経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、本文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 経営方針(対処すべき課題)◎株主価値の向上に関して 当社及び当社株主の最善の利益のために行動することが当社取締役会の責任であり、最も重要であると認識しております。 当社は、潜在的な投資家やスポンサーとのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うため、すべての委員が当社から独立した社外取締役で構成される特別委員会を設置し、2022年4月7日、潜在的な投資家やスポンサー(以下「本パートナー候補」という。)とのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うこととしました。当社は本パートナー候補との協議を交えながら、当社の企業価値向上に向けた戦略的選択肢に関する提案を募集するプロセスを慎重に進めてまいりました。 当社は、2022年7月19日、複数の本パートナー候補を第2次入札プロセスに招聘することを決定し、以後、より包括的な提案を受領すべく、財務・法務・税務・規制その他の事項を含む当社事業に関するデューディリジェンスを実施する機会を付与してまいりました。その後、当社は、複数の本パートナー候補から、完成度は様々ではあるものの、複数のより詳細な意向表明書(法的拘束力のあるものを含む。)を2022年9月30日までに受領しました。これらの提案を受け、当社は、今後のステップを決定するために、財務・法務・税務・規制その他の観点から各提案の評価を進めてまいりました。当社は、2023年3月3日、日本産業パートナーズ㈱(以下「JIP」という。) から最終提案書を受領し、その後の交渉を経て、2023年3月23日、当社は、取締役会において、JIPの曾孫会社であるTBJH㈱(現TBJH合同会社。以下「公開買付者」という。)による当社の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)に関して、当該時点における当社の意見として、公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するものの、当該時点において、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することまではしないことを決議するとともに、公開買付者との間で、公開買付者による本公開買付けの実施や当社による本公開買付けへの賛同の意見の維持等について定める本公開買付契約を締結いたしました。 当社は、本取引の意義やその後に生じた当社を取り巻く状況の変化を踏まえ、2023年3月23日付の意見において留保していた本公開買付けへの応募を推奨するか否かに係る意見の内容について継続して検討しておりましたが、2023年6月8日、当社が設置した特別委員会の意見の内容を踏まえて、原意見表明を変更し、同日時点の当社の意見として、本公開買付けに関して、公開買付けが開始された場合には、これに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。なお、本公開買付けが開始されるまでの間に、特別委員会に対して、特別委員会が同日付で当社取締役会に対して答申した意見に変更がないかを検討し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更内容を明らかにした上で更に意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、あらためて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。 公開買付者は、2023年7月下旬を目途に本公開買付けを開始することを目指しているとのことですが、公開買付者によれば、本公開買付けの開始には、国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が必要になり、かかる競争法令等及び投資規制法令等上の手続には一定の期間を要し、これらの手続に要する期間を正確に予想することは困難であるとのことです。かかる国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が2023年3月23日から6ヶ月を経過する日までに完了されない場合等一定の場合には、本公開買付けが開始されず、当社又は公開買付者によって本公開買付契約が解除される可能性があります。 ◎当社グループの目指す姿 当社グループは、「人と、地球の、明日のために。」というグループ経営理念に基づき、長年に亘り培ってきた社会インフラから電子デバイスに至る幅広い事業領域の知見や実績と、情報処理やデジタル・AI技術の強みを融合し、今後も新たな製品、サービスやソリューションの創出と提供を通じて、社会課題を解決し、社会のさらなる発展に貢献していく方針です。 当社は、2022年6月、デジタルとデータの力を活用し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する当社グループ経営方針を発表しました。 当社は、事業開始時の事業単位による運営が長年に亘り継続され、現在のデジタル化やサービス化が進む時代に適合せずに生じている内部硬直性という課題と、外部と協業をせずに、独自技術を自社のみで立ち上げようとする外部硬直性という2つの課題を当社は抱えていると認識しており、これを克服していきます。 また、デジタルエコノミーの発展に伴い、今後、様々な企業が産業の垣根を越えて繋がることで、新たな社会価値が創造されます。当社では、この変化に対応するために、サービス化・リカーリング化していくデジタルエボリューション(DE)、それをプラットフォーム化するデジタルトランスフォーメーション(DX)、そして、様々なプラットフォーム自体が業界を超えて繋がる量子の世界であるクアンタムトランスフォーメーション(QX)への発展を実現し、データサービスを収益の柱とする企業へと変革していきます。 ◎内部管理体制の改善 2022年7月、当社の米国子会社において、当社経営幹部を装う第三者による虚偽の指示に基づき、約360万米ドル(約5億円)の資金を流出させる事案が発生いたしました。当該子会社では、被害額の約5億円を最大影響額として、2022年度第2四半期に損失を計上しました。この事案を受け、当社は、グループ内での一斉教育や規程類点検を含む再発防止策を実施しました。 また、2023年2月に当社の代表執行役兼取締役が、執行役及び代表執行役を辞任しました。監査委員会による調査において、当該代表執行役兼取締役は、執行役就任以前の2019年当時、継続的に、当社グループのルールに反して会食の相手方を正確に申請せずに交際費の処理をしていたことが明らかになったものです。この事案を受け、当社は、交際費の管理ルールの強化、交際費使用状況に係る網羅チェック等の施策を推進しています。 当社は、これらの事案を真摯に受け止め、内部管理体制の取組みを改善・強化していきます。 ◎サステナビリティについて 当社グループは、「人と、地球の、明日のために」を経営理念とし、事業を通じて社会の発展に貢献していくという変わらぬ信念を示し、この理念のもと、エネルギー不足や資源の枯渇、気候変動などのさまざまな課題を抱える社会の一員として、短期的な利益のみを追求するのではなく、企業活動によって社会に与えるインパクトを長期的に考え、社会課題の解決に貢献する取り組みを進めてきました。この取り組みを更に前進させ社会のサステナビリティに寄与する活動を強化するために、東芝グループサステナビリティ基本方針を定め、サステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上につなげていきます。 サステナビリティに関する具体的な考え方は、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、本文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 経営方針(対処すべき課題)◎株主価値の向上に関して 当社及び当社株主の最善の利益のために行動することが当社取締役会の責任であり、最も重要であると認識しております。 当社は、潜在的な投資家やスポンサーとのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うため、すべての委員が当社から独立した社外取締役で構成される特別委員会を設置し、2022年4月7日、潜在的な投資家やスポンサー(以下「本パートナー候補」という。)とのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うこととしました。当社は本パートナー候補との協議を交えながら、当社の企業価値向上に向けた戦略的選択肢に関する提案を募集するプロセスを慎重に進めてまいりました。 当社は、2022年7月19日、複数の本パートナー候補を第2次入札プロセスに招聘することを決定し、以後、より包括的な提案を受領すべく、財務・法務・税務・規制その他の事項を含む当社事業に関するデューディリジェンスを実施する機会を付与してまいりました。その後、当社は、複数の本パートナー候補から、完成度は様々ではあるものの、複数のより詳細な意向表明書(法的拘束力のあるものを含む。)を2022年9月30日までに受領しました。これらの提案を受け、当社は、今後のステップを決定するために、財務・法務・税務・規制その他の観点から各提案の評価を進めてまいりました。当社は、2023年3月3日、日本産業パートナーズ㈱(以下「JIP」という。) から最終提案書を受領し、その後の交渉を経て、2023年3月23日、当社は、取締役会において、JIPの曾孫会社であるTBJH㈱(現TBJH合同会社。以下「公開買付者」という。)による当社の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)に関して、当該時点における当社の意見として、公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに対して賛同の意見を表明するものの、当該時点において、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することまではしないことを決議するとともに、公開買付者との間で、公開買付者による本公開買付けの実施や当社による本公開買付けへの賛同の意見の維持等について定める本公開買付契約を締結いたしました。 当社は、本取引の意義やその後に生じた当社を取り巻く状況の変化を踏まえ、2023年3月23日付の意見において留保していた本公開買付けへの応募を推奨するか否かに係る意見の内容について継続して検討しておりましたが、2023年6月8日、当社が設置した特別委員会の意見の内容を踏まえて、原意見表明を変更し、同日時点の当社の意見として、本公開買付けに関して、公開買付けが開始された場合には、これに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。なお、本公開買付けが開始されるまでの間に、特別委員会に対して、特別委員会が同日付で当社取締役会に対して答申した意見に変更がないかを検討し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更内容を明らかにした上で更に意見を述べるよう諮問すること、及びかかる特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、あらためて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。 公開買付者は、2023年7月下旬を目途に本公開買付けを開始することを目指しているとのことですが、公開買付者によれば、本公開買付けの開始には、国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が必要になり、かかる競争法令等及び投資規制法令等上の手続には一定の期間を要し、これらの手続に要する期間を正確に予想することは困難であるとのことです。かかる国内外の競争法令等及び投資規制法令等上の手続が2023年3月23日から6ヶ月を経過する日までに完了されない場合等一定の場合には、本公開買付けが開始されず、当社又は公開買付者によって本公開買付契約が解除される可能性があります。 ◎当社グループの目指す姿 当社グループは、「人と、地球の、明日のために。」というグループ経営理念に基づき、長年に亘り培ってきた社会インフラから電子デバイスに至る幅広い事業領域の知見や実績と、情報処理やデジタル・AI技術の強みを融合し、今後も新たな製品、サービスやソリューションの創出と提供を通じて、社会課題を解決し、社会のさらなる発展に貢献していく方針です。 当社は、2022年6月、デジタルとデータの力を活用し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する当社グループ経営方針を発表しました。 当社は、事業開始時の事業単位による運営が長年に亘り継続され、現在のデジタル化やサービス化が進む時代に適合せずに生じている内部硬直性という課題と、外部と協業をせずに、独自技術を自社のみで立ち上げようとする外部硬直性という2つの課題を当社は抱えていると認識しており、これを克服していきます。 また、デジタルエコノミーの発展に伴い、今後、様々な企業が産業の垣根を越えて繋がることで、新たな社会価値が創造されます。当社では、この変化に対応するために、サービス化・リカーリング化していくデジタルエボリューション(DE)、それをプラットフォーム化するデジタルトランスフォーメーション(DX)、そして、様々なプラットフォーム自体が業界を超えて繋がる量子の世界であるクアンタムトランスフォーメーション(QX)への発展を実現し、データサービスを収益の柱とする企業へと変革していきます。 ◎内部管理体制の改善 2022年7月、当社の米国子会社において、当社経営幹部を装う第三者による虚偽の指示に基づき、約360万米ドル(約5億円)の資金を流出させる事案が発生いたしました。当該子会社では、被害額の約5億円を最大影響額として、2022年度第2四半期に損失を計上しました。この事案を受け、当社は、グループ内での一斉教育や規程類点検を含む再発防止策を実施しました。 また、2023年2月に当社の代表執行役兼取締役が、執行役及び代表執行役を辞任しました。監査委員会による調査において、当該代表執行役兼取締役は、執行役就任以前の2019年当時、継続的に、当社グループのルールに反して会食の相手方を正確に申請せずに交際費の処理をしていたことが明らかになったものです。この事案を受け、当社は、交際費の管理ルールの強化、交際費使用状況に係る網羅チェック等の施策を推進しています。 当社は、これらの事案を真摯に受け止め、内部管理体制の取組みを改善・強化していきます。 ◎サステナビリティについて 当社グループは、「人と、地球の、明日のために」を経営理念とし、事業を通じて社会の発展に貢献していくという変わらぬ信念を示し、この理念のもと、エネルギー不足や資源の枯渇、気候変動などのさまざまな課題を抱える社会の一員として、短期的な利益のみを追求するのではなく、企業活動によって社会に与えるインパクトを長期的に考え、社会課題の解決に貢献する取り組みを進めてきました。この取り組みを更に前進させ社会のサステナビリティに寄与する活動を強化するために、東芝グループサステナビリティ基本方針を定め、サステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上につなげていきます。 サステナビリティに関する具体的な考え方は、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて、当社グループが判断したものです。(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 売上高33,617(+247)営業損益1,105(△484)税引前損益1,890(△501)当期純損益1,266(△681)(注)1.単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示(以下、同じ) 2.「当社株主に帰属する当期純損益」を当期純損益として表示しています(以下、同じ)。 当期の世界経済は、米国、中国をはじめとして持ち直していますが、欧州では、持ち直しに足踏みがみられます。国内経済は、サービス産業をはじめ個人消費は全体として緩やかに持ち直し、設備投資は一部で足踏みがみられるものの全体として持ち直しています。輸出は弱含んでいます。 来期(2023年度)は、緩やかな持ち直しが続くことが期待されますが、米国では金融引締めによる下振れリスク、中国では不動産市場の動向等による下振れリスク、また、欧州については金融引締めやエネルギー情勢による下振れリスクがあります。また、国内経済も、アフターコロナの下で、景気の持ち直しが続いていくことが期待されますが、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動などのリスクもあります。 こうした状況下、当社グループの売上高は、エネルギーシステムソリューションが、原子力の安全対策工事関連の工事進捗差等の影響や、火力・水力の既受注案件の工事進捗等の影響、送変電・配電システムの増収による影響で増収、インフラシステムソリューションは、鉄道・産業システムが増収、ビルソリューションは昇降機の海外事業及び照明は増収になったものの昇降機の国内事業が減収、空調事業の連結除外の影響等により減収、リテール&プリンティングソリューションはリテール事業、プリンティング事業ともに増収、デバイス&ストレージソリューションは、半導体が増収になったものの、HDD他がモバイルやデスクトップのHDD市場縮小、ニアラインHDD市場の調整等の影響で減収になった結果減収、デジタルソリューションは、中部東芝エンジニアリング㈱(現キオクシアエンジニアリング㈱)の売却影響等があったものの、官公庁向け、民間向けシステムがともに伸びており増収になった結果増収となり、全体としては前年同期比247億円増収し3兆3,617億円になりました。営業損益は、インフラシステムソリューション、デジタルソリューション、その他が増益・改善となったものの、エネルギーシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューションは減益となり、前年同期比484億円減少し1,105億円になりました。税引前損益は、空調事業の売却益や当社保有の関連会社株式の一部譲渡益、特別配当等により増益となったものの、キオクシアホールディングス㈱の持分法投資損益等の影響で減益となり、前年同期比501億円減少し1,890億円になりました。当期純損益は、連結子会社の繰延税金資産の取崩し影響等で、前年同期比681億円減少し1,266億円になりました。 1)売上高及び営業損益事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。セグメント売上高営業損益エネルギーシステムソリューション6,695(+1,105:120%)304(△52)インフラシステムソリューション6,932(+385:106%)450(+33)ビルソリューション4,481(△1,509:75%)59(△204)リテール&プリンティングソリューション5,131(+599:113%)△41(△158)デバイス&ストレージソリューション7,971(△627:93%)429(△228)デジタルソリューション2,356(+50:102%)270(+26)その他2,328(+163:107%)△420(+107)消去△2,277(+81:―%)54(△8)合 計33,617(+247:101%)1,105(△484)(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示 ①エネルギーシステムソリューション発電システムは、原子力が安全対策工事関連の工程進捗差等の影響により増収、火力・水力は既受注案件の工事進捗差等の影響により増収になった結果増収、送変電・配電等は、送変電・配電システム、太陽光発電システムが増収になった結果、部門全体として増収になりました。損益面では、送変電・配電等が増収により増益になったものの、発電システムは東芝プラントシステム㈱のプロジェクト案件のコスト精査、発電システムに係る製品保証引当金の見直しの影響により減益になった結果、部門全体として減益になりました。 ②インフラシステムソリューション公共インフラは、社会システム事業の規模減等の影響で減収になったものの、鉄道・産業システムが産業システム事業の新型コロナウイルス感染症の影響による市況低迷からの回復を主因とした規模増・為替影響等で増収になり、部門全体として増収になりました。損益面では、公共インフラは社会システム事業の減収による影響で減益になったものの、鉄道・産業システムは産業システム事業の増収、前年の構造改革がなくなったことによる影響等で改善し、部門全体として増益になりました。 ③ビルソリューション 昇降機の海外事業及び照明が増収になりましたが、空調事業の連結除外の影響や昇降機の国内事業の減収の影響等により、部門全体として減収になりました。 損益面では、照明は増益になったものの、空調事業の連結除外の影響や、昇降機の減益等により、部門全体として減益になりました。 ④リテール&プリンティングソリューションリテール事業、プリンティング事業ともに増収となった結果、部門全体として増収になりました。損益面では、プリンティング事業ののれん減損等の影響で減益になった結果、部門全体として減益になりました。 ⑤デバイス&ストレージソリューション半導体は、産業向け等の市況堅調等により増収になったものの、HDD他はモバイルやデスクトップのHDD市場の縮小、ニアラインHDD市場の調整等の影響で減収となった結果、部門全体として減収になりました。損益面では、半導体は増収により増益になりましたが、HDD他は減収による影響、製品保証引当金の計上等の影響で減益となり、部門全体として減益になりました。 ⑥デジタルソリューション中部東芝エンジニアリング㈱の売却影響等があったものの、官公庁向け、民間向けシステムがともに伸びており、部門全体として増収になりました。損益面では、中部東芝エンジニアリング㈱の売却の影響があったものの、官公庁向け、民間向けシステムがともに好調で、部門全体として増益になりました。 なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高2,277億円が含まれています。また、当社グループのエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューションにおいては売上高が第4四半期に集中する傾向があります。 2)税引前損益 営業外損益は、空調事業の売却益や当社保有の関連会社株式の一部譲渡益、特別配当等により増益となったものの、キオクシアホールディングス㈱の持分法投資損益等の影響で減益となり、前期に比べ17億円減少し、785億円になりました。この結果、税引前損益は、前期に比べ501億円減少し、1,890億円になりました。 3)当期純損益 法人税等は、前期に比べ392億円増加し、△640億円になりました。非支配持分帰属損益は、△16億円の利益控除になり、前期に比べ控除額が212億円減少しました。これらの結果、当期純損益は、前期に比べ681億円減少し、1,266億円になり、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純損益は、前期に比べ149円49銭減少し、292円56銭になりました。 4)キャッシュ・フローの状況 要約連結キャッシュ・フロー計算書営業活動によるキャッシュ・フロー340(△2,152)投資活動によるキャッシュ・フロー△88(+1,157)フリー・キャッシュ・フロー252(△ 995)財務活動によるキャッシュ・フロー△1,423(+ 745)為替変動の現金及び現金同等物への影響額9(△ 86)現金及び現金同等物純増減額△1,162(△ 336)現金及び現金同等物期首残高4,429(△ 826)売却目的保有に分類された現金及び現金同等物(控除)―(△ 217)現金及び現金同等物期末残高3,267(△ 945)(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示 当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の2,492億円の収入から2,152億円減少し、340億円の収入になりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の1,245億円の支出から1,157億円減少し、88億円の支出になりました。これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前期の1,247億円の収入から995億円減少し、252億円の収入になりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の自己株式の取得による影響等があり、前期の2,168億円の支出から745億円減少し、1,423億円の支出になりました。その他に為替の影響によるキャッシュの増加が9億円あり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期の4,429億円から1,162億円減少し、3,267億円になりました。 5)生産、受注及び販売の実績 当社グループの受注高及び受注残高については、前期並みとなりました。デジタルソリューションの受注残高は、前年度までに受注した大型案件の受注残が売上に至ったため前年度末に比べて減少しています。なお、未充足の履行義務に配分した取引価格の総額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記13.」をご参照ください。 生産規模については、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、事業の種類別セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。販売規模については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」の売上高をご参照ください。受注については、当連結会計年度の実績をセグメント毎に示すと次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)受注高(億円)前期比(%)受注残高(億円)前期比(%)エネルギーシステムソリューション5,98010712,29396インフラシステムソリューション5,196996,953107ビルソリューション(昇降機)2,3591011,09095デジタルソリューション2,207901,08787合計15,74210021,42299(注)1.セグメント毎の受注高及び受注残高は、上表のセグメントにおいて受注生産方式にて事業を行っている事業部門の社内管理上の経営数値であり、これらを正確に把握することは困難であるため概算値で示しています。2.受注残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記13.」で公表している残存履行義務残高とは異なります。3.受注高については、当連結会計年度に受注した額のみを記載しており、当期より前に受注した案件が当期に解除された場合でも受注高からは控除しておりません。4.セグメント間取引については消去していません。 6)資産、負債及び資本の状況 要約連結貸借対照表現金及び現金同等物3,267(△945)受取手形、売掛金及び契約資産8,419(△173)棚卸資産5,942(+624)その他の流動資産2,991(△1,547)長期受取債権60(+8)投資等5,302(△282)有形固定資産4,914(+311)オペレーティング・リース使用権資産920(△130)その他の資産3,578(+182)資産計35,393(△1,952)短期借入金600(△157)支払手形及び買掛金4,481(△342)短期オペレーティング・リース債務366(+1)その他の流動負債8,241(△913)未払退職及び年金費用2,618(△153)長期オペレーティング・リース債務594(△132)長期借入金及びその他の固定負債5,122(+40)株主資本12,474(+408)非支配持分897(△704)負債・資本計35,393(△1,952)(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示 総資産は、2022年3月末に比べ1,952億円減少し、3兆5,393億円になりました。 株主資本は、当期純損益及び包括損益の増加による影響により、2022年3月末に比べ408億円増加し、1兆2,474億円になりました。 借入金及びリース債務残高は、2022年3月末に比べ140億円減少し、4,884億円になりました。 この結果、2023年3月末の株主資本比率は2022年3月末に比べ2.9ポイント増加し、35.2%になりました。(注)1.連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費並びにのれん減損損失を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。訴訟和解費用等は、当社グループの営業損益には含まれていません。2.なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 1)重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた企業会計の基準及び会計慣行に従っています。連結財務諸表を作成するために資産・負債及び収益・費用の計上並びに偶発資産・負債の開示において、種々の見積り及び仮定を前提としています。①繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産を計上しており、繰延税金資産の帳簿価額は、入手可能な証拠に基づいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されています。そのような場合には、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理であり、将来の不確実な経済条件の変動によって、追加の評価性引当金の計上、あるいは過去に計上した評価性引当金の取り崩しが必要となる場合があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は事業年度末時点で適用されている税制や税率に基づいており、それらの改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。 ②未払退職及び年金費用 当社及び一部の子会社の期間純退職及び年金費用は最新の統計数値に基づく割引率、退職率、死亡率及び年金資産の期待収益等の前提条件に基づき算定しており、算定に影響を与える特に重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。 当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損失累計額」に含めて報告しています。そのため、運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化した場合、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。 ③長期性資産 有形固定資産及び耐用年数が明らかな無形資産は見積耐用年数、契約期間、または見積利用期間にわたり定額法により償却しています。これらの資産について資産の帳簿価額を回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、割引前予想キャッシュ・フローに基づいて減損の有無を評価しています。減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合には、減損損失を計上する可能性があります。 ④のれん のれんは1年に1回減損テストを実施しています。減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として計上しています。また、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。 ⑤有価証券の減損 当社グループは、市場価格のない持分証券については減損の兆候の有無の判断において考慮する定性的な評価を行っています。その結果、公正価値の下落が認められる場合、その下落分について評価損を計上する可能性があります。また、負債証券及びその他の投資については、公正価値の下落が一時的でないか否かの評価を、市場価格の下落の程度とその期間、被投資会社の財政状態及び今後の見通し並びに当該有価証券の今後の保有方針等の観点から定期的に行っています。一時的でない公正価値の下落が発生している場合には、その下落分について評価損を計上する可能性があります。 ⑥偶発債務 当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。国内においても、複数の訴訟や損害賠償請求を受けており、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることが出来る場合には、合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。見積りを行う際には、訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟や関連する要因等を考慮していますが、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。その場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループが現在知りうるかぎり、これらの争訟は当社グループの財政状態及び経営成績に直ちに重大な影響を及ぼすものではないと当社グループは考えています。 上記以外の事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記1.会計処理の原則及び手続並びに連結財務諸表の表示方法、2.主要な会計方針の要約」に記載しています。 2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、ROS(売上高営業利益率)、EBITDA(営業利益と減価償却費を合算して算出)、ROIC(投下資本利益率)を選定しています。これらの指標を設定した理由は以下のとおりです。 売上高すべての利益の源泉となるものであり、事業規模も表すことができる指標として採用しました。営業利益本業の利益水準を計る指標として採用しました。ROS本業の収益効率性を計る指標として採用しました。EBITDA減価償却費等の非現金費用を除外することにより、実態に近い収益性を把握できる指標として採用しました。ROIC資本効率性を計る指標であり、投下した資金からどれだけの利益を生み出したかを把握することができると考え、採用しました。2022年6月に、以下のとおり、2022年度の見通し及び2025年度の目標値を公表しました。併せてTSR(株主にとっての総合投資利回り)の拡大を図ります。 <経営数値目標(2022年6月時点)>(単位:億円) 2021年度実績2022年度見通し2025年度目標売上高33,37033,00040,000営業利益(ROS%)1,589(4.8%)1,700(5.2%)3,600(9.0%)EBITDA2,4412,7005,000ROIC15.8%13.8%17.0%(注) 経営数値目標は数値目標であり、達成を保証するものではありません。これに対する2022年度の実績は以下のとおりです。<2022年度実績>(単位:億円) 2021年度実績2022年度実績売上高33,37033,617営業利益(ROS%)1,589(4.8%)1,105(3.3%)EBITDA2,4412,264ROIC15.8%8.7% 2022年度は空調事業の連結除外影響等による減収があったものの、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、リテール&プリンティングソリューション及びデジタルソリューションで増収となり、全体として増収、売上高の見通しを達成しました。一方、HDDの製品保証引当金、プリンティング事業ののれん減損、HDD市場の急激な縮小、発電システムに係わる製品保証引当金などの影響により営業利益及びEBITDAは減益、見通し未達となっております。なお、売上高及び営業損益の状況の詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」に記載のとおりであり、経営方針については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を、事業上のリスクについては「3 事業等のリスク」をご覧ください。 3)経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの事業領域であるエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。詳細は、「3 事業等のリスク」に記載しています。 4)資本の財源及び資金の流動性資金調達 当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。 資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。当期末の直接調達枠は、コマーシャル・ペーパーの発行枠を6,000億円、国内普通社債の発行枠を3,000億円保有しています。流動性管理 2023年3月末においては、現金及び現金同等物として3,267億円、コミットメントライン未使用枠の2,580億円を合わせ、5,847億円の手元流動性を確保しました。格付け 当社は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)、㈱日本格付研究所(以下「JCR」という。)の3社から格付けを取得しています。当有価証券報告書提出日現在の格付状況(長期/短期)は、S&P: BB+(引き下げ方向のクレジット・ウォッチ)/B、R&I: BBB(格付けの方向性はネガティブ)/a-2、JCR: BBB+(見通しは安定的)/J-2です。 なお、当期末(2023年3月31日)現在における、2022年度(2023年3月期)の設備の新設・改修等に係る投資計画は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しています。