研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 490 |
| 2024-03 | - | 533 |
| 2023-03 | - | 455 |
| 2022-03 | - | 374 |
| 2021-03 | - | 422 |
研究開発活動(本文)
FY2025|8,457 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、使命と目指す姿を「“はたらく”に歓びを」と定めており、“はたらく”に寄り添い 変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。また、「デジタルサービスの会社」への実現に向けて抜本的な収益構造変革を行う「企業価値向上プロジェクト」を進めております。研究開発分野においてはデジタルサービスとの親和性が高い領域に選択と集中を進めるとともに、適正な投資配分を行っております。体制面では、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しております。お客様のカスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の進化、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。本社での研究領域として、「RICOH Smart Integration(RSI)」 を支えるデジタル基盤技術の研究開発は「デジタル戦略部」にて進めております。AI/ICT技術の開発や”はたらく”をデジタル化する技術の開発、それらに携わるデジタル人材の育成・強化を担い、デジタルサービスの会社としての拡大を支えております。また、当社の中長期的な成長を支える研究開発と当社グループの共通基盤技術開発は「先端技術研究所」で進めております。研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。オープンイノベーションにおいては、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。6年目を迎えた当連結会計年度においては、当プログラムへの参加を希望する社外172件、社内62件の応募がありました。社内外の審査員によるコンテストを通過したスタートアップ企業と社内メンバーによる新規事業テーマには当社グループ内に登録されているそれぞれが専門性を有する約300名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、挑戦する人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。加えて2023年度よりBtoB領域での最新のデジタルサービスを牽引するスタートアップへの戦略的な投資を実行するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「RICOH Innovation Fund」を設立し、戦略的な投資活動を行っております。社内でのR&Dに加え外部企業との連携や協業を通じて研究開発の加速に取り組みます。 国際会計基準の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 95,068百万円です。 (1) デジタルサービス当社グループは、成長領域である「プロセスオートメーション」と「ワークプレイスエクスペリエンス」、それらを支える「ITサービス」の提供に注力し、グローバルに均質なサービスを提供します。 プロセスオートメーション領域においては、デジタル技術による業務プロセスの自動化・最適化を通じて、タスクの極小化と生産性の向上を実現すると共に、AI技術を活用し、お客様が保有するデータ価値の最大化を図ります。提供サービスの「RICOH kintone plus」は、お客様にノウハウがなくてもkintoneを有効活用できるように、AIとのチャットを通じて業務改善アプリを自動生成する「アプリ生成アシスタント」機能を追加しました。また、お客様のDX推進と業務改善に貢献するための新機能「RICOH 導入効果測定プラグイン」の提供を開始し、作業時間等を基に導入効果の可視化を実現しました。「DocuWare」は、当連結会計年度に買収したnatif.aiの先進的なAI技術「インテリジェントドキュメントプロセッシング」により、OCR機能の高度化や文書の自動分類・振り分け等の強化を図っております。社内外でのAI活用の一環として、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」を導入し、現場起点で業務効率化に取り組む社内実践を開始しました。社員自らがAIアプリを作成・運用することで蓄積されたノウハウと知見を通じて、お客様の業務課題に寄り添った価値提供に繋げていきます。更に、当社グループのAI技術は経済産業省が立ち上げた国内生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」に採択され、マルチモーダルLLMの本格的な開発を開始する等、AI技術をオンプレミス・クラウドのどちらの環境でも活用いただけるような価値提供を加速しております。 ワークプレイスエクスペリエンス領域においては、デジタル技術でシームレスなコミュニケーションと質の高いコラボレーションを実現し、お客様に最適な環境を提供しております。欧州に加えて北米と中南米にて、ワークプレイスをより効率的に活用するためにデスクやスペースの予約管理機能を備え、お客様の利用状況に基づき更なる最適化を目指す「RICOH Spaces」の提供を開始しました。 これらの成長領域を支えるITサービス領域においては、ワークプレイスの基盤となる情報通信・セキュリティ・データ 管理の環境を構築しております。「RICOH Global Security Operation Center」をポーランドに設立し、サイバー脅威に対するマネージドセキュリティサービスを欧州一部地域にて提供開始しました。今後、グローバルに展開地域を拡大していきます。また、お客様との共創を目的とする「RICOH Smart & Innovation Center」をリコージャパン株式会社本社事業所に新設しました。当社グループのデジタルサービスやAI技術の活用を通じて、お客様の課題解決とDX&GXの実現に向けて伴走しております。メキシコ、アルゼンチン、ブラジルにも「RICOH Innovation Center」を新設し、お客様との対話を通じて新たな顧客価値を提供します。 当社グループは、デジタル技術で、業務プロセスの最適化による組織の生産性向上と、コミュニケーションとコラボレーションに最適な環境の提供を実現し、お客様の創造力の発揮を支援します。 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 14,947百万円です。 (2) デジタルプロダクツ当社グループは、A3機世界シェアトップレベルの複合機、世界シェアNo.1のドキュメントスキャナー、国内シェアNo.1の組込みコンピュータの提供を通じ、オフィスや現場ではたらく人の進化・成長を支え、社会課題解決に貢献する新たな価値を創出・提供しております。 当連結会計年度においては、重要な社会課題であるサーキュラーエコノミーの実現に向け、A3カラー複合機「RICOH IM C4500F CE/C3000F CE」を発売しました。本製品は部品の86%をリユース部品で構成し、また内蔵ソフトウェアをバージョンアップすることで新しい機能を追加できる「RICOH Always Current Technology」の搭載により長期にわたり快適にご使用いただくことができる、環境配慮型の新製品です。循環型社会、脱炭素社会への意志を込めた新たなモデル名称「CE(Circular Economy)」を冠しました。 また、資本提携効果を新たな商品として結実させ、PFUの用紙搬送技術をリコー複合機のADF(自動原稿送り装置)として搭載したA3カラー複合機「RICOH IM C6010SD/C4510SD/C3010SD」を発売しました。本製品では原稿に負荷をかけにくいストレート1パス両面読取の採用によりノンカーボン紙やカード類への対応力を向上させ、サイズ指定不要で不定形サイズ帳票の混載スキャンを可能とし、AIによる天地方向補正機能を搭載しております。アナログとデジタルをシームレスにつなぎデータ活用やAI活用を促進するキーデバイスとして、新たなモデル名称「SD(Seamless Digitalization)」を冠しました。 ドキュメントスキャナーでは、PFUの「ScanSnap」がグローバル累計出荷台数で730万台を突破しました。また6言語の手書き文字やバーコード等様々な文字種のデータ抽出に対応したAI-OCRソフトウェア「PaperStream Capture Pro」をリリースし、デジタル化機能の更なる向上を図りました。 以上のとおり、競争力ある複合機、ドキュメントスキャナーの提供により、デジタルサービスの基盤強化を進めることができました。 一方、複合機の開発・生産を担う合弁会社として2024年7月に組成したETRIAでは、組成から7か月後の2025年2月にOKIの参画を発表しました。この参画により、小型/省資源・省エネルギー型商品の開発、キーパーツの共通化によるコストダウン、レジリエントな生産体制構築を強化していきます。 組込みコンピュータ事業では、2025年4月にリコーインダストリアルソリューションズ株式会社とPFUの一部事業・組織を統合した新会社「リコーPFUコンピューティング株式会社」を発足しました。これにより、企画・開発・販売機能の最適化、商品ラインナップの拡充、新規領域の成長加速による資本効率の向上を図るとともに、急速に進化するAI技術に対応したエッジデバイスやエッジソリューションの提供にも力を入れていきます。 このような体制強化を通じて経営環境の変化への対応力をより一層強化し、世界に必要とされ続けるモノづくりのリーディングカンパニーへの歩みを進めていきます。 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 32,673百万円です。 (3) グラフィックコミュニケーションズ当社グループは、高品質で信頼性の高い製品とサービスの投入により、印刷現場のデジタル化を推進します。それにより、自動化・省人化とプロセスの可視化を実現し、お客様の収益力の向上に貢献しております。加えて社会課題解決の同軸化を図り、SDGsの達成に積極的に取り組みます。 商用印刷分野においては、印刷業のお客様に向けて、生産性向上に寄与する印刷機やゴールド、シルバー等高付加価値を可能にする特色トナー、上流から下流まで工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っており、Offset to Digitalを加速して、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。また、電炉鋼板や再生プラスチックを使用した製品の開発を行い、環境負荷を低減しております。そのため、インクジェット技術、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発を継続して行っております。 産業印刷分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発、製品化に注力し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。MHシリーズヘッドは高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いており、主にサイングラフィクス分野で使用されております。また、MEMS技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 20,541百万円です。 (4)インダストリアルソリューションズサーマル事業分野においては、世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル)の販売を欧州市場、日本市場、北米市場で進め、グローバル展開しております。また、欧州ではバガスを基材としたコンポスタブル性サーマルラベルを開発、サーマルラベルとして初めてフランスのホームコンポスタブル認証を取得したことで、さらなる顧客価値を創造していきます。 一方、デジタルサービスへのビジネス転換、環境負荷を低減する「ラベルレスサーマル」*をはじめとするスマートパッケージングビジネスは機能性包材の展開により、ラベルレスメディアの国内事業が大きく成長し、プラスチック・紙資源の削減や、ロール交換工数の削減、包材SKUの削減に貢献したことが評価され、公益社団法人日本包装技術協会における第48回木下賞(新規創出部門)を受賞しました。今後、お客様のDXに加え、ESGにも貢献する商品として、ソリューション提案を進めることでラベルレスメディアの普及拡大をグローバルでリードし、パッケージ業界の変革に貢献します。*ラベルレスサーマル:印字機能を有する基材へ文字・コードの可変情報を直接印字することで、商品の視認性を高め、業務の効率化、コストダウンを可能にする当社の印字プロセス 産業プロダクト事業分野においては、生産技術とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、データ認識処理による 情報変換を通じた情報の見える化により、様々な産業設備のインテグレーションで、自動車車体、医療、素材業界等幅広い分野での生産ソリューションを提供しております。また、成長著しい車載リチウムイオンバッテリー外観検査においては、現場における少人化、自動化ニーズの高まりから安全・信頼性を高める検査ラインとして評価され、事業が急速に拡大しております。これからも様々な顧客ニーズに応じた最適なライン構築を実現することで、導入から運用、その後のサポートまでの価値を提供することで生産設備業界の効率化に貢献していきます。 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 3,277百万円です。(5) その他事業当社グループのもつ技術のさらなる活用と、オープンイノベーションを通じた新規事業創出により社会課題解決に取り組みます。同時に各事業の状況を見極め、メリハリのある経営資源配分と意思決定を行っております。 ■デジタルカメラ分野デジタルカメラ分野を担うリコーイメージング株式会社では、PENTAXとGRの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化しております。当社グループでは、100年に及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンPRIME VやGR ENGINE6と、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットI, IIのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、これらの技術に加え、当社独自のボディ内手振れ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手振れ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。これらの技術に加え、高度な電子部品集積技術や独自の機構設計により、高画質や速写性、携帯性というカメラの本質的な価値を追求し、写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラをシリーズで提供しております。 ■スマートビジョン分野ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を発売以降、360度画像・映像を活用した事業の幅を広げてきました。現在では、クラウドサービスと連携させることでワークフロー全体を効率化するソリューションを提供し、業務効率化と生産性の向上を実現するRICOH360プラットフォーム事業を展開・強化しており、建設業界をはじめとした業界の「どこからでも簡単にアクセス可能なリモートで現場を可視化するアプリケーション」によるDX加速と、深刻化する人材不足や高齢化、長時間労働等の社会課題の解決を目的に、様々なパートナー企業と共創を進めております。 ■バイオメディカル分野2025年3月にバイオテクノロジーのベンチャー企業であるElixirgen Scientificを完全子会社化しました。同社がもつ技術やノウハウと当社の技術や強み、リソースを掛け合わせることで、iPS細胞を活用した創薬支援事業の強化や、日本国内におけるmRNAを用いた治療薬製造基盤の整備·構築を進めております。人々の健康と安心への貢献はもとより、国内の経済安全保障の観点からも、医療用mRNAの製造能力のさらなる強化を目指し、ワクチンをはじめとするmRNA医薬品の創薬を支援していきます。 ■インクジェット電池分野脱炭素社会の実現のため、自動車業界では電気自動車の普及が求められており、その推進にはリチウムイオン電池が重要な役割を担っております。当社の高度な分散技術を応用したインクと長年培ったインクジェット技術を組み合わせることにより、自由な位置、自由な膜厚、自由な形状で電池材料のデジタル印刷が可能となりました。この革新的な製造プロセスによって材料ロス削減による環境負荷/コストの削減、リチウムイオン電池の性能向上、全固体電池の実用化に貢献します。 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 6,835百万円です。 (6) 基礎研究分野 当社グループではこれまで、商品の差別化につながる基礎研究分野として、お客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めております。また、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術や検証、シミュレーション等の技術、機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発を進めております。 多くの企業がAI利活用に注目する中、業務への適用には、業種・業務の特性や企業固有の用語への対応が不可欠です。デジタル戦略部では、お客様の高度な業種・業務を支援するサービスを拡充すべく、各企業のニーズに応じて柔軟にカスタマイズ可能なリコー独自LLMの開発を推進しております。当連結会計年度には、オンプレ・クラウド両対応でGPT-4と同等の性能を持つ、700億パラメータの日本語プライベートLLM等を開発しました。 先端技術研究所では、将来に向けて二つの提供価値領域にフォーカスして開発を行っております。・HDT(Human Digital Twin at Work):ワークプレイスで働く人を、人や空間のデータを利用するデジタルツインにより支援する技術。建物設備の3Dデータ化+AIの技術や、AIトレーニング技術等により、働く人に合わせた価値提供に取り組んでおります。・IDPS(Industrial Digital Printing System):インクジェット技術を活用し、塗着効率を極限まで高めた自動車塗装工法や、カーボンニュートラル実現に向けたペロブスカイト太陽電池の低コスト・高生産工法の研究開発実証実験に取り組んでおります。分析・シミュレーション等の共通基盤技術は、引き続き当社グループの研究・開発・設計・生産のあらゆる現場に展開し、新たな価値提供と効率化、品質向上を実現します。 協業パートナーとの共創も積極的に推進しており、当連結会計年度は、23%以上の開発テーマで協業パートナーと共同研究・開発を実施しました。また、研究開発のグローバル化を推進しており、国内の先端技術研究所と欧州・東南アジアの企業・スタートアップ、研究機関等とを繋ぐイノベーションハブ拠点を、欧州・シンガポールに設立し、様々な企業・研究機関とコラボレーションし、イノベーション創出を目指します。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 16,795百万円です。
FY2024|13,694 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、使命と目指す姿を「“はたらく”に歓びを」と当連結会計年度に新たに制定しました。“はたらく”に寄り添い 変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。また、「デジタルサービスの会社」への実現に向けて抜本的な収益構造変革を行う「企業価値向上プロジェクト」をスタートいたしました。研究開発分野においてはデジタルサービスとの親和性が高い領域に選択と集中するとともに、イノベーション探索には上限を決めて進め、適正な投資配分を行います。体制面では、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しております。お客様のカスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の進化、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。また、2021年度より社内カンパニー制を導入し、事業分野ごとに、将来に備えた中長期的な研究から直近の製品開発・設計・生産までを一貫として集約した体制で進めております。本社での研究領域として、「RICOH Smart Integration(RSI)」 を支えるデジタル基盤技術の研究開発は「デジタル戦略部」にて進めております。AI/ICT技術の開発や”はたらく”をデジタル化する技術の開発、それらに携わるデジタル人材の育成・強化を担い、デジタルサービスの会社としての拡大を支えております。また、当社の中長期的な成長を支える研究開発と当社グループの共通基盤技術開発は「先端技術研究所」で進めております。研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。オープンイノベーションにおいては、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。5年目を迎えた当連結会計年度においては社外132件、社内52件、社内外の応募の中からコンテストを開催し、そこを通過したスタートアップ企業と社内テーマには当社グループ内に登録されている約300名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。加えてBtoB領域での最新のデジタルサービスを牽引するスタートアップへの戦略的な投資を実行するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「リコーイノベーションファンド1号投資事業有限責任組合」を設立しました。社内でのR&Dに加え外部企業との連携や協業を通じて研究開発の加速に取り組みます。国際会計基準の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 109,899百万円です。 (1) デジタルサービス当社グループは、「企業価値向上プロジェクト」で、お客様の課題解決に対して当社の強みが活きる「ワークプレイス」へ戦略的にリソースを重点配分してまいります。その中でも「ビジネスプロセスオートメーション」、「コミュニケーションサービス」を注力領域と定め、リモートワーク等オフィスでの働き方が変容していくワークプレイスにおいて、一貫したサービスをグローバルで提供することが出来る「ワークプレイスサービスプロバイダー」への成長を加速します。ビジネスプロセスオートメーション領域においては、これまで培ってきたドキュメントソリューション技術、ワークフロー・オートメーション技術に、当社独自のAI技術を活用することでお客様の定型業務をゼロに近づけるサービスの開発に取り組んでおり、各種サービスを提供しております。コミュニケーションサービス領域においては、お客様にハイブリッドワークに最適な「働く空間」を提供してお客様の創造性発揮をサポートするサービスの開発に取り組んでおり、「RICOH Spaces」といったサービスを提供しております。加えて、それらのサービスの提供価値を支えるデジタルサービス基盤「RICOH Smart Integration」の強化・拡張に取り組んでおります。ワークプレイスサービスプロバイダーとして、これらサービス/インフラを発展させ提供価値を強化することでお客様の事業成長・課題解決に貢献し続けます。また、最新AI技術を活用したDX実現のための価値共創拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」をリニューアルオープンしました。RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYOでは、当社の強みである顧客接点力を活かした100以上ある各業種の顧客価値シナリオと、自然言語処理や空間認識分野に強みを持つ当社独自のAI技術を掛け合わせて、フラッグシップとなる価値提供事例をお客様と共創します。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。ビジネスプロセスオートメーション領域における、各種サービス提供・「DocuWareバージョン 7.8 / 7.9」を提供開始、及びグローバルクラウド顧客1万社を達成。請求書処理プロセスにおける機能強化とユーザビリティの更なる向上と販売地域の拡大・「Axon Ivyバージョン 11.2」を提供開始。ユーザーエクスペリエンス向上に向けた通知機能の再設計・及びプロセスエディターのUI改善・「RICOH kintone plus」の新機能の提供、アプリストアの公開、β版モニター募集を開始。パートナーとのエコシステム強化、利用状況の可視化、アプリストアを活用したノウハウ共有によるお客様DX推進を加速 AI活用により、機器の保守サポート業務のプロセスDXを強化~複合機・プリンターのダウンタイムを最小化するために、カスタマーエンジニアの業務効率を向上~・お客様先で修復作業を行うCEがサービスマニュアルや過去の修復事例等の膨大なデータから適切な情報を検索する業務を効率化するための情報検索型AIボットを開発し、東日本地区での運用を開始・当社が独自開発した大規模言語モデル(LLM)をベースに、当社グループに蓄積された修復事例やサービスマニュアルを学習させてカスタムした「保守ドメイン適応モデル」を適用した質問応答型AIチャットボットの検証を開始 「RICOH Spaces」の新機能提供及びユーザーエクスペリエンスの改善を継続的に実施~働き方の変化やハイブリッドワークに対応し、シームレスな従業員エクスペリエンスを提供~・スペースの自動キャンセル等、IoTセンサーで収集したデータの利活用強化により、スペースの利用効率を向上・外出先からのオフィス利用状況の把握、QRコード対応等、モバイルデバイスを用いた利便性を向上 「RICOHスマート予約サービス for フリーアドレス」の提供を開始~オフィス環境の効率的な活用や継続的な改善に活用できるクラウド型ソリューション~・2023年8月より会議室予約管理システム「RICOH スマート予約サービス for 会議室」のシリーズ商品である「RICOHスマート予約サービス for フリーアドレス」の提供を開始 「RICOH Print Management Cloud」の新機能の提供を開始~顧客環境の他社複合機も含めた共通の操作性を維持したスキャンデータの送信機能~・2023年6月より、マルチベンダースキャン機能を追加したV3.34の提供を開始 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 15,612百万円です。 (2) デジタルプロダクツ新型コロナウイルス感染症の流行、半導体や電子部品の供給ひっ迫等の物流問題等を経て、我々を取り巻く環境の変化は予測がさらに困難となっております。生成AIのビジネス活用の急速な拡大、地政学的不安による世界情勢の変化も無視できません。この変わりゆく状況の中で新たな開発・生産のあり方を追求しております。2023年5月に発表した東芝テック株式会社との合弁会社エトリア株式会社の設立方針はその大きな転換点であり、私たちは業界の垣根を越えた協業を始めようとしております。当連結会計年度においては、前連結会計年度に刷新した主力A3カラー複合機のさらに高速モデル「RICOH IM C7010」及び、モノクロ複合機「RICOH IM 460F/370F」を発売し、設置場所を選ばないエッジデバイスとして、はたらく場所が多様化するお客様のDX支援に貢献しております。 オフィスプリンティング分野の生産においては、中期経営戦略で掲げた「レジリエントな生産供給体制の構築」のために重要機種やキーユニットの生産地を分散し、地政学的問題に左右されにくい安定部品調達ルートの構築を進めております。また、トナー生産の拠点統廃合も進め、当連結会計年度末時点で3拠点へ集約を完了しました。プリンティング以外のエッジデバイスでは、大成建設株式会社との共同開発による「生産プロセスDX」の一環として、プロジェクションマッピングを利用した建設現場向けソリューションの高度化を果たしました。実際の建設現場に導入し、作業の効率化と生産性向上を実現しております。また、2022年度に連結子会社となったPFUでは、新たな技術を搭載した新商品のリリースを加速しております。自動スキュー補正、ステープル原稿検知、厚みのある原稿にも対応するデュアルパス構造、進化した排紙制御機能等を備えたA3高速スキャナーを発売し、大量の紙原稿を集中スキャンするお客様の業務効率向上への貢献を加速しました。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。リコー初の70枚/分高速出力、高生産性かつ省スペースを実現したA3フルカラー複合機「RICOH IM C7010」を発売~業務のDXのみならず優れた環境性能でサステナビリティに貢献~・連続複写速度70枚/分、スリープ復帰11秒、ファーストコピータイムがフルカラー4.2秒の高速出力・20枚~60枚/分出力機同等の大きさのコンパクトなデザインで、高速出力機ながら電源1口で利用が可能・名刺や領収書等小サイズ原稿の1パス両面ADF(両面自動読み取り)での読み取りに対応・世界基準に準拠した最新のセキュリティ機能を搭載・本体樹脂総重量の約50%(重量比)に再生プラスチックを使用、低融点トナーの採用等、サステナビリティに貢献モノクロA4複合機「RICOH IM 460F/370F」を発売~ソリューション対応を強化したクラス最小*のA3対応モデルでお客様の業務効率化に貢献~・A4複合機サイズのコンパクトな筐体で、デスクサイド設置が可能ながらA3出力に対応・連続複写速度が前身機から向上し、省スペースかつスピーディーな対応が求められる店舗や窓口業務に貢献・本体樹脂総重量の約17%に再生プラスチックを使用 *A3対応モノクロ複合機として。2023年7月現在。当社調べプロジェクションマッピングを利用した墨出し技術「T-iDigital MARKING」を高度化~建設現場における墨出し作業を効率化し更なる生産性向上を実現~・建設工事での「墨出し」作業を支援する大成建設様のソリューションを共同開発で高度化・4K超単焦点プロジェクターにより投影誤差を2mm以内に抑え、投影面積を従前の3.5倍以上に拡大[PFU]業務効率化を加速するA3高速イメージスキャナー「RICOH fi-8950」「RICOH fi-8930」「RICOH fi-8820」を発売~fiシリーズ最速のA3大容量フラッグシップモデル~・金融、公共、医療、BPO分野等の集中入力業務に最適な高速・大容量モデル・シリーズ最速である毎分150枚/300面の読み取りスピードと、一度に750枚まで積載可能な大容量原稿トレイ・傾いた原稿を1枚ずつまっすぐに整えてから給紙する「自動スキュー補正」や「ステープル原稿検知」機能を新搭載・4.3インチの大型タッチパネルと、ネットワークインターフェイス(有線LAN接続)を搭載なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 41,053百万円です。 (3) グラフィックコミュニケーションズ 当社グループは、高品質で信頼性の高い製品とサービスの投入により、印刷現場のデジタル化を推進します。それにより、自動化・省人化とプロセスの可視化を実現し、お客様の収益力の向上に貢献します。加えて事業成長と社会課題解決の同軸化を図り、SDGsの達成に積極的に取り組みます。 商用印刷分野においては、印刷業のお客様に向けて、生産性向上に寄与する印刷機やゴールド、シルバー等高付加価値を可能にする特色トナー、上流から下流まで工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っており、Offset to Digitalを加速して、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。そのため、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発を継続して行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 用紙対応力と自動化・効率化機能を強化したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C9500」と「RICOH Pro C7500」を新発売・幅広い用紙厚(40~470g/㎡)に対応し、エンボス紙やクラフト紙といった凹凸紙・粗面紙への対応も強化・「RICOH GC OS」により、様々な用紙の設定や調整、機器の利用状況やメンテナンスの管理に特別なスキルが不要・RICOH Pro C9500では、「IQCT拡張ユニット」により、印刷中の色の調整/安定化やモニタリングに加え、画像品質/表裏見当/色変動の検査を自動で行うことができ、属人的で作業負荷の高かった色調整や検品業務の効率化、省人化が可能・RICOH Pro C7500では、前身機に引き続き当社独自のスペシャルカラートナー(ホワイト、クリア、インビジブルレッド、ゴールド、シルバー、ネオンイエロー、ネオンピンク)が利用可能で、より豊かで鮮やかな色彩表現を実現 リコー初のB2サイズ対応枚葉インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」を発売開始~新開発の水性顔料インクと乾燥システムにより、低コストでの運用と高品質の両立を実現~・自動両面印刷機能の搭載とシンプルな操作性により、生産性向上に大きく貢献、かつスキルレスでのオペレーションを実現し、人材不足や技能伝承問題を解決・新しい水性顔料インクは少ない量で液滴を形成でき、ランニングコストを抑えた運用が可能・新開発の乾燥システムにより紙の微妙な波うちを低減し、また乾燥待ち時間削減によりトータルでの業務効率化を実現 高速連帳インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」を発売~印刷中の画質調整等の工程自動化による生産性の最大化を実現~・最高速度が150m/分(1,200x600dpi)、最高解像度が1,200x1,200dpi(93m/分)となり、前身機に比べ1.5倍に向上・新開発の水性顔料インクと最新のプリントヘッド、用紙搬送精度向上により、印刷したい位置に正確にインクを着弾・標準搭載されたスキャナーやセンサーでインクの濃度、均一性をチェックし、リアルタイムに印刷精度を自動補正するため、画質調整でマシンを停止させる必要がなく、高品質かつ安定的な生産とオペレーターの負担軽減を実現 産業印刷分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発、製品化に注力し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。MHシリーズヘッドは高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いており、主にサイングラフィクス分野で使用されております。また、MEMS技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。さらに、プリンターとしては衣料印刷市場向けに新たに2つの機種を発表しました。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。ポリエステルへのプリントが可能なDirect-to-Garmentプリンター「RICOH Ri 4000」を発売・これまでハイエンド領域の機器でしか対応できなかった、ポリエステルへのダイレクトプリントが可能となり、スポーツウェアでもソフトな感触かつ高品質・高耐久のプリントを実現・必要な部分にのみ前処理剤を塗布する機構を内蔵することで、前処理プロセスが不要となり、作業の効率性を向上 リコーとして初のDirect-to-Filmシステム「RICOH Pro D1600」を発表・最大1600mm幅のフィルムに対して20㎡/時を超える速度で印刷でき、かつパウダーシェーカーと乾燥ユニットを組み込んでいるため、トータルでの生産性が高く、デジタル印刷による衣類の大量生産が可能・オーガニックテキスタイルの国際認証である「GOTS」を取得なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 26,528百万円です。 (4)インダストリアルソリューションズ サーマル事業分野においては、世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。 高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル)の販売を欧州市場、日本市場、北米市場で進め、グローバル展開しております。 また、デジタルサービスへのビジネス転換、環境負荷を低減する「ラベルレスサーマル」*をはじめとする機能性包材の企画・開発・販売を積極的に進めていくため、2023年4月に合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を設立いたしました。当社の強みであるサーマル技術と、中本パックス株式会社の強みである包材設計・機能性コーティング技術、及び顧客基盤を組み合わせ、スマートパッケージングビジネスとして機能性包材市場に事業を展開し、2024年1月に「2023年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞」を受賞いたしました。 今後も新しいパッケージソリューションを幅広いパートナーとともにご提供することでパッケージ業界の変革に貢献します。*ラベルレスサーマル:ラベルやリボンを利用せずに、印字機能を有する基材へ文字・コードの可変情報を直接印字することで、業務の効率化、コストダウンを可能にする当社の印字プロセス 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。当社と中本パックス株式会社、合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を設立~ラベルレスという新しい価値を持ってパッケージング業界へ参入~・独自の機能性包材・オンデマンド印字ソリューションでお客様の生産性向上、脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献・パッケージの個品ID管理ソリューション等によりパッケージ業界のDXを実現 産業プロダクト事業分野においては、生産技術とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、データ認識処理による 情報変換を通じた情報の見える化により、様々な産業設備のインテグレーション、車体・外装部品等の塗装外観を中心とした検査ラインソリューションを提供しております。成長著しい車載リチウムイオンバッテリー外観検査や車両塗装外観検査における安全・信頼性を高める検査ラインは現場における省人化、自動化に貢献しております。2023年12月には長年にわたる塗装品の検査実績と独自の画像認識技術を結集し、従来は目視で行っていた自動車塗装の外観検査を、自動車の生産ラインを止めずに高い精度を維持しながら自動化する検査装置として、車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売いたしました。今後、これら検査設備等から得られるデータの活用により、お客様への新たな価値提案へと繋げていく予定です。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売~従来目視で行っている検査を自動化 高い検査精度で生産品質の向上に貢献~・起伏の少ない側面にゲート式、高低差の大きい上面にロボット式を採用したハイブリッド構成とAI活用により高精度な検査を実現・標準で170mm/sec(42s/台・85台/h)のスピード、高速コンベアへの対応が可能・車種変更・追加の際、少量のデータのみで調整できるため、短期間での量産立上げが実現可能・固定ゲート式の側面ユニット、ロボット式の上面ユニットがそれぞれ分かれているため、部分設置としての導入も可能なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 3,879百万円です。(5) その他事業当社グループのもつ技術のさらなる活用と、オープンイノベーションを通じた新規事業創出により社会課題解決に取り組みます。同時に各事業の状況を見極め、メリハリのある経営資源配分と意思決定を行います。 ■デジタルカメラ分野デジタルカメラ分野を担うリコーイメージング株式会社では、PENTAXとGRの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化しております。 当社グループでは、100年に及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンPRIME VやGR ENGINE6と、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットI, IIのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、これらの技術に加え、当社独自のボディ内手振れ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手振れ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラを以下のシリーズで提供しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 多様な特徴を持つ新製品を発売・モノクローム専用イメージセンサーを新たに搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III Monochrome」・塗装をメタリックウォームグレーの特別仕様としたハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR III Diary Edition」・水深14mでの撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ 「PENTAX WG-90」・Kマウントデジタル一眼レフカメラ用単焦点レンズ「HD PENTAX‐FA 50mmF1.4」「smc PENTAX‐FA 50mmF1.4 Classic」・大口径タイプのスポッティングスコープ(地上望遠鏡)「PENTAX PF-85EDA」・本格性能と小型軽量を兼ね備えた双眼鏡「PENTAX A」シリーズの最新モデル2機種 ■スマートビジョン分野 ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を発売以降、360度画像・映像を活用した事業の幅を広げてきました。現在では、クラウドサービスと連携させることでワークフロー全体を効率化するソリューションを提供し、業務効率化と生産性の向上を実現するRICOH360プラットフォーム事業を展開・強化しており、建設業界をはじめとした業界のDX加速と「RICOH360」プラットフォーム事業のさらなる拡大を目的に、様々なパートナー企業と共創を始めております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 RICOH THETA本体及び360度画像をよりビジネスで使いやすく「RICOH360 プレミアムパッケージ」を提供開始~新たなソリューションを共創するパートナーを募集~・RICOH THETAの稼働状況を遠隔で把握できるデバイスマネジメント・360度ビューワーや画像処理技術(メディアマネジメント)の提供・RICOH THETA本体+専用三脚のセットの物損補償付きレンタルとサポート ■ヘルスケア分野2022年度にバイオテクノロジーのベンチャー企業であるエリクサジェン・サイエンティフィック(eSci社)を子会社化しました。同社がもつ技術やノウハウと当社の技術や強み、リソースを掛け合わせることで、iPS細胞を活用した創薬支援事業の強化や、日本国内におけるmRNAを用いた治療薬製造基盤の整備·構築を進めております。人々の健康と安心への貢献はもとより、国内の経済安全保障の観点からも、医療用mRNAの製造能力のさらなる強化を目指し、ワクチンをはじめとするmRNA医薬品の創薬を支援していきます。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 リコー、ERS Genomics LimitedとCRISPR/Cas9ゲノム編集技術に関する非独占的ライセンス契約を締結~CRISPR/Cas9ゲノム編集技術で疾患モデル構築の幅を広げて創薬支援に貢献~・これまで培ってきたデジタル化技術やAI技術により、eSci社のコア技術の活用領域を拡大し、個別化医療や創薬・再生医療研究を加速■社会インフラ分野 社会インフラの老朽化や自然災害の頻発化・激甚化が進み、インフラの効率的な維持管理が大きな社会課題となっております。当社は独自のカメラと解析AIによる道路・トンネル・のり面等への高精度かつ低コストなサービスを提供し、インフラ老朽化に対する効率的な維持管理・予防保全による安心安全な社会作りに貢献しております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 のり面モニタリングシステムが国土交通省の「土工構造物点検及び防災点検の支援技術性能カタログ」に掲載~最適なカメラ・センサー類を搭載した走行型システムにより、点検を省力化~・高画質な測定システムで広範囲にわたるのり面を一度で測定・複数のラインセンサーカメラにより、のり面の全景画像を延長無制限で作成可能・LiDARで、画像と同時にのり面の3次元形状を記録することで、平面画像からだけではわからない断面の形状も記録可能・AIによって自動的に亀裂やはく離、ひび割れ等の変状を抽出 ■環境分野 植物由来でコンポスタブルという特性を持つPLA(ポリ乳酸)を独自技術で発泡させた新素材の発泡PLAシート「PLAiR (プレアー)」で、化石資源由来プラスチックを代替し、新たなエコシステム構築を通じて環境負荷低減に貢献します。まずは、軽量で耐熱性をもつPLAiRの特徴を活かして食品容器に展開し、パートナーとの共創により事業拡大を目指します。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 植物由来の新素材「PLAiR」製食品容器が株式会社イトーヨーカ堂の実証実験に採用・株式会社イトーヨーカ堂店舗で「PLAiR」の成型加工用シートを使用した容器に入った食品販売の実証実験・当社独自の発泡制御技術で開発した成型加工用シートにより、自然由来99%の素材でありながら、優れた断熱性・耐熱性を実現 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 7,392百万円です。 (6) 基礎研究分野 当社グループではこれまで、商品の差別化につながる基礎研究分野として、お客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めております。また、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術や検証、シミュレーション等の技術、機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発を進めております。 デジタル戦略部ではオフィス・現場・社会へと価値提供領域を拡大する中で、各領域においてAI活用が求められております。お客様の高度な業種・業務を支援するサービスを拡充すべく、当社独自開発の大規模言語モデル(LLM)等の技術開発を進めております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。日本語精度が高い130億パラメータの大規模言語モデル(LLM)を開発・LLMは巨大な学習データと深層学習(ディープラーニング)を用いて構築された言語モデル。従来の言語モデルよりもデータ量が増大し精度が格段に向上したもの。当社は日本語処理精度が高いLLMを開発・企業が持つデータを追加学習させることにより業種・業務に合わせたカスタマイズが可能。当社の顧客基盤における信頼を活かすことで企業保有データの活用を進める・今後、音声認識技術を組み合わせたAIエージェントや、RAG(検索拡張生成:Retrieval Augmented Generation)機能の実装等を行い、活用範囲の拡大を狙う企業独自のAIモデルを簡単に作成できるノーコード開発ツールのトライアル提供を開始・業務の効率化や新たな価値の創造を支援する「仕事のAI」の新サービスとして、企業独自のAIモデルを簡単に作成し、学習推論できるノーコードツールを開発・LLMを業務に活用するためには、企業固有の用語や言い回し等を学習させ、その企業独自のAIモデルを作成する必要があるが、専門の知識が必要で手間と時間がかかる・本ツールでは、専門の知識が必要なく、企業固有の用語等を含めた分類情報のサンプルデータをExcelで作成、アップロードするだけで独自AIモデルを構築できる 先端技術研究所では、将来に向けてこれらの技術を核として、二つの提供価値領域にフォーカスして開発を行っております。・HDT(Human Digital Twin at Work):ワークプレイスで働く人のデジタル化技術。行動センシングやバイタルセンシング等の技術と、認識やAI等の技術とを活用し、働く人の創造力発揮を支援する・IDPS(Industrial Digital Printing System):インクの代わりに機能材料を吐出する産業用インクジェット技術を発展させ、製造・生産プロセスをデジタル化し、飛躍的な改善や廃棄物削減、省エネにつなげる。 分析・シミュレーション等の共通基盤技術は、引き続き当社グループの開発生産現場に展開し、さらなる効率化と品質向上を図っていきます。 協業パートナーとの共創も積極的に推進しており、当連結会計年度は、24%以上の開発テーマで協業パートナーと共同研究・開発を実施致しました。また、研究開発のグローバル化を推進しており、国内の先端技術研究所と東南アジアの企業・スタートアップ、研究機関等とを繋ぐイノベーションハブ拠点として、シンガポールにRICA(Ricoh Innovation Centre in Asia)を設立しました。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 HDTを実現する技術開発・“1on1の対話トレーニングシステム”を発表。画像解析技術、言語解析技術、AI技術を活用し、部下役のAIとの1on1シミュレーションを行う中でトレーニーであるリーダーの発話内容や振る舞いを解析。トレーニング終了後の振り返りを通じて、1on1における対話スキル向上を実現・建物・設備の管理効率化を実現する“空間データ作成・利活用AIソリューション”の実証実験を開始。カメラやレーザースキャナー等光学デバイスから取得した点群と360度画像を自動的に位置合わせしてつなぎ、建物内をバーチャルに見て回ることのできる3次元復元を実現。AI技術の活用により、3次元CADモデルの生成、またデジタル建物の中で計測・計画・シミュレーションを支援する機能等を開発 IDPS ~インクジェット技術の活用領域の拡大により持続可能な社会の実現を目指す技術開発~・高圧対応の“GELART JETヘッド”を開発。高粘度・大滴サイズの塗料吐出による大面積・厚塗り印刷や、塗料の飛翔距離拡大による曲面・凹凸面への印刷、大粒子含有材料の吐出を実現し壁面や路面、自動車外装等へのデジタル塗装技術を開発中・従来のシリコン太陽電池に代わる発電技術として注目を集めているペロブスカイト太陽電池の製法開発を含む、国立大学法人東京工業大学とのインクジェット技術の共同研究実施 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 15,435百万円です。
FY2023|19,240 文字
6 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供し続けることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が継続しておりますが、ワクチンの普及等により徐々に経済活動が再開されつつあります。一方で、部材不足の継続やロシア/ウクライナ情勢の長期化等によるインフレの加速等、当社を取り巻く環境は不透明さを増しております。その状況の中でも研究開発分野においては、アフターコロナを見据えた変革加速として、「OAメーカーからの脱皮」及び「デジタルサービスの会社への変革」に力をいれてまいりました。当社グループの2036年ビジョン「“はたらく”に歓びを」の実現に向け、デジタルサービスの会社として、ワークプレイスを変化させていく商品やサービスを提供してまいります。体制面では、CTO(Chief Technology Officer) 及び CDIO(Chief Digital Innovation Officer) の下、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しております。お客様のカスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の進化、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。2021年度より導入された社内カンパニー制下においては、事業ドメインごとのビジネスユニットそれぞれが受け持つお客様・商品ごとに向けたリソースを集約運用するという考え方から、研究開発についても将来に備えた中長期的な研究から直近の製品開発・設計・生産までを一貫として事業分野ごとに集約した体制へと変更しております。上記の体制変更に伴い、本社研究開発の役割・内容も変更しております。本社での研究領域として、当社の現事業ドメイン以外での中長期的な成長を支える技術戦略として「ワークプレイスではたらく人の働き方を進化させるデジタルツイン」と「マスカスタマイゼーション時代のデジタルプリンティング」の2つの領域を定めました。これらの実現に向けた研究開発及び当社グループの共通基盤技術開発は「先端技術研究所」にて進めております。また「RICOH Smart Integration(RSI)」 を支えるデジタル基盤技術の研究開発は「デジタル戦略部」にて進めております。AI/ICT技術の開発や”はたらく”をデジタル化する技術の開発、それらに携わるデジタル人材の育成・強化を担い、デジタルサービスの会社としての拡大を支えております。更にこれらの本社研究所の技術開発からの事業インキュベーションはリコーフューチャーズビジネスユニットが担い、早期の事業化に向けて開発体制の強化を行っております。研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。オープンイノベーションにおいては、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めており、当連結会計年度では新たに東京大学や慶応義塾大学等と共同研究を開始しました。また、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。4年目を迎えた当連結会計年度においては142件の応募の中からコンテストを開催し、そこを通過したテーマには当社グループ内に登録されている約250名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 107,749百万円です。 (1) デジタルサービス当社グループでは、お客様への提供価値を「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」と定め、働く現場のデジタルトランスフォーメーションを支援することで、お客様の業務効率化や生産性向上に貢献しております。近年、時間や場所にとらわれない多様な働き方が求められており、当社グループでは、オフィス業務のペーパーレス化だけでなく、企業間取引業務を支援するトレードエコシステム、遠隔機器による現場作業支援、人手不足が課題となっている社会インフラ点検業務の効率化等、様々なワークフローにおいて、デジタルトランスフォーメーションによりお客様の課題解決に貢献できるサービス開発に取り組んでおります。当社グループでは、クラウドサービス等と親和性の高いMFPをはじめとした各機器がつながり、お客様がいつでも最新のサービスを利用可能な「RICOH Smart Integration(RSI)」を提供しております。このプラットフォームを活用し、あらゆるワークプレイスではたらく人の創造力を支えるデジタルサービスを提供することで、お客様の成功に貢献し続けます。当連結会計年度は、サイボウズ株式会社とOEM業務提携による「RICOH kintone plus」の開発・発売、資本提携等の戦略的協業を進めました。両社のコラボレーションにより、デジタルの力で様々な業務に関わる情報共有や業務プロセスの効率化を支援し、お客様の将来の成長や競争力強化を支え、企業や組織の未来における“はたらく”のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献してまいります。また、コミュニケーションサービス、ビデオ会議システムの設計・導入を行い、統合AV(Audio Visual)ソリューションを提供するCenero,LLCの全株式を取得し、コミュニケーション・コラボレーションサービスによる「EMPOWRING DIGITAL WORKPLACES」の提供価値拡大を図っております。さらに、日本ガイシ株式会社との電力事業に関する合弁会社「NR-Power Lab株式会社」の事業を開始し、日本ガイシ株式会社が保有するNAS®電池及び蓄電池制御技術と、当社が開発するブロックチェーン技術を活用した再生可能エネルギー流通記録プラットフォームを組み合わせることで、カーボンニュートラル達成に不可欠な再エネの普及拡大のための電力デジタルサービスを提供し、持続可能な社会の実現に貢献しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」を日本市場及び米国市場向けに提供開始~現場のデジタル活用を伴走型でサポートし、中堅中小企業のDX化を加速~・当社の「RICOH Smart Integration(RSI)」と連携・当社が中小企業向けのスクラムパッケージや中堅企業向けのスクラムアセットの提供を通じて培ってきた業務改善ノウハウや、これまで「kintone®」を提供するなかでお客様からいただいたご要望をもとに、オリジナルプラグインアプリ、当社製複合機連携機能を追加 オールインワンの印刷インフラソリューション「RICOH Print Management Cloud」の各極での展開を開始~クラウド化により印刷関連のサーバーレス化を実現~・プリントサーバーへの依存をなくすことで、集中管理が可能・ユーザー保護、データ保護、プロセスコンプライアンス、データセンターのセキュリティまで、グローバルなセキュリティコンプライアンスに対応した設計(GDPR、ISO27001、NCSC、OWASP、SOC2) オフィス、現場、ホームをつなぐクラウドストレージサービス「RICOH Drive」を提供開始~エッジデバイス・アプリケーションと連携、セキュアなデータ共有で企業のデジタル化を支援~・ファイル暗号化や通信経路暗号化はもちろん、ユーザーごとのアクセス制限やログ管理等のセキュリティ機能により、社内・社外に関わらず安心してデータを共有可能・「RICOH Drive」のIDを持たない外部ユーザーとのファイル送受信では、メールアドレス認証とワンタイムパスワードの発行により誤送信を防止・「RICOH Smart Integration(RSI)」を介して、複合機をはじめとする様々なエッジデバイスやアプリケーションと連携し、お客様の業種や業務ごとのワークフローに合わせた使い方が可能 企業間の商取引の業務を効率化するクラウドサービス群を統合、「トレード帳票DXシリーズ」として提供を開始~「RICOH Cloud OCR シリーズ」をはじめとする6サービスを統合~・シリーズ商品同士や他社サービスとも連携し、商取引にまつわる業務フロー全体のデジタル化を提供・クラウドサービスによる最新法令への常時アップデート・サービスの運用開始準備から運用の定着まで、お客様に寄り添いながら伴奏型サポート体制を提供 「DocuWareバージョン 7.6/7.7」を提供開始~強化されたコンテンツ管理・ワークフロー機能、及びAPIを利用した様々な外部システムとの連携機能を通じ、企業の業務プロセス効率化を支援~・サードパーティ製ソフトウエアの要件に合わせた転送データのカスタマイズ機能、アーカイブ済み文書の Microsoft Teams へのリンク共有機能を提供(バージョン7.6)・One Click Indexingによる請求書項目の自動入力機能強化、iPaaS Connectorによる他のビジネスアプリケーションとの連携機能を提供(バージョン7.7) 「Axon Ivy バージョン 10」を提供開始~スケーラビリティと使いやすさを極限まで追求~・クラウド環境に完全対応。新たなプロセスエディター、サードパーティのITシステムとの連携を可能にするシステムインターフェースの「マーケットプレイス」、カスタマイズ可能なダッシュボード、Microsoft Teamsとの統合機能を提供 映像と音声のリアルタイムな双方向配信サービス「RICOH Remote Field」を提供開始~高品質/低遅延/4K360度の映像で現場とオフィスをつなぎDXに貢献~・当社の「RICOH Smart Integration(RSI)」を活用したサービスとして、安定した接続品質を実現した映像・音声のリアルタイムかつ双方向な配信を実現・当社がこれまでテレビ会議・Web会議システム等で培ってきた動画や音声等のメディア帯域制御の技術により、映像の高品質と低遅延を両立し、4G等のモバイルネットワーク環境においても安定した接続が可能・映像と音声の双方向配信によって様々な空間と空間をリアルタイムにつなぐことで、遠隔地同士のコミュニケーションを支援 製造業実践ソリューション「RICOH フレキシブルイメージチェッカー」を新発売~手持ちカメラによる多彩なアングルで、目視でのチェック作業の効率化を実現~・カメラで検査対象物を撮影すると、検査アプリが部品の欠品や完成品との相違をパターンマッチングで解析し、自動で合否判定を実施・手持ちでのカメラ撮影により、様々なアングルから対象物の確認が可能であり、同時に手持ち部カバーを装着することで、傾きやブレを抑制可能・国内外の当社生産現場での使用実績から、撮影した画像に傾きやブレが生じた場合も、自動補正してパターンマッチングをかける技術を実装なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 13,544百万円です。 (2) デジタルプロダクツ新型コロナウイルス感染症の影響が一段落してオフィスに戻る方々が増加する一方、在宅あるいはワーケーションとの組み合わせ等、多様なはたらき方の形態が定着してきました。コロナ禍前のように一カ所に集まって仕事をする形が大多数を占める状況には戻らないと考えております。デジタルプロダクツビジネスユニットでは、この多様なはたらき方を支援するデジタルエッジデバイスの技術開発に引き続き力を注いでおります。当連結会計年度においては、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)とサステナビリティの両面で価値を提供することが可能な主力のA3カラー複合機を刷新しました。アナログとデジタルをシームレスにつなぐため、当社の「RICOH Smart Integration(RSI)」を介し、「RICOH kintone plus」等様々なアプリケーションとの連携が可能となっております。また、省資源及び省エネルギー化を進めることで、製品ライフサイクル全体での環境負荷(カーボンフットプリント)を前身機より27%削減しているほか、本体樹脂総重量の50%に再生プラスチックを使用、さらに製品の梱包材においても紙材料の活用で包装プラスチックを54%削減しました。このような環境貢献技術を今後も進化させてまいります。当連結会計年度、当社は株式会社PFUの株式を80%獲得し、連結子会社化しました。株式会社PFUは世界No.1のスキャナシェアとそれを支える優れた紙搬送技術を持ち、今後、当社の複合機やプリンターとの技術シナジーも期待されます。プリンティング/スキャニング以外のエッジデバイスでは、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)及びプロジェクターに加え、新たに360°会議システム及びポータブルモニターをリリースしました。オフィスというはたらく場におけるこれまでの知見と経験を踏まえ、はたらき方全般においてお客様への価値提供をさらに広げてまいります。コロナ禍による長期工場停止や原材料価格の高騰継続等、生産面における困難は当連結会計年度も継続しました。2021年度から取り組んでいる代替部品への迅速な切り替えや多拠点での並行生産等、外部環境変化に左右されないものづくり体制の構築を引き続き進めております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。業種業務ごとの課題解決に貢献し、DXを支援するフルカラー複合機「RICOH IM C6010/C5510/C4510/C3510/C3010/C2510/C2010」を発売~ソリューション連携と業界最高の環境性能でお客様へ価値を提供~・エッジデバイスとしての機能強化を図り、名刺や領収書等の小サイズ原稿を含めた多様な紙文書の電子化が可能・「RICOH Smart Integration(RSI)」を介し、「RICOH kintone plus」等のアプリケーションと連携・紙折りや針なし綴じオプション機能の強化・環境負荷削減で循環型社会及び脱炭素社会の実現に貢献臨場感あふれるリモート会議を実現360°カメラ搭載マイクスピーカー「RICOH Meeting 360 V1」を発売~会議室の雰囲気をまるごとキャプチャーするWEB会議デバイス~・360°カメラで会議室全体・参加者全員の様子を映し出すことが可能・発言者を自動認識し瞬時にクローズアップ・約6mの距離まで集音可能な全方位マイクと高品質なスピーカーユニットを搭載有機EL採用、タッチ機能搭載の軽量ハンドアウト型ディスプレイ「RICOH Portable Monitor 150BW/150」を新発売~コミュニケーションの共創を促し、ハイブリッドワークを支援~・持ち運びしやすいうえにタッチ操作も可能な15.6インチのポータブルディスプレイ・対面の場を活かした少人数でのコラボレーションを促進するコミュニケーションデバイスレーザー光源を採用したデスクトップ型の短焦点プロジェクター「RICOH PJ WXL4960/WXL4960NI」を新発売~教室の大型提示装置として投写位置を制約しない教卓設置タイプ~・教室の大型提示装置としてふさわしいスペックと機能を搭載・当社独自の前面入力端子やオートエコモードを踏襲し教育現場に配慮・レーザー光源の採用によって明るく鮮明な画質、長寿命、利便性の向上を実現A3カラープリンター「RICOH IP C6020」「RICOH IP C6020M」を新発売~7インチフルカラータッチパネルを搭載、ソリューション連携機能強化で業務を効率化~・「MultiLink-Panel」を搭載し、タブレット端末やスマートフォンのような直感的な操作が可能・「リコー 個人認証システム AE2」等と連携し、よりセキュアな印刷環境の構築が可能・大量給紙も実現しながら消費電力を削減する等、充実の機能に加え優れた省エネ性能を実現なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 33,051百万円です。 (3) グラフィックコミュニケーションズ 当社グループは、現場で働くお客様の課題をDX(デジタルトランスフォーメーション)により解決し、お客様のビジネス拡大や働き方改革に貢献することを目指しており、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソフトウエアを組み合わせた革新的ソリューションを提供していきます。 商用印刷事業分野においては、印刷業のお客様に向けて、生産性向上に寄与する印刷機やゴールド、シルバー等高付加価値を可能にする特色トナー、上流から下流まで工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っており、Offset to Digitalを加速して、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。そのため、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発を継続して行っております。また印刷DXを推進するハイデルベルグ社(ドイツ)との長年のパートナーシップや、多様な印刷物を支える加工機ベンダー等とのアライアンス、お客様と連携してソリューション開発する取り組みを通じて、印刷のトータルソリューションを提供していきます。アップグレードした「RICOH Pro VC70000e」では、より多くのメディアの利用が可能となり、お客様の仕事の幅が広がるとともに、新規ソフトウエアの搭載によって一段と業務の自動化/効率化が進められるようになりました。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 RICOH Pro VC70000eでオフセット及びデジタル印刷事業のビジネスチャンスを拡大すでに導入済みの前身機RICOH Pro VC70000からアップグレードが可能であり、下記が特徴・独自の先塗り技術により幅広いメディア・アプリケーションが使用可能になり、全体的に印刷品質が向上・新しいプリントヘッドの開発によりテキスト、細線もよりシャープに・ソフトウエアの進歩として、「RICOH Pro Scanner Option」や「RICOH Supervisor」により、マシンとジョブのステータスに関するフィードバックが常に提供され、AIによって正確で効率的なプロセスを生成 カラーマネジメントソリューション「RICOH Auto Color Adjuster」を新発売~当社独自の高速分光測色技術と色調整処理で、印刷現場の業務を効率化~・紙面全体を高速に測色し、専用チャートや見本画像から色調整用のICCプロファイルを作成し、これを出力したいカラープロダクションプリンターで使用することで、正しい色の再現が可能。また、専用チャートに基づきプリンターの色の状態を数値化することで、客観的な色の品質管理ができる・色見本に合わせた印刷において、簡単にカラーマッチングが行える 産業印刷事業分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発、製品化に注力し、製品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評をいただいているMHシリーズヘッドでは、耐久性やシステム適合性を強化した新たなモデルを発売しました。また、MEMS (Micro Electro Mechanical System)技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。また、衣料印刷市場向けには、すでに発売済みの「RICOH Ri 1000/2000」をご利用のお客様が、Direct-to-Filmとして、新たなアプリケーションが利用できるソリューションの提供を開始しました。エントリークラスの「RICOH Ri 100」と合わせ、お客様の用途に応じた製品提供を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5422」、「RICOH MH5442」、「RICOH MH5422 Type A」を新発売~高画質と高生産性を両立し、用途に応じて3モデルから選択可能~・1,280ノズル、150npix4列のノズルは位置と標準液滴量7plに加えて、着弾精度・吐出的速度の均一性が向上し、高画質印刷を実現。また、高周波駆動時の安定性が高まり、最大50kHzの駆動周波数で使用可能。・UV、水性、溶剤のすべてのインクに対応。特に水性インクは前身機RICOH MH5421/5441の2倍以上の長寿命化を実現・高撥水処理技術により、従来ヘッドに比べて撥水膜の強度が向上し、長時間の仕様でも安定した画像品質を提供・ピンアライメント対応モデルに加え、高精度を追求した面アライメント対応モデルをラインナップ。ヘッド搭載時・交換時の取り付け精度と並べやすさが向上し、位置調整が容易になった ガーメントプリンターで使用できるDirect-to-Filmソリューションを提供・RICOH Ri 1000/2000を使用してPETフィルムにプリントを行い、衣服に転写するDirect-to-Filmのソリューションが利用でき、皮革、ナイロン等の素材にもプリントすることが可能・最初にCMYKを印刷し、その上にホワイトを印刷・OEKO-TEX基準に対応・当社グループであるColorGATE社の「Productionserver」によってサポートなお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 28,002百万円です。 (4)インダストリアルソリューションズ サーマル事業分野においては、世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。 高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル*)を欧州市場、日本市場で展開しておりましたが、当連結会計年度は、さらに北米市場で販売を開始しました。順次、グローバル及びラインナップ展開を進めてまいります。 * フェノール含有量0.02%未満の感熱紙を使用(当社基準) また、長年にわたり培ってきた光学系の独自技術を組み合わせた、半導体レーザー光を用いた「リライタブルレーザーシステム」と「高速印刷ソリューション(FC-LDA Printer)」の事業展開。さらには、包装材に感熱機能を設ける「ラベルレスサーマル」技術の展開により、環境負荷低減と人手不足が深刻な物流現場における省人化や製造業における自動化の進展に貢献しております。 サーマル印字技術「ラベルレスサーマル」が、2022年5月、国内コンビニエンスストア大手に採用されました。発売以降コンビニエンスストアのお客様において「原材料、アレルゲン等の情報視認性が向上」、食品の製造工程においても「環境負荷低減」、「自動化省力化実現」、「包装材在庫のスリム化」が評価され、他のコンビニエンスストアにも導入が拡大しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。当社のラベルレスサーマルがセブン-イレブンの商品パッケージに採用~原材料表示等を包装材へ直接印字し、環境負荷低減、作業効率化、生産性向上に貢献~・透明性が高く高品質なサーマルメディア層分散技術、高耐性発色技術、層構成技術を活かしてサーマル機能層をインク化、これをコーティングすることで包装デザインと一体化し、可変情報の直接印字と食品包装に求められる耐久性、安全性を実現・印刷加工適正の高い感熱インク独自のサーマル素材・処方技術を活かして、包装材のデザイン印刷と同時に加工できるインクを開発し、包装材の生産性を維持 産業プロダクト事業分野においては、生産技術とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、データ認識処理による情報変換を通じた情報の見える化により、様々な産業設備のインテグレーション、車体・外装部品等の塗装外観を中心とした検査ラインソリューションを提供しております。例えば成長著しい車載リチウムイオンバッテリー外観検査や車両塗装外観検査における安全・信頼性を高める検査ラインの生産・販売を行って現場における少人化、自動化に貢献しております。今後、これら検査設備等から得られるデータの活用により、お客様への新たな価値提案へと繋げていく予定です。 また、これまで当社で培ってきた光学技術、画像認識、AI等の最先端技術を融合し、自動車、物流・建機車両の自動制御や安全補助をするステレオカメラの開発を様々なパートナーと進めております。当連結会計年度は、クレーンを使用する建設、土木等の現場において、吊り荷と作業員を自動検出し、立体的にとらえることで、吊り荷と作業者の衝突危険性を検知、クレーン操縦者に知らせることで衝突事故を防ぐシステムを東洋建設株式会社との共同実証実験を通して開発を進め、販売に至りました。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 クレーン作業安全支援システムを開発、東洋建設株式会社と共同実証実験を実施~クレーン作業における吊り荷と作業者の衝突事故の発生を抑制し、現場の安全性向上に貢献~・吊り荷と吊り下ろし場所の作業員の位置を、ステレオカメラから取得した映像を用いてAIで自動検出・追尾し、吊り荷と作業員が接近すると警報を発することで、作業員全員の安全作業をサポート・クラウドと連携することで、遠隔地の管理者への通知や、作業状況の記録・管理も可能・クラウドを通して現場のデータを蓄積し学習、様々な現場においても高精度に作業員の位置を検出可能・ブラウザ上で使用できるアプリケーション活用で、各現場の危険シーンの録画を用いて、現場での危機管理の学習に活用可能・クレーンを使用する現場における安全性向上への有効性が認められ、新技術情報提供システム(NETIS*)に2022年10月に登録 * NETIS:国土交通省が新技術活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的に整備したデータベースシステムなお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 3,763百万円です。 (5) その他事業当社グループの持つ技術力を活かして、産業向けからコンシューマー向けまで幅広い製品・サービスを提供しております。また、現場、ヘルスケア、環境における社会課題解決に貢献する新たな事業創出を目指しております。 ■デジタルカメラ事業デジタルカメラ事業を担うリコーイメージング株式会社では、PENTAXとGRの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化さております。 当社グループでは、100年に及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンPRIME VやGR ENGINE 6と、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットI,IIのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、これらの技術に加え、当社独自のボディ内手振れ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手振れ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラを以下のシリーズで提供しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 水深14mでの水中撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ「RICOH WG-80」を発売・小型軽量ボディに高い防水性能と優れた耐落下衝撃性能、さらに多彩な撮影機能を備えた防水コンパクトデジタルカメラ・小型軽量のボディに14m防水や高さ1.6mからの耐落下衝撃性能、さらにマイナス10℃までの耐寒構造を備えており、一般的なデジタルカメラやスマートフォンの使用が困難な環境下での撮影に耐えうる高い信頼性を実現しております ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IIIx Urban Edition」「RICOH GR III Diary Edition Special Limited Kit」を発売・プロフェッショナルユースにも応える高画質とスナップシューティングに最適な小型軽量ボディのRICOH GR IIIxとRICOH GR IIIに、それぞれ「都会」「日常」をイメージしたボディーカラーを施した特別仕様のハイエンドコンパクトデジタルカメラ 防塵・防滴構造を採用したマクロレンズ「HD PENTAX‐D FA MACRO 100mmF2.8ED AW」を発売・最新の設計技術により光学系を一新し、絞り開放から高い解像力と高いコントラストが得られ、シャープな描写力を実現するとともに、当社マクロレンズで初の防塵・防滴構造を採用したマクロレンズ 天体望遠鏡用アイピース「smc PENTAX XW16.5」「smc PENTAX XW23」を発売・視野周辺までシャープな星像が得られる5群7枚構成の新光学系を採用しシリーズ最高の見掛け視界85°の広視野角を実現し、星雲や星団の迫力ある観察が可能な天体望遠鏡用の高性能アイピース(接眼レンズ) 防塵防滴、小型設計のデジタル一眼レフカメラ「PENTAX KF」を発売・アウトドア撮影に適した防塵・防滴の小型ボディに本格的な光学ファインダーをはじめとする、こだわりの基本性能を備えたスタンダードクラスのデジタル一眼レフカメラ・視野率約100%でガラスペンタプリズムの光学ファインダー、シャッタースピード換算で4.5段分に相当するボディ内手ぶれ補正等、上位機並みの機能・性能を備えたモデルです ■スマートビジョン事業 ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を発売以降、360度画像・映像を活用した事業の幅を広げてきました。現在では、クラウドサービスと連携させることでワークフロー全体を効率化するソリューションを提供し、業務効率化と生産性の向上を実現する「RICOH360」プラットフォーム事業を強化し、SaaSビジネスの展開を行っております。 建設業においては、2024年4月より施行予定の改正働き方改革関連法案の中で、残業時間の上限に罰則規定が設けられる等、労働生産性を上げることが急務となっております。このような背景から、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速と「RICOH360」プラットフォーム事業のさらなる拡大のため、他社との協業を開始しております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 「RICOH360」プラットフォーム事業で建設テック企業と協業を開始~建設業向けソリューション提供で現場のDXを加速~・建設テック企業であるスパイダープラス株式会社と、建設業界のDX加速を目的に、「RICOH360」プラットフォーム事業とスパイダープラス株式会社の建設DXサービス「SPIDERPLUS」事業の協業を開始しております。・当社が保有する360度画像・映像技術情報や機能をスパイダープラス株式会社へ提供し、建設業界において官民が一体となって推進する「BIM(Building Information Modeling)」に向けたサービスの検証を開始しております・今後も建設業のユーザーニーズを踏まえた短期の課題解決及び市場動向を踏まえた中長期の課題解決に向けた「RICOH360」の機能強化のために、ワークフローに精通した建設テック企業との協業に取り組んで行きます ■ヘルスケア事業当社グループでは高齢化社会への対応、医療費削減、ウイルス等の感染拡大防止等が求められるヘルスケア事業を、社会課題の解決に取り組む事業の1つとして位置づけております。iPS細胞の高速分化誘導技術やmRNAの設計・製造技術をコアとした創薬支援の「バイオメディカル」、脳磁計・脊磁計の活用により脳や中枢・末梢神経の活動を可視化する「メディカルイメージング」を重点領域とし技術開発に取り組んでおります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 mRNAを活用した創薬支援事業を強化~バイオテクノロジー企業エリクサジェン・サイエンティフィック(eSci社)と株式追加取得で合意~・eSci社の株式を過半数取得する契約を締結し子会社化することで、高齢化やパンデミック等の社会課題を解決するための創薬基盤の整備・構築を加速し、人々の健康と安心への貢献を目指しております・eSci社は、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を様々な細胞へ高速分化誘導可能な独自の技術とmRNAの設計や製造に強みを有しており、この技術を当社がこれまで培ってきたデジタル化技術やAI(人工知能)技術で活用領域を拡大し、個別化医療や創薬研究の加速に貢献していきます 日本のmRNA医薬品創薬市場の活性化に向けたファンド設立~mRNAを活用した創薬スタートアップの研究開発支援を強化~・日本のmRNA医薬品の創薬市場の活性化に向けて、「リコー バイオメディカル スタートアップ ファンド」を2022年9月に設立し、創薬事業を行う日本国内のスタートアップ企業の研究開発を支援しております・当社及びeSci社/EsJ社*で培った強みに、スタートアップの持つ技術やノウハウを組み合わせ、日本国内におけるmRNAを用いた創薬基盤の整備・構築を進めていきます *EsJ社:エリクサジェン・サイエンティフィック・ジャパン 経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に当社及びエリクサジェン・サイエンティフィック・ジャパンの提案が採択・「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」は、国内における新型コロナウイルスワクチンを始めとしたバイオ医薬品の実生産(大規模生産)体制の早期構築を図るとともに、ワクチンの早期供給を促すために経済産業省が公募したものです・この度の採択により、医療用mRNAの製造能力のさらなる増強を目指しており、ワクチンをはじめとするmRNA医薬品の研究開発をより幅広く支援していきます・本事業によりmRNA治験薬の国内製造拠点を整備することに加え、ファンドによるスタートアップ企業への投資を行うことで、mRNA医薬品をより自由に創出できる環境を構築し、人々の健康と安心に貢献していきます ■環境事業 当社グループは事業を通じて注力する重要社会課題の1つとして、脱炭素社会の実現を掲げており、国内企業で初めてRE100に参加する等、徹底した省エネや再生可能エネルギーの積極活用に向けた取り組みを強化しております。製品のエネルギー効率向上、リサイクル材や植物由来原料を用いた素材開発等、脱炭素に向けたイノベーションに取り組んでおります。今後は、ビジネスパートナーや顧客にも協力を働きかけることで、バリューチェーン全体での脱炭素社会づくりに貢献していきます。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 オフィスや商業施設等の環境情報をモニタリング可能な「RICOH EH CO2センサーD101」を発売~環境発電技術搭載により各種環境情報の取得を電池交換レス・配線レスで実現~・オフィスや商業施設等の環境情報を、電池交換レス・配線レスで取得できる環境センシングデバイスの新製品として、温度・湿度・照度・気圧に加え、CO2濃度も取得可能な「RICOH EH CO2センサーD101」を、2022年6月中旬より発売しました・当社が開発した固体型色素増感太陽電池モジュール「RICOH EH DSSCシリーズ」を搭載し室内光で連続動作が可能で、無線通信を利用して環境情報を収集するため、複数台配置することで広いフロアもリアルタイムに一元管理が可能です・本製品により、感染症対策の一環である人の密集状態・換気状態の確認だけでなく、働く場所の環境管理のDXに貢献し、お客様に安全・安心に働ける環境を提供することを目指していきます 「RICOH EH 環境センサーD202」が、三菱地所株式会社の「警備ロボットを活用したIoT設備点検」に採用~設備技術員の人手に頼らない点検作業のDX実現に貢献~・当社が提供する「RICOH EH 環境センサーD202」が、三菱地所株式会社が推進する「警備ロボットを活用したIoT設備点検」に採用されました・巡回・立哨警備を行う自律移動型ロボットが設備機器に設置したIoTセンサーやカメラからデータを自動収集して設備点検を行うシステムで、「RICOH EH 環境センサーD202」は空調機内部の環境情報を検出するIoTセンサーとなります・現行の設備機器は設備技術員が目視や定期巡回等で点検しておりますが、空調機器内のフィルター状態を遠隔で確認することで、設備技術員の人手に頼らない点検を実現し、働き方改革に貢献していきます ■事業共創事業 スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 国土交通省による下水道応用研究にて3Dプリンターを活用したマイクロ水力発電の検討を実施・新規事業創出の取り組み「TRIBUS(トライバス)」に採択された社内スタートアップである「WEeeT-CAM(ウィットカム)」は、シーベル株式会社、金沢工業大学との連携により、バイオマス*1由来の材料を使用した3Dプリンター製の羽根を組み込んだマイクロ水力発電機を開発し水処理場での活用を検討しております・数kWの発電に成功し、従来の金属製マイクロ水力発電装置と比較して重量は水車部分25%、装置部分15%の軽量化を実現、水車の作成期間は約1か月から3日と大幅な短縮に成功しました・水車部分は樹脂製で水中での耐久性も向上。一般に使用されている3Dプリンター材料で作成した場合と比較し、水車羽根の強度は金属製に匹敵する2倍以上*2を実現。水中に長期間つけても強度が維持され従来のマイクロ水力発電にも使用できることが判明しております *1 バイオマス:化石資源を除く再生可能な生物由来の有機性資源 *2 最大曲げ破壊力が従来材料の樹脂特性が60N/nm²に対して当社が開発した「RD3 New method」で133N/nm² 手持ちで使える小型ハンディプロジェクター「RICOH Image Pointer GP01」を発売・新規事業創出の取り組み「TRIBUS(トライバス)」に採択された社内スタートアップである「Image Pointer」は小型ハンディプロジェクターを発売しました・手になじむコンパクトボディ、軽さ220gでポケットに入る大きさを実現しました・小さくても台形補正や色味変更が可能でスピーカーも搭載。投影サイズは25~80型まで。近づいたり、離れたり、投影場所や人数次第で自由に投影ができます・Wi-Fi™ですぐに接続、アプリも不要、HDMI®接続も可能。コードレスで机や壁等に投影し、お気に入りの写真や動画を大きな画面でみんなでシェアが可能になりました なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 14,033百万円です。 (6) 基礎研究分野 当社グループではこれまで、商品の差別化につながる基礎研究分野として、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術や検証、シミュレーション等の技術機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発や、お客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めてきました。 先端技術研究所では、将来に向けてはこれらの技術を核として、2つの提供価値領域にフォーカスして開発を行っております。・HDT(Human Digital Twin at Work):ワークプレイスで働く人のデジタル化技術。行動センシングやバイタルセンシング等の技術と、認識やAI等の技術とを活用し、働く人の創造力発揮を支援する。・IDPS(Industrial Digital Printing System):インクの代わりに機能材料を吐出する産業用インクジェット技術を発展させ、製造・生産プロセスをデジタル化し、飛躍的な改善や廃棄物削減、省エネにつなげる。 分析・シミュレーション等の共通基盤技術は、引き続き当社グループの開発生産現場に展開し、さらなる効率化と品質向上を図っていきます。 協業パートナーとの共創も積極的に推進しており、当連結会計年度では30以上の協業パートナーと価値検証を実施しました。また、研究開発のグローバル化を目指して、海外研究機関・企業との連携体制を構築中。Horizon Europe(現代の重要課題に取り組む研究とイノベーションのための国際的な枠組み )のプログラムに参加し、欧州の代表的な研究機関や有力企業各社と共同研究開発を開始しました。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。次世代インクジェットヘッド技術 「GELART JET ヘッド」~インクジェット技術の活用領域の拡大により持続可能な社会の実現を目指す~・高圧対応の独自ヘッドにより、高粘度・大滴サイズの塗料吐出による大面積・厚塗り印刷や、塗料の飛翔距離拡大による曲面・凹凸面への印刷、大粒子含有材料の吐出による印刷以外の用途への展開が可能になり、インクジェット技術の活用領域を拡大・当技術を活用し、壁面や路面、自動車外装等へのデジタル塗装技術を開発中。塗装工程で発生する材料やエネルギーの無駄を最小化し、環境汚染低減、省エネ等の持続可能な社会の実現に貢献・2022年11月のIGAS2022(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展)において、当技術を含めたIDPS領域における開発技術を、「機能するJetting」というコンセプトのもと発表 HDT(Human Digital Twin at work)を実現する技術開発 ~共創活動による開発加速~ ・東京大学との社会連携講座「“はたらく”に歓びを」を開設し、個人やチームの創造性や働きがいを向上させる未来の働き方の共同研究を開始。当社の技術・ノウハウに裏付けられたオフィス向けソリューションの実績と、東京大学の卓越した学術的知見・技術というお互いの強みを連携することで、技術分野における相互の知的・人的・物的資源の交流や、共同研究開発活動の推進による新しい価値の創造を図る・VIE STYLE株式会社と共同で、ブレインテックの活用による「仕事への内発的動機づけ」の向上に関する共同研究を開始。VIE STYLE株式会社が持つ次世代型ウェアラブル・イヤホン型脳波計とニューロテクノロジーの知見に、仕事に対するゲーミフィケーションを組み合わせることにより、仕事への内発的動機づけ(働きがい)を向上させ、働く個人のウェルビーイングとパフォーマンスの向上を狙う デジタル戦略部では、顧客価値創出のデジタル基盤として「RICOH Smart Integration(RSI)」を整備、強化しております。 RSIで様々な業務システムやデバイスをつなぐことで業務フローをデジタル化し、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献します。具体的には、自社やパートナーの技術をコンポーネントやマイクロサービス、コンテナとして整備し、エッジデバイスと組み合わせて、ワークフローをLow Code/No Codeで構築することで短期間でのサービス開発・提供を可能にしております。 また、RSIに蓄積された画像データをはじめとする様々なデータとAIを組み合わせて利活用することで、顧客や社会の課題解決をするための新たな顧客価値創出を進めております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 人が知覚する光沢感や高級感といった感性情報を定量化し、関係性を可視化する技術~情動・質感同士の関係性理解による、商品開発工程の効率化に貢献~・商品開発における定性的で属人性のある情動・質感設計プロセスに対して、最適化手法を用いた感性モデルの構築手法を提案・官能評価実験によって取得した情動や質感に関する評価点を変数として、構造方程式モデリングに適用するグラフ構造を遺伝的アルゴリズムによって最適化。設定した統計値に基づき、属人性のない感性モデル構築を実現・本研究では視覚における情動や質感を対象としたが、他感覚(触覚、聴覚、味覚、嗅覚)の感性情報にも応用可能・以上の研究成果は、2022年10月にチェコ共和国で開催されたIEEE SMC 2022で発表 医療分野に適用可能な画像認識AIの新アルゴリズムを開発~AIをてんかんの脳波判読へ応用、診断の省力化に向けた研究開発を加速~・大阪大学との共同研究で、深層学習を用いた画像認識AIの新しいアルゴリズムを開発・脳磁計で計測した脳波の分析に本研究で開発したアルゴリズムを応用することで、てんかんに特徴的な波形(てんかん波形)を見分けることが可能であることが、研究結果から示された・本技術をてんかんの手術前に行う脳磁図検査に適用することで、診断の大幅な省力化が期待されるなお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 15,356百万円です。
FY2022|16,318 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。2021年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的まん延が継続し、更に、半導体不足、各種材料不足、輸送手段の高騰など年度初めには予想できなかった事態により、根本的な事業構造の変革を迫られる年度になりました。その状況の中でも研究開発分野においては、アフターコロナを見据えた変革加速として、「OAメーカーからの脱皮」及び「デジタルサービスの会社への変革」に力をいれてまいりました。当社グループの2036年ビジョン「“はたらく”に歓びを」の実現に向け、デジタルサービスの会社として、ワークプレイスを変化させていく商品やサービスを提供してまいります。体制面では、CTO(Chief Technology Officer)のもと、技術面・経営面の両面から技術開発に取り組んでおりますが、2020年度からCDIO(Chief Digital Innovation Officer)を配置し、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しております。カスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の進化、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。これまで当社では中長期的な研究開発及び要素技術開発は本社研究所機能にて集約的に行い、それらの成果を基に事業実施区にて製品設計に応用する研究開発体制を取ってまいりました。2021年度から導入された社内カンパニー制下においては、事業ドメインごとのビジネスユニットそれぞれが受け持つお客様・商品毎に向けたリソースを集約運用するという考え方から、研究開発についても将来に備えた中長期的な研究から直近の製品開発・設計・生産までを一貫として事業分野毎に集約した体制へと変更いたしました。上記の体制変更に伴い、本社研究開発の役割・内容も変更しております。 本社での研究領域として、当社の現事業ドメイン以外での中長期的な成長を支える技術戦略として「ワークプレイスではたらく人の働き方を進化させるデジタルツイン」と「マスカスタマイゼーション時代のデジタルプリンティング」の2つの領域を定めました。これらの実現に向けた研究開発及び当社グループの共通基盤技術開発に集中・特化した「先端技術研究所」を設立いたしました。また共創プラットフォーム「 RICOH Smart Integration (RSI)」 を支えるデジタル基盤技術の研究開発を行う「デジタル戦略部」を設立いたしました。AI/ICT技術の開発や“はたらく”をデジタル化する技術の開発、それらに携わるデジタル人材の育成・強化を担いデジタルサービスの会社としての拡大を支えます。更にこれらの本社研究所の技術開発からの事業インキュベーションに向け、2021年度から組織を新設し、開発体制の強化を行っております。研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。オープンイノベーションにおいては、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めております。また、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。3年目になります2021年度では195件の応募の中からコンテストを実施し、選出された優秀なテーマには当社グループ内に登録されている約250名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 96,721百万円です。 (1) デジタルサービス当社グループでは、お客様への提供価値を「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」と定め、働く現場のデジタルトランスフォーメーションを支援することで、お客様の業務効率化や生産性向上に貢献しております。近年、時間や場所にとらわれない多様な働き方が求められており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策をきっかけに、その要望は飛躍的に大きくなっております。当社グループでは、オフィス業務のペーパーレス化だけでなく、企業間取引業務を支援するトレードエコシステム、遠隔機器による現場作業支援など、様々なワークフローにおいて、デジタルトランスフォーメーションによりお客様の課題解決に貢献できるサービス開発に取り組んでおります。当社グループでは、クラウドサービス等と親和性の高いMFPをはじめとした各機器がつながり、お客様がいつでも最新のサービスを利用可能な統合プラットフォーム「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES プラットフォーム」を提供しております。このプラットフォームを中心とした「RICOH Digital Processing Service」では、お客様の基幹システムや業務システムと「スクラムパッケージ」を連携させることで、手作業に頼っていたアプリ間のデータ受け渡しを自動化し、お客様の業務効率や生産性を向上いたします。お客様の働く環境をトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上、多様な働き方に寄与する価値提供を目指しております。2021年度は、お客様のワークフローをデジタル化するコンテンツ管理ソフトウエアの「DocuWare」を提供するDocuWare GmbHの全株式取得(2019年度)に続き、企業の業務プロセス自動化を支援するプラットフォームやアプリケーションを開発・販売するAxon Ivy AG(本社:スイス)の全株式を取得しました。当社グループの強みである顧客接点力やこれまで培ってきた製品や技術、ノウハウなどを組み合わせることで、さらなる顧客価値の創出に取り組むとともに、デジタルサービスの会社への変革を加速させてまいります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 自然言語処理AIでデータを分析し、業務効率化や新しい価値の創造に貢献する「仕事のAI」を提供開始~業種業務ごとにラインアップを拡充し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援~・これまで業務に精通した人が行ってきた「問題の発見」「課題解決策の策定」「新たな価値の創出」といった付加価値の高い業務を、デジタルの力でよりスムーズに、人の判断によるばらつきを抑えて行える支援を実現・第一弾として、食品業界の大手・中堅企業向けに「RICOH 品質分析サービス Standard for 食品業」を発売。コールセンターやヘルプデスクに集まる膨大な問い合わせ情報を自然言語処理AIで分析し、重要度順に表示することで、迅速な顧客対応や品質改善によるリスク低減に貢献 世界最薄・最軽量42インチ電子ペーパーを使ったソリューションを提供開始~図面などの大型用紙を使った作業が必要な現場のデジタル化を後押し~・世界最薄・最軽量*、世界初防塵・防水(IP65対応)*の42インチ電子ペーパーデバイス「RICOH eWhiteboard 4200」と、ソフトウエア、クラウドサービスを組み合わせた商品・ソリューションを発売・バッテリーを内蔵し、建設現場や工場をはじめとした、電源が確保しにくい場所での長時間利用を実現・手書き入力文字のテキスト変換や、専門用語などをカスタム辞書に登録した即時変換が可能・クラウド対応することで「RICOH eWhiteboard 4200」同士で離れた場所で相互書き込みや、遠隔共有が可能 *42インチ電子ペーパー製品で、バッテリー内蔵の入力・表示装置において(2021年7月現在、当社調べ) 映像や音声のリアルタイム配信機能を提供する「RICOH Live Streaming API」を提供開始~APIを活用した機能提供によるビジネスモデルを構築~・API連携により、アプリケーションやWebサービスに短期間で埋め込み可能・テレビ会議・Web会議システムなどで培ってきた動画や音声などのメディア帯域制御の技術により、高品質と低遅延を両立し、4Gなどのモバイルネットワーク環境においても安定した接続が可能・当社の360度カメラ「RICOH THETA」などとの組み合わせで、臨場感あるライブストリーミングも実現 2022年1月施行の改正電子帳簿保存法に対応する「RICOH 証憑電子保存サービス」を提供開始~様々な証憑をひとまとめに。手軽に手間なく始められる電子保存サービス~・様々な証憑を版管理方式(削除・修正の履歴による方式)でクラウド上に法定年数に応じた長期保存が可能・電子帳簿保存法のスキャナ保存・電子取引要件に準拠した検索が可能・電子帳簿保存法改正で求められる「取引先名」「取引金額」「取引日」の項目の入力代行サービスも用意 「DocuWareバージョン 7.4/7.5」を提供開始~より安全かつ高速にデータ、プロセス、ドキュメントを管理するための継続改善~・ライブコラボレーション機能の追加、ドキュメントとデータ検索の高速化を提供(バージョン7.4)・言語追加、Webhook機能による外部連携、自動ドキュメント処理機能を提供(バージョン7.5) 再生可能エネルギートラッキングの実証事業を開始へ~蓄電池に充放電した再生可能エネルギーの環境価値を担保し、取引できる仕組み構築を目指す~・日本ガイシ株式会社と、再生可能エネルギーの発電から消費及び余剰発電の電力貯蔵用NAS®電池への充放電も含めた全てのプロセスのトラッキング(追跡)を行う実証実験を、2022年度から開始・発電した再生可能エネルギーをその環境価値が見える形で最大限活用するため、当社が開発するブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した再エネ流通記録プラットフォームを用いて、再生可能エネルギーの発電、蓄電、消費のトラッキングについて恵那電力株式会社を実フィールドとして検証実施なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 11,890百万円です。 (2) デジタルプロダクツ新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、世界的なワークスタイルの変化が著しい中、オフィスにおいてはワークフローのさらなる効率化、そして在宅ワークにおいては安心して利用できるデバイスや機能のタイムリーな提供が求められております。これらのご要望にお応えするプリンティングやスキャニング環境を迅速に実現するための技術開発、また、外部環境変化の影響を受けずに安定して製品をお届けできる生産プロセス構築に力を注いでおります。当社のデジタルサービスを実現するための特徴的なクラウド型統合プラットフォームである「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES プラットフォーム」との親和性を重視したオフィス機器の開発など、時間や場所の制約を受けずに働くための環境を実現するクラウドサービスへのご要望にもお応えしてまいります。複合機やプリンターにおいては、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、常に最新の機能をご利用いただけるソフトウエア技術「RICOH Always Current Technology」の新バージョンなど、各領域での設計・技術開発を継続して行っております。また、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)、プロジェクターなど、働き方改革を実現するためのスマートコミュニケーションデバイスの商品開発にも引き続き注力してまいります。2021年度においては、原料価格の高騰、半導体部品の不足、ロックダウンによる生産停止など、数々の困難に直面しました。そのような外部環境変化に左右されないものづくり体制を構築し、お客様へ必要な製品を安定的にお届けできるよう、設計面と生産面で様々な施策を打ちました。たとえば、有事において切り替えに時間を要する部品については、製品の開発段階からあらかじめ代替候補を選定した上で設計するようにプロセスを変更しました。さらに、再生材料の使用促進など、近年重要となっている脱炭素社会や循環型社会の実現へ貢献するための技術開発も進めております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。デジタルモノクロ複合機「RICOH IM 6000/5000/4000/3500/2500」を新発売~充実の基本性能と最新のクラウドサービス対応でユーザーの業務効率化に貢献~・オフィスワークの自動化・省力化を推進する「RICOH Intelligent WorkCore」に対応・多様なワークフローに対応できる後処理オプション、高速出力により高い生産性を実現・デジタルサービスとの連携に不可欠となる紙文書のスキャナ機能を強化し、OCR(光学文字認識)処理速度も向上・導入後も基本機能を最新の状態にアップデートできる「RICOH Always Current Technology」に対応クラウド対応複合機の基本機能をアップデートする「RICOH Always Current Technology Version 2.0」を提供開始~スマホライクな拡張性で最新機能に対応し、使いやすさやセキュリティを向上~・最新のセキュリティ機能に対応したほか、ファクスやスキャンに関連するニーズの高い機能の追加・改善が可能に・サブスクリプション型商品のラインアップを拡大し、お客様の業務環境変化に柔軟に追従できる便利な追加機能を提供A4 カラーレーザープリンター/複合機「RICOH P C200L/C200SFL」を新発売~小型・軽量で小規模オフィスや在宅勤務にも最適~・一人でも持ち運び可能な軽さを実現する一方、印刷速度は24枚/分に高速化・国際エネルギースタープログラム、グリーン購入法、エコマークなど各種環境基準に適合A3 カラープリンター「RICOH P C6000L」を新発売~世界最小クラス*のコンパクトボディに多様な機能を凝縮~・オフィスのデスクサイドから店舗窓口まで、様々な場所への設置が可能・無線LANを標準搭載するとともに、幅広い用紙サイズに対応 *A3カラーLED/レーザープリンターの設置面積(A3用紙使用時)において(2021年12月現在、当社調べ)「RICOH Interactive Whiteboard A6500-Edu」を新発売~学びの質を高める機能が充実の、シンプルで使いやすい電子黒板~・「映す・書く・つながる・共有する」でコラボレーションを促進する教育現場向けモデル・65インチで4K対応(3840×2160pixels)の高精細なディスプレイで地図や映像などのコンテンツを細部まで表示可能・難しい操作をせずに直感的に使えるホワイトボードアプリケーションを内蔵・児童・生徒のパソコン/タブレットからの無線投影機能を標準搭載なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 34,684百万円です。 (3) グラフィックコミュニケーションズ 当社グループは、現場で働くお客様の課題をデジタルトランスフォーメーションにより解決し、お客様のビジネス拡大をサポートする総合パートナーとなることを目指しており、コンサルティングから印刷、デリバリーに至るお客様のバリューチェーン全体の生産性向上に寄与するソリューションを提供していきます。 商用印刷事業分野においては、印刷業のお客様に向けて、生産性向上に寄与する印刷機やゴールド、シルバーなど高付加価値を可能にする特色トナー、上流から下流まで工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っており、Offset to Digitalを加速して、お客様の現場プロセスのデジタル化・働き方改革を牽引していきます。そのために、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発を継続して行っております。また印刷DXを推進するハイデルベルグ社(ドイツ)との長年のパートナーシップや、多様な印刷物を支える加工機ベンダーなどとのアライアンス、お客様と連携してソリューションを開発する取り組みを通じて、印刷のトータルソリューションを提供していきます。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 「RICOH Pro VC70000」がFogra認証を取得~連帳インクジェット印刷機として、業界初のFogra認証取得~・Fograは印刷業界をリードする認証機関・Fogra認証取得は、「RICOH Pro VC70000」が業界最高水準に準拠していることを示し、一貫して優れた印刷品質を提供することでお客様のビジネス拡大に貢献・Fograは以下2つの異なる印刷条件で「RICOH Pro VC70000」がISO 12647-8標準に準拠することを認定-Fogra59(最新の広色域プリンタ向け基準での印刷)-Fogra51(ISO 12647-2:2013に準拠したプレミアムコート紙への印刷) 印刷事業者のビジネス拡大を支援する「RICOH BUSINESS BOOSTER」を国内展開~印刷事業者、ビジネスパートナー、リコーグループによる共創活動を強化~・「RICOH BUSINESS BOOSTER」は、当社グループで北米・欧州を中心に2014年から展開している印刷事業者やビジネスパートナーの方々との共創活動の総称・お客様である印刷事業者の課題ごとに当社のプロダクションプリンターや各種ソフトウエア、サービスと、ビジネスパートナー各社の機器、ソフトウエア、サービスを組み合わせたソリューションを3つの軸で最適化して提供・既存の製品やサービスの組み合わせでは解決できない課題に対しては、価値共創プロジェクトを立ち上げ、印刷事業者やビジネスパートナーとともに新たなソリューション開発に取り組む・リコージャパン株式会社ではこれまでも、印刷事業者、ビジネスパートナー、当社グループによる課題解決活動を行ってきましたが、この度新たに、価値共創プロジェクトを推進する専門組織を設立し、「RICOH BUSINESS BOOSTER」の活動を加速 産業印刷事業分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発、製品化に注力し、製品ラインアップの拡充に取り組んでおります。高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評をいただいているMHシリーズヘッドに加え、MEMS (Micro Electro Mechanical System) 技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドのフラッグシップモデルを新たに発売し、多様なアプリケーションへの対応力を強化しております。また、衣料印刷市場向けには、北米・欧州地域でご好評を得ているクラス最高の印刷生産性を実現したガーメントプリンター「RICOH Ri 2000」を日本市場向けに発売しました。エントリークラスの「RICOH Ri 100」と合わせ、お客様の用途に応じた製品提供を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。産業用インクジェットヘッド「RICOH TH6310F」を新発売~高ギャップ印刷対応とインク循環機能を備えたフラッグシップモデル~・MEMS技術を活用した独自の高集積設計により、100×8列×2モジュールの1,600ノズルを配列、2.6インチ印刷幅を実現・吐出不良のリスクを大幅に軽減するインク循環構造を採用し、吐出信頼性を確保・UV、溶剤、水性のすべてに対応したインクにより、サイングラフィックス、テキスタイルなど幅広い用途に対応・2階調時には周波数80kHz、4階調時には新機能により周波数40kHzの圧倒的な吐出性能を実現高速ガーメントプリンター「RICOH Ri 2000」を国内市場に向けて発売~ガーメントプリント市場で求められる高い生産性と使いやすさを両立~・2つのキャリッジを搭載。ホワイト用キャリッジで下地となるベースレイヤーを印刷した上に、カラー用キャリッジでカラーレイヤーを連続して印刷することで高速印刷を実現・自動ヘッド清掃機能による簡単メンテナンス、テーブルの自動高さ調整による高い操作性、定期自動クリーニングによるダウンタイムの低減など、お客様の使いやすさを重視した機能を搭載なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 25,300百万円です。 (4)インダストリアルソリューションズ サーマル事業分野においては、世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。 高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(環境負荷低減:フェノールフリー化)の欧州市場販売を皮切りに、2021年度は日本市場においても販売を開始しました。2022年度は北米市場で販売を開始し、順次、グローバル展開を進めてまいります。 また、長年にわたり培ってきた光学系の独自技術を生かし、半導体レーザー光を用いた「リライタブル レーザーシステム」と「高速印刷ソリューション(FC-LDA Printer)」を事業展開し、人手不足が深刻な物流現場における省人化や製造業における自動化の進展に貢献しております。 リライタブル レーザーシステム「RICOH Rewritable Laser System L3000/C3000」を、2021年4月に日本、7月に北米、中国で発売いたしました。発売以降コンビニ、日用品卸等のお客様において「環境負荷低減」、「自動化省力化実現」が評価され導入が進んできております。製造業のお客様では特に食品業界において「ラベルごみゼロによる衛生環境実現」、「異物混入防止」の実現のため導入が図られております。また本製品と他社製品、システムとの組合せによるソリューションの展開も順次図っていく予定でおります。 産業プロダクツ事業分野においては、これまで培ってきた光学技術、電装技術、画像認識などの最先端技術を融合し、自動車、物流・建機車両の自動制御や安全補助をするステレオカメラの開発を様々なパートナーと進めております。 2021年度は、フォークリフト作業現場の複雑な環境下において、周辺の障害物の中から人、物を立体的にとらえ、高精度に検知することを可能とする後方作業者検知運転支援システムを株式会社豊田自動織機との共同開発にて量産を開始しました。 また、生産技術とIoT、AI、画像認識などの最先端技術を融合し、データ認識処理による情報変換を通じた情報の見える化により、様々な生産設備のインテグレーション、車体・外装部品等の塗装外観を中心とした検査ライン、近年では成長著しい車載リチウムイオンバッテリー生産における安全・信頼性を高める検査ラインの生産・販売を行って現場における少人化、自動化に貢献しております。今後、これら検査設備等から得られるデータの活用により、お客様への新たな価値提案へと繋げていく予定でおります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 生産工程向け高速印刷ソリューション「RICOH FC-LDA Printer 500」を発売~大量生産ライン内での印刷業務効率向上と省資源化による環境負荷の低減に貢献~・世界最高出力*の2000Wレーザーマーカー -10万分の1秒ほどの短時間照射で熱反応を起こして、高速にサーマル印字が可能・192chレーザーアレイを80kHzで独立変調 -チャンネルごとに最高毎秒8万回変調制御するレーザードライバーを独自に開発し、高速・高精細な印字を実現・透明性の高いサーマルメディア層 -分散技術や高耐性発色技術を生かしてサーマルインクを開発。これをコーティングすることでラベル、袋、箱など様々なものをメディア化し、レーザー印字が可能に*2020年8月19日現在、当社調べ フォークリフト用ステレオカメラを株式会社豊田自動織機と共同開発~フォークリフト作業における車両と人・物の接触事故の発生を抑制し、現場の安全性向上に貢献~・広角化技術により水平角130度という広範囲の検知を実現・3次元ベースの認識技術により不特定多数の人に対してタグ携帯なしでも検知を実現・画像処理・電源機能をカメラ内に実装することで小型化、ワンパッケージ化を実現・厳しい使用環境にあるフォークリフトの現場においても動作可能な高い耐環境性能を実現なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 3,727百万円です。 (5) その他当社グループの持つ技術力を活かして、産業向けからコンシューマー向けまで幅広い製品・サービスを提供しております。また、ヘルスケア、環境、社会インフラなど、社会課題解決に貢献する新たな事業創出を目指しております。 ■デジタルカメラ事業デジタルカメラ事業を担うリコーイメージング株式会社は22年1月に“リコーイメージングは生まれ変わります”(https://news.ricoh-imaging.co.jp/rim_info/2022/20220120_031454.html)と体制刷新のメッセージを公表しました。PENTAXとGRの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、"工房的"ものづくりによって両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化させる新しい事業体制を構築しております。 当社グループでは、100年に及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンPRIME VやGR ENGINE 6と、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットI, IIのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、これらの技術に加え、当社独自のボディ内手振れ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手振れ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラを以下のシリーズで提供しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 APS-Cフラッグシップデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III」を発売・高い基本性能と「PENTAX STATEMENT」を体現する製品として、こだわりの機能を小型堅牢ボディに凝縮、一眼レフカメラの本質的な価値にこだわり、写真を生涯の趣味として楽しまれている多くの方々が、撮影のプロセスまで愉しめる機能・性能を備えたカメラとして開発 KマウントAPS-Cサイズデジタル一眼レフカメラ用大口径標準ズームレンズ「HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW」を発売・ズーム全域で開放F2.8と明るく、高い描写性能を追求した「★(スター)」シリーズのAPS-Cサイズデジタル一眼レフカメラ専用大口径標準ズームレンズ ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IIIx」を発売・プロフェッショナルユースにも応える高画質とスナップシューティングに最適な小型軽量ボディを両立し、新たに35ミリ判換算で40mm相当の標準画角で撮影が楽しめる新レンズを搭載したハイエンドコンパクトデジタルカメラ ■ヘルスケア事業当社グループでは高齢化社会への対応、医療費削減、ウイルス等の感染拡大防止などが求められるヘルスケア事業を、社会課題の解決に取り組む分野の1つとして位置付けております。統合医療介護連携システムなどの「ヘルスケアソリューション」領域、脳磁計・脊磁計などの「メディカルイメージング」領域、独自のインクジェット方式を活用したバイオプリンティング技術を生かした「バイオメディカル」領域の3つの領域を重点領域とし技術開発に取り組んでおります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 脊磁計が国家プロジェクト(AMED)で採択 ・国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募する令和3年「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」(第6回)において「脊磁計による神経機能情報を活用した新たな診断技術の確立」で採択 ■環境事業 当社グループは事業を通じて注力する重要社会課題の1つとして、脱炭素社会の実現を掲げており、国内企業で初めてRE100に参加するなど、徹底した省エネや再生可能エネルギーの積極活用に向けた取り組みを強化しております。製品のエネルギー効率向上、リサイクル材や植物由来原料を用いた素材開発など、技術開発を介して環境負荷の削減に取り組み、室内光で効率的に発電するエネルギーハーベストな環境発電デバイス(DSSC)を搭載したセンサーの製品化や、植物由来のポリ乳酸(PLA)を独自のCO2微細発泡技術にてしなやかさと強度を持たせたPLA発泡シート「PLAiR(プレアー)」の活用可能性を検証するテスト販売を開始しました。ビジネスパートナーや顧客にも協力を働きかけることで、バリューチェーン全体での脱炭素社会づくりへの貢献に取り組んでおります。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 電池交換・配線不要な環境センシングデバイスの新製品「RICOH EH 環境センサーD201/D202」を発売~冷凍環境や高温・高湿度環境のモニタリングをメンテナンスフリーで実現~・屋内の温度・湿度・照度・気圧といった環境情報を電池交換レス・配線レスで取得できる環境センサーを発売・発電効率が従来比20%向上、マイナス30℃の低温環境下に対応など、性能アップした固体型色素増感太陽電池を搭載・冷凍環境や高温・高湿度環境でも使用が可能。自立電源で配線レス&電池交換レスを実現・防水・防塵機能を備えた「D202」をラインアップに追加することで、利用可能なシーンを大きく広げる 植物由来の新素材「PLAiR」のテスト販売を開始~緩衝性・断熱性を備え、加工が可能な発泡PLAシートの活用可能性を検証~・脱炭素・循環型社会の実現を目指し、カーボンニュートラルかつコンポスタブルな植物由来99%の新素材PLAiRを開発・発泡倍率を変えることで、梱包材や緩衝材、各種容器などに広く使用可能・発泡倍率15倍を長さ80mのロール状にして発売・テスト販売を通してお客様の声を伺い、様々な用途への活用可能性を検証 ■スマートビジョン事業 360度画像活用ビジネス「RICOH360」では、不動産、建設、広告、店舗などの業種業務を始めとして、様々な業界を横断するグローバルプラットフォームを構築することを目指しております。 品質に定評があるカメラ機器に加え、全天球カメラなどユニークで魅力的なハードウエアとそのデータ活用により、新たな画像・映像体験を創造していきます。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 デジタルサービスの拡大に向けて「RICOH360」プラットフォーム事業を強化・時間や場所にとらわれない情報共有やデータ収集・活用が容易になることで、不動産、建設・建築をはじめとする、様々な業種でのはたらく現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、業務効率化と生産性の向上に貢献 建設現場の状況共有を効率化するクラウドサービス「RICOH360 Projects」の強化・RICOH THETA開発の利点を活かし、競合サービスが持たない「タイムラプス機能/ライブ映像機能」を実装。さらに、建設現場に適合した独自デバイス「Wearable」の開発に向けて、モック制作やユーザー価値検証の活動を展開中・施工管理ワークフローに適合した機能(URL共有)、UX向上(ウォークスルー)、建設DXの推進に寄与する機能(BIM連携)を拡充し、プロダクト価値を向上・BIM連携は国交省の「イノベーション促進事業」に採択 はたらく現場を効率化する360度カメラ「RICOH THETA X」を新発売・360度カメラ「RICOH THETA X」を海外先行発売・2.25型の大型タッチパネルモニターを搭載し、現場で撮影した画像をすぐに確認できるほか、RICOH THETAシリーズで初となるバッテリー、メモリーカードの交換に対応したことで、ビジネスの現場においても効率よく、確実な撮影が可能 ■社会インフラ事業 社会インフラの老朽化や自然災害の頻発化、激甚化が進み、インフラの効率的な維持管理が大きな社会課題となっております。当社は社会インフラの課題解決に取り組み、安心安全なまちづくりの実現を目指しております。 一般車両に搭載した独自の撮影システムとAIなどのデジタル技術を用いて自動化し、低コストで効率的な点検の提案を行っております。従来の路面・トンネルモニタリングサービス提供に加え、2022年2月から宮崎県にてのり面モニタリングシステムの大規模実証実験を開始しております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 宮崎県と協同でのり面モニタリングシステムの大規模実証実験を開始~安心安全なまちづくりを目指し、インフラ点検のDXを推進する新技術の実用化を加速~・複数のラインセンサーカメラやLiDAR(3次元計測システム)を搭載した車両で道路を走行するだけで、高さや幅が広いのり面でも一度に高画質で撮影して3次元形状を計測し、AI(人工知能)でひび割れなどの変状を抽出・撮影データの解析に加え、調書作成などの業務プロセスまでをデジタル化し、点検業務の効率化や省力化を実現・宮崎県が大量に保有する人手での点検結果と本システムで測定した結果を突合し、システム精度の確認や効率化の度合い等の検証を一気に行うことで、のり面点検業務のDXを推進する新技術の実用化を加速 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 5,836百万円です。 (6) 基礎研究分野 当社グループではこれまで、商品の差別化につながる基礎研究分野として、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術や検証、シミュレーション等の技術機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発や、お客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めてきました。先端技術研究所では、将来に向けてこれらの技術を核として、2つの提供価値領域にフォーカスして開発を行っております。・HDT(Human Digital Twin at Work):ワークプレイスで働く人のデジタル化技術。行動センシングやバイタルセンシン グ等の技術と、認識やAI等の技術とを活用し、働く人の創造力発揮を支援する・IDPS(Industrial Digital Printing System):インクの代わりに機能材料を吐出する産業用インクジェット技術を発展させ、製造・生産プロセスをデジタル化し、飛躍的な改善や廃棄物削減、省エネにつなげる 分析・シミュレーション等の共通基盤技術は、引き続き当社グループの開発生産現場に展開し、さらなる効率化と品質向上を図っていきます。協業パートナーとの共創も積極的に促進しており、2021年度では十数社の協業パートナーと価値検証を実施いたしました。共創のためのコラボレーションスペース「RICOH Collaboration Hub」では遠隔の顧客・パートナー候補に向けたオンラインセミナーを積極的に開催し、それをきっかけとした個別のオンラインミーティングを実施するなどして、直接来訪していただけない状況でも、コラボレーションの機会を継続的に創出しております。 デジタル戦略部では、お客様に最適なソリューションを提供する共創プラットフォーム「RICOH Smart Integration(RSI)」を支えるデジタル基盤技術として、当社独自のデバイスで獲得できる画像や音声などを利用したAI/ICT技術、並びに、人、システム、業務、企業同士をつなぎ、“はたらく”をデジタル化する技術開発に取り組み、新たな顧客価値創出の具現化を進めております。 これらデジタル基盤技術によって、自社やパートナーの技術をコンポーネントやマイクロサービス、コンテナとして整備することで柔軟に組み合わせ、データを活用した新たなサービスを創造するプラットフォームを実現しております。また、当社の強みである自然言語処理AI技術の研究開発からサービス化された「法務支援クラウド」や「仕事のAI」などから得られた知見をAI化することで、パートナーやお客様にAIを容易にご活用いただけるプラットフォームを目指しております。さらに、創出したサービスをお客様に継続利用いただくため、カスタマーサクセスに適した販売システムに革新していきます。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。インクジェット技術による二次電池の量産向け製造プロセス技術~IoTデバイスなどに向けた多種多様な電池提供を目指す~・リチウムイオン二次電池の電極材料や、安全性を付与するセラミック材料やセパレータをインク化し、狙った場所に狙った塗布量をデジタル印刷することで、高品質かつ柔軟に形状や膜厚を調整することが可能・開発パートナーとともに、量産プロセスに適用可能なインクジェット印刷装置を開発し、電池製造に関わるお客様に製造プロセスを提案・次世代電池として有望視される全固体リチウムイオン電池の固体電解質印刷技術をあわせて開発中・以上の開発成果を、2022年3月の国際二次電池展で発表 プラスチック容器に直接文字やデザインをレーザーマーキングする技術~完全ラベルレスで文字・デザインを表示し、プラごみ削減や資源リサイクル推進に貢献~・商品名や原材料名など、食品表示法などで規定された情報をペットボトルにレーザーで直接書き込むことで、完全ラベルレスを実現・深さ数十ミクロン程度でごく表面のみを加工し、ペットボトルの品質に影響をあたえずに描画可能・細かい描画ができるため、成分表示などの小さな文字から、ロゴマークやイラストに至るまで幅広く表現・描画部分がより白く見えるように光の散乱状態をコントロールすることで、視認性の高い表示が可能・第一弾としてテスト販売用の「『アサヒ 十六茶』PET630ml ダイレクトマーキングボトル」に採用なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 15,284百万円です。
FY2021|12,065 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の中でのスタートとなり、「危機対応」と「変革加速」の1年の位置づけとなりました。研究開発分野においては、アフターコロナを見据えた変革加速として、「OAメーカーからの脱皮」及び「デジタルサービスの会社への転換」に力をいれてまいりました。体制面では、2019年度に配置したCTO(Chief Technology Officer)のもと、技術面・経営面の両面から技術開発に取り組んでおりますが、2020年度においてCDIO(Chief Digital Innovation Officer)を新たに配置し、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しました。お客様のカスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の創出、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。これまで基盤事業としてきたオフィスプリンティング分野では、オペレーショナル・エクセレンスを追求し、引き続き高効率・高生産性のものづくりを目指しております。これまで培ってきた電子写真技術・光学技術に加え、材料技術、プロセス技術、インクジェット技術等のコア技術を応用し、ヘルスケア、AM(Additive Manufacturing)、環境分野、社会インフラなど、広く社会に貢献していく技術開発・研究開発の取り組みを行っており、2020年度では、新たに事業インキュベーション組織を配置することを決定するなど、新規事業創出に向けた開発体制を強化しております。中長期的な成長を支える技術戦略では、2020年度において「ワークプレイスではたらく人の働き方を進化させるデジタルツイン」と「マスカスタマイゼーション時代のデジタルプリンティング」の2つの領域を定めました。当社グループは2036年ビジョン「“はたらく”に歓びを」の実現に向け、デジタルサービスの会社として、ワークプレイスを変化させていく商品やサービスを提供してまいります。研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。オープンイノベーションにおいては、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めております。インクジェット技術やマシンビジョン、画像処理技術などのコア技術を応用して、国が支援する最先端研究開発支援プログラムや大学、各種独立行政法人との共同研究開発へも積極的に参画しております。また、ベンチャー企業ともより良い関係を構築し、新規事業創出の加速を図っております。また、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を実施しております。2020年度では2019年度の214件を上回る243件の応募の中からコンテストを実施し、選出された優秀なテーマには当社グループ内に登録されている約250名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(11,194百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は 90,387百万円です。 (1) オフィスプリンティング分野世界的にワークスタイルの変化が加速する中、在宅ワークでも安心して活用できるプリンティング環境の提供や、それを実現する技術開発、市場の変化を見通し先行するための開発プロセスの構築に力を注いでおります。当社グループの強みであるイメージコミュニケーション分野では、特徴的なクラウド型統合プラットフォームである「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES プラットフォーム」との親和性を重視したオフィス機器の開発など、時間や場所の制約を受けずに働くための環境を実現するクラウドサービスへのご要望にお応えしてまいります。また、並行して新型コロナウイルス感染症後のオフィス回帰の動向も踏まえ、オフィス向け複合機やプリンターにおいても、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術など、常に最新の機能をご利用いただけるソフトウエア技術「RICOH Always Current Technology」、環境負荷低減に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)設計・技術開発を継続して行っております。一方、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)、プロジェクター、テレビ会議・Web会議システムなど、働き方改革を実現するためのビジュアルコミュニケーションの商品開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。高速デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C8000/C6500」を新発売~最新のクラウドサービス対応と使いやすさ向上で業務効率化に貢献~・オフィスワークの自動化・省力化を推進する「RICOH Intelligent WorkCore」に対応・オフィス向けデジタルフルカラー複合機の最上位機種として80ページ/分(A4ヨコ)の高い生産性を実現・画面との段差をなくしたフルフラットパネルにすることで、端部のアイコンも押下など、操作性を向上・導入後も基本性能を最新の状態にアップデートできる「RICOH Always Current Technology」に対応環境負荷を低減したモノクロ複合機「RICOH IM 9000/8000/7000」を新発売~クラウド対応と省資源・省エネ設計で業務効率化とサステナビリティに貢献~・オフィスワークの自動化・省力化を推進する「RICOH Intelligent WorkCore」に対応・オフィス向けデジタルモノクロ複合機の最上位機種として90ページ/分(A4ヨコ)の高い生産性を実現・画面との段差をなくしたフルフラットパネルにすることで、端部のアイコンも押下など、操作性を向上・導入後も基本性能を最新の状態にアップデートできる「RICOH Always Current Technology」に対応・リサイクル材の使用や、組み立て工程で使用するすべての電力を再生可能エネルギー由来の電力で賄うなど、環境に配慮した設計と生産体制により、脱炭素社会、循環型社会の実現に貢献「RICOH Interactive Whiteboard」(IWB)の3機種を新発売~高い表現力と充実の機能でワークプレイスの価値創造を支援~・IWBの新製品として、55インチ・65インチのラインアップを刷新するとともに、新たに75インチを追加・4K(3840×2160)対応の高精細なディスプレイを搭載し、図面・図表などの細部表示が可能・IP5X相当の防塵仕様により、オフィスだけでなく、工場や建設現場など、様々なワークプレイスで利用可能・クラウドアプリケーションを介してMicrosoft 365TMなど多様な製品・サービスと連携しお客様のワークフロー変革をより強力にサポート・サイネージ機能を組み込み、災害発生時には地震や津波など緊急災害情報を自動配信することも可能 超短焦点モデルからレーザー光源のハイエンドモデルまで、各種プロジェクターを新発売~設置場所や機能、投写距離など、お客様の用途に応じワークスタイル変革を支援~・投写面までの距離わずか約11.7cmで48型の投射サイズを実現した縦置き可能な超短焦点プロジェクター「RICOH PJ WX4153/WX4153N」を新発売・レーザー光源採用により長期間運用・高信頼性を実現した短焦点プロジェクター「RICOH PJ WXL4760」を新発売・手のひらに収まるサイズで持ち運び可能な短焦点ハンディ・プロジェクター「RICOH PJ WXC1210」を新発売「RICOH Unified Communication System Apps for Rooms」を提供開始~簡単操作で企業の拠点間の遠隔会議を実現~・専用機のようなわかりやすいユーザーインターフェースで、遠隔会議を実現・周辺機器との組み合わせにより、お客様のご利用条件に合わせて最適なテレビ会議環境を構築可能なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 36,796百万円です。 (2) オフィスサービス分野 当社グループでは、お客様への提供価値を「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」と定め、働く現場のデジタルトランスフォーメーションを支援することで、お客様の業務効率化や生産性向上に貢献しております。近年、リモートワークを支援するSaaS型のクラウドサービスやモバイルサービスを活用した、時間や場所にとらわれない多様な働き方が求められており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策をきっかけに、その要望は飛躍的に大きくなっております。当社グループでは、ペーパーレス化だけでなく、業間取引業務を支援するトレードエコシステム、遠隔機器による現場作業支援、人出不足が課題となっている社会インフラ点検業務の効率化など、様々なワークフローにおいて、デジタルトランスフォーメーションによりお客様の課題解決に貢献できるサービス開発に取り組んでおります。当社グループでは、クラウドサービス等と親和性の高いMFPをはじめとした各機器がつながり、お客様がいつでも最新のサービスを利用可能な統合プラットフォーム「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES プラットフォーム」を提供しております。また、お客様のワークフローをデジタル化するコンテンツ管理ソフトウエアの「DocuWare」に加えて、お客様のオフィスの利用効率を上げ、生産性を向上させる「RICOH Spaces」を提供しております。お客様の働く環境をトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上、多様な働き方に寄与する価値提供を目指しております。一方、2020年度ではデジタルサイネージなどのビジュアルコミュニケーション分野を拡大しました。さらに音声コミュニケーション分野では、成長企業との業務提携など、パートナーとの連携もより一層強化しております。今後も「画像・映像・音声」により新しい価値を提供し、お客様のコミュニケーションを支えるような製品やサービスの開発に取り組んでまいります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。「DocuWareバージョン 7.3」を提供開始~より安全かつ高速にデータ、プロセス、ドキュメントを管理~・新たに2ヵ国語を追加し言語対応をトータル18言語に拡大・関連コンテンツのみの保存など、より柔軟な保存方法が可能なメールアーカイブ機能・バーコード構成機能の拡張により、ドキュメントの索引付けや情報検索の高速化を実現・ワークフローからのメール送信時にウェブクライアントと同じフォーマットを利用できるなど、アノテーション機能を強化ワークプレイスマネジメントソフトウエア「RICOH Spaces」を欧州市場にて提供開始~オフィス活用を最大化し、アフターコロナでの安全なオフィスの実現をサポート~・デスクや会議室などの割り当てや各種センサーを活用したオフィスの状況把握・管理が可能・従業員の健康状態やトレーサビリティーのデータを取得し管理が可能・オフィス内のデジタルサイネージを活用し、どこにいてもリアルタイムなダッシュボードの配信が可能業務ポータルソフトウエア「RICOH Desk Navi」を提供開始~中小企業の情報共有・共同作業の活性化を支援~ ・従来の中小企業向け文書管理ソフトウエア「Ridoc Desk Navigator V4」の文書管理機能や複合機連携はそのままに、新たにグループワーク機能やメーラー機能、横断検索機能、新たなエッジデバイス連携などを追加・「かんたんキャビネット」や「おしごとルーム」などの新機能によりお客様の業務効率化に貢献 社会インフラ向け点検サービス「リコー トンネルモニタリングサービス」を提供開始 ~デジタルの力でインフラの維持・管理の効率化に貢献~・複数の被写界深度拡大カメラとライン照明によるシステムにより40km/時程度でのトンネル壁面の走行撮影を実現・最小幅0.3mmのひび割れや漏水・チョーキングなどの変状やねじのゆるみが判別可能・高精度な展開画像により変状図や調書の作成を可能にし、工数及び誤記や漏れなどのミスを削減し、トンネル維持管理の効率化に貢献デジタルサイネージ向けエッジデバイス「RICOH Digital Signage STB Type2」を新発売~高コストパフォーマンスのリコーブランド最上位モデル~・前身機種に比べ、大きさが70%、重さが54%の小型軽量で設置性に優れ、ストレージ容量を拡大したモデルを発売・最上位モデルとしてよりリッチなコンテンツを扱うことができ、デジタルサイネージとして多彩な表現が可能なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 3,832百万円です。 (3) 商用印刷分野 当社グループは印刷業のお客様に向けて、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソリューションを組み合わせた提案を行い、「Offset to Digital」を実現するとともに、大手商用印刷のお客様の新規獲得及び顧客の現場デジタルトランスフォーメーションを目指しております。また、POD(Print On Demand)市場ではファイブステーション(トナーの5色刷りができる)機械に代表されるように、新しい表現での高付加価値印刷を提供し、印刷業のお客様の競争力強化に貢献しております。当社グループは商用印刷分野における電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、の開発に加え、全世界で展開する販売体制とサービス網、印刷のDXを推進するハイデルベルグ社(ドイツ)との長年のパートナーシップをはじめとした、多様な印刷物を支える加工機ベンダーなどとの幅広いアライアンスを生かし、印刷のトータルソリューションの提供を目指しております。また、東京工業大学と「リコー次世代デジタルプリンティング技術共同研究講座」を開設し、商用・産業用インクジェット印刷のインク着弾からメディア浸透、乾燥までの熱流動・材料挙動の基礎現象を解明し、次世代製品の開発につなげることを目指しております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5310S/C5300S」を新発売~生産性と画像品質、用紙対応力を強化し、POD印刷の幅広いニーズに対応~・厚紙の生産性を強化し、最大256g/㎡の厚紙をカラー/モノクロともに80ページ/分(A4ヨコ)で出力可能・スキューやレジスト精度を向上する機構を新たに搭載し、従来機よりも高い表裏見当精度を実現・用紙対応力を強化し、52.3~360g/㎡の全紙厚の自動両面印刷に対応 トランザクション市場向け 高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro VC40000」を国内展開~基幹業務印刷システムとして高い生産性を実現~・最高印刷速度150m/分を実現し、前身機の128m/分から飛躍的な生産性向上を実現・片面機2台での同時印刷が可能なデュアルシンプレックス構成を搭載し、幅広い業務への対応が可能・本体内蔵のスキャナーにより、濃度ムラや印字位置など印刷品質を自動で調整カラープロダクションプリンターのスペシャルカラーとしてゴールドとシルバーを提供開始~特色対応を強化し、多彩なメタリックカラーの表現を実現~・「RICOH Pro トナー ゴールド C7200」「RICOH Pro トナー シルバー C7200」を新発売・高い光輝性により印刷物へのアイキャッチ効果を高め、高級感の付加が可能・既存のカラートナー、ブラックトナーとかけ合わせて使用することで様々なメタリックカラーの表現が可能なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 23,134百万円です。 (4) 産業印刷分野 産業用インクジェットヘッドに対するニーズは多様化しております。世界各地で製品や用途開発が進んでおり、今後の成長が有望視されている分野であります。当社グループでは、高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いているMHシリーズヘッドに加え、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドを新たに発売し、多様なアプリケーションへの対応力を強化しております。プリンティング技術の可能性を拡げる分野として今後の成長が見込まれるのが、産業プリンター分野であります。2020年度では、サイン&ディスプレイ市場・インテリア市場向けにクラス最速の印刷速度を実現したUVインク搭載の大判フラットベッドプリンター「Pro TF6251」、幅広いメディア対応力をもつラテックスインク搭載の大判インクジェットプリンター「Pro L5160e/5130e」をそれぞれ発売し、ラインアップを強化しております。衣料印刷市場向けには、クラス最高の印刷生産性を実現したガーメントプリンター「Ri 2000」を北米・欧州地域で発売し、「Ri 100」「Ri 1000」と合わせ、お客様の用途に幅広く応じた製品提供を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。産業用インクジェットヘッド「RICOH TH5241」を新発売~新たに、薄膜ピエゾアクチュエーター搭載のインクジェットヘッドをラインアップ~・MEMS技術を活用した高集積設計により、小型ヘッドを実現・微細な液滴吐出により最大1200dpiの高精細印刷に対応・UV、溶剤、水性のすべてに対応したインクにより、サイングラフィックス、テキスタイルなど幅広い用途に対応UVインクを搭載した大判フラットベッドプリンター「RICOH Pro TF6251」を新発売~大判フラットベッドプリンターとしてクラス最速の印刷速度を実現~・スチレンボードパネルや金属の標識、段ボールの包装材、建材やインテリアなど幅広いメディアへの印刷に対応・最速で時間あたり116㎡の印刷速度を実現・業界で最大となる厚さ110mmまでのメディアへの印刷が可能・健康的な室内空気環境のための化学物質放散規格であるGreenguard認証に準拠した臭いの少ないUVインクを採用ラテックスインク搭載の大判インクジェットプリンター「RICOH Pro L5160e/L5130e」を新発売~サインディスプレイ・インテリア市場で求められる高い生産性と幅広いメディア対応力を強化~・特徴的なインクジェットヘッド配列とラテックスインクの採用により前身機比較で約2倍の印刷速度を実現・VOC(揮発性有機化合物)が極めて少ないラテックスインクにより、屋内でも壁紙などの高速印刷が可能・CMYK4色に加えオレンジとグリーンのインクを搭載し、POPなどでの華やかな印刷表現を実現・ホワイトインクを下地とすることで、PET(PolyEthylene Terephthalate)などの透明素材でも色鮮やかさを表現可能高速かつ大量の産業用印刷を可能にするガーメントプリンター「Ri 2000」を欧米市場で新発売~小ロットから大量生産まで、お客様のニーズに合わせた衣料印刷を実現~・「ColorGATE RIPソフトウエア」により、最速36秒でのインク吐出が可能、高速印刷を実現・独自のインクジェットヘッドを搭載。自動ヘッドクリーニング機能により、大量生産における信頼性を向上・自動昇降テーブル、タッチスクリーン操作パネルを搭載し、使いやすさを向上 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 5,899百万円です。 (5) サーマル分野 世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。また、長年にわたり培ってきた光学系の独自技術を生かし、半導体レーザー光を用いた「レーザーソリューション」を事業展開し、人手不足が深刻な物流現場における省人化や製造業における自動化の進展に貢献しております。さらに、生産ライン上で高速に可変情報の記録を行いたいという市場要求に対応した、レーザー記録方式である「FC-LDAプリンター」装置についても顧客の試験導入レベルまで開発を完了し、商品化を目指しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。リライタブル レーザーシステム「RICOH Rewritable Laser System L3000 / C3000」を新発売~非接触で繰り返し書き換え可能な高耐久ラベルで物流・製造業のデジタル化を支援~・独自の光学技術を応用し、ラベルを対象物に貼り付けたまま非接触にて高速印字/消去が可能・紫外線と酸素を高レベルで遮断する層構成により、屋外環境での劣化を防ぐリライタブルレーザーラベルを実現・従来、別々であった消去機とマーカを一体化することで、設置スペース及び導入コストの削減を実現・ラベルの貼り替えや廃棄作業を不要にし、物流業などで業務効率化と環境負荷低減に貢献なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 1,255百万円です。 (6) その他分野 産業用光学部品・モジュール、ヘルスケア、環境、スマートビジョン、電装ユニット、精密機器部品、AM、金融サービス等に関わる当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。■産業用光学部品・モジュール分野 自動車業界を含む産業機器分野において、これまで培ってきた光学技術とIoT、AI、センサーなどの最先端技術を融合し、データ認識処理による情報変換を通じた情報の見える化により事業を展開し、多くのビジネスパートナーと共に社会課題の解決に努めております。オートモーティブ事業では自動車、物流・建機車両の自動制御や安全補助をするステレオカメラ開発を進めております。また産業機器分野では、様々な生産設備のインテグレーション、検査ラインの生産・販売を行っております。■ヘルスケア分野 当社グループでは高齢化社会への対応、医療費削減、地域間の医療水準格差解消、ウイルス等の感染拡大防止などが求められるヘルスケア分野を、社会課題の解決に取り組む分野の一つとして位置付けております。統合医療介護連携システムなどの「ヘルスケアソリューション」領域 、脳磁計・脊磁計などの「メディカルイメージング」領域、独自のインクジェット方式を活用したバイオプリンティング技術を生かした「バイオメディカル」領域の3つの領域を重点領域とし技術開発に取り組んでおります。新型コロナウイルス用のDNA標準プレート「RICOH Standard DNA Series」を提供開始~検査装置や試薬の検出限界や感度の検証が可能となり、PCR検査の精度向上に貢献~・独自のバイオプリンティング技術により、新型コロナウイルス感染症に特徴的な遺伝子配列を組み込んだDNA分子を1分子単位で任意の個数にコントロールして注入することが可能・100分子以下の低濃度領域においてもPCR検査の検出性能の正確な測定を実現神経の薬剤応答が測定可能なヒト神経薬効・毒性評価プレートを提供開始~新薬開発のコスト低減と開発期間短縮に貢献~・エリクサジェン・サイエンティフィック(米国メリーランド州ボルチモア)と共同で、神経疾患の薬剤評価において、臨床試験以前の段階で使用できるヒト神経薬効・毒性評価プレートを開発・エリクサジェン・サイエンティフィックの分化誘導技術と当社グループのバイオ3Dプリンター技術で培った細胞接着コーティング技術で電極への接着性を向上 ■環境分野 当社グループは事業を通じて注力する重要社会課題の一つとして、脱炭素社会の実現を掲げており、国内企業で初めてRE100に参加するなど、徹底した省エネや再生可能エネルギーの積極活用に向けた取り組みを強化しております。製品のエネルギー効率向上、リサイクル材や植物由来原料を用いた素材開発など、技術開発を介して環境負荷の削減に取り組んでおり、2020年度では、植物由来のポリ乳酸(PLA)を活用した発泡PLAシートにおいて、独自のCO2微細発泡技術にてしなやかさと強度を持たせることを実現し、「PLAiR(プレアー)」ブランドでの市場開発を開始しました。ビジネスパートナーや顧客にも協力を働きかけることで、バリューチェーン全体での脱炭素社会づくりに貢献することに取り組んでおります。固体型色素増感太陽電池を搭載した「RICOH EH 環境センサーD101」を新発売~温湿度・照度・気圧の環境情報を電池レス・配線レスで取得~・独自開発の固体型色素増感太陽電池モジュールを搭載し、LED照明や蛍光灯などの室内光を利用して発電・電池交換や電池の廃棄作業も発生しないメンテナンスフリーな環境センシングを実現・電気工事や配線が不要なため、工場、倉庫、オフィスや商業施設など必要な場所に容易に設置することが可能■スマートビジョン分野 品質に定評があるカメラ機器に加え、全天球カメラなどユニークで魅力的なハードウエアとそのデータ活用により、新たな画像・映像体験を創造していきます。360°画像活用ビジネス「RICOH360」では、不動産、建設、広告、店舗などの業種業務を始めとして、様々な産業を横断するプラットフォームを構築することを目指しております。建設現場の状況共有を効率化する「RICOH360 Projects」を提供開始~360°画像を活用したデータサービス「RICOH360」に新ラインアップを追加~・360°画像により重要な箇所の撮影漏れを防止。現場に行かないと分かりづらい周辺の様子も臨場感をもって把握可能・安全管理面等での是正指示を360°画像に直接書き込める等、日々の業務の情報共有を簡単にクラウド共有可能なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 8,825百万円です。 (7) 基礎研究分野当社グループでは差別化の核となる基礎研究分野として、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術と機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発、またお客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めております。協業パートナーとの共創も積極的に促進しており、2020年度では十数の協業パートナーと価値検証を実施致しました。共創のためのコラボレーションスペース「RICOH Collaboration Hub」では遠隔からの訪問者に対しVR空間のアバターを用いた技術紹介やミーティングを行う等、活動プロセスにおいても新しい手法を積極的に活用し、パートナーにとっても魅力ある企業となることを目指しております。当連結会計年度の主な発表・成果は次のとおりです。薄型・軽量な両眼視タイプのスマートグラスの研究開発~リコー独自の薄型プラスチック導光板を採用し、長時間の着用が可能に~・レンズ部分に独自開発の薄型・軽量のプラスチック導光板を採用し、両眼視タイプとして世界最軽量の49gを実現・1m先に約30インチの画面が見える広い視野角で、軽量・広視野を両立・特殊な光学系によるディスプレイユニット配置で、快適な着け心地を実現インクジェット技術による二次電池の量産向け製造プロセス技術~IoTデバイスなどに向けた多種多様な電池提供を目指す~・リチウムイオン二次電池に用いられているほとんどの種類の電極材料や、安全性を付与するセラミック材料やセパレータのインク化に成功・狙った場所に狙った塗布量をデジタル印刷することで、高品質かつ柔軟に形状や膜厚を調整することが可能・量産プロセスに適用可能なインクジェット印刷装置を開発中。電池製造に関わるお客様に製造プロセス提案を開始・電池電極上へのセラミック層印刷技術、セパレータ印刷技術を、第12回国際二次電池展で発表なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 10,646百万円です。
FY2020|13,581 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。この理念に基づき、当社グループは、第19次中期経営計画(2017年4月-2020年3月:以下、19次中計)において「リコー再起動」(2017年度)、「リコー挑戦」(2018年度~2019年度)を掲げ、成長戦略に立脚した技術戦略に基づく研究開発活動を推進してきました。 ■成長戦略を支える技術開発の強化「リコー挑戦」の最終年度となる2019年度においてはCTO(Chief Technology Officer)を配置することで、技術面だけでなく経営面からも当社グループ全体の成長と発展にむけた技術戦略を立案し、下記3つの戦略に即し技術基盤の整備・強化を行ってきました。 成長戦略0:これまで基盤事業としてきたオフィスプリンティング領域において、複合機の更なる進化、お客様のワークフロー改善、業務生産性向上を目指した技術開発に取り組んできました。成長戦略1:当社の強みである電子写真、インクジェット、サーマル技術などを生かして紙媒体以外への印刷、表示する印刷から機能する印刷へと可能性を広げるための取り組みを外部技術も取り入れながら強化しております。成長戦略2:これまでに培った約140万社の顧客基盤に新たな付加価値を乗せていくために、現場のワークフローのデジタル化に着手し、データ・画像のキャプチャリング技術や、画像処理技術をクラウド上で活用する取り組みを行っております。 第20次中期経営計画(2021年4月~2023年3月)からは当社グループの新たなステージとなる「リコー飛躍」を掲げ、従来のOAメーカーという枠組みを超えて「デジタルサービスの会社」へ企業価値を拡大し、人々のはたらく歓びを支援し、ワークプレイスを変化させていくサービスを提供するための技術開発をバックキャスト、フォアキャスト両視点から強化していきたいと考えております。 ■新たな可能性につながる事業創発一方 “新たな可能性につながる事業創発”に貢献する取り組みも進めております。成長戦略を支える技術開発のほか、これまでに培った材料技術、プロセス技術、インクジェット技術等のコア技術を応用し、ヘルスケア、AM(Additive Manufacturing)、環境分野など将来の成長に向け、広く社会に貢献していく技術開発・研究開発の取り組みを行っております。当社グループでの研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。さらに当社グループでは、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めております。インクジェット技術やマシンビジョン、画像処理技術などのコア技術を応用して、国が支援する最先端研究開発支援プログラムや大学、各種独立行政法人との共同研究開発へも積極的に参画しております。また、ベンチャー企業ともより良い関係を構築し、新規事業創出の加速を図っております。2019年度は新規事業創出に向けた取り組みとして、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指す「RICOH ACCELERATOR 2019」を開始。社内外からそれぞれ100件以上、合計214件の応募の中からコンテストを実施し、選出された優秀なテーマには当社グループ内に登録されている約200名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。また2019年度は、エリクサジェン・サイエンティフィック社(iPS細胞やES細胞をさまざまな細胞へ分化誘導が可能な技術を保有)、ドキュウェア社(企業のドキュメント管理やワークフローの自動化を支援するクラウド型・オンプレミス型CSP,Contents Service Platformのシステムを保有)、等の外部企業との提携、M&Aを行っております。 IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(14,629百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は 102,851百万円です。 (1) オフィスプリンティング分野 オフィス向け複合機やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発、環境負荷低減に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)設計・技術開発を行っております。また、昨今のクラウドサービス市場拡大に伴い、時間や場所の制約を受けずに働く環境が整備されてきており、働き方改革に代表されるようにワークプレイスが変化しつつあります。こうした環境を受け、オフィスサービス事業との連携により、クラウド型の統合プラットフォーム「RICOH Smart Integration」につながる親和性の高いオフィス機器を提供し、多様に変化するお客様のワークプレイスの生産性向上をサポートします。また情報のデジタル化が進む中、中小企業では請求や受発注などの企業間取引において、いまだに紙文書による業務が多く残っており、人手を介して紙文書の情報をデジタル化する業務が生産性向上の障壁となっております。当社グループは、新世代複合機「RICOH IM Cシリーズ」などを、紙文書の情報をデジタルデータ化するためのゲートウェイとして活用し、さまざまなクラウドサービスとの連携を進めることで、業務のデジタル化・自動化・省力化を推進しております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 A4モノクロ複合機/プリンターのラインアップを一新 ~省スペースながら、業務効率を大幅に向上~ A4 モノクロ複合機「RICOH IP 500SF」を新発売 ・高生産性を実現 ・使いやすさを追求し、優れた操作性を実現・お客様の業務をサポートする幅広い用紙対応力・徹底した省エネ設計により、優れた環境性能を実現・コンパクトボディに多彩な機能を搭載 A4 モノクロプリンター「RICOH P 501/501M/500/500M」を新発売・高生産性と高耐久性を実現 ・機器管理の負荷を軽減・設置場所を選ばないコンパクト設計 ・お客様の業務をサポートする幅広い用紙対応力 ・使いやすさを追求し、優れた操作性を実現 ・徹底した省エネ設計により、優れた環境性能を実現 新世代 A4 モノクロ複合機「RICOH IM 430F」を新発売 ~組織生産性を革新するソリューション「RICOH Intelligent WorkCore」のラインアップを強化~ ・コンパクトボディに多彩な機能を搭載 ・高生産性を実現・使いやすさを追求し、優れた操作性を実現 ・お客様の業務をサポートする幅広い用紙対応力・徹底した省エネ設計により、優れた環境性能を実現 どこでも印字できるハンディサイズのプリンター「RICOH Handy Printer」を新発売 ~製造業や小売業、物流業など、さまざまな現場で活用できる新感覚プリンター~ ・書きたい場所へ手軽に印字 ・持ち運びに便利な手のひらサイズ ・QR コードやバーコード、画像の印刷が可能 ・SDK(Software Development Kit, ソフトウエア開発キット)を公開 A4 カラーレーザープリンター/複合機「RICOH P C301 シリーズ」を新発売 ~コンパクトボディながら高生産性を実現~ ・使いやすさを追求した操作性・多様なインターフェイスにより幅広い印刷手段に対応 ・優れた環境性能により、環境負荷低減に寄与 A4 デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C300」を新発売 ~最新のクラウドサービスに対応したコンパクトな複合機で業務効率化に貢献~ ・高い生産性でオフィス業務を効率化 ・クラウド対応による拡張性とセキュリティ機能 ・コンパクトな設計により狭小スペースにも設置可能 ・ユーザーインターフェースの改善で使いやすさを向上 ・出力機器のリモート管理サービスに対応 A3 モノクロレーザープリンターのラインアップを一新 「RICOH P 6030/6020/6010/6000 シリーズ」を新発売~使いやすさと対応力で、業務効率を大幅に向上~・コンパクトボディで、高生産性と高耐久性を実現 ・幅広い用紙対応力により、お客様の業務をサポート ・使いやすさを追求し、優れた操作性を実現 ・機器管理の負荷を軽減 ・徹底した省エネ設計により、優れた環境性能を実現 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 41,694百万円です。 (2) オフィスサービス分野 近年、コミュニケーションや働き方が変わりつつある中、リモートワークを支援するSaaS型のクラウドサービスやモバイルサービスを活用した、時間や場所にとらわれない多様な働き方が求められております。一方、紙を中心としたワークフローにおいてはデジタル化による業務の効率化やセキュリティの強化が求められております。このような動向を捉え、当社グループは、クラウドサービスやモバイルサービスと親和性の高い複合機、IWB(インタラクティブホワイトボード)、「RICOH UCS (RICOH Unified Communication System)」などのテレビ・Web会議システム等、オフィス機器の提供や、それぞれの機器がつながりお客様がいつでも最新のサービスを利用することが可能な統合プラットフォーム「RICOH Smart Integration」を提供しております。お客様の働く環境をトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上、多様な働き方に寄与する価値提供を目指します。パートナーとの連携もより一層強化し、当社の強みである顧客接点力やこれまで培ってきた技術・ノウハウと組み合わせることで、新たな価値を創造します。そして、オフィスと現場をデジタルでつなぐデジタルビジネスを推進し、“はたらく”をよりスマートにすることで、お客様のさらなる成長を支援してまいります。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ドキュウェア社CSPと当社製複合機・クラウドプラットフォームを組み合わせてお客様のワークフローを改善~中小企業の業務のIT化、自動化、省力化による生産性革新の支援をグローバルで強化~・ドキュメント管理やワークフローの自動化を支援するクラウド型・オンプレミス型CSP(Contents Service Platform)を開発・販売するDocuWare GmbH(ドキュウェア社)の全株式を取得・商品力やコンサルテーション能力などを活かし、当社製の複合機やクラウドプラットフォームを組み合わせ、ドキュメント関連のワークフロー全体を改善するビジネスをグローバルに拡大・サブスクリプションサービスの提供・運用に関する豊富なノウハウを活かし、中小企業におけるクラウド活用を促進 製品外観検査の省力化・自動化を支援するデジタルソリューションをRidge-i社と共同開発へ~お客様の生産性向上や売上・利益拡大、現場の働き方改革への貢献を目指す~・画像AIソリューションのコンサルティング及び開発・提供を行う株式会社Ridge-iと資本業務提携・当社の強みである光学技術とRidge-i社の強みである画像AI技術を組み合わせ、製品外観検査の省力化・自動化を支援するデジタルソリューションを共同で開発・提供 社会インフラ向け点検サービス「リコー 路面モニタリングサービス」の提供を開始~当社独自の光学技術とAIで道路インフラの維持・管理の効率化に貢献~・ステレオカメラ撮影による路面3次元画像と輝度画像から、一般的な道路維持管理指標である「ひび割れ率」「わだち掘れ量」「平たん性」をAI算出し、総合的な指標であるMCI(Maintenance Control Index)の算出が可能・測定から報告書の作成までを自動実行することで道路インフラ維持管理を効率化・一般車両を用いるため、計測装置の製作及び維持管理費用を大幅削減でき、かつ従来の大型専用車両では計測が困難であった生活道などの細い路線にも対応でき、点検対象の拡大にも貢献 一般車両搭載型トンネル点検システムが国土交通省の公共工事等における新技術情報提供システムNETIS(New Technology Information System)に登録~わずかな調整のみでトンネル壁面を走行撮影し、点検調書作成を支援~・当社独自の被写界深度拡大カメラによるラインセンサ型計測システムにより簡単にトンネル壁面の走行撮影が可能・トンネル展開画像を基に点検調書作成を支援するソフトウエアによりスケッチや写真撮影の工数を低減・一般車両に搭載可能かつ、計測システムだけの輸送も可能なコンパクトさを実現 問い合わせ対応業務を効率化するAI搭載チャットボット「RICOH Chatbot Service」を新発売~専門的な知識がなくても導入・運用できる簡単操作を実現~・総務や経理、人事、IT部門といった社内からの問い合わせ対応や、販売サポートにおける顧客対応など、様々な問い合わせ対応業務を効率化するAI(人工知能)搭載チャットボット(自動会話プログラムの機能を持つ対話ロボット)・独自の言語認識技術により、日本語の揺らぎや類義語・同義語を自動で高精度に認識できることに加え、会社独自の言い回しを追加登録することで、より的確な対応も可能 中小企業における請求・会計業務のデジタル化と生産性革新への支援を加速~メイクリープス社との共同開発でクラウド型請求管理サービスと基幹システムとの連携機能を強化~・クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps」と基幹システムとの連携機能を、連結子会社であるメイクリープス株式会社(代表取締役CEO:ジェイ・ウィンダー)との共同で開発・「販売管理連携 商奉行」「会計連携 勘定奉行」「会計連携 PCA会計」を、当社の連結子会社であるリコージャパン株式会社が全国で販売する「MakeLeaps」のオプションとして提供・販売管理連携では「MakeLeaps」からワンクリックでセキュリティを保った状態で請求書を電子送付することで、従来より紙の請求書を郵送していた業務の効率化、コスト削減を実現・会計連携では「MakeLeaps」で発行した請求書に対応した仕訳データを自動的生成し、会計業務の負荷を軽減 デジタルサイネージ向け小型・軽量セットトップボックス「RICOH Digital Signage STB Type1」を新発売~広がりをみせるサイネージ市場に向けてかんたん設置、安心品質を提供~・クラウド型サイネージ配信サービス「リコーデジタルサイネージ」に対応・幅46mm×奥行き85.4mm×高さ14.9mm、重さ85gと小型・軽量のため、同梱の専用ケースでディスプレイの背面や取り付け金具等に直接貼り付けることが可能・UI(ユーザーインターフェース)の刷新及び機能追加を実施することで、オフィスサイネージ市場を中心にお客様へより便利で使いやすいデジタルサイネージサービスを提供 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 6,786百万円です。 (3) 商用印刷分野当社グループは印刷業のお客様に向けて、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソリューションを組み合わせた提案を行い、「Offset to Digital」を実現するとともに、大手商用印刷のお客様の新規獲得を目指します。また、POD(Print On Demand)市場ではファイブステーション(トナーの5色刷りができる)機械に代表されるように、新しい表現での高付加価値印刷を提供し、印刷業のお客様の競争力強化に貢献しております。当社グループは商用印刷分野における電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発に加え、全世界で展開する販売体制とサービス網、お客様の多様な印刷物を支える加工機ベンダーとの幅広いアライアンスという強みを生かし、印刷のトータルソリューションの提供を目指します。また、東京工業大学と「リコー次世代デジタルプリンティング技術共同研究講座」を開設。商用・産業用インクジェット印刷のインク着弾からメディア浸透、乾燥までの熱流動・材料挙動の基礎現象を解明し、次世代製品の開発につなげることを目指します。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 モノクロプロダクションプリンターの新製品5機種7モデルを新発売~生産性、用紙対応力の向上と省スペースの実現で幅広いニーズに対応~・モノクロプロダクションプリンターの新製品として、コピー/スキャナー機能も搭載した「RICOH Pro 8320S/8310S/8300S」と、プリンター機能のみの「RICOH Pro 8320Y/8320HT/8310Y/8310HT」を新発売・連続プリント速度136ページ/分(A4ヨコ)の高速出力に加え周辺機器の強化により、さらなる生産性の向上を実現・ノーカーボン紙の自動両面印刷、長尺用紙のコート紙・厚紙対応、インサートフィーダーによるコート紙・厚紙対応などを実現したことで、お客様の多彩な印刷・製本ニーズに対応・設置面積の省スペース化によりこれまで導入が難しかった学校やオフィスのお客様の大量印刷ニーズにも対応 プロダクションプリンターの最上位機種「RICOH Pro VC70000」、日本市場で新発売~新開発インク、新乾燥技術によりオフセット印刷に迫る高画質・高生産性を実現~・新開発の「タイプDインク」により、アンダーコートやプロテクトコートといった処理なしに、オフセットコート紙へダイレクトに印刷することが可能。幅広い種類のコート紙への印刷を実現・アンダーコート塗布用の装置やサプライが不要となり、イニシャルコスト、ランニングコストの削減に貢献・再現できる色域、印刷濃度も大幅に拡大し、オフセット印刷に迫る高画質を実現・インク、エンジン、乾燥機の基本性能を高めたことでマシン全体の構成がシンプルになり、省スペースを実現 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 23,664百万円です。 (4) 産業印刷分野産業用インクジェットヘッドに対するニーズは多様化しております。製品や用途開発が積極的に進んでおり、今後の成長が有望視されている分野です。当社グループは高耐久性とインク対応力を持つMHシリーズヘッドの開発により多様なアプリケーションへの対応力を強化しております。プリンティング技術の可能性を拡げる分野として今後成長が見込まれるのが、インクジェットコンポーネントなどの作像システム、産業プリンターです。プロセスのデジタル化によって、少量・多品種・低コストでのオンデマンド印刷が可能となります。特に、服飾や布地などに直接印刷するテキスタイル市場は今後の大きな市場成長が予測されております。当社グループの「デジタルマイクロファクトリー」構想は、生地の選定からデザイン、印刷、裁断、縫製、検品、梱包、出荷までのアパレル生産プロセスをデジタル化してつなぎ、一つの工場で完結、もしくは複数の拠点をあたかも一つの工場であるかのように結びつけることで、生地在庫や廃棄の低減、納期短縮、印刷工程での排水ゼロ化などを目指すものです。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 大判UVフラットベッドインクジェットプリンター「RICOH Pro TF6250」を欧米市場で新発売~多品種小ロット生産や短納期、オリジナルデザインの印刷など、産業印刷市場の多様な顧客ニーズに対応~・独自の高密着UVインクにより、ガラス、金属、木材など幅広い基材に印刷が可能・12個のインクジェットヘッドにより64m2/hの高生産性を実現・印刷できる媒体の厚さは最大11cmまで対応。さまざまな建材への印刷を実現・簡易なメンテナンス性を実現 ロールメディア向けプリンター「RICOH Pro L5160/5130」を欧米市場で新発売~様々なサイングラフィックス印刷のニーズに応え、お客様のビジネスを支援~・高耐久・長寿命のインクジェットヘッド「RICOH MH5441」を搭載し、高生産性と高品質を実現・低臭気かつ水性ベースでVOC(揮発性有機化合物)が極めて少ない独自開発のラテックスインクにより、特別な換気を必要とせず、環境負荷の低減に貢献・ラテックスインクの高発色性・高密着性により、紙や布だけでなく塩ビやターポリン、PETなど幅広い基材の壁紙、バナー、ポスター、大型のサイネージ等を高画質で制作可能 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 6,685百万円です。 (5) サーマル分野世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指します。また、新規事業立ち上げを目指す「レーザーソリューション」では非接触で繰り返し書き換え可能な「リライタブル・レーザーシステム」を開発中で、人の手によるラベルの貼り替えを不要にし、人手不足が深刻な物流現場における省人化や、製造業における自動化の進展を目指しております。さらに、生産ライン上で高速に可変情報の記録を行いたいという市場要求に対応した、レーザー記録方式である「FC-LDAプリンター」装置についてもサンプル機貸出可能なレベルまで開発を完了し、顧客への試験導入に向けて活動中です。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 1,334百万円です。 (6) その他分野産業用光学部品・モジュール、電装ユニット、精密機器部品、デジタルカメラ、3Dプリント、環境、ヘルスケア、金融サービス等に関わる当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■産業用光学部品・モジュール分野 自動車業界を含む産業機器分野において、これまで培ってきた光学技術とIoT、AI、センサーなどの最先端技術を融合し、データ認識処理による情報変換を通じた情報の見える化により事業を展開し、多くのビジネスパートナーと共に社会課題の解決に努めております。オートモーティブ事業では車の自動制御の補助をする車載ステレオカメラやヘッドアップディスプレイの開発を進めております。また産業機器分野では、様々な生産設備のインテグレーション、検査ラインの生産・販売を行っております。 ファナック製ロボドリル向け振動モニタリングシステムを新発売~広い周波数帯域を検知し、さまざまな種類の異常検出が可能~・独自開発の振動センサーと専用コントローラを用い、これまで詳細に把握できなかった刃物の摩耗状態や加工状態を可視化。加工品質の低下を防ぎ、安定した設備稼働に貢献・これまで検出が難しかった、より多種類の加工時の異常振動を検出・AI技術を用いて、工具等の振動パワーの変化をスコアリング(数値化)。工具寿命を適切に把握することが可能 ■ヘルスケア分野高齢化社会への対応、医療費削減、地域間の医療水準格差解消などが求められるヘルスケア分野を、社会課題の解決に取り組む分野の一つとして位置付け、「ヘルスケアソリューション」、「メディカルイメージング」、「バイオメディカル」の3つの領域を重点領域としております。すでに、統合医療介護連携システムなどの「ヘルスケアソリューション」領域、脳磁計などの「メディカルイメージング」領域で事業を展開しており、また、2019年度から「バイオメディカル」領域にも事業参入しました。 iPS細胞を活用したバイオメディカルの共同事業を北米中心に開始~細胞分化誘導技術とバイオプリンティング技術を組み合わせた細胞関連商品を開発~・エリクサジェン・サイエンティフィック(米国メリーランド州ボルチモア)と共同で、iPS細胞から分化させた細胞を用いた創薬(新薬開発)支援のバイオメディカル事業を北米中心に開始・エリクサジェン・サイエンティフィック社独自の細胞分化誘導技術と、当社のインクジェット技術を応用したバイオプリンティング技術を組み合わせ、細胞チップ製造の高効率化や創薬開発のスクリーニング精度の向上を見込む 非侵襲(身体を傷つけることなく)で生体の神経活動を可視化する脊髄磁界計測システムを用いた腰部、頚部、末梢神経の生体磁界計測に成功~東京医科歯科大学、金沢工業大学、当社でのオープンイノベーションで製品化を目指す~・脊髄磁界計測システム「脊磁計」を用いて、これまで計測が困難とされてきた腰部についての神経磁界や、末梢神経の神経磁界の計測に成功・成果がIFCN(国際臨床神経生理学会連合)の機関紙Clinical Neurophysiologyに掲載され、表紙にも選出・脊髄疾患の障害部位の特定や定量的な評価などへの活用が期待され、実用化に向けて大きく前進 SARS-CoV-2新型コロナウィルス用のDNA標準プレート開発に着手~PCR検査の検出限界を正確に測定し、微量なウイルスの検出を可能に~・DNA標準プレート「RICOH Standard DNA Series」は独自のバイオプリンティング技術によりDNA分子数を1分子単位で規定して遺伝子検査用の容器に注入したもので、100分子以下の低濃度領域においてもPCR検査の検出性能を正確に測定可能・当初はノロウイルス用のDNA標準プレートを提供してきましたが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)にもこの技術を適用。PCR検査の精度管理を厳密に行うことが可能となり、偽陰性患者を減らすことで感染拡大のリスク低減に貢献が見込まれる ■環境分野当社グループは事業を通じて注力する重要社会課題の一つとして、脱炭素社会の実現を掲げております。その実現に向け、2050年にGHG(温室効果ガス)の自社排出ゼロを目指す「リコーグループ環境目標」を設定し、国内企業で初めてRE100(企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ)に参加するなど、徹底した省エネや再生可能エネルギーの積極活用に向けた取り組みを強化しております。また、製品のエネルギー効率向上などに取り組むとともに、ビジネスパートナーや顧客にも協力を働きかけることで、バリューチェーン全体での脱炭素社会づくりに貢献することに取り組んでおります。 照明・空調制御システム「RICOH Smart MES」を提供開始~クラウドで複数拠点の利用実態を可視化し、働き方・ワークプレイス改善に貢献~・センサーを用いて人の所在や照度、室温をエリア単位で検知し、照明や空調機器、デマンド監視装置を統合的に自動制御することで、省エネと快適性・利便性を同時に実現 世界初、固体型色素増感太陽電池モジュール「RICOH EH DSSCシリーズ」を新発売~「RICOH EH DSSC5284」「同 DSSC2832」「同 DSSC1719」の3ラインアップを販売~・室内照明のような微弱な光においても高い発電性能を発揮・従来の液体型色素増感太陽電池における電解液を有機半導体材料などで構成、液漏れや腐食の課題を解決し、高い安全性と耐久性を実現・IoTに用いる様々なセンサーや発光デバイス、スイッチなどのの自立型電源として活用可能 ■デジタルカメラ分野ユニークで魅力的なハードウエアとそのデータ活用により、新たな画像・映像表現を創造していきます。360°画像活用ビジネス「RICOH360」では、不動産、広告、店舗などの業種業務を始めとして、様々な産業を横断するプラットフォームを構築することを目指します。 ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ「RICOH THETA SC2」を新発売~シンプルな操作と多彩な機能で気軽に使える360°カメラ~・簡単な操作で誰でも手軽に高品質な全天球イメージ撮影ができるエントリーモデル・4K30fpsの滑らかで臨場感あふれる動画撮影が可能。 ・「顔」、「夜景」、「車窓」、「水中」等、多彩な撮影モードを搭載 ・本体下部のOLED(有機ELディスプレイ)搭載により設定モードや電池残量などを一目で確認可能 ・シーンや好みに合わせて選べるネイルカラー4色カラーバリエーションをラインナップ ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ「RICOH THETA SC2 for Business」を新発売~不動産業など、ビジネスユースで使いやすいモードを搭載~・ビジネス向けモデル専用のグレーの本体色に、室内・車内の撮影に適したプリセット「Room」を搭載・フロントレンズとリアレンズで時間差をつけて撮影できるため、室内を撮影されることが多い不動産業や、車内を撮影されることの多い自動車販売業などのビジネスユースのお客様の使い勝手を向上 JAXA、当社、宇宙空間で撮影した360°の全天球静止画・動画を公開~国際宇宙ステーションから地球の撮影に成功~・国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川 宏/以下、JAXA)と共同開発した小型全天球カメラが、宇宙船外での360°の全天球静止画・動画の撮影に成功・民生品の360°カメラが宇宙船外で全天球型の撮影を行ったのは国内で初めて・「RICOH THETA」をベースに、宇宙空間の温度、放射線などの耐環境性能を措置し実現 水深14mでの水中撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ「RICOH WG-70」を新発売~デジタル顕微鏡モードなど使いやすさを向上させた防水スタンダードモデル~・水深14mで連続2時間の撮影が可能なタフネス設計・使いやすさを向上させたデジタル顕微鏡モードを搭載。6灯のLED補助光で均一で明るい照明が可能・広角28mmからの光学5倍ズームレンズで様々な撮影シーンを幅広くカバー・使用環境に応じて最も見やすい明るさに簡単に調整できる「アウトドアモニター機能」を備えた液晶モニター なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 7,766百万円です。 (7) 基礎研究分野各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、MEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、プリンティング技術の応用研究開発、新規機能材料やデバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術とそれに必要なフォトニクス技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、人工知能の応用研究開発、システムソリューションの開発、生産技術開発の研究開発等を行っております。2019年度においては「nano tech 2020 第19回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の出展者から選出される「nano tech大賞2020」において、「ナノマテリアル賞」を受賞しました。これは、固体型色素増感太陽電池を搭載した環境センサー、発電ゴムを利用した振動発電など、ユニークかつ先進的な材料技術開発を賞されたものです。当連結会計年度の主な発表・成果は次のとおりです。 インクジェット印刷技術を応用したリチウムイオン二次電池のデジタル製造技術~デジタル印刷で自由な形状の二次電池を製造~・電極や、正極と負極を隔てるイオン透過性機能膜(セパレーター)の材料をインク化し、インクジェットでリチウムイオン電池を印刷製造・電池の安全性向上のためのセラミック耐熱層である絶縁膜や、セパレーターを電極上の自由な位置に積層形成する技術を国際ナノテクノロジー展や国際二次電池展で発表・先行して電池メーカーむけにサンプル提供を開始し、あわせて専用印刷装置も開発中 自然言語処理技術「ディープアライメント」の研究開発~世界トップクラスの精度をもつAI文書比較技術~・リコージャパンより発売の契約書の条項比較・チェックツール「RICOH Contract Workflow Service」に活用・契約書のみならず、本質的には類似しているが言い回しや段落構成が異なる二つの文書の比較検討に広く応用可能・今後も、さらなる精度向上や、企業法務に加えて保険業、不動産業界向けソリューションなどへの展開を検討中 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 14,922百万円です。
FY2019|12,007 文字
5 【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。この理念に基づき、当社グループは、第19次中期経営計画(2017年4月-2020年3月)において「リコー再起動」(2017年度~)、「リコー挑戦」(2018年度~)を掲げ、成長戦略に立脚した技術戦略に基づく研究開発活動を推進しております。「リコー挑戦」では、社会の継続的な発展のために、製品やサービスの提供範囲を広げ、「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES」をはじめとする新たな価値を提供し続けるために、3つの戦略(成長戦略0、1、2)を設定しています。研究開発活動においては、この“3つの成長戦略を支える技術開発の強化”と“新たな可能性につながる事業創発”に貢献する取り組みを進めています。これらの活動を、グローバルな研究開発拠点との連携および顧客とのコミュニケーションを通して、より高い価値の創出につなげていきます。 ■成長戦略を支える技術開発の強化成長戦略0においては、全世界に広がるお客様との関係性を深め、これまでの当社グループの基盤事業としてきたオフィスプリンティング領域において、複合機(MFP)の更なる進化を図るとともに、お客様のワークフロー改善、業務生産性向上を目指した技術開発に取り組んでいます。成長戦略1においては、プリンティング技術の強みを生かして、紙媒体以外への印刷、表示する印刷から機能する印刷へとその可能性を広げるための取り組みを行っています。これまで培ってきた電子写真、インクジェット、サーマル技術によるオンデマンド印刷によって、アナログからデジタルへのプロセス革新を実現するための取り組みを、外部技術も積極的に取り入れ、強化しています。成長戦略2においては、これまでに培った約140万社の顧客基盤に新たな付加価値を乗せていくために、現場のワークフローのデジタル化に着手し、当社グループのデータ・画像のキャプチャリング技術や、画像処理技術をクラウド上で活用する取り組みを行っています。成長戦略の加速に向けた技術リソース拡充のため、戦略的な提携、協業により外部技術の取り込み、効率化を図っていきます。2018年度は、メイクリープス株式会社(企業間取引、受発注、請求書の発行等のやり取りを行うソフトウエアを保有)、株式会社エルエーシー(トラックなどの車両へのデジタル塗装技術を保有)、ColorGATE Digital Output Solutions GmbH(特性の異なるさまざまな素材に対する独自のカラーマッチング技術、産業印刷向けソフトウエアを保有)、Coloreel社(工業用刺繍機向け染色ユニットの開発、生産技術を保有)等の外部企業との提携、M&Aを行いました。 ■新たな可能性につながる事業創発成長戦略を支える技術開発のほか、これまでに培った材料、プロセス技術、インクジェット技術等のコア技術を応用し、ヘルスケア、アディティブマニュファクチャリング、環境分野など将来の成長に向け、広く社会に貢献していく技術開発の取り組みを行っています。当社グループでは、大学・研究機関、企業の力を積極的に活用し、最先端技術の開発を効率的に進めています。インクジェット技術やマシンビジョン、画像処理技術などのコア技術を応用して、国が支援する最先端研究開発支援プログラムや大学、各種独立行政法人との共同研究開発へも積極的に参画しています。また、ベンチャー企業ともより良い関係を構築し、新規事業創出の加速を図っています。当社グループでの研究開発の進め方としては、日本、米国、インド、中国に研究開発拠点を設け、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っています。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しています。上記取り組みを通して、今後も、これまでの製品開発で培ってきた画像処理、光学、材料・デバイス、環境、ネットワーク、ソフトウエアなどのコア技術を新たなアイデアと融合させ、イノベーティブな技術開発に積極的に取り組み、お客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。 IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(16,987百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は 111,013百万円です。 (1) オフィスプリンティング分野 昨今のクラウドサービス市場拡大に伴い、時間や場所の制約を受けずに働く環境が整備されてきており、さまざまな業務の効率化が進んでいます。こうした環境変化を受け、複合機(MFP)においても、多様なニーズに対応する機器を開発すると共に、開発パートナーと連携したクラウドソリューションの展開を加速しています。一般のオフィス向け複合機(MFP)やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発、環境負荷低減に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)設計・技術開発を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 A4 カラープリンター「RICOH SP C352」を新発売 ~コンパクトながら高性能で、さまざまな業務の課題を解決~・置場所を選ばないコンパクトサイズを実現・高生産性、高画質、高耐久性を実現・環境負荷の低減に配慮した設計・さまざまな業務に貢献する幅広い用紙対応力・使いやすさを追求し優れた操作性を実現 A3 カラーレーザープリンターの調剤業務用医療モデル「RICOH SP C840ME」を新発売~薬袋とお薬情報シートを連続印刷する際の生産性を向上~・患者様をお待たせしない高生産性・医療調剤業務を支える用紙対応力・快適な使いやすさを追求した操作性 A4 モノクロプリンター/複合機 「RICOH SP 3700/同 SP 2300L シリーズ」を新発売 ~生産性を向上し、モバイル機器からの印刷に幅広く対応~・高い生産性を実現・モバイル機器からの各種印刷手段に幅広く対応・本体もトナー単価も低コストを実現・コンパクト&スタイリッシュなデザイン A3 ジェルジェットプリンター「RICOH SG 7200」を新発売~モバイル対応を強化し、多様化する働き方を支援~ ・使いやすさを追求した優れた操作性を実現・コンパクト設計&スタイリッシュなデザイン・ビジネスで求められる高い生産性と耐久性・様々な業務を支援する幅広い用紙対応力 デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C2000」、「RICOH IM C6000/C5500/C4500/C3500/C3000/C2500」を新発売~「はたらく」は、もっとインテリジェントに~ ・クラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」を介して各種クラウドサービスを提供可能・より使いやすくなった10.1インチ大型フルカラータッチパネル「MultiLink-Panel」を搭載・高速スキャンにより紙文書の電子化効率を向上・カラーQSU技術により、トップクラスの標準消費電力量(TEC)を実現・オフィスの心地よさを高める優れた静音性・クラウド経由のプリントなど、さまざまなデバイスからの印刷に対応・高速出力と高画質で、多彩なプリントニーズに対応 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 49,654百万円です。 (2) オフィスサービス分野 オフィスでのコミュニケーションや働き方が変わりつつある中、当社グループは、時間や場所にとらわれないコミュニケーションを通してコラボレーションを促進する、ビジュアルコミュニケーション製品をお客様に提供しています。テレビ会議・Web会議システム、インタラクティブ ホワイトボード(IWB)、プロジェクター等の機器と、それらの機器を活用した仕事の効率化についてのノウハウやソリューションなどのサービスを提供し、働く環境を当社グループがトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上に寄与する価値提供を目指します。そのために、ビジュアルコミュニケーション関連の技術開発、ITサービス/アプリケーションサービス及び、それらのサービスを支えるクラウドプラットフォームの開発を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 路面性状モニタリングシステムが土木研究センター性能確認試験に合格~ステレオカメラで測定する手法として初めて~・一般財団法人土木研究センターが実施した「路面性状自動測定装置の性能確認試験」に合格・一般車両で走行しながら路面の3次元画像と輝度画像を同時に撮影し、路面の「ひび割れ」「わだち掘れ」「平たん性」を自動測定・分析する路面性状計測システムの実現・AI(機械学習)による機械判読、撮影から測定結果作成までの自動化・高度化を行う 「RICOH Remote Concierge System」を新発売~店舗の顧客とスタッフをリモートでつなぐ遠隔接客システム~・場所にとらわれず遠隔対応が可能・人材を有効活用しながら個別店舗の業務を補完し、質の高いサービスを提供・顧客は画面のボタンを選んで押すだけの簡単操作 中小企業の生産性革新に貢献する「RICOH Intelligent WorkCore」を提供開始~パートナーとの協業を強化。さまざまな業種業務のワークフロー改善により働き方改革を支援~・新販売されたRICOH IM Cシリーズ(7機種16モデル)とクラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」を介して提供される各種クラウドサービス・複合機本体の基本性能を最新の状態にアップデートできる「RICOH Always Current Technology」の初実装・最新のクラウドサービスとの連携、ワークフロー改善や最先端のセキュリティ機能への対応の実現・AIを活用したOCR機能による紙ドキュメントの情報をデジタルデータ化、クラウドサービスとシームレス連携 「RICOH Cloud OCR for 請求書」を提供開始~請求書をデジタル化、中小企業の業務プロセスを革新するクラウドソリューション~・リコー独自の帳票解析技術と画像処理技術を搭載したAIを活用・請求書に記載された請求日、請求元会社名、請求金額などの情報を自動認識し一括データ化・事前の帳票定義をしなくても自動的に必要情報を抽出することが可能、簡単導入 シスコシステムズ合同会社とデジタルワークプレイス実現に向けて戦略的提携~よりシンプルでセキュアなクラウドソリューションをグローバルに展開~・クラウド、ネットワーク、デバイスの3つのレイヤーで、よりシンプルでセキュアな環境を提供・「RICOH Smart Integration」を介して最新のクラウドサービスと連携・Cisco Identity Service Engineとの連携により、ネットワークに繋がるデバイスの運用・管理の自動化と適切なセキュリティ設定を実現 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 5,060百万円です。 (3) 商用印刷分野当社グループは印刷業のお客様に向けて、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソリューションを組み合わせた提案を行い、「Offset to Digital」を実現するとともに、大手商用印刷のお客様の新規獲得を目指します。商用印刷分野における電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術、プロダクションプリンティングワークフローを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C9210/C9200」を新発売~商用印刷の生産機としての基本性能を追及したフラッグシップモデル~・オフセット印刷に迫る滑らかな高画質・新技術スイング&シフト式レジストレーションにより、高い表裏見当精度の実現・新技術「IQCT* for High End」により、色味調整(キャリブレーション)や画像位置調整等を自動化・印刷中の色変動の自動抑制技術(新機能)による、オペレーションの省力化と品質の安定化の両立*Inline Quality Control Technology:印刷前や印刷中の調整を自動化し、安定して高品質な印刷物を提供する技術 RICOH Pro VCシリーズ向け新インクおよび最上位機種「RICOH Pro VC70000」を発売~新開発インク、新乾燥技術によりオフセット印刷に迫る高画質・高生産性を実現~・新開発インクでは、アンダーコートなどの事前処理なしにオフセットコート紙への印刷が可能・色域の大幅拡大によるオフセット印刷に迫る高画質の実現・新乾燥技術の搭載により、印刷速度が大幅に向上。(毎分150m:A4サイズの印刷物を毎時120,000ページ印刷可能) なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 25,827百万円です。 (4) 産業印刷分野産業用インクジェットヘッドに対するニーズは多様化しています。製品や用途開発が積極的に進んでおり、今後の成長が有望視されている分野です。プリンティング技術の可能性を拡げる分野として今後成長が見込まれるのが、インクジェットコンポーネントなどの作像システム、産業プリンターです。プロセスのデジタル化によって、少量・多品種・低コストでのオンデマンド印刷が可能となります。また、多様なニーズの中から特に成長しているセグメントに対して、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンターの技術開発を行い、積極的に商品を投入しています。特に、服飾や布地などに直接印刷するDirect to Garment(DTG)は今後の大きな市場成長が予測されており、他社との連携やM&Aも積極的に行い、事業の拡大を目指しています。当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5320/5340/5320 Type A*」を新発売~高画質・高生産性に加え、インク対応力強化や長寿命化を実現~・最小液滴量5pl(ピコリットル)への対応と着弾位置精度が向上(従来ヘッド比)・粒状感の少ない高精細な印刷が可能・大滴吐出時においても最大50kHzの駆動周波数を実現。印刷速度が向上、高生産性を実現*「RICOH MH 5320 Type A」 はインクポートなしモデル 産業印刷機器メーカー株式会社エルエーシーの全株式取得~立体物に印刷する独自インクジェット技術とリコーの技術を融合し、産業印刷事業を強化~・立体物へのダイレクトプリントを可能とする独自インクジェット技術(高粘度インク対応 高飛翔距離(最大100mm程度))・株式会社エルエーシー独自のインクジェット技術と、当社グループ保有技術のシナジーによる新たな顧客価値の創造 工業用刺繍機向け糸染色ユニットの生産に向け、スウェーデンのColoreel社と協業~オンデマンドで糸に染色可能なインクジェットプリントモジュールを提供~・刺繍糸などの白糸にオンデマンドで染色できるインクジェットプリントモジュールの開発・生産過程での糸への自在な染色が可能・衣料分野の少量多品種化対応、テキスタイルデザインの自由度を無限に広げることが可能・糸の染色工程で発生する大量の排水が不要となり、環境負荷を低減 産業印刷向けソフトウエアメーカー、カラーゲート社の全株式取得について合意・ヨーロッパを中心に広い顧客基盤を有しているColorGATE Digital Output Solutions GmbH(カラーゲート社)の全株式を取得・特性の異なるさまざまな素材(フィルムやタイル、衣料、床材等)に対する独自のカラーマッチング技術力を強化・最適なカラーマネジメントソフトウエアやワークフローソフトウエアを提供 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 8,003百万円です。 (5) サーマル分野世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指します。また、生産ライン上で高速に可変情報の記録を行いたいという市場要求に対応した、レーザー記録方式である「FC-LDAプリンター」装置についても開発の目途がつきました。お客様への印刷デモ、印刷サンプルの提供を開始します。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 1,331百万円です。 (6) その他分野産業用光学部品・モジュール、電装ユニット、精密機器部品、デジタルカメラ、3Dプリント、環境、ヘルスケア、金融サービス等に関わる当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■産業用光学部品・モジュール分野自動車業界を含む産業機器分野で、これまでに培った技術の強みを活かしながら事業を展開し、多くのビジネスパートナーと共に社会課題の解決に努めています。 ファナック株式会社の小型切削加工機ロボドリル用加工状態モニタリングシステムを展示会で展示・独自の振動センサーと専用コントローラによる工具状態と加工状態の2つの見える化を実現・振動パワーの変化のスコア化による段取不備、加工条件の不適正、工具破損による異常振動の記録・波形やスコアのデータを蓄積し、分析に役立てるデータ連携も可能・現在、ファナック株式会社と協業で小型切削加工機ロボドリル用加工状態モニタリングシステムの商品化に向け開発中 レーザースキャン方式車載ヘッドアップディスプレイ(HUD)用プロジェクションユニットを開発・TFT方式に比べ、高コントラスト、かつ、広色域の色表現が可能・運転状況や人間特性を考慮した独自のアルゴリズムの活用による重要情報の的確な伝達・マイクロレンズ技術を応用したスクリーンと独自開発した2軸MEMSスキャナーによる高画質・高信頼性の実現 路面状態を検出可能な車載用ステレオカメラを開発、量産・株式会社デンソーと共同開発し、2017年9月より量産を開始 累計約2万台出荷・3次元画像処理技術に当社グループ独自のデンスステレオマッチング技術を搭載・車両周辺を高密度に3次元で検知でき、路面の細かい凹凸まで検出が可能・データ処理の高速化により自動車用安全装置に求められるリアルタイム性を達成 ■ヘルスケア分野2016年に、高齢化社会への対応、医療費削減、地域間の医療水準格差解消などが求められるヘルスケア分野に本格的に事業参入し、「ヘルスケアソリューション」「メディカルイメージング」「バイオメディカル」の3つを重点領域と定めて事業拡大を目指しています。 統合医療介護連携システム「RICOH Regional Health Net」を新発売し、地域包括ケア関連事業に参入・地域の施設同士が医療と介護のさまざまな情報を双方向で共有できるクラウドサービス・患者の診療・検査・処方・介護にまつわる多様な情報を1つのシステムで管理、共有化・国が目指す地域の包括的な支援・サービス提供体制、「地域包括ケアシステム」の構築に貢献・医療・介護従事者のワークフローを変えることなく、双方向での情報連携が可能 ミネベアミツミ株式会社と協業し、介護市場向けベッドセンサーシステムを販売開始・高精度センサーをベッド脚に設置し、非接触・非侵襲*で体動、参考体重などを検知・「離床検知」「活動履歴レポート」「同時見守り」「参考体重レポート」など多彩な機能を充実・IoT技術で利用者の安全・ストレス軽減、ご家族の安心、介護従事者のケアの品質の向上と業務負担軽減に貢献*皮膚や身体の開口部に器具の挿入を必要としないこと 脳磁計測システム「RICOH MEG」*を国内市場向けに販売開始~最新鋭の医療機器を導入した熊谷総合病院「PET総合検診棟」で採用~・2017年12月に米国市場で販売開始、今回の国内市場で2カ国目の販売・最新鋭の医療機器と共に、質の高い検査で病気の早期発見・早期治療・治療効果の判定までが可能*販売名:脳磁計測システム RICOH160-1(医療機器認証番号:22100BZX00914000) ■環境分野1990年代から取り組んできた環境経営の考え方をさらに進化させ、“お客様と共に進化する環境経営”を目指しています。2016年には御殿場に環境を基軸とした新規事業の創出・拡大を目的に設立した「リコー環境事業開発センター」を開所し、環境技術の実証実験の場として技術開発を行っております。 センサーで人の所在や照度、室温を検知し自動制御する照明・空調制御システムを提供開始~環境展示会「エコプロ2018」に出展~・センシング技術やクラウド技術を活用し、入室に合わせた照明の自動点灯が可能・照明や空調のきめ細かな制御を自動で行うことで、省エネと快適性を、利便性の実現・人の在不在データを取得し、空間の利用状況を把握することで利用実態に適したワークプレイスの改善に貢献 ■デジタルカメラ分野ユニークで魅力的なハードウエアとそのデータ活用により、新たな画像・映像表現を創造していきます。 RICOH360~360°の画像・映像活用サービスを統合したポータルサイト「RICOH360」を公開開始~・360°の全天球イメージを活用したソリューション・サービス事例集をポータルサイト「RICOH360」にて公開・「伝えるをスマートに」「すべてを撮ったそのあとはRICOH360」をコンセプトに、「THETA 360.biz」「RICOH360 - Ad」「RICOH360 - Analysis」といった360°の全天球イメージを活用したサービス導入の玄関口としての役割を担う<RICOH360で提供するサービス>「THETA 360.biz」、「RICOH360 – Ad」、「RICOH360 - VRステージング」、「RICOH360 – Analysis」、「RICOH360 - VR Presenter」、「RICOH360 – Snap」、「RICOH Developer Connection、RICOH R Development Kit」等 360°行動分析が可能な「RICOH360 - Analysis」を提供開始~全天球画像カメラを用いて簡単・手軽に人の滞留をデータ化~・全天球画像カメラ「RICOH THETA」と、Deep Learningによる認識技術を搭載した「クラウドサービス」の連携・360度の広範囲にわたって人の滞留分布を計測可能・RICOH THETA 1台で半径約6mのエリアを分析可能、複数台を組み合わせることで広範囲をカバー・「どのエリアに」「どの時間帯に」「どれくらい人がいたか」を客観的に把握可能 RICOH360 - VRステージングを提供開始~クラウドサービスTHETA 360.bizを活用し、不動産物件情報の訴求力アップ~・360°あらゆる角度の画像を閲覧可能とし、新しいユーザー体験・空間認知効果を向上・不動産の空室物件画像にバーチャルで家具や小物を配置し表示、実物の家具のようなリアリティを追及・バーチャルで様々なパターンや豪華な装飾を配置しての提案が可能 ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ「RICOH THETA Z1」を新発売~約2300万画素相当の高品質な360°の静止画撮影を実現~・高画質、高品質を追求した同シリーズのフラッグシップモデル・1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載・動画撮影時には回転3軸補正による強力な手ぶれ補正機能の搭載・4K相当の滑らかで臨場感あふれる360°の動画撮影の実現※全天球カメラ「RICOH THETA」の意匠登録第1480863号が平成30年度関東地方発明表彰において「特許庁長官賞」受賞 ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR Ⅲ」を新発売~究極のスナップシューターを目指して主要デバイスを一新~・新開発の高解像GR LENS 、「GR LENS18.3mm F2.8」を搭載・解像性能を優先したローパスフィルターレス仕様のAPS-CサイズCMOSイメージセンサーと新開発の画像処理エンジン「GR ENGINE 6」を搭載・AF高速化を実現するハイブリッドAFを採用・独自の手ぶれ補正機構"SR"を搭載・高性能を凝縮した小型デザイン ・Bluetooth®&無線LANのデュアル通信 防水・防塵・耐衝撃、耐薬品性タイプの現場対応用デジタルカメラ「RICOH G900」「RICOH G900 安心保証モデル」を新発売~「デジタル工事写真の高度化に関する協議会」の提唱する小黒板情報連携機能・信憑性確認(改ざん検知機能)に準拠~・有効画素数約2000万画素、裏面照射型CMOS採用により画質を向上 ・防水・防塵・耐衝撃だけでなく耐薬品性を強化。過酷な現場に不可欠なタフ性能を装備 ・「デジタル工事写真の高度化に関する協議会」が提唱する小黒板情報連携機能・信憑性確認(改ざん検知機能)に準拠・多様な現場に応える多彩な機能 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 6,363百万円です。 (7) 基礎研究分野各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、プリンティング技術の応用研究開発、新規機能材料やデバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術とそれに必要なフォトニクス技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、人工知能の応用研究開発、システムソリューションの開発、生産技術開発、環境関連技術及びヘルスケア関連技術の研究開発等を行っております。当連結会計年度の主な発表・成果は次のとおりです。 バイオプリンティング技術によりDNA分子数を1個単位で制御~DNA分子が所定の数だけ入った標準物質により、遺伝子検査の精度向上に貢献~・1個単位で決まった数だけプレート上のウェル(くぼみ)中に、特定の遺伝子配列のDNA分子が所定の数だけ入ったDNA標準物質(DNA標準プレート)の製造に成功・これまでに無い低濃度領域(1分子から1,000分子)の取り扱いが可能・遺伝子検査装置、試薬、遺伝子検査手法の精度管理をこれまで以上に厳密に校正を行うことが可能・遺伝子組換え食品検査精度の向上やがん・感染症の見逃し防止などへの応用可能性 世界初、インクジェット技術による二次電池の新たな製造技術を開発~IoTデバイスやウェアラブルデバイス向けに、自由な形状で電池を製造することが可能に~・セラミックスの微粒化および独自分散技術による低粘度かつ高濃度な電極材料インクの製造を実現・リチウムイオン二次電池に用いられているほとんどの種類の電極材料のインク化に成功・インクジェットヘッドから吐出することで、さまざまな形状の電池を製造することが可能※「nano tech 2019 第18回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の出展者から選出される「nano tech大賞2019」で、最高位の「nano tech大賞」を受賞。電池のデジタル印刷製造を大きく前進させたことが賞された。 AIモデルの学習を26倍高速化、学習電力効率を90倍に~高速/低消費電力なGBDTモデル学習回路アーキテクチャを開発~・CPU/GPUを用いた一般的なソフトウエアライブラリと比べて、26~259倍の学習高速化を実現・従来よりも短時間でのGBDTモデルの学習・更新が可能・モデル学習の電力効率は、GPU/CPUと比較して90~1,105倍※研究開発本部 リコーICT研究所の研究グループは、本技術の研究成果を米国コーネル大学が運営する世界的な論文投稿サイトarXiv.orgで発表(https://arxiv.org/abs/1812.08295) 構成の異なる2つの文書の内容を比較して対応づける新しいAI技術を開発~2018年10月に開催された「第2回AI・業務自動化展 秋」に出展~・ディープラーニングによって学習した語句の意味に基づき、語句が属する文や段落の意味の近さも考慮・文や段落同士を対応づけるアルゴリズムを考案し、より一般的な文書の対応づけに適用・従来のテキスト分類技術と比較し、2倍以上の対応づけの精度を実現 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 14,774百万円です。
FY2018|11,049 文字
5 【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。 この理念に基づき、当社グループは、第19次中期経営計画(2017年4月-2020年3月:以下、19次中計)において「リコー再起動」を掲げ、「構造改革」「強みを軸とした成長事業の重点化」「経営システムの強化」を柱とし、研究開発活動を推進しております。 「強みを軸とした成長事業の重点化」では、自社の強みを再定義し、絞り込んだ上で、その強みに立脚した成長を目指します。 オフィス市場においては、全世界に広がるお客様との関係性を深め、これまでの当社グループの基盤事業としてきたプリンティング領域に加えて、お客様のワークフロー改善、業務生産性向上を実現する会議支援システムなど、新たなサービスを提供していきます。人々の働き方をよりスマートにするため、マシンビジョンなどによる入力、AIによる分析、デバイスへの表示や制御などを組み合わせ、お客様の働く場の変革や社会課題の解決に貢献する製品や技術を生み出していきます。 長年培ったプリンティング技術は、商用印刷、産業用印刷からヘルスケアなどに領域を拡げています。紙への印刷にとどまらず、さまざまな材料のインクを打てるインクジェットヘッドにより、立体的な印刷なども可能にする「表示する印刷」や、電子回路や生体への利用など「機能する印刷」への応用を進めています。 当社グループでは、日本、米国、インド、中国に研究開発拠点を設け、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、研究・技術開発を行っています。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しています。 当社グループは、社会的課題の解決に迅速に貢献するために、大学・研究機関、企業の力を活用するオープンイノベーションを推進し、最先端技術の開発を効率的に進めています。インクジェット技術やマシンビジョン、画像処理技術などのコア技術を応用して、国が支援する最先端研究開発支援プログラムや大学・各種独立行政法人との共同研究開発へも積極的に参画しています。また、ベンチャー企業ともより良い関係を構築し、新規事業創出の加速を図っています。 今後も、長年の製品開発で培ってきた画像処理、光学、材料・デバイス、環境、ネットワーク、ソフトウェアなどのコア技術を新たなアイデアと融合させ、イノベーティブな技術開発に積極的に取り組み、お客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。 IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(17,026百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は111,015百万円です。 (1) オフィスプリンティング分野昨今のクラウドサービス市場拡大に伴い、時間や場所の制約を受けずに働く環境が整備されてきており、さまざまな業務の効率化が進んでいます。こうした課題解決ニーズの高まりを受け、複合機(MFP)においても、多様なニーズに対応する機器を開発すると共に、開発パートナーと連携したクラウドソリューションの展開を加速しています。 一般のオフィス向け複合機(MFP)やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発、環境負荷低減に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)設計・技術開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・カラー再生複合機「RICOH MP C4503RC SPF/C3003RC SPF」~環境負荷低減に加え、高生産性と使いやすさを同時に実現~<新製品RICOH MP C4503RC SPF/C3003RC SPF の主な特徴>先進のリサイクル技術の導入により、環境負荷を低減すると共に、輸送にもリユース可能な循環型エコ包装を使用しています。環境に配慮した設計により、各種基準をクリアし、使いやすさと省エネ・低コストを両立しました。高い生産性を発揮し、省スペースと静音性を実現しています。高画質と幅広い用紙対応力により、高品質なドキュメント出力を実現します。 ・A3サイズの送受信が可能なファクス「RICOH FAX 5520」を発売~快適な操作性と高い情報セキュリティ機能を両立~<新製品 RICOH FAX 5520 の主な特徴>使いやすさを追求し優れた操作性を実現安心してお使いいただける高度なセキュリティ機能を搭載ネットワークを活用した多彩な機能でコスト削減に貢献汎用性の高い機能を備えオフィスの業務を快適にサポート ・A3モノクロプリンターのフラグシップモデル「RICOH SP 8400シリーズ」を発売~生産性と操作性を向上し、オフィスの業務効率改善に貢献~<新製品 RICOH SP 8400 シリーズ の主な特徴>大量出力業務に応える高速・高耐久を実現使いやすさを追求し優れた操作性を実現充実の後処理機能を備えた豊富なオプションを新たに用意業務効率の向上に貢献する幅広い用紙対応力優れた環境性能により、オフィスの省エネ・低コストに貢献さまざまなドキュメント出力シーンに対応 ・A4 カラーレーザープリンター/複合機「RICOH SP C261/C260Lシリーズ」を発売~モバイル機器からの印刷ニーズに対応し、操作性も向上~ <カラーレーザープリンター「RICOH SP C261/C260L」の主な特徴>コンパクトボディながら高い生産性を実現モバイル機器からの幅広い印刷手段に対応オフィスの低ランニングコストに貢献優れた環境性能により、環境負荷低減に寄与<カラーレーザー複合機「RICOH SP C261SF/C260SFL」の主な特徴>4つの機能をコンパクトボディに搭載使用する人のことを配慮した操作性を実現コスト削減とセキュリティ向上に貢献するファクス機能を搭載 ・A4モノクロプリンター/複合機「RICOH SP 2200Lシリーズ」を発売~耐久性を向上し、モバイル機器からの印刷に幅広く対応~<新製品 RICOH SP 2200L シリーズ の主な特徴>高い生産性と耐久性を実現モバイル機器からの各種印刷手段に幅広く対応本体もトナー単価も低コストを実現コンパクト&スタイリッシュなデザイン4つの機能を1台に集約(RICOH SP 2200SFL) なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は45,484百万円です。 (2) オフィスサービス分野オフィスでのコミュニケーションや働き方が変わりつつある中、当社は、時間や場所にとらわれないコミュニケーションを通してコラボレーションを促進する、ビジュアルコミュニケーション製品をお客様に提供しています。 テレビ会議・Web会議システム、インタラクティブ ホワイトボード(IWB)、プロジェクター等の機器と、それらの機器を活用した仕事の効率化についてのノウハウやソリューションなどのサービスを提供し、働く環境を当社グループがトータルにサポートすることで、お客様の生産性向上に寄与する価値提供を目指します。 そのために、ビジュアルコミュニケーション関連の技術開発、ITサービス/アプリケーションサービス及び、それらのサービスを支えるクラウドプラットフォームの開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・ハイエンドプロジェクター「RICOH PJ WU6480/X6480」を発売~2灯式ランプの採用により高輝度・高信頼性を実現~ハイエンドモデルのプロジェクターの新製品として、「RICOH PJ WU6480/X6480」の2機種を発売しました。 ・「RICOH Unified Communication System Advanced」を発売~異なる機器や環境でも接続できるテレビ会議システムをご提供~テレビ会議システム「RICOH Unified Communication System(以下、RICOH UCS)」の新製品として、異なる機器や環境でも接続できる仮想会議室タイプの「RICOH Unified Communication System Advanced」を発売しました。 ・スタンダードモデルのプロジェクター5機種10モデルを発売~入力インターフェースの強化に加え、本体設置の自由度が向上~スタンダードモデルのプロジェクターの新製品として、高輝度タイプの「RICOH PJ WX5770/X5770」シリーズと、中輝度タイプの「RICOH PJ HD5451/WX5461/X5461」シリーズ、合計5機種10モデルを発売しました。 ・エントリーモデルのプロジェクター3機種を発売~入力インターフェースを強化し、多様化するお客様の働き方に対応~エントリーモデルのプロジェクターの新製品として、「RICOH PJ WX2440/X2440/S2440」の3機種を発売しました。エントリーモデルは、充実した基本機能の搭載に加えて、扱いやすさを重視して設計しており、快適な操作性を実現したシリーズです。 ・「RICOH Interactive Whiteboard」の新製品2機種を発売~シリーズ全機種統一オペレーションで、お客様の用途に合わせて更に選びやすく~「映す・書く・共有する」でコラボレーションを促進するRICOH Interactive Whiteboardシリーズの新製品として、画面サイズが65インチの「RICOH Interactive Whiteboard D6510」と、55インチの「RICOH Interactive Whiteboard D5520」の2機種を発売しました。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は4,944百万円です。 (3) 商用印刷分野当社グループは印刷業のお客様に向けて、性能面・価格面に強みをもつ商品とワークフローソリューションを組み合わせた提案を行い、「Offset to Digital」を実現するとともに、大手商用印刷のお客様の新規獲得を目指します。 商用印刷分野における電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術、プロダクションプリンティングワークフローを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・カラープロダクションプリンターの新製品として「RICOH Pro C7210S/C7200S」を発売2014年12月に発売した「RICOH Pro C7110S/C7110/C7100S」の後継機で、さらなる高生産性と高画質を実現し、基本性能が向上しています。また、前身機でご好評をいただいているスペシャルカラートナー(ホワイト、クリア、ネオンイエロー、ネオンピンク)にも引き続き対応し、プロセスカラー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)と組み合わせて様々な用紙に印刷することで、豊かで鮮やかな表現が可能になります。さらに、当社の新技術IQCT*を搭載することで、従来は高度なスキルを持ったオペレーターが行っていた色味調整(キャリブレーション)や画像位置調整の作業を自動化しました。これにより、印刷オペレーションの省力化と印刷品質の安定化を両立することが可能になります。※Inline Quality Control Technology印刷前や印刷中の調整を自動化することで、安定して高品質な印刷物を提供する技術 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は32,418百万円です。 (4) 産業印刷分野産業用インクジェットヘッドに対するニーズは多様化しています。製品や用途開発が積極的に進んでおり、今後の成長が有望視されている分野です。 プリンティング技術の可能性を拡げる分野として今後成長が見込まれるのが、作像システム・産業プリンター事業です。プロセスのデジタル化によって、少量・多品種・低コストでのオンデマンド印刷が可能となります。 また、多様なニーズの中から特に成長しているセグメントに対して、積極的に商品を投入しています。特に、服飾や布地などに直接印刷するDirect to Garment(DTG)は今後の大きな市場成長が予測されており、事業の拡大を目指しています。 産業印刷分野におけるインクジェットヘッド、作像システム、産業プリンターの技術開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5421F」と「RICOH MH5421MF」の2製品を新たに開発当社独自のインク循環構造により、ノズル近傍までインクを常時循環させることで、ノズルの乾燥やインク粒子の沈降などを防ぎ、高い吐出安定性を実現します。また、対応するインクの粘度の違いにより、「RICOH MH5421F」と「RICOH MH5421MF」の2製品からお選びいただくことができます。さらに、両製品とも当社独自のステンレス接合技術により幅広い種類のインクに対応し、システムの信頼性向上を実現します。 ・テキスタイル(布地)印刷用途向けに、Tシャツなどの服飾品生地(ガーメント)に直接印刷するDTGプリンターの戦略商品「RICOH Ri 100」を新たに投入高画質と滑らかな肌触りを両立した高品質な仕上がりと、プリンターと仕上機を一体化して設置できるコンパクト設計を実現しました。また、新規カセット式Tシャツホルダーの採用による簡単操作を実現しており、手軽かつ安全に衣類への直接印刷を可能にしています。2017年夏からアジア・中国地域で先行発売し、2017年秋から日本でも発売して、順次グローバルに展開してまいります。 ・自社のインクジェット技術を活用したリコー初の産業印刷向け大判UVフラットベッドインクジェットプリンタ「RICOH Pro T7210」を開発当社が40年以上取り組んできた独自のインクジェット技術を結集。12個のインクジェットヘッドを3列の千鳥状に配置することで、4色印刷時に最大100m²/hの高い生産性を実現しました。5色、6色印刷でも高速印刷が可能です。当社独自のUVインクを使用しており、アクリルやガラス、木材、アルミ、鋼板など、さまざまな基材に高い密着性(基材に対して形成した絵柄などが剥がれてこないという性質)を実現しています。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は7,887百万円です。 (5) サーマル分野世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指します。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は1,583百万円です。 (6) その他分野産業向けシステム・光学機器・電装ユニット・半導体・デジタルカメラ・産業用カメラ・3Dプリント・環境・ヘルスケア等に関わる当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■産業向けシステム、産業用カメラ分野自動車業界を含む産業機器分野で、これまでに培った技術の強みを活かしながら事業を展開し、パートナー様と共に社会課題の解決に努めています。 ・IoT技術やビッグデータ活用、保守サービスのノウハウを提供することで、産業機器を製造しているお客様のビジネスを支援する「RICOH Open Remote Services」を開始当社グループの培ったサービス・サポートなどの社内実践モデルを「リモート監視サービス」としてご提供することにより、機器状態の可視化や新たなビジネスモデルの構築にお役立ちします。機器製造業に当社グループの様々な強みを組み合わせ、機器のリモート監視、ログデータ活用、保守サービスなど、お客様の新たな事業展開に貢献します。 ・作業支援カメラシステム「RICOH SC-10シリーズ」に新機能を追加~似たような色の部品でも質感の違いにより識別が可能に~「RICOH SC-10シリーズ」は、手作業による部品などの組み立て作業が正しく行われているかどうかを判定するシステムです。画像認識技術の活用による自動チェックにより作業ミスを防ぐことが可能となり、さまざまな作業現場でご好評をいただいています。今回新たに、質感チェック機能を搭載し、色の違いの識別だけではなく、質感の違いも識別できるようになりました。また、個別のセンサー制御機能の追加によるさまざまな撮影条件への対応や、外部機器との連携を容易にしたワンショット出力への対応、効率的な作業を可能にする作業計画機能への対応などを実現しています。 ・世界最小*の車載用ステレオカメラを開発、量産開始当社グループは、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)のニーズが急速に拡大する自動車業界向けに、世界最小の車載用ステレオカメラを株式会社デンソーと共同開発し量産を開始しました。2つのカメラを用いて視差画像を生成し距離測定を行なうステレオカメラは、距離測定の正確性に優れているものの筐体サイズが大きくなるため、自動車への搭載には小型化の課題がありました。今回、当社グループ独自の光学設計技術、各種キャリブレーション技術、リアルタイム視差補正技術などの活用により、世界最小(左右カメラの間隔80mm)の車載用ステレオカメラの開発に成功し、量産を開始しました。*2017年4月時点、当社調べ ■ヘルスケア分野2016年に、高齢化社会への対応、医療費削減、地域間の医療水準格差解消などが求められるヘルスケア分野に本格的に事業参入し、「ヘルスケアソリューション」「メディカルイメージング」「バイオメディカル」の3つを重点領域と定めて事業拡大を目指しています。 ・ミネベアミツミ株式会社と共同で介護市場向けベッドセンサーシステムの事業開発を開始ミネベアミツミ株式会社と当社は、生体情報をモニタリングするベッドセンサーシステムを事業化するため、共同事業開発契約を締結しました。ミネベアミツミ株式会社のセンサーモジュール技術と、当社グループのシステム化技術、製造、販売、及び保守サポート等のノウハウを連携させることで、付加価値の高いベッドセンサーシステム及び情報サービスを提供します。 ・脳磁計の新製品「RICOH MEG」を米国で発売当社は2014年から生体磁気計測装置の技術開発に取り組んでおり、2016年4月には横河電機株式会社から生体磁気計測装置の一種である脳磁計の事業を継承しました。新製品「RICOH MEG」は、横河電機株式会社が長年培ってきた脳深部計測や高周波計測などのセンシング技術と、当社が基盤事業で培った画像技術・システム設計力をはじめ、生産ノウハウなどを組み合わせて新たに開発したものです。 ■環境分野1990年代から取り組んできた環境経営の考え方をさらに進化させ、「お客様と共に進化する環境経営」を目指しています。2016年、御殿場に環境を基軸とした新規事業の創出・拡大を目的に設立した「リコー環境事業開発センター」を開所し、環境技術の実証実験の場として技術開発を行っております。 ・三重県多気郡多気町やアクアイグニスと、木質バイオマスを活用した温浴施設向けエネルギー供給に関する協定を締結当社は、2016年12月から静岡県御殿場市との協業により、「リコー環境事業開発センター」近くの森林の未利用間伐材をチップ化し、木質バイオマスボイラーの燃料として、センターの空調、給湯に活用しています。このノウハウを活かして、温浴施設における木質バイオマスの活用を実現しました。 ■デジタルカメラ分野ユニークで魅力的なハードウェアとそのデータ活用により、新たな画像・映像表現を創造していきます。 ・ワンショットで360°の全天球イメージを撮影できるカメラ「RICOH THETA V」を発売360°カメラ「RICOH THETA (リコー・シータ)」シリーズの最上位機種として、高画質な4K解像度の360°動画撮影や臨場感溢れる空間音声記録、高速転送等に対応した「RICOH THETA V」を発売しました。RICOH THETA Vは「グッドデザイン・ベスト100」とドイツの「iF デザインアワード 2018」を受賞しました。 ・360°の全天球画像をお客様のWebサイトに表示できるクラウドサービス「THETA 360.biz」の専用アプリを提供開始360°の全天球イメージをお客様のWebサイトに表示できるクラウドサービス「THETA 360.biz」をより簡単に活用するために、スマートフォンやタブレット向けアプリ「RICOH 360.biz for Tour Creator」を開発し、提供開始いたしました。 ・VRとAIを活用した360°で表示するバナー広告事業に参入クリック率が高く訴求力のあるバナー広告の需要拡大が見込めることから、インターネットのバナー広告を360°の画像で表示するバナー広告事業に参入いたします。その一環として、360°の広告画像の提供から広告の効果測定などを行うサービス「RICOH 360 for Ad」を提供開始します。当社独自の360°の画像注目領域アニメーション技術(特許出願済)を活用し、これまでに撮影された360°の画像を学習することで、広告写真の中で注目すべき箇所をAIで自動抽出します。これによって、広告画像を水平に回転させるだけでなく、訴求したい領域が自動で映るようになります。 ・35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1 Mark II」を発売本製品は、Kシリーズ35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」(2016年4月発売)の後継機として開発、最高級機として期待される高画質画像のさらなる追求に加え、利用シーンを広げる超高感度性能や各種機能の使いやすさを向上しています。新たに搭載したアクセラレーターユニットと画像処理エンジン"PRIME IV"との連携により、高速で快適な動作と高度なノイズ処理を両立し、さらなる高画質化と超高感度性能を実現しています。また、イメージセンサーの性能をフルに引き出す超解像技術"リアル・レゾリューション・システム"機能が"リアル・レゾリューション・システムII"に進化し、手ぶれ補正機能を利用しながら、手持ち撮影でも超高解像撮影がおこなえる新開発の "手ぶれ補正モード"を機能に追加。従来の三脚固定による撮影に加え、さらに幅広いシーンでも超高精細画像の撮影を楽しんでいただけます。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は7,709百万円です。 (7) 基礎研究分野各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、プリンティング技術の応用研究開発、新規機能材料やデバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術とそれに必要なフォトニクス技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、人工知能の応用研究開発、システムソリューションの開発、生産技術開発、環境関連技術及びヘルスケア関連技術の研究開発等を行っております。 当連結会計年度の主な発表・成果は次のとおりです。 ・細胞の3次元配置を実現するバイオ3DプリンターiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の細胞を用いて生体に近い組織構造を再現するためには、複数種類の細胞を適切に配置し、3次元的に組み立てる必要があります。当社が研究開発を進めているバイオ3Dプリンターでは、細胞を細胞用インクと混合させて液中分散させ、かつインクジェットヘッドから細胞をつぶさずに安定して吐出することを可能にしました。 ・路面性状モニタリング実証実験道路管理では、道路の修繕を適切な時期に行うため、維持管理の総合的な指標である「MCI(Maintenance Control Index)値」が利用されています。そのMCI値を算出するため、当社は3次元情報が得られるステレオカメラを複数台用いた車載計測システムにより、「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性」を計測しています。目視判読工程(ひび割れ率の判定)は、AIによって得たモデルによる機械判読に置き換えることで、従来工数を削減しました。これらにより、撮影から計測結果作成までのプロセスの自動化を実現しました。 ・AZAPA株式会社と秋田県仙北市で自動運転の共同実証実験を開始実証実験では、公道走行における技術的な課題や、雪国での実用化、交通インフラ環境との協調性、法整備などの具体的な実用化への課題の洗い出しを行います。AZAPA株式会社は、自動運転における経路生成〜回避行動の自動運転制御、及び搭乗者の感性に関する制御技術をテーマに、当社は、ステレオカメラなどを用いた全方位画像センシング技術、及び人の認知・判断・行動の高度解析をテーマに取り組み、両社で技術融合した車両を用いて、自動運転における課題抽出と新たな技術的解決を図ります。 ・「振動データの見える化システム」を開発独自開発のセンサーとデータ解析技術を組み合わせることで、設備や機械の異常を検知するために必要なデータを抽出することを可能としました。製品の品質に影響する製造機械の異常振動や突発的な衝撃、健全性の確認など、今まで把握できなかった状態特性をリアルタイムに数値化して把握することができるようになります。機械の故障未然防止やダウンタイム短縮、メンテナンスの簡素化といった安定した設備稼働の実現と共に、将来的には予兆保守への取り組みといった新たな付加価値の提供を目指します。 ・AI技術を活用した与信モデルの活用について当社グループは与信業務をAI化する実証実験を進め、当社グループが保有する大量の与信データを当社が開発した機械学習を活用することで、精度の高い与信モデルを開発しました。2017年9月より開始した実データに基づく検証を経て2018年1月より当社グループでの与信業務に活用しています。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は10,990百万円です。
FY2017|5,262 文字
6 【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供しつづけることで、人々の生活の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献することを基本理念としております。 この理念に基づき、当社グループは、第18次中期経営計画(2014年4月-2017年3月:以下、18次中計)において掲げた「基盤事業収益力の強化と成長」「新たな事業の柱の構築による成長」という2つの基本戦略のもと、研究開発活動を推進いたしました。 「基盤事業収益力の強化と成長」においては、従来の「モノ」の提供に加え、お客様接点力の強みを活かしたサービスによる「コト」の価値提供を加えた「モノ+コト」の価値提供で競争力を高めています。具体的には、お客様の業務効率化を実現するクラウドサービスの入出力端末として活用できる複合機、マネージド・ドキュメント・サービスや、ドキュメントの電子化・ネット化に伴うワークスタイルの変革を提案するITサービスの強化等に取り組みました。研究開発では、製品シリーズ間での統合設計による開発効率の向上等、構造改革にも挑戦いたしました。 「新たな事業の柱の構築による成長」においては、これまで培ってきたインクジェットヘッド技術とインク材料技術を活かし、産業用印刷市場でのインクジェット事業の強化に取り組みました。さらには、2016年4月に横河電機株式会社から脳磁計事業を譲り受け、ヘルスケア分野へ参入いたしました。同じく2016年4月に「リコー環境事業開発センター」を静岡県御殿場市に開所し、環境事業の創出・拡大に取り組みました。 当社グループは、研究開発部門をグローバルで各地に配し、技術リサーチから、要素技術研究、製品応用化のための基盤技術開発、そして環境技術、生産技術開発まで、グループ全体で積極的な研究開発活動を進めております。また、大学・研究機関・企業の力を活用するオープンイノベーションを推進することで、最先端技術の開発を加速しています。 今後も、長年の製品開発で培ってきた画像処理、光学、材料・デバイス、環境、ネットワーク、ソフトウェア等のコア技術を新たなアイデアと融合させ、イノベイティブな技術開発に積極的に取り組み、お客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。 IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(14,013百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は114,398百万円です。 (1) 画像&ソリューション分野一般のオフィスからプロダクションプリンティング分野にわたる複合機やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。また、オフィスや教育現場等さまざまな業種でのコミュニケーションをより快適で便利なものにし、生産性向上及び新たなワークスタイルを提案するビジュアルコミュニケーション関連の技術開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■MFP(マルチファンクションプリンター)関連オフィスの中心となる中・高速クラスのフルカラー複合機、及び低速から高速クラスのモノクロ複合機のラインアップを一新しました。主要モデルに10.1インチの大型フルカラータッチパネル「MultiLink-Panel」を搭載することで、操作性が向上し、さらには操作部から「RICOHアプリケーションサイト for MultiLink-Panel」に接続することで業務課題やニーズに合うアプリケーションをお客様自身でダウンロード可能となり、業務効率向上に貢献する拡張機能を提供できるようになりました。複合機をクラウドサービスの入出力端末として活用することで、働き方改革を支援していきます。ソリューション開発については、開発パートナーと協業し、複合機連携クラウドソリューションの展開を加速していきます。 ・デジタルフルカラー複合機 「RICOH MP C6004/C5504/C4504/C3504/C3004シリーズ」 …使いやすさと省エネの両立を実現した5シリーズ12モデル、全モデルに「MultiLink-Panel」を搭載しました。新たに人感センサーも搭載し、スリープモードから操作開始までの待ち時間を大幅に短縮しています。・モノクロ複合機 「RICOH MP 9003/C7503/C6503シリーズ」…オフィス向けモノクロ複合機の最上位機種を含む3機種4モデル、全モデルに「MultiLink-Panel」及び人感センサーを搭載しました。市販回収材(プラスチック製容器包装と家電製品のプラスチック)を原材料に、新たに開発した繰り返し使える再生材を搭載する等、徹底した環境配慮設計により省資源・省エネにも貢献しています。・デジタルモノクロ複合機 「RICOH MP C6055/C5055/C4055/C3555/C2555シリーズ」…使いやすさと省エネの両立を実現した5シリーズ10モデル、全モデルに「MultiLink-Panel」を搭載しました。 ■プロダクションプリンティング関連「RICOH Proシリーズ」のモノクロ/カラープロダクションプリンター、商用印刷市場向けプリンターコントローラー等を商品化しました。商用印刷市場では、多品種小ロットの印刷物を短納期で提供可能なデジタル印刷の対応ニーズが高まっており、2つの新コントローラーでは、既存のオフセット印刷システム環境との連携によりオフセット印刷とデジタル印刷をより効率的・柔軟に使い分けること、多品種小ロット印刷の業務効率を向上することをそれぞれ目的としています。 ・モノクロプロダクションプリンター 「RICOH Pro 8200シリーズ」 …カラープロダクションプリンターで採用している面発光型半導体レーザーVCSEL技術を搭載し、書き込み解像度1,200dpi×4,800dpiによる高画質に加え、136枚/分* (A4ヨコ)という高生産性、用紙対応力を実現しています。企業内印刷から商用印刷ニーズに対応します。* RICOH Pro 8220Sの場合・プリンターコントローラー「TotalFlow プリントサーバー R-61/R-61A」…前身機「TotalFlow プリントサーバー R-60/R-60A」の豊富な機能や性能を継承した、プロダクションプリンター「RICOH Pro Cシリーズ」用のプリンターコントローラーです。全世界で広く利用されている既存のワークフローシステムを利用したオフセット印刷とデジタル印刷(Ricoh Pro Cシリーズ)のシームレスなハイブリッドワークフローの構築を実現しています。・プリンターコントローラー「RICOH TotalFlow BatchBuilder V2」…プリントオンデマンドの印刷ソリューションを提供する「TotalFlow」シリーズの、商業印刷向けソフトウェアです。大量に入ってくる多品種・少量の印刷ジョブを、使用する用紙、後工程の処理方法等の属性によって括り、自動実行させることで作業効率を向上します。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は89,170百万円です。 (2) 産業分野インクジェットヘッド、光学機器、半導体、サーマルメディア、電装ユニット等の産業用途システム・デバイスの技術開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・産業用インクジェットヘッド「RICOH MH5220」…ラベルやパッケージ、サイングラフィックス等のプリンティングシステムで使われる産業用インクジェットヘッドです。最小液滴量2.5pl(ピコリットル)により高精細印刷を実現しました。マルチドロップによる液滴制御で幅広い液滴量の吐出が可能、ステンレス構成で高耐久・長寿命を実現、内蔵ヒーターによる加熱で高粘度インクの吐出が可能、ラベル印刷分野で使われるUV硬化インクに対応しています。・作業支援カメラシステム「RICOH SC-10A」…画像認識により、手作業による部品等の組み立て作業が適正に行われているかを自動でチェックできる作業支援カメラシステムです。カメラで撮影した作業結果の画像を、事前に登録された正しい作業工程後の画像と照らし合わせて、部品の有無や形状の違いを認識し、自動的に判定します。自動チェックで作業ミスを防ぎ、生産効率を大きく向上します。・定電流LEDドライバコントローラIC「R1580Nシリーズ」…LED照明の明暗やフリッカー(ちらつき)を制御することができるICです。業界で初めて*PWM(パルス幅変調)信号入力でありながら、1/200までの低輝度調光とカメラ撮影時のフリッカーフリー(ちらつき無し)を同時に実現しました。* 2016年3月時点、当社調べ・IoT/ウェアラブル機器向け電源IC「RP118シリーズ」…世界最高クラス*の超低消費電流ボルテージレギュレータです。無負荷時の消費電流を0.2μA、待機時電流を0.002μAに抑えることで、端末として使われる無線センサーやウェアラブル機器のバッテリーの長時間駆動に大きく貢献します。低消費電流でありながら、独自の回路技術により高い応答特性を実現しています。* 2017年3月時点、当社調べ なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は9,326百万円です。 (3) その他分野(コンシューマ分野)全天球カメラやデジタル一眼レフカメラをはじめとするイメージング・システム関連技術の開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■ 全天球カメラ関連・スタンダードモデル「RICOH THETA SC」…ワンショットで全天球イメージを撮影できる、わかりやすい操作性と充実の基本性能を備えた、スタンダードクラスの360°カメラです。シリーズ上位機種の「RICOH THETA S」と同等の高性能CMOSイメージセンサーや大口径レンズによる高画質はそのままに、本体の軽量化を実現しました。撮影した360°画像は、スマートフォンやタブレットに転送して楽しめるほか、市販のVRビューアーを利用して手軽にVR体験が可能です。・24時間連続稼動が可能な全天球ライブストリーミングカメラ開発キット「RICOH R Development Kit」…独自の全天球映像技術を活用し、2K解像度で30fps(フレーム/秒)の全天球ライブストリーミングを可能にしました。全天球映像の標準フォーマットであるEquirectangular Projection Formatへの合成は、カメラ内でリアルタイムに行われます。 ■ デジタルカメラ関連・デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-70」…アウトドア撮影に適した防塵・防滴構造、耐寒性能を備えた小型ボディに、最高ISO感度102400の超高感度撮影を実現し、新たに、像面位相差AFとコントラストAF、双方のメリットを併せ持つハイブリッドAFを採用しました。ボディ内手ぶれ補正等、上位機並みの本格機能も搭載しています。・デジタル一眼レフカメラ「PENTAX KP」…日常的なスナップから過酷なアウトドア環境下まで幅広く対応できるミドルクラスのモデルとして開発しました。新型APS-Cサイズ相当の新型CMOSイメージセンサーを採用し、有効約2432万画素の超高精細な画像を得られます。新設計の薄型のコンパクトボディで、手持ちでも夜景をスナップできるISO819200の超高感度撮影を実現しました。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は3,637百万円*です。*カメラ事業に関する組織変更等に伴い、研究開発投資の集計方法の見直しを行いました。前連結会計年度の研究開発投資を当連結会計年度と同様の方法で集計した場合、3,372百万円となります。 (4) 基礎研究分野各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、新規材料やデバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術とそれに必要なフォトニクス技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、人工知能の応用研究開発、システムソリューションの開発、生産技術開発、環境関連技術及びヘルスケア関連技術の研究開発等を行っております。なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は12,265百万円です。
FY2016|5,055 文字
6 【研究開発活動】 近年の急速な技術革新、ビジネスのグローバル化等、私たちの働く環境は 急激な変貌を遂げています。こうした社会の変化を踏まえ、当社グループ(当社及び連結子会社)は、人と情報のかかわりを重視し、革新的な価値を生みだす商品・サービスの提供をとおして世の中に貢献することを基本理念としております。この理念に基づき、より良いコミュニケーションを生み出す新技術を開発するために研究開発部門をグローバルで各地に配し、技術リサーチから、要素技術研究、製品応用化のための基盤技術開発、そして環境技術、生産技術開発まで、グループ全体で積極的な研究開発活動を進めております。また、大学・研究機関・企業の力を活用するオープンイノベーションを推進することで、最先端技術の開発を加速しています。 当社グループは、今後も、長年の製品開発で培ってきた画像処理、光学、材料・デバイス、環境、ネットワーク、ソフトウェア等のコア技術を新たなアイデアと融合させ、イノベイティブな技術開発に積極的に取り組み、お客様に感動していただけるような革新的な商品・サービスの実現を目指していきます。 IFRSの適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費(16,537百万円)を含む当連結会計年度の研究開発投資は118,583百万円です。 (1) 画像&ソリューション分野一般のオフィスからプロダクションプリンティング分野にわたる複合機やプリンターの電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術、オフィスソリューションを支えるアプリケーション技術の開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■MFP(マルチファンクションプリンター)関連コンパクト設計のA4デジタルフルカラー/モノクロ複合機、及び広幅のデジタル複合機を商品化しました。 ・デジタルフルカラー複合機 「RICOH MP C306シリーズ」 …高性能A4カラー機「RICOH MP C305 SP」の後継機として、コンパクトボディながら、コピー/プリント速度は片面両面同速でフルカラー・モノクロともに30枚/分(A4タテ)と、高い生産性を達成しています。操作パネルの液晶画面は10.1インチに大型化し、かつ直感的な操作性を実現しています。・デジタルモノクロ複合機 「RICOH MP 305+ SPF」 …本体サイズ幅350mm×奥行487mm×高505mmとコンパクト設計のA4複合機でありながら、A3サイズの給紙/排紙が可能です。さらに当社独自の静音化技術を搭載することで優れた静音性、そして連続複写速度は30枚/分(A4ヨコ)、ファーストコピータイムも4.3秒(A4ヨコ)と高い生産性を実現しています。・A0/A1判対応デジタル複合機 「RICOH MP CW2201/CW1201シリーズ」「RICOH MP W6700 SP」…両製品とも前身機と比較して生産性と操作性が向上し、各種ソリューション連携が可能です。フルカラースキャナー機能の標準搭載に加え、高圧縮PDFデータ変換、スキャン変倍機能により、大判図面でもフルカラーによる電子化を促進します。 ■プロダクションプリンティング関連「RICOH Proシリーズ」のフラッグシップモデルと商用印刷市場向けプリンターコントローラーを商品化しました。 ・カラープロダクションプリンター 「RICOH Pro C9110/C9100」 …当社のカラーPOD(プリントオンデマンド)のフラッグシップモデルとして、ラインアップ最高の品質、用紙対応力、生産性を実現しています。面発光型半導体レーザーVCSEL技術を搭載し、書き込み解像度1,200dpi×4,800dpiによる高画質に加え、130ページ/分(A4ヨコ)*という高生産性を実現しています。* C9110場合(C9100は110ページ/分(A4ヨコ))・プリンターコントローラー「TotalFlow プリントサーバー R-60/R-60A」…プロダクションプリンター「RICOH Pro C シリーズ」に、印刷業務をサポートする高速カラーコントローラーのラインナップが加わりました。商用印刷市場でデジタル印刷に求められる高い生産性と品質で、優れたパフォーマンスを実現しています。リコーの先進技術と独自アーキテクチャーによって、複雑なデザインやエフェクトを含んだPDFデータを高品質で高速、正確に出力することが可能です。 ■VC(ビジュアルコミュニケーション)関連テレビ会議・Web会議システム、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)、プロジェクター、デジタルサイネージといったビジュアルコミュニケーション機器の提供を通して、さまざまな業種での生産性向上、新たなワークスタイルを提案します。・教育現場のICT活用を支援する大画面の電子黒板「RICOH Interactive Whiteboard D6500」…従来製品の「リコー インタラクティブ ホワイトボード D5510」に対し、教育現場で必要とされる機能に特化した新製品です。ディスプレイは65インチと大画面で映り込み防止処理がされ、教育用アプリケーションを搭載したパソコンと連動することにより、複数の生徒が指で同時に書き込むことが可能です。また、内蔵スピーカーを搭載し、複数種類の入出力端子にも対応しています。・超短焦点プロジェクター「RICOH PJ WX4152NI/WX4152N/WX4152」…「RICOH PJ WX4141シリーズ」の後継機種です。当社独自の曲面ミラーを採用し、超短焦点モデルとしては世界最小*・最軽量*・最至近*の3大特長はそのままに、3,500lmに輝度を向上し、本体を横置きにした机上投影対応、ネットワークユーティリティを用いた4人同時接続等、機能活用の幅を大きく拡げました。* ミラー式の超短焦点プロジェクターとして(2016年1月時点、当社調べ) なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は93,336百万円です。 (2) 産業分野産業用レーザー、レーザー加工機の開発やFA用のピッキングシステム、車載機器向けDC/DCコントローラIC等の産業用途システム・デバイスの技術開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ・2D/3D併用型ピッキングシステム「RICOH RLシリーズ」…業界で初めて*、部品のピッキングから組み付けまでを自動化しました。アームロボットに産業用ステレオカメラ「RICOH SV-M-S1」を搭載し、当社独自の3D認識技術とロボット制御技術などを組み合わせることで、さまざまなサイズの部品をピッキングから組み付けまで自動化することを実現しました。* 2016年1月時点、当社調べ・超短パルスファイバーレーザー「RICOH SU-1020」…情報家電・IT分野のデバイスや光学部品製造等の精密加工を効率化する、産業用レーザー加工装置です。10W以上のファイバーレーザーでは業界初*となる直接変調方式シード光源を採用した、平均出力最大16W、最短パルス幅50ピコ秒のファイバーレーザーで、「熱加工」と「非熱加工」の各々の特徴を活かした複合的な加工が可能です。薄膜太陽電池の電極パターニングやフラットパネルディスプレイガラスの切断、微細光学素子の金型加工等で優れた性能を発揮します。* 2016年1月時点、当社調べ・機能性フィルム用レーザーパターニング装置「RICOH LA-1100」…スマートフォンやタブレット端末のタッチパネル等で使用される機能性高分子フィルム用のレーザー加工機です。前述の超短パルスファイバーレーザー「RICOH SU-1020」を搭載し、そのピコ秒レーザー技術により、タッチパネルに用いられるITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明電導膜と銀引出電極の同時加工を世界で初めて*実現しています。これにより、生産効率が著しく向上します。* 2016年1月時点、当社調べ・車載機器向け降圧DC/DCコントローラIC「R1272Sシリーズ」…高耐圧で動作最大電圧が34Vと高いため、車載バッテリ(+12V)から直接入力することができるICです。大電流出力を可能とし出力電流20A*を駆動することができます。このほか、軽負荷高効率を実現しており、SSCG機能も搭載しています。* 出力電流値は、条件や外付け部品に依存しますので、目安となります。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は8,994百万円です。 (3) その他分野(コンシューマ分野)全天球カメラTHETAやデジタル一眼レフカメラをはじめとするイメージングシステム関連技術の開発を行っております。 当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。 ■ 全天球カメラ関連ハイスペック上位モデル「RICOH THETA S」…製品コンセプトである小型・軽量ボディはそのままに、新開発のレンズユニットやイメージセンサーの大型化、最新の画像処理等により、高画質な全天球イメージの撮影、高品質な全天球動画撮影(最大25分間)を実現しました。静止画撮影時には、全天球イメージをスマートフォンやタブレット上で確認しながら撮影できる、RICOH THETA初のライブビュー機能を搭載しました。・360度画像編集アプリ「THETA+ Video」…全天球カメラ「RICOH THETA(リコー・シータ)」で撮影した動画を編集できる専用アプリで、トリム、ビューの切り替え、色調の変更、BGM挿入等の編集・加工を簡単に行うことができます。 ■ デジタルカメラ関連(リコーイメージング株式会社)・35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」…35ミリ判フィルムと同等サイズの大型CMOSイメージセンサーを搭載した、Kシリーズ最高級機です。超高精細な約3640万画素の有効画素数と独自の画像処理技術等により、階調再現性や高感度性能にも優れた高画質な画像を実現しています。このほか、5軸対応の新手ぶれ補正機構の搭載、人工知能技術を応用した露出制御機能等、最新のテクノロジーを採用しています。ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「GR Ⅱ」…「GR」の後継機として、当社一眼レフカメラと同等サイズの大型イメージセンサーによる高画質画像と、ストリートスナップに最適な小型ボディで、高画質と携帯性の両立というコンセプトを継承しています。また、「GR」シリーズ初となるWi-FiTM機能とスマートフォン等の端末と簡単にペアリングできるNFC(Near Field Communication)機能を新たに採用し、スマートフォン等と連携して画像伝送やリモート撮影を可能にしました。* Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの商標です。ハイスペックアクションカメラ「RICOH WG-M2」…スタンダードクラスの防水アクションカメラ「RICOH WG-M1」の上位機種として開発しました。小型・軽量ボディに、水深20mの防水性能と、高さ2mからの耐落下衝撃性能、マイナス10℃の耐寒性能を備えています。さらに、当社デジタルカメラで初となる4K動画撮影に対応しており、超広角約204°の迫力のある映像を、高ビットレートの高画質で記録することができます。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は211百万円です。 (4) 基礎研究分野各事業に分類できない基礎研究分野として、ナノテクノロジー、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、計測・分析・シミュレーション等の基盤技術の研究開発、新規材料/デバイスの研究開発、次世代画像表示・画像認識・画像処理技術の研究開発、データの収集・解析技術の研究開発、生産技術開発、システムソリューションの開発、高速・高品位画像処理のための光技術を中核としたフォトニクス技術、環境関連技術及びヘルスケア関連技術の研究開発等を行っております。 なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は16,042百万円です。