事業等のリスク
西武ホールディングスは、事業活動における様々なリスクを管理しています。特に重要なリスクとして、不動産市場の変動による不動産価値の低下や開発コストの高騰が挙げられ、長期的な成長に影響を与える可能性があります。また、少子高齢化による人手不足は、採用難や人材流出を招き、事業機会の逸失や戦略実行力の低下につながるリスクがあります。その他、自然災害、感染症、経済情勢の変化、金利変動なども事業に影響を及ぼす可能性があります。
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FY2025|13,235 文字
3【事業等のリスク】 (1) 当社グループのリスクマネジメント体制 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。 また、グループ内子会社のうち、主要8社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下、「ガバナンス系列の会社」といいます。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要8社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としております。 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告いたします。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。 (2) 当社グループのリスクマネジメントの運用 当社グループにおけるリスクマネジメントは、毎事業年度におこなうリスクマネジメント計画の策定と当該計画に基づく継続的なモニタリングにより運用しております。 リスクマネジメント計画は、①リスクの洗い出し(抽出)、②リスクの大きさ算定(分析)と優先順位付け(評価)、③リスク対策(行動計画)の決定、というプロセスを経て、策定しております。 また、計画開始後のモニタリングは、外部環境の変化にともなうリスクの変動及びリスク対策の進捗等を踏まえた残余リスク(リスクコントロールの実施後に残るリスク)に着目して実施しております。 当社グループは、当社グループが策定した「西武グループ長期戦略2035」(以下、「長期戦略」といいます。)及び「中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「中期経営計画」といいます。)と有機的一体となった運用により、当社グループの戦略目標達成を支える質の高いリスクマネジメントをおこなってまいります。 以下では、当社グループのリスクマネジメント計画の策定プロセスの具体的内容について記載いたします。 ①リスクの抽出 リスクの抽出は、次のとおり、当社グループ内においてトップダウン及びボトムアップの双方向のアプローチに基づくプロセスを経ております。 当社は、当社のリスクマネジメント会議での議論及び当社の社外取締役との意見交換も経ながら、当社グループ全体の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しております。並行して、主要8社各社も、主要8社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しており、双方で抽出したリスク要因をあわせることで、リスクの網羅的な抽出をおこなっております。 ②リスクの分析・評価 当社グループでは、発生可能性及び影響度の観点からリスク分析をおこなっております。具体的には、主要8社各社が、発生可能性ならびに主要8社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成に対する影響度を分析し、当社は、主要8社各社の分析結果も踏まえ、当社グループ全体としての発生可能性及び目標達成に対する影響度を分析、評価しております。 当事業年度末時点においては、上記分析に基づき、当社は、14項目の主要なリスクカテゴリーのうち、特に重要なリスクカテゴリーとして9項目を決定いたしました(リスク評価)。 当該分析及び評価の結果は次のとおりです。 発生可能性低中高影響度大・安全・安心・自然災害・感染症・ 地政学的リスク等・旅行・観光消費動向・収支構造・金利・不動産領域・人財確保・少子高齢化・経済情勢・技術革新・価値変容中・情報システム・ 情報管理・ブランド・風評・法的規制・ コンプライアンス等・気候変動小 ・協力企業との取引・共創 ③リスク対策 当社グループは、リスクマネジメント計画策定時に、残余リスクとして残存したとしても経営上許容し得るリスクの程度について議論をおこない、かかる議論を踏まえて具体的なリスク対策を決定しております。 主要なリスクカテゴリーに対するリスク対策の概要については、後掲(3) 及び(4) に記載いたします。なお、後掲(3) 及び(4) に記載する事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当事業年度末現在において判断したものであります。 (3) 特に重要なリスクの内容及びリスク対策の概要 ①不動産領域に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 当社グループの長期戦略においては、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業は、不動産事業とともに成長していくものであり、不動産事業が当社グループの成長の核となります。そのため、不動産領域に存在するリスクは、当社グループの長期的な成長に大きな影響を与える可能性があります。具体的には、2025年4月に株式会社西武リアルティソリューションズから商号変更した株式会社西武不動産(以下、「SRE」といいます。)が総合不動産会社へと飛躍していくうえで、(ア)投資判断上の課題、(イ)開発用地・不動産の取得、(ウ)不動産開発・建替、(エ)不動産価値の低下、及び(オ)不動産の管理といったあらゆるリスクに対処する必要があります。 特に、(ウ)不動産開発には長い開発期間と巨額の投資が必要となり、当社グループではコントロールできない多くの外部要因により、影響を受ける可能性があること、及び、(エ)不動産市況の変化や老朽化によって不動産価値が減少し、又は工事費をはじめとする各種コストの高騰により売却利益の減少や損失が発生する可能性があること、について注視する必要があります。 東京ガーデンテラス紀尾井町の流動化をはじめとし、今後より一層不動産回転型ビジネスを加速していくこととしていますが、上記のリスクのうち特に(エ)不動産市況の変化による不動産価値の減少等に起因する売却利益の減少や損失の発生等のリスクに留意する必要があります。●リスク対策 当事業年度においては、キャピタルリサイクルモデル(不動産流動化とその資金を活用した再投資を持続的に実施し成長するモデル)の実現に向けた体制整備をおこなってまいりました。今後は、引き続き専門人財の登用をおこないながら、新規物件取得や不動産開発を加速していき、リスク顕在化による影響を低減いたします。 (ウ)不動産開発に関するリスク等、当社でコントロールできないリスクについては一定のリスクの発生を織り込んだうえで投資判断・事業をおこない、また、遅延や異常が発生した場合には、速やかな対応ができる体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減いたします。 (エ)不動産価値の低下リスクについては、貸借対照表の適正なコントロールや最適なポートフォリオの構築を通じて、リスク耐性のある事業基盤を構築するとともに、資本効率性を意識した商品企画・サービスの向上及びバリューアッドを通じた市場競争力の強化によって、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ②人財確保に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、働き手が慢性的に不足し、採用市場は売り手市場が続くことが予想されます。当社グループにおいても、想定どおりの採用が実施できなかった場合や、キーパーソンや若手社員が働きがいを感じられず人財の外部流出が進む場合など、人員が不足した結果、事業機会を逸失、事業戦略の実行力低下を招く、といったリスクが想定されます。 特に成長戦略の核を担うSREでは、不動産回転型ビジネスや都心・リゾート再開発等を担う専門人財の確保が遅れる場合、これらのビジネスが停滞し、損失を招くリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループは、長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)の一つとして「多様な人財の育成・活躍」を位置づけ、その一環として「西武グループ人財戦略」を実行しております。当社グループの各社が「人財スキル・人員数の確保」「働きがいのある組織」に向けた取組みをおこなうことにより「個人の成長」を促進し、「個人×個人が最大限活躍できる組織」をつくっていくことで本社・現場全員が一丸となって「プロフェッショナル集団」を目指します。 全社的に、従来の新卒定期採用に加え、キャリア採用や副業等の市場に着目し、人財確保につなげるとともに、確保した人財や既存従業員に当社グループで活躍できるように、働きがいを向上させます。働きがいに関する調査結果を踏まえ、人事施策をブラッシュアップしていくことにより、従業員が会社の目指す姿に共感し、一体となって挑戦している組織の状態を築くとともに、社内外に開けたオープンマインドや高い心理的安全性を前提としたダイバーシティやインクルージョンを実践してまいります。これらの施策を着実に実行することでリスクを回避いたします。 当事業年度におきましては、2025年度初任給及び既存社員の給与引き上げをおこなうことを決定しましたが、引き続き成長を支える原動力となる人財へ投資し、「最高の処遇」を実現してまいります。 ③少子高齢化に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、当社グループの事業においては、具体的には、(ア)鉄道沿線の人口減少による運輸収入や沿線での各種事業(西武ライオンズ等も含みます。)の収入減、観光客の減少によるホテル・レジャー事業等の収入減、(イ)お客さまの高齢化にともなうニーズの変化に適応できなかった場合のお客さま満足度低下、収入減、及び(ウ)不動産需要の低下、市況の悪化による地価等の下落、等のリスクが想定されます。●リスク対策 不動産事業を核とする成長戦略を実行し、キャピタルリサイクルによりグループの成長に寄与するキャッシュ・フローを生み出す方向性へ事業ポートフォリオ変革を進めていくこと、また、グループ外のスタートアップ企業等と連携しながら、新規事業創出にも挑戦し続けることで、リスク顕在化による影響を低減いたします。 また、リゾート開発において付加価値の高い国際的リゾートを創造していくこと、ホテル・レジャー事業において富裕層をターゲットとするラグジュアリーブランドの出店も含めたホテル展開を加速させていくこと、グループマーケティング基盤上のデータを利活用しながら、お客さまのニーズをタイムリーに把握しサービス変革を果たすこと、及び、あらゆる年代のお客さまにとって快適なサービスの形を追求し(施設、接遇等)、当社グループ独自の体験価値を提供すること、を通じて市場での競争力を強化し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 さらに、西武鉄道株式会社(以下、「SR」といいます。)の沿線地域の土地が強固な地盤であることも強みに、SRとSREが連携してSR沿線エリアの街づくりに取り組んでいくこと等を通じて、SR沿線地域の少子高齢化・人口減少を抑制し、リスクの発生可能性も低減いたします。 ④経済情勢に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容(経済危機) 地政学リスク等に端を発する世界経済の減速は、日本経済にも影響を及ぼす可能性があります。特に旅行・観光需要が減少すると、「旅行・観光消費動向に関するリスク」が高まる可能性があります。(燃料費、原材料費等の不足、高騰) 気候変動や自然災害に起因する原材料の不足(原材料費の高騰)や、原油価格高騰に起因する燃料費の増加等の外部的な要因により燃料費、原材料費等が増加することにより、業績に悪影響を及ぼし、又は、事業活動の継続が困難となる可能性があります。(為替変動) 為替価格が当初予定されていた価格と相違することにより、日本円表示している連結財務諸表や、外貨建て資産・負債に損失が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(株式市場の変動) 株式市場の変動によって、当社の株価下落、また、当社グループが保有する投資有価証券の価値が変動し、損失を被ることで、業績への打撃をもたらす可能性があります。(退職給付費用・退職給付債務) 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減しております。今後も、経済情勢をあらかじめ踏まえたうえでの計画策定や、変化をとらえた機動的な対応等により、リスクコントロールをおこなってまいります。 ⑤技術革新・価値変容に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機とした人々の生活様式の変化によって、人々の価値観にも変容が生じ、複雑化・多様化しております。また、ディープラーニングの発展を背景としたAIの急激な進歩等、技術革新(デジタルディスラプションを含みます。)が目まぐるしく生じ、当該技術を活用した新たな価値(新たなサービス)が次々と世に生み出されております。これに対して当社グループの商品・サービスが、お客さまのニーズの変化に適応したものとなっていない場合、賃貸稼働率の低下や賃料の減少、販売売上の減少等によって経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタルよりもトランスフォーメーションに重きを置き、企業全体の変革を実現するものとしています。デジタル技術、データの利活用は不可欠であるとの認識に基づき、(ア)当社グループの従業員にデジタルスキルの習得機会を提供し、データの分析及び利活用を高度におこなうことのできる人財を育成していくこと、ならびに、(イ)特定の専門家、分析担当者だけでなく、あらゆる従業員がデータを理解したうえで効果的な施策を実行できるようにしていくこと(データの民主化)、の両軸で、お客さまに対して、これまでにない「新しい体験価値」を創出していくことで、リスクの発生可能性を低減いたします。また、データに基づく経営判断をおこない、お客さまのニーズに見合ったサービス変革を継続的に実行するとともに、業務プロセスも効率化することにより、当社グループらしい不動産開発、生活者に選ばれる沿線、お客さま・オーナーさまに選ばれるホテル、など競争優位性の高い状態を実現することで、リスクの発生可能性を低減いたします。 ⑥気候変動に関するリスク発生可能性:高影響度:中●リスクの内容(移行リスク) 地球環境バランスの崩壊と、世界的な資源循環の要請がメガトレンドとして存在しているところ、事業者にとっては、社会や投資者等のステークホルダーから、温室効果ガスの削減を含む環境への取組みが要請され、その取組みが重視・評価される時代となっております。そのため、例えば、(ア)気候変動を考慮した企業ニーズや消費動向の変化(例:不動産需要の変化等)をとらえきれず、お客さま満足度を低下させ、事業機会を逸失する、(イ)当社グループによる取組み不足により、当社グループのイメージが低下し、当社グループ各社による事業機会を逸失する、等のリスクが想定されます。(物理的リスク) また、(ウ)豪雨・土砂災害等の異常気象の激甚化による交通事業の運休・施設の休業により売上が減少し、又は、建物・設備等の改修コストが増加する等の要因により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、(エ)夏期の気温上昇による出控えや、冬期の降雪量の減少等によるスキー客の減少等を要因として売上が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクも想定されます。●リスク対策 当社グループは長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)として「脱炭素・資源有効活用」を設定し、環境負荷低減目標及び資産・ブランド価値向上指標を非財務KPIとして設定しております。具体的には、CO₂排出量を2050年度ネットゼロにする、延床面積30,000㎡以上のオフィスビルにおける環境認証(CASBEE、DBJ等)の取得率100%、等の目標を掲げ、例えば、森林の活用、省エネ車両や設備の導入による使用エネルギーの削減、太陽光発電等再生可能エネルギーの導入、等の具体的施策を検討・実施しております。また、特にホテル・レジャー事業では、環境意識の高いお客さまニーズを踏まえたサービスを提供してまいります。これらの取組みにより、移行リスクの発生可能性を低減いたします。 また、建物・設備等の改修及び浸水・防止対策その他各種メンテナンスの徹底、ならびに総合復旧訓練等の異常時訓練の実施を通じた対応力の強化により、物理的リスクによってお客さまの安全が脅かされることのないよう、最大限の努力をおこなっております。さらに、売上の減少や改修コストの増加が業績に大きな悪影響を及ぼすことがないよう計画的な修繕等を通じて、物理的リスクの顕在化による影響を低減いたします。 ⑦自然災害・感染症・地政学的リスク等に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容 当社グループの事業においては、地震、津波及び台風等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症、ならびに戦争及びテロ等の地政学的リスク等を要因として、(ア)生活者、観光利用者の動きに影響が生じ、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において売上高が減少する、(イ)事業拠点が1か所(主に首都圏)に集中することで、自然災害又は地政学的リスク等が発生した際に甚大な影響を受け全社的に事業継続が困難となる可能性がある、等のリスクが想定されます。●リスク対策 前・中期経営計画において実施したグループ再編以降、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(以下、「SPW」といいます。)はホテル出店においてはマネジメントコントラクト(以下、「MC」といいます。)受託によることを基本とすることでリスク顕在化による影響を低減しております。 また、不動産回転型ビジネスの展開により、安定利益(開発・賃貸業)と売却利益(投資運用業)のバランスをとることに、また海外ホテル展開においては、地政学リスクをより一層注視しながら、エリアごとのリスク分散をはかることにより、リスク顕在化による影響を低減いたします。さらに、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業においては、沿線自治体とも連携し、防災体制を強化しております。 気候変動に対するリスクマネジメントとの連動・一体性も意識しながら、リスクが顕在化した場合であっても、お客さまや従業員の安全性が保たれるとともに、事業への影響が極小化できている状態を目指します。 ⑧旅行・観光消費動向に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(国内情勢の変化) 国内景気の悪化による旅行・観光消費の冷え込みによって、日本国内における旅行・観光客の減少が生じ、売上(ホテル・レジャー事業、都市交通・沿線事業の定期外収入等)が減少する可能性があります。(海外情勢の変化) 海外進出先での政治的混乱や、外交的問題による日本との関係悪化により、現地での事業継続への支障もしくは事業の中断・停止、又は、日本へのインバウンドの減少等が生じ、特にホテル・レジャー事業において業績への悪影響やホテル数拡大の遅延が生じる可能性があります。●リスク対策 ホテルのグローバル展開など単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、及びグループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に加え、前・中期経営計画期間ではアセットライトをテーマとしたビジネスモデルの変革により企業体質を進化させるなど、リスク顕在化による影響を低減しております。 さらに、当社グループのマテリアリティ(重要テーマ)である「五感を揺さぶる体験創造」に従い、あらゆる場面で楽しみと感動を体験できる設計やMICE・リゾート等の独自の強みの発揮を通じて、「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」として差別化をはかり、グループのロイヤルカスタマーを育成し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 また、足もとでは米国の政策により世界的な景気後退の懸念がされております。米国の政策による海外情勢の変化によって特に日本への送客数の減少は、当社の業績へ悪影響を及ぼすため、経済情勢に関するリスク及び地政学に関するリスクと連動させてリスクコントロールをおこない、リスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑨収支構造・金利に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(収支構造) 当社グループの事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすリスクがあります。特に、社会全体として賃上げ気運が高まっており、当社グループにおいても「最高の処遇」実現のため人件費を上昇させていくことが想定されます。(金利・有利子負債) 当社グループは、鉄道業をはじめ、継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、市場金利の上昇は、既存の有利子負債の残高に係る支払利息及び新規の資金調達に係る調達コストの増加のほか、不動産購入需要の停滞による分譲収益減少や不動産価値の低下を招くおそれもあります。●リスク対策 損益分岐点が高い収支構造の問題については、前掲のホテルのМC受託によることを基本とするネットワーク拡大や不動産回転型ビジネスの展開による資産効率性の向上に加え、当社グループのシェアードサービス会社である株式会社西武プロセスイノベーションも活用したコーポレート業務のスマート化を進めるとともに、各事業のオペレーションにおいてもデジタルを活用した効率化を進めることで、リスクの発生可能性を低減いたします。 また、市場金利の上昇に対しては、大規模開発や新規物件の取得など一定程度のレバレッジをかけつつも流動化の実施及び設備投資の厳選等、ならびに資金調達先・手法の多様化を通じてBSマネジメントを強化しリスク顕在化による影響を低減(分散)するほか、不動産取引市場におけるキャップレートの変動を注視して事業計画の立案やスケジュール策定を実施することで、リスク顕在化による影響を低減いたします。 (4) その他の主要なリスクの内容及びリスク対策の概要 ⑩法的規制・コンプライアンス等に関するリスク発生可能性:中影響度:中●リスクの内容(法的規制・環境規制) 当社グループの事業活動に関係する法的規制は業法、環境規制、会計基準、税制等をはじめとして多岐にわたるところ、これらの各法的規制への違反が生じると、刑事罰、事業改善命令や資格停止等の行政上の措置、損害賠償義務の負担、及びイメージダウン等を招く可能性があります。 また、現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(重要な訴訟等) 通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応をおこなっております。今後も、各法的規制を遵守するために、法規制の遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の見直しをおこなった上で実施・徹底をはかることで、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ⑪安全・安心に関するリスク発生可能性:低影響度:大●リスクの内容(事業用資産等の管理、サービスの品質管理、安全・事故防止活動) 事業用資産等もしくはサービスの安全面・品質面等の管理プロセス、又は安全・事故防止プロセスの不備・欠陥等により、事故等が未然に防止できず、お客さま、従業員等に重大な損失を被らせ、又は行政機関から業務停止命令や改善命令を受けること等を通じて、社会的信用の失墜、イメージダウン、損害賠償義務の発生等を招く可能性があります。(食の安全・安心の不備) 食中毒の発生、異物の混入、表示と異なる食材の提供、アレルギー食材や宗教上の理由により食べられない食材の提供等により、お客さまの心身に悪影響・損失を生じさせ、社会的信用の失墜やインバウンド含む既存のお客さま及び未来のお客さまの逸失を招く可能性があります。●リスク対策 当社グループは「安全で快適なサービス」の提供をグループ理念に掲げ、常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進しております。 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取組みや運輸マネジメント体制の整備・運用、ホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の実行、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。このような日頃のマネジメントにより、お客さまの生命・身体に重大な影響を与える事故等を決して起こさない決意をもって、引き続き安全管理体制の整備、安全監査及び安全教育・訓練等の各種プロセスを着実に遂行することで、継続的にリスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑫協力企業との取引・共創に関するリスク発生可能性:中影響度:小●リスクの内容(与信管理・債権管理の不備、賃貸収入の減少) 協力企業の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(特定の協力企業への依存) 特定の協力企業へ取引が集中していることにより、当該協力企業への依存度が高い場合、協力企業における何らかの障害(倒産・災害等)や協力企業の意向に当社グループの事業活動が左右され、追加費用の発生、事業活動、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。(協力企業における人権、コンプライアンス上の問題等の発生) 協力企業が人権、コンプライアンス等において社会からの要請を果たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(協力企業の選定基準の不備) 当社グループが長期戦略に基づき力強く成長していくにあたっては、どの事業においてもオープンマインドを持ち、協力企業との新たな価値の共創やM&Aによる当社グループにない企業文化の取込み・多様化等に取り組んでまいりたいと考えております。その中で、協力企業(事業提携のパートナー、購買先、外部委託先等)の選定上の基準、取引内容及び取引の正当性を評価する基準が存在せず、又は不適切な基準である場合、協力企業との価値共創や企業文化の取込み・多様化が困難となり、ひいては当社グループの事業機会の逸失や当社グループのイメージダウンを招くおそれがあります。●リスク対策 「西武グループ人権方針」の開示をおこない協力企業に理解を求めることや、管理・監督、業務委託管理体制の整備により、協力企業が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たしたものになるように努め、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。また、特定の協力企業に依存することなく、様々な協力企業と多面的な協力を実施していくとともに、協力企業の選定やモニタリングにあたっては、与信管理、債権管理といった基本的な管理のみならず、良好なリレーションから取得される情報等も考慮した深度ある検証を多面的な観点から実施することで、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑬情報システム・情報管理に関するリスク発生可能性:低影響度:中●リスクの内容(物理的要因による情報漏洩・改竄) 万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(情報システム・ネットワークダウン、データの損傷・消失) 事故・災害、人為的ミス等により情報システム機能に重大な障害が発生した場合、又は他社のシステム障害による影響を受けた場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 当社グループでは、事業上のあらゆる場面において、情報システムが不可欠なものになってきたことを強く認識しており、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理及び権限棚卸、ならびに協力企業の安全性確認等の対策をおこなっております。また、(ア)個人情報を含む情報管理の適正に向けた各社内規程に基づく体制整備と運用の確保、(イ)情報システムへのアクセスを適切に管理することによる情報への不正アクセスの防止、及び、故意による情報の持出しを防ぐための情報記憶媒体の利用制限やアプリケーション・システムのログ監視等の技術的な対応、ならびに、(ウ)eラーニング等による研修等を通じた従業員の意識醸成にも努めており、これらの対策を通じて外的要因によるリスク及び内的要因によるリスク双方の発生可能性を低減しております。今後はこれらの取組みに加え、協力企業と連携したオペレーションの改善や人財マネジメント、さらには情報システムの最適化をはかっていくことにより、技術革新が目覚ましい社会に適応する形でリスクコントロールをおこなってまいります。 ⑭ブランド・風評に関するリスク発生可能性:低影響度:中●リスクの内容(第三者による西武ブランドの使用) 当社グループのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。(風評) 上記いずれかの当社における主要なリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、及びCS・ES向上施策の実行等により、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。
FY2024|12,968 文字
3【事業等のリスク】 (1) 当社グループのリスクマネジメント体制 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。 また、グループ内子会社のうち、主要7社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下、「ガバナンス系列の会社」といいます。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要7社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としています。 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告します。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。 (2) 当社グループのリスクマネジメントの運用 当社グループにおけるリスクマネジメントは、毎事業年度におこなうリスクマネジメント計画の策定と当該計画に基づく継続的なモニタリングにより運用しております。 リスクマネジメント計画は、①リスクの洗い出し(抽出)、②リスクの大きさ算定(分析)と優先順位付け(評価)、③リスク対策(行動計画)の決定、というプロセスを経て、策定しております。 また、計画開始後のモニタリングは、外部環境の変化にともなうリスクの変動及びリスク対策の進捗等を踏まえた残余リスク(リスクコントロールの実施後に残るリスク)に着目して実施しております。 当社グループは、当社グループが策定した「西武グループ長期戦略2035」(以下、「新・長期戦略」といいます。)及び「中期経営計画(2024~2026年度)」(以下、「新・中期経営計画」といいます。)と有機的一体となった運用により、当社グループの戦略目標達成を支える質の高いリスクマネジメントをおこなってまいります。 以下では、当社グループのリスクマネジメント計画の策定プロセスの具体的内容について記載いたします。 ①リスクの抽出 リスクの抽出は、次のとおり、当社グループ内においてトップダウン及びボトムアップの双方向のアプローチに基づくプロセスを経ております。 当社は、当社のリスクマネジメント会議での議論及び当社の社外取締役との意見交換も経ながら、当社グループ全体の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しております。並行して、主要7社各社も、主要7社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成を阻害する可能性のあるリスク要因を抽出しており、双方で抽出したリスク要因をあわせることで、リスクの網羅的な抽出をおこなっております。 当事業年度末時点においては、新・長期戦略及び新・中期経営計画の内容を踏まえ、上記のプロセスを経てリスク要因を抽出し、最終的に14項目の主要なリスクカテゴリーに分類・整理いたしました。 ②リスクの分析・評価 当社グループでは、発生可能性及び影響度の観点からリスク分析をおこなっております。具体的には、主要7社各社が、発生可能性ならびに主要7社各社及び各社のガバナンス系列の会社の目標達成に対する影響度を分析し、当社は、主要7社各社の分析結果も踏まえ、当社グループ全体としての発生可能性及び目標達成に対する影響度を分析、評価しております。 当事業年度末時点においては、上記分析に基づき、当社は、14項目の主要なリスクカテゴリーのうち、特に重要なリスクカテゴリーとして8項目を決定いたしました(リスク評価)。 当該分析及び評価の結果は次のとおりです。 発生可能性低中高影響度大・安全・安心・情報システム・ 情報管理・自然災害・感染症・ 地政学的リスク等・旅行・観光消費動向・収支構造・金利・不動産領域・人財確保・少子高齢化・技術革新・価値変容中・法的規制・ コンプライアンス等・ブランド・風評・経済情勢・気候変動小 ・協力企業との取引・共創 ③リスク対策 当社グループは、リスクマネジメント計画策定時に、残余リスクとして残存したとしても経営上許容し得るリスクの程度について議論をおこない、かかる議論を踏まえて具体的なリスク対策を決定しております。 主要なリスクカテゴリーに対するリスク対策の概要については、後掲(3) 及び(4) に記載いたします。なお、後掲(3) 及び(4) に記載する事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当事業年度末現在において判断したものであります。 (3) 特に重要なリスクの内容及びリスク対策の概要 ①不動産領域に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 当社グループの新・長期戦略においては、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業は、不動産事業とともに成長していくものであり、不動産事業が当社グループの成長の核となります。そのため、不動産領域に存在するリスクは、当社グループの長期的な成長に大きな影響を与える可能性があります。具体的には、2022年4月に株式会社プリンスホテルが株式会社西武プロパティーズを吸収合併して組成された株式会社西武リアルティソリューションズ(以下、「SRS」といいます。)が総合不動産会社へと飛躍していくうえで、(ア)投資判断上の課題、(イ)開発用地・不動産の取得、(ウ)不動産開発・建替、(エ)不動産価値の低下、及び(オ)不動産の管理といったあらゆるリスクに対処する必要があります。特に、(ウ)不動産開発には長い開発期間と巨額の投資が必要となり、当社グループではコントロールできない多くの外部要因により、影響を受ける可能性があること、及び、(エ)不動産市況の変化や老朽化によって不動産価値が減少し、又は工事費をはじめとする各種コストの高騰により売却利益の減少や損失が発生する可能性があること、について注視する必要があります。 新・長期戦略では、東京ガーデンテラス紀尾井町について2024年度内の流動化を目指していることをはじめとして不動産回転型ビジネスを本格的に展開していくこととしていますが、上記のリスクのうち特に(エ)不動産市況の変化による不動産価値の低下等に起因する売却利益の減少や損失の発生等のリスクに留意する必要があります。●リスク対策 専門人財の登用やM&A、組織再編等をおこないながら、総合不動産会社として求められる体制・機能を早期に充足することに尽力し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 (ウ)不動産開発に関するリスク等、当社でコントロールできないリスクについては一定のリスクの発生を織り込んだうえで投資判断・事業をおこない、また、遅延や異常が発生した場合には、速やかな社内報告、対策の検討及び実施ができるガバナンス体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減いたします。 (エ)不動産価値の低下リスクについては、貸借対照表の適正なコントロールや最適なポートフォリオの構築を通じて、リスク耐性のある事業基盤を構築するとともに、資本効率性を意識した商品企画・サービスの向上及びバリューアッドを通じた市場競争力の強化によって、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ②人財確保に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、働き手が慢性的に不足し、採用市場は売り手市場が続くことが予想されます。当社グループにおいても、想定どおりの採用が実施できなかった場合や、キーパーソンや若手社員が働きがいを感じられず人財の外部流出が進む場合など、人員が不足した結果、事業機会を逸失、事業戦略の実行力低下を招く、といったリスクが想定されます。特に成長戦略の核を担うSRSでは、不動産回転型ビジネスや都心・リゾート再開発等を担う専門人財の確保が遅れる場合、これらのビジネスが停滞し、損失を招くリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループは、新・長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)の一つとして「多様な人財の育成・活躍」を位置づけ、その一環として「西武グループ人財戦略」を策定いたしました。当社グループの各社が「人財スキル・人員数の確保」「働きがいのある組織」に向けた取組みをおこなうことにより「個人の成長」を促進し、「個人×個人が最大限活躍できる組織」をつくっていくことで本社・現場全員が一丸となって「プロフェッショナル集団」を目指します。全社的に、従来の新卒定期採用に加え、キャリア採用や副業等の市場に着目し、人財確保につなげるとともに、確保した人財や既存従業員に当社グループで活躍いただけるように、働きがいを向上させます。働きがいに関する調査結果を踏まえ、人事施策をブラッシュアップしていくことにより、従業員が会社の目指す姿に共感し、一体となって挑戦している組織の状態を築くとともに、社内外に開けたオープンマインドや高い心理的安全性を前提としたダイバーシティやインクルージョンを実践してまいります。これらの施策を着実に実行することでリスクを回避いたします。 ③少子高齢化に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 日本全体の少子高齢化・人口減少はメガトレンドとして避けられず、当社グループの事業においては、具体的には、(ア)鉄道沿線の人口減少による運輸収入や沿線での各種事業(西武ライオンズ等も含みます。)の収入減、観光客の減少によるホテル・レジャー事業等の収入減、(イ)お客さまの高齢化にともなうニーズの変化に適応できなかった場合のお客さま満足度低下、収入減、及び(ウ)不動産需要の低下、市況の悪化による地価等の下落、等のリスクが想定されます。●リスク対策 不動産事業を核とする成長戦略を実行し、キャピタルリサイクルによりグループの成長に寄与するキャッシュ・フローを生み出す方向性へ事業ポートフォリオ変革を進めていくこと、また、グループ外のスタートアップ企業等と連携しながら、新規事業創出にも挑戦し続け、長期的目線での事業ポートフォリオマネジメントもおこなうことを通じて、リスク顕在化による影響を低減いたします。 また、不動産事業のうちリゾート開発において付加価値の高い国際的リゾートを創造していくこと、ホテル・レジャー事業において富裕層をターゲットとするラグジュアリーブランドの出店にも注力し、ホテル展開を加速させていくこと、グループマーケティング基盤上のデータを利活用しながら、お客さまのニーズをタイムリーに把握しサービス変革を果たすこと、及び、あらゆる年代のお客さまにとって快適なサービスの形を追求し(施設、接遇等)、当社グループ独自の体験価値を提供すること、を通じて市場での競争力を強化し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 さらに、西武鉄道株式会社(以下、「SR」といいます。)の沿線地域の土地が強固な地盤であることも強みに、SRとSRSが連携してSR沿線エリアの街づくりに取り組んでいくこと等を通じて、SR沿線地域の少子高齢化・人口減少を抑制し、リスクの発生可能性も低減いたします。 ④技術革新・価値変容に関するリスク発生可能性:高影響度:大●リスクの内容 新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機とした人々の生活様式の変化によって、人々の価値観にも変容が生じ、複雑化・多様化しております。また、ディープラーニングの発展を背景としたAIの急激な進歩等、技術革新(デジタルディスラプションを含みます。)が目まぐるしく生じ、当該技術を活用した新たな価値(新たなサービス)が次々と世に生み出されております。これに対して当社グループの商品・サービス(例えば、オフィス・商業施設・賃貸住宅等の賃貸用不動産や開発した分譲住宅等の販売不動産)が、お客さまのニーズの変化に適応したものとなっていない場合、賃貸稼働率の低下や賃料の減少、販売売上の減少等によって経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクが想定されます。●リスク対策 当社グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタルよりもトランスフォーメーションに重きを置き、企業全体の変革を実現するものとしています。デジタル技術、データの利活用は不可欠であるとの認識に基づき、(ア)当社グループの従業員にデジタルスキルの習得機会を提供し、データの分析及び利活用を高度におこなうことのできる人財を育成していくこと、ならびに、(イ)特定の専門家、分析担当者だけでなく、あらゆる従業員がデータを理解したうえで効果的な施策を実行できるようにしていくこと(データの民主化)、の両軸で、お客さまに対して、これまでにない「新しい体験価値」を創出していくことで、リスクの発生可能性を低減いたします。また、データに基づく経営判断をおこない、お客さまのニーズに見合ったサービス変革を継続的に実行するとともに、業務プロセスも効率化することにより、当社グループらしい不動産開発、生活者に選ばれる沿線、お客さま・オーナーさまに選ばれるホテル、など競争優位性の高い状態を実現することで、リスクの発生可能性を低減いたします。 ⑤気候変動に関するリスク発生可能性:高影響度:中●リスクの内容(移行リスク) 地球環境バランスの崩壊と、世界的な資源循環の要請がメガトレンドとして存在しているところ、事業者にとっては、社会や投資者等のステークホルダーから、温室効果ガスの削減を含む環境への取組みが要請され、その取組みが重視・評価される時代となっております。そのため、例えば、(ア)気候変動を考慮した企業ニーズや消費動向の変化(例:不動産需要の変化等)をとらえきれず、お客さま満足度を低下させ、事業機会を逸失する、(イ)当社グループによる取組み不足により、当社グループのイメージが低下し、当社グループ各社による事業機会を逸失する、等のリスクが想定されます。(物理的リスク) また、(ウ)豪雨・土砂災害等の異常気象の激甚化による運休・休業により売上が減少し、又は、建物・設備等の改修コストが増加する等の要因により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、(エ)夏期の気温上昇による出控えや、冬期の降雪量の減少等によるスキー客の減少等を要因として売上が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす、等のリスクも想定されます。●リスク対策 当社グループは、新・長期戦略におけるマテリアリティ(重要テーマ)として「脱炭素・資源有効活用」を設定し、環境負荷低減目標及び資産・ブランド価値向上指標を非財務KPIとして設定しております。具体的には、CO₂排出量を2050年度ネットゼロにする、延床面積30,000㎡以上のオフィスビルにおける環境認証(CASBEE、DBJ等)の取得率100%、等の目標を掲げ、例えば、省エネ車両や設備の導入による使用エネルギーの削減、太陽光発電等再生可能エネルギーの導入、等の具体的施策を検討・実施しております。これらの取組みにより、移行リスクの発生可能性を低減いたします。 また、建物・設備等の改修及び浸水・防止対策その他各種メンテナンスの徹底、ならびに総合復旧訓練等の異常時訓練の実施を通じた対応力の強化により、物理的リスクによってお客さまの安全が脅かされることのないよう、最大限の努力をおこなっております。さらに、売上の減少や改修コストの増加が業績に大きな悪影響を及ぼすことがないよう事業ポートフォリオマネジメント等を通じて、物理的リスクの顕在化による影響を低減いたします。 ⑥自然災害・感染症・地政学的リスク等に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容 当社グループの事業においては、地震、津波及び台風等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症、ならびに戦争及びテロ等の地政学的リスク等を要因として、(ア)生活者、観光利用者の動きに影響が生じ、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において売上高が減少する、(イ)事業拠点が1か所(主に首都圏)に集中することで、自然災害又は地政学的リスク等が発生した際に甚大な影響を受け全社的に事業継続が困難となる可能性がある、等のリスクが想定されます。●リスク対策 前・中期経営計画において実施したグループ再編以降、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(SPW)はホテル出店においてはマネジメントコントラクト(以下、「MC」といいます。)受託によることを基本とすることでリスク顕在化による影響を低減しております。 また、不動産回転型ビジネスの展開により、安定利益(開発・賃貸業)と売却利益(投資運用業)のバランスをとることにより、リスク顕在化による影響を低減いたします。さらに、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業においては、沿線自治体とも連携し、防災体制を強化しております。 気候変動に対するリスクマネジメントとの連動・一体性も意識しながら、リスクが顕在化した場合であっても、お客さまや従業員の安全性が保たれるとともに、事業への影響が極小化できている状態を目指します。 ⑦旅行・観光消費動向に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(国内情勢の変化) 国内景気の悪化による旅行・観光消費の冷え込みによって、日本国内における旅行・観光客の減少が生じ、売上(ホテル・レジャー事業、都市交通・沿線事業の定期外収入等)が減少する可能性があります。(海外情勢の変化) 海外進出先での政治的混乱や、外交的問題による日本との関係悪化により、現地での事業継続への支障もしくは事業の中断・停止、又は、日本への送客数の減少や送客の停止等が生じ、特にホテル・レジャー事業において業績への悪影響やホテル数拡大の遅延が生じる可能性があります。●リスク対策 ホテルのグローバル展開など単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、及びグループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に加え、前・中期経営計画期間ではアセットライトをテーマとしたビジネスモデルの変革により企業体質を進化させるなど、リスク顕在化による影響を低減しております。 さらに、当社グループのマテリアリティ(重要テーマ)である「五感を揺さぶる体験創造」に従い、あらゆる場面で楽しみと感動を体験できる設計やMICE・リゾート等の独自の強みの発揮を通じて、「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」として差別化をはかり、グループのロイヤルカスタマーを育成し、リスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑧収支構造・金利に関するリスク発生可能性:中影響度:大●リスクの内容(収支構造) 当社グループの事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすリスクがあります。特に、社会全体として賃上げ気運が高まっており、当社グループにおいても人件費は今後も上昇トレンドとなることが予想されます。(金利・有利子負債) 当社グループは、鉄道業をはじめ、継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、市場金利の上昇は、既存の有利子負債の残高に係る支払利息及び新規の資金調達に係る調達コストの増加のほか、不動産購入需要の停滞による分譲収益減少や不動産価値の低下を招くおそれもあります。●リスク対策 損益分岐点が高い収支構造の問題については、前掲のホテルのМC受託によることを基本とするネットワーク拡大や不動産回転型ビジネスの展開による資産効率性の向上に加え、当社グループのシェアードサービス会社である株式会社西武プロセスイノベーションも活用したコーポレート業務のスマート化を進めるとともに、各事業のオペレーションにおいてもデジタルを活用した効率化を進めることで、リスクの発生可能性を低減いたします。 また、市場金利の上昇に対しては、大規模開発や新規物件の取得など一定程度のレバレッジをかけつつも流動化の実施及び設備投資の厳選等、ならびに資金調達先・手法の多様化を通じてBSマネジメントを強化しリスク顕在化による影響を低減(分散)するほか、不動産取引市場におけるキャップレートの変動を注視して事業計画の立案やスケジュール策定を実施することで、リスク顕在化による影響を低減いたします。 (4) その他の主要なリスクの内容及びリスク対策の概要 ⑨経済情勢に関するリスク発生可能性:中影響度:中●リスクの内容(燃料費、原材料費等の不足、高騰) 気候変動や自然災害に起因する原材料の不足(原材料費の高騰)や、原油価格高騰に起因する燃料費の増加等の外部的な要因により燃料費、原材料費等が増加することにより、業績に悪影響を及ぼし、又は、事業活動の継続が困難となる可能性があります。(為替変動) 為替価格が当初予定されていた価格と相違することにより、日本円表示している連結財務諸表や、外貨建て資産・負債に損失が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(株式市場の変動) 株式市場の変動によって、当社グループが保有する投資有価証券の価値が変動し、損失を被ることで、業績への打撃、株価下落をもたらす可能性があります。(退職給付費用・退職給付債務) 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することでリスク顕在化による影響を低減しております。今後も、経済情勢をあらかじめ踏まえたうえでの計画策定や、変化をとらえた機動的な対応等により、リスクコントロールをおこなってまいります。 ⑩安全・安心に関するリスク発生可能性:低影響度:大●リスクの内容(事業用資産等の管理、サービスの品質管理、安全・事故防止活動) 事業用資産等もしくはサービスの安全面・品質面等の管理プロセス、又は安全・事故防止プロセスの不備・欠陥等により、事故等が未然に防止できず、お客さま、従業員等に重大な損失を被らせ、又は行政機関から業務停止命令や改善命令を受けること等を通じて、社会的信用の失墜、イメージダウン、損害賠償義務の発生等を招く可能性があります。(食の安全・安心の不備) 食中毒の発生、異物の混入、表示と異なる食材の提供、アレルギー食材の提供、宗教上の理由により食べられない食材の提供等により、お客さまの心身に悪影響・損失を生じさせ、社会的信用の失墜やインバウンド含む既存のお客さま及び未来のお客さまの逸失を招く可能性があります。●リスク対策 当社グループは「安全で快適なサービス」の提供をグループ理念に掲げ、常に、「安全」を基本にすべての事業・サービスを推進することを宣言しております。 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取組みや運輸マネジメント体制の整備・運用、ホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の実行、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。このような日頃のマネジメントにより、お客さまの生命・身体に重大な影響を与える事故等を決して起こさない決意をもって、引き続き安全管理体制の整備、安全監査及び安全教育・訓練等の各種プロセスを着実に遂行することで、継続的にリスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑪情報システム・情報管理に関するリスク発生可能性:低影響度:大●リスクの内容(物理的要因による情報漏洩・改竄) 万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(情報システム・ネットワークダウン、データの損傷・消失) 事故・災害、人為的ミス等により情報システム機能に重大な障害が発生した場合、又は、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受けた場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 当社グループでは、事業上のあらゆる場面において、情報システムが不可欠なものになってきたことを強く認識しており、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理及び権限棚卸、ならびに協力企業の安全性確認等の対策をおこなっております。また、(ア)個人情報を含む情報管理の適正に向けた各社内規程に基づく体制整備と運用の確保、(イ)情報システムへのアクセスを適切に管理することによる情報への不正アクセスの防止、及び、故意による情報の持出しを防ぐための情報記憶媒体の利用制限やアプリケーション・システムのログ監視等の技術的な対応、ならびに、(ウ)eラーニング等による研修等を通じた従業員の意識醸成にも努めており、これらの対策を通じて外的要因によるリスク及び内的要因によるリスク双方の発生可能性を低減しております。今後はこれらの取組みに加え、協力企業と連携したオペレーションの改善や人財マネジメント、さらには情報システムの最適化をはかっていくことにより、技術革新が目覚ましい社会に適応する形でリスクコントロールをおこなってまいります。 ⑫協力企業との取引・共創に関するリスク発生可能性:中影響度:小●リスクの内容(与信管理・債権管理の不備、賃貸収入の減少) 協力企業の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(特定の協力企業への依存) 特定の協力企業へ取引が集中していることにより、当該協力企業への依存度が高い場合、協力企業における何らかの障害(倒産・災害等)や協力企業の意向に当社グループの事業活動が左右され、追加費用の発生、事業活動、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。(協力企業における人権、コンプライアンス上の問題等の発生) 協力企業が人権、コンプライアンス等において社会からの要請を果たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(協力企業の選定基準の不備) 当社グループが新・長期戦略に基づき力強く成長していくにあたっては、どの事業においてもオープンマインドを持ち、協力企業との新たな価値の共創やM&Aによる当社グループにない企業文化の取込み・多様化等に取り組んでまいりたいと考えております。その中で、協力企業(事業提携のパートナー、購買先、外部委託先等)の選定上の基準、取引内容及び取引の正当性を評価する基準が存在せず、又は不適切な基準である場合、協力企業との価値共創や企業文化の取込み・多様化が困難となり、ひいては当社グループの事業機会の逸失や当社グループのイメージダウンを招くおそれがあります。●リスク対策 協力企業への管理・監督、業務委託管理体制の整備や「西武グループ人権方針」の開示をおこない理解を求めることにより、協力企業が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たしたものになるように努め、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。また、特定の協力企業に依存することなく、様々な協力企業と多面的な協力を実施していくとともに、協力企業の選定やモニタリングにあたっては、与信管理、債権管理といった基本的な管理のみならず、良好なリレーションから取得される情報等も考慮した深度ある検証を多面的な観点から実施することで、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減いたします。 ⑬法的規制・コンプライアンス等に関するリスク発生可能性:低影響度:中●リスクの内容(法的規制・環境規制) 当社グループの事業活動に関係する法的規制は業法、環境規制、会計基準、税制等をはじめとして多岐にわたるところ、これらの各法的規制への違反が生じると、刑事罰、入札の指名停止等の行政上の措置、損害賠償義務の負担、及びイメージダウン等を招く可能性があります。 また、現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(重要な訴訟等) 通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応をおこなっております。今後も、各法的規制を遵守するために、法規制の遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めることで、リスクの発生可能性及び顕在化による影響を低減いたします。 ⑭ブランド・風評に関するリスク発生可能性:低影響度:中●リスクの内容(第三者による西武ブランドの使用) 当社グループのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。(風評) 上記いずれかの当社における主要なリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。●リスク対策 ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、及びCS・ES向上施策の実行等により、リスクの発生可能性及びリスク顕在化による影響を低減しております。
FY2023|11,679 文字
3【事業等のリスク】(当社のリスクマネジメント体制及び運用状況) 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。 また、グループ内子会社のうち、主要7社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下「ガバナンス系列の会社」という。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要7社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としています。 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告します。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。 (当社グループの事業に関する主なリスク及び各リスクの発生可能性・影響度の評価) 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には次のようなものがあり、各リスクの発生可能性・影響度の評価は、下記のとおりであります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。 発生可能性低中高影響度大・重要な訴訟・情報システム・情報管理・法的規制とコンプライア ンス・自然災害・事故・感染症・保有資産の価値中・退職給付費用・退職給付 債務・収益構造・有利子負債・金利上昇・風評・与信管理・中期経営計画・食中毒や食品管理・経済情勢・協力企業・取引先・燃料費・電気料金・ 原材料価格の高騰・競争激化・気候変動・ホテル・レジャー事業に おける運営受託契約 (「MC契約」)・観光客の減少・少子高齢化及びそれに ともなう人財確保小 ・為替変動・技術革新 (各リスクの内容及び対応状況) 下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク 本項目については、地震、台風、大雨など自然災害が昨今全国的に顕著な影響を及ぼしていること、また、新型コロナウイルス感染症等疫病の流行を含め、当社グループの事業特性上影響を受ける範囲が広いと考えていることから、前述のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、「アセットライト」をテーマとしたビジネスモデルの変革などにより、いかなる事業環境下でも持続的成長を果たしていけるよう企業体質の進化に努めております。しかし、依然として都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順の場合にお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない疫病が流行した場合には休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (2) 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有していることから、前述のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の活用・稼働向上に向けた、資産・事業の売却及び流動化等による資産ポートフォリオの見直し(ノンコア資産の整理)、都心エリアやリゾートの再開発の検討など各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかるとともに、サービス価格の見直しなども必要に応じておこなってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (4) 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、ビジネス利用や宴会需要が減少している中で、変化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、競争が激化しております。 また、既存の外資系ホテルや宿泊特化型ホテルの進出、及び民泊等の拡大は、業界の競争を一層激化させます。 さらに、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、多数保有する宴会場にて、グループ内外のコンテンツを活用した自主興行などをおこなうMICE2.0へ向けた取り組み、ワーケーションの推進のほか、日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討、サステナビリティアクション推進、グループ各社の役割強化に向けたグループ内組織再編、グループ共通の会員サービス充実等を実施し、競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、これらの競争に関し、優位性を確保できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5) 気候変動に関するリスク 当社グループは、年々影響が大きくなる気候変動について、移行リスク・物理的リスク両面から影響を受ける可能性があります。 移行リスクについては、気候変動抑制に向けた各国の温室効果ガス排出規制の強化や炭素税の賦課などにより、電気料金や温室効果ガスを排出する化石燃料費が上昇する可能性や、低炭素社会への移行に対応できないことによるレピュテーションリスクなどにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、物理的リスクについては、豪雨・土砂災害など異常気象の激甚化による運休・休業の影響や建物の改修コスト増加の可能性に加え、夏期の気温上昇による出控えやホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(影響度欄 矢印3本:影響度大 矢印2本:影響度中 矢印1本:影響度小。下向きの矢印:リスク、上向きの矢印:機会)(期間欄 短期:1~3年 中期:4~10年 長期:10年以上) これらの気候変動リスクについては、具体的には、当社グループでは、CO₂排出量削減目標を変更・新設(長期目標:2050年度ネットゼロ 中期目標:2030年度までに2018年度比46%削減 短期目標:毎年度 前年度比5%削減)し、省エネルギー車両・設備の導入や、太陽光発電等の自然エネルギー、次世代バイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの活用、ソーラーシェアリング事業の実施など地球温暖化防止策を進めるとともに、激甚災害に備えた訓練の実施、避難計画の策定等をおこない、危機管理体制を整えるなど災害対策を実施することで、気候変動による影響低減のためのビジネスモデルの転換等の検討に努めております。 また、当社は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」に2021年度より賛同を表明し、その取り組みについて議論する「TCFDコンソーシアム」にも参加しております。気候変動の事業へのリスクと機会の検証については、気候変動による平均気温上昇を2℃未満に抑制したシナリオと平均気温が4℃上昇したシナリオの複数シナリオについて検証を実施するなど、提言に沿った分析、開示をおこなっております。さらに、上記温室効果ガス排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社の経営戦略部を統括部署とし、事業部門と協働してグループ横断的に取り組むとともに、当社CEOを委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおける温室効果ガス排出量削減状況の確認及び削減に向けた取り組みの検討をおこなうほか、情報開示事項の共有等を実施して気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。 しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう営業収益の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (6) ホテル・レジャー事業における運営受託契約(「MC契約」)に関するリスク 当社グループは、ホテル・レジャー事業において、アセットオーナーと締結している運営受託(MC)契約に基づき、オペレーターとしてホテル・ゴルフ場・スキー場等を運営しております。 各事業所においてはアセットオーナーの期待を上回るリターンの創出に努めておりますが、経済情勢等の理由により同契約を継続できなくなった場合、ホテル運営受託数が減少し、当社グループの業績及び財務状況に加え、当社グループが2022年に掲げた「国内外のホテル拠点を250か所へ拡大する」というグローバルオペレーターとしての目標の達成時期にも影響を与える可能性があります。 (7) 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてホテル・レジャー事業を運営しております。これらは、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、ホテルのグローバル展開など単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、グループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に加え、「アセットライト」をテーマとしたビジネスモデルの変革による企業体質の進化に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8) 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (9) 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」に掲げる「経営改革」を聖域なく進めており、資産・事業の売却、流動化などの事業ポートフォリオの見直しによるアセットライトな事業運営、固定費削減等による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現のほか、働き方改革によるコスト削減に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、上記「経営改革」を進めているものの、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな経済変動や新たなパンデミックが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10) 少子高齢化及びそれにともなう人財確保に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、「はたらく人を、ほほえむ人へ。」をスローガンとした西武グループ人財戦略の基本コンセプトを策定し、従業員のエンゲージメントの向上に加え、高度な専門性や新たな知見を有する人財の採用拡大など人財創出・確保に努めているものの、今後、若年層を中心とした人財確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (11) 有利子負債・金利上昇に関するリスク 当社グループは、鉄道業をはじめ、継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在7,673億12百万円となっております。 資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっております。また、アセットライトな事業運営を実現すべく、資産・事業の売却及び流動化の実施ならびに設備投資の厳選等BSマネジメントの強化をはかってまいりましたが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等が起こった場合には、支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、資金を借入の返済に充てるために用いた場合、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 (12) 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 (13) 与信管理に関するリスク 当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、取引先の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (14) 法的規制とコンプライアンスに関するリスク 当社グループでは、「西武グループ企業倫理規範」や「西武グループ人権方針」を定め、事業活動を通じてその社会的責任を果たすとともに、株主の皆さま及びお客さまをはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を獲得し、企業価値・株主価値を極大化させることに努めております。 また、当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可又は認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 これら現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (15) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとした、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を3ヵ年フィックス方式で策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (16) 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (17) 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (18) 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (19) 協力企業・取引先に関するリスク 当社グループは、協力企業への管理・監督、業務委託管理体制の整備や「西武グループ人権方針」の開示をおこない理解を求めることにより、協力企業・取引先が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力企業・取引先がそうした基準を満たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (20) 為替変動に関するリスク 当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (21) 技術革新に関するリスク 当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。 当社グループでは、新しい顧客体験(UX/CX)の提供を企図した新規施策の実施、DXデジタル人財の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤構築、新技術活用による業務効率化、5G等新技術に関するパートナーとの協業等を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (22) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2022|12,136 文字
2【事業等のリスク】(当社のリスクマネジメント体制及び運用状況) 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、当社の経営戦略部を当社及び西武グループ全体のリスクマネジメント統括部署とし、同部担当の業務執行担当役員を、グループ全体のリスクマネジメントの実施及び運用の責任と権限を有するリスクマネジメント総括責任者とするとともに、当社において、当該リスクマネジメント総括責任者を議長とし、当社の各部長・室長を構成員とするリスクマネジメント会議を開催しております。 また、グループ内子会社のうち、主要7社各社に、当該各社及びそれぞれの会社がガバナンスの観点から監督すべき系列の会社(以下「ガバナンス系列の会社」という。)におけるリスクマネジメントに関する社内体制を統括する部署としてリスクマネジメント統括部署を設置しています。さらに、当該主要7社各社のリスクマネジメント統括部署を担当する業務執行役員を、当該各社及びそれぞれの会社に属するガバナンス系列の会社におけるリスクマネジメントの実施及び運用の責任を有するリスクマネジメント責任者としています。 各社リスクマネジメント統括部署は、リスクマネジメントの状況を取りまとめ、各社のリスクマネジメント総括責任者又はリスクマネジメント責任者に報告します。かかる報告を受けたリスクマネジメント責任者は、当該報告を取りまとめ、各社の取締役会及び内部監査部門、ならびに当社のリスクマネジメント総括責任者に報告しております。さらに、リスクマネジメント総括責任者は、これらの報告を取りまとめ当社の取締役会及び監査・内部統制部に報告しております。 (当社グループの事業に関する主なリスク及び各リスクの発生可能性・影響度の評価) 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には次のようなものがあり、各リスクの発生可能性・影響度の評価は、下記のとおりであります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。 発生可能性低中高影響度大・重要な訴訟・法的規制とコンプライアンス・食中毒や食品管理・経済情勢・収益構造・自然災害・事故・感染症・少子高齢化及びそれにともなう人材確保中・有利子負債・為替変動・与信管理・競争激化・中期経営計画・気候変動・風評・保有資産の価値・情報システム・情報管理・技術革新・観光客減少小・退職給付費用・退職給付 債務・協力企業・取引先 ・燃料費・電気料金・ 原材料価格の高騰 (各リスクの内容及び対応状況) 下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制とコンプライアンスに関するリスク 当社グループでは、「西武グループ企業倫理規範」や「西武グループ人権方針」を定め、事業活動を通じてその社会的責任を果たすとともに、株主の皆さま及びお客さまをはじめとするすべてのステークホルダーからの信頼を獲得し、企業価値・株主価値を極大化させることに努めております。 また、当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また、法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可又は認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 これら現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(3) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク 本項目については、地震、台風、大雨など自然災害が昨今全国的に顕著な影響を及ぼしていることや、新型コロナウイルス感染症の脅威が続いていること、また、当社グループの事業特性上、影響を受ける範囲が広いと考えていることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順の場合にはホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症に関する影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。 (4) 少子高齢化及びそれにともなう人材確保に関するリスク 本項目については、本国において少子高齢化が確実に進行していることや、当社グループの事業特性上、影響を受ける範囲が広いと考えていることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、採用手法の多様化、若手社員の離職回避策等をおこなっているものの、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5) 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてホテル・レジャー事業を運営しております。これらは、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発、グループ共通の会員サービスやマーケティング活動の強化等に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (6) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとした、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を3ヵ年フィックス方式で策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 例えば、かかる中期経営計画のトピックの一つとして、経営改革を断行しており、その一環として、2022年2月10日に、GIC Private Limitedの関係会社であるReco Pine Private Limitedとの間で、下記二点を主な内容とする、法的拘束力を有する基本協定書を締結いたしました。・当社連結子会社である株式会社プリンスホテル(現株式会社西武リアルティソリューションズ)が保有するホテル・レジャー事業資産の全76物件のうち、ザ・プリンス パークタワー東京をはじめとした一部資産(以下「本ホテル・レジャー資産」という。)を、GICグループが出資する複数の会社へ譲渡すること・当社連結子会社である株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが本ホテル・レジャー資産の運営業務を、当社連結子会社である株式会社西武SCCATが本ホテル・レジャー資産のビルマネジメント業務をそれぞれ受託すること 当社は、当該基本協定書に基づき、上記資産譲渡に係る売買契約の締結及び実行に向けて準備を進めておりますが、何らかの事象の発生により、資産譲渡が実行できない場合などには、当社グループの上記中期経営計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等の遂行に悪影響を与える可能性があり、かかる場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (7) 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8) 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,436億28百万円となっております。 資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっております。また、アセットライトな事業運営を実現すべく、資産・事業の売却及び流動化の実施ならびに設備投資の厳選等BSマネジメントの強化をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 (9) 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の稼働向上に向けた、資産・事業の売却及び流動化等による資産ポートフォリオの見直し(ノンコア資産の整理)等各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10) 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、宴会や飲食需要が減少している一方、オンライン会議や食事宅配サービス等のステイホームに対応した企業の進出が相次ぐ中で、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、異業種との競争が激化しております。 また、従来の外資系や宿泊特化型ホテルの進出、及び民泊等については、新型コロナウイルス感染症の影響によりマーケットが縮小しているため、業界として一層競争が激化いたします。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、婚礼やMICE、野球といったイベント開催時に、お客さまへPCR検査の機会を提供するサービスや、多数保有する宴会場にて、グループ内外のコンテンツを活用した自主興行などをおこなうMICE2.0へ向けた取り組み、ワーケーションの推進のほか、日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討、サステナビリティアクション推進、グループ各社の役割強化に向けたグループ内組織再編の実施に向けた意思決定、グループ共通の会員サービス強化等を実施し、競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、これらの競争に関し、優位性を確保できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (11) 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (12) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入検討、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (13) 収益構造に関するリスク 本項目については、当社グループの事業特性上、特に注視すべきリスクであることから、前述(2)のとおり、発生可能性「高」・影響度「大」のリスク項目と認識しております。リスク内容の詳細や対応状況は下記のとおりです。 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、上記「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」に掲げる「経営改革」を聖域なく進めており、資産・事業の売却、流動化を進めるなどの事業ポートフォリオの見直しによるアセットライトな事業運営、固定費削減等による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現のほか、働き方改革によるコスト削減に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、上記「経営改革」を進めているものの、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな経済変動や感染症の新たなパンデミックが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。 (14) 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 (15) 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (16) 与信管理に関するリスク 当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、取引先の資金繰りの悪化等により代金の回収等に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (17) 協力企業・取引先に関するリスク 当社グループは、協力企業への管理・監督、業務委託管理体制の整備や「西武グループ人権方針」の開示をおこない理解を求めることにより、協力企業・取引先が当社又はお客さまへ提供するサービスがコンプライアンスを遵守し、確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力企業・取引先がそうした基準を満たすことができなかった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (18) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (19) 為替変動に関するリスク 当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (20) 気候変動に関するリスク 当社グループは、年々影響が大きくなる気候変動について、移行リスク・物理的リスク両面から影響を受ける可能性があります。 移行リスクについては、気候変動抑制に向けた各国の温室効果ガス排出規制の強化や炭素税の賦課などにより、電気料金や温室効果ガスを排出する化石燃料費が上昇する可能性や、低炭素社会への移行に対応できないことによるレピュテーションリスクなどにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、物理的リスクについては、豪雨・土砂災害など異常気象の激甚化による運休・休業の影響や建物の改修コスト増加の可能性に加え、夏期の気温上昇による出控えやホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (期間欄 短期:1~3年 中期:4~10年 長期:10年以上)(影響度欄 矢印3本:影響度大 矢印2本:影響度中 矢印1本:影響度小。下向きの矢印:リスク、上向きの矢印:機会) これらの気候変動リスクについては、具体的には、当社グループでは、2030年度までにCO2排出量原単位(営業収益当たりCO2排出量)を2018年度比で25%削減することを目標に、省エネルギー車両・設備の導入や、太陽光発電等の自然エネルギー、次世代バイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの活用、ソーラーシェアリング事業の実施など地球温暖化防止策を進めるとともに、激甚災害に備えた訓練の実施、避難計画の策定等をおこない、危機管理体制を整えるなど災害対策を実施することで、気候変動による影響低減のためのビジネスモデルの転換等の検討に努めております。 また、当社は「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」に2021年度より賛同を表明し、その取り組みについて議論する「TCFDコンソーシアム」にも参加しております。気候変動の事業へのリスクと機会の検証については、「2℃未満」「4℃」の複数シナリオについて検証を実施するなど、提言に沿った分析、開示をおこなっております。さらに、上記温室効果ガス排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社の経営戦略部を統括部署とし、事業部門と協働してグループ横断的に取り組むとともに、当社社長執行役員を委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおける温室効果ガス排出量削減状況の確認及び削減に向けた取り組みの検討をおこなうほか、情報開示事項の共有等を実施して気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。 しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう売上の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (21) 技術革新に関するリスク 当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。 当社グループでは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の浸透活動や、DX戦略について専門的かつ具体的な助言を求めるため、エグゼクティブアドバイザーの招聘、新しい顧客体験(UX/CX)の提供を企図した新規施策の実施、DXデジタル人材の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤構築、新技術活用による業務効率化、5G等新技術に関するパートナーとの協業等を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2021|10,135 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可又は認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。当社の連結子会社である西武建設株式会社等における、施工管理技士をはじめとする過去の資格取得時における実務経験不備の問題については、第三者調査委員会の調査を経て、2021年3月12日に、国土交通省に第三者調査委員会による「調査報告書」の内容(第三者による品質検証の結果を含みます。)及び再発防止策等を報告しております。しかしながら、今後、この問題に関し国土交通省から西武建設株式会社等に対する監督処分がおこなわれた場合や、監督処分にあわせて直轄工事等の指名が停止された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 これら現在の規制に重要な変更がおこなわれた場合や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順の場合にはホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症に関する影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。 (4) 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、採用手法の多様化、若手社員の離職回避策等をおこなっているものの、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5) 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてホテル・レジャー事業を運営しております。これらは、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発等に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (6) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとした、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」を3ヵ年フィックス方式で策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (7) 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8) 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在9,083億40百万円となっております。 資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっております。また、アセットライトな事業運営を実現すべく、資産・事業の売却及び流動化の検討ならびに設備投資の厳選等BSマネジメントの強化をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 (9) 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の稼働向上に向けた、資産ポートフォリオの見直し(ノンコア資産の整理)等各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10) 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、新型コロナウイルス感染症の影響にともない、宴会や飲食需要が減少している一方、オンライン会議や食事宅配サービス等のステイホームに対応した企業の進出が相次ぐ中で、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、異業種との競争が激化しております。 また、従来の外資系や宿泊特化型ホテルの進出、及び民泊等については、新型コロナウイルス感染症の影響によりマーケットが縮小しているため、業界として一層競争が激化いたします。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、婚礼やMICE、野球といったイベント開催時に、お客さまへPCR検査の機会を提供するサービスや、多数保有する宴会場にて、グループ内外のコンテンツを活用した自主興行などをおこなうMICE2.0へ向けた取り組み、ワーケーションの推進のほか、日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討、サステナビリティアクション推進等による競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、これらの競争に関し、優位性を確保できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (11) 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (12) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない可能性があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入検討、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (13) 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、上記「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」に掲げる「経営改革」を聖域なく進めており、事業ポートフォリオの見直しによるアセットライトな事業運営、固定費削減等による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現のほか、働き方改革によるコスト削減に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、上記「経営改革」を進めているものの、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな経済変動や感染症の新たなパンデミックが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。 (14) 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 (15) 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (16) 与信管理に関するリスク 当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (17) 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは、協力会社への管理・監督、業務委託管理体制の整備をおこない、協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (18) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (19) 為替変動に関するリスク 当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (20) 気候変動に関するリスク 年々影響が大きくなる気候変動について、当社グループは、激甚災害に備えた訓練の実施、避難計画の策定等をおこない、危機管理体制を整えるなど災害対策を実施するとともに、影響低減のためのビジネスモデルの転換等を検討していくものの、世界的に気候変動を免れることができなかった場合、気温上昇による出控え、豪雨・土砂災害の発生増加による各事業への影響に加え、ホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、気候変動に対して、当社グループでは、2030年度までにCO2排出量原単位(営業収益当たりCO2排出量)を2018年度比で25%削減することを目標に、省エネルギー車両・設備の導入や、太陽光発電等の自然エネルギー、次世代バイオディーゼル燃料等の再生可能エネルギーの活用など地球温暖化防止に一層努めております。加えて、2021年5月にTCFD提言に賛同を表明し、今後はシナリオ分析によるリスク評価を進めてまいります。また、上記CO2排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社社長執行役員を委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおけるCO2排出量削減状況の確認及び削減に向けた取り組みの検討をおこなうほか、情報開示事項の共有等を実施して気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう売上の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (21) 技術革新に関するリスク 当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。 当社グループでは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の浸透活動や、DX戦略について専門的かつ具体的な助言を求めるため、エグゼクティブアドバイザーとして庄司哲也氏(NTT コミュニケーションズ株式会社相談役)の招聘、デジタル人材の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤の構築、新技術活用による業務効率化、5G等新技術に関するパートナーとの協業を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2020|9,452 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。当社グループでは、経済情勢・市況を常時把握し、大幅な情勢の変化の際には、迅速なグループ方針の決定と正確なグループ展開に努めるとともに、効率的な事業運営体制を構築することとしています。しかしながら、それでもなお、消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。各法的規制を遵守するために、当社グループは、経済法制遵守体制を徹底し、また法令改正や各種規制に関する情報収集及び社内教育の実施をおこなうように努めております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。有価証券報告書提出日現在におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシーにおいても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。 これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 自然災害・事故・感染症等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等の天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型コロナウイルス感染症等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症に関する影響については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。 (4) 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。具体的には、当社グループは、都市交通・沿線事業における定住人口増加策やインバウンド(訪日外国人)等へのパラダイムシフト施策を展開しております。しかしながら、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としております。当社グループでは、採用手法の多様化、若手社員の離職回避策等をおこなっているものの、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (5) 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、単一市場に依存しないマーケティングや旅客誘致プロモーション活動の強化、国内施設・海外施設間の相互送客、リスクを機とした新たな商品開発等に取り組んでおりますが、それでもなお、日本又はハワイにおける観光客の急激な減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (6) 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画」を例年策定しておりますが、当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 なお、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社グループを取り巻く事業環境は、現行計画(2019~2021年度 西武グループ中期経営計画)及び新中期経営計画(2020~2022年度 西武グループ中期経営計画)において想定していたものと大きく変わってきております。この先も本格的な回復時期が不透明であることを踏まえると、計画内容を再検証する必要があると考えたため、2020年度については、新中期経営計画の策定を見送るとともに、現行計画を取り下げております。 (7) 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、契約締結時におけるリーガルチェックの徹底や、講習会の実施等による法務知識の向上、顧問弁護士と連携した適切な対応に努めているものの、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8) 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在9,062億34百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることによる短期的な金利上昇リスクへの対応や調達条件の改善・維持、調達手法の多様化等の対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 (9) 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループでは、事業別ハードルレートの運用による投資の厳選や、既存資産の稼働向上に向けた各種取り組みをおこなっているものの、当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(10) 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。 競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 これらのリスクへの対応策として、当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション、当社グループのブランドマネジメントによる競合他社との差別化や、必要に応じた事業提携・買収の活用検討等による競争力の維持及び強化に努めております。しかしながら、それでもなお、当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分が生じる場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (11) 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。当社グループは、障害(攻撃)対応・復旧への訓練の実施、高可用なシステム導入を実現するプロジェクト管理、及び権限棚卸、協力企業の安全性確認等の対策をおこなっているものの、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは、eラーニング、サイバー攻撃対応訓練等を活用したセキュリティ関連教育をおこない、個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (12) 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、当社グループは、燃料費、電気動力費、原材料等の価格変動の常時把握、省エネ機器や車両の導入検討、グループメリットを活かした取引先との価格交渉をおこない、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (13) 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このようなリスクへの対応策として、当社グループでは、構造改革(固定費削減等)による損益分岐点低下、事業別ハードルレートの定着、浸透による効率的な設備投資実現に努めているものの、このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。 (14) 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。当社グループでは、ブランドマネジメントの実行、適切な情報管理、開示体制の整備、CS・ES向上施策をおこなっているものの、「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 (15) 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。当社グループでは、食品安全管理体制の整備、食品安全監査、食品安全教育をおこない、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (16) 与信管理に関するリスク 当社グループでは、取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (17) 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは、協力会社への管理・監督、業務委託管理体制の整備をおこない、協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。(18) 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (19) 為替変動に関するリスク 当社グループは、在外子会社に対する資金モニタリングにより、事業収支の推移及び設備投資予定等を随時確認することや、為替や国内外の金利動向を踏まえた在外子会社による効率的な資金調達方法の検討を進めているものの、為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (20) 気候変動に関するリスク 年々影響が大きくなる気候変動について、当社グループは、災害対策を実施するとともに、影響低減のためのビジネスモデルの転換等を検討していくものの、世界的に気候変動を免れることができなかった場合、気温上昇による出控え、豪雨・土砂災害の発生増加による各事業への影響に加え、ホテル・レジャー事業における降雪量の減少によるスキー客の減少等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、気候変動に対して、当社グループでは、2030年度までにCO2排出量原単位(営業収益当たりCO2排出量)を2018年度比で25%削減することを目標に、省エネルギー車両・設備の導入や、自然エネルギーの活用など地球温暖化防止に一層努めております。加えて、上記CO2排出量削減を含む、サステナビリティアクションを今後も持続的・積極的かつ体系的に進めるため、当社社長執行役員を委員長・議長とする「西武グループサステナビリティ委員会」を設置し、国際要請の確認や、当社グループにおけるCO2排出量削減状況の確認等、気候変動リスクの未然防止に努める体制を整備しております。しかしながら、脱炭素社会への想定外かつ急速な移行に対応できなかった場合、当社グループの信用・ブランドの毀損にともなう売上の減少や、対策費用、設備更新の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (21) 技術革新に関するリスク 当社グループの多くの事業分野で、新技術の進化及びその進化がもたらすビジネス変革のスピードは加速度的に増しております。 当社グループでは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略の浸透活動、デジタル人材の確保・育成、グループ顧客情報の統合とグループマーケティング基盤の構築、新技術活用による業務効率化を推進しているものの、先進技術の利活用に関する理解不足及び導入の遅れは、競合他社と比べてのサービス品質の低下による顧客離れを招く恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
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2【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ② 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、 国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。 これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ③ 自然災害・事故等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風その他気候変動に起因する自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生及びビジネスモデルの転換等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、酷暑、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ④ 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑤ 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑥ 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、2017~2019年度中期経営計画をベースに、個別施策及び数値計画を見直し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2019~2021年度)」を策定いたしました。当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期経営計画」の内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑧ 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,785億8百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 ⑨ 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑩ 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。 当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー業等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑬ 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。 ⑭ 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 ⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 そのほか、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑯ 与信管理に関するリスク 当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑰ 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑲ 為替変動に関するリスク 為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2018|7,065 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ② 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、 国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。 これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ③ 自然災害・事故等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ④ 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑤ 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑥ 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。当社グループがこの計画に基づく経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期経営計画」の内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑧ 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,751億47百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 ⑨ 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑩ 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。 当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー業等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑬ 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。 ⑭ 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 ⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑯ 与信管理に関するリスク 当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑰ 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑲ 為替変動に関するリスク 為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2017|7,133 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ② 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、 国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。 これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ③ 自然災害・事故等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ④ 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑤ 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑥ 「西武グループ中期経営計画」等に関するリスク 当社グループは、長期的な目標水準として「Challenge Target(営業収益1兆円、営業利益1,500億円、EBITDA3,000億円、ネット有利子負債/EBITDA倍率7倍以下)」を掲げております。その達成のためのロードマップとして3ヵ年の「西武グループ中期経営計画」を策定し、そのなかで、平成29年度から平成31年度までの経営戦略及び経営目標を設定いたしました。当社グループがこれらの経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期経営計画」の内容については、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑧ 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,800億32百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 ⑨ 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑩ 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。 当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー業等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑬ 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。 ⑭ 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 ⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑯ 与信管理に関するリスク 当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑰ 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑲ 為替変動に関するリスク 為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
FY2016|7,452 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、次のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をいたします。また、リスクには該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、下記事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は原則として当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経済情勢に関するリスク 当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ② 法的規制等に関するリスク 当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。 都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。鉄道業では、鉄道事業法の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別毎に国土交通大臣の許可を受けなければならず(鉄道事業法第3条)、また、上限運賃の設定及び変更につき、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同第16条)。現在、鉄道業における当社グループの運賃は上限運賃に設定されているため、運賃の引上げには国土交通大臣の認可が必要となります。そのため、営業コストが増加した場合等であっても、その影響を適切な時期や程度において運賃に転嫁できない可能性があります。 なお、当社グループが現在受けている上記鉄道業の許可及び認可については、期間の定めはありません。また、これら鉄道業の許可もしくは認可について、鉄道事業法、同法に基づく命令もしくはこれらに基づく処分又は許可・認可に付した条件への違反等に該当した場合には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされております(同第30条)。現時点におきまして、当社が知りうる限りこれらの違反等に該当する事実は存在せず、鉄道業の継続に支障を来す要因は発生しておりません。しかしながら、これらの違反等に該当し国土交通大臣から事業の停止を命じられ、又は許可が取り消された場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。バス業やタクシー業においても、道路運送法の定めにより、一般旅客自動車運送事業の許可(道路運送法第4条)等を受けなければなりません。 また、安全、バリアフリー化、省エネルギー、環境等に関する規制の強化に対応するための投資が必要となる可能性があります。 ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可(旅館業法第3条)等があります。 不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。例えば、当社グループの保有するいずれかの不動産でアスベストを含む有害・有毒物質が発見された場合、その不動産の価値が下落する可能性があり、また、有害物質の対策をおこない、関連する環境責任を果たすために多大な費用の計上が必要となる可能性があります。さらに、これらの法制が変更された場合には、新たな義務の発生、費用負担の増加、保有不動産に関する権利の制限等により、保有不動産の価値低下や事業範囲の制限、大幅な開発計画の見直し等が生じる可能性があります。 また、建設事業では建設業法、建築基準法等の法的規制を受けております。 これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、新たな会計基準や税制の導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ③ 自然災害・事故等に関するリスク 当社グループの事業においては、「安全・安心」を最重要課題と認識し、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みやホテル・レジャー事業における食の安全確保の施策の推進、施設の安全対策の実施等安全管理には万全の注意を払っております。しかしながら、大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、台風や冷夏、降雪の状況等天候不順によりホテル・レジャー事業においてお客さまの減少等が見込まれるほか、新型インフルエンザ等治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等において休業や出控え等が懸念され、営業収益の減少や対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ④ 少子高齢化に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や現在又は将来における人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念されます。特に鉄道業においては西武鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の人口の減少等による影響が懸念されます。また、当社グループは、鉄道業の営業収益の相当部分を通勤・通学で利用されるお客さまから得ており、東京の昼間人口の減少は当社グループの都市交通・沿線事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び建設事業では特に多くの労働力を必要としており、今後、若年層の人材確保がさらに困難になることが懸念されます。これらの場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑤ 観光客の減少に関するリスク 当社グループはホテル・レジャー事業を中心に、海外からの観光客の増減を含む日本の観光市場の動向により大きな影響を受けます。日本の観光市場は、日本の経済状況、為替相場の状況、諸外国における対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは、海外においては主として米国ハワイ州においてハワイ事業を運営しております。ハワイ事業は、上記の要因による影響を受けるほか、米国景気をはじめとして国際情勢に変動が生じた場合には、ハワイ州への渡航者数が減少することにより、営業収益が減少する可能性があります。 日本又はハワイにおける観光客の減少は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑥ 「西武グループ中期事業計画」等に関するリスク 当社グループは、当社グループが概ね10年間で目指していくべき方向性を示した「西武グループ長期戦略」とともに、平成28年度を初年度とする3ヵ年の「西武グループ中期事業計画」を策定し、そのなかで、平成28年度から平成30年度までの経営戦略及び経営目標を設定いたしました。当社グループがこれらの経営戦略及び経営目標又はその他の開発計画等を達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。「西武グループ中期事業計画」の内容については、「3 対処すべき課題」をご参照ください。 ⑦ 重要な訴訟に関するリスク 当社グループは、通常の業務過程において、契約を巡る紛争、損害賠償、労働紛争、環境汚染等に関連して第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、政府から調査を受けたりする可能性があります。法的手続対応の負担に加え、仮に当社グループに不利に判決、決定等が下された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑧ 有利子負債に関するリスク 当社グループは、鉄道業、ホテル業等継続して多額の設備投資を必要とする事業をおこなっており、有利子負債についてはその削減に努めておりますが、有利子負債から現預金を差し引いたネット有利子負債残高は当連結会計年度末現在8,213億28百万円となっております。資金調達にあたっては、長期かつ固定金利での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇リスクへの対応をはかっておりますが、今後の金利の上昇や金融市場の変化又は当社グループの財務状況等の悪化にともなう格付けの引下げ等によっては支払利息が増加したり、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を含む追加的な資金を望ましい条件で調達することが困難になる可能性があります。これらの事情により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、借入の返済に充てるため、充分な資金を設備投資等に使用することができなくなる可能性もあります。 ⑨ 保有資産の価値に関するリスク 鉄道業やホテル業等の事業を展開する当社グループは、その事業の性質上、多くの不動産等の固定資産を保有しております。当社グループが保有している不動産、有価証券等の資産には、価格変動リスクが存在するため、経済情勢又は景気の動向、保有資産のキャッシュ・フロー創出能力の低下等によって保有資産の価値が毀損し、減損損失の発生、又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑩ 競争激化に関するリスク 当社グループは、多くの事業で厳しい競争に直面しております。 当社グループのホテル・レジャー事業におけるホテル業においては、外資系や宿泊特化型ホテルの進出が相次ぐなかで、多様化する消費者のニーズに対応すべくサービスの差別化をおこなう必要があり、業界として競争が激化しております。 当社グループでは、MICEビジネスの推進や日本最大級のネットワークを活かしたチェーンオペレーション等により、競争力の維持及び強化に努めておりますが、競合他社が新築又は改築・改装したホテルに対して競争力を維持及び強化するためには、改築・改装を含む多額の設備投資等の負担が必要となります。また、こうした施策が有効に機能しない場合、価格引下げ等により営業収益が減少し、ひいてはホテルの閉鎖又は売却により売却損が発生する等当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社グループの不動産事業は、不動産賃貸業における商業施設等の運営において、競合他社との価格、立地等での厳しい競争に直面しております。さらに、当社グループの建設事業は、一般に競争入札に基づいて受注がおこなわれており、多くの競合他社との間で競争がおこなわれております。 当社グループの各種事業における競争力を維持・強化するための値下げ、設備投資及び資産の処分は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑪ 情報システム・情報管理に関するリスク 当社グループでは、都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業等様々な事業分野で、多くのⅠTシステムを使用しております。これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等によりその機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与え、営業収益の減少又は対策費用の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、他の鉄道事業者、鉄道関連サービス提供業者等他社のシステム障害による影響を受ける可能性があります。さらに、当社グループでは、ホテル・レジャー事業における宿泊者名簿や会員制サービス、都市交通・沿線事業における定期乗車券やIC乗車券の販売、不動産事業やグループポイントカード運営等における顧客データ等個人情報を含むデータベースを管理しております。当社グループでは個人情報の管理に十分留意しておりますが、万一、個人情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑫ 燃料費・電気料金・原材料価格の高騰に関するリスク 都市交通・沿線事業においては、原油価格の高騰によりバス業やタクシー業等において燃料費が増加する場合があります。鉄道業においては、特に東京電力エナジーパートナー株式会社から供給される電力に依存しており、今後、基本料金の引き上げや再生可能エネルギーの普及にともなう促進賦課金の増加により、電気動力費が上昇する場合があります。 建設事業においては、受注・着工から竣工までの工事期間が長期間となるものが多くあり、工事期間中に原材料の価格や労務費が高騰すると工事原価が上昇する場合があります。また、建築原材料が高騰すると、不動産事業及び建設事業においてこれら原材料の価格変動を販売価格及び請負価格に反映することが困難な場合、想定した利益を確保できない場合があります。また、設備投資においても投資額が増加し、減価償却費及び資金調達コストが増加したり、必要な設備投資の延期を余儀なくされる可能性があります。 従って、効率的な事業運営をはかってまいりますが、原油価格や電気料金、原材料の価格が高騰した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑬ 収益構造に関するリスク 当社グループの事業のうち、特に都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業及び不動産事業においては、営業コストの相当部分が、人件費、減価償却費等の固定費で構成されているため、営業収益の比較的小幅な減少であっても、営業利益に大きな影響を及ぼすことになります。このような収益構造が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があり、特に、ホテル・レジャー事業については、営業収益の変動が比較的大きいことから、より大きな影響を受ける可能性があります。 ⑭ 風評に関するリスク 当社グループの事業の多くは「西武」と「プリンス」等のブランドでサービスと製品をお客さまに直接提供しております。「事業等のリスク」に記載のいずれかのリスクが現実となった場合を含め、当社グループのブランドイメージが損なわれた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。さらに、これらのブランドと同一又は類似のブランドを使用する第三者も存在するため、これらのブランドイメージを損なうような第三者の行為・言動等が間接的に当社グループの評判を損なう可能性があります。 ⑮ 食中毒や食品管理に関するリスク 当社グループにおいてはホテルやレストラン、店舗等において食事の提供や食品の販売をおこなっております。品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、食中毒事故が発生した場合は営業停止の処分を受けるほか、当社グループの信用やブランドを毀損し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 その他、ノロウイルスによる食中毒や家畜の伝染病の発生等食品衛生や食の安全、安心に関する問題が発生した場合、営業収益の減少や在庫の廃棄ロス等の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑯ 与信管理に関するリスク 当社グループでは、与信管理体制の強化に努めておりますが、特に建設事業においては工事期間が長期にわたり、かつ債権額が大きいことから、取引先の資金繰りの悪化等により請負代金の回収に支障を来した場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑰ 協力業者・取引先に関するリスク 当社グループの建設事業では、建設プロジェクトの施工管理業務を除くすべてを協力業者に依拠しておりますが、当社グループがお客さまに対する一義的な責任を負っております。当社グループは協力業者のサービスが確実に高い基準を満たすように努めておりますが、協力業者の工事がそうした基準を満たすことができなかった場合や協力業者が工事を完成できなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑱ 退職給付費用・退職給付債務に関するリスク 当社グループの従業員の退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の数理計算で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑲ 為替変動に関するリスク 為替の変動により営業利益が減少し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、当社は、連結財務諸表を円表示で作成しているため、外貨表示で作成されている在外子会社の財務諸表の日本円表示への換算に際して、為替相場の状況により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 ⑳ サーベラス・グループによる影響に関するリスク サーベラス・グループが平成28年3月29日に提出した大量保有報告書の変更報告書によれば、同月16日現在、当社発行済株式総数に対する保有割合は14.48%となっております。当社株式の上場以降、サーベラス・グループは、当社に対する経営関与や当社株式のさらなる買い増しをおこなう意向を示しておらず、当社の事業計画を支持しております。しかしながら、サーベラス・グループとその他の株主との利益が一致しない可能性があり、その場合、当社の株主総会における重要事項の決定、さらには当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。 また、サーベラス・グループがさらに当社株式を売却する場合、又はサーベラス・グループが保有する当社株式に付されている担保権の実行により当社株式が売却される場合、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。