事業等のリスク
リコーグループは、デジタルサービスの会社への収益構造転換が遅れ、印刷量の減少をカバーしきれない場合、収益目標達成が困難になるリスクを抱えています。また、デジタル技術(AI等)の活用やデータ利活用、実践型デジタル人材の育成が不十分な場合、業績や成長に悪影響が出る可能性があります。さらに、マーケットイン型・オープンイノベーション型の研究開発プロセスへの移行ができないと、技術投資の収益性が向上しないリスクがあります。加えて、サイバー攻撃の高度化や情報セキュリティ対策の不備、各国でのデータプライバシー規制への対応不足は、事業活動の停止や企業ブランド価値の棄損につながる可能性があります。
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FY2025|13,852 文字
3 【事業等のリスク】 事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。 (1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)(2) 事業領域固有の重要なリスク(ビジネスユニットリスク)(3) その他各機能領域のリスク(機能別組織リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ■「重点経営リスク」の選定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし合わせ、経営に大きな影響を及ぼすリスク(利害関係者への影響含む)を網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1参照) 図1:重点経営リスクの選定プロセス ・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・外部環境、内部環境の変化に加え、経営陣のリスクに対する見解を加味してリスクの特定と分類を行い、それぞれのリスクにおいて緊急度・影響度・リスクマネジメントレベルを検討し、リスクの評価を行っています。(図2参照) 図2:重点経営リスクの評価プロセス ・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅹ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 ■事業等のリスク(詳細)(1) 当社グループの経営上重要なリスク重点経営戦略リスクリスク項目名:①デジタルサービスの会社としての収益構造の移行緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Cリスクの説明:デジタルサービスの会社として成長するため収益構造変革に取り組んでいますが、印刷量の減少加速をオフィスサービス事業等の成長でカバーしきれないことによる収益性の向上が実現できず、中期の財務目標(営業利益/ROE)の達成に遅れが生じることで企業価値の低迷につながるリスクがあります。リスクの対策:PBR低迷の要因は収益性の低さにあるという分析結果を基に、収益構造の転換に向けて、企業価値向上プロジェクトで以下のテーマに取り組んでおります。・デジタルサービスの会社に適した本社機能への変革・事業の「選択と集中」の加速・オフィスプリンティング事業の構造変革・オフィスサービス事業の利益成長の加速これらを実現するための人材ポートフォリオ最適化や新たなリソースを獲得するためのM&A人材の育成強化も進めております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:②デジタル技術の活用とデータ利活用の促進 緊急度影響度リスクマネジメントレベル実践型デジタル人材52Bデータコンテンツ利活用推進と基盤強化43Bオペレーショナルエクセレンスの実現43Bリスクの説明:デジタル技術(AI等)とデータを活用するデジタル戦略の推進加速に向け、本社機能と各ビジネスユニットが一体となり、実践型デジタル人材の育成、事業におけるデータ利活用の推進、オペレーショナルエクセレンスの実現等を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:グローバルでの競争激化の中でレジリエンスを高めていくために、デジタル戦略の推進加速が重要であり、例えば以下のような施策の強化に努めております。・人材ポートフォリオマネジメント強化による、実践型デジタル人材へのスキルアップの推進・データ利活用促進に向けた、データガバナンスルールの策定と推進・オペレーショナルエクセレンスの実現に向けた、基幹システム刷新のプロジェクトマネジメント及び内製化の強化、生産性向上に向けたプロセスDX*1の実践範囲の拡大 *1 プロセスDX:デジタル技術を活用し仕事やプロセスのリデザインをすること 重点経営戦略リスクリスク項目名:③デジタルサービスの会社としてのR&Dプロセスの確立緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:デジタルサービスの会社として、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスにシフトできないことにより、技術投資における投資利益率の向上を実現できないリスクがあります。また、AI応用等でのELSI*2対応力不足による企業信頼失墜・事業機会損失発生のリスクもあります。リスクの対策:R&D投資の注力領域への集中と、投資配分のガバナンス強化を進め、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスへの移行を進めてまいります。また、技術倫理についての推進体制のもと、倫理啓発活動に加え、価値創出プロセスにおける技術倫理活動等、更なる強化を図ってまいります。 *2 ELSI(Ethical, Legal and Social Issues): 倫理的・法的・社会的課題 重点経営戦略リスクリスク項目名:④情報セキュリティ対応強化 緊急度影響度リスクマネジメントレベルNIST SP800-171準拠対応53Cセキュリティ対応42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への変革に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践等を行っております。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取り組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。 ・NIST SP800-171未準拠リスクサイバー攻撃の増加・高度化により、情報保護強化が高い水準を求められる状況にあり、米国政府はNIST SP800-171、日本政府は防衛産業サイバーセキュリティ基準(NIST SP800-171同等)を策定しました。それらの基準が、民間企業との取引にも適用され始めております。未準拠の場合、情報保護に対する事業影響(企業ブランド価値の棄損やビジネス機会の喪失等)が発生する可能性があります。 ・プロダクトセキュリティリスク製品/サービスのセキュリティ対策不備と、その不備によりお客様環境等への攻撃の踏み台として悪用される等のインシデントが発生する可能性があります。また、インシデント発生の脅威からお客様や企業を守るため、各国がセキュリティに関する法規制を強化しておりますが、法規制の変化に追従できないことによる制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 ・コーポレートセキュリティリスク巧妙化・複雑化するサイバー攻撃により、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動や、データの改ざん/漏洩/破壊等の業務影響の発生により事業活動停止のリスクが想定されます。 ・ファクトリーセキュリティリスク生産工程でのデジタル技術の利活用が進むことにより、サイバーセキュリティリスクも懸念され、生産の一部がセキュリティインシデントにより停止するといったリスクが想定されます。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク各国でデータプライバシー及び個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR*3等)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されております。グローバルで個人情報/個人データを取り扱うにあたり各国の法律に抵触した場合、制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 ・セキュリティガバナンスリスクセキュリティガバナンスとは、情報資産を適切に管理・保護し、セキュリティリスクを軽減するための組織的な取り組みであり、経営主体の取り組み不備により不正アクセス、システム停止等のリスクが想定されます。また、セキュリティガバナンスは自社のみにとどまらず、サプライチェーン企業(委託先等)を巻き込んだセキュリティ体制構築への取り組み不備、それに対する攻撃によりサプライチェーンが途絶えたり、滞ることに起因した、自社製品/サービスの供給の停止、顧客情報等の流出により事業影響が発生する可能性があります。 *3 GDPR(General Data Protection Regulation):欧州の個人情報保護に関する規制 リスクの対策:各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、最重要課題の一つと位置づけております。 ・NIST SP800-171 未準拠リスク世界中のお客様に対してセキュアな「製品・サービス」を提供するため、国際基準のセキュリティニーズに対応してまいります。ワークフローをデジタル化してお客様へ付加価値を提供する等、お客様の情報資産を守ることを目的とした「事業環境」の整備やモノづくりに取り組んでおります。NIST SP800-171への準拠の考え方は、単にNIST SP800-171の要件に対応することだけではなく、お客様の情報資産を守ることを取り組みの目的の本質としております。お客様の事業環境において、お客様が守りたいと考える情報資産を取り扱う可能性がある「製品・サービス」をサイバー攻撃から守るという目的と、その「製品・サービス」をお客様に提供するまでのバリューチェーンにおいて、取り扱う情報資産を守るという目的の2つがあります。当社グループではデジタルサービスを提供する事業者として、お客様の情報資産を第一に配慮したセキュリティ活動を行い、NIST SP800-171への準拠を目指します。 ・プロダクトセキュリティリスクセキュリティに関わる品質マネジメントを一層強化すると共に、発売済みの製品/提供中のサービスに対しても脆弱性の確認を行い、脆弱性が発見された場合に適切に対応します。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製品の脆弱性対応ガイドラインの整備、各国法規制の変化への対応等の活動を実施します。 ・コーポレートセキュリティリスクセキュリティ情報サイトからの情報を基に脅威を分析し、更に保有するITシステムを常時監視することで、外部からの不正侵入、内部からの不正利用をいち早く検知し、インシデントの早期対応を行います。 ・ファクトリーセキュリティリスク当社グループ各社の生産工場において、経済産業省の工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン等に基づき、各生産工場に関わるセキュリティリスクを適時評価し、継続的に対策検討・実施しております。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク個人情報取扱規程の改訂や個人情報の取扱状況の調査・是正等、整備が進む各国の法律を踏まえた対応方針の策定と対策の実施を進めております。 ・セキュリティガバナンスリスク経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドライン等の活用により、サイバー攻撃における経営視点での対応を成熟化させると共に、サプライチェーンにおけるセキュリティリスクを低減します。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤人材の確保・育成・管理緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存しております。特に将来の経営人材の育成を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:前年度から次世代リーダー候補の定義を見直し、役職や年代、ジェンダー等の切り口から課題を可視化できる形に改善し、その上で中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成等を包括的に進めております。また、管理職研修も当年度一新し、自律を促す環境をつくるために必要な管理職の意識変革のための研修を国内リコーグループ各社*4の管理職に実施しております。 *4 リコージャパンは同様の研修を自社で展開しているため対象外 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥ESG/SDGsの深化 緊急度影響度リスクマネジメントレベル人権52C環境保全42CESG情報開示42Cリスクの説明:ESG/SDGsへの対応は、当社グループの事業活動に対して中長期的影響を及ぼすリスクであり、特に人権、脱炭素、厳格化が進む環境規制・規格への対応を重要なリスクと捉え、活動しております。加えて従来、任意であったESG関連の情報開示がグローバルに義務化されつつあり法定開示化が進んでおります。これらの対応を競合に遅れることなく進めなければ商談機会の損失等、ビジネスへの悪影響にとどまらず、社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損等、会社に甚大な損害を与える可能性があります。リスクの対策:以下の対応を強化しています。・人権対応として、RBA*5ベースのESGリスクアセスメントを全生産拠点に展開及び重要サプライヤーのESGマネジメントを強化すると共に、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを構築し活動することで、人権リスクの低減を進めております。・環境保全対策として、中長期の脱炭素ロードマップと年間再エネ導入戦略を策定し脱炭素活動を展開、画像製品における様々な規制/規格の基準案に対する対応の検討を推進、また土壌地下水汚染に対する計画立案と確実な実施を進めております。・ESG情報開示規制に対しては、ISSB*6やCSRD*7等の国際開示基準にて求められている第三者保証に耐えうるESGデータ収集プロセスの整備を進めております。 *5 RBA(Responsible Business Alliance):グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任を果たすことを目的としたグローバルな企業同盟*6 ISSB(International Sustainability Standards Board):企業に対するサステナビリティ情報の開示基準を策定する国際機関*7 CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive):EU域内の大企業や上場企業に対するサステナビリティ情報開示規制 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦地政学リスクへの適切な対応緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:・グローバルで事業活動を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。・各国の法規制強化、国家間の牽制等の地政学リスクにより、ビジネス機会を損失するリスク等が考えられます。リスクの対策:予防・対応プロセスを強化しております。各国の法規制情報収集の強化、重要部品別に複数仕入先の選定等、今後も円滑な事業活動を行うため、経営にて審議し、迅速かつ適切な対応に取り組んでまいります。また、米国新政権の政策や多様なリスクの連鎖が国際情勢に及ぼす影響について、短期的な視点とともに、中長期的な視点も含め、対応体制を整備しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品の長期供給遅れ・停止 緊急度影響度リスクマネジメントレベル地震・噴火・台風32Bリスクの説明:大規模地震、津波、洪水、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、以下のような事象が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の遅延や停止・輸送機関の遅延や停止・販売会社への供給遅延や停止リスクの対策:リスク発生時を想定した以下の予防・対応プロセスを強化しております。・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先選定又は代替品の選定・購買、生産等の領域ごとのアラートレベルの設定と運用・リモートワーク等の新しい働き方を想定したBCP訓練加えて、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行っております。従来時間を要していた仕入先の状況確認を、ツールの導入で短縮しました。今後も有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故 緊急度影響度リスクマネジメントレベル国内:地震・噴火13C国内:風水雪害51C国外:大規模な自然災害/事件事故31Cリスクの説明:国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じ、経営に著しい影響を及ぼすリスクを想定しております。リスクの対策:当該リスク対応において、以下のような対策を行っております。 国内・災害発生時に適切な対応が図れる仕組みの構築及び継続的な見直しを行っております。・災害による被害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限におさえるために、国内の当社グループ合同での災害対策訓練や事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練含む)、建屋の耐震対応や有事に使用する設備の点検・維持等災害に強い職場づくりに取り組んでおります。・水害リスク対応として、大規模な水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づいた机上訓練や実地訓練を行っております。また、比較的高いリスクが想定される拠点に対する水害対策工事の実施、並びに水害リスク情報の可視化ツールの運用を開始する等、当社グループ全拠点で水害情報の施策立案を展開すると共に、従業員の対応力向上を図っております。・噴火リスク対応として、当社グループ国内火山噴火(富士山を含む)ガイドラインを策定しております。 国外・海外の関連会社を対象とした危機対応標準を制定し、自然災害・事故・事件が発生した場合の対応基本方針を定めると共に、各組織の役割及び責任を明確にしております。・海外関連会社の重大な自然災害リスクを把握し、第三者の情報と差異があった場合は必要な対応を指示、危機発生時の報告ルートを確認、BCP構築・運用に課題がある会社の支援を実施する等、海外関連会社の危機管理対応力を強化しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③役員・従業員に関わるコンプライアンスリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:コンプライアンス問題(法令違反、ハラスメント、社内ルールや当社グループ企業行動規範に反する行動)が発生し、適切な対応がされなかった場合、社会的問題に拡大するリスク等が考えられます。リスクの対策:国内・国外・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置しております。・コンプライアンス違反の事例を共有し、適切な対処を学ぶ機会を設けております。・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。国内・マネジャー向けのコンプライアンス遵守・労務管理教育を実施しております。・労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:④グループガバナンスに関するリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:社内外の環境変化が激しい時代において、健全な成長を維持するためにグループガバナンスの強化が非常に重要ですが、本社のガバナンスが適切に機能していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。・社内外の環境変化に伴う世論の動向や法規制の制改訂に対し、方針策定や対応が迅速かつ柔軟に行われない場合、倫理的な問題やコンプライアンス違反が発生するリスクがあります。・当社グループ各社のガバナンスの整備・運用状況、業務プロセスに対する本社の管理監督が不十分な場合、不正や不祥事等が生じ、ブランドイメージや信頼性の低下、ひいては持続的な成長や企業価値の向上に対するリスクが高まることになります。リスクの対策:・組織体制の検討時には、グループガバナンスのリスクを極小化するために、リスクに対して柔軟かつ迅速に対応できるよう、ガバナンス面の考慮をより強化します。・当社グループ各社が全社方針のもとで自律的にガバナンスを整備・運用できるよう、本社及び主管管理部門が連携し、各社固有の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じた適切な指導及び管理監督を行ってまいります。特に、合弁会社であるエトリア株式会社については、参画企業の文化との融合とグループガバナンスのバランスを保ちながら、成長をさらに促進するための環境を整えてまいります。 (2) 事業領域固有の重要なリスクリスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場において、リモートワークの増加やペーパーレス化に伴いプリント出力が減少し、業績に影響を与える可能性があります。リスクの対策:既存のオフィスプリンティング事業の顧客基盤の維持・拡大に取り組み、社内プロセスはSCMの徹底効率化やオペレーショナルエクセレンスにより、更なる収益性の向上を図っております。合わせてオフィスサービス事業においては、プロセスオートメーションとワークプレイスエクスペリエンスを中心に着実に成長を実現しており、オフィスサービス事業のストック収益の拡大を加速させることでオフィスプリンティング領域のリスクヘッジを進めております。また、複合機を含むエッジデバイスの供給体制については、他社との協業を進めて最適な生産・開発体制を構築することで競争力のある製品を提供し、利益率の向上によるリスクヘッジを行っております。 リスク項目名:②デジタルサービスの成長に向けたリソース確保緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの成長に向けてはコンサルティング・インテグレーションができるデジタル人材の確保が必要要件の1つとなっております。慢性的な人手不足を背景にしたIoTやAIを活用した業務改革の潮流はより一層強まっており、デジタル人材を確保する動きがより高まっているため十分に確保できない可能性があります。リスクの対策:優秀なデジタル人材の流出防止及び獲得の為に、プロフェッショナル人事制度の構築等の人事制度改革を進めております。また、人的資本戦略を策定し、グループ全体の社員のスキルの底上げに加え、デジタルアカデミーやリスキリングプログラムの策定・実施を通じて、プロセスDXの実践人材やデジタルエキスパート人材の育成に努めております。 リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:リモートワークやペーパーレスの拡大により企業内の大量印刷需要の減少やプリント出力量の集約・統合により、商用印刷事業領域における企業内印刷事業の業績が下振れするリスクがあります。リスクの対策:企業内印刷事業での業績下振れリスクを低減するために、未開拓の欧米代理店や新興国の開拓を進めると共に、事業ポートフォリオマネジメントの実施により今後も市場成長が見込まれている商用印刷事業の高付加価値領域やインクジェット技術・製品へのリソース投入を強化し、事業構造変革を進めております。 リスク項目名:④サーマル市場の成長鈍化、収益性の低下緊急度影響度リスクマネジメントレベル32Cリスクの説明:サーマル市場は世界的な人口増加に伴う消費財の増加により堅調に成長しているものの、コモディティ化が進行しております。グローバルに事業を展開しておりますが、各地域の景気回復が遅れて成長が鈍化し、収益性悪化や過剰在庫・設備稼働率悪化となる可能性があります。リスクの対策:市場動向のモニタリング体制を強化し、需要予測の精緻化と日常管理体制の強化を進めております。各地域の景気動向による需要の増減がある中、グローバルの販売網・生産インフラを活用し、最適な地域での生産・供給オペレーションを実施することで業績変動リスクの最小化に努めております。また、包装資材に直接印字するスマートパッケージング事業を拡大することにより社会課題の解決に貢献すると同時に収益の安定化を図っております。 (3) その他各機能領域のリスクリスク項目名:①のれん、固定資産の減損緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Bリスクの説明:企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の事業計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務、戦略、リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。 リスク項目名:②繰延税金資産緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Cリスクの説明:税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。 リスク項目名:③知的財産権の保護緊急度影響度リスクマネジメントレベル21Bリスクの説明:知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。リスクの対策:特許等の出願前に先行技術調査を徹底すると共に、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。 リスク項目名:④製品品質・製造物責任緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:製造・販売する製品に、以下のような事象が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化リスクの対策:「製品品質・製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障・事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映し、リスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるために、体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理)緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Bリスクの説明:事業活動を行う中で、以下のような要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。・輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因による各国輸出規制法違反による罰金や刑事罰リスクの対策:・代表取締役社長執行役員・CEOをトップとし、専任組織である輸出入管理統括部門によるグループ輸出入管理委員会体制によるガバナンスの強化を行っております。・当社グループ役員及び社員への定期的な教育、事業部門及び当社グループへの輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っております。・専門部門による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っております。 リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、独占禁止法及び競争法の違反が発生した場合、課徴金納付命令等の行政当局による処分や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し、各国競争法の遵守、教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底と共に、規制変化等のタイムリーな把握・対応を行っております。また、M&Aにおいても環境デュー・ディリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めております。収集した環境パフォーマンスデータを積極的に開示すると共に、主要データに関しては第三者検証を受ける等、透明性・信頼性の確保に努めております。 リスク項目名:⑧為替レートの変動緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州等その他地域で行っており、事業活動において以下のような為替レートの変動による影響を受けます。・海外子会社の現地通貨建ての業績が各事業年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる、資産・負債額への為替レート変動リスクの対策:・為替変動に関して、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・当社グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。 リスク項目名:⑨確定給付制度債務緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいてこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。リスクの対策:政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。
FY2024|13,228 文字
3 【事業等のリスク】 事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。(1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)(2) 事業領域固有の重要なリスク(ビジネスユニットリスク)(3) その他各機能領域のリスク(グループ本部リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ■「重点経営リスク」の決定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1:重点経営リスク決定プロセス)・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅹ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 図1:重点経営リスク決定プロセス ■事業等のリスク(詳細)(1) 当社グループの経営上重要なリスク重点経営戦略リスクリスク項目名:①デジタルサービスの会社としての収益構造の移行緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:事業構造の転換が進まず、印刷量の減少による業績影響を受けて、中期的に目指しているROE10%超の実現に遅れが生じることでPBR1倍を達成できないリスクがあります。リスクの対策:PBR低迷の要因は収益性の低さにあるという分析結果を基に、企業価値向上プロジェクトを立ち上げ収益構造の変革に向けて以下のテーマを推進しております。・デジタルサービスの会社に適した本社機能への変革・低収益事業、新規事業の選択と集中・オフィスプリンティング事業の構造変革・オフィスサービス事業の利益成長の加速これらを実現するための人材ポートフォリオ最適化や新たなリソースを獲得するためのM&A人材の育成強化も進めております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:②デジタル戦略の推進加速 緊急度影響度リスクマネジメントレベル実践型デジタル人材52Cデータ利活用推進43Bオペレーショナルエクセレンスの実現43Bリスクの説明:デジタル技術とデータを活用するデジタル戦略の推進加速に向け、本社機能と各ビジネスユニットが一体となり、実践型デジタル人材の育成、事業におけるデータ利活用の推進、オペレーショナルエクセレンスの実現等を継続して行わなければ当社グループの業績、成長に影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:グローバルでの競争激化の中でレジリエンスを高めていくために、デジタル戦略の推進加速が重要であり、例えば以下のような施策の強化に努めております。・人材ポートフォリオマネジメント強化による、実践型デジタル人材リスキングプログラムの推進・RSI*1基盤データを活用した事業貢献の拡大・オペレーショナルエクセレンスの実現に向けた、基幹システム刷新のプロジェクトマネジメント強化、生産性向上に向けたプロセスDXの実践範囲の拡大 *1 RSI(RICOH Smart Integration):当社グループ共通のプラットフォーム。デジタルサービスの開発・運用に必要な基本機能を備えたクラウドの共通基盤。 重点経営戦略リスクリスク項目名:③デジタルサービスの会社としてのR&Dプロセスの確立緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:デジタルサービスの会社として、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスにシフトできないことにより、技術投資における投資利益率の向上を実現できないリスクがあります。また、AI応用等でのELSI*2対応力不足による企業信頼失墜・事業機会損失発生のリスクもあります。リスクの対策:R&D投資の注力領域への集中と、投資配分のガバナンス強化を進め、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスへの移行を進めてまいります。また、技術倫理についての推進体制のもと、倫理啓発活動に加え、価値創出プロセスにおける技術倫理活動等、更なる強化を図ってまいります。 *2 ELSI(Ethical, Legal and Social Issues): 倫理的・法的・社会的課題 重点経営戦略リスクリスク項目名:④情報セキュリティ 緊急度影響度リスクマネジメントレベルNIST SP800-171準拠対応53Cセキュリティ対応42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への変革に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践等を行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取り組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。 ・NIST SP800-171未準拠リスクサイバー攻撃の増加・高度化により、情報保護強化が高い水準を求められる状況にあり、米国政府はNIST SP800-171、日本政府は防衛産業サイバーセキュリティ基準(NIST SP800-171同等)を策定しました。それらの基準が、民間企業との取引にも適用され始めております。未準拠の場合、情報保護に対する事業影響(企業ブランド価値の棄損やビジネス機会の喪失等)が発生する可能性があります。 ・プロダクトセキュリティリスク製品/サービスのセキュリティ対策不備と、その不備により他者への攻撃の踏み台として悪用される等のインシデントが発生する可能性があります。また、インシデント発生の脅威からお客様や企業を守るため、各国がセキュリティに関する法規制を強化しておりますが、法規制の変化に追従できないことによる制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 ・コーポレートセキュリティリスク巧妙化・複雑化するサイバー攻撃により、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動や、データの改ざん/漏洩/破壊等の業務影響の発生により事業活動停止のリスクが想定されます。 ・ファクトリーセキュリティリスク従来、生産工場は外部との接続が制限されてきたことからサイバーセキュリティリスクは少なかったが、近年DXが進んだことでITネットワークによる外部接続が生産工程の必須要件となりつつあります。生産システム/設備を狙ったサイバー攻撃による停止/誤作動やデータの改ざん/漏洩/破壊等の発生による事業活動停止のリスクが想定されます。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク各国でデータプライバシー及び個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR*3等)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されております。グローバルで個人情報/個人データを取り扱うにあたり各国の法律に抵触した場合、制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 *3 GDPR(General Data Protection Regulation):欧州の個人情報保護に関する規制リスクの対策:各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、最重要課題の一つと位置づけております。 ・NIST SP800-171 未準拠リスク世界中のお客様に対してセキュアな「製品・サービス」を提供するため、国際基準のセキュリティニーズに対応してまいります。ワークフローをデジタル化してお客様へ付加価値を提供する等、お客様の情報資産を守ることを目的とした「事業環境」の整備やモノづくりに取り組んでおります。当社グループのNIST SP800-171への準拠の考え方は、単にNIST SP800-171の要件に対応することだけではなく、お客様の情報資産を守ることを取り組みの目的の本質としております。お客様の事業環境において、お客様が守りたいと考える情報資産を取り扱う可能性がある当社グループの「製品・サービス」をサイバー攻撃から守るという目的と、その「製品・サービス」をお客様に提供するまでのバリューチェーンにおいて、取り扱う情報資産を守るという目的の2つがあります。当社グループではデジタルサービスを提供する事業者として、お客様の情報資産を第一に配慮したセキュリティ活動を行い、NIST SP800-171への準拠を目指します。 ・プロダクトセキュリティリスクセキュリティに関わる品質マネジメントを一層強化すると共に、発売済みの製品/提供中のサービスに対しても脆弱性の確認を行い、脆弱性が発見された場合に適切に対応します。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製品の脆弱性対応ガイドラインの整備、各国法規制の変化への対応等の活動を実施します。 ・コーポレートセキュリティリスク情報セキュリティ標準(ISO/IEC*4、NIST、経済産業省ガイドライン等)に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを意識した体制を構築/強化すると共に、企画・設計・購買・生産・販売・サポートの各フェーズの業務システムに関わるセキュリティリスクを適時評価し、継続的に対策検討・実施しております。 ・ファクトリーセキュリティリスク当社グループ各社の生産工場においても情報セキュリティ標準(ISO/IEC、NIST、経済産業省工場ガイドライン等)に基づき、各生産工場に関わるセキュリティリスクを適時評価し、継続的に対策検討・実施しております。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク当社グループ内における個人情報取扱規程の改定や個人情報の取扱状況の調査・是正等、整備が進む各国の法律を踏まえた対応方針の策定と対策の実施を進めております。 *4 ISO/IEC(International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission):製品の品質、性能、安全性、寸法、試験方法などに関する国際的な取り決め 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤人材の確保・育成・管理緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存しております。特に将来の経営人材の育成を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:変革・発展を導くリーダーを継続的に育成するため、将来のリーダー候補の選定やアセスメント、キャリア計画などを包括的に進めております。また、社員のIDP*5の作成支援、IDPに基づいたキャリア形成、それに必要な自律的な学習環境を作ることで、自律的なキャリア形成を促進する取り組みを進めております。 *5 IDP(Individual Development Plan): 個人のキャリアゴール達成のための育成計画 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥ESG/SDGsへの対応 緊急度影響度リスクマネジメントレベル人権52C脱炭素41C資源循環/生物多様性43Cリスクの説明:ESG/SDGsへの対応は、当社グループの事業活動に対して中長期的影響を及ぼす新興リスクであり、特に人権、脱炭素、資源循環/生物多様性を重要なリスクと捉え、活動しております。これらの対応を競合に遅れることなく進めていかないと商談機会の損失等ビジネスへの悪影響にとどまらず、社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損等、会社に甚大な損害を与える可能性があります。リスクの対策:以下の対応を強化しています。・RBAベースのESGリスクアセスメントを全生産拠点に展開及び重要サプライヤーのESGマネジメントを強化し、人権リスクの低減を進めております。・社会動向、自社CO₂削減状況・エネルギー使用量等から年間再エネ導入戦略とロードマップを策定し、SBT*61.5℃ライン維持に向けた脱炭素活動を展開しております。・画像製品における新規資源使用率のシミュレーション・進捗管理等を通じて着地予測を定期的に実施し、新規資源使用率の削減施策の推進に努めております。・持続可能な原材料木材調達を行うための「当社グループ製品の原材料木材に関する規定」及び「用紙調達方針」を定め生物多様性への配慮に努めております。 *6 SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した企業が設定する中長期的な温室効果ガス排出削減目標 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦地政学リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:・グローバルで事業活動を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。・各国の法規制強化、国家間の牽制等の地政学リスクにより、ビジネス機会を損失するリスク等があります。リスクの対策:予防・対応プロセスを強化し、各国法規制情報収集の強化、重要部品別に複数仕入先の選定等、今後も円滑な事業活動を行うため、経営にて審議し、迅速かつ適切な対応に取り組んでまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品の長期供給遅れ・停止 緊急度影響度リスクマネジメントレベル感染症22C地震・噴火・台風32Bリスクの説明:大規模地震、津波、洪水、感染症の拡大、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、以下のような事象が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の遅延や停止・輸送機関の遅延や停止・販売会社への供給遅延や停止リスクの対策:リスク発生時を想定した予防・対応プロセスを強化しております。・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先選定又は代替品の選定・購買、生産等の領域ごとのアラートレベルの設定と運用・リモートワーク等の新しい働き方を想定したBCP訓練加えて、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行っております。令和6年能登半島地震においても対策が奏功し生産・供給を継続できました。今後も有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故 緊急度影響度リスクマネジメントレベル国内:地震・噴火13C国内:風水雪害51C国外:大自然災害・事件事故31Cリスクの説明:国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じ、経営に著しい影響を及ぼすリスクを想定しております。リスクの対策:当該リスク対応において、以下のような対策を行っております。 国内・災害発生時に適切な対応が図れる仕組みの構築及び継続的な見直しを行っております。・災害による被害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限におさえるために、国内の当社グループ合同での災害対策訓練や事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練含む)、定期的な設備点検等を継続的に実施しております。・水害リスク対応として、大規模な水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づいた机上訓練や実地訓練を行っております。また、比較的高いリスクが想定される拠点に対する水害対策工事の実施、並びに水害リスク情報の可視化ツールの運用を開始する等、当社グループ全拠点で水害情報の施策立案を展開すると共に、従業員の対応力向上を図っております。・噴火リスク対応として、前事業年度より富士山噴火への対応を強化し、当社グループ拠点に対する影響に基づく対策を実施しております。 国外・海外の関連会社を対象とした危機対応標準を制定し、自然災害・事故・事件が発生した場合の対応基本方針を定めると共に、各組織の役割及び責任を明確にしております。・海外関連会社の重大な自然災害リスクを把握し、第三者の情報と差異があった場合は必要な対応を指示、危機発生時の報告ルートを確認、BCP構築・運用に課題がある会社の支援を実施する等、海外関連会社の危機管理対応力を強化しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③人事関連コンプライアンス対応緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:人事関連の各種コンプライアンス違反が発生し、社会的信用を失墜するリスク等が考えられます。リスクの対策:・コンプライアンス遵守(人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。・マネジャー向けの労務管理教育を実施しております。・グループ全体での労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。・グループ全体での人事関連コンプライアンス違反に関する相談窓口の設置及び事例の共有をしております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:④グループガバナンスに関するリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:社内外の環境変化が激しい時代において、健全な成長を維持するためにグループガバナンスの強化が非常に重要であると考えております。本社のガバナンスが適切に機能していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。・新規事業や外部環境の変化に伴う新たなリスクに対し、グループの方針策定や対応が迅速に行われず、倫理やコンプライアンス違反につながる可能性があります。・当社グループのガバナンスの整備・運用状況、業務プロセスに対する本社の管理監督が不十分な場合、不正や不祥事等によるブランドイメージや信頼性の低下、そしてグループ全体の持続的な成長や企業価値の向上に対するリスクが高まることになります。リスクの対策:グループガバナンスのリスクを低減するために、本社機能とビジネスユニット、当社グループ各社のガバナンス体制を再設計しております。ガバナンス機能の更なる強化を進めつつ、デジタルサービスの会社として適切な本社機能の規模・役割に再整備していきます。本社主管管理部門によるグループ会社のガバナンスについては、2024年7月1日設立予定のエトリア株式会社を含め個別事業の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じて、適切な指導及び管理監督を行ってまいります。また、テクノロジーの活用については、翌事業年度にシステム導入を完了し、グループ全体で発生したコンプライアンス違反や不正行為、内部通報等からの傾向分析を行い、各組織に対しデータに基づく、より効果的な対応アクションを提案していきます。 (2) 事業領域固有の重要なリスクリスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場において、リモートワークの増加やペーパーレス化に伴い印刷量が減少し、業績に影響を与える可能性があります。リスクの対策:既存のオフィスプリンティング事業の顧客基盤の維持・拡大に取り組み、社内プロセスはSCMの徹底効率化やオペレーショナルエクセレンスにより、更なる収益性の向上を図っております。合わせてオフィスサービス分野においては、ビジネスプロセスオートメーション領域とコミュニケーションサービス領域を成長領域と定め、ストック収益の積上げを加速させることでオフィスプリンティング領域のリスクヘッジを図っております。また、複合機を含むエッジデバイスの供給体制については、他社との協業を進めて最適な生産・開発体制を構築することで競争力のある商品を提供し、利益率の向上によるリスクヘッジを行っております。 リスク項目名:②デジタルサービスの成長に向けたリソース確保緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの成長に向けてはコンサルティング・インテグレーションができるデジタル人材の確保が必要要件の1つとなっております。慢性的な人手不足を背景にしたIoTやAIを活用した業務改革の潮流はより一層強まっており、デジタル人材を確保する動きがより高まっているため十分に確保できない可能性があります。リスクの対策:優秀なデジタル人材の流出防止及び獲得の為に、プロフェッショナル人事制度の構築等の人事制度改革を進めております。また、人的資本戦略を策定し、グループ全体の社員のスキルの底上げに加え、デジタルアカデミーやリスキリングプログラムの策定・実施を通じて、プロセスDXの実践人材やデジタルエキスパート人材の育成に努めております。 リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:リモートワークやペーパーレスの拡大により企業内の大量印刷需要の減少や印刷量の集約・統合により、商用印刷事業領域における企業内印刷事業の業績が下振れするリスクがあります。リスクの対策:企業内印刷事業での業績下振れリスクを低減するために、未開拓の欧米代理店や新興国の開拓を進めると共に、事業ポートフォリオマネジメントの実施により今後も市場成長が見込まれている商用印刷事業の高付加価値領域やインクジェット技術・製品へのリソース投入を強化し、事業構造変革を進めております。 リスク項目名:④サーマル市場の成長鈍化、収益性の低下緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:サーマル市場は世界的な人口増加に伴う消費財の増加により堅調に成長しているものの、コモディティ化が進行しております。グローバルに事業を展開する中、各地域の景気回復の遅れにより成長が鈍化し、収益性悪化や過剰在庫・設備稼働率悪化となる可能性があります。リスクの対策:市場動向のモニタリング体制を強化し、需要予測の精緻化と日常管理体制の強化を進めております。各地域の景気動向による需要の増減がある中、グローバルの販売網・生産インフラを活用し最適な地域での生産・供給オペレーションを実施することで業績変動リスクの最小化に努めております。また、包装トップシールに直接印字するスマートパッケージ事業の拡大等独自の技術で差別化をすることにより、社会課題の解決に貢献すると同時に収益の安定化を図っております。 (3) その他各機能領域のリスクリスク項目名:①のれん、固定資産の減損緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Bリスクの説明:企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務、戦略、リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。 リスク項目名:②繰延税金資産緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Cリスクの説明:税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。 リスク項目名:③知的財産権の保護緊急度影響度リスクマネジメントレベル21Bリスクの説明:知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。リスクの対策:特許等の出願前に先行技術調査を徹底すると共に、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。 リスク項目名:④製品品質・製造物責任緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化等が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。リスクの対策:「製品品質・製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障・事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映し、リスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるために、体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理)緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Bリスクの説明:事業活動を行う中で、例えば以下のような要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。・輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因による各国輸出規制法違反リスクの対策:・代表取締役 社長執行役員をトップとし、専任組織である輸出入管理部門を事務局としたグループ輸出入委員会体制によるガバナンスの強化を行っております。・グループ役員及び社員への定期的な教育、事業部門への輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っております。・専任部隊による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っております。 リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、独占禁止法及び競争法の違反が発生した場合、課徴金納付命令等の行政当局による処分や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し、各国競争法の遵守、教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底と共に、規制変化等のタイムリーな把握・対応を行っております。また、M&Aにおいても環境デューデリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止を行っております。収集した環境パフォーマンスデータを積極的に開示すると共に、主要データに関しては第三者検証を受ける等、透明性・信頼性の確保に努めております。 リスク項目名:⑧為替レートの変動緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において以下のような為替レートの変動による影響を受けます。・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる、資産・負債額への為替レート変動リスクの対策:・為替変動に関して、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。 リスク項目名:⑨確定給付制度債務緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいてこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。リスクの対策:政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。
FY2023|14,420 文字
3 【事業等のリスク】 事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。(1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)(2) 事業領域固有の重要なリスク(ビジネスユニットリスク)(3) その他のリスク(機能別組織リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ■「重点経営リスク」の決定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1:重点経営リスク決定プロセス)・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅷ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 図1:重点経営リスク決定プロセス ■事業等のリスク一覧(1) 当社グループの経営上重要なリスク 重点経営戦略リスクリスク項目名:①デジタルサービスの会社としての収益構造の移行緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:当社グループは、OAメーカーからデジタルサービスの会社への変革を目指しておりますが、事業構造の転換が進まず、印刷ボリュームの減少による業績影響を受けるリスクがあります。また事業成長のためのM&A投資の機会を逸し、成長機会を損失するリスクもあります。リスクの対策:当社グループでは、デジタルサービスの会社としての収益構造の移行のために、ポートフォリオマネジメントの意思決定に沿い、・成長事業への投資と、新陳代謝を進め、デジタルサービスの会社への転換を加速します。・ポートフォリオマネジメントの継続と成長投資実行のモニタリングを行っております。・財務管理指標のモニタリングの仕組みを強化し、事業構造と収益性の変革に向けたマネジメントを行います。また、M&A人材の可視化と育成の強化を行います。 重点経営戦略リスクリスク項目名:②デジタル戦略の推進加速緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:当社グループは、デジタル戦略の推進加速に向け、本社機能と各ビジネスユニットが一体となり、デジタル人材の育成・強化、データコンテンツの整備・利活用推進と技術基盤の強化、デジタルを活用した既存事業の深化と価値創出の仕組整備・実践、あらゆるデジタル技術を活用し自らの業務プロセスを改善し続ける活動等、様々な取組みを行っておりますが、・デジタル戦略推進のための人材の不足・グローバルで共創プラットフォーム(RICOH Smart Integration)がビジネスの価値創出を促進する基盤として活用されない等により当社グループの業績、成長に影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、グローバルでの競争激化の中でレジリエンスを高めていくために、デジタル戦略の推進加速が重要であると考えており、次のような更なる強化に努めております。・デジタル戦略推進のための人材の確保・共創プラットフォーム(RICOH Smart Integration)と各事業のエッジデバイス連携の仕組み構築、及び各事業に対する利用支援等。 重点経営戦略リスクリスク項目名:③先端技術の強化 緊急度影響度リスクマネジメントレベル中長期市場への技術対応32C技術倫理43Dリスクの説明:当社グループでは社内カンパニー制を導入しておりますが、顧客・市場の理解促進の一方で、技術開発の分散により技術投資効率低下及び中長期的市場への技術対応能力の低下のリスクがあります。またAI応用等でのELSI*1対応力不足での企業信頼失墜・事業機会損失発生のリスクもあります。リスクの対策:当社グループでは、研究開発投資ポートフォリオのモニタリングを継続し、技術戦略に基づく開発実行計画の合意形成を推進してまいります。技術倫理については、推進体制を整備し、倫理保証機能の一部を試行しております。また、技術倫理感の在り方に関する規定を公開し倫理啓発の実践を進め、更なる強化を図ってまいります。 重点経営戦略リスクリスク項目名:④情報セキュリティ 緊急度影響度リスクマネジメントレベルNIST SP800-171準拠対応53Cセキュリティ対応42Cリスクの説明:当社グループは、デジタルサービスの会社への転換に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践等を行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。 ・NIST SP800-171*2 未準拠リスク企業や政府機関へのサイバー攻撃は増加・高度化しており、各組織における防御体制、情報保護強化はより高い水準を求められる状況にある。この分野で大きくリードしている米国政府はNIST(National Institute of Standards and Technology:米国国立標準技術研究所)が策定したセキュリティ要件を礎として、防衛産業をはじめ、連邦政府関係機関との取引先を対象に、より強固で先進的なサイバーセキュリティ対策を求められ始めた。 ・プロダクトセキュリティリスクインターネット公開サイトへのセキュリティ対策の不備や、お客様に納入した当社グループの製品に内在する重大なセキュリティ問題により、意図せず他者への攻撃の踏み台として悪用される等のインシデントの発生。 ・コーポレートセキュリティリスク巧妙化・複雑化するサイバーアタックにより、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊等の発生。 ・ファクトリーセキュリティリスク従来生産工場は外部との接続が制限されてきたことからリスクは少なかったが、近年DX*3が進んだことで当社グループ各社の業務システムと生産工場との境界が薄れており、生産工場のシステムから侵入され、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊等の発生。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク各国で個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR*4等)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されるようになる中、グローバルでの共同利用にあたり、各国の規制に抵触し制裁金が課せられる等の事象が発生した場合、社会的信用の低下による企業ブランド価値の毀損やビジネス機会の喪失等の事業影響。リスクの対策:当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、最重要課題の一つと位置づけております。 ・NIST SP800-171 未準拠リスク当社グループは、世界中のお客様に対してセキュアな「製品・サービス」を提供するため、国際基準のセキュリティニーズに応えてまいります。当社グループはワークフローをデジタル化してお客様へ付加価値を提供する等、お客様の情報資産を守ることを目的とした「事業環境」の整備やモノづくりに取り組んでいます。当社グループのNIST SP800-171への準拠の考え方は、単にNIST SP800-171の要件に対応することだけではなく、お客様の情報資産を守ることを取り組みの目的の本質としております。お客様の事業環境において、お客様が守りたいと考える情報資産を取り扱う可能性がある当社グループの「製品・サービス」をサイバー攻撃から守るという目的と、その「製品・サービス」をお客様に提供するまでのバリューチェーンにおいて、取り扱う情報資産を守るという目的の2つがあります。当社グループではデジタルサービスを提供する事業者として、お客様の情報資産を第一に配慮したセキュリティ活動を行い、NIST SP800-171への準拠を目指します。 ・プロダクトセキュリティリスクインターネット公開サイトの構築や製品開発において、情報セキュリティに関わる品質マネジメントを継続的に強化するとともに、公開済みのサイトや発売済みの製品に対しても継続的に脆弱性の確認を行い、リスクが発見された場合に適切に対応いたします。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製品の安全な利用方法の案内、製品の脆弱性対応ガイドラインの整備といった活動を継続的に実施しております。 ・コーポレートセキュリティリスク国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC*5、NIST等)に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを意識した体制を構築/強化するとともに、企画・設計・購買・生産・販売・サポートの各フェーズの業務システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施しております。 ・ファクトリーセキュリティリスク当社グループ各社の生産工場においても国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC、NIST等)に基づき、生産工場システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施しております。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク当社グループ内における個人情報取扱標準の改定検討や個人情報の取扱状況の調査・是正等、整備が進む各国での個人情報保護に関する法律を踏まえた対応方針の策定と対策の検討及び実施を進めております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤人材の確保・育成・管理 緊急度影響度リスクマネジメントレベル高度専門性の獲得53C事業戦略に即した人的資源の再配置43Cリスクの説明:当社グループがデジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存し、高度専門性の獲得や事業戦略に即した人的資源の再配置を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、・社内外のトレーニングによる人材育成、キャリア採用を行っております。・働く場としての魅力的な企業イメージを高める取り組みを強化しております。・高度専門性の獲得や事業戦略に即した人的資源の再配置の計画に対する現状との乖離、課題の明確化並びに対応策を検討及び実施しております。・リコー式ジョブ型人事制度の運用徹底及び社内公募を実施しております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥ESG/SDGsへの対応 緊急度影響度リスクマネジメントレベル人権対応51C脱炭素活動41B資源循環43Cリスクの説明:ESG/SDGsへの対応は、当社グループの事業活動に対して中長期的影響を及ぼす新興リスクであり、特に以下の項目を優先して取り組むべき重要な課題と捉え活動しております。•商談、政府調達、環境ラベル取得等で求められる国際レベルの人権対応を踏まえたサプライチェーン全体のESGマネジメント体制の構築•異常気象の激甚化による主要拠点の風水害被害対策及び投資家や顧客からの要求レベルに資する気候変動対策と情報開示•製品回収・リサイクル体制整備や再生材使用等サーキュラーエコノミーに関する顧客要求や関連法規制・規格への対応これらの課題への対応を競合に遅れることなく進めていかないと商談機会の損失等ビジネスへの悪影響にとどまらず、社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、ESG/SDGsリスクへの対応を強化しており、•RBA*6ベースのESGリスクアセスメントを全生産拠点に展開及び重要サプライヤーのESGマネジメント強化を進めるなかで人権リスクの低減を進めています。•社会動向、自社CO2削減状況・エネルギー使用量等から年間再エネ導入戦略とロードマップを策定しSBT1.5℃ライン維持に向けた脱炭素活動を展開しております。•画像製品における新規資源使用率のシミュレーション・進捗管理等を通じて着地予測を定期的に実施し、新規資源使用率の削減施策の推進に努めています。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦地政学リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:当社グループはグローバルで事業活動を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。また、各国の法規制強化、国家間同士の牽制等の地政学リスクにより、ビジネス機会を損失するリスク等が考えられます。リスクの対策:当社グループでは、予防・対応プロセスを強化しております。各国法規制情報収集の強化、重要部品別に複数仕入先の選定等今後も円滑な事業活動を行うため、経営にて審議し、迅速かつ適切な対応に取り組んでまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品の長期供給遅れ・停止 緊急度影響度リスクマネジメントレベル感染症22C地震・噴火・台風32Bリスクの説明:大規模地震、津波、洪水、感染症の拡大、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の遅延や停止・輸送機関の遅延や停止・販売会社への供給遅延や停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。リスクの対策:当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の急速な世界的拡大と長期にわたる継続を踏まえた予防・対応プロセスを強化しており、・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先選定又は代替品の選定・購買、生産等の領域ごとのアラートレベルの設定と運用開始・リモートワーク等の新しい働き方を想定したBCP訓練を実施しております。また、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行い、対応策の有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故 緊急度影響度リスクマネジメントレベル国内:地震・噴火13C国内:風水雪害51C国外:大自然災害・事件事故31Cリスクの説明:当社グループでは、国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じ、経営に著しい影響を及ぼすリスクを想定しております。リスクの対策:当該リスク対応において、以下のような対策を行っております。国内・災害発生時の初期対応(事業所復旧含む)、報告方法及び各対策本部の設置を含めた体制と役割を社内規定に明記することで、災害発生の際に適切な対応が取れるような仕組み(予防策、発生している事案の早期発見/事案発覚後の対応力を高めるための取組み)を構築しております。また、社内外の環境変化に併せて、仕組みの見直しを継続的に行っております。・災害による被害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、国内グループ合同での災害対応訓練や事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練含む)、定期的な設備点検等を継続的に実施しております。このように、体制や運用が機能するか否か各種訓練で検証し改善を重ねる事で、従業員の安全確保と早期に事業復旧に繋げられるよう準備を行っております。・水害リスク対応は、2020年度より取り組みを強化しており、大規模な水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づいた実地訓練を継続的に行っております。また、当社グループ拠点に対する水害リスクの詳細調査結果に基づき比較的高いリスクが想定される拠点に対する必要な工事等を、2021年度から継続的に行っております。さらに当社グループの国内全拠点(約400拠点)の水害リスク情報を可視化できるツールを構築し、2022年度に運用を開始しました。・噴火リスク対応は、2022年度に富士山噴火の対策見直し、当社グループ拠点に対する影響確認と、新たな対策の策定を行いました。今後、策定した対応策を実施してまいります。海外・日本国外において発生する大規模な災害/事件事故対応に迅速に対応するための基本的な考え方、役割及び責任を明確にし、海外各社における対応状況のモニタリングを進めています。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③グローバル環境の変化に伴う想定外の業績影響緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Dリスクの説明:新型コロナウイルス感染症によるパンデミック、ロシア・ウクライナ情勢、サプライチェーンの混乱、止まらない物価上昇、歴史的な円安等、この3年で想定外・想定以上の事象が現実的に起きております。予兆感知による事前の対策や、発生時のリカバリー対策は常に打っているものの、今後も想定外の新たな事象が発生した際、グループ業績に影響を及ぼすことは避けられません。リスクの対策:当社では、月次業績のモニタリングを毎月の経営会議とビジネスユニットごとの事業運営会議で実施し、予実績の要因把握と挽回の対策検討を経営陣で行っております。また、コンティンジェンシープラン*7のプロセスを構築しており、プロセスに則った施策判断を実施しております。2022年度は本社資産売却を判断し実行しました。2023年度以降も現状のプロセスを継続するとともに、環境変化に影響しないレジリエントな生産・供給体制の構築を進めてまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:④人事関連コンプライアンス対応緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:当社グループでは、人事関連の各種コンプライアンス違反が発生し、社会的信用を失墜するリスク等が考えられます。リスクの対策:当社グループでは、・コンプライアンス遵守(人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。・マネジャー向けの労務管理教育を実施しております。・グループ全体での労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。・グループ全体での人事関連コンプライアンス違反に関する相談窓口の設置及び事例の共有をしております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:⑤グループガバナンスに関するリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:社内外の環境変化が激しい時代において、健全な成長を維持するためにグループガバナンスの強化が非常に重要であると考えています。本社のガバナンスが適切に機能していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。・新規事業や外部環境の変化に伴う新たなリスクに対し、グループの方針策定や対応が迅速に行われず、倫理やコンプライアンス違反につながる可能性があります。・グループ会社のガバナンスの整備・運用状況、業務プロセスに対する本社の管理監督が不十分な場合、不正や不祥事等によるブランドイメージや信頼性の低下、そしてグループ全体の持続的な成長や企業価値の向上に対するリスクが高まることになります。リスクの対策:グループガバナンスのリスクを低減するために、当社では、本社機能とビジネスユニット、グループ会社のガバナンス体制を再設計しております。再設計にあたっては、迅速な意思決定と一体的な経営、そして実効的なグループ会社管理等の必要性を総合的に勘案し、分権化と集権化の最適なバランスを検討しながら進めています。また、本社主管管理部門によるグループ会社のガバナンスについても、個別事業の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じて、適切な指導及び管理監督が行われるよう検討しております。2023年度からは、テクノロジーを活用し、本社のリスクマネジメント部門にて、グループ全体で発生したコンプライアンス違反や不正行為、内部通報等からの傾向分析を行い、各組織に対しデータに基づく、より効果的な対応アクションを提案できるよう準備をしております。 (2) 事業領域固有の重要なリスク リスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場において、リモートワークの増加やペーパーレス化に伴いプリント出力が減少し、業績に影響を与える可能性があります。リスクの対策:オフィスサービス分野においてリモートワークやペーパーレス化を支援するサービス、商品を強化し、本分野でのストック収益を上げることでオフィスプリンティング領域のリスクヘッジを図っております。プリント出力量の変化に応じた関連人員数の調整等による利益確保に努めております。他社との協業含めた開発、生産コストの低減に取り組んでおり、利益率の向上によるリスクヘッジを行っております。 リスク項目名:②戦略的買収によるオフィスサービス事業の成長緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:当社グループが目指すデジタルサービスビジネスへの事業構造転換の主となるオフィスサービス領域では戦略的買収が中期経営戦略財務目標の達成要件の一つとなっております。一方で市況の変化や対象企業の業績不振により想定していた投資対効果を得られない可能性や、将来において適切な対象企業を発掘、獲得できず事業戦略遂行に影響を与える可能性があります。リスクの対策:GMCの諮問委員会である投資委員会にて、買収企業群の業績及び投資回収進捗状況を常時モニタリングし、想定外状況に対し適切な対策を実施する仕組みを構築しております。本社経営企画部内にM&Aを専門とする部門を設置しコンサルタント他外部との連携による案件発掘、及び世界各地の地域統括会社での探索活動強化により、対象領域での戦略的買収遂行確度を高めております。 リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Bリスクの説明:高速印刷機で安価に印刷業務を受注するプリントサービスプロバイダへのプリント出力量の集約・統合や文書のデジタル化加速により、商用印刷事業領域における企業内印刷事業の業績が下振れするリスクがあります。リスクの対策:企業内印刷事業での業績下振れリスクを低減するために、未開拓の欧米代理店や新興国の開拓を進めるとともに、事業ポートフォリオマネジメントの実施により今後も市場成長が見込まれている商用印刷事業・産業印刷事業へのリソース投入強化、事業構造転換を進めております。 リスク項目名:④サーマル市場の価格競争激化緊急度影響度リスクマネジメントレベル32Cリスクの説明:サーマル市場は堅調に成長しているものの、コモディティ化が進行しております。当社は、発色感度、印字精細性、画像保存性による品質差別化を図っておりますが、低中グレード需要が高まれば、低価格競争に陥り、市場シェアと収益性を下げ、事業業績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:低中グレード需要が高まる地域では、製品原価の低減と、社会課題解決への商品ポートフォリオの見直しを実施しております。また当社の強みである、感熱処方技術、生産技術を活用し、現場(物流・流通・製造等)のお客様へデジタルサービスを提供するビジネス転換を進めております。 (3) その他のリスク リスク項目名:①のれん、固定資産の減損緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Bリスクの説明:当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:当社グループは、資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務、戦略、リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。 リスク項目名:②繰延税金資産緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Cリスクの説明:当社グループは、税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:当社グループでは、繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。 リスク項目名:③知的財産権の保護緊急度影響度リスクマネジメントレベル21Bリスクの説明:当社グループは、知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、当社グループの新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。リスクの対策:当社グループでは、特許等の出願前に先行技術調査を徹底するとともに、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。当社グループでは、「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。 リスク項目名:④製造物責任緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化等が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。リスクの対策:当社グループでは、「製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障、事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映しリスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理)緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Bリスクの説明:当社グループの事業活動を行う中で、•輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰等•国際的有事等の外的要因による各国輸出規制法違反等の要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、•代表取締役 社長執行役員をトップとし、専任組織である輸出入管理部門を事務局としたグループ輸出入委員会体制によるガバナンスの強化を行っています。•グループ役員及び社員への定期的な教育、事業部門への輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っています。•専任部隊による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っています。 リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:当社グループの事業活動を行う中で、独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:当社グループの事業活動を行う中で、各種環境・労働安全衛生関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底とともに、規制変化等のタイムリーな把握・対応に努めています。加えて、M&Aにおいても環境デューデリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めています。また、環境関連情報の公的な開示要請に対しては、収集している環境パフォーマンスデータを透明性をもって開示すると共に主要データに関しては第三者検証を受ける等信頼性の高い環境情報の積極的な開示を進めています。 リスク項目名:⑧為替レートの変動緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において為替レートの変動による影響を受けます。・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動影響・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響等がリスクとして考えられます。リスクの対策:当社グループでは、・為替変動に関しては、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。 リスク項目名:⑨確定給付制度債務緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。リスクの対策:当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。 *1 ELSI(Ethical, Legal and Social Issues):倫理的・法的・社会的課題。*2 NIST SP800-171:米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)が発行するガイドラインの一つ。*3 DX (Digital Transformation デジタルトランスフォーメーション):企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会ニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。*4 GDPR:General Data Protection Regulation。*5 ISO/IEC:International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission。*6 RBA(レスポンシブル・ビジネス・アライアンス):150社以上の大手企業が参加するアライアンスで、サプライヤーに対する統一的な行動規範と監査手順に合意している。*7 コンティンジェンシープラン(Contingency Plan):不測の事態に備え、事業への影響を最小限にとどめるために実施する施策や行動指針を記した緊急時対応計画。
FY2022|12,898 文字
2 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。■「重点経営リスク」の決定プロセスグループマネジメントコミッティ(以下、GMC)とリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的などに照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1:重点経営リスク決定プロセス)・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案すべく、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅷ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 図1:重点経営リスク決定プロセス 「事業等のリスク」リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業環境新型コロナウイルス感染症新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響や対応については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営成績」を参照ください。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う業績への影響については、ワクチンや経口薬の開発・普及など明るい兆しが見えてきているものの、地域ごとの状況も異なり、未だに全体を正確に見通すことは難しい状況にあります。35C主要市場における経済状況当社グループはグローバルで事業活動を行っており、その主要市場である日本、米国、欧州の経済状況は事業に大きな影響を及ぼします。先に述べた新型コロナウイルス感染症が各市場に及ぼす影響が想定と乖離した場合はもちろんのこと、ロシア/ウクライナ情勢や、先行きが不透明な米中貿易摩擦等、保護主義の台頭による各国の動きについては業績に影響を及ぼしうる主なリスクであると認識しております。また、その他の想定外の事象により主要国の経済状況が急速に悪化するリスクは潜在的に存在していると認識しております。当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、状況に応じた対応が取れるように対策を行っております。ロシア/ウクライナ情勢について、従業員とその家族の安全安心の担保を最優先にした危機管理チームを設置し、刻々と進展する状況に対応しています。米中貿易摩擦については、従来から行ってきたBCP対策(並行生産)を活用し、主力製品の生産を出荷地域別に中国工場とタイ工場に振分け、関税リスク軽減策を実施して参りました。関税やサプライチェーンの混乱により発生する当社製品の原価コスト増分に対し、お客様のご理解を頂いた上で、製品の価格に一部転嫁させて頂いております。35D競合の激化当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に悪影響が出る場合があります。・競合による競争力のある新製品の発売・価格競争の激化・低価格品などへの需要シフト・新型コロナウイルス感染症等、急激な環境変化による競争軸の変化、競合の拡大・状況変化等がリスクとして考えられます。当社グループでは、各事業分野において顧客の価値を高める新製品を企画し、継続的に導入することを計画しております。・従来のハードウエア中心の価値提供から、より顧客のワークフローまで踏み込める高品質、高付加価値製品とサービスの提供等により常に競合優位を構築してまいります。・価格競争については、規模の拡大からの脱却と上述の競合優位な製品提供により売価を下げることなく顧客満足を獲得してまいります。・新型コロナウイルス感染症による、急激な環境変化による競争軸の変化をチャンスと捉え、ニューノーマル下での働き方や行動の変容をサポートできる提案を強化すると共に製品開発強化に反映してまいります。・社内カンパニー制の導入により、権限委譲されたリーダーの元で各カンパニーがお客様・現場により近いところでの迅速な意思決定を行い、事業競争力強化に努めます。またグループ本部が競合環境、市場環境や動向を常に観測し各事業への最適経営資源配分を実施いたします。34C リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業環境部品・原材料の価格、為替レートの変動当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において部品・原材料の価格変動及び為替レートの変動による影響を受けます。・材料の市況変動の直接的な影響・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動影響・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響 等がリスクとして考えられます。当社グループでは、・材料の市況変動に柔軟に対応するべく、製品開発時及び量産移行後において代替材料の検討、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては、競合他社の動きも見つつ、適切に売価反映を行っております。・為替変動に関しては、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。34C他社との業務提携、戦略的投資当社グループは、お客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するために必要に応じて他社との業務提携、合弁事業や戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品・新サービスを開発・販売する上で有効な手段と考えております。様々な理由により、・当事者間で利害の不一致が起こることによる提携の解消・検討における情報が十分ではない事などにより、狙いどおりの戦略的投資にならない・事業、技術、製品及び人材等の統合について期待する成果や効果が得られない 等の状況に陥るリスクが考えられます。当社グループでは、多様化するニーズに柔軟かつ確実に対応していくために、他社との協業や戦略的投資は今後ますます重要性が増してくると考えており、これを“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、事業ポートフォリオ管理プロセスや意思決定のプロセスの更なる強化に努めております。当社グループにおける執行の最高意思決定機関であるGMCの諮問機関として“投資委員会”を設立し、投資について、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行っております。多様化する外部への投融資案件について、専門的なメンバーが事前に確認/協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと適確性を向上させることを狙いとしております。投資委員会の審議結果は、GMCにおける投資案件審議の際に共有され、意思決定をサポートします。また、決裁された外部への投融資案件に関して、投資委員会が進捗モニタリングを行うことにより、継続的にプロセス改善が回る仕組みを構築しております。また、2019年度からPMI人材育成プログラムを期ごとに開催し、継続的なノウハウ蓄積と人材の育成を実施しております。23B リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業環境技術変化への対応近年の急速な技術進化、革新への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力の源泉であります。・技術変化に対する適切な情報収集と予測・変化に対応した重点技術強化領域の設定と適切な資源の投下・新規領域に対する技術力強化・社内カンパニー制の導入により個別最適が生じ、技術者の適切な配置や情報共有に影響を及ぼす等に対して十分な対応が取れていないことで、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。グローバルでの競争激化の中、お客様や社会が直面する課題をいち早く解決する技術の重要性がますます高まっております。当社グループではこれを“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、新たな社内カンパニー制度の下で意思決定プロセスのさらなる強化に努めております。グローバルマーケット向けの製品・サービスの技術変化に対応するため、グローバルに研究開発拠点を設け、それぞれの地域特性も活かしつつ、グローバルに拠点間の連携を深めて研究開発を推進しております。また、変化の激しい市場環境に対応するために、自社単独での研究開発にこだわらず、大学・研究機関・企業と積極的に連携し、研究開発活動を加速させるオープンイノベーションを推進しております。更に、CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)、CDIO(Chief Digital Innovation Officer:最高デジタルイノベーション責任者)を設置し、全社を通じた研究開発・技術開発の重点領域の選定、CTO/CDIO主催のグループ内連携会議等を通じて、経営戦略と連携した適切な資源配分を行い、技術力強化に向けた活動を推進しております。加えて、グループ本部機能であるCTO配下の「先端技術研究所」、CDIO配下の「デジタル戦略部」がデジタルサービスの会社に必要な研究開発領域に特化し、カンパニー間の連携強化、及び、グループ横断での技術者の連携の推進・技術力強化と、全体最適に配慮した人材配置を行っております。22C人材の確保当社グループがデジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存します。・事業変革をリードする経営人材・デジタルサービスに必要なDXスキル・ノウハウを保有する人材・事業変革の中で、変化する必要スキルを自律的に獲得、実力を高め続ける人材等を継続して獲得、育成しなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループでは、人材の確保・育成を“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、次のとおり対策を進めております。・グローバルで事業変革、成長を進めるキーとなるトップタレントを明らかにし、育成計画を策定して実行しております。・デジタル人材の育成体制を強化し、全社員のデジタルスキル・ノウハウの向上を計画的に進めるとともに、そのスキル・ノウハウを社内実践することにより、お客様への提供価値を明らかにし、具体的に提供することを進めております。・リコー式ジョブ型人事制度を導入し、事業変化の中で適所適材で実力ある人材が活躍できる環境を整え、事業戦略の実行力を高めるとともに、自律的なスキル向上、キャリア形成と職務へのチャレンジを全社員に促します。33C リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業環境ファイナンス事業当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っており、・お客様の信用度及び信用の供与額のモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できない・当社グループがお客様と締結するファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になるが、当該契約用の資金の一部は変動金利による短期借入で調達しており、営業損益が金利変動の影響を受ける等のリスクが考えられます。当社グループは、・ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しております。また、信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。・外部環境の急激な変化によってファイナンス契約の信用リスクに相当の変動発生が予見される場合、随時の再評価を通じて予想信用損失を見直す場合があります。・長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、当社グループでは契約期間にあわせた固定金利による調達も行っております。25B事業運営情報セキュリティ当社グループは、デジタルサービスの会社への転換に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践などを行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取組んでおります。・巧妙化・複雑化するサイバーアタックにより、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊などの発生・従来生産工場は外部との接続が制限されてきたことからリスクは少なかったが、近年DXが進んだことで当社グループ各社の業務システムと当社グループ各社の生産工場との境界が薄れており、生産工場のシステムから侵入され、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊などの発生・インターネット公開サイトへのセキュリティ対策の不備や、お客様に納入した当社グループの製商品に内在する重大なセキュリティ問題により、意図せず他者への攻撃の踏み台として悪用されるなどのインシデントの発生・各国で個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR(*1)など)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されるようになる中、グローバルでの共同利用にあたり、各国の規制に抵触し制裁金が課せられる等の事象が発生した場合、信用の低下による企業ブランド価値の毀損やビジネス機会の喪失等、事業に影響を与えるリスクがあります。*1 GDPR:General Data Protection Regulation当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、“重点経営(オペレーショナル)リスク”の中でも最重要課題の一つと位置づけております。・国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC(*2)、NIST(*3)など)に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを意識した体制を構築/強化するとともに、企画・設計・購買・生産・販売・サポートの各フェーズの業務システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施を行っております。・当社グループ各社の生産工場においても国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC、NISTなど)に基づき、生産工場システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施を行っております。・インターネット公開サイトの構築や製品開発において、情報セキュリティに関わる品質マネジメントを継続的に強化するとともに、公開済みのサイトや発売済みの製商品に対しても継続的に脆弱性の確認を行い、リスクが発見された場合に適切に対応いたします。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製商品の安全な利用方法の案内、製商品の脆弱性対応ガイドラインの整備といった活動を継続的に実施しております。・当社グループ内における個人情報取扱標準の改定検討や個人情報の取扱状況の調査・是正など、整備が進む各国での個人情報保護に関する法律を踏まえた対応方針の策定と対策の検討を進めております。*2 ISO/IEC:International Organization of Standardization/International Electrotechnical Commission*3 NIST:National Institute of Standards and Technology25C リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業運営製造物責任当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(焼損・人損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化等が発生することで、お客様や社会の信頼を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。当社グループでは、「製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障、事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、開発過程に反映しリスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。22B製品の長期供給遅れ/停止大規模地震、津波、政変・騒乱、洪水、感染症の拡大、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の遅延や停止・輸送機関の遅延や停止・販売会社へ供給遅延や停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスク等が考えられます。当社グループでは、「製品の長期供給遅れ/停止」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しており、BCP在庫の確保、重要部品別に複数仕入先選定を実施しております。更には仕入先様が被災後、供給再開までの工場稼働停止等によりお客様への製品提供が止まることの無いようにしております。また、リスク範囲を局部、復旧期間を短期と想定してきましたが、新型コロナウイルス感染症の急速な世界的拡大の経験や地政学リスクから、これまでの活動に加え今後はリスク範囲を局部からエリアへ拡大、復旧期間を短期から長期とし有事に備えた環境整備を行ってまいります。また、想定リスクに基づく行動計画及び机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行い、対応策の有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。感染症継続35D地政学35D地震・噴火・台風・洪水31B リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業運営知的財産権の保護当社グループは、知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下したり、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けたり、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、当社グループの新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。当社グループでは、特許等の出願前に先行技術調査を徹底するとともに、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。当社グループでは、「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。12B公的な規制(輸出入管理)輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因による各国の輸出規制法違反等のリスクがあります。・刻々と変化する国際情勢を把握し、積極的なリスク回避策を実施しています。(国際的有事の際は迅速にプロジェクトが編成されます)・役員及び社員への教育の実施や、重要な輸出入管理情報のグループ内周知を行っています。・輸出入関連のマネジメント及びプロセスの定期的な内部監査を実施しています。35B公的な規制(法務)当社グループの事業活動を行う中で、独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。当社グループでは、独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動及び発生時対応の強化に努めております。25B リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル事業運営公的な規制(人事)当社グループの事業活動を行う中で、人事関連の各種・コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)が発生した場合、社会的信頼を失墜し、事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループでは、「公的な規制への対応(人事)」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、役員・社員一人ひとりが「リコーウェイ」を実践し、社会的責任を果たすために、国内外における関連法令、国際ルール及びその精神を理解し遵守しつつ高い倫理観をもって行動するという観点から「リコーグループ企業行動規範」を定め周知徹底を図っております。人事関連の各種法規制の制定や改訂に関しては、速やかに対応し、社内ルールの新設、見直し、及び社員教育の実施を行う事で未然防止に努めると共に、発生時の対応体制の整備、ルール化を行っております。また、当社は2019年10月にサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟「Responsible Business Alliance」(RBA)に加盟しました。人権に関しては、国際社会における人権課題の広範化を踏まえ、従来の人権方針の内容を見直し、2021年4月に「リコーグループ人権方針」を策定致しました。本方針に基づいた事業活動の実践のため、社内教育の徹底に加え、 サプライチェーンに属する企業に対しても、RBA行動規範に準じ児童労働や強制労働の排除等を規定した 「リコーグループサプライヤー行動規範」の遵守をお願いしております。その遵守状況は定期的な 「CSRセルフアセスメント」を通じてモニタリングし、必要な改善を促しております。 また、英国現代奴隷法 (The UK Modern Slavery Act 2015) に基づくステートメントを公表しております。15C公的な規制への対応(環境)当社グループの事業活動を行う中で、各種環境・労働安全衛生関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の順守徹底とともに、規制変化等のタイムリーな把握・対応に努めています。また、リスク項目「公的な規制(人事)」に記載しましたとおり、当社はグローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟RBAにも加盟しRBA規格に準じた社内規範の制定、人材の育成等、グループ全体でESGリスクマネジメントシステムを構築しています。さらに、RBA規格に基づく第三者監査を通じてESGリスクを把握し、リスクを最小化する改善活動を進めています。35B リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル会計制度のれん、固定資産の減損当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、リスク項目「他社との業務提携、戦略的投資」に記載しましたとおり、投資委員会において買収金額の妥当性審議を行い、投資を決定しております。22B確定給付制度債務確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。 当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。22B環境・災害気候変動に関する影響気候変動はグローバルに活動する当社グループにとって重要な課題であると認識し、TCFD(*4)のフレームワークに沿った分析と対策を実施しております。主なリスクとしては「脱炭素社会移行への対応遅れによるリスク」及び「気候変動による物理的リスク」があります。 (脱炭素社会移行への対応遅れによるリスク)・サプライヤーへの炭素税・排出量取引制度の適用による調達コスト増加・脱炭素社会への急速な移行による対応コスト(再エネ電力証書の購入等)の増加等がリスクとして考えられます。 (気候変動による物理的リスク)・異常気象による罹災への対処が遅れ、工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品・サービスの供給停止・異常気象による紙などの原材料の高騰が及ぼす事業への悪影響・異常気象による感染症の発生が及ぼす主要拠点の操業停止等がリスクとして考えられます。 *4 TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース。金融安定理事会(FSB)によって設立され、企業に対する気候関連リスク・機会の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による金融市場の安定化を目的としている。気候変動に関する事業影響については、全社リスクマネジメントの枠組みの中で“重点経営(戦略)リスク”の一つとして管理しています。 (脱炭素社会移行への対応遅れによるリスク)・脱炭素社会への移行に対処すべく代表取締役社長を委員長とするESG委員会を設置し変化する国際要請を常に確認し環境目標の見直しやリスクの未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しています。・移行対応遅れリスクへの対処としてESG委員会で審議し「リコーグループ環境目標」を見直しました。2030年の自社排出のGHG(温室効果ガス)削減目標を2015年比で従来の30%削減から63%削減に改定。更に再生可能エネルギー利用率も30%から50%へ引き上げました。 (気候変動による物理的リスク)詳細は、リスク項目「部品・原材料の価格、為替レートの変動」「製品の長期供給遅れ/停止」「災害等による影響」に記載のとおり、水害リスク分析による設備投資の検討、調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、サプライチェーンに対するリスクマネジメントを強化しています。また、サプライヤーと協力し、事業継続能力向上に取り組むため2021年度にサプライヤー様向けにESG説明会を行いました。サプライヤーにおける気候変動リスクを含めたESGへの対応を強化しコミュニケーションを通じて強靭なサプライチェーンを継続して構築していきます。35B リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度リスクマネジメントレベル環境・災害災害等による影響当社グループでは、国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的(家族を含む)/物的被害が生じ、経営に著しい影響を受けるリスクを想定しています。 (想定している災害・事故・事件)・自然災害:地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等・事故:火災、爆発、危険物質の漏洩等の社内事故、列車、航空機、船舶など交通機関の大事故等・事件:テロ、誘拐、脅迫、社会情勢の変化(内乱・戦争・危険な社会運動等)、感染症等当社グループでは、「災害などによる影響」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、標準において、非常時の初期対応(事業所復旧含む)、報告方法、各対策本部の設置を含めた体制と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れるような仕組み(予防策、発生している事案の早期発見/事案発覚後の対応力を高めるための取組み)を構築しております。災害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、国内グループ合同での災害対応訓練や事業所単位での防災訓練、定期的な設備点検等を実施しております。また地域や事業に応じたBCPを作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。特に近年は気候変動により、国内における水害リスクが高まっております。2020年度は国内の主要19拠点を対象とした水害リスクに関する詳細調査を行い、調査結果に基づく被害想定と対策案を経営会議にて報告しました。その結果、特にリスクが高いと想定される3拠点の重点的対応が決定し、2021年度から必要な工事等に着手するとともに関連自治体等との連携を図りながら対策を実施しています。また、大地震発生時と同様に大規模な水害発生時の復旧行動計画も策定しており、その計画書に基づいた実地訓練も行っています。国内:地震31C国内:風水雪害15C国外:大自然災害・事件事故23D
FY2021|12,427 文字
2 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。■「重点経営リスク」の決定プロセスグループマネジメントコミッティ(以下、GMC)とリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的などに照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1:重点経営リスク決定プロセス)・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類され管理されております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案すべく、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅷ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 図1:重点経営リスク決定プロセス 「事業等のリスク」リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境新型コロナウイルス感染症 新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響や対応については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営成績」を参照ください。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う業績への影響については、ワクチンの開発・普及などの明るい兆しが見えてきているものの、地域ごとの状況も異なり、未だに全体を正確に見通すことは難しい状況にあります。大高主要市場における経済状況当社グループはグローバルで事業活動を行っており、その主要市場である日本、米国、欧州の経済状況は事業に大きな影響を及ぼします。先に述べた新型コロナウイルス感染症が各市場に及ぼす影響が想定と乖離した場合はもちろんのこと、いまだ先行きが不透明な米中貿易摩擦等、保護主義の台頭による各国の動きについては業績に影響を及ぼしうる主なリスクであると認識しております。また、その他の想定外の事象により主要国の経済状況が急速に悪化するリスクは潜在的に存在していると認識しております。当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、状況に応じた対応が取れるように対策を行っております。特に米中貿易摩擦については、従来から行ってきたBCP対策(並行生産)を活用し、一部の米国向け製品生産を中国からタイ工場へ移管するなど、関税リスク軽減策を実施して参りました。今後も米中摩擦の展開を鑑み、関税だけにとどまらない対応の必要性を経営にて審議し、迅速な対策を進めてまいります。競合の激化当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に悪影響が出る場合があります。・競合による競争力のある新製品の発売・価格競争の激化・低価格品などへの需要シフト・新型コロナウイルス感染症等、急激な環境変化による競争軸の変化、競合の拡大・状況変化等がリスクとして考えられます。当社グループでは、各事業分野において顧客の価値を高める新製品を企画し、継続的に導入することを計画しております。・従来のハードウエア中心の価値提供から、より顧客のワークフローまで踏み込める高品質、高付加価値製品の提供等により常に競合優位を構築してまいります。・価格競争については、規模の拡大からの脱却と、上述の競合優位な製品提供により売価を下げることなく顧客満足を獲得してまいります。・新型コロナウイルス感染症による、急激な環境変化による競争軸の変化をチャンスと捉え、働き方や行動の変容をサポートできる提案を強化すると共に製品開発に反映してまいります。・新たな社内カンパニー制の導入により、権限委譲されたリーダーの元で各カンパニーがお客様・現場により近いところでの迅速な意思決定を行い、事業競争力強化に努めます。またグループ本部が競合環境、市場環境や動向を常に観測し各事業への最適経営資源配分を実施いたします。部品・原材料の価格、為替レートの変動当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において部品・原材料の価格変動及び為替レートの変動による影響を受けます。・材料の市況変動の直接的な影響・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動影響・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響 等がリスクとして考えられます。 当社グループでは、・材料の市況変動に柔軟に対応するべく、製品開発時及び量産移行後において代替材料の検討、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては、競合他社の動きも見つつ、適切に売価反映を行っております。・為替変動に関しては、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。中高 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境他社との業務提携、戦略的投資当社グループは、お客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するために必要に応じて他社との業務提携、合弁事業や戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段と考えております。様々な理由により、・当事者間で利害の不一致が起こることによる提携の解消・検討における情報が十分ではない事などにより、狙いどおりの戦略的投資にならない・事業、技術、製品及び人材等の統合について期待する成果や効果が得られない 等の状況に陥るリスクが考えられます。当社グループでは、多様化するニーズに柔軟かつ確実に対応していくために、他社との協業や戦略的投資は今後ますます重要性が増してくると考えており、これを“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、事業ポートフォリオ管理プロセスや意思決定のプロセスの更なる強化に努めております。当社グループにおける執行の最高意思決定機関であるGMCの諮問機関として“投資委員会”を設立し、投資について、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行っております。多様化する外部への投融資案件について、専門的なメンバーが事前に確認/協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと適確性を向上させることを狙いとしております。投資委員会の審議結果は、GMCにおける投資案件審議の際に共有され、意思決定をサポートします。また、決裁された外部への投融資案件に関して、投資委員会が進捗モニタリングを行うことにより、継続的にプロセス改善が回る仕組みを構築しております。 大中技術変化への対応近年の急速な技術進化、革新への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力の源泉であります。・技術変化に対する適切な情報収集と予測・変化に対応した重点技術強化領域の設定と適切な資源の投下・新規領域に対する技術力強化・社内カンパニー制の導入により個別最適が生じ、技術者の適切な配置や情報共有に影響を及ぼす等に対して十分な対応が取れていないことで、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。グローバルでの競争激化の中、お客様や社会が直面する課題をいち早く解決する技術の重要性がますます高まっております。当社グループではこれを“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、新たな社内カンパニー制度の下で意思決定プロセスのさらなる強化に努めております。グローバルマーケット向けの製品・サービスの技術変化に対応するため、グローバルに研究開発拠点を設け、それぞれの地域特性も活かしつつ、グローバルに拠点間の連携を深めて研究開発を推進しております。また、変化の激しい市場環境に対応するために、自社単独での研究開発にこだわらず、大学・研究機関・企業と積極的に連携し、研究開発活動を加速させるオープンイノベーションを推進しております。更に、CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)、CDIO(Chief Digital Innovation Officer:最高デジタルイノベーション責任者)を設置し、全社を通じた研究開発・技術開発の重点領域の選定、CTO/CDIO主催のグループ内連携会議等を通じて、経営戦略と連携した適切な資源配分を行い、技術力強化に向けた活動を推進しております。加えて、新しいグループ本部機能であるCTO配下の「先端技術研究所」、CDIO配下の「デジタル戦略部」がデジタルサービスの会社に必要な研究開発領域に特化し、カンパニー間の連携強化、及び、グループ横断での技術者の連携の推進・技術力強化と、全体最適に配慮した人材配置を行っております。 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境 人材の確保 当社グループの中長期的な成長は従業員ひとりひとりの力量に大きく依存しております。・適切な時期に優秀な人材を計画どおり確保できない・人材育成がうまくいかず、狙った戦力を準備できない・優秀な人材が社外に流出してしまう等のリスクに対して十分な対応が取れていないことで、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。少子高齢化に伴う労働人口の不足、AI、IoTなど需要の高い特定分野の獲得競争が激しくなるなど、計画どおりの人材確保を進める難しさが年々増しており、当社グループでは、人材の確保・育成を“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ新たな社内カンパニー制度の下でグループ本部の人事部門を中心とした戦略展開により重点化した活動を展開しております。・技術系におけるジョブマッチを進め、専門性の高い人材の個々人のキャリアにあった採用を進めております。・デジタルサービスの会社にふさわしいデジタル人材の育成・シフト・採用を進めております。・新卒採用だけではなく、専門性をもつ人材の中途採用の強化を進めております。・ワークライフバランスを支える各種制度を整備し、多様な労働力に対応できる仕組みを強化しております。・幹部人材の確保、育成するプロセスの強化を進めております。中中ファイナンス事業当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っており下記のようなリスクが考えられます。・お客様の信用度及び信用の供与額のモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できない。・お客様の財政状態の急激な変化が債務の履行時期に影響をもたらす場合がある。・当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金の一部は変動金利による短期借入で調達しており、営業損益が金利変動の影響を受ける。・当社グループでは、現在の法律、税務及び会計制度等を基準として事業を展開しております。これらの制度が大幅に変更された場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。会計制度面では、IFRS第16号「リース」の適用により、基準適用国における顧客の購買行動の変化等、ファイナンス事業への影響があるリスクが考えられます。 当社グループは、・ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しております。また、信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。・外部環境の影響で回収に支障が発生した一部の債権について、お客様との協議を通じて回収時期や期間等、契約内容を部分的に見直す対応を行っております。・外部環境の急激な変化によってファイナンス契約の信用リスクに相当の変動発生が予見される場合、随時の再評価を通じて予想信用損失を見直す場合があります。・長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、当社グループでは契約期間にあわせた固定金利による調達も行っております。中高 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業運営情報セキュリティ当社グループは、デジタルサービスの会社への転換に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践などを行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取組んでおります。・巧妙化・複雑化するサイバーアタックにより、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊などの発生・インターネット公開サイトへのセキュリティ対策の不備や、お客様に納入した当社グループの製商品に内在する重大なセキュリティ問題により、意図せず他者への攻撃の踏み台として悪用されるなどのインシデントの発生・各国で個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR など)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されるようになる中、グローバルでの共同利用にあたり、各国の規制に抵触し制裁金が課せられる等の事象が発生した場合、信用の低下による企業ブランド価値の毀損やビジネス機会の喪失等、事業に影響を与えるリスクがあります。当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、“重点経営(オペレーショナル)リスク”の中でも最重要課題の一つと位置づけております。・国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC(*1)、NIST(*2)など)に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを意識した体制を構築/強化するとともに、企画・設計・購買・生産・販売・サポートの各フェーズの業務システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施を行っております。 ・インターネット公開サイトの構築や製品開発において、情報セキュリティに関わる品質マネジメントを継続的に強化するとともに、公開済みのサイトや発売済みの製商品に対しても継続的に脆弱性の確認を行い、リスクが発見された場合に適切に対応いたします。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製商品の安全な利用方法の案内、製商品の脆弱性対応ガイドラインの整備といった活動を継続的に実施しております。 ・当社グループ内における個人情報取扱標準の改定検討や個人情報の取扱状況の調査・是正など、整備が進む各国での個人情報保護に関する法律を踏まえた対応方針の策定と対策の検討を進めております。*1 ISO/IEC:International Organization of Standardization/International Electrotechnical Commission *2 NIST:National Institute of Standards and Technology中高 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業運営製造物責任当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(焼損・人損)・安全・環境法問題・品質問題の長期化等が発生することで、お客様や社会の信頼を失墜し、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継承が困難になるリスクが考えられます。当社グループでは、「製造物責任」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障、事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、開発過程に反映しリスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 中高製品の長期供給遅れ/停止 大規模地震・津波、政変・騒乱、洪水、感染症の蔓延、サプライヤーの供給停止等の不測の事態により、・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の停止・輸送機関の停止・販売会社へ供給停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。 当社グループでは、「製品の長期供給遅れ/停止」を“重点経営(オペレーショナ ル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロ セスを強化しており、BCP在庫の確保、重要部品別に複数仕入先選定を実施しております。更には仕入先様が被災後、供給再開までの工場稼働停止等によりお客様への製品提供が止まることの無いようにしております。また、リスク範囲を局部、復旧期間を短期と想定してきましたが、新型コロナウイルス感染症の急速な世界的拡大の経験から、これまでの活動に加え今後はリスク範囲を局部からエリアへ拡大、復旧期間を短期から長期とし有事に備えた環境整備を行ってまいります。また、想定リスクに基づく行動計画及び机上 訓練を実施し、対応策の有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。知的財産権の保護当社グループは、知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下したり、各国特許庁の審査で狙い通りの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。 また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けたり、訴訟を提起されるリスクがあります。 更に、当社グループの新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。当社グループでは、特許等の出願前に先行技術調査を徹底するとともに、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。 また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。 当社グループでは、「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化して、アセスメント手法を開発いたしました。その手法を新規事業テーマに適用してリスクアセスメントを行い、抽出されたリスクに対する対策を取っております。小中 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業運営公的な規制(輸出入管理)当社グループの事業活動を行う中で、輸出入関連法の違反が発生した場合、輸出停止等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。当社グループでは、「公的な規制への対応(輸出入関連法)」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しております。・輸出入に係るマネジメント及びプロセスの定期的な内部監査を実施し、リスク抽出と改善を行っております。・安全保障貿易管理に関する社員教育を実施しております。・ビジネスに関連する重要な輸出規制情報を、適時グループ全社に周知しております。・刻々と変化する国際情勢を把握し、積極的なリスク回避策を講じ、実施しております。 中高公的な規制(法務)当社グループの事業活動を行う中で、独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。当社グループでは、独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動及び発生時対応の強化に努めております。公的な規制(人事)当社グループの事業活動を行う中で、人事関連の各種・コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)が発生した場合、社会的信頼を失墜し、事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループでは、「公的な規制への対応(人事)」を“重点経営(オペレーショナ ル)リスク”と位置づけ、役員・社員一人ひとりが「リコーウェイ」を実践し、社会的責任を果たすために、国内外における関連法令、国際ルール及びその精神を理解し遵守しつつ高い倫理観をもって行動するという観点から「リコーグループ企業行動規範」を定め周知徹底を図っております。人事関連の各種法規制の制定や改訂に関しては、速やかに対応し、社内ルールの新設、見直し、及び社員教育の実施を行う事で未然防止に努めると共に、発生時の対応体制の整備、ルール化を行っております。また、当社は2019年10月にサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟「Responsible Business Alliance」(RBA)に加盟しました。人権に関しては、国際社会における人権課題の広範化を踏まえ、従来の人権方針の内容を見直し、2021年4月に「リコーグループ人権方針」を策定致しました。本方針に基づいた事業活動の実践のため、社内教育の徹底に加え、 サプライチェーンに属する企業に対しても、RBA行動規範に準じ児童労働や強制労働の排除等を規定した 「リコーグループサプライヤー行動規範」の遵守をお願いしております。その遵守状況は定期的な 「CSRセルフアセスメント」を通じてモニタリングし、必要な改善を促しております。 また、英国現代奴隷法 (The UK Modern Slavery Act 2015) に基づくステートメントを公表しております。公的な規制(環境)当社グループの事業活動を行う中で、各種環境・労働安全衛生関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の順守徹底とともに、規制変化等のタイムリーな把握・対応に努めております。また、リスク項目「公的な規制(人事)」に記載しましたとおり、当社はグローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業連合RBAにも加盟しRBA規格に準じた社内規範の制定、人材の育成等、グループ全体でESGリスクマネジメントシステムを構築しております。 さらに、RBA規格に基づく第三者監査を通じてESGリスクを把握し、リスクを最小化する改善活動を進めております。 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度会計制度のれん、固定資産の減損当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、リスク項目「他社との業務提携、戦略的投資」に記載しましたとおり、投資委員会において買収金額の妥当性審議を行い、投資を決定しております。中中確定給付制度債務確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度環境・災害気候変動に関する影響気候変動はグローバルに活動する当社グループにとって重要な課題であると認識し、TCFD(*3)のフレームワークに沿った分析と対策を実施しております。主なリスクとしては「脱炭素社会への移行リスク」及び「気候変動による物理的リスク」があります。 (脱炭素社会への移行リスク)・サプライヤーへの炭素税・排出量取引制度の適用による調達コスト増加・脱炭素社会への急激な移行による対応コスト(再エネ電力証書の購入等)の増加等がリスクとして考えられます。 (気候変動による物理的リスク)・異常気象による罹災への対処が遅れ、工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品サービスの供給停止・異常気象による紙などの原材料の高騰が及ぼす事業への悪影響・異常気象による感染症の発生が及ぼす主要拠点の操業停止等がリスクとして考えられます。 *3 TCFD: 気候関連財務情報開示タスクフォース。金融安定理事会(FSB)によって設立され、企業に対する気候関連リスク・機会の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による金融市場の安定化を目的としている。気候変動に関する事業影響については、全社リスクマネジメントの枠組みの中で“重点経営(戦略)リスク” の一つとして管理しております。 (脱炭素社会への移行リスク)・脱炭素社会への移行に対処すべく代表取締役社長を委員長とする“ESG委員会”を設置し変化する国際要請を常に確認し環境目標の見直しやリスクの未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しております。 ・移行リスクへの対処としてESG委員会で審議し「リコーグループ環境目標」を見直しました。2030年の自社排出のGHG(温室効果ガス)削減目標を2015年比で従来の30%削減から63%削減に改定。更に再生可能エネルギー利用率も30%から50%へ引き上げました。 (気候変動による物理的リスク)・詳細は、リスク項目「部品・原材料の価格、為替レートの変動」「災害等による影響」「製品の長期供給遅れ/停止」に記載のとおり、水害リスク分析による設備投資の検討、調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、サプライチェーンに対するリスクマネジメントを強化しております。また、サプライヤーと協力し、事業継続能力向上に取り組んでおります。中高災害等による影響当社グループでは、・自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等)・事故(火災、爆発、危険物の漏洩、列車/航空機など交通機関の大事故等)・情勢変化(内乱、戦争、危険な社会運動等)事件(テロ、誘拐、脅迫等)、感染症等のような災害事件事故の発生によりグループ会社に人的(家族を含む)/物的被害が生じるリスクを想定し、対策を構築しております。当社グループでは、「災害等による影響」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、標準において、非常時の初期対応、報告方法、各対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れるよう仕組みを構築しております。 災害の発生を防ぎ、また万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しております。地域や事業に応じたBCPを作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。 特に近年は気候変動により、国内における水害リスクが高まっております。2020年度は国内の主要19拠点を対象とした水害リスクに関する詳細調査を行い、調査結果に基づく被害想定と対策案を経営会議にて報告しました。その結果、特にリスクが高いと想定される3拠点の重点的対応が決定し、2021年度から必要な工事等に着手するとともに関連自治体等との連携を図りながら対策を実施していきます。 また、大地震発生時と同様に大水害発生時の復旧行動計画も策定しております。
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2 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。■「重点経営リスク」の決定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的などに照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しています。(図1:重点経営リスク決定プロセス) リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案すべく、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っています。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅶ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会を参照ください。 図1:重点経営リスク決定プロセス 「事業等のリスク」リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境COVID-19 新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の世界的な拡大に伴う業績への影響は、現時点で全体を見通せない状況にあります。COVID-19の当社グループへの影響や対応については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営成績」を参照ください。大高主要市場における経済状況 当社グループはグローバルで事業活動を行っており、その主要市場である日本、米国、欧州の経済状況は事業に大きな影響を及ぼします。先に述べたCOVID-19が各市場に及ぼす影響が想定と乖離した場合はもちろんのこと、・米中貿易摩擦・Brexit等、保護主義の台頭による各国の動きについては業績に影響を及ぼしうる主なリスクであると認識しております。 当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、状況に応じた対応が取れるように対策を行っています。・米中貿易摩擦については、従来から行ってきたBCP対策(並行生産)を活用し、一部の米国向け製品生産を中国からタイ工場へ移管するなど、関税リスク軽減策を実施しています。今後も米中摩擦の展開性を鑑み、関税だけにとどまらない対応の必要性を経営にて審議し、対策を進めてまいります。・Brexitについては、英国の離脱が決定し不確実性は多少緩和したものの、未だ合意なき離脱の可能性は残されております。前連結会計年度に立案した、合意なき離脱対応用の積み増し在庫等は一部解消しておりますが、2020年12月末の交渉期限に向け、状況に応じて在庫の再積み増しを行う等、変化に対応できる対策を取ってまいります。また、関税面では、当社グループの製品の大部分はITA(*1)対象品であるため、合意なき離脱となった場合でも業績への悪影響は軽微であると考えております。*1 ITA:Information Technology Agreement(コンピューターや通信機器などの情報技術関連製品の関税撤廃を目指す世界貿易機関の協定)競合の激化 当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に悪影響が出る場合があります。・競合による競争力のある新製品の発売・価格競争の激化・低価格品などへの需要シフトの他、・COVID-19等、急激な環境変化による競争軸の変化、競合の拡大等がリスクとして考えられます。 当社グループでは、各事業分野において顧客の価値を高める新製品を企画し、継続的に導入することを計画しております。・従来のハードウェア中心の価値提供から、より顧客のワークフローまで踏み込める高品質、高付加価値製品の提供等により常に競合優位を構築してまいります。・価格競争については、規模の拡大からの脱却と、上述の競合優位な製品提供により売価を下げることなく顧客満足を獲得してまいります。・COVID-19による、急激な環境変化による競争軸の変化をチャンスと捉え、働き方や行動の変容をサポートできる提案を強化すると共に製品開発に反映してまいります。 部品・原材料の価格、為替レートの変動 当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において部品・原材料の価格変動及び為替レートの変動による影響を受けます。・材料の市況変動の直接的な影響・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動影響・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響等がリスクとして考えられます。 当社グループでは、・材料の市況変動に柔軟に対応するべく、製品開発時及び量産移行後において代替材料の検討、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては、競合他社の動きも見つつ、適切に売価反映を行っております。・為替変動に関しては、為替のヘッジという財務取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。・グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。中高 リスク分類リスク項目リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境他社との業務提携、戦略的投資 当社グループは、お客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するために必要に応じて他社との業務提携、合弁事業や戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段と考えておりますが、様々な理由により、以下のような状況に陥るリスクが考えられます。 ・当事者間で利害の不一致が起こることによる提携の解消・検討における情報が十分ではない事などにより、狙いどおりの戦略的投資にならない・事業、技術、製品及び人材等の統合について期待する成果や効果が得られない 当社グループでは、多様化するニーズに柔軟かつ確実に対応していくために、他社との協業や戦略的投資は今後ますます重要性を増してくると考えており、これを”重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、意思決定のプロセスの更なる強化に努めております。 当社グループにおける執行の最高意思決定機関である”グループマネジメントコミッティ(以下、GMC)”の諮問機関として”投資委員会”を設立し、投資について、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行っております。多様化する外部への投融資案件について、専門的なメンバーが事前に確認/協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと適確性を向上させることを狙いとしております。 投資委員会の審議結果は、GMCにおける投資案件審議の際に共有され、意思決定をサポートします。また、決裁された外部への投融資案件に関して、投資委員会が進捗モニタリングを行うことにより、継続的にプロセス改善が回る仕組みを構築しております。 大中技術変化への対応 近年の急速な技術進化、革新への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力の源泉であり、下記項目に対して十分な対応が取れていないことで、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。・技術変化に対する適切な情報収集と予測・変化に対応した重点技術強化領域の設定と適切な資源の投下・新規領域に対する技術力強化 グローバルでの競争激化の中、お客様や社会が直面する課題をいち早く解決する技術の重要性がますます高まっております。当社グループではこれを“重点経営(戦略)リスク”と位置づけ、意思決定プロセスのさらなる強化に努めております。 グローバルマーケット向けの製品・サービスの技術変化に対応するため、グローバルに研究開発拠点を設け、それぞれの地域特性も活かしつつ、グローバルに拠点間の連携を深めて研究開発を推進しています。また、変化の激しい市場環境に対応するために、自社単独での研究開発にこだわらず、大学・研究機関・企業と積極的に連携し、研究開発活動を加速させるオープンイノベーションを推進しています。 当社グループでは、2019年度よりイノベーション本部を設立し、新規成長領域の特定、事業化プロセスの構築、整理を一元化しております。また、CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)を設置し、全社を通じた研究開発・技術開発の重点領域の選定、経営戦略と連携した適切な資源配分を行い、技術力強化に向けた活動を推進しております。 中中人材の確保 当社グループの中長期的な成長は従業員個々の力量に大きく依存します。・適切な時期に優秀な人材を計画どおり確保できない・人材育成がうまくいかず、狙った戦力を準備できない・優秀な人材が社外に流出してしまう等のリスクがあると考えています。 少子高齢化に伴う労働人口の不足、AI、IoTなど需要の高い特定分野の獲得競争が激しくなるなど、計画どおりの人材確保を進める難しさが年々増しており、当社グループでは、人材の確保・育成を”重点経営(戦略)リスク”と位置づけ重点化した活動を展開しております。 ・技術系におけるジョブマッチを進め、専門性の高い人材の個々人のキャリアにあった採用を進めております。・新卒採用だけではなく、専門性をもつ人材の中途採用の強化を進めております。・ワークライフバランスを支える各種制度の整備し、多様な労働力に対応できる仕組みを強化しております。・幹部人材の確保、育成するプロセスの強化を進めています。中中 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業環境 ファイナンス事業 当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。・お客様の信用度及び信用の供与額のモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できない・当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金の一部は変動金利による短期借入で調達しており、営業損益が金利変動の影響を受ける・当社グループでは、現在の法律、税務及び会計制度等を基準として事業を展開しています。これらの制度が大幅に変更された場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。会計制度面では、IFRS第16号「リース」の適用により、基準適用国における顧客の購買行動の変化等、ファイナンス事業への影響がある等のリスクが考えられます。 当社グループは、・ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しています。また、信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。・外部環境の急激な変化によってファイナンス契約の信用リスクに相当の変動発生が予見される場合、随時の再評価を通じて予想信用損失を見直す場合があります。・長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、当社グループでは契約期間にあわせた固定金利による調達も行っております。 中高事業運営情報セキュリティ 当社グループは、デジタルサービスの会社への転換に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践などを行ってまいります。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取組んでいますが、以下のような事象が発生した場合、信用の低下による企業ブランド価値の毀損やビジネス機会の喪失等、事業に影響を与えるリスクがあります。 ・巧妙化・複雑化するサイバーアタックにより、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動による事業活動の停止や、データの改ざん/漏洩/破壊などの発生・インターネット公開サイトへのセキュリティ対策の不備や、お客様に納入した当社グループの製商品に内在する重大なセキュリティ問題により、意図せず他者への攻撃の踏み台として悪用されるなどのインシデントの発生・各国で個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR など)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されるようになる中、グローバルでの共同利用にあたり、各国の規制に抵触し制裁金が課せられる等 当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、”重点経営(オペレーショナル)リスク”の中でも最重要課題の一つと位置づけています。・国際的な情報セキュリティ標準(ISO/IEC(*2)、NIST(*3)など)に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを意識した体制を構築/強化するとともに、企画・設計・購買・生産・販売・サポートの各フェーズの業務システムに関わるセキュリティリスクを適時想定し、継続的に対策検討及び実施を行っております。 ・インターネット公開サイトの構築や製品開発において、情報セキュリティに関わる品質マネジメントを継続的に強化するとともに、公開済みのサイトや発売済みの製商品に対しても継続的に脆弱性の確認を行い、リスクが発見された場合に適切に対応いたします。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製商品の安全な利用方法の案内、製商品の脆弱性対応ガイドラインの整備といった活動を継続的に実施しております。 ・当社グループ内における個人情報取扱標準の改定検討や個人情報の取扱状況の調査・是正など、整備が進む各国での個人情報保護に関する法律を踏まえた対応方針の策定と対策の検討を進めております。*2 ISO/IEC:International Organization of Standardization/International Electrotechnical Commission *3 NIST:National Institute of Standards and Technology中高 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業運営 製造物責任 当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(焼損・人損)・安全・環境法問題・品質問題の長期化等が発生することで、お客様や社会の信頼を失墜し、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継承が困難になるリスクが考えられます。 当社グループでは、「製造物責任」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障、事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、開発過程に反映しリスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 中高製品の長期供給遅れ/停止 大規模地震・津波、政変・騒乱、洪水、感染症の蔓延、サプライヤーの供給停止等の不測の事態により、・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の停止・輸送機関の停止・販売会社へ供給停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。 当社グループでは、「製品の長期供給遅れ/停止」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しております。 仕入先様が被災後、供給再開までの工場稼働停止等によりお客様への製品提供が止まることの無いよう、BCP在庫の確保、重要部品別に複数仕入先選定を実施しております。リスク範囲を局部、復旧期間を短期と想定してきましたが、COVID-19の急速な世界的拡大の経験から、これまでの活動に加え今後はリスク範囲を局部からエリアへ拡大、復旧期間を短期から長期とし有事に備えた環境整備を行ってまいります。また、想定リスクに基づく行動計画及び机上訓練を実施し、対応策の有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。 中高知的財産権の保護 当社グループの新規事業立上げにおいて他社との協業、共同研究・開発が活性化していることに伴い、知的所有権に関する他者との契約トラブル等が発生し、事業に悪影響を与えるリスクが考えられます。 当社グループでは、「知的所有権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した事案を形式知化し、アセスメント手法を開発いたしました。その手法を新規事業テーマに適用してリスクアセスメントを行い、抽出されたリスクに対する対策をとっております。小中公的な規制への対応(輸出入管理) 当社グループの事業活動を行う中で、輸出入関連法の違反が発生した場合、輸出停止等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 当社グループでは、「公的な規制への対応(輸出入関連法)」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、予防・対応プロセスを強化しております。・安全保障貿易管理に関する社員教育の実施とビジネスに関連する重要な規制強化/緩和に関する情報を適時社内周知しています。・輸出入に関するマネジメント監査の定期的な実施によるリスク抽出と改善を行なっています。・刻々と変化する国際情勢を把握し、能動的なリスク回避策をとっています。 中高公的な規制への対応(法務) 当社グループの事業活動を行う中で、独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 当社グループでは、独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度事業運営公的な規制への対応(人事)当社グループの事業活動を行う中で、人事関連の各種・コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)が発生した場合、社会的信頼を失墜し、事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社グループでは、「公的な規制への対応(人事)」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、役員・社員一人ひとりが「リコーウェイ」を実践し、社会的責任を果たすために、国内外における関連法令、国際ルール及びその精神を理解し遵守しつつ高い倫理観をもって行動するという観点から「リコーグループ企業行動規範」を定め周知徹底を図っております。人事関連の各種法規制の制定や改訂に関しては、速やかに対応し、社内ルールの新設、見直し、及び社員教育の実施を行う事で未然防止に努めると共に、発生時の対応体制の整備、ルール化を行っています。人権に関しては、社内教育の徹底に加え、サプライチェーンに属する企業に対しても、児童労働や強制労働の排除を含めた「サプライヤー行動規範」の遵守をお願いしています。その遵守状況は定期的な「CSRセルフアセスメント」を通じてモニタリングし、必要な改善を促しています。また、英国現代奴隷法 (The UK Modern Slavery Act 2015) に基づくステートメントを公表しています。中高公的な規制への対応(環境) 当社グループの事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 当社グループでは、環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の順守徹底とともに、規制変化等のタイムリーな把握・対応に努めております。 また、当社は2019年10月にグローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟RBA(*4)に加盟しました。RBA規格を満たすよう社内規範の標準化、RBAツールを活用した人材の育成等、当社グループ全体でリスクマネジメントレベルの更なる向上に努めています。*4 RBA:Responsible Business Alliance 会計制度のれん、固定資産の減損 当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。 これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、リスク項目「他社との業務提携、戦略的投資」に記載しましたとおり、投資委員会において買収金額の妥当性審議を行い、投資を決定しております。中中確定給付制度債務 確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。 現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。 当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。中中 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策影響度緊急度環境・災害気候変動に関する影響気候変動はグローバルに活動する当社グループにとって重要な課題であると認識し、TCFD(*5)のフレームワークに沿った分析と対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。(脱炭素社会への急速な移行リスク)・サプライヤーへの炭素税・排出量取引制度の適用による調達コスト増加・脱炭素社会への急速な移行による対応コスト(再エネ電力証書の購入等)の増加(急激な気候変動による物理的リスク)・異常気象による罹災への対処が遅れ、工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品サービス供給停止が起こる・異常気象による紙などの原材料が高騰し事業への悪影響・異常気象による感染症の発生で主要拠点の操業停止・サプライチェーンの寸断による製品サービス供給停止が起こる一方、脱炭素社会への移行に備えることで自社の製品サービスの質を高め利益貢献する機会があると認識しています。長年取り組んできた環境経営に基づく自社での脱炭素活動の実践事例をお客様へ紹介し、お客様の脱炭素化を支援するサービス・ソリューションの販売を拡大しています。自社の脱炭素活動は環境・エネルギー事業(創エネ・蓄エネ・省エネ関連事業)など脱炭素に貢献する事業の拡大に確実に貢献すると考えております。*5 TCFD: 気候関連財務情報開示タスクフォース。金融安定理事会(FSB)によって設立され、企業に対する気候関連リスク・機会の情報開示の促進と、低炭素社会へのスムーズな移行による金融市場の安定化を目的としている。気候変動に関する事業影響については、全社リスクマネジメントの枠組みの中で”重点経営(戦略)リスク” の一つとして管理しています。 (脱炭素社会への急速な移行リスク)・脱炭素社会への移行に対処すべく代表取締役社長を委員長とする”ESG委員会”を設置し変化する国際要請を常に確認し環境目標の見直しやリスクの未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しています。・2019年度は移行リスクへの対処としてESG委員会で審議し2020年4月「リコーグループ環境目標」を見直しました。2030年の自社排出のGHG(温室効果ガス)削減目標を2015年比で従来の30%削減から63%削減に改定、国際的なイニシアチブであるSBT(Science Based Targets)イニシアチブ(*6)の新基準「1.5°C目標」の認定を取得しました。 (急激な気候変動による物理的リスク)・リスク項目「部品・原材料の価格、為替レートの変動」に記載のとおり、調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、サプライチェーンに対するリスクマネジメントを強化しています。また、サプライヤーと協力し、事業継続能力向上に取り組んでいます。・異常気象による罹災への対処についてはリスク項目「災害等による影響」「製品の長期供給遅れ/停止」に詳述しております。*6 SBTイニシアチブ: 企業のGHG削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ 中高災害などによる影響 当社グループでは、以下のような災害事件事故の発生によりグループ会社に人的(家族を含む) /物的被害が生じるリスクを想定し、対策を構築しております。・自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等)・事故(火災、爆発、危険物の漏洩、列車/航空機など交通機関の大事故等)・情勢変化(内乱、戦争、危険な社会運動等)事件(テロ、誘拐、脅迫等)、感染症 等 当社グループでは、「災害などによる影響」を“重点経営(オペレーショナル)リスク”と位置づけ、標準において、非常時の初期対応、報告方法、各対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れるよう仕組みを構築しております。 災害の発生を防ぎ、また万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しております。地域や事業に応じたBCP(事業継続計画)を作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。 COVID-19については、新型インフルエンザ用BCPをベースに、感染状況や情勢を見極めながら、お客様、お取引先様、役員・従業員とその家族をはじめとするステークホルダーの安全を最優先とした対応をしております。今後は今回の経験を踏まえ、現状のBCPを見直すとともに必要な備蓄を行い、再度、感染が拡大する可能性に備えてまいります。 中高
FY2019|8,969 文字
2 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの経営成績及び財政状態への影響が大きいリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。2019年度より当社グループ全体のリスクマネジメント体制を整備し、重点領域を設定して対策強化を行っております。グローバル経済状況、事業環境は日々変化しており、それに応じたタイムリーな対応が求められる性質のリスクもあるため、下記表に記載している“業績への影響が大きいリスク”のすべてを当社グループリスクマネジメントの重点領域としている訳ではありません。重点領域と定めているリスクに関しては、下記リスク項目の欄にその旨を記載しております。また、2019年度の有価証券報告書より適用される改正内閣府令を見据えて、リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容やリスクへの対応策等を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策成長戦略への影響事業環境主要市場における経済状況 当社グループはグローバルで事業活動を行っており、その主要市場である日本、米国、欧州の経済状況は事業に影響を及ぼします。特に、・米中貿易摩擦・Brexit等、保護主義の台頭による各国の動きについては業績に影響を及ぼしうる主なリスクであると認識しております。 当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、状況に応じた対応が取れるように対策を行っています。・米中貿易摩擦については、従来から行ってきたBCP対策(並行生産)を活用し、一部の米国向け製品生産を中国からタイ工場へ移管するなど、関税リスク軽減策を進めています。これにより、米国が中国への制裁関税措置「第4弾」の発令に対しても、数十億円規模と予想される業績影響を防ぐことが可能となります。今後も状況の変化に応じた対応を進めてまいります。・Brexitについては、合意なき離脱による混乱を想定し、欧州拠点において必要な材料・製品在庫積増しを行っております。また、当社グループの大部分はITA対象品であり、合意なき離脱となった場合でも関税による業績への悪影響は軽微であると考えております。主に成長戦略0/1競合の激化 当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に悪影響が出る場合があります。・競合による競争力のある新製品の発売・価格競争の激化・低価格品などへの需要シフト等がリスクとして考えられます。 当社グループでは、各事業分野において、顧客価値を高める新製品を企画し、継続的に導入することを計画しております。従来のハードウエア中心の価値提供から、より顧客のワークフローまで踏み込める高品質、高付加価値製品の提供等により常に競合優位を目指してまいります。 価格競争については、今後も適切な売価マネジメントを行ってまいります。規模の拡大から脱却し、ワークフローソリューションまで踏み込んだ高品質、高付加価値の製品を提供することで、売価を下げることなく顧客満足を獲得してまいります。成長戦略0/1/2部品・原材料の価格、為替レートの変動 当社グループでは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域で行っており、事業活動において部品・原材料の価格変動及び為替レートの変動による影響を受けます。・材料の市況変動の直接的な影響・海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動影響・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響等がリスクとして考えられます。 当社グループは、材料の市況変動に柔軟に対応するべく、製品開発時および量産移行後におけて代替材料の検討、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては、競合他社の動きも見つつ、適切に売価反映を行っております。 また、為替レートの変動対策として、リスク管理方針を定め、その範囲内で米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行っております。成長戦略0/1/2 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策成長戦略への影響事業環境他社との業務提携、戦略的投資 (重点戦略リスク) 当社グループは、お客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するために必要に応じて他社との業務提携、合弁事業や戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段と考えておりますが、様々な理由により、以下のような状況に陥るリスクが考えられます。 ・当事者間で利害の不一致が起こることによる提携の解消・検討における情報が十分ではない事などにより、狙い通りの戦略的投資にならない・事業、技術、製品および人材等の統合について期待する成果や効果が得られない 当社グループでは、多様化するニーズに柔軟かつ確実に対応していくために、他社との協業や戦略的投資は今後ますます重要性を増してくると考えており、これを“重点戦略リスク”と位置づけ、意思決定のプロセスの強化に努めております。 当社グループにおける執行の最高意思決定機関である“グループマネジメントコミッティ(以下、GMC)”の諮問委員会として“投資委員会”を設立し、投資について、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行っております。多様化する外部への投融資案件について、専門的なメンバーが事前に確認/協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと適確性を向上させることを狙いとしております。 投資委員会の審議結果は、GMCにおける審議の際に共有され、意思決定をサポートします。また、決裁された外部への投融資案件に関して、投資委員会が進捗モニタリングを行うことにより、継続的にプロセス改善が回る仕組みを構築しております。主に成長戦略1/2技術変化への対応 (重点戦略リスク) 近年の急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力の源泉であり、以下の項目等、十分な対応が取れていないことで、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ・技術変化の読みと対応・重点技術強化領域の設定、適切な資源の投下・新領域に対する技術力強化 あらゆる分野でのイノベーションがグローバル規模で進む中、お客様や社会が直面する課題をいち早く解決できる技術の重要性がますます高まっております。当社グループでは、これを“重点戦略リスク”と位置づけ意思決定のプロセスの強化に努めております。 グローバルなマーケット向けの製品・サービスを開発するために、当社グループでは、日本、米国、インド、中国に研究拠点を設け、それぞれの地域特性も活かしつつ、グローバルに拠点間の連携を深めて研究開発を推進しています。また、変化の激しい市場環境に対応するために、すべて自社での研究開発にこだわらず、必要な技術領域において強みのある大学・研究機関・企業と積極的に連携し、研究開発活動を加速させるオープンイノベーションを推進しています。 当社グループでは、2019年度よりイノベーション本部を設立し、新規成長領域の特定、事業化までのプロセス構築、整理を一元化しております。また、CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)を設置し、全社通じた研究開発、技術開発の重点領域を選定、経営戦略と連携して適切な資源配分を行い、活動を推進しております。成長戦略0/1/2人材の確保 (重点戦略リスク) 当社グループの中長期的な成長は従業員個々の力量に大きく依存します。・適切な時期に優秀な人材を計画通り確保できない・人材育成がうまくいかず、狙った戦力を準備できない・優秀な人材が社外に流出してしまう等のリスクがあると考えています。 少子高齢化に伴う労働人口の不足、AI、IoTなど需要の高い特定分野の獲得競争が激しくなるなど、計画通りの人材確保を進める難しさが年々増しており、当社グループでは、人材の確保、育成を“重点戦略リスク”と位置づけ重点化した活動を展開しております。 ・技術系におけるジョブマッチを進め、専門性の高い人材の個々人のキャリアにあった採用を進めております。・新卒採用だけではなく、専門性をもつ人材の中途採用の強化を進めております。・ワークライフバランスを支える各種制度の整備し、多様な労働力に対応できる仕組みを強化しております。・幹部人材の確保、育成するプロセスの強化を進めています。成長戦略0/1/2 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策成長戦略への影響事業環境ファイナンス事業 当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。・お客様の信用度及び信用の供与額のモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できないリスクがあります。・当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金の一部は変動金利による短期借入での調達しており、営業損益が金利変動の影響を受けるリスクがあります。・当社グループでは、現在の法律、税務及び会計制度等を基準として事業を展開しています。これらの制度が大幅に変更された場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。会計制度面では、IFRS第16号「リース」の適用により、基準適用国における顧客の購買行動の変化等、ファイナンス事業への影響があるものと予想されます。・当社グループは、ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しています。また、信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。・長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、当社グループでは契約期間にあわせた固定金利による調達も行っております。主に成長戦略0/2事業運営情報セキュリティ (重点オペレーショナルリスク) 当社グループの情報セキュリティを構築する上で、・悪意をもった第三者による攻撃(サイバーアタック)により、当社グループ各社のシステムの停止やセキュリティ上の問題、損害が発生する・サイバーアタックにより自社サーバーが悪用され意図せず他者を攻撃するなど、社会に悪影響を与え、リコーブランド価値を毀損してしまう。また、そのことにより顧客サプライチェーンから排除され売上・シェアの減失、情報セキュリティインシデント発生時の対応発生等、業績にマイナスの影響を与える・当社グループの製商品に重大な情報セキュリティ問題が検出され、全製商品がお客様から排除される等、ビジネスの機会を損失する等をリスクとして想定しております。 当社グループは、各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のあるリコーグループにとって適切な情報セキュリティ対策を検討・推進しています。 ・国際的な情報セキュリティ規格に基づき、当社グループのサプライチェーン全体の情報セキュリティを包括的に管理するための体制を構築していると同時に継続的に強化を図っております。 ・工場や生産ライン設備がIT/IoT化(ネットワーク接続)されたことにより生じるサイバーセキュリティリスクを想定し、対策を検討しております。 成長戦略0/1/2製造物責任 (重点オペレーショナルリスク) 当社グループが製造・販売する製品に、・重大な安全性問題(焼損・人損)・安全・環境法問題・品質問題の長期化 等が発生することで、お客様や社会の信頼を失墜し、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継承が困難になるリスクがあります。 機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障、事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、開発過程に反映しリスク低減につなげております。 万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。 各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。成長戦略0/1/2 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策成長戦略への影響事業運営製品の長期供給遅れ/停止 (重点オペレーショナルリスク) 大規模地震・津波、政変・騒乱、洪水、感染症の蔓延、サプライヤーの供給停止 等の不測の事態により、・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の停止・輸送機関の停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクがあります。 仕入先様が被災後、供給再開までの工場稼働停止等によりお客様への製品提供が止まることの無いよう、BCP在庫の確保、重要部品別に2社以上の仕入先様を選定する等、有事に備えた環境整備を行っております。 想定リスクに基づく行動計画及び机上訓練を実施し、対応策の有効性の確認と改善を図っております。主に成長戦略0/1知的所有権の保護 (重点オペレーショナルリスク) 新規事業立上げにおいて他社との協業、共同研究・開発が活発化していることに伴い、知的所有権に関する他社との契約トラブル等が発生し、事業に悪影響を与えるリスクがあります。 当社グループでは、過去にトラブルが発生した事案を形式知化し、アセスメント手法を開発いたしました。その手法を新規事業テーマに適用してリスクアセスメントを行い、抽出されたリスクに対する対策をとっております。成長戦略0/1/2公的な規制(環境規制含む)への対応 (重点オペレーショナルリスク) 当社グループの事業活動を行う上で、・人事関連の各種コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)が発生した場合、社会的信頼を失墜し、事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。 ・輸出入関連法の違反が発生した場合、輸出停止等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 ・独占禁止法/競争法の違反が発生した場合、課徴金(行政処分)の負担や刑事罰、官公庁との取引停止、社会信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 •各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響や課徴金の負担、刑事罰、社会信用の失墜等よるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。 当社グループでは、役員・社員一人ひとりが「リコーウェイ」を実践し、社会的責任を果たすために、国内外における関連法令、国際ルール及びその精神を理解し遵守しつつ高い倫理観をもって行動するという観点から「リコーグループ企業行動規範」を定め、周知徹底を図っております。 ・人事関連の各種法規制や社内ルールの教育、及び発生時の対応体制を整備、ルール化を行っています。人権に関しては社内教育のみならず国内外サプライヤーに対する定期的なアセスメントを行い、人権問題に抵触することはないか確認しています。 ・安全保障貿易管理に関する社員教育の実施とビジネスに関連する重要な規制強化/緩和に関する情報を適時社内周知しています。また、刻々と変化する国際情勢を把握し、能動的なリスク回避策をとっています。 ・独占禁止法及び各国競争法の遵守を徹底のため、各地域の法務部門が主導し教育活動および発生時対応の強化に努めております。・環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の順守徹底とともに、規制の変化等へのタイムリーな把握・対応に努めております。成長戦略0/1/2会計制度のれん、固定資産の減損 当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。 これらの資産については、今後の業績計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、リスク項目「他社との業務提携、戦略的投資」に記載しましたとおり、投資委員会において買収金額の妥当性審議を行い、投資を決定しております。 投資後も進捗モニタリングを行い、事業を執行、管理する体制を整備しております。成長戦略0/1/2確定給付制度債務 確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。 現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。 当社グループは、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しております。成長戦略0/1/2 リスク分類 リスク項目 リスクの説明リスク対策成長戦略への影響環境・災害気候変動に関する影響 (重点オペレーショナルリスク) 気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社グループにとって重要な課題であると認識し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。 (移行リスク)・脱炭素社会への想定外の急速な移行に対応できず、コストの増加や販売機会損失・企業ブランドが棄損され企業価値の低下を招く (物理的リスク)・異常気象による紙などの原材料が高騰し事業に悪影響を及ぼす・異常気象による罹災への対処が遅れ工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品サービス供給停止が起こる (移行リスク)・脱炭素社会への移行に対処すべく代表取締役社長を委員長とする“ESG委員会”を設置し変化する国際要請を常に確認し環境目標の見直しやリスクの未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しています。 ・2019年度よりトータルリスクマネジメントの枠組みの中に気候変動に関する影響を“重点オペレーショナルリスク”として追加し、活動を強化しています。 (物理的リスク)・リスク項目「部品・原材料の価格、為替レートの変動」に記載のとおり、調達系列の二重化、材料や部品在庫の積み増し等、サプライチェーンに対するリスクマネジメントを強化しています。また、サプライヤーと協力し、事業継続能力向上に取り組んでいます。・異常気象による罹災への対処についてはリスク項目「災害等による影響」「製品の長期供給遅れ/停止」をご参照ください。 主に成長戦略0/1災害等による影響 (重点オペレーショナルリスク) 当社グループでは、以下のような災害事件事故が発生により、グループ会社に人的(家族を含む)/物的被害が生じるリスクを想定、対策を構築しております。・自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等)・事故(火災、爆発、危険物の漏洩、列車/航空機など交通機関の大事故等)・情勢変化(内乱、戦争、危険な社会運動等)・事件(テロ、誘拐、脅迫等) 当社グループにおいて遵守すべき共通規則である“リコーグループスタンダード”において、非常時の初期対応、報告方法、各対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れるよう仕組みを構築しております。 災害の発生を防ぎ、また万が一災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しております。地域や事業に応じたBCP(事業継続計画)を作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。成長戦略0/1/2個別事象リコーインド リコーインドは、2018年1月29日にインドNational Company Law Tribunal(会社法審判所)に対してインド破産倒産法(Insolvency and Bankruptcy Code)第10条に基づく会社更生手続開始の申立を行い、同年5月14日付けでその開始決定を受けておりました。 当社グループは連結決算において、リコーインドに関連して、2016年度に69億円、2017年度に117億円、2018年度に149億円の費用を計上いたしました。今回、2018年度連結決算において追加損失の計上を行ったことにより、当社グループの保有するリコーインド向け債権の全額に対して引当を計上済みとなります。(詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 インド販売子会社における不適切会計の経緯と対応、その後の状況について」をご参照ください。)-
FY2018|6,375 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクの一部を以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 技術変化への対応力当社グループは事務機器分野において、複写機や複合機、プロダクションプリンター、プリンター及びデジタル印刷機等を提供しております。この分野における技術の変化は急激であり、また製品のライフサイクルは非常に短くなっております。当社グループの製品は大半がこの分野に属しており、当社グループの成功はこうした技術変化への対応力にかかっております。この分野で競争力を維持するために、当社グループは研究開発活動に多くの経営資源及び資金を投入しております。このような投資にも関わらず、新製品の開発工程や技術内容は極めて複雑かつ不確実であり、以下を始めとする様々なリスクに晒されております。・当社グループの製品や技術がお客様のニーズを満たす、あるいは市場から認められるかどうか、当社グループが正確に予測できる保証はありません。・既存製品の機能を併せ持ったさらに先進的な製品の投入が、こうした各既存製品の販売実績に悪影響を及ぼさないという保証はありません。・当社グループが新製品や技術に必要な原材料や部品を仕入先から低価格で調達できる保証はありません。・当社グループが市場機会を捉えるのに失敗し、その結果損失を被ることのないように、新製品の販売プロセスを管理できる保証はありません。・当社グループがすべての新規開発製品の販売に成功する保証はありません。・当社グループが業界の変化に十分対応できる保証はありません。上記のリスクを含め、当社グループがこの分野に関連するいずれかのリスクへの対応に失敗した場合、当社グループの将来の成長及び収益性が低下し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合の激化当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合他社との競争激化、低価格品への需要シフト、製品ライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。 当社グループは、事務機器分野におけるリーディングカンパニーとして新製品の導入や高品質、高付加価値製品の提供等により、顧客満足を得るべく努めておりますが、将来、効率的に競争を継続できる保証はありません。当社グループが競争力を維持できず、価格低下圧力に晒され、あるいは潜在的な顧客の獲得に失敗した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) グローバルな事業活動当社グループは事業活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国を含むその他地域で行っております。こうした海外市場で事業を行う際には、以下のような特有のリスクがあります。・好ましくない政治的又は経済的要因・為替レートの変動・予想外の税制変更、又は移転価格税制等の国際税務リスク・予想外の法的、又は規制面の変化・知的所有権の保護制度の未整備・社員の採用と雇用維持及びマネジメントの難しさ・インフラの未整備グローバルな事業活動におけるリスクに当社グループが十分に対処できない場合、事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 主要市場における経済動向当社グループ製品に対する需要は日本、米国、欧州及び中国を含むその他地域等の当社グループの主要市場における景気変動の影響を受けます。主要市場の景気後退及び消費の落込みは当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替レートの変動当社の海外子会社の現地通貨建ての業績は各会計年度の平均レートを用いて円換算され、連結損益計算書及び連結包括利益計算書に計上されます。現地通貨建ての資産・負債は各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されます。従って、業績、資産・負債は為替レートの変動に左右されます。さらに、営業損益は為替レートの変動の影響を非常に受けやすくなっております。当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域等で行っており、外貨建て収益及び費用の比率が高いためです。当社グループは米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っておりますが、為替水準の中・長期的な変動により将来の調達、生産、物流及び販売活動が困難になり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 部品や原材料の調達当社グループは部品や原材料を外部調達しており、幅広いサプライヤーから部品や原材料の供給を受けることで、質の確保はもとより、安定した価格及び量の確保を行っております。しかし、当社グループの製品は原油を原料とする部品や原材料を多数使用していることから、原油価格の高騰により、製造原価が上昇する可能性があります。また、サプライヤーに不測の事態が生じた場合やサプライヤーの部品や原材料に品質問題あるいは供給不足が発生した場合には、当社グループの生産活動が中断される可能性があります。当社グループがこれらの影響を販売価格に転嫁できなかった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 公的な規制当社グループは事業を展開している各国の政府の様々な規制及び認可手続きの影響を受けます。例えば、事業と投資計画の承認を得る必要があるほか、輸出規制と関税、並びに通商、独占禁止、特許、消費者と事業への課税、為替管理及び環境やリサイクル法等の規則や規制下にあります。当社グループは、CSR推進組織を設置し、遵法に関する社内的な諸活動を従業員に実施させ、これらの規則や規制に違反することを未然に防止しております。しかしながら、仮に当社グループがこうした規制のいずれかに準拠できない、又は必要な認可を得られない場合、各国での活動は制約される可能性があります。さらに、仮に規制に適合できても、それが費用の増加につながることも考えられます。従って、こうした規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 知的所有権の保護当社グループは数多くの知的所有権を保有し、ライセンス供与しております。当社グループが必要、又は望ましいと判断した場合、他社の知的所有権を利用するため、新たにライセンスを導入いたします。当社グループがこうした知的所有権の保護、維持、あるいは取得に失敗した場合、経営成績及び競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは知的所有権の対象となる発明に対して、その発明者に相当の報奨金を支給する等、適切な対応をとっております。しかしながら、将来、発明者から発明の報奨金について対価を請求する訴訟を起こされる可能性があります。 (9) 人材の確保当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に優秀な人材の確保と育成に注力しておりますが、優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や既存の優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 確定給付制度債務確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になる可能性があります。こうした追加的な資金拠出と費用負担が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 気候変動に関する影響当社グループは気候変動の影響によるリスクに晒されております。例えば、環境ラベルの規制強化や炭素税の導入等法規制の影響による製品・サービスの製造販売コストの増加に加え、持続可能な社会を志向する市場の変化に即応できないことなど脱炭素社会への「移行リスク」があります。また、異常気象による罹災が及ぼす操業停止・サプライチェーンの寸断から生じる製品サービス供給の停止による「物理的リスク」があります。当社グループは気候変動に関する緩和策として、中長期の経営計画に沿った2030年・2050年の環境目標をグローバルレベルで設定し目標達成に向けて3年ごとに策定される環境行動計画の中でPDCAを回しております。また、再生可能エネルギーを積極的に活用すべく国際的なイニシアチブであるRE100に日本企業として初めて参加いたしました。しかしながら気候変動対策が遅れた場合、脱炭素社会への移行リスクや物理的リスクにより、経営成績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 環境規制当社グループの事業は有害物質の排出、使用及び処理、廃棄物処理、製品のリサイクル及び土壌と地下水の汚染等を管理する様々な環境法及び規制の制約を受けております。当社グループは現在及び過去の生産活動の中で環境責任というリスクに直面しております。将来の環境法遵守又は環境改善のための追加的な義務に関連した費用が当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) ファイナンス事業当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しています。信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。このようなモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できる保証はありません。これに加えて、当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金を変動金利による短期借入での調達のほか、長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、契約期間にあわせた固定金利による調達も行っておりますが、こうした金利差を完全にヘッジすることはできません。仮に当社グループがファイナンス事業のこうしたリスクに十分に対処できない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (14) 製造物責任当社グループは当社グループ製品及びサービスに関連した欠陥や問題に対し責任を負う可能性があります。欠陥によっては、重大な賠償責任を負うことも考えられ、それが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、高度で複雑な技術を利用した製品及びサービスの提供が増加していくのに伴い、このような欠陥が発生する頻度は高まる可能性があります。当社グループの責任の拡大につながる可能性がある欠陥の潜在的な増加は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、万が一、欠陥が発生した場合における社会的評価の低下は、お客様の当社グループの製品及びサービスに対する購買意欲を低減させる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。 (15) 他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資当社グループはお客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するため、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段であると考えております。しかしながら、業務提携・合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、製品及び人材等の統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり、また時間や費用等が想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループ事業に重大な影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16) 情報セキュリティ当社グループは事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また多くの個人情報を有しております。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する制度の徹底を図る社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担等の可能性があります。また、当社グループの機密事項が第三者に流出した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (17) 災害等による影響当社グループは、地震、火災、台風、洪水等の災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するために、定期的な設備点検、防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築等、事業継続計画(BCP)を整備し影響の回避に努めています。しかし、大規模な地震、その他事業の継続に支障をきたす災害、事故の影響等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18) のれん、有形固定資産及び無形資産の減損当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19) Ricoh India LimitedRicoh India Limited (以下、リコーインド)は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 34 後発事象」に記載の通り、2018年1月29日に会社更生手続開始の申立を行い、手続開始が決定されています。これに伴いInterim Resolution Professional と呼ばれる暫定管財人が任命されました。今後、リコーインドは会社更生の処理が進められます。リコーインドの金融債権者により構成される債権者委員会及び裁判所の決定内容によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|5,463 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクの一部を以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 技術変化への対応力当社グループは事務機器分野において、複写機や複合機、プロダクションプリンター、プリンター及びデジタル印刷機等を提供しております。この分野における技術の変化は急激であり、また製品のライフサイクルは非常に短くなっております。当社グループの製品は大半がこの分野に属しており、当社グループの成功はこうした技術変化への対応力にかかっております。この分野で競争力を維持するために、当社グループは研究開発活動に多くの経営資源及び資金を投入しております。このような投資にも関わらず、新製品の開発工程や技術内容は極めて複雑かつ不確実であり、以下を始めとする様々なリスクに晒されております。・当社グループの製品や技術がお客様のニーズを満たす、あるいは市場から認められるかどうか、当社グループが正確に予測できる保証はありません。・既存製品の機能を併せ持ったさらに先進的な製品の投入が、こうした各既存製品の販売実績に悪影響を及ぼさないという保証はありません。・当社グループが新製品や技術に必要な原材料や部品を仕入先から低価格で調達できる保証はありません。・当社グループが市場機会を捉えるのに失敗し、その結果損失を被ることのないように、新製品の販売プロセスを管理できる保証はありません。・当社グループがすべての新規開発製品の販売に成功する保証はありません。・当社グループが業界の変化に十分対応できる保証はありません。上記のリスクを含め、当社グループがこの分野に関連するいずれかのリスクへの対応に失敗した場合、当社グループの将来の成長及び収益性が低下し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合の激化当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合他社との競争激化、低価格品への需要シフト、製品ライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。 当社グループは、事務機器分野におけるリーディングカンパニーとして新製品の導入や高品質、高付加価値製品の提供等により、顧客満足を得るべく努めておりますが、将来、効率的に競争を継続できる保証はありません。当社グループが競争力を維持できず、価格低下圧力に晒され、あるいは潜在的な顧客の獲得に失敗した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) グローバルな事業活動当社グループは事業活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国を含むその他地域で行っております。こうした海外市場で事業を行う際には、以下のような特有のリスクがあります。・好ましくない政治的又は経済的要因・為替レートの変動・潜在的に不利な税影響・予想外の法的、又は規制面の変化・知的所有権の保護制度の未整備・社員の採用と雇用維持及びマネジメントの難しさ・インフラの未整備グローバルな事業活動におけるリスクに当社グループが十分に対処できない場合、事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 主要市場における経済動向当社グループ製品に対する需要は日本、米国、欧州及び中国を含むその他地域等の当社グループの主要市場における景気変動の影響を受けます。主要市場の景気後退及び消費の落込みは当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替レートの変動当社の海外子会社の現地通貨建ての業績は各会計年度の平均レートを用いて円換算され、連結損益計算書及び連結包括利益計算書に計上されます。現地通貨建ての資産・負債は各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されます。従って、業績、資産・負債は為替レートの変動に左右されます。さらに、営業損益は為替レートの変動の影響を非常に受けやすくなっております。当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域等で行っており、外貨建て収益及び費用の比率が高いためです。当社グループは米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っておりますが、為替水準の中・長期的な変動により将来の調達、生産、物流及び販売活動が困難になり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 部品や原材料の調達当社グループは部品や原材料を外部調達しており、幅広いサプライヤーから部品や原材料の供給を受けることで、質の確保はもとより、安定した価格及び量の確保を行っております。しかし、当社グループの製品は原油を原料とする部品や原材料を多数使用していることから、原油価格の高騰により、製造原価が上昇する可能性があります。また、サプライヤーに不測の事態が生じた場合やサプライヤーの部品や原材料に品質問題あるいは供給不足が発生した場合には、当社グループの生産活動が中断される可能性があります。当社グループがこれらの影響を販売価格に転嫁できなかった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 公的な規制当社グループは事業を展開している各国の政府の様々な規制及び認可手続きの影響を受けます。例えば、事業と投資計画の承認を得る必要があるほか、輸出規制と関税、並びに通商、独占禁止、特許、消費者と事業への課税、為替管理及び環境やリサイクル法等の規則や規制下にあります。当社グループは、CSR推進組織を設置し、遵法に関する社内的な諸活動を従業員に実施させ、これらの規則や規制に違反することを未然に防止しております。しかしながら、仮に当社グループがこうした規制のいずれかに準拠できない、又は必要な認可を得られない場合、各国での活動は制約される可能性があります。さらに、仮に規制に適合できても、それが費用の増加につながることも考えられます。従って、こうした規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 知的所有権の保護当社グループは数多くの知的所有権を保有し、ライセンス供与しております。当社グループが必要、又は望ましいと判断した場合、他社の知的所有権を利用するため、新たにライセンスを導入いたします。当社グループがこうした知的所有権の保護、維持、あるいは取得に失敗した場合、経営成績及び競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは知的所有権の対象となる発明に対して、その発明者に相当の報奨金を支給する等、適切な対応をとっております。しかしながら、将来、発明者から発明の報奨金について対価を請求する訴訟を起こされる可能性があります。 (9) 人材の確保当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に優秀な人材の確保と育成に注力しておりますが、優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や既存の優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 確定給付制度債務確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になる可能性があります。こうした追加的な資金拠出と費用負担が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 環境規制当社グループの事業は有害物質の排出、排水、使用及び処理、廃棄物処理、製品のリサイクル及び土壌と地下水の汚染等を管理する様々な環境法及び規制の制約を受けております。当社グループは現在及び過去の生産活動の中で環境責任というリスクに直面しております。将来の環境法遵守又は環境改善のための追加的な義務に関連した費用が当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) ファイナンス事業当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しています。信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。このようなモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できる保証はありません。これに加えて、当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金を変動金利による短期借入での調達のほか、長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、契約期間にあわせた固定金利による調達も行っておりますが、こうした金利差を完全にヘッジすることはできません。仮に当社グループがファイナンス事業のこうしたリスクに十分に対処できない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 製造物責任当社グループは当社グループ製品及びサービスに関連した欠陥や問題に対し責任を負う可能性があります。欠陥によっては、重大な賠償責任を負うことも考えられ、それが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、高度で複雑な技術を利用した製品及びサービスの提供が増加していくのに伴い、このような欠陥が発生する頻度は高まる可能性があります。当社グループの責任の拡大につながる可能性がある欠陥の潜在的な増加は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、万が一、欠陥が発生した場合における社会的評価の低下は、お客様の当社グループの製品及びサービスに対する購買意欲を低減させる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。 (14) 他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資当社グループはお客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するため、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段であると考えております。しかしながら、業務提携・合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、製品及び人材等の統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり、また時間や費用等が想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループ事業に重大な影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15) 情報セキュリティ当社グループは事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また多くの個人情報を有しております。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する制度の徹底を図る社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担等の可能性があります。また、当社グループの機密事項が第三者に流出した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16) 災害等による影響当社グループは、地震、火災、台風、洪水等の災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するために、定期的な設備点検、防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築等、事業継続計画(BCP)を整備し影響の回避に努めています。しかし、大規模な地震、その他事業の継続に支障をきたす災害、事故の影響等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|5,464 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクの一部を以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 技術変化への対応力当社グループは事務機器分野において、複写機/複合機、プロダクションプリンター、プリンター及びデジタル印刷機等を提供しております。この分野における技術の変化は急激であり、また製品のライフ・サイクルは非常に短くなっております。当社グループの製品は大半がこの分野に属しており、当社グループの成功はこうした技術変化への対応力にかかっております。この分野で競争力を維持するために、当社グループは研究開発活動に多くの経営資源及び資金を投入しております。このような投資にも関わらず、新製品の開発工程や技術内容は極めて複雑かつ不確実であり、以下を始めとする様々なリスクに晒されております。・当社グループの製品や技術がお客様のニーズを満たす、あるいは市場から認められるかどうか、当社グループが正確に予測できる保証はありません。・既存製品の機能を併せ持ったさらに先進的な製品の投入が、こうした各既存製品の販売実績に悪影響を及ぼさないという保証はありません。・当社グループが新製品や技術に必要な原材料や部品を仕入先から低価格で調達できる保証はありません。・当社グループが市場機会を捉えるのに失敗し、その結果損失を被ることのないように、新製品の販売プロセスを管理できる保証はありません。・当社グループがすべての新規開発製品の販売に成功する保証はありません。・当社グループが業界の変化に十分対応できる保証はありません。上記のリスクを含め、当社グループがこの分野に関連するいずれかのリスクへの対応に失敗した場合、当社グループの将来の成長及び収益性が低下し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合の激化当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合他社との競争激化、低価格品への需要シフト、製品ライフサイクルの短縮化、代替製品の出現等が考えられます。 当社グループは、事務機器分野におけるリーディングカンパニーとして新製品の導入や高品質、高付加価値製品の提供等により、顧客満足を得るべく努めておりますが、将来、効率的に競争を継続できる保証はありません。当社グループが競争力を維持できず、価格低下圧力に晒され、あるいは潜在的な顧客の獲得に失敗した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) グローバルな事業活動当社グループは事業活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国を含むその他地域で行っております。こうした海外市場で事業を行う際には、以下のような特有のリスクがあります。・好ましくない政治的又は経済的要因・為替レートの変動・潜在的に不利な税影響・予想外の法的、又は規制面の変化・知的所有権の保護制度の未整備・社員の採用と雇用維持及びマネジメントの難しさ・インフラの未整備グローバルな事業活動におけるリスクに当社グループが十分に対処できない場合、事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 主要市場における経済動向当社グループ製品に対する需要は日本、米国、欧州及び中国を含むその他地域等の当社グループの主要市場における景気変動の影響を受けます。主要市場の景気後退及び消費の落込みは当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 為替レートの変動当社の海外子会社の現地通貨建ての業績は各会計年度の平均レートを用いて円換算され、連結損益計算書及び連結包括利益計算書に計上されます。現地通貨建ての資産・負債は各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されます。従って、業績、資産・負債は為替レートの変動に左右されます。さらに、営業損益は為替レートの変動の影響を非常に受けやすくなっております。当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州及び中国等その他地域等で行っており、外貨建て収益及び費用の比率が高いためです。当社グループは米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っておりますが、為替水準の中・長期的な変動により将来の調達、生産、物流及び販売活動が困難になり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 部品や原材料の調達当社グループは部品や原材料を外部調達しており、幅広いサプライヤーから部品や原材料の供給を受けることで、質の確保はもとより、安定した価格及び量の確保を行っております。しかし、当社グループの製品は原油を原料とする部品や原材料を多数使用していることから、原油価格の高騰により、製造原価が上昇する可能性があります。また、サプライヤーに不測の事態が生じた場合やサプライヤーの部品や原材料に品質問題あるいは供給不足が発生した場合には、当社グループの生産活動が中断される可能性があります。当社グループがこれらの影響を販売価格に転嫁できなかった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 公的な規制当社グループは事業を展開している各国の政府の様々な規制及び認可手続きの影響を受けます。例えば、事業と投資計画の承認を得る必要があるほか、輸出規制と関税、並びに通商、独占禁止、特許、消費者と事業への課税、為替管理及び環境やリサイクル法等の規則や規制下にあります。当社グループは、CSR推進組織を設置し、遵法に関する社内的な諸活動を従業員に実施させ、これらの規則や規制に違反することを未然に防止しております。しかしながら、仮に当社グループがこうした規制のいずれかに準拠できない、又は必要な認可を得られない場合、各国での活動は制約される可能性があります。さらに、仮に規制に適合できても、それが費用の増加につながることも考えられます。従って、こうした規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 知的所有権の保護当社グループは数多くの知的所有権を保有し、ライセンス供与しております。当社グループが必要、又は望ましいと判断した場合、他社の知的所有権を利用するため、新たにライセンスを導入いたします。当社グループがこうした知的所有権の保護、維持、あるいは取得に失敗した場合、経営成績及び競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは知的所有権の対象となる発明に対して、その発明者に相当の報奨金を支給する等、適切な対応をとっております。しかしながら、将来、発明者から発明の報奨金について対価を請求する訴訟を起こされる可能性があります。 (9) 人材の確保当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に優秀な人材の確保と育成に注力しておりますが、優秀な人材の確保が計画どおり進まなかった場合や既存の優秀な人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10) 確定給付制度債務確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社グループはこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になる可能性があります。こうした追加的な資金拠出と費用負担が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 環境規制当社グループの事業は有害物質の排出、排水、使用及び処理、廃棄物処理、製品のリサイクル及び土壌と地下水の汚染等を管理する様々な環境法及び規制の制約を受けております。当社グループは現在及び過去の生産活動の中で環境責任というリスクに直面しております。将来の環境法遵守又は環境改善のための追加的な義務に関連した費用が当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) ファイナンス事業当社グループは当社グループ製品の販売及びリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。ファイナンス契約の締結前及びファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度及び信用の供与額を評価しています。信用リスクの集中、与信の未払い等の潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。このようなモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できる保証はありません。これに加えて、当社グループがお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期営業債権になります。しかし、当社グループはこうしたファイナンス契約用の資金を変動金利による短期借入での調達のほか、長期確定の債権に対する金利変動リスクをヘッジする目的で、契約期間にあわせた固定金利による調達も行っておりますが、こうした金利差を完全にヘッジすることはできません。仮に当社グループがファイナンス事業のこうしたリスクに十分に対処できない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) 製造物責任当社グループは当社グループ製品及びサービスに関連した欠陥や問題に対し責任を負う可能性があります。欠陥によっては、重大な賠償責任を負うことも考えられ、それが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、高度で複雑な技術を利用した製品及びサービスの提供が増加していくのに伴い、このような欠陥が発生する頻度は高まる可能性があります。当社グループの責任の拡大につながる可能性がある欠陥の潜在的な増加は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、万が一、欠陥が発生した場合における社会的評価の低下は、お客様の当社グループの製品及びサービスに対する購買意欲を低減させる可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。 (14) 他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資当社グループはお客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するため、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売する上で有効な手段であると考えております。しかしながら、業務提携・合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、製品及び人材等の統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり、また時間や費用等が想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループ事業に重大な影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15) 情報セキュリティ当社グループは事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また多くの個人情報を有しております。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する制度の徹底を図る社員教育や、情報へのアクセス管理等、内部管理体制についても強化しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担等の可能性があります。また、当社グループの機密事項が第三者に流出した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16) 災害等による影響当社グループは、地震、火災、台風、洪水等の災害や新型インフルエンザ等の感染症の流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するために、定期的な設備点検、防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築等、事業継続計画(BCP)を整備し影響の回避に努めています。しかし、大規模な地震、その他事業の継続に支障をきたす災害、事故の影響等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。