事業等のリスク
東芝グループは、高度な技術とグローバルな競争に直面しており、事業計画の未達成リスクがあります。新型コロナウイルスの影響による需要減少やサプライチェーンの混乱、原材料価格の高騰などが業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、過去の株主総会運営に関する調査報告を受け、企業統治体制の再構築に時間を要する可能性があります。さらに、国内外の法令遵守や内部統制に関するリスクも存在し、違反した場合には行政処分や社会的信用の失墜につながる可能性があります。加えて、キオクシアホールディングスの株式保有に関するリスクも抱えています。
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FY2023|18,733 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業領域であるエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。当社が2023年6月28日時点(当有価証券報告書提出日)において認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1) 事業計画の前提条件当社は、2022年6月2日、「人と、地球の、明日のために。」という経営理念のもとで、デジタルとデータの力を活用し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する当社グループ経営方針を発表しました。本経営方針の中では当社グループの企業価値最大化を目指す長期ビジョンを明確にし、中長期の数値目標を公表しております。数値計画は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、当社グループが当該数値計画を達成できるかどうかは、「3 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受け、前提条件等が変化することがあり、当該数値計画を実現できず、事業計画を予定通り達成できない可能性があります。また、米中の貿易摩擦による一部顧客向け販売への影響、ロシア・ウクライナ情勢等を背景としたエネルギー価格の上昇、物流の混乱による輸送コストの高騰、銅・アルミニウムをはじめとする原材料の値上げなども引き続き事業計画の達成に影響する可能性があります。 (2)戦略的選択肢の検討当社は、潜在的な投資家やスポンサーとのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うため、すべての委員が当社から独立した社外取締役で構成される特別委員会を設置し、2022年4月7日、潜在的な投資家やスポンサー(以下「本パートナー候補」という。)とのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うこととしました。当社は本パートナー候補との協議を交えながら、当社の企業価値向上に向けた戦略的選択肢に関する提案を募集するプロセスを慎重に進めてまいりました。当社は、2022年7月19日、複数の本パートナー候補を第2次入札プロセスに招聘することを決定し、以後、より包括的な提案を受領すべく、財務・法務・税務・規制その他の事項を含む当社事業に関するデューディリジェンスを実施する機会を付与してまいりました。その後、当社は、複数の本パートナー候補から、完成度は様々ではあるものの、複数のより詳細な意向表明書(法的拘束力のあるものを含む。)を2022年9月30日までに受領しました。これらの提案を受け、当社は、今後のステップを決定するために、財務・法務・税務・規制その他の観点から各提案の評価を進めてまいりました。当社は、2023年3月3日、日本産業パートナーズ㈱(JIP)から最終提案を受領し、その後の交渉を経て、2023年3月23日、当社は、取締役会において、JIPの曾孫会社であるTBJH㈱(現TBJH合同会社。以下、公開買付者という。)による当社の普通株式に対する本公開買付けに関して、当該時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するものの、当該時点において、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することまではしないことを決議するとともに、公開買付者との間で、公開買付者による本公開買付けの実施や当社による本公開買付けへの賛同の意見の維持等について定める本公開買付契約を締結いたしました。 当社は、本取引の意義やその後に生じた当社を取り巻く状況の変化を踏まえ、2023年3月23日付の意見において留保していた本公開買付けへの応募を推奨するか否かに係る意見の内容について継続して検討しておりましたが、2023年6月8日、当社が設置した特別委員会の意見の内容を踏まえて、原意見表明を変更し、同日時点の当社の意見として、本公開買付けに関して、公開買付けが開始された場合には、これに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。なお、本公開買付けが開始されるまでの間に、特別委員会に対して、特別委員会が同日付で当社取締役会に対して答申した意見に変更がないかを検討し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更内容を明らかにした上で更に意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、あらためて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。 公開買付者は、2023年7月下旬を目途に本公開買付けを開始することを目指しているとのことですが、公開買付者によれば、本公開買付けの開始には、国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が必要になり、かかる競争法令等及び投資規制法令等上の手続には一定の期間を要し、これらの手続に要する期間を正確に予想することは困難であるとのことです。かかる国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が2023年3月23日から6ヶ月を経過する日までに完了されない場合等一定の場合には、本公開買付けが開始されず、当社又は公開買付者によって本公開買付契約が解除される可能性があります。 (3)コンプライアンス、内部統制関係当社グループは、法令、社会規範、企業倫理の遵守(コンプライアンス)、財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しています。2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識したことから、かかる不備を是正するための措置を講じ、適切な内部統制の整備、運用をすすめております。内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではなく、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。2022年度においては当社米国子会社において、当社経営幹部を装う第三者による虚偽の指示に基づく資金流出が発生しています。第三者による不正への対応策含め、今後も継続して内部管理体制を強化してまいります。なお、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金等の行政処分を受けたことがあります。 (4)キオクシアホールディングス㈱の株式当社は、2017年9月、メモリ事業を営む旧東芝メモリ㈱の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、本株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、旧東芝メモリ㈱の当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、旧東芝メモリ㈱は、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び旧東芝メモリ㈱は当社の持分法適用会社になり、2018年8月、㈱Pangeaは旧東芝メモリ㈱を吸収合併し、東芝メモリ㈱(2019年10月1日付でキオクシア㈱に商号変更。)に商号変更し、2019年3月、東芝メモリ㈱を株式移転完全子会社とする株式移転によって発足した東芝メモリホールディングス㈱(2019年10月1日付けでキオクシアホールディングス㈱に社名変更、以下「キオクシアホールディングス」という。)の株式を取得し、キオクシアホールディングスは当社の持分法適用会社になりました。当社が保有するキオクシアホールディングスの株式の簿価は個別財務諸表において840億円、連結財務諸表において2,680億円(いずれも2023年3月末現在)であり、2020年8月、当社保有のキオクシアホールディングスの転換型株式を普通株式に転換した結果、その議決権比率は40.6%(ただし、本報告書提出日現在においては、㈱INCJに対して、その議決権の一部につき指図権を付与しております。)です。このため、キオクシアホールディングスの損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなります。当社はキオクシアホールディングスの経営に関与しておらず、また、キオクシアホールディングスの業績に係る今後の見通しについて提供を受けておりません。そのため、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の今後の見通しについて予想することは困難ですが、過去の実績としては、メモリ事業は需給の循環的変動傾向が顕著であり、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にありました。なお、今後、メモリ事業の市況悪化、ロシア・ウクライナ情勢等を背景としたエネルギー価格の上昇、サプライチェーンの混乱、自然災害、停電を始めとする不可抗力等により同社の業績が著しく悪化した場合、同社株式について減損損失を計上する、または、持分法投資損益に影響を与える可能性があります。近時の米中貿易摩擦に伴う関税、税金その他の輸出関連規制や運用見直しにより、中国に所在するキオクシアグループの主要顧客への販売が制限される又はかかる規制により当該顧客の生産量が減少する場合には、かかる主要顧客からの同社グループの売上収益が大幅に減少する可能性があるなど同社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす恐れがあり、ひいては、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。当社は、メモリ事業を当社グループにおいて運営する意図はなく、キオクシアホールディングスの株式については当社の株主価値最大化のために最適な方法を追求していきます。キオクシアホールディングスについては2020年8月27日に同社普通株式の東京証券取引所への新規上場が承認されましたが、同社は2020年9月28日開催の取締役会において、上場手続きを延期することを決議しました。同社は、適切な上場時期を検討しており、当社は、引き続き、新規上場の実現に向けて協力し、また、株主間契約、法規制、市場環境、各種ステークホルダーとの関係等の制約条件の下で、キオクシアホールディングスの株式の現金化の可能な方策について継続的に検討しております。当社は、2021年2月にキオクシアホールディングスの金融機関に対する借入金等の債務を担保するために㈱三井住友銀行、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行及び三井住友信託銀行㈱等に対して、当社が保有するキオクシアホールディングスの株式を担保に供しています。 (5)証券訴訟当社は、2015年、過去に不正な会計処理が行われたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該不正な財務報告について、国内において複数の訴訟提起がされ、約1,421億円の損害賠償請求を受けており、当社は合理的に見積り可能な金額を引当計上しています(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記.25」参照)。これらの訴訟については、訴訟提起から相当期間が経過しており、2023年度から2024年度にかけて一部の訴訟において一審判決や和解の勧告、成立の可能性があります。これらも含め今後の経過に応じて既に計上している引当金についても適宜合理的に見積り可能な金額を見直していくことから、追加の費用計上が必要になる可能性があり、また一定の支払が必要となる場合には、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は地方裁判所で棄却され、この決定について原告が上訴していましたが、2018年7月、地方裁判所判決を破棄し、原告が訴状を修正し再提出することを許容すべく本件を地方裁判所に差戻す旨の上訴審判決が出されました。2018年10月、当社は、当該上訴審判決を不服として、連邦最高裁判所に対して上告申立てを行いましたが、2019年6月、同申立てが不受理となり、地方裁判所に差戻されました。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)戦略的提携・買収の成否当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)大規模案件の受注に係るリスク当社グループでは、原子力発電システム、火力発電システム、電力流通システム(送変電・配電システム)、鉄道交通システム等において大規模案件の受注及び推進を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が大規模案件遂行に大きな悪影響を与えることがあります。そして、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延または中止となった場合等には、当該案件に関して将来の損失に備えて引き当てを行う、又は、計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、2019年度においても、火力発電システム等において、損失を計上した案件があり、2020年度、2021年度においても、送変電・配電システムで損失を計上した案件があり、また、2018年に海外で受注した鉄道案件では、受注後の仕様変更、設計の遅延、新型コロナウイルス感染症の影響等により大幅な工程の遅延が発生しており、2019年度から2022年度まで損失を計上し、今後も損失を計上する可能性があります。このような大規模案件における損失発生を回避するために、一定規模の案件については受注の段階で、分社会社のみならずコーポレートによって受注の可否について審査を行い、プロジェクトの管理を強化し、損失リスクの極小化を図っています。このような施策によって、既受注の損失が発生している大規模案件は減っていますが、上に述べた案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他の事情によって大規模案件において損失が発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常です。さらに、「3 事業等のリスク (10)取引慣行・履行保証等に係るもの」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、電力事業プラントに関する契約においては製品保証を付けることがあり、合理的に見積り可能な額の製品保証引当金に見直しております。原子力事業については、東京電力ホールディングス㈱、中部電力㈱、㈱日立製作所、及び当社は、原子力発電事業に係る共同事業化を目指した検討を行うことを目的として、2019年8月基本合意書を締結し、共同事業化に向けた検討をしていくこととしました。検討の結果によっては、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。火力事業においては、脱炭素社会に向けた取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、火力事業の大型新設案件に関する市況は厳しいものと認識しています。このため、今後の損益見込によっては火力事業に係る長期性資産の減損が必要となる可能性があります。現在、サービス事業を中心とした事業体制へ転換し、人員配置、製造拠点の適正化を図っておりますが、競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。エネルギーアグリゲーション事業は円安影響による発電事業の燃料費上昇や海上輸送費高騰等により厳しい事業環境にあり、事業環境の変化による将来のキャッシュ・フローの見込の変動によっては、固定資産等の減損が生じるおそれがあります。なお、東芝エネルギーシステムズ㈱の株式については、同社の事業が今後の外部環境が悪化し、計画通りいかない場合には、同社株式の減損が生じる可能性があり、また、当社グループ内での組織再編等があった場合には当社単独決算において損失が生じる可能性があります。 3)インフラシステムソリューション部門の事業環境当部門は、公共インフラ、産業システムの領域に様々なソリューションとコンポーネントを提供しています。当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 4)ビルソリューション部門の事業環境当部門では、昇降機及び産業光源等に関する事業を遂行しており、昇降機に関しては、中国国内に製造拠点を持ち、中国国内で販売も行っており、当社グループの昇降機の海外事業においては中国が主要市場の一つとなっています。そのため、中国国内の景気後退、建築コストの増加、新型コロナウイルス感染症の流行等その他事業環境の変化等に伴う民間の設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。今後の米国と中国の貿易摩擦の状況によっては、事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 5)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。リテールソリューション部門およびプリンティングソリューション部門の業績は、各地域の政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。 6)デバイス&ストレージソリューション部門の事業環境当部門は、半導体、ストレージプロダクツ(HDD)、半導体製造装置等で構成され、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、為替変動の影響を受ける傾向にあります。また、当部門は国内外の同業他社との厳しい競争下にあります。市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性に加え、米国と中国の貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢の影響による事業活動の一部制約や、原材料価格や物流費の高騰が生じており、これらの状況が続いた場合、当部門の事業に悪影響が生じる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症による世界的感染の再拡大や、その感染拡大防止に向けた各国政府の行動制限を伴う政策によっては、当部門の事業活動に悪影響が生じる可能性があります。半導体及びHDD事業においては、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいはサプライチェーン上の在庫過多に起因する販売計画の下方修正などの悪影響を受ける可能性等があります。HDD事業においては、モバイルHDD市場の規模縮小に加え、マクロ経済の停滞を背景とするデータセンター関連市場における在庫調整および新規投資の抑制等、市場環境に急激な変化が継続して生じており、今後、かかる市場環境に改善が見られない場合、当部門の事業に悪影響が生じる可能性があります。また、特定顧客と納入済みの一部製品の品質について、製品保証費用の発生を想定した引当金を計上するとともに、品質責任協議の終結に向けた対応と品質強化対策の効果検証作業にあたっていますが、これらの状況が長期化した場合、当部門の事業に悪影響が生じる可能性があります。半導体製造装置事業については、半導体業界の技術革新による成長が期待される反面、新型コロナウイルス感染症の影響による海外への渡航や現地での据付工事の活動が一部制限されていることに加え、米国と中国の貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢による原材料価格の高騰など、これらの状況が続いた場合、事業計画に悪影響が生じる可能性があります。 7)デジタルソリューション部門の事業環境当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 8)その他部門の事業環境当部門は、リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を提供しており、需要の拡大を見込み設備投資を行っていますが、需要が予想より下回ったり、生産が計画どおりに進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品の競争優位性が失われ又は低下し、損失を計上する可能性があります。当社製のリチウムイオン二次電池は自動車等幅広い製品に組み込まれているため、当社製品に重大な瑕疵等が発生した場合、リコール等が発生し、多額の損失を被る可能性があります。 9)財務リスク当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。 ①未払退職及び年金費用期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損失累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他の費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。 ②長期性資産及びのれんの減損等長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。当社の連結貸借対照表に計上されているのれんのうち、主要なものには、東芝テック㈱グループに関するもの、東芝エレベータ㈱グループに関するもの、㈱ニューフレアテクノロジーに関するもの等があります。東芝テック㈱グループ、東芝エレベータ㈱グループに関するのれんについては、各社が非上場の他社を買収した際に計上したものです。なお、東芝テック㈱の作成する連結財務諸表においては、同社の準拠する日本会計基準に従い、のれんの均等償却を行っておりますが、当社の連結財務諸表が準拠する米国会計基準においてはのれんの償却は認められていないため、のれんの残高に差異が生じております。同社は上場会社であることから、減損判定における公正価値の計測において市場環境や当該会社の業績見通しのほかに同社の株価も参照されます。2022年度第2四半期及び第3四半期において、当該報告単位の株価の下落と為替相場の変動を主因として同社株式の公正価値が下落し帳簿価額を下回ったため、同社に関するのれんにつき減損損失を計上いたしましたが、引き続き相当額ののれん残高があります。㈱ニューフレアテクノロジーに関するのれんは、当社が㈱ニューフレアテクノロジーを子会社化した際に計上したものです。上記を含め、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。 ③為替変動の影響当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期等の為替レートの差異から生じる為替差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損失累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。 ④繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 10)資金調達環境の変化等当社は、従来より営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入金並びにCPや社債のような債券の募集等により資金を調達しております。これらの資金調達手段は世界経済動向、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が当社グループの資金調達に関して悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入(コミットメントラインを含む)に係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結営業損益等が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失する可能性があります。 (8)取引先等に係るもの1)資材等調達当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要ですが、昨今の材料価格、人件費の高騰や為替変動により、必要な部品、材料などの購入費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 2)人的資源の確保当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっており、人件費も高騰しております。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (9)新規事業に係るもの当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (10)取引慣行・履行保証等に係るもの当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。また、当社グループが受注するプロジェクトにおいては、受注代金の一部回収条件がプロジェクト完了後になっているものがあり、客先の与信状態の悪化や、受注代金の回収が滞った場合には財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (11)新製品及び新技術に係るもの先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (12)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)環境関係当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。なお、当社深谷事業所は2021年9月末の閉鎖に伴い土壌汚染対策法及び埼玉県条例に基づく敷地内の土壌調査により基準超過が確認されたことから対策工事を行っていますが、現時点で想定されていない事象が生じた場合は一定程度の追加費用が発生する可能性があります。また、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法に基づき当社グループ事業場で保管されている同廃棄物は、法定期限内の適正な処分を進めていますが、現時点で想定されていない事象が生じた場合は、一定程度の費用が発生する可能性があります。当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 3)品質問題当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (13)証券訴訟以外の争訟等当社グループは全世界において事業活動を展開しており、集団訴訟を含む訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。又は将来そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 (14)その他1)知的財産権保護当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 2)社会情勢等当社グループは、全世界において事業を展開していますが、米中貿易摩擦、ロシア・ウクライナ情勢をはじめとする、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 3)大規模災害等当社グループの生産、販売拠点が存在する地域において大規模災害、ストライキ、テロ及び新型コロナウイルス感染症等の感染症が発生した場合、多大な悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は影響を受けました。なお、キオクシア㈱の主要な製造拠点は四日市市にあり、南海トラフ地震が生じた場合にはキオクシアホールディングスの株式価値に悪影響を与える可能性があります。 4)模倣品対策当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。
FY2022|17,705 文字
2【事業等のリスク】当社グループの事業領域であるエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。当社が2022年6月27日時点(当有価証券報告書提出日)において認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1) 事業計画の前提条件当社は、2022年6月2日、「人と、地球の、明日のために。」という経営理念のもとで、デジタルとデータの力を活用し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する当社グループ経営方針を発表しました。本経営方針の中では当社グループの企業価値最大化を目指す長期ビジョンを明確にし、中長期の数値目標を公表しております。数値計画は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、当社グループが当該数値計画を達成できるかどうかは、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受け、前提条件等が変化することがあり、当該数値計画を実現できず、事業計画を予定通り達成できない可能性があります。新型コロナウイルス感染症の世界的流行による需要減少の影響は先行きの見通しを立てることが困難であり、引き続き当社グループの事業活動に一定の悪影響が生じる見込みです。流行状況によっては、一層の悪影響が生じる可能性があり、新型コロナウイルス感染症が流行している国や地域においては、感染拡大防止の観点から事業活動を一時的に停止させる可能性があります。また、米中の貿易摩擦による一部顧客向け販売への影響、ロシア・ウクライナ情勢等を背景としたエネルギー価格の上昇、物流の混乱による輸送コストの高騰、銅・アルミニウムをはじめとする原材料の値上げなども引き続き事業計画の達成に影響する可能性があります。 (2)戦略的選択肢の検討当社は、2022年4月7日、潜在的な投資家やスポンサーとのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うこととし、2022年5月30日を期限として、法的拘束力のない提案の提出を要請してきました。当社は、各潜在的な投資家やスポンサーから提出された提案について、提案価格に加え、中長期的な企業価値向上への貢献や、資金調達方法、国内外の競争法や外国為替及び外国貿易法を含む安全保障関連法に係る承認の蓋然性を含む取引実現の確度等といった観点から総合的に評価を行います。今後、パートナー候補となりうる潜在的な投資家やスポンサーにビジネス・法務・財務・その他の詳細なデューディリジェンスの機会を付与していきます。また、戦略的選択肢の実行については国内外の当局の承認が必要になる可能性が高く、クロージングの前提となるその承認に時間を要する可能性があります。 (3)コンプライアンス、内部統制関係当社グループは、法令、社会規範、企業倫理の遵守(コンプライアンス)、財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しています。2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識したことから、かかる不備を是正するための措置を講じ、適切な内部統制の整備、運用をすすめております。内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではなく、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありませんが、3ラインディフェンスの強化を中心に不正防止施策を継続的にすすめてまいります。なお、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金等の行政処分を受けたことがあります。 (4)キオクシアホールディングス㈱の株式当社は、2017年9月、メモリ事業を営む旧東芝メモリ㈱の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、本株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、旧東芝メモリ㈱の当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、旧東芝メモリ㈱は、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び旧東芝メモリ㈱は当社の持分法適用会社になり、2018年8月、㈱Pangeaは旧東芝メモリ㈱を吸収合併し、東芝メモリ㈱(2019年10月1日付でキオクシア㈱に商号変更。)に商号変更し、2019年3月、東芝メモリ㈱を株式移転完全子会社とする株式移転によって発足した東芝メモリホールディングス㈱(2019年10月1日付けでキオクシアホールディングス㈱に社名変更、以下「キオクシアホールディングス」という。)の株式を取得し、キオクシアホールディングスは当社の持分法適用会社になりました。当社が保有するキオクシアホールディングスの株式の簿価は個別財務諸表において840億円、連結財務諸表において3,230億円(いずれも2022年3月末現在)であり、2020年8月、当社保有のキオクシアホールディングスの転換型株式を普通株式に転換した結果、その議決権比率は40.6%(ただし、本報告書提出日現在においては、㈱INCJに対して、その議決権の一部につき指図権を付与しております。)です。このため、キオクシアホールディングスの損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなります。当社はキオクシアホールディングスの経営に関与しておらず、また、キオクシアホールディングスの業績に係る今後の見通しについて提供を受けておりません。そのため、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の今後の見通しについて予想することは困難ですが、過去の実績としては、メモリ事業は需給の循環的変動傾向が顕著であり、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にありました。なお、今後、メモリ事業の市況悪化、ロシア・ウクライナ情勢等を背景としたエネルギー価格の上昇、サプライチェーンの混乱、自然災害、停電を始めとする不可抗力等により同社の業績が著しく悪化した場合、同社株式について減損損失を計上する、または、持分法投資損益に影響を与える可能性があります。近時の米中貿易摩擦に伴う関税、税金その他の輸出関連規制や運用見直しにより、中国に所在するキオクシアグループの主要顧客への販売が制限される又はかかる規制により当該顧客の生産量が減少する場合には、かかる主要顧客からの同社グループの売上収益が大幅に減少する可能性があるなど同社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす恐れがあり、ひいては、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。当社は、メモリ事業を当社グループにおいて運営する意図はなく、キオクシアホールディングスの株式については当社の株主価値最大化のために最適な方法を追求していきます。キオクシアホールディングスについては2020年8月27日に同社普通株式の東京証券取引所への新規上場が承認されましたが、同社は2020年9月28日開催の取締役会において、上場手続きを延期することを決議しました。同社は、適切な上場時期を検討しており、当社は、引き続き、新規上場の実現に向けて協力し、また、株主間契約、法規制、市場環境、各種ステークホルダーとの関係等の制約条件の下で、キオクシアホールディングスの株式の現金化の可能な方策について継続的に検討しております。当社は、2021年2月にキオクシアホールディングスの金融機関に対する借入金等の債務を担保するために㈱三井住友銀行、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行及び三井住友信託銀行㈱等に対して、当社が保有するキオクシアホールディングスの株式を担保に供しています。 (5)証券訴訟当社は、2015年、過去に不正な会計処理が行われたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該不正な財務報告について、国内において複数の訴訟提起がされ、約1,428億円の損害賠償請求を受けており、当社は合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記.25」参照)。これらの訴訟については、訴訟提起から相当期間が経過しており、2022年度から2023年度にかけて一部の訴訟において一審判決や和解の勧告、成立の可能性があります。これらも含め今後の経過に応じて既に計上している引当金についても適宜合理的に見積り可能な金額を見直していくことから、追加の費用計上が必要になる可能性があり、また一定の支払が必要となる場合には、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は地方裁判所で棄却され、この決定について原告が上訴していましたが、2018年7月、地方裁判所判決を破棄し、原告が訴状を修正し再提出することを許容すべく本件を地方裁判所に差戻す旨の上訴審判決が出されました。2018年10月、当社は、当該上訴審判決を不服として、連邦最高裁判所に対して上告申立てを行いましたが、2019年6月、同申立てが不受理となり、地方裁判所に差戻されました。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)戦略的提携・買収の成否当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)大規模案件の受注に係るリスク当社グループでは、原子力発電システム、火力発電システム、電力流通システム(送変電・配電システム)、鉄道交通システム等において大規模案件の受注及び推進を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が大規模案件遂行に大きな悪影響を与えることがあります。そして、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延または中止となった場合等には、当該案件に関して将来の損失に備えて引き当てを行う、又は、計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、2019年度においても、火力発電システム等において、損失を計上した案件があり、2020年度、2021年度においても、送変電・配電システムで損失を計上した案件があり、また、2018年に海外で受注した鉄道案件では、受注後の仕様変更、設計の遅延、新型コロナウイルス感染症の影響等により大幅な工程の遅延が発生しており、2019年度、2020年度、2021年度と損失を計上し、今後も損失を計上する可能性があります。このような大規模案件における損失発生を回避するために、一定規模の案件については受注の段階で、分社会社のみならずコーポレートによって受注の可否について審査を行い、プロジェクトの管理を強化し、損失リスクの極小化を図っています。このような施策によって、既受注の損失が発生している大規模案件は減っていますが、上に述べた案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他の事情によって大規模案件において損失が発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常です。さらに、「2 事業等のリスク (10)取引慣行・履行保証等に係るもの」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。原子力事業については、東京電力ホールディングス㈱、中部電力㈱、㈱日立製作所、及び当社は、原子力発電事業に係る共同事業化を目指した検討を行うことを目的として、2019年8月基本合意書を締結し、共同事業化に向けた検討をしていくこととしました。検討の結果によっては、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。火力事業においては、脱炭素社会に向けた取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、火力事業の大型新設案件に関する市況は厳しいものと認識しています。このため、今後の損益見込によっては火力事業に係る長期性資産の減損が必要となる可能性があります。現在、サービス事業を中心とした事業体制へ転換し、人員配置、製造拠点の適正化を図っておりますが、競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。なお、東芝エネルギーシステムズ㈱の株式については、同社の事業が今後の外部環境が悪化し、計画通りいかない場合には、同社株式の減損が生じる可能性があり、また、当社グループ内での組織再編等があった場合には当社単独決算において損失が生じる可能性があります。 3)インフラシステムソリューション部門の事業環境当部門は、公共インフラ、産業システムの領域に様々なソリューションとコンポーネントを提供しています。当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 4)ビルソリューション部門の事業環境当部門では、昇降機、業務用空調機器及び産業光源等に関する事業を遂行しており、昇降機及び業務用空調機器に関しては、中国国内に製造拠点を持ち、中国国内で販売も行っており、当社グループの昇降機及び業務用空調機器の海外事業においては中国が主要市場の一つとなっています。そのため、中国国内の景気後退、建築コストの増加、新型コロナウイルス感染症の流行等その他事業環境の変化等に伴う民間の設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。今後の米国と中国の貿易摩擦の状況によっては、これらの事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 5)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。リテールソリューション部門の業績は、各地域の政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。プリンティング事業については、同事業を営んでいる東芝テック㈱が上場子会社であることから、同社の経営の独立性を尊重し同社のリカバリー施策を注視しており、当社としては、当社グループの事業ポートフォリオ戦略の観点から必要な施策について株主の立場から同社と協議していきます。東芝テック㈱においては、現在、外部企業とのアライアンス等を含むあらゆる戦略的施策を検討・実施しているところです。当社連結財務諸表における当該事業の総資産は、2022年3月末において約2,000億円であり、有形固定資産約300億円、のれん・無形固定資産約400億円を含みます。なお、外部企業とのアライアンス等の戦略的施策については、第三者との交渉、合意が必要であり、その実現可能性は不確実です。また、当該合意内容等によっては、のれん、無形固定資産、有形固定資産等の減損、評価減等が発生する可能性があります。 6)デバイス&ストレージソリューション部門の事業環境業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。また、米国と中国の貿易摩擦による事業活動の一部制約に加え、材料価格の高騰が生じており、これらの状況が続いた場合、または市況の悪化等によってディスクリート等に悪影響が生じる可能性があります。システムLSI事業については、2020年9月29日に撤退することといたしました。また、上述の方針の一環として、2021年2月に人員再配置及び再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施しました。これらにより事業体質の改善は進みましたが、急激な市況悪化等により事業計画に悪影響が生じる可能性があります。HDDについては堅調に推移しているものの、モバイルHDDの市場規模は縮小していくものと認識しています。これを踏まえて、モバイル向けからエンタープライズ向けへシフトし、データセンター向けニアラインHDDの増産投資を含め、製造自動化の加速、製造能力適正化を進めていく方針ですが、米国と中国の貿易摩擦やロシア・ウクライナ紛争による事業活動の一部制約に加え、材料価格の高騰が生じており、これらの状況が続いた場合、また市況の悪化や競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。半導体製造装置事業については、半導体業界の技術革新による成長が期待される反面、新型コロナウイルス感染症の影響による海外への渡航や現地での据付工事の活動が一部制限されていることに加え、米国と中国の貿易摩擦やロシア・ウクライナ紛争による原材料価格の高騰など、これらの状況が続いた場合、事業計画に悪影響が生じる可能性があります。 7)デジタルソリューション部門の事業環境当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 8)その他部門の事業環境当部門は、リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を提供しており、需要の拡大を見込み設備投資を行っていますが、需要が予想より下回ったり、生産が計画どおりに進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品の競争優位性が失われ又は低下し、損失を計上する可能性があります。当社製のリチウムイオン二次電池は自動車等幅広い製品に組み込まれているため、当社製品に重大な瑕疵等が発生した場合、リコール等が発生し、多額の損失を被る可能性があります。 9)財務リスク当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。①未払退職及び年金費用期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損失累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他の費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。②長期性資産及びのれんの減損等長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。当社の連結貸借対照表に計上されているのれんのうち、主要なものには、東芝テック㈱グループに関するもの、東芝エレベータ㈱グループに関するもの、㈱ニューフレアテクノロジーに関するもの等があります。東芝テック㈱グループ、東芝エレベータ㈱グループに関するのれんについては、各社が非上場の他社を買収した際に計上したものです。なお、東芝テック㈱の作成する連結財務諸表においては、同社の準拠する日本会計基準に従い、のれんの均等償却を行っておりますが、当社の連結財務諸表が準拠する米国会計基準においてはのれんの償却は認められていないため、のれんの残高に差異が生じております。㈱ニューフレアテクノロジーに関するのれんは、当社が㈱ニューフレアテクノロジーを子会社化した際に計上したものです。上記を含め、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。③為替変動の影響当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期等の為替レートの差異から生じる為替差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損失累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。④繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 10)資金調達環境の変化等当社は、従来より営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入金並びにCPや社債のような債券の募集等により資金を調達しております。これらの資金調達手段は世界経済動向、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が当社グループの資金調達に関して悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入(コミットメントラインを含む)に係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結営業損益等が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失する可能性があります。 (8)取引先等に係るもの1)資材等調達当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要ですが、昨今の材料価格、人件費の高騰や為替変動により、必要な部品、材料などの購入費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 2)人的資源の確保当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっており、人件費も高騰しております。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (9)新規事業に係るもの当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (10)取引慣行・履行保証等に係るもの当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。また、当社グループが受注するプロジェクトにおいては、受注代金の一部回収条件がプロジェクト完了後になっているものがあり、客先の与信状態の悪化や、受注代金の回収が滞った場合には財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (11)新製品及び新技術に係るもの先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (12)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)環境関係当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。なお、当社深谷事業所は2021年9月末の閉鎖に伴い土壌汚染対策法及び埼玉県条例に基づく敷地内の土壌調査により基準超過が確認されたことから対策工事を行いますが、現時点では想定されていない状況によっては一定程度の追加費用が発生する可能性があります。また、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法に基づき当社グループ事業場で保管されている同廃棄物は、2022年3月末に環境負債として追加費用計上しましたが、法定期限内の適正な処分を進めるため、さらに一定程度の費用が発生する可能性があります。当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 3)品質問題当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (13)証券訴訟以外の争訟等当社グループは全世界において事業活動を展開しており、集団訴訟を含む訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。又は将来そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 (14)その他1)知的財産権保護当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 2)社会情勢等当社グループは、全世界において事業を展開していますが、米中貿易摩擦、ロシア・ウクライナ紛争をはじめとする、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 3)大規模災害等当社グループの生産、販売拠点が存在する地域において大規模災害、ストライキ、テロ及び新型コロナウイルス感染症等の感染症が発生した場合、多大な悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は影響を受けました。なお、キオクシア㈱の主要な製造拠点は四日市市にあり、南海トラフ地震が生じた場合にはキオクシアホールディングスの株式価値に悪影響を与える可能性があります。 4)模倣品対策当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。
FY2021|18,580 文字
2【事業等のリスク】当社グループの事業領域であるエネルギーシステム、インフラシステム、ビル、リテール&プリンティング、デバイス&ストレージ、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争のがあります。このような状況下、当社が2021年6月24日時点(当有価証券報告書提出日)において認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1) 東芝Nextプランの前提条件「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 経営方針(対処すべき課題)」に記載しているとおり、当社は、2018年11月8日開催の取締役会において、基礎的な収益力の強化と成長に向けた投資の二本柱から構成される全社変革計画「東芝Nextプラン」について決議しております。「東芝Nextプラン」において掲げる数値計画は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、当社グループが当該数値計画を達成できるかどうかは、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受け、前提条件等が変化することがあり、当該数値計画を実現できず、事業計画を予定通り達成できない可能性があります。計画策定時には想定していなかった事業環境の変化として、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行があります。新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、当面は需要の減少が続くと見込まれ、当社グループの事業活動に悪影響が生じる見込みです。流行状況によっては、一層の悪影響が生じる可能性があり、新型コロナウイルス感染症が流行している国や地域においては、感染拡大防止の観点から事業活動を一時的に停止させる可能性があります。また、米中の貿易摩擦による一部顧客向け販売への影響、物流の混乱による輸送コストの高騰、銅・アルミニウムをはじめとする原材料の値上げなど、外部環境の変化も計画策定から大きく変わってきており、これらの環境変化を織り込んだ22年-24年度中期経営計画を策定し、21年10月に公表する予定です。 (2)調査人による第181期定時株主総会に関する調査を踏まえた対応当社では、2021年3月18日開催の臨時株主総会において選任された調査者による2020年7月31日開催の第181期定時株主総会が公正に運営されたか否か(決議が適正・公正に行われたか否かを含む)についての調査が行われ、2021年6月、当該調査の結果を記載した調査報告書を公表致しました。当該調査報告書において、コーポレートガバナンス・コードの規定に照らして2020年7月31日開催の第181期定時株主総会が公正に運営されたものとは言えないという指摘を調査者から受けており、当社としては、かかる指摘を真摯に受け止め、外部の第三者の参画も得て速やかに客観的、透明性のある徹底した真因、真相の究明を行い責任の所在を明確化します。その上で、当社は、企業価値の向上へと導くために、健全で安定的な経営を確保できる体制を早期に再構築する所存です。また、そのなかで、当社のような複雑かつグローバルな事業を経営した、優れた経験を有する人材を独立社外取締役として新たに迎えるべく、株主の皆様の視点も取り入れつつ、入念な調査を開始し、このような候補者を選定次第、臨時株主総会にて株主の皆様にご承認をお願いする予定です。しかしながら、今後実施される真因、真相の究明及び新たな独立社外取締役の選定を含む体制の再構築に要する期間を現時点で合理的に見積もることは困難であり、今回の調査報告書を踏まえた当社の対応が完了するまでには相当期間を要する可能性があります。 (3)コンプライアンス、内部統制関係当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識したことから、かかる不備を是正するための措置を講じ、適切な内部統制の整備、運用をすすめております。当社は、2020年7月8日、コンプライアンスに関する高度な知見を有する外部の有識者として、弁護士の小林英明氏と公認会計士の神林比洋雄氏の2名を含め、当社監査委員会委員、当社社長、副社長、CFO、法務担当執行役、内部監査担当執行役で構成される「コンプライアンス有識者会議」を設置し、同会議は、当社が進める全社コンプライアンス強化、不正防止のために実施中の諸施策に対する改善点の提言、および内部統制の継続的改善に向けた中長期的施策に対する提言を行うことを目的として、8か月にわたる評価検証を行い、2021年3月、当社は2名の外部有識者から提言を受領しました。評価検証においては、当社のリスクマネジメント・コンプライアンスに関する基本的な体制整備、コンプライアンス業務の遂行について肯定的に評価いただく一方で、全社的なコンプライアンス機能を部門横断的に管理・統括する体制を整備すること、役職員意識調査の結果によればコンプライアンス意識浸透が必ずしも十分でないことが示唆されており、施策の見直し・拡充を行うべきであること、不正リスク管理の成熟度向上に向けた更なる取り組みと必要な経営資源の投入が求められること、当社グループ社員を対象としたコンプライアンスに関する調査から内部通報制度について通報者保護を更に確実にするための施策を実行した上で周知を徹底し、より一層の利用促進を図るべきこと、当社グループの個社毎の通常監査だけでなく当社グループ全体の不正リスク管理体制の有効性についての内部監査を定期的に行うべきであること、などの提言をいただきました。当社は、この提言を受けて2021年4月1日付で当社法務部にリスクマネジメント・コンプライアンス室を新設し、また、コンプライアンス意識の再徹底及び組織横断的なコンプライアンス体制・諸施策の強化を図っていくこととしました。内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではなく、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありませんが、3ラインディフェンスの強化を中心に不正防止施策を継続的にすすめてまいります。なお、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 (4)キオクシアホールディングス㈱の株式当社は、2017年9月、メモリ事業を営む旧東芝メモリ㈱の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、本株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、旧東芝メモリ㈱の当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、旧東芝メモリ㈱は、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び旧東芝メモリ㈱は当社の持分法適用会社になり、2018年8月、㈱Pangeaは旧東芝メモリ㈱を吸収合併し、東芝メモリ㈱(2019年10月1日付でキオクシア㈱に商号変更。)に商号変更し、2019年3月、東芝メモリ㈱を株式移転完全子会社とする株式移転によって発足した東芝メモリホールディングス㈱(2019年10月1日付けでキオクシアホールディングス㈱に社名変更、以下「キオクシアホールディングス」という。)の株式を取得し、キオクシアホールディングスは当社の持分法適用会社になりました。当社が保有するキオクシアホールディングスの株式の簿価は個別財務諸表において840億円、連結財務諸表において2,798億円(いずれも2021年3月末現在)であり、2020年8月、当社保有のキオクシアホールディングスの転換型株式を普通株式に転換した結果、その議決権比率は40.6%(ただし、本報告書提出日現在においては、㈱INCJに対して、その議決権の一部につき指図権を付与しております。)です。このため、キオクシアホールディングスの損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなりますが、キオクシアホールディングスに係る持分法投資損益については、2020年度において損失を計上しています。当社はキオクシアホールディングスの経営に関与しておらず、また、キオクシアホールディングスの業績に係る今後の見通しについて提供を受けておりません。そのため、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の今後の見通しについて予想することは困難ですが、過去の実績としては、メモリ事業は需給の循環的変動傾向が顕著であり、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にありました。なお、今後、メモリ事業の市況悪化、自然災害、停電を始めとする不可抗力等により同社の業績が著しく悪化した場合、同社株式について減損損失を計上する、または、持分法投資損益に影響を与える可能性があります。近時の米中貿易摩擦に伴う関税、税金その他の輸出関連規制や運用見直しにより、中国に所在するキオクシアグループの主要顧客への販売が制限される又はかかる規制により当該顧客の生産量が減少する場合には、かかる主要顧客からの同社グループの売上収益が大幅に減少する可能性があるなど同社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす恐れがあり、ひいては、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。当社は、メモリ事業を当社グループにおいて運営する意図はなく、キオクシアホールディングスの株式については当社の株主価値最大化のために最適な方法を追求していきます。キオクシアホールディングスについては2020年8月27日に同社普通株式の東京証券取引所への新規上場が承認されましたが、同社は2020年9月28日開催の取締役会において、上場手続きを延期することを決議しました。同社は、適切な上場時期を検討しており、当社は、引き続き、新規上場の実現に向けて協力し、また、株主間契約、法規制、市場環境、各種ステークホルダーとの関係等の制約条件の下で、キオクシアホールディングスの株式の現金化の可能な方策について継続的に検討しております。当社は、2021年2月にキオクシアホールディングスの金融機関に対する借入金等の債務を担保するために㈱三井住友銀行、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行及び三井住友信託銀行㈱等に対して、当社が保有するキオクシアホールディングスの株式を担保に供しています。 (5)証券訴訟当社は、2015年、過去に不正な会計処理が行われたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該不正な財務報告について、国内において複数の訴訟提起がされ、約1,740億円の損害賠償請求を受けており、当社は合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記.24」参照)。これらの訴訟については、訴訟提起から相当期間が経過しており、2021年度から2022年度にかけて一部の訴訟において一審判決や和解の勧告がなされる可能性があります。これらも含め今後の経過に応じて既に計上している引当金についても適宜合理的に見積り可能な金額を見直していくことから、追加の費用計上が必要になる可能性があり、また一定の支払が必要となる場合には、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は地方裁判所で棄却され、この決定について原告が上訴していましたが、2018年7月、地方裁判所判決を破棄し、原告が訴状を修正し再提出することを許容すべく本件を地方裁判所に差戻す旨の上訴審判決が出されました。2018年10月、当社は、当該上訴審判決を不服として、連邦最高裁判所に対して上告申立てを行いましたが、2019年6月、同申立てが不受理となり、地方裁判所に差戻されました。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)戦略的提携・買収の成否当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (7)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)大規模案件の受注に係るリスク当社グループでは、原子力発電システム、火力発電システム、電力流通システム(送変電・配電システム)、鉄道交通システム等において大規模案件の受注及び推進を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が大規模案件遂行に大きな悪影響を与えることがあります。そして、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延または中止となった場合等には、当該案件に関して将来の損失に備えて引き当てを行う、又は、計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、2019年度においても、火力発電システム等において、損失を計上した案件があり、2020年度においても、送変電・配電システムで損失を計上した案件があります。また、2018年に海外で受注した鉄道案件では、受注後の仕様変更、設計の遅延、新型コロナウイルス感染症の影響等により大幅な工程の遅延が発生しており、2019年度、2020年度と損失を計上しています。このような大規模案件における損失発生を回避するために、一定規模の案件については受注の段階で、分社会社のみならずコーポレートによって受注の可否について審査を行い、プロジェクトの管理を強化し、損失リスクの極小化を図っています。このような施策によって、既受注の損失が発生している大規模案件は減っていますが、上に述べた案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他の事情によって大規模案件において損失が発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常です。さらに、「2 事業等のリスク (12)取引慣行・履行保証等に係るもの」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。原子力事業については、東京電力ホールディングス㈱、中部電力㈱、㈱日立製作所、及び当社は、原子力発電事業に係る共同事業化を目指した検討を行うことを目的として、2019年8月基本合意書を締結し、共同事業化に向けた検討をしていくこととしました。検討の結果によっては、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。火力事業においては、脱炭素社会に向けた取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、火力事業の大型新設案件に関する市況は厳しいものと認識しています。このため、今後の損益見込によっては火力事業に係る長期性資産の減損が必要となる可能性があります。現在、サービス事業を中心とした事業体制へ転換し、人員配置、製造拠点の適正化を図っておりますが、競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。なお、東芝エネルギーシステムズ㈱の株式については、同社の事業が今後の外部環境が悪化し、計画通りいかない場合には、同社株式の減損が生じる可能性があり、また、当社グループ内での組織再編等があった場合には当社単独決算において損失が生じる可能性があります。 3)インフラシステムソリューション部門の事業環境当部門は、公共インフラ、産業システムの領域に様々なソリューションとコンポーネントを提供しています。当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 4)ビルソリューション部門の事業環境当部門では、昇降機、業務用空調機器及び産業光源等に関する事業を遂行しており、昇降機及び業務用空調機器に関しては、中国国内に製造拠点を持ち、中国国内で販売も行っており、当社グループの昇降機及び業務用空調機器の海外事業においては中国が主要市場の一つとなっています。そのため、中国国内の景気後退、建築コストの増加、その他事業環境の変化等に伴う民間の設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。今後の米国と中国の貿易摩擦の状況によっては、これらの事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 5)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。リテールソリューション部門の業績は、各地域の政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。プリンティング事業については、同事業を営んでいる東芝テック㈱が上場子会社であることから、同社の経営の独立性を尊重し同社のリカバリー施策を注視しており、当社としては、当社グループの事業ポートフォリオ戦略の観点から必要な施策について株主の立場から同社と協議していきます。東芝テック㈱においては、現在、外部企業とのアライアンス等を含むあらゆる戦略的施策を検討・実施しているところです。当社連結財務諸表における当該事業の総資産は、2021年3月末において約1,800億円であり、有形固定資産約300億円、のれん・無形固定資産約400億円を含みます。なお、外部企業とのアライアンス等の戦略的施策については、第三者との交渉、合意が必要であり、その実現可能性は不確実です。また、当該合意内容等によっては、のれん、無形固定資産、有形固定資産等の減損、評価減等が発生する可能性があります。 6)デバイス&ストレージソリューション部門の事業環境業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。また、米国と中国の貿易摩擦によって当社グループの事業活動の一部に制約が生じており、当該制約が続いた場合、市況の悪化等によってディスクリート等に悪影響が生じる可能性があります。システムLSIについては、2018年度に続き、2019年度も営業利益が赤字となったことを受け、2020年9月29日、アナログICとマイコンについては、ディスクリート半導体事業とのシナジーの高いモータ制御用製品群に注力し、新規開発を継続しますが、先端システムLSI(SoC)は、新規開発から撤退し既存製品サポートのみ行うこととし、システムLSI事業からは撤退することといたしました。また、上述の方針の一環として、2021年2月に人員再配置及び再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施しました。これらにより事業体質の改善は進みましたが、急激な市況悪化等により事業計画に悪影響が生じる可能性があります。HDDについては堅調に推移しているものの、モバイルHDDの市場規模は縮小していくものと認識しています。これを踏まえて、モバイル向けからエンタープライズ向けへシフトし、データセンター向けニアラインHDDの増産投資を含め、製造自動化の加速、製造能力適正化を進めていく方針ですが、米国と中国の貿易摩擦によって当社グループの事業活動の一部に制約が生じており、当該制約が続いた場合、また市況の悪化や競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。 7)デジタルソリューション部門の事業環境当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 8)その他部門の事業環境当部門は、リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を提供しており、需要の拡大を見込み設備投資を行っていますが、需要が予想より下回ったり、生産が計画どおりに進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品の競争優位性が失われ又は低下し、損失を計上する可能性があります。当社製のリチウムイオン二次電池は自動車等幅広い製品に組み込まれているため、当社製品に重大な瑕疵等が発生した場合、リコール等が発生し、多額の損失を被る可能性があります。 9)財務リスク当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。①未払退職及び年金費用期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他の費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。②長期性資産及びのれんの減損等長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。当社の連結貸借対照表に計上されているのれんのうち、主要なものには、東芝テック㈱グループに関するもの、東芝エレベータ㈱グループに関するもの、㈱ニューフレアテクノロジーに関するもの等があります。東芝テック㈱グループ、東芝エレベータ㈱グループに関するのれんについては、各社が非上場の他社を買収した際に計上したものです。なお、東芝テック㈱の作成する連結財務諸表においては、同社の準拠する日本会計基準に従い、のれんの均等償却を行っておりますが、当社の連結財務諸表が準拠する米国会計基準においてはのれんの償却は認められていないため、のれんの残高に差異が生じております。㈱ニューフレアテクノロジーに関するのれんは、当社が㈱ニューフレアテクノロジーを子会社化した際に計上したものです。上記を含め、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。③為替変動の影響当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期等の為替レートの差異から生じる為替差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。④繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 10)資金調達環境の変化等当社は、従来より営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入金並びにCPや社債のような債券の募集等により資金を調達しております。これらの資金調達手段は世界経済動向、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が当社グループの資金調達に関して悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入(コミットメントラインを含む)に係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結営業損益等が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失する可能性があります。 (8)取引先等に係るもの1)資材等調達当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要ですが、昨今の材料価格、人件費の高騰や為替変動により、必要な部品、材料などの購入費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。2)人的資源の確保当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっており、人件費も高騰しております。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (9)新規事業に係るもの当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (10)取引慣行・履行保証等に係るもの当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。また、当社グループが受注するプロジェクトにおいては、受注代金の一部回収条件がプロジェクト完了後になっているものがあり、客先の与信状態の悪化や、受注代金の回収が滞った場合には財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (11)新製品及び新技術に係るもの先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (12)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)環境関係当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 3)品質問題当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (13)証券訴訟以外の争訟等当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。当社グループは、半導体、光ディスク装置の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。 (14)その他1)知的財産権保護当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 2)社会情勢等当社グループは、全世界において事業を展開していますが、米中、米露貿易摩擦をはじめとする、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 3)大規模災害等当社グループの生産、販売拠点が存在する地域において大規模災害、ストライキ、テロ及び新型コロナウイルス感染症等の感染症が発生した場合、多大な悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は影響を受けました。なお、キオクシア㈱の主要な製造拠点は四日市市にあり、南海トラフ地震が生じた場合にはキオクシアホールディングスの株式価値に悪影響を与える可能性があります。 4)模倣品対策当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。
FY2020|19,080 文字
2【事業等のリスク】当社グループの事業領域であるエネルギーシステム、インフラシステム、ビル、リテール&プリンティング、デバイス&ストレージ、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。このような状況下、当社が認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、当面は需要の減少が続くと見込まれ、当社グループの事業活動に悪影響が生じる見込みであり、2020年度においては次のような影響が出る見込みです。セグメント名売上高(億円)営業損益(億円)エネルギーシステムソリューション△ 500インフラシステムソリューション△ 210△ 40ビルソリューション△ 450△180リテール&プリンティングソリューション△ 700△210デバイス&ストレージソリューション△1,170△350デジタルソリューション△ 190△ 50その他・消去△ 30△ 70合計△2,800△900 新型コロナウイルス感染症の流行状況によっては、一層の悪影響が生じる可能性があります。 (2)コンプライアンス、内部統制関係当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識したことから、かかる不備を是正するための措置を講じ、適切な内部統制の整備、運用をすすめております。当社グループは、内部管理体制の継続的な改善を図っているところでありますが、その一環として当社米州地域総括現地法人東芝アメリカ社が2019年6月から8月にかけて米国子会社を対象に各社の企業風土・コンプライアンスに関するアセスメントを実施し、東芝インターナショナル米国社における不正事案の徴候を発見いたしました。外部専門家とともに調査を行った結果、2009年から2019年にかけて、東芝インターナショナル米国社の従業員が取引先の経営者と共謀し、不当につり上げられた価格で建設工事やメンテナンス業務を当該取引先に発注し、その利益の一部を取引先経営者と当該従業員自身へ還流させていたことが判明しました(当該従業員は解雇。)。2019年10月30日(米国時間)に、元従業員及び当該取引先等に対する損害賠償請求訴訟をテキサス州南部地区連邦地方裁判所へ提起し、現在も同裁判所にて係属中です。東芝インターナショナル米国社を含む東芝アメリカ社グループ全体で内部統制・内部監査機能を強化し、企業風土・コンプライアンス体制の継続的な改善を図るための再発防止策を実施しています。また、2020年1月、当社の子会社である東芝ITサービス㈱において2015年から2019年にかけて24件の架空・循環取引が行われていることが判明しました。本件については、ただちに監査委員会に報告をするとともに、経営トップ以下執行陣は最優先事項として対応し、本件の調査にあたっては、弁護士や公認会計士といった外部の専門家主導のもとでフォレンジック調査や関係者へのインタビュー、証憑の精査を徹底的に行いました。また、当社取締役会でも何度も再発防止策について議論を重ね、3ラインディフェンスの更なる強化策を導入致しました。事業の現場である1線に対しては、風土刷新という観点で、トップ自らがコンプライアンスの重要性を語り、浸透させることが重要であり、今後も継続していきます。また、行動評価を重視した人事評価制度を導入したほか、コンプライアンス意識醸成のための教育投資の拡大、内部通報制度の更なる浸透、定期的な人事ローテーションの実施も図っていきます。2線はスタッフ部門による牽制です。財務会計や調達など1線を牽制すべき機能については、コーポレートの下部組織として位置づけレポーティングラインを事業側と分けることで、牽制機能が有効に機能すると考えており、既に対応を開始しています。更に、新リスクマネジメントシステムの運用を強化するとともに、次期基幹システム導入によるデータ収集機能の向上、ヒューマンエラーの防止と見える化も図ります。また、「東芝Nextプラン」で掲げている子会社数の削減については、これまでも進めてまいりましたが、引き続き削減を進めて、グループガバナンスの強化を図っていきます。3線は監査機能の強化です。外部有識者を入れたコンプライアンス有識者会議を新設し、社外の目による牽制機能を強化するとともに、監査機能の人員増強やグループ会社の監査役との連携強化など様々な強化策により、不正リスクの発見能力の強化を図ります。内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではなく、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありませんが、3ラインディフェンスの強化を中心に不正防止施策を継続的にすすめてまいります。なお、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 (3)キオクシアホールディングス㈱の株式当社グループは、近年、その設備投資・投融資をメモリ分野に集中することとしていましたが、当社は、2017年9月、メモリ事業を営む旧東芝メモリ㈱の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、本株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、旧東芝メモリ㈱の当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、旧東芝メモリ㈱は、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び旧東芝メモリ㈱は当社の持分法適用会社になり、2018年8月、㈱Pangeaは旧東芝メモリ㈱を吸収合併し、東芝メモリ㈱(2019年10月1日付でキオクシア㈱に商号変更。)に商号変更し、2019年3月、東芝メモリ㈱を株式移転完全子会社とする株式移転によって発足した東芝メモリホールディングス㈱(2019年10月1日付けでキオクシアホールディングス㈱に社名変更、以下「キオクシアホールディングス」という。)の株式を取得し、キオクシアホールディングスは当社の持分法適用会社になりました。当社が保有するキオクシアホールディングスの株式の簿価は個別財務諸表において840億円、連結財務諸表において2,861億円(いずれも2020年3月末現在)であり、その議決権比率は40.2%(ただし、当有価証券報告書提出日現在においては、㈱INCJに対して、その議決権の一部につき指図権を付与しております。)です。このため、キオクシアホールディングスの損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなりますが、キオクシアホールディングスに係る持分法投資損益については、2019年度において相当額の損失を計上しています。当社はキオクシアホールディングスの経営に関与しておらず、また、キオクシアホールディングスの業績に係る今後の見通しについて提供を受けておりません。そのため、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の今後の見通しについて予想することは困難ですが、過去の実績としては、メモリ事業は需給の循環的変動傾向が顕著であり、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にありました。なお、今後、メモリ事業の市況悪化、自然災害、停電を始めとする不可抗力等により同社の業績が著しく悪化した場合、同社株式について減損損失を計上する、または、持分法投資損益に影響を与える可能性があります。また、当社は、メモリ事業を当社グループにおいて運営する意図はなく、キオクシアホールディングスの株式については当社の株主価値最大化のために最適な方法を追求していきます。当社は、株主間契約、法規制、市場環境、各種ステークホルダーとの関係等の制約条件の下で、キオクシアホールディングスの株式の現金化の可能な方策について継続的に検討しております。本株式譲渡契約においては、表明保証の違反、あらかじめ規定された一定の米国国際貿易委員会による調査、訴訟等及び特許ライセンス契約等に起因した損失に関し、当社が500億円を上限として補償義務を負うことが規定されております。 (4)モニタリング事業「東芝Nextプラン」では、構造転換が必要な事業をモニタリング事業とし、定期的に改善状況をモニタリングすることとしており、各モニタリング事業のリスクは次のとおりです。①システムLSI事業システムLSIについては、2018年から続く市況悪化に伴う減収影響を主とする業績悪化に対して、売上、事業規模に見合った人員規模への見直しやコスト構造の改善を目指し、東芝デバイス&ストレージ㈱において、2019年9月に早期退職優遇制度を含む事業構造改革を実施しました。しかし、その後も中国市場の低迷に加え、米中貿易摩擦等も影響し市況悪化が加速したことにより、2019年度も営業利益が赤字となっております。2020年度についても市況回復への不透明感が残ることから、聖域を設けずあらゆる施策を検討してまいります。これらの施策が奏功しない場合、悪影響が生じる可能性があります。②火力事業火力事業においては、脱炭素社会に向けた取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、火力事業の大型新設案件に関する市況は厳しいものと認識しています。このため、今後の損益見込によっては火力事業に係る長期性資産の減損が必要となる可能性があります。現在、サービス事業を中心とした事業体制へ転換し、人員配置、製造拠点の適正化を図っておりますが、競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。③モバイルHDDHDDについては堅調に推移しているものの、モバイルHDDの市場規模は縮小していくものと認識しています。これを踏まえて、モバイル向けからエンタープライズ向けへシフトし、データセンター向けニアラインHDDの増産投資を含め、製造自動化の加速、製造能力適正化を進めていく方針ですが、米国と中国の貿易摩擦等による市況の悪化や競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。④プリンティング東芝テック㈱が営むプリンティング事業については、収益性改善のための対策が必要となっています。東芝テック㈱が上場子会社であることから、同社の経営の独立性を尊重し同社のリカバリー施策を注視してまいりますが、当社としては、当社グループの事業ポートフォリオ戦略の観点から必要な施策について株主の立場から同社と協議していきます。リカバリー施策が奏功しない場合、又は更なる市況の悪化等により、悪影響が生じる可能性があります。 (5)証券訴訟当社は、2015年、過去に不正な会計処理が行われたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該不正な財務報告について、国内において複数の訴訟提起がされ、約1,770億円の損害賠償請求を受けており、当社は合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記.24」参照)。これらの訴訟については、訴訟提起から相当期間が経過しており、2020年度から2021年度にかけて一部の訴訟において一審判決や和解の勧告がなされる可能性があります。これらも含め今後の経過に応じて既に計上している引当金についても適宜合理的に見積り可能な金額を見直していくことから、追加の費用計上が必要になる可能性があり、また一定の支払が必要となる場合には、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は地方裁判所で棄却され、この決定について原告が上訴していましたが、2018年7月、地方裁判所判決を破棄し、原告が訴状を修正し再提出することを許容すべく本件を地方裁判所に差戻す旨の上訴審判決が出されました。2018年10月、当社は、当該上訴審判決を不服として、連邦最高裁判所に対して上告申立てを行いましたが、2019年6月、同申立てが不受理となり、地方裁判所に差戻されました。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)東芝Nextプランの前提条件「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 経営方針(対処すべき課題)」に記載しているとおり、当社は、2018年11月8日開催の取締役会において、基礎的な収益力の強化と成長に向けた投資の二本柱から構成される全社変革計画「東芝Nextプラン」について決議しております。「東芝Nextプラン」において掲げる数値計画は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、当社グループが当該数値計画を達成できるかどうかは、「2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受け、前提条件等が変化することがあり、当該数値計画を実現できず、事業計画を予定通り達成できない可能性があります。 (7)戦略的提携・買収の成否当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (8)上場子会社の取扱い当社グループは、経済産業省の策定した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」に基づき、当社グループ内の上場子会社である東芝テック㈱、東芝プラントシステム㈱、西芝電機㈱、㈱ニューフレアテクノロジーについて、当社グループの事業ポートフォリオ戦略と整合的か、ベネフィットが制約やコストを上回っているかなど、当社グループとしての企業価値の最大化の観点からこれら上場子会社を上場子会社として維持することが合理的かについて検証してまいりました。その結果、当社グループとしては、東芝プラントシステム㈱、西芝電機㈱、㈱ニューフレアテクノロジーについては、完全子会社とし、より一層の一体運営を行うことで当社グループの企業価値の最大化を実現できるとの結論に至りましたので、2019年11月から東芝プラントシステム㈱、西芝電機㈱、㈱ニューフレアテクノロジーの公開買付けを行い、公開買付けが成立しました。その後法定の手続きを経て、東芝プラントシステム㈱、西芝電機㈱、㈱ニューフレアテクノロジーは完全子会社となりました。この完全子会社化に伴い、2020年度第1四半期において、合計約89億円程度の連結株主資本が減少する見込みです。今後は計画していたシナジーを創出するための施策を実施していきますが、施策が奏功しない場合、想定していた買収効果を得られない可能性があります。なお、東芝テック㈱については、当社と東芝テック㈱間で、当社と東芝テック㈱の中長期的かつ持続的な企業価値の向上施策につき、協議、検討していますが、協議において方向性の決まったものはなく、現時点での持分の変動は考えておりません。 (9)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)大規模案件の受注に係るリスク当社では、原子力発電システム、火力発電システム、電力流通システム(送変電・配電システム)、鉄道交通システム等において大規模案件の受注及び推進を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が大規模案件遂行に大きな悪影響を与えることがあります。そして、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延または中止となった場合等には、当該案件に関して将来の損失に備えて引き当てを行う、又は、計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、2019年度においても、火力発電システム等において、損失を計上した案件があります。このような大規模案件における損失発生を回避するために、一定規模の案件については受注の段階で、分社会社のみならずコーポレートによって受注の可否について審査を行い、プロジェクトの管理を強化し、損失リスクの極小化を図っています。このような施策によって、既受注の損失が発生している大規模案件は減っていますが、上に述べた案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他の事情によって大規模案件において損失が発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常です。さらに、「2 事業等のリスク (12)取引慣行・履行保証等に係るもの」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。原子力事業については、東京電力ホールディングス㈱、中部電力㈱、㈱日立製作所、及び当社は、原子力発電事業に係る共同事業化を目指した検討を行うことを目的として、2019年8月基本合意書を締結し、共同事業化に向けた検討をしていくこととしました。検討の結果によっては、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。火力事業におけるリスクは上記「2 事業等のリスク (4)モニタリング事業 ②火力事業」に記載のとおりです。なお、東芝エネルギーシステムズ㈱は、米国液化天然ガス(LNG)事業の譲渡による多額の損失によって、利益剰余金に欠損が生じておりますが、今後回復の見込があることから同社株式の減損は行っておりません。ただし、今後の外部環境が悪化し、計画通りいかない場合には、同社株式の減損が生じる可能性があります。 3)インフラシステムソリューション部門の事業環境当部門は、公共インフラ、産業システムの領域に様々なソリューションとコンポーネントを提供しています。当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 4)ビルソリューション部門の事業環境当部門では、昇降機、業務用空調機器及び産業光源等に関する事業を遂行しており、昇降機及び業務用空調機器に関しては、中国国内に製造拠点を持ち、中国国内で販売も行っており、当社グループの昇降機及び業務用空調機器の海外事業においては中国が主要市場の一つとなっています。そのため、中国国内の景気後退、建築コストの増加、その他事業環境の変化等に伴う民間の設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。今後の米国と中国の貿易摩擦の状況によっては、これらの事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 5)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。リテールソリューション部門の業績は、各地域の政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。プリンティング事業におけるリスクは上記「2 事業等のリスク (4)モニタリング事業 ④プリンティング事業」に記載のとおりです。 6)デバイス&ストレージソリューション部門の事業環境業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。また、米国と中国の貿易摩擦等の市況の悪化によってディスクリート等に悪影響が生じる可能性があります。システムLSI及びモバイルHDDの各事業におけるそれぞれのリスクについては、システムLSI事業については「2 事業等のリスク (4)モニタリング事業 ①システムLSI事業」、モバイルHDDについては「2 事業等のリスク (4)モニタリング事業 ③モバイルHDD」に記載のとおりです。 7)デジタルソリューション部門の事業環境当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 8)その他部門の事業環境当部門は、リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を提供しており、需要の拡大を見込み設備投資を行っていますが、需要が予想より下回ったり、生産が計画どおりに進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品の競争優位性が失われ又は低下し、損失を計上する可能性があります。当社製のリチウムイオン二次電池は自動車等幅広い製品に組み込まれているため、当社製品に重大な瑕疵等が発生した場合、リコール等が発生し、多額の損失を被る可能性があります。 9)財務リスク当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。①未払退職及び年金費用期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他の費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。②長期性資産及びのれんの減損等長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。当社の連結貸借対照表に計上されているのれんのうち、主要なものには、東芝テック㈱グループに関するもの、東芝エレベータ㈱グループに関するもの、㈱ニューフレアテクノロジーに関するもの等があります。東芝テック㈱グループ、東芝エレベータ㈱グループに関するのれんについては、各社が非上場の他社を買収した際に計上したものです。なお、東芝テック㈱の作成する連結財務諸表においては、同社の準拠する日本会計基準に従い、のれんの均等償却を行っておりますが、当社の連結財務諸表が準拠する米国会計基準においてはのれんの償却は認められていないため、のれんの残高に差異が生じております。㈱ニューフレアテクノロジーに関するのれんは、当社が㈱ニューフレアテクノロジーを子会社化した際に計上したものです。上記を含め、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。③為替変動の影響当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期等の為替レートの差異から生じる為替差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。④繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 10)資金調達環境の変化等当社は、従来より営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入金並びにCPや社債のような債券の募集等により資金を調達しております。これらの資金調達手段は世界経済動向、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が当社グループの資金調達に関して悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失する可能性があります。 (10)取引先等に係るもの1)資材等調達当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要ですが、昨今の材料価格、人件費の高騰や為替変動により、必要な部品、材料などの購入費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。2)人的資源の確保当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっており、人件費も高騰しております。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (11)新規事業に係るもの当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (12)取引慣行・履行保証等に係るもの当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。 (13)新製品及び新技術に係るもの先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (14)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)環境関係当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 3)品質問題当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (15)証券訴訟以外の争訟等当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。当社グループは、半導体、CRT、光ディスク装置の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。2017年12月、米国サウスカロライナ電力&ガス社他の電力購入顧客から、同州VCサマー原子力発電所2号機・3号機の建設プロジェクト中止に伴い損害を受けたとして、当社に対し損害賠償を求める集団訴訟が提起されましたが、2020年7月に原告が当該訴訟を取り下げ、終了しました。 (16)その他1)知的財産権保護当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 2)社会情勢等当社グループは、全世界において事業を展開していますが、米中、米露貿易摩擦をはじめとする、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 3)大規模災害等当社グループの生産、販売拠点が存在する地域において大規模災害、ストライキ、テロ及び新型コロナウイルス感染症等の感染症が発生した場合、多大な悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は影響を受けました。なお、キオクシア㈱の主要な製造拠点は四日市市にあり、南海トラフ地震が生じた場合にはキオクシアホールディングスの株式価値に悪影響を与える可能性があります。 4)模倣品対策当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。 5)当社株式の流動性当社株式は、2017年8月1日付で東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第二部に指定替えとなり、日経平均株価及びTOPIXの構成銘柄から除外されました。これに伴い、国内を中心とする一部機関投資家の売買対象から当社株式が除外されたと考えられます。当社は、市場第一部への速やかな復帰を目指し2020年4月3日付で、東京証券取引所及び名古屋証券取引所第一部への指定申請を行いました。当該申請については、東京証券取引所及び名古屋証券取引所の承認が得られるかどうか、また、承認の時期は不確定です。東京証券取引所及び名古屋証券取引所第一部への指定申請が認められない場合、当社株式の流動性に悪影響を与える可能性があります。
FY2019|19,379 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの注力事業領域である社会インフラ、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。このような状況下、当社が認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)経営方針に係るもの1)東芝メモリホールディングス㈱の株式に係るリスク 当社グループは、近年、その設備投資・投融資をメモリ分野に集中することとしていましたが、当社は、2017年9月、メモリ事業を営む旧東芝メモリ㈱の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」という。)を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、本株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、旧東芝メモリ㈱の当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、旧東芝メモリ㈱は、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び旧東芝メモリ㈱は当社の持分法適用会社になり、2018年8月、㈱Pangeaは旧東芝メモリ㈱を吸収合併し、東芝メモリ㈱(以下当該合併後の東芝メモリ㈱を「東芝メモリ」という。)に商号変更し、2019年3月、東芝メモリを株式移転完全子会社とする株式移転によって発足した東芝メモリホールディングス㈱(以下「東芝メモリホールディングス」という。)の株式を取得し、東芝メモリホールディングスは当社の持分法適用会社になりました。当社が保有する東芝メモリホールディングスの株式の簿価は個別財務諸表において840億円、連結財務諸表において3,538億円(いずれも2019年3月末現在)であり、その議決権比率は40.2%(ただし、2019年3月31日現在においては、㈱INCJ及び㈱日本政策投資銀行に対して指図権を付与しており、当有価証券報告書提出日現在においては、㈱INCJに対して、指図権を付与しております。)です。このため、東芝メモリホールディングスの損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなりますが、メモリの主要用途のひとつであるスマートフォン市場は現時点では厳しい状況にあり、東芝メモリホールディングスに係る持分法投資損益については、2018年度の第4四半期において損失を計上しています。当社は東芝メモリホールディングスの経営に関与しておらず、また、東芝メモリホールディングスの業績に係る今後の見通しについて提供を受けておりません。そのため、東芝メモリホールディングス㈱の持分法損益の今後の見通しについて予想することは困難ですが、過去の実績としては、メモリ事業は需給の循環的変動傾向が顕著であり、業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にありました。 なお、今後、メモリ事業の市況悪化、自然災害、停電を始めとする不可抗力等により同社の業績が著しく悪化した場合、同社株式について減損損失を計上する、または、持分法投資損益に影響を与える可能性があります。また、当社は、当有価証券報告書提出日現在においては、当社が保有する東芝メモリホールディングスの株式について、締結済の株主間契約に則り新規上場の実現に向けて協力し、安定株主として当面の間保有を継続する方針です。本株式譲渡契約においては、表明保証の違反、あらかじめ規定された一定の米国国際貿易委員会による調査、訴訟等及び特許ライセンス契約等に起因した損失に関し、当社が500億円を上限として補償義務を負うことが規定されております。 2)モニタリング事業 「東芝Nextプラン」では、構造転換が必要な事業をモニタリング事業とし、定期的に改善状況をモニタリングすることとしており、各モニタリング事業のリスクは次のとおりです。①システムLSI事業 システムLSIについては、開発費負担が大きく、2018年度において営業損益が赤字となっております。同事業の収益性の低下により、2018年度において同事業の長期性資産の減損損失を計上しており、引き続き厳しい事業の状況が見込まれます。「東芝Nextプラン」の策定に当たってシステムLSIの収益性の改善計画を策定しましたが、その後の市況悪化の加速などを踏まえ、売上、事業規模に見合った人員規模への見直しやコスト構造の改善により市況の影響を受けにくい事業体制への強化を目的として、東芝デバイス&ストレージ㈱において、事業構造改革を実施することを決定しました。この一環としてシステムLSIの営業部門や共通スタフ等に在籍する者について早期退職優遇制度を適用することとし、また、2019年度からはシステムLSIを1つの事業部に統合し、これまでに培ってきたアナログ、デジタル技術の一層の融合と、開発リソースの統合・再配分による、注力事業領域の強化と共通機能の効率化を図り、より一層事業運営体制を強化していきます。これらの施策が奏功しない場合、悪影響が生じる可能性があります。②火力事業 火力事業においては、温室効果ガスの排出防止への取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、新設案件が減少している現状と認識しており、2018年度、営業損益が赤字となっております。このため、今後の損益見込によっては長期性資産の減損が必要となる可能性があります。今後、サービス事業を中心とした事業体制へ転換し、人員配置、製造拠点の適正化を図りますが、競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。③モバイルHDD HDDについては堅調に推移しているものの、モバイルHDDの市場規模は縮小していくものと認識しています。これを踏まえて、モバイル向けからエンタープライズ向けへシフトし、データセンター向けニアラインHDDの増産投資を含め、製造自動化の加速、製造能力適正化を進めていく方針ですが、米国と中国の貿易摩擦等による市況の悪化や競合他社との更なる市場競争の激化等により、悪影響が生じる可能性があります。④産業モータ事業 インフラシステムソリューション部門の主要コンポーネントのひとつである産業モータについては、世界経済や各国の貿易政策による素材価格変動、為替変動等が製造コストに影響します。特にこの数年はこれらの要因による製造コストの増加で収益性に影響が出ており、生産性改善と価格是正等の対策を行っております。しかしながら市況の悪化や、さらなるコスト増の要因が増えた場合、当社グループの想定通りの収益性の改善がなされない可能性があります。 3)東芝Nextプランの前提条件 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針(対処すべき課題)」に記載しているとおり、当社は、2018年11月8日開催の取締役会において、基礎的な収益力の強化と成長に向けた投資の二本柱から構成される全社変革計画「東芝Nextプラン」について決議しております。 「東芝Nextプラン」において掲げる数値計画は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、当社グループが当該数値計画を達成できるかどうかは、本「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受け、前提条件等が変化することがあり、当該数値計画を実現できず、事業計画を予定通り達成できない可能性があります。 4)戦略的提携・買収の成否 当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)大規模案件の受注に係るリスク 当社では、原子力発電システム、火力発電システム、電力流通システム(送変電・配電システム)、交通機器等において大規模案件の受注及び推進を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が大規模案件遂行に大きな悪影響を与えることがあります。そして、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延または中止となった場合等には、当該案件に関して将来の損失に備えて引き当てを行う、又は、計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、2018年度においても、送変電・配電システム及び火力発電システム等において、損失を計上した案件があります。このような大規模案件における損失発生を回避するために、一定規模の案件については受注の段階で、分社会社のみならずコーポレートによって受注の可否について審査を行い、プロジェクトの管理を強化し、損失リスクの極小化を図っています。 このような施策によって、既受注の損失が発生している大規模案件は減っていますが、上に述べた案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他の事情によって大規模案件において損失が発生し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境 当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。 以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。 また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常です。さらに、「(5)取引慣行に係るもの 1)履行保証等」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 原子力事業については、事業性評価及び他社との連携も含めてその事業の在り方についての検討を行っており、その結果、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 電力流通システム事業は、世界各国・各地域で海外事業を展開しておりますが、非常に厳しい事業環境にあります。また、国内においても、大型案件の追加コスト引当等が発生しており、同事業の2018年度の営業損益は、赤字となっています。このため、今後の損益見込によっては長期性資産の減損が必要となる可能性があります。火力事業におけるリスクは上記「2 事業等のリスク (1)経営方針にかかるもの 2)モニタリング事業 ②火力事業」に記載のとおりです。 3)インフラシステムソリューション部門の事業環境 当部門は、公共インフラ、産業システムの領域に様々なソリューションとコンポーネントを提供しています。 当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。産業モータのリスクについては、「2 事業等のリスク (1)経営方針にかかるもの 2)モニタリング事業 ④産業用モータ事業」に記載のとおりです。 4)ビルソリューション部門の事業環境 当部門では、昇降機、業務用空調機器及び産業光源等に関する事業を遂行しており、昇降機及び業務用空調機器に関しては、中国国内に製造拠点を持ち、中国国内で販売も行っており、当社グループの昇降機及び業務用空調機器の海外事業においては中国が主要市場の一つとなっています。そのため、中国国内の景気後退、建築コストの増加、その他事業環境の変化等に伴う民間の設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。今後の米国と中国の貿易摩擦の状況によっては、これらの事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 5)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境 当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。当部門の業績は、各地域での政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。 6)デバイス&ストレージ部門の事業環境 業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。また、米国と中国の貿易摩擦等の市況の悪化によってディスクリート等に悪影響が生じる可能性があります。 システムLSI及びモバイルHDDの各事業におけるそれぞれのリスクについては、システムLSI事業については「2 事業等のリスク (1)経営方針にかかるもの 2)モニタリング事業 ①システムLSI事業」、モバイルHDDについては「2 事業等のリスク (1)経営方針にかかるもの 2)モニタリング事業 ③モバイルHDD」に記載のとおりです。 7)デジタルソリューション部門の事業環境 当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 8)その他部門の事業環境 当部門は、リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を提供しており、需要の拡大を見込み設備投資を行っていますが、需要が予想より下回ったり、生産が計画どおりに進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品の競争優位性が失われ又は低下し、損失を計上する可能性があります。当社製のリチウムイオン二次電池は自動車等幅広い製品に組み込まれているため、当社製品に重大な瑕疵等が発生した場合、リコール等が発生し、多額の損失を被る可能性があります。 9)財務リスク 当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。① 未払退職及び年金費用 期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。 当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他の費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。② 長期性資産及びのれんの減損等 長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価格がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。 当社の連結貸借対照表に計上されているのれんのうち、主要なものには、東芝テック㈱グループに関するもの、東芝エレベータ㈱グループに関するもの、㈱ニューフレアテクノロジーに関するもの等があります。東芝テック㈱グループ、東芝エレベータ㈱グループに関するのれんについては、各社が非上場の他社を買収した際に計上したものです。なお、東芝テック㈱の作成する連結財務諸表においては、同社の準拠する日本会計基準に従い、のれんの均等償却を行っておりますが、当社の連結財務諸表が準拠する米国会計基準においてはのれんの償却は認められていないため、のれんの残高に差異が生じております。㈱ニューフレアテクノロジーに関するのれんは、当社が㈱ニューフレアテクノロジーを子会社化した際に計上したものであり、同社は上場会社であることから、減損判定における公正価値の測定において市場環境や当該会社の業績見通しのほかに同社の株価も参照します。同社の業績は堅調に推移しておりますが、2018年度第3四半期において、株式市場全体の相場が軟化した影響を受け、同社の株価が下落したことを主因として同社株式の公正価値が下落したため、同社に関するのれんにつき、減損損失を計上いたしましたが、引き続き相当額ののれんの残高があります。 上記を含め、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。③ 為替変動の影響 当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。 当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生じる為替換算差損が発生する可能性があります。 当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。④ 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。 今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 10)資金調達環境の変化等 当社は、従来より営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入金並びにCPや社債のような債券の募集等により資金を調達しております。これらの資金調達手段は世界経済動向、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が当社グループの資金調達に関して悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性があります。 当社は、1,800億円の劣後特約付ローンによる借入を行っていましたが、2019年5月13日付公表の「ハイブリッドファイナンス(劣後特約付ローン)の期限前弁済に関するお知らせ」にありますように2019年6月25日付で期限前弁済を実施しました。 (3)取引先等に係るもの1)資材等調達 当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要ですが、昨今の材料価格、人件費の高騰や為替変動により、必要な部品、材料などの購入費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、日本国内においては、一定の外注先に対する支払サイトの短縮等支払条件の改善を求める政府の施策が推進されています。このような状況下、今後外注先に対する支払条件を変更する可能性があり、その場合には、一時的に必要となる運転資金が増加し、キャッシュ・フローを中心に当社グループの業績及び財政状態に影響を与えることが見込まれます。 2)人的資源の確保 当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっており、人件費も高騰しております。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (4)製品、技術等に係るもの1)新規事業 当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。 新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (5)取引慣行に係るもの1)履行保証等 当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。 一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。 (6)新製品及び新技術に係るもの1)新商品開発力 先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。 当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (7)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ 当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。 加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)コンプライアンス、内部統制関係 当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識しました。当社は、2015年9月30日付で発足した経営刷新体制のもとで、適切な内部統制の整備、運用をすすめてまいりました。その結果、2015年度において財務報告に係る全社的な内部統制の重要な不備を是正するための改善策についての整備は完了し、運用も概ね定着したものの、運用期間の制約からすべての改善策について必ずしも十分には運用状況が確認できなかったこと、2016年3月31日を基準日として行う財務諸表監査において修正事項及び決算・財務報告プロセスに係る不備が発見されたことを勘案し、2015年度において開示すべき重要な不備が存在するものと判断いたしました。その後、2016年度においては、前事業年度末におけるこれらの開示すべき重要な不備の是正措置は完了し、その他対象項目の整備・運用評価の状況を勘案した結果、2016年度の財務報告に係る内部統制は有効と判断いたしました。 また、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。したがって、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 3)環境関係 当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。 当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 4)品質問題 当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (8)重要な訴訟事件等の発生に係るもの1)証券訴訟 当社は、2015年、過去に不正な会計処理が行われたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該不正な財務報告について、国内において複数の訴訟提起がされ、約1,770億円の損害賠償請求を受けており、当社は合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。(「第5 経理の状況 注記.24」参照)。これらの訴訟については、訴訟提起から相当期間が経過しており、2019年度から2020年度にかけて一部の訴訟において一審判決や和解の勧告がなされる可能性があります。これらも含め今後の経過に応じて既に計上している引当金についても適宜合理的に見積り可能な金額を見直していくことから、追加の費用計上が必要になる可能性があり、また一定の支払が必要となる場合には、キャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 また、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は地方裁判所で棄却され、この決定について原告が上訴していましたが、2018年7月、地方裁判所判決を破棄し、原告が訴状を修正し再提出することを許容すべく本件を地方裁判所に差戻す旨の上訴審判決が出されました。2018年10月、当社は、当該上訴審判決を不服として、連邦最高裁判所に対して上告申立てを行いました。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。2)争訟等 当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 当社グループは、半導体、CRT、光ディスク装置の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。 2017年8月、欧州において、過去にブラウン管が組み込まれた製品を購入した原告から、当社グループ会社3社及びグループ外1社に対し、2007年まで当社の持分法適用会社であった松下東芝映像ディスプレイ㈱(設立当時)が、ブラウン管に関する欧州競争法違反行為に関与し、その結果2003年1月から2006年12月の期間に損害を被ったとして、損害賠償請求訴訟が提起されました。 2017年12月、米国サウスカロライナ電力&ガス社他の電力購入顧客から、同州VCサマー原子力発電所2号機・3号機の建設プロジェクト中止に伴い損害を受けたとして、当社に対し損害賠償を求める集団訴訟が提起されました。 (9)役員、従業員、大株主、関係会社等に関する重要事項に係るもの1)電力流通システム事業に関する提携 当社グループは、ロシア法人PJSC "Power Machines"(以下「Power Machines」という。)と合弁でオランダ法人PM&Tホールディング社を設立し、当社グループがPM&Tホールディング社の議決権の49.99%を、Power Machinesが議決権の50.01%を保有しています。PM&Tホールディング社はロシア法人Power Machines Toshiba High Voltage Transformers社の議決権の100%を保有しています。合弁相手方であるPower Machinesが米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Asset Control)から制裁対象(Specially Designated Nationals)に指定されたことが判明したことから、当社グループはその対応につきPower Machinesと交渉を行っています。交渉の結果によっては、当社グループに一定の損失が発生する可能性があります。 2)天然ガスに関する契約当社グループは、2019年5月、仏国エネルギーメジャーTotal S.A.のシンガポール子会社であるTotal Gas & Power Asia Private Limited(以下「Total」という。)との間で、米国産液化天然ガス(以下「LNG」という。)にかかる事業(以下「LNG事業」という。)を行っている当社連結子会社東芝アメリカLNGコーポレーション(以下「TAL」という。)の発行済株式の全てをTotalに譲渡し(以下「本件株式譲渡」という。)、本件株式譲渡の完了と同時に、当社グループ会社間で締結しておりますLNG事業に係る各契約、及び、当社グループと顧客との間で締結している取引契約を含む、当社グループのLNG事業に係る全ての契約を移管又は解除(以下、本株式譲渡と合わせて「本件譲渡」という。)することといたしました。本件譲渡の完了により、2019年度に約930億円(連結)の損失の発生を見込んでいます。なお、当社は、TAL社が米国の天然ガス液化役務提供会社であるFLNGリクイファクション3社(以下「FLIQ3」という。)との間で締結している天然ガスの液化に関する加工委託契約上の義務に関する親会社保証(以下「当社保証」という。)をFLIQ3に提供しています。当社とTotalは、当社がFLIQ3へ提供している当社保証をTotalグループからの保証に置き換えることで解除することでも合意しており、FLIQ3の承認を経て保証解除される予定であり、2020年3月末までに本件譲渡を完了させる予定です。 (10)その他1)知的財産権保護 当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。 当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。 また、これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。 また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 2)社会情勢等 当社グループは、全世界において事業を展開していますが、米中貿易摩擦をはじめとする、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 3)大規模災害等 当社グループの生産、販売拠点が存在する地域において大規模災害、ストライキ、テロ、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合多大な悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は影響を受けました。なお、東芝メモリホールディングス㈱の主要な製造拠点は四日市市にあり、南海トラフ地震が生じた場合には東芝メモリホールディングス㈱の株式価値に悪影響を与える可能性があります。 4)模倣品対策 当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。 5)株主還元等 当社は、東芝メモリ㈱の株式譲渡が完了したことにより計上される相当額の譲渡益のうち当面活用の予定がないものについては、その一部を株主の皆様に還元させていただくことが、ROEの向上等、当社の企業価値と株主共同の利益の向上という観点から適切であると判断し、2018年11月9日から2019年11月8日までの期間において7,000億円を上限として、自己株式の取得を行うことを決定いたしました。しかしながら、自己株式の取得は株式の需給、流通量や市場環境の変化等の当社の支配の及ばない事由により左右されるほか、事業環境の急激な変化等の影響も受けるため、1年間の取得期間中に取得価額の総額及び取得株式の総数が上限に達しない可能性があります。 なお、2019年5月31日(受渡日ベース)時点の取得株式の総数は124,024,300株、取得価額の総額は448,951,139,862円です。 6)当社株式の流動性 当社株式は、2017年8月1日付で東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場第二部に指定替えとなり、日経平均株価及びTOPIXの構成銘柄から除外されました。これに伴い、国内を中心とする一部機関投資家の売買対象から当社株式が除外されたと考えられます。当社は、市場第一部への速やかな復帰を目指していますが、市場第一部への指定は東京証券取引所及び名古屋証券取引所の判断によるため、どの時点で復帰できるかは不明であり、当社株式の流動性や需給への一定の制約が生じる可能性があります。
FY2018|18,453 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの注力事業領域である社会インフラ、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。このような状況下、当社が認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)経営方針に係るもの1)メモリ事業の売却に伴う影響 当社グループは、近年、その設備投資・投融資をメモリ分野に集中することとしていましたが、当社は、2017年9月、メモリ事業を営む東芝メモリ㈱(以下「東芝メモリ」という。)の全株式を譲渡するため、Bain Capital Private Equity, LPを軸とする企業コンソーシアムにより組成される買収目的会社である㈱Pangeaと株式譲渡契約を締結しており、これに伴い、メモリ事業は非継続事業として取り扱われることとなりました。その後、当該株式譲渡契約に従い2018年6月1日付で株式譲渡が実行され、当社は、当該株式譲渡の実行に伴い、東芝メモリの当該株式譲渡後の安定的な事業の移管実現を目的として、㈱Pangeaに合計3,505億円を再出資しました。この結果、東芝メモリは、当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び東芝メモリは当社の持分法適用会社になる予定です。メモリ事業の営業利益は、近年、当社グループの連結営業利益の大部分を占めていたことからメモリ事業が非継続事業となった結果、当社グループの連結営業利益は大幅に減少しましたが、今後、メモリ事業以外の分野において、メモリ分野と同等の利益が生み出される保証はなく、従前の利益水準まで回復しない可能性があります。また、㈱Pangea及び東芝メモリが当社の持分法適用会社となった場合、同社の損益が当社グループの持分法投資損益に影響することとなり、同社の業績によっては同社株式の減損損失を計上する可能性があります。 2)戦略的提携・買収の成否 当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 3)事業構造改革 当社グループは、電子デバイス部門のシステムLSI及びディスクリートの各事業部門、ライフスタイル部門のパソコン、映像及び家庭電器の各事業部門、全社スタフ部門等(いずれも当時)において、2015年度に大規模な構造改革を断行し、多額の構造改革費用等の発生を伴ったものの、これにより課題事業の改善について一定の目途をつけました。しかしながら、更なる事業環境の変化により、新たな課題事業が発生した場合や構造改革が収束したはずの事業につき別の問題が発生した場合等や、全社変革計画「東芝Nextプラン」において、より筋肉質な構造に転換し、体質強化を図るために、エネルギー事業などにおける構造転換を重点的に進めるとともに、スタフなど間接機能やグループ会社数も含め聖域を設けず全社的に見直しを行うことにより、新たな又は追加の施策等が必要になることに伴い更なる事業構造改革費用等を計上することとなり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。また、当部門は、世界各国、各地域で大規模案件の推進及び受注を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常ですが、近時の当社の投資格付の低下、財務状況の悪化等に伴い、銀行保証状の提出が困難となり、又は銀行保証状の提出にかかるコスト負担の増大又は銀行保証状に替わる現金担保の提供や銀行に対する現金預け入れが必要となる可能性があり、受注機会の喪失又は現金負担の予想外の増大が発生する可能性があります。さらに、「(5)取引慣行に係るもの 1)履行保証等」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。電力流通システム事業は、世界各国・各地域で海外事業を展開しておりますが、非常に厳しい事業環境にあります。火力事業においては、温室効果ガスの排出防止への取り組みが国際的に加速することにより主に石炭火力への投資抑制や再生可能エネルギーへのシフトが進み、火力発電設備の需要の減少や事業者間の競争が激化し、当該事業収益に影響する可能性があります。 2)インフラシステムソリューション部門の事業環境 当部門は、公共インフラ、ビル・施設、産業システムの領域に様々なソリューションを提供しています。 当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。特に、収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。 3)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境 当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。当部門の業績は、各地域での政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。 4)ストレージ&デバイスソリューション部門の事業環境 当部門は需給の循環的変動傾向が顕著であり、当部門の業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。 5)インダストリアルICTソリューション部門の事業環境 当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 6)その他部門の事業環境 2018年6月、当社はシャープ㈱との間で、パソコン事業を営む東芝クライアントソリューション㈱の株式の80.1%を譲渡する契約を締結しました。譲渡時期は2018年10月の予定であり、譲渡完了後、同社は当社の連結子会社から除外される予定です。 7)財務リスク 当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。① 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。 今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。② 為替変動の影響 当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生じる為替換算差損が発生する可能性があります。また、米国の天然ガス液化役務提供会社との間の天然ガスの液化に関する加工委託契約に基づく債務は米ドル建てで確定しており、この支払は米ドル建てで行われることから、急激な為替変動により円に換算した場合の当社の支払負担が増加する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。③ 未払退職及び年金費用 期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。 当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。④ 長期性資産及びのれんの減損等 長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき相当額ののれんが計上されています。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価格がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。 また、当社グループが保有している投資有価証券や関連会社に対する投資の公正価値が下落した場合、損失を計上する可能性があります。 8)資金調達環境の変化等 当社グループは、借入れや社債の発行による資金調達を行っていますが、金融危機、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、市場や金融機関から借入れを行っていますが、金融市場が不安定な混乱状況に陥った場合、金融機関が自己資本規制強化に伴い貸出しを圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、今後新たに同様の条件により借換え又は新規の借入れを行えるとの保証はなく、当社グループが適時に当社グループが必要とする金額の借入れを行うことができない場合には、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の当有価証券報告書提出日現在の格付状況の詳細は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。 当社が複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約(以下「財務制限条項付借入」といい、2018年3月31日時点での残高は800億円。)には財務制限条項が定められており、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性があります。その場合、さらに、いわゆるクロスデフォルト条項に基づき、当該借入以外の当社の社債その他の借入れについても同様に期限の利益を喪失する可能性があります。 当社は、2016年12月28日付の格付機関による当社信用格付の引下げにより、当該財務制限条項に抵触していますが、借入先金融機関との間で2018年6月29日までの期限の利益喪失要求の一時的留保について合意を得ています。しかしながら、2018年6月30日以降において、借入先金融機関の請求があった場合に期限の利益を喪失する可能性があります。なお、当社が既述の借入金について期限の利益を喪失した場合、社債その他の借入金についても同様に期限の利益を喪失する可能性があります。2018年3月31日時点での上記クロスデフォルト対象の当社借入残高は、財務制限条項付借入を含め、総額で約2,800億円です。 当社は、今後も借入先金融機関の理解を得る努力を行うなど、財務制限条項への抵触による期限の利益喪失を回避するための施策を最大限継続的に行っていきますが、当社が財務制限条項付借入について期限の利益を喪失する可能性があります。 (3)取引先等に係るもの1)資材等調達 当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要です。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 2)人的資源の確保 当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっています。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 (4)製品、技術等に係るもの1)新規事業 当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。 新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (5)取引慣行に係るもの1)履行保証等 当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。 一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。 (6)新製品及び新技術に係るもの1)新商品開発力 先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。 当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (7)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ 当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、事業遂行に関連して、顧客、取引先、従業員等の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。 加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)コンプライアンス、内部統制関係 当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不正な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識しました。当社は、2015年9月30日付で発足した経営刷新体制のもとで、適切な内部統制の整備、運用をすすめてまいりました。その結果、2015年度において財務報告に係る全社的な内部統制の重要な不備を是正するための改善策についての整備は完了し、運用も概ね定着したものの、運用期間の制約からすべての改善策について必ずしも十分には運用状況が確認できなかったこと、2016年3月31日を基準日として行う財務諸表監査において修正事項及び決算・財務報告プロセスに係る不備が発見されたことを勘案し、2015年度において開示すべき重要な不備が存在するものと判断いたしました。その後、2016年度においては、前事業年度末におけるこれらの開示すべき重要な不備の是正措置は完了し、その他対象項目の整備・運用評価の状況を勘案した結果、2016年度の財務報告に係る内部統制は有効と判断いたしました。 また、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。したがって、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 3)環境関係 当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。 当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 4)品質問題 当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (8)重要な訴訟事件等の発生に係るもの1)争訟等 当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 当社グループは、半導体、CRT、重電機器、光ディスク装置の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。 2017年8月、欧州において、過去にブラウン管が組み込まれた製品を購入した原告から、当社グループ会社3社及びグループ外1社に対し、2007年まで当社の持分法適用会社であった松下東芝映像ディスプレイ㈱(設立当時)が、ブラウン管に関する欧州競争法違反行為に関与し、その結果2003年1月から2006年12月の期間に損害を被ったとして、損害賠償請求訴訟が提起されました。 2017年12月、米国サウスカロライナ電力&ガス社他の電力購入顧客から、同州VCサマー原子力発電所2号機・3号機の建設プロジェクト中止に伴い損害を受けたとして、当社に対し損害賠償を求める集団訴訟が提起されました。 (9)役員、従業員、大株主、関係会社等に関する重要事項に係るもの1)原子力事業に関する提携 当社の連結子会社であるニュージェネレーション社(以下「NuGen社」という。)の株式は、当社グループが60%、仏法人ENGIE社グループ(以下「ENGIE社」という。)が40%を保有しておりましたが、当社は2017年7月、ENGIE社が保有するNuGen社の株式全ての取得等を完了し、同社は当社の100%連結子会社になりました。今後、引続き、NuGen社への電力事業会社の新規出資者の募集及び出資希望者への当社グループ保有株式の売却を検討しておりますが、新規出資者や出資希望者が見つからず又は売却交渉が難航した場合、当社グループのNuGen社への追加出資又はその他の対策費用が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)天然ガスに関する契約当社は、日本をはじめとする各国の需要家への天然ガス販売を目的として、米国の天然ガス液化役務提供会社との間で天然ガスの液化に関する加工委託契約(以下「液化役務契約」という。)(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記 21.契約債務及び偶発債務 並びに 26.変動持分事業体」参照)、米国のパイプライン会社との間で、パイプラインの利用契約を締結しており、一連の役務の提供を受ける予定です。これらの契約においては、当社が液化役務提供会社の天然ガスの液化能力及びパイプライン会社のパイプラインを、2019年から20年間にわたり一定規模利用することが前提とされており、当社による需要家への液化天然ガス(LNG)の販売の有無に係わらず、液化役務提供会社及びパイプライン会社に対する固定額のサービス対価支払義務を負っています。一方、当社は、確保するLNGの全量について、需要家との間で、主として長期の取引契約を締結する予定であり、現在、複数の発効条件付基本合意書(数量、価格、期間等)を締結できているものの、正式契約のための条件が整わなかった場合には、現在想定している取引条件での販売ができない可能性があります。また、残りの部分についても、取引契約の締結を目指しておりますが、需要家との間で当社が前提とする価格等の条件でLNGの販売(短期販売を含む)が行えない場合は、一定の損失が発生する可能性があります。 (10)過年度の不正な会計処理 当社は、2015年2月、証券取引等監視委員会から金融商品取引法第26条に基づき報告命令を受け、工事進行基準案件等について開示検査を受けました。その後、第三者委員会を設置し調査を行った結果、不正な会計処理があったことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該有価証券報告書等の虚偽記載の事実を受けて、当社が内部管理体制等において深刻な問題を抱えており、当該内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるとして、2015年9月、東京証券取引所及び名古屋証券取引所(以下「両取引所」という。)から当社株式の特設注意市場銘柄への指定を受けました。当社は、2016年9月に「内部管理体制確認書」を両取引所に提出し、審査を受けましたが、この審査では、短期的利益を過度に追及する経営方針の見直し、取締役会、監査委員会等の構成の見直しとその運営方法の変更、及びモニタリング機能を発揮すべき部門の体制の整備と機能強化等、全社的に改善に向けた取り組みが行われていることが認められる一方、特設注意市場銘柄指定後においても会計処理等に関する問題が確認されるなど、コンプライアンスの徹底や関係会社の管理等において更なる取り組みを必要とする状況が存在しており、これらの改善に向けた取り組みの進捗等について引き続き確認する必要があるとして、2016年12月に東京証券取引所及び名古屋証券取引所から特設注意市場銘柄の指定を継続する旨の通知を受けました。このため、2017年3月15日に当社株式が監理銘柄(審査中)に指定を受け、また同日付で、内部管理体制確認書を再提出いたしました。その後、再提出した内部管理体制確認書の内容等を両取引所が確認した結果、内部管理体制等について相応の改善がなされたとして、2017年10月12日付で、当社株式は特設注意市場銘柄及び監理銘柄(審査中)の指定が解除されました。当社の不正な財務報告について、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は棄却されましたが、この決定について原告が上訴しました。また、国内においても複数の訴訟提起がされ、相当額の損害賠償請求を受けています(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記 23.訴訟事項」参照)。今後も株主等から当社に対して訴訟が提起される可能性があり、それらの経過によっては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループは、会計処理問題に関連して、当局からの調査等を受け、又は将来受ける可能性があります。これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、今回の会計処理問題に関連して、2015年12月、金融庁から課徴金73億7,350万円の納付命令を受け、納付を完了しました。 (11)ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社について ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社(以下「WEC」という。)は、2015年10月27日付でChicago Bridge & Iron社との間で、同社の原子力関連建設及びサービス事業子会社であるCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(以下「S&W」という。)の株式100%取得に係る株式譲渡契約を締結し、2015年12月31日付でその買収を完了しました。本案件は、従来WEC及びS&Wがコンソーシアムを組成し米国で推進していた2サイト4基の原子力発電所建設プロジェクトにおいて発生していた工事コストの分担、工事の遅延及びこれに伴う発注元及びS&Wとの責任負担に関する係争及び係争懸念状態を解決し、発注元からの契約金額増額、工期延長の承諾、プロジェクトの一元管理等による工事の効率化を推進することで、プロジェクト進行と収益の安定化を図ることを目的としていました。しかしながら、買収後に明らかになった工事の状況を精査した結果、買収完了時の評価の前提との大きな乖離や業務効率改善の計画未達等によりプロジェクトの完成までのコストが買収当初の予想より大幅に増加することが見込まれることが判明し、のれんを計上しました。これを受けて2016年度に原子力事業ののれんの減損テストを実施したところ、当社連結ベースで7,316億円の減損損失を計上しました。 2017年3月29日、WEC及びその米国関係会社並びに米国外の事業会社群の持株会社である東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社(以下「TNEH(UK)」といい、WEC及びその米国関係会社を含めて「申立対象会社」という。)が米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続開始の申立てを行いました。再生手続は、申立てにより即日開始され、その後、破産裁判所の管轄のもと、2018年1月、WEC及び同社グループの買収先は米国法人Brookfield WEC Holdings LLC社(以下「Brookfield」という。)に決定されました。また、当社は、当社が申立対象会社に対して有する保証求償権、貸付債権等につき、米国法人Nucleus Acquisition LLC(以下「Nucleus」という。)に売却し、TNEH(UK)を含むWECグループの持株会社全保有持分については、Brookfieldへの売却を決定しました。これらの債権及び持株会社全保有持分の売却にあたり、当社は、再生手続の主要な利害関係者である、WEC、TNEH(UK)、債権者委員会、当社保有債権譲渡先であるNucleus及び上記のWECグループの買収者であるBrookfieldとの間で、配当順位を含む再生計画の主要条件、再生計画への投票・裁判所認可までのスケジュール等について合意しました。当該合意により、再生手続が適切かつ早期に完了する蓋然性が高まり、2018年3月、当該合意に沿って申立対象会社が作成、提出した再生計画は債権者による賛成、破産裁判所の認可を得ました。また、当社は、Brookfieldとの間で、当社がWECグループの事業に関連して差し入れている親会社保証について、Brookfieldが承継又は補償することで合意しており、WEC及びWECグループの買収完了時には、親会社保証に起因する潜在的なリスクは概ね排除されることが期待されます。当社はWECに関する工事契約に関連する損失6,523億円を、2016年度の連結損益計算書において非継続事業からの非支配持分控除前当期純損失(税効果後)に計上しました。これに対し、当社の独立監査人であるPwCあらた有限責任監査法人は、当該損失の2016年度における会計処理は、米国会計基準に準拠しておらず、当該損失が適切な期間に計上されていないことによる連結財務諸表に与える影響は重要であるとして、2016年度の連結財務諸表に対して限定付適正意見を表明し、2016年度の内部統制報告書に対して不適正意見を表明しました。また、2017年度第1四半期の四半期連結財務諸表についても、上記と同様の理由に加え、2016年度の第1四半期連結会計期間及び第1四半期連結累計期間に係る四半期連結財務諸表に対して結論を表明しておらず、これらの事項が、2017年度第1四半期連結累計期間の非継続事業からの非支配持分控除前四半期純利益(税効果後)、非支配持分控除前四半期純利益及び当社株主に帰属する四半期純利益の数値とこれらの比較情報との比較可能性に影響を及ぼすとして、連結会計年度の第1四半期連結会計期間及び第1四半期連結累計期間に係る四半期連結財務諸表に対して限定付結論を独立監査人が表明しています。さらに、2017年度第2四半期及び第3四半期の四半期連結財務諸表についても、2017年度第1四半期の四半期連結財務諸表と同様の理由により、限定付結論を独立監査人が表明しています。独立監査人は、2016年度の会計処理が米国会計基準に準拠しておらず、そのことが2017年度の数値と2016年度の数値の比較可能性に影響を及ぼすとしていることから、2017年度通期についても限定付適正意見が表明されています。 (12)その他1)模倣品対策 当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。 2)知的財産権保護 当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。 当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。 また、これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。 また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 3)社会情勢等 当社グループは、全世界において事業を展開していますが、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 4)大規模災害等 当社グループの国内生産拠点の多くは京浜地区に集中しており、主な半導体生産拠点は九州、阪神、北陸、東北に所在しています。また、当社グループは、アジア地域での生産拠点拡大を図っています。このため、これらの地域において大規模災害、ストライキ、テロ、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合多大な悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は一定程度の影響を受けました。
FY2017|22,229 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの注力事業領域であるエネルギー、社会インフラ、電子デバイスの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。このような状況下、当社が認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)経営方針に係るもの1)戦略的集中投資 当社グループは、その設備投資・投融資をメモリ分野に集中することとしていますが、当該分野が想定どおりに成長しない可能性や当社グループが当該分野での競争力を維持又は増強できない可能性、また、これらの投資に対する収益が十分に生み出されない可能性があります。 2)戦略的提携・買収の成否 当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 3)事業構造改革 当社グループは、電子デバイス部門のシステムLSI及びディスクリートの各事業部門、ライフスタイル部門のパソコン、映像及び家庭電器の各事業部門、全社スタフ部門等(いずれも当時)において、2015年度に大規模な構造改革を断行し、多額の構造改革費用等の発生を伴ったものの、これにより課題事業の改善について一定の目途をつけました。しかしながら、更なる事業環境の変化により、新たな課題事業が発生した場合や構造改革が収束したはずの事業につき別の問題が発生した場合等には、新たな又は追加の施策等が必要になることに伴い更なる事業構造改革費用等を計上することとなり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。また、当部門は、世界各国、各地域で大規模案件の推進及び受注を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。電力事業のプラント案件では、当社が当社グループ内に機能を持たない所掌に関して、パートナー企業と責任を分担するコンソーシアムを組成し、設計・エンジニアリング、調達、建設工事を一括して、固定価格で受注することがあります。この場合、発注者に対し、パートナー企業と連帯債務を負うことが一般的であるため、パートナー企業の事業遂行能力の不足、分担業務の不履行やパートナー企業自体の財務状態の悪化や法的整理が生じた場合、当社がパートナー企業の債務を負担することとなり、予想外の大幅な費用負担の増大、現金支出の増大が発生する可能性があります。また、固定価格の契約の場合、建設コストの増加や納期遅延によって発生する損失は、発注元との分担の仕組みが導入されている場合を除いて、原則として受注企業が負担することになります。特に、当部門の主要事業の一つである原子力事業においては、テロ対策や大規模自然災害への安全対策の要請が高くなり、各国政府の安全基準の変更が相次いで実施されたことに加え、原子力発電所の新規建設機会が長期間存在していなかった地域における案件や最新鋭の施設の建設においてはベンチマーク可能な案件が存在しないこと等により、コストが当初の見積りと比較して予想外に増大したり、工程が予想外に長期化する案件が発生しました。以上の事情を背景に、案件の中止、規制その他の事業環境の変更や変化、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元、パートナー企業、その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては発注元その他第三者に対する損害賠償責任の発生、費用負担の発生、出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等によりプロジェクトの継続が困難となる可能性があります。また、電力事業のプラント受注においては、入札時、受注時、工事開始時に履行保証又は支出保証のため銀行保証状等の提出を求められることが通常ですが、近時の当社の投資格付の低下、財務状況の悪化等に伴い、銀行保証状の提出が困難となり、又は銀行保証状の提出にかかるコスト負担の増大又は銀行保証状に替わる現金担保の提供や銀行に対する現金預け入れが必要となる可能性があり、受注機会の喪失又は現金負担の予想外の増大が発生する可能性があります。さらに、「(5)取引慣行に係るもの 1)履行保証等」に記載のとおり、当社子会社がプラント等の物件を受注する際には、子会社による履行保証又は支払保証のために、当社が親会社保証を供与することがあります。当社は、既に子会社によるプラント受注において多額の支払債務及び履行債務に関して親会社保証を提供しているところ、子会社の財政状態の悪化等の結果、子会社により当該債務が履行されない状況に陥った場合、当社が親会社保証を履行する必要が生じ、当社に多額の追加的な現金負担が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 2)インフラシステムソリューション部門の事業環境 当部門は、公共インフラ、ビル・施設、産業システムの領域に様々なソリューションを提供しています。 当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退、インフラ投資にかかる減税措置の動向、人件費の高騰等に起因する建築コストの増加、その他民間事業者の事業環境の変化等に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。特に、収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。 3)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境 当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。当部門の業績は、各地域での政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。 4)ストレージ&デバイスソリューション部門の事業環境 当社グループの営業損益は、当部門への依存度が高くなっていますが、当部門は需給の循環的変動傾向が顕著であり、当部門の業績は景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にあります。また、当部門は海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。さらに、技術革新や消費者市場・供給先メーカーの動向などにより左右され、需要を事前に正確に予測することは困難な傾向にあり、多額の設備投資を実施しても、予期せぬ市場環境の変化に伴い、販売に至るまでの間に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。特に主力製品であるNAND型フラッシュメモリは、価格が急激に変動することがあります。当部門の業績が変動した場合には当社グループ全体の業績に大きな悪影響を与える可能性があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新製品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の製品の競争優位性が失われ又は低下する可能性があります。NAND型フラッシュメモリは、量産効果が大きく、新製品の開発競争も激しいため、価格、品質等の競争力を維持、強化するためには、多額の設備投資が必要ですが、当社グループの資金調達状況等によっては、必要な時期に必要な設備投資金額を確保できない可能性があります。 5)インダストリアルICTソリューション部門の事業環境 当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、追加でのコスト負担に加え、発注者に対し損害賠償する必要が生じる可能性があります。 6)その他部門の事業環境 パソコン及びテレビは、同業他社との厳しい競争下にあり、構造的に利益が計上できにくい状況にあります。これらの事業は為替変動のほか、代替製品や低価格品の普及、景気変動や消費税の増税等による消費者の消費動向の影響を大きく受ける可能性があり、さらに需要動向が急激に変動した場合、商品価格下落や部品価格高騰により悪影響を受ける可能性があります。これらの事業について、大規模な構造改革を断行しましたが、これらの施策により期待した効果が出ない場合等には、追加の施策が必要となる可能性があります。 7)財務リスク 当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。① 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。 今後、さらに評価性引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。② 為替変動の影響 当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生じる為替換算差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。③ 未払退職及び年金費用 期間純退職及び年金費用及び退職給付債務の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。 当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。④ 長期性資産及びのれんの減損等 長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。また、当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき2017年3月31日時点で2,274億円ののれんが計上されています。このうち、エネルギーシステムソリューション部門に1,601億円が配分されていますが、その大部分は2011年7月に行ったランディス・ギア社の買収に関するものです。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、報告単位の帳簿価格がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。継続企業として、2014年度においては、ディスクリート事業を主因に534億円の長期性資産減損を、2015年度においては、POSシステム事業及び電力流通システム事業を主因に474億円ののれんの減損及び1,660億円の長期性資産減損を、2016年度においては、売電事業を主因に169億円ののれんの減損及び345億円の長期性資産減損を、それぞれ計上しており、今後同様の減損損失の計上が追加的に又は新たに生じる可能性もあります。 また、当社グループが投資有価証券として保有している上場株式の時価が下落した場合、当該株式の評価損の計上や未実現有価証券評価損益に悪影響を与える可能性があります。⑤ 株主資本及び純資産 当社グループは、ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社及びその米国関係会社並びに米国外の事業会社群の持株会社である東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社(上記会社群を以下「申立対象会社」という。)が、2017年3月29日(米国時間)に米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続(以下「再生手続」という。)を申し立てることを決議し、同日付でニューヨーク州連邦破産裁判所に申し立てました。再生手続の開始により、主に米国原子力発電所建設プロジェクトにおいて当社が電力会社に提供している親会社保証に関連する損失計上及びウェスチングハウス社グループへの当社債権に対する貸倒引当金の計上を行ったことを主因に、連結純資産が著しく減少しました。このため、海外市場において当社がEPC(Engineering,Procurement and Construction)契約(設計、調達、建設を含む建設プロジェクトの建設工事請負契約)を締結するにあたり、発注者の要求する財務水準を満たすことが出来なくなり、その結果、案件受注に悪影響が及ぶ可能性があります。 当社の事業遂行においては、特定建設業の許可が必要となる事業がありますが、特定建設業の許可の更新には、一定の財産的基礎を有することが必要とされています。当社の現在の特定建設業の許可の有効期限は2017年12月となっているため、特定建設業許可が必要な事業を同年10月までに分社化する予定です。 また、当社グループは、2017年3月期に係る連結貸借対照表において債務超過となったため、当社株式は東京証券取引所及び名古屋証券取引所によって市場第二部への指定替えとなりました。また、その後1年以内に債務超過の状態を解消できなかった場合には当社株式は上場廃止となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性並びに当社株主が株式を売却する機会が著しく制限される可能性があります。 8)資金調達環境の変化等 当社グループは、借入れや社債の発行による資金調達を行っていますが、金融危機、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、市場や金融機関から借入れを行っていますが、金融市場が不安定な混乱状況に陥った場合、金融機関が自己資本規制強化に伴い貸出しを圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、今後新たに同様の条件により借換え又は新規の借入れを行えるとの保証はなく、当社グループが適時に当社グループが必要とする金額の借入れを行うことができない場合には、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の当有価証券報告書提出日現在の格付状況の詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりですが、「(10)過年度の不適切な会計処理」に記載の過年度の有価証券報告書等の訂正及び業績の悪化が続いていることに伴い、前事業年度の第177期有価証券報告書提出日から現在までに、ムーディーズ・ジャパン㈱の長期格付は1ノッチ、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱の長期格付は5ノッチ、㈱格付投資情報センターの長期格付は5ノッチ引下げられており、今後もさらに信用格付の引下げが生じる可能性があります。 また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約(以下「財務制限条項付借入」といい、2017年3月31日時点での残高は約2,600億円。)には財務制限条項が定められており、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性があります。その場合、さらに、いわゆるクロスデフォルト条項に基づき、当該借入以外の当社の社債その他の借入れについても自動的に期限の利益を喪失する可能性があります。 当社は、2016年12月28日付の格付機関による当社信用格付の引下げにより、当該財務制限条項に抵触していますが、借入先金融機関との間で2017年3月31日までの期限の利益喪失要求の一時的留保について合意を得ていましたが、当有価証券報告書提出日現在においては、借入先金融機関の請求があった場合に期限の利益を喪失する可能性があります。なお、当社が既述の借入金について期限の利益を喪失した場合、社債その他の借入金についても同様に期限の利益を喪失する可能性があります。2017年3月31日時点での財務制限条項付借入を含む当社の社債及び借入の残高は、総額で1兆2,038億円です。 当社は、今後も借入先金融機関の理解を得る努力を行うなど、財務制限条項への抵触による期限の利益喪失を回避するための施策を最大限継続的に行っていきますが、当社が財務制限条項付借入について期限の利益を喪失する場合、当社の事業運営や存続に重大な悪影響が生じる可能性があります。 (3)取引先等に係るもの1)資材等調達 当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要です。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社の決算発表の遅れ、監査報告書若しくは四半期レビュー報告書に「無限定適正意見」若しくは「無限定の結論」が記載されないこと、又は財務状況悪化に起因する当社グループの信用力低下により、調達先から取引継続条件として信用保証、現金払い等を要求される可能性があり、その場合は主要な調達先からの調達に支障をきたすことやこれまでにない資金負担等が生じる可能性があります。 2)人的資源の確保 当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開及び先端的な開発・研究の推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっています。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 一方、当社グループは固定費の削減を目的として、賞与の減額、役職者の賃金減額、諸手当・日当の見直し等の人事上の施策を実施しています。しかしながら、かかる人事施策の実施により、当社グループの従業員の士気、生産効率又は人材の確保に悪影響を及ぼす可能性があります。 加えて、当社グループの経営・財務状況の悪化等により、経験豊かな人材が意図せず社外に流出してしまう可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)製品、技術等に係るもの1)新規事業 当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。 新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (5)取引慣行に係るもの1)履行保証等 当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。 一部の契約においては、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付が当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなったため、該当する保証について、親会社保証から信用状、ボンド又は現金担保の提供による保証に切り替え等を行う必要が生じ、追加費用負担が発生する可能性があります。 (6)新製品及び新技術に係るもの1)新商品開発力 先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。 当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (7)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。 また、当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムや情報通信ネットワークの安定的運用と安全対策の充実に努めていますが、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア又はハードウェアの障害、外部事業者が提供する情報通信サービスの停止、災害等により情報システムや情報通信ネットワークが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)コンプライアンス、内部統制関係 当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不適切な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識しました。当社は、2015年9月30日付で発足した経営刷新体制のもとで、適切な内部統制の整備、運用をすすめてまいりました。その結果、2015年度において財務報告に係る全社的な内部統制の重要な不備を是正するための改善策についての整備は完了し、運用も概ね定着したものの、運用期間の制約からすべての改善策について必ずしも十分には運用状況が確認できなかったこと、2016年3月31日を基準日として行う財務諸表監査において修正事項および決算・財務報告プロセスに係る不備が発見されたことを勘案し、2015年度において開示すべき重要な不備が存在するものと判断いたしました。その後、2016年度においては、前事業年度末におけるこれらの開示すべき重要な不備の是正措置は完了し、その他対象項目の整備・運用評価の状況を勘案した結果、2016年度の財務報告に係る内部統制は有効と判断いたしました。 しかしながら、当有価証券報告書提出日現在において、当社の監査人による内部統制監査の結果、当社グループ内の内部統制に開示すべき重要な不備等が指摘され、不適正意見等が付されていることから、後述する特設注意市場銘柄の指定解除に向けた審査に影響し、当社株式が上場廃止となる、又は上場廃止とならない場合でも、当社に対する社会的評価の低下等により、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性並びに当社株主が株式を売却する機会が著しく制限される可能性があります。 また、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。したがって、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 3)環境関係 当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。 当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 4)品質問題 当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (8)重要な訴訟事件等の発生に係るもの1)争訟等 当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 当社グループは、半導体、CRT、重電機器、光ディスク装置等の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。 (9)役員、従業員、大株主、関係会社等に関する重要事項に係るもの1)NAND型フラッシュメモリに関する提携 当社グループは、NAND型フラッシュメモリの製造に関する戦略的提携として、米国SanDisk Corporation (Western Digital Corporation(以下「ウエスタンデジタル社」という。)に買収されてSanDisk Limited Liability Companyに名称変更、以下「サンディスク社」という。)との間で製造合弁会社(持分法適用会社)を設立していますが、サンディスク社による契約違反など、合弁契約上の解約事由が発生した場合、製造合弁会社の保有する生産設備の残存簿価を反映したサンディスク社の持分を買い取る可能性があります。また、当該製造合弁会社が保有する生産設備のリース契約に関して、現在当社とウエスタンデジタル社が個別に50%ずつの債務保証をしていますが、ウエスタンデジタル社の業績又は財政状態の悪化により、同社が自身の保証債務を履行できない場合、当社がウエスタンデジタル社分の保証債務を承継し又は当該保証債務の不履行により合弁契約が解約され、製造合弁会社の保有する生産設備の残存簿価を反映したサンディスク社の持分を買い取る可能性があります。当社がサンディスク社の持分を買い取った場合、当該製造合弁会社が当社の連結子会社として扱われる可能性があります。 2)原子力事業に関する提携①ウェスチングハウス社グループ 当社グループは、2006年10月にウェスチングハウス社グループを買収しました。当有価証券報告書提出日現在、ウェスチングハウス社グループ(持株会社を含む。)における当社の持分割合は90%であり、残りの株式についてはNational Atomic Company Kazatomprom Joint Stock Company(以下「KAP社」という。)が保有しています。2017年3月29日、申立対象会社は、米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続を申立て、再生手続が開始したことにより、ウェスチングハウス社グループは、当社の連結対象外となりました。 KAP社は、当社との個別の契約に基づき、当該所有持分の全部又は一部を、当初出資した金額相当で当社に売却することができる権利(以下「プットオプション」という。)を有しており、2017年10月以降プットオプションを行使することが可能となります。KAP社が同社保有持分全てについてプットオプションを行使した場合、当社の株式買取価格は約522百万米ドルとなり、過去に同社が少数株主として負担していた損失を当社グループが負担することになるため、一定の資金負担及び株主資本への悪影響が発生します。 ②ニュージェネレーション社 当社の連結子会社であるニュージェネレーション社(以下「NuGen社」という。)の株式は、当社グループが60%、仏法人ENGIE社グループ(以下「ENGIE社」という。)が40%を保有しており、当社とENGIE社は株主間契約を締結していました。申立対象会社が米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続を申立てたことを受け、ENGIE社が同株主間契約に基づきNuGen社株式の取得を当社に求めたため、当社は2017年7月、約159億円でENGIE社が保有するNuGen社の株式全ての取得等を完了しました。本取引により2017年度第1四半期の連結貸借対照表の株主資本には、過去にENGIE社が少数株主として負担していた損失を当社グループが負担する影響である非支配持分買取による資本剰余金の減少等の影響を含め約205億円の減少、また純資産へは約195億円の減少を見込んでいます。今後、引続き、NuGen社への電力事業会社の新規出資者の募集及び出資希望者への当社グループ保有株式の売却を検討しておりますが、新規出資者や出資希望者が見つからず又は売却交渉が難航した場合、当社グループのNuGen社への追加出資が必要となり、当社グループの財務状況に影響を与える可能性があります。 3)天然ガスに関する契約当社は、日本をはじめとする各国の需要家への天然ガス販売を目的として、米国の天然ガス液化役務提供会社との間で天然ガスの液化に関する加工委託契約(以下「液化役務契約」という。)(第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記 22.契約債務及び偶発債務 並びに 29.変動持分事業体 参照)、米国のパイプライン会社との間で、パイプラインの利用契約を締結しており、一連の役務の提供を受ける予定です。これらの契約においては、当社が液化役務提供会社の天然ガスの液化能力及びパイプライン会社のパイプラインを、2019年から20年間にわたり一定規模利用することが前提とされており、当社による需要家への液化天然ガス(LNG)の販売の有無に係わらず、液化役務提供会社及びパイプライン会社に対する固定額のサービス対価支払義務を負っています。一方、当社は、確保するLNGの全量について、需要家との間で、主として長期の取引契約を締結する予定であり、現在、液化役務及びパイプラインの契約期間20年のうち一定期間については契約キャパシティ総量220万トンの8割を超える複数の発効条件付基本合意書(数量、価格、期間等)を締結できているものの、正式契約のための条件が整わなかった場合には、現在想定している取引条件での販売ができない可能性があります。また、残りの部分についても、引き続き主として長期の取引契約の締結を目指しておりますが、当社が前提とする価格等の条件で需要家との間や市場でLNGの販売が行えない場合は、損失が発生する可能性があります。 (10)過年度の不適切な会計処理 当社は、2015年2月、証券取引等監視委員会から金融商品取引法第26条に基づき報告命令を受け、工事進行基準案件等について開示検査を受けました。その後、第三者委員会を設置し調査を行った結果、不適切な会計処理があったことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該有価証券報告書等の虚偽記載の事実を受けて、当社が内部管理体制等において深刻な問題を抱えており、当該内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるとして、2015年9月、東京証券取引所及び名古屋証券取引所から当社株式の特設注意市場銘柄への指定を受けました。当社は、2016年9月に「内部管理体制確認書」を当社が上場している証券取引所に提出し、審査を受けていました。この審査では、短期的利益を過度に追及する経営方針の見直し、取締役会、監査委員会等の構成の見直しとその運営方法の変更、及びモニタリング機能を発揮すべき部門の体制の整備と機能強化等、全社的に改善に向けた取り組みが行われていることが認められる一方、特設注意市場銘柄指定後においても会計処理等に関する問題が確認されるなど、コンプライアンスの徹底や関係会社の管理等において更なる取り組みを必要とする状況が存在しており、これらの改善に向けた取り組みの進捗等について引き続き確認する必要があるとして、2016年12月に東京証券取引所及び名古屋証券取引所から特設注意市場銘柄の指定を継続する旨の通知を受けました。このため、2017年3月15日に当社株式が監理銘柄(審査中)に指定を受け、また同日付で、内部管理体制確認書を再提出いたしました。今後、再提出した内部管理体制確認書の内容等を東京証券取引所及び名古屋証券取引所が確認し、内部管理体制等について改善がなされなかったと認められた場合には、当社株式が上場廃止となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性並びに当社株主が株式を売却する機会が著しく制限される可能性があります。当社の不適切な財務報告について、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は棄却されましたが、この決定について原告が上訴しました。また、国内においても複数の訴訟提起がされ、相当額の損害賠償請求を受けています(第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記 24.訴訟事項 参照)。今後も株主等から当社に対して訴訟が提起される可能性があり、それらの経過によっては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループは、今回の会計処理問題に関連して、米国証券取引委員会(SEC)等から情報提供の要請を受けており、また、今後も外国を含む当局からの調査等を受ける可能性があり、これらの結果、何らかの処分等を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、今回の会計処理問題に関連して、2015年12月、金融庁から課徴金73億7,350万円の納付命令を受け、納付を完了しました。 (11)ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社について ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社(以下「WEC」という。)は、2015年10月27日付でChicago Bridge & Iron社との間で、同社の原子力関連建設及びサービス事業子会社であるCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(以下「S&W」という。)の株式100%取得に係る株式譲渡契約を締結し、2015年12月31日付でその買収を完了しました。本案件は、従来WEC及びS&Wがコンソーシアムを組成し米国で推進していた2サイト4基の原子力発電所建設プロジェクトにおいて発生していた工事コストの分担、工事の遅延及びこれに伴う発注元及びS&Wとの責任負担に関する係争及び係争懸念状態を解決し、発注元からの契約金額増額、工期延長の承諾、プロジェクトの一元管理等による工事の効率化を推進することで、プロジェクト進行と収益の安定化を図ることを目的としていました。しかしながら、買収後に明らかになった工事の状況を精査した結果、買収完了時の評価の前提との大きな乖離や業務効率改善の計画未達等によりプロジェクトの完成までのコストが買収当初の予想より大幅に増加することが見込まれることが判明し、のれんを計上しました。これを受けて2016年度連結会計年度に原子力事業ののれんの減損テストを実施したところ、当社連結ベースで7,316億円の減損損失を計上しました。 2017年3月29日、申立対象会社が米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続開始の申立てを行いました。再生手続は、申立てにより即日開始され、その後、破産裁判所の管轄のもと、WEC、東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社(以下「TNEH(UK)」という。)、債権者等の関係各社間の協議が進められます。 現在、申立対象会社を含むウェスチングハウス社グループは、再生手続に則った事業再編を念頭に置きながら、当面は現行事業をこれまで通り継続しています。当社は、再生手続が円滑に進むよう、真摯に協力して行きます。 再生手続の開始により、ウェスチングハウス社グループは、2016年度通期決算から当社の連結対象外となり、当社2016年度業績への影響については純損益ベースで約△1兆2,400億円になります。 なお、当該再生手続の申立ての結果、当社の2016年度業績に対して以下の影響がありました。1)ウェスチングハウス社グループ連結除外影響ウェスチングハウス社グループが連結対象から外れることにより、のれん減損等の悪化影響額を除外する一方で、WEC及びTNEH(UK)への投資勘定の全額減損による悪化影響を計上しました。2)親会社保証引当金及びウェスチングハウス社グループ向け債権への貸倒引当金の計上影響再生手続の開始により、二米国原子力発電所建設プロジェクトにおいて当社が各電力会社に提供している親会社保証に関連する損失計上及びウェスチングハウス社グループへの当社債権に対する貸倒引当金を計上済みですが、ジョージア電力他との間では、親会社保証の責任上限額を3,680百万米ドルとし、2021年1月までの間で分割して支払う契約を、サウスカロライナ電力・ガス社他との間では、親会社保証の責任上限額を2,186百万米ドルとし、2022年9月までの間で分割して支払う契約を締結しました。 (12)メモリ事業の分社化その他の施策について 当社は、当社メモリ事業における機動的かつ迅速な経営判断態勢の整備及び資金調達手段の拡充を通じて、メモリ事業の更なる成長を図るべく、当社の社内カンパニーであるストレージ&デバイスソリューション社のメモリ事業(SSD事業を含み、イメージセンサ事業を除く。)を2017年4月1日、会社分割により東芝メモリ㈱(以下「東芝メモリ」という。)として分社しました。当社は、本件分社化に際して、「(11)ウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社について」に記載の損失を考慮し、当社グループの財務体質強化のための資本対策の一環として、会社分割後の新会社について、マジョリティ譲渡を含む外部資本の導入を検討しておりますが、当該資本の導入が、当社が希望する時期・条件で行われない場合等、当社が想定した財務体質の強化が図られない可能性があります。また、資本提供者の属性・資本提供の条件によっては、資本提供者の同業他社との提携・協業に制限が生じる等、新会社の業務の自由度に制限が生じる可能性があり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。メモリ事業提携先のサンディスク社(同社を買収したウエスタンデジタル社の子会社)は、本件分社化にあたり当社がサンディスク社との合弁会社の持分をサンディスク社の同意なく東芝メモリに承継させたことが、当社とサンディスク社との間で締結した合弁契約に違反していると主張し、入札手続きの差し止めを国際仲裁裁判所に申し立て、さらにその後、カリフォルニア州地裁に対し、仲裁判断が出るまでの間に当社がサンディスク社の同意なく合弁会社の持分を第三者に譲渡することに関する仮差止めを申し立てました。当社グループは、サンディスク社が主張する仲裁申立の根拠を排除するべく、合弁会社の出資持分を当社に移管しましたが、カリフォルニア州地裁または国際仲裁裁判所の判断次第では、当該資本の導入が、当社が希望する時期・条件で行われない可能性があります。 また、当社は、今後、本件分社化以外にも、当社グループの財務体質強化及び特定建設業法の許認可維持等を目的として当社からの分社化を行っていますが、そうした施策について、必ずしも予定どおりに実施されず、または実施されたとしても想定どおりの効果が得られない可能性があります。 (13)継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、2015年度以降、課題事業における構造改革の断行を決定するとともに、資産売却等を実施してきましたが、ウェスチングハウス社グループに関連した損失(非継続事業からの当社株主に帰属する当期純損失)を1兆2,428億円計上したことを主因に、当社グループの2016年度連結会計年度の当社株主に帰属する当期純損失は9,657億円になりました(前連結会計年度の当社株主に帰属する当期純損失は4,600億円)。この結果、2017年3月31日現在の連結株主資本は△5,529億円、連結純資産は△2,757億円になりました。 また、2016年12月28日付の格付機関による当社格付の引下げにより、当社グループの2017年3月31日現在の連結貸借対照表における長短借入金等計1兆2,038億円のうち、主要借入先金融機関がアレンジャーであるシンジケートローン契約に基づく借入金残高2,577億円(連結貸借対照表上、1年以内に期限の到来する社債及び長期借入金に計上)が財務制限条項に抵触しています。当該借入金について、当社は、当有価証券報告書提出日現在においては、借入先金融機関の請求があった場合には期限の利益を喪失する可能性があります。なお、当社が当該借入金について期限の利益を喪失した場合、社債その他の借入金についても同様に期限の利益を喪失する可能性があります。 加えて、WEC及びその米国関係会社の米国原子力発電所建設プロジェクトに関る当社親会社保証の支出等を考慮すると、当社の今後の資金環境は厳しい状況となることが見込まれます。 さらに「(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの 7)財務リスク ⑤株主資本及び純資産」に記載のとおり、特定建設業許可の更新ができなかった場合、当社事業の遂行に悪影響を与える可能性があります。 このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していますが、「7「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、あらゆる対策を講じていきます。 (14)その他1)模倣品対策 当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。 2)知的財産権保護 当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。 当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。 また、これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。 また、当社は、当社グループ以外の会社に東芝商標等の使用を許諾している商品があります。当該許諾に当たっては、当該商品に起因する損害は、許諾先の会社が全責任を負うこととなっておりますが、当該商品に起因する損害を被った第三者から、何らかの請求をされる可能性や、当社グループ製品の品質に対して風評被害が生じる可能性があります。 3)社会情勢等 当社グループは、全世界において事業を展開していますが、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 4)大規模災害等 当社グループの国内生産拠点の多くは京浜地区に集中しており、主な半導体生産拠点は九州、東海、阪神、北陸、東北に所在しています。また、当社グループは、アジア地域での生産拠点拡大を図っています。このため、これらの地域において大規模災害、ストライキ、テロ、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合多大な悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。過去においては、東日本大震災、タイ及びインドにおける洪水により、当社グループの事業は一定程度の影響を受けました。
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4【事業等のリスク】 当社グループの注力事業領域であるエネルギー、社会インフラ、ストレージの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。このような状況下、当社が認識している当社グループの事業等のリスクのうち主要なものは以下のとおりですが、これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 なお、以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 (1)経営方針に係るもの1)戦略的集中投資 当社グループは、その設備投資・投融資をメモリ分野に集中することとしていますが、当該分野が想定どおりに成長しない可能性や当社グループが当該分野での競争力を維持又は増強できない可能性、また、これらの投資に対する収益が十分に生み出されない可能性があります。 2)戦略的提携・買収の成否 当社グループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において、成長事業、新規事業を含む様々な事業につき、共同出資関係を含む他社との提携や買収を積極的に推進していました。このような提携や買収において、資金調達、技術管理、製品開発等、経営戦略について提携先と不一致が生じ、提携関係を維持できなくなる可能性や、提携や買収が期待どおりの効果を生まない可能性があります。また、提携先の財務状態の悪化、その他の事情により提携事業に対する追加の資金支出や債務保証を供与することを余儀なくされ、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 3)事業構造改革 当社グループは、2015年度に大規模な構造改革を断行し多額の構造改革費用等が発生しました。これにより事業構造改革に一定の目途をつけました。しかしながら、期待した効果が出ない場合等には、追加の施策等が必要になることに伴い追加の事業構造改革費用等を計上することとなり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。 (2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に係るもの1)エネルギーシステムソリューション部門の事業環境当部門では、国内外の電力事業者を中心とする民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退に伴う民間設備投資の低迷、為替変動が当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。また、当部門は、世界各国、各地域で大規模案件の推進及び受注を行っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、工程遅延、材料価格の高騰、政策の変更その他による計画変更・凍結・中止や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。特に、収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。また、案件の中止、規制その他条件の変更、工程遅延や初号機に特有の想定外の事象が生じた場合に追加で発生したコスト等について発注元その他に転嫁できず回収不能となる可能性やその負担を巡り係争が生じる可能性があり、実際に訴訟において請求している案件もあります。受注を目的として当該案件を推進する事業者に出資を行う案件については、案件の動向次第によっては出資の減損、資金負担の増加や投資回収の遅れ等が生じる可能性があります。現在進行中の案件についても資金拠出者の方針変更等により継続が困難となる可能性がありますが、現時点においては継続中の案件の資金拠出者の獲得に努めています。 2)インフラシステムソリューション部門の事業環境 当部門は、公共インフラ、ビル・施設、産業システムの領域に様々なソリューションを提供しています。 当部門では、公共投資及び民間設備投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めているため、世界各国、各地域における、公共投資の減少や遅れ、景気後退に伴う民間設備投資の低迷、建築・住宅着工の動向等が、当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。 当部門は、世界各国、各地域で事業展開を図っていますが、案件の仕様その他の条件の受注後の変更、政策の変更その他による計画変更・凍結、規制の変更、材料価格・人件費の高騰や災害発生等が事業遂行に大きな悪影響を与えることがあります。また、為替変動等も当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。特に、収益計上が工事進行基準によっている案件では、当初の見積りに不足があった場合、案件の収益が当初の想定より悪化した場合、案件が何らかの事情により遅延又は中止となった場合等には、当該案件に関して計上した収益を遡って見直して損失として計上する可能性があり、過去においては実際に損失を計上した案件があります。 3)リテール&プリンティングソリューション部門の事業環境 当部門は、流通小売業・サービス業、一般オフィス、製造・物流業及び特定顧客向けのリテールソリューションと一般オフィス、製造・物流業向けのプリンティングソリューションを提供しています。当部門の業績は、各地域での政治、経済、税制、環境対応規制及び為替の変化、顧客の業績悪化による設備投資の延期や中止、複合化・システム化に伴う業界再編の加速、競合他社との更なる市場競争の激化、当該業界への新規参入等により、悪影響が生じる可能性があります。 4)ストレージ&デバイスソリューション部門の事業環境 当社グループの営業損益は、当部門への依存度が高くなっていますが、当部門は、需給の循環的変動傾向が顕著であり、また、海外を中心とした同業他社との厳しい競争下にあります。当部門の業績は、景気変動の影響を受けて大きく変動し、また、為替変動の影響を特に大きく受ける傾向にあります。消費者市場や半導体需要家の動向など予期せぬ市場環境の変化に伴い、生産寄与時に需要が変動し、想定した販売規模に合致しない可能性、あるいは供給過剰による製品単価の下落の悪影響を受ける可能性等があります。特に主力製品であるNAND型フラッシュメモリは、価格が急激に変動することがあります。当部門の業績が変動した場合には当社グループ全体の業績に大きな悪影響を与える可能性があります。また、市況が下降局面を迎えたり、新商品の立上げが遅れたり、生産が計画どおり進まなかったり、新技術が急速に出現したりすることにより、現在の商品が陳腐化する可能性があります。NAND型フラッシュメモリは、量産効果が大きく、新製品の開発競争も激しいため、価格、品質等の競争力を維持、強化するためには、多額の設備投資が必要ですが、当社グループの資金調達状況等によっては、必要な時期に必要な設備投資金額を確保できない可能性があります。 5)インダストリアルICTソリューション部門の事業環境 当部門では、金融業、大手製造業等の民間IT投資や政府、地方公共団体向け等の公共IT投資に係る売上が当部門の売上の相当部分を占めています。このため、これらの投資動向の影響を受けることから、景気後退等に伴う民間IT投資の低迷や公共IT投資の減少や遅れが当部門の事業に悪影響を与える可能性があります。当部門のソリューション・サービスは、請負契約で受注することが多く、受注から納期までの期間が比較的長く、当初の見積りに不足があった場合やプロジェクト管理に問題が発生した場合等には、想定を超えるコストが発生する可能性があります。また、納期遅延や、納入したシステムに瑕疵が発生した場合は、損害賠償を行う可能性があります。 6)その他部門の事業環境 パソコン及びテレビは、同業他社との厳しい競争下にあり、構造的に利益が計上できにくい状況にあります。これらの事業は為替変動のほか、代替製品や低価格品の普及、景気変動や消費税の増税等による消費者の消費動向の影響を大きく受ける可能性があり、さらに需要動向が急激に変動した場合、商品価格下落や部品価格高騰により悪影響を受ける可能性があります。これらの事業について、大規模な構造改革を断行しましたが、これらの施策により期待した効果が出ない場合等には、追加の施策が必要となる可能性があります。 7)財務リスク 当社の連結及び単体の経営成績及び財政状態は、当社又は当社グループの事業活動の影響を受けるほか、主として以下の財務的な要因の影響を受ける可能性があります。① 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産を計上しています。当社グループは、入手可能な証拠に基づき実現可能性が低いと判断されるものを対象として、繰延税金資産に対する評価引当金を計上しています。評価引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理です。 今後、さらに評価引当金の計上が必要となる場合があり、将来の当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、繰延税金資産、評価引当金の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。② 為替変動の影響 当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループは、売上外貨と購入外貨のバランス化を図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、セグメント毎の事業規模のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生じる為替換算差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する外貨換算調整額は、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により悪影響を受ける可能性があります。③ 未払退職及び年金費用 当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。この調整の対象は未認識の保険数理上の損失、過去勤務費用及び移行時債務残高であり、適用される会計基準に従い会計処理の上、期間純退職及び年金費用として認識されます。運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化し、その結果、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。④ 長期性資産及びのれんの減損等 長期性資産について、減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合、当該長期性資産について帳簿価額を公正価値まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。当社の連結貸借対照表には、米国会計基準に基づき2016年3月31日時点で3,373億円ののれんが計上されています。このうち、エネルギーシステムソリューション部門に2,681億円が配分されていますが、その大部分は2006年10月のウェスチングハウス社グループの買収及び2011年7月に行ったランディス・ギア社の買収に関するものです。のれんについては、1年に1回減損テストを実施しており、減損テストにおいて、のれんの対象となっている事業に関するのれんを含む帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合、のれんの額を再度算定し直し、現在ののれんの額と再算定したのれんの額の差額を減損として認識することになります。さらに、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、長期性資産やのれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。 また、当社グループが投資有価証券として保有している上場株式の時価が下落した場合、当該株式の評価損の計上や未実現有価証券評価損益に悪影響を与える可能性があります。⑤ 株主資本 当社グループは、のれん及び無形固定資産の減損計上、不採算案件に対する引当計上、構造改革費用計上の影響等により、2015年度において多額の営業損失及び当社株主に帰属する当期純損失を計上することになり、連結純資産が著しく減少しました。このため、海外市場において当社がEPC(Engineering,Procurement and Construction)契約を締結するにあたり、発注者の要求する財務水準を満たすことが出来なくなり、その結果、案件受注に悪影響が及ぶ可能性があります。 8)資金調達環境の変化等 当社グループは、借入れによる資金調達を行っていますが、金融危機、金利等の市場環境、資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、市場や金融機関から借入れを行っていますが、金融市場が不安定な混乱状況に陥った場合、金融機関が自己資本規制強化に伴い貸出しを圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、今後新たに同様の条件により借換え又は新規の借入れを行えるとの保証はなく、当社グループが適時に当社グループが必要とする金額の借入れを行うことができない場合には、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の当有価証券報告書提出日現在の格付状況の詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりですが、「(10)過年度の不適切な会計処理」に記載の過年度の有価証券報告書等の訂正及び業績の悪化が続いていることに伴い、前事業年度の第176期有価証券報告書提出日から現在までに、ムーディーズ・ジャパン㈱の長期格付けは7ノッチ、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱の長期格付けは6ノッチ、㈱格付投資情報センターの長期格付けは3ノッチ引下げられており、今後もさらに信用格付の引下げが生じる可能性があります。 また、当社が複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約には財務制限条項が定められており、今後当社の連結純資産、連結営業損益又は格付けが財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入れについても期限の利益を喪失する可能性があります。 当社は、借入先金融機関の理解を得る努力を行うなど、財務制限条項への抵触及びこれによる期限の利益喪失を回避するための施策を最大限継続的に行っていきますが、万一、当社が上記借入れについて期限の利益を喪失する場合、当社の事業運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。 (3)取引先等に係るもの1)資材等調達 当社グループの事業活動には、部品、材料等が適時、適切に納入されることが必要ですが、部品、材料等の一部については、その特殊性から外注先が限定されているものや外注先の切替えが困難なものがあります。部品、材料等の供給遅延等が生じた場合には、必要な部品、材料等が不足する可能性又は購入のための費用が増加する可能性があります。また、当社グループが競争力のある製品を市場に供給するためには、競争力のある価格で部品、材料を購入するとともに、外注先を含めたサプライチェーンの最適化が必要です。さらに、当社グループの生産活動をはじめとする事業活動には、電力が安定して供給されることが必要ですが、国内の原子力発電所の稼動停止に伴う電力供給不足と為替変動を受けた燃料費上昇により、電気料金の更なる値上げが行われる可能性があります。このように、主要な外注先からの調達に支障を来たした場合や、電力供給不足、電気料金の更なる値上げが行われた場合には、当社グループの競争力に悪影響を与えることがあります。また、調達した部品、材料等に欠陥が存在し、仕様が満たされていない場合は、当社グループ及び東芝ブランドの製品の信頼性及び評価に悪影響を及ぼす可能性があります。 2)人的資源の確保 当社グループの事業の成否は、開発、生産、販売、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に大きく依存しています。特に事業のグローバル展開推進には、人材の確保が必要不可欠です。しかし、各プロセス、分野における有能な人材は限られており、人材に対する需要が高まっているため、人材確保における競争が激しくなっています。このため、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない又は獲得するために従来以上のコストが必要となる可能性があります。 一方、当社グループは固定費の削減を目的として、人員再配置及び再就職支援を含む早期退職優遇制度による人員対策を2015年度に実施し、強化事業部門への人員シフト、賞与の減額、役職者の賃金減額、諸手当・日当の見直し、社外への委託業務や有期限雇用社員による業務の取込み、有期限雇用社員の削減等の人事上の施策を実施しています。しかしながら、かかる人事施策の実施により期待された固定費削減の効果が得られない可能性や、かかる人事施策の実施により、当社グループの従業員の士気、生産効率又は人材の確保に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)製品、技術等に係るもの1)新規事業 当社グループは、新規事業を営む会社に投資をし、新規事業に関して他社と提携し、又は新規事業を自ら積極的に推進しています。 新規事業は不確定要因が多く、事業計画を予定どおり達成できなかった場合は、それまでの投資負担等が、当社グループに悪影響を与える可能性があります。 (5)取引慣行に係るもの1)履行保証等 当社は、当社子会社がプラント等の物件を受注する際に、取引先の求めに応じて契約履行保証等の親会社保証を供与することがあります。この親会社保証は、商習慣から経常的に行われているものですが、当社子会社が契約上の義務を履行できない場合には、当社に損失が発生する可能性があります。 また、当社の連結純資産、連結営業損益又は格付けが当該取引先との契約に定める水準を下回ることとなった場合、該当する保証について、親会社保証から信用状又はボンドによる保証に切り替えることが必要となり、一部の契約は切り替えが行われました。 (6)新製品及び新技術に係るもの1)新商品開発力 先進的で魅力的な商品、サービスを提供することが当社グループの責務です。しかしながら、急激な技術の進歩、代替技術・商品の出現、技術標準の変化等により、新商品を最適な時機に市場に投入することができない可能性、新商品が市場から支持される期間が計画期間を下回る可能性があります。また、技術開発に必要な資金と資源を今後も継続して十分に確保できない場合、新商品の開発、投入に支障を来たす可能性があります。 当社グループは、経営資源の集中と選択を高める観点から、研究開発においても販売時期を考慮した上で、当社独自の先端技術の開発に開発テーマを厳選しています。特定の商品、技術分野においては、他商品、技術分野に研究開発対象を厳選することに伴い研究開発が進まず、その結果、当社グループの技術面における優位性が損なわれる可能性があります。 (7)法的規制等に係るもの1)情報セキュリティ 当社グループは、事業遂行に関連して、多数の個人情報を有しています。当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態によりかかる情報が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループのブランドイメージや社会的評価、事業に悪影響を与え、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。 また、当社グループは、技術、営業その他事業に関する営業秘密を多数有しています。当社グループは、情報管理体制の整備及び厳重化、社員教育等を通じて、かかる営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じていますが、過去には営業秘密の漏洩を疑わせる事態も発生しており、漏洩の結果、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの競争力が損なわれ、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループの事業活動において情報システムの役割は極めて重要です。当社グループは、情報システムの安定的運用に努めていますが、コンピュータウイルス、ソフトウェア又はハードウェアの障害、災害、テロ等により情報システムが機能不全に陥る可能性は皆無ではなく、その結果、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。 2)コンプライアンス、内部統制関係 当社グループは、世界各地域において様々な事業分野で事業活動を展開しており、各地域の法令、規則の適用を受けます。当社グループは、コンプライアンス(法令遵守)、財務報告の適正性確保を始めとする目的達成のために内部統制システムを構築し、運用していますが、2015年度に、当社において過去数年間にわたって利益の先取りや費用の先送り等不適切な会計処理が継続されていたことが判明し、財務報告に係る内部統制の不備を認識しました。当社は、2015年7月20日の第三者委員会からの提言を踏まえて、今後の経営体制、ガバナンス体制、再発防止策等を着実に実施していくために経営刷新委員会を設置し、2015年9月30日付で発足した経営刷新体制のもとで、適切な内部統制の整備、運用をすすめてまいりました。その結果、2014年度に認識した財務報告に係る全社的な内部統制の重要な不備を是正するための改善策についての整備は完了し、概ね運用も実施しています。しかしながら、運用期間の制約から運用状況を確認できていない施策もあり、すべての改善策について必ずしも十分には運用状況が確認できていません。また、決算財務報告プロセスの内部統制の整備及び運用については、財務諸表監査において修正事項が発見されました。これらを勘案し、当有価証券報告書提出日現在において、開示すべき重要な不備が存在するものと判断しています。 内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。したがって、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。また、法規制や当局の法令解釈が変更になることにより法規制等の遵守が困難になり、一定の地域又は分野で事業継続が困難となる可能性や、法規制等の遵守のための費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分若しくは損害賠償請求の対象となり、又は当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、過去には課徴金の行政処分を受けたことがあります。 3)環境関係 当社グループは、世界各地域において、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループの過失の有無にかかわらず、世界各地に有する製造等の拠点における土地の浄化責任を負うことがあるなど、過去分を含む事業活動に関し、環境に関する法的、社会的責任を負う可能性があります。また、将来環境に関する規制や社会的な要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任がさらに追加される可能性があります。 当社グループは、事業遂行に際し、様々な化学物質、放射性物質、核燃料物質等を取り扱っていますが、自然災害、テロ、事故、その他不測の事態(当社グループがコントロールできないものを含む。)が発生することにより、万一環境汚染が発生し、又はそのおそれが発生した場合には、当社グループに損失が生じ又は当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。 4)品質問題 当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて品質管理に取り組んでいますが、これまでも予期せぬ事情によりリコール、訴訟等が発生しており、今後もそのような事態に発展する品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。また、大型案件で重大な品質問題が発生し、顧客への納入の大幅な遅延や再作業が必要となった場合、多額の費用負担や損害賠償責任が生じる可能性があります。 (8)重要な訴訟事件等の発生に係るもの1)争訟等 当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。また、今後そのようなことが生じる可能性もあります。地域ごとの裁判制度等の違いやこれらの手続は本来見通しがつきにくいものであることから、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。このため、これらについて当社グループに不利益な決定がなされた場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、様々な事情により、支払が命じられる可能性が極めて低いものの訴額の大きな訴訟が提起される可能性も皆無ではありません。 当社グループは、半導体、CRT、重電機器、光ディスク装置等の製品について、欧州委員会又はその他の競争法関係当局から調査を受けています。また、集団訴訟等が提起されている製品もあります。2014年11月、当社グループに対し、欧州において電力メーターの不具合を理由にして、客先との契約違反を認定する仲裁裁定があり、2015年7月、損害賠償等を求める新たな仲裁が申立てられました。当社グループは本仲裁において当社グループの考えを主張しています。 (9)役員、従業員、大株主、関係会社等に関する重要事項に係るもの1)NAND型フラッシュメモリに関する提携 当社グループは、NAND型フラッシュメモリの製造に関する戦略的提携として、米国サンディスク・コーポレーション(以下「サンディスク社」という。)との間で製造合弁会社(持分法適用会社)を設立していますが、合弁契約に基づき、サンディスク社の持分を買い取る可能性があります。また、当該製造合弁会社が保有する生産設備のリース契約に関して、現在当社とサンディスク社が個別に50%ずつの債務保証をしていますが、サンディスク社の業績又は財政状態の悪化により、当社がサンディスク社分の保証債務を承継し又は当該製造合弁会社に対するサンディスク社の持分を買い取る可能性があり、その場合、当該製造合弁会社が当社の連結子会社として扱われる可能性があります。 2)原子力事業に関する提携 当社グループは、2006年10月にウェスチングハウス社グループを買収しました。現時点において、ウェスチングハウス社グループ(持株会社を含む。)における当社の持分割合は87%であり、残りの株式については国内外の2社(以下「少数株主」という。)が保有しています。なお、ウェスチングハウス社グループへの出資については当社が過半数の持分割合を維持することを前提に、新たな出資パートナーを迎え入れることを検討しています。 少数株主は、当社との個別の契約に基づき、当該所有持分の全部又は一部を当社に売却することができる権利(以下「プットオプション」という。)を有しています。他方、当社グループも、一定の条件の下で少数株主からウェスチングハウス社グループ持株会社のそれぞれの所有持分を買い取ることができる権利を有しています。これらの権利は、少数株主の利益を保護するとともに、当社グループに不利益な第三者の資本参加を防止するものです。当社はウェスチングハウス社グループの事業に関して、少数株主と良好な関係維持に努めていますが、少数株主がプットオプションを行使した場合又は当社グループがその保有する当該買取権を行使した場合、当社グループは、新たな戦略的パートナーの出資を求めることとなり、当該出資がなされるまでの間、一定の資金負担が生じる可能性があります。 3)天然ガスに関する契約当社は、日本をはじめとする各国の需要家への天然ガス販売を目的として、米国の天然ガス液化役務提供会社との間で天然ガスの液化に関する加工委託契約(以下「液化役務契約」という。)(第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記 22.契約債務及び偶発債務 並びに 29.変動持分事業体 参照)、米国のパイプライン会社との間で、パイプラインの利用契約を締結しており、一連の役務の提供を受ける予定です。これらの契約においては、当社が液化役務提供会社の天然ガスの液化能力及びパイプライン会社のパイプラインを、2019年から20年間にわたり一定規模利用することが前提とされています。当社は、確保する液化天然ガス(LNG)の全量について、需要家との間で、主として長期の取引契約を締結する予定ですが、原油価格等の動向次第では、当社が前提とする価格等の条件で需要家との間や市場でLNGの販売が行えない可能性があり、その場合であっても液化役務提供会社及びパイプライン会社に対する固定額のサービス対価支払義務は継続するため、損失が発生する可能性があります。 (10)過年度の不適切な会計処理 当社は、2015年2月、証券取引等監視委員会から金融商品取引法第26条に基づき報告命令を受け、工事進行基準案件等について開示検査を受けました。その後、第三者委員会を設置し調査を行った結果、不適切な会計処理があったことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。当該有価証券報告書等の虚偽記載の事実を受けて、当社が内部管理体制等において深刻な問題を抱えており、当該内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められるとして、2015年9月、当社株式を特設注意市場銘柄に指定する旨の処分を東京証券取引所及び名古屋証券取引所から受けました。今後、特設注意市場銘柄指定から1年後に、当社は「内部管理体制確認書」を当社が上場している証券取引所に提出しますが、その結果、内部管理体制に問題があると認められる等の場合には、当社株式が上場廃止となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性、株主が株式を売却する機会が制限される可能性があります。当社の不適切な財務報告について、米国カリフォルニア州で当社を被告として提起された集団訴訟は棄却されましたが、この決定については原告が上訴可能であり、最終確定したものではありません。また、国内においても複数の訴訟提起がされました。今後も株主等から当社に対して訴訟が提起される可能性があり、それらの経過によっては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、建設業に係る営業停止等を始めとする行政処分や外国を含む当局の調査等を受ける可能性があり、これらの処分等を受けた場合、官公庁等から指名停止を含め、当社グループが機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、今回の会計処理問題に関連して、2015年12月、金融庁から課徴金73億7,350万円の納付命令を受け、納付を完了しました。 (11)その他1)模倣品対策 当社グループは、東芝ブランドの価値の保護、増大に努めていますが、世界各地において、模倣品が多数発生しています。当社グループは模倣品の撲滅に努めていますが、多量の模倣品が流通することにより、東芝ブランドの価値が毀損され、当社グループ製品の売上に悪影響を与える可能性があります。 2)知的財産権保護 当社グループは、知的財産権の確保に努めていますが、地域によっては知的財産権に対する十分な保護が得られない可能性があります。 当社グループは、第三者からの使用許諾を受けて第三者の知的財産権を使用していることがありますが、今後、必要な使用許諾を第三者から受けられない可能性や、不利な条件での使用許諾しか受けられなくなる可能性があります。 また、これまでも当社グループは知的財産権に関する訴訟等を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟等を提起したことがあり、今後もこのような訴訟等が生じる可能性があります。このような訴訟等には、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性があります。 3)社会情勢等 当社グループは、全世界において事業を展開していますが、国内外の各地域の政治、経済、社会情勢や政策の変化、投資規制、収益の本国への送金規制、輸出入規制、外国為替規制、税制等を含む各種規制の動向、為替レートの変動が各地の需要、当社グループの事業体制に悪影響を与える可能性があります。 4)大規模災害等 当社グループの国内生産拠点の多くは京浜地区に集中しており、主な半導体生産拠点は九州、東海、阪神、北陸、東北に所在しています。また、当社グループは、アジア地域での生産拠点拡大を図っています。このため、これらの地域において大規模災害、ストライキ、テロ、新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合多大な悪影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの生産、販売拠点において地震、洪水、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止、物流販売機能の麻痺等により、生産拠点の操業停止等が生じ、資産価値や生産販売能力に重大な悪影響を与える可能性があります。インド南部の豪雨によりチェンナイ市及びその周辺に大規模な洪水が発生し、当社グループ会社の工場が冠水し、2015年11月以降、操業停止が発生しました。今後、当該工場で生産予定であった製品の納入スケジュールに影響が生じ、納入先から違約金等の請求を受ける可能性があります。過去においては、東日本大震災及びタイにおける洪水により、当社グループの事業は一定程度の影響を受けました。