有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,700 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めます。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、或いは顧客・パートナーの財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。特に、 米国の第2次トランプ政権による関税措置が一部の国において適用されており、今後適用対象国が拡大した場合、主要国経済に影響を及ぼすことが想定され、先の見通しが立たない状況となっています。これを受け、各市場も先行きの確信が持てず不安定となっていることが当社グループ業績に不透明さを与える要因となる可能性があります。 当社グループでは、経済・社会情勢の変動を注視しつつ案件実現性・受注確度等を見極めながら、営業活動を行うとともに、顧客とのリスクの最適な分担を図っています。また、顧客投資計画の突然の中止・遅延といった事態に備えるため、受注計画には常にバックアップ案件を織り込み作成しています。加えて、新規分野を中心に幅広い分野でのスタディ業務やNon-EPC業務にも積極的に取り組んでおります。 (b)地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水・台風等の自然災害や、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場或いは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月に始まったイスラエルとハマスの武力衝突が他中東諸国へ与えるリスク等により、全世界的に地政学リスクが一層高まり、世界経済を巡る不確実性、経済制裁の応酬等の動きが更に顕在化することが懸念されます。こうした不安定な世界情勢が、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費等の高騰につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、危機管理担当部門を設置し情報の収集・分析を行うとともに適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用し、刻々と変化する危険地域の状況把握に努める等、人命と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして危機管理組織を強化しています。特にカタールでは大型プロジェクトを遂行中であり、在カタール当社グループ従業員及びその家族の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も注視、対処していきます。また、有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。 (c)パートナーリスク 当社グループの事業領域では、案件の規模や複雑さ、リスクシェア等の事由により、パートナーとジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、受注することがあります。パートナーの債務不履行や財政状態の悪化、遂行能力面での著しい問題等が生じた場合は、当社グループが契約上の連帯責任を負う場合があるため、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、協業を決定する際に、パートナー候補の財務状況及び遂行能力を十分に分析するとともに、取引開始後もモニタリングを継続し、早期にリスクを発見・対処できる体制を敷いています。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、国家・地域間の戦争・紛争勃発といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格や保険料の上昇等により海上輸送費も大きく影響を受けます。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図る等の調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰に対しても、顧客・ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者等の人的資源の不足、工事に要するインフラ確保の不調、及びサプライチェーンの寸断等、機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用等建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。 また、世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)気候変動による事業環境変化に関するリスク 気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。当社グループは、気候変動の拡大に伴う物理的リスクと移行リスクによる顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。 このような中、複雑化・高度化する社会や顧客の課題を的確に捉え、解決していくために、各国のエネルギー情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視するとともに、政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。 一方、当社グループは、気候変動を新たな事業機会としても捉えています。脱炭素・炭素循環型社会実現に向け、水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場機会の成長を踏まえて、事業ポートフォリオの革新を更に加速し、環境負荷低減社会の実現に貢献します。 複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する課題解決力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、削減と循環の両輪で2050年のカーボンニュートラル達成に貢献します。 (g)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災等の重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得等によりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (h)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (i)コンプライアンス違反 国内外で事業を展開するにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び事業遂行地が所在する国・地域等の法令・諸規制に従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、又は違反を疑われる行為が万が一発生した場合には、事業の遂行に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、及び疑義を持たれる事象の回避のため、事業活動を行うに際して全ての役職員が取るべき行動の指針として「千代田化工建設グループ行動規範」を策定し、研修そのほかの施策を通じてその浸透を図っています。また、社内規程・ルールの整備・運用により法令・諸規制の遵守を徹底することに加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各組織のコンプライアンス・オフィサーを委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを議長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンス施策の組織横断的 な展開を行いコンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。さらに、内部通報制度を整備・運用し、又発覚後の調査・対応体制を整備することで、法令・諸規制に違反する行為やその疑いの早期発見、是正・再発防止に努めています。 (j)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まっています。 当社及び一部のグループ会社において、ISMS認証*1を取得しており、ISMS認証やNIST CSF*2等に基づき、サプライチェーンの情報セキュリティを意識した体制構築・強化しています。また、社内向けの定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (k)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存会社への出資・買収等の事業投資を行うことがあります。事業投資においては、多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する等のリスクがあります。 当社グループでは、投融資に関する社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資可否を決定しています。更に実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (l)継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループと米国テキサス州にてGPXプロジェクトを共同遂行していた米国Zachry Industrial, Inc.(Zachry社)が、2024年5月に、米国連邦破産法第11章に基づく申し立てを行い、法的再建手続きに入りました。本事象を受け、前連結会計年度においては、Zachry社のGPXプロジェクトからの離脱の可能性に伴う影響を考慮し、営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと、また単体財務諸表において債務超過となったことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在していました。 2024年8月に現地裁判所によるZachry社のGPXプロジェクトからの離脱に関わる基本合意書が最終承認され、これにてZachry社のGPXプロジェクトからの離脱が正式に確定しました。また、同年11月にジョイントベンチャーパートナーである米国CB&I LLC(CB&I社)及び米国の当社グループ会社であるChiyoda International Corporation(CIC社)が再度見積もったコストをベースとした第1系列に係るEPC契約(設計・調達・建設工事請負契約)の改定につき、顧客である米国Golden Pass LNG Terminal LLC(GPX社)と合意に達し、当該合意による採算改善を当連結会計年度において反映しております。残る第2系列及び第3系列に係るEPC契約の改定に関しては、GPX社との協議が進捗し、翌連結会計年度の調印を見込んでいます。早期のEPC契約の改定・合意を目指すとともに、合意が行われた時点で、その内容を踏まえ、見積りの見直しを行ってまいります。 資金面では、2024年7月に株式会社三菱UFJ銀行と融資契約を締結の上、同月に借入を実行するなど、取引金融機関とは密なコミュニケーションと緊密な連携関係を維持しており、当連結会計年度末において十分な資金を有しています。 上記に加えて、当連結会計年度において、海外完工済み案件での追加収益の計上、他国内外の進行中案件の着実な進捗等により244億21百万円の営業利益、269億87百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上しました。また、単体財務諸表では36億9百万円の営業利益、148億86百万円の当期純利益を計上した結果、純資産は31億68百万円となり、債務超過を解消しています。翌連結会計年度以降も、2025年5月8日に公表した2026年3月期を初年度とする経営計画2025のとおり、収益安定化ならびに多様化に向けた施策を着実に実行し、当社グループの企業価値向上を目指してまいります。このような状況を総合的に判断した結果、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況は存在しないと判断しています。 *1 ISMS: Information Security Management System (情報セキュリティマネジメントシステム)*2 NIST CSF: 米国国立標準技術研究所 National Institute of Standards and Technology (National Institute of Standards and Technology米国国立標準技術研究所) が発行した、重要インフラのサイバーセキュリティを向上させるためのフレームワーク(Cybersecurity Framework)
FY2024|6,908 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めます。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、或いは顧客・パートナーの財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、経済・社会情勢の変動を注視しつつ案件実現性・受注確度等を見極めながら、営業活動を行うとともに、顧客とのリスクの最適な分担を図っています。また、顧客投資計画の突然の中止・遅延といった事態に備えるため、受注計画には常にバックアップ案件を織り込み作成しています。加えて、新規分野を中心に幅広い分野でのスタディ業務やNon-EPC業務にも積極的に取り組んでおります。 (b)地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水・台風等の自然災害や、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場或いは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月に始まったイスラエルとハマスの武力衝突が他中東諸国へ与えるリスク等により、全世界的に地政学リスクが一層高まり、世界経済を巡る不確実性、経済制裁の応酬等のデカップリングの動きが更に顕在化することが懸念されます。こうした不安定な世界情勢が、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費等の高騰につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、危機管理担当部門を設置し情報の収集・分析を行うとともに適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用し、刻々と変化する危険地域の状況把握に努める等、人命と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして危機管理組織を強化しています。特にカタールでは大型プロジェクトを遂行中であり、在カタール当社グループ従業員及びその家族の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も注視、対処していきます。また有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。 (c)パートナーリスク 当社グループの事業領域では、案件の規模や複雑さ、リスクシェア等の事由により、パートナーとジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、受注することがあります。パートナーの債務不履行や財政状態の悪化、遂行能力面での著しい問題等が生じた場合は、当社グループが契約上の連帯責任を負う場合があるため、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、協業を決定する際に、パートナー候補の財務状況及び遂行能力を十分に分析するとともに、取引開始後もモニタリングを継続し、早期にリスクを発見・対処できる体制を敷いております。 なお、当連結会計年度において、当社グループが米国テキサス州にて遂行しているGolden Pass LNGプロジェクト(GPXプロジェクト)に関し、共同遂行している米国Zachry Industrial, Inc.が2024年5月21日付にて米国連邦破産法第11章(Chapter11)に基づく申し立てを行い、法的再建手続に入ることとなったことに伴いZachry社のGPXプロジェクトからの離脱の可能性を踏まえ今後のプロジェクト完工に向けて必要と見積られる工事原価を考慮しております。工事収益総額については、現時点までに合意された書面に基づき見積りを行っております。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、国家・地域間の戦争・紛争勃発といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格や保険料の上昇等により海上輸送費も大きく影響を受けます。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図る等の調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰に対しても、顧客・ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者等の人的資源の不足、工事に要するインフラ確保の不調、及び、サプライチェーンの寸断等、機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用等建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。 また、世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)気候変動による事業環境変化に関するリスク 気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。当社グループは、気候変動の拡大に伴う物理的リスクと移行リスクによる顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。 このような中、複雑化・高度化する社会や顧客の課題を的確に捉え、解決していくために、各国のエネルギー情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視するとともに、政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。 一方、当社グループは、気候変動を新たな事業機会としても捉えています。脱炭素・炭素循環型社会実現に向け、水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場機会の成長を踏まえて、事業ポートフォリオの革新を更に加速し、環境負荷低減社会の実現に貢献します。 複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する課題解決力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、2030年にはカーボンニュートラル貢献分野及びライフサイエンス分野の伸長や継続型事業の創出・強化により連結純利益300億円を稼ぐ収益構造に変革を遂げることを目指しています。当社は削減と循環の両輪で2050年のカーボンニュートラル達成に貢献します。 (g)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災等の重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得等によりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (h)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (i)コンプライアンス違反 国内外で事業を展開していくにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施工地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈収賄防止を含む事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各組織のコンプライアンス・オフィサーを委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (j)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まっています。 当社及び海外グループ会社2社において、ISMS認証*1を取得しています。千代田エクスワンエンジニアリング㈱(CXO社)については今後ISMS認証の取得を目指す方針です。このISMS認証やNIST CSF*2等に基づき、サプライチェーンの情報セキュリティを意識した体制構築・強化しています。また社内向けの定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (k)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存会社への出資・買収等の事業投資を行うことがあります。事業投資においては、多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する等のリスクがあります。 当社グループでは、投融資に関する社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資可否を決定しています。更に実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (l)継続企業の前提に関する重要事象等当社グループと米国テキサス州にてGolden Pass LNGプロジェクト(GPXプロジェクト)を共同遂行している米国Zachry Industrial, Inc.(Zachry社)が、2024年5月21日(米国時間)に、米国連邦破産法第11章に基づく申し立てを行い、法的再建手続きに入りました。本事象を修正後発事象として、会計上の収益及び費用の計上基準に基づき、Zachry社のGPXプロジェクトからの離脱の可能性を踏まえた影響を考慮したことにより、当連結会計年度において、150億6百万円の営業損失、54億61百万円の経常損失、及び158億31百万円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。また、単体財務諸表では79億50百万円の債務超過となっています。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が発生していると認識しています。かかる事態を受け、当該事象又は状況を解消すべく、以下の対応策を図ります。GPXプロジェクトに関しては、建設工事継続に必要な安全対策関連業務やインフラ整備等の発注を行うことに関する裁判所の許可が下り、必要資金の支払い手続きや関連作業が再開されています。2024年6月18日には、GPXプロジェクトの顧客である米国Golden Pass LNG Terminal LLC社(GPX社)によりZachry社のGPXプロジェクトからの離脱を求める申し立て、およびGPXプロジェクトで建設工事が先行する天然ガス液化設備の第一系列の建設工事再開に必要な業務に関してAutomatic Stay(自動停止の効力)からの除外を求める申し立てが行われました。裁判所によるZachry社のGPXプロジェクトからの離脱に関する正式な判断が為され次第、GPX社およびジョイントベンチャーパートナーである米国CB&I LLC(CB&I社)と協議を継続しているGPXプロジェクトの継続のための短期的な遂行プランおよび完工までの長期的な遂行プランの早期合意を目指すとともに、合意が行われた時点で、その内容を踏まえ、見積りの見直しをします。また、中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」(2019年度~2023年度)に基づき、リスク管理体制の高度化を始めとする諸施策を講じ一定の成果を得ておりましたが、今回の事態を踏まえ、パートナーリスク管理をさらに強化し、安定継続的な収益源の確保に取り組んでいきます。資金面では、当年度末において十分な資金を有していることから、今後の資金繰りに大きな影響はなく、当面の事業活動の継続性に重大な懸念は見られません。加えて取引金融機関とは密なコミュニケーションと緊密な連携関係が維持されております。以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。 *1 ISMS: Information Security Management System (情報セキュリティマネジメントシステム)*2 NIST CSF: 米国国立標準技術研究所 National Institute of Standards and Technology (National Institute of Standards and Technology米国国立標準技術研究所) が発行した、重要インフラのサイバーセキュリティを向上させるためのフレームワーク(Cybersecurity Framework)
FY2023|5,063 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、或いは顧客・パートナーの財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、経済・社会情勢の変動を注視しつつ案件実現性・受注確度等を見極めながら、受注活動を行うとともに、顧客とのリスクの最適な分担を図っています。また、顧客投資計画の突然の中止・遅延といった事態に備えるため、受注計画には常にバックアップ案件を織り込み作成しています。加えて、斯様な業績変動に対応するため、新規分野を中心に幅広い分野でのEPC案件のスタディ業務に積極的に取り組んでおります。 (b)地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水・台風等の自然災害や、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場或いは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 また、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻により全世界的に地政学リスクが高まり、世界経済を巡る不確実性、経済制裁の応酬等のデカップリングの動きが更に顕在化することが懸念されます。こうした不安定な世界情勢が、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費等の高騰につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、人命第一と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして、危機管理セクションを設置し情報の収集・分析を行うとともに、刻々と変化する危険地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。また、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、最新情報を分析しつつ、海外赴任、出張中の当社グループ社員の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も注視、対処していきます。 (c)パートナーリスク 当社グループの事業領域では、案件の規模や複雑さ、リスクシェア等の事由により、パートナーとジョイントベンチャーを組成し、受注することがあります。パートナーの債務不履行や財政状態の悪化等が生じた場合は、当社グループが契約上の連帯責任を負うため、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、協業を決定する際に、パートナー候補の財務状況等を分析するとともに、取引開始後もモニタリングを継続し、早期にリスクを発見できる体制を敷いております。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、昨今のロシア・ウクライナ問題といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格や保険料の上昇等により海上輸送費も大きく影響を受けます。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰に対しても、顧客・ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保やサプライチェーンの寸断等により、機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。 また、新型コロナウイルス感染症以外の世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)気候変動による事業環境変化に関するリスク 気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。当社グループは、気候変動の拡大に伴う物理的リスクと移行リスクによる顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。 このような中、複雑化・高度化する社会や顧客の課題を的確に捉え、解決していくために、各国のエネルギー情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視、及び政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。 一方、当社グループは、気候変動を新たな事業機会としても捉えています。脱炭素・炭素循環型社会実現に向け、水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場機会の成長を踏まえて、2021年5月にアップデートした中期経営計画で、2030年のありたい姿として「事業ポートフォリオの革新」を掲げました。 複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する最適化力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、2050年のカーボンニュートラル達成に貢献します。また、カーボンニュートラル貢献分野及びライフサイエンス分野の伸長や継続型事業の創出・強化の両面で既存事業と新規事業の利益比率を50:50とすること、及びそれらの推進により、連結純利益300億円以上を稼ぐ収益構造に変革を遂げることを目指しています。 (g)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (h)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (i)コンプライアンス違反 国内外でプラント建設を行うに当たり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施工地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各組織のコンプライアンス・オフィサーを委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (j)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。さらには、ロシアによるウクライナ侵攻を境に、一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まっています。 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (k)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。
FY2022|6,613 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)新型コロナウイルス感染症拡大のリスク 新型コロナウイルス感染症の拡大については、いまだ収束の目途が立たず、2022年春に中国で発生したロックダウンに象徴されるような人の移動や物流の制約が世界各地で広がっている状況です。 当社グループ従業員及び関係先の健康と安全を最優先としつつ、顧客や業務委託先等との面談の制約、調達品の製作及び輸送の遅れ、工事監督者の派遣や現場作業者の動員への制限等、遂行中案件への影響を最小限に抑えるべく、顧客や業務委託先等と協議を行いながら対応を進めています。また、同リスクの先行き不透明感により、当社の顧客による投資計画の見直しの動きが幅広く見られるため、当社の受注計画にも少なからず影響が生じることは避けられないとの認識に基づき、状況分析に努めています。社内に向けては専門タスクチームを設け、感染症を想定したBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、事業の継続に備えています。 (b)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 新型コロナウイルス感染症の拡大以外でも、世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、あるいは顧客の財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行うとともに、顧客・取引先とのリスクの最適な分担を図っています。さらに、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (c)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。また、ロシアの侵攻に端を発したロシア及びウクライナ情勢の影響については、紛争が長期化し当社の想定を超えて情勢が悪化する場合には、世界経済を巡る不確実性が更に顕在化することから、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費等の高騰により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、人命第一と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして、危機管理セクションを設置し情報の収集・分析を行うとともに、刻々と変化する危険地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。また、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、現在ロシア、ウクライナにおいて遂行中のプロジェクトはありませんが、最新情報を分析しつつ、海外赴任、出張中の当社グループ社員の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も注視、対処していきます。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、昨今のロシア・ウクライナ問題といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格の高騰や保険料の上昇等によって海運市況も高値圏で推移する等の懸念も生じています。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、先進国を中心とした金融引き締めの影響や、ウクライナ危機に端を発した世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰やサプライチェーンの混乱に対しても、顧客・ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。(e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内、及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。また、新型コロナウイルス感染症以外の世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)気候変動による事業環境変化に関するリスク 昨今、気候変動が起因とみられる異常気象が世界各地で多発しています。気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。 このような中、当社グループは、当社の顧客に影響を及ぼすことを想定し、顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、案件組成の中断・遅延、受注・競争環境の激化等、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。当社グループは、各国のエネルギー情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視、及び政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。 一方、気候変動は事業の新たな事業機会としても捉えることができます。当社グループでは、脱炭素化社会・水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、そのような変化を捉えた重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場機会の成長を踏まえて、2021年5月に中期経営計画をアップデートしました。複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する最適化力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、2050年のカーボンニュートラル達成に貢献します。また、カーボンニュートラル貢献分野及びライフサイエンス分野の伸長や継続型事業の創出・強化の両面で事業ポートフォリオを革新し、既存事業と新規事業の利益比率を50:50とすること、並びにそれらの推進により、連結純利益300億円以上を稼ぐ収益構造に変革を遂げることを目指しています。 (g)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取り組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (h)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (i)コンプライアンス違反 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各本部長を委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (j)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。さらには、2021年の東京オリンピック・パラリンピック開催や、ロシアによるウクライナ侵攻を境に、一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まっています。 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (k)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (l)イクシスLNGプロジェクトに関する訴訟リスク 当社グループと日揮ホールディングス㈱(以下「日揮」という)及びKBR社(以下「KBR」という)で設立したジョイントベンチャー(以下「JKC」という)は、2012年にIchthys LNG Pty Ltd (以下この項目において「顧客」という)から液化天然ガス等の生産設備にかかわる設計・調達・建設役務(以下「本プロジェクト」という)を受注し、プラント設備の引き渡しをしています。 顧客及び一部のサブコントラクターとの間で協議中や仲裁中の事項がありましたが、以下①②のとおり、和解に同意し、当社グループは和解内容を踏まえた影響額を当連結会計年度の連結財務諸表に反映させています。① 顧客と協議中又は係争中の事項の解決 JKCは、顧客と本プロジェクトの契約に関する処々の事項について、協議・仲裁を継続してきました。また、そのうちの一つである現場工事のサブコントラクト追加費用の一部について、2021年4月中旬に顧客が日揮に対して、親会社保証状の履行による代位弁済を求める旨の訴訟を提起し、当社は日揮の補助参加人として訴訟参加していました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響もあって仲裁や本訴訟の更なる長期化が懸念されること、今後予見される係争関連費用の益々の積み上がりや、大きな振れ幅のある仲裁・裁判結果を最終裁定・判決まで長期間に渡り追求するリスク等につき、当社としても再検討した結果、当社、日揮、及びKBRのJKCのジョイントベンチャーパートナー3社は、和解により顧客との本訴訟を含む諸々の事項につき早期に解決を図ることが最善の策であると判断し、2021年10月15日付けで顧客と裁判外での和解に同意しました。 ② サブコントラクターと係争中の事項の解決 JKCは、本プロジェクトの一部であるコンバインドサイクル発電設備(Combined Cycle Power Plant、以下「CCPP」という)の設計・建設を、General Electric Company、General Electric International, Inc.、並びにUGL Engineering Pty Limited及びCH2M Hill Australia Pty. Limitedの4社で組成されるコンソーシアム(以下「コンソーシアム」という)に固定金額契約で発注しました。 しかし、コンソーシアムは、当該役務完了前に現場から撤退し、現場撤退前の事象に係る追加費用等の支払いを求めて仲裁手続きに入りました。この状況を踏まえ、JKCは顧客に対する履行義務を果たすべく、コンソーシアムに代わるサブコントラクターを起用し、建設費用を立て替えてCCPPの建設を遂行する一方、コンソーシアムに対してJKCが立て替えている当該建設費用の負担を求めて反訴していました。 コロナ禍を背景に、本仲裁は長期化しており、今後、予見される係争費用の益々の積み上がりや、大きな振れ幅のある仲裁結果を最終裁定にまで長期間追求するリスク等を当社としても再検討した結果、JKCを組成する3社は、早期に本仲裁の解決を図ることが最善の策であると判断し、2022年4月11日付けでコンソーシアムとの和解に同意しました。
FY2021|5,452 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)新型コロナウイルス感染症拡大のリスク 新型コロナウイルス感染症の拡大については、いまだ収束の目途が立たず、人の移動や物流の制約が世界各地で広がっている状況です。 当社グループ従業員及び関係先の健康と安全を最優先としつつ、顧客や業務委託先等との面談の制約、調達品の製作及び輸送の遅れ、工事監督者の派遣や現場作業員の動員への制限、外国人技術者の国内現場への招聘等、遂行中案件への影響を洗い出し、必要な対応を速やかに取ったうえで、費用増加や納期遅延の負担について、顧客や業務委託先等との間で協議を開始しています。また、同リスクの先行き不透明感により、当社の顧客による投資計画の見直しの動きが幅広く見られるため、当社の受注計画にも少なからず影響が生じることは避けられないとの認識に基づき、状況分析に努めています。加えて、状況の変化に適宜対処するために、社内に専門タスクを設置すると共に、情報共有を実施しています。 (b)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 新型コロナウイルス感染症の拡大以外でも、世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、あるいは顧客の財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行うとともに、顧客・取引先とのリスクの最適な分担を図っています。さらに、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (c)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは、人命第一と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして、危機管理セクションを設置し情報の収集・分析を行うとともに、刻々と変化する危険地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務が立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内、及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。また、新型コロナウイルス感染症以外の世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取り組みを“C-Safe”(Chiyoda's Safety Culture=安全を見つめる真摯な眼差し)と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (g)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (h)コンプライアンス違反 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各本部長を委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (i)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われていますので、コンピューターウイルスの感染や外部からの不正アクセス、関係者を騙る標的型詐欺メール、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (j)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (k)イクシスLNGプロジェクトに関するリスク 当社グループと日揮ホールディングス㈱(以下「日揮」という)及び米国KBR社(以下「KBR」という)で設立したジョイントベンチャー(以下「JKC」という)は、2012年にIchthys LNG Pty Ltd (以下この項目において「顧客」という)から液化天然ガス等の生産設備にかかわる設計・調達・建設役務(以下「本プロジェクト」という)を受注し、プラント設備の引き渡しを既に完了しています。 しかしながら、以下に記載のとおり顧客及び一部のサブコントラクターとの間で協議中や仲裁中の事項があり、仮にJKCにとって不利な結果や裁定に至った場合には、工事債権及び立替費用の一部が回収不能になるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 顧客と協議中又は係争中の事項 業務範囲の増加等に伴って発生した工事費用に対する契約金額の調整及び精算金額の範囲について、顧客との協議が継続されている事項や仲裁の対象となっている事項があります。 上記の精算金額のうち、現場工事のサブコントラクト追加費用の一部については、合意に至るまでの暫定措置として、顧客がJKCに資金提供を行う代わりにJKCは現場工事を止めない旨を定めた証書を2016年12月に締結し、資金提供が実行されました。その後JKCは、当該追加費用が契約上精算費用の対象として顧客が負担すべきものであり、証書による資金提供を費用の正式な支払いとして認めることを求める仲裁を提起していましたが、2020年12月初旬に、仲裁廷は、追加費用が契約上の精算費用の対象であるか否かにつき個別具体的な審理を要するため、現時点では精算費用の対象であるとの認定は行えないとする部分判断を下しました。当該部分判断を受け、顧客は証書により提供された資金について一旦全額返却することをJKCに求め、2021年1月中旬には、親会社保証状を提出しているJKCの親会社である当社、日揮及びKBRに対し、当該保証状に基づく支払請求を行いました。これに対しJKCは、証書に定める提供資金の精算手続きに則るよう顧客に求めていましたが、2021年4月中旬、顧客は日揮に対して、親会社保証状の履行による代位弁済を求める旨の訴訟を提起しました。これを受けて2021年6月上旬、被告である日揮より当社に対して本訴訟に係る訴訟告知が行われました。当社は、本訴訟の結果次第では日揮及びKBRとの契約に基づく責任分担割合に従って責任を負う可能性があるという利害関係を有していることから、当該告知を受けて本訴訟に対して補助参加人として訴訟参加します。 ② サブコントラクターと係争中の事項 JKCは、本プロジェクトの一部であるコンバインドサイクル発電設備(Combined Cycle Power Plant、以下「CCPP」という)の設計・建設を、General Electric Company、General Electric International, Inc.、並びにUGL Engineering Pty Limited及びCH2M Hill Australia Pty. Limitedの4社で組成されるコンソーシアム(以下「コンソーシアム」という)に固定金額契約で発注しました。 しかし、コンソーシアムは、当該役務の遂行途中で契約を一方的に破棄し、JKCの許可なく現場から撤退するとともに、撤退前の事象に係る追加費用の支払いも求めて仲裁手続きに入りました。この状況を踏まえ、JKCは顧客に対する履行義務を果たすべく、コンソーシアムに代わるサブコントラクターを起用し、建設費用を立て替えてCCPPの建設を遂行する一方、コンソーシアムに対してJKCが立て替えている当該建設費用の負担を求めて反訴しています。
FY2020|4,727 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)新型コロナウイルス感染症拡大のリスク 新型コロナウイルス感染症の拡大については、いまだ収束の目途が立たず、人の移動や物流の制約が世界各地で広がっている状況です。当社グループ従業員及び関係先の健康と安全を最優先としつつ、顧客や業務委託先等との面談の制約、調達品の製作及び輸送の遅れ、工事監督者の派遣や現場作業員の動員への制限等、遂行中案件への影響を洗い出し、必要な対応を速やかに取ったうえで、費用増加や納期遅延の負担について、顧客や業務委託先等との間で協議を開始しています。また、同リスクの先行き不透明感により、当社の顧客による投資計画の見直しの動きが幅広く見られるため、当社の受注計画にも少なからず影響が生じることは避けられないとの認識に基づき、状況分析に努めています。 (b)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 新型コロナウイルス感染症の拡大以外でも、世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG(液化天然ガス)・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、あるいは顧客の財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、昨今の急激な油価の下落を含め経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行うとともに、顧客・取引先とのリスクの最適な分担を図っています。さらに、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (c)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは、人命第一と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして、危機管理部を設置し情報の収集・分析を行うとともに、刻々と変化する危険地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう危機管理体制の充実を図っています。さらに、大規模地震等を想定したBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務が立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保や工事に要するインフラ確保や機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内、及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。また、新型コロナウイルス感染症以外の世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取り組みを“C-Safe”(Chiyoda's Safety Culture=安全を見つめる真摯な眼差し)と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (g)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (h)コンプライアンス違反 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、若しくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各本部長を委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (i)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われていますので、コンピューターウイルスの感染や外部からの不正アクセス、関係者を騙る標的型詐欺メール、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (j)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めた上で投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (k)イクシスLNGプロジェクトに関するリスク 当社グループと日揮ホールディングス㈱及び米国KBR社で設立したジョイントベンチャー(以下「JKC」という)は、2012年にIchthys LNG Pty Ltd (以下この項目において「顧客」という)から液化天然ガス等の生産設備にかかわる設計・調達・建設役務(以下「本プロジェクト」という)を受注し、プラント設備の引き渡しを既に完了しています。 しかしながら、以下に記載のとおり顧客及び一部のサブコントラクターとの間で協議中や仲裁中の事項があり、仮にJKCにとって不利な結果や裁定に至った場合には、工事債権及び立替費用の一部が回収不能になるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 顧客と協議中又は係争中の事項 業務範囲の増加等に伴って発生した工事費用に対する契約金額の調整及び精算金額の範囲について、一部、顧客との協議が継続されている事項や仲裁の対象となっている事項があります。② サブコントラクターと係争中の事項 JKCは、本プロジェクトの一部であるコンバインドサイクル発電設備(Combined Cycle Power Plant、以下「CCPP」という)の設計・建設を、General Electric Company、General Electric International, Inc.、並びにUGL Engineering Pty Limited及びCH2M Hill Australia Pty. Limitedの4社で組成されるコンソーシアム(以下、「コンソーシアム」という)に固定金額契約で発注しました。 しかし、コンソーシアムは、当該役務の遂行途中で契約を一方的に破棄し、JKCの許可なく現場から撤退するとともに、撤退前の事象に係る追加費用の支払いも求めて仲裁手続きに入りました。この状況を踏まえ、JKCは顧客に対する履行義務責任を果たすべく、コンソーシアムに代わるサブコントラクターを起用し、建設費用を立て替えてCCPPの建設を遂行する一方、コンソーシアムに対してJKCが立て替えている当該建設費用の負担を求めて反訴しています。
FY2019|4,896 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識した上で、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。また、顧客・ジョイントベンチャーパートナー・下請業者・機器資材発注先等のプラント建設に関わる取引先の状況等の変化により、工事の遂行計画や採算、代金回収に悪影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行うとともに、顧客・取引先とのリスクの最適な分担を図っています。さらに、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (b)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは人命第一と安全確保を最優先に考え、危機管理部を設置し情報の収集・分析を行うとともに、治安が刻々と変化する特定国や地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には顧客等関係先との協議を含め迅速な初動対応を実施できるよう危機管理システムの拡充を図り、これらの危機事象発生に伴う影響の最小化に努めています。さらに、大規模地震等の災害が発生した場合に備え、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時にもスムーズに初動対応・優先業務が行えるよう、平時からBCP対応訓練実施等による事業継続力の向上に取り組んでいます。 (c)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。 (d)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の輸送が計画どおりに進まないと、工程遅れが生じ、その回復の為に追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内、及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。また、ストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (e)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこのような不測の事態が発生しないよう、“Safety is the Core Value”を標語に設計時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担に関わる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。 (f)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客より受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (g)コンプライアンス事故 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、もしくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各本部長を委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (h)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われていますので、コンピューターウィルスの感染や外部からの不正アクセス、関係者を騙る標的型詐欺メール、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは、本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (i)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりにあがらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めた上で投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (j)イクシスLNGプロジェクトに関するリスク 当社グループと日揮㈱及び米国KBR社で設立したジョイントベンチャー(以下「JKC」という)は、2012年にIchthys LNG Pty Ltd (以下「顧客」という)から液化天然ガス等の生産設備に関わる設計・調達・建設役務(以下「本プロジェクト」という)を受注し、コンバインドサイクル発電設備(Combined Cycle Power Plant、以下「CCPP」という)の一部を除くプラント設備の引き渡しを既に完了しています。 しかしながら、以下に記載のとおり顧客及び一部のサブコントラクターとの間で協議中や仲裁中の事項があり、仮にJKCにとって不利な結果や裁定に至った場合には、工事債権及び立替費用の一部が回収不能になるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 顧客と協議中又は係争中の事項 業務範囲の増加等に伴って発生した工事費用に対する契約金額の調整及び精算金額の範囲について、一部、顧客との協議が継続されている事項や仲裁の対象となっている事項があります。② サブコントラクターと係争中の事項 JKCは、本プロジェクトの一部であるCCPPの設計・建設を、General Electric Company、General Electric International, Inc.、並びにUGL Engineering Pty Limited及びCH2M Hill Australia Pty. Limitedの4社で組成されるコンソーシアム(以下、「コンソーシアム」という)に固定金額契約で発注しました。 しかし、コンソーシアムは、当該役務の遂行途中で契約を一方的に破棄し、JKCの許可なく現場から撤退するとともに、撤退前の事象に係る追加費用の支払いも求めて仲裁手続きに入りました。この状況を踏まえ、JKCは顧客に対する履行義務責任を果たすべく、コンソーシアムに代わるサブコントラクターを起用し、建設費用を立て替えてCCPPの建設を遂行する一方、コンソーシアムに対してJKCが立て替えている当該建設費用の負担を求めて反訴しています。 (k)継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループは、当連結会計年度において、米国ルイジアナ州のキャメロンLNGプロジェクト及びインドネシアのタングーLNGプロジェクトの工事コストの大幅な増加などにより、1,997億95百万円の営業損失、1,929億98百万円の経常損失、及び 2,149億48百万円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。当該損失計上により、当連結会計年度末において債務超過になるとともに、今後のキャッシュ・フローの悪化が予想されており、翌連結会計年度の早期に新たな資金調達が必要となる見込みです。 このような状況により、当社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していました。 かかる事態を受け、当該事象又は状況を解消すべく、中期経営計画「未来エンジニアリングへの挑戦」の見直しや加速化を始めとする諸施策を講じるとともに、事業上の必要な資金を確保すべく、筆頭株主である三菱商事㈱やその他ステークホルダーと財務的な支援の要請も含む協議を行ってきました。その結果、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な後発事象)」に記載のとおり、第三者割当増資及び新たな借り入れによる資金調達の合意へと至りました。当該資金調達の実行により、債務超過が解消されると共に、資金不足となるリスクも回避される見通しです。 以上により、提出日現在においては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
FY2018|3,307 文字
2【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識した上で、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めています。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。また、顧客・ジョイントベンチャーパートナー・下請業者・機器資材発注先等のプラント建設に関わる取引先の経営状況により、工事の遂行計画や採算、代金回収に悪影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行っていくとともに、リスクを最小化する契約条件の確保に留意しています。さらに、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (b)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは人命第一と安全確保を最優先に考え、危機管理ユニットを設置し情報の収集・分析を行うとともに、治安が刻々と変化する特定国や地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しています。有事の際には顧客等関係先との協議を含め迅速な初動対応を実施できるよう危機管理システムの拡充を図り、これらの危機事象発生に伴うリスクの回避・影響の最小化に努めています。さらに、大規模地震等の災害が発生した場合に備え、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時にもスムーズに初動対応・優先業務が行えるよう、平時からBCP対応訓練実施等による事業継続力向上に取り組んでいます。 (c)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。 (d)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、大規模な建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の輸送が計画どおりに進まないと、工程遅れが生じ、その回復の為に追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。また、ストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (e)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこのような不測の事態が発生しないよう、“Safety is the Core Value”を標語に設計時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担に関わる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。 (f)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客より受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (g)コンプライアンス事故 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、もしくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めています。加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各本部長を委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを委員長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。 (h)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われていますので、コンピューターウィルスの感染や外部からの不正アクセス、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (i)事業投資にかかわる損失 当社グループは、中期経営計画で掲げた成長戦略等の実現に向けて新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行うことがあります。その事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりにあがらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループでは、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行い投資の可否を決定しています。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。
FY2017|3,305 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりであります。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識した上で、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努める所存です。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものであります。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、経済制裁の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。また、顧客・ジョイントベンチャーパートナー・下請業者・機器資材発注先等のプラント建設に関わる取引先の経営状況により、工事の遂行計画や採算、代金回収に悪影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行っていくとともに、リスクを最小化する契約条件の確保に留意しております。また、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めております。 (b)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは人命第一と安全確保を最優先に考え、危機管理ユニットを設置し情報の収集・分析を行うとともに、治安が刻々と変化する特定国や地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しております。有事の際には顧客等関係先との協議を含め迅速な初動対応を実施できるよう危機管理システムの拡充を図り、これらの危機事象発生に伴うリスクの回避・影響の最小化に努めております。 また大規模地震等の災害が発生した場合に備え、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時にもスムーズに初動対応・優先業務が行えるよう、平時からBCP対応訓練実施等による事業継続力向上に取り組んでおります。 (c)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されております。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。また、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものがあります。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じております。 (d)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、大規模な建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の輸送が計画どおりに進まないと、工程遅れが生じ、その回復の為に追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、労働力の逼迫する地域での工事や、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っております。また、ストライキ等により工事が中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と適切な対応を取ることで、影響の最小化を図っております。 (e)プラント事故 当社グループが建設中又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこのような不測の事態が発生しないよう、“Safety is the Core Value”を標語に設計時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担に関わる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っております。 (f)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客より受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めております。 (g)コンプライアンス事故 国内外でプラント建設を行うにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び建設施行地が所在する国々・地域の法令・規制に各々従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、もしくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めております。加えて、経営会議直轄の組織としてのコンプライアンス委員会と、その傘下にグループ各社の委員をメンバーとするグループコンプライアンス委員会を設置し「千代田グループ行動規範」に定める精神に基づき、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでおります。 (h)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しております。また、多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われておりますので、コンピューターウィルスの感染や外部からの不正アクセス、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めております。 (i)事業投資にかかわる損失 当社グループは、事業成長の実現のためにオフショア・アップストリーム分野など新たな収益の柱となるビジネスモデル構築にむけて、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行っております。これら事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりにあがらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループではこれら事業投資において、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行い投資の可否を決定しております。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めております。
FY2016|3,279 文字
4【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりであります。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識した上で、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努める所存です。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものであります。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、経済制裁の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。また、顧客・下請業者・機器資材発注先等のプラント建設に関わる取引先の経営状況により、工事の遂行計画や採算、代金回収に悪影響を及ぼす場合があります。 当社グループでは、取引にあたり、経済・社会情勢の変動を注視しつつ受注活動を行っていくとともに、リスクを最小化する契約条件の確保に留意しております。また、取引先の状況等の調査を十分に行い、取引の可否、取引条件の確認や代替取引先の確保を行う等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めております。 (b)地震等の自然災害、テロ・紛争等の不可抗力 地震等の自然災害やテロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場あるいは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 当社グループでは人命第一と安全確保を最優先に考え、危機管理ユニットを設置し情報の収集・分析を行うとともに、治安が刻々と変化する特定国や地域の状況を把握し、適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用するなど、危機管理組織を強化しております。有事の際には顧客等関係先との協議を含め迅速な初動対応を実施できるよう危機管理システムの拡充を図り、これらの危機事象発生に伴うリスクの回避・影響の最小化に努めております。 また大規模地震等の災害が発生した場合に備え、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、災害発生時にもスムーズに初動対応・優先業務が行えるよう、平時からBCP対応訓練実施等による事業継続力向上に取り組んでおります。 (c)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じるため、一括請負契約において、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されております。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。また、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものがあります。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図るなどの調達先の多様化、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じております。 (d)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、大規模な建設工事に必要な工事従事者などの人的資源の確保、工事に要するインフラ確保や機器資材の輸送が計画どおりに進まないと、工程遅れが生じ、その回復の為に追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、労働力の逼迫する地域での工事や、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用など建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っております。また、ストライキ等により工事が中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と適切な対応を取ることで、影響の最小化を図っております。 (e)プラント事故 当社グループが建設中又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災などの重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこのような不測の事態が発生しないよう、“Safety is the Core Value”を標語に設計時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担に関わる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得などによりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っております。 (f)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客より受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めております。 (g)コンプライアンス違反 国内外でプラント建設を行うにあたり、国内の関連する法令・規制や、海外施工地等の国・地域の法令・規制に従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、もしくは疑義を持たれる行為が万が一発生した場合には、プロジェクトの遂行や事業の運営に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、疑義を持たれる事の回避のため、集合研修やe-ラーニング等の継続的な社員教育を通じ、人権尊重や贈賄疑念防止を含めて、事業遂行にかかる最新の法令・諸規制やルール等を遵守することの周知徹底を図るとともに、常に国内外の関係当局や顧客をはじめとするステークホルダーの動向をタイムリーに把握するよう努めております。加えて、経営会議直轄の組織としてのコンプライアンス委員会と、その傘下にグループ各社の委員をメンバーとするグループコンプライアンス委員会を設置し「千代田グループ行動規範」に定める精神に基づき、コンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスに落とし込んでおります。 (h)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しております。また、多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われておりますので、コンピューターウィルスの感染や外部からの不正アクセス、サイバー攻撃などの不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。 当社グループでは本社はもとより主なグループ会社でISMS認証を取得して、定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めております。 (i)事業投資にかかわる損失 当社グループは、事業成長の実現のためにオフショア・アップストリーム分野など新たな収益の柱となるビジネスモデル構築にむけて、新会社の設立や既存の会社の買収等の事業投資を行っております。これら事業投資において多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりにあがらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する、などのリスクがあります。 当社グループではこれら事業投資において、社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行い投資の可否を決定しております。さらに実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めております。