6952

カシオ計算機(6952)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    カシオ計算機は、時計、コンシューマ(電子辞書、電卓、電子楽器など)、システム(HRソリューション、経営支援システムなど)、その他の分野で事業を展開しています。開発から生産、販売、サービスまでを一貫して手掛けることで、幅広い製品とサービスを提供し、多様な収益源を確保しています。
  • グローバルな生産・販売体制
    主要部品の供給を当社が行い、生産関係会社が製品組立加工を行う体制を構築しています。販売は国内・海外に区分され、特に海外では北米、欧州、アジアなど世界各地の販売関係会社や代理店を通じて製品を販売しており、グローバル市場での収益獲得を目指しています。
  • 開発と生産の連携
    基礎研究開発や新製品開発は主に当社が担当し、生産技術の開発は生産関係会社が担うことで、効率的かつ専門性の高い開発体制を築いています。これにより、市場ニーズに合わせた製品を迅速に開発し、安定した供給体制を維持することで、競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 時計事業
    カシオの主力事業の一つで、ウオッチやクロックなどを手掛けています。最新年度の売上高は1,661.27億円、営業利益は202.69億円と、最も高い収益を上げており、グループ全体の収益を牽引する稼ぎ頭です。山形カシオ株式会社などが主要生産を担い、国内外で広く販売されています。
  • コンシューマ事業
    電子辞書、電卓、電子文具、電子楽器などが含まれる事業セグメントです。最新年度の売上高は820.97億円、営業利益は21.64億円となっています。時計事業に次ぐ規模を持ち、多様な個人消費者をターゲットにした製品を提供しており、山形カシオ株式会社などが生産を担っています。
  • システム事業
    HRソリューションや経営支援システムなどを提供する事業です。最新年度の売上高は63.93億円、営業利益は-3.94億円と、他のセグメントと比較して規模は小さく、現時点では赤字となっています。主に法人顧客を対象としており、山形カシオ株式会社が生産に関与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WatchReportableSegment 事業 1,661 203 12.2%
Consumer 事業 821 22 2.6%
System 事業 64 -4 -6.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,141 文字
3 【事業の内容】当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)は、当社、連結子会社38社及び持分法適用関連会社1社により構成され、時計、コンシューマ、システム、その他の分野において、開発・生産から販売・サービスにわたる事業活動を展開しております。当グループの各事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、事業区分は「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。 開発については、基礎研究開発、新製品開発、新生産技術開発は主に当社が担当し、生産技術の開発は、主として生産関係会社が行っております。生産については、生産関係会社が主要部品を当社から支給を受け、一部自己調達部品をもって製品組立加工を行い、それぞれ当社に供給する経営形態をとっております。セグメント別の主要製品及び主要生産関係会社は次のとおりであります。 セグメント主要製品主要生産関係会社時計ウオッチ、クロック 等山形カシオ株式会社Casio Computer(Hong Kong)Ltd.カシオ電子(深圳)有限公司カシオ電子(韶関)有限公司Casio(Thailand)Co.,Ltd.コンシューマ電子辞書、電卓電子文具、電子楽器 等山形カシオ株式会社Casio Computer(Hong Kong)Ltd.カシオ電子科技(中山)有限公司Casio(Thailand)Co.,Ltd.システムHRソリューション経営支援システム 等山形カシオ株式会社その他成形部品、金型非継続事業 等山形カシオ株式会社 当グループの販売関係会社は複数のセグメントに跨る製品を販売しているため、販売については、国内・海外に区分し、上記セグメント及び主要製品に関連づけて記載しております。国内販売については、時計及びコンシューマ製品は、主として当社が小売店、代理店を通して販売しております。システム製品は、主として販売関係会社、代理店を通じて販売しております。海外販売については、主として販売関係会社(北米地域はCasio America, Inc.等、欧州地域はCasio Europe GmbH等、アジア・その他地域はカシオ(中国)貿易有限公司、Casio Singapore Pte.,Ltd.等)、代理店を通じて販売しております。サービスについては、主としてカシオテクノ株式会社及び販売関係会社が当グループ製品の保守サービスを行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
関連業界で激しい競争が続き、短期間での急激な価格変動や販売価格の下落が長期化するリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独創的な製品開発と、特許、商標、その他の知的所有権によるテクノロジー保護。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:日本経済及び世界経済の状況 / 戦争、テロ、感染症等の要因による社会的混乱 / 外国為替リスク及び金利リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

G-SHOCKブランドは、その耐久性とデザイン性で世界的に認知されており、強力なブランドロイヤルティを確立している。特許取得済みの耐衝撃構造や、電波ソーラーなどの独自技術も競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

スマートウォッチ市場ではOSやアプリのエコシステムがスイッチングコストを形成するが、カシオの主力である高機能デジタルウォッチやアナログウォッチにおいては、ブランドへの愛着や特定の機能への慣れが乗り換え障壁となる可能性がある。しかし、絶対的なものではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

カシオ計算機の製品群において、顕著なネットワーク効果は見られない。個々の製品の価値はユーザー数に依存しない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウによる効率化は進んでいると考えられるが、グローバルな競争環境において、突出したコスト優位性を示す具体的な証拠は乏しい。汎用部品の調達や生産拠点の最適化によるコスト抑制は継続している。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

時計事業においては一定の規模を持つが、グローバル市場全体で見ると、スウォッチ・グループやシチズン時計などの競合と比較して、圧倒的なシェアや規模の経済による優位性は限定的である。電子楽器やレジスター事業も存在するが、業界内での支配的な地位にはない。

  • ブランドと技術力
    カシオは長年にわたり、時計(G-SHOCKなど)、電卓、電子辞書といった分野で革新的な製品を生み出し、高いブランド認知度と技術力を確立しています。特に耐久性や多機能性といった技術的な強みは、他社との差別化に貢献し、顧客からの信頼を得ています。
  • グローバルな販売網
    世界各国に広がる販売関係会社や代理店を通じて、製品を供給できる強固なグローバル販売網を持っています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散しつつ、多様な市場での収益機会を追求できる体制が整っています。
  • 一貫した事業体制
    開発・生産から販売・サービスまでを一貫して自社グループで行うことで、製品の品質管理を徹底し、顧客への迅速なサービス提供を可能にしています。この垂直統合型のビジネスモデルは、サプライチェーン全体の効率性を高め、コスト競争力にも寄与している可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。 当グループは経営理念「創造 貢献」を軸に2030年に向け企業価値を最大化するための基本方針を策定し推進しております。これまで成長の推進力となってきた“新たな価値軸の創造”、経営課題と位置付ける“コアブランドの育成・確立”など価値創造を推進する「コア戦略」と、人材や組織・事業体制などを強化する「基盤戦略」を推進していくことで、カシオらしさを発揮しながら一つひとつ課題を克服し持続的な成長を目指しております。①収益基盤強化とイノベーション創造当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。1)時計事業………………………「G-SHOCK」は、メタルラインを中心とした中・高価格帯カテゴリの拡大と、ブランドマーケティングの強化を継続するとともに、新デザインカテゴリーの創出により収益力の向上を図ってまいります。また、直営店・直販ECビジネスの拡大を推進してまいります。2)EdTech(教育)事業……関数電卓は、ユーザー体験を高めるべく、ソフト及びハード両面からの商品開発及び学販活動(需要創造)強化による新規ユーザー獲得により、着実な事業収益力の強化に注力してまいります。3)サウンド(楽器)事業…………構造改革の着実な推進により事業体質強化を行い、高付加価値ジャンルのブランド認知拡大継続による収益性強化を図ってまいります。4)新規事業………………………技術等の保有資産を活用して、今後の成長市場における戦略的な新事業領域の設定と新事業創出に向けた取り組みを強化してまいります。事業構造の立て直しにより収益基盤強化を図り、より成長性の高いコア事業、ネクストコア領域へ成長投資していく「変革・イノベーション創造期」へと繋げることで持続的な成長を目指してまいります。②資本収益性・資本効率性を意識した経営当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループにとってのサステナビリティとは、「創造 貢献」という経営理念のもと、企業活動を通じて当グループと社会の持続的成長を目指すことと考えております。当グループが提供する多くの製品・サービスは一般消費者向けであり、当グループが持つ技術と創造力をもって、お使いいただく方たちにとって日々の暮らしをより豊かにするとともに、地球環境保全にも貢献することが使命であり、重要であると考えております。時計事業においては、再生可能な有機資源由来の物質を原料とするバイオマスプラスチックを使用しても過酷な環境下で強度・耐久性を保持する「G-SHOCK」を開発・設計・製造し、販売しております。また、当グループは地球全体の大きな環境問題である「脱炭素社会の実現」を推進しています。国内外の主要拠点での再生可能エネルギーへの切り替えを推し進め、脱炭素2050年実質ゼロに向けたエネルギー戦略を実践しています。さらに、組織や社員のパフォーマンスを最大化し、企業価値向上につながる人的資本経営を強化するなど、マテリアリティの見直しを実施し、企業成長と社会発展の両軸を重視したサステナビリティ経営を引き続き強化してまいります。④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2025年6月27日開催予定の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は50%、女性取締役比率は25%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、個人情報を含む当社の内部資料に関するデータの一部が流出していることが確認されたほか、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなったことにより部品の調達、生産、出荷等が一部停止し事業活動に影響が生じました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、セキュリティの専門家の支援、監修のもと、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施するとともに、情報管理体制の見直しを行い、ルール徹底のために社内教育を強化することにより再発防止に努めております。 当社の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、当社独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。 当グループは経営理念「創造 貢献」を軸に2030年に向け企業価値を最大化するための基本方針を策定し推進しております。これまで成長の推進力となってきた“新たな価値軸の創造”、経営課題と位置付ける“コアブランドの育成・確立”など価値創造を推進する「コア戦略」と、人材や組織・事業体制などを強化する「基盤戦略」を推進していくことで、カシオらしさを発揮しながら一つひとつ課題を克服し持続的な成長を目指しております。①収益基盤強化とイノベーション創造当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。1)時計事業………………………「G-SHOCK」は、メタルラインを中心とした中・高価格帯カテゴリの拡大と、ブランドマーケティングの強化を継続するとともに、新デザインカテゴリーの創出により収益力の向上を図ってまいります。また、直営店・直販ECビジネスの拡大を推進してまいります。2)EdTech(教育)事業……関数電卓は、ユーザー体験を高めるべく、ソフト及びハード両面からの商品開発及び学販活動(需要創造)強化による新規ユーザー獲得により、着実な事業収益力の強化に注力してまいります。3)サウンド(楽器)事業…………構造改革の着実な推進により事業体質強化を行い、高付加価値ジャンルのブランド認知拡大継続による収益性強化を図ってまいります。4)新規事業………………………技術等の保有資産を活用して、今後の成長市場における戦略的な新事業領域の設定と新事業創出に向けた取り組みを強化してまいります。事業構造の立て直しにより収益基盤強化を図り、より成長性の高いコア事業、ネクストコア領域へ成長投資していく「変革・イノベーション創造期」へと繋げることで持続的な成長を目指してまいります。②資本収益性・資本効率性を意識した経営当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループにとってのサステナビリティとは、「創造 貢献」という経営理念のもと、企業活動を通じて当グループと社会の持続的成長を目指すことと考えております。当グループが提供する多くの製品・サービスは一般消費者向けであり、当グループが持つ技術と創造力をもって、お使いいただく方たちにとって日々の暮らしをより豊かにするとともに、地球環境保全にも貢献することが使命であり、重要であると考えております。時計事業においては、再生可能な有機資源由来の物質を原料とするバイオマスプラスチックを使用しても過酷な環境下で強度・耐久性を保持する「G-SHOCK」を開発・設計・製造し、販売しております。また、当グループは地球全体の大きな環境問題である「脱炭素社会の実現」を推進しています。国内外の主要拠点での再生可能エネルギーへの切り替えを推し進め、脱炭素2050年実質ゼロに向けたエネルギー戦略を実践しています。さらに、組織や社員のパフォーマンスを最大化し、企業価値向上につながる人的資本経営を強化するなど、マテリアリティの見直しを実施し、企業成長と社会発展の両軸を重視したサステナビリティ経営を引き続き強化してまいります。④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2025年6月27日開催予定の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は50%、女性取締役比率は25%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、個人情報を含む当社の内部資料に関するデータの一部が流出していることが確認されたほか、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなったことにより部品の調達、生産、出荷等が一部停止し事業活動に影響が生じました。当グループではこのような事態が発生したことを厳粛に受け止め、セキュリティの専門家の支援、監修のもと、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施するとともに、情報管理体制の見直しを行い、ルール徹底のために社内教育を強化することにより再発防止に努めております。 当社の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、当社独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。 (経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績当連結会計年度における売上高は2,617億円(前期比2.6%減)、営業利益は142億円(前期比0.2%増)、売上高営業利益率は5.4%(前期比0.1ポイント増)となりました。また、経常利益は141億円(前期比21.1%減)、税金等調整前当期純利益は116億円(前期比33.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は80億円(前期比32.3%減)、1株当たり当期純利益は35円22銭(前期比15円69銭減)となりました。   セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(時計) 売上高は1,661億円(前期比0.5%減)、営業利益は202億円(前期比3.0%減)となりました。(コンシューマ) 売上高は820億円(前期比2.9%減)、営業利益は21億円(前期比12.8%増)となりました。(システム) 売上高は63億円(前期比11.9%減)、営業利益は3億円の赤字(前期4億円の黒字)となりました。(その他)売上高は71億円(前期比28.5%減)、営業利益は16億円の赤字(前期28億円の赤字)となりました。   生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)時計155,0390.6コンシューマ81,2287.6システム3,142△19.7その他6,005△15.0合計245,4142.0 (注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 ② 受注実績当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)時計166,127△0.5コンシューマ82,097△2.9システム6,393△11.9その他7,140△28.5合計261,757△2.6 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比182億円減の3,316億円となりました。流動資産は、売上債権の減少などにより前期比104億円減の2,358億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比78億円減の957億円となりました。   セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(時計) 前期比55億円減の1,385億円となりました。(コンシューマ) 前期比1億円減の794億円となりました。(システム) 前期比6億円減の73億円となりました。(その他) 前期比30億円減の190億円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前期比60億円減の1,127億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少などにより前期比137億円減の614億円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより前期比77億円増の513億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少、投資有価証券の売却等に伴うその他有価証券評価差額金の減少などにより前期比122億円減の2,189億円となりました。当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、バランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、コア事業への成長投資及びアライアンス等の戦略投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及び株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 (3) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比143億円減の161億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益116億円(前期175億円)、減価償却費107億円(前期118億円)、投資有価証券売却益71億円(前期3億円)、運転資金(売上債権、棚卸資産、仕入債務)の減少額65億円(前期58億円)、法人税等の支払額34億円(前期47億円)であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前期2億円の支出に対し46億円の収入となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出83億円(前期99億円)、有形固定資産の売却による収入36億円(前期74億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入109億円(前期19億円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出6億円(前期はなし)であります。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比94億円減の208億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて29億円支出が増加し、247億円の支出となりました。主な内訳は、長短借入れ及び返済による純支出75億円(前期は純収入28百万円)、自己株式の取得による支出45億円(前期91億円)、配当金の支払額103億円(前期105億円)であります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比42億円減の1,403億円となりました。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 経営成績当連結会計年度における国内外の経済環境は、北米は堅調に推移し、欧州はゆるやかな回復傾向にありました。また、中国では景気減速が続くなど、地域ごとの濃淡はありましたが、全体としては底堅く推移しました。一方で、中東情勢の緊迫化や各国の経済政策の転換による影響等もあり、先行き不透明な状況が継続しました。このような環境のもと、当グループは中期事業計画3ヶ年の前半を「収益基盤強化期」と位置付けており、2年目である当連結会計年度は、「市場に新たな価値軸を創造し、唯一無二のブランドに育て上げる」という思いを根底に、企業価値の向上を図る上で、先ずは事業構造的な課題を解決することが最優先であると判断し、その課題解決のために、事業ポートフォリオの整理、人員構造の適正化、組織風土改革を実行してまいりました。事業ポートフォリオの整理としては、不採算事業の構造改革を実行し、全社リソースを時計及びコンシューマ事業に集中できるポートフォリオを整備いたしました。人員構造の適正化としては、ポートフォリオの整理とともに筋肉質な事業構造へ転換を図り、組織風土改革としては、パーパス/バリューズを制定し、求める社員像の実現を進めてまいりました。当連結会計年度の当グループ業績は、増収増益を目指したものの、2024年10月に当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなり、部品の調達、生産、出荷等がシステムの復旧まで一定期間停止したことで、事業活動に影響が生じました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,617億円、営業利益は142億円、経常利益は141億円、親会社株主に帰属する当期純利益は80億円、1株当たり当期純利益(EPS)は35円22銭となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(時計)減収となりましたが、中国を除く地域は増収となり、「G-SHOCK」の中高価格帯は順調に推移しました。売上高は1,661億円(前期比0.5%減)、営業利益は202億円(前期比3.0%減)となりました。 (コンシューマ)EdTech(教育)は、関数電卓が各国における新学期需要をとらえ、特に欧州は堅調でしたが、一部の新興国で通貨安の影響を受け、減収となりました。サウンド(楽器)は、流通在庫は解消されつつある一方、市況の厳しさが続き、減収となりました。売上高は820億円(前期比2.9%減)、営業利益は21億円(前期比12.8%増)となりました。 (システム)事業の見直しを進める過程で、減収となりました。売上高は63億円(前期比11.9%減)、営業利益は3億円の赤字(前期4億円の黒字)となりました。 (その他)成形部品、金型などグループ会社の独自事業、非継続事業等であり、その売上高は71億円(前期比28.5%減)、営業利益は16億円の赤字(前期28億円の赤字)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前期比182億円減の3,316億円となりました。流動資産は、売上債権の減少などにより前期比104億円減の2,358億円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少などにより前期比78億円減の957億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前期比60億円減の1,127億円となりました。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の減少などにより前期比137億円減の614億円となりました。固定負債は、長期借入金の増加などにより前期比77億円増の513億円となりました。当連結会計年度末の純資産は、自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少、投資有価証券の売却等に伴うその他有価証券評価差額金の減少などにより前期比122億円減の2,189億円となりました。また、自己資本比率は前期比0.1ポイント減の66.0%、ROEは前期比1.7ポイント減の3.6%となりました。 ③ キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少などにより、前期比143億円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が減少したものの、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入の増加などにより、前期比48億円の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出が減少したものの、長短借入れ及び返済による純支出の増加などにより、前期比29億円の支出増加となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比42億円減の1,403億円となりました。資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。当連結会計年度における資金調達につきましては、キャピタルアロケーション方針に則った施策の進捗及び資金調達コストの上昇を踏まえ、151億円の借入金返済に対し75億円の長期借入を実施した結果、有利子負債残高は前期比74億円減少し、423億円となりました。当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費であります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (2) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当グループは2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年中期経営計画を推進しており、前半を「収益基盤強化期」と位置付け抜本的な構造改革と筋肉質な基盤づくりに注力してまいりました。2026年3月期は成長軌道への転換を目指す「変革・イノベーション創造期」と位置付け、コア事業の再成長と既存アセットを活用した新規事業の創出、成長戦略の実行力を高める経営基盤の強化に取り組んでまいります。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率及びROEについて、目標を定めており、2026年3月期の目標(米国関税政策影響含まず)は、売上高2,700億円、営業利益240億円、営業利益率8.9%及びROE7~8%水準としております。当連結会計年度においては、計画が売上高2,620億円、営業利益140億円及び営業利益率5.3%に対し、実績は売上高2,617億円、営業利益142億円及び営業利益率5.4%となり、ROEは3.6%となりました。

事業リスク

  • 世界経済の変動影響
    カシオの製品は世界中で販売されており、各国の経済状況、特に個人消費の動向に大きく影響されます。市況が悪化すると、売上の減少や過剰在庫が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。グローバルに展開しているため、特定の地域だけでなく、世界全体の経済状況が重要です。
  • 地政学リスクと社会的混乱
    戦争、テロ、感染症などの予測不能な事態により、生産拠点や設備が損害を受け、生産・出荷の遅延や営業活動の停滞が生じる可能性があります。これにより売上高が減少し、修繕や代替に多大な費用がかかることも考えられます。特に中東の地政学リスクは世界経済に影響を及ぼす懸念があります。
  • 為替レートと金利の変動
    世界各地で生産販売を行っているため、為替レートの変動が利益に影響を与える可能性があります。円高は海外での売上を円換算した際に目減りさせ、円安は輸入コストを増加させる可能性があります。また、金利変動は借入コストや金融資産・負債の価値に影響を与え、全体の営業費用に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,816 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の影響の内容、当該リスクへの対応策は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 (1) 日本経済及び世界経済の状況当グループの製品は、日本、アメリカ、ヨーロッパ及びアジアなどの世界各国において販売されており、その需要は各国経済状況の影響を受けております。市況が下降した局面においては、売上の減少や過剰在庫などが発生する可能性があり、とりわけ当グループ製品の大部分が個人消費者を対象としているため、各国の個人消費の動向は当グループ事業に大きく影響しております。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行してまいります。 (2) 戦争、テロ、感染症等の要因による社会的混乱戦争やテロなど当グループによるコントロールができない事態によって、当グループの各種設備や生産拠点等が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は、当グループの生産体制等に影響を与え、生産・出荷の遅延、営業活動の停滞などにより、売上高が減少し、また、修繕や代替の為に多大な費用を要する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、特に、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中東における地政学リスクの高まりによる世界経済への影響が懸念されます。当該リスクへの対応については、固有の市場状況に応じたきめ細やかなマーケティング活動を展開し、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなど、リスク管理を行ってまいります。 (3) 外国為替リスク及び金利リスク「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の通り、当グループは世界各地で製品の生産販売を行っており、結果として為替レートの変動による影響を受けております。当グループの利益は、円と対象通貨との為替レートが変動した場合に不利益を受ける可能性があり、また、当グループは金利変動リスクにも晒されており、このリスクは全体的な営業費用、調達コスト、金融資産・負債の価値(特に長期債務)に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、為替の変動の影響を軽減し、またこれを回避するために、為替予約取引等の手段を講じてまいります。 (4) 価格変動当グループの関連業界においては、数多くの企業が国内外の市場シェアをめぐり激しい競争を続けております。短期間における急激な価格変動や、販売価格の下落が長期にわたって続きコストダウン活動がこれに追いつかない場合、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは一部の品目で顕在化しておりますが、当該リスクへの対応については、採算の取れるアイテムの選択、他社との差別化を図って優位性を保持することなどにより、採算を確保するよう努めてまいります。 (5) 新製品当グループにおいて新製品開発を行うに際し、新製品の開発プロセスは、複雑かつ不確実なものであり様々なリスクを含んでいます。当グループが新たな人気製品を速やかにかつ定期的に発売できなかった場合、あるいは競合他社が当グループと同様の製品を発売し、特にそれが当グループの新製品発売と同時期であった場合は、市場における唯一の先行者、もしくは先行集団の一員として当グループが享受出来たはずの優位性を減少させる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、新製品の開発スケジュールの管理徹底、市場への投入時期の見極め等により、優位性を保つよう努めてまいります。 (6) 大口顧客との取引当グループの大口顧客の戦略変更、製品仕様の変更、もしくは注文の解約やスケジュール変更は、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、顧客との緊密な連携に努めてまいります。 (7) アウトソーシング当グループは生産効率と営業利益率の改善を目的に、製造・組立工程の相当部分を外部サプライヤーに委託しているため、納入遅延や確実な品質管理が難しくなるといった生産面のリスクが生じる可能性があります。また、当該委託先による関係法令違反や第三者の知的所有権侵害等の問題により、当グループの業績及び製品声価に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、委託先の選定にあたって、技術力や供給能力などについてあらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる取引先の選定に努めてまいります。 (8) 技術開発と技術の変化当グループの事業分野におけるテクノロジーの急激な変化、市場ニーズの激変等から当グループ製品が予想より早く陳腐化する可能性があり、その場合、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループの事業分野におけるテクノロジー変化の動向を注視し、技術開発の促進に努めてまいります。 (9) 国際活動及び海外進出に関するリスク「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載の通り、当グループの生産・製品販売の大部分は日本国外で行われております。従って、当グループの財政状態及び経営成績等はかなりの程度、海外の政治経済情勢並びに法整備に影響されます。特に予期しない規則や制度の変更、法令の適用は予測が難しく、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米国の関税率引き上げによる当グループ業績への影響が想定されますが、価格対応やサプライチェーン対応など、スピード感をもって実行するとともに、関税政策の動向を継続して注視してまいります。 (10) 知的財産当グループは基本的に自社開発技術を使用しており、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図っていますが、以下のようなリスクが当グループに該当することもあります。・競合他社による同様の技術の独自開発・当グループが出願中の特許申請の不承認・当グループの知的財産の悪用・侵害を防ぐための手段が有効に機能しない場合・知的財産に関する法規制が当グループの知的財産を保護するのに不充分である場合・当グループの将来の製品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる場合当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループは基本的に自社開発技術を使用し、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図ってまいります。 (11) 製品の欠陥・訴訟問題当グループは、創業以来重大なクレームや悪評を受けたことはありませんが、将来において当グループ製品の製造物責任や安全性などを問うクレームが発生しないという保証はありません。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、消費者製品の製造販売会社として、製品そのものの品質にとどまらず、環境保全やリサイクルまで含めた全てを「カシオの品質」と位置付け、お客様にご満足いただける品質をお届けするのが品質保証の役割と考え、厳正なる品質管理を行ってまいります。 (12) 情報管理に関するリスク当グループは、事業の推進・展開に関連して多くの個人情報や機密情報を保有しております。当該リスクへの対応については、情報の管理について、社内規程の整備と周知、従業員に対するセキュリティ教育、サイバー攻撃及びシステム障害に関する保全(予防・監視及び対処・復旧準備)等を講じ、情報管理の強化を図っておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。情報が漏洩した場合、営業秘密の流出による競争力の低下及び顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。以上のようなリスクを認識した上で対応策を講じてまいりましたが、2024年10月に、当社のサーバーがランサムウェア攻撃を受けたことにより、当社及び当社の関係会社の重要なシステムが一部使用できなくなり、部品の調達、生産、出荷等がシステムの復旧まで一定期間停止したことで、事業活動に影響が生じました。システムの停止期間中はこれらの業務に関して代替的な業務プロセスにて対応しておりましたが、安全な環境を再構築しシステムを復旧しました。当グループは、セキュリティの専門家の支援、監修のもと、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施するとともに、情報管理体制の見直しを行い、ルール徹底のために社内教育を強化することにより再発防止に努めてまいります。 (13) 提携・合弁・戦略的出資当グループは、事業の推進・展開を図るため、あるいは経営の効率化を目指すために、国内を含むいくつかの国において提携・合弁・戦略的出資を行っております。これらにあたっては事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討しておりますが、相手先の経営環境、経営方針や事業環境の変化等により協力体制の確立が困難となる可能性や、充分な成果が期待できない可能性、また業務統合に想定以上の時間を要する場合もあり、提携や買収が当初の目的を達成できず、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討するなど、慎重に進めてまいります。 (14) 当グループが保有する有価証券の価値下落有価証券への投資において株価・金利等の変動により影響を受ける他、基本的な経済全般の不確実性により、当グループの資産額に大きな影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、保有の意義や合理性について定期的に検証し、慎重に判断してまいります。 (15) その他リスク上記以外に以下の要因によっても将来的に当グループの事業並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。・IT業界の景気循環性・必要時における、機器、原材料、利用設備、電力等の妥当なコストでの入手可能性・退職給付会計に係る法令の改定、制度改訂、運用環境の激変・税効果会計に係る会計基準の改正、税率変更を含む税制改正・火災や、地震、洪水などの自然災害(気候変動によって発生するものも含む)や業務上の事故などの発生なお、当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、法令を遵守し慎重に進めてまいります。

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