事業の概要
- 自動車部品製造販売アイシングループは、自動車の走行、安全、車体に関する幅広い部品を製造・販売しています。具体的には、オートマチックトランスミッション(AT)やブレーキシステム、パワースライドドアシステムなど、自動車の主要な機能に関わる製品を世界中の自動車メーカーに提供しており、これが収益の大部分を占める主力事業です。
- モビリティサービス提供カーナビゲーションシステムや乗り合い送迎サービスといったLBS(位置情報活用サービス)関連事業も展開しています。これは、単なる部品供給にとどまらず、移動そのものの利便性を高めるサービスを提供することで、新たな収益源を確保しようとするビジネスモデルです。
- エネルギーソリューション他ガスヒートポンプエアコン(GHP)やコージェネレーションシステムなどのエナジーソリューション関連事業、さらには住宅リフォームや建設土木といった多角的な事業も手掛けています。これにより、自動車産業以外の分野でも収益を上げ、事業ポートフォリオの多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- アイシン精機グループこのセグメントは、アイシングループの中核事業であり、自動車部品全般の製造・販売を担っています。売上高は1兆5009億円、営業利益は615億円と、グループ内で最も大きな規模を誇り、主にパワートレイン、走行安全、車体関連の幅広い自動車部品を世界各地で展開しています。
- アイシン高丘グループこのセグメントは、売上高2759億円、営業利益91億円を計上しており、自動車部品の中でも特に鋳造部品や加工部品などを手掛けていると考えられます。アイシングループ全体のサプライチェーンにおいて、重要な基礎部品の供給を担う役割を果たしていると推測されます。
- アイシンAWグループ売上高1兆2765億円、営業利益930億円と、アイシン精機グループに次ぐ規模を持つセグメントです。主にオートマチックトランスミッション(AT)やカーナビゲーションシステムといった製品に強みを持つ事業であり、グループ全体の収益に大きく貢献する稼ぎ頭の一つです。
FY2016 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| AISINSEIKIGroup | 事業 | 15,009 | 615 | 4.1% |
| AISINTAKAOKAGroup | 事業 | 2,759 | 92 | 3.3% |
| AISINAWGroup | 事業 | 12,766 | 931 | 7.3% |
| ADVICSGroup | 事業 | 5,513 | 89 | 1.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び204社の子会社・関連会社(製造会社143社、販売会社18社、その他43社)により構成されています。事業内容及びグループ各社の当該事業における位置付けは、次のとおりです。 「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アセアン・インド」の各セグメントで以下製品を製造・販売しています。区分主な製品自動車部品パワートレイン関連オートマチックトランスミッション(AT)、マニュアルトランスミッション(MT)、無段変速機(CVT)、ハイブリッドトランスミッション、eAxle、電気式4WDユニット(E-Four)、ハイブリッドダンパー、電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプ、ピストン、インテークマニホールド、エキゾーストマニホールド、可変バルブタイミング機構(VVT)走行安全関連ブレーキマスターシリンダー、ディスクブレーキ、エレクトロニックスタビリティーコントロール(ESC)、回生協調ブレーキシステム、電動パーキングブレーキ、アクティブリアステアリングシステム、電動チルト&テレスコピックステアリングコラム、ドライバーモニターシステム、自動駐車システム、周辺監視カメラシステム、シフト・バイ・ワイヤ、ブレーキペダルストロークセンサー車体関連パワースライドドアシステム、パワーバックドアシステム、サンルーフ、ニューマチックシート、ドアハンドル、ドアロック、ドアフレーム、グリルシャッター、ユニバーサルステップ、アクティブフロントスポイラー、アクティブリアスポイラー、体重検知センサー、塗布型制振材LBS関連他(注)カーナビゲーションシステム、乗り合い送迎サービス、補修・メンテナンス用商品エナジーソリューション関連他[エナジーソリューション関連]ガスヒートポンプエアコン(GHP)、コージェネレーションシステム[その他]フェムト秒ファイバーレーザー、住宅リフォーム、建設土木 (注) 位置情報活用サービス(Location Based Service) (事業系統図) 当社グループの事業系統図及び主要な会社名は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 得意先からの価格引き下げ要請や自動車メーカーによる部品の内製化、新しい競合先の台頭 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 eAxle、プラグインハイブリッド、ハイブリッドの電動ユニットをフルラインアップで提供できる開発体制 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済状況の悪化 / 為替レートの変動 / 金融市況の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
アイシンは自動車部品メーカーとして長年の実績と信頼を築いており、トヨタ自動車との緊密な関係は無形資産と言える。特定の技術や特許も保有しているが、汎用性の高い部品も多く、競合他社との差別化は限定的。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車メーカーはサプライヤー変更に多大なコスト(開発、認証、生産ライン調整)を要するため、既存サプライヤーとの関係は強固。アイシンは主要サプライヤーの一つであり、このスイッチング・コストは一定の優位性をもたらす。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
アイシンの事業モデルは、ユーザー数が増えることで製品やサービスの価値が向上するネットワーク効果とは直接関係しない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産ノウハウや規模の経済により、一定のコスト競争力を持つと考えられる。しかし、グローバルな競争環境下では、さらなるコスト削減圧力が常に存在する。
規模の経済★★★★☆
アイシンは世界有数の自動車部品メーカーであり、多様な製品群とグローバルな生産・販売網を持つ。特に、トランスミッション関連部品など特定の分野では高いシェアを誇り、効率規模の優位性は大きい。
- 幅広い製品ラインナップアイシンはパワートレイン、走行安全、車体関連といった自動車の基幹部品から、LBS関連、エナジーソリューションまで多岐にわたる製品・サービスを提供しています。これにより、顧客である自動車メーカーの多様なニーズにワンストップで応えることができ、安定的な取引関係を築きやすいという強みがあります。
- グローバルな事業展開日本、北米、欧州、中国、アセアン・インドといった主要地域に製造・販売拠点を持ち、世界中で事業を展開しています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、各地域の市場特性に合わせた製品供給やサービス提供が可能となり、安定した収益基盤を構築しています。
- 長年の技術蓄積と信頼1997年の刈谷工場火災を機にERM(全社的リスクマネジメント)を導入するなど、品質管理やリスクマネジメントに力を入れてきた実績があります。これにより、自動車部品という高い信頼性が求められる分野で、長年にわたる技術蓄積と顧客からの信頼を強固な競争優位性としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 アイシングループ経営理念 (2)目標とする経営指標 当社グループは、2030年度の経営目標を売上収益5.5〜6.0兆円、営業利益率8%、ROIC(投下資本利益率)13%としています。※ROIC(投下資本利益率):税引後営業利益÷(棚卸資産+有形固定資産+無形資産) (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題 各国での政策変更や欧米での環境規制緩和等の動きが見られ、自動車業界の各社は中長期的な社会動向を踏まえた戦略の練り直しを迫られています。また中国の自動車メーカーが急速に力をつけ、日欧米メーカーから自国内のシェアを奪い中国からの輸出も増加しています。 このように取り巻く環境変化は激しさを増していますが、当社グループは、経営理念に掲げる「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の実現を目指し、揺るぎない「サステナビリティ経営」を推進していきます。マテリアリティは、「自然との共生、持続可能な未来への貢献」「世界中の人々に移動の自由を提供」「多様な人材の活躍と人生の充実」の3つを設定し、中長期での価値創造を強化します。 <アイシングループのマテリアリティ> 2030年の経営目標の達成に向けては、電動化・知能化といった成長領域へのリソーセスシフトを加速するとともに、フルラインアップ戦略によるオートマチックトランスミッション・ハイブリッドトランスミッションの収益拡大を軸に事業ポートフォリオの変革を一層加速していきます。また、事業資産の圧縮、政策保有株式の売却、グローバル在庫の圧縮を中心とするバランスシート改革は着実に進捗しており、創出したキャッシュを更なる成長投資と追加株主還元に積極的に投入していきます。これらの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の取り組みにより、PBR1倍超の早期実現を目指します。 <企業価値向上に向けた取り組み>
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 アイシングループ経営理念 (2)目標とする経営指標 当社グループは、2030年度の経営目標を売上収益5.5〜6.0兆円、営業利益率8%、ROIC(投下資本利益率)13%としています。※ROIC(投下資本利益率):税引後営業利益÷(棚卸資産+有形固定資産+無形資産) (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題 各国での政策変更や欧米での環境規制緩和等の動きが見られ、自動車業界の各社は中長期的な社会動向を踏まえた戦略の練り直しを迫られています。また中国の自動車メーカーが急速に力をつけ、日欧米メーカーから自国内のシェアを奪い中国からの輸出も増加しています。 このように取り巻く環境変化は激しさを増していますが、当社グループは、経営理念に掲げる「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の実現を目指し、揺るぎない「サステナビリティ経営」を推進していきます。マテリアリティは、「自然との共生、持続可能な未来への貢献」「世界中の人々に移動の自由を提供」「多様な人材の活躍と人生の充実」の3つを設定し、中長期での価値創造を強化します。 <アイシングループのマテリアリティ> 2030年の経営目標の達成に向けては、電動化・知能化といった成長領域へのリソーセスシフトを加速するとともに、フルラインアップ戦略によるオートマチックトランスミッション・ハイブリッドトランスミッションの収益拡大を軸に事業ポートフォリオの変革を一層加速していきます。また、事業資産の圧縮、政策保有株式の売却、グローバル在庫の圧縮を中心とするバランスシート改革は着実に進捗しており、創出したキャッシュを更なる成長投資と追加株主還元に積極的に投入していきます。これらの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の取り組みにより、PBR1倍超の早期実現を目指します。 <企業価値向上に向けた取り組み>
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の売上収益については、円安の影響があったものの、パワートレインユニット販売台数の減少等により、前連結会計年度(4兆9,095億円)に比べ0.3%減の4兆8,961億円となりました。 利益については、売上収益の減少や人・将来への投資があったものの、円安効果や企業体質改善努力・構造改革の成果により、営業利益は品質関連費用を計上した前連結会計年度(1,433億円)に比べ41.5%増の2,029億円、税引前利益は前連結会計年度(1,498億円)に比べ15.7%増の1,734億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(908億円)に比べ18.5%増の1,075億円となりました。 また、当連結会計年度末の資産については、現金及び現金同等物、非流動資産のその他の金融資産の減少等により、前連結会計年度末(4兆6,430億円)に比べ7.7%減の4兆2,846億円となりました。負債については、社債及び借入金、繰延税金負債の減少等により、前連結会計年度末(2兆2,409億円)に比べ8.5%減の2兆513億円となりました。資本については、当期利益の計上があるものの、有価証券評価差額金、自己株式の取得、剰余金の配当による減少等により、前連結会計年度末(2兆4,020億円)に比べ7.0%減の2兆2,332億円となりました。 セグメント別の業績は、次のとおりです。 (ⅰ)日本 売上収益については、パワートレインユニット販売台数の減少等により、前連結会計年度(3兆1,952億円)に比べ1.8%減の3兆1,393億円となりました。営業利益については、売上収益の減少や人・将来への投資があったものの、円安効果や企業体質改善努力・構造改革の成果により、品質関連費用を計上した前連結会計年度(626億円)に比べ17.7%増の736億円となりました。 (ⅱ)北米 売上収益については、円安の影響や車両生産台数の増加により、前連結会計年度(1兆5億円)に比べ8.6%増の1兆869億円となりました。営業利益については、品質関連費用を計上した前連結会計年度(営業損失251億円)に比べ、ハイブリッドトランスミッション生産台数の増加等により、544億円増益の営業利益293億円となりました。 (ⅲ)欧州 売上収益については、パワートレインユニット販売台数の減少により、前連結会計年度(3,758億円)に比べ21.3%減の2,959億円となりました。営業利益については、売上収益の減少等により、前連結会計年度(77億円)に比べ43.3%減の43億円となりました。 (ⅳ)中国 売上収益については、車両生産台数の減少等により、前連結会計年度(6,353億円)に比べ2.6%減の6,189億円となりました。営業利益については、売上収益の減少により、前連結会計年度(364億円)に比べ11.2%減の323億円となりました。 (ⅴ)アセアン・インド 売上収益については、円安の影響や北米向け輸出の増加により、前連結会計年度(5,001億円)に比べ6.0%増の5,301億円となりました。営業利益については、円安効果や企業体質改善努力の成果により、前連結会計年度(561億円)に比べ5.7%増の593億円となりました。 (注)各セグメントの売上収益の金額は、外部顧客への売上収益に加え、セグメント間の内部売上収益も含めた金額としています。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動により3,398億円の増加、投資活動により1,469億円の減少、財務活動により2,702億円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により16億円の増加、売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額により1億円の増加の結果、当連結会計年度末には4,516億円となり、前連結会計年度末(5,271億円)に比べ755億円(14.3%)減少となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(4,997億円)に比べ1,598億円(32.0%)減少し、3,398億円となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が1,282億円増加したことにより資金の減少があったこと等によります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(931億円)に比べ537億円(57.7%)増加し、1,469億円となりました。これは、定期預金等の増減額が220億円減少したこと、持分法で会計処理されている投資の売却による収入が399億円増加したことにより使用した資金の減少があったものの、投資の売却及び償還による収入が1,134億円減少したことにより使用した資金の増加があったこと等によります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(2,116億円)に比べ585億円(27.6%)増加し、2,702億円となりました。これは、借入とその返済による収支が1,408億円増加したことにより使用した資金の減少があったものの、社債の償還による支出が1,250億円増加したこと、自己株式の取得による支出が839億円増加したことにより使用した資金の増加があったこと等によります。 ③ 生産、受注及び販売の実績(ⅰ)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前期比増減率(%)日本3,135,829△2.1北米1,093,5988.5欧州293,146△21.6中国616,458△2.4アセアン・インド529,7886.0その他37,995△10.7合計5,706,817△0.9(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。(注2) 上記金額には、外部仕入先等からの仕入高が含まれています。 (ⅱ)受注実績 主要な事業である自動車部品製造・販売について、当社グループのすべてのセグメントは、トヨタ自動車㈱をはじめとした大手自動車メーカーより、約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、生産能力を勘案し生産計画を立て、生産を行っています。 (ⅲ)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(百万円)前期比増減率(%)日本3,139,341△1.8北米1,086,9288.6欧州295,929△21.3中国618,902△2.6アセアン・インド530,1846.0その他37,948△11.0合計5,709,235△0.7(注1) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。(注2) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。なお、割合はセグメント間の内部取引消去後の総販売実績に対して記載しています。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)トヨタ自動車㈱1,406,71728.71,426,74329.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRS会計基準(国際会計基準)に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しています。 上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ② 経営成績の分析 当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度に比べ0.3%減の4兆8,961億円、営業利益は41.5%増の2,029億円、税引前利益は15.7%増の1,734億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は18.5%増の1,075億円となりました。 以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析します。 (ⅰ)売上収益 当連結会計年度の売上収益4兆8,961億円を事業の種類ごとに見ると、自動車部品事業では前連結会計年度に比べ0.0%増の4兆7,757億円となりました。その事業ごとの内訳としては、パワートレイン関連では1.6%減の2兆6,801億円、走行安全関連では2.6%増の1兆144億円、車体関連では0.1%減の9,378億円、LBS関連他では16.1%増の1,432億円となりました。また、エナジーソリューション関連他では10.8%減の1,203億円となりました。 (ⅱ)売上原価、販売費及び一般管理費 売上原価は、前連結会計年度(4兆3,589億円)に比べ0.6%減の4兆3,326億円となり、売上収益に対する割合は88.8%から88.5%に低下しました。これは、企業体質改善努力により変動経費が低下したことなどによります。 販売費及び一般管理費は、製品保証費の減少などにより、前連結会計年度(4,177億円)に比べ10.2%減の3,750億円となり、売上収益に対する割合は8.5%から7.7%に低下しました。 (ⅲ)その他の収益、その他の費用 その他の収益は、固定資産売却益の増加などにより、前連結会計年度(287億円)に比べ25.5%増の361億円となりました。 その他の費用は、前連結会計年度(183億円)に比べ17.7%増の215億円となりました。 (ⅳ)金融収益、金融費用 金融収益は、前連結会計年度(254億円)に比べ19.7%増の304億円となりました。 金融費用は、為替差損の増加などにより、前連結会計年度(105億円)に比べ368.8%増の494億円となりました。 (ⅴ)持分法による投資損益、持分法による投資の売却損益 持分法による投資損益は、持分法投資に対する減損損失の減少などにより、前連結会計年度(持分法による投資損失84億円)に比べ、持分法による投資利益が140億円増加し、56億円となりました。 持分法による投資の売却損益は、持分法適用関連会社である株式会社エクセディ及びエクセディ・アメリカ株式会社について、当社グループが保有する全株式を売却したことにより、持分法による投資の売却損失162億円となりました。 (ⅵ)法人所得税費用 当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度(370億円)に比べ32.8%増加し、492億円となりました。 (ⅶ)非支配持分に帰属する当期利益 当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、前連結会計年度(219億円)に比べ24.4%減少し、166億円となりました。 (ⅷ)親会社の所有者に帰属する当期利益 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度(908億円)に比べ18.5%増加し、1,075億円となり、基本的1株当たり当期利益も112円31銭から137円81銭に増加しました。 ③ 資本の財源及び資金の流動性(ⅰ)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。 (ⅱ)資金需要 当社グループの資金需要の主なものは、BEV商材、ブレーキ、安心快適エントリーを中心とした成長領域への設備投資や研究開発投資です。 今後の持続的な成長のために必要な設備投資及び研究開発投資による資金需要が見込まれる場合には、長期資金の調達を実行する可能性があります。 (ⅲ)財務戦略 当社グループは、企業価値の最大化を目標として、すべてのステークホルダーとの良好な関係を築き、長期安定的な成長と発展を目指しています。 当社グループの資本政策は、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとることで、常に低コストで資金調達をできる状態に保ち、企業価値の向上を目指すことを基本方針としています。具体的には、キャピタリゼーション比率(注1)を指標として用い、当該比率が概ね25%~30%となることが最適な資本構成であると考えています。 「財務の安全性」については、格付会社による評価をひとつの目安とし、高い信用格付を維持することにより、低コストでの資金調達がいつでも可能になるよう努めています。一方、「資本の効率性」については、格付が維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。また、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)(注2)を導入することで、連結ベースでの財務戦略や当社グループ内での資金の有効活用を実現しています。(注1) 有利子負債と資本(純資産)のバランスを示す指標です。(有利子負債 /(有利子負債+資本合計))(注2) グループ企業の資金を親会社や中核会社が同一銀行内に専用口座を設置して集中管理することにより、効率的な連結運営や資金運用をする手法、又はその仕組みを指します。 (ⅳ)資金調達 当社は、安定的かつ低コストで資金を確保することを基本方針としています。 資金調達にあたっては、平均残存期間の維持及び返済年限の平準化に資する調達年限を設定し、市場動向等を勘案した最適な資金調達手段を選択・実行しています。また、当社は高い信用格付けを維持するとともに、金融機関や投資家等と幅広く良好な関係を構築しており、競争力のある調達コストの維持・追求に努めています。 当連結会計年度末の社債及び借入金残高6,298億円のうち、2,525億円はハイブリッド社債とハイブリッドローンで調達しており、格付会社より残高の50%である1,262億円について資本性の認定を受けています。 当社では、経営を取り巻く様々なリスクに対応できるよう、現預金だけでなく、コミットメントライン契約を締結するなど、十分な流動性の確保に努めています。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。当連結会計年度においては、既存事業資産の圧縮やグローバルでの在庫低減に取り組み、営業利益率は4.1%、ROIC(投下資本利益率)は7.1%となりました。 当目標の達成に向けた取り組みについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりです。
事業リスク
- 経済状況の変動アイシングループの売上収益の大部分を占める自動車関連製品の需要は、日本、北米、欧州、中国などの主要市場の経済状況に大きく左右されます。景気後退や自動車需要の縮小が発生した場合、製品の販売量が減少し、グループ全体の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 為替レートの変動海外子会社の財務諸表の円換算や外貨建て取引において、為替レートの変動が収益や費用に影響を与えます。特に円高が進行すると、日本で生産し輸出する製品の価格競争力が低下し、海外での売上が減少することで、グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料・部品調達の制約製品製造に必要な原材料や部品の調達は、国内外の複数の供給元に依存しています。地政学リスク、災害、需要の急激な変化などにより、これらの供給元からの調達が困難になった場合、生産活動に支障が生じ、製品供給の遅延やコスト増加を通じて、グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1)基本的な考え方・方針 当社グループのリスクマネジメントは、事業活動とともに企業経営のクルマの両輪であると考えています。様々な経営戦略を実行していく中で、外部環境の急激な変化により、経営に影響を与えるリスクが増加しています。そのような成長を阻害する可能性のあるリスクを把握し、コントロールすることと事業継続力強化の両面で取り組んでいきます。 企業がその目的を達成しようとする活動に対して、重大な影響を及ぼす様々なリスクを未然防止・抑制していきます。万が一発生した場合は、経営への影響を最小化し、企業の持続性を保証することで、ステークホルダーの皆様からの期待に応えていきます。 (2)推進体制 リスクマネジメント推進体制として、社長をはじめCxO、監査役及びグループ12社の社長などが参加するリスクマネジメント委員会を設置しています。委員会においてアイシンにおけるリスク発生状況及び当社グループ内外の環境・動向を踏まえ、取り組むべき重点リスクの審議・方向付けを行うことでリスク対策を推進しています。決定した重点リスクについて、グループ本社では、リスク別に機能主管部署を設定、国内外のグループ会社それぞれに対策責任者、推進者を任命し、グループ全体で取り組むことでリスクに対する対応力を強化しています。 さらに、定期的な取締役会への報告を通して、リスクマネジメントに関する監督を受けるとともに、経営戦略の高度化に役立てています。 (3)戦略~リスクマネジメントの高度化~ 当社は、1997年の刈谷工場火災において、皆様にご迷惑とご心配をおかけしました。これを機に、同じ失敗を繰り返さないようERM※を導入し、全社的なリスクマネジメントに取り組んできました。近年、大規模地震や線状降水帯の頻発など自然災害や部品供給問題、地政学・経済安全保障リスクなど経営を取り巻くリスクは複雑化・多様化しています。 このような中、「リスクマネジメントの高度化=あらゆるリスクを最小化できている状態」を目指し、経営戦略に関するリスクを含め統合的に管理するリスクマネジメントプロセスを導入しています。経営戦略の遂行を阻害する「経営戦略リスク」と、事業の円滑な運営を阻害する「オペレーショナルリスク」の両面から、市民生活や企業活動に脅威を与える複雑化・多様化するリスクに対して、その予兆を捉え、影響度を適切に分析・評価し「先手を打つ」リスクマネジメントを実践していきます。 ※ERM: Enterprise Risk Management (4)主な取り組み 当社グループでは「リスクマネジメントプロセス」に基づき、平時における被害の未然防止・抑制対応・早期復旧・被害最小化に取り組んでいます。さらに、これらの対策の有効性評価、改善及び標準化を行い、リスクマネジメントサイクルを回すことでリスクに対する実効性を高めています。 (5)重点リスクの決定 当社では年2回のサイクルで、リスクアセスメントを実施し、リスク機能主管部署の専門的な視点、グループ会社の業務特性に基づく視点、及び海外拠点の地理的な視点から、想定されるリスクを洗い出しています。それらのリスクの影響度や発生頻度を軸とした分析結果に、これまでのリスク対策による抑制・軽減度を加味しリスクの評価を行っています。また、これら内部でのリスク評価に加えて、外部の視点として、得意先や投資家などのステークホルダーが重要視しているリスクや、グローバルリスクレポートなどの専門機関によるリスクの評価を参考に、リスクマネジメント委員会で最重点リスクと重点リスクを決定しています。最重点リスクやその発生確率・影響度、対応組織は以下のとおりです。 (6)事業等のリスク 当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、前提リスクを含め投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項を以下に記載しています。なお、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載した以外にも投資家の判断に影響を及ぼす事項が発生する可能性があります。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ① 経済状況 当社グループの連結売上収益のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。したがって、日本、北米、欧州、中国、タイ、インドネシア、インドなど当社グループの主要市場における経済や景気及びそれに伴う自動車需要の縮小は、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化や自動車需要の動向を常に注視するとともに、外部環境の変化に強い収益体質に向けて商品競争力強化・グループ経営強化を加速させるとともに、一層の構造改革を推進しています。 ② 為替レートの変動 当社グループは、海外連結子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円換算しており、現地通貨建ての項目は、現地通貨における価値に変動がない場合も、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループが行う外貨建取引から生じる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動の影響を受ける場合があり、当社グループが日本で生産し、輸出する取引における他の通貨に対する円高は、当社グループ製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させるなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、通貨別に為替リスクを測定したうえでヘッジ効果とヘッジコストを勘案し、許容可能な為替リスク量まで為替リスクを軽減するため、デリバティブ取扱要領に従い、為替予約、通貨スワップ、通貨オプションを利用してヘッジをしています。 ③ 金融市況の変動 株式市況の低迷等により当社グループの保有する株式等の価値変動が生じ、当社グループの財政状態や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、株式保有が企業価値向上に必要不可欠と認められる場合を除き、原則保有しない方針であり、株式保有を通じた共同技術開発や事業提携を推進する必要性がある場合に政策保有株式を保有しています。保有している政策保有株式については、保有意義又は今後の縮減方針等について、取締役会で検証しています。そのうえで、保有が企業価値向上に必要不可欠ではないと判断した場合には、取引先各社との対話を通じて縮減を進めています。 また、市場の金利状況により、資金運用・資金調達の受取・支払利息が増減し、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資産と負債の統合管理をはかるとともに、金利スワップ等により金利変動によるリスクを軽減するための対策を講じています。 当社グループの確定給付制度債務の算出において前提条件とした割引率・制度資産などについて、金融市況の悪化により、実際の結果が前提条件よりも低下・減少することで当社グループの確定給付制度債務が増加するなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、企業年金の積立金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて自らの財政状態にも影響を与えることを踏まえ、年金運用の目的やプロセスについて十分に理解している人材の計画的な登用・配置などの人事面や運営面における取り組みにより、企業年金が運用の専門性を高めてアセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう努めています。また、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しています。 ④ 原材料や部品の調達 当社グループは、製品の製造に必要な原材料や部品を国内外複数のグループ外供給元から調達しています。これらのグループ外供給元とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を行っています。しかし、昨今の各国通商施策の動向や特定鉱物資源に対する規制、地政学影響及び需要の急激な変化、供給元の災害による被災等の供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資源やエネルギー費・労務費等の高騰により当社グループが調達している原材料や部品の価格が上昇し、内部努力や販売価格への転嫁などにより影響を吸収できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、得意先への製品の継続的な供給要請に応えられるよう、供給元とのコミュニケーションを強化し、確実な納期の確保、安定的かつ柔軟な供給体制の構築に努めています。安定的な生産や調達活動に影響を及ぼす自然災害や火災などへの対応として、平時から災害に備えるとともに、サプライチェーン情報管理システムを整備するなど有事の際の迅速な初動・復旧を確実に実行できるよう取り組んでいます。 また、価格転嫁に関しては、供給元への能動的な声掛けにより、相談しやすい環境づくりを行い、1社1社、協議のうえ適切な取引を行うと共に、得意先とも共有・協議し、収益逼迫要因とならないよう、回収交渉を推進しています。併せて、供給元と一体になった新材料・新工法開発や工程改善による原価低減活動を積極的に推進することなどにより、最適な価格の維持に努めています。 ⑤ 得意先への依存 当社グループの連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業は、世界の主要自動車メーカーを得意先としています。当社グループの業績は、各自動車メーカーの業績や販売・生産動向の変動など当社グループが管理できない要因により影響を受ける可能性があります。また、当社グループの連結売上収益に占めるトヨタグループに対する連結売上収益の割合は、当連結会計年度において68.3%を占めており、トヨタグループの事業戦略や購買政策等は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、強みである「幅広い商品群」と「ものづくり力」をベースとして、電動化製品を中心に新規顧客の開拓や市場多角化を積極的に推進することでリスクを最小限に抑えます。また、既存の顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させることで、長期かつ継続的なパートナーシップを築き、顧客のニーズや問題を早期に把握しています。 ⑥ 価格競争 当社グループの連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業におけるグローバルでの価格競争は、大変厳しいものとなっています。得意先からの価格引き下げ要請や自動車メーカーによる部品の内製化、エレクトロニクス製品メーカーなど新しい競合先の台頭や既存の競合先間の提携などにより、価格競争力や製品の優位性が維持できない場合には、当社グループ製品に対する需要の低下及び製品価格の低下を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、「幅広い商品群」と「ものづくり力」を強みに、高品質で高い付加価値を有する自動車関連製品をグローバルで供給し続けることで優位性を確保するとともに、事業環境を見極めたグローバルでの効率的な事業体制の構築やIoTやAIを活かした生産性向上をはかりながら、製品開発センターにて競争力のある製品戦略立案と設計・品質・原価企画により、商品競争力・コスト競争力の強化をはかっています。 ⑦ 新商品開発 当社グループは、新しい価値を提供し豊かな社会づくりに貢献できるよう、未来を見据えた新商品開発に努めています。今後も、環境・燃費、安全・安心、快適・利便を追求した独創的な魅力ある新商品を開発できると考えていますが、最先端の新商品開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。(ⅰ)新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。(ⅱ)長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新技術の創造へつながる保証はありません。(ⅲ)当社グループが市場からの支持を獲得できる新商品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの商品の販売が成功する保証はありません。(ⅳ)新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。(ⅴ)技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品が時代遅れになる可能性があります。(ⅵ)現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要についていけなくなる可能性があります。 上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場への投入ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、持続的な成長と持続可能な社会の実現に向け、電動化・知能化技術を中心に社会課題の解決に貢献するソリューション型商品の拡充に取り組んでいます。電動駆動ユニットや駐車支援システムなど、商品ラインアップの拡充に向けて、競争力が弱く、成長が望めない商品への開発リソーセスを制御・ソフト領域へシフトするとともに、デジタル開発による効率化をはかり、商品開発を加速していきます。また、あらゆる領域で自前主義にこだわらずパートナーとの技術連携を積極的に取り入れ、新規事業の開拓も加速していきます。 魅力ある新商品開発に向けては、既存商品の強みであるアクチュエータや駆動ユニットの電動化といったハードウェアに、センシング技術とソフトウェアを組合せて統合的に制御することで知能化をはかり、付加価値の高い商品に作り上げていきます。製品開発センターの再編として、2025年4月には製品を支える要素部品開発を集約した要素製品本部を新設し、全製品本部との連携を加速させるとともに、開発リソーセスの柔軟・効果的な運用をはかっています。また、エネルギー関連分野にも注力し、カーボンニュートラルにつながるエネルギー領域の技術開発を積極的に進めます。 これらの開発は、当社グループの持つ様々な技術を結集し、さらに機動的な社外連携も実施しながら、アイシンらしい魅力ある商品の開発を強力に進めていきます。 ⑧ 海外事業展開 当社グループは、世界の主要自動車メーカーの近くで多様なニーズに対応し、高い付加価値を有する製品を開発、提供できるよう、グローバルな供給体制を構築しています。当社グループが事業を展開している国又は地域における事業運営には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。(ⅰ)予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更(ⅱ)社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響(ⅲ)不利な政治的又は経済的要因の発生(ⅳ)人材の採用と確保の難しさ(ⅴ)テロ、戦争、疾病その他の要因による社会的又は経済的な混乱 当社グループは、国内グループ会社に加え、北中南米、欧州、中国、アセアン、インドを統括する各地域統括本部長が、グループに共通する経営上のリスクと国や地域によって異なるリスクの情報を共有することによって効果的な対策を推進し、グローバルな視点でリスクマネジメントを強化しています。また、当社グループ経営戦略本部に事業戦略部を設置し、地域毎の事業課題認識と上記リスクを踏まえた事業戦略・地域戦略策定を一元的に行い、当社グループが事業展開する国又は地域の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集し、適時適切な対応をとっています。 近年の国家間の政治的、経済的、軍事的な緊張の高まりや急激な貿易政策変更に伴う関税や輸出入規制の変化を含む地政学・経済安全保障リスクの高まりに対しては、政策、法規制の変化等の動向などの情報をタイムリーに収集するとともに、全社横断的な会議体である「経済安全保障委員会」にて、安全保障貿易管理・機微技術管理を含めた経済安全保障上の必要な対応を検討・実施する体制を構築しています。 ⑨ 事業投資 当社グループは、グローバルでの事業拡大に向け、成長領域や需要の拡大が見込まれる事業への投資を行い、更なる企業価値の向上に努めています。しかしながら、投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、事業計画との乖離等により期待されるキャッシュ・フローが創出できない場合、有形固定資産の減損処理などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社連結子会社において経営環境の著しい悪化や収益状況の悪化等が将来にわたって見込まれる場合、繰延税金資産の回収可能性の判断などに影響を及ぼす可能性があり、当社及び当社連結子会社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、変化の激しい事業環境の中、事業ポートフォリオの変革を一層加速させています。具体的には、電動化・知能化を成長領域と位置づけ、ヒト・モノ・カネのリソーセスシフトを行いつつ、様々なお客様のニーズに柔軟に対応できるよう取り組みを強化しています。また、当社グループの中長期の方向性及びグループを含めた意思決定については、取締役会運用基準に則り、取締役会にて審議・決議するとともに経営会議、執行会議、各種機能会議等で、当社グループ各社の業績や重要な投資に対してのモニタリングを実施し、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。 ⑩ 製品の欠陥 当社グループは、お客様に高い品質を確保した商品を提供するため、厳格な品質管理体制や品質管理基準に従い、グローバルで各種製品を製造しています。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、徹底したTQM(Total Quality Management 総合的品質管理)活動を続け、グローバルで開発から生産にいたるまで、厳格な品質保証体制のもと、企画、製品設計、生産準備から量産にいたる各階段の節目管理を行い、お客様の信頼に応えるものづくりを実践し、お客様目線で、業務の品質にこだわる風土を醸成しています。また、以下の事項を強化し品質の更なる向上をはかっています。・お客様の要求及び法規認証遵守状況の確認・リスクの高い製品、工法の要素技術に対する審議・海外を含めた仕入先の評価と体質改善・重点領域の電動化に対応したDX活用による開発精度向上・グループ・仕入先の製造現場における困り事の確認、及び解決による品質不適切事案の未然防止 ⑪ 災害等による影響 当社グループは、大規模地震や竜巻・豪雨等の自然災害、火災・爆発事故、労災や感染症等の人的災害の発生により、グループ会社に人的・物的被害が生じるリスクを想定しており、これらのリスクの発生による操業停止で、顧客への製品供給に支障をきたした場合、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に当社グループの工場や取引先は、国内外に所在しており、これらの地域で大規模な災害等が発生した場合、生産・物流活動が停止、遅延する可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、当社グループすべてを対象としたリスクマネジメント委員会において、特にリソーセスを投入し取り組むべき重点リスクの審議・方向付けを行い、リスクへの対応力強化に取り組んでいます。甚大な被害が想定される自然災害に対しては、平時から緊急時の対応に関する実践要領をまとめた「危機管理ガイド」や、過去の被災経験を標準化したガイド「学び・気づき」に基づき、グループ一体となってリスクの未然防止及び被害最小化を推進しています。 特に、昨年発生した大規模地震における新たな課題として深刻な被害を被った液状化に対して、地盤改良や地盤支持層までの杭を打設した構造とするなど適切な対策を定めアイシングループ共通のマニュアルに落とし込み、対策を実施しています。 併せて、課題である昨今の線状降水帯による想定を超えた降雨被害においても、引き続きグループを挙げて対策に取り組んでいます。 今後も従業員とその家族、顧客を始めとするすべてのステークホルダーの皆様の健康と安全確保を最優先に考え、様々なリスクに対し代替生産やバックアップなどあらゆる手段で顧客への製品・サービスの供給継続に努めていきます。 ⑫ 気候変動と環境問題 当社グループは全世界で事業を展開しているため、中長期にわたり様々な気候変動に関する影響を受けると認識し、「気候変動への対応」をマテリアリティの1つとして選定しました。また、TCFD提言に沿ってシナリオを分析し、その対応策を事業戦略に組み込み推進しています。主な脱炭素社会への移行リスクとして、(ⅰ)低炭素原材料の需要が高まり必要な原材料の価格高騰による調達コストの増加(ⅱ)炭素税や再生可能エネルギー導入などの政策によるコストの増加(ⅲ)電動化の推進で電動車向け製品需要が拡大する一方、ガソリン車向け製品需要が減少につながる可能性があります。 こうしたリスクに対し当社グループは「生産」と「製品」の両軸で対応しています。 生産面では、徹底した省エネ活動や革新生産技術開発によるエネルギー使用量削減、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーの導入・切替を実施しています。 製品面では、電動車向け製品の更なる進化、エネルギーと資源の循環・普及を進め、モビリティ・エネルギー技術融合による新価値創出を目指します。詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)」をご参照ください。 また、環境問題に対しては、環境取組基盤を強化し環境異常件数ゼロを継続するため、「排水基準の常時監視」「事故想定の緊急訓練」「『環境の鉄則』周知による未然防止意識の醸成」に取り組んでいます。 ⑬ 知的財産権 当社グループは、新価値を創造して提供する将来事業の優位性・安全性を確保するため、独自の技術やノウハウ等を創出し知的財産権を獲得するとともに、第三者の知的財産権侵害のリスク軽減に努めています。 知的財産権の獲得について、特定の国及び地域においては、法的要件により、知的財産の完全な保護が不可能又は限定的にしか保護されない、あるいは保有する知的財産権が無効となるおそれがあり、結果として第三者による当社グループの知的財産権の不正使用あるいは権利侵害を防ぐための手段が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、将来的に知的財産権を侵害したとして第三者から訴訟を提起されることにより訴訟費用が発生する可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、知的財産管理の専門部署を設け、関係部門と連携して、特許をはじめとする各種知的財産権により技術等の知的資本を戦略的に領域を定めて保護するとともに特許調査等を行い第三者の知的財産権の侵害予防に努めています。また、訴訟提起された場合には、侵害性や、対象権利の有効性、使用権有無等を迅速に判断して適切に対応しています。 ⑭ 情報セキュリティ 当社グループでは、日々巧妙化するサイバー攻撃等の脅威や「会社情報」「得意先・お客様情報」等の情報漏洩から守ることは、リスク管理上の重要課題と捉え、情報セキュリティの強化に取り組んでいます。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、情報システム等に障害が生じる場合や、機密情報及び個人情報が外部に流出する可能性があります。また、サプライチェーン等の事業活動が一時的に中断する可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、「アイシングループ情報セキュリティ基本方針」を基本に、お客様や取引先からお預かりした、又は当社グループが保有する事業活動に関わる情報資産は、当社グループの重要な資産であるとの認識に立ち、組織的かつ継続的に情報セキュリティ対策に取り組んでいます。また、当社グループ全体のサイバー攻撃や内部不正等のリスクから企業を守るため、セキュリティ専門組織「情報セキュリティ推進部」を設置し、当社グループ全体でのセキュリティ対策の実施とセキュリティ脆弱性情報の収集・展開・対応を行い、早期検知と迅速な対応に努めています。 特に、昨今のサイバー攻撃の手口や内部不正による事案事例に対応するために、アイシングループ横並びの技術対策の展開や情報セキュリティ推進部でのアイシングループ集中の監視体制整備、全従業員に向けた教育・訓練を実施し、対策の強化に努めています。 ⑮ コンプライアンス 当社グループは、事業活動を遂行するうえで、コンプライアンスを基本においていますが、規制当局による措置その他の法的手続きに関するリスクを有しています。これらのリスクにより、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があります。また、社会情勢の変化、価値観や働き方などの多様化に伴い、ハラスメント、独占禁止法、輸出取引規制違反等のリスクが増加する可能性があります。当社グループが重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的信用の失墜による事業への悪影響などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、アイシングループの指針となる「アイシングループサステナビリティ憲章」及びその具体的な行動基準となる「社会的責任を踏まえた行動指針」を策定しています。また、コンプライアンスに関わる方針・体制を決める会議体として、「企業行動倫理委員会」を設置し、アイシングループ13社の取締役社長、担当役員、常勤監査役が、法令遵守を含むコンプライアンスの活動状況及び当社グループの課題を確認すると共に、次年度の活動方針、実施事項を承認しています。さらに、活動を推進するのはあくまで人であると考え、ハラスメント、独占禁止法、輸出取引規制違反等に関する個別のコンプライアンス違反防止のための各種教育・啓蒙活動を継続的に行い、従業員一人ひとりのコンプライアンス意識向上に努めています。また、コンプライアンスリスクの高いグループ会社に対して、重点支援を行い、グループとしてのリスク低減をはかっています。一方で、問題の早期発見・是正に対しては、内部通報窓口を社内外に設置し、早期解決に努めています。 ⑯ 人権 当社グループは、グローバルでの事業遂行における基本として人権の尊重を捉えていますが、サプライチェーンを含む事業活動が人権へ影響を及ぼすリスクがあると認識しています。これらのリスクは顕在化や取組み不足により社会的信用の失墜につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、「アイシングループサステナビリティ憲章」や、国連指導原則に基づき「アイシングループ人権方針」を策定するとともに、サプライチェーンへは「仕入先サステナビリティガイドライン」を通じ人権方針への理解・支持を求めています。また、アイシングループ人権専門委員会において活動計画を承認しています。人権デュー・ディリジェンスでは外国人労働者に重点を置き、グループ・主要仕入先へのセルフチェックや勉強会、対話・現地確認を通じて必要な指導を行っています。さらに社内外相談窓口の設置、「責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム」の企業協働プログラムへの参画等、継続した取組みを推進しています。