事業の概要
- 総合エンジニアリング千代田化工建設グループは、当社と14の連結子会社、3つの持分法適用関連会社で構成される総合エンジニアリング企業です。顧客の多様なニーズを的確に捉え、最も効率的な解決策を提供することをビジネスの軸としています。高度な先端技術とグループ各社の専門機能を最適に組み合わせ、一体となって事業を展開することで、時代や社会、地域の要請、顧客のニーズに柔軟に対応しています。
- プラント建設の一貫遂行主要事業であるエンジニアリング事業では、各種産業用・民生用設備、公害防止・環境改善設備、災害防止用設備に関する総合的な計画、設計、機器調達、設置、土木・建築・電気・計装・配管工事、試運転、メンテナンスまでを一貫して手掛けています。特に化学工業設備の建設において、設計から試運転、メンテナンスまでを一貫して遂行する能力が強みであり、受注生産方式を採用しています。
- 多岐にわたる事業展開事業は「エンジニアリング事業」と「その他の事業」に大別されます。エンジニアリング事業では、国内子会社がエネルギー・環境関連設備や医薬品・研究施設などを手掛け、海外子会社は設計拠点や工事遂行拠点としてグローバルに展開しています。その他の事業では、財務・会計コンサルティング、技術コンサルティング、人材派遣、ITシステム開発・運用など、グループの事業を多角的にサポートしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エンジニアリング事業千代田化工建設グループの主要な収益源であり、売上高は5,076億円を計上していますが、営業利益は-124.78億円と赤字となっています。この事業では、各種プラントや産業用設備のコンサルティング、計画、設計、施工、調達、試運転、メンテナンスなどを一貫して手掛けています。特に化学工業設備の建設に強みを持ち、国内外の連結子会社が設計拠点や工事遂行拠点としてグローバルに展開しています。
- 国内エンジニアリング国内では、連結子会社の千代田エクスワンエンジニアリングが、エネルギー・環境関連設備、医薬品・研究施設、各種産業用機械設備に関するエンジニアリング事業を主要に手掛けています。当社は施工する工事の一部を同社へ発注しており、国内市場における多様なニーズに対応しています。
- 海外エンジニアリング海外では、フィリピンのChiyoda Philippines Corporationが海外設計拠点として機能し、マレーシア、カタール、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、フランス、サウジアラビアなどの連結子会社や持分法適用関連会社が海外工事遂行拠点として事業活動を担当しています。これにより、グローバルな大規模プロジェクトを効率的に推進できる体制を構築しています。
FY2018 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Engineering | 事業 | 5,076 | -125 | -2.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当連結会計年度における当社グループは、当社及び連結子会社14社、持分法適用関連会社3社により構成されています。総合エンジニアリング企業グループとして、顧客のニーズを的確に把握し最も効率的な解決方法を提供する機能をビジネスの軸としており、高度先端技術を駆使し、グループ各社の持つ遂行機能を最適に組み合わせ、各社が一体となったオペレーションを展開することにより、時代や社会・地域の要請や顧客のニーズに柔軟に対応しています。なお、事業内容は、「エンジニアリング事業」と「その他の事業」に区分しており、事業の概要は以下のとおりです。また、主要な関係会社は、4〔関係会社の状況〕に記載のとおりです。 ① エンジニアリング事業(各種プラント、産業用設備のコンサルティング、計画、設計、施工、調達、試運転及びメンテナンス等)当社は本事業を主要事業としており、各種産業用・民生用設備並びに公害防止・環境改善及び災害防止用設備に関する総合的計画、装置・機器の設計・調達・設置、土木・建築・電気・計装・配管等工事及び試運転等、その他これらに付帯する一切の事業を行っています。当社の事業の特殊性は、広範多岐に亘る技術の高度な総合化が要請される近代的産業用設備、とりわけ化学工業設備の建設を、その設計から機器の調達、現場建設、試運転、メンテナンスに至るまで一貫して遂行することにあり、従って、生産方式は受注生産方式をとっています。 当該事業における各関係会社とのかかわりは次のとおりです。 千代田エクスワンエンジニアリング㈱(連結子会社)は、国内のエネルギー・環境関連設備/医薬品・研究施設/各種産業用機械設備に関するエンジニアリング事業を主要な事業として手掛けており、当社は施工する工事の一部を上記関係会社へ発注しています。 Chiyoda Philippines Corporation(連結子会社)はフィリピンにおいて、当社の海外設計拠点として事業活動を担当しています。Chiyoda Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア・連結子会社)、Chiyoda Almana Engineering LLC(カタール・連結子会社)、PT. Chiyoda International Indonesia(インドネシア・連結子会社)、Chiyoda Sarawak Sdn. Bhd.(マレーシア・連結子会社)、Chiyoda International Corporation(アメリカ・連結子会社)、CHIYODA ENERGIES PTY LTD(オーストラリア・連結子会社)、Chiyoda France S.A.S(フランス・連結子会社)、Chiyoda Petrostar Co. Ltd.(サウジアラビア・持分法適用関連会社)は、当社の海外工事遂行拠点として事業活動を担当しています。 そのほか、Chiyoda & Public Works Co.,Ltd.(ミャンマー・連結子会社)は海外工事遂行拠点として事業活動を担当するほか、事務所ビルの賃貸運営管理事業も展開しています。 また、Chiyoda Oceania Pty.Ltd(オーストラリア・連結子会社)は各種産業用設備等の設計及びコンサルティング等の事業を展開しています。 ② その他の事業 アロー・ビジネス・コンサルティング㈱(連結子会社)は財務・会計に関するコンサルティングを行っており、当社は経理業務を委託しています。 千代田ユーテック㈱(連結子会社)はエネルギー・環境全般の技術的コンサルティング事業、人材派遣業、アウトソーシング事業等を行っており、当社は各種コンサルティングを発注し、また技術者及び事務系社員の派遣業務を委託しています。 TIS千代田システムズ㈱(持分法適用関連会社)は統合ITシステムのコンサルティング・開発・運用等を行っており、当社は主にシステム・ソフトウェアの開発、コンピュータ管理・情報システムの運用・管理業務を委託しています。 以上述べた関係を事業系統図によって示すと、次のとおりです。 <事業系統図>
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 市場動向の調査、調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 広範多岐に亘る技術の高度な総合化が要請される近代的産業用設備、とりわけ化学工業設備の建設を一貫して遂行する技術力。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 / 地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力 / パートナーの債務不履行や財政状態の悪化、遂行能力面での著しい問題
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
長年のプラント建設実績と技術ノウハウは無形資産となり得るが、特許やブランド力が突出しているわけではない。特定の技術分野での強みは存在するものの、一般的に認識される強力な無形資産とは言い難い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
大手エネルギー企業や化学メーカーとの長期的な取引関係は、顧客にとって他の建設会社への乗り換えコストを発生させる可能性がある。しかし、プロジェクト毎の入札や競争も存在するため、スイッチング・コストは限定的。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
プラント建設業界において、ネットワーク効果は直接的な要因とはなりにくい。サプライヤーや協力会社との関係は重要だが、ユーザー数増加による価値向上の構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
大規模プロジェクトの遂行能力は一定の効率性をもたらすが、建設業界全体としてコスト競争力で突出した優位性を持つわけではない。資材価格や人件費の変動リスクは常に存在する。
規模の経済★★★☆☆
LNGプラント建設など、特定の分野においては世界でも有数の実績と規模を持つ。この分野での少数寡占的な地位は、効率規模の優位性を示唆する。しかし、事業全体の規模は限定的。
- 高度な総合化技術千代田化工建設は、広範多岐にわたる技術を高度に総合化する能力を強みとしています。特に近代的産業用設備、中でも化学工業設備の建設において、その設計から機器の調達、現場建設、試運転、メンテナンスに至るまで一貫して遂行できる点が、他社との差別化要因となっています。これにより、複雑なプロジェクトでも高品質なソリューションを提供できます。
- グローバルな遂行体制フィリピンに海外設計拠点を持ち、マレーシア、カタール、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、フランス、サウジアラビア、ミャンマーなど世界各地に海外工事遂行拠点を展開しています。このグローバルなネットワークにより、地域ごとの要請や顧客のニーズに柔軟に対応し、大規模な国際プロジェクトを効率的に遂行できる体制を構築しています。
- 多様な専門機能の連携グループ内には、国内のエネルギー・環境関連設備や医薬品・研究施設を手掛ける千代田エクスワンエンジニアリング、財務・会計コンサルティングのアロー・ビジネス・コンサルティング、技術コンサルティングの千代田ユーテック、ITシステム開発のTIS千代田システムズなど、多様な専門機能を持つ子会社・関連会社があります。これらの連携により、顧客の幅広い課題に対して最適なソリューションを提供できる体制が整っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営環境①全般当社を取り巻く外部環境は、世界の多極化、地政学リスク、気候変動、人口動態の変化、技術革新等のメガトレンドの影響を受け、めまぐるしく変化し、不確実性は依然として高く、経済環境は見通し難い状況です。外部環境を常に念頭におきながら当社のコア・コンピタンスである、技術開発力と技術を目利きする力、課題を解決するエンジニアリング力、全体最適を実現するプロジェクトマネジメント力を掛け合わせ、導かれる事業機会に対して、「エネルギーと素材」、「ライフサイエンス」を主な事業領域として設定しています。エネルギーや先端素材の安定供給の確保、中長期的な脱炭素トレンド、循環型社会の構築といった事業機会を背景に、エネルギートランジションのスピード感の変化はあるものの、「エネルギーと素材」の事業領域における当社事業の需要は堅調と捉えています。また、超高齢化社会、高度医療社会への期待による事業機会を背景に「ライフサイエンス」の事業領域における需要も旺盛と捉えています。そして、分野を横断しての産業基盤の維持・更新に関しては、当社の知見を活かしたフィジカル・デジタル両面でのO&M-Xソリューションの提供機会が今後更に増大すると捉えています。 <事業環境/事業領域> ②エネルギーと素材当社は、特にLNG・石油・石油化学の領域でEPCコントラクターとして世界およそ60の国と地域で300を超えるプロジェクトの豊富な実績を積み重ねてきました。商業プラントのEPCだけでなく、触媒やプロセスの技術開発、商業化のためのスケールアップや、プラントの操業フェーズにおける技術提供も数多く手掛けてきました。これらの強みを活かし、LNG、石油・石油化学は勿論のこと、脱炭素・先端素材の分野において事業を拡充します。 当社の強み・実績に裏打ちされたEPCコントラクターとしての知見・顧客基盤・プラントの開発・スケールアップに必要な技術と知見・設備保全の高度化支援、解析・診断技術展開する領域・LNG(含むCleaner LNG)、石油・石油化学・脱炭素(水素、低炭素燃料、CCUS、エネルギーマネジメント等)・金属・先端素材(非鉄金属精錬、蓄電池・半導体材料等)・O&M-Xソリューション ③ライフサイエンス当社は、石油化学領域、医薬品領域で培った連続生産技術の知見やスケールアップノウハウを活かして、特に医薬品プラントの領域でEPCコントラクターとして60年で600件以上の実績を積み重ねてきました。これらの強みを活かし、付加価値の高いバイオライフサイエンスのソリューションプロバイダーとして、医薬品のEPC領域のみならず、細胞培養・植物バイオ領域の開発受託、宇宙低軌道の実験プラットフォーム等の分野において事業を拡充します。 当社の強み・培養領域(抗体・細胞)のプロセス開発・スケールアップ知見・合成領域の連続生産・固相/液相法の知見・国際宇宙ステーションの実証試験装置開発・設備保全の高度化支援・解析・診断技術展開する領域・医薬品・食品(低・中分子、高分子、微生物、細胞医薬他)・製法開発受託(細胞培養、植物バイオ、低軌道プラットフォーム)・O&M-Xソリューション (2)再生計画(2019年~2024年)の振り返り再生計画期間中の徹底したリスクマネジメント、遂行管理等により、再生計画実施後に受注したプロジェクトにおいては、完工時に赤字の案件が一件も無く、順調に進捗中、若しくは、完工を迎えております。しかしながら、再生計画期間の定量目標(受注高、純利益)は、未達となりました。純利益の目標が未達となった主要因である、21、23年度の二度の赤字計上は、再生計画実施前に受注した夫々一件ずつの大型LNGプロジェクトで発生した損失が原因です。一件のプロジェクトで、他の複数のプロジェクトではカバーしきれないほどの損失が発生し、会社全体が赤字に追い込まれたボラタイルな企業体質からの脱却が再生計画期間後に残された課題であり、2025年5月に公表した新中期経営計計画(以下、「経営計画2025」)における主要なテーマになっています。また、事業ポートフォリオの拡充に関してもEPC事業が大宗を占めており、引き続き中長期で取り組む課題と認識しております。 <再生計画の振り返り> (3)経営計画2025(2025年~2027年)の概要①新中計策定に込めた想い当社は2019年3月期の経営危機後、グループ一丸となって再生に向けて取組み、事業基盤の強化を図ってきました。再生計画前に受注した大型LNGプロジェクト含め略全ての損失処理を完了し、安定収益体質への転換に一定の成果を挙げることができたと考えています。一方、2024年3月期決算において、大型プロジェクト中心の受注計画が思い通りに進まなかったり、大型プロジェクトの遂行過程における予測不能な事態が発生したりすることなどによって、会社業績が大きく左右されるボラティリティの高い当社の収益構造を克服すべき課題として改めて強く認識するに至りました。これを踏まえ、収益の安定化と多様化を実現する為の「自己変革」をテーマとする経営計画2025を取り纏めました。この自己変革を成し遂げ、強固な安定収益基盤の実現と、収益多様化の将来像を示すことによって、当社の企業価値向上を図り、再生計画スタート時に資金支援を受けた優先株あるいは劣後融資などへの対応に早期に目途をつけ、同時に、成長戦略を着実に進めていきたいと考えています。 ②10年後の目指す姿大型プロジェクトへの集中から脱し、収益の安定化と多様化のための自己変革を成し遂げ、10年後には、純利益300億円、内Non-EPC事業の比率20%という安定・高収益企業になることを目指します。純利益300億円達成のため、2025年から2027年までの3年間は、平均150億円の純利益を達成し、経営を安定化させ、盤石な会社経営の土台をつくります。同時に事業共創による収益多様化、Non-EPC収益化の種をまき、2028年以降からこれらを本格的に伸ばし、10年後には共同事業者の立場から事業投資等を通じた収益獲得などの大きな果実に繋げたいと考えております。海外EPCについては、本経営計画2025の期間内で事業の安定性を高めることを優先課題とし、2028年以降の成長軌道への回帰に道筋を付けます。国内EPCについては、安定的に一定収益を計上できており、今後も国内の旺盛な需要に最大限応えていきます。Non-EPCは、成長性の高い市場において安定的な収益の柱を確立することを目指し、EPCとも連動しながら事業開発を継続いたします。 <経営計画2025から10年後の目指す姿へ> ③定量目標収益の安定化と多様化を実現する定量目標を以下のとおり設定します。・純利益:150億円(3年平均)・Non-EPC事業での純利益:10億円(2027年度) また、目標達成に向けた関連指標を以下のとおり設定します。・粗利益:10%以上(3年平均)・受注高:9,500億円(3年累計)・売上高:3,800億円(3年平均)・受注残:6,000億円(3年平均) ④重点取組1: 海外既存大型PRJの着実な遂行本中計期間では、大型EPCプロジェクトとして、NFEプロジェクトとGPXプロジェクトを遂行します。2024年11月に成功裡に完工したインドネシア銅製錬プロジェクトにおける経験も含めて、当社が有する強みを最大限発揮し、着実な案件遂行に注力します。 ⑤重点取組2: 海外取り組み改革(受注方針)海外プロジェクトの受注方針を改革し、リスク分散の効いたポートフォリオを構築して、より競争力のあるプロジェクトを選別できる体質に改善します。これまでの主な海外プロジェクトの受注実績は、契約金額規模も投入要員規模も大きい一括請負契約形態のプロジェクトが大宗を占めており、1件のプロジェクトの受注金額や損益に大きな影響を受ける経営体質が残っておりましたが、今後は、投入する要員規模が一定予測可能、又は小規模であり、過度なリスク負担を負わない契約が叶うプロジェクトを積極的に探索・組成すると共に、多様化するニーズに応え顧客の事業価値向上に貢献していきます。 <海外プロジェクト受注ターゲットのイメージ> ⑥重点取組3: 国内プロジェクト収益拡大これまで培ってきたEPCでの実績をベースに、成長するライフサイエンスや脱炭素分野に対する旺盛な需要に応える事業基盤を整備します。具体的には、プロジェクトマネージャーやエンジニアのマルチタレント化を進めることや、協力会社の皆様との連携推進、さらにパートナー会社との戦略的提携により強化していき、多様なニーズに対応できる体制を整えていきます。 ⑦重点取組4: 事業共創の拡充当社はこれまでEPCコントラクターとしての業態を中心に、技術開発から顧客に伴走する社会実装や、設備保全における操業支援へと価値提供の幅を広げてきました。この取り組みを更に強化し、加えて、技術側から事業側へと提供価値を最大化し、共同での事業投資も手掛けるといった「事業共創」を実現する顧客のパートナーとなることを目指します。技術開発基盤、豊富なEPC実績、そして多様なステークホルダーとの共創のネットワークに裏付けされる当社の強みを掛け合わせ、顧客・パートナーとの事業共創を拡充していきます。 ⑧重点取組5: 分厚い中核人財像の形成現状、当社の人財ポートフォリオは、コア事業であるEPC遂行の人財が中心です。本中計期間では、顧客の多様化するニーズに数多く応えるため、EPCを担う中核となる人財を特に拡充し、併せて、事業共創の拡充に向けたNon-EPCの中核となる人財育成も推進していきます。将来的には、EPCと技術・事業開発の知見を併せ持つ事業共創の中核人財の拡充を目指します。<中核人財の拡充イメージ>
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営環境①全般当社を取り巻く外部環境は、世界の多極化、地政学リスク、気候変動、人口動態の変化、技術革新等のメガトレンドの影響を受け、めまぐるしく変化し、不確実性は依然として高く、経済環境は見通し難い状況です。外部環境を常に念頭におきながら当社のコア・コンピタンスである、技術開発力と技術を目利きする力、課題を解決するエンジニアリング力、全体最適を実現するプロジェクトマネジメント力を掛け合わせ、導かれる事業機会に対して、「エネルギーと素材」、「ライフサイエンス」を主な事業領域として設定しています。エネルギーや先端素材の安定供給の確保、中長期的な脱炭素トレンド、循環型社会の構築といった事業機会を背景に、エネルギートランジションのスピード感の変化はあるものの、「エネルギーと素材」の事業領域における当社事業の需要は堅調と捉えています。また、超高齢化社会、高度医療社会への期待による事業機会を背景に「ライフサイエンス」の事業領域における需要も旺盛と捉えています。そして、分野を横断しての産業基盤の維持・更新に関しては、当社の知見を活かしたフィジカル・デジタル両面でのO&M-Xソリューションの提供機会が今後更に増大すると捉えています。 <事業環境/事業領域> ②エネルギーと素材当社は、特にLNG・石油・石油化学の領域でEPCコントラクターとして世界およそ60の国と地域で300を超えるプロジェクトの豊富な実績を積み重ねてきました。商業プラントのEPCだけでなく、触媒やプロセスの技術開発、商業化のためのスケールアップや、プラントの操業フェーズにおける技術提供も数多く手掛けてきました。これらの強みを活かし、LNG、石油・石油化学は勿論のこと、脱炭素・先端素材の分野において事業を拡充します。 当社の強み・実績に裏打ちされたEPCコントラクターとしての知見・顧客基盤・プラントの開発・スケールアップに必要な技術と知見・設備保全の高度化支援、解析・診断技術展開する領域・LNG(含むCleaner LNG)、石油・石油化学・脱炭素(水素、低炭素燃料、CCUS、エネルギーマネジメント等)・金属・先端素材(非鉄金属精錬、蓄電池・半導体材料等)・O&M-Xソリューション ③ライフサイエンス当社は、石油化学領域、医薬品領域で培った連続生産技術の知見やスケールアップノウハウを活かして、特に医薬品プラントの領域でEPCコントラクターとして60年で600件以上の実績を積み重ねてきました。これらの強みを活かし、付加価値の高いバイオライフサイエンスのソリューションプロバイダーとして、医薬品のEPC領域のみならず、細胞培養・植物バイオ領域の開発受託、宇宙低軌道の実験プラットフォーム等の分野において事業を拡充します。 当社の強み・培養領域(抗体・細胞)のプロセス開発・スケールアップ知見・合成領域の連続生産・固相/液相法の知見・国際宇宙ステーションの実証試験装置開発・設備保全の高度化支援・解析・診断技術展開する領域・医薬品・食品(低・中分子、高分子、微生物、細胞医薬他)・製法開発受託(細胞培養、植物バイオ、低軌道プラットフォーム)・O&M-Xソリューション (2)再生計画(2019年~2024年)の振り返り再生計画期間中の徹底したリスクマネジメント、遂行管理等により、再生計画実施後に受注したプロジェクトにおいては、完工時に赤字の案件が一件も無く、順調に進捗中、若しくは、完工を迎えております。しかしながら、再生計画期間の定量目標(受注高、純利益)は、未達となりました。純利益の目標が未達となった主要因である、21、23年度の二度の赤字計上は、再生計画実施前に受注した夫々一件ずつの大型LNGプロジェクトで発生した損失が原因です。一件のプロジェクトで、他の複数のプロジェクトではカバーしきれないほどの損失が発生し、会社全体が赤字に追い込まれたボラタイルな企業体質からの脱却が再生計画期間後に残された課題であり、2025年5月に公表した新中期経営計計画(以下、「経営計画2025」)における主要なテーマになっています。また、事業ポートフォリオの拡充に関してもEPC事業が大宗を占めており、引き続き中長期で取り組む課題と認識しております。 <再生計画の振り返り> (3)経営計画2025(2025年~2027年)の概要①新中計策定に込めた想い当社は2019年3月期の経営危機後、グループ一丸となって再生に向けて取組み、事業基盤の強化を図ってきました。再生計画前に受注した大型LNGプロジェクト含め略全ての損失処理を完了し、安定収益体質への転換に一定の成果を挙げることができたと考えています。一方、2024年3月期決算において、大型プロジェクト中心の受注計画が思い通りに進まなかったり、大型プロジェクトの遂行過程における予測不能な事態が発生したりすることなどによって、会社業績が大きく左右されるボラティリティの高い当社の収益構造を克服すべき課題として改めて強く認識するに至りました。これを踏まえ、収益の安定化と多様化を実現する為の「自己変革」をテーマとする経営計画2025を取り纏めました。この自己変革を成し遂げ、強固な安定収益基盤の実現と、収益多様化の将来像を示すことによって、当社の企業価値向上を図り、再生計画スタート時に資金支援を受けた優先株あるいは劣後融資などへの対応に早期に目途をつけ、同時に、成長戦略を着実に進めていきたいと考えています。 ②10年後の目指す姿大型プロジェクトへの集中から脱し、収益の安定化と多様化のための自己変革を成し遂げ、10年後には、純利益300億円、内Non-EPC事業の比率20%という安定・高収益企業になることを目指します。純利益300億円達成のため、2025年から2027年までの3年間は、平均150億円の純利益を達成し、経営を安定化させ、盤石な会社経営の土台をつくります。同時に事業共創による収益多様化、Non-EPC収益化の種をまき、2028年以降からこれらを本格的に伸ばし、10年後には共同事業者の立場から事業投資等を通じた収益獲得などの大きな果実に繋げたいと考えております。海外EPCについては、本経営計画2025の期間内で事業の安定性を高めることを優先課題とし、2028年以降の成長軌道への回帰に道筋を付けます。国内EPCについては、安定的に一定収益を計上できており、今後も国内の旺盛な需要に最大限応えていきます。Non-EPCは、成長性の高い市場において安定的な収益の柱を確立することを目指し、EPCとも連動しながら事業開発を継続いたします。 <経営計画2025から10年後の目指す姿へ> ③定量目標収益の安定化と多様化を実現する定量目標を以下のとおり設定します。・純利益:150億円(3年平均)・Non-EPC事業での純利益:10億円(2027年度) また、目標達成に向けた関連指標を以下のとおり設定します。・粗利益:10%以上(3年平均)・受注高:9,500億円(3年累計)・売上高:3,800億円(3年平均)・受注残:6,000億円(3年平均) ④重点取組1: 海外既存大型PRJの着実な遂行本中計期間では、大型EPCプロジェクトとして、NFEプロジェクトとGPXプロジェクトを遂行します。2024年11月に成功裡に完工したインドネシア銅製錬プロジェクトにおける経験も含めて、当社が有する強みを最大限発揮し、着実な案件遂行に注力します。 ⑤重点取組2: 海外取り組み改革(受注方針)海外プロジェクトの受注方針を改革し、リスク分散の効いたポートフォリオを構築して、より競争力のあるプロジェクトを選別できる体質に改善します。これまでの主な海外プロジェクトの受注実績は、契約金額規模も投入要員規模も大きい一括請負契約形態のプロジェクトが大宗を占めており、1件のプロジェクトの受注金額や損益に大きな影響を受ける経営体質が残っておりましたが、今後は、投入する要員規模が一定予測可能、又は小規模であり、過度なリスク負担を負わない契約が叶うプロジェクトを積極的に探索・組成すると共に、多様化するニーズに応え顧客の事業価値向上に貢献していきます。 <海外プロジェクト受注ターゲットのイメージ> ⑥重点取組3: 国内プロジェクト収益拡大これまで培ってきたEPCでの実績をベースに、成長するライフサイエンスや脱炭素分野に対する旺盛な需要に応える事業基盤を整備します。具体的には、プロジェクトマネージャーやエンジニアのマルチタレント化を進めることや、協力会社の皆様との連携推進、さらにパートナー会社との戦略的提携により強化していき、多様なニーズに対応できる体制を整えていきます。 ⑦重点取組4: 事業共創の拡充当社はこれまでEPCコントラクターとしての業態を中心に、技術開発から顧客に伴走する社会実装や、設備保全における操業支援へと価値提供の幅を広げてきました。この取り組みを更に強化し、加えて、技術側から事業側へと提供価値を最大化し、共同での事業投資も手掛けるといった「事業共創」を実現する顧客のパートナーとなることを目指します。技術開発基盤、豊富なEPC実績、そして多様なステークホルダーとの共創のネットワークに裏付けされる当社の強みを掛け合わせ、顧客・パートナーとの事業共創を拡充していきます。 ⑧重点取組5: 分厚い中核人財像の形成現状、当社の人財ポートフォリオは、コア事業であるEPC遂行の人財が中心です。本中計期間では、顧客の多様化するニーズに数多く応えるため、EPCを担う中核となる人財を特に拡充し、併せて、事業共創の拡充に向けたNon-EPCの中核となる人財育成も推進していきます。将来的には、EPCと技術・事業開発の知見を併せ持つ事業共創の中核人財の拡充を目指します。<中核人財の拡充イメージ>
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において判断したものです。 <経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容> 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。 (1) 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心に回復基調が続いた一方、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの影響や米国による関税引き上げの影響等もあり、先行きは依然として不透明な状況が継続しました。当社グループを取り巻く事業環境においては、気候変動問題への対応として低・脱炭素社会の実現に向けた需要が継続する一方、エネルギーの安定供給に向けたLNG需要も拡大するなど、人と地球の持続的で豊かな未来の実現が求められています。 当連結会計年度における業績は、次のとおりです。 (受注工事高) 受注工事高は、前連結会計年度比11.1%減の2,112億60百万円となりました。なお、当連結会計年度末受注残高は7,398億57百万円となりました。受注工事高の概要は、「報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況」に記載のとおりです。 (完成工事高) 完成工事高は、前連結会計年度比9.7%減の4,569億69百万円となりました。完成工事高の概要は、「報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況」に記載のとおりです。 (完成工事総損益) 完成工事総損益は、GPXプロジェクト第1系列に係る契約の改定につき顧客であるGPX社と合意したこと、海外完工済案件での追加収益の計上、および国内外で進行中の案件の着実な進捗が寄与し、前連結会計年度の完成工事総損失1億57百万円に対し、423億19百万円の完成工事総利益となりました。また、完成工事総利益率は前連結会計年度の0.0%から9.3ポイント増加し9.3%となりました。 (販売費及び一般管理費) 販売費及び一般管理費は、物価上昇に対応するためのベースアップや成長戦略を推進するための研究開発費の継続等により、前連結会計年度に比べ30億47百万円増加し178億97百万円となりました。また、販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度の2.9%から1.0ポイント増加し3.9%となりました。 (営業損益) 営業損益は、完成工事総損益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ394億28百万円増加し244億21百万円となりました。 (営業外収益・営業外費用) 営業外収益は、受取配当金や海外プロジェクト資金の運用利益の減少により、前連結会計年度に比べ10億20百万円減少し115億17百万円となりました。また、営業外費用は、為替差損等により、前連結会計年度に比べ7億50百万円増加し37億42百万円となりました。この結果、営業外収支は77億74百万円の収益となりました。 (経常損益) 経常損益は、完成工事総損益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ376億57百万円増加し321億96百万円となりました。 (特別利益・特別損失) 特別利益及び特別損失は、前連結会計年度が6億97百万円の損失超過であったのに対し、当連結会計年度は、退職給付制度終了益の計上により1億89百万円の収益超過となりました。 (法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額) 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ385億45百万円増加し323億86百万円の収益となりました。 法人税、住民税及び事業税は47億20百万円、法人税等調整額は40百万円となり、前連結会計年度に比べ37億79百万円の減少となりました。 (親会社株主に帰属する当期純損益) 親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ428億18百万円増加し269億87百万円となりました。 報告セグメントであるエンジニアリング事業の分野別概況は、次のとおりです。 [エネルギー分野](LNG・その他ガス関係) 海外では、カタール、米国でLNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を遂行中です。年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)の建設工事が進捗しています。米国のGolden Pass LNGプロジェクト(GPXプロジェクト)は、顧客である米国Golden Pass LNG Terminal LLC(GPX社)及びジョイントベンチャーパートナーである米国CB&ILLC(CB&I社)と協調して完工を目指すことを確認しており、2024年11月に顧客とLNGプラントの第1系列の契約改定に合意し、同第2系列及び第3系列についても引き続き契約改定の交渉を進めています。その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中です。国内では、第7次エネルギー基本計画において「トランジション燃料」と位置付けられたLNGの受入基地に係る複数の検討業務を完了しました。加えて、新規LNG受入基地案件の増設工事を受注しました。また、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。 当連結会計年度の受注工事高は693億64百万円(前連結会計年度比37.5%増)となり、完成工事高は2,549億93百万円(同4.1%増)となりました。 (石油・石油化学関係) 国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事や省エネ、カーボンニュートラルに資する各種検討業務などを遂行中であり、出光興産㈱よりSAF(Sustainable Aviation Fuel)製造装置導入に係る基本設計業務を受注し、遂行中です。また、国内製油所や石油・石油化学事業所に対して、これまで培った高度解析技術(3次元流動解析やダイナミック・シミュレーション、構造解析、耐震)と最新のデジタル技術を組み合わせ、運転最適化と設備保全効率化ならびに運転・保全業務のDX推進に向けたO&M(Operation & Maintenance)事業を展開しています。また、マイクロ波化学㈱、三井化学㈱とマイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の共同開発を進めています。本事業は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム重点課題推進スキーム」にて実施遂行しています。本技術の確立により、従前の化学業界の重要課題である「ナフサの熱分解で排出されるCO2の大幅な削減」に貢献します。 当連結会計年度の受注工事高は381億85百万円(同2.1%増)となり、完成工事高は332億50百万円(同9.6%増)となりました。 [地球環境分野](医薬・生化学・一般化学関係) 医薬・生化学分野では、AGC㈱をはじめ複数の顧客向け医薬品製造設備のEPC業務を遂行中です。また、バイオ医薬品のFS(Feasibility Study)業務を完了し、次のステップである設計業務を新たに受注しました。このほかバイオ関連製造施設のFS業務を新規受注しました。EPC関連事業以外では、NEDO助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発」を引続き進めています。本開発では、ベンチスケールからパイロットスケールに至るまでの生産が可能な実証用設備を子安オフィス・リサーチパーク内に建設し、高度修飾タンパク質の生産技術の実証運転を開始しました。本設備はNEDO助成期間終了後は、植物バイオものづくりの実用化開発に利用することなどを予定しており、各種受託サービスの充実に努めます。そのほか、国立大学法人筑波大学と継続してきた特別共同研究事業の一環として、同大学付属病院内に細胞培養加工施設(Cell Processing Facility)を設置しました。これにより、当社は、当該細胞培養加工施設に加え、既に同大学内に開設済みの「つくば幹細胞ラボ」、当社子安オフィス・リサーチパークと合わせて3つの拠点を得たことで、基礎研究から製造開発支援までの一貫した解決策を顧客に提供可能な「伴走型技術コンサルテーション」サービスの提供を進めています。併せて、一般社団法人アイディーフォーの研究用疾患iPS細胞の提供拡大を目指す「iPS細胞提供プラットフォーム」を構築する実証実験(第二期)に参画し、今後の細胞系事業展開に資するiPS細胞のデータベース構築や流通経路の最適化を検討していきます。一般化学分野では、㈱クレハ向けフッ化ビニリデン樹脂生産設備のEPC業務を遂行中です。 当連結会計年度の受注工事高は264億77百万円(同70.3%減)となり、完成工事高は356億99百万円(同14.7%増)となりました。 (環境・新エネルギー・インフラ関係) 環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。新エネルギー分野では、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネルギー供給システムへの取組みを強化しています。加えて、洋上風力分野では、国内事業者に対する着床式発電所に関する各種ソフト業務・遂行支援や、浮体式発電所建設のFS業務等を進めています。インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場が2024年11月に完工しました。国内では、主に電気自動車における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が期待される全固体電池に関して、出光興産㈱向けに固体電解質の小型実証プラントプロジェクトを完工しました。また、全固体電池実用化に向けた中間原料である硫化リチウム(Li2S)の大型装置建設工事を、更には固体電解質の大型パイロットプラントの基本設計業務を受注し遂行中です。さらに2024年7月に鹿児島県喜界町と地域脱炭素ビジョン推進に関する包括連携協定を締結しました。同町のゼロカーボンアイランド構想実現に向けて取り組んでまいります。そのほか、2024年1月に発生した能登半島地震に因る工場被災の復旧工事が完工しました。 当連結会計年度の受注工事高は701億21百万円(30.6%増)となり、完成工事高は1,266億53百万円(同35.0%減)となりました。 ≪脱炭素ビジネスの取組み≫ 水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCUS(Carbon dioxide Capture and Utilization and Strage)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。 (水素・アンモニア) 水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素TM技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築に向けて、海外、国内で具体的な案件や検討を進めています。シンガポールでは、同国での水素利用拡大に向け、2024年6月から現地の南洋理工大学、PSA Singapore(PSA社)、三菱商事㈱と共同で、PSA社が運営する港湾内のコンテナヤードに当社の小型脱水素装置を設置し、大型燃料電池車への水素供給の実証運転を継続しています。オーストラリアでは、ENEOS㈱より直接メチルシクロヘキサン電解合成(Direct MCH®)を活用した大規模実証プラント建設工事を受注し、遂行中です。国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現に向けて活動しています。また、2024年2月にトヨタ自動車㈱と大規模水電解システムの共同開発及び戦略的パートナーシップの構築に係る協業基本合意書を締結、発表しました。同システム標準パッケージを開発して、2026年度からトヨタ自動車㈱本社工場水素パーク内への同システムの導入を開始します。そのほか、政府が目指す2050年までのカーボンニュートラル実現の為、2024年1月に川崎重工業㈱をリーダーとして、東洋エンジニアリング㈱、日揮グローバル㈱、当社の4社によるJV協定書を締結し、オーストラリアにおいて、日本水素エネルギー㈱が取り組んでいる液化水素サプライチェーンの商用化実証を目的としたFEED(Front End Engineering Design)業務を完了しました。アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。さらに、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発事業にて実施遂行しています。そのほか、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。 (CCS/CCUS) CO2の回収・CCSシステム設計におけるグローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結し、CCSプロジェクトのFS業務やコンセプトデザインからFEED/EPC業務まで幅広く展開していきます。また、大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収する技術開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と2023年3月に締結した炭素循環技術に係る共同検討業務契約に基づいて、当社のCO2リフォーミング技術を適用した検討を実施しました。これは、わが国の提唱するアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の一端に係る案件と位置付けられ、関連閣僚会議等で進捗等について都度報告されています。また、西オーストラリア州におけるCO2サプライチェーン構築に関する実現可能性検討業務を豪州のPilot Energy Limited社から受注し、遂行中です。当社、日本郵船㈱、Knutsen NYK Carbon Carriers AS社は、液化CO2のCCUSの技術として想定される常温昇圧(EP)・中温中圧(MP)・低温低圧(LP)の3方式について、回収したCO2の液化から一時貯蔵、海上輸送などCCUSバリューチェーンを通じた経済性や実現性検証に関する共同検討を2023年度に実施しました。今後事業者に対してEP方式に関する具体的な提案を行うべく、技術面を含む詳細検討を実施しています。また、三菱重工業㈱と、同社CO2回収技術の包括ライセンス契約を締結し、国内向けCO2回収プロジェクトを対象に、同社が関西電力㈱と共同開発したCO2回収技術である「KM CDR ProcessTM」及び「Advanced KM CDR ProcessTM」のライセンス供与を受け、戦略的に協業を推進しています。そのほか、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による2024年度の先進的CCS事業に採択された三菱商事㈱、電源開発㈱、出光興産㈱、石油資源開発㈱ほか、各事業者の計画に係る複数の検討業務を受注・遂行し、2025年度においても複数件の受注の獲得へ向け各事業者と協議を実施していきます。さらに、液化CO2バリューチェーン共通化に向けた協議会への参画等、CCUSバリューチェーン全体に対応すべく展開を行っています。CCU分野では、産学官連携で、CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取組んでいます。既に本研究のため当社子安オフィス・リサーチパークに設置したパイロットプラントにてCO2由来のパラキシレンの製造に成功しており、当社のほか、㈱ゴールドウイン、三菱商事㈱、Neste Oyj、SK geo centric Co., Ltd.、Indorama Ventures PCL、India Glycols Ltd.の7社で構築したサステナブルなポリエステル製造のサプライチェーンプロジェクトにポリエステル繊維の原料として供給し、㈱ゴールドウインが日本展開するブランドであるザ・ノース・フェイスのスポーツユニフォームに採用されています。CO2と水素を用いた合成燃料製造に関し、ENEOS㈱向けの1BD(1 Barrel per day)合成燃料実証試験設備建設工事を2024年6月に完工しました。そのほか、㈱INPEX向けの400Nm3-CO2/h メタネーション(合成メタン(e-methane))試験設備工事を遂行中です。また、CCU分野における主要原料の一つであるCOの製造に関し、積水化学工業㈱よりCO2→CO変換プラント(中型試験機)のEPC業務を受注し遂行中です。 (エネルギーマネジメント) 2023年3月に完工した北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システムの長期に亘る保守業務を遂行中です。加えて、㈱ニジオ(東京ガス㈱100%出資子会社)向け大型蓄電所建設工事を受注し遂行中です。電力需給のバランスの安定化や出力変動の課題解決のため、国内では広く蓄電池の活用が求められており、当社の経験と実績が高く評価されています。 そのほか、スタートアップ企業であるGrid Beyond社とのVPP事業(Virtual Power Plant)における協業に関しては、国内顧客複数社とシステム導入に係る契約を締結し、2025年度に電力市場取引のサービス開始を予定しています。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて今後国内ではエネルギー会社を中心にアンモニア・CCS/CCUS等の脱炭素分野への投資が多く見込まれる状況にあり、当社は脱炭素分野のFS/FEED業務、EPC業務を確実に受注・遂行するためにJFEエンジニアリング㈱との間で両社の保有するエンジニアリング力の効果的活用、人的資本の相互補完・最適配置等を軸とした協業の検討を開始しました。 ≪DXの取組み≫ 「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」の実現のために、全社DXを加速させています。この取り組みを広く社内外で共有するため、当社グループのDXを「Chiyoda DX STORY」と名付けました。Chiyoda DX STORYではコーポレートDX、及びプロジェクトDXで、自社の変革を推し進め、全社員がデジタルプラットフォーム上で業務を行うことにより、業務が効率化・自動化されると同時に広く情報が共有され、意思決定を加速することを目指しています。また、デジタルとフィジカルを融合したO&M-X事業にて業界の変革を顧客と協業して推進しています。そして、それらの変革の原動力としてデジタルコア人財の育成・拡充を進めています。コーポレートDXでは、リソースマネジメントシステムにより受注計画と人員稼働状況をもとに事業計画シナリオを描くことが定着しました。また、人財育成プラットフォームであるタレントマネジメントシステムではAIを活用した社員の過去の業務経歴や実績に基づいたキャリアの広がりや、目指すプロジェクトポジションに求められるスキルや経験者の知見を集約する等、キャリア設計に必要な提供情報を充実させ、社員一人一人のキャリア設計ができるようになっています。また、コントラクターである当社の重要な業務のひとつである契約締結業務の変革のため、契約のドラフティングから締結、履行サイクルの適切な管理と、その情報が活用できるデジタル基盤の構築に着手しました。この狙いはすべてのステークホルダーとの契約内容とその関連情報を集約し、締結時又はプロジェクト遂行上のトラブルの対応で必要となる情報をタイムリーに提供することで、リスクの低減や対応スピードが向上することを 意図しています。加えて、働き方改革の一環として、ノーコード・ローコードによるRPA(Robotic Process Automation)の市民開発環境や、様々なデータを統合・可視化し分析するためのデータ分析基盤、業務用生成AIサービスの提供を開始し、意見交換・議論を目的としたコミュニティサイトも設置しました。プロジェクトDXでは、EPC遂行管理力の進化を目指してかねてより開発・適用を開始していたAWP(Advanced Work Packaging)が海外主要プロジェクトに本格適用され、サブコントラクターとの透明性のある情報共有により作業効率が明確に向上しています。また、中小案件にも対応したデジタルEPCプラットフォームの構築を進めており、業務をプラットフォーム上で行い、情報の可視化/構造化を実現する環境の構築を始めています。これにより情報の把握・意思決定の即時化、業務の自動化、精密なガバナンスを実現することを目指しています。そのほか2024年度から、プロジェクト図書管理の国内案件適用を開始しております。デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開し、新たなO&MトータルソリューションサービスとしてplantOS®の提供を開始しました。plantOS®は、千代田エクスワンエンジニアリング㈱をはじめ、当社グループがこれまで提供してきた産業/プラント向けメンテナンス分野におけるフィジカルサポートと当社が長年培ってきた高度解析・診断、IOT、AI等のデジタル技術をハイブリッドに融合したO&M向けサービスです。これまで提供してきた当社のAIプロダクトEFEXIS®については、当社のプロセス知見や独自のシミュレータを活用したプロセスデジタルツインとして、plantOS®の重要なソリューションの一部と位置付けることとしています。また、当社はBasetwo Artificail Intelligence, Inc.(ベーストゥー社)と資本業務提携を行い、ベーストゥー社が提供するAIツールを「EFEXIS Studio」としてplantOS®に実装しました。これにより、当社は専門知識を持ち合わせないプラントオーナーやオペレータに対し、自身で様々なデータ源からデータを収集、活用する環境を提供することが可能となります。そのほか、plantOS®の構築・提供に際し各種のサービスプロバイダーとの連携を進めております。plantOS®のクラウドシステム構築では日本ビジネスシステムズ㈱との覚書を締結し、また、回転機診断のためのソリューション開発においては中山水熱工業㈱との協業を開始しております。plantOS®の中核であるデジタルツインソリューションをプラント運転・保守の領域において効果的に活用するため米国のデジタルツインコンソーシアムに加入し、既に協業を開始しているVisionaize社のV-Suiteを活用したデジタルツインソリューションの提供を開始しております。さらに、㈱センシンロボティクスと資本業務提携関係を構築し、同社がインフラ保全領域で磨いてきた技術力を融合、ロボットやドローン、AR/VR技術を使ってデータを収集し3Dデジタルツインプラットフォームへ集約、新たな価値を生み出すソリューションの共創を開始しております。また、圧力計専業メーカーである㈱木幡計器製作所のIoTセンサ(製品名Salta®)を、plantOS®のパートナー製品として連携活用する業務提携を締結いたしました。plantOS®にSalta®を組み込むことで、従来IoT化が難しかったアナログゲージの遠隔モニタリングを可能とし、デジタルツインと連携したタイムリーなプラント状態可視化を実現します。加えて、plantOS®提供事業の一環として、インドネシアのPT Donggi Senoro LNG(ドンギ・スノロ社)より技術サポート提供業務を受注しました。本件はドンギ・スノロ社が保有するLNGプラントにおけるエンジニアリングサービス、プロセス安全サポートなどを対象としています。当社がこれまで培ってきたコンサルティング能力や先進的なデジタル技術を活用し、プラントの安全・安定運転の実現に向けてドンギ・スノロ社に最適なソリューションを提供していきます。PlantStream®に関しては、多くのユーザーに利用が開始され、プラントエンジニアリングを変革し、業界の発展に寄与したこと等、当社の㈱PlantStream設立意義の実現に一定の成果を上げたと判断し、2025年3月17日付で保有する㈱PlantStreamの全株式を共同出資者である㈱Arentへ譲渡しました。引き続き㈱Arent及び㈱PlantStreamとの技術提携を通じてPlantStream®の機能強化を図り、当社の初期設計や建設計画効率化をすすめていきます。 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項、および、それらへの対応については、3.事業等のリスクに記載しています。 大型プロジェクトであるGPXプロジェクト及びNFEプロジェクトのほか、手持ちEPC案件を着実に遂行していくことに加え、当社を取り巻く事業環境と当社グループの強みを掛け合わせ、顧客にとっての良き事業共創パートナーを目指し、事業・技術の開発から操業まで広範囲に伴走し、多様で柔軟な事業ポートフォリオの確立に努めていきます。また、当社グループのパーパス「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を実現するための重要な基盤は、当社グループの最大の資産である人財です。組織風土と人材開発の両面から組織と人財のWell-Beingを高め、社会とステークホルダーとの価値の循環を持続し、双方の価値を高めていきながら、人的資本経営を推進していきます。収益性向上やガバナンスの強化のみならず、人的資本経営を推進することで、中長期的な企業価値の向上に努めていきます。 (2) 生産、受注及び販売の実績 ① 受注実績事業部門の名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)受注高受注残高受注高受注残高金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)1 エンジニアリング事業236,97599.8993,878100.0210,63799.7739,857100.0(113,423)(△8,312)エネルギー分野(1) LNGプラント関係48,49420.4708,96071.334,43716.3486,61665.8(90,741)(△6,542)(2) その他ガス関係1,9360.84,1580.434,92616.534,2994.6(△20)(△31)(3) 石油・石油化学関係37,40215.832,2143.238,18518.137,0145.0(△1,494)(△135)地球環境分野(4) 医薬・生化学 ・一般化学関係89,23337.698,0219.926,47712.587,57511.9(△2,793)(△1,224)(5) 環境・新エネルギー ・インフラ関係53,67522.6145,05514.670,12133.288,26711.9(26,962)(△254)(6) その他6,2332.65,4670.66,4883.16,0840.8(27)(△123)2 その他の事業5690.2--6220.3--( -)( -)総 合 計237,545100.0993,878100.0211,260100.0739,857100.0(113,423)(△8,312) なお、国内及び海外の受注高並びに受注残高の内訳は、次のとおりです。国内外内訳前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)受注高受注残高受注高受注残高金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国 内159,46367.1164,23716.5131,53862.3192,40426.0(△2,068)(△1,570)海 外78,08132.9829,64083.579,72137.7547,45374.0(115,492)(△6,741)合 計237,545100.0993,878100.0211,260100.0739,857100.0(113,423)(△8,312)(注) 受注残高の( )内の数字は、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。 ② 売上実績事業部門の名称前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)1 エンジニアリング事業505,41299.9456,34699.9エネルギー分野(1) LNGプラント関係241,93147.7250,23954.8(2) その他ガス関係2,9200.64,7541.0(3) 石油・石油化学関係30,3476.033,2507.3地球環境分野(4) 医薬・生化学 ・一般化学関係31,1166.235,6997.8(5) 環境・新エネルギー ・インフラ関係194,71238.5126,65327.7(6) その他4,3830.95,7481.32 その他の事業5690.16220.1総 合 計505,981100.0456,969100.0 なお、国内及び海外の売上実績の内訳は、次のとおりです。国内外内訳前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国 内85,40416.9101,80222.3海 外420,57683.1355,16677.7合 計505,981100.0456,969100.0 (注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。 2 主な相手先別の売上実績及び総売上高に対する割合は次のとおりです。前連結会計年度当連結会計年度 相手先金額(百万円)割合(%) 相手先金額(百万円)割合(%)カタールエナジー188,38337.2カタールエナジー207,15445.3ピーティー・フリーポート・インドネシア172,25234.0ピーティー・フリーポート・インドネシア101,28622.2 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析① キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は2,212億38百万円となり、前連結会計年度末残高より550億29 百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。 営業活動による資金収支税金等調整前当期純利益の計上に加え、契約負債の増加などにより、当連結会計年度における営業活動による資金収支は511億75百万円のプラスとなりました。 投資活動による資金収支無形固定資産及び有形固定資産の取得などにより、当連結会計年度における投資活動による資金収支は41億81百万円のマイナスとなりました。 財務活動による資金収支リース債務の返済による支出などにより、当連結会計年度における財務活動による資金収支は2億98百万円のマイナスとなりました。 ② 資金需要当社グループの資金需要のうち主な内訳は、当社が受注した国内外のプラント建設に関わる費用、販売費及び一般管理費のほか、今後の成長戦略を支えるための投資です。販売費及び一般管理費のうち主な内訳は、従業員給与手当等の人件費のほか、業務委託費等です。当社の研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が過半を占めています。LNGや金属、医薬品といった既存EPC分野の事業基盤を維持しながら、今後の成長戦略を支える、水素やCCSを含む脱炭素ソリューション、バイオ、先端素材、O&M-Xソリューション、エネルギーマネジメント等の新規分野の事業機会創出に向けた投資を継続して進めていきます。 ③ 財務政策当社グループは、資金需要に対して、内部資金還流または外部借入により資金調達する方針です。外部借入に関しては、三菱商事株式会社の子会社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社との間で総額100億円の借入枠を確保することで、流動性を維持しています。上記財源を適切かつ効果的に活用し、事業ポートフォリオの革新と高収益体質への変革、サステナブルな社会の実現への貢献を進め、当社グループを安定的に運営する資金を継続して創出していきます。 (4) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが要求されます。当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて判断及び見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。 当社グループの見積りや判断を含む重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項」に記載しています。また、会計方針の適用において使用される当社の判断と見積りのうち、当社グループの連結財務諸表の報告額に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるものについては、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
事業リスク
- 景気変動と地政学リスク世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易、経済制裁、エネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の変動は、顧客の投資計画の中止・延期や内容変更、顧客・パートナーの財務状況悪化を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に米国の関税措置拡大やロシア・ウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化など、地政学リスクの高まりは世界経済の不確実性を増大させ、サプライチェーンの混乱や資材費高騰を通じて業績に悪影響を与える懸念があります。
- 不可抗力と工事中断地震、大規模な降雨・洪水・台風などの自然災害、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争などの不可抗力は、工事従事者の生命への危険、機器資材の搬入遅延、現場工事の中断を引き起こし、遂行中案件に直接的または間接的な損害を発生させる可能性があります。これにより、工期の遅延や追加費用の発生、ひいては業績への悪影響が懸念されます。
- 資材費高騰とパートナーリスクプラント建設では、契約見積時と遂行発注時のタイムラグにより、戦争・紛争などの急激な社会情勢の変化で機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクがあります。特に鉄鋼製品や非鉄金属、海上輸送費の変動は業績に大きな影響を与えかねません。また、大規模案件で組成するジョイントベンチャーやコンソーシアムにおいて、パートナーの債務不履行や財政状態悪化、遂行能力の問題が生じた場合、当社グループが連帯責任を負うことで経営に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項、及びそれらへの対応は以下のとおりです。 当社グループは、これら事項の発生の可能性を認識したうえで、発生の低減に注力するとともに、発生した場合にはその影響を最小限に抑えるべく可及的速やかな対応に努めます。 なお、以下記載事項については、当連結会計年度末現在において認識したものです。 (a)景気動向、経済・社会・政治情勢の変動による影響 世界的な景気動向や社会・政治情勢の変化、保護貿易・経済制裁・国交の状況、各国のエネルギー政策の転換、原油・LNG・金属資源価格の市場動向等により、顧客の投資計画に中止・延期や内容の変更が発生する、或いは顧客・パートナーの財務状況が悪化する等、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。特に、 米国の第2次トランプ政権による関税措置が一部の国において適用されており、今後適用対象国が拡大した場合、主要国経済に影響を及ぼすことが想定され、先の見通しが立たない状況となっています。これを受け、各市場も先行きの確信が持てず不安定となっていることが当社グループ業績に不透明さを与える要因となる可能性があります。 当社グループでは、経済・社会情勢の変動を注視しつつ案件実現性・受注確度等を見極めながら、営業活動を行うとともに、顧客とのリスクの最適な分担を図っています。また、顧客投資計画の突然の中止・遅延といった事態に備えるため、受注計画には常にバックアップ案件を織り込み作成しています。加えて、新規分野を中心に幅広い分野でのスタディ業務やNon-EPC業務にも積極的に取り組んでおります。 (b)地震等の自然災害、ウイルスによる感染症、地政学リスク、テロ・紛争等の不可抗力 地震、地球的気候変動による大規模降雨・洪水・台風等の自然災害や、ウイルスによる感染症拡大、テロ・紛争等の不可抗力の発生により、工事従事者の生命への危険、機器資材の工事現場への搬入遅延、現場工事の中断等、遂行中案件の工事現場或いは国内外の事業所において直接的又は間接的な損害発生の可能性があります。 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月に始まったイスラエルとハマスの武力衝突が他中東諸国へ与えるリスク等により、全世界的に地政学リスクが一層高まり、世界経済を巡る不確実性、経済制裁の応酬等の動きが更に顕在化することが懸念されます。こうした不安定な世界情勢が、顧客及びジョイントベンチャーパートナーの財務状況悪化、サプライチェーンの混乱、機器資材費等の高騰につながり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、危機管理担当部門を設置し情報の収集・分析を行うとともに適切な対策を講じるためにセキュリティコンサルタントを雇用し、刻々と変化する危険地域の状況把握に努める等、人命と安全確保を最優先に考えた常なる備えとして危機管理組織を強化しています。特にカタールでは大型プロジェクトを遂行中であり、在カタール当社グループ従業員及びその家族の安全に十分配慮するとともに、他国にて遂行中の案件への影響を今後も注視、対処していきます。また、有事の際には緊急対策本部を立ち上げ、顧客等関係先と迅速に情報共有するとともに、適時に適切な対応策を実施することで、これらの危機事象発生に伴う影響を最小限に留めるよう有事対応の手順を定めています。さらに、大規模地震等を想定したBCPを策定し、災害発生時には即時の安否確認・スムーズな初動対応・優先業務を立ち上げられるよう、平時から訓練を重ねることで事業継続力の向上に取り組んでいます。 (c)パートナーリスク 当社グループの事業領域では、案件の規模や複雑さ、リスクシェア等の事由により、パートナーとジョイントベンチャー又はコンソーシアムを組成し、受注することがあります。パートナーの債務不履行や財政状態の悪化、遂行能力面での著しい問題等が生じた場合は、当社グループが契約上の連帯責任を負う場合があるため、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、協業を決定する際に、パートナー候補の財務状況及び遂行能力を十分に分析するとともに、取引開始後もモニタリングを継続し、早期にリスクを発見・対処できる体制を敷いています。 (d)機器資材費の高騰 プラント建設では契約見積時と遂行発注時にタイムラグが生じます。そのため、国家・地域間の戦争・紛争勃発といった急激な社会情勢の変化を受けて、機器資材の価格が予想を超えて高騰するリスクに曝されています。特にプラント建設で主要部分を占める鉄鋼製品の価格は原材料である原料炭と鉄鉱石の価格の変動に大きく影響を受けます。さらに、銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛などの市場価格の変動は予想し難いものです。また、原油価格や保険料の上昇等により海上輸送費も大きく影響を受けます。 当社グループでは、これらのリスクを回避し影響を最小化するために、市場動向の調査に加え、世界各地からの購入先の分散を図る等の調達先の多様化、競争環境の維持、機器資材の早期発注、有力な業者との協力関係構築などの対策を講じています。さらに、世界的なインフレ進行による資機材・労務価格の高騰に対しても、顧客・ベンダー・サブコントラクター等の事業パートナーやステークホルダーとの協議・交渉を通じて適切な対応を心がけています。 (e)工事従事者・機器資材の確保困難 プラント建設では、建設工事に必要な工事従事者等の人的資源の不足、工事に要するインフラ確保の不調、及びサプライチェーンの寸断等、機器資材の調達が計画どおりに進まないことにより、工程遅れが生じ、その回復のために追加費用を投入する場合があります。 当社グループでは、国内及び海外においては労働力の逼迫する国や気候の過酷な地域での工事において、想定を超える工事コストの高騰リスクに対し、モジュール工法の採用等建設手法の工夫や有力な工事業者・機器資材供給業者との協力関係を基礎にして、これらのリスクの回避及び顕在化した場合の影響の最小化を図っています。 また、世界的な感染症や疫病の影響やストライキ等により工事中断を余儀なくされた場合には、顧客や現地関係機関と連携して適切な対応を取り、影響の最小化を図っています。 (f)気候変動による事業環境変化に関するリスク 気候変動が社会に与える影響は地球規模であり、グローバル社会が共通して直面している最も重要な社会的課題の1つです。当社グループは、気候変動の拡大に伴う物理的リスクと移行リスクによる顧客の投資環境や事業ポートフォリオが変化することで、当社の経営及び事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。 このような中、複雑化・高度化する社会や顧客の課題を的確に捉え、解決していくために、各国のエネルギー情勢や気候変動政策の見直し、法規制等を注視するとともに、政府、関係官庁、顧客等のネットワークから適時・適切に最新の情報を入手し、経営計画を策定することで対処しています。 一方、当社グループは、気候変動を新たな事業機会としても捉えています。脱炭素・炭素循環型社会実現に向け、水素社会への移行の加速、LNGを含む低炭素エネルギー及び再生可能エネルギーの更なる普及といった当社グループを取り巻く事業環境の大きな変化や、重要顧客の戦略見直し、及び当社グループにとっての新たな市場機会の成長を踏まえて、事業ポートフォリオの革新を更に加速し、環境負荷低減社会の実現に貢献します。 複雑な制約・課題に対し最適なソリューションを提供する課題解決力、設計を最適化し高い品質を保証するEPC遂行力、及び基礎研究力とEPC知見を融合する新技術の社会実装力という創業以来の実績に裏打ちされた当社が培ってきた強みを活かして、水素社会をはじめとする脱炭素社会への移行を加速し、削減と循環の両輪で2050年のカーボンニュートラル達成に貢献します。 (g)プラント事故 当社グループが建設中の又は建設したプラントに、何らかの原因によって爆発や火災等の重大事故が発生し、その原因が当社グループの責任と判断された場合は、損害賠償責任の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、このような不測の事態が発生しないよう、計画時の安全設計、建設現場での無事故・無災害を最優先に品質管理・工事安全管理等について万全を期すことはもとより、適切な保険の付保、損害の負担にかかわる顧客との合理的な分担を定めた契約条件の獲得等によりこれらのリスクの回避・影響の最小化を図っています。なお、当社グループでは工事安全を確保するためのあらゆる取組みを“C-Safe”と名付け、その旗印のもと安全文化の醸成に弛まぬ努力を注いでいます。 (h)為替レートの変動 海外向け工事では、機器資材調達や下請工事代金の決済が顧客から受領する対価と異なる通貨で行われる場合があるため、為替レートの変動は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、支出を予定する複数の通貨での工事代金受領や、為替予約の手当によって為替レート変動のリスクを回避し、影響を最小化するよう努めています。 (i)コンプライアンス違反 国内外で事業を展開するにあたり、当社グループの本社・子会社・事務所及び事業遂行地が所在する国・地域等の法令・諸規制に従う必要があります。それら法令・諸規制に違反する行為、又は違反を疑われる行為が万が一発生した場合には、事業の遂行に多大な影響を与える可能性があります。 当社グループでは、これら違反の防止、及び疑義を持たれる事象の回避のため、事業活動を行うに際して全ての役職員が取るべき行動の指針として「千代田化工建設グループ行動規範」を策定し、研修そのほかの施策を通じてその浸透を図っています。また、社内規程・ルールの整備・運用により法令・諸規制の遵守を徹底することに加えて、CCO(Chief Compliance Officer:チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を委員長とし各組織のコンプライアンス・オフィサーを委員とするコンプライアンス委員会、及びCCOを議長としグループ各社社長を委員とするグループ会社コンプライアンス連絡会を設置し、コンプライアンス施策の組織横断的 な展開を行いコンプライアンスへの対応を確実に業務プロセスへ取り込んでいます。さらに、内部通報制度を整備・運用し、又発覚後の調査・対応体制を整備することで、法令・諸規制に違反する行為やその疑いの早期発見、是正・再発防止に努めています。 (j)情報セキュリティへの脅威 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報を多数管理しているほか、技術・営業・その他事業に関する秘密情報を保有しています。多くの基幹業務や商取引がITシステムを駆使して世界中の拠点で行われています。重要な情報システムやネットワーク設備へのサイバー攻撃に備え、防御施策を強化しながらそのリスク低減を図っておりますが、完全なリスク回避はできるものではなく、不測の事態により、システム障害、秘密情報の漏洩、サイバー詐欺被害、重要な事業情報の滅失等が発生して当社の事業へ影響を与える可能性があります。一般企業がサイバー攻撃に巻き込まれるリスクはますます高まっています。 当社及び一部のグループ会社において、ISMS認証*1を取得しており、ISMS認証やNIST CSF*2等に基づき、サプライチェーンの情報セキュリティを意識した体制構築・強化しています。また、社内向けの定期的な教育や監査等の情報セキュリティマネジメントを徹底し、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 (k)事業投資にかかわる損失 当社グループは、新会社の設立や既存会社への出資・買収等の事業投資を行うことがあります。事業投資においては、多額の資本拠出や投資先に対する貸付・保証等の信用供与を行う場合がありますが、事業環境の変化等により、投資先の収益が当初計画どおりに上がらない、業績の停滞等に伴い投資にかかわる損失が発生する、又は投融資の追加が必要となる事態に直面する等のリスクがあります。 当社グループでは、投融資に関する社内基準やルールに基づき事前検討を十分に行うことに加えて、損失リスクに相応する当社グループの財務許容力を慎重に見極めたうえで投資可否を決定しています。更に実行後は投資先の事業計画の進捗をモニタリングしつつ、必要に応じて要員、資金等の各種支援を行うことにより、損失の回避や軽減に努めています。 (l)継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループと米国テキサス州にてGPXプロジェクトを共同遂行していた米国Zachry Industrial, Inc.(Zachry社)が、2024年5月に、米国連邦破産法第11章に基づく申し立てを行い、法的再建手続きに入りました。本事象を受け、前連結会計年度においては、Zachry社のGPXプロジェクトからの離脱の可能性に伴う影響を考慮し、営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと、また単体財務諸表において債務超過となったことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在していました。 2024年8月に現地裁判所によるZachry社のGPXプロジェクトからの離脱に関わる基本合意書が最終承認され、これにてZachry社のGPXプロジェクトからの離脱が正式に確定しました。また、同年11月にジョイントベンチャーパートナーである米国CB&I LLC(CB&I社)及び米国の当社グループ会社であるChiyoda International Corporation(CIC社)が再度見積もったコストをベースとした第1系列に係るEPC契約(設計・調達・建設工事請負契約)の改定につき、顧客である米国Golden Pass LNG Terminal LLC(GPX社)と合意に達し、当該合意による採算改善を当連結会計年度において反映しております。残る第2系列及び第3系列に係るEPC契約の改定に関しては、GPX社との協議が進捗し、翌連結会計年度の調印を見込んでいます。早期のEPC契約の改定・合意を目指すとともに、合意が行われた時点で、その内容を踏まえ、見積りの見直しを行ってまいります。 資金面では、2024年7月に株式会社三菱UFJ銀行と融資契約を締結の上、同月に借入を実行するなど、取引金融機関とは密なコミュニケーションと緊密な連携関係を維持しており、当連結会計年度末において十分な資金を有しています。 上記に加えて、当連結会計年度において、海外完工済み案件での追加収益の計上、他国内外の進行中案件の着実な進捗等により244億21百万円の営業利益、269億87百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上しました。また、単体財務諸表では36億9百万円の営業利益、148億86百万円の当期純利益を計上した結果、純資産は31億68百万円となり、債務超過を解消しています。翌連結会計年度以降も、2025年5月8日に公表した2026年3月期を初年度とする経営計画2025のとおり、収益安定化ならびに多様化に向けた施策を着実に実行し、当社グループの企業価値向上を目指してまいります。このような状況を総合的に判断した結果、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況は存在しないと判断しています。 *1 ISMS: Information Security Management System (情報セキュリティマネジメントシステム)*2 NIST CSF: 米国国立標準技術研究所 National Institute of Standards and Technology (National Institute of Standards and Technology米国国立標準技術研究所) が発行した、重要インフラのサイバーセキュリティを向上させるためのフレームワーク(Cybersecurity Framework)