研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-05 | - | 4 |
| 2024-05 | - | 6 |
| 2023-05 | - | 3 |
| 2022-05 | - | 3 |
| 2021-05 | - | 6 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,634 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に十分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。開発センターと各事業部とのコラボレーションにより、パワーエレクトロニクス製品、スマートグリッド対応機器、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)の適用に向けた技術、センサ技術を応用した監視システム、高度化する通信技術を駆使した情報機器で、新事業探索・立案、新製品開発に邁進してまいりました。なお、研究開発費は、総額で1,064百万円であり、その内訳は、交通事業部371百万円、産業事業部226百万円、ICTソリューション事業部15百万円、その他(共通)451百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1)交通事業部門 ①低床路面電車用VVVF装置とSIV装置低床車両用のVVVF装置とSIV装置は屋根上に搭載されるため、小型軽量化が追求されます。半導体素子の冷却を強制風玲方式として、風路の解析結果から機器配置を最適化することで装置の小型化を実現しました。また、SIV装置は高周波絶縁型DC/DCコンバータ方式を採用し、変圧器に印加する周波数を高くすることで変圧器およびSIV装置の小型軽量化を図り、限られたスペースに効率良く設置することが可能になりました。 (2)産業事業部門 ①インタイヤハウスダイナモ(ITHD)のラインナップの拡充開発センターと連携して自動車のタイヤハウス部でハブに直結する中容量ITHDを開発し製品化しております。新たにバッテリーEVを含む大型車両向けにサイズとトルクをアップさせた大容量ITHDの開発が完了しました。この大容量化により、大型車両向けシャーシダイナモの代用が可能となりました。さらに、軽自動車からコンパクトカーに対応できる小容量ITHDの開発にも着手しました。今後も、ITHDのラインナップの拡充を図ってまいります。 ②次期標準永久磁石同期電動機の開発当社の標準永久磁石同期電動機シリーズの後継機種として、分割式ファンカバー等を標準採用することでメンテナンス性を向上させたシリーズと、磁界解析技術や新しい部材の採用と製造方法の改善等により、現行よりも高効率なシリーズを開発しました。今後もお客様のご要望に沿った商品をスピーディーに開発するとともに、さらなる高効率化を目指した研究を推進することで、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。 (3)ICTソリューション事業部門 ①駅務機器のQRコード決済対応 開発センターと連携し、車掌が列車内で使用する車内補充券発行アプリケーションにQRコード決済機能を搭載いたしました。これにより車内補充券購入時に従来の現金に加えQRコード決済が利用可能となります。今後も、時代のニーズに応じた新たな決済手段の追加による利便性・サービスの向上を提供してまいります。 ②人物動作検知システムの開発開発センターと連携し、AI画像認識技術を用いて自動改札機を不正に通過する人物を検知するシステムの開発を進めています。乗り越えなど複数の不正通過動作AIモデルを開発し、検知精度向上を進めています。 (4)開発センター ①オンデマンドモータ当社の基盤技術であるパワーエレクトロニクスとモータ技術・生産技術ならびに電磁界・構造・流体等の解析技術を活かし、お客様のご要望に合わせた(オンデマンド)最適なモータ・インバータを短期間でご提供できる技術構築を進めています。具体的には、電動化のエンジン代替としての扁平大トルクモータや小型高回転モータを始め、今後のキー技術となる、機電一体型やインバータ一体型のモータ等、オンデマンドな商品開発を推進しました。
FY2024|2,665 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に十分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。開発センターと各事業部とのコラボレーションにより、パワーエレクトロニクス製品、スマートグリッド対応機器、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems,先進運転支援システム)の適用に向けた技術、センサ技術を応用した監視システム、高度化する通信技術を駆使した情報機器で、新事業探索・立案、新製品開発に邁進してまいりました。なお、研究開発費は、総額で972百万円であり、その内訳は、交通事業部349百万円、産業事業部188百万円、ICTソリューション事業部16百万円、その他(共通)417百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1)交通事業部門 ①鉄道向けリアルタイム状態監視システム開発センター・ICTソリューション事業部と連携し、通信機器を鉄道車両のVVVF装置に追設することで、パブリッククラウド経由で運行状態や挙動のリアルタイム状態監視ができるシステムを構築しました。簡易な追加改造で鉄道車両搭載機器のIoT化を実現するシステムです。鉄道分野におけるメンテナンス性能向上に向けたデータ収集、データ解析による消費電力低減に向けた支援などを通じ、より省エネルギー・省メンテナンスな鉄道システムの実現に取り組みます。 ②全閉内扇型誘導電動機(軸受グリース潤滑)の開発従来の軸受油潤滑方式に加えて、軸受グリース潤滑方式を開発しました。製品コストと効率、騒音、メンテナンスのトレードオフ関係を最適化することで、鉄道車両の高効率化とメンテナンスの軽減、低騒音化による快適性を両立しました。 (2)産業事業部門 ①インタイヤハウスダイナモ(ITHD)の大容量化自動車のタイヤハウス部でハブに直結することで、従来のシャシーダイナモに比べ、省スペースで設置の自由度が高い車両試験装置の実現が可能なITHDを提供しておりますが、車両重量が重いバッテリーEVでは、ブレーキサイズや発進トルクが大きくなっており、これに対応できるITHDとしてサイズ、トルクを大きくする大容量化の開発を行いました。これにより、電動化車両の開発に伴い不足が見込まれるシャシーダイナモを代替できる設備として活用いただける他、操舵可能機能を生かした先進運転支援機能(ADAS)の試験にも活用が期待できます。今後も、普及が見込まれるコミューターカーや、電動化対応の大型バス・トラック等に対応できる様、ラインナップの拡充を行ってまいります。 ②分散電源用系統連系インバータVF66Gの機能追加再生エネルギーを活用した小水力発電などの分散電源の出力を電力系統に連系する系統連系インバータVF66Gを提供していますが、通常の電力系統への連系に加え、災害時の系統電源遮断時にもエネルギー供給を可能とする機能として、自立運転機能が求められています。自立運転時は電力系統から遮断された状態で、独立して運転を行うため、安定した電源供給のために、制御方法の改善を行いました。今後も、再生可能エネルギーを利用した小水力、バイオマス、海洋発電等の分散電源に適用可能な製品の拡充を進め、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。 (3)ICTソリューション事業部門 ①汎用型乗車券類発行システムの開発お客様の導入コスト低減のニーズにお応えするため、汎用的なハードウェアとシンプルな発券・集計機能の乗車券システムを開発しました。本システムは、データの設定と変更で各鉄道事業者での使用が可能となる共通ソフトウェアで、集計機能はパブリッククラウドを利用したシステムです。発行機本体は専用端末ではなく汎用的なハードウェアを採用し、スマートフォンとモバイルプリンタの組合せによる持ち運び可能な可搬タイプと、タブレットとレシートプリンタの組合せによる駅窓口に設置する据え置きタイプの2種類を開発しました。お客様の運用に合わせてタイプを選択いただけます。 ②AI技術の調査及びAI搭載システムの開発現在、開発センターと連携しAI技術を活用したシステム開発に取り組んでいます。画像認識技術を用いて自動改札機を不正に通過する人物を検知する取組みを、事業者様の協力を得て進めています。自社内に模擬改札機を設置して改札通過映像を収集し、乗り越えなどいくつかの不正通過動作を検知するAIモデルの開発・検証を進めてきました。現地に設置したカメラによる改札機を通過する人物の映像データを使用した検証及びAI学習による精度向上を進めています。また、AIを活用した人数カウント・人流解析システムの開発にも着手しました。 (4)開発センター ①クラウド連動型キャッシュレス決済ソリューションICTソリューション事業部と連携し、多彩なキャッシュレス決済システムを開発しました。また、クラウドと連動した業務用アプリケーションの構築にも貢献しました。 ②ICT関連製品開発ICTソリューション事業部と連携し、顧客ニーズや利用シーンに対応した、遠隔監視を可能とするツール、アプリケーション、クラウドシステムの開発を導入に向けて推進しています。 ③オンデマンドモータ当社基盤技術であるパワーエレクトロニクスやモータ技術と生産技術を活かし、ご要望に合わせた(オンデマンド)最適なモータ及びインバータを短期にご提供できる技術構築を進めてきました。電動化のエンジン代替として扁平大トルクモータや小型高回転モータをはじめ、今後のキー技術となる機電一体型やインバータ一体型モータ等、オンデマンドな商品開発を推進しました。 ④解析技術を活用した製品開発産業事業部と連携し、自動車用試験機にADAS適用を目指した自動車モデルを構築するため、車両運動解析を行っております。また、電磁界解析、構造解析、熱解析、流体解析を駆使して、機電一体型やインバータ一体型モータ開発のスピーディー化や交通事業部製品・産業事業部製品の品質・信頼性向上に向けたサポートを実施しました。 ⑤展示会出展「人とくるまのテクノロジー展 2024」に自社開発した車載インバータのモックアップを展示、及びワイヤレス給電システムコイルを紹介し、情報交換を行いました。
FY2023|3,069 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に十分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。なお、研究開発費は、総額で755百万円であり、その内訳は、交通事業部284百万円、産業事業部99百万円、ICTソリューション事業部18百万円、その他(共通)352百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1)交通事業部門 ①回生吸収用と非常走行用蓄電池を搭載した回生電力貯蔵装置の開発回生電力貯蔵装置は、車両制動時の余剰回生電力を蓄電池に蓄え、力行などによる架線電圧低下時に放電を行うことで、回生電力を有効に利用する機能を有しますが、近年は、停電により架線への送電が停止した際、駅間に停車してしまった車両を最寄り駅まで退避させる非常走行用電源としての機能も要求されることが増えました。非常走行運転に必要な電力量が大きい場合は、回生吸収用と非常走行用の蓄電池を組み合わせて用途別に使い分けることにより蓄電池容量を最適化できるため、回生吸収用と非常走行用の蓄電池をそれぞれ搭載した回生電力貯蔵装置を開発しました。 ②耐寒耐雪電気式戸閉装置の開発耐寒耐雪電気式戸閉装置を試作し、寒冷地の営業列車で半年に及ぶ長期耐久試験を実施しました。試験終了後、車両から取り外した戸閉装置の分解調査を実施し、各部品の摩耗・劣化や防水箇所への浸水はなく良好な結果が得られ、電気式戸閉装置が寒冷地でも使用可能なことが確認できました。 ③常電導磁気浮上型リニア推進方式車VVVF装置の更新17年前に納入した常電導磁気浮上型リニア推進方式車用のVVVF装置の更新にあたって、主回路素子としてハイブリッドSiC素子を適用し、従来2バンク構成としていたインバータを1バンク構成にまとめ、また装置内ユニット構成を見直して各種機器を最新世代とすることにより、軽量、省メンテナンス化を実現しました。 (2)産業事業部門 ①自動車試験用1000V級直流電源装置の開発自動車の急速なEV化の中で、車両搭載用バッテリーの容量増加に伴い、充電時間を短縮するため高電圧化に移行する動きが加速しています。これに対応し、自動車試験装置におけるバッテリー試験装置やバッテリー模擬電源装置として適用可能な、1000V級直流電源装置の開発を完了しました。 今後も、自動車のEV化に対応した試験装置に適用する製品ラインナップの拡充を進めていきます。 ②大容量EDモータのCEマーキング、IP55対応海外での生産設備の大型化に伴い、大容量EDモータの海外規格対応や耐環境性向上が求められてきております。これに対応するため、EDモータへの欧州CEマーキング対応や防塵防水構造(保護等級:IP55)対応の大容量機種への拡大を一部構造の見直しや部品の見直しを実施いたしました。これにより、環境の厳しい設備や欧州向けの大型設備に対しても、対応できる様になりました。 (3)ICTソリューション事業部門 ①汎用端末車内補充券発行機の共通システム開発お客様の導入コスト低減とキャッシュレス決済のニーズにお応えするため、発行機本体は専用端末ではなくキャッシュレス対応の汎用端末を採用し、データの設定、変更で各鉄道事業者での使用が可能となる共通ソフトの開発と、パブリッククラウドを活用した上位集計システムの開発を開始しました。また、汎用端末を活用したシステムとして、購入、乗降時は乗客のスマートフォンを使用し、発売・利用情報を管理するサーバとタブレット端末を簡易改札機とする出改札システムのデモ機を開発しお客様へのPRを開始しました。今後もスマートフォン、タブレットなどの汎用端末とクラウドを活用した、安価で柔軟なシステムの開発を進めていきます。 ②AI技術の調査及びAI搭載システムの試作顔認証技術の調査を進め、実際にオープンソースを利用して顔認証や年齢判別、性別判定などの技術を確認、検証しました。顔認証による入退場システムなどへの展開も視野に今後も研究開発を進めていきます。また、人物の異常行動について、画像認識で検知した人物の座標情報の動きから判定する仕組みの開発にも着手しました。 (4)開発センター ①IoT端末の開発と適用拡大IORemoterⅡ(クラウド型遠隔監視・制御システム端末ユニット)を鉄道車両用向けに適用し、京成電鉄株式会社様にてVVVFインバータ装置の遠隔監視システムとして試験搭載していましたが、愛知高速交通株式会社様のHSSTシステム車両においてVVVF装置に初納入し営業運転を開始しました。 状態基準保全(CBM)に向けた車両状態監視システムへの適用では、車両の制御装置やモータのデータ(電圧・電流・温度など)を自動的にクラウドサーバーに転送することが可能となり、PCやタブレット端末などで閲覧できるようになります。そのため、現地に赴いての作業が不要で省力化が図れるほか、リアルタイムにデータを確認して装置の異常を早期に発見することが可能となり、安全性の向上にもつながります。 ②オンデマンドモータ・制御装置インホイールモータの開発から始まり、お客様のご要求を満足する車載用電機品(制御装置、モータ)を試作開発、製品化してまいりました。その技術を駆使し、車載用だけでなく、ビルトイン(機電一体)型商品の開発も進めております。 ③ADAS(先進運転支援機能)に対応した評価設備近年、EV化の加速とともに先進運転支援技術や自動運転技術も実用化されつつあり、産業事業部で開発したインタイヤハウスダイナモを適用しADAS評価に最適な試験設備として、ラインナップを整えるための開発に取り組んでいます。そのほか、自動化/電動化に伴う新しい評価方法のご相談や試験設備の拡張性などのボトルネックに対し、当社の技術を駆使して最適なテストソリューションをご提案するとともに、インタイヤハウスダイナモならではの、将来性(テストコースで行っていた試験の模擬など)のある開発にも取り組んでいきます。 ④鉄道用歯車装置の加工技術の研究鉄道用歯車装置は長寿命・高信頼性が要求され、強度確保工程の一つとして焼入れ処理があります。焼入れ処理の際には歯先にひずみが生じてしまうため、調整のための再加工が必要ですが、焼入れ後は強度が増しているため加工に多くの時間を要しています。本研究は、加工時間の短縮による生産能力の向上とコストの低減を目的としており、焼入れによるひずみを予測した加工を先に行うことにより、焼入れ後再加工の最小限化が可能であることを実験により確認しました。 ⑤モデルベース開発の調査・研究近年、自動車業界では、※CAEや部分毎の評価を行うための※HILSを用いた安全かつ効率的な開発が行われており、当社の自動車試験機システムもその一役を担っています。本調査・研究では自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI)がモデルベース開発を推進するために提供しているトランスミッションなどのモデルについて調査を行い、さらに当社の自動車試験システムを用いた場合の効果について検討を行っています。 ※CAE:Computer Aided Engineering HILS:Hardware In the Loop Simulator
FY2022|3,337 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。なお、研究開発費は、総額で712百万円であり、その内訳は、交通事業部313百万円、産業事業部97百万円、情報機器事業部30百万円、その他(共通)270百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門 ① 燃料電池試験車用高周波絶縁型DC-DCコンバータ装置の開発従来製作した燃料電池用装置は双方向チョッパ回路のみで構成されていたため、燃料電池を含むすべての回路が架線電圧であるDC1500Vの高圧回路となり絶縁距離確保や機器の大型化が問題でしたが、高周波絶縁型のDC-DCコンバータ回路を適用することにより、燃料電池側がDC750V未満の低圧回路となって装置の小型化が実現しました。 ② 昇降圧チョッパGTOインバータ方式車両用電源装置更新用制御ユニットの開発約30年前に製品化された昇降圧チョッパGTOインバータ方式車両用電源装置は、使用される圧接構造のGTO素子寿命が非常に長い一方で、制御ユニットの集積回路部品寿命が短く、装置更新需要対応のネックとなっていました。今後拡大する更新需要に応えるべく、形状・インターフェイス互換で従来品と交換可能な制御ユニットを現行品の集積回路部品を用いて新規に設計製作・動作確認を実施しました。 ③ 鉄道車両用シングルアーム形パンタグラフの開発従来型シングルアームパンタグラフの枠形状と各部設計を見直し、品質およびメンテナンス性の向上を図りました。上下枠の断面形状は溶接品の角パイプからシームレス丸パイプに変更し、溶接個所の削減と降雪時の動作不良対策も実施しました。併せて主ばねやバランスロッドのサイズアップ、軸受の変更など、寿命延伸を考慮した設計を適用しました。 (2) 産業事業部門 ① 次期標準インバータの開発現行標準インバータVF66シリーズの次期標準インバータとしてVF100シリーズの開発を進めており、その内、小容量機種(2.2~7.5kW)の開発は既に完了しました。VF100シリーズは、制御盤収納を前提とした構造とし、小容量機種ではVF66シリーズよりも設置面積を大幅に削減しました。さらに、長寿命部品の採用や、板金部材の変更による耐環境性の強化を行い、お客様のメンテナンスコスト低減を図っています。今後は、開発を完了した小容量機種をベースに、容量・機能・性能をさらに広げて開発を進めます。また、カーボンニュートラル実現のコア製品として、永久磁石同期電動機EDモータを提供していますが、さらなる高効率化を目指した次期EDモータの開発も進めていきます。 ② 1000V級直流電源装置の開発急速なEV化の中で、バッテリー容量の増加に伴い、充電時間を短縮するため高電圧化に移行する動きがあります。当社も、自動車試験装置に適用するため、バッテリー急速充電やバッテリーシミュレータに対応した、1000V直流電源装置を開発中です。現在、VF66シリーズの直流電源装置、開発中の690Vインバータの設計を取り入れ推進し、試作機製作および評価試験の準備中です。また、大容量の加工機システム適用を目的に開発している、690Vモータ、インバータ・コンバータを含め、高電圧産業製品のラインナップの拡充を進めていきます。 (3) 情報機器事業部門 ① チケットレスシステムの開発磁気券やICカードなどの媒体に代わるチケットレスシステムを目指し、個人所有のスマートフォンを利用した乗車システムを検討し試作および評価を行ないました。運用や利用料などの面で解決すべき課題が判明しましたが、スマートフォンを利用したシステムは今後増えていくことが期待されます。今年5月の鉄道技術展で参考出展したスマートフォンを利用した「スマート車補」は乗車システムではありませんが、スマートフォンを利用した車内補充券発行システムの一例です。今後もスマートフォンなどを利用した次世代に向けたシステムの開発・提案を進めていきます。 ② AI技術の調査およびAI搭載システムの試作AIを適用した画像認識の技術について調査を行い、実際に社内食堂内の混雑状況を画像認識により表示するシステムを試作し評価しました。画像認識の判定結果を画面上の座席に正しく表示することができたため、目的に合わせた画像認識精度のモジュールを選定すればシステムとして実用化も可能であることを確認しました。今後は画像認識だけではなくデータ分析、データサイエンスの分野にも取り組んでいきます。 (4) 事業開発部 ① IoT端末の開発と機能拡充当社製品IORemoterⅡ(クラウド型遠隔監視・制御システム端末ユニット)を鉄道車両用VVVFインバータ装置に適用し、鉄道車両用電機品のIoTシステム(システムデザインとプログラム)を開発しました。現在、京成電鉄様に試験的に搭載させて頂き、リアルタイムにデータを採取し確認できることを実証しております。産業分野においては、工場のラインモニタシステムを開発しました。工場内ラインに設置することで、遠隔地からWebブラウザによって状況確認することが可能となり、また消耗品の管理機能も付加しているため、お客様の利便性を更に向上しました。現在開発中の5G対応次世代端末開発は順調に推進中で、実適用の経験もフィードバックし基本的なデザインを完了しています。今期には量産試作が完了する予定です。 ② 分散電源系統連系インバータVF66Gに、停電時の非常用電源として使用する自立運転機能があります。従来は三相出力のみでしたが、近年需要が高まっている、携帯電話やバッテリー、照明器具などへの電力供給に応えるため、単相出力機能を追加したソフト開発を行いました。 ③ EDM海外生産対応 中国に設立した合弁会社「中稀東洋永磁電機有限公司」で生産開始した永久磁石型同期電動機(CTEDM)は、IP55、GB規格に適合し、効率においても1級を取得(19型・27型・31型 脚据え置きタイプ)しました。7.5kW~200kWのシリーズ設計完了に向けて、22型(22kW・30kW)と35型(160kW・200kW)標準タイプ(電動ファン・PGセンサ付き)の開発を進める以外に、市場要求の高い自己ファンタイプ(センサレス)、ファンレスタイプ(センサレス)を製品化するため、設計のサポートを行っています。また、回転数も標準の1500回転に加え、1000回転シリーズも2022年中に設計完了する予定です。さらに、モータ設置方法としてGB規格に準拠したフランジタイプの開発も、お客様からの引合を受けながら、シリーズ化に向けて設計対応をしています。 (5) 研究所 ① IE5対応小容量PMモータの開発世界規模で省エネルギー化への関心が高まる中,モータの高効率化が注目されています。1.5kW,1500min-1,200Vの永久磁石モータに対してCAE(Computer Aided Engineering)による磁界解析を駆使して、極数・スロット数の最適化、ステータ巻線の占有率の向上、鉄損の低減、小型化を図り、ファンレスの自然空冷でモータを設計しました。試作機において国際高効率規格の最高レベルであるIE5(1.5kWの場合は90.4%)を大きく上回る93.0%を実現しました。 ② 高速スキャナー式角線レーザー溶接調査脱炭素社会を目指し急速に進行する電動化に対応してモータを大量生産するための自動化が必要で、コイル材には平角線を使用することのメリットが大きいとされています。平角線コイルを結線するための方式として、当社ではガルバノスキャナを用いたレーザー溶接の検討を進めています。モータに適用可能なサイズの平角線で溶接試験を繰り返し、高速かつ安定した品質の加工が可能であることを確認しました。
FY2021|2,601 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。なお、研究開発費は、総額で819百万円であり、その内訳は、交通事業部328百万円、産業事業部147百万円、情報機器事業部20百万円、その他(共通)322百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門 ① 三次元的な台車挙動を考慮した空転再粘着制御の開発鉄道車両の粘着空転現象に対する台車のダイナミクスの影響を解明するため、三次元モデルの構築を行い、空転再粘着時のトルク引き下げによる車空転誤検知や、トルク引き下げ不足による連続的な空転の発生による再粘着失敗といった現象を再現できました。特に台車軸ばね減衰が低い場合はトルク引下係数の最適な値の選定が重要であることが確認されました。 ② 制御ユニットを高機能化した車両用VVVF装置の開発インバータ制御は従来と同じ速度センサレスベクトル制御であり、制御ユニットを高機能化して処理速度を従来の約3倍とし、大容量メモリを搭載した。これにより,空転・滑走時の高速な再粘着制御や、高精度のモニタデータ記録、長時間の動態記録などを可能としました。 ③ 海外向けADD付き集電装置の開発 国内向けパンタグラフをベースに緊急降下機能(ADD:Automatic Dropping Device)付き空気上昇式パンタグラフを開発しました。小型・軽量化および保守の軽減を目的としたシングルアーム形であり、動作方式は空気上昇・ばね下降方式とし、高速走行(設計最高速度160km/h)に対応するためオイルダンパを装備しています。 (2) 産業事業部門 ① インタイヤハウスダイナモの開発自動車のタイヤハウス内に設置が可能なインタイヤハウスダイナモを、シャーシダイナモへの適用に向けて検討を進めています。インタイヤハウスダイナモの量産化に向け、部品の内製化、組立作業性向上のための見直しを実施しました。さらに、インタイヤハウスダイナモを車両に取付/取外しする際の作業性向上について検討しました。 ② EV/HEVシステム試験用スレンダー形高速モータの開発電気自動車やハイブリッド車の多軸の駆動システム試験用モータを開発中です。これは、開発済みの20000回転/分のダイナモ用モータをベースに、モータのフレームを小径にし、一部フレームを切欠き構造に変更するモータです。このモータにより、実際に車載された状態と同様の構成を再現して試験することが可能となります。形状や巻線の見直しにより、開発済みダイナモ用モータよりも効率が向上し、小型化の実現に目途が付き、製品化に向けて進めています。 ③ 690V大容量モータ/インバータの開発海外や国内の加工機システムの大容量化により増加している690V電源に対応したモータおよびインバータの開発を進めています。モータについては、現行の400V電源の誘導モータをベースとし、690V化したモータを開発しました。ラインナップ含め、製品化に向けて進めています。インバータおよびその電源となるコンバータについては、試作機の評価試験を進めております。 (3) 情報機器事業部門 ① 駅務機器の共通データ、共通プログラムの開発各種駅務機器の運賃算出処理に必要な運賃データ(駅、運賃など)と運賃計算プログラムを一元化した共通データ、共通プログラムが完成しました。機器ごとの範囲で作成していた運賃データと運賃計算プログラムを共通化することにより、運賃改定の改修コストの削減が見込めるとともに品質向上も期待できます。また、これら共通データ・共通プログラムをサーバに搭載することでシンクライアント化も可能となります。 (4) 事業開発部 ① IoT端末の開発と機能拡充クラウドについて、これまでの自社クラウドに加えて、大手クラウドサービスである、Amazon Web Service、Microsoft Azure、Alibaba Cloudとの接続が可能となりメニューの拡充を実施しました。IoT端末は、5G対応次世代端末の開発に着手、時代の変化とともに、求められる機能に対応しつつ、IORemoterⅡから次世代機へと、信頼性を高めより堅牢な端末を提供できる開発を進めています。 ② 分散電源産業事業部門と共同で、すでに製品化している系統連系インバータVF66Gに、分散電源に対する系統連系規定に対応したソフト開発を行いました。 ③ EDM海外生産対応 中国に設立した合弁会社「中稀東洋永磁電機有限公司」にて量産する永久磁石型同期電動機CTEDMのシリーズ化に向け、研究所、産業事業部門と生産をサポートしています。中国の規格への対応や、現地生産設備に適した部品設計への見直しなどを行い、IP55対応1500回転仕様の3機種が先行リリースされました(19型18.5kW、27型45kW、31型90kW)。 シリーズ予定である7.5kW~200kWの生産に向け、産業事業部門と対応を進めています。 (5) 研究所 ① 鋳物歯車箱の自動バリ取装置の開発鉄道車両用のギア装置を収納する鋳物歯車箱は多品種少量生産であるため人手によってバリ取作業が行われています。本開発では、人の目の役目をする3次元センサーを導入し、ロボットアームによるバリ取の自動化を行いました。さらに3次元センサーの情報をもとにロボットティーチングを行うユーザーインターフェイスを開発し、多品種少量品に対するロボットティーチングの効率化を図りました。 ② 高速Ethernet通信による同期運転システムの開発複数の電動機を機械的に連結することなく同期させて運転するシステムにおいて、それらの電動機を駆動する各インバータ間の通信をEthernet使用の高速オープンネットワークで実現しました。これにより、従来の光ファイバやツイストケーブルによる配線をLANケーブル1本にすることができ、省配線、工数減となり、低コスト化が期待できます。また、処理周期短縮化も図ることができ、同期精度向上も期待できます。
FY2020|1,936 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っております。なお、研究開発費は、総額で792百万円であり、その内訳は、交通事業部288百万円、産業事業部154百万円、情報機器事業部7百万円、その他(共通)342百万円であります。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門 ① 高周波絶縁型補助電源装置(SIV)の開発高周波絶縁型補助電源装置にSiC素子を適用し、低スイッチング損失特性を活かすことで、素子損失増加を抑えつつ変圧器印加電圧をより高周波化し、補助電源装置全体のさらなる小型・軽量化を実現いたしました。体積、質量は従来同一出力クラス品より約60%減を実現いたしました。 ② 空転安定化制御を適用した車両用VVVF装置の開発空転時に再粘着のために積極的にトルクを引き下げずに、空転状態を安定的に維持して自己再粘着を期待する手法として、すべり加速度のフィードフォワード手法による空転安定化制御を提案いたしました。現車試験の結果、一部台車振動の誘発が見られたものの、加速度と乗り心地の両立を確認し、さらにブレーキ時の電空協調でも有効に安定化可能なことを確認いたしました。 (2) 産業事業部門 ① インタイヤハウスダイナモの開発従来より、開発を進めてまいりました「扁平型ダイナモ」について、自動車のタイヤハウス内に設置し、従来からのローラ型シャーシダイナモを代替できる製品として、名称を「インタイヤハウスダイナモ」として、実際の使用を想定し、走行モードでの評価試験を進めました。試験結果を従来のローラ型シャーシダイナモでのデータの比較などにより、実用化を目指し進めております。 ② EV/HEVシステム試験用スレンダー形高速モータの開発電気自動車やハイブリッド車の駆動システムの試験用として、最高速度20000回転/分のスレンダー形高速モータを開発いたしました。従来の20000回転/分高速モータをベースに、モータのフレーム外径を小径化し、更に一部フレー ムを切欠き構造とすることにより、試験対象となる駆動システムの入力軸と出力軸の間の軸間距離に合わせたレイアウトが可能となり、実際に車載された状態と同様の構成を再現して試験することが可能となります。 (3) 情報機器事業部門 ① 駅務機器の共通データ、共通プログラムの開発各種駅務機器で使用する運賃ソフト(データ・プログラム)を共通化することによって、運賃改定の改修コストの削減が見込めます。また、運賃算出処理の品質向上も期待できます。現在は基本設計およびシステム移行の検討が完了し、今後、詳細設計及びプログラム・データの入力作業を行い、製品への適用を実現してまいります。 (4) 事業開発部 ① 遠隔監視装置の機能拡充現在、販売中の遠隔監視用端末(IORemoter)をベースに、機能拡充を行ったIORemoterⅡを開発、製品化いたしました。拡充された主な機能としては、SIMフリー、デュアルSIMに対応し、これにより監視システムの構築にあたって海外を含む複数の通信キャリアを利用することが出来るようになりました。また、監視対象のデータを収集、管理するデータロガーについても、監視対象や監視情報の増加に対応するため、小型化(第2世代)、低価格化に取り組み、開発を進めております。 ② 車載用昇降圧コンバータの開発車載用電子部品で構成した昇降圧コンバータを開発いたしました。電力変換回路にインターリーブ方式を採用し、スイッチングを位相差制御することにより入出力リプル電流の抑制が可能となり、リアクトル、キャパシタを小容量化することができました。インバータに使用している素子と同じパッケージ品を選定することで、部品の共通化とともにコンパクトに構成できるなど、小型化も実現いたしました。 (5) 研究所 ① 角線レーザ溶接によるモータ製造コスト低減EDモータのコイルの角線化とレーザ溶接の自動化で巻線工数の低減を目指し、中型から大型機種の範囲でモータ極数及び導体サイズの適正化を完了しております。 ② 車両用歯車装置の潤滑油密閉性向上歯車箱内の潤滑油かき上げ解析やラビリンス構造の流体解析及び潤滑油ミスト発生メカニズムの解明に取り組みました。また、やまば歯車採用とショットピーニング処理での歯車強度アップによる狭小化でラビリンス構造の改良を行い、歯車装置の潤滑油密閉性向上を進めております。
FY2019|1,990 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。なお、研究開発費は、総額で731百万円であり、その内訳は、交通事業部311百万円、産業事業部110百万円、情報機器事業部4百万円、その他(共通)304百万円となっています。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門 ① ECN規格に基づく列車情報システムの開発 IEC61375 part3-4 ECN規格に準拠するシステムとしてジャカルタMRT車両用列車情報システムを開発しました。基本 的なアーキテクチャは,広島電鉄1000形電車向け列車情報システムを踏襲し,対象機器範囲の拡大や取り扱うデータ 量の増大,多様な機能の実装に対応するため,ハードウェアのマイナーチェンジを行いました。 ② 電力貯蔵装置の開発 リチウムイオン電池を用いた電力貯蔵装置を用いて,抵抗制御電車の非常走行試験を実施しました。また,非常走 行結果の解析を行い,今後の非常走行が必要な状況に備えて,SOC が低下した状態でも非常走行ができるように消費 電力量を抑制する運転方法を検討しました。 (2) 産業事業部門 ① 扁平型ダイナモの開発 自動車試験機用ダイナモとして、自動車のハブに直接取り付けタイヤハウス内に収納できる構造とした扁平型ダイ ナモについて、ダイナモ用モータおよびステアリング機能を具備した専用架台の開発を行いました。小型で簡易な車 両試験用試験装置の他、タイヤハウス内に収納できることから、自動運転用の試験装置への使用も想定しておりま す。今後、このダイナモを用いた試験装置としての制御を確立し、製品化してまいります。 ② 小型軽量型インバータの開発 狭小なスペースに設置されるインバータ装置に対して、設置スペースを最小とし、交換等のメンテナンス作業が容 易な小型軽量型のインバータを開発いたしました。従来製品との互換性を見直し、構成部品配置や銅ブスバーを最適 化したシンプルな構成とし、冷却構造やブスバー電流密度を見直すことで、75kWクラスで従来品から体積比で約39% 減、質量比で約25%減を実現しました。 (3) 情報機器事業部門 ① IC専用発行機の開発 小型・卓上型のIC専用発行機の開発を行いました。省スペースでの設置が可能となります。磁気券を無くし、交通 系ICカードのみの運用とする事業者が増えています。また、小型発券機(磁気券対応)との組み合わせで、ICカード と磁気券の併用運用することも可能で、事業者の選択肢が広がります。 (4) 事業開発部 ① 遠隔監視装置の機能拡充 販売中であるIORemoterの拡販を目的として、インドネシアにおける通信機器認証を取得いたしました。これにより インドネシアにおける遠隔監視システムの受注・販売が可能となり、生産ラインのインフラシステム等の監視システ ムへの展開が可能となります。 また、新たな拡販アイテムとしてIoTスターターキットを開発し、IoTへの取り組み易さを強調した製品となってい ます。 ② EDモータの小型化・量産化に向けた取り組み EDモータの更なる小型化・軽量化に向けて、固定子巻線へ平角線を適用した製品開発を行い、実用化いたしまし た。従来方式では実現が困難であった大電流化に成功し、小型でありながら大トルク出力モータを可能にいたしまし た。 (5) 研究所 ① 主電動機用低コスト含浸樹脂の開発 鉄道車両主電動機用に使用される高耐熱性の含浸樹脂材料は、その特殊性もあり、高コストが課題でありました。 そのような背景から、高耐熱性とコストを両立すべく新規の含浸樹脂材料を研究中で、グローバル化も視野に入れ、 幅広い視点で、汎用性の高い材料から物性の調査を実施し、有望な樹脂材料を探索しております。一日も早く実用化 して性能、コスト両面で競争力の高い主電動機を実現してまいります。 ② 角線レーザ溶接によるモータ製造コスト低減 EDモータの固定子コイルの角線化、レーザ溶接採用による自動化を検討し、巻線工数の低減を目指しております。 また、モータ極数及び導体サイズの適正化を行い、成立性の検討を行っております。 ③ ワイヤレス電力伝送の研究 電車の架線レスを目的として、ワイヤレスによる高効率な走行中電力伝送システムの研究を行っております。95%以 上の効率で30kWの静止状態での電力伝送と、地上からのワイヤレス給電のみによるミニモデル電車の連続走行が実現 できており、更なる効率アップと大容量化を図ってまいります。
FY2018|1,721 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。なお、研究開発費は、総額で8億40百万円であり、その内訳は、交通事業部3億10百万円、産業事業部2億12百万円、情報機器事業部5百万円、その他(共通)3億12百万円となっています。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門①電気式戸閉装置の開発長年にわたる空気式戸閉装置の設計・製作の経験を生かし,従来のスペース(当社の空気式戸閉装置Y2,Y4形など)にも搭載可能な電気式戸閉装置を開発いたしました。扉の開閉動作に圧縮空気を使用しないため,パッキン類の定期交換が必要な保守部品が減り,補修作業を大幅に軽減することができます。②超低床式電車用直角カルダン電機品小型軽量化を図った自己通風の主電動機と、低騒音化と保守軽減を図った駆動装置を開発いたしました。主電動機は防振ゴムを介して車体に取り付けられ、自在軸継手を介して駆動装置に動力を伝達しながら主電動機と駆動装置の変位を吸収することができます。 (2) 産業事業部門①自動車試験設備用20000r.p.m・350Nm高速モータの開発電気自動車やハイブリッド車などに使用される駆動用車載モータを試験する試験設備用として、最高回転数20000r.p.m,定格トルク350Nmのモータを開発いたしました。 駆動用車載モータの特性に合わせ、6000r.p.mで350Nmの高トルクを連続出力できる特性と、20000r.p.mの高速特性をあわせもっており、駆動用車載モータの試験に広く適用できるモータとなります。②690V電源に対応したインバータの開発海外での大型設備用として、690V電源に対応した500kWクラスのインバータ装置の開発を行いました。既に適用予定のあった試験用電源用インバータとして完成させておりますが、引き続いて一部修正の上、モータ駆動用インバータとして開発を行っており、690V、500kWモータの駆動が可能なインバータとして製品化してまいります。 (3) 情報機器事業部門①IC専用発行機の開発磁気券を無くし、交通系ICカードのみの運用とする事業者が増えています。小型発券機(磁気券対応)との組み合わせで、ICカードと磁気券の併用運用することも可能で、事業者の選択肢が広がります。設計がほぼ完了し、これから試作機を製作し、拡販を図ります。 (4) 事業開発部①遠隔監視装置の機能拡充販売中であるIORemoterの拡販を目的として追加機能の拡充開発を実施いたしました。新たな機能としてWi-Fi対応、FOMA-Ether Net間ルーティング機能、LTE対応、リモートメンテナンス機能を追加し、IORemoterLTEとして販売を開始いたしました。②水冷式インバータ装置の構造改善による小型・軽量化車載を目的とした水冷式インバータ装置の更なる小型・軽量化達成のため、両面冷却式の素子を適用した主回路構造の設計を行い、従来比70%以下の小型化が実現可能であることを確認いたしました。今後、試作品製作による検証を行い、小型・軽量製品への適用を推進いたします。 (5) 研究所①海外向け主電動機絶縁システムの開発海外向け鉄道車両の主電動機のコストダウンを目的に、低価格の材料適用や工数削減が可能な電動機の絶縁システムを開発しております。現状は、コストダウンを達成できる絶縁システムの最終的な性能評価である熱的耐久試験と高電圧耐久試験を行っており、規定の性能を十分に満たせる見通しとなっております。②車両用歯車の強度向上化車両用歯車の高強度化・信頼性向上・長寿命化・軽量化を目的に、車両用歯車へのショットピーニング処理を検討しております。ショットピーニング処理により強度がアップすることが確認できており、現在は本処理を適用した車両用歯車の実働を模擬した試験装置による最終的な耐久試験を行っております。
FY2017|1,437 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基盤技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。なお、研究開発費は、総額で9億27百万円であり、その内訳は、交通事業部3億42百万円、産業事業部1億40百万円、情報機器事業部28百万円、その他(共通)4億15百万円となっています。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門①SiC半導体適用VVVFインバータ装置営業車両では当社初となる、SiC(Silicon Carbide)半導体を適用したVVVFインバータ装置を、路面電車更新用に開発しました。スペースの制約が厳しい床下ぎ装を実現しつつ、更新前に比べ、質量40%・体積60%の削減ならびに出力密度2.4倍の装置を実現しました。②超低床式電車用平行カルダン電機品超低床式電車に平行カルダン駆動方式を適用可能とする、超小径誘導電動機ならびに駆動装置を開発しました。これにより、永年実績のある車軸付き台車と平行カルダン軸駆動方式による走行安定性および高保守性を実現できました。 (2) 産業事業部門① 高トルク超低慣性モータの開発自動車試験設備において、車輪側の代替負荷として用いる高トルクモータについて、慣性を従来比45%まで低減した高トルク超低慣性モータを開発しました。本モータにより、タイヤのグリップ・スリップ状態の変化を試験装置にて模擬できる様になりました。② デュアルベンチの開発当社独自の移動機構を用い、自動車用部品であるトルクコンバータとクラッチパックの両方の評価試験が可能なデュアルベンチを開発しました。本ベンチにより、それぞれに必要だった専用の試験装置が1台で可能となりました。 (3) 情報機器事業部門①駅務機器ソフトウェアモジュールの開発各種駅務機器のソフトウェアを共通モジュール化し、品質向上を目的として開発を行っており、改修時の開発コスト削減にも効果が見込めます。現在はICカード関連の機能が完成しており、今後、機能を追加し磁気処理等の開発も実施していきます。②各種発券機の改善複合発行機、小型発券機について、ハードの機能追加や制御基板の共通化ができました。今後、エドモンソン券発券機等についても実施していきます。 (4) 研究所①IoTに対応した産業向けコントロールシステムの基礎開発産業機器の海外展開拡大のために、ドイツの「Industrie4.0」や米国の「IIC」などの工場向けIoT規格を考慮した基礎的なIoT機能を持ったシステムを開発し、小規模工場内のシステムに見立てたデモを構築しました。市場動向の調査として、これを海外展示会に出展し、お客様の生の声を聞かせていただきました。この結果を元に、さらなる開発を進めます。②ワイヤレス電力伝送の研究東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本博志准教授らの研究グループと日本精工株式会社との共同研究において、世界で初めて道路に敷設したコイルからインホイールモータへの走行中給電による実車走行に成功しました。本システムにおいて研究所では、車体と車輪間および地上と車輪間でワイヤレスによる電力伝送を行う変換器とその制御装置、および車輪に搭載するインホイールモータとそれを制御するインバータの開発を担当しました。
FY2016|1,180 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、お客様に充分満足していただける製品を追求し、その創造と拡大にチャレンジすることを基本に、既存事業における技術開発及びそれを支える基礎技術開発、ならびに業容を拡大するための新商品開発を積極的に行っています。なお、研究開発費は、総額で8億68百万円であり、その内訳は、交通事業部3億32百万円、産業事業部2億72百万円、情報機器事業部3百万円、その他(共通)2億60百万円となっています。 当連結会計年度の主な開発成果は、以下のとおりです。 (1) 交通事業部門① 大容量「E 3 Solution System」(イースリー ソリューション システム)納入ご好評いただいている回生電力貯蔵装置「E 3 Solution System」におきまして、1セット当たり1000kW、2セット設置で2000kWという大容量システムを開発し、多摩モノレール殿に納入しました。本システムでは、回生電力吸収等の従来機能に加え、変電所停電時に車両を最寄駅まで安全に退避させる非常走行運転機能を有しています。② 電気式戸閉装置の開発従来の空気式戸閉装置に加え、高機能化と保守作業の軽減を図った電気式戸閉装置を開発しました。本装置では、従来空気式のシリンダーと同等の大きさで、扉開閉機構は実績のある構造を採用しています。空気開錠方式を採用しているため、車外のコックを操作することにより、一両分片側の扉を全て手動開扉することが可能です。 (2) 産業事業部門① 500kW単機インバータの開発従来ユニット2台並列で構成していた500KWクラスのインバータを単機ユニット(盤組込)で実現、制御盤設置スペースを大幅に削減しました。② VF66G連携インバータの開発分散電源用の系統連系インバータとしてVF66Gを開発しました。従来の自立・連系モードに加えてガバナ制御モードを追加、連係運転ではFRT要件も標準装備しました。 (3) 情報機器事業部門① 複合発行機のセキュリティ強化ICカードを取扱う複合発行機に、操作画面の盗み見やネットワークからの攻撃等のタンパ行為に対して内部データ等を保護する機能を実装しました。今後、積極的に市場への投入を推進していきます。② 遠隔端末での監視対象の拡大監視対象を拡大するために、近距離無線(ジグビー)のコーディネータ機能を追加し、その子機として電池駆動の複数のジグビーセンサを扱うことが可能になりました。子機は乾電池で半年以上の動作が可能です。 (4) 研究所① グローバル対応の電動機絶縁システムの研究今後、ますます広がるグローバル化、海外展開を見据え、海外鉄道用主電動機向けの、高電圧絶縁システム、および、グローバル標準の材料を用いた高耐熱絶縁システムなどの研究を行い実用化の目処をつけました。