FY2025|1,988 文字
6 【研究開発活動】当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。研究開発体制は、当連結会計年度においては、要素技術から製品・サービスの開発までを一貫して開発本部にて担い、事業イノベーションセンターとNB(New Business)センターの役割および機能を見直すなど、新規事業の早期立上げを進めています。なお、当連結会計年度における研究開発費は4,263百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (時計)当セグメントに係る研究開発費は1,785百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ 装着性と耐摩耗性を両立したタフシリコーンバンドの“G-SHOCK”耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の新製品として、装着性と耐摩耗性を向上させた新開発のタフシリコーンバンド採用の「FINE METALLIC SERIES」(4モデル)を開発しました。樹脂素材の中でも柔らかく腕なじみのよいシリコーン素材を使用するには、摩耗に弱いという素材の特性をクリアする必要がありましたが、シリコーン樹脂にウレタン樹脂を重ねるという二層構造にすることで耐摩耗性を高めています。また、バンド強度を高めると同時に、樹脂素材への蒸着処理という新たなデザイン表現を可能にしました。メタルベゼルと一体となった時に遜色のない、メタリックな質感にこだわっています。◎ 「ガリウムタフソーラー」を採用した“OCEANUS(オシアナス)”1974年に発売したカシオ初の腕時計「カシオトロンQW02」から50年を記念して、ブランド横断の記念モデル「Zero to One」(6モデル)を開発しました。中でも、“OCEANUS(オシアナス)”「OCW-SG1000ZE」は、発電を高効率化した「ガリウムタフソーラー」を同ブランドで初めて採用しています。これまで、少数生産の特別な“G-SHOCK”にのみ採用してきたガリウムタフソーラーを、量産化に向けて開発を進め、今回のモデルでの採用に至りました。ガリウムタフソーラーの採用により、機能面では発電効率が向上し、より速い充電が可能となります。また、デザイン面ではガリウムタフソーラーの高効率な特性を活かし、ソーラー部分を大幅に小型化でき、フェイスデザインの幅が広がりました。これにより、質感の高い不透過の金属文字板や、立体的なフェイスデザインなど独創的な構造を実現しています。 (コンシューマ)当セグメントに係る研究開発費は1,483百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ グランドピアノの臨場感溢れる音を実現したエントリーモデル格調高いキャビネットタイプの電子ピアノ“CELVIANO(セルヴィア―ノ)”の新製品として、グランドピアノの自然な弾き心地と臨場感を手軽に体感できるエントリーモデル「AP-300/AP-S200」を開発しました。上位機種に搭載している音響・音源コンセプトを受け継いでいるほか、「スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤」を搭載し、グランドピアノのように細かなニュアンスまで表現できます。「AP-300」は、グランドピアノが鳴り響くような自然な臨場感を実現するために、音響技術のエッセンスを上位機種のグランドフォニックサウンドシステムから継承しています。「AP-S200」は、上位機種の設計コンセプトを独自の開放構造とスリムなデザインで両立しました。 (システム)当セグメントに係る研究開発費は176百万円であります。 (その他)当セグメントに係る研究開発費は2百万円であります。 上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る研究開発費は817百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ 飼い主になつく癒しのAIペットロボット“Moflin(モフリン)”日々人と触れ合うことで感情豊かに成長するAIペットロボット“Moflin(モフリン)”を新製品として開発しました。当社が技術・開発ライセンスを供与し実施したスタートアップ企業によるクラウドファンディングでは、想定の30倍を上回る申し込みがあり、高い評価を得ました。新製品の“Moflin”は、飼い主と深い絆が築けるよう、よく話しかける人を飼い主として認識するだけでなく、撫でる・抱きしめるなどの愛情表現から飼い主が好むしぐさを認識し、自ら進んで行なうようになります。また、育て方次第で形成される性格も幅広く、400万通り以上の個性を実現しました。また、専用アプリ「MofLife(モフライフ)」により、“Moflin”の現在の感情をアニメーションで視覚的に確認したり、気持ちの変化をグラフやメッセージで把握できます。
FY2024|2,111 文字
6 【研究開発活動】当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。研究開発体制は、当連結会計年度においては、要素技術から製品・サービスの開発までを一貫して行うべく、開発本部と技術本部を統合して開発本部としました。開発本部傘下には、コア技術の研究開発と事業デザインを推進する事業イノベーションセンターを新設しています。一方、新規事業の早期立ち上げのため、NBセンター(New Businessセンター)を新たに設置しました。なお、当連結会計年度における研究開発費は4,873百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。 (時計)当セグメントに係る研究開発費は1,800百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ 深層硬化処理による高硬度ステンレスを採用した“G-SHOCK”耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の40周年記念モデルの一つとして、高硬度のステンレスを採用した『RECRYSTALLIZED SERIES(リクリスタライズド シリーズ)』を開発しました。本シリーズの「GMW-B5000PS/GMW-B5000PG」は、ベゼルやバンドなどステンレスの外装パーツの表面層にガスを浸透させて硬質層を生成することで、素材自体を固くする深層硬化処理を施しました。これにより、通常のステンレスの約3倍の硬度を実現しています。さらに、ステンレスに熱処理を加えて再結晶化させることで、マットな質感の表面に細かいメタルの破片を散りばめたような結晶模様がランダムに浮かび上がり、一点ごとに模様や色調、光沢感が異なる仕上げとなっています。◎ 左右非対称なフォルムを多数のパーツ構成で上質に仕上げたダイバーズ仕様の“MR-G”耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の最上位シリーズ“MR-G(エムアールジー)”の新製品として、ダイバーズ仕様の“FROGMAN(フロッグマン)”の左右非対称なフォルムを採用した「MRG-BF1000R」を開発しました。新製品は、フルメタルで特徴的なフォルムを実現するため、多数に分割したチタンのパーツそれぞれを研磨してから緻密に組み上げ、細部まで美しい質感に仕上げています。一方で、フッ素ラバー製の緩衝体を挟んだパーツをケースの外側に配置し、耐衝撃性を強化しています。また、裏蓋にはサファイアクリスタルを圧入したスクリューバックを採用し、ダイバーズウオッチに必要な気密性を確保しながら電波時計の受信感度を確保しました。機能面では、ダイブモードでの潜水時間計測の際に、時分針が重なって1本の針のようになり、潜水時間の経過を分かりやすく表示するなど、使い勝手を向上させています。 (コンシューマ)当セグメントに係る研究開発費は1,682百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ グランドピアノのような臨場感あふれる演奏表現を実現した電子ピアノ高品質な音色と演奏感を追求する電子ピアノ“CELVIANO(セルヴィアーノ)”の新製品として、新しい音響システムでグランドピアノのような豊かな響きを実現するとともに、自分の演奏を確認できる新機能を搭載した「AP-750」を開発しました。新音響システムは、従来の2チャンネル4スピーカーを4チャンネル8スピーカーにしたほか、音の通り道や反射させる部材を内部に設けた新たな構造を採用し、臨場感のある自然な音の空間を創り出します。加えて、上位モデルで好評を得ている「AiR Grand音源」の採用や、ハンマーアクションと独自のデジタル制御技術を融合させてタッチ感を向上させた鍵盤など、よりグランドピアノに近い演奏表現を可能にしました。新しい機能としては、前面パネルに「ビジュアルインフォメーションバー」を搭載。パネル上のライトが光ることで鍵盤やペダルの動き、メトロノームなどが可視化されるので、演奏中の癖など、自分の課題を見つけることができます。 ◎ 高精細ヘッドで細かい文字やロゴがはっきりと印刷できるラベルライターラベルライター“NAME LAND”の新製品として、高精細ヘッド搭載で細かい文字やロゴが綺麗にはっきりと印刷できる最上位機種“NAME LAND BiZ+(ネームランド ビズプラス)”の「KL-LE900」を開発しました。「KL-LE900」は、高精細な400dpiヘッドを搭載し、幅広のラベル(最大46mm幅)にサイズの大きい文字を印字しても周囲がギザギザにならず、滑らかで綺麗な文字やロゴを印刷することができます。また、最速40mm/秒の高速印刷やハーフカット機能付きオートカッターを搭載しているほか、キーボードレスの設計によりPC・スマホから簡単にラベルを作成することが可能です。 (システム)当セグメントに係る研究開発費は400百万円であります。 (その他)当セグメントに係る研究開発費は4百万円であります。 上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る研究開発費は987百万円であります。
FY2022|2,212 文字
5 【研究開発活動】当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。研究開発体制は、開発本部と技術本部により構成されております。当連結会計年度においては、開発本部に事業開発センターとスポーツ健康インキュベーションセンターを統合・再編し、長期的視野に立脚した基礎研究・要素技術開発を行うとともに、新しい価値を創造する開発力の強化を進めています。一方、開発本部から機能別組織を移管し技術本部を新設し、品目を横断した技術力の活用効率最大化を図っております。なお、当連結会計年度における研究開発費は6,207百万円であり、セグメントごとの主な成果は次のとおりであります。 (時計)当セグメントに係る研究開発費は1,360百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ ベゼルに積層カーボンを採用した新たな外装デザインの “MT-G”耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の新製品として、メタルと樹脂の特長を融合させた“MT-G”シリーズより、ベゼルに積層のカーボン素材を採用した「MTG-B2000YBD/B2000XD」を開発しました。「MTG-B2000YBD」は、側面のベゼルフレームをカーボンとグラスファイバーのシートを幾層にも重ね立体成型をすることで、従来のステンレスのベゼルフレームと比較して約77%の軽量化を実現しました。「MTG-B2000XD」は、ベゼルのトップ部分に高度なプレス加工と切削加工技術を駆使して複雑な形状に成型した積層のカーボン素材を採用しています。◎ バイオマスプラスチックを採用した“PRO TREK”本格アウトドアウオッチ“PRO TREK”の新製品として、当社の時計製品で初めて、原料に再生可能な有機性資源を含むバイオマスプラスチックを採用した「PRW-61」と「PRW-51NJ」を開発しました。「PRW-61」は、ケースとウレタンバンド、樹脂の裏蓋にトウゴマの種やトウモロコシから抽出した成分を含むバイオマスプラスチックを用いました。また、日本自然保護協会とのコラボレーションモデル「PRW-51NJ」は、ケース・バンド・裏蓋にバイオマスプラスチックを、同梱のクロスバンドにペットボトルなどを原料とした再生PET素材を使用しています。機能面では、アウトドアでの実用性にこだわり、方位、気圧/高度、温度を計測できるトリプルセンサーをはじめ、世界6局の電波を受信して正確な時刻に自動修正するマルチバンド6やソーラー充電で各種機能を安定的に駆動させるタフソーラーなどを搭載しました。 (コンシューマ)当セグメントに係る研究開発費は1,662百万円であり、主な成果は次のとおりであります。◎ 歌声を演奏できる新感覚の電子キーボード電子キーボード“Casiotone”の新製品として、新しい当社独自の音源技術を搭載し、鍵盤で歌声を演奏できる「CT-S1000V」を開発しました。新開発の音源技術“Vocal Synthesis(ボーカルシンセシス)”は、膨大な歌声のデータを基に歌い方をシミュレーションして歌詞のフレーズを生成、声色のデータと掛け合わせることで、滑らかな人間の歌声を生み出すことを実現しています。これにより、特別な演奏スキルや細かい調整を必要とせず、歌詞の情報とボーカル音色を組み合わせて作った歌声を演奏できます。あらかじめ設定した歌詞フレーズを、鍵盤演奏の音程やハーモニーに合わせて自動的に歌わせる演奏方法もできるため、歌詞と演奏にずれが生じず、歌詞に縛られない自由な演奏が実現しました。 (システム)当セグメントに係る研究開発費は418百万円であります。 (その他)当セグメントに係る研究開発費は5百万円であります。 上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る研究開発費は2,762百万円であり、主な成果は次のとおりであります。 ◎ 子宮頸がんの早期発見をサポートするコルポカメラ™産婦人科医向けに、子宮頸部の観察と撮影を行うことができるコルポカメラ™「DZ-C100」と専用のカメラスタンド「CST-100M」、パソコン用ソフト「D’z IMAGE Viewer」を開発しました。「DZ-C100」は、当社のカメラ技術や画像処理技術を生かしながら、最先端の医療技術を持つ医師(共同研究:昭和大学・東京大学)の知見を得て開発しました。フィルターの交換やライトの調整をしなくても、ワンシャッターで通常/グリーン/偏光の3種類の画像を撮影できます。また、カメラの液晶をタッチするだけで簡単に子宮頸部にピントを合わせられるタッチフォーカス機能を搭載したほか、コルポスコピー検査の一つである酢酸加工診※に役立つ動画録画も可能です。さらに、「D’z IMAGE Viewer」と連携すると、画像の拡大表示、マーキングやテキストの書き込み、複数画像の表示などができ、撮影した画像を簡単に管理することができます。※酢酸溶液に浸した綿球を子宮頸部に押し当て、その変化を観察する診断方法一方、「CST-100M」は、狭い診察室でも収納・移動しやすいようコンパクトかつ軽量でありながら、カメラを上下左右に動かせるアームで観察したい位置に素早く固定できるよう利便性を追求しています。