事業等のリスク
ダイフクグループの主要なリスクは、まず事業環境の変化です。世界的なインフレや金利上昇、地政学リスクの高まりなどにより、顧客の設備投資計画が見直されると、受注や業績に影響が出る可能性があります。次に、原材料や部品の調達遅延・不足です。自然災害やサプライヤーの操業停止などにより、安定的な調達が困難になると、事業活動に支障が生じる恐れがあります。最後に、新規領域創出や技術開発の不確実性です。産業構造の急速な変化に対応し、新たな市場や技術トレンドを捉えられない場合、中長期的な成長機会を逸し、競争力が低下する可能性があります。
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FY2025|6,341 文字
3 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。(1) リスクの管理体制当社グループは、代表取締役社長を最高責任者として、3線モデルを基本とするリスクマネジメント体制を構築しています(下図)。リスク対応の実行主体である事業部門(第1線)が行うリスク管理を、コーポレート部門をはじめとするリスク所管部署(第2線)が支援、指導、監督します。また、第1線及び第2線のリスク管理の取り組みを、監査部門(第3線)が監査します。 リスクマネジメント体制(2026年12月期) 当社グループは、これらの取り組みを全社的な観点でモニタリングし、方針指示及び進捗管理を行うために、代表取締役社長を委員長、コーポレート部門長、事業部門長、グループチーフオフィサー等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置しています。同委員会は以下の事項を所管しており、2025年12月期は3回開催しました。委員会の取り組み状況等については、必要に応じ取締役会へ報告します。① リスクマネジメント委員会の所管事項1) リスク管理体制の企画及び立案並びに関連規程の整備2) リスクアセスメント結果を踏まえたシビアリスク(経営層が中心となって組織横断的に優先管理すべきリスク)の選定3) シビアリスクの対応方針の決定、指示、進捗管理及びモニタリング4) 年次レビューの実施及び結果のフィードバック5) リスク意識の向上のための各種情報共有、その他リスクマネジメントの重要性、考え方及び手法等に関する教育・訓練・研修等の実施方針の決定、指示6) 危機対応に関する教育訓練及び演習等の対応方針決定、指示 ② 平常時及び非常時の体制当社グループのリスクマネジメント体制は、平常時はリスクマネジメント委員会が上記①の活動を行い、リスクが顕在化する前に、その可能性や被害の最小化に努めています。リスクが顕在化し、危機対応を行うべき事態が発生した際は速やかにBCP推進体制へ移行します。 (2) シビアリスクの選定及び対応のフロー (3) 主要なリスク(シビアリスク)の評価と対応当社グループにおいて「シビアリスク」と呼称しており、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主要なリスクは次のとおりです。ただし、これらは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではなく、記載した事項以外にも予見しがたいリスクが存在します。 ① 主要なリスク(シビアリスク)の一覧(2025年12月期) ② 主要なリスク(シビアリスク)の内容と対応策(2025年12月期)リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 1) 事業環境の変化市場環境の変化大高1年以内経済危機、景気変動大中1年以内重要顧客の喪失大やや高特定時期なし政変、革命、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ大低1年以内リスクの説明当社グループの事業は、主に物流システム等の設備投資を前提とするビジネスであり、幅広い業種の顧客に対して製品及びサービスを提供しています。近年は世界的なインフレや金利上昇、各国の通商政策の転換、地政学リスクの高まりなどにより、経済環境や市場環境の先行きが不透明な状況が続いています。このため、景気動向や市場環境の変化に伴う顧客の設備投資判断の影響を受けやすく、投資計画の見直しや先送りが生じた場合には、受注や業績に想定以上の影響が及ぶ可能性があります。一方で、AIの利活用拡大に伴う半導体関連投資の増加や、国際的な人の往来の増加など、当社グループの事業機会の拡大に繋がると考えられる動きも見られ、これらは受注増加に繋がる可能性があります。リスク対策当社グループを取り巻く事業環境は絶えず変化しているとの認識の下、経済情勢、市場環境、金利動向、通商政策、地政学リスク並びに顧客の設備投資計画の変化等を継続的に注視しています。また、これらの事業環境の変化が当社グループの業績に与える影響の不確実性を踏まえ、経営計画・事業計画の見直しや投資判断への反映を機動的に行うことで、業績への影響を最小化するよう努めています。 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 2) 調達・サプライチェーン原材料・部品・購買品等の調達遅延・不足・不能やや大高1年以内リスクの説明当社グループが製造・提供するマテリアルハンドリングシステムは、多種多様な部品・部材により構成されており、これらの安定的な調達は、製品の生産、工事及びアフターサービスの継続に不可欠です。一方で、自然災害、地政学リスク、サプライヤーの操業停止等の突発的な事象により、部品・部材の供給が一時的に停滞又は停止する可能性があります。また、中長期的には、サプライヤーとの取引関係の悪化、調達活動におけるコンプライアンス及びサステナビリティの対応不足等により、安定的な取引関係の構築・維持が困難となり、調達に支障をきたす可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動の継続に支障が生じ、業績に悪影響を与える可能性があります。リスク対策当社グループでは、調達・サプライチェーンに関するリスクについて、短期的な供給停止リスクと中長期的な供給途絶リスクの双方を想定し、安定的な事業運営の確保に向けた対策を講じています。短期的な供給停止リスクに対しては、部品・部材の供給状況を継続的に把握するとともに、調達先の分散や代替調達の検討等を進め、自然災害やサプライヤーの操業停止などの突発的な事象が発生した場合においても、事業への影響を最小化できる体制の構築に努めています。中長期的な供給途絶リスクに対しては、サプライヤーとの継続的かつ安定的な取引関係の構築を重要な経営課題の一つと位置づけ、SCM委員会※を通じて、取引先との取引条件や価格決定の在り方等に関する方針を、社内に周知・徹底しています。また、サステナビリティの観点から、取引先に対する自己点検(SAQ: Self-Assessment Questionnaire)等を通じて、人権・環境・法令遵守に関する取り組み状況を把握し、調達リスクの可視化に努めています。これらの取り組みを通じて、サプライチェーン全体における適切な取引慣行の定着を図り、信頼関係に基づく中長期的なパートナーシップの維持・強化に取り組んでいます。※ SCM委員会:Supply Chain Management委員会 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 3) 成長戦略新規領域創出・技術開発大高5年以内リスクの説明当社グループは、産業界の幅広い領域をカバーする総合マテリアルハンドリングメーカーとして成長してきました。今後の持続的な成長に向けては、既存事業の競争力強化に加え、新たな市場や事業領域の創出が重要だと位置付けています。一方で、近年の産業構造や社会環境は急速に変化しており、将来の成長に繋がる新規領域の見極めや新規事業の立ち上げには不確実性を伴います。当社グループがこれらの変化を適切に捉えられない場合には、中長期的な成長機会を逸する可能性があります。また、既存のマテリアルハンドリング分野においても、AIやロボティクス等の技術を活用した自動化・最適化が進展しており、技術動向に即した製品・サービスの開発への対応が遅れた場合には、競争力の低下に繋がる可能性があります。リスク対策当社グループでは、新規領域の創出及び技術開発に伴う不確実性に対応するため、新規事業や先端技術の開発を担う専門組織(ビジネスイノベーション本部)を設置し、中長期的な視点での取り組みを進めています。社会課題や技術動向、将来トレンド等を踏まえた新規事業の探索を行うとともに、社内から多様なアイデアを収集・活用する仕組みを整備し、イノベーション創出の促進を図っています。また、AI、ソフトウエア開発、AGV、ロボットの制御技術等の先端技術分野における研究開発を推進するため、技術開発拠点として2025年12月期には京都Labを設置しました。加えて、さらなる研究開発体制の強化を目的として、2026年12月期には東京Labを設置し、技術系人材の確保と研究開発機能の充実を通じて、市場環境や技術動向の変化に対応した製品・サービスの創出に取り組みます。 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 4) 人材関連人材育成の取り組み不足やや大高3年以内従業員(作業者)の不足やや大高3年以内後継者(管理職)教育大中5年以内人材の確保・社員の離職やや大高1年以内リスクの説明当社グループの持続的な成長には、研究開発、設計、保守・メンテナンス等の専門的知識や技術を有する人材の確保が重要だと考えています。また、次世代の経営層や組織運営を担う管理職の確保・育成も不可欠です。一方で、国内外の労働市場では採用の難化や人材流動性の高まりが見られます。このような環境下で必要な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、事業運営の継続性や技術・技能のノウハウ、競争上の優位性が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク対策当社グループでは、人材確保のため採用手法の多様化に取り組んでおり、採用直結型のインターンシップの拡充、ジョブリターン・エントリー制度やリファラル採用制度の活用、勤務地を限定したリージョン社員制度導入(一部職種)、新設した京都Labを活用した採用活動などを行っています。また、採用した人材にグループ従業員として必要な知識の付与を目的に、動画教材を用いた教育プログラム(ダイフクアカデミー)を整備しています。加えて、従業員の定着や生産性向上を目的に、エンゲージメントサーベイで抽出された課題への対策推進にも取り組んでいます。また、次世代の経営層・管理職の確保・育成については、後継者計画の策定・運用、育成プログラムの充実を行っています。 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 5) グループガバナンス子会社の管理不備大やや高特定時期なしグループ会社の不祥事大中特定時期なしリスクの説明2025年12月期における当社グループの連結会社数は61社、連結従業員数は11,417名であり、そのうち子会社の従業員数は7,559名(66.2%)を占めています。各子会社における業務執行やコンプライアンス体制が不十分な場合には、不正行為、不適切な会計処理、プロジェクト管理等が適切に行われないことによる損失の発生により、業績及び社会的信用に影響が生じる可能性があります。リスク対策当社グループでは、経営理念やグループ共通方針・規程等の整備をはじめ、継続的なコンプライアンス教育の実施等を通じて、実効的なガバナンス体制の確保に取り組んでいます。また、各所管事業部門においては、法務部門と連携した契約審査・交渉に加え、プロジェクト実行段階における進捗状況のモニタリングや重要案件に係る報告・承認プロセスの運用等を通じて、プロジェクト管理の強化を推進しています。加えて、内部監査部門による子会社監査の計画的な実施及びグループ共通の内部通報窓口の設置・運用を通じて、業務の適正性及び内部統制の有効性を継続的に検証・改善しています。 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 6) 自然災害大規模な自然災害(例:大規模地震、津波、風水害等)大低特定時期なしリスクの説明当社グループの事業活動は、国内外の製造拠点及びアフターサービス拠点を通じて行われています。地震、台風、豪雨等の大規模な自然災害が発生した場合には、拠点や設備、人員への被害や電力、水道、通信等のライフラインの停止等により、事業活動が停滞する可能性があります。また、当社はグローバルに、お客さまにより近い場所で調達・生産を行う、いわゆる地産地消※を進めていますが、依然として滋賀事業所が当社グループの生産において重要な役割を担っていることから、南海トラフ地震のような広域災害が発生した場合には、当社グループの事業活動、業績及び財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。※地産地消:当社では『地産地消』を、需要地近接での調達・生産・供給(現地生産・現地納入)の意味で用いています。リスク対策当社グループでは、近年の自然災害リスクの高まりを踏まえ、大規模災害発生時における被害の最小化及び早期復旧を図るための体制強化を進めています。2025年12月期には、大阪本社の大規模災害対応マニュアルの大幅な更新を検討し、これをモデルケースとして今後は他の拠点への順次展開を図っていきます。国内においては、2026年12月期から各事業部門におけるBCPの整備及び訓練実施の支援を担う専任組織を新設し、災害発生時の事業継続及び復旧対応の実効性向上に取り組んでいます。海外拠点においては、各地域の事業特性や自然災害リスク等を踏まえた基礎的な危機管理体制を整備し、事業運営の安定性に努めています。 リスクテーマリスク項目リスク評価影響度発生可能性顕在化時期 7) 情報セキュリティ機密情報の人為的な漏えい大中特定時期なしサイバー攻撃大中特定時期なしリスクの説明当社グループは、事業活動において顧客情報や技術情報といった機密性の高い情報資産を管理・運用しています。また、製品の生産やアフターサービスなどの重要な工程においても、情報システムを活用した業務フローを構築しています。一方で、近年、世界的に内部不正による情報漏えいやサイバー攻撃が増加しており、当社グループにおいても情報セキュリティに関する脅威が増大しています。これらの脅威に起因して重要な情報資産の漏えいや不正利用、システムの停止等の事象が発生した場合、事業活動の中断、製品・サービス提供への遅延、企業ブランド及び社会的信用の毀損などを通じて、当社グループの事業活動の継続や業績に悪影響を与える可能性があります。リスク対策当社グループでは、情報セキュリティリスクを、人為的な情報漏えいに関するリスクとサイバー攻撃に関するリスクに大別し、それぞれの特性に応じた対策を講じています。人為的な情報漏えいに関するリスクについては、情報資産の重要度に応じた管理区分を設定するとともに、人的・物理的・組織的な管理体制の整備・運用を通じて、不正や過失による情報漏えいの防止に努めています。また、管理体制の実効性を向上させるため、情報セキュリティ監査を実施するとともに、委託先を含むサプライチェーン全体においても情報管理状況の確認等を行っています。サイバー攻撃に関するリスクについては、不正アクセスやマルウェア感染等を未然に防止するための技術的対策を講じるとともに、サイバー攻撃を受けた場合に備え、専門組織(CSIRT※)を中心とした対応体制を構築しています。具体的には、影響範囲や損害の把握、初動対応、被害拡大防止及び再発防止に向けた対応プロセスの整備を進めています。また、従業員に対する教育・訓練を継続的に実施し、対応力の向上を図っています。※ CSIRT(Computer Security Incident Response Team):サイバー攻撃による情報漏えいなど、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織
FY2024|7,339 文字
3 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) リスクの管理体制当社グループは、代表取締役社長(CEO)を最高責任者として、以下のとおり3線モデルを基本とするリスクマネジメント体制を構築しています(下図)。リスク対応の実行主体である事業部門(第1線)が行うリスク管理を、コーポレート部門をはじめとするリスク所管部署(第2線)が支援、指導、監督します。また、監査部門(第3線)が第1線及び第2線のリスク管理の取組みについて監査します。 〔図〕リスクマネジメント体制 当社グループは、これらの取組みを全社的な観点でモニタリング、対応指示及び進捗管理を行うために、代表取締役社長が委員長、事業部門長及び事業部長、安全衛生管理本部、コーポレート部門等の責任者を委員とするリスクマネジメント委員会を設置しており、同委員会は以下の事項を所管しています。同委員会は年数回程度の開催を予定しており、2024年3月期は5回開催しました。委員会の取組み状況等については必要に応じ取締役会へ報告を行います。 ① リスクマネジメント委員会の所管事項1) リスク管理体制の企画及び立案ならびに関連規定の整備2) リスクアセスメント結果を踏まえたシビアリスク(経営層が中心となって組織横断的に優先管理すべきリスク)の選定3) シビアリスク対応方針の決定、指示、進捗管理及びモニタリング4) 年次レビューの実施及び結果のフィードバック5) リスク意識向上のための各種情報共有、その他リスクマネジメントの重要性、考え方及び手法等に関する教育・訓練・研修等の実施方針の決定、指示6) 危機対応に関する教育訓練及び演習等の対応方針決定、指示 ② 平常時及び非常時の体制当社グループのリスクマネジメント体制は、平常時はリスクマネジメント委員会が上記①の活動を行い、リスクが顕在化する前に、その可能性や被害の極小化に努めています。リスクが顕在化し、危機対応を行うべき事態が発生した際は速やかにBCP推進体制へ移行します。発見・連絡・対応からなる初期対応を行い、その後は業務継続の可否を見極めながら、被害管理、復旧対応に当たります。同体制はBCP推進部門が全社の対応を取りまとめた上で、リスク所管部署がリスク顕在化後の対応に当たるだけでなく、平常時から事前準備に努めています。 (2) 主要なリスク(シビアリスク)の選定及び対応のフロー (3) 主要なリスク(シビアリスク)の評価と対応当社グループにおいて「シビアリスク」と呼称しており、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主要なリスクは次のとおりです。ただし、これらは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。 ① 主要なリスク(シビアリスク)のリスク評価一覧リスクテーマリスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期1) 事業環境の変化市場環境の変化大高1年以内経済危機、景気変動大中1年以内重要顧客の喪失大やや高特定時期なし政変、革命、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ大低1年以内2) 調達・サプライチェーン原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能やや大高1年以内3) 成長戦略新規領域創出・技術開発大高5年以内4) 人材関連人材育成の取組み不足やや大高3年以内従業員(作業者)の不足やや大高3年以内後継者(管理職)教育大中5年以内人材の確保・社員の離職やや大高1年以内5) グループガバナンス子会社の管理不備大やや高特定時期なしグループ会社の不祥事大中特定時期なし6) 自然災害大規模な自然災害(例:大規模地震、津波、風水害等)大低 特定時期なし7) 情報セキュリティ機密情報の人為的な漏洩大中特定時期なしサイバー攻撃大中特定時期なし ② 主要なリスク(シビアリスク)の内容と対応策リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 1) 事業環境の変化市場環境の変化大高1年以内経済危機、景気変動大中1年以内重要顧客の喪失大やや高特定時期なし政変、革命、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ大低1年以内リスクの説明 世界的なインフレや金利上昇、中国経済の減速、各国の政策の大幅な転換、世界各地で発生した紛争や政変など、経済動向に悪影響を与え得る事象が散見されます。当社グループの主たる製品は物流システム等の設備であり、景気変動ひいてはお客さまの設備投資動向が売上に大きく影響します。特に半導体業界を主体とするエレクトロニクス業界は、技術革新のスピードが非常に早く、AIの利活用の加速による半導体需要増は見込まれるものの、同業界の設備投資動向は短期間で急速に変化するため、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。 一方で、少子高齢化や人手不足による自動化・省人化ニーズの高まり、いわゆるグローバルサウス諸国の経済発展、自動車産業のEVシフト、国際的な人の往来回復など、これら中長期の経済・社会のトレンドが当社グループの受注・売上増に好材料となり得ます。リスク対策 好影響、悪影響を問わず、当社グループを取り巻く環境において発生した事象の実際の影響を完全に予測することは困難ですが、経済情勢、市場環境、お客さま業界のニーズ、動向を注視し経営計画、事業計画に機動的に反映させるよう努めています。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 2) 調達・サプライチェーン原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能やや大高1年以内リスクの説明 当社グループが製造・提供する主たる製品は、多種多様な部品・部材で構成される物流システムであり、部品・部材の調達の成否及び停滞により当社製品の生産、工事、サービスの提供の遅れにつながる可能性があります。半導体等、部品の世界的な供給不足は落ち着きを取り戻したものの、依然としてエネルギー価格・部品及び原材料価格の高騰、またいわゆる「物流2024年問題」に端を発する物流コストの上昇が想定されます。加えて、当社グループの安定的な調達活動にあたっては、サステナブル調達の要請の高まり、下請法コンプライアンス等への対応が不可欠であると考え、それらの取組み不足は当社グループのレピュテーション低下を招くだけではなく、サプライチェーンにおける中長期的な関係の構築・維持に失敗し、部品・部材の調達遅延・不足・不能のリスクにつながり得ると考えています。リスク対策 部品等の価格高騰・調達困難などを十分考慮して、コストや納期を管理するとともに、今後受注する案件についても契約条件等にも留意して影響の最小化を図っていきます。2024年3月期においても、引き続きCPOをヘッドとする事業部横断の調達や物流関連のワーキンググループにおいて情報共有や部品の融通を図るなどして原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能のリスク対応及び物流2024年問題の対応にあたりました。また、昨今の気候変動をはじめとする地球環境問題や人権問題など、多岐に渡る社会課題の解決に向けてサプライチェーン全体での取組みをさらに推進するため、従来のCSR調達基準を全面改定する形で「サステナブル調達ガイドライン」を策定し、当社グループ全役員・従業員の規範となる「ダイフクグループ調達方針」も見直しました。加えて2024年4月より「SCM委員会」の運用を開始し、生産・工事系業務におけるコンプライアンスの徹底を図るとともに、サステナブル調達活動とサプライチェーンの最適化に向けた施策を事業横断的に展開しています。これらの取組みを通してお取引先様との共栄を実現し、責任ある調達活動を推進していきます。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 3) 成長戦略新規領域創出・技術開発大高5年以内リスクの説明 当社グループは、産業界の幅広い領域をカバーする総合マテリアルハンドリングメーカーとして成長してきました。今後、当社グループの持続的な成長を図るためには、既存事業の伸長に加え、新規領域、新規事業の創出が欠くことができない取組みであると考えています。しかしながら、近時の産業構造や社会情勢はダイナミックに変化しており、それらをタイムリーに捕捉した上で当社グループの業績拡大をもたらす新規領域、新規事業を創出するには一定程度の時間を要するものと考えております。 また、当社グループは、マテリアルハンドリングを核とした「モノを動かす」技術で、様々な業界のお客様にソリューションをご提供してきました。昨今、高まる自動化、省力化ニーズにお応えすべく、これまで蓄積してきた技術やノウハウを製品やサービスに反映し、日々進化に取り組んでおります。一方で、お客様のニーズも多様化、高度化しているため、新製品、新サービスの開発も重要な経営課題となります。しかし、マテリアルハンドリング業界でもAIなど新技術の利活用の進展が見られる中、人材不足により技術開発活動に支障をきたし当社グループの競争力が低下するおそれがあります。リスク対策 グループ全体の事業領域の拡大を図るため、2024年4月より、CTOをトップとする、「ビジネスイノベーション本部」を新設しました。これまで事業部内で推進していた新領域における事業拡大の取り組みに加え、次世代事業の創出を進めていく予定です。 あわせてAIなどの先端技術の導入推進や当社グループの事業横断的な開発体制の構築をおこない技術競争力の強化を図ります。また人材育成の取り組みとしてDXやAIに関するスキルやリテラシーの向上を図るためにグループ役員・従業員が受講するeラーニングシステムやAI教育プログラムを導入いたします。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 4) 人材関連人材育成の取組み不足やや大高3年以内従業員(作業者)の不足やや大高3年以内後継者(管理職)教育大中5年以内人材の確保・社員の離職やや大高1年以内リスクの説明 当社グループの持続的な発展には、次世代を担う後継者の教育及び対象となる人材の育成が重要と考えています。世界的な人手不足の中、eコマースの進展などによりマテリアルハンドリングシステム業界においても、特に技術者・技能者不足の深刻化が懸念されており、当社グループにおいても専門的知識や技術を持った人材不足による競争力低下をリスクと捉えています。これらのリスクが顕在化することにより、事業運営の継続性や技術・技能のノウハウ、優位性が失われ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスク対策 後継者(役員、役職者)の育成に関しては、グループ共通コンピテンシー(求める行動特性・姿勢)の策定やグループ人材マネジメント基盤(グループ全体でキーポジションを明確化し、一定層以上の人材をグループ人材と位置付け、その「評価」と「育成」を計画的にグループ横断にて促進する体制)の構築を進めています。また、海外ナショナルスタッフ向け育成支援プログラムを階層ごとに体系化するとともに、海外グループ会社16社を対象にエンゲージメントサーベイを実施し、個社別に結果報告会を行いました。サーベイ結果をもとに個社毎にアクションプランを策定し、エンゲージメント改善活動に取り組んでいきます。加えて、女性インターンシップ生向けに、女性活躍の観点からの各種フォローアップイベント(女性従業員との座談会等)の実施や外国籍従業員に関しては海外大学からの直接採用や留学生の積極採用に取り組んでいます。また、キャリア採用者の職場定着に関する施策として、キャリア採用者の個別面談やキャリア採用者研修を実施しています。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 5) グループガバナンス子会社の管理不備大やや高特定時期なしグループ会社の不祥事大中特定時期なしリスクの説明 当社グループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、2024年3月期の当社グループの連結会社数は67社、従業員数は13,071名に達し、そのうち連結海外子会社の従業員数は8,999名(68.8%)となりました。このように拡大した枠組みで、国内外の子会社の管理が行き届かず、不正・不祥事の発生や組織運営の失敗により、当社の社会的信用の低下や業績の悪化を招く可能性があります。リスク対策 このような状況下で、当社グループは、「グループ行動規範」を策定し当社グループの役職員として取るべき行動の指針を示した上で、多言語の「コンプライアンス・ガイドブック」の配布及び継続的周知活動、海外子会社の役職員も対象とするeラーニング、階層別研修、コンプライアンス強化月間、内部通報制度の周知等でコンプライアンス意識の醸成、浸透を図っています。また、各種方針・規程類の見直し及びグループ内での周知に向けた浸透策の実施、特に海外での大型プロジェクトにおける損失リスク軽減のための各種施策の立案・実施を進め、国内外の子会社管理体制を整備してまいります。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 6) 自然災害大規模な自然災害(例:大規模地震、津波、風水害等)大低特定時期なしリスクの説明 地震、台風、津波など大規模な自然災害が世界各地で頻発しています。それらの発生に起因して、当社グループの生産設備や拠点への被害が発生したり、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなったりすることにより、企業活動が中断するリスクがあります。発生した事象が甚大な場合(南海トラフ地震、超大規模台風など)は、影響は想定より大きくなる可能性があります。リスク対策 拠点ごとの自然災害ハザード調査を実施し、2024年3月期においては、日本国内において今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の高い拠点の特定と「避難計画」の確認を行いました。また、発生時の時系列対応計画策定と安否確認などの各種訓練、備蓄品の拡充などを進めました。加えて、必要に応じて既存の事業継続計画(BCP)などの実効性向上のため、事業影響度分析、各事業部体制表の見直しなどを実施しています。これらの取り組みにより、大規模な自然災害が発生した際の被害規模極小化、影響度の低減に努めています。 リスクテーマ リスク項目影響度発生可能性リスク顕在化の可能性のある時期 7) 情報セキュリティ機密情報の人為的な漏洩大中特定時期なしサイバー攻撃大中特定時期なしリスクの説明 近年世界的に、内部不正による情報漏洩やサイバー攻撃が増加傾向にあり、情報セキュリティに対する脅威が非常に高まっています。 情報の漏洩が発生した場合、またはサイバー攻撃を受けたことにより、当社グループのITインフラが機能不全となった場合、重要な情報資産の流出や不正利用、企業活動の中断、当社グループのレピュテーションの毀損などの被害・損害が想定され、当社グループの企業活動の継続や業績に悪影響を与える可能性があります。リスク対策 2004年より情報セキュリティ委員会を組成しグループ横断で情報セキュリティ対策強化に取り組んでいます。2024年3月期は情報セキュリティ関連の社内規程をISMS※1とNIST要件※2を網羅した文書へ改定を行いました。 機密情報の人為的な漏洩に関する対策として、国内外の全部門に配置された情報セキュリティ推進責任者を中心に、機密情報の棚卸と機密区分に応じたゾーン管理策の実施、強化月間での役員・従業員への教育、階層別教育や誓約書等の対策を行っています。また、情報セキュリティ監査員体制の構築・育成による全職場の管理策のチェックを実施し、継続的な改善活動と管理レベルの向上により、個人情報等の重要な情報資産の保護を図っています。 サイバー攻撃については、情報セキュリティ委員会を軸にCSIRT※3を運営し、サイバー攻撃を受けた場合の影響範囲や損害の特定、被害拡大防止の初動対応、再発防止策の検討などを実施しています。また、多言語に対応した動画コンテンツによるeラーニングや標的型攻撃を想定したメール訓練などを役員・従業員に対してグローバルで定期的に実施しています。 ※1 ISMS:情報の機密性、完全性、可用性を守るための体系的な仕組み※2 NIST要件:NIST(米国標準技術研究所)が提供するサイバーセキュリティフレームワーク※3 CSIRT:Computer Security Incident Response Team:サイバー攻撃による情報漏洩など、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織 (4) 主要なリスク(シビアリスク)の変動「レピュテーションリスク」の評価見直しについて2023年3月期有価証券報告書においては、「マスコミによる批判、風評被害」、「メディア対応の失敗」、「広告・宣伝の失敗」といったリスクを「レピュテーションリスク」と総称して主要なリスク(シビアリスク)としておりました。企業規模や業績の拡大により当社グループの社会的な認知度の上昇、マスメディアへの露出機会増、またSNSによる誤情報及び不適切な表現の拡散のおそれが増すといった状況は引き続き存続しています。しかしながら、記者会見を想定した役員層へのメディアトレーニング実施や、SNSを利用する際の留意点を示したガイドライン策定及び不適切投稿や情報漏洩発見時の報告ルート整備等を進めた結果、一定程度リスクが低減したものとして、「レピュテーションリスク」は、2024年12月期における主要なリスク(シビアリスク)の対象外とすることとしました。
FY2023|4,493 文字
3 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) リスクの管理体制当社グループは、CEOを最高責任者として、以下のとおり3線モデルを基本とするリスクマネジメント体制を構築しています(図1)。リスク対応の実行主体である事業部門(第1線)が行うリスク管理を、コーポレート部門をはじめとするリスク所管部署(第2線)が支援、指導、監督します。また、監査部門(第3線)が第1線及び第2線のリスク管理の取組みについて監査します。 〔図1〕リスクマネジメント体制 当社グループは、これらの取組みを全社的な観点でモニタリング、対応指示及び進捗管理を行うために、CEOが委員長、事業部門長及び事業部長、安全衛生管理本部、コーポレート部門等の責任者を委員とするリスクマネジメント委員会を設置しており、同委員会は以下の事項を所管しています。同委員会は年数回程度の開催を予定しており、2023年3月期は3回開催しました。委員会の取組み状況等について必要に応じ取締役会へ報告を行います。 ① リスクマネジメント委員会の所管事項1) リスク管理体制の企画及び立案ならびに関連規程の整備2) リスクアセスメント結果を踏まえたシビアリスク(経営層が中心となって組織横断的に優先管理すべきリスク)の選定3) シビアリスク対応方針の決定、指示、進捗管理及びモニタリング4) 年次レビューの実施及び結果のフィードバック5) リスク意識向上のための各種情報共有、その他リスクマネジメントの重要性、考え方及び手法等に関する教育・訓練・研修等の実施方針の決定、指示 ② 平常時及び非常時の体制当社グループのリスクマネジメント体制は、平常時はリスクマネジメント委員会が上記①の活動を行い、リスクが顕在化する前に、その可能性や被害の極小化に努めています。リスクが顕在化し、危機対応を行うべき事態が発生した際は速やかにBCP推進体制へ移行します。発見・連絡・対応からなる初期対応を行い、その後は業務継続の可否を見極めながら、被害管理、復旧対応にあたります。同体制は業務推進部BCPグループを事務局として、リスク顕在化後の対応に当たるだけでなく、平常時から事前準備に努めています。 (2) リスクの抽出と主要なリスクへの対応① リスクアセスメント 当社グループは、「リスクマネジメント規程」に則り、定期的に経営層、事業部及び国内外の子会社を対象としたリスクアセスメントを行っており、次回は2024年3月期に実施予定です。当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要なリスク項目を抽出し、「発生頻度」、「影響度」の2つの評価軸で評価します。その結果を基に、当社グループへのヒアリングを踏まえた外部機関の専門的な知見を加えリスクをマトリクス化(図2)し、優先して対応すべきリスク(シビアリスク)を委員会にて取り決めています。 〔図2〕リスクマトリクス ② 主要なリスクの内容と対応策リスクアセスメントの結果等を踏まえ、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している現在のリスクは次のとおりです。ただし、これらは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 1) 事業環境の変化に関するリスクリスク項目・原材料費、輸送費の高騰及び原材料の入手遅延リスクの説明当社グループが製造・提供する主たる製品は、多種多様な部品・部材で構成される物流システムであり、部品・部材の調達の成否及び停滞により当社製品の生産、工事、サービスの提供の遅れにつながる可能性があります。昨今、世界的な半導体等部品の供給不足、エネルギー価格・原材料価格の高騰、物流網の混乱にも拍車がかかり、当社グループにおいても、部品の価格高騰・調達困難などを十分考慮して、コストや納期を管理するとともに、今後受注する案件については契約条件等にも留意して影響の最小化を図っていきますが、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策2023年3月期においては、生産担当役員をヘッドとする事業部横断の調達ワーキンググループを組成し情報共有や部品の融通を図るなどして、上海ロックダウン等によりさらに難化した調達関連リスクの対応にあたりました。2023年4月よりサプライチェーンの統括管理を行う部署を新設し、対応を強化しています。 リスク項目・経済危機、景気変動・重要顧客の喪失・市場環境の変化リスクの説明当社グループの主たる製品は物流システム等の設備であり、景気変動ひいてはお客さまの設備投資動向が売上に大きく影響します。特に半導体・液晶業界を主体とするエレクトロニクス業界は、商業及び小売業向けと並んで当社グループの売上高で最も大きな部分を占めますが、技術革新のスピードが非常に早い同業界の設備投資動向は、短期間で急速に変化するうえ、近年は地政学的リスクも浮上しており業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策お客さま業界のニーズ、動向を注視し経営計画に機動的に反映させるよう努めています。 2) 関連会社ガバナンスに関するリスクリスク項目 ・グループ会社の不祥事・子会社の管理不備リスクの説明当社グループの急成長、子会社数や従業員数の急速な増加により、2023年3月期の当社グループの連結会社数は68社、従業員数は13,020名に達し、そのうち連結海外子会社の従業員数は9,059名(69.6%)となりました。このように拡大した枠組みで、国内外の子会社の管理が行き届かず、不正・不祥事の発生や組織運営の失敗により、当社の社会的信用の低下を招くなど、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策当社グループでは「グループ行動規範」において、当社グループの役職員として取るべき行動の指針を示しています。また、当該行動規範を役職員向けにわかりやすく解説した「コンプライアンス・ガイドブック」を多言語で作成し、研修やe-ラーニング等によりグループ全体にコンプライアンス意識の浸透を図っています。 3) 人材に関するリスクリスク項目・後継者(役員・役職者)教育及び人材育成・人材の確保及び社員の離職・従業員(作業員)の不足リスクの説明当社グループの持続的な発展には、次世代を担う後継者の教育及び人材の育成が重要と考えています。一方、世界的な人手不足の中、eコマースの進展などによりマテリアルハンドリングシステム業界においても、特に技術者・技能者不足の深刻化が懸念されています。当社グループにおいても専門的知識や技術を持った人材不足による競争力低下をリスクと捉えています。これらのリスクが顕在化することにより、事業運営の継続性や技術・技能のノウハウ、優位性が失われ、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策後継者(役員、役職者)の育成に関しては、キーポジションの明確化、グループ共通コンピテンシー(求める行動特性・姿勢)の策定などを通して計画的な後継者育成体制を構築していきます。2024年3月期より、役割(職責)・成果をベースにした人事制度への転換を図るべく人事制度を改定し、従業員が自律的に成長し、いきいきと仕事にチャレンジできる制度の構築を進めています。また、「エンゲージメントサーベイ」(働きがい、働きやすさに関する調査)を実施するなどし、従業員の「働きがい」と「働きやすさ」を向上し、従業員と会社の相互が成長できるキャリアが実現できる環境の整備に取り組んでいます。 4) レピュテーションリスクリスク項目・マスコミによる批判、風評被害・メディア対応の失敗・広告・宣伝の失敗リスクの説明企業規模の拡大により当社グループの社会的な認知度が少しずつ上昇しており、マスメディアやSNSでの露出が増えています。それに伴い、報道や宣伝における誤った情報または不適切な表現が拡散した場合のレピュテーション(風評被害)リスクが大きくなっています。特に人権問題や環境問題への無理解に対して社会の見る目は非常に厳しく、より迅速で責任ある対応が求められます。したがって、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策記者会見を想定した役員へのメディアトレーニング実施や、メディア対応が求められる事態が発生した際の各種マニュアル等の整備に取り組み、対応強化に努めています。また、SNSを利用する際の留意点を示したガイドラインの策定を進めています。 5) 自然災害リスクリスク項目・大規模な自然災害リスクの説明地震、台風、津波など大規模な自然災害の発生により、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなり、企業活動が中断するリスクがあります。発生した事象が甚大な場合(南海トラフ地震、超大規模台風など)は、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策拠点ごとの自然災害ハザード調査を実施し、2023年3月期においては、滋賀事業所防災ハザード調査結果の対応及び大阪本社・小牧事業所地震リスク調査結果対応を行いました。また、発生時の時系列対応計画(タイムライン)策定と安否確認などの各種訓練、備蓄品の拡充などを進めました。加えて、必要に応じて既存の事業継続計画(BCP)などの実効性向上のため、事業影響度分析、各事業部体制表の見直しなどを実施しています。これらの取り組みにより、大規模な自然災害が発生した際の被害規模極小化、影響度の低減に努めています。 6) サイバー攻撃・情報漏洩のリスクリスク項目・サイバー攻撃・内部不正による情報漏洩リスクの説明情報はヒト、モノ、カネ、と並ぶ4大経営資源の一つであり、近年世界的に、情報に対する脅威が非常に高まっています。増加傾向にある、サイバー攻撃や内部不正による情報漏えいが、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。リスク対策2004年より情報セキュリティ委員会を組成しグループ横断で情報セキュリティ対策強化に取り組んでいます。情報セキュリティ委員会を軸にCSIRT(Computer Security Incident Response Team:サイバー攻撃による情報漏えいなど、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織)を運営し、サイバー攻撃を受けた場合の影響範囲や損害の特定、被害拡大防止の初動対応、再発防止策の検討などの実施、定期的な社員教育・訓練を実施しています。しかしながら、情報を不正に入手、悪用する側の手口やスキルは年々巧妙化しており、すべてを防ぎきれない可能性があります。
FY2022|6,502 文字
2 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) リスクの管理体制① リスクマネジメント委員会の新設当社グループの経営目標の達成に影響を与える重要なリスクを組織横断で管理する目的で、2022年4月にリスクマネジメント委員会を新設しました。リスク管理については、これまでサステナビリティ委員会の中で取り扱ってきましたが、事業や経営環境を取り巻くリスクが急速に変化し、不透明感が増す中、迅速な意思決定と健全なリスクテイクの裏付けとなる管理体制の増強を目指して、グループ全体のリスクマネジメント活動を統合する独立の委員会を設置したものです。同委員会は、CEOが委員長を務め、事業部門長、事業部長、安全衛生管理本部及びコーポレート部門等の責任者で構成されます。同委員会は、年数回程度の全体会を開催するほか、重要なリスクマネジメント課題を取締役会へ適宜報告を行います。 ② 平常時及び非常時の体制リスクマネジメント委員会の新設に伴い、平常時と非常時の体制を明確にして運用しています。リスクマネジメント委員会が平常時の活動を推進し、リスクが顕在化する前にリスクコントロールを行います。一方、非常時は、リスクが顕在化した後の危機対応を行うBCP推進体制を整備しており、その対応を実施します。BCP推進体制では、リスクマネジメント委員会と連携を行うとともに、危機が発生する前の事前準備も行います。また、危機が発生した場合の体制と対応手順を定めており、定期的に訓練を行っています。 (2) リスク分析の前提条件当社グループが、リスク分析に当たり主に考慮すべきと考えている前提条件は、以下のとおりです。・特定業種のお客さまの設備投資動向の影響を大きく受けること ・業態として、長期のプラント工事を伴うこと ・売上高の70%近くを海外で上げているグローバル企業であること ・業績やグループ規模が急成長し、今後も持続的成長が見込まれること ・物流システムが重要な社会インフラとして認知され、社会的注目度が向上していること (3) リスクマネジメントの運用状況当社グループは、「リスクマネジメント規程」に則り、定期的にリスクアセスメントを行っています。当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、「発生頻度」、「影響度」の2つの評価軸でマッピングを行い、リスクを把握・管理しています。アセスメント対象は全事業部、国内外の子会社を網羅しています。アセスメント結果に基づき、外部機関が当社グループへのヒアリングを行うとともに専門的な知見を加えて補正しています。2019年に実施したアセスメントの結果と比較すると、2021年の結果においては「事業環境の変化に関するリスク」の影響度が増しました。新型コロナウイルス感染症の拡大、米中摩擦、世界的な半導体不足などが評価に大きく反映されました。 <重要なリスク>リスクアセスメントの結果等を踏まえ、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは次の通りです。①~⑥は通常の事業運営上で想定されるリスクを記載しています。「⑦新型コロナウイルス感染症のリスク」は現下の状況で重要度が高いもの、「⑧気候変動に関するリスク」は国際的な枠組みのもとで開示が求められるものです。 ① 事業環境の変化に関するリスク<経済危機・景気変動>・お客さま業界の設備投資動向の影響半導体・液晶業界を主体とするエレクトロニクス業界向け売上高は、商業及び小売業向けと並んで、当社グループの売上で最も大きな部分を占めます。エレクトロニクス業界は、景気変動ひいては設備投資動向の波が特に大きく、同業界向けの売上高は2018年度1,899億円、2019年度1,441億円、2020年度1,370億円、2021年度1,513億円と、他業界向けに比べて増減の度合いが高くなっています。当社グループではお客さま業界の動向を注視し経営計画に機動的に反映させるよう努めていますが、技術革新のスピードが非常に早い半導体・液晶業界の設備投資動向は、短期間で急速に変化するうえ、近年は先端技術の移転にからむ地政学的リスクも浮上しており業績予想に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。・原材料費、輸送費の高騰及び原材料の入手遅延などの影響世界的な半導体等部品の供給不足、エネルギー価格・原材料価格の高騰、物流網の混乱にも拍車がかかり、また北米を中心に人手不足は深刻さを増し、今後の経済活動の先行きは不透明感が増しています。当社グループにおいても、部品の価格高騰・入手遅延、工事現場の人件費上昇などを十分考慮して、コストや納期を管理するとともに、今後受注する案件については契約条件等にも留意して、影響の最小化を図っていきますが業績予想に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。・ロシア・ウクライナ情勢の影響当社はロシアのサンクトペテルブルクに拠点を設置していますが、過去に納入したシステムの保守・メンテナンスが中心業務であり、ロシア及びウクライナへの売上規模は極めて小さく、今後も含めた当社グループの業績への直接的な影響は限定的です。一方で、エネルギーや食糧価格の上昇、サプライチェーンの分断が消費などに与える経済全般への影響を注視し、事業活動に及ぼす影響の最小化に努めますが業績予想に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。<海外子会社が関連するプロジェクト管理>当社グループ全体の2021年度の売上高実績のうち約65%は海外でした。主要製品を生産・輸出するダイフクだけでなく、現地で生産・工事・サービスを行う海外子会社との連携、特に工事を担当する子会社のプロジェクト予算管理が非常に重要であると認識しています。当社グループは、プロジェクトの予算や進行管理の精度向上に努めていますが、プロジェクト管理の難度は建設地や納期、建屋も含めた進捗、技術的な要素などの条件によって個々の案件ごとに異なるうえに、複数案件の集中度合いによっては人手の確保が難しくなり、工事コストが上昇する可能性があります。また、上記「原材料費、輸送費の高騰及び原材料の入手遅延などの影響」のとおり、経済全般に不透明感が増しており業績予想に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。 ② コンプライアンスに関するリスク 当社グループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、当連結会計年度の当社グループの連結会社数は69社、従業員数は12,436名に達し、そのうち連結海外子会社の従業員数は8,643名(69.5%)となりました。当社グループは、コンプライアンス意識の醸成や浸透を図り、不祥事の発生などを含むコンプライアンスに関する広範なリスクに対応するために、・社外取締役のコンプライアンス委員会への出席・業務ラインから独立した監査本部による内部監査・内部通報制度の見直し・法務・コンプライアンス本部を設置し、贈収賄防止、競争法違反防止などの規程を整備・監査役の監査の実効性をより高めるために、監査役及び監査役会の職務を補助する監査役室を設置・グループガバナンス強化のため、リスク・ガバナンス室(現ガバナンス推進室)を設置・輸出入取引に関するコンプライアンス体制整備のため、海外取引統括室を設置 などの手段を講じてきました。また、2021年度は、グループ全体にコンプライアンス意識の浸透を図るため、グループ行動規範を解説した「コンプライアンス・ガイドブック」を作成し、多言語化の上、CEOがコンプライアンスに関する考え方をグループ全体に伝える説明を行うなど、コンプライアンス意識の醸成・浸透活動を継続的に行っています。しかしながら、管理対象の大幅な増加、法制度の厳格化等により、コンプライアンスリスクが顕在化する可能性があります。 ③ 人材に関するリスク世界的な人手不足の中、eコマースの進展などによりマテリアルハンドリングシステム業界においても技術者・技能者不足が懸念されています。当社グループにおいても専門的知識や技術を持った人材不足をリスクと捉えています。そのため当社グループでは、女性・外国人・キャリア採用者の採用・登用に積極的に取り組んでいます。また、従業員の一体感の醸成や生産性の向上を企図し、2021年度は国内グループ従業員に対し、「エンゲージメント・サーベイ」(働きやすさ、働きがいに関する調査)を実施しました。今後は海外のグループ従業員にも同サーベイを実施する予定です。しかしながら、人材獲得競争の激化及び人材の流動性の増大により、上記リスクが想定以上の影響を及ぼす可能性もあります。また、後継者(役員、役職者)の育成に関しては、キーポジションの明確化、コンピテンシー(求める行動特性・姿勢)の策定などを通して計画的な後継者育成体制を構築していきますが、効果が出るには一定の時間を必要とします。 ④ 大規模な自然災害によるリスク 地震、津波など大規模な自然災害の発生により、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなり、事業活動が中断するリスクがあります。対策として、拠点ごとの自然災害ハザード調査、発生時の時系列対応計画(タイムライン)策定と安否確認などの各種訓練、備蓄品の拡充などを進めています。また、必要に応じて、事業継続計画(BCP)などの計画類の実効性向上のため、事業影響度分析、各事業部体制表の見直しなどを実施しています。これらの取り組みにより、大規模な自然災害が発生した際の被害規模局限化、影響度の低減に努めています。しかしながら、発生した事象が甚大な場合(南海トラフ地震、超大規模台風など)、影響は想定より大きくなる可能性があります。世界的に流行するような感染症も、大規模な自然災害の一つとして分類しています。新型コロナウイルス感染症による影響は、後述します。 ⑤ レピュテーションリスク 近年、SNSの普及などに伴い、誤った情報、 または広告、不適切な表現が拡散した場合のレピュテーション(風評被害)リスクが大きくなっています。特に人権問題や環境問題に対して社会の見る目は非常に厳しく、調達先も含めて責任ある対応を取らない場合は、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、役員層へのメディアトレーニング実施や各種ガイドライン等の作成に取り組み、対応強化に努めています。 ⑥ サイバー攻撃・情報漏えいのリスク情報はヒト、モノ、カネ、と並ぶ4大経営資源の一つですが、近年世界的に、サイバー攻撃や内部不正による情報漏えいが増加傾向にあり、情報に対する脅威が非常に高まっています。そこで、2022年度より情報セキュリティ委員会はCEOを委員長とし、当社グループ横断で情報セキュリティ対策強化に取り組んでいます。情報セキュリティ委員会を軸にCSIRT(Computer Security Incident Response Team:サイバー攻撃による情報漏えいなど、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織)を運営し、サイバー攻撃を受けた場合の影響範囲や損害の特定、被害拡大防止の初動対応、再発防止策の検討などの実施、定期的な社員教育・訓練を実施していきます。しかしながら、情報を不正に入手、悪用する側の手口やスキルは年々巧妙化しており、すべてを防ぎきれない可能性があります。 ⑦ 新型コロナウイルス感染症のリスク新型コロナウイルス感染症による主なリスクとしては、当社グループ及びお客さまの移動・出社・活動制限、感染者の発生による事業活動の遅延停滞、景気後退に伴うお客さま設備投資の延期・中止、減産による収益性の悪化などが考えられます。 当社グループは、従前より、地震や津波などに備えてBCP体制を構築し、災害時・緊急時に対処するノウハウや知見を蓄積しています。2020年1月以降に影響が顕在化した新型コロナウイルス感染症に対しては、CEOを最高責任者とする新型肺炎対策本部を立ち上げ、各事業部門が状況を精査し必要に応じて取締役会に報告して対処しています。社員とその家族、お客さま、お取引先さまなどの生命・健康・安全を最優先にし、国内外の政府や行政機関のガイドラインを遵守し、在宅勤務を実施することなどにより、事業活動に大幅な支障はきたしていません。しかしながら、新型コロナウイルス感染症は収束には至っておらず、中国の厳格なコロナ政策が世界経済に及ぼす影響も懸念されており、リスクの及ぶ範囲が拡大する可能性もあると認識しています。 ⑧ 気候変動に関するリスク当社グループは、「深刻化する地球環境問題」が当社グループを取り巻く社会環境の重要な要素の一つであるととらえています。当社は気候変動を含む「サステナビリティ経営」に関する審議項目の取締役会への上程、報告、情報提供を適宜行う「サステナビリティ委員会」(委員長:CEO)を設置しており、各事業部門長・関係執行役員を委員に充てています。取締役会は、サステナビリティ委員会から報告を受け、必要な施策を決議します。2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)勧告に賛同を表明しました。2020年に、TCFDの枠組みに沿った情報を当社ウェブサイトで開示しています。https://www.daifuku.com/jp/sustainability/assets/pdf/environmental-management/tcfd_2020.pdfその後の組織改編などにより、現時点でのTCFDの「4つの中核要素と当社の取り組み」は以下のとおりです。1) ガバナンス・CEO直轄のサステナビリティ委員会を設置・取締役会は同委員会より報告を受け必要な施策を決議2) 戦略・シナリオ分析の結果、事業コスト増加の影響があるものの業績への影響は軽微・一方でそれを上回る製品・サービス需要の拡大が見込まれる3) リスク管理・サステナビリティ委員会が一元的に管理し、優先度の高いものは取締役会に報告4) 指標と目標・「ダイフク環境ビジョン2050」を2021年に策定・同ビジョンに基づき2030年目標を設定上記2) 記載のシナリオ分析は、21世紀中の気温上昇を4℃、1.5℃未満という2つの想定に基づいて気候変動リスクを分析しました([表]気候変動リスクに対するシナリオ分析概要参照)。4)に記載の「ダイフク環境ビジョン2050」は、主に気候変動の移行リスクと機会に対応するものとし、2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を目指す」ためのKPI等を示しました。概要は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 環境ビジョンとサステナビリティアクションプラン」をご覧ください。進捗の状況は、2022年8月頃に発行予定の統合報告書で開示予定です。 〔表〕気候変動リスクに対するシナリオ分析概要 上記のように、経済価値だけなく、社会価値の面からも、企業は厳しく評価されるようになりました。当社グループは、環境・社会・ガバナンス(ESG)、サステナビリティといった観点での社外機関の評価を積極的に活用し、投資家との直接対話にも注力してPDCAのサイクルを回し、たゆみない改善をはかっていきます。社外機関の評価の詳細については、以下をご参照ください。https://www.daifuku.com/jp/sustainability/external-evaluation/
FY2021|4,666 文字
2 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)リスクの管理体制当社グループは、CEO(代表取締役社長)を最高責任者として、リスクマネジメント規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しています。また、海外を含めた当社グループ全体で定期的にリスクアセスメントを行い、経営計画や事業運営に重要な影響を与えるリスクを「影響度」および「発生頻度」の2つの評価軸でマッピングを行っています。今年度は、昨年度に主要なリスクと特定したリスクのモニタリングを実施しました。事業に与えるリスクを低減するため、各種の取り組みを実施していますが、短期間で経営における「影響度」「発生頻度」が大きく変動することは考えにくいため、引き続き昨年度の結果を全社の重要なリスクとして認識して、対策を推進します。特に重要な案件は、適宜取締役会へ報告しています。新型コロナウイルス感染症につきましては、CEOを最高責任者とするダイフクグループ「新型肺炎対策本部」を設置し、政府の方針や行動計画に基づき社内ルールの徹底などにより、感染拡大の抑止に努めています。 (2)リスク分析の前提条件当社グループが、リスク分析に当たり主に考慮すべきと考えている前提条件は、以下のとおりです。・特定業種のお客さまの設備投資動向の影響を大きく受けること ・業態として、長期のプラント工事を伴うこと ・売上の70%近くを海外で上げているグローバル企業であること ・業績やグループ規模が急成長し、今後も持続的成長が見込まれること ・物流システムが重要な社会インフラとして認知され、社会的注目度が向上していること (3)リスクアセスメント調査 事業環境変化への的確な対応の観点から、当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、「発生頻度」、「影響度」の2つの評価軸でリスク管理状況を把握・管理しています。 <主要なリスク>発生頻度と影響度の観点から経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは次の通りです。(1)~(5)は通常の事業運営上で想定されるリスクを重要度順に記載しています。「(6)新型コロナウイルス感染症のリスク」は現下の状況で重要度が高いもの、「(7)気候変動リスク」は国際的な枠組みのもとで開示が求められるものです。 (1)経済危機・景気変動、海外子会社の管理不備・経済危機・景気変動半導体・液晶業界を主体とするエレクトロニクス業界は景気変動の波が特に大きく、設備投資の減少により、同業界向けの当連結会計年度売上は前年度に比べて、5.0%減少しました。当社グループではお客さま業界の動向を注視し経営計画に機動的に反映させるよう努めていますが、技術革新のスピードが非常に早い半導体・液晶業界の設備投資動向は、短期間で急速に変化するため、完全な予測は困難です。・海外子会社の管理不備当社グループ全体の売上のうち65%は海外売上です。主要製品を生産・輸出するダイフクだけでなく、現地で生産・工事・サービスを行う子会社との連携、特に工事を担当する子会社のプロジェクト予算管理が非常に重要であると認識しています。国内においても、eコマースを中心とする流通業界向けに大型案件が増えています。当社グループは、プロジェクトの予算や進行管理の精度向上に努めていますが、プロジェクト管理の難度は建設地や納期、建屋も含めた進捗、技術的な要素などの条件によって個々の案件ごとに異なるうえに、複数案件の集中度合いによっては人手の確保が難しくなり、工事コストが上昇する可能性があります。 (2) コンプライアンスに関するリスク 当社グループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、当連結会計年度の当社グループの連結会社数は66社、従業員数は11,697名に達し、そのうち連結海外子会社の従業員数は8,045名(68.8%)です。当社グループは、不祥事の発生などを含むコンプライアンスに関する広範なリスクに対応するために、・監査本部により内部統制システムを強化・内部通報制度を改善・法務・コンプライアンス本部を設置し、贈収賄防止、競争法違反防止などの規程を整備・M&Aにより取得した海外子会社の成長性、事業リスク、財務などのチェック体制強化のため、グローバルマネジメント室を設置・監査役の監査の実効性をより高めるために、監査役および監査役会の職務を補助する監査役室を設置・グループガバナンス強化のため、リスク・ガバナンス室を設置などの手段を講じてきました。しかしながら、管理対象の大幅な増加、国内外の連携不足等により、コンプライアンスリスクが増す可能性があります。 (3) 人材に関するリスク後継者(役員、役職者)の育成に関しては、早期選抜制度、海外子会社での経営経験の取得などの機会を設けています。また、人材の採用、教育、育成に関しては、階層別・役職別研修制度を基本に、きめ細かな育成ニーズに応えるべく、各種研修コースの充実を図っています。また、2019年11月からタレントマネジメントシステムを導入し、事業横断的な人材活用を促進しています。併せて、働き方改革の推進や処遇の改善などを図っていますが、効果が出るには一定の時間を必要とします。また、マテリアルハンドリングシステムに関する技術者・技能者は、eコマースの進展などにより、世界的な人手不足が懸念されています。 (4) 大規模な自然災害によるリスク 地震、津波など大規模な自然災害の発生により、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなり、事業活動が中断するリスクがあります。対策として、拠点ごとの自然災害ハザード調査、発生時の時系列対応計画(タイムライン)策定と安否確認などの各種訓練、備蓄品の拡充などを進めました。また、必要に応じて、既存の事業継続計画(BCP)などの計画類の実効性向上のため、事業影響度分析、各事業部体制表の見直しなどを実施しています。これらの取り組みにより、大規模な自然災害が発生した際の被害規模局限化、影響度の低減に努めます。しかしながら、発生した事象が甚大な場合(南海トラフ地震、超大規模台風など)、影響は非常に大きくなる可能性があります。世界的に流行するような感染症も、大規模な自然災害の一つとして分類しています。新型コロナウイルス感染症による影響は、後述します。 (5)サイバー攻撃のリスク情報セキュリティ対策のため、コーポレート部門副部門長(執行役員)を委員長とする情報セキュリティ委員会を組成し、当社グループ横断で情報セキュリティの維持・向上に取り組んでいます。情報セキュリティ委員会を軸にCSIRT(Computer Security Incident Response Team:サイバー攻撃による情報漏えいなど、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織)を運営し、サイバー攻撃を受けた場合の影響範囲や損害の特定、被害拡大防止の初動対応、再発防止策の検討などの実施、定期的な社員教育・訓練を実施しています。 (6)新型コロナウイルス感染症のリスク当社グループは、従前より、地震や津波などに備えてBCP体制を構築し、災害時・緊急時に対処するノウハウや知見を蓄積しています。2020年1月以降に影響が顕在化した新型コロナウイルス感染症に対しては、CEOを最高責任者とする新型肺炎対策本部を立ち上げて対処しています。国内外の政府や行政機関のガイドラインに則って事業活動を行い、在宅勤務の実施などにより、感染拡大のリスクを最小限に抑えています。長年にわたるグローバルなICTインフラ整備により、在宅勤務などもスムーズに導入でき、事業活動に大幅な支障はきたしていません。新型コロナウイルス感染症による主なリスクとしては、当社グループおよびお客さまの移動・出社・活動制限、感染者の発生による事業活動の遅延停滞、景気後退に伴うお客さま設備投資の延期・中止、減産による収益性の悪化などが考えられます。 当社グループの主力生産拠点である滋賀事業所は、新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けておらず、サプライチェーンも健全に機能しています。また、当社グループの海外子会社の工場や営業所、サービス拠点は、各国政府・行政機関の方針に適宜対応して操業しています。 お客さまは業界のトップクラスの企業が多く、信用面での不安は少ないのはもちろん、景況感が悪い時期にでも前向きに設備投資を行う姿勢のお客さまも多く見られます。 当社グループの財務体質も自己資本比率57.7%、D/Eレシオ0.14倍と強固であり、財務基盤を大きく毀損するような懸念事項はありません。当連結会計年度の経営成績への影響は主に受注面で現れ、前年同期比6.6%減となりましたが、売上は6.8%増、営業利益は10.0%増と順調に推移しました。上記のような事業環境、自社体制の整備により、本リスクによる影響を最小にしつつ、社員とその家族、お客さま、お取引先さまなどの生命・健康・安全を最優先にすることで、持続的成長を期します。 しかしながら、前記のとおり、新型コロナウイルス感染症が世界経済に及ぼす影響の大きさや期間の長さは現時点では見通せておらず、リスクの及ぶ範囲がさらに拡大する可能性もあると認識しています。新型コロナウイルス感染症の影響は、各事業部門が状況を精査して取締役会に都度報告しています。 (7)気候変動リスク当社は気候変動を含む「サステナビリティ経営」に関する審議項目の取締役会への上程、報告、情報提供を適宜行う「サステナビリティ委員会」(委員長:CEO)を設置しており、各事業部門長・関係執行役員を委員に充てています。取締役会は、サステナビリティ委員会から報告を受け、必要な施策を決議します。 2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)勧告に賛同を表明しました。気候変動リスクを以下に記載し、2020年5月に、TCFDの枠組みに沿った情報を当社ウェブサイトで開示しています。21世紀中の気温上昇を4℃、1.5℃未満という2つのシナリオに基づいて分析しました。https://www.daifuku.com/jp/sustainability/environmental-management/#eco-2 〔表〕気候変動リスクに対するシナリオ分析概要 当連結会計年度は、上記の開示をさらに充実させるため、気候変動問題を「ダイフク環境ビジョン2020」に代わる「ダイフク環境ビジョン2050」策定の一環として位置づけ、サステナビリティ委員会で検討した案を取締役会で決議し、2021年2月に開示しました。またその中で2030年の目標を定めました。主に気候変動の移行リスクと機会に対応するものとし、2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を目指す」ためのKPI等を示しました。概要は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)持続可能な社会の実現への貢献」をご覧ください。
FY2020|4,674 文字
2 【事業等のリスク】本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 <リスク分析の方法> (1)リスクの管理体制当社グループは、CEO(代表取締役社長)を最高責任者として、リスクマネジメント規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しています。人類にとっての喫緊の課題として重要性が増している気候変動リスクは、CEO直轄のサステナビリティ委員会が全社的な取り組みを推進しています。全社的なリスク、気候変動リスクともに、必要に応じて外部専門家の見解を取り入れ、リスク分析の結果を取締役会に報告しています。 (2)リスク分析の前提条件当社グループが、リスク分析に当たり主に考慮すべきと考えている前提条件は、以下のとおりです。・特定業種のお客さまの設備投資動向の影響を大きく受けること ・業態として、長期のプラント工事を伴うこと ・売上の70%近くを海外で上げているグローバル企業であること ・業績やグループ規模が急成長し、今後も持続的成長が見込まれること ・物流システムが重要な社会インフラとして認知され、社会的注目度が向上していること (3)リスクアセスメント調査 当社グループは、リスクマネジメント規程に則り、リスクアセスメント調査を毎年実施しています。2019年度は、以下の改善を盛り込んだ調査を行いました。・従来は社内主管部門が調査していたが、初めて、外部第三者機関に助言を求め、他社比較も加味して より客観性のある調査とした。・調査内容を拡大してグループ全体のリスクを洗い出した。・外部専門機関によるヒアリングを併せて行い、その知見を加えてリスクマップ(リスクの重要度評価)を補正した。 (4)リスク重要度評価の方法当社のリスクマップ(リスクの重要度評価)は、国内外の部長職相当者からの調査結果を基に「発生頻度」、「影響度」の2つの評価軸でマッピングを行い、リスク対策の優先度を決定しています。優先順位が高いものから、「シビアリスク」、「ハイリスク」、「ミドルリスク」、「ローリスク」、及び「リスクなし」の5段階に区分しています。リスクの発生頻度、影響度はそれぞれ1~5の5段階で評価し、数字が高いほどリスクが高くなります(図 リスクの2019年度重要度評価)。 〔図〕リスクの2019年度重要度評価 <主要なリスク>経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、前記リスクマップで「シビアリスク」「ハイリスク」と分類されたリスクであり、以下のとおりとなります。なお、前記リスクマップで「ミドルリスク」、「ローリスク」と分類されたリスクについては、担当部門単位での定常的な把握や対策確認等を行います。 (1)シビアリスク 「シビアリスク」は、経営層が中心となり主体的に管理するリスクです。「シビアリスク」として認識された主な項目は、以下のとおりです。影響度と発生頻度を総合的に評価した順序で記載しています。(2)ハイリスクも同様です。・経済危機・景気変動、グループ会社不祥事、海外子会社の管理不備・後継者(役員席、役職者)の教育及び人材育成、人材の確保・社員の離職によるリスク、作業者・従業員の 不足・大規模な自然災害、マスコミによる批判・風評被害、メディア対応の失敗① 経済危機・景気変動、海外子会社の管理不備当社は、2019年12月の株式会社格付投資情報センター(R&I)の発行体格付において、格付「A(シングルAフラット)」を維持しましたが、同社から、「(半導体・液晶業界の)顧客の設備投資の振れ幅が非常に大きい点に注意が必要」、「案件の大型化や長期化の傾向があることから、プロジェクトの採算管理をより強化する必要がある」との指摘がありました。この指摘は、当社が行ったリスクアセスメント調査の結果とも一致しています。半導体・液晶業界を主体とするエレクトロニクス業界は景気変動の波が大きく、設備投資の減少により、同業界向けの2019年度売上は前年度に比べて、24.1%減少しました。当社グループ全体の売上のうち65%は海外売上です。主要製品を生産・輸出するダイフクだけでなく、現地で生産・工事・サービスを行う子会社との連携、特に工事を担当する子会社のプロジェクト予算管理が非常に重要であると認識しています。当社は、経済危機・景気変動、海外子会社の管理不備が経営成績に影響する度合いが特に大きいことを再認識し、予算や進行管理の精度向上に努めます。しかしながら、技術革新のスピードが非常に早い半導体・液晶業界の設備投資動向は、短期間で急速に変化するため、完全な予測は困難です。また、プロジェクト管理の難度は建設地や納期、建屋も含めた進捗、技術的な要素などの条件によって個々の案件ごとに異なるうえに、複数案件の集中度合いによっては人手の確保が難しくなり、工事コストが上昇する可能性があります。② コンプライアンスに関するリスク 当社グループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、2019年度の当社グループの連結会社数は56社、従業員は10,863名に達し、そのうち7,312名(67%)は海外在住者です。当社グループは、不祥事の発生などを含むコンプライアンスに関する広範なリスクに対応するために、・監査本部を設置して内部統制システムを強化する・内部通報制度を改善する・法務・コンプライアンス本部を発足させるなどの手段を講じ、2020年度は監査役の監査の実効性をより高めるために、監査役および監査役会の職務を補助する監査役室を設けました。しかしながら、管理対象の大幅な増加等により、コンプライアンスリスクが増す可能性があります。③人材に関するリスク 後継者の育成に関しては、早期選抜制度、海外子会社での経営経験の取得などの機会を設けています。また、人材の採用、教育、育成に関しては、働き方改革の推進や処遇の改善などを図っていますが、効果が出るには一定の時間を必要とします。 また、マテリアルハンドリングシステムに関する技術者・技能者は、eコマースの進展などにより、世界的な人手不足が懸念されています。④大規模な自然災害によるリスク 地震、津波など大規模な自然災害の発生により、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなり、事業活動が中断するリスクがあります。世界的に流行するような感染症も、大規模な自然災害の一つとして分類しています。新型コロナウイルス感染症による影響は、別途後述します。 (2)ハイリスク「ハイリスク」は、主管部門が中心となり定期的に経営層に状況報告するリスクです。「ハイリスク」として認識された主な項目は以下のとおりです。・急激な為替、金利、株価変動・サイバー攻撃・企業買収の失敗・競争法違反・過労死・過労による自殺・火災・爆発・政変・内乱・紛争 (3)新型コロナウイルス感染症のリスク当社グループは、従前より、地震や津波などに備えてBCP体制を構築しており、2020年1月以降に影響が顕在化した新型コロナウイルス感染症に対しては、CEOを最高責任者とする新型肺炎対策本部を立ち上げて対処しています。国内外の政府や行政機関のガイドラインに則って営業活動を行い、在宅勤務の実施などにより、感染拡大のリスクを最小限に抑えています。長年にわたるグローバルなICTインフラ整備により、在宅勤務などもスムーズに導入でき、通常の事業活動に大幅な支障はきたしていません。新型コロナウイルス感染症による主なリスクとしては、当社グループおよびお客さまの移動・出社・活動制限、感染者の発生による事業活動の遅延停滞、景気後退に伴うお客さま設備投資の延期・中止、減産による損益分岐点の上昇などが考えられます。 当社グループの主力生産拠点である滋賀事業所は、新型コロナウイルス感染症の影響をほとんど受けておらず、サプライチェーンも健全に機能しています。また、当社グループの海外子会社の工場や営業所、サービス拠点は、各国政府・行政機関の方針に適宜対応して操業しています。 お客さまは業界のトップクラスの企業が多く、信用面での不安は少ないのはもちろん、景況感が悪い時期にでも前向きに設備投資をされる姿勢が見られます。 当社グループの財務体質も自己資本比率56.7%、D/Eレシオ0.14倍と強固であり、財務基盤を大きく毀損するような懸念事項はありません。上記のような事業環境、自社体制の整備により、本リスクによる影響を最小にしつつ、社員とその家族、お客さま、お取引先などの生命・健康・安全を最優先にすることで、持続的成長を期します。 しかしながら、前記のとおり、新型コロナウイルス感染症が世界経済に及ぼす影響の大きさや期間の長さは現時点では見通せておらず、リスクの及ぶ範囲がさらに拡大する可能性もあると認識しています。2021年3月期の業績予想は、各事業部門が新型コロナウィルス感染症の影響を精査して取締役会に報告したうえで開示しています。前提などを含めた詳細は、「3 〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要」をご覧ください。 (4)気候変動リスク当社は、2019年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Taskforce on Climate-related Financial Disclosures)勧告に賛同を表明しました。気候変動リスクを以下のプロセスに沿って評価し、2020年5月に、TCFDの枠組みに沿った情報を当社ウェブサイトで開示しています。https://www.daifuku.com/jp/sustainability/news/2020/0529_01/①リスク識別・評価のプロセス外部専門家を交えたワーキンググループを設置し、シナリオ分析を行いました。その結果、「事業コスト増加の影響があるものの、それを上回る製品・サービス需要の拡大が見込まれる」という結論を得ています。 具体的には、21世紀中の気温の上昇が1) 4℃となる場合(現状のまま世界が温室効果ガス排出)と2) 1.5℃未満となる場合(温室効果ガスの排出規制が急速に強化される)の2つのシナリオに基づいてそれぞれの分析をしたところ、1)では台風や水害など、2)では炭素税課税などでの事業コスト増加の影響が見込まれること、いずれのシナリオにおいても自動化投資の促進や環境配慮型製品のニーズの高まりが見込まれ、コストを上回る製品・サービス需要が拡大する見通しであることがわかりました。 詳細は、〔図〕シナリオ分析結果をご覧ください。 〔図〕シナリオ分析結果 ②気候変動リスクの管理プロセス 事業運営・製品の両側面から、専門委員会を通じて、気候関連リスクの緩和・移転・受容・管理を具体化していきます。具体的には、気候関連リスクに優先順位を付けて、自社よりも顧客でのエネルギー使用に伴うCO2排出量が圧倒的に多いことに着目し、環境配慮製品の開発・販売に注力してまいります。③組織全体の気候変動リスク管理への統合状況気候変動リスクは、サステナビリティ委員会が一元的な管理を行います。外部専門家の見解を取り入れ、必要に応じて取締役会に報告します。
FY2019|4,844 文字
2 【事業等のリスク】当社グループ各部門が主として対応するリスクは以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)管理統轄が対応するリスク1) 重大な生産トラブル当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っています。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷のための保険に加入していますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 2) 災害・戦争・テロ・ストライキ・疾病等の影響当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、津波、洪水、火災、感染症の世界的流行等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱により物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に影響が及ぶ可能性があります。当社グループの国内生産拠点は主力の滋賀県のほか、愛知県、大阪府に立地しています。これらの地域で大規模な地震その他の災害が発生した場合、当社製品の生産に支障が生じる可能性があります。そのため、国内各拠点で耐震性の強化等に努めています。また当社グループは、北米、中国、台湾、韓国、タイ、インド等に生産拠点を有しており、年々、海外での生産・調達体制を強化しています。有事の際には、これら海外工場との連携がバックアップ機能の一翼を担うことになります。 3) 環境問題 当社グループは、環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来において環境問題がまったく生じないとの保証は無く、何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの事業展開および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、気候変動をはじめとする各種環境関連の法規制の対象になっており、これによりオペレーションに掛かる費用の上昇や事業活動の一部が制限されたり、企業の評判に影響を及ぼしたりする可能性があります。当社グループは大手企業の物流設備や生産設備を担うことがあり、気候変動対策の進展による法規制の適用やそれを見越した顧客による独自の省エネルギー対策や情報開示が求められ、それが取引条件になることなどが考えられます。また、EUなどの特定市場における先進的な規制により、輸出や生産が制限される可能性があります。 4) 労使関係当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。国内グループ会社におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは低いと考えております。しかし、事業の拡大を進めております海外の国または地域においては、労使慣行の相違が存在し、また法環境の変化、経済環境の変化、社会環境の変化など予期せぬ事象に起因する労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には一部の子会社において事業の遂行に制約が生じる可能性があります。 5) 合弁事業当社グループは、海外で合弁事業を営む場合、各国の法律及びその他の要件を踏まえて事業を行っております。これらの合弁事業は、各国の法律の改正、合弁先の経営方針、経営環境の変化等により影響を受けることがあります。 6) 知的財産権当社グループでは、国内外の特許権をはじめとする知的財産権を事業の競争力維持の為に重要と考えております。一方、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。① 事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。② 第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。③ 特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。 7) 人材確保当社グループが競争力を維持するためには、優秀な人材を安定的に国内外で確保・採用することが必要であると考えております。しかし、有能な人材の確保競争は激しさを増しており、当社グループがそのような人材を充分に確保し育成できない場合には、技術・技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 8) 取引先の信用リスク当社グループの販売は自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは軽微であると認識しております。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない不良債権や貸倒れが発生するリスクは一般的に存在しております。景気後退やグローバル規模での競争激化の影響を受け、国内外を問わず潜在的に将来の資本力が脆弱化する取引先がないという保証はありません。 9)情報管理当社グループでは、事業遂行に関連し多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。これらの情報の外部への流出防止・目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティ委員会を組織して、情報セキュリティ規定等を定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性がまったくないとは言えません。 10) 海外事業展開当社グループは、国内はもとより、北米、アジア地域をはじめとして、グローバルに事業を展開しており、これらの海外市場への事業進出には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。① 各国政府の予期しない法律または規制の変更② 社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化③ 輸送の遅延、電力等のインフラの障害④ 為替制限、為替変動⑤ 各種税制の不利な変更⑥ 移転価格税制による課税⑦ 保護貿易諸規制の発動⑧ 異なる商習慣による取引先の信用リスク等⑨ 異なる雇用制度、社会保険制度⑩ 労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ⑪ 疾病の発生また、海外売上高比率は、2019年3月期に72%に達し、世界にマーケットを求めて事業展開していることから、今後も海外事業のウエートは高くなることを想定しております。海外売上高の増加に付随して、海外での据付現場、生産現場における現地国情の相違等により、安全、品質、調達、納期、コスト等に万全を期しておりますものの国内に比してリスクは高いと認識しております。 (2)事業部門が対応するリスク1) 半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場の影響について当社グループは半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場向けの販売が多く、当社の業績は両市場の設備投資動向の影響を受けます。特に、当社グループのコア事業の一つである半導体・液晶関連市場に対する売上で、日本・北米・韓国・中国・台湾における搬送・保管システムの需要が特定の顧客に集中する傾向があります。これらの顧客は、いずれも業界では最上位群に位置し、将来を見据えた設備投資にも積極的で力強く成長している企業ではありますが、半導体・液晶市場の需要動向が激変すれば、一時的に設備投資の中止・延期によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。自動車関連市場向けでは、日本メーカーを中心に世界中で幅広い顧客とお取引させていただいていますが、いずれの国でも景気動向の影響を受けます。 2) 価格競争当社グループの収益基盤である物流システム事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっています。当社グループの製品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な製品であると考えていますが、激化する価格競争の環境次第で収益が圧迫される可能性があります。 3) 製品の品質問題当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めています。また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入していますが、当該保険は無制限、無条件に当社グループの賠償責任を担保するものではなく、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 4) 新製品・新技術開発に関するリスク当社グループの新製品開発活動は収益拡大のための重要な課題でありますが、当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化速度も以前に増して早くなってきております。新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与いたしますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 当社グループが開発した新製品または新技術に対する市場からの支持を正確に予測できるとは限らず、これらの製品が市場に受け入れられない可能性がないとはいえません。② 競合他社の製品開発のスピードが当社グループを上回った場合、その製品のシェアが低下する可能性があります。③ 新たに開発した製品または技術が、当社グループ独自の知的財産権として保護されない可能性があります。④ 競合他社の開発品または技術が、他社の知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。⑤ 新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。 5) 原材料の価格上昇当社グループは、生産に必要な原材料、部品を外部のサプライヤーから調達していますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じる可能性があります。需給の逼迫などにより原材料等の価格が高騰した場合には、徹底したコスト管理などを通じてコストダウンに努めると同時に原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めておりますが、コストアップを吸収しきれなければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 6) プロジェクトの大型化昨今のeコマースの進展に伴い、物流センターに求められる機能や能力が増しており、人手不足やIoTやAIなど先端技術との融合と相まって、当社が手がけるシステムが従来にないほど高度化・大規模化する傾向があります。また、半導体の微細化、液晶パネルの大型化などに伴い、半導体・液晶工場向けのシステムでも大きな受注金額のアイテムが増えています。これら大型案件の受注計上時期、プロジェクトの収益管理の巧拙が業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンス全般のリスク当社グループはグローバルに事業展開を推進しているため、様々な国の法令等の適用を受けます。そのため、グループ行動規範をはじめ、コンプライアンスの観点から以下のような事項につき当社グループの役職員として守るべき諸般のルールを制定して、イントラネットへの掲示等によりその周知徹底を図っています。また、海外子会社に対するガバナンスを全般的に強化して各所在国における法令等を遵守する体制を構築・運用しております。しかし、法令等に反する事態が生じた場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起により、社会的信用の失墜を招いたり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 公正な取引と自由な競争のための方針 ② 協力会社との取引方針 ③ 贈答・接待に関する方針 ④ 企業情報の開示 ⑤ インサイダー取引の禁止 ⑥ 人権・個人情報保護に関する方針 ⑦ 安全・衛生に関する方針 ⑧ 政治献金等の取り扱い ⑨ 反社会的勢力・団体との関係 ⑩ 会社資産の保護
FY2018|4,838 文字
2 【事業等のリスク】当社グループ各部門が主として対応するリスクは以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)管理統轄が対応するリスク1) 重大な生産トラブル当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っています。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷のための保険に加入していますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 2) 災害・戦争・テロ・ストライキ・疾病等の影響当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、津波、洪水、火災、感染症の世界的流行等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱により物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に影響が及ぶ可能性があります。当社グループの国内生産拠点は主力の滋賀県のほか、愛知県、大阪府に立地しています。これらの地域で大規模な地震その他の災害が発生した場合、当社製品の生産に支障が生じる可能性があります。そのため、国内各拠点で耐震性の強化等に努めています。また当社グループは、北米、中国、台湾、韓国、タイ、インド等に生産拠点を有しており、年々、海外での生産・調達体制を強化しています。有事の際には、これら海外工場との連携がバックアップ機能の一翼を担うことになります。 3) 環境問題 当社グループは、環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来において環境問題がまったく生じないとの保証は無く、何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの事業展開および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、気候変動をはじめとする各種環境関連の法規制の対象になっており、これによりオペレーションに掛かる費用の上昇や事業活動の一部が制限されたり、企業の評判に影響を及ぼしたりする可能性があります。当社グループは大手企業の物流設備や生産設備を担うことがあり、気候変動対策の進展による法規制の適用やそれを見越した顧客による独自の省エネルギー対策や情報開示が求められ、それが取引条件になることなどが考えられます。また、EUなどの特定市場における先進的な規制により、輸出や生産が制限される可能性があります。 4) 労使関係当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。国内グループ会社におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは低いと考えております。しかし、事業の拡大を進めております海外の国または地域においては、労使慣行の相違が存在し、また法環境の変化、経済環境の変化、社会環境の変化など予期せぬ事象に起因する労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には一部の子会社において事業の遂行に制約が生じる可能性があります。 5) 合弁事業当社グループは、海外で合弁事業を営む場合、各国の法律及びその他の要件を踏まえて事業を行っております。これらの合弁事業は、各国の法律の改正、合弁先の経営方針、経営環境の変化等により影響を受けることがあります。 6) 知的財産権当社グループでは、国内外の特許権をはじめとする知的財産権を事業の競争力維持の為に重要と考えております。一方、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。① 事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。② 第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。③ 特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。 7) 人材確保当社グループが競争力を維持するためには、優秀な人材を安定的に国内外で確保・採用することが必要であると考えております。しかし、有能な人材の確保競争は激しさを増しており、当社グループがそのような人材を充分に確保し育成できない場合には、技術・技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 8) 取引先の信用リスク当社グループの販売は自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは軽微であると認識しております。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない不良債権や貸倒れが発生するリスクは一般的に存在しております。景気後退やグローバル規模での競争激化の影響を受け、国内外を問わず潜在的に将来の資本力が脆弱化する取引先がないという保証はありません。 9)情報管理当社グループでは、事業遂行に関連し多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。これらの情報の外部への流出防止・目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティ委員会を組織して、情報セキュリティ規定等を定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性がまったくないとは言えません。 10) 海外事業展開当社グループは、国内はもとより、北米、アジア地域をはじめとして、グローバルに事業を展開しており、これらの海外市場への事業進出には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。① 各国政府の予期しない法律または規制の変更② 社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化③ 輸送の遅延、電力等のインフラの障害④ 為替制限、為替変動⑤ 各種税制の不利な変更⑥ 移転価格税制による課税⑦ 保護貿易諸規制の発動⑧ 異なる商習慣による取引先の信用リスク等⑨ 異なる雇用制度、社会保険制度⑩ 労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ⑪ 疾病の発生また、海外売上高比率は、平成30年3月期に67%に達し、世界にマーケットを求めて事業展開していることから、今後も海外事業のウエートは高くなることを想定しております。海外売上高の増加に付随して、海外での据付現場、生産現場における現地国情の相違等により、安全、品質、調達、納期、コスト等に万全を期しておりますものの国内に比してリスクは高いと認識しております。 (2)事業部門が対応するリスク1) 半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場の影響について当社グループは半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場向けの販売が多く、当社の業績は両市場の設備投資動向の影響を受けます。特に、当社グループのコア事業の一つである半導体・液晶関連市場に対する売上で、日本・北米・韓国・中国・台湾における搬送・保管システムの需要が特定の取引先に集中する傾向があります。これらの取引先は、いずれも業界では最上位群に位置し、将来を見据えた設備投資にも積極的で力強く成長している企業ではありますが、半導体・液晶市場の需要動向が激変すれば、一時的に設備投資の中止・延期によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。自動車関連市場向けでは、日本メーカーを中心に世界中で幅広い顧客を確保しておりますが、いずれの国でも景気動向の影響を受けます。 2) 価格競争当社グループの収益基盤である物流システム事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっています。当社グループの製品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な製品であると考えていますが、激化する価格競争の環境次第で収益が圧迫される可能性があります。 3) 製品の品質問題当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めています。また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入していますが、当該保険は無制限、無条件に当社グループの賠償責任を担保するものではなく、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 4) 新製品・新技術開発に関するリスク当社グループの新製品開発活動は収益拡大のための重要な課題でありますが、当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化速度も以前に増して早くなってきております。新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与いたしますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 当社グループが開発した新製品または新技術に対する市場からの支持を正確に予測できるとは限らず、これらの製品が市場に受け入れられない可能性がないとはいえません。② 競合他社の製品開発のスピードが当社グループを上回った場合、その製品のシェアが低下する可能性があります。③ 新たに開発した製品または技術が、当社グループ独自の知的財産権として保護されない可能性があります。④ 競合他社の開発品または技術が、他社の知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。⑤ 新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。 5) 原材料の価格上昇当社グループは、生産に必要な原材料、部品を外部のサプライヤーから調達していますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じる可能性があります。需給の逼迫などにより原材料等の価格が高騰した場合には、徹底したコスト管理などを通じてコストダウンに努めると同時に原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めておりますが、コストアップを吸収しきれなければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 6) プロジェクトの大型化昨今のeコマースの進展に伴い、物流センターに求められる機能や能力が増しており、人手不足やIoTやAIなど先端技術との融合と相まって、当社が手がけるシステムが従来にないほど高度化・大規模化する傾向があります。また、半導体の微細化、液晶パネルの大型化などに伴い、半導体・液晶工場向けのシステムでも大きな受注金額のアイテムが増えています。これら大型案件の受注計上時期、プロジェクトの収益管理の巧拙が業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンス全般のリスク当社グループはグローバルに事業展開を推進しているため、様々な国の法令等の適用を受けます。そのため、企業行動規範をはじめ、コンプライアンスの観点から以下のような事項につき当社グループの役職員として守るべき諸般のルールを制定して、イントラネットへの掲示等によりその周知徹底を図っています。また、海外子会社に対するガバナンスを全般的に強化して各所在国における法令等を遵守する体制を構築・運用しております。しかし、法令等に反する事態が生じた場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起により、社会的信用の失墜を招いたり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 公正な取引と自由な競争のための方針 ② 協力会社との取引方針 ③ 贈答・接待に関する方針 ④ 企業情報の開示 ⑤ インサイダー取引の禁止 ⑥ 人権・個人情報保護に関する方針 ⑦ 安全・衛生に関する方針 ⑧ 政治献金等の取り扱い ⑨ 反社会的勢力・団体との関係 ⑩ 会社資産の保護
FY2017|4,838 文字
4 【事業等のリスク】当社グループ各部門が主として対応するリスクは以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)管理統轄が対応するリスク1) 重大な生産トラブル当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っています。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷のための保険に加入していますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 2) 災害・戦争・テロ・ストライキ・疾病等の影響当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、津波、洪水、火災、感染症の世界的流行等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱により物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に影響が及ぶ可能性があります。当社グループの国内生産拠点は主力の滋賀県のほか、愛知県、大阪府に立地しています。これらの地域で大規模な地震その他の災害が発生した場合、当社製品の生産に支障が生じる可能性があります。そのため、国内各拠点で耐震性の強化等に努めています。また当社グループは、北米、中国、台湾、韓国、タイ、インド等に生産拠点を有しており、年々、海外での生産・調達体制を強化しています。有事の際には、これら海外工場との連携がバックアップ機能の一翼を担うことになります。 3) 環境問題 当社グループは、環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来において環境問題がまったく生じないとの保証は無く、何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの事業展開および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、気候変動をはじめとする各種環境関連の法規制の対象になっており、これによりオペレーションに掛かる費用の上昇や事業活動の一部が制限されたり、企業の評判に影響を及ぼしたりする可能性があります。当社グループは大手企業の物流設備や生産設備を担うことがあり、気候変動対策の進展による法規制の適用やそれを見越した顧客による独自の省エネルギー対策や情報開示が求められ、それが取引条件になることなどが考えられます。また、EUなどの特定市場における先進的な規制により、輸出や生産が制限される可能性があります。 4) 労使関係当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。国内グループ会社におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは低いと考えております。しかし、事業の拡大を進めております海外の国または地域においては、労使慣行の相違が存在し、また法環境の変化、経済環境の変化、社会環境の変化など予期せぬ事象に起因する労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には一部の子会社において事業の遂行に制約が生じる可能性があります。 5) 合弁事業当社グループは、海外で合弁事業を営む場合、各国の法律及びその他の要件を踏まえて事業を行っております。これらの合弁事業は、各国の法律の改正、合弁先の経営方針、経営環境の変化等により影響を受けることがあります。 6) 知的財産権当社グループでは、国内外の特許権をはじめとする知的財産権を事業の競争力維持の為に重要と考えております。一方、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。① 事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。② 第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。③ 特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。 7) 人材確保当社グループが競争力を維持するためには、優秀な人材を安定的に国内外で確保・採用することが必要であると考えております。しかし、有能な人材の確保競争は激しさを増しており、当社グループがそのような人材を充分に確保し育成できない場合には、技術・技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 8) 取引先の信用リスク当社グループの販売は自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは軽微であると認識しております。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない不良債権や貸倒れが発生するリスクは一般的に存在しております。景気後退やグローバル規模での競争激化の影響を受け、国内外を問わず潜在的に将来の資本力が脆弱化する取引先がないという保証はありません。 9)情報管理当社グループでは、事業遂行に関連し多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。これらの情報の外部への流出防止・目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティ委員会を組織して、情報セキュリティ規定等を定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性がまったくないとは言えません。 10) 海外事業展開当社グループは、国内はもとより、北米、アジア地域をはじめとして、グローバルに事業を展開しており、これらの海外市場への事業進出には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。① 各国政府の予期しない法律または規制の変更② 社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化③ 輸送の遅延、電力等のインフラの障害④ 為替制限、為替変動⑤ 各種税制の不利な変更⑥ 移転価格税制による課税⑦ 保護貿易諸規制の発動⑧ 異なる商習慣による取引先の信用リスク等⑨ 異なる雇用制度、社会保険制度⑩ 労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ⑪ 疾病の発生また、海外売上高比率は、平成29年3月期に65%に達し、世界にマーケットを求めて事業展開していることから、今後も海外事業のウエートは高くなることを想定しております。海外売上高の増加に付随して、海外での据付現場、生産現場における現地国情の相違等により、安全、品質、調達、納期、コスト等に万全を期しておりますものの国内に比してリスクは高いと認識しております。 (2)事業統轄が対応するリスク1) 半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場の影響について当社グループは半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場向けの販売が多く、当社の業績は両市場の設備投資動向の影響を受けます。特に、当社グループのコア事業の一つである半導体・液晶関連市場に対する売上で、日本・北米・韓国・中国・台湾における搬送・保管システムの需要が特定の取引先に集中する傾向があります。これらの取引先は、いずれも業界では最上位群に位置し、将来を見据えた設備投資にも積極的で力強く成長している企業ではありますが、半導体・液晶市場の需要動向が激変すれば、一時的に設備投資の中止・延期によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。自動車関連市場向けでは、日本メーカーを中心に世界中で幅広い顧客を確保しておりますが、いずれの国でも景気動向の影響を受けます。 2) 価格競争当社グループの収益基盤である物流システム事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっています。当社グループの製品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な製品であると考えていますが、激化する価格競争の環境次第で収益が圧迫される可能性があります。 3) 製品の品質問題当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めています。また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入していますが、当該保険は無制限、無条件に当社グループの賠償責任を担保するものではなく、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 4) 新製品・新技術開発に関するリスク当社グループの新製品開発活動は収益拡大のための重要な課題でありますが、当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化速度も以前に増して早くなってきております。新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与いたしますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 当社グループが開発した新製品または新技術に対する市場からの支持を正確に予測できるとは限らず、これらの製品が市場に受け入れられない可能性がないとはいえません。② 競合他社の製品開発のスピードが当社グループを上回った場合、その製品のシェアが低下する可能性があります。③ 新たに開発した製品または技術が、当社グループ独自の知的財産権として保護されない可能性があります。④ 競合他社の開発品または技術が、他社の知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。⑤ 新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。 5) 原材料の価格上昇当社グループは、生産に必要な原材料、部品を外部のサプライヤーから調達していますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じる可能性があります。需給の逼迫などにより原材料等の価格が高騰した場合には、徹底したコスト管理などを通じてコストダウンに努めると同時に原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めておりますが、コストアップを吸収しきれなければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 6) プロジェクトの大型化昨今のeコマースの進展に伴い、物流センターに求められる機能や能力が増しており、人手不足やIoTやAIなど先端技術との融合と相まって、当社が手がけるシステムが従来にないほど高度化・大規模化する傾向があります。また、半導体の微細化、液晶パネルの大型化などに伴い、半導体・液晶工場向けのシステムでも大きな受注金額のアイテムが増えています。これら大型案件の受注計上時期、プロジェクトの収益管理の巧拙が業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンス全般のリスク当社グループはグローバルに事業展開を推進しているため、様々な国の法令等の適用を受けます。そのため、企業行動規範をはじめ、コンプライアンスの観点から以下のような事項につき当社グループの役職員として守るべき諸般のルールを制定して、イントラネットへの掲示等によりその周知徹底を図っています。また、海外子会社に対するガバナンスを全般的に強化して各所在国における法令等を遵守する体制を構築・運用しております。しかし、法令等に反する事態が生じた場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起により、社会的信用の失墜を招いたり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 公正な取引と自由な競争のための方針 ② 協力会社との取引方針 ③ 贈答・接待に関する方針 ④ 企業情報の開示 ⑤ インサイダー取引の禁止 ⑥ 人権・個人情報保護に関する方針 ⑦ 安全・衛生に関する方針 ⑧ 政治献金等の取り扱い ⑨ 反社会的勢力・団体との関係 ⑩ 会社資産の保護
FY2016|4,359 文字
4 【事業等のリスク】当社グループ各部門が主として対応するリスクは以下のとおりであります。なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)管理統轄が対応するリスク1) 重大な生産トラブル当社グループでは国内外を問わず全ての工場の設備の予防保全に努めるとともに、設備の安全審査、保安管理体制等の強化を図っています。また、生産トラブルに関しては、設備の損傷のための保険に加入していますが、万一重大な生産トラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 2) 災害・戦争・テロ・ストライキ・疾病等の影響当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、津波、洪水、火災、感染症の世界的流行等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱により物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に影響が及ぶ可能性があります。当社グループの国内生産拠点は主力の滋賀県のほか、愛知県に立地しています。両地区に生産が集中しているため、これらの地域で大規模な地震その他の災害が発生した場合、当社製品の生産に支障が生じる可能性があります。そのため、国内各拠点で耐震性の強化等に努め、非常時の代替工場となる施設を大阪府で準備しています。また当社グループは、北米、中国、台湾、韓国、タイ、インド等に生産拠点を有しており、年々、海外での生産・調達体制を強化しています。有事の際には、これら海外工場との連携がバックアップ機能の一翼を担うことになります。 3) 環境問題 当社グループは、環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来において環境問題がまったく生じないとの保証は無く、何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの事業展開および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 4) 労使関係当社グループでは安定した労使関係の構築に努めております。国内グループ会社におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは低いと考えております。しかし、事業の拡大を進めております海外の国または地域においては、労使慣行の相違が存在し、また法環境の変化、経済環境の変化、社会環境の変化など予期せぬ事象に起因する労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には一部の子会社において事業の遂行に制約が生じる可能性があります。 5) 合弁事業当社グループは、海外で合弁事業を営む場合、各国の法律及びその他の要件を踏まえて事業を行っております。これらの合弁事業は、各国の法律の改正、合弁先の経営方針、経営環境の変化等により影響を受けることがあります。 6) 知的財産権当社グループでは、国内外の特許権をはじめとする知的財産権を事業の競争力維持の為に重要と考えております。一方、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。① 事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。② 第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。③ 特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。 7) 人材確保当社グループが競争力を維持するためには、技術または技能に関する優秀な人材を国内外で確保・採用することが必要であると考えております。しかし、有能な人材の確保競争は激しさを増しており、当社グループがそのような人材を充分に確保し育成できない場合には、技能の承継にも支障をきたし、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 8) 取引先の信用リスク当社グループの販売は自動車業界やエレクトロニクス業界をはじめとする大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは軽微であると認識しております。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しております。しかしながら、予測していない不良債権や貸倒れが発生するリスクは一般的に存在しております。景気後退やグローバル規模での競争激化の影響を受け、国内外を問わず潜在的に将来の資本力が脆弱化する取引先がないという保証はありません。 9)情報管理当社グループでは、事業遂行に関連し多くの重要情報や個人情報を入手することがあります。これらの情報の外部への流出防止・目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティ委員会を組織し、情報セキュリティ基本方針や情報セキュリティ規定等を定め、周知徹底及び運用を図っておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性がまったくないとは言えません。 10) 海外事業展開当社グループは、国内はもとより、北米、アジア地域をはじめとして、グローバルに事業を展開しており、これらの海外市場への事業進出には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。① 各国政府の予期しない法律または規制の変更② 社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化③ 輸送の遅延、電力等のインフラの障害④ 為替制限、為替変動⑤ 各種税制の不利な変更⑥ 移転価格税制による課税⑦ 保護貿易諸規制の発動⑧ 異なる商習慣による取引先の信用リスク等⑨ 異なる雇用制度、社会保険制度⑩ 労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ⑪ 疾病の発生また、海外売上高比率は、平成28年3月期に66%に達し、世界にマーケットを求めて事業展開していることから、今後も海外事業のウエートは高くなることを想定しております。海外売上高の増加に付随して、海外での据付現場、生産現場における現地国情の相違等により、安全、品質、調達、納期、コスト等に万全を期しておりますものの国内に比してリスクは高いと認識しております。 (2)事業統轄が対応するリスク1) 半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場の影響について当社グループは半導体・液晶関連市場及び自動車関連市場向けの販売が多く、当社の業績は両市場の設備投資動向の影響を受けます。特に、当社グループのコア事業の一つである半導体・液晶関連市場に対する売上で、日本・北米・韓国・中国・台湾における搬送・保管システムの需要が特定の取引先に集中する傾向があります。これらの取引先は、いずれも業界では最上位群に位置し、将来を見据えた設備投資にも積極的で力強く成長している企業ではありますが、半導体・液晶市場の需要動向が激変すれば、一時的に設備投資の中止・延期によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。自動車関連市場向けでは、日本メーカーを中心に世界中で幅広い顧客を確保しておりますが、いずれの国でも景気動向の影響を受けます。 2) 価格競争当社グループの収益基盤である物流システム事業をはじめ、各業界における競争は厳しいものとなっています。当社グループの製品は、技術的・品質的・コスト的に他社の追随を許さない高付加価値な製品であると考えていますが、激化する価格競争の環境次第で収益が圧迫される可能性があります。 3) 製品の品質問題当社グループでは国内外を問わず生産する全ての商品について、万全の品質管理に努めています。また、予期せぬ品質クレームに備え賠償保険に加入していますが、当該保険は無制限、無条件に当社グループの賠償責任を担保するものではなく、重大な品質クレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 4) 新製品・新技術開発に関するリスク当社グループの新製品開発活動は収益拡大のための重要な課題でありますが、当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化速度も以前に増して早くなってきております。新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与いたしますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。① 当社グループが開発した新製品または新技術に対する市場からの支持を正確に予測できるとは限らず、これらの製品が市場に受け入れられない可能性がないとはいえません。② 競合他社の製品開発のスピードが当社グループを上回った場合、その製品のシェアが低下する可能性があります。③ 新たに開発した製品または技術が、当社グループ独自の知的財産権として保護されない可能性があります。④ 競合他社の開発品または技術が、他社の知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。⑤ 新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。 5) 原材料の価格上昇当社グループは、生産に必要な原材料、部品を外部のサプライヤーから調達していますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じる可能性があります。需給の逼迫などにより原材料等の価格が高騰した場合には、徹底したコスト管理などを通じてコストダウンに努めると同時に原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めておりますが、コストアップを吸収しきれなければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)コンプライアンス委員会が対応するリスクコンプライアンス当社グループでは、法令遵守の徹底を目的に企業行動規範を制定し最も重要と思われる以下の16項目について法令遵守のための行動指針を定め、イントラネット等に掲示するとともに、配布、教育等を通じ役員・従業員に周知徹底し、リスクの軽減を図っております。① 最適・最良の製品サービスの提供と安全性のための方針② 公正な取引と自由な競争のための方針独占禁止法・不正競争防止法・輸出関連法規の遵守等③ 協力会社との取引方針下請代金支払遅延等防止法の遵守等④ 贈答・接待に関する方針⑤ 企業情報の開示⑥ インサイダー取引の禁止⑦ 人権・個人情報保護に関する方針⑧ 安全・衛生に関する方針⑨ 人事処遇の方針⑩ 環境保全⑪ 地域社会との関係⑫ 政治献金等の取り扱い⑬ 反社会的勢力・団体との関係⑭ 会社資産の保護⑮ 情報の管理⑯ 知的財産権の保護