研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
1,411 |
| 2024-03 |
- |
1,337 |
| 2023-03 |
- |
963 |
| 2022-03 |
- |
535 |
| 2021-03 |
- |
556 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,441 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で描いた成長シナリオの着実な推進を見据え、各事業の足元の競争力強化や事業ポートフォリオの変革、更には「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の注力フィールドへのチャレンジに向けた研究開発に取り組みました。これに向けて、各事業部門と本社各部門が一体となり当社グループの技術シナジーの最大化を図るほか、社外パートナーとも連携し、最新のデジタル技術も取り入れながら、将来にわたる顧客への提供価値を高めるべく研究開発を推進しました。また、将来のカーボンニュートラルに向けては、グリーンイノベーション基金などの政府支援も活用しながら、液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証など、水素社会の実現を目指した取組にも注力しています。当連結会計年度における研究開発費は489億円であり、各事業セグメントの主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業防衛航空事業では防衛省による抜本的な防衛力強化の方針を受け、固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業や次期練習機に向けた研究開発、新SSM等のスタンドオフ防衛能力向上に向けた研究開発、先進的なAI技術を活用した無人化・自律化システムの研究開発、VR等のデジタル技術を活用した教育訓練システムの研究開発に重点的に取り組んでいます。民間航空機事業ではロボットを活用した生産技術、宇宙事業では有人・探査分野や小型衛星の研究開発を推進しています。また基盤技術として、デジタル技術を用いた航空機設計・製造プロセス高度化にも取り組んでいます。航空エンジン事業では、自社開発エンジンの防衛事業への展開実績を足掛かりとして、小型・軽量・高出力なエンジン(KJ300シリーズ)の実用化に向けた研究開発を推進しています。また、堅調な成長が見込まれる民間航空エンジン整備事業に必要な各種研究開発、更に航空エンジンの高効率化・環境性能向上に貢献する圧縮機・燃焼器・ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発についても取り組んでいます。加えて、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験の実施など水素航空機のエンジン/燃焼システム技術や燃料タンクに関する研究開発にグリーンイノベーション基金も活用しながら取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は63億円です。 車両事業鉄道保守関連ビジネスの拡大を目指して、各種センシング・デジタル技術を活用した車両・軌道の状態監視や診断による効率的なメンテナンスシステムの開発と実証を推進しています。また、鉄道事業者の課題解決ニーズに応えるメンテナンス性向上、自動化・ロボット化による合理的生産技術等の開発に取り組んでいます。更に、非電化鉄道でのカーボンニュートラルを目指し水素を動力源とする車両システムの開発と実証に取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は10億円です。 エネルギーソリューション&マリン事業エネルギー事業では、エネルギートランジションへの対応に向けガスタービンやガスエンジンの水素混焼・専燃対応のための技術開発や、エネルギー分野で培ってきた圧縮機に関する豊富な実績・知見を活用した大型遠心式水素圧縮機の開発にも取り組んでいます。更に、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2分離回収システムの実用化開発などの研究開発に取り組んでいます。プラント事業では、地上用大型液化水素タンクなど液化水素の出荷/受入基地向け機器の研究開発や、循環型社会の実現に向けた廃リチウムイオン電池リサイクルシステム、AI技術を活用した資源選別支援システム、ごみ処理施設の自動運転システムなどの研究開発に取り組んでいます。舶用推進・船舶海洋事業では、液化水素運搬船の輸送効率向上のための船型や新形式タンク・燃料供給システムなどの研究開発や、大型化する船舶の更なる安全管理と人手不足が進む乗組員の負担軽減を目指した安全離着岸支援システムなどの開発に取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は58億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業では、ショベル分野において製品競争力の強化に加え、カーボンニュートラルや省人化などESGの視点から、電動化に向けた高速電動油圧ポンプユニット「K-Axle™」や、自動化/自律化に向けた将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。このほか、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野、一般産業機械分野への拡販に向けた油圧機器の開発・シリーズ展開も進めています。また、水素関連事業として産業車両/商用車を含む燃料電池車用高圧水素ガス弁や建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システム、水素ステーション用油圧ブースター式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。ロボット事業では、産業用ロボット分野において半導体製造用ロボットや物流業界向けロボットなど人手不足への対応等の社会的ニーズが特に高まっている製品の開発に取り組んでいます。また、これまで産業用ロボット分野で培った技術を活用し医療分野で医療従事者や患者の負担を軽減する「hinotori™」サージカルロボットシステムや、労働力不足や生活の様々な課題などに幅広く社会適用が可能なソーシャルロボットの開発を推進しています。更に、インテグレーションを効率化しロボットの社会実装を加速させるロボットデジタルプラットフォーム「ROBO CROSS」の構築に他社とも連携しながら取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は66億円です。 パワースポーツ&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、二輪事業では、伝統のブランドの血統を受け継ぐレトロスポーツモデル「W230」・「MEGURO S1」を、四輪事業では、コミュニティ内をより便利にクリーンに移動できるカワサキ初の電動四輪車となるパーソナルトランスポートビークル「NAV」シリーズや、毎日の仕事から休日のレジャーまで快適にこなせる汎用性と、上質なデザインを備えたオフロード四輪「RIDGE」シリーズに4〜6人乗り2列シートの新モデル「RIDGE CREW」を追加する等の新機種開発を行いました。また、継続的な新機種の投入に向けてデジタル技術の活用による開発期間の短縮と効率化を推進しています。更に、EVやHEVにとどまらず、水素エンジンなどの内燃機関エンジンを含めカーボンニュートラル社会の実現に向けた多様な選択肢に挑戦しています。加えて、2030年以降の更なる成長を見据え、パワースポーツ向けエンジンのノウハウを活かした航空機用レシプロエンジンの開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は144億円です。 本社部門・その他社長直轄プロジェクト本部では、激甚化する自然災害や医療・介護・物流・製造現場等の労働力不足などの社会課題に対して、無人ヘリコプター「K-RACER」や配送ロボット、ソーシャルロボットなどを活用したソリューションの開発を進め早期の社会実装を目指しています。技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組んでいます。また、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に将来の社会課題解決の実現に必要な技術開発にも積極的に挑戦するとともに、持続的な事業成長の源泉となる基盤技術開発や食料安全保障など新たな分野へのチャレンジに向けたイノベーション活動にも取り組んでいます。更に、TQM活動をベースにバリューチェーン全体のプロセス標準化を通して製品品質の向上や足元の収益向上にも取り組んでいます。加えて、DX戦略本部と連携してAI活用やデジタルプラットフォームの構築によるデータ活用を通じたビジネスモデルの変革や事業プロセス全体の生産性向上を推進するほか、全社の技術系人財の育成強化にも取り組んでいます。水素戦略本部では、商用水素サプライチェーンの実現に向け世界初の液化水素運搬船による海上輸送・荷役等の各種試験を通じて得た知見を活用し、水素供給コストの低減に向けた水素関連製品の大型化や高効率化、更にはそれらの高効率生産のための技術開発などを実施し、水素エネルギーの着実な社会実装を推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は145億円です。
FY2024|3,744 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で描いた成長シナリオの着実な推進を見据え、各事業の足元の競争力強化や事業ポートフォリオの変革、更には「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の注力フィールドへのチャレンジに向けた研究開発に取り組みました。これに向けて、各事業部門と本社各部門が一体となり当社グループの技術シナジーの最大化を図るほか、社外パートナーとも連携し、最新のデジタル技術も取り入れながら、将来にわたる顧客への提供価値を高めるべく研究開発を推進しました。また、将来のカーボンニュートラルに向けては、グリーンイノベーション基金などの政府支援も活用しながら、国際的な液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証など、水素社会の早期実現を目指した取組にも注力しています。当連結会計年度における研究開発費は533億円であり、各事業セグメントごとの主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業航空宇宙事業では防衛省による抜本的な防衛力強化の方針を受け、固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業及び次世代練習機に向けた研究開発、新SSM等のスタンドオフ防衛能力向上に向けた研究開発、先進的なAI技術を活かした無人化、自律化の研究開発、VR等のデジタル技術を活用した教育訓練システムの研究開発に重点的に取り組んでいます。民間航空機事業ではロボットを活用した生産技術や、宇宙事業においては有人探査への参画や小型衛星開発等に向けた研究開発について推進しています。また、デジタル技術を用いた航空機設計・製造プロセス高度化にも取り組んでいます。航空エンジン事業では、自社開発エンジンの防衛事業への展開実績を足掛かりとして、小型・軽量・高出力なエンジン(KJ300シリーズ)の実用化に向けた研究開発を推進しています。また、将来の航空エンジンに求められる環境性や高効率化を目指し、圧縮機・燃焼器技術、ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発についても取り組んでいます。更に、水素航空機のエンジン/燃焼システム技術や燃料タンクに関する研究開発にグリーンイノベーション基金も活用しながら取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は55億円です。 車両事業非電化鉄道でのカーボンニュートラルを目指す水素を動力源とする車両システムの開発と実証に取り組んでいます。また、鉄道事業者の課題解決ニーズに応えるメンテナンス性向上、自動化・ロボット化による合理的生産技術等の開発に取り組んでいます。更に、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシング・デジタル技術を活用した車両・軌道の状態監視や診断による効率的なメンテナンスシステムの開発と実証を推進しています。当事業に係る研究開発費は11億円です。 エネルギーソリューション&マリン事業エネルギー事業では、ガスタービンの高効率化、ガスエンジンの次世代機、熱と電気の最適なエネルギー供給を実現する蓄電ハイブリッドシステムやエネルギー機器の信頼性向上に向けた技術開発に加え、再生可能エネルギー導入時の系統安定化効果を持つ仮想同期発電機制御技術などの研究開発に取り組んでいます。プラント事業では、電気自動車の普及に伴い需要増が見込まれる電池の材料供給不足解消と循環型社会の促進を意図した廃リチウムイオン電池リサイクルシステムの実証などの研究開発に取り組むとともに、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。舶用推進・船舶海洋事業では、大型化する船舶の更なる安全管理と人手不足が進む乗組員の負担軽減を目指し、推進機・係船機の連携制御、運動予測モデル、センシング技術を組み合わせた自動操船支援システムの開発に取り組んでいます。更に、水素社会の早期実現に向け、液化水素運搬船の商用化に向けた大型運搬船のための船型やタンク・燃料供給システムなどの研究開発、水素ガスタービンのラインナップ拡充、水素ガスエンジンや水素圧縮機の開発を推進しています。当事業に係る研究開発費は64億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業では、ショベル分野における製品競争力の強化に加え、カーボンニュートラルや省人化などESGの視点から、電動化に向けた高速電動油圧ポンプユニット「K-Axle™」や、自動化/自律化に向けた将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。このほか、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、小型軽量・高効率・高機能な油圧機器の開発並びにシリーズ展開も進めています。また、一般産業機械分野に向けた油圧設備の安定稼働をサポートする状態監視システムや、水素関連事業として産業車両/商用車を含む燃料電池車用高圧水素ガス弁・建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システム・水素ステーション用油圧ブースター式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。ロボット事業では、人口減少社会における人手不足への対応のため、産業用ロボット分野においては、半導体製造用ロボットや物流業界向けロボットなど、社会のニーズが特に高まっている製品の開発に取り組んでいます。また、消費電力の低減によりCO2排出量を削減する制御機能開発など、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みにも注力しています。更に、産業用ロボットだけではなく、サービス業界向けプラットフォームロボット「Nyokkey」や堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイドロボット「Kaleido」等幅広く社会適用が可能なソーシャルロボットの開発を推進するとともに、SIer※1とベンダーの共創により、インテグレーションを効率化しロボットの社会実装を加速させるロボットデジタルプラットフォーム「ROBO CROSS」の構築に他社とも連携しながら取り組んでいます。また、医療分野へ展開している手術支援ロボット「hinotori™」の術式範囲の拡大及び都市部と地方における医療格差を改善するための遠隔手術技術実証にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は67億円です。 パワースポーツ&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、電動モーターサイクルならではの環境性能と、KawasakiのDNAである“Fun to Ride”を両立した、本格フルサイズEVスポーツモデルの「Ninja e-1」「Z e-1」や、250ccクラスに匹敵する低燃費と、1000ccクラス同等の発進加速を実現した世界初※2のストロングハイブリッド二輪車「Ninja 7 Hybrid」「Z7 Hybrid」、毎日の仕事から休日のレジャーまで快適にこなせる汎用性と、ワンランク上の上質感を兼ね備えたオフロード四輪の新ラインナップ「RIDGE」「RIDGE XR」シリーズを追加する等の新機種開発を行いました。また、EVやHEVにとどまらず、水素エンジンなどの内燃機関エンジンを含めカーボンニュートラル社会の実現に向けた多様な選択肢に挑戦するとともに、2030年以降の更なる成長を見据え、パワースポーツ向けエンジンのノウハウを活かした航空機用レシプロエンジンの開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は200億円です。 本社部門・その他社長直轄プロジェクト本部では、医療・物流・製造現場の労働力不足、激甚化する自然災害などの社会課題に対して、感染症検査事業で得た知見を活かした自動検査システムや無人VTOL機※3・配送ロボット・多用途UGV※4を活用したソリューションなどの開発を進め、早期市場展開を目指しています。技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に、将来の社会課題解決の実現に必要な技術開発にも積極的に挑戦するとともに、既存事業を支える基盤技術や将来の水素事業のキーとなる要素技術開発にも取り組んでいます。また、TQM活動をベースにバリューチェーン全体のプロセス標準化を通して、製品品質の向上や、足元の収益向上にも取り組んでいます。更に、DX戦略本部と連携してAI活用やデジタルプラットフォームの構築によるデータ活用を通じたビジネスモデルの変革や働き方改革を推進するほか、全社の技術系人財の育成強化にも取り組んでいます。水素戦略本部では、商用水素サプライチェーンの実現に向け、世界初の液化水素運搬船による海上輸送・荷役等の各種試験を通じて得た知見を活用し、商用化に係る水素関連機器の大型化や高効率化のための技術開発を実施し、着実な水素社会の実現を推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は133億円です。(※1 SIer:System Integrator)(※2 当社調べ)(※3 VTOL:Vertical Take-Off & Landing)(※4 UGV:Unmanned Ground Vehicle)
FY2023|3,388 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で掲げた「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の実現に向けて、事業部門と本社の社長直轄プロジェクト本部や技術開発本部、水素戦略本部、DX戦略本部が一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新のデジタル技術等を活用し、社外パートナーとも連携しながら、将来にわたる顧客への価値提供に向けた研究開発に取り組みました。また、脱炭素化に向けてグリーンイノベーション基金などの政府支援も活用しながら、国際的な液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証への取組のほか、水素モビリティの実用化技術や水素エネルギーの普及に欠かせないインフラ機器、脱炭素電力供給のための機器やサービス、CO2分離回収・利用技術など、2050年までのカーボンニュートラルの実現に貢献する各開発に注力しています。当連結会計年度における研究開発費は507億円であり、各事業セグメントごとの主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業航空宇宙事業では、防衛力強化に向けた防衛省のニーズを汲み、固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業、先進的なAI技術を活かした無人化、自律化、知能化の研究開発に重点的に取り組んでいます。また、民間機開発事業や宇宙空間の利活用に向けた宇宙機器システム等の研究開発についても推進しています。航空エンジン事業では、自社開発エンジンの防衛事業への展開実績を足掛かりとして、小型・軽量及び高出力型エンジンの実用化に向けた研究開発を推進しています。また、将来の航空エンジンに求められる環境性や効率化を踏まえた圧縮機・燃焼器技術、ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発についても取り組んでいます。更に、水素航空機のエンジン/燃料システム技術や燃料タンクに関する研究開発にグリーンイノベーション基金も活用しながら取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は49億円です。 車両事業非電化鉄道でのカーボンニュートラルを目指すために、内燃機関を使用する車両に代わる次世代車両の開発や、水素を動力源とする車両システムの開発と実証に取り組んでいます。また、鉄道事業者の課題解決ニーズに応えるメンテナンス性向上や自動化・ロボット化による合理的生産技術の開発等に取り組んでいます。更に、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシング・デジタル技術を活用した車両・軌道の状態監視や診断による効率的なメンテナンスシステムの開発と実証を推進しています。当事業に係る研究開発費は9億円です。 エネルギーソリューション&マリン事業エネルギー事業では、ガスタービンの高効率化、ガスエンジンの次世代機、熱と電気の最適なエネルギー供給を実現する蓄電ハイブリッドシステムやエネルギー機器の信頼性向上に向けた技術開発に加え、事業所間での低炭素電力融通サービスの実現に向けた研究開発に取り組んでいます。プラント事業では、生産年齢人口の減少や環境負荷の低減に対応するため、AIを活用した運転支援・遠隔監視システム「KEEPER」や、「Smart-ACC®」をはじめとした高度な燃焼制御技術、資源選別支援システム「K-Repros®」の研究開発に取り組んでいます。舶用推進・船舶海洋事業では、大型化する船舶の更なる安全管理と人手不足が進む乗組員の負担軽減を目指し、推進機・係船機の連携制御、運動予測モデル、センシング技術を組み合わせた自動操船支援システムの開発や、海底パイプラインの自律型検査手法の開発に取り組んでいます。更に、水素サプライチェーンの早期確立に向け、液化水素貯蔵・積荷基地・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、液化水素運搬船の商用化に向けた大型運搬船のための船型やタンク・ボイラなどの研究開発、水素ガスタービンのラインナップ拡充、水素ガスエンジンや水素圧縮機の開発に取り組むとともに、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。当事業に係る研究開発費は57億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業では、ショベル分野における製品競争力の強化に加え、カーボンニュートラルや省人化などESGの視点から、電動化に向けた高速電動油圧ポンプユニット「K-Axle™」や、自動化/自律化に向けた将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。このほか、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開も進めています。また、水素関連事業として燃料電池車用高圧水素ガス弁・産業車両/商用車用水素供給システム・水素ステーション用油圧式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。ロボット事業では、人口減少社会における人手不足への対応のため、製造業向けの自動外観検査システムや、サービス業界向けプラットフォームロボット「Nyokkey」の開発を推進しています。また、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野へ展開している手術支援ロボット「hinotori™」や、堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイド、「TRanbo」・「Vambo」をはじめとする物流分野の自動化に向けたロボット等の研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は69億円です。 パワースポーツ&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、トレイルアドベンチャーを家族や友人たちと一緒に楽しめる4シータータイプのスポーツ用オフロード向け四輪車「TERYX KRX4 1000」シリーズや、400ccクラスのラインナップでは唯一となる並列4気筒エンジンを搭載したフルカウルスーパースポーツモデル「Ninja ZX-4R」、更に、軽量・足つきのよい気軽な新型クルーザー「ELIMINATOR/ELIMINATOR SE」を追加する等の新機種開発を行いました。また、EVモーターサイクル、HEVモーターサイクル、水素エンジン、eフューエル及びバイオフューエルなどカーボンニュートラルへの対応に向け内燃機関エンジンを含めた多様な選択肢に挑戦しています。当事業に係る研究開発費は193億円です。 本社部門・その他本社社長直轄プロジェクト本部では、新型コロナウイルスの感染拡大や医療・物流・製造現場の労働力不足、激甚化する自然災害などの社会課題に対して、ロボットを活用した自動検査システム、無人VTOL機※1、配送ロボット、多用途UGV※2などを活用したソリューションの開発を進め、早期市場展開を目指しています。本社技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に、自律化、遠隔化、電動化、CCUS※3など、将来の社会課題解決の実現に必要な技術開発にも積極的に挑戦しています。また、TQM活動をベースにエンジニアリングチェーン、サプライチェーンの標準化を通して、製品品質の向上や、足元の収益向上にも取り組んでいます。更に、本社DX戦略本部では、AI活用やデジタルプラットフォームの構築によるデータ活用を通じて、ビジネスモデルの変革にも取り組んでいます。本社水素戦略本部では、褐炭から製造した水素を液化水素運搬船で海上輸送・荷役する世界初の実証試験を完遂し、将来の商用水素サプライチェーンの実現に向けた大型化・高効率化技術の開発のほか、脱炭素化ソリューションに不可欠な水素関連製品や液化水素燃料供給システムなどの共通技術の開発を推進しています。また、差別化技術の知財化とともに市場創出に向けた標準化の取組にも注力しています。これら本社部門に係る研究開発費は127億円です。(※1 VTOL: Vertical Take-Off & Landing)(※2 UGV: Unmanned Ground Vehicle)(※3 CCUS: Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
FY2022|3,145 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で掲げた「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の実現に向けて、事業部門と本社の社長直轄プロジェクト本部や技術開発本部、水素戦略本部が一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新のデジタル技術等も活用しながら、将来にわたる顧客への価値提供に向けた研究開発に取り組みました。特に、2020年12月に経済産業省が関係省庁と策定し、2021年6月に具体化された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を受け、国際的な液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証への取り組みのほか、水素モビリティの実用化技術やCO2分離回収・利用技術など、2050年までのカーボンニュートラルの実現に貢献する各開発に注力しています。当連結会計年度における研究開発費は470億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業航空宇宙事業では、防衛省向け固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業、民間機開発事業、宇宙空間の利活用に向けた宇宙機器システム等の研究開発を推進するとともに、ロボット事業とのシナジーによる生産自動化、ICT/IoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。また、無人化・遠隔化、並びに自律化や知能化といったAI技術を活かした研究開発についても取り組んでいます。航空エンジン事業では、自社開発エンジンであるKJ14の防衛事業への展開実績を足掛かりとして、高出力型エンジンの実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。また、将来の航空エンジンに求められる環境性や効率化を踏まえた圧縮機・燃焼器技術、ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発への取り組みを進めています。更に、カーボンニュートラル社会の実現に向け、水素航空機のコア技術に関する研究開発に取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は47億円です。 車両事業鉄道でのカーボンニュートラルを目指すために、内燃車両に代わる次世代車両開発、水素を鉄道車両の動力源としての適用実証、車両信頼性向上・安全対策・メンテナンス性向上等のための高機能装置の開発、自動化・ロボット化による合理的生産技術の開発等に取り組んでいます。また、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシング・デジタル技術を活用した車両・軌道の状態監視等による効率的なメンテナンスシステムの開発を推進しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。 エネルギーソリューション&マリン事業エネルギー事業では、ガスタービンの高効率化、ガスエンジンの次世代機、熱と電気の最適なエネルギー供給を実現する蓄電ハイブリッドシステムやエネルギー機器の信頼性向上に向けた技術開発等に取り組んでいます。プラント事業では、生産年齢人口の減少、労働力人口の構成の変化に対応するため、ロボット分野とも連携した遠隔操縦型のグラインダーロボットシステム「Successor-G」や、双腕型スカラロボット「duAro」とAI技術を活用した廃棄物処理施設での瓶選別システムの開発に取り組んでいます。舶用推進・船舶海洋事業では、自動運航船の実現を目指し、船舶の信頼性向上、乗組員の負担軽減を目的として、AIを活用した故障予知・診断、状態監視保全、最適運転支援を行う舶用機関プラントの運転支援システム開発に取り組んでいます。更に、カーボンニュートラル実現を目指し、水素サプライチェーンの早期確立に向け、液化水素貯蔵・積荷基地・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、液化水素運搬船の商用化に向けた大型運搬船のための研究開発や、水素ガスタービン及び水素ガスエンジンの開発に取り組むとともに、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。当事業に係る研究開発費は48億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業においては、ショベル分野におけるシェア維持を目指し、製品競争力の強化に加えて、高付加価値の電動化・自動化/自律化に対応した将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、マーケットニーズに応じた小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開を進めるとともに、水素関連事業として燃料電池車用高圧水素ガス弁・水素供給システム・油圧式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。ロボット事業では、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現するロボットシステム「Successor」を、塗装や研削等へ適用範囲を拡大するための開発を推進しています。また、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指した医療用ロボット「hinotori™」や、堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイド、「TRanbo」・「Vambo」をはじめとする物流分野の自動化に向けたロボット等の研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は65億円です。 モーターサイクル&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、スーパーチャージドエンジンによる究極の性能とロングツーリングでの快適性を追求した唯一無二のハイパフォーマンス・スポーツツアラー「Ninja H2 SX/Ninja H2 SX SE」や、モダンでカジュアルなスタイリングを備えた新たなレトロスポーツ「Z650RS」、更に、スーパーチャージドエンジンを搭載し最大出力300PSを発揮するJET SKIのフラッグシップモデル「JET SKI ULTRA 310LX/JET SKI ULTRA 310LX-S」を追加する等の新機種開発を行いました。また、カーボンニュートラルの実現に向けて、モーターサイクルやオフロード四輪車の電動化に加え、水素エンジンの研究開発も推進しています。当事業に係る研究開発費は166億円です。 本社部門・その他本社社長直轄プロジェクト本部では、新型コロナウイルスの感染拡大や物流分野の労働力不足などの直面する社会課題に対して、自動PCR検査システムや無人VTOL※1機、配送ロボット、多用途UGV※2などを活用した物流ソリューションの開発を進め、早期市場展開を目指しています。本社技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に、自律化、遠隔化、電動化、CCUS※3など、将来の社会課題解決の実現を目指し、ソリューション型ビジネスに必要な技術開発にも積極的に挑戦しています。また、足元の収益向上を目指し、デジタル技術を活用したエンジニアリングチェーン、サプライチェーンの高度化にも取り組んでいます。本社水素戦略本部では、褐炭から製造した水素を液化水素運搬船で海上輸送・荷役する世界初の実証試験を完遂し、将来の商用水素サプライチェーンの実現に向けた大型化・高効率化技術の開発のほか、液化水素燃料供給システムなどの共通技術の開発を推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は134億円です。(※1 VTOL: Vertical Take-Off & Landing)(※2 UGV: Unmanned Ground Vehicle)(※3 CCUS: Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
FY2020|3,019 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度は、「中計2019」の初年度として、掲げた開発目標の早期実現に向けて、事業部門と本社技術開発本部とが一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新の情報通信技術(ICT/IoT)、AI技術等も活用しながら、研究開発に取り組みました。また、水素社会の実現に向けて策定された「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(2019年3月改訂)を見据え、日本・豪州政府機関や関係各社とも連携して、水素の製造から輸送・貯蔵・利用までのサプライチェーンの早期構築に向けた取り組みにも注力しています。当連結会計年度における研究開発費は526億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業航空宇宙事業では、次期航空機事業への展開を目指し、P-1固定翼哨戒機/C-2輸送機や回転翼機の近代化・派生型、及び宇宙ごみ(スペースデブリ)除去衛星をはじめとした宇宙機器システム等の研究開発を実施するとともに、それらの開発に不可欠な基盤技術の強化を図りました。また、ロボット事業とのシナジーを活かし、次世代民間航空機の生産効率を向上させる自動化・ロボット化技術の開発のほか、革新生産技術の開発やICT/IoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。航空エンジン事業では、次世代民間エンジン国際共同開発プログラムへの参画に備え、圧縮機・燃焼器、及びギア関連技術や革新的な生産技術に関する研究開発に取り組んでいます。また、防衛エンジン事業分野においては、自社開発エンジンの実用化に向けた研究開発への取り組みを進めています。当事業に係る研究開発費は69億円です。 エネルギー・環境プラント事業エネルギー分野では、ガスタービンの高効率化や、ガスエンジンの更なる効率・信頼性向上、低コスト化に向けた技術開発に加え、来るべき脱炭素社会に向けて水素ガスタービンの開発等に取り組んでいます。プラント分野では、水素サプライチェーンの構築に向けて、産業用として初となる純国産独自開発の水素液化システムの開発や、液化水素貯蔵・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。また、生産年齢人口の減少、労働力人口の構成の変化に対応するため、ごみ焼却発電プラントでのAIやICT/IoTを活用した遠隔監視による状態把握やデータの活用による最適運用・運転支援技術の開発、ロボット分野とも連携した遠隔操縦型のグラインダーロボットシステム「Successor-G」での仕上げ状態の自動判定システムの開発等に取り組んでいます。舶用推進分野では、環境規制強化に向けたガス燃料機関の開発・製品展開や推進機器の性能向上、ハイブリッド推進システム等の次世代技術・システムの開発に加え、これらの遠隔監視・診断システムの開発等にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は41億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業においては、ショベル分野における圧倒的なシェア維持を目指し、油圧ポンプ・モータ、コントロール弁等の高性能化や、燃費と操作性の更なる向上を目指した新たな油圧システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、マーケットニーズに応じた小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開を進めるとともに、水素関連事業として燃料電池車用高圧水素減圧弁等の開発に取り組んでいます。ロボット分野では、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現するロボットシステム「Successor」を、塗装や研削等へ適用範囲を拡大するための開発を推進しています。また、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指した医療用ロボットや、堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイドロボット、ロボットによる工場内物流工程の自動化ソリューション等の研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は59億円です。 船舶海洋事業コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や環境負荷低減技術を強化するとともに、LNG/LPGと重油双方を燃料とする2元燃料エンジンを搭載した新船型LNG/LPG運搬船や、LNG/LPG燃料推進システム、LNG燃料供給船の開発に加えて、AUV※等の水中機器の開発、船舶運航管理支援システム「SOPass」の機能拡大に向けた開発に取り組んでいます。また、世界初となる液化水素運搬船が進水し、2020年度に実施される国際水素エネルギーサプライチェーン構築に向けた技術実証試験に向けて、開発プロジェクトを推進しています。加えて、エネルギー・プラント分野との技術シナジーを活かし、自社製ガスタービンコンバインドサイクル/ガスエンジン発電設備を搭載した浮体式LNG発電プラントの開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は9億円です。(※ AUV: Autonomous Underwater Vehicle) 車両事業アジアを中心とした成長市場での新車販売力強化と適正利益の確保を目指した次世代標準車両における低コスト化技術の開発や、次世代新幹線向け高速車両の開発、車両信頼性向上・安全対策・メンテナンス性向上等のための高機能装置の開発、自動化・ロボット化による合理的生産技術の開発等に取り組んでいます。また、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシングやICT/IoTを活用した車両・軌道の状態監視等による効率的なメンテナンスシステムの開発を推進しています。当事業に係る研究開発費は6億円です。 モーターサイクル&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、スーパーネイキッドZシリーズの新たなフラグシップモデルである「ZH2」や、「エキサイティング&イージー」をコンセプトに幅広層が楽しめるモデルである「Z900」、更に、成長を続けるスポーツ用オフロード四輪車市場に、新たな楽しみ方としてトレイルアドベンチャーをコンセプトとする「TERYX KRX 1000」を追加する等の新機種開発を行いました。また、かつてない新しいライディング体験の提供を目指し、AIを活用したモーターサイクルの開発も継続推進しています。当事業に係る研究開発費は160億円です。 本社部門・その他本社技術開発本部は、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、世の中の急激な変化に伴うニーズへの対応や社会課題の解決に向けて、ビジネスモデルの変革等による新たな価値創出に結びつく技術開発にも積極的に挑戦し、将来に向けた基盤技術の育成・強化を進めています。また、エンジニアリングチェーン、サプライチェーンの様々なフェーズでのICT/IoT技術の活用による製品ライフサイクル全体での収益力強化や、革新デジタル設計技術の活用等による設計力の強化に向け、技術開発本部と事業部門が協力して取り組んでいます。更に、日本・豪州における各種液化水素インフラの開発・実証を着実に推進するとともに、商用化に向けた技術開発を積極的に推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は178億円です。
FY2019|2,848 文字
5 【研究開発活動】当会計年度は、「中計2016」の最終年度として、掲げた開発目標の実現に向けて、事業部門と本社技術開発本部とが一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新の情報通信技術(ICT/IoT)も活用しながら、研究開発に取り組みました。また、国の第5次エネルギー基本計画に示されている「水素社会の実現」を見据え、日本・豪州政府機関や関係各社とも連携して、水素の製造から輸送・貯蔵・利用までのサプライチェーンの早期構築に向けた取り組みにも注力しています。当連結会計年度における研究開発費は487億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 航空宇宙システム事業航空宇宙事業では、次期航空機事業への展開を目指し、P-1固定翼哨戒機/C-2輸送機の近代化・派生型、回転翼機の近代化・派生型、及びデブリ除去衛星をはじめとした宇宙機器システムなどの研究開発を実施するとともに、それらの開発に不可欠な基盤技術の強化を図りました。また、ロボット事業とのシナジーを活かし、次世代民間航空機の生産効率を向上させる自動化・ロボット化技術の開発のほか、革新生産技術の開発やICT/IoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。航空エンジン事業では、次世代民間エンジン国際共同開発に備え、圧縮機・燃焼器、及びギア関連技術や革新的な生産技術に関する研究開発に取り組んでいます。また、防衛エンジン事業分野においては、自社開発エンジンの実用化に向けた研究開発への取り組みを進めています。当事業に係る研究開発費は61億円です。 エネルギー・環境プラント事業エネルギー分野では、ガスタービンの高効率化や、ガスエンジンの更なる効率・信頼性向上、低コスト化に向けた技術開発に加え、100MW級CCPP(コンバインドサイクル発電プラント)の開発・市場投入等の海外展開を見据えた製品開発や、水素ガスタービンの開発等に取り組んでいます。プラント分野では、水素サプライチェーンの構築に向けて、産業用として初となる純国産独自開発の水素液化システムの開発や、液化水素貯蔵・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。また、世界的な資源有効利用、環境重視のニーズの高まりに対応し、バイオマスボイラの開発や新型セメント排熱ボイラの改良検討を継続実施するとともに、ごみ焼却発電プラントについて、ICT/IoTを活用した遠隔監視による状態把握やデータの活用による最適運用・運転支援技術の開発等に取り組んでいます。また、舶用推進システム分野では、環境規制強化に向けた舶用ガスエンジンの開発や推進機器の性能向上、ハイブリッド推進システム等の次世代技術・システムの開発に取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は39億円です。 精密機械・ロボット事業精密機械事業においては、ショベル分野における圧倒的なシェア維持を目指し、油圧ポンプ・モータ、コントロール弁等の高性能化や、燃費と操作性の更なる向上を目指した新たな油圧システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、マーケットニーズに応じた小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開を進めるとともに、水素関連事業として燃料電池車用高圧水素減圧弁等の開発に取り組んでいます。ロボット分野では、遠隔操縦による人間とロボットの協調作業を通してAI学習し、熟練技術者の動きを再現することで技能伝承も可能とする新ロボットシステム「Successor」の開発をしました。また、双腕型スカラロボット「duAro」の適用拡大に向けた高機能化の取り組み等に加え、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指した医療用ロボットや、堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイドロボット等の研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は62億円です。 船舶海洋事業コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や環境負荷低減技術を強化するとともに、LNG/LPGと重油双方を燃料とする2元燃料エンジンを搭載した新船型LNG/LPG運搬船や、LNG/LPG燃料推進システム、LNG燃料供給船の開発に加えて、AUV※等の水中機器の開発、船舶運航管理支援システム「SOPass」の機能拡大に向けた開発に取り組んでいます。また、水素サプライチェーンの構築に向け、世界初となる液化水素運搬船の実証船開発に注力しています。当事業に係る研究開発費は11億円です。(※ AUV: Autonomous Underwater Vehicle) 車両事業アジアを中心とした成長市場での新車販売力強化と適正利益の確保を目指した次世代標準車両における低コスト化技術の開発や、次世代新幹線向け高速車両の開発、車両信頼性向上・安全対策・メンテナンス性向上等のための高機能装置の開発、自動化・ロボット化による合理的生産技術の開発等に取り組んでいます。また、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシングやICT/IoTを活用した車両・軌道の状態監視等による効率的なメンテナンスシステムの開発を推進しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。 モーターサイクル&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指して、快適性とスポーツ性を両立させたアドベンチャーモデル「VERSYS 1000」、スマートフォン接続機能や高度な電子制御ライダーサポート技術を搭載した「VERSYS 1000 SE」や、Kawasakiが誇るビッグバイクの始祖である「W1」の血脈を受け継ぐ「W800 STREET/W800 CAFE」、更に米国市場で人気を博する四輪製品ラインアップにタフで機能性に優れた「MULE PRO-MX」を追加する等の新機種開発を行いました。また、かつてない新しいライディング体験の提供を目指し、人工知能を活用したモーターサイクルの開発も継続推進しています。当事業に係る研究開発費は156億円です。 本社部門・その他本社技術開発本部は、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、急激な社会変化に対応した新たな技術開発にも積極的に挑戦し、将来に向けた基盤技術の育成・強化を進めています。また、ICT/IoT活用によるものづくり革新や新たなサービス事業の創出についても、事業部門と協力して取り組み、製品ライフサイクル全体での競争力強化を進めています。更に、日本・豪州における各種液化水素インフラの開発・実証を着実に推進するとともに、商用化に向けた技術開発を積極的に推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は146億円です。
FY2018|2,728 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度は、「中計2016」で掲げた開発目標の早期実現に向け、事業部門と本社技術開発本部とが一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新の情報通信技術(ICT/IoT)も活用しながら、研究開発に取り組みました。また、国のエネルギー基本計画に盛り込まれている「水素を本格的に利活用する社会」の実現を見据え、日本・豪州政府機関や関係各社とも連携して、水素の製造から輸送・貯蔵、利用までのサプライチェーンの早期構築に向けた取り組みにも注力しています。当連結会計年度における研究開発費は454億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 船舶海洋事業コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や環境負荷低減技術を強化するとともに、LNGと重油双方を燃料とする二元燃料エンジンを搭載した新船型LNG運搬船や、LNG/LPG燃料推進船・LNG燃料供給船の開発、AUV※などの水中機器の開発、船陸間通信によるビッグデータを活用した船舶運航管理支援システム「SOPass」の機能向上に向けた開発に取り組んでいます。また、水素サプライチェーンの構築に向け、世界初となる液化水素運搬船の実証船開発に注力しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。(※ AUV: Autonomous Underwater Vehicle) 車両事業台車主構造にCFRPを採用した鉄道車両用台車「efWING※」の機能・生産性向上及び海外展開を見据えた開発に取り組んでいます。また、ICT/IoTを活用した車両・軌道の状態監視などによる効率的なメンテナンス技術の開発を推進しています。更に、鉄道車両の高速化に向けた軽量化・低騒音化・乗り心地の向上に取り組むとともに、次世代標準車両における低コスト化技術の開発にも注力しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。(※ efWING: environmentally friendly Weight-Saving Innovative New Generation Truck) 航空宇宙事業次期航空機事業への展開を目指し、P-1固定翼哨戒機/C-2輸送機の近代化・派生型、回転翼機の近代化・派生型、及びロケット衛星フェアリングなどの宇宙機器・システムなどの研究開発を実施するとともに、それらの開発に不可欠な基盤技術の強化を図りました。また、ボーイング777Xなど、次世代民間航空機の生産効率を向上させる自動化・ロボット化技術の開発のほか、革新生産技術の開発やICT/IoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。当事業に係る研究開発費は40億円です。 ガスタービン・機械事業エネルギー分野では、100MW級CCPP(コンバインドサイクル発電プラント)の開発など、海外展開を見据えた製品開発に加え、ガスタービンの高効率化や、ガスエンジンの更なる効率・信頼性向上、低コスト化に向けた技術開発、更には水素専焼ガスタービンの開発にも注力しています。航空機エンジン分野では、ギア及び燃焼器関連技術や革新的な加工技術に関する研究開発に取り組んでいます。舶用分野では、舶用推進システムの更なる性能向上など、製品競争力強化に向けた開発を進めています。当事業に係る研究開発費は38億円です。 プラント・環境事業水素サプライチェーンの構築に向けて、産業用として初となる純国産独自開発の水素液化システムの開発や、液化水素貯蔵・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。また、世界的な資源有効利用、環境重視のニーズの高まりに対応し、バイオマスボイラの開発や、新型セメント排熱ボイラの改良検討を継続実施するとともに、ごみ焼却発電プラントについて、ICT/IoTを活用した燃焼制御/運転支援技術の開発や、高温・高圧ボイラの実用化などに取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は14億円です。 モーターサイクル&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指し、高出力・強烈な加速力に加え、日常での扱いやすさと優れた燃費性能を実現する次世代のバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載した「Ninja H2 SX」、最新技術・装備を満載した「Ninja H2 SX SE」や、往年の名車、通称「Z1」へのこだわりを持ちながら最新の技術を投入した「Z900RS」、「Z900RS CAFE」、世界中で愛されるベストセラー「Ninja 250」の全面刷新と「Ninja 400」の同時開発、更に米国市場で人気を博する四輪製品ラインアップに取り回しを向上させた「MULE PRO-FXR」を追加するなどの新機種開発を行いました。また、かつてない新しいライディング体験の提供を目指し、人工知能を活用したモーターサイクルの開発も継続推進しています。当事業に係る研究開発費は158億円です。 精密機械事業ショベル分野における圧倒的なシェア維持を目指し、油圧ポンプ・モータ、コントロール弁などの高性能化や、燃費と操作性の更なる向上を目指した新たな油圧システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、マーケットニーズに応じた小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開を進めています。ロボット分野では、遠隔操縦による人間とロボットの協調作業を通してAI学習し、熟練技術者の動きを再現することで技能伝承も可能とする新ロボットシステム「Successor」を開発しました。また、双腕型スカラロボット「duAro」の適用拡大に向けた高機能化の取り組みなどに加え、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指し、医療用ロボットの研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は54億円です。 本社部門・その他本社技術開発本部は、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、将来に向けた基盤技術の育成・強化を進めています。また、ICT/IoT活用によるものづくり革新や新たなサービス事業の創出についても、事業部門と協力して取り組み、製品ライフサイクル全体での競争力強化を進めています。更に、日本・豪州における各種液化水素インフラの開発・実証を推進するとともに、商用化に向けた技術開発を積極的に推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は130億円です。
FY2017|2,502 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度は、「中計2016」の達成に向け、当社グループの持ち得る技術を結集して技術のシナジーを追求しつつ、事業部門と本社技術開発本部とが一体となって、研究開発に取り組みました。また、新たな顧客価値の創造を目指して、ICT/IoTの活用や、水素サプライチェーンの早期の構築に向けた取り組みにも力を入れています。当連結会計年度における研究開発費は436億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 船舶海洋事業コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や環境負荷低減技術を強化するとともに、天然ガスと重油双方を燃料とする2元燃料エンジンを搭載した新船型LNG運搬船や、LNG/LPG燃料推進船の開発、AUV※などの水中機器の開発、船陸間通信によるビッグデータを活用した船舶運航管理支援システムの開発に取り組んでいます。また、水素サプライチェーンの構築に向け、世界初となる液化水素運搬船の実証船開発に注力しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。(※ AUV: Autonomous Underwater Vehicle) 車両事業台車主構造にCFRPを採用した鉄道車両用台車「efWING※」の機能向上・海外展開を視野に入れた量産化に向けた開発を行っています。また、ICT/IoTを活用した車両・軌道の状態監視などによる効率的なメンテナンス技術の開発に取り組んでいます。さらに、軽量構体の開発をはじめとした高速化技術や標準車両の深度化による低コスト化技術の開発にも注力しています。当事業に係る研究開発費は8億円です。(※ efWING: environmentally friendly Weight-Saving Innovative New Generation Truck) 航空宇宙事業次期航空機事業への展開を目指し、P-1固定翼哨戒機/C-2輸送機の近代化・派生型、回転翼機の近代化・派生型、及びロケット衛星フェアリングなどの宇宙機器・システムなどの研究開発を実施するとともに、それらの開発に不可欠な基盤技術の強化を図りました。また、ボーイング777Xなど、次世代民間航空機の生産効率を向上させる自動化・ロボット化技術開発のほか、革新生産技術の開発やIoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。当事業に係る研究開発費は38億円です。 ガスタービン・機械事業ガスタービン部門では、市場のニーズにマッチする5MW級新型ガスタービンを開発しました。さらに、コージェネシステムのキーハードであるガスタービンのさらなる高効率化に向けた技術開発や、100%の水素を燃料とした水素専焼ガスタービンの開発にも注力しています。また、航空機エンジンについては、ギアおよび燃焼器関連技術や革新的な加工技術に関する研究開発に取り組んでいます。機械部門では、発電市場向けとして、世界最高水準の効率と環境性能を誇るガスエンジンのさらなる効率向上に向けた技術開発や、環境対応型の舶用推進システムの実用化を進めています。当事業に係る研究開発費は39億円です。 プラント・環境事業世界的な資源有効利用や環境重視のニーズの高まりに対応し、バイオマスなどの未利用燃料を利用できるボイラの改良開発を継続実施中です。また、ICT/IoTや3Dデータを活用したゴミ焼却発電プラントの燃焼制御/運転支援技術や、製品の設計・生産プロセスを最適化する取り組みを推進しています。さらに、水素サプライチェーンの構築に向けて、産業用として初となる純国産独自開発の水素液化システムの開発や、液化水素貯蔵・揚荷基地の技術実証を推進しています。当事業に係る研究開発費は13億円です。 モーターサイクル&エンジン事業Kawasakiのブランド力強化を目指し、優れた運動性能とツーリングに適した実用機能に加え、先進の電子制御技術により走行性能を高めたスポーツツアラー「Ninja 1000」や、新設計フレームを採用したZシリーズのニューモデル「Z900」などの新機種開発を行いました。さらに、かつてない新しいライディング体験の提供を目指し、人工知能を活用したモーターサイクルの開発にも着手しています。当事業に係る研究開発費は143億円です。 精密機械事業油圧機器部門では、ショベル分野における圧倒的なシェア維持を目指し、油圧ポンプ・モータ、コントロール弁などの高性能化や、燃費と操作性のさらなる向上を目指した新たな油圧システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、それに適した小型軽量・高効率な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発ならびにシリーズ展開を進めています。ロボット部門では、人と産業用ロボットとが共存・協調して安全に作業ができる双腕型スカラロボット「duAro」の適用拡大に向けた高機能化や、業界最小・最軽量のロボットコントローラなどの開発を行いました。さらに、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指し、医療用ロボットの研究開発にも取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は53億円です。 本社部門・その他本社技術開発本部は、当社グループのさらなる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」開発に取り組むとともに、将来に向けた基盤技術の育成・強化を進めています。また、ICT/IoT活用によるものづくり革新や新たなサービス事業の創出についても、事業部門と協力して取り組み、製品ライフサイクル全体での競争力強化を進めています。さらに、国のエネルギー基本計画に盛り込まれている「水素を本格的に利活用する水素社会」の実現を見据え、水素の製造から輸送・貯蔵、利用までのサプライチェーンの早期構築に向けたパイロット規模の液化水素インフラの開発・実証を、事業部門、さらには政府機関や関係各社とも連携して積極的に推進しています。これら本社部門に係る研究開発費は130億円です。
FY2016|2,712 文字
6【研究開発活動】 当連結会計年度は「中計2013」を締め括る年度として、当社グループの有する技術を結集して技術のシナジーを追求しつつ、事業部門と本社技術開発本部とが一体となって、「新製品・新事業」の開発に取り組みました。また、新たな顧客価値の創造を目指し、次世代の「新製品・新事業」を産み出すための基盤技術や、水素サプライチェーンを含む各種機器・システム全般の開発にも力を入れています。 当連結会計年度における研究開発費は436億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。 船舶海洋事業 コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や潜水艦技術を強化するとともに、天然ガスと重油双方を燃料とする2元燃料エンジンを搭載した新船型LNG運搬船や、海洋分野に向けたAUV※などの水中機器の開発に注力しています。また、水素サプライチェーンの構築に向け、世界初となる液化水素運搬船の実証船開発にも注力しています。 当事業に係る研究開発費は8億円です。(※ AUV: Autonomous Underwater Vehicle) 車両事業 台車主構造にCFRPを採用し、エネルギーコスト削減や走行安全性・乗り心地向上に寄与する新世代の鉄道車両用台車「efWING※」の機能向上・量産化に向けた開発を行っています。また軽量構体の開発をはじめとした高速化技術や、IoT技術などを活用した車両・台車のインテリジェント化技術、アジア新興国での生産を念頭においたグローバル標準車両の開発に取り組んでいます。更に自社開発の大容量ニッケル水素電池システム「ギガセル®」や、停電時の非常走行を実現する鉄道システム用地上蓄電設備「BPS※」の製造技術向上・低コスト化にも注力しています。 当事業に係る研究開発費は12億円です。(※ efWING: enviromentally friendly Weight-Saving Innovative New Generation Truck)(※ BPS: Battery Power System) 航空宇宙事業 次期航空機事業への展開を目指し、P-1固定翼哨戒機/XC-2次期輸送機の近代化・派生型、回転翼機の近代化・派生型、及びロケット衛星フェアリングなどの宇宙機器・システムなどの研究開発を実施するとともに、航空機開発に不可欠な基盤技術の強化を図りました。また、ボーイング777Xなど、次世代民間航空機の生産効率を向上させる自動化・ロボット化技術の開発や、更なる将来を見据えた新材料、新装備システム、革新生産技術などにも注力しています。 当事業に係る研究開発費は43億円です。 ガスタービン・機械事業 ガスタービン部門では、天然ガス燃料の消費量低減やCO2排出量削減のため、工場などで発生する副生水素ガスを混焼するガスタービンに加え、新たに100%の水素を燃料とし、水や蒸気を用いずに低NOx燃焼が可能な水素専焼ドライ・ロー・エミッション(DLE)燃焼技術を開発しました。また航空機エンジンについて、ギア関連技術や革新的な加工技術に関する研究開発に注力しています。 機械部門は、舶用ディーゼルから排出される大気汚染物質を削減するシステム「K-ECOS※」を開発しました。また発電市場向けとして、世界最高の効率と環境性能を誇る大型ガスエンジンの更なる効率向上に向けた技術開発を進めています。 当事業に係る研究開発費は41億円です。(※ K-ECOS: Kawasaki-ECO System) プラント・環境事業 世界的な資源有効利用や環境重視のニーズの高まりに対応し、バイオマスなどの未利用燃料を利用できるボイラの改良開発や、ごみ焼却炉の燃焼制御技術の高度化を継続実施中です。また、最新のICT技術や3Dデータを活用した製品の設計・生産プロセスの最適化への取り組みを推進しています。更に、水素サプライチェーンの構築に向けて、産業用として初となる純国産独自開発の水素液化システムの開発や、液化水素貯蔵・揚荷基地の技術実証を推進しています。 当事業に係る研究開発費は11億円です。 モーターサイクル&エンジン事業 Kawasakiのブランド力強化を目指し、レース活動で得たノウハウを市販モデルにフィードバックし、更なる性能向上を果たした「Ninja ZX-10R」や、Zシリーズの中で最も軽量・コンパクトなスーパーネイキッドモデル「Z125 / Z125 PRO」などの新機種開発を行いました。更に、新興国から先進国まで幅広いユーザを魅了する世界戦略車の新機種開発も進めています。 当事業に係る研究開発費は133億円です。 精密機械事業 油圧機器部門では、ショベル分野における圧倒的なシェア維持を目指し、油圧ポンプ・モータ、コントロール弁などの更なる高性能化や、燃費と操作性の更なる向上を目指した新たな油圧システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販も見据え、産業車両の油圧変速システムや、それに適した小型軽量・高効率な油圧ポンプ・モータの開発を行いシリーズ展開を進めています。 ロボット部門では、省人化・自動化ニーズに対応すべく、人と産業用ロボットとが共存・協調して安全に作業ができるロボットとして、双腕スカラロボット「duAro」や、大型製品や資材・建材等の超重量物の搬送ニーズに応える超重可搬ロボットなどの開発を行いました。更に、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指し、医療用ロボットの研究開発にも取り組んでいます。 当事業に係る研究開発費は61億円です。 本社部門・その他 本社技術開発本部は、当社グループの将来に亘る企業価値の向上を目指し、各BUのコア・コンピタンスの強化を図るとともに、事業部門と一体となって「新製品・新事業」開発に取り組んでいます。 また、次の世代の「新製品・新事業」開発に備え、新たな顧客価値創造の源となる基盤技術の育成・強化を進めるとともに、ICT/IoT活用によるものづくり改革や新たなサービス事業の創出についても、技術開発本部と事業部門が協力して取り組んでいます。 更に、国のエネルギー基本計画に盛り込まれている「水素を本格的に利活用する社会(“水素社会”)」の実現を見据え、水素の製造から輸送・貯蔵、利用までのサプライチェーンの早期構築に向けた技術開発を、事業部門と連携して積極的に推進しています。 これら本社部門・その他に係る研究開発費は124億円です。