研究開発活動(本文)
FY2025|2,195 文字
6【研究開発活動】 OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2023年5月に発表した「中期経営計画2025」のとおり、「『進取の精神』をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」という企業理念のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」のキーメッセージ実現に向けて、成長領域へ向けた研究開発と先行技術開発に集中して技術開発を取り組んでおります。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は10,975百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 (1)全社共通等領域における活動 OKIは、光ファイバーセンサー技術で洋上風力発電の海底電力ケーブルの異常予兆をリアルタイムに検知し、メンテナンスや導入コストを削減可能にする検討を開始しました。損保ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社と連携し、異常予兆検知サービスを付帯した新たな保険商品開発などの検討を進めていきます。 OKIは、シリコンフォトニクス技術を活用し、多彩な光センサーを実現する超小型光集積回路チップを開発しました。これにより、次世代の光通信やセンサー技術の発展が期待されます。 OKIは、屋内外を問わず、倉庫などに保管された荷物の保管位置を自動記録・追跡する「荷物位置自動測位技術」を開発しました。これにより操作ミスによる荷物の紛失を防ぐことができ、保管管理における業務効率向上に寄与します。 OKIは、CFB技術(注)を用いた薄膜アナログICの3次元集積を実現しました。新技術により、高精度・低コスト半導体デバイスのヘテロジニアス集積を可能にし、AIや自動運転向けの高機能化ニーズに応えます。(注)CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。 OKIは、健康行動の習慣化を支援する行動変容プラットフォーム「Wellbit™」を開発し、その第一弾として、健康経営に取り組む企業に向けに睡眠習慣を改善するサービス「Wellbit™Sleep」を発売しました。従業員の生産性向上に貢献します。 全社共通等に係る研究開発費は、3,241百万円であります。 (2)事業セグメントにおける活動 (パブリックソリューション) OKIは、ディープラーニングを活用し、海中音から船舶を分類する「船舶分類AIシステム技術」を開発しました。これにより、海洋監視や環境保護の分野での応用が期待されます。 また、国立研究開発法人科学技術振興機構の経済安全保障重要技術育成プログラムにおいて、「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託しました。これにより、海洋の安全保障や資源管理に貢献します。 株式会社OKIコムエコーズは、洋上発電開発や海底資源開発などでの使用を想定した、コンパクトで持ち運び可能な水中音圧計「SW1050」を発売しました。これにより、水中音の計測や監視が簡単に行え、現場作業者の負担を軽減し、より精確なデータ収集と分析に寄与します。 (エンタープライズソリューション) OKIは、流通小売店舗や交通機関、配送業界向けに、バックヤードに限定せず設置可能なリサイクル型入出金装置「USCOSⅢ」を発売しました。コンパクトな筐体でありながら最大4,000枚の硬貨回収に対応しています。今後も自動化技術を活かし、多様な業界の課題解決を支援していきます。 (コンポーネントプロダクツ) OKIは、カーボンニュートラル実現に向け、製造現場の電力使用量を設備単位で正確に把握するためのセンサーネットワークを構築することのできる無線技術「SmartHop®」を保有しており、CFP算定に不可欠なCO2排出量の見える化を実現、環境負荷軽減に取り組む企業のESG経営に貢献しています。従来比で導入コストや工事費を大幅に削減し、レイアウト変更や多様なセンサーにも柔軟に対応が可能です。今後は、さらに収集したデータの活用を含めたGXソリューションの実現へと繋げていきます。 また、電源や配線が不要で設置が容易な「ゼロエナジーIoTシリーズ」に新たに多様なアナログセンサーを接続できるアナログセンサーIFユニットを開発しました。橋梁の塩害や支承部、山岳部の落石状況など、幅広い遠隔モニタリングの現場で活用されています。今後はLTE不感地帯への非地上系ネットワーク(NTN)の活用や、大容量電源モデルへの展開など、インフラの安心・安全を実現するため、国内外を問わず、さらなる適用範囲の拡大を目指してまいります。 (EMS) OKIサーキットテクノロジー株式会社は、従来比55倍の放熱性を実現する「凸型銅コイン埋め込みプリント配線板技術」を開発しました。これにより、小型装置や宇宙空間などで空冷技術が使用できない高性能電子機器の熱対策が大幅に向上します。 事業セグメント毎の研究開発費の内訳は次のとおりであります。パブリックソリューション 2,595百万円エンタープライズ 2,178百万円コンポーネントプロダクツ 1,970百万円EMS 280百万円その他 710百万円
FY2024|2,711 文字
6【研究開発活動】 OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2023年5月に発表した「中期経営計画2025」のとおり、「『進取の精神』をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」という企業理念のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」のキーコンセプト実現に向けて、成長領域へ向けた研究開発と先行技術開発に集中して技術開発を取り組んでおります。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は12,533百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 (1)パブリックソリューション領域における活動 OKIは、水平方向距離2kmで速度32kbps(=64kbps・km)の水中音響通信技術を開発し、一般的な性能指標40kbps・kmを超える性能を海上試験にて確認したことから、海中通信の新たな可能性を示しました。この技術は32kbpsでの高速通信を実現し、海洋資源調査や水中構造物の点検を含む広範囲の一斉探索が可能となります。今後、水中無線ネットワークの構築による効率化や新ビジネス創出を目指し、マルチホップ通信などの技術開発を進めることで、水中ドローンやロボットなどの広範囲利用を実現します。この技術は、海洋探索やインフラ点検など人類の課題解決に寄与します。 福岡県大牟田市では、OKIと大牟田市のコンソーシアムが自動運転バス「ARMA」の公道実証実験を2023年11月4日から10日に実施しました。目的は交通課題解決と自動運転技術の認知度向上であります。実験は大牟田商工会議所のイベントと連携し、試乗体験会も行いました。NAVYA社製の「ARMA」は、オペレーター同乗の下で2ルートを無料運行し、地域交通の新たな可能性を模索していきます。 当事業に係る研究開発費は、2,433百万円であります。 (2)エンタープライズソリューション領域における活動 OKIは、2024年7月の新紙幣発行に向け、富岡事業所でATM、現金処理機の組み立てを進めております。国内シェア約5割のATM約20万台のプログラム更新・新規生産が対象であります。最新の偽造防止技術が施された新紙幣を正しく識別できるようにソフトウエアのプログラムを開発設定しております。既存の機器は遠隔操作でソフトウエアのプログラムを更新可能であります。20年前に新紙幣が発行された際、新札の特質で複数枚が重なって搬送し出てしまうことがありましたため、防止用の部品を追加し機能を向上させました。 当事業に係る研究開発費は、4,007百万円であります。 (3)コンポーネントプロダクツ領域における活動 OKIは、新たに産業カメラ用MLA(マイクロレンズアレイ)技術を開発、マシンビジョンを軸に事業化を目指しております。被写界深度が±5mmと従来レンズ比で約5倍大きく、高さも3分の1と低背化可能であります。全視野で真上から見た画像を取得するテレセントリック光学系で縦横の並列化が可能であります。ラインスキャンで歪みがない画像を取得できるなどの特徴があります。社内製品への応用を検討するとともに、2026年度にもコンタクトイメージセンサー(CIS)などに外部提供を目指しております。 当事業に係る研究開発費は、2,074百万円であります。 (4)EMS領域における活動 OKIは、新宇宙時代の到来と共に宇宙産業の拡張に対応し、製造プラットフォーマーとしての役割を担うべく、宇宙向けの高品質なモノづくりに挑戦しております。特にJAXAのH3ロケット試験2号機の成功や、民間企業主導の宇宙プロジェクトNew Spaceの動向に注目が集まっております。OKIは、人工衛星向けの長尺フレキシブル基板やJAXA認定のプリント配線板など、これまでの実績を生かし、QCD課題の解決を図りながら、New Space市場への進出を目指します。 OKIのDMS(Design and Manufacturing Service)は、従来の電子機器受託製造サービス(EMS)に設計要素を加えた総合サービスで、設計から製造まで一貫して提供しております。これにより、情報通信機器や産業機器などの変種変量機器の開発支援を提供しております。DMSは、新商品開発、既存製品の改良から量産化、コスト低減まで、幅広い技術支援を行い、付加価値の高い製品を共に創出し、新たな市場への進出を支援しております。 当事業に係る研究開発費は、257百万円であります。 (5)全社共通等領域における活動 OKIは、信越化学工業株式会社と共同で、信越化学工業株式会社が独自改良したQSTTM基板(注1)からOKIのCFBTM(注2)技術を用いてGaN(窒化ガリウム)の機能層のみを剥離し、異種材料基板へ接合する技術開発に成功しました。本技術によりGaNの縦型導電が可能となり、大電流を制御できる縦型GaNパワーデバイスの実現と普及に貢献します。今後は、GaNデバイスを製造するお客様とのパートナーリングやライセンシングにより、社会実装可能な縦型GaNパワーデバイスの開発を進めます。(注)1.QST基板:Qromis社(米国カリフォルニア州、CEO Cem Basceri)により開発されたGaN成長専用の複合材料基板。2019年に信越化学工業株式会社がライセンス取得。なお、QSTはQromis社の米国登録商標であります。 2.CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。 OKIと東北大学は、NEDOプロジェクトの一環として、パッシブ光ネットワーク(PON)の効率的運用を目的としたAIを活用した新技術を開発しました。通信量の予測と波長資源の自動調整が可能となり、消費電力を20%以上削減して、年間約2GWhの節約とCO2約920tの削減を実現しました。 OKIは、エッジデバイスを使った「遠隔作業支援システム」の無償βサービスを2023年10月から開始しました。遠隔地の熟練者が映像を通じて現場作業をリアルタイムで指導・支援できるよう設計されており、製造や保守の分野でリモートシフトを加速させてコスト削減を促進します。またWebRTCを利用し、多くのデバイスでアクセス可能であります。2025年度の商品化を目指しております。 全社共通等に係る研究開発費は、3,052百万円であります。
FY2023|1,464 文字
6【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2020年11月に発表した「中期経営計画2022」のとおり、「クリティカルなモノづくり・コトづくりを通じて社会課題を解決する企業」であり続けるために必要な先進技術を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は9,608百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <ソリューションシステム> 物流分野におけるルート配送の配送計画をAIによって最適化する配送計画最適化サービス「LocoMoses™」(ロコモーゼ)を開発し、販売を開始しました。本サービスは、当社が開発した「コスト最小型ルート配送最適化AI」を用いて最適な積載量やルートを短時間で自動的に立案できるSaaS型のサービスであります。これまで熟練社員に属人化していた配送計画作業の負担解消に加え、「分割配送」の手法を取り入れた高効率なルート配送が実現でき、配送経費の削減やCO2排出量の削減に貢献します。 当事業に係る研究開発費は、2,651百万円であります。 <コンポーネント&プラットフォーム>(1)I-PEX Piezo Solutions株式会社との共同開発により、圧電単結晶薄膜とSOIウエハーの接合技術を確立し、超音波センサーなど圧電MEMSデバイスの性能を約20倍と飛躍的に向上させる「圧電単結晶薄膜接合ウエハー」の試作に成功しました。この技術により例えばスマートフォン指紋認証の方式を、指紋の凹凸検知による認証から静脈検知による認証に変えることができ、堅牢性と安定性を得ることができるようになります。(2)世界最小カラーLEDプリンター「PLAVI(プラビ) Pro330S」をリニューアル発売しました。「PLAVI Pro330S」は幅狭用紙への多様なカラーオンデマンド印刷が行えるプリンターで、SIerと共創する業務改善システム用の出力端末として2020年9月に発売しました。このたび、ラベル紙のギャップ(ラベルとラベルの間)で自動カットする機能の実装と、専用オプションとしてロール紙ホルダーの開発を行い、カラーラベル印刷にも最適なプリンターとしてリニューアルしました。製造・物流現場や医療現場などで需要の高い幅狭カラーラベルの内製化・即時発行を実現する機能を加えました。当事業に係る研究開発費は、4,872百万円であります。 <全社共通等>(1)人と多種ロボット、さまざまなエッジデバイスを連携し、遠隔からリアルタイムかつ直感的に現場対応を行うリモートDXプラットフォーム技術「REMOWAY™(リモウェイ)」を開発しました。本技術により、現場の業務プロセスの見える化だけでなく、業務特性にあわせたリアルタイムな業務の監視と制御ができます。(2)光ファイバーを介して多数の小型レーザー照射部を接続する多点レーザー方式により複数の対象物の振動を計測する「多点型レーザー振動計」において、振動雑音影響を緩和する「光ファイバー外乱抑圧技術(特許出願中)」を開発し、敷設された光ファイバーに混入する環境由来の外乱振動を約99%除去することに成功しました。屋外に光ファイバーを設置した場合でも雨風の影響を受けずに対象物の振動が計測できるほか、さまざまな装置の振動が伝わる工場などの現場においても、高精度な振動計測が可能になります。全社共通等に係る研究開発費は、2,084百万円であります。
FY2021|2,313 文字
5【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2020年11月に発表した「中期経営計画2022」のとおり、「クリティカルなモノづくり・コトづくりを通じて社会課題を解決する企業」であり続けるために必要な先進技術を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は11,215百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <ソリューションシステム>(1)コンタクトセンターのDXを実現する新機能を搭載した「CTstage 7DX™(シーティーステージセブンディーエックス)」を開発しました。お客さまの行動様式の変化に対応した「ボイス(音声)/ノンボイス(非音声)統合機能」を備えた新しいコンタクトセンターを実現いたします。お客様自身による各種の設定変更も可能であり、需要の変動や取扱品目の変更、さらにはWithコロナ対応もふまえたオペレーター拠点の分散化・在宅化など、事業環境の変化に対応した最適なコンタクトセンターの構築も可能となります。これらの最新機能により、コンタクトセンターのデジタルシフトを目指すお客さまのシステム化の実現に貢献いたします。(2)省電力無線通信を実現した920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop®」を搭載することで、無線センサーネットワーク収容とLTE通信に対応した小型ソーラーパネルのみで動作可能なIoTゲートウェイ「ゼロエナジーゲートウェイ」を開発しました。橋梁などのインフラ構造物の老朽化が進み、適切な維持管理が不可欠となってきております。また、激甚化する自然災害による河川氾濫などを監視する防災・減災の対策として、センサーを用いたモニタリングシステムの導入が進んでおります。導入にあたっては計測器やゲートウェイの設置に電源や通信回線などの敷設工事が伴い、機器設置の手間とコストが問題となっていましたが、「ゼロエナジーゲートウェイ」は、システム導入時の電源工事及び通信配線工事が不要なため屋外の外部電源が無い環境でも容易に導入が可能となります。本製品により、インフラ構造物の老朽化対策や防災・減災に資するモニタリングシステムの導入を加速し、社会インフラの維持管理の高度化、効率化に貢献いたします。当事業に係る研究開発費は、3,063百万円であります。 <コンポーネント&プラットフォーム>(1)本体サイズ、設置スペース・メンテナンススペースの最小化と高い生産性の両立を実現したカラーLEDプリンター「COREFIDO(コアフィード)C650dnw」を開発し、提供を開始しました。医療や流通・小売業など、印刷が欠かせないお客様の限られたスペースでの使い勝手(ユーザビリティ)の向上にこだわり、業界初の技術「Space Saving Technology(スペースセービングテクノロジー)」の搭載により、本体サイズを小型化しただけでなく、消耗品・メンテナンス品の交換や紙詰まりの除去など、全てのメンテナンス作業が前面から行える業界初の「フルフロントアクセス構造」で、メンテナンススペースの最小化を実現しました。今後も、LEDの特長を活かしたプリンターの小型化技術を追求することにより、企業が抱える課題の解決に貢献いたします。(2)幅狭カラーLEDプリンター「PLAVI(プラビ)Pro330S」を開発し、提供を開始しました。最小25mm/最大86mmの幅狭用紙への多様なカラーオンデマンド印刷が可能となります。サービス、流通・小売、製造業など、カラーによる視認性や識別性の向上を必要とする現場において、SIerと共創する業務改善システム用の出力端末として活用いただけます。今後も、カラーによる視認性や識別性の向上と小型・オンデマンド出力を必要とするさまざまな業界のSIerのソリューションと連携し、企業が抱える課題の解決に貢献いたします。当事業に係る研究開発費は、5,945百万円であります。 <全社共通等>(1)社会インフラを支える機械設備の老朽化とこれをメンテナンスする労働力不足の恒常化という社会課題の解決に資する新規ソリューションに向けて、多点型レーザー振動計を開発しました。この振動計は、広範囲に設置された多数の機械設備の振動を1台で常時計測できます。また非接触式であるため、モーターやポンプの回転軸、ベルトコンベアーのローラー、エンジンのタービンなど接触式のセンサーを直接取り付け困難な可動部や高温部の振動を、直接計測できます。コストを抑えつつ施設全体の設備の振動を「見える化」することにより、機械設備のメンテナンスを効率化し、過剰な頻度のメンテナンスや機械設備の故障による経済損失の解消を実現します。(2)AIを用いた最適化技術により、配送条件(配送先と順番、車輛への荷物積載の内訳)に基づく配送総走行距離を最小化する解を自動で導出する「コスト最小化型配送ルート最適化アルゴリズム」を開発しました。本アルゴリズムは、その演算量が膨大になるという理由でこれまで実用化されて来なかった、複数車輌で荷物を複数拠点に分割配送するケースなど、膨大な配送パターンの中から効率のよいパターンを自動で抽出できることが特長であります。コロナ禍において物流の需要は急増し、物流のひっ迫が社会課題となる中、本アルゴリズムを適用することで、燃料代のコスト削減、また走行距離の最適化及び短縮によりCO2排出量の削減が可能となります。全社共通等に係る研究開発費は、2,206百万円であります。
FY2019|2,222 文字
5【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2017年5月に発表した「中期経営計画2019」のとおり、「スマートセンシング」と「人にやさしいメカトロ」を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は10,700百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <情報通信>(1)高速光通信分野で培った技術を活かし、温度、歪み分布の測定時間を大幅に短縮(従来比約1/1000)した「光ファイバーセンサー」を開発しました。長距離・広範囲で温度・歪みを分布的かつリアルタイムに測定することが可能で、橋梁や道路などのインフラ健全度監視、製造ラインや工場内の温度監視など、さまざまな活用シーンに向けて社会課題の解決に貢献いたします。(2)「ストアフロント変革ソリューション」として、これまで、金融機関向け窓口端末や旅客交通向け券売機、コンタクトセンター向け遠隔支援の分野で培ってきたノウハウ・技術を活かして有人窓口の省人化や無人化を支援するミドルウェア「CounterSmart(カウンタースマート)」を開発いたしました。近年、急速に拡大している有人窓口のデジタル化や省人化ニーズに対して、多言語に対応した音声操作や、AI対話を活用した無人窓口応対など、多様な決済手段を提供してまいります。(3)通信業界で長年培ってきた技術を活かして、主要な通信事業者に対応した「マルチキャリア対応音声IoTゲートウェイ」を開発いたしました。既存設備に変更を加えることなく、LTE回線を用いたIPネットワークへのマイグレーションを実現することが可能となります。また、LANやUSBなどのインターフェースも備えているため、新たなIoTサービスへも柔軟に対応いたします。当事業に係る研究開発費は、2,597百万円であります。 <メカトロシステム>これまで紙幣還流型ATMや現金処理機等の開発により培ってきたノウハウを活かして、今後の製品の中核となるプラットホームモジュール(以下モジュールと記載)の開発に取り組んでおります。2018年度は、モジュールを評価するための試作機を製造しております。今後もモジュール開発を継続し、モジュール、及びモジュールを組み込んだ製品の完成を目指します。当事業に係る研究開発費は、1,927百万円であります。 <プリンター>(1)業界初「7年間無償保証」「メンテナンス品7年間無償提供」を実現した「COREFIDO EX」シリーズを開発し、提供を開始しました。本シリーズにはA3カラーLEDプリンター「C844dnw」「C835dnw」「C835dnwt」の3機種をラインアップしています。耐水紙や薬袋などの多彩な媒体への印刷に対応したことにより、オフィス市場やインダストリー市場などの様々な現場のニーズへの適応が可能となりました。(2)基本性能は維持しつつ、従来機種より待機時の消費電力を8割削減した水平紙送り式ドットインパクトプリンター「MICROLINE(マイクロライン)8480SU3」と楽々セット機能搭載の「MICROLINE8480SU3-R」の2機種を開発し、提供を開始しました。本機種は待機時の消費電力を2.5W以下に抑え、国際エネルギースタープログラム及びグリーン購入法に適合した環境配慮型の商品です。また様々な業種の帳票・複写紙への印刷が可能となりました。当事業に係る研究開発費は、3,952百万円であります。 <EMS>当事業に係る研究開発費は、284百万円であります。 <全社共通等>(1)高速道路内の事故や落下物などによる交通異常は、人命や二次的な重大事故につながる可能性があるため、事象が発生した後に自動的かつ早期に検知可能な技術開発が急務となっております。この課題に対応するため、プローブデータを用いた学習により普段の交通状況に応じた交通流モデルを構築し、これと比較することで交通の異常を検知する交通流異常検知技術を開発しました。今後は、大型連休や気象の特異日など、さらに多様な条件での検証を進めつつ、より精度の高い検知技術を開発してまいります。(2)ディープラーニングを用いて、「人の自然な表情や振る舞いから人の潜在的な感情を推定する技術」の研究開発を本格的に着手しました。事業展開を考慮して、「困り」に加え、「ネガティブ・ポジティブ」、「興味・関心」に取り組みを拡大させました。とくに2018年度は、表情と視線から「興味・関心」を推定して、利用者の感情に合わせた情報を提供するエンジンを開発し、「対話型システム」への適用を検証しました。(3)行動実践の動機づけを高めて無理なく日常生活の長期的な変化を促すことができる「行動変容技術」と、これを用いた「健康増進プロンプトシステム」を開発しました。開発したシステムは、利用者のスマートフォンに生活習慣の改善につながるメッセージをリアルタイムに提示するものです。利用者の属性や行動変容ステージ、行動情報などを基に、状況にあったメッセージや適切なタイミングで提示することが特長になります。本システムを用いて約70名の被験者による実証実験を行い、行動及び意識の変化に対する有効性を確認しました。全社共通等に係る研究開発費は、1,938百万円であります。
FY2018|2,231 文字
5【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、平成29年5月に発表した「中期経営計画2019」のとおり、「スマートセンシング」と「人にやさしいメカトロ」を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は8,350百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <情報通信事業>(1)人と自然な対話を実現するAI対話エンジン「Ladadie®(ラダディ®)」を開発しました。「Ladadie®」は、ユーザー自身では気付かなかった真のニーズを引き出すコンサルタントのラダリング技法を用いた対話や、キーワードの掘り下げでFAQを効率的に検索するための対話など、性質の異なる対話を同一エンジンで行うことができます。また、LINE®やFacebook®などに代表されるSNS上のテキストチャットによる対話や、コンタクトセンターなどで利用されている音声認識エンジンとの連携による音声対話にも対応することが可能となります。(2)通信市場で長年取り組んできた映像監視・画像処理・映像配信技術を活かし、H.264符号化形式の高画質映像データを最大1/10に圧縮する映像配信の効率化技術と、IoT市場において今後ニーズが拡大する顔認識、物体認識などの画像センシング技術を搭載した、映像IoTシステム「AISION™(アイシオン)」を開発しました。本システムは、AI及びアナリティクス技術を融合させることにより、幅広い分野における業務改革の実現を可能とします。 当事業に係る研究開発費は、2,420百万円であります。 <メカトロシステム事業>(1)海外市場向けの新型紙幣還流型ATM「ATM-Recycler G8」を開発しました。これまで国内外で培ってきたノウハウを活用し、現金需要拡大に向けた高速大容量化と将来への拡張性強化に対応しております。今後、市場の拡大が見込まれるインドや東南アジアなどの新興国地域などに向けて販売することで、海外市場におけるメカトロシステム事業のさらなる拡大を図っていきます。(2)流通・小売業、飲食業の店舗向けに、お釣り紙幣の出金も可能な電子マネーチャージ機「CZ-20シリーズ」を開発しました。小型で卓上への設置を可能にするとともに、専用の置き台と組み合わせてスタンドアロンで設置することも可能です。タッチパネルにより操作が簡単になり、入金された現金を出金に利用できる紙幣還流型であるため、お客様の利便性向上とレジ周り業務の効率化に貢献します。(3)一般車両に搭載できる「モジュール型ATM」を開発しました。従来のATMを3つのモジュール(基本部、通帳部、紙幣部)に分割し、無線対応を可能にしたことにより、一般車両に搭載できる機動力を実現しており、これまでATMの設置が困難だった場所でのATM取引を可能にしました。また、蒲郡信用金庫(理事長:竹田 知史、本店:愛知県蒲郡市)の協力のもと、車いす利用者が自然な動作で利用可能なATMを設置しました。基本部と通帳部を台の上に設置することにより、足元が機械に当たりにくい、画面を見やすい、現金を取りやすいなどの利便性を実現しております。 当事業に係る研究開発費は、1,995百万円であります。 <プリンター事業> AIを用いてプリンターの印刷品質を改善するための印刷設定値を予測する技術開発に取り組みました。特定業種で使用される特殊な印刷用紙への印刷時にしばしば発生する印刷不良状態を学習データと共にAIに認識させ、対象の特殊印刷用紙に最適な印刷設定値を自動的に求めることができます。従来は、お客様から印刷不良改善依頼を受けて、対象の特殊印刷用紙を受領後に当社技術者が最適設定値を探索的に求めるという方法をとっており、回答までに数日から数週間の時間を要しておりましたが、本技術をサービスとして提供することで、お客様自身で最適設定値をオンデマンドで求めることができ、お客様のビジネス生産性向上に寄与いたします。さらに今後は、種々の印刷設定値データの学習により、予測精度の向上に取り組みます。 当事業に係る研究開発費は、1,981百万円であります。 <EMS事業> 当事業に係る研究開発費は、8百万円であります。 <全社共通等>(1)ATM利用者の行動が正常な取引行動か否かを画像認識AI技術により判別するATM異常行動検知技術を開発しました。ATMの上に取り付けたカメラの映像から、利用者の操作の様子を解析し不審な動きを検知します。カード受付待ちなどATM機器の状態毎に正常行動を学習することで、不正な装置の取り付けなどの異常行動を高い精度で見つけることが可能となりました。(2)本店と支店、オフィスと自宅など分散したオフィス間でも円滑なコミュニケーションを実現する次世代バーチャルオフィスを開発しました。遠隔オフィス映像の常時表示機能、名前の呼びかけによる会話開始機能、人物位置の検知機能等により、疎遠になりやすい分散化された業務環境下でも普段と同じような感覚でインフォーマルコミュニケーションが行えるようにしました。メンバー同士の相互理解を支援することで、離れていてもエンゲージメント(職場と社員の絆)の高い職場を実現します。 全社共通等に係る研究開発費は、1,943百万円であります。
FY2017|3,344 文字
6【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、「安全で快適な社会の実現」を目指し、OKIの成長戦略に基づいた技術開発を推進しております。OKIの強みである「センシング」、「音響」、「ネットワーク」、「データ解析・処理」、及び「メカトロニクス」技術の融合と進化を目指した研究開発を実施しております。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は10,275百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <情報通信事業>(1)インフラ構造物の点検記録作業全体の効率化を支援するクラウドサービス「インフラ点検レポートサービス」を開発しました。メニューは、トンネル点検業務と橋梁点検業務の2つになります。本サービスは、従来業務を大きく変えることなく、熟練工による点検データを迅速に収集することができ、また、点検を実施した熟練工でなくても帳票の形式での結果取りまとめを円滑に行うことができるため、現場の作業から報告書の作成までの一連の点検業務の品質向上と大幅な作業の効率化を実現できます。また、クラウドサービスであるため、短期間・低コストでシステムが利用でき、さらにはOSの更新や定期点検要領の改正対応などの各種メンテナンス費用が不要なため、運用での効率化も可能となります。(2)空中音響技術を利用し夜間でも探知可能な「ドローン探知システム」のラインアップとして「デュアルパラボラ型指向性音響センサー」を開発しました。既存の「無指向性音響センサー」との組み合わせにより、ドローンの飛行音を2本のマイクロフォンとパラボラで収集して音源位置分析を行い、探知距離300mを実現しました。また、音響センサーの設置環境に応じた背景雑音除去機能、感度調整機能を新たに加え、騒音下にある環境での探知性能向上を実現しております。これにより高性能な全方位での探知を実現し、カメラシステムとの連携により、映像による確認、映像録画や侵入履歴の記録を残すなど、監視用途を広げた運用も可能となります。 当事業に係る研究開発費は、3,323百万円であります。 <メカトロシステム事業>(1)食品スーパーや小売店舗向けの新商品として、人手不足への対応策として導入が進むセミセルフレジやフルセルフレジの精算機への搭載も可能な分離型の硬貨紙幣つり銭機「CR-22」を開発しました。従来の一体型硬貨紙幣つり銭機「CR-20」の特長である業界トップクラスの処理スピードとメンテナンス性を継承しつつ、硬貨処理部と紙幣処理部を上下に配置することで、装置幅を「CR-20」の490mmに比べ、約半分の262mm(47%削減)に抑え、設置スペースの確保が難しかった店舗でも設置が可能となります。(2)海外向けATMで培った技術とノウハウを用いて、最新の金融機関向け窓口用還流型紙幣入出金機として「Teller Cash Recycler G7(以下「TG7」)」を開発しました。業界最速の毎秒12枚の紙幣搬送能力と、紙幣の入出金、計数、管理業務の自動化により、窓口における現金取り扱い業務の迅速化と厳格化を実現します。また、入金された紙幣を出金用に再利用できるため店舗の業務運転資金を圧縮することも可能であります。さらに、紙幣収納にカセット方式を採用したことにより、夜間に現金をカセットごと「TG7」から取り出し安全な場所に保管することが可能となります。また、傷みがひどく取引に使えない紙幣を出金紙幣とは別のカセットに収納し管理することも可能となるなど、現場のニーズに応じた柔軟な運用ができます。 当事業に係る研究開発費は、3,276百万円であります。 <プリンター事業>(1)プリンター・複合機のダウンタイムを大幅に削減する「COREFIDO3(コアフィードスリー)」対応のA3カラーLED複合機2機種「MC843dnw」、「MC843dnwv」を開発しました。ファクス機能とICカード認証印刷機能を省き、導入しやすさを追求、プリント・スキャン・コピー機能に絞ったシンプルモデルであります。毎分23ページの連続印刷・複写速度、用紙重送検知センサーを装備した毎分50ページの高速スキャナー、大型カラータッチパネルによる高い操作性といったビジネスユーザーが複合機に求める基本性能を満たしております。(2)独自の低臭気ソルベントインク「SXインク」を搭載した大判インクジェットプリンターを開発しました。日本市場向けは54インチ対応の「ColorPainterTM E-54s」、海外市場向けは64インチ対応の「ColorPainterTM E-64s」となります。SXインクを搭載しつつ、導入コストを抑えたエントリーモデルであります。低臭気によりお客様の作業環境を改善するSXインクは、広色域、高発色、高濃度、高耐候性及び低ランニングコストも実現し、カーラッピングや電飾など屋内外の幅広いアプリケーションに活用可能であります。電飾看板等にも最適な高濃度インクであります。(3)CAD図面印刷、地図情報印刷、印刷校正などに使用する大判LED複合機・プリンターの新商品として、A0対応の「Teriostar(テリオスター)LP-2060・LP-2060-MF、同 LP-1050・LP-1050-MF」、A1対応の「同 LP-1150・LP-1150-MF」の3シリーズ6機種を開発しました。ロール紙での給紙に対応しているため、大量印刷されるお客様に便利にお使いいただけます。また、コンパクトボディであるため、様々なオフィスに設置可能であります。さらに、操作パネルの表示部分には8.5インチの大型カラータッチパネルを搭載し、見やすいカラフルな表示と、使いやすい操作ボタンにより操作性向上を実現しております。 当事業に係る研究開発費は、1,736百万円であります。 <EMS事業> 当事業に係る研究開発費は、9百万円であります。 <全社共通等>(1)音声圧縮にボコーダーを用いた放送事業用4FSKデジタル連絡無線に対し、日本テレビ放送網株式会社、株式会社JVCケンウッドと共同で、通話の明瞭度を向上させる送信側前段処理技術と、音声周波数帯域を拡張して耐周辺雑音特性を高める受信側後段処理技術を開発しました。携帯電話が普及している現在においても、放送事業用連絡無線は、災害時に輻輳することなく確実に使用できる手段として、取材現場、中継現場において欠かせない設備になっております。しかし、放送事業用連絡無線は2016年にアナログ方式からデジタル方式に変更されたものの、デジタル連絡無線では狭い周波数の中に多数のチャンネルを確保するため、音質に制約を受けて機械的な音になり、受信時の聞き取り易さに問題を残すことになりました。今回開発した技術は、音声の明瞭度を大きく改善し、現場での円滑な運用を確立、ひいては電波の有効利用に大きく貢献することができました。この実績が評価され、第27回電波功績賞(一般社団法人電波産業会会長賞)を受賞いたしました。(2)橋梁やトンネルなどの大型構造物の監視や火災の検知をリアルタイムで可能にする光ファイバーセンシング技術を開発しました。光ファイバーセンシング技術は、構造物に取り付けた光ファイバー中の信号変化から、構造物のどこにどの程度の歪や温度変化があるかを検知する分布計測技術であります。従来の光ファイバーセンサー用計測器は高価で、計測時間が数十秒~数分と長いために用途が限定され、なかなか普及が進まない状況でした。そこで光ファイバーセンサーのコアとなる光検出部に新たな方式を導入し、低コスト化と計測時間の大幅な短縮(従来比1/100以下)を同時に実現することに成功しました。その結果、大型構造物の動的歪のリアルタイム分布計測など、従来困難であった計測が低コストでできるようになりました。また、一台の計測器で複数の構造物の分布計測を連続的に行うことができるので、さらなるコスト削減も可能となります。 全社共通等に係る研究開発費は、1,927百万円であります。
FY2016|2,484 文字
6【研究開発活動】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、「安全で快適な社会の実現」を目指し、OKIの成長戦略に基づいた技術開発を推進しています。OKIの強みである「センシング」、「音響」、「ネットワーク」、「データ解析・処理」、及び「メカトロニクス」技術の融合と進化を目指した研究開発を実施しています。当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は13,317百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。 <情報通信システム>(1)電波到来方向推定技術をITSに適用し、車両・歩行者位置検出を実現した「次世代ITS路側インフラ無線技術」を開発しました。ETCなどのITS無線通信における電波の発信元の位置を特定する技術を路側機に搭載することで、既存車載器を変更することなく、DSRC通信中の車両の位置や走行車線を検出するシステムを構築できます。さらに通信端末を歩行者に展開することで、より一層の交通安全支援が可能となります。(2)空中音響技術を利用して飛来するドローンを探知する「ドローン探知システム」を開発しました。ドローンが飛行音を隠匿することができない点に着目し、従来から培ってきた空中音響技術をベースに、ドローンの飛行音を複数のマイクロフォンで収集して音源位置分析を行い、接近を探知するとともに、飛来する方位・仰角、及び距離を測定して通知することができます。空中音響技術を利用するため昼夜問わず探知できるほか、オプションでカメラを組み込むことで映像と合わせてより確実な確認が行えます。(3)小規模小売店舗向けに省スペース入出金機「USCOSⅡ-CV」を開発しました。従来の中型入出金機と小型紙幣硬貨つり銭機の基本機能を備えながら、設置幅42cmという省スペース化を実現した入出金機です。設置スペースの問題で導入を見合わせていた小規模小売店舗向けに開発したもので、店舗における現金管理の厳正化及び管理者作業の効率化をサポートします。(4)戦略的な店舗運営を目的とした窓口サービス拡大ソリューション「ビデオテラーシステム」の実証実験を実施しました。金融機関を利用されるお客さまが操作する「ビデオテラーマシン」と遠隔地でオペレーターがお客さまからの問い合わせに対応する「ビデオテラーセンター」から構成され、テレビ電話の機能を備えた本邦初のATMになります。お客さまは、必要に応じて「ビデオテラーセンター」のオペレーターのサポートを受けながら「ビデオテラーマシン」を操作することで、口座開設の手続が可能となります。 当事業に係る研究開発費は、8,885百万円であります。 <プリンター> プリンター・複合機のダウンタイムを大幅に削減する新サービス「COREFIDO3」を開発し、提供を開始しました。また、「COREFIDO3」対応の第一弾の商品として、A3カラーLED複合機「MC883dnwv」、「MC883dnw」、「MC863dnwv」、「MC863dnw」の4機種を開発しました。新サービス「COREFIDO3」は、従来のプリンター・複合機の常識を覆す全く新しいコンセプトで究極のセルフメンテナンスを実現するサービスです。「メンテナンスバリアフリー設計」の商品と「クラウドメンテナンスプラットフォーム」により、特別な技術がなくてもユーザー自身で簡単にメンテナンスやトラブル対処が可能になりました。これにより、プリンター・複合機のダウンタイムによる時間のムダ、メンテナンスや修理にともなう経費のムダ、これらの不満に伴うムダなストレスからユーザーを解放します。また新商品のA3カラーLED複合機は毎分35ページの連続印刷・複写速度、用紙重送検知センサーを装備した高速スキャナー、大型カラータッチパネルによる高い操作性を実現し、さらに「LEDプリンター・複合機のシンプル構造による高いメンテナンス性」を強化し、「新世代オペパネガイダンス」を搭載して新発想「メンテナンスバリアフリー設計」を実現しました。 当事業に係る研究開発費は、2,410百万円であります。 <EMS> 当事業に係る研究開発費は、23百万円であります。 <全社共通等>(1)位置連動型メディア制御技術、エリア収音・エリア音再生技術、双方向インターフェース技術などを利用して、遠隔オフィスの注目エリアにアクセスして会話できる「超臨場感テレワークシステム」を開発しました。同システムを用いて埼玉県のセンターオフィス、京都府のサテライトオフィス及びホームオフィスを結ぶテレワーク実験オフィスを構築し、2015年6月から12月までの7ヶ月間、実際のオフィス業務を対象にした実証実験を行いました。実験の結果、離れたオフィス間におけるコミュニケーション活性化効果を確認しています。実験期間中、オープン・イノベーションを目的にサテライトオフィスを公開し、約300名の見学がありました。なお本研究の一部は、国立研究開発法人情報通信機構(NICT)の委託研究「革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」により実施しております。(2)土砂災害の危険のある斜面に設置した傾斜センサーや土壌水分量センサーからの情報を、省電力920MHz帯マルチホップ無線でクラウドセンターに収集し、斜面崩壊の危険をリアルタイムに通知する「斜面監視システム」を開発しました。これは、電池駆動が可能な省電力型マルチホップ無線技術を搭載した傾斜センサーモジュールと、環境エネルギーから電力を創出することでシステムの長寿命化を実現するエナジーハーベスティング技術を組み合わせることにより実現しました。土砂崩れや地すべりなど崩壊の危険性のある斜面や法面に傾斜センサーと土壌水分量センサーを設置し、マルチホップ無線技術でセンサーデータを収集することで、遠隔地からの斜面状態のリアルタイム監視を実現します。 全社共通等に係る研究開発費は、1,999百万円であります。