべきであると捉えております。長期ビジョンにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けた中長期の温室効果ガス排出削減目標を当社ホームページ上にて公表しており、2030年度においては、CO2排出量を基準年度である2013年度比で46%削減することを目標としております。また、中期経営計画では、KPIに営業収益・営業利益と合わせて温室効果ガス排出削減目標を設定するとともに、重点戦略に「脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進」を掲げ、脱炭素に向けた取組みを推進しております。具体的には、EV等の環境対応車の導入、大型中継センターや物流倉庫・輸配送拠点一体型の物流センターの活用による輸配送の効率化、列車や船を活用したモーダルシフト、物流施設での再生可能エネルギー由来による電力の活用、森林保全活動など自社の脱炭素化の取組みに加え、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減を実現する物流サービスの開発も検討しております。 このように当社グループでは、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みを進めておりますが、温室効果ガスの排出規制や削減義務の強化、炭素税の引き上げ等が実施される場合や、当社の各種施策が計画どおり進捗しない、あるいは期待される効果を発揮できない場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中長期的な影響として、脱炭素化が実現されないことによる自然災害の激甚化・多頻度化が生じる場合、輸送経路の遮断や設備・施設の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりすることで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)規制、コンプライアンスに関するリスク 当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされたりすること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 事業上の重要な許認可等 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等] 許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業宅地建物取引業宅地建物取引業法国土交通省免許2026年8月23日同法第66条不動産事業第二種金融商品取引業金融商品取引法金融庁登録なし同法第52条不動産事業指定自動車整備事業道路運送車両法国土交通省指定なし同法第93条その他自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省認証なし同法第93条その他労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省許可2024年6月30日同法第14条その他 ② 労務関連法令 当社グループは、2023年3月期末現在において従業員52,268人、パートナー社員等41,819人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げるなど、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。 このように、当社グループでは継続的に労働環境の改善を進めておりますが、労務管理に関する不祥事が発生した場合、当社グループのレピュテーションが低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)情報セキュリティ、システムに関するリスク① 情報漏えい 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、顧客企業向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、近年世界的に被害が急増しているランサムウェアを始めとした外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じるなど、情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟するなど、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは当社グループ従業員の故意・過失、又はサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムトラブル 当社グループの事業の中で、特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況であります。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。 現時点で問題は生じておらず、また、リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びサイバー攻撃等による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性や、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク① 訴訟その他の法的手続 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の発生 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピュータシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各種感染症の感染拡大が発生した場合、行動制限による輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のようなものがあります。なお、当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また、次の事項については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1)事業に関するリスク① デリバリー事業への依存 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の約8割を占める主要な事業であります。 当社グループでは、当事業において顧客に対して「GOAL」の推進等による付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の安定化に努めてまいりました。 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 燃料価格等の上昇 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また、今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば、積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競争環境の激化 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存です。しかしながら、今後、当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 輸送トラブル デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において、輸送品の破損、配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制すべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 不動産事業における継続的な資産流動化 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用を行っております。また、当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発及びこれらの売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建設資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、また、会計処理の複雑性を起因として、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 不正等の発生 当社グループは、日本全国を網羅する拠点網を有し、また、アジアを中心とした海外各国でも事業を展開しており、実際の業務運営について当社グループ内の各社・各拠点の業務従事者に委任しております。また、グループ内で対応できない場合は、外部業者を利用してサービス提供を行うケースもあります。このため、代金引換サービスによる収受金の着服や売上の不正計上等が生じる可能性は否定できません。 当社グループとしましては、業務運営上必要な規程・手順書を整備するとともに、内部監査や委託先選定時のチェック等を通じた牽制体制を敷くことでこれらの不正等が生じることがないよう努めておりますが、今後、不正等が発生又は発覚し、また、その金額が多大なものとなる場合は、当社グループへの社会的信用が低下するとともに、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 重大事故 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、「運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 委託先の活用 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち過半数を、また、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。当社グループは、想定輸送量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は、当社グループドライバーの業務時間が長時間化することで労務費が想定以上に発生したり、遅配が発生する可能性があります。また、今後ドライバー不足により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の輸送品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 海外展開 当社グループは、アジアを中心に海外各国へ事業展開しております。また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、グローバルネットワークの更なる強化と国際事業の強化を図る所存です。 このため、今後、為替及び航空・船舶輸送運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や感染症の発生等の地政学リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 人材の育成・確保 当社グループの各事業は、ドライバー等の現業従事者の確保が不可欠であり、当社グループの求めるクオリティを有する人材の採用及び育成が必要であります。特に足元ではeコマース市場の拡大による物流サービスへの需要増加や顧客が要求するサービスの高度化もあり、業界内ではドライバー確保に向けた競争が高まっております。 当社グループとしましては、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することに加え、採用後も定期的な研修を重ねることで質・量ともに十分な人材確保に努める方針ですが、これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ M&A、事業提携 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や提携会社の解散等が生じる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼすほか、公表している中期経営計画の見直しを行う可能性があります。 ⑫ 株式会社日立物流との資本業務提携 当社及び佐川急便株式会社は、強固な事業基盤の構築と物流業界における競争力の向上を目的として、2016年3月30日付で株式会社日立物流との間で資本業務提携契約を締結しております。しかしながら、それぞれの強みを活かすための適切な施策が実行されない場合は、本資本業務提携契約において予定した便益を享受することができない可能性があります。また、株式会社日立物流が財政その他事業上の問題に直面したり、業界再編等により本資本業務提携に関する戦略を変更する可能性があります。 これらの要因により、株式会社日立物流との資本業務提携は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2020年9月24日に株式会社日立物流との資本関係を見直し、佐川急便株式会社が当社の完全子会社となり、株式会社日立物流を持分法適用の範囲から除外しております。 この結果、株式会社日立物流との資本業務提携によるリスクは大幅に低下いたしました。 ⑬ 役員との取引関係 当社代表取締役会長兼社長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人SGH文化スポーツ振興財団及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、CSR活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の58,636,362株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は、定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また、両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ⑭ 中期経営計画 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画「Second Stage 2021」を策定しており、経営戦略に基づいた2022年3月期の連結業績予想については、当社ホームページ上にて公表しております。しかしながら、当該中期経営計画は、eコマースの拡大など顧客需要の拡大、宅配便事業における平均単価・宅配個数、人件費・外注費など、様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できず、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 今後の設備投資について 当社グループでは、継続的に物流施設の開発を行っており、足元では路線輸送の効率的な運用やキャパシティの向上を目的として、東京都江東区に「Xフロンティア」を建設し、2021年3月期から本稼働させました。今後も継続的にインフラの強化を図っていく方針でありますが、施設の建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、完成後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)規制、コンプライアンスに関するリスク 当社グループの事業運営に当たっては、次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 事業上の重要な許認可等 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後、法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社の連結子会社であるSGモータース株式会社の2工場において、不適合車への保安基準適合証の交付及び法定手順に沿わない検査行為を行ったことにより、2021年2月19日に国土交通省関東運輸局から事業停止処分(25日間又は35日間)及び指定自動車整備事業の許認可の取消し処分を受けました。当社グループの業績に与える影響は軽微でありますが、今後更なる社内教育の徹底及び内部統制の強化を図り、再発防止に努めてまいります。 [主要な事業上の許認可等] 許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業宅地建物取引業宅地建物取引業法国土交通省免許2021年8月23日同法第66条不動産事業第二種金融商品取引業金融商品取引法金融庁登録なし同法第52条不動産事業指定自動車整備事業道路運送車両法国土交通省指定なし同法第93条その他自動車分解整備事業道路運送車両法国土交通省認証なし同法第93条その他労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省許可2024年6月30日同法第14条その他 ② 労務関連法令 当社グループは、2021年3月期末現在において従業員52,021人、パートナー社員等45,753人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループでは、これらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げる等、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。 また、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目的とした働き方改革関連法が順次施行されており、かかる法規制への対応に追加費用を要することや、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 環境規制 当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車両)は、国及び自治体による、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(通称、自動車NOx・PM法)及び環境条例等の対象となります。当社グループでは、当該規制に適合した車両を利用しており、現時点では特段問題は生じておりませんが、今後、規制対象が強化・拡大される等の法改正がなされ、現車両に追加で集塵装置の設置等の対応が必要となる場合は、追加費用が発生するため、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)情報セキュリティ、システムに関するリスク① 情報漏えい 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、企業顧客向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じる等情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟する等、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは不正アクセスの発生、又は当社グループ従業員の故意・過失若しくはコンピューターウィルス等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② システムトラブル 当社グループの事業の中で、特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。また、大量の取引をシステムにより集約管理していることから、会計処理においてもシステムへの依存度が高い状況です。当社グループでは、子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。 現時点で問題は生じておらず、また、リスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びハッキング・ウィルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性や、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)訴訟その他の法的手続・災害等に関するリスク① 訴訟その他の法的手続 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらず、これらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、訴訟提起内容や損害賠償請求額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 自然災害等の発生 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また、当該事業のみならず、各事業について情報管理を行うコンピューターシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。また、車両以外にも、鉄道・航空機・船舶など様々なインフラを活用して事業を営んでおります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症が拡大した場合、輸送の遮断や量的制限、経済の停滞などにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、感染症の拡大において、当社グループでは、経済の停滞、航空輸送スペースの減少及び受託貨物の内容の変化等影響を受けておりますが、状況変化に対応した輸送能力の強化、輸送手段の代替及びコストコントロールに努めております。今後、当該影響が長期化又は変化する場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|8,628 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また次の事項については、当連結会計年度末において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1)デリバリー事業への依存 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の約8割を占める主要な事業であります。 当社グループでは、当事業において顧客に対して「GOAL」の推進等による付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の改善に努めてまいりました。 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)燃料価格等の上昇 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)競争環境の激化 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存です。しかしながら、今後当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)輸送トラブル デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を、顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において輸送品の破損や配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合等は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を抑制すべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)不動産事業における継続的な資産流動化 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用等を行っております。また当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発、及び売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建材資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、その場合は当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)不正等の発生 当社グループは、日本全国を網羅する拠点網を有し、またアジアを中心とした海外各国でも事業を展開しており、実際の業務運営について当社グループ内の各社・各拠点の業務従事者に委任しております。また、グループ内で対応できない場合は、外部業者を利用してサービス提供を行うケースもあります。このため、代金引換サービスによる収受金の着服や売上の不正計上等が生じる可能性は否定できません。 当社グループとしましては、業務運営上必要な規程・手順書を整備するとともに、内部監査や委託先選定時のチェック等を通じた牽制体制を敷くことでこれらの不正等が生じることがないよう努めておりますが、今後不正等が発生又は発覚し、またその金額が多大なものとなる場合は、当社グループへの社会的信用が低下するとともに、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)重大事故 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報漏えい 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、企業顧客向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じる等情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟する等、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは不正アクセスの発生、又は当社グループ従業員の故意・過失若しくはコンピューターウィルス等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)自然災害等の発生 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また当該事業のみならず各事業について情報管理を行うコンピューターシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)海外展開 当社グループは、アジアを中心に海外各国に事業展開しております。また「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、グローバルネットワークの更なる強化と国際事業の強化を図る所存です。 このため、今後為替及び航空・船舶輸送運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や感染症の発生等の地政学リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)委託先の活用 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を、企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち過半数を、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。当社グループは、想定輸送量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は当社グループドライバーの業務時間が長時間化することで労務費が想定以上に発生したり、遅配が発生する可能性があります。また今後ドライバー不足により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の輸送品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)事業上の重要な許認可等 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等] 許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業 (13)コンプライアンス 「(12)事業上の重要な許認可等」に記載の許認可等に係る法令のほか、当社グループの事業運営に当たっては次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 労務関連法令 当社グループは、2019年3月期末現在において従業員49,260人、パートナー社員等43,722人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループではこれらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げる等、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。 また、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目的とした働き方改革関連法が順次施行されており、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 環境規制 当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車両)は、国及び自治体による「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(通称、自動車NOx・PM法)及び環境条例等の対象となります。当社グループでは、当該規制に適合した車両を利用しており、現時点では特段問題は生じておりませんが、今後規制対象が強化・拡大される等の法改正がなされ、現車両に追加で集塵装置の設置等の対応が必要となる場合は、追加費用が発生するため当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)訴訟その他の法的手続 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社連結子会社であるExpolanka USA LLCは、同社による競合会社の元従業員の雇用に関して、米国ニュージャージー州において当該競合会社から損害賠償等を求める訴訟を提起されております。当社グループは、本件に関してExpolanka USA LLCが行った行為に何ら法的な問題はないと認識しており、当該請求は根拠に乏しいと判断しております。当社グループは、本件について引き続き法廷にて争う方針です。 (15)人材の育成・確保 当社グループの各事業は、ドライバー等の現業従事者の確保が不可欠であり、当社グループの求めるクオリティを有する人材の採用及び育成が必要であります。特に足許ではeコマース市場の拡大による物流サービスへの需要増加や顧客が要求するサービスの高度化もあり、業界内でのドライバーの確保の競争が高まっております。 当社グループとしましては、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することに加え、採用後も定期的な研修を重ねることで質・量ともに十分な人材確保に努める方針ですが、これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)M&A、事業提携 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や資本下位会社の解散等が生じる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼすほか、公表している中期経営計画の見直しを行う可能性があります。 (17)株式会社日立物流との資本業務提携 当社及び佐川急便株式会社は、強固な事業基盤の構築と物流業界における競争力の向上を目的として、2016年3月30日付で株式会社日立物流との間で資本業務提携契約を締結しております。しかしながら、それぞれの強みを活かすための適切な施策が実行されない場合は、本資本業務提携契約において予定した便益を享受することができない可能性があります。また、株式会社日立物流が財政その他事業上の問題に直面したり、業界再編等により本資本業務提携に関する戦略を変更する可能性があります。 これらの要因により、株式会社日立物流との資本業務提携は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (18)システムトラブル 当社グループの事業の中で特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。当社グループでは子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。 現時点では何ら問題は生じておらず、またリスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びハッキング・ウィルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性や、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (19)役員との取引関係 当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人佐川美術館及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、CSR活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、美術品の無償寄託及び人材支援等の活動を今後も継続して実施する方針としております。 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の29,318,181株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 (20)中期経営計画 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画「Second Stage 2021」を策定しており、経営戦略に基づいた2020年3月期の連結業績予想については、当社ホームページ上にて公表しております。しかしながら、当該中期経営計画は、eコマースの拡大など顧客需要の拡大、宅配便事業における平均単価・宅配個数、人件費・外注費など、様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できず、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)今後の設備投資について 当社グループでは継続的に物流施設の開発を行っており、足許では路線輸送の効率的運用や取扱キャパシティの増加を目的として、東京都江東区に大型物流施設を建設する計画としております。当該施設の新設を含め今後の施設建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、建設後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、詳細については「4 経営上の重要な契約等」及び「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご確認ください。
FY2018|9,514 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお当社グループとしましては、これらの各リスクの発生可能性を認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 また次の事項については、当連結会計年度末において当社グループが判断した内容であり、当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。 (1)デリバリー事業への依存 デリバリー事業は、当社グループの連結営業収益の約8割を占める主要な事業であります。 当社グループでは、当事業において顧客に対して「GOAL」の推進等による付加価値の高いサービス提供を行うほか、人件費、外注費及び安全確保のための諸費用等、増加するコストを適正に運賃に反映させるべく、過年度から各顧客との個別価格交渉を行うことにより、収益性の改善に努めてまいりました。 当社グループとしましては、今後においてもこれらの取組みを継続的に実施していく方針でありますが、景気低迷等による個人の消費や企業物流の減少等により、これらの取組みが想定どおりに進展しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)燃料価格等の上昇 当社グループは、事業を行うに当たり多数のトラック等輸送機材を使用しており、その燃料費は原油価格や為替相場の動向により変動いたします。 当社グループとしましては、天然ガストラック等の環境対応車を導入し、原油価格の変動による費用増加リスクの抑制に努めており、また今後も新技術の導入による省エネルギーや代替エネルギーに対応した車両が開発されれば積極的に導入していく方針であります。しかしながら、急激な燃料価格等の上昇が生じた場合や、当該費用増加を運賃等の販売価格に転嫁できない場合、販売価格への転嫁により当社グループのサービスへの需要が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)競争環境の激化 デリバリー事業の主要サービスである宅配便については、当社グループを含めた大手3社での競争が激化しております。また、ロジスティクス事業においても3PLやフォワーディングの各業務サービスにおける同業他社との競争が高まっているものと認識しております。 当社グループとしましては、「GOAL」に基づく複合的なサービスを提供することで、顧客にとってより効率的かつ付加価値の高い物流ソリューション提案を行い、当該競争環境下でのシェア向上を図っていく所存です。しかしながら、今後当社グループの優位性が相対的に低下した場合や、更なる競争激化による価格下落が生じた場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)輸送トラブル デリバリー事業では、法人・個人を含めた顧客所有の物品を、顧客の指定どおりに輸送することが中心となります。このため、当社グループによるサービス提供の過程において輸送品の破損や配達先の誤り及び輸送量の変動に伴い予定時間内の輸送ができない場合等は、当社グループによるサービスの信用を損なう可能性があります。 当社グループとしましては、こうしたトラブルの発生を下げるべく、発生要因等をデータベース化し、ミスの低減やセールスドライバーの教育等の改善策を継続的に実施しておりますが、今後これらに起因するトラブルが頻発するような場合や、当該トラブルを理由とした損害賠償が増加するような場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)不動産事業における継続的な資産流動化 不動産事業では、SGリアルティ株式会社が中心となって当社グループ拠点における資産管理・運営、大型施設の開発及び既存施設の転用等の資産活用等を行っております。また当社グループが所有、利用している物流施設及び開発したマルチテナント型の物流施設を信託受益権化し、売却することにより、資産の有効活用、財政状態の改善等を図っており、これにより営業収益及び営業利益が計上されます。 当社グループとしましては、今後も継続的に収益性が見込まれる物件の取得、施設の開発、及び売却を行っていく方針ではありますが、不動産市況の変動、建材資材や人件費の高騰、物件の開発遅延等を要因として、物件の仕入価格、簿価及び販売価格等が変動することにより、適時かつ適切な価格による不動産及び信託受益権の売買が困難となる可能性があり、その場合は当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)不正等の発生 当社グループは、日本全国を網羅する拠点網を有し、またアジアを中心とした海外各国でも事業を展開しており、実際の業務運営について当社グループ内の各社・各拠点の業務従事者に委任しております。また、グループ内で対応できない場合は、外部業者を利用してサービス提供を行うケースもあります。このため、代金引換サービスによる収受金の着服や売上の不正計上等が生じる可能性は否定できません。 当社グループとしましては、業務運営上必要な規程・手順書を整備するとともに、内部監査や委託先選定時のチェック等を通じた牽制体制を敷くことでこれらの不正等が生じることがないよう努めておりますが、今後不正等が発生又は発覚し、またその金額が多大なものとなる場合は、当社グループへの社会的信用が低下するとともに、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)重大事故 当社グループは、デリバリー事業を中心に公道を利用した陸上輸送業を営んでおります。昨今、運輸の安全性向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律(いわゆる「運輸安全一括法」)等により安全運転に係る規制が強化される中、運送事業運営者への安全配慮に対する社会的責任は一層強く求められております。 当社グループとしましては、安全を最優先とした対策を実施しておりますが、重大事故が生じた場合は車両の使用停止等の行政処分が行われ、当社グループの一部又は全部の事業の停止を余儀なくされるとともに、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、国土交通省報告事故の違反点数が累積した場合には、事業停止命令を受けたり、事業許可の取消しがなされたりすることによって、当社グループの事業の継続が困難となる可能性があります。このような事象が発生した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報漏えい 当社グループは、役職員情報のみならず、事業運営の過程において集荷先・配達先情報や顧客企業担当者情報等の多数の個人情報を取得しております。また、企業顧客向けサービスにおいては、顧客企業の営業秘密を保有する場合があります。こうした機密情報を保護するため、データに関するパスワード管理・アクセス制限及びハードコピーに関する施錠管理の徹底に加え、従業員に対して情報セキュリティ教育による啓発を継続的に行う等、情報の厳重な管理に努めております。さらに、外部からのサイバー攻撃に備え、インターネット出入口対策を講じる等情報セキュリティ対策を強化するとともに、当社グループ内にサイバー攻撃専門の対応組織SGH-CSIRT(SG Holdings Computer Security Incident Response Team)を設置し、日本コンピュータセキュリティインシデント対応チーム協議会に加盟する等、情報セキュリティ対策の高度化に取り組んでおります。しかしながら、今後システムトラブル若しくは不正アクセスの発生、又は当社グループ従業員の故意・過失若しくはコンピューターウィルス等により、情報の漏えい又は喪失等が生じた場合は、当社グループの社会的信用の低下につながるとともに、損害賠償請求や情報セキュリティ対策に要する追加費用の発生等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)自然災害等の発生 当社グループは、車両や大規模な物流拠点を利用するデリバリー事業が中核事業であり、また当該事業のみならず各事業について情報管理を行うコンピューターシステム、荷物の自動仕分け機、冷凍・冷蔵倉庫等電気供給が必要な設備による業務運営が前提となっているものがあります。 このため、自然災害が発生することで輸送経路の遮断や一部設備の破損が生じたり、停電等の電力供給の停止により設備稼働が停止したりする場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)海外展開 当社グループは、アジアを中心に海外各国に事業展開しております。また「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、フォワーディング強化とグローバル物流ネットワークの拡張及び海外各拠点での地域内物流の強化を図る所存です。 このため、今後為替及び航空・船舶輸送運賃の急激な変動や、当社グループの拠点がある地域での経済情勢・事業環境の悪化、予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化やテロ活動の活発化、商慣習の相違、自然災害や感染症の発生等の地政学リスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)委託先の活用 当社グループのデリバリー事業では、当社グループが保有する経営資源を、企業からの物流業務受託(from B)の獲得に最大限活用しております。そのため、個人宅(to C)への輸送業務のうち過半数を、路線運行(東京・大阪間等物流拠点間の長距離輸送)のうち大部分を外部業者に委託しております。当社グループは、想定輸送量に応じ複数の委託先の確保に努めておりますが、十分な委託先が確保できない場合は当社グループドライバーの業務時間が長時間化することで労務費が想定以上に発生したり、遅配が発生する可能性があります。また今後ドライバー不足により外注費が高騰する場合は、当社グループの費用が増加する可能性があります。加えて、当社グループの委託先にて不祥事が発生した場合や委託先の輸送品質が顧客の要求に応えることができない場合には、当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)事業上の重要な許認可等 当社グループの事業運営に当たっては、主に次のような許認可等が必要となっております。当社グループでは、これら許認可等の規制に係る関係法令等の遵守に努めており、事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、今後法令違反等が発生することでこれらの許認可等が停止又は取消しとなった場合や法規制の厳格化が生じる場合は、当社グループの事業の継続が困難となり、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [主要な事業上の許認可等] 許認可事業法律監督官庁許認可等の内容有効期限許認可等の取消事由セグメント一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業第一種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省登録なし同法第16条デリバリー事業ロジスティクス事業第二種貨物利用運送事業貨物利用運送事業法国土交通省許可なし同法第33条デリバリー事業ロジスティクス事業倉庫業倉庫業法国土交通省登録なし同法第21条デリバリー事業ロジスティクス事業通関業通関業法財務省許可なし同法第11条ロジスティクス事業 (13)コンプライアンス 「(12)事業上の重要な許認可等」に記載の許認可等に係る法令のほか、当社グループの事業運営に当たっては次のような法規制を含む様々な法令の遵守が必要となります。今後、法規制の強化や、新たな法規制の適用等がなされた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ① 労務関連法令 当社グループは、平成30年3月期末現在において従業員47,058人、契約社員及びパートナー社員等38,843人(期中平均人員数)が在籍しており、そのうち大半を占める国内従業者については、「労働基準法」に従って36協定の遵守や休憩時間の確保等が義務付けられております。当社グループではこれらの法令遵守のみならず中期経営計画において多様な働き方推進を掲げる等、従業員の働きやすさの改善に向けて積極的に制度設計を行っております。 しかしながら近年、政府主導のもとで、働き方改革のための法改正の検討や、長時間労働是正のための法執行の強化が行われており、今後、法規制の強化や新たな法規制の適用、更なる法執行の強化等が行われた場合には、かかる法規制への対応に追加費用を要したり、当社グループの事業運営方法の変更を余儀なくされること等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 環境規制 当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車両)は、国及び自治体による「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(通称、自動車NOx・PM法)及び環境条例等の対象となります。当社グループでは、当該規制に適合した車両を利用しており、現時点では特段問題は生じておりませんが、今後規制対象が強化・拡大される等の法改正がなされ、現車両に追加で集塵装置の設置等の対応が必要となる場合は、追加費用が発生するため当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 従業員による放置駐車違反の身代わり事案 平成28年5月に発覚した、佐川急便株式会社の従業員による放置駐車違反の身代わり事案については、社内の調査委員会及び社外の弁護士からなる社外調査委員会による十分な調査を行い、再発防止策を講じておりますが、再発防止策が想定以上の費用の増加につながる可能性や、当該事案に関する報道等により当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。 今後同様又は別の法令違反により当社グループ従業員が刑事罰に処せられた場合には、その結果として当社グループが監督官庁からの行政上の処分を受ける可能性があり、これらの結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (14)訴訟その他の法的手続 当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社グループの社会的信用が低下することに加え、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお現在、当社連結子会社であるExpolanka USA LLCは、同社による競合会社の元従業員の雇用に関して、米国ニュージャージー州において当該競合会社から損害賠償等を求める訴訟を提起されております。当社は、本件に関してExpolanka USA LLCが行った行為に何ら法的な問題はないと認識しており、当該請求は根拠に乏しいと判断しております。Expolanka USA LLCは、本件について引き続き法廷にて争う方針です。 (15)人材の育成・確保 当社グループの各事業は、ドライバー等の現業従事者の確保が不可欠であり、当社グループの求めるクオリティを有する人材の採用及び育成が必要であります。特に足許ではeコマース市場の拡大による物流サービスへの需要増加や顧客が要求するサービスの高度化もあり、業界内でのドライバーの確保の競争が高まっております。 当社グループとしましては、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することに加え、採用後も定期的な研修を重ねることで質・量ともに十分な人材確保に努める方針ですが、これらの取組みが効果を発揮できなかった場合、営業収益の減少や費用増加等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)M&A、事業提携 当社グループでは、事業拡大及び企業価値向上のためにM&A及び事業提携を積極的に活用しております。特にこれらの経営戦略を実施する場合は、対象会社への十分なデューディリジェンスを実施するとともに、社外取締役・監査役も参加する投資検討委員会にて出資・取得価額の妥当性について十分に検討した上で実行することとしております。しかしながら、当該M&Aや資本提携等実施時に見込んだ成果が計画どおりに進捗しないこと等によるのれんや株式取得価額の減損等、当初予期していなかった事業上の問題の発生、取引関連費用の負担等によって当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、特に資本業務提携や共同出資によるジョイントベンチャー設立等については、提携等実施当初に企図する成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消や資本下位会社の解散等が生じる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼすほか、公表している中期経営計画の見直しを行う可能性があります。 (17)株式会社日立物流との資本業務提携 当社及び佐川急便株式会社は、強固な事業基盤の構築と物流業界における競争力の向上を目的として、平成28年3月30日付で株式会社日立物流との間で資本業務提携契約を締結しております。しかしながら、それぞれの強みを活かすための適切な施策が実行されない場合は、本資本業務提携契約において予定した便益を享受することができない可能性があります。また、株式会社日立物流が財政その他事業上の問題に直面したり、業界再編等により本資本業務提携に関する戦略を変更する可能性があります。 これらの要因により、株式会社日立物流との資本業務提携は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (18)システムトラブル 当社グループの事業の中で特にデリバリー事業やロジスティクス事業においては、リアルタイムでの輸送状況管理や、倉庫運営における在庫管理等の観点から、ITの活用は不可欠となっております。当社グループでは子会社にシステム開発・保守・運用を行うSGシステム株式会社を有しており、グループ内外における物流システムの開発・提供を行っております。 現時点では何ら問題は生じておらず、またリスク回避に向け適宜開発等を行っているものの、重大なバグの露見及びハッキング・ウィルス感染等を起因としたシステムトラブルの発生並びにシステム提供先におけるトラブルがあった場合は、当社グループの各事業の業務が停止する可能性や、システム上の問題への対応や当社顧客からの損害賠償請求等により多額の費用が生じる可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (19)役員との取引関係 当社グループは、代表取締役会長の関与する法人・団体との間で、次の取引があります。 ① 外郭団体との取引 当社代表取締役会長である栗和田榮一が理事長を務める当社グループの外郭団体として、公益財団法人佐川美術館及び公益財団法人SGH財団があります。当社グループとしましては、CSR活動の一環として両財団の活動方針に賛同し、様々な支援(寄付の実施、美術品の無償寄託、人材支援等)を行ってまいりました。美術品の無償寄託及び人材支援等の活動については今後も継続して実施する方針としております。 なお、両財団については、当連結会計年度末現在、合計で当社普通株式の29,318,181株(発行済株式総数対比9.16%)を保有しております。両財団が当社株式に係る議決権を行使する際は定款により理事会の3分の2以上の賛成を得る必要がある旨定められております。当社グループとしましては、両財団の議決権行使に係る独立性確保のため、当該議決権行使に係る理事会決議に当社グループ役職員を兼務する理事は参加しないこととしております。また両財団の理事選任に当たり、当社グループ役職員を兼務する評議員は、当社グループ役職員を兼務する理事の選任に当たっては評議会の決議に参加しないこととしております。 ② 新生興産株式会社との施設賃借 当社グループは、当社代表取締役会長栗和田榮一親族の資産管理会社である新生興産株式会社との間で不動産の賃借取引を行っております。 なお現時点における本取引については、第三者の不動産鑑定機関による賃料評価を取得の上実行しており、また毎期当該賃料水準が市場価格と乖離がないことを継続鑑定内容により確認しております。また、近隣の物流不動産に係る評価の向上を踏まえると拙速に買い戻すことは望ましくないと考えておりますが、今後の不動産マーケットの動向を踏まえ適切なタイミングにて買い取る方針を有しております。当該取引の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載のとおりであります。 (20)中期経営計画 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画「First Stage 2018」(平成29年3月期から平成31年3月期)を策定しており、経営戦略に基づいた中期経営計画最終年度(平成31年3月期)の連結業績予想については、当社ホームページ上にて公表しております。しかしながら、当該中期経営計画は、eコマースの拡大など顧客需要の拡大、宅配便事業における平均単価・宅配個数、人件費・外注費など、様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該計画における目標を達成できず、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)今後の設備投資について 当社グループでは継続的に物流施設の開発を行っており、足許では路線輸送の効率的運用や取扱キャパシティの増加を目的として、東京都江東区に大型物流施設を建設する計画としております。当該施設の新設を含め今後の施設建設に関連して想定以上のコストが発生する場合や、建設後において想定どおりの効果を発揮しない場合等においては、費用負担の増加や減損の発生等により当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、詳細については「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」及び「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご確認ください。