事業の概要
- デジタルサービスへの変革リコーグループは、複合機やプリンターなどの画像機器販売・保守サービスに加え、オフィス全体の業務効率化や働き方改革を支援するデジタルサービスへの転換を進めています。これは、単なる製品提供から、顧客の課題解決をサポートするサービス提供へとビジネスモデルをシフトさせることを意味します。
- グローバルな事業展開同社グループは、世界約200の国と地域で事業を展開しており、開発、生産、販売、サービスをグローバル体制で行っています。特に販売・サービスは、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジアなど多岐にわたる地域で展開し、広範な顧客基盤を築いています。
- 多様な事業セグメントデジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他という多角的な事業を展開しています。これにより、オフィス向けソリューションから産業用印刷、さらには新規事業まで、幅広い分野で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- デジタルサービス事業このセグメントは、オフィス向け複合機・プリンターなどの画像機器販売・保守サービスに加え、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスを提供しています。顧客のワークフロー変革や働き方改革を支援し、サービスを通じて収益を上げています。
- デジタルプロダクツ事業世界トップシェアを誇るオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナーなどの画像機器、デジタルコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEM含む)を行っています。主にハードウェアの製造・販売が中心で、安定した収益基盤を支えています。
- グラフィックコミュニケーションズ事業商用印刷と産業印刷の二つの領域で構成されています。商用印刷では、多品種少量印刷に対応するデジタル印刷関連製品・サービスを提供し、産業印刷では、建材・家具・服飾品生地など多様な素材への印刷を可能にする産業用インクジェットヘッドやインクなどを製造・販売しています。
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3 【事業の内容】当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社236社、関連会社18社で構成されております。当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。 事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。 <デジタルサービス>当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域において、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供しております。 <デジタルプロダクツ>当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナー等の画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでおります。 <グラフィックコミュニケーションズ>当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品(プロダクションプリンター等)・サービスを提供しております。産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地等、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンター等を製造・販売しております。 (上記3事業セグメントにおける主要な子会社)(設計及び開発・生産・その他)国内…エトリア㈱、リコーインダストリー㈱、㈱PFU米州…ETRIA MANUFACTURING USA INC.、RICOH PRINTING SYSTEMS AMERICA, INC.欧州…RICOH UK PRODUCTS LTD.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.その他地域…SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.、RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.、RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.、TOSHIBA TEC INFORMATION SYSTEMS (SHENZHEN) CO., LTD.、ETRIA LOGISTICS & PROCUREMENT H.K. LIMITED、ETRIA TRADING ASIA LIMITED、ETRIA MANUFACTURING MALAYSIA SDN. BHD. (販売・サービス・サポート)国内…リコージャパン㈱、リコーITソリューションズ㈱米州…RICOH AMERICAS HOLDINGS, INC.、RICOH CANADA INC.、RICOH USA, INC.、PFU AMERICA, INC.、RICOH SOUTH AMERICA DC S.A.欧州…RICOH EUROPE HOLDINGS PLC、RICOH SVERIGE AB.、RICOH UK LTD.、PFU (EMEA) LIMITED、PFH TECHNOLOGY GROUP UNLIMITED COMPANY、RICOH DEUTSCHLAND GMBH、DOCUWARE GMBH、RICOH INTERNATIONAL B.V.、RICOH NEDERLAND B.V.、RICOH EUROPE SCM B.V.、RICOH BELGIUM N.V.、REX-ROTARY S.A.S.、RICOH FRANCE S.A.S.、RICOH SCHWEIZ AG、RICOH ITALIA S.R.L.、NPO SISTEMI S.R.L.、RICOH ESPANA S.L.U.その他地域…RICOH CHINA CO., LTD.、RICOH ASIA PACIFIC OPERATIONS LTD.、RICOH HONG KONG LTD.、RICOH THAILAND LTD.、RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.、RICOH AUSTRALIA PTY, LTD.、RICOH NEW ZEALAND LTD. <インダストリアルソリューションズ>当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。サーマル事業:食品用のPOSラベル・バーコードラベル・配送ラベル等に利用されているサーマルペーパー・衣料品の値札・ブランドタグ・チケット等に使われる熱転写リボンを製造・販売しております。産業プロダクツ事業:光学技術や画像処理技術を活かした産業設備や精密機器部品等を提供しております。 (主要な子会社)(生産・その他)国内…リコーエレメックス㈱、リコーインダストリアルソリューションズ㈱その他地域…RICOH ELECTRONICS, INC.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.、RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD. <その他>当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等があります。 (主要な子会社)(生産・その他)国内…リコーイメージング㈱、リコークリエイティブサービス㈱その他地域…RICOH IMAGING PRODUCTS (VIETNAM) CO.,LTD. (販売・サービス・サポート)米州…RICOH IMAGING AMERICAS CORPORATION欧州…RICOH IMAGING EUROPE S.A.S. <事業系統図>以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめとする画像機器の開発・生産技術。 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:デジタルサービスの会社としての収益構造の移行 / デジタル技術の活用とデータ利活用の促進 / デジタルサービスの会社としてのR&Dプロセスの確立
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
リコーは長年の歴史を持つ複合機・OA機器メーカーであり、一定のブランド認知度は存在する。しかし、特許やIPによる明確な競争優位性は限定的で、競合他社との差別化は主に製品性能やサービスに依存している。具体的な独自技術やブランド価値が突出しているとは言えない。
スイッチングコスト★★★☆☆
複合機やOA機器は、導入時の初期投資や、保守契約、消耗品供給、社内システムとの連携など、乗り換えには一定の手間とコストがかかる。特に大企業や官公庁では、長年利用してきたベンダーとの関係性や、導入済みのシステムとの互換性を考慮すると、スイッチングコストは無視できないレベルにある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
リコーの主要事業である複合機やOA機器には、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。ユーザーが増えることで機器の価値が向上するわけではなく、個々の顧客との取引が中心となるビジネスモデルである。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造業としての経験や、サプライチェーンの最適化により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、グローバルな価格競争が激しい市場であり、構造的な圧倒的コスト優位性を確立しているとは言い難い。特に新興国メーカーとの価格競争は厳しい。
規模の経済★★★★☆
リコーは複合機・OA機器市場において、世界的に見ても主要なプレイヤーの一つであり、一定の市場シェアを確保している。グローバルな販売網やサービス網を構築しており、規模の経済による効率的な事業運営が可能である。この規模は、新規参入者にとって大きな障壁となり得る。
- 世界トップシェアの複合機リコーはオフィス向け複合機で世界トップシェアを誇り、この強固な基盤が安定した収益源となっています。長年の実績と信頼により、顧客は他社製品への切り替えにコストや手間がかかるため、高いスイッチングコストが競争優位性となっています。
- 広範な顧客基盤とサービス網全世界に広がる顧客基盤と、約200の国と地域をカバーする販売・サービス体制は、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客への継続的なサービス提供を可能にしています。これにより、顧客との長期的な関係を構築し、安定した収益を確保しています。
- 多様な技術と製品ポートフォリオ画像機器、デジタル印刷、産業用インクジェットヘッド、サーマルペーパー、光学技術を活かした精密機器部品など、多岐にわたる製品と技術を有しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、幅広い顧客ニーズに対応できる柔軟性を持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)変わることと変わらないこと当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (2) リコーの中期展望当社グループは、2023年3月に、同年4月からスタートする第21次中期経営戦略(以下、21次中経)を発表しました。使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。注力している領域は、働く人をタスクから解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、ワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービス、の3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や、ワークプレイス領域における課題把握力・提案力、そして魅力的な自社IPといった強みを活かしながら、ワークプレイスサービスプロバイダーとして、お客様に寄り添いながら継続的に価値を創造し、提供します。 ◆将来財務(ESG)の視点ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からの高まるESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めます。21次中経では、事業を通じた4つの社会課題解決と、それを支える3つの経営基盤強化の7つのマテリアリティ(重要社会課題)に取り組んでいます。また、これら7つのマテリアリティに対する評価指標として16のESG目標(将来財務目標)を設定しています。マテリアリティとESG目標は、グローバルなESGの潮流への対応と経営戦略の実行力向上の観点で設定しており、16のESG目標は各ビジネスユニット、機能別組織にブレークダウンして展開しています。「事業を通じた社会課題解決」では、お客様の“はたらく”を変革するデジタルサービスを提供し生産性向上と価値創造を支援しています。また、脱炭素社会、循環型社会の実現にも引き続き注力し、当社グループの強みである技術力と顧客接点力を活かし、地域・社会システムの維持発展、効率化に貢献しています。「経営基盤の強化」では、人権問題への対応の強化、デジタルサービスの会社への変革に向けたデジタル人材の量・質の確保、デジタルサービス関連特許の強化等に取り組んでいます。また、社会課題解決に貢献する事業とその貢献金額を明確化し、2025年度までの売上高目標を設定しました。今後もESGと事業成長の同軸化の取り組みを加速させていきます。2025年度の目標額、並びに2023年度及び2024年度における実績額は、以下表のとおりです。 マテリアリティ社会課題解決型事業21次中経目標(2025年度末)実績2023年度2024年度“はたらく”の変革オフィスサービススマートビジョン 等10,170億円9,260億円10,060億円地域・社会の発展GEMBA(オフィス以外を対象とした保守・サービス)自治体ソリューション教育ソリューション 等320億円200億円280億円脱炭素社会の実現循環型社会の実現環境配慮型複合機商用印刷シリコーントップライナーレスラベルラベルレスサーマル 等4,280億円3,150億円4,100億円 ◆21次中経基本方針中長期目標を達成するために掲げた「①地域戦略の強化とグループ経営の進化」「②現場・社会の領域における収益の柱を構築」「③グローバル人材の活躍」という3つの基本方針は継続して取り組んでいます。 基本方針① 地域戦略の強化とグループ経営の進化オフィスプリンティング以外の収益を積み上げ高収益な体質に変革していくために、顧客接点における価値創造能力の向上、当社グループ内でのシナジー発揮、継続した収益改善のために環境変化への対応力をつけていくことを重視し取り組みを進めました。この収益構造の変革に向けて、特に注力すべき価値提供領域を「プロセスオートメーション」「ワークプレイスエクスペリエンス」「ITサービス」と定め、地域ごとの特性を重視しながらリソースを集中的に投下し、サービス分野のストック収益を積み上げる戦略を実行しています。 基本方針② 現場・社会の領域における収益の柱を構築デジタルサービスの領域を拡げ、より幅広いお客様に価値を提供していくため、「現場・社会」領域での収益の柱の構築を21次中経の基本方針として掲げています。商用印刷事業を中心に進捗しており、リコーグラフィックコミュニケーションズの当連結会計年度の業績は前年度比で増収・増益となっています。引き続き「現場・社会」領域での収益の柱の構築に取り組むと同時に、事業ポートフォリオマネジメントを通じて、出口プロセスへの移行を判断した事業については適切な出口戦略を探索しながら、注力する事業領域を見極めていきます。 基本方針③ グローバル人材の活躍事業構造を変化させ、グローバルでの提供価値を拡大させるためには、社員の活躍が不可欠です。当社グループでは社員の能力やスキルを資本と捉え、人に対して積極的に投資をしていく人的資本戦略を策定しています。 ◆企業価値向上プロジェクト目指す姿の実現に向けて2023年4月から企業価値向上プロジェクトに取り組んでいます。株主・投資家・アナリストの皆様との対話や資本市場目線での分析など、様々な角度から企業価値向上に向けて当社グループが取り組むべき課題について検討を進めました。低PBRの最大の要因は収益性の低さにあり、今後デジタルサービスの会社として成長を実現するためには、各事業のビジネスモデルに適合した収益構造の実現が必要であることから、抜本的な収益構造変革を推し進めています。具体的に、① 本社改革、② 事業の「選択と集中」の加速、③ オフィスプリンティング事業の構造改革、④ オフィスサービス事業の利益成長の加速 の4つの領域で収益構造の変革に取り組んでいます。 ① 本社改革R&D投資は、デジタルサービスと親和性の高いワークプレイス領域によりフォーカスしていきます。また、顧客接点でより多くの価値を創造するデジタルサービス型へグループの経営体制をシフトしています。 ② 事業の「選択と集中」の加速デジタルサービスの会社への変革・資源配分の最適化に向けて、従前より進めていた事業ポートフォリオマネジメントの取り組みをさらに加速しています。当社グループの強みが生きる「ワークプレイス」を注力領域として、リソースを戦略的に配分し、事業ポートフォリオマネジメントで出口プロセスへの移行を判断した事業については出口戦略の検討とその実行を進めています。 ③ オフィスプリンティング事業の構造改革オフィスプリンティング市場は縮小するという認識のもと、売上高が減少したとしても収益を確保するための体質強化を進めています。東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社組成に加え、当該合弁会社への沖電気工業株式会社(以下、OKI)の参画を発表し、開発・生産の効率化やSCMの最適化などの取り組みを進めています。 ④ オフィスサービス利益成長の加速デジタルサービスのコアであるオフィスサービス事業については、お客様におけるオフィスサービスの導入率の向上やストック売上成長率の向上といった利益成長のメカニズムを意識しながら、継続的な収益性向上に取り組みます。また、提供価値最大化のため販売・サービスや支援業務については、インサイドセールス等も活用しながら、顧客との関係性を重視したデジタルサービスの会社として相応しい体制へと見直します。 デジタルサービスの会社としての利益成長を着実に進めるための継続的な収益改善とあわせ、中長期の視点を見据えた成長施策にも取り組むことで、継続的な企業価値向上を実現していきます。 ◆成長を支える資本政策当社グループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えながら、株主価値・企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら様々な手法・複数の視点で当社グループの資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。 企業価値最大化の実現に向けて、厳正な事業ポートフォリオ管理のもとで、各ビジネスユニットを投下資本利益率(以下、ROIC)や市場性などで評価した上で、合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。当社グループでの事業ポートフォリオマネジメントでは、収益性と市場性という従来型のポートフォリオの切り口に加えて、「デジタルサービス親和性」という観点からも評価を行っています。この3つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として必要な経営基盤の強化に努めています。また、中長期的に目指すROE 10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するため、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、それらの主要施策を全社のROICツリーに採用し、単純に財務数値化できないグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化した上で、「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標と施策の関連、KGI*1とKPIマネジメントを実施しています。なお、当連結会計年度のROIC*2は、3.2%となりました。*1 KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標*2 ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) 「リコー版ROICツリー」の概略損益計算書(P/L)に加えて、貸借対照表(B/S)も意識したKPIを設定し、個々の組織と全社の両視点でKPIマネジメントを実施。 デジタルサービスの会社への変革に向けて、リスク評価に基づき適切な資本構成を目指し、投資の原資に借入れを積極的に活用しながら、負債と資本をバランスよく事業に投資していきます。オフィスプリンティング事業などの成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する考えです。なお、2025年度は、経営環境の不確実性が残る想定のもと、格付や資金調達リスクを鑑みた資本構成で、成長のための資本を確保します。以降は、成長投資領域の安定事業化とあわせ、新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、柔軟に最適資本構成を調整していく考えです。事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資については、欧米におけるワークプレイスエクスペリエンス領域やアプリケーションサービス領域でのM&A投資など、事業成長のための投資を着実に進めています。財務規律を考慮しつつ企業価値最大化に向けた成長投資を継続します。投資原資は、営業キャッシュ・フローを中心に有利子負債も活用しながら戦略的に実施します。 株主還元方針については、引き続き総還元性向50%の方針を堅持していきます。総還元性向 50%を目安とした上で、配当利回りを意識し毎年利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。さらに、自己株式取得などの追加還元策は、経営環境や成長投資の状況を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき、機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。この株主還元方針を踏まえ、2024年2月7日から2024年8月30日の期間に 300億円の自己株式取得を実施しました。内訳は、前連結会計年度に 75億円、当連結会計年度に 225億円となります。なお、2024年9月30日に当該自己株式の消却を実施しました。また、2024年12月3日に 300億円の自己株式取得を実施し、2025年1月31日に当該自己株式の消却を実施しました。また、翌連結会計年度の配当見通しについては、当連結会計年度から1株当たり 2円増配し年間 40円を予定しています。* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り (3)翌連結会計年度の見通し当連結会計年度は、世界経済はインフレの鈍化もあり緩やかな成長は見せているものの、経済摩擦の増加やインフレの継続、為替相場の変動など、不透明な状況が続いています。また、米国の新たな関税政策はグローバルなサプライチェーンに大きな影響を与えることになります。翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高 25,600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 560億円としました。今般の新たな関税政策の導入に伴い、営業利益で 130億円程度の影響が生じる見込みです。この試算値は今後の前提の変化によって変更が生じる可能性がありますが、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネルなどの各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みます。加えて付加価値の高いストック契約の獲得などオフィスサービス事業での利益成長を図り、オフィスプリンティング事業においても効率的なMIF(市場稼働機)マネジメント・顧客ターゲティングの徹底により収益維持・改善に取り組みます。企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めていきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)変わることと変わらないこと当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (2) リコーの中期展望当社グループは、2023年3月に、同年4月からスタートする第21次中期経営戦略(以下、21次中経)を発表しました。使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。注力している領域は、働く人をタスクから解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、ワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービス、の3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や、ワークプレイス領域における課題把握力・提案力、そして魅力的な自社IPといった強みを活かしながら、ワークプレイスサービスプロバイダーとして、お客様に寄り添いながら継続的に価値を創造し、提供します。 ◆将来財務(ESG)の視点ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からの高まるESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めます。21次中経では、事業を通じた4つの社会課題解決と、それを支える3つの経営基盤強化の7つのマテリアリティ(重要社会課題)に取り組んでいます。また、これら7つのマテリアリティに対する評価指標として16のESG目標(将来財務目標)を設定しています。マテリアリティとESG目標は、グローバルなESGの潮流への対応と経営戦略の実行力向上の観点で設定しており、16のESG目標は各ビジネスユニット、機能別組織にブレークダウンして展開しています。「事業を通じた社会課題解決」では、お客様の“はたらく”を変革するデジタルサービスを提供し生産性向上と価値創造を支援しています。また、脱炭素社会、循環型社会の実現にも引き続き注力し、当社グループの強みである技術力と顧客接点力を活かし、地域・社会システムの維持発展、効率化に貢献しています。「経営基盤の強化」では、人権問題への対応の強化、デジタルサービスの会社への変革に向けたデジタル人材の量・質の確保、デジタルサービス関連特許の強化等に取り組んでいます。また、社会課題解決に貢献する事業とその貢献金額を明確化し、2025年度までの売上高目標を設定しました。今後もESGと事業成長の同軸化の取り組みを加速させていきます。2025年度の目標額、並びに2023年度及び2024年度における実績額は、以下表のとおりです。 マテリアリティ社会課題解決型事業21次中経目標(2025年度末)実績2023年度2024年度“はたらく”の変革オフィスサービススマートビジョン 等10,170億円9,260億円10,060億円地域・社会の発展GEMBA(オフィス以外を対象とした保守・サービス)自治体ソリューション教育ソリューション 等320億円200億円280億円脱炭素社会の実現循環型社会の実現環境配慮型複合機商用印刷シリコーントップライナーレスラベルラベルレスサーマル 等4,280億円3,150億円4,100億円 ◆21次中経基本方針中長期目標を達成するために掲げた「①地域戦略の強化とグループ経営の進化」「②現場・社会の領域における収益の柱を構築」「③グローバル人材の活躍」という3つの基本方針は継続して取り組んでいます。 基本方針① 地域戦略の強化とグループ経営の進化オフィスプリンティング以外の収益を積み上げ高収益な体質に変革していくために、顧客接点における価値創造能力の向上、当社グループ内でのシナジー発揮、継続した収益改善のために環境変化への対応力をつけていくことを重視し取り組みを進めました。この収益構造の変革に向けて、特に注力すべき価値提供領域を「プロセスオートメーション」「ワークプレイスエクスペリエンス」「ITサービス」と定め、地域ごとの特性を重視しながらリソースを集中的に投下し、サービス分野のストック収益を積み上げる戦略を実行しています。 基本方針② 現場・社会の領域における収益の柱を構築デジタルサービスの領域を拡げ、より幅広いお客様に価値を提供していくため、「現場・社会」領域での収益の柱の構築を21次中経の基本方針として掲げています。商用印刷事業を中心に進捗しており、リコーグラフィックコミュニケーションズの当連結会計年度の業績は前年度比で増収・増益となっています。引き続き「現場・社会」領域での収益の柱の構築に取り組むと同時に、事業ポートフォリオマネジメントを通じて、出口プロセスへの移行を判断した事業については適切な出口戦略を探索しながら、注力する事業領域を見極めていきます。 基本方針③ グローバル人材の活躍事業構造を変化させ、グローバルでの提供価値を拡大させるためには、社員の活躍が不可欠です。当社グループでは社員の能力やスキルを資本と捉え、人に対して積極的に投資をしていく人的資本戦略を策定しています。 ◆企業価値向上プロジェクト目指す姿の実現に向けて2023年4月から企業価値向上プロジェクトに取り組んでいます。株主・投資家・アナリストの皆様との対話や資本市場目線での分析など、様々な角度から企業価値向上に向けて当社グループが取り組むべき課題について検討を進めました。低PBRの最大の要因は収益性の低さにあり、今後デジタルサービスの会社として成長を実現するためには、各事業のビジネスモデルに適合した収益構造の実現が必要であることから、抜本的な収益構造変革を推し進めています。具体的に、① 本社改革、② 事業の「選択と集中」の加速、③ オフィスプリンティング事業の構造改革、④ オフィスサービス事業の利益成長の加速 の4つの領域で収益構造の変革に取り組んでいます。 ① 本社改革R&D投資は、デジタルサービスと親和性の高いワークプレイス領域によりフォーカスしていきます。また、顧客接点でより多くの価値を創造するデジタルサービス型へグループの経営体制をシフトしています。 ② 事業の「選択と集中」の加速デジタルサービスの会社への変革・資源配分の最適化に向けて、従前より進めていた事業ポートフォリオマネジメントの取り組みをさらに加速しています。当社グループの強みが生きる「ワークプレイス」を注力領域として、リソースを戦略的に配分し、事業ポートフォリオマネジメントで出口プロセスへの移行を判断した事業については出口戦略の検討とその実行を進めています。 ③ オフィスプリンティング事業の構造改革オフィスプリンティング市場は縮小するという認識のもと、売上高が減少したとしても収益を確保するための体質強化を進めています。東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社組成に加え、当該合弁会社への沖電気工業株式会社(以下、OKI)の参画を発表し、開発・生産の効率化やSCMの最適化などの取り組みを進めています。 ④ オフィスサービス利益成長の加速デジタルサービスのコアであるオフィスサービス事業については、お客様におけるオフィスサービスの導入率の向上やストック売上成長率の向上といった利益成長のメカニズムを意識しながら、継続的な収益性向上に取り組みます。また、提供価値最大化のため販売・サービスや支援業務については、インサイドセールス等も活用しながら、顧客との関係性を重視したデジタルサービスの会社として相応しい体制へと見直します。 デジタルサービスの会社としての利益成長を着実に進めるための継続的な収益改善とあわせ、中長期の視点を見据えた成長施策にも取り組むことで、継続的な企業価値向上を実現していきます。 ◆成長を支える資本政策当社グループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えながら、株主価値・企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら様々な手法・複数の視点で当社グループの資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。 企業価値最大化の実現に向けて、厳正な事業ポートフォリオ管理のもとで、各ビジネスユニットを投下資本利益率(以下、ROIC)や市場性などで評価した上で、合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。当社グループでの事業ポートフォリオマネジメントでは、収益性と市場性という従来型のポートフォリオの切り口に加えて、「デジタルサービス親和性」という観点からも評価を行っています。この3つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として必要な経営基盤の強化に努めています。また、中長期的に目指すROE 10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するため、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、それらの主要施策を全社のROICツリーに採用し、単純に財務数値化できないグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化した上で、「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標と施策の関連、KGI*1とKPIマネジメントを実施しています。なお、当連結会計年度のROIC*2は、3.2%となりました。*1 KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標*2 ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) 「リコー版ROICツリー」の概略損益計算書(P/L)に加えて、貸借対照表(B/S)も意識したKPIを設定し、個々の組織と全社の両視点でKPIマネジメントを実施。 デジタルサービスの会社への変革に向けて、リスク評価に基づき適切な資本構成を目指し、投資の原資に借入れを積極的に活用しながら、負債と資本をバランスよく事業に投資していきます。オフィスプリンティング事業などの成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する考えです。なお、2025年度は、経営環境の不確実性が残る想定のもと、格付や資金調達リスクを鑑みた資本構成で、成長のための資本を確保します。以降は、成長投資領域の安定事業化とあわせ、新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、柔軟に最適資本構成を調整していく考えです。事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資については、欧米におけるワークプレイスエクスペリエンス領域やアプリケーションサービス領域でのM&A投資など、事業成長のための投資を着実に進めています。財務規律を考慮しつつ企業価値最大化に向けた成長投資を継続します。投資原資は、営業キャッシュ・フローを中心に有利子負債も活用しながら戦略的に実施します。 株主還元方針については、引き続き総還元性向50%の方針を堅持していきます。総還元性向 50%を目安とした上で、配当利回りを意識し毎年利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。さらに、自己株式取得などの追加還元策は、経営環境や成長投資の状況を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき、機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。この株主還元方針を踏まえ、2024年2月7日から2024年8月30日の期間に 300億円の自己株式取得を実施しました。内訳は、前連結会計年度に 75億円、当連結会計年度に 225億円となります。なお、2024年9月30日に当該自己株式の消却を実施しました。また、2024年12月3日に 300億円の自己株式取得を実施し、2025年1月31日に当該自己株式の消却を実施しました。また、翌連結会計年度の配当見通しについては、当連結会計年度から1株当たり 2円増配し年間 40円を予定しています。* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り (3)翌連結会計年度の見通し当連結会計年度は、世界経済はインフレの鈍化もあり緩やかな成長は見せているものの、経済摩擦の増加やインフレの継続、為替相場の変動など、不透明な状況が続いています。また、米国の新たな関税政策はグローバルなサプライチェーンに大きな影響を与えることになります。翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高 25,600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 560億円としました。今般の新たな関税政策の導入に伴い、営業利益で 130億円程度の影響が生じる見込みです。この試算値は今後の前提の変化によって変更が生じる可能性がありますが、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネルなどの各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みます。加えて付加価値の高いストック契約の獲得などオフィスサービス事業での利益成長を図り、オフィスプリンティング事業においても効率的なMIF(市場稼働機)マネジメント・顧客ターゲティングの徹底により収益維持・改善に取り組みます。企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載しております。 (2) 経営成績経営を取り巻く経済環境当連結会計年度の世界経済は、インフレ率の低下を受けた中央銀行の金融緩和政策に支えられる形で、緩やかな成長を続けました。日本経済も、物価や賃金が上昇し、プラス金利が定着するなど、デフレからの脱却傾向が明確になりました。しかしながら、米国での政権交代以降、その通商政策の影響から世界経済や地政学を巡る不確実性が高まり、金融資本市場の変動も大きくなっています。このような経済情勢の中で、当社グループのメイン市場であるオフィスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方が定着し、AIやITの進化に伴って業務プロセスも変わり続けています。それによる顧客課題・ニーズも時代とともに変化し、プリンティング需要は減少傾向にあるものの、デジタルサービスの需要はより高まってきています。一方で、局所的な地政学リスクの高まりによる輸送費・部品費の高騰は続いており、賃金と物価上昇の圧力に対する各国の金融政策動向など、世界経済は依然として不透明な状況です。なお、主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 152.65円(前連結会計年度に比べ 8.12円の円安)、対ユーロが 163.86円(同 7.12円の円安)となりました。 当連結会計年度の業績当連結会計年度は当社グループ(当社及び関係会社)にとって、3カ年の21次中経の2年目となります。当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めました。当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの 当連結会計年度は、企業価値向上プロジェクトに最優先で取り組みました。デジタルサービスの会社として成長を実現するために、① 本社改革、② 事業の「選択と集中」の加速、③ オフィスプリンティング事業の構造改革、そして ④ オフィスサービス事業の利益成長の加速の4つの領域で収益構造の変革を進めました。 当連結会計年度の連結売上高は、25,278億円となりました。オフィスプリンティング事業では主に海外でハード・ノンハードの売上が減少しましたが、同事業における東芝テックとの開発・生産に関する合弁会社「エトリア株式会社」(以下、ETRIA)の組成、オフィスサービス事業の成長や円安の影響等もあり前連結会計年度に比べ 7.6%増加となりました(為替影響を除くと 4.4%の増加)。地域別では、国内は、法改正対応やセキュリティ関連需要を背景にスクラムシリーズが引き続き伸長したことに加え、パソコンの買い替え需要の増加やそれに伴うITサービス・アプリケーションサービスの拡販も進み、オフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。加えて、東芝テックとの複合機等の開発・生産に関する事業統合の効果もあり、前連結会計年度と比べ 11.3%の増加となりました。海外では、米州において、オフィスプリンティング事業でハード・ノンハードともに売上が減少しました。一方で、オフィスサービス事業において2022年9月に買収したCenero,LLC.(以下、Cenero)の貢献によりワークプレイスエクスペリエンスが拡大したことや、新製品の販売等によりプロダクションプリンターの売上がハード・ノンハードともに伸長したことに加え、円安の影響もあり、前連結会計年度比 4.1%の増加となりました(為替影響を除くと 1.4%の減少)。欧州・中東・アフリカにおいても、オフィスプリンティング事業でハード・ノンハードともに売上が減少しました。一方でオフィスサービス事業においては、ストック収益につながるITサービスやDocuWare GmbH(以下、DocuWare)のクラウドサービスが順調に拡大しました。また、プロダクションプリンターの伸長や、円安の影響もあり、前連結会計年度比 3.9%の増加となりました(為替影響を除くと 0.6%の減少)。その他の地域においては、中国での産業用インクジェットヘッドの販売好調等による売上の増加や円安の影響もあり、前連結会計年度比 14.8%の増加となりました(為替影響を除くと 9.9%の増加)。以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 5.5%の増加となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 0.4%の増加となります。 売上総利益は、オフィスプリンティング事業において売上の減少により利益が減少したものの、オフィスサービス事業や商用・産業印刷事業の成長、体質強化や円安の影響等により増加しました。結果、前連結会計年度に比べ 5.9%増加し 8,686億円となりました。 販売費及び一般管理費は、オフィスサービス等での事業成長経費に加え、企業価値向上プロジェクトの一環として海外でのオフィスプリンティング事業の販売・サービス体制の構造改革や、当社及び国内グループ会社でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上し、増加しました。海外での構造改革を中心に効果はあったものの、円安の影響により、前連結会計年度に比べ 6.4%増加し 8,189億円となりました。 その他の収益には、当連結会計年度に、当社の中国子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しております*。 *2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べて 18億円増加し 638億円となりました。 金融収益及び金融費用は、為替差益の増加の一方、支払利息の増加により前連結会計年度に比べ費用が増加しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益増加により前連結会計年度に比べ増加しました。 税引前利益は前連結会計年度に比べ 18億円増加し 700億円となりました。 法人所得税費用は、前連結会計年度から横ばいの 239億円となりました。 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて 15億円増加し 457億円となりました。 当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の減少等により、前連結会計年度に比べ減少し 429億円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日増減金額(%)金額(%)金額(%)デジタルサービス売上高計1,852,847100.01,930,109100.077,2624.2 外部顧客向け1,852,847 1,930,109 77,2624.2営業損益40,8022.232,2981.7△8,504△20.8デジタルプロダクツ売上高計484,430100.0584,626100.0100,19620.7 外部顧客向け95,943 157,065 61,12263.7営業損益17,3763.628,7414.911,36565.4グラフィックコミュニケーションズ売上高計262,127100.0292,663100.030,53611.6 外部顧客向け262,127 292,663 30,53611.6営業損益15,4895.923,1597.97,67049.5インダストリアルソリューションズ売上高計113,587100.0113,209100.0△378△0.3 外部顧客向け111,743 112,192 4490.4営業損益△322△0.3△1,821△1.6△1,499-その他売上高計45,616100.056,245100.010,62923.3 外部顧客向け26,327 35,847 9,52036.2営業損益△10,522△23.1△5,597△10.04,925-消去又は全社営業損益△800 △12,951 △12,151 a. デジタルサービス当連結会計年度のオフィスサービス事業は、国内において、法改正対応やセキュリティ関連需要を背景にスクラムシリーズが引き続き伸長したことに加え、パソコンの買い替え需要の増加やそれに伴うITサービス・アプリケーションサービスの拡販を進めることができました。並行して、中堅中小企業のお客様に向けて、セキュリティを確保しながら生産性向上を実現する商材の拡充も進めました。サイボウズ株式会社と共同開発したクラウド型の業務アプリケーションツール「RICOH kintone plus」を利用することで削減された時間・コストを算出できる「RICOH 導入効果測定プラグイン」 や、HENNGE株式会社と提携し、複数のクラウドサービスを利用するお客様の環境においてシングルサインオン、アクセス制御等を実現するクラウドセキュリティサービス「HENNGE One for RICOH」の提供を開始しました。米州においては、ドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスにおいて業務効率化とプライシングコントロールを行うことで収益性の改善を進めました。また、Ceneroによる当社既存顧客へのソリューション提案を積極的に進め、ワークプレイスエクスペリエンスが堅調に拡大しました。欧州・中東・アフリカにおいては、景気弱含みの影響により、一部商談の延期や長期化等が発生しましたが、ストック収益につながるITサービスやDocuWareのクラウドサービスが順調に拡大しました。また、2024年4月に買収したドイツのNatif.ai GmbH(以下、natif.ai)のAIを活用した先進的な画像認識やOCR技術を掛け合わせ、より幅広い業務領域への対応を進めました。 デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 4.2%増加し 19,301億円となりました(為替影響を除くと 1.2%の増加)。オフィスプリンティング事業はノンハードが弱含みで推移し、また海外を中心にハードの販売が伸び悩んだこと等により売上が減少しました。一方、オフィスサービス事業では、地域ごとに異なる顧客ニーズに対応したサービスや施策の展開により各地で売上が増加し、継続的な収益基盤となるストック売上高も前連結会計年度と比較し 14%増加となりました。オフィスサービス事業の成長により利益が増加したものの、オフィスプリンティング事業の売上減少や、企業価値向上プロジェクトの一環として取り組む販売・サービス体制見直しに伴う費用計上により、デジタルサービス全体の営業利益は 322億円となり、前連結会計年度に比べ 85億円減少しました。 b. デジタルプロダクツ 前連結会計年度に複合機の生産調整の影響を受けた一方、当連結会計年度は生産・販売体制が正常化し稼働率が向上したことで、コストダウンが順調に進展しました。また、お客様の生産性向上・DXを支援する複合機・プリンターを中心に、デジタルサービスの成長に寄与するエッジデバイスの製品群を強化しました。2024年7月、当社と東芝テックは複合機等の開発・生産を担う合弁会社ETRIAの組成を完了しました。また、2025年2月には、新たに3社目となるOKIのETRIAへの参画を発表しました。ETRIAは、参画各社の複合機・プリンターの基幹部分の共通化や、部品や材料の共同購買、生産拠点の相互活用を進め、競争力の高い製品の安定的な供給体制を構築し、モノづくり体質の強化を目指します。参画各社の製品ブランドや販売チャネルを維持しながら、ETRIAが生み出す競争力のある高品質・高付加価値な製品を提供し、お客様の生産性向上やDX支援に貢献します。オフィス向けの複合機・プリンターでは、2024年9月に発売した、環境負荷低減に配慮し、小規模の事業所や店舗・病院等限られたスペースに設置可能なA4カラープリンター「RICOH P C375/C375M」、A4カラープリンター複合機「RICOH P C370SF」、A4カラー複合機「RICOH IM C320F」をはじめとして、様々なお客様の幅広い業務やお困りごとに対応できる豊富なラインナップを強化しました。また、働き方が多様化する中で、コミュニケーションの生産性と創造性の向上に貢献するエッジデバイスの新製品として、ハイブリッドな働き方に最適なコラボレーションボード「RICOH Collaboration Board W5500/W6500/W7500」及び、複眼の360度カメラが一体となったWEB会議用マイクスピーカー「RICOH Meeting 360 V2」等の発売により、オフィスだけではなく生産現場・教育現場・医療現場等様々な場所で働くお客様のコミュニケーションの効率化に貢献しました。デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 63.7%増加し 1,570億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 20.7%増加の 5,846億円となりました。前連結会計年度は複合機の生産調整の影響を受けましたが、当連結会計年度は生産・販売量の正常化により増収となりました。売上の増加に加え、A3複合機の生産量増加による製品ミックスの改善や生産・開発の体質強化の継続により利益が改善しました。また、ETRIA組成による東芝テックとの複合機等の開発・生産に関する事業統合も、売上高、営業利益の増加に寄与しています。結果として、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 287億円となり、前連結会計年度に比べ 113億円増加しました。 c. グラフィックコミュニケーションズ商用印刷市場のお客様においては、印刷物のデジタル化・ペーパーレス化による小ロットでの発注の増加や、より多様化する印刷物に対し複雑化する作業工程への対応が求められています。また、印刷現場における人手不足から、オペレーションの効率化に対する要望が高まっています。当連結会計年度は、ドイツのデュッセルドルフで開催された世界最大規模の国際印刷・メディア産業展「drupa2024」に出展し、お客様の環境にあわせて業務の自働化・効率化・可視化を実現する製品やサービスを紹介しました。世界中の様々な商用・産業印刷のお客様から100件以上の受注獲得や、多くの関心をいただく等、実りあるパートナーシップの強化につながりました。2024年9月、コピー/スキャナー機能を搭載したモノクロプロダクションプリンター「RICOH Pro 8420S/8410S/8400S」、「RICOH Pro 8420Y/8420HT/8410Y/8410HT」の合わせて5機種7モデルを発売しました。高速出力、高画質に加えて、新たな自動原稿送り装置の採用で名刺や領収書等小サイズ原稿の読み取り対応やスキャンスピードが向上しました。また、オフィス向け複合機と共通の操作部を採用していることで、様々なアプリケーションの利用が可能なため、官公庁やオフィスでの大量出力業務や、商用印刷等に幅広く活用いただけます。さらに、機器本体には再生プラスチックや電炉鋼板を使用しており、お客様の環境経営への取り組みにも寄与します。グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 11.6%増加し 2,926億円となりました(為替影響を除くと 7.0%の増加)。商用印刷事業では、新製品の拡販やdrupaにおける受注案件の納入等によりプロダクションプリンターの販売が欧米を中心に増加したことに加え、ノンハード売上も堅調に成長しました。産業印刷事業ではサイングラフィック用途の需要の増加を背景にインクジェットヘッドの販売が増加しました。売上高の増加、前連結会計年度に実施した構造改革の効果に加え、円安効果もありグラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 231億円となり、前連結会計年度に比べ 76億円増加しました。 d. インダストリアルソリューションズ当連結会計年度は、サーマル事業では、成長性の高い社会課題解決型製品拡販による収益拡大を進めました。当社グループは長年培った感熱紙の技術により、剥離紙を用いない感熱ラベルとしてシリコーントップライナーレスラベル(以下、SLL)を販売しています。SLLは、剥離紙を用いないため、紙の使用量を削減し(省資源)、環境負荷低減(CO2排出削減)に貢献する製品です。近年の環境意識の高まりから食品等の用途において好調に推移しました。また、当社グループが開発した、サーマルインクをコーティングすることで、フィルム、紙、段ボール等の様々なメディアに直接印字が可能な「ラベルレスサーマル」を使用した商品パッケージの導入が、大手コンビニエンスストアの食品用ラベルを中心に進んでいます。本製品により、従来使用していた紙ラベル等の間接資材がなくなることにより作業工程の効率化が進み、お客様の生産性の向上を実現します。産業プロダクツ事業では、長年製造業として培ってきた技術を活かし、製造現場におけるミス・不良品の撲滅、生産効率の向上、人手不足の解消を目指しています。当連結会計年度は、これらの各種製品の拡販に加え、モノづくり強化と設計プロセスの変革を通して、収益力強化に注力しました。なお、2024年9月には、車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行っていたオプティカル事業の譲渡が完了しました。インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 0.4%増加し 1,121億円となりました(為替影響を除くと 2.7%の減少)。サーマル事業において、国内ではSLL販売が好調に推移したものの、欧州では市況の停滞と価格競争により販売が伸び悩みました。産業プロダクツ事業では、オプティカル事業の譲渡が影響し減収となりました。購買・生産効率化によるコストダウンやプライシングコントロールもあり利益が改善しましたが、オプティカル事業の譲渡に伴う環境対応等の一過性費用の影響により、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は 18億円(損失)となり、前連結会計年度に比べ利益が 14億円減少しました。 e. その他その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 36.2%増加し 358億円となりました(為替影響を除くと 32.9%の増加)。カメラ関連事業が新製品の貢献等により好調で増収増益となりました。加えて、新規事業創出のための先行投資においても、企業価値向上プロジェクトの一環として「選択と集中」を進めたこと等により、その他全体の営業損益は 55億円(損失)となり、前連結会計年度に比べ 49億円改善しました。 f. 消去又は全社消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。当連結会計年度に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上したこと等により、営業利益が前連結会計年度に比べ 121億円減少しました。 (注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。① 生産実績前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス---デジタルプロダクツ429,701495,98915.4グラフィックコミュニケーションズ176,315192,5599.2インダストリアルソリューションズ103,780106,0122.2その他37,98441,5299.3合計747,780836,08911.8 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。 ② 受注実績当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。 ③ 販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス1,852,8471,930,1094.2デジタルプロダクツ95,943157,06563.7グラフィックコミュニケーションズ262,127292,66311.6インダストリアルソリューションズ111,743112,1920.4その他26,32735,84736.2合計2,348,9872,527,8767.6 (注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。 (3) 財政状態資産合計は、前連結会計年度末に比べ 709億円増加し 23,571億円となりました。前連結会計年度末と比較してETRIAの組成に伴い東芝テックからの承継資産等が増加しました。為替及び東芝テックからの承継資産の影響を除いた試算では 251億円の増加となります。主要通貨の当連結会計年度の期末日レートは、対米ドルが 149.52円(前連結会計年度に比べ 1.89円の円高)、対ユーロが 162.08円(同 1.16円の円高)となりました。資産の部では、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ 136億円増加しました。また、natif.aiの買収やETRIA組成によりのれん及び無形資産が 203億円増加したことに加え、リース債権等の金融資産が流動資産と非流動資産を合わせ 169億円増加しました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ 813億円増加し 13,023億円となりました。社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 910億円増加しました。資本合計は、前連結会計年度末から 103億円減少し、10,547億円となりました。資本の部では、ETRIA組成や株式会社PFU(以下、PFU)及びElixirgen Scientific Inc.(以下、Elixirgen Scientific)の完全子会社化に伴い、結果として、資本剰余金が増加し、非支配持分が減少しました。一方で、円高により在外営業活動体の換算差額が減少したことに加え、株主還元策として 524億円の自己株式の取得を行い、前連結会計年度に取得した自己株式と合わせて 599億円の消却を実施しました。結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 86億円減少し 10,301億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.7ポイント減少し 43.7%となりました。 (4) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 112億円増加し 1,368億円の収入となりました。当連結会計年度は、当社の中国子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴う預り金の返還等による支出の増加があったものの、営業債権の減少や営業債務の増加等運転資本の改善により、結果として現金収入が増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 184億円減少し 793億円の支出となりました。前連結会計年度は、アイルランドのITサービス会社 PFH Technology Groupの買収による支出、当連結会計年度はnatif.aiの買収による支出、オプティカル事業の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 297億円増加し 575億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 373億円減少し 455億円の支出となりました。当連結会計年度は、株主還元策として自己株式の取得による支出、PFUやElixirgen Scientificの完全子会社化による支出があった一方で、借入等資金調達の実施による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 122億円増加し 1,818億円となりました。 当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 ◆成長を支える資本政策」をご覧ください。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期親会社所有者帰属持分比率48.7 %48.7 %43.3 %45.4 %43.7 %時価ベースの親会社所有者帰属持分比率42.8 %36.5 %28.1 %35.7 %38.1 %債務償還年数1.8 年2.9 年5.4 年2.8 年3.2 年インタレスト・カバレッジ・レシオ47.1 倍26.9 倍13.2 倍32.3 倍26.1 倍 親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。 ※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。 当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。現金及び資産負債総合管理 事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。 資金源泉 当社グループは主に手元資金及び現金同等物の活用と併せて、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,818億円、信用枠は 3,832億円であり、そのうち未使用残高は 3,581億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,832億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2025年6月20日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。 必要資金及び契約債務 当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
事業リスク
- 収益構造変革の遅れデジタルサービスへの移行が計画通りに進まず、主力である印刷量の減少をオフィスサービス事業などの成長で補いきれない場合、収益性の向上が遅れる可能性があります。これにより、中期的な財務目標達成に影響が出て、企業価値が低迷するリスクがあります。
- デジタル技術活用と人材育成の遅延AIなどのデジタル技術活用やデータ利活用、実践型デジタル人材の育成が遅れると、グローバル競争におけるレジリエンス(回復力)が低下し、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、データガバナンスや基幹システム刷新の遅れは、業務効率の低下を招きます。
- 情報セキュリティリスクの増大デジタルサービスの活用や自社業務のデジタル化が進む中で、サイバー攻撃の高度化や情報漏洩のリスクが増大しています。NIST SP800-171などの国際的なセキュリティ基準への未準拠や、製品・サービスのセキュリティ不備は、企業ブランド価値の毀損やビジネス機会の喪失、制裁金発生につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。 (1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)(2) 事業領域固有の重要なリスク(ビジネスユニットリスク)(3) その他各機能領域のリスク(機能別組織リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 ■「重点経営リスク」の選定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし合わせ、経営に大きな影響を及ぼすリスク(利害関係者への影響含む)を網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1参照) 図1:重点経営リスクの選定プロセス ・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。・外部環境、内部環境の変化に加え、経営陣のリスクに対する見解を加味してリスクの特定と分類を行い、それぞれのリスクにおいて緊急度・影響度・リスクマネジメントレベルを検討し、リスクの評価を行っています。(図2参照) 図2:重点経営リスクの評価プロセス ・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。 なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅹ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。 ■事業等のリスク(詳細)(1) 当社グループの経営上重要なリスク重点経営戦略リスクリスク項目名:①デジタルサービスの会社としての収益構造の移行緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Cリスクの説明:デジタルサービスの会社として成長するため収益構造変革に取り組んでいますが、印刷量の減少加速をオフィスサービス事業等の成長でカバーしきれないことによる収益性の向上が実現できず、中期の財務目標(営業利益/ROE)の達成に遅れが生じることで企業価値の低迷につながるリスクがあります。リスクの対策:PBR低迷の要因は収益性の低さにあるという分析結果を基に、収益構造の転換に向けて、企業価値向上プロジェクトで以下のテーマに取り組んでおります。・デジタルサービスの会社に適した本社機能への変革・事業の「選択と集中」の加速・オフィスプリンティング事業の構造変革・オフィスサービス事業の利益成長の加速これらを実現するための人材ポートフォリオ最適化や新たなリソースを獲得するためのM&A人材の育成強化も進めております。 重点経営戦略リスクリスク項目名:②デジタル技術の活用とデータ利活用の促進 緊急度影響度リスクマネジメントレベル実践型デジタル人材52Bデータコンテンツ利活用推進と基盤強化43Bオペレーショナルエクセレンスの実現43Bリスクの説明:デジタル技術(AI等)とデータを活用するデジタル戦略の推進加速に向け、本社機能と各ビジネスユニットが一体となり、実践型デジタル人材の育成、事業におけるデータ利活用の推進、オペレーショナルエクセレンスの実現等を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:グローバルでの競争激化の中でレジリエンスを高めていくために、デジタル戦略の推進加速が重要であり、例えば以下のような施策の強化に努めております。・人材ポートフォリオマネジメント強化による、実践型デジタル人材へのスキルアップの推進・データ利活用促進に向けた、データガバナンスルールの策定と推進・オペレーショナルエクセレンスの実現に向けた、基幹システム刷新のプロジェクトマネジメント及び内製化の強化、生産性向上に向けたプロセスDX*1の実践範囲の拡大 *1 プロセスDX:デジタル技術を活用し仕事やプロセスのリデザインをすること 重点経営戦略リスクリスク項目名:③デジタルサービスの会社としてのR&Dプロセスの確立緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:デジタルサービスの会社として、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスにシフトできないことにより、技術投資における投資利益率の向上を実現できないリスクがあります。また、AI応用等でのELSI*2対応力不足による企業信頼失墜・事業機会損失発生のリスクもあります。リスクの対策:R&D投資の注力領域への集中と、投資配分のガバナンス強化を進め、マーケットイン型/オープンイノベーション型のR&Dプロセスへの移行を進めてまいります。また、技術倫理についての推進体制のもと、倫理啓発活動に加え、価値創出プロセスにおける技術倫理活動等、更なる強化を図ってまいります。 *2 ELSI(Ethical, Legal and Social Issues): 倫理的・法的・社会的課題 重点経営戦略リスクリスク項目名:④情報セキュリティ対応強化 緊急度影響度リスクマネジメントレベルNIST SP800-171準拠対応53Cセキュリティ対応42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への変革に向け、様々なデジタルサービスの活用・提供、自社業務のデジタル化の実践等を行っております。その上で、情報セキュリティを確保する体制・運用を重視し取り組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。 ・NIST SP800-171未準拠リスクサイバー攻撃の増加・高度化により、情報保護強化が高い水準を求められる状況にあり、米国政府はNIST SP800-171、日本政府は防衛産業サイバーセキュリティ基準(NIST SP800-171同等)を策定しました。それらの基準が、民間企業との取引にも適用され始めております。未準拠の場合、情報保護に対する事業影響(企業ブランド価値の棄損やビジネス機会の喪失等)が発生する可能性があります。 ・プロダクトセキュリティリスク製品/サービスのセキュリティ対策不備と、その不備によりお客様環境等への攻撃の踏み台として悪用される等のインシデントが発生する可能性があります。また、インシデント発生の脅威からお客様や企業を守るため、各国がセキュリティに関する法規制を強化しておりますが、法規制の変化に追従できないことによる制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 ・コーポレートセキュリティリスク巧妙化・複雑化するサイバー攻撃により、当社グループ各社の業務システムの停止/誤作動や、データの改ざん/漏洩/破壊等の業務影響の発生により事業活動停止のリスクが想定されます。 ・ファクトリーセキュリティリスク生産工程でのデジタル技術の利活用が進むことにより、サイバーセキュリティリスクも懸念され、生産の一部がセキュリティインシデントにより停止するといったリスクが想定されます。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク各国でデータプライバシー及び個人情報保護に関する法律(改正個人情報保護法やGDPR*3等)が施行され、自国外の事象にまで適用(域外適用)されております。グローバルで個人情報/個人データを取り扱うにあたり各国の法律に抵触した場合、制裁金の支払いや社会的信用の低下による事業影響が発生する可能性があります。 ・セキュリティガバナンスリスクセキュリティガバナンスとは、情報資産を適切に管理・保護し、セキュリティリスクを軽減するための組織的な取り組みであり、経営主体の取り組み不備により不正アクセス、システム停止等のリスクが想定されます。また、セキュリティガバナンスは自社のみにとどまらず、サプライチェーン企業(委託先等)を巻き込んだセキュリティ体制構築への取り組み不備、それに対する攻撃によりサプライチェーンが途絶えたり、滞ることに起因した、自社製品/サービスの供給の停止、顧客情報等の流出により事業影響が発生する可能性があります。 *3 GDPR(General Data Protection Regulation):欧州の個人情報保護に関する規制 リスクの対策:各国、国策レベルで対策が求められてきている中、変化し続ける情報セキュリティ情勢を常に把握した上で、グローバルに活動拠点のある当社グループにとって適切な対策を検討・推進していくことを、最重要課題の一つと位置づけております。 ・NIST SP800-171 未準拠リスク世界中のお客様に対してセキュアな「製品・サービス」を提供するため、国際基準のセキュリティニーズに対応してまいります。ワークフローをデジタル化してお客様へ付加価値を提供する等、お客様の情報資産を守ることを目的とした「事業環境」の整備やモノづくりに取り組んでおります。NIST SP800-171への準拠の考え方は、単にNIST SP800-171の要件に対応することだけではなく、お客様の情報資産を守ることを取り組みの目的の本質としております。お客様の事業環境において、お客様が守りたいと考える情報資産を取り扱う可能性がある「製品・サービス」をサイバー攻撃から守るという目的と、その「製品・サービス」をお客様に提供するまでのバリューチェーンにおいて、取り扱う情報資産を守るという目的の2つがあります。当社グループではデジタルサービスを提供する事業者として、お客様の情報資産を第一に配慮したセキュリティ活動を行い、NIST SP800-171への準拠を目指します。 ・プロダクトセキュリティリスクセキュリティに関わる品質マネジメントを一層強化すると共に、発売済みの製品/提供中のサービスに対しても脆弱性の確認を行い、脆弱性が発見された場合に適切に対応します。そのために、セキュリティ問題の専用窓口の設置、製品の脆弱性対応ガイドラインの整備、各国法規制の変化への対応等の活動を実施します。 ・コーポレートセキュリティリスクセキュリティ情報サイトからの情報を基に脅威を分析し、更に保有するITシステムを常時監視することで、外部からの不正侵入、内部からの不正利用をいち早く検知し、インシデントの早期対応を行います。 ・ファクトリーセキュリティリスク当社グループ各社の生産工場において、経済産業省の工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン等に基づき、各生産工場に関わるセキュリティリスクを適時評価し、継続的に対策検討・実施しております。 ・個人情報保護等、データプライバシーリスク個人情報取扱規程の改訂や個人情報の取扱状況の調査・是正等、整備が進む各国の法律を踏まえた対応方針の策定と対策の実施を進めております。 ・セキュリティガバナンスリスク経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドライン等の活用により、サイバー攻撃における経営視点での対応を成熟化させると共に、サプライチェーンにおけるセキュリティリスクを低減します。 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤人材の確保・育成・管理緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への事業変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存しております。特に将来の経営人材の育成を継続して行わなければ、当社グループの業績、成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。リスクの対策:前年度から次世代リーダー候補の定義を見直し、役職や年代、ジェンダー等の切り口から課題を可視化できる形に改善し、その上で中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成等を包括的に進めております。また、管理職研修も当年度一新し、自律を促す環境をつくるために必要な管理職の意識変革のための研修を国内リコーグループ各社*4の管理職に実施しております。 *4 リコージャパンは同様の研修を自社で展開しているため対象外 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥ESG/SDGsの深化 緊急度影響度リスクマネジメントレベル人権52C環境保全42CESG情報開示42Cリスクの説明:ESG/SDGsへの対応は、当社グループの事業活動に対して中長期的影響を及ぼすリスクであり、特に人権、脱炭素、厳格化が進む環境規制・規格への対応を重要なリスクと捉え、活動しております。加えて従来、任意であったESG関連の情報開示がグローバルに義務化されつつあり法定開示化が進んでおります。これらの対応を競合に遅れることなく進めなければ商談機会の損失等、ビジネスへの悪影響にとどまらず、社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損等、会社に甚大な損害を与える可能性があります。リスクの対策:以下の対応を強化しています。・人権対応として、RBA*5ベースのESGリスクアセスメントを全生産拠点に展開及び重要サプライヤーのESGマネジメントを強化すると共に、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを構築し活動することで、人権リスクの低減を進めております。・環境保全対策として、中長期の脱炭素ロードマップと年間再エネ導入戦略を策定し脱炭素活動を展開、画像製品における様々な規制/規格の基準案に対する対応の検討を推進、また土壌地下水汚染に対する計画立案と確実な実施を進めております。・ESG情報開示規制に対しては、ISSB*6やCSRD*7等の国際開示基準にて求められている第三者保証に耐えうるESGデータ収集プロセスの整備を進めております。 *5 RBA(Responsible Business Alliance):グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任を果たすことを目的としたグローバルな企業同盟*6 ISSB(International Sustainability Standards Board):企業に対するサステナビリティ情報の開示基準を策定する国際機関*7 CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive):EU域内の大企業や上場企業に対するサステナビリティ情報開示規制 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦地政学リスクへの適切な対応緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:・グローバルで事業活動を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。・各国の法規制強化、国家間の牽制等の地政学リスクにより、ビジネス機会を損失するリスク等が考えられます。リスクの対策:予防・対応プロセスを強化しております。各国の法規制情報収集の強化、重要部品別に複数仕入先の選定等、今後も円滑な事業活動を行うため、経営にて審議し、迅速かつ適切な対応に取り組んでまいります。また、米国新政権の政策や多様なリスクの連鎖が国際情勢に及ぼす影響について、短期的な視点とともに、中長期的な視点も含め、対応体制を整備しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品の長期供給遅れ・停止 緊急度影響度リスクマネジメントレベル地震・噴火・台風32Bリスクの説明:大規模地震、津波、洪水、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態により、以下のような事象が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。・部品供給の遅延や停止・製品工場の製造の遅延や停止・輸送機関の遅延や停止・販売会社への供給遅延や停止リスクの対策:リスク発生時を想定した以下の予防・対応プロセスを強化しております。・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先選定又は代替品の選定・購買、生産等の領域ごとのアラートレベルの設定と運用・リモートワーク等の新しい働き方を想定したBCP訓練加えて、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行っております。従来時間を要していた仕入先の状況確認を、ツールの導入で短縮しました。今後も有効性の確認と改善を継続的に行ってまいります。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故 緊急度影響度リスクマネジメントレベル国内:地震・噴火13C国内:風水雪害51C国外:大規模な自然災害/事件事故31Cリスクの説明:国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じ、経営に著しい影響を及ぼすリスクを想定しております。リスクの対策:当該リスク対応において、以下のような対策を行っております。 国内・災害発生時に適切な対応が図れる仕組みの構築及び継続的な見直しを行っております。・災害による被害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限におさえるために、国内の当社グループ合同での災害対策訓練や事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練含む)、建屋の耐震対応や有事に使用する設備の点検・維持等災害に強い職場づくりに取り組んでおります。・水害リスク対応として、大規模な水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づいた机上訓練や実地訓練を行っております。また、比較的高いリスクが想定される拠点に対する水害対策工事の実施、並びに水害リスク情報の可視化ツールの運用を開始する等、当社グループ全拠点で水害情報の施策立案を展開すると共に、従業員の対応力向上を図っております。・噴火リスク対応として、当社グループ国内火山噴火(富士山を含む)ガイドラインを策定しております。 国外・海外の関連会社を対象とした危機対応標準を制定し、自然災害・事故・事件が発生した場合の対応基本方針を定めると共に、各組織の役割及び責任を明確にしております。・海外関連会社の重大な自然災害リスクを把握し、第三者の情報と差異があった場合は必要な対応を指示、危機発生時の報告ルートを確認、BCP構築・運用に課題がある会社の支援を実施する等、海外関連会社の危機管理対応力を強化しております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③役員・従業員に関わるコンプライアンスリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:コンプライアンス問題(法令違反、ハラスメント、社内ルールや当社グループ企業行動規範に反する行動)が発生し、適切な対応がされなかった場合、社会的問題に拡大するリスク等が考えられます。リスクの対策:国内・国外・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置しております。・コンプライアンス違反の事例を共有し、適切な対処を学ぶ機会を設けております。・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。国内・マネジャー向けのコンプライアンス遵守・労務管理教育を実施しております。・労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。 重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:④グループガバナンスに関するリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:社内外の環境変化が激しい時代において、健全な成長を維持するためにグループガバナンスの強化が非常に重要ですが、本社のガバナンスが適切に機能していない場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。・社内外の環境変化に伴う世論の動向や法規制の制改訂に対し、方針策定や対応が迅速かつ柔軟に行われない場合、倫理的な問題やコンプライアンス違反が発生するリスクがあります。・当社グループ各社のガバナンスの整備・運用状況、業務プロセスに対する本社の管理監督が不十分な場合、不正や不祥事等が生じ、ブランドイメージや信頼性の低下、ひいては持続的な成長や企業価値の向上に対するリスクが高まることになります。リスクの対策:・組織体制の検討時には、グループガバナンスのリスクを極小化するために、リスクに対して柔軟かつ迅速に対応できるよう、ガバナンス面の考慮をより強化します。・当社グループ各社が全社方針のもとで自律的にガバナンスを整備・運用できるよう、本社及び主管管理部門が連携し、各社固有の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じた適切な指導及び管理監督を行ってまいります。特に、合弁会社であるエトリア株式会社については、参画企業の文化との融合とグループガバナンスのバランスを保ちながら、成長をさらに促進するための環境を整えてまいります。 (2) 事業領域固有の重要なリスクリスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場において、リモートワークの増加やペーパーレス化に伴いプリント出力が減少し、業績に影響を与える可能性があります。リスクの対策:既存のオフィスプリンティング事業の顧客基盤の維持・拡大に取り組み、社内プロセスはSCMの徹底効率化やオペレーショナルエクセレンスにより、更なる収益性の向上を図っております。合わせてオフィスサービス事業においては、プロセスオートメーションとワークプレイスエクスペリエンスを中心に着実に成長を実現しており、オフィスサービス事業のストック収益の拡大を加速させることでオフィスプリンティング領域のリスクヘッジを進めております。また、複合機を含むエッジデバイスの供給体制については、他社との協業を進めて最適な生産・開発体制を構築することで競争力のある製品を提供し、利益率の向上によるリスクヘッジを行っております。 リスク項目名:②デジタルサービスの成長に向けたリソース確保緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:デジタルサービスの成長に向けてはコンサルティング・インテグレーションができるデジタル人材の確保が必要要件の1つとなっております。慢性的な人手不足を背景にしたIoTやAIを活用した業務改革の潮流はより一層強まっており、デジタル人材を確保する動きがより高まっているため十分に確保できない可能性があります。リスクの対策:優秀なデジタル人材の流出防止及び獲得の為に、プロフェッショナル人事制度の構築等の人事制度改革を進めております。また、人的資本戦略を策定し、グループ全体の社員のスキルの底上げに加え、デジタルアカデミーやリスキリングプログラムの策定・実施を通じて、プロセスDXの実践人材やデジタルエキスパート人材の育成に努めております。 リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:リモートワークやペーパーレスの拡大により企業内の大量印刷需要の減少やプリント出力量の集約・統合により、商用印刷事業領域における企業内印刷事業の業績が下振れするリスクがあります。リスクの対策:企業内印刷事業での業績下振れリスクを低減するために、未開拓の欧米代理店や新興国の開拓を進めると共に、事業ポートフォリオマネジメントの実施により今後も市場成長が見込まれている商用印刷事業の高付加価値領域やインクジェット技術・製品へのリソース投入を強化し、事業構造変革を進めております。 リスク項目名:④サーマル市場の成長鈍化、収益性の低下緊急度影響度リスクマネジメントレベル32Cリスクの説明:サーマル市場は世界的な人口増加に伴う消費財の増加により堅調に成長しているものの、コモディティ化が進行しております。グローバルに事業を展開しておりますが、各地域の景気回復が遅れて成長が鈍化し、収益性悪化や過剰在庫・設備稼働率悪化となる可能性があります。リスクの対策:市場動向のモニタリング体制を強化し、需要予測の精緻化と日常管理体制の強化を進めております。各地域の景気動向による需要の増減がある中、グローバルの販売網・生産インフラを活用し、最適な地域での生産・供給オペレーションを実施することで業績変動リスクの最小化に努めております。また、包装資材に直接印字するスマートパッケージング事業を拡大することにより社会課題の解決に貢献すると同時に収益の安定化を図っております。 (3) その他各機能領域のリスクリスク項目名:①のれん、固定資産の減損緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Bリスクの説明:企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。これらの資産については、今後の事業計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務、戦略、リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。 リスク項目名:②繰延税金資産緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Cリスクの説明:税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクの対策:繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。 リスク項目名:③知的財産権の保護緊急度影響度リスクマネジメントレベル21Bリスクの説明:知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。更に、新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。リスクの対策:特許等の出願前に先行技術調査を徹底すると共に、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。 リスク項目名:④製品品質・製造物責任緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:製造・販売する製品に、以下のような事象が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化リスクの対策:「製品品質・製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障・事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映し、リスク低減につなげております。・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるために、体制を整備しております。・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。 リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理)緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Bリスクの説明:事業活動を行う中で、以下のような要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。・輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因による各国輸出規制法違反による罰金や刑事罰リスクの対策:・代表取締役社長執行役員・CEOをトップとし、専任組織である輸出入管理統括部門によるグループ輸出入管理委員会体制によるガバナンスの強化を行っております。・当社グループ役員及び社員への定期的な教育、事業部門及び当社グループへの輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っております。・専門部門による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っております。 リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、独占禁止法及び競争法の違反が発生した場合、課徴金納付命令等の行政当局による処分や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門が主導し、各国競争法の遵守、教育活動及び発生時対応の強化に努めております。 リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。リスクの対策:環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底と共に、規制変化等のタイムリーな把握・対応を行っております。また、M&Aにおいても環境デュー・ディリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めております。収集した環境パフォーマンスデータを積極的に開示すると共に、主要データに関しては第三者検証を受ける等、透明性・信頼性の確保に努めております。 リスク項目名:⑧為替レートの変動緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州等その他地域で行っており、事業活動において以下のような為替レートの変動による影響を受けます。・海外子会社の現地通貨建ての業績が各事業年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる、資産・負債額への為替レート変動リスクの対策:・為替変動に関して、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。・当社グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。 リスク項目名:⑨確定給付制度債務緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいてこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。リスクの対策:政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。