研究開発活動(本文)
FY2025|3,930 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、xEVを含むトラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 中期経営計画における新事業への挑戦として、①自動運転、②コネクテッド、③カーボンニュートラルの3領域を柱に据え、将来の新たな収益源として事業を加速させます。 当連結会計年度の研究開発活動における新事業への挑戦として①自動運転の技術開発については、経済産業省と国土交通省が推進する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」への参画、及びアライアンスパートナーとの協働により自動運転レベル4のトラック・バスの実現に向け開発を進めています。RoAD to the L4の「高速道路における高性能トラックの実用化に向けた取り組み」においては、国内商用車メーカー4社合同で、2024年11月より新東名高速道路における公道実証を実施しました。実証では社会実装の際に必要となる複数の機能の確認・検証を行っています。2025年3月に新設された自動運転車優先レーンにおいては、自動運転トラックが安全・円滑に走行可能かどうかの検証を行いました。路線バスの自動運転については、自動運転レベル4を目指し、平塚市ら5社(※1)とともに神奈川県平塚市内で大型路線バスの自動運転レベル2の実証実験を2024年12月に開始しました。また、東日本高速道路株式会社と除雪車の後方を追従する標識車の実運用環境下での自動走行試験を行いました。さらに、先進の自動運転技術の獲得を目的に、Applied Intuition, Inc.との戦略的提携の締結や、北米自動運転事業におけるパートナーシップ構築のためGatik AI Inc.に対して出資を行いました。当社グループは自動運転レベル4トラック・バスの2027年度の社会実装に向けて、パートナーとともに、積極的な取組みを進めていきます。 ②コネクテッドの技術開発については、株式会社伊藤園及び株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ(以下「アイ・グリッド」)と連携し、BEVトラックの運用と施設エネルギーマネジメントを両立させるための実証を2024年10月より開始しました。商用車情報基盤「GATEX」と、アイ・グリッドのエネルギーマネジメントプラットフォームを連携させることで、充電計画の策定と車両側での充電制御の実証を行います。また当社グループとして海外市場では初となる、BEV向けコネクテッドサービスの展開を北米より開始しました。 ③カーボンニュートラルの技術開発については、2024年10月よりバッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」の社内実証実験を開始しました。実証では交換オペレーションを検証し、所要時間の短縮など、社会実装に向けて更なる改良を重ねていきます。また、三菱商事株式会社とともに経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」に採択され、2025年度よりタイにおいてバッテリー交換式ソリューションの導入及び電力インフラとの連携によるセクターカップリングの実証事業を進めていきます。米国においては、2027年に北米市場への投入を予定している中型トラック「Fシリーズ」のBEVモデルに使用するバッテリーパワートレインシステムの供給契約をAccelera by Cumminsと締結しました。燃料に関しては株式会社ユーグレナら8社(※2)とともに実施する「新規HVO(※3)混合燃料の開発及びサプライチェーン構築とその社会実装」事業が東京都の「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択されました。HVOベースの新たなバイオ燃料の開発・製造・貯蔵・輸送・実証利用などを実施します。 これら技術開発に加え、新たなAI技術や活用手法のアイデアを募るプログラム「ISUZU AI Innovation Challenge 2024」を2024年9月に開催し、グローバルでの一般公募を実施しました。また、国立大学法人東京大学に恒久的な研究組織として「トランスポートイノベーション研究センター」を2025年2月に開設しました。物流に関わる幅広い領域の課題に取り組む研究活動を推進します。 次に既存事業の強化による成果として、小型トラック「エルフ」では、国内唯一となるAT限定の普通自動車運転免許で運転できる小型ディーゼルトラック「エルフミオ」を2024年7月に発売しました。高積載とクラストップの低燃費を実現するとともに、6速ATとの組み合わせにより、パワフルでスムーズな走行を実現しました。これによりドライバー不足という社会課題の解決を目指します。また、量産BEV「エルフEV」のラインアップに特装車(塵芥車及び高所作業車)向けシャシを2025年2月に発売しました。架装物への動力供給には当社独自開発の電動PTO(※4)を採用しています。さらにはコネクテッド技術による稼働サポート「PREISM」に新たに追加した充電マネジメント機能で、電気代への影響を抑制するBEV充電が可能となりました。 中型トラック「フォワード」では、当社とカミンズ(Cummins Inc.)が共同開発した新型直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載した車両総重量15t以上モデルを追加し、2024年7月に販売を開始しました。十分なパワーに加え、従来の6気筒エンジンと比べ大幅に軽量化しました。また、リマニユニット車(※5)のラインアップに中型トラック「FORWARD type-Re」を追加し、メンテナンスリースによる取り扱いを2025年3月に開始しました。部品の多くを再利用するため、資源循環に寄与するほか、新車製造時に比べ約28tのCO₂排出量の削減(※6)が見込めます。 大型トラック「ギガ」では、当社グループのUDトラックスのタイ拠点にて生産した海外向け新型大型トラック「S&Eシリーズ」の発売をしました。また、2026年施行予定の法規に対応した大型トラック「ギガ トラクタ」を2025年3月に発表しました。 路線バスでは、国内初のBEVフルフラット路線バス「エルガEV」の都市型モデルを2024年5月、郊外型モデルを2024年10月に発売しました。車内の最後部まで段差のないバリアフリー化を実現し、乗客の利便性及び安全性が飛躍的に向上しました。先進安全機能では、ドライバー異常時対応システム(EDSS)に自動駐車ブレーキ機能を追加し、坂道などでも安全に車両を停止させる機能や自車前方の歩行者・自転車を検知し、ドライバーへ通知するフロントブラインドスポットモニターを装備するなど、事故低減に向けた安全性にも貢献しています。また、バスとしては初めて、「PREISM」を採用しました。さらには本サービスを応用したBEV専用フルメンテナンスリース商品「EVisionプレイズムコントラクト」にて車両を提供し、事務所などの離れた場所からバッテリーの充電残量・充電進捗・航続可能距離・万一の故障も把握できます。 観光バスでは、中型観光バス「ガーラミオ」を一部改良し、2024年6月に発売しました。今回の改良では、法規対応としてバックカメラ・モニターを標準装備しました。 LCVでは、大幅商品改良した「MU-X」を2024年6月にタイで発売しました。新型モデルは「Bold and Dynamic」をコンセプトにエクステリアデザインを変更、高級感とスポーティーさを強調した最上級グレード「RS」を新たに設定しました。また、「D-MAX」及び「MU-X」に、新開発の2.2Lディーゼルエンジン及び8速ATを搭載したモデルを2024年11月にタイで発売しました。優れた静粛性と耐久性はそのままに、優れた発進加速性と動力性能、燃費性能を実現しています。 当連結会計年度に発生した研究開発支出は1,370億円です。 なお、当社グループでは研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上している研究開発費の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28.研究開発費」を参照ください。 (※1) 平塚市、神奈川中央交通株式会社、三菱商事株式会社、アイサンテクノロジー株式会社、A-Drive株式会社。(※2) 株式会社ユーグレナ、東急バス株式会社、清水建設株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社朝日興産、カメイ株式会社、シナネン株式会社、平野石油株式会社。(※3) Hydrotreated Vegetable Oil(水素化処理植物油)の略。バイオマス(生物資源)原料を水素化処理した燃料で、軽油と混合でも単独でも利用することが可能。石油由来の軽油使用時と比較してCO₂排出量の削減効果が高い。(※4) Power Take Offの略。車両の動力源(エンジン、バッテリー等)から架装物に動力を取り出す装置。(※5) リースアップ後にエンジンやトランスミッションといった駆動部分のリビルトに加え、足回りの部品交換による機能性回復、内装の洗車・部品交換による快適性回復により、新車同等の信頼・耐久性を担保した車両。(※6) 5年で約70万㎞走行した中型トラック「フォワード」で実証。
FY2024|2,971 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境が絶え間なく変化する中で、商用車業界における重要な環境変化は「電動化/脱CO2化の潮流加速」及び「止まらない物流インフラへの期待増」と考えています。これらの変化へ対応し、脱炭素社会や新たな物流社会の実現に貢献していく事は、社会的使命であり責務であると認識しています。 当社グループでは「中期経営計画2024」(2022年3月期から2024年3月期まで)の中でイノベーションの基軸として据えた「カーボンニュートラル戦略」と「進化する物流へ商用車メーカーとして貢献」の取組みの基、研究開発活動を進めてきました。また、2023年5月には新経営理念体系「ISUZU ID」を策定しました。「ISUZU ID」の使命である「地球の『運ぶ』を創造する」ために、2030年までにCNや物流DXなどの対応に総額1兆円規模の研究開発・設備投資・事業投資を行います。 当連結会計年度の研究開発活動の成果として、小型トラック「エルフ」については、かねてよりドライバー不足の問題に着目し、2017年に改定された普通自動車免許に対応するために、車両総重量3.5t未満の「エルフミオEV」を新たに追加しました。ドライバーの労働環境改善のため、国内小型トラック初となる、キャブ後方の室内空間を拡大したスペースキャブを「エルフ」のラインアップに新たに追加し、居住性と利便性、快適性を向上しました。 中型トラック「フォワード」については、16年ぶりにフルモデルチェンジして販売を開始しました。強みである豊富なラインアップはそのままに、先進安全装備の選択肢をさらに広げ、ドライバーに安全と快適を提供します。今回の改良では、近距離ミリ波レーダーとドライバーステータスモニターを追加することで、アクティブにドライバーをサポートし、事故抑制に貢献します。また、キャビン内のデザインは、広がりを感じる特徴的なスタイルに一新し、居住性を向上しました。さらに、大型トラック「ギガ」に採用している高機能シートを、クラスを超えて採用し、長時間でも快適な運転を可能にしました。 大型トラック「ギガ」については、輸送の効率化に対応するため、国内大型トラック初となる車両総重量25トン低床3軸車を新たに設定しました。さらには、ダブル連結トラックにも採用可能な、フルエアサスペンション仕様のフルトラクタ、JR貨物新規格コンテナ輸送に対応したフルトラクタを新規設定し、フルトラクタの展開を拡大しました。また、安全への対応として、ブラインドスポットモニター(BSM)の検知範囲拡大による性能向上やレーンキープアシスト(LKA)のオプション展開を拡大しました。 バスについては、大型路線バス「エルガハイブリッド」と大型観光バス「ガーラ」を一部改良して発売しました。「エルガハイブリッド」は、新たに自動検知式ドライバー異常時対応システム(EDSS)、オートライト、バックカメラ・モニターを標準搭載し、安全運転をサポートします。さらに、車内の換気能力を向上させ、ウイルス感染拡大防止に取り組みました。そのほか、本モデルにおいて2025年度燃費基準値を達成しています。「ガーラ」においては、レーンキープアシスト(LKA)の新規設定、ドライバー異常時対応システム(EDSS)の車線内停止機能追加のほか、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)の作動条件を拡大し、先進安全装置の充実化を図りました。また、BEVフルフラット路線バス「ERGA EV」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で世界初公開しました。BEV化によるレイアウトの自由度を生かし、フロアのフルフラット化を実現することで、車室内後部の段差をなくし、車内移動のバリアフリー化を達成しました。スムーズな加減速、低振動かつ低騒音で安全性と快適性を大幅に向上し、環境面への貢献だけでなく、未来の公共交通を体現する車両として、2024年度中の発売を目指しています。 LCVについては、「D-MAX」を大幅改良してタイで販売を開始しました。今回の改良では、好評の内外装デザインに磨きをかけ、お客さまから求められる幅広いニーズに対応することで、市場により適したピックアップトラックを目指しました。安全面においては、新世代ステレオカメラを新たに採用することで、交差点進入時の歩行者検知・自動ブレーキに対応しました。また、タイのバンコクで開幕する「BANGKOK INTERNATIONAL MOTOR SHOW 45th」(バンコク国際モーターショー)で、参考出品として、いすゞ初の1トン積みピックアップトラック「D-MAX」のBEVを一般向けに世界初公開しました。ピックアップトラックのタフな基本性能はそのままに、商用・乗用の幅広いニーズに対応するため、新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性及びBEV特有のリニアな加速感と、低騒音・低振動を両立させました。 このほか、自動運転技術開発については、株式会社ティアフォーと路線バス領域における自動運転システムの開発を目的とした資本業務提携を行うことで合意しました。両者はこの提携を基に、強固なパートナーシップを構築し、自動運転レベル4による移動サービスの社会実現を目指して、路線バス向けの自動運転システムの開発・確立を加速させます。また、CNの技術開発については、バッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で世界初公開しました。充電による非稼働時間が課題であるBEVにおいて、充電済みのバッテリーと素早く交換できるため、待機時間の大幅な短縮と効率的な稼働を実現します。さらに、車両とバッテリーを分離運用することで、トラック間でのバッテリーシェアによる資源や再生可能エネルギーの有効活用などを行い、様々な社会課題の解決が期待できます。燃料電池大型トラックについては、2027年をめどに市場導入予定の燃料電池大型トラックに搭載する燃料電池システムの開発及び供給パートナーとして本田技研工業株式会社と2023年5月に合意書を締結し、同年12月に両社の共同研究による「GIGA FUEL CELL」の公道での実証走行を開始しました。本実証実験を通じて、市場導入へ向けたデータの取得、知見の蓄積、技術的課題の抽出などを進めます。 最後に、2030年のCN対応車フルラインアップに向けた車両開発を加速させるため、藤沢工場内に電動開発実験棟を新設します。商用電動車に最適なシステムやコンポーネントを開発するための実験・評価設備を導入する計画で、2026年の稼働開始を目指します。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,239億円です。
FY2023|2,657 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップ・トラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境が絶え間なく変化する中で、商用車業界における重要な環境変化は「電動化/脱CO2化の潮流加速」及び「止まらない物流インフラへの期待増」と考えています。これらの変化へ対応し、脱炭素社会や新たな物流社会の実現に貢献していく事は、社会的使命であり責務であると認識しています。 当社グループでは「中期経営計画2024」(2022年3月期から2024年3月期まで)の中でイノベーションの基軸として据えた「カーボンニュートラル戦略」と「進化する物流へ商用車メーカーとして貢献」の取組みの基、研究開発活動を進めています。 当連結会計年度の研究開発活動の成果として、小型トラック「エルフ」については、フルモデルチェンジを発表し、発売開始しました。主に「デザイン」「ホスピタリティ」「エコノミー」「セーフティ」「コネクテッド」「ラインナップ」の6つのポイントを中心に進化しました。燃費・走行性においては、最先端ディーゼルエンジン4JZ1を更に改良し、新開発した9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の「ISIM(Isuzu Smooth Intelligent TransMission)」との組み合わせにより、2025年度燃費基準(JH25モード重量車燃費基準)をプラス15%で達成しました。9速に多段化したことでエンジン回転上昇を抑えた早めの自動変速で、高次元で燃費と動力性能を両立しました。安全性においては、交通事故死傷者ゼロ社会の実現を目指して、先進安全装備及びドライバーをサポートする運転支援機能の充実を図りました。ステレオカメラの性能向上に加え、近距離ミリ波レーダー及びドライバーステータスモニターを追加し、9つの安全支援機能(※1)をパックオプションとして新規設定しました。また、いすゞとして初の量産バッテリーEV(以下BEV)である「ELF EV」を市場投入しました。いすゞの商品開発の基盤である「I-MACS」(※2)を用いることで、様々な動力源を搭載することが可能となり、「選べる自由」をお客様にご提供します。更に、BEVの市場投入に合わせ、商用BEVの導入検討のサポート、導入課題の解決、CO2排出量削減効果の定量化、更なる脱炭素化提案によるカーボンニュートラル実現に向けたトータルソリューションプログラム「EVision」(※3)を構築し、サービスの提供を開始しました。燃料電池小型トラックについては、いすゞ/トヨタ/CJPTで水素社会実現に向けての企画・開発を共同で進めており、その成果として、福島県(郡山市/いわき市)で新型車両を市場導入し、物流実験を開始しました。 中型トラック「フォワード」についても、フルモデルチェンジを発表しました。高度化・複雑化する物流業界の課題に対応するため、内外装の全面刷新に加え、各種快適装備・安全支援機能の大幅拡充を行い、2023年夏頃の発売開始を予定しています。 大型トラック「ギガ」については、2025年度燃費基準に適合した改良モデルを販売開始しました。更には、いすゞ/UDトラックスで共同開発した「ギガ」「クオン」の新型トラクタヘッドを発表し、発売開始しました。UDトラックスがいすゞグループ入りしてから初めて共同開発した商品であり、両社の技術を持ち寄ることでエンジンのダウンサイジングにより高い積載効率を追求し、操作性の向上や安全装備の拡充などにより、ドライバー不足や労働環境の改善といった社会課題の解決に貢献します。また、カーボンニュートラル実現に向け、いすゞ/デンソー/トヨタ/CJPTで更なる内燃機関の活用を目指し、大型商用車向け水素エンジンの企画・基礎研究を開始しました。そのほか、短期間で高稼働運行したリースアップ車に対し、リマニ技術(再生産:Remanufacturing)によって、再利用可能なエンジンやトランスミッション等を新品同等に機能回復させ、再生した大型トラックのメンテナンスリースの取り扱いを開始しました。 バスについては、大型路線バス「エルガ」及び中型路線バス「エルガミオ」を改良し販売開始しました。今回の改良では、ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)に自動検知機能を追加し、周囲の照度に応じてヘッドランプのロービームをON/OFFするオートライト機能の追加、バックカメラ及びモニターの標準装備など安全性の向上を図ることで、ドライバーの安全運転をサポートし事故抑制に貢献します。 このほか、商用車テレマティクス「MIMAMORI」をフルモデルチェンジしました。同時に、運用開始した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用することで、幅広いサービスの提供が可能になりました。具体的には「商用車ナビ」や「動画ドラレコ」などの新たな機能を追加すると共に、労務管理や動態管理の強化など、2024年問題の解決に向けた機能を拡充しています。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,189億円です。 (※1) 以下の9つの安全支援機能をバックオプションとして新規設定。プリクラッシュブレーキ(右左折時)、全車速車間クルーズ、レーンキープアシスト、ドライバーステータスモニター、ドライバー異常時対応システム、可変配光LEDヘッドランプ、標識認識機能、標識連動型スピードリミッター、フロントブラインドスポットモニター (※2) Isuzu Modular Architecture and Component Standardの略称。技術の進化や車型展開の更なる広がりを見据えて、多様なニーズに合わせ、様々なコンポーネントや部品、デバイスなどの組み合わせを可能とする開発手法。 (※3) 電気自動車の「EV」に視覚・先見性・展望などの意味を持つ「Vision」を加えた造語で、EV導入の課題や運行を可視化し、先見性のあるソリューション提供により、カーボンニュートラル実現に向けた展望をお客様に示すいすゞの姿勢・取組みを表現
FY2022|1,587 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップ・トラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境が絶え間なく変化する中で、商用車業界における重要な環境変化は「電動化/脱CO2化の潮流加速」及び「止まらない物流インフラへの期待増」と考えています。これらの変化へ対応し、脱炭素社会や新たな物流社会の実現に貢献していく事は、社会的使命であり責務であると認識しています。 当社グループでは「中期経営計画2024」(2022年3月期から2024年3月期まで)の中でイノベーションの基軸として据えた「カーボンニュートラル戦略」と「進化する物流へ商用車メーカーとして貢献」の取組みの基、研究開発活動を進めています。 当連結会計年度の研究開発活動の成果として、大型トラック「ギガ」については、国内商用車メーカー初の大型LNGトラック「ギガLNG」を発表しました。当社グループはこれまでエネルギーセキュリティ及び環境負荷低減の観点から、天然ガス自動車の開発・普及促進に取り組んでまいりました。LNGの優れた環境性能と、これまでと同等の使い勝手を有する「ギガLNG」を、カーボンニュートラル社会への移行期における選択肢の一つと考えています。大型FCVトラックについては車両開発を進めており、2022年度中にモニター車による実証実験を行います。実証実験では、技術課題の見極めを進め、社会実装を目指した検証を進めます。また、ボルボグループとの先進技術領域での協業も見据えた、いすゞ/UDトラックスの共通大型プラットフォームの開発に着手しました。 中型トラック「フォワード」については、大型トラック「ギガ」に採用されている全車速ミリ波車間クルーズを、新たに搭載しました。これにより、高速道路の渋滞などによる低速走行時のブレーキとアクセル操作が、従来よりも大幅に低減します。単眼カメラと前方ミリ波レーダーによって割り込み車もいち早く検知し、より適切な車速制御が可能となることで、安全運行とドライバーの疲労軽減に貢献します。 小型トラック「エルフ」については、BEV(バッテリー式電動自動車)を開発、2023年を目途に市場投入する予定です。2019年より配送・宅配等に向けたモニター車による各種検証を進めてきましたが、そこから得られた知見をベースに、バッテリー技術やモーター技術、最適なエネルギーマネジメントを適用し、高性能かつ高機能な商品を目指しました。小型FCVトラックについては実証実験に向けた車両開発を進めました。 バスにおいては、2024年の市場投入を目標に、大型路線BEVバスの開発を開始しました。また、公共交通におけるドライバー不足の解決策の一つとして期待されている自動運転の実現に向け、大型バスでの自動運転の共同実証実験を開始しました。 LCVにおいては、新型「MU-X」を開発、豪州に輸出を開始しました。先進運転支援システムADAS(Advanced Driver Assistance System)を搭載し、リアルワールドでの障害物検知にすぐれたステレオカメラにより、昼夜問わず安定した運転支援を実現します。さらに衝突時の二次被害軽減のため、マルチコリジョンブレーキ機能等の最新安全装備を採用し、高い安全性を評価され「ANCAP(Australasian New Car Assessment Program)」において、2020年新プロトコルによる五つ星を獲得しました。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,047億円です。
FY2021|2,059 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップ・トラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境は、中長期的には、EV、コネクテッド、自動運転などの先進技術の市場投入が進むと予想され、過去のトレンドとは異なる大きな環境変化が顕在化していくと捉えています。また、お客様のニーズも多様化しており、近い将来、車両や部品などのハードだけでは、お客様のご期待に十分に応えられる時代ではなくなってくることが想定されます。 このような環境変化に対して、当社グループの研究開発活動としては、「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV・LCVとパワートレインのエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」の実現、そのため策定した「中期経営計画」(2019年3月期から2021年3月期まで)の取り組みとして、既存商品ラインナップの強化及び新商品投入とともに、先進技術開発も加速して取り組みました。 当連結会計年度の研究開発活動の成果として、大型トラック「ギガ トラクタ」については、ブラインドスポットモニター、歩行者検知機能付プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減/衝突回避支援)、全車速ミリ波車間クルーズ、一部車型には軸重モニターを標準設定し、各種先進安全装備を拡充しました。また、居住性の向上、空力と空間を両立させた、全高3.8m級の新ハイルーフ仕様を開発しました。また、車両のみならず、コネクテッド機能を進化させ、遠隔地でも確認可能な車両モニタリング項目(尿素水残量、バッテリー電圧、安全装置の作動状況など)を拡充しました。 中型トラック「フォワード」については、国内中型トラック初となる右左折時における横断歩行者を検知する交差点警報、歩行者検知機能付プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減/衝突回避支援)、先行車発進お知らせ機能、ふらつき警報、LEDヘッドランプ/フォグランプを標準設定し、各種先進安全装備を拡充しました。また、居住性の向上、空力と空間を両立させた、新ハイルーフを新たにオプションとして設定しました。 小型トラック「エルフ」については、2021年11月の各種安全装置の装着義務化に伴い、プリクラッシュブレーキの装備展開を拡大し、全車標準装備としました。また、国内小型トラック初となる交差点警報、LEDヘッドランプ/フォグランプを標準設定し、各種先進安全装備を拡充しました。 バス事業においては、「エルガ」、「エルガミオ」の燃費性能を向上し、全車型で2015年度重量車燃費基準を達成しました。また、「エルガミオ」にAT車を新しく追加設定しました。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大防止として、運転席と座席の間を仕切る飛沫感染防止対策商品を発売しました。 LCV事業においては、PPV(Passenger Pickup Vehicle)である「MU-X」をフルモデルチェンジしました。いすゞの強みである耐久信頼性、燃費性能、安全性能を確保しつつ、快適性、高級感を高め、お客様に所有する喜びを味わっていただける車を目指して開発しました。基本構造は、無駄のない合理的なパッケージで居住空間とスタイルを両立し、定評のあった室内空間の広さを更に向上しました。性能面では、室内騒音の改善と操縦安定性、および乗り心地の向上を図りました。また、2020年9月に豪州へ投入した小型ピックアップ・トラックの新型「D-MAX」は、新車を対象に安全性能を総合評価する「ANCAP(Australasian New Car Assessment Program)」において、2020年新プロトコルによる5つ星を獲得しました。 一方、先進技術の分野における取組みとしては、商用車の技術開発を通じて提供する価値、すなわち「安心・安全性」、「経済・利便性」、「環境性」の追求のため、適宜アライアンスを活用したスピードアップも念頭におきつつ、5つの領域「隊列走行自動運転」、「先進安全」、「コネクテッド」、「EV」、「高効率ICE」において、さらに技術力を高めるべく進めています。 その中でも、電動車開発においては、株式会社本田技術研究所と燃料電池(FC)をパワートレインに採用した大型トラックの共同研究を進めています。また、「コネクテッド」においては、極東開発工業株式会社と、架装物の稼働や制御情報をシャシ側の情報通信端末を通じて取得するシステム(架装コネクテッド)を開発しました。このシステムにより、架装物の稼働や制御情報を基にした最適なメンテナンスや万が一の故障への迅速な対応など、お客様の稼働を支えるサービスの提供が可能となります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は910億円です。
FY2020|1,896 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップ・トラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境は、中長期的には、EV、コネクテッド、自動運転などの先進技術の市場投入が進むと予想され、過去のトレンドとは異なる大きな環境変化が顕在化していくと捉えています。また、お客様のニーズも多様化しており、近い将来、車両や部品などのハードだけでは、お客様のご期待に十分に応えられる時代ではなくなってくることが想定されます。 このような環境変化に対して、当社グループの研究開発活動としては、「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV・LCVとパワートレインのエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」の実現、そのため策定した「中期経営計画」(2019年3月期から2021年3月期まで)の取り組みとして、既存商品ラインナップの強化及び新商品投入を支えるとともに、先進技術開発も加速して取り組んでいます。 当連結会計年度の研究開発活動の成果として、大型トラック「ギガ」については、歩行者検知機能付プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減/衝突回避支援)をはじめとした各種先進安全装備を拡充しました。また、ステアリングの操作をアシストするレーンキープアシスト(LKA)をカーゴ系の主力車型にオプション展開したことで、運転自動化レベル2相当の高度運転支援を実現しました。また、居住性の向上、空力と空間を両立させた、全高3.8m級の新ハイルーフを新たに開発しました。さらに、コネクテッド機能を進化させ、遠隔地でも確認可能な車両モニタリング項目(尿素水残量、バッテリー電圧、安全装置の作動状況など)を拡充しました。 小型トラック「エルフ」については、ハイブリッド車に2016年度排出ガス規制に対応したエンジン(4JZ1)を搭載し、クラストップレベルの燃費性能を実現しました。 バス事業においては、国産初のハイブリッド連節バス「エルガデュオ」を投入しました。日本の道路事情を踏まえた車両寸法とし、効率的な大量輸送を実現しました。また、路線バスでは世界初の「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載しました。さらに、ハイブリッドシステムの採用により環境負荷にも配慮しています。大型路線バス「エルガ」及び中型路線バス「エルガミオ」についても、EDSSを全車標準装備しました。 LCV事業においては、ピックアップ・トラック「D-MAX」を8年ぶりにフルモデルチェンジし、デザインを一新しました。燃費性能、安全性を高めつつ、多様な使用環境、様々な使い方に耐えうる車を目標に開発し、競合車をリードする燃費及びCO2排出量を実現するとともに、市場ニーズに合わせた先進安全装備を積極的に採用しました。さらに、合理的な結構、高張力鋼板の広範な採用により軽量かつ強固な車体を実現しました。 このほか、グローバルの事業基盤構築を推し進めており、新興国向け商用車の開発拠点「いすゞ・グローバル・CVエンジニアリング・センター」の成果物である新興国向けトラックや、中国発の大型トラックやインドネシア発の軽量トラック等、海外拠点発のトラック等の、アジア、及びその周辺国への投入・拡大を実現しました。 一方、先進技術の分野における取り組みとしては、商用車の技術開発を通じて提供する価値、すなわち「安心・安全性」、「経済・利便性」、「環境性」の追求のため、スピードアップに向けて適宜アライアンスを活用することも念頭におきつつ、5つの領域「隊列走行自動運転」、「先進安全」、「コネクテッド」、「EV」、「高効率ICE」において、さらに技術力を高めるべく進めています。 その中でも、EVや高効率ICEについては、商用車に求められる経済合理性や使い勝手等を踏まえ、当面、電気、ディーゼル、天然ガスの3つのパワートレインをラインナップとして保有しつつ、お客様それぞれの用途・ニーズに応じた商品提供と、それを支える研究開発を続けていきます。特にディーゼルに関しては、当社グループが強みとする領域であり、お客様からのご期待に応えていくため、さらなる効率化やクリーン化等の取り組みを通じ、引き続きグローバルディーゼルエンジン市場を牽引していきます。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は980億円です。
FY2019|1,722 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは、世界中のお客様に満足していただける商品とサービスを提供していくため、トラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジン等における最新技術の研究開発を行うとともに、その技術を用いることで多くの国・地域のお客様のニーズに対応した最適な商品の開発に取り組んでいます。 当社グループを取り巻く事業環境は、中長期的には、EV(電動化)、コネクテッド、自動運転などの先進技術の市場投入が進むと予想され、過去のトレンドとは異なる大きな環境変化が顕在化していくと捉えています。また、お客様のニーズも多様化しており、近い将来、車両や部品などのハードだけでは、お客様のご期待に十分に応えられる時代ではなくなってくることが想定されます。 このような環境変化に対して、当社グループの研究開発活動としては、「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV(商用車)・LCV(ピックアップトラック及び派生車)とパワートレイン(エンジン、トランスミッション及び駆動系のコンポーネント)のエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」の実現、そのため策定した「中期経営計画」(2019年3月期から2021年3月期まで)の取り組みとして、既存商品ラインナップの強化及び新商品投入を支えるとともに、先進技術開発も加速して取り組んでいます。 研究開発活動の成果として、当連結会計年度に市場に投入した商品として、大型トラック「ギガ トラクタ」については、2016年排出ガス規制に対応しつつ、省燃費性能を実現。また車型ラインナップをさらに充実させるとともに、ETC2.0を標準設定すること等により、運行中の利便性も向上しました。 中型トラック「フォワード」については、通信端末を標準搭載することによりコネクテッド化し、車両コンディションの遠隔把握及び本データを活用した高度純正整備「PREISM(プレイズム)」の実施を可能としました。同時に、安全性向上アイテムの追加、高度OBD対応等、総合的な商品力強化を実施しました。 小型トラック「エルフ」については、新たにプリクラッシュブレーキをはじめとした先進安全装置を標準装備(一部車型を除く)し、通信端末を標準搭載、高度純正整備「PREISM(プレイズム)」の実施を可能とするとともに、2016年排出ガス規制に対応しながらクラストップレベルの燃費性能に磨きをかけました。 このほか、グローバルの事業基盤構築を推し進めており、新興国向け商用車の開発拠点「いすゞ・グローバル・CVエンジニアリング・センター」の成果物である新興国向けトラックや、中国発の大型トラックやインドネシア発の軽量トラック等、海外拠点発のトラック等の、アジア、及びその周辺国への投入・拡大を実現。また、LCV事業の強靭化についても、市場やお客様の多様化するニーズに対応するべく、従来からの、どのような悪路でも走破できるタフな性能という長所は残しつつ、環境性や安全性、快適性といった機能の向上を目指し開発に取り組んでいます。 一方、先進技術の分野における取り組みとしては、商用車の技術開発を通じて提供する価値、すなわち「安心・安全性」、「経済・利便性」、「環境性」の追求のため、スピードアップに向けて適宜アライアンスを活用することも念頭におきつつ、5つの領域「隊列走行自動運転」、「先進安全」、「コネクテッド」、「EV」、「高効率ICE(内燃機関)」において、さらに技術力を高めるべく進めています。 その中でも、EVや高効率ICEについては、商用車に求められる経済合理性や使い勝手等を踏まえ、当面、電気、ディーゼル、天然ガスの3つのパワートレインをラインナップとして保有しつつ、お客様それぞれの用途・ニーズに応じた商品提供と、それを支える研究開発を続けていきます。特にディーゼルに関しては、当社グループが強みとする領域であり、お客様からのご期待に応えていくため、さらなる効率化やクリーン化等の取り組みを通じ、引き続きグローバルディーゼルエンジン市場を牽引していきます。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は989億円です。
FY2018|2,557 文字
5【研究開発活動】 当社グループでは世界中のお客様に、心から満足していただける商品とサービスを提供していくため、先進国向けにはトラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジンにおける最新技術の研究開発を、また、新興国向けにはそれぞれの国・地域のニーズに対応した最適な商品開発を進めている。 当社グループの研究開発活動は、当社の開発部門(当連結会計年度末のスタッフの人数は2,396名)を中心に、先進技術、基礎技術の研究に取り組み、開発技術力の強化を図っている。 当社グループを取り巻く事業環境は、中長期的には、EV(電動化)、コネクテッド技術、自動運転などの先進技術の投入が進むと予想され、過去トレンドとは異なる大きな環境変化が顕在化していくことと考えられる。またお客様のニーズも多様化しており、近い将来、クルマや部品などのハードだけでは、お客様のご期待に十分に応えられる時代ではなくなってくることが想定される。 このような環境変化に対して、当社グループの研究開発活動は、「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV(商用車)・LCV(ピックアップトラックおよび派生車)とパワートレイン(エンジン、トランスミッションおよび駆動系のコンポーネント)のエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」の実現と、そのため策定された「中期経営計画」(2019年3月期から2021年3月期まで)の戦略遂行の取り組みとして、既存商品ラインナップの強化及び新商品投入を支えるとともに、先進技術開発のスピードも加速していく。 当連結会計年度に市場に投入された研究開発活動の成果としては、大型トラック「ギガ」および中型トラック「フォワード」を改良し、平成28年排出ガス規制に適合させるとともに、先進安全装置の性能の向上を図った。具体的には、シフト・クラッチ操作が自動で行えるトランスミッション「スムーサーGx」を搭載した新しい「ギガ」に、道路勾配に応じたギア制御機能を追加。また、「フォワード」は、燃費性能を大幅に高めた車種の発売や、先進安全装置を搭載した車種のさらなる拡充を図るなど、それぞれの商品力に一層の磨きをかけた。さらに、小型トラック「エルフ」については、新開発の高過給エンジン「4JZ1」を搭載したことなどにより、平成28年排出ガス規制に適合させながら燃費性能の向上を実現した。この新型エンジン「4JZ1」は、従来と異なり商用車専用エンジンとしてシリンダーヘッド、シリンダーブロックなどエンジンの基本骨格をすべてリニューアルするとともに、最新の燃料制御システムを採用し、世界で最も厳しい排ガス規制とされている「ポストポスト新長期排出ガス規制」への対応と燃費向上を実現。これに加え、排出ガス浄化装置のレイアウトを改良することで商用車としての架装性も大きく改善し、法規制対応と商品力強化の双方を高いレベルで実現した。このほか、前回の中期経営計画期間(2016年3月期から2018年3月期まで)から取り組んできた開発成果として、グローバルの事業基盤構築を推し進めた結果、新興国向け商用車の開発拠点「いすゞ・グローバル・CVエンジニアリング・センター」の成果物である新興国向けトラックや、中国発の大型トラックやインドネシア発の軽量トラック等、海外拠点発のトラック等の、アジア、及びその周辺国への投入が実現。一方LCV事業の強靭化についても、市場やお客様の多様化するニーズに対応するべく、従来からの、どのような悪路でも走破できるタフな性能という長所は残しつつ、環境性や安全性、快適性といった機能の向上を目指し開発に取り組んでいる。一方、先進技術の分野においても、平成28年以降、日野自動車株式会社と共同開発を進めてきた高度運転支援技術・ITS技術の分野では、視界支援、路車間通信、加減速支援、プラットフォーム正着制御の4つの技術を開発。これらの技術は、両社で共同開発中のハイブリッド連節バスをはじめ、平成30年度以降の新製品に順次搭載し、実用化を進めていく。今後、本中期経営計画においても、スピードアップに向けて適宜こうしたアライアンスを活用することも念頭におきつつ、改めて隊列走行、自動運転、先進安全、コネクテッド技術、高効率ICE(内燃機関)の5つを重点技術開発領域とし、商用車メーカーとして提供すべき3つの価値、すなわち「安心・安全性」、「経済・利便性」、「環境性」の追求のため、この5つの領域での技術力をさらに磨いていく。同時に、EVや高効率ICEについては、商用車に求められる経済合理性や使い勝手等を踏まえ、当面、電気、ディーゼル、天然ガスの3つのパワートレインをラインナップとして保有しつつ、お客様それぞれの用途・ニーズに応じた商品提供と、それを支える研究開発を続けていく。特にディーゼルに関しては、当社グループが強みとする領域であり、お客様からのご期待に応えていくため、さらなる効率化やクリーン化等の取り組みを通じ、引き続きグローバルディーゼルエンジン市場を牽引していく。またIT技術の分野では、デジタルイノベーションの推進を課題として掲げ、「攻めのIT」すなわち新たな価値創造と、「守りのIT」すなわち業務オペレーションの革新、この双方のデジタルイノベーションによって 持続的な事業成長モデルを構築していく。このうち「攻めのIT」、すなわち、新たな事業価値創造につながるIT活用としては、商用車テレマティクス「MIMAMORI」(車両の運行・動態管理ができるクラウド型システム)と、これに販売会社による高度純正整備をパッケージとした仕組み「PREISM(プレイズム)」に代表されるようなITコネクテッド技術を活用したサービス分野での事業展開を先行して取り組んできており、端末を標準搭載する車型の拡大をすすめることで、お客様からお預かりする車両情報は飛躍的に拡大すると考えられる。今後は、これらの情報に加え、車両以外の情報についても幅広く収集し、分析技術も高めることで、お客様の利便性や快適性の向上を支える新しいソリューションを創出していく。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は968億円である。
FY2017|816 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは世界中のお客様に、心から満足していただける商品とサービスを提供していくため、先進国向けにはトラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジンにおける最新技術の研究開発を、また、新興国向けにはそれぞれの国・地域のニーズに対応した最適な商品開発を進めている。 当社グループの研究開発活動は、当社の開発部門(当連結会計年度末のスタッフの人数は2,334名)を中心に、先進技術、基礎技術の研究に取り組み、開発技術力の強化を図っている。 特に、経済技術・環境技術の向上が世界規模で求められるなか、商用車メーカーとして環境負荷の少ないクリーンディーゼルエンジン及びディーゼルエンジンをベースとしたHEV(ハイブリッド)車の開発に積極的に取り組む一方、CNG(圧縮天然ガス)車などの低排出ガス燃料車の普及促進に加えて、代替エネルギーのDME(ジメチルエーテル)車といったクリーンエネルギー車の開発も推進するなど、低公害車の開発・普及とエネルギーセキュリティへの貢献にも、積極的に取り組んできた。 また、社会的要請である安全技術についても従来より、衝突安全性の向上、先進視覚サポート技術、商用車用テレマティクスをはじめとする技術開発並びに装着の拡充を図っている。なかでも本年5月には日野自動車株式会社との間で、自動運転システムの実用化に向けてのベース技術となるITS(路車間・車車間通信)システムや高度運転支援(自動操舵・隊列走行)技術について、共同開発することに合意。これにより安心・安全な交通社会の実現に向け開発の効率化とスピードアップを図っていく。同社とはこれに加え、2019年の市場投入を目指し、国産初のハイブリッド連節バスの共同開発でも合意した。この開発により、従来のバスと比べて効率的な大量輸送と環境負荷の低減に取り組んでいく。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は914億円である。
FY2016|701 文字
6【研究開発活動】 当社グループでは世界中のお客様に、心から満足していただける商品とサービスを提供していくため、先進国向けにはトラック・バスやピックアップトラック、ディーゼルエンジンにおける最新技術の研究開発を、また、新興国向けにはそれぞれの国・地域のニーズに対応した最適な商品開発を進めている。 当社グループの研究開発活動は、当社の開発部門(当連結会計年度末のスタッフの人数は2,431名)を中心に、先進技術、基礎技術の研究に取り組み、開発技術力の強化を図っている。 特に社会的要請である安全技術については、衝突安全性の向上、先進視覚サポート技術、商用車用テレマティクスをはじめとする技術開発並びに装着の拡充を図っている。なかでも本年5月には日野自動車株式会社との間で、自動運転システムの実用化に向けてのベース技術となるITS(路車間・車車間通信)システムや高度運転支援(自動操舵・隊列走行)技術について、共同開発することに合意。これにより安心・安全な交通社会の実現に向け開発の効率化とスピードアップを図っていく。 また、経済技術・環境技術の向上が世界規模で求められるなか、商用車メーカーとして環境負荷の少ないクリーンディーゼルエンジン及びディーゼルエンジンをベースとしたHEV(ハイブリッド)車の開発に積極的に取り組む一方、CNG(圧縮天然ガス)車などの低排出ガス燃料車の普及促進に加えて、代替エネルギーのDME(ジメチルエーテル)車といったクリーンエネルギー車の開発も推進するなど、低公害車の開発・普及にも積極的に取り組んできた。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は911億円である。