経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社は2022年5月9日より、当社グループの目指す姿として「企業理念」、「ビジョン」及び「大事にする価値観」を以下のとおり掲げています。<企業理念>~グローバルに信頼される ~海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献します。<ビジョン>全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指します。<大事にする価値観> ・お客様を第一に考えた安全で最適なサービスの提供 ・たゆまない課題解決への姿勢 ・専門性を追求した川崎汽船ならではの価値の提供 ・変革への飽くなきチャレンジ ・地球環境と持続可能な社会への貢献 ・多様な価値観の受容による人間性の尊重と公正な事業活動 当社は、海運業を主軸とする物流において、自社と社会の低炭素・脱炭素化の推進を通じて企業価値向上を図り、その実現のための新たな成長機会を追求していくことを基本方針としています。 (2)中期的な会社の経営戦略事業環境が大きく変化しているなか、当社グループは2022年5月9日に2022年度から2026年度までの5か年の中期経営計画を公表しました。当社グループならではの強みである専門機能を磨き上げ、2050年に向けた自社と社会の低炭素・脱炭素化の実現と、収益成長を両立させるための長期経営ビジョンを達成していくため、足元の5年間で実行する施策を中期経営計画において明確化しました。船隊の代替燃料船への移行と並行してエネルギーインフラの転換を進めると同時に、この事業機会を確実に捉え、収益性と成長性を高めていくためにも、経営資源の集中と顧客とのパートナーシップの強化により企業価値の持続的な向上につなげてまいります。その実現のため、事業戦略の実行、事業基盤の構築及び資本政策の明確化に取り組みます。 企業価値向上への取組みを定量的に管理していくための経営指標及び目標はそれぞれ以下のとおりです。経営指標2026年度最新見込(目標)ROE5% (10%以上)ROIC5% (6.0~7.0%)収支経常利益1,000億円 (1,600億円)最適資本構成・ 事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努める・ 自営事業及びコンテナ船事業に必要な資本レベルを検証する株主還元方針・ 当社は業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し、企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を進めることを株主還元方針としている・ この還元方針に基づき、8,800億円以上の株主還元を計画・ 2025年度までに約6,740億円を実施し、残りの中期経営計画期間では、2026年度に1株当たり120円(基礎配当40円、追加配当80円)の年間配当を予定・ 2026年度には配当に加えて1,300億円(上限)の自己株式取得を予定・ 引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の 実施を検討する (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題・事業戦略 当社グループは、2022年5月に公表した5か年の中期経営計画にて定めた、海運業を主軸とした当社グループの強みを生かしたポートフォリオ戦略に基づき、事業ごとの役割を明確化し、各事業の特性に応じたメリハリのある資源配分により事業の収益性を強化し、企業価値の更なる向上に努めます。 「成長を牽引する役割の事業」である鉄鋼原料、自動車船、LNG輸送船事業へは、環境対応を機会として成長を実現し全社収益の柱となることを目的とし、経営資源を集中的に配分して事業成長を実現します。「スムーズなエネルギー転換をサポートし新たな事業機会を担う役割の事業」である電力炭、油槽船、LPG船事業では、事業リスクの最小化を図りながらも、新エネルギー輸送需要への対応を推進します。「稼ぐ力の磨き上げで貢献する役割の事業」であるバルクキャリア、近海内航、港湾・物流事業では、市況耐性を高め、安定収益確保に努め、シナジーを追求した事業戦略を進めます。「株主として事業を支え収益基盤を安定させる役割の事業」では、コンテナ船事業を当社の重要な主要事業の一つと捉え、持分法適用関連会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」という。)の持続的な成長と発展のために、株主としての支援強化を目的とし、継続的な人的支援と経営ガバナンスへの関与を通じた企業価値の最大化を目指します。「新規事業領域」では、液化CO2輸送事業や洋上風力発電支援船事業など、グループ会社間の専門領域を磨き上げ、シナジーを追求し、当社グループの強みを生かせる事業領域の拡張を目指します。 ・機能戦略社会・自社の環境対応の目標と、その実現のための選択肢が具体的に進展し、新たな顧客ニーズ、事業機会・収益機会が出現するなか、顧客・パートナーに選ばれるため、当社の強みである3機能(環境・技術、安全・船舶品質管理、DX)を更に強化し成長戦略を進めます。3機能に加え当社グループの提供価値の源泉である人材・組織の事業基盤を強化することで、選ばれる能力とリソースを備え事業の獲得に繋げていきます。 ・資本政策最適資本構成を意識したキャッシュアロケーションにより資本効率と財務健全性を両立し、成長のための投資を行ったうえで積極的な株主還元を行い、企業価値向上を進めます。最適資本構成では、事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努めます。投資計画では、中期経営計画に基づき、「成長を牽引する役割を担う3事業」と「環境対応」に重点を置き、事業・目的に応じたリスク・リターンを鑑みて投資規律を効かせ、好況の時は抑制的に、市況が悪化した折には戦略的に投資を実行していきます。株主還元政策では、中期経営計画期間の業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を検討します。また、経営管理の更なる高度化により、事業ごとの資本コスト及びキャッシュ・フローを意識した経営管理の導入及び事業投資マネジメント導入による投資規律の維持・強化により、資本効率を最適化し、企業価値の更なる向上を目指します。 ・中期経営計画の振り返りと次期中期経営計画への重点課題現時点での振り返りとして、現中期経営計画では、地政学・通商政策関連などの環境変化が激しいなか、業績面においては、自営事業の安定化・コンテナ船事業の収益のアップサイドを確保し、株主還元拡充に成果がありました。一方で、資本効率向上・事業成長への投資に課題があると認識しており、2026年度中のPBR1倍達成、更にPBR1倍超への定常化に向けた取組みが必要と考えております。次期中期経営計画では将来的なROE15%以上の実現に向けて、「自営事業の成長戦略」、「コンテナ船事業の課題解決」、「資本政策」を重点課題とし、利益成長と資本効率改善を両輪で取り組みます。そのなかで資本政策については、「まずは短期的に自己資本比率(オフバランス込み)50%前後をめどに資本適正化を目指す」方針を掲げており、2026年5月29日公表の通り、1,300億円(上限)の自己株式取得を実施することを決定しています。引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の実施を検討します。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社は2022年5月9日より、当社グループの目指す姿として「企業理念」、「ビジョン」及び「大事にする価値観」を以下のとおり掲げています。<企業理念>~グローバルに信頼される ~海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献します。<ビジョン>全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指します。<大事にする価値観> ・お客様を第一に考えた安全で最適なサービスの提供 ・たゆまない課題解決への姿勢 ・専門性を追求した川崎汽船ならではの価値の提供 ・変革への飽くなきチャレンジ ・地球環境と持続可能な社会への貢献 ・多様な価値観の受容による人間性の尊重と公正な事業活動 当社は、海運業を主軸とする物流において、自社と社会の低炭素・脱炭素化の推進を通じて企業価値向上を図り、その実現のための新たな成長機会を追求していくことを基本方針としています。 (2)中期的な会社の経営戦略事業環境が大きく変化しているなか、当社グループは2022年5月9日に2022年度から2026年度までの5か年の中期経営計画を公表しました。当社グループならではの強みである専門機能を磨き上げ、2050年に向けた自社と社会の低炭素・脱炭素化の実現と、収益成長を両立させるための長期経営ビジョンを達成していくため、足元の5年間で実行する施策を中期経営計画において明確化しました。船隊の代替燃料船への移行と並行してエネルギーインフラの転換を進めると同時に、この事業機会を確実に捉え、収益性と成長性を高めていくためにも、経営資源の集中と顧客とのパートナーシップの強化により企業価値の持続的な向上につなげてまいります。その実現のため、事業戦略の実行、事業基盤の構築及び資本政策の明確化に取り組みます。 企業価値向上への取組みを定量的に管理していくための経営指標及び目標はそれぞれ以下のとおりです。経営指標2026年度最新見込(目標)ROE5% (10%以上)ROIC5% (6.0~7.0%)収支経常利益1,000億円 (1,600億円)最適資本構成・ 事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努める・ 自営事業及びコンテナ船事業に必要な資本レベルを検証する株主還元方針・ 当社は業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し、企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を進めることを株主還元方針としている・ この還元方針に基づき、8,800億円以上の株主還元を計画・ 2025年度までに約6,740億円を実施し、残りの中期経営計画期間では、2026年度に1株当たり120円(基礎配当40円、追加配当80円)の年間配当を予定・ 2026年度には配当に加えて1,300億円(上限)の自己株式取得を予定・ 引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の 実施を検討する (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題・事業戦略 当社グループは、2022年5月に公表した5か年の中期経営計画にて定めた、海運業を主軸とした当社グループの強みを生かしたポートフォリオ戦略に基づき、事業ごとの役割を明確化し、各事業の特性に応じたメリハリのある資源配分により事業の収益性を強化し、企業価値の更なる向上に努めます。 「成長を牽引する役割の事業」である鉄鋼原料、自動車船、LNG輸送船事業へは、環境対応を機会として成長を実現し全社収益の柱となることを目的とし、経営資源を集中的に配分して事業成長を実現します。「スムーズなエネルギー転換をサポートし新たな事業機会を担う役割の事業」である電力炭、油槽船、LPG船事業では、事業リスクの最小化を図りながらも、新エネルギー輸送需要への対応を推進します。「稼ぐ力の磨き上げで貢献する役割の事業」であるバルクキャリア、近海内航、港湾・物流事業では、市況耐性を高め、安定収益確保に努め、シナジーを追求した事業戦略を進めます。「株主として事業を支え収益基盤を安定させる役割の事業」では、コンテナ船事業を当社の重要な主要事業の一つと捉え、持分法適用関連会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」という。)の持続的な成長と発展のために、株主としての支援強化を目的とし、継続的な人的支援と経営ガバナンスへの関与を通じた企業価値の最大化を目指します。「新規事業領域」では、液化CO2輸送事業や洋上風力発電支援船事業など、グループ会社間の専門領域を磨き上げ、シナジーを追求し、当社グループの強みを生かせる事業領域の拡張を目指します。 ・機能戦略社会・自社の環境対応の目標と、その実現のための選択肢が具体的に進展し、新たな顧客ニーズ、事業機会・収益機会が出現するなか、顧客・パートナーに選ばれるため、当社の強みである3機能(環境・技術、安全・船舶品質管理、DX)を更に強化し成長戦略を進めます。3機能に加え当社グループの提供価値の源泉である人材・組織の事業基盤を強化することで、選ばれる能力とリソースを備え事業の獲得に繋げていきます。 ・資本政策最適資本構成を意識したキャッシュアロケーションにより資本効率と財務健全性を両立し、成長のための投資を行ったうえで積極的な株主還元を行い、企業価値向上を進めます。最適資本構成では、事業リスクを意識した財務健全性と資本効率の両立を図りつつ、引き続き成長投資と株主還元のキャッシュアロケーションの分配を意識した事業運営に努めます。投資計画では、中期経営計画に基づき、「成長を牽引する役割を担う3事業」と「環境対応」に重点を置き、事業・目的に応じたリスク・リターンを鑑みて投資規律を効かせ、好況の時は抑制的に、市況が悪化した折には戦略的に投資を実行していきます。株主還元政策では、中期経営計画期間の業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて積極的に自己株式取得を含めた株主還元を検討します。また、経営管理の更なる高度化により、事業ごとの資本コスト及びキャッシュ・フローを意識した経営管理の導入及び事業投資マネジメント導入による投資規律の維持・強化により、資本効率を最適化し、企業価値の更なる向上を目指します。 ・中期経営計画の振り返りと次期中期経営計画への重点課題現時点での振り返りとして、現中期経営計画では、地政学・通商政策関連などの環境変化が激しいなか、業績面においては、自営事業の安定化・コンテナ船事業の収益のアップサイドを確保し、株主還元拡充に成果がありました。一方で、資本効率向上・事業成長への投資に課題があると認識しており、2026年度中のPBR1倍達成、更にPBR1倍超への定常化に向けた取組みが必要と考えております。次期中期経営計画では将来的なROE15%以上の実現に向けて、「自営事業の成長戦略」、「コンテナ船事業の課題解決」、「資本政策」を重点課題とし、利益成長と資本効率改善を両輪で取り組みます。そのなかで資本政策については、「まずは短期的に自己資本比率(オフバランス込み)50%前後をめどに資本適正化を目指す」方針を掲げており、2026年5月29日公表の通り、1,300億円(上限)の自己株式取得を実施することを決定しています。引き続き更なるレバレッジの活用なども含めて利益成長と資本効率の改善に資する施策の実施を検討します。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】世界経済は、中東情勢、米中対立等の地政学的リスクの高まり、世界各国の政策変更など多くの変動要因に直面しました。一方、国内経済は、内需を中心として、緩やかに成長しました。海運市況は、自営事業のドライバルク事業、エネルギー資源輸送事業及び自動車船事業において、それぞれ順調な貨物需要により、概ね堅調に推移しました。コンテナ船事業については、新造船の竣工影響などにより、市況は前年を下回る水準で推移しました。このような事業環境のなか、当社は2022年度から5か年の中期経営計画を着実に実行しています。低炭素・脱炭素社会の実現を事業機会として成長戦略を策定し、ポートフォリオ戦略に基づき、成長の牽引役となる3つの事業に対して経営資源を集中的に配分し、また、当社グループの重要な事業部門であるコンテナ船事業については、株主として持分法適用関連会社であるONE社の持続的な成長と発展のために支援を強化します。そのうえで最適資本構成を目指し、バランスのとれた成長投資と株主還元を軸としたキャッシュアロケーションも進めます。これらの取組みを通じて環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に向けて企業価値を継続的に向上させることで、全てのステークホルダーに信頼され続ける会社を目指してまいります。当期業績について、自営事業は全てのセグメントで黒字を確保しました。ドライバルクセグメントでは、積地での労働争議やコスト増等により、前期比で減益となりました。自動車船事業では、運航費増加や中東情勢などの影響により、前期比で減益となりました。一方で、エネルギー資源セグメントでは、持分法適用会社において、一過性要因として、前期に含まれていた減損損失の剥落、当期の税効果見直しにより前期比で増益となりました。また、コンテナ船事業では、米国の通商政策や中東情勢の影響を受けるなか、ONE社の業績は新造船の竣工影響などによる船費等の増加、運賃の低下により、前期比で減益となりました。株主還元政策に関しては、業績動向を見極め、最適資本構成を常に意識し、企業価値向上に必要な投資及び財務健全性を確保のうえ、適正資本を超える部分についてはキャッシュ・フローを踏まえて、株主還元を積極的に実施しました。 これらの結果、当期の連結売上高は1兆183億円、営業利益は841億円、経常利益は1,091億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,329億円となりました。なお、持分法による投資利益として227億円を計上しました。うち、当社の持分法適用関連会社であるONE社からの持分法による投資利益の計上額は150億円です。 経営計画の主な内容は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期的な会社の経営戦略、(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。事業環境が大きく変化しているなか、当社グループは2022年度から2026年度までの5か年の中期経営計画を公表しました。当社グループならではの強みである専門機能を磨き上げ、2050年に向けた自社と社会の低炭素・脱炭素化の実現と、収益成長を両立させるための長期経営ビジョンを達成していくため、中期経営計画で策定した施策を実行しています。 業績等の概要(1)業績(単位:億円) 前連結会計年度(2025年3月期)当連結会計年度(2026年3月期)増減額 (増減率)売上高10,47910,183△295(△2.8%)営業利益1,028841△186(△18.2%)経常利益3,0801,091△1,989(△64.6%)親会社株主に帰属する当期純利益3,0531,329△1,723(△56.5%) 為替レートと燃料油価格が経常利益に与えた影響は以下のとおりです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額影響額為替レート(円/US$)153150△3△32億円燃料油価格(US$/MT)610528△82△1億円 <為替の推移(円/US$)> <消費燃料油価格の推移(US$/MT)>(注)為替・消費燃料油価格(平均補油価格)とも、当社社内値です。 また、当連結会計年度の事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。 (単位:億円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)増減額 (増減率)ドライバルク売上高3,2232,927△295(△9.2%)セグメント損益132109△23(△17.9%)エネルギー資源売上高1,0191,006△12(△1.2%)セグメント損益499647(96.9%)製品物流売上高6,1286,16436(0.6%)セグメント損益2,936908△2,027(△69.0%)その他売上高10884△23(△22.2%)セグメント損益92212(132.7%) 各セグメントの状況をより適切に表示させるため、一部の営業外収益及び営業外費用の配賦方法を変更しています。前連結会計年度のセグメント情報につきましても、変更後の方法により表示しています。 ① ドライバルクセグメント[ドライバルク事業]大型船市況は、鉄鉱石やボーキサイトの堅調な荷動きを背景に、概ね底堅く推移しました。中・小型船市況は、上半期は石炭輸送需要の低迷により短期的に軟化する場面もありましたが、2026年初めから持ち直し、底堅く推移しました。このような状況下、ドライバルクセグメントでは、市況エクスポージャーを適切に管理すると同時に運航コストの削減や配船効率向上に努めました。ドライバルクセグメント全体では、前期比で減収減益となりました。 ② エネルギー資源セグメント[液化天然ガス輸送船事業、液化ガス事業、電力事業、原油・製品事業、エネルギー事業戦略]LNG船、LPG船、電力炭船、大型原油船、ドリルシップ(海洋掘削船)、FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)等は、中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、底堅い収益の推移に貢献しました。エネルギー資源セグメント全体では、為替影響等により前期比で減収となるも、前期に生じた一過性要因の解消等により増益となりました。 ③ 製品物流セグメント[自動車船事業]世界の自動車販売市場において、各国の販売台数は総じて堅調に推移しましたが、米国向け追加関税影響、及び期末の中東情勢悪化により、配船変更、燃料費等の運航コスト上昇の影響を受けました。 [物流事業]国内物流・港湾事業では、コンテナターミナル取扱量、曳船事業の作業数及び倉庫事業の取扱量はそれぞれ堅調に推移しました。国際物流事業では、フォワーディング事業の航空輸送において自動車関連など一部については荷動きが低調であったものの、半導体輸送量は増加し、事業全体で概ね堅調に推移しました。完成車物流事業は、豪州各港での取扱量に影響を与える新車販売台数は前期と同水準で推移し、輸送台数及び保管台数も概ね安定的に推移しました。 [近海・内航事業]近海事業では、鋼材が前期比で減少した一方、バイオマス燃料やバルク貨物が増加し、全体の輸送量は前期を上回りました。内航事業では、フェリー輸送は、トラック・乗用車・旅客のいずれも増加し、特に乗用車・旅客が好調を維持しました。定期船輸送は、苫小牧航路が堅調だった一方、全体では荒天や農作物の不作の影響等により前期の輸送量を下回りました。不定期船輸送は、石灰石輸送が減少したものの、石炭輸送及び一般貨物船は堅調に推移しました。 [コンテナ船事業]コンテナ船事業では、米国の通商政策や中東情勢の影響で一時的な荷量の増減は見られたものの、通期では底堅く推移しました。一方で新造船の大量竣工による供給過剰の状況は解消せず、平均運賃は前期を下回る水準で推移しました。こうした事業環境を背景として、当社持分法適用関連会社であるONE社の業績は、前期比で減収減益となりました。 製品物流セグメント全体では、前期比で増収となるも減益となりました。 ④ その他その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当期業績は前期比で減収となるも増益となりました。 (2)キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,197億円となり、前連結会計年度末より1,181億円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは、利息及び配当金の受け取り及び税金等調整前当期純利益等により、当連結会計年度は2,647億円のプラス(前連結会計年度は2,731億円のプラス)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、船舶を中心とする固定資産の取得等により、当連結会計年度は351億円のマイナス(前連結会計年度は1,261億円のマイナス)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済及び配当金の支払い等により、当連結会計年度は1,247億円のマイナス(前連結会計年度は2,116億円のマイナス)となりました。 生産、受注及び販売の状況 当社グループは、海運業を中核とする海運事業グループであり、ドライバルク事業、エネルギー資源事業、製品物流事業を行っています。このほか、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等を展開しています。したがって、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。 セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高) セグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)の実績は、下記のとおりです。 セグメントの名称 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)比率(%)金額(百万円)比率(%)ドライバルク322,35730.8292,78328.8エネルギー資源101,9179.7100,6669.9製品物流612,85758.5616,49860.5その他10,8121.08,4150.8合計1,047,944100.01,018,364100.0 当社(川崎汽船㈱)の営業収益実績(参考) 提出会社のセグメント別営業収益の実績は、下記のとおりです。 区分 前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)比率(%)金額(百万円)比率(%) (ドライバルク)307,20736.5278,30134.6 (エネルギー資源)84,58510.180,71910.0 (製品物流)448,78553.4445,65955.4海運業収益840,578100.0804,681100.0 (その他)500.0510.0その他事業収益500.0510.0合計840,628100.0804,732100.0 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析 (1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (2)当連結会計年度の経営成績の分析① 売上高売上高は前年度に比べ2.8%減収の1兆183億円となりました。報告セグメント別では、ドライバルクセグメントは、前年度に比べ、9.2%減収の2,927億円となりました。エネルギー資源セグメントは、前年度に比べ、1.2%減収の1,006億円となり、製品物流セグメントは、前年度に比べ、0.6%増収の6,164億円となりました。その他の区分は、22.2%減収となりました。 ② 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、前年度の8,656億円から162億円減少し、8,494億円(前年度比1.9%減)となりました。営業収入に対する売上原価の比率は0.8ポイント増加して83.4%となりました。販売費及び一般管理費は53億円増加し、847億円(前年度比6.7%増)となりました。 ③ 営業利益売上総利益の減少により、前年度の1,028億円の営業利益に対し841億円の営業利益となりました。④ 営業外収益(費用)227億円の持分法による投資利益(前年度は2,020億円の持分法による投資利益)を計上したことが主な要因となり、営業外損益は249億円の利益(前年度は2,052億円の利益)となりました。⑤ 税金等調整前当期純利益固定資産売却益などにより特別利益は256億円となりました。また、固定資産除却損などにより特別損失は23億円となりました。これらの結果、税金等調整前当期純利益は1,324億円(前年度は3,199億円の税金等調整前当期純利益)となりました。⑥ 法人税等法人税等は、主として法人税等調整額の減少により、前年度の123億円から163億円減少し△39億円となりました。 ⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益非支配株主に帰属する当期純利益は、ケイラインロジスティックス㈱などの非支配株主に帰属する当期純利益が増加し、前年度の22億円に対し、34億円となりました。⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度の3,053億円に対し、1,329億円となりました。1株当たり当期純利益は、前年度の460.11円に対し、210.42円となりました。 (3)資本の財源及び資金の流動性についての分析① キャッシュ・フローの状況「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。② 資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのドライバルク事業や自動車船事業の運営に関わる海運業費用です。この中には港費・貨物費・燃料費などの運航費、船員費・船舶修繕費などの船費及び借船料などが含まれます。このほか物流事業の運営に関わる労務費等の役務原価、各事業についての人件費・情報処理費用・その他物件費等の一般管理費があります。また、設備資金需要としては船舶投資や物流設備・ターミナル設備等への投資があります。当連結会計年度中に906億円の設備投資を実施しました。 ③ 財務政策当社グループの事業維持・拡大を支える低コストで安定的な資金の確保を重視しています。長期の資金需要に対しては金融機関からの長期借入金を中心に、社債発行、新株発行により調達しています。短期的な運転資金を銀行借入、コマーシャルペーパー(CP)発行等により調達し、一時的な余資は安定性・流動性の高い金融資産で運用しています。また、キャッシュマネージメントシステム等を利用して、国内・海外グループ会社の余剰資金を有効活用しています。流動性の確保としまして、CP発行枠600億円に加え、国内金融機関と約1,500億円の複数年のコミットメントラインを設定し、緊急の資金需要に備えています。当社は日本格付研究所(JCR)から格付を取得しており、2026年3月31日現在の発行体格付は、「A」となっています。また、短期債格付(CP格付)については「J-1」を取得しています。 (4)財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前年度末比1,339億円増加し2兆3,439億円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前年度末比1,430億円増加し5,464億円となりました。固定資産は前年度末比91億円減少し1兆7,975億円となりました。固定資産のうち有形固定資産は、建設仮勘定の増加等により、前年度末比49億円増加し4,936億円となりました。投資その他の資産は、投資有価証券の減少等により、前年度末比172億円減少し1兆2,935億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前年度末比305億円減少し5,020億円となりました。支払手形及び営業未払金の増加等により、流動負債は2,351億円となり、長期借入金の減少等により、固定負債は2,668億円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前年度末比1,645億円増加し、1兆8,419億円となりました。純資産のうち株主資本は、主に利益剰余金が628億円増加したことにより、1兆4,182億円となりました。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が増加したことを主な要因として、前年度末比844億円増加し3,844億円となりました。