研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
401 |
| 2024-03 |
- |
525 |
| 2023-03 |
- |
531 |
| 2022-03 |
- |
411 |
| 2021-03 |
- |
186 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,490 文字
6 【研究開発活動】ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボットアプリケーション技術本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシンの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。各研究開発本部では、新たなAI機能の開発と、これまでにリリースしたAI機能の改良や適用範囲の拡大に取り組んでいます。次世代技術研究所では、将来を見据えた基礎的なAI機能の研究を行っています。特に近年は、生成AIの活用検討に注力しており、社内業務での活用や一部では商品への応用検討が進められています。このようなAI技術に関する取り組みにより、競合他社との差別化を図ります。当連結会計年度の研究開発費は、46,666百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、最新機種の「ファナック シリーズ 500i-A」にて、最新の高性能ハードウェアのラインナップ追加や、旋盤や自動盤に向けた新しい考え方に基づく旋削機能の実装を行い、適用範囲を拡大しています。また、幅広く工作機械に採用いただいている「ファナック シリーズ 0i-F Plus」では、工程集約に寄与する機能追加や、表示画面の大型化への対応など、機械の付加価値向上につながるレベルアップを行いました。デジタル技術の活用につきましては、シミュレーションにより加工プロセスを改善するデジタルツイン関連商品のレベルアップを行い、それらを統合的に管理する「FANUC Smart Digital Twin Manager」をリリースしました。また、製造現場のDXを支援するデータ基盤である「FIELD system Basic Package」では、大規模工場での適用に求められる仮想サーバ上での動作を新たにサポートするなど、機能強化を継続しています。サーボにつきましては「αi-Dシリーズサーボ」に、ハイエンド市場への拡販に寄与する「DDモータDiS-Dシリーズ」および「リニアモータLiS-Dシリーズ」、マシニングセンタ用主軸や旋盤主軸等への拡販に寄与する「ビルトインスピンドルモータBi-Dシリーズ」のラインアップを追加しました。 ロボットにつきましては、新機種として、大型パレタイジングロボットM-410/800F-32C、大型ハンドリングロボットM-1000/550F-46A、防爆タイプの協働ロボットCRX-10iA/L Paintを開発しました。また、最新のロボット制御装置R-50iAに対応した新型軽量教示操作盤を開発しました。M-410/800F-32Cは、従来の700kg可搬パレタイジングロボットM-410iB/700の後継モデルです。可搬能力を800kgに強化し、各軸最高速、動作領域も向上しました。従来ロボット本体の外部に張り出していたケーブルをロボット本体内に収納し、スマートなデザインに一新しました。幅広い産業分野で大型、重量物の搬送作業にご活用いただけます。大型ハンドリングロボットM-1000シリーズのバリエーションとして、ロングリーチのM-1000/550F-46Aを新たに開発しました。近年、自動車産業で増加している、ギガキャストと呼ばれる大型部品の一体成形工程では、高可搬で広い動作領域を持つロボットのニーズが高まっています。M-1000/550F-46Aはこのような用途に適した550kg可搬、4.6mリーチのロボットです。アーム1本のシリアルリンク構造と4.6mのロングリーチにより、ロボットの上方・後方まで広い動作範囲を実現しました。協働ロボットCRXシリーズでは、各国、地域での防爆規格に対応した国際規格防爆協働ロボットCRX-10iA/L Paintを開発しました。従来のCRXシリーズ同様、ロボットを直接動かすダイレクトティーチにより簡単に塗装経路を教示できます。防爆仕様が必要な塗装用途でも協働ロボットを活用いただけます。さらに、新型軽量教示操作盤は、重量は従来比40%減の750g、体積は従来比45%削減と大幅な小型軽量化を実現しました。手になじむエルゴノミックデザインを採用し、長時間の使用でも作業者の負担を軽減します。小型軽量化にも関わらず、従来と同じ高解像度の大画面を採用し見やすい画面表示を実現しています。スマートフォンと同様のタッチ操作が、高感度のタッチパネルにより、作業現場でよく使用される軍手を着用していてもストレスなく行えます。これらをはじめとする新商品、新機能により、お客様の製造現場の自動化に貢献します。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤ放電加工機)につきましては、ロボドリルでは「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」のロボットパッケージ、熱変位補正機能、省エネルギー機能、独自Gコードの改良開発を行い、ロボドリルの使いやすさと生産性を向上しました。ロボショットでは「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」の省エネルギー化に役立つ可塑化エネルギーモニタ、可塑化部用の保温ジャケットを開発しました。樹脂材料を加熱溶融する可塑化部で放出される熱エネルギー損失の見える化と抑制を可能とし、消費電力を削減します。ロボカットでは「ファナック ロボカット α-CiCシリーズ」放電制御の改良により、加工開始点と終了点が重なるアプローチ部の仕上がりを改良することで加工精度を向上し、高精度金型市場への対応を強化しました。
FY2024|2,985 文字
6 【研究開発活動】ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボットアプリケーション技術本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。IoTにつきましては、接続されている機器からデータを集め、使いやすい形に整理・整頓・統合するデータ基盤である「FIELD system Basic Package」を強化しました。CNCおよびロボットデータの取得やバックアップ機能を強化し、当社商品とより高度な連携ができるようになりました。また、複数の「FIELD system Basic Package」を連結させることでこれまで以上に多くの機器のデータを統合できるようになりました。「FIELD system Basic Package」は製造現場のデータを安全に効率良く活用・分析することで、設備の稼働率向上や製造物に対するトレーサビリティの保存、脱炭素化への取り組みなど、製造現場および工場全体の最適化に寄与します。ロボットについては、ZDTのIoT技術により、国をまたいで複数の工場に設置されているロボットをネットワークで接続し、故障予知や異常検出を実現しています。これにより、ユーザは故障前に保守を行うことで稼働を維持できます。現在、世界で35,000台のロボットがZDTに接続され、すでに2,000件以上のダウンタイムを防止しました。2023年度は特にスポット溶接やアーク溶接等のプロセスに関する診断と長期ログ機能を充実させました。また、稼働情報をZDTが分析し、生産ラインに並ぶロボットの保守優先度を表示する新機能を開発しました。この新機能により、人手不足に悩む設備保全作業を効率化できます。ZDTにより、ロボットで自動化された生産ラインの稼働率向上に貢献します。AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシンの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。各研究開発本部では、新たなAI機能の開発と、これまでにリリースしたAI機能の改良や適用機種の拡大に取り組んでいます。次世代技術研究所では、将来への布石となる基礎的なAI機能の研究を行うとともに、AI機能の品質を保証する仕組み作りやAI機能が出力した結果の解釈性向上にも取り組んでいます。このようなAI技術に関する取り組みにより、競合他社との差別化を図ります。当連結会計年度の研究開発費は、49,813百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、変化する市場要求に対応する当社の新CNCシリーズ「ファナック シリーズ 500i-A」をリリースしました。ハードウェアとソフトウェアを全面的にリニューアルしたCNCです。マルチコアCPUにより大幅に向上した処理性能、5軸加工機や複合加工機における段取りやプログラミングの使いやすさ向上、保守性に優れた筐体構造、CNCのデータやサーボモータの回転位置情報を保持するためのバッテリを不要とする新システムの採用、加工現場の作業に寄り添った操作画面、セキュリティや安全機能の向上等、工作機械に更なる付加価値を提供します。また、幅広く工作機械に採用いただいている「ファナック シリーズ 0i-F Plus」につきましても新CPUを搭載して更なる基本性能の向上を行い、サイクルタイム短縮に寄与する機能追加も行いました。サーボにつきましては、サーボシステム全体を刷新した「ファナック αi-Dシリーズ サーボ」をリリースしました。省エネルギー、性能、信頼性、使いやすさの観点で大きなレベルアップを図っています。 ロボットにつきましては、世界で初めてセキュリティ国際規格IEC62443-4-1、4-2の第三者認証を取得したロボット制御装置「ファナック R-50iA 制御装置」の販売を開始しました。セキュリティ認証を取得した安全性のもと、ZDT(ゼロダウンタイム)といったIoT商品の更なる拡張、携帯電話のテザリングを使ったリモート保守などを実現します。また、制御性能を強化することで、軌跡上の信号出力やトラッキング精度を倍増させるとともに、内蔵ビジョンの解像度も500万画素に上げて広視野をカバーします。さらには低損失パワー素子を搭載した新型アンプと低消費電力ファン、新機能のエコモードにより、消費電力を削減しました。ロボットの新機種としては、重可搬ロボット「ファナック ロボット M-950iA/500」、中型ロボット「ファナック ロボット M-710iDシリーズ」、食品・医薬品製造向けのスカラロボットおよび協働ロボットを開発しました。500kg可搬の「M-950iA/500」は、アーム1本のシリアルリンク構造を採用することにより、アーム2本の平行リンクタイプに比べて、動作範囲が圧倒的に広く、ロボット旋回時の干渉も小さくできるため、狭い場所でも柔軟な設備を構築可能です。長大ワークの搬送に加え、バッテリなど重量部品の搬送に適しています。また、「ファナック ロボット M-710iCシリーズ」を17年ぶりにリニューアルし、「M-710iC/45M」の後継モデルとして50kg可搬の「M-710iD/50M」、「M-710iC/70」の後継モデルとして70kg可搬の「M-710iD/70」を開発しました。動作性能の強化に加えて、防塵防滴性能や剛性をレベルアップさせており、工作機械への部品供給や搬送、物流など幅広い産業分野に活用いただけます。さらに、協働ロボット「ファナック ロボット CRXシリーズ(CRX-5iA、CRX-20iA/L、CRX-30iA)」の食品グリース仕様、およびクリーン環境仕様の12kg可搬スカラロボット「ファナック ロボット SR-12iA/C」を開発しました。専用機や人手作業の多い食品・医薬品製造業界において、ロボット導入の切り口となることが期待されます。これらをはじめとする新商品、新機能により、お客様の製造現場の自動化に貢献します。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤ放電加工機)につきましては、ロボドリルでは「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」のY軸ストローク500㎜仕様、工具収納本数28本仕様、旋削加工に対応可能な高速回転テーブルを開発し、ロボドリルの適用範囲を拡げ、使いやすさを向上させました。ロボショットでは「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」に型締力15トンと450トンの2機種を追加し、ラインナップを完成しました。ロボカットでは大型のワイヤ放電加工機「ファナック ロボカット α-C800iC」を開発しました。これにより、大型の高精度金型や部品など、幅広い加工への対応が可能になりました。
FY2023|2,265 文字
6 【研究開発活動】ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、IoT研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。IoTにつきましては、接続されている機器からデータを集め、使いやすい形に整理・整頓・統合するデータ基盤であるFIELD system Basic Packageを開発しました。広く普及している情報分析ツールを活用して、稼働や品質、保全活動の最適化をより迅速に行うことを可能とし、データ入出力のセキュリティも担保して、安全性を高めました。また、分析するデータのカスタマイズも可能とし、製造実行システム(MES)等の上位システムとの連携も容易になります。これにより、製造現場および工場全体の最適化に寄与します。AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシンの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。これまでにリリースしたAI機能は10種類あり、それぞれの機能の改良や拡張、および適用機種の拡大などに各研究開発本部が取り組んでいます。また、次世代技術研究所では、将来への布石となる基礎的なAI機能の研究を行うとともに、AI機能の品質を保証する仕組み作りや、AI機能が出力した結果を利用者が受入れやすくするための解釈性向上にも取り組んでいます。AI技術の活用により、全商品の知能化をさらに推し進め、競合他社との差別化を図ります。当連結会計年度の研究開発費は、51,941百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、ファナックCNCのデジタルツインの中核技術である「CNCガイド2」と「加工面推定機能」の強化を行いました。「CNCガイド2」では、サーボモデルを活用することによりモータの動特性までを忠実に再現し、シミュレーションの精度を高めました。また「加工面推定機能」では、推定した加工面と元のCADデータとの比較情報・速度・加速度などの付加情報を推定した加工面上に表示するなど、製造現場での使いやすさについての強化も行いました。一般産業機械用CNCであるパワーモーションシリーズでは、産業機械の制御に適した高速・高応答なCNC「ファナック パワーモーション i-MODEL A Plus」を開発しました。高いカスタマイズ性やIoT化、ロボットの簡単接続など、更なる使いやすさを実現しました。I/Oユニットでは、小型化を実現した「ファナック スライス I/O」を開発しました。拡張性、作業性、保守性に優れ、工作機械の制御盤の省スペース化に貢献します。サーボにつきましては、AIによる調整機能を持つサーボ調整ツール「サーボガイドPlus」をリリースしました。サーボ調整をより簡単に実施でき、工作機械の性能を引き出します。 ロボットにつきましては、協働ロボットCRXシリーズのラインアップを拡充し、従来の10kg可搬に加え、5kg可搬、20kg可搬、25kg可搬の「ファナック ロボット CRX-5iA、CRX-20iA/L、CRX-25iA」の3機種を開発しました。CRX-5iAは、コンパクトで卓上作業に向いています。CRX-20iA/Lは、ロボット質量が41kgと軽量なため、無人搬送車や手押し台車に載せて、簡単に移動して使用できます。CRX-25iAは、高可搬かつ広範囲に動くことが可能で、段ボール箱搬送など物流でのパレタイジングに最適です。また、35kg可搬の緑の協働ロボットの後継機である「ファナック ロボット CR-35iB」を開発しました。従来タイプからロボット質量を6割、サイズを2割削減し、大幅に軽量・コンパクト化して、使いやすさを向上させました。協働ロボットは、機械加工、溶接、物流、組立など、人手中心の様々な分野の自動化に貢献します。ゲンコツロボットシリーズでは、全部位にステンレスを採用した「ファナック ロボット DR-3iB/6 STAINLESS」を開発しました。ステンレスであることから耐腐食性に優れ、また排水性を考慮した形状で丸洗いできるため、生鮮食品などの搬送に最適です。これらをはじめとする新商品等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤ放電加工機)につきましては、ロボドリルでは、「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」のカスタムGコードを充実させることにより、サイクルタイムを短縮し、使いやすさを向上させました。ロボショットでは、最新機種「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」に型締力300トンのα-S300iB大容量射出仕様を追加し、自動車部品などの大型成形品への対応を強化しました。ロボカットでは、最新機種「ファナック ロボカット α-CiCシリーズ」の基本性能向上に取り組みました。特に自動結線機能については結線動作の所要時間を大幅に短縮し、金型加工時の生産性向上を実現しました。
FY2022|2,227 文字
5 【研究開発活動】ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、レーザ研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。IoTへの対応として、製造現場の情報を集約し、生産性の向上を目指すエッジプラットフォームであるFIELD systemにおいて、工場設備との接続を簡略化することによる操作性の改善、ネットワーク認証への対応によるセキュリティの向上、アプリケーション開発の利便性の向上などを行いました。AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシンの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。FAでは、主軸や送り軸の異常監視を行うAIサーボモニタを市場に投入しました。また、AIサーボチューニングの自動調整項目を拡充しました。ロボットでは、少ない教師データで学習可能なAI良否判定機能の市場導入が進み、また従来難しかった密着した段ボール箱を検出するビジョン機能にも取り組んでいます。ロボマシンでは、AI熱変位補正(ロボドリル、ロボカット)とAIバックフローモニタ(ロボショット)が、それぞれの商品に搭載されました。また、当社の次世代技術研究所では、新たなAI機能の開発とともに、AI機能の品質をいかにして保証するかといった課題にも取り組んでいます。AI技術の活用により、全商品群の知能化をさらに推し進め、競合他社との差別化を図ります。 当連結会計年度の研究開発費は、49,970百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、ファナックCNCのデジタルツインを実現するため、「CNCガイド2」と「加工面推定機能」を開発しました。「CNCガイド2」は、CNC用に作成した加工プログラムを読み込んで、工具の動きをPC上で忠実に再現することができます。また「加工面推定機能」は、「CNCガイド2」の工具位置情報を読み取り、実加工せずに加工結果を推定できます。さらに、デジタルツインを支える産業用PCとして、現場の劣悪な環境でも正確に動作する静電容量式タッチパネルを備えた「FANUC iPC」を開発しました。サーボにつきましては、主軸速度を周期的に変動させて、加工中のびびり振動を抑制する機能を開発しました。このほか、AIによるサーボ調整機能の拡充や、様々な市場向けの拡販のためのラインナップの強化などを行いました。 レーザにつきましては、適用が広がりつつあるリモート溶接およびリモート切断市場に対応するため、リモートレーザロボット用オプションとしてレーザスキャナを開発しました。ロボットとレーザスキャナを一体で提供できるため、今後の拡販が期待されます。 ロボットにつきましては、1000kg可搬の大型ハンドリングロボット「ファナック ロボット M-1000iA」を開発しました。上下方向および前後方向に広い動作範囲、強力な手首性能を有する「ファナック ロボットM-1000iA」は、EV市場向けのバッテリユニットや建材といった重量物の搬送や穴開け加工など、幅広い産業分野への導入が期待されます。また、軽量・コンパクトで、広い動作範囲と高い防塵防滴性能を兼ね備えた「ファナック ロボット LR-10iA/10」を開発しました。従来の同可搬質量のロボットに対して機構質量が3分の1以下と大幅に軽量化されており、省エネを実現しつつ、工作機械への部品供給や近年需要が高まる物流業界でのピッキングなど様々な用途への適用が見込まれます。スカラロボットシリーズでは、天井に設置するタイプの「ファナック ロボット SR-3iA/U」を開発しました。アームリーチ以内の範囲にアーム先端が到達できないエリアがないことを特長としています。天井に設置して本体の真下を作業領域とするため、設置に必要な床面積を気にすることなく省スペースなロボットシステムを構築できます。これらをはじめとする新商品等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤ放電加工機)につきましては、ロボドリルでは、最新機種「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」において、操作画面の改良や付加軸テーブルによる旋削加工への対応機能の追加等のレベルアップを行いました。また、ロボドリルの稼働監視ソフトウェア「ファナック ロボドリル-LINKi」にプログラム単位で信号状態の分析が可能な機能を追加し、使いやすさを改良しました。ロボショットでは、最新機種「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」にα-S50iB高精度型締仕様を追加し、高精度化が進むレンズ成形市場への対応を図りました。ロボカットでは、最新機種「ファナック ロボカット α-CiCシリーズ」に細線仕様とZ軸ストローク400mm仕様を追加し、加工ワークの対象範囲を拡大しました。
FY2021|2,254 文字
5 【研究開発活動】ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、レーザ研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部、ロボナノ研究開発部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。また、IoTビジネス本部では、FIELD systemやデジタルユーティリティクラウドなどの開発を進めました。IoTへの対応として、製造現場にある各社の機械、センサなどが繋がり、様々な企業がアプリケーションソフトウェアの開発に参加できるオープンプラットフォームであるFIELD systemにおいて、工場内の工作機械など設備の稼働監視を目的としたアプリケーションである「PMA-Monitor」を開発しました。また、 工作機械業界をはじめとした製造業のデジタルトランスフォーメーションを支援する場をクラウドサービスとして提供する「デジタルユーティリティクラウド」の実現に向け、富士通株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社とともに「株式会社DUCNET」を設立しました。「デジタルユーティリティクラウド」を利用する各企業のさらなるものづくり力の強化に貢献すること、ならびに機械メーカや機械ユーザ、商社、ITベンダなどの参加各社が、サービス提供者でありサービス利用者になれるエコシステムを実現することを目指します。AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。近年開発したAIサーボチューニング(FA)、AI軌跡制御(ロボット)、AI熱変位補正(ロボドリル、ロボカット)は、既に各商品群の市場に投入され、実際の製造現場で製造設備の稼働率の向上、使いやすさ向上、加工精度の向上に寄与しています。また、当社の次世代技術研究所では、次の数年間に市場投入を予定している新たなAI機能を開発中であり、将来への布石となる基礎的なAI機能の研究にも着手しています。AI技術の活用により、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群の知能化を更に推し進め、競合他社との差別化を図ります。当連結会計年度の研究開発費は、46,949百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、高い加工性能に磨きをかけた当社のハイエンドCNC「ファナック Series30i/31i/32i-B Plus」に最新のマルチコアCPUを採用した高速モデルを追加しました。また、標準CNC「ファナック Series 0i-F Plus」において、周辺軸を取り込むための軸拡張や15インチ表示器を採用した新たなパッケージの追加を行いました。サーボにつきましては、確実な切り屑細断を実現する「サーボ学習オシレーション」の改良を進めました。このほか、様々な市場向けに拡販すべく、ラインナップの強化、新機能の開発などを行いました。 レーザにつきましては、用途が拡大している高出力ファイバレーザにおいて、溶接市場の要求に応えるため、最大レーザ出力12kWのファイバレーザとロボットを接続する機能の開発を行いました。今後、溶接市場への拡販が期待されます。 ロボットにつきましては、アームに触れれば安全に止まる接触停止機能、アームを直接操作するダイレクトティーチ、タブレット操作でアイコンをドラッグ&ドロップする直感的なプログラミングを実現した「ファナック ロボット CRXシリーズ」を開発し、販売を開始しました。これまでロボットをお使いいただいたことのないお客様でも容易にロボットを導入いただけるようになります。また、スカラロボット「ファナックロボット SRシリーズ」において、より大型の12kg可搬と20kg可搬のモデルを追加しました。さらに、従来型センサと比べ、より広い範囲を高速に計測できる「3Dビジョンセンサ 3DV/1600」を開発しました。これらをはじめとする新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、ロボドリルでは、加工サイクルタイムを短縮し、使いやすさと信頼性を向上させた「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」を新たに開発しました。ロボショットでは、成形性能の向上に加え、表示装置に21.5インチの横型ワイド画面を採用し、操作性を向上させた「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」を開発しました。ロボカットでは、機構設計を刷新し剛性の強化を図り、加工面の面粗さ向上と加工時間の短縮を実現した「ファナック ロボカット α-CiCシリーズ」を開発しました。ロボナノ(超精密加工機)では、操作画面で直接周辺機器を操作する機能のレベルアップや、ワークを機上から外さずに形状計測および補正加工できる「Smart M-Form」を開発するなど、使いやすさの向上を図りました。
FY2020|2,577 文字
5 【研究開発活動】当期におきましては、厳しい事業環境ではありましたが、将来の成長のために必要となる研究開発投資は継続して行いました。 ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に性能の向上等を推し進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。 基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。 また、FIELD推進本部では、FIELD systemやデジタルユーティリティクラウドなどの開発を進めました。 (注)FIELD推進本部は、2020年4月1日付で、新設されたIoT統括本部に機能集約しました。 IoTへの対応としまして、製造現場にある各社の機械、センサなどが繋がり、様々な企業がアプリケーションソフトウェアの開発に参加できるオープンプラットフォームであるFIELD systemにおいて、機能を拡張し、操作性と信頼性を向上させたベースソフトウェアの第3版をリリースしました。FIELD systemは、製造現場の各種機器を接続し、生産性の向上を図るIoT商品で、製造現場のエッジ部分(加工現場、組立現場)で情報をリアルタイムに処理できる点が大きな特長です。 また、富士通株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社とともに「デジタルユーティリティクラウド」の実現に向けた協業を開始しました。これは、工作機械業界全体で重複している社内業務の効率化および顧客サービスの高度化を目指し、デジタル革新を加速させる取り組みで、実現に向けて当社を含めた3社は、業界各社のビジネスをデジタル化する上で共通利用できるクラウドサービスの開発を行います。 AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群において、株式会社Preferred Networksとも協力し、より実用的なAI機能の開発を推進しております。例えば、近年開発したAIサーボモニタ(FA)、AI軌跡制御(ロボット)、AI熱変位補正(ロボドリル、ロボカット)は、既に各商品群の市場に投入され、実際の製造現場で製造設備の稼働率の向上、使いやすさ向上、加工精度の向上に寄与しております。また、当社の基礎研究所(2020年4月1日付で、「次世代技術研究所」に名称変更しました。)では、次の数年間に市場投入を予定している次のAI機能を開発中であり、将来への布石となる基礎的なAI機能の研究にも着手しております。AI技術の活用により、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群の知能化を更に推し進め、競合他社との差別化を図ります。 当連結会計年度の研究開発費は、51,315百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCにつきましては、「ファナック 30iシリーズ」の最新機種として、ファナックの最新制御技術を標準搭載し、高速・高精度・高品位加工に磨きをかけた「ファナック Series 30i/31i/32i-B Plus」を開発しました。また、工作機械へのファナックロボットの導入を容易にする「CNC-QSSR」を開発しました。サーボにつきましては、機械学習を用いたサーボ調整により、高度な振動抑制効果を得られる「AIサーボチューニング」の改良を進めました。また、「DDモータDiS-Bシリーズ」に、新たに15機種を追加し、ラインナップの強化に努めました。 レーザにつきましては、金属・非金属の切断、溶接、積層造形加工などにお使いいただけるファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」にて、内部ユニットの改良により、更なる高効率化を実現しました。少ないエネルギーで高出力のレーザ発振を可能としたことで、省電力化に寄与します。 ロボットにつきましては、安全柵を必要とせず、人との協働作業が可能な協働ロボットのラインナップに「ファナック ロボット CRX-10iA」を追加しました。長年培った高い信頼性および安全性に加え、直観的な操作が可能なため、これまでロボットをお使いいただいたことのないお客様でも容易にロボットを導入いただけるようになります。また、アームにケーブルを内装し、デザインと機能を両立させた「ファナック ロボット R-2000iD/210FH」を開発しました。配管配線の周辺設備との接触を懸念する必要がなくなり、オフライン教示が容易になります。さらに、教示した位置を正確に通過する曲線を描くことができる「自由曲線動作機能」を開発しました。これらをはじめとする新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiBシリーズ」では、当社の最新のCNC機能およびサーボ機能を最大限に活用して加工サイクルタイムを短縮し、特に自動車部品加工市場での販路を拡大しました。「ファナック ロボショット α-SiAシリーズ」では、近年市場要求が急速に高まりつつある医療部品の成形に適したオプション機能を開発し、パッケージ化して、市場への浸透を加速しました。「ファナック ロボカット α-CiBシリーズ」では、放電制御回路と放電制御ソフトのレベルアップにより加工精度と使いやすさを更に向上させ、従来未達成であった高精度金型市場への拡販を可能としました。ロボナノ(超精密加工機)では、最新のCNC技術およびサーボ技術を適用した旋盤系超精密加工機「ファナック ロボナノ α-NTiA」の開発を完了し、市場に投入しました。2018年に発売したマシニング系超精密加工機「ファナックロボナノ α-NMiA」に続く旋盤系の市場投入によりロボナノのラインナップが出揃い、超精密加工市場のニーズに幅広く対応する事が可能となりました。
FY2019|2,015 文字
5 【研究開発活動】当期におきましては、「信頼性向上」と「スピードアップ」等を推進するため、引き続き積極的に研究員の採用を進めるとともに、研究所群の拡張を行いました。こうしたなか、ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に性能の向上等を推し進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。 基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。 また、アメリカ西海岸に新たに先端技術研究所を設立しました。カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学などと交流しながら、CNC、ロボットの知能化に取り組みます。 当社は、IoTへの対応としまして、従来のFA、ロボマシンのLINKi機能において機能追加を行うとともに、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD systemにおいてベースソフトウェアの第2版をリリースしました。FIELD systemは、製造現場の各種機器を接続し、生産性の向上を図るIoT商品で、製造現場のエッジ部分(加工現場、組立現場)で情報をリアルタイムに処理できる点が大きな特長です。 また、AIにつきましては、FA、ロボット、ロボマシンの全商品群において、株式会社Preferred Networksと協力し、AI技術の適用を推し進めています。今後も、AI技術をより活用することにより、各商品の知能化をさらに進め、他社との差別化、高付加価値化を図ります。 さらに、FIELD systemとAI技術の組み合わせにより、各商品の知能化機能の性能が高まり、かつその結果がIoTで共有可能となるなど、大きな相乗効果を期待できます。 当連結会計年度の研究開発費は、56,162百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCシステムにつきましては、ファナックのグローバルスタンダードCNCである「ファナック Series 0i-F」の後継機種として、最新の制御技術を搭載するとともに使い易さを向上させた「ファナック Series 0i-F Plus」を開発しました。サーボにつきましては、切り屑処理を効率化する「サーボ学習オシレーション」のほか、機械学習を用いたサーボ調整により、高度な振動抑制効果を得られる「AIサーボチューニング」などを開発しました。また、様々な用途向けに拡販すべく、ラインナップの強化に努めました。 レーザにつきましては、ファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」で中厚板の高速切断および厚板切断の市場要求に応えるため、最大出力12kWのファイバレーザの開発を行いました。幅広いレーザアプリケーションの要望に対応することができ、今後の拡販が期待されます。 ロボットにつきましては、安全柵を必要とせず人との協働作業が可能な緑のロボット「協働ロボット」に小型の14kg可搬モデルを追加し、ラインナップを拡充しました。また、実軌跡を加速度センサで推定し、目標軌跡とのずれを学習により改善する「AI軌跡制御機能」を新たに開発したことで、高軌跡精度が必要となるレーザ切断やウォータジェット加工等の用途向けに拡販が期待されます。さらに、従来型センサと比べ、より広い範囲を高速に計測できる「3Dビジョンセンサ 3DV/600」を開発しました。これらをはじめとした新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiB シリーズ」、「ファナック ロボショット α-SiA シリーズ」および「ファナック ロボカット α-CiB シリーズ」において、周辺装置メーカが自社商品に関する画面を容易に作成できるカスタム画面を開発しました。これにより拡張性が向上し、ロボマシン商品の拡販に寄与します。また、ロボットとの連携に関する基本要素をパッケージ化し、ロボットシステムの導入をサポートする「QSSR」(Quick and Simple Startup of Robotization)のレベルアップを行い、製造現場の自動化がより一層容易になりました。 ロボナノ(超精密加工機)につきましては、ファナックの最新のFA技術を適用した旋盤系超精密加工機「ファナック ロボナノα-NTiA」を開発しました。光学レンズ金型の安定した量産加工を実現し、今後の拡販が期待されます。
FY2018|2,338 文字
5 【研究開発活動】当期におきましては、研究開発における「信頼性向上」と「スピードアップ」等を推進するため、引き続き積極的に研究員の採用を進めるとともに、研究所群の拡張を行いました。こうしたなか、ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に性能の向上等を推し進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。 基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。 また、欧州におけるさらなるシェアアップのため、昨年10月にドイツに研究開発拠点「ファナック ヨーロッパ開発センタ」を新設しました。これにより欧州のお客様のご要望により迅速に対応することができます。 当社は、FA、ロボット、ロボマシンの全商品群において、株式会社Preferred Networksと協力し、AI技術の適用を推し進めています。今後も、AI技術をより具体的に活用することにより、各商品の知能化をさらに進め、他社との差別化、高付加価値化を図ります。 IoTへの対応としましては、従来のFA、ロボマシンのLINKi機能において機能追加を行うとともに、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system(FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の日本国内における運用を昨年10月に開始しました。FIELD systemは、製造現場の各種機器を接続し、生産性の向上を図るIoT商品で、製造現場のエッジ部分(加工現場、組立現場)で情報をリアルタイムに処理できる点が大きな特長です。 さらに、FIELD systemとAI技術の組み合わせにより、さらに大きな相乗効果が期待されます。即ち、FIELD systemにPreferred Networks社のAI技術(深層学習技術)を適用することで、各商品の知能化機能の性能がさらに高まり、かつその結果がIoTで共有可能となります。 当連結会計年度の研究開発費は、529億56百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCシステムにつきましては、高速で高品位な加工を実現するナノCNCである「ファナック 30iシリーズ」およびファナックのグローバルスタンダードCNCである「ファナック 0iシリーズ」において、サイクルタイム短縮を実現する制御技術群である「ファストサイクルタイムテクノロジー」を開発した他、加工性能の強化、機械の使い勝手向上等のための各種機能開発を行いました。このほか、工場内の設備情報を収集し見える化するソフトウェア「MT-LINKi」、モータの動きから機械や加工の状態監視を可能とするソフトウェア「サーボビューア」のレベルアップ・機能追加を行い、IoT技術による稼働率向上を積極的に推進しました。 サーボにつきましては、サーボモータαi-Bシリーズに超大型モデルを追加しました。これにより大型サーボプレス機市場への拡販が期待されます。このほか、様々な市場向けに拡販すべく、ラインナップの強化、新機能の開発などを行いました。 レーザにつきましては、ファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」において、レーザ光を2分岐出力することで1台のレーザ発振器で2台のロボットへレーザ光を供給できるファイバセレクタの開発などを行いました。レーザロボットシステムの競争力の強化に寄与し今後が期待されます。 ロボットにつきましては、高精度かつ高い連続動作性能を特長とし、電子機器の組立や電子部品の高速ハンドリングなどに最適なスカラロボット「ファナック ロボット SRシリーズ」を新たに開発し、商品ラインナップに加えました。また、安全柵を必要とせず、人との協働作業が可能な緑のロボット「協働ロボット」において、15kg可搬モデルを追加しラインナップを拡充しました。さらに、小型軽量でロボットに搭載可能な「3Dビジョンセンサ 3DV/400」を新たに開発しました。従来センサよりも撮像時間を大幅に短縮し、サイクルタイムの短縮に貢献します。これらをはじめとした新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiB シリーズ」および「ファナック ロボカット α-CiB シリーズ」において、機械各部に配置した複数の温度センサからの情報を基に機械学習技術を活用して熱変位を予測し補正する「AI熱変位補正機能」を開発しました。周囲温度の変化に対する加工の安定性が向上し、関連するロボマシン商品の拡販に寄与します。 ロボショット(電動射出成形機)につきましては、「ファナック ロボショット α-SiA シリーズ」において、深層学習技術を活用して逆流防止弁の摩耗状態を予測する「バックフローモニタ機能」を開発しました。これにより予防保全機能が強化されます。 ロボナノ(超精密加工機)につきましては、ファナックの最新のFA技術を適用したマシニング系超精密加工機「ファナック ロボナノ α-NMiA」の販売を昨年9月に国内で開始しました。また今後の海外市場への展開に向けて、海外の安全規格への対応を完了させました。
FY2017|2,776 文字
6 【研究開発活動】当期におきましては、研究開発環境をより向上させるために、研究所群の拡張を行いました。また信頼性評価棟を建設し、商品の信頼性向上のための取り組みを一層強化しました。こうした環境の中、ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に性能の向上等を推し進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。 基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。 当社は、FA、ロボット、ロボマシンの全商品群において、株式会社Preferred Networksの協力を得て、AI技術の適用検討を順次進めています。今後も、AI技術をより具体的に活用することにより、各商品の知能化をさらに進め、他社との差別化、高付加価値化を図ります。 IoTへの対応としましては、従来のFA、ロボマシンのLINKi機能、ロボットのZDT(ゼロダウンタイム機能)に加えて、FIELD system(FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の今年10月の運用開始を前に、その準備を進めました。FIELD systemは、製造現場の各種機器を接続し、生産性の向上を図るIoT商品で、製造現場のエッジ部分(加工現場、組立現場)で情報をリアルタイムに処理できる点が大きな特長です。また、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームである点も、大きな特長の一つです。 このFIELD systemとAI技術の組み合わせにより、さらに大きな相乗効果が期待されます。即ち、FIELD systemにPreferred Networks社のAI技術(深層学習技術)を適用することで、各商品の知能化機能の性能がさらに高まり、かつその結果がIoTで共有可能となります。 当連結会計年度の研究開発費は、423億31百万円となっております。 当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。 CNCシステムにつきましては、高速で高品位な加工を実現するナノCNCである「ファナック 30iシリーズ」およびファナックのグローバルスタンダードCNCである「ファナック 0iシリーズ」において、高品位加工を高い次元で実現する制御技術「ファインサーフェステクノロジー」を開発しました。また、機械の状態を監視しながらモータ制御を行う「スマートマシンコントロール」は、従来のモータ制御とは一線を画する機能群であり、当期においてこれらの機能群のさらなる充実を図りました。このほか一般産業機械用CNCであるパワーモーション シリーズにおいて基本性能の大幅な向上・サイクルタイムの短縮など、様々なレベルアップ、機能追加を行いました。 サーボにつきましては、同期ビルトインスピンドルモータBiS-Bシリーズにおいて、ラインナップの追加および出力強化などの性能アップを行いました。このほか、スピンドルモータにおいて、加工時間の短縮、動作の安定性向上等に関する機能を追加しました。また顧客が機械仕様に合わせて適切なモータを選定できるツールの開発などを行いました。 レーザにつきましては、ファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」において出力500Wおよび1000Wのモデルを追加したことで、500Wから6000Wまでのラインナップが完成しました。1000W以下のモデルは、レーザ複合加工機への応用、および金属を使った三次元積層造形(3Dプリンタ)等の分野への拡販が大いに期待されます。 ロボットにつきましては、安全柵を必要とせず、人との協働作業が可能な緑のロボット「協働ロボット」において、一般産業への拡販を期待できる可搬重量の小さいタイプを3機種追加しシリーズの拡充を図りました。また長年にわたるファナックの経験と技術が凝縮された万能知能ロボット「ファナック ロボット R-2000iC シリーズ」において、新たに220kg可搬の天吊りタイプ、210kg可搬の洗浄仕様を開発し、ラインナップを拡充しました。また、中型ハンドリング知能ロボット「ファナック ロボット M-20iB/25 シリーズ」において、防塵・防滴・防錆性能を向上させたモデルを開発しました。食品、医薬品など様々な分野への拡販が期待されます。これらをはじめとした新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。 ロボドリル(小型切削加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiA シリーズ」の後継機種として、CNC画面を一新し加工サイクルタイムを短縮するとともに、ラインナップに高性能仕様を追加した「ファナック ロボドリル α-DiB シリーズ」を開発しました。早速市場からは良好な反応をいただいております。 ロボショット(電動射出成形機)につきましては、電動射出成形機「ファナック ロボショット α-SiA シリーズ」において、横型第二射出装置「ファナック ロボショット SI-300HA」を開発しました。これにより比較的大きなサイズの成形品への対応が可能になり、また縦型第二射出装置「ファナック ロボショット SI-20A」との組み合わせで「三材成形」も可能となり、適用範囲の一層の拡大が期待されます。 ロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、ワイヤカット放電加工機「ファナック ロボカット α-CiA シリーズ」の後継機種として、「ファナック ロボカット α-CiB シリーズ」を開発しました。基本性能を向上させるとともにラインナップに大型仕様を追加して、大型金型の加工を可能としたことで、適用範囲を拡大しました。早速、市場からは良好な反応をいただきました。 ロボナノ(超精密加工機)につきましては、ファナックの最新のFA技術を適用したマシニング系超精密加工機「ファナック ロボナノ α‐NMiA」を開発しました。従来機より加工面精度、面品位が大幅に向上し、またワークの加工領域の拡大により、適用範囲の拡大が大いに期待されます。 このほかロボマシンの各商品について、ロボマシンとロボットをパッケージ化した簡単スタートアップパッケージ「QSSP」(Quick & Simple Startup Package)を開発しました。これにより、システム設計工数やシステムアップ工数が大幅に低減され、製造現場の自動化が一層容易になります。