研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
| 2025-03 |
- |
37 |
| 2024-03 |
- |
48 |
| 2023-03 |
- |
35 |
| 2022-03 |
- |
31 |
| 2021-03 |
- |
33 |
研究開発活動(本文)
FY2025|6,084 文字
6【研究開発活動】 当社は、1951年に研究施設(現 子安オフィス・リサーチパーク)を設置後、70年以上にわたり、ミッションである「エネルギーと環境の調和」を目指し、高度なエンジニアリングの技術力を通じて、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘とともに付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する新たな技術・商品の開発を進めてきました。 事業環境が急激に変化を遂げる中、当社は「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を念頭に、エネルギーという枠を超えた領域での取組みをより一層加速させていきます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,340百万円です。 (1) カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた取組み (水素サプライチェーン構築) 脱炭素社会の実現に向けた社会的要請に応えるべく、当社は様々な再生可能エネルギーに関連する取組みを行っています。このうち、燃焼時にCO2が排出されない水素は、究極のクリーンエネルギーとしてその利用の実現が期待されていますが、その普及には、取扱いに留意を要する水素を石油や天然ガスのように大規模に貯蔵・輸送する技術の確立が社会的な課題となっています。 当社は、将来の水素エネルギー社会へ対応するため、有機ケミカルハイドライドを用いて水素をガソリンの主要成分であるトルエンに固定し、常温・常圧で取り扱いやすいメチルシクロヘキサンとして輸送/貯蔵するSPERA水素TM技術の開発を実施しています。本技術は、日本と同様に海外からのエネルギー輸入に依存するシンガポールからも注目されており、2022年3月から、シンガポール政府からの助成金交付を得て現地大学Nanyang Technological University及びNational University of Singaporeの研究者と共に水素サプライチェーン構築のための連携プログラムを進めています。本連携プログラムにて脱水素触媒の改良に取り組んでおり、その成果検証を行うことを目的に、当社の小型脱水素装置をシンガポール港湾ターミナルに設置し、2024年6月から輸入MCHを活用した大型燃料電池車向けの水素利活用実証運転を開始しています。 (アンモニア利用拡大) 水素と同様に、燃焼時にCO2が排出されないアンモニアは、石油や天然ガスのように大規模な貯蔵・輸送する技術が既に確立されていることから、今後、火力発電所や船舶等で化石燃料の代替としての利用拡大が期待されています。しかし、既存のアンモニアの製造方法(ハーバーボッシュ法)は高温・高圧環境が必要であり、複雑な製造設備を必要とするため、製造コストが低減しない一因となっています。 当社は、東京電力ホールディングス㈱、㈱JERAと共同で、既存の触媒以上の高い活性を持つ新触媒をコアとする国産技術の開発と、製造コストの低減を実現するため複雑な製造設備を要さない低温・低圧環境でのアンモニア製造プロセスの技術実証を進めており、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されています。新触媒開発においては、精力的に触媒性能向上に向けて大学・研究機関と共同で開発を進めるとともに、新触媒を活用したプロセスの開発も進めています。 また、早期の水素社会実現のためにアンモニアから水素を取り出すアンモニア分解技術の高効率化・低コスト化が求められています。当社は、水素キャリアとしてのアンモニア利用拡大に向け、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発事業に採択されています。当社では、㈱日本触媒の開発する触媒の特徴を活かせるプロセスの開発を進めています。 (CCS/CCU関連) 火力発電などから排出されるCO2の削減は、地球温暖化対策として炭素循環社会を実現するために重要であり、CO2を資源として捉えて、回収・貯蔵し、有効利用するCCS/CCUの拡大が社会から求められています。しかし、燃焼効率の高い天然ガスを使用する火力発電所から排出されるCO2は濃度が低く、既存の技術では大型・高コストな分離・回収設備が必要なことから、本格的な社会普及を実現するには、設備の小型化・低コスト化を実現する技術の開発が必要です。 当社は、㈱JERA、公益財団法人地球環境産業技術研究機構と共に、CO2吸収技術開発に関して、NEDOからグリーンイノベーション基金事業の採択を受け、天然ガス火力発電所のガスタービンから排出されるCO2の分離・回収を小面積・低コストで実現するための固体吸収材をコアとする国産技術の開発に着手しました。2022年から30年までの9年間で革新的なCO2分離・回収技術の確立を目指します。 CO2の有効利用の方法として、NEDO事業において共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニアリング㈱、日本製鉄㈱、ENEOS㈱、ハイケム㈱及び三菱商事㈱と協力して、CO2からパラキシレンを製造する触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討を進めています。2023年3月には、CO2を原料として製造した化合物から、パラキシレンを取り出すことに成功し、事業化に向けた動きを加速させています。 また、NEDOのムーンショット型研究開発事業では、国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、UBE㈱、清水建設㈱、マクセル㈱、国立大学法人東京大学及び国立大学法人大阪大学と共に回収したCO2を、電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を進めています。さらに㈱カーリット、日本化薬㈱が加わり、2027年度まで当該研究開発事業の延長が決定しています。 (触媒・脱硫装置関連) 大気汚染への対応が世界的な課題となる中、ガソリン及び軽油中の硫黄分の削減は、大気汚染物質の排出抑制に繋がり、環境負荷の低減に大きな役割を果たします。当社が開発した、水素化脱硫触媒(CT-HBT®)は、灯油・軽油の精製時に、原料油に含まれる硫黄酸化物(大気汚染や酸性雨の原因物質)を大幅に削減するものです。当製品は国内の商業装置へ7件の納入実績を有し、顧客からも高い評価をいただいています。加えて、本触媒の担体は高機能素材として触媒以外への適用の可能性も見込まれるため、用途の検討を進めています。 また、石炭・重油燃焼ボイラーなどの排煙から少ない消費電力で二酸化硫黄成分(SO2)を吸収することができるCT-121排煙脱硫プロセスは、石炭火力発電所向けに多く導入され、海外でも広くライセンスを展開しており、2016年にはインドの大手重工メーカーであるLarsen&Toubro社と技術供与契約を締結しました。経済成長に伴う大気汚染が深刻化し、火力発電所等から排出される硫黄酸化物の除去が社会要請となっている同地において、10件超の案件を受注しており、更なる拡大を目指しています。 (2) バイオ・医薬・ライフサイエンス分野に係る取組み ヒト細胞に培養等の加工を施して用いる細胞医薬品は、これまで有効な手段がなかった様々な疾患に対する効果が期待されている一方で、普及のためには、産業利用可能な規模での実用化に向け、製造の安定性向上やコストの低減が必要となっています。 当社は、これらの課題に対応するため、当社子安オフィス・リサーチパーク内にラボを設置し、iPS細胞等幹細胞の品質評価・製造プロセスに関する技術開発を進めています。また、国立大学法人筑波大学と特別共同研究事業を実施しており、2020年11月には、同大学内に「つくば幹細胞ラボ(TSL)」を開設し、当分野における最先端の技術を当社事業に導入できる体制を構築しています。そして、2024年9月に同大学との共同研究の一環として同大学付属病院内に細胞培養加工施設(Cell Processing Facility)名称:「TACT(Tsukuba Advanced Cell Therapy Facility)」を設置完了しました。当社は、当該細胞培養加工施設に加え、TSL、子安オフィス・リサーチパークの合わせて3拠点を得たことで、基礎研究から製造開発支援までアカデミア・医療機関・企業が近い距離で、再生医療等製品の製造工程の条件や細胞の特性評価系を構築し、さらには治験製造レベルの製造実証に至るまでの「伴走型技術コンサルテーション」サービスの拡大を進めていきます。 また、化石資源に依存せず、植物や微生物の生体機能を利用して有用な物質の生産を行う、バイオものづくり産業の更なる発展に貢献するため、㈱ニッピ、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学と共同で、植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を遂行中です。本件は、NEDOの助成事業である「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」に採択されており、従来、動物素材からの抽出が必要であった機能性タンパク質を、植物を用いてヒト生体適合型に改変したうえで、大量かつ安価に生産する技術とシステムを開発中です。また、子安オフィス・リサーチパーク内にて実証デモプラントを2025年1月末に完工し、NEDO助成事業期間が終了する2025年5月まで実証運転を実施していきます。その後は、植物によるバイオものづくりの実証基盤「植物バイオファウンドリ」として、様々な受託サービスを展開していく予定です。 さらに、当社は、ガス・石油・環境分野で培った触媒開発・スケールアップの知見を活かし、低分子医薬品原薬・中間体開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性を向上とする連続生産技術の開発を行っています。また、この技術の早期社会実装を目指し、製薬企業やCDMO企業(医薬品開発製造受託機関)との委託開発事業も実施していきます。 (3) DX促進等による業務効率改善に向けた取組み (最適設計技術、安全設計技術) プラント建設において様々なプロセスを設計・改良するうえで、シミュレーションや解析技術は極めて重要な技術として位置付けられています。 当社は、設計の各段階で、3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やプラントの起動・停止・異常時の挙動を再現するダイナミック・シミュレーションの技術を活用して、精度の高い設計を進めるほか、プラント運転の最適化、定量・定性リスク評価による安全設計、最適保全計画の策定などを行っています。 (プラント設備最適配置と空間自動設計技術) ㈱PlantStreamが開発した空間設計システム「PlantStream®」によって、プラント計画時にプラント設備や機器装置の最適配置を検討し、また配管や配線の配置を効率的に設計しています。これにより設計や調達の手戻りを解消し、プロジェクト全体の遂行リスクを軽減します。さらに電気、計装品や小口径配管などへ自動設計技術を適用し材料の早期拾い出しを行い、購入量の最適化や輸送コストの軽減に寄与しています。 (プロジェクト遂行技術)プラント建設における工事業務の円滑な遂行を管理する手段として、各業務を管理可能な単位で分割(パッケージ化)したうえで遂行スケジュールを策定し、各業務に必要な図面、資機材、人員等のリソースを計画・管理する手法であるAWP(Advanced Work Packaging)が一般的になりつつあります。当社は、このAWPの手法にプラントエンジニアリングの専門知識、これまでのプロジェクト遂行で得た知見及び複数のデジタルソリューションを組み込み、建設工事の上流段階である設計・調達業務を含めて図面、資機材、人員等のリソースを包括的に計画・管理する手法「Chiyoda AWP」をプラント建設の現場で実践しています。これにより、プロジェクトの進捗状況を含む膨大なデータの可視化を実現し、工事の待機時間を減少させるとともに、不測の事態に対する工事計画の修正を早期に行うことを可能にし、サブコントラクターとの透明性のある情報共有により作業効率が明らかに向上しています。今後は「Chiyoda AWP」を規模の比較的小さいプロジェクトのマネージメントに適用できるよう手順を確立していく計画です。 (4) O&M(Operation & Maintenance)事業の革新に係る取組み (耐震診断・補強対策・老巧化対応技術) 3次元解析やダイナミック・シミュレーションを中心とした運転最適化と設備保全技術を活かし、国内製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地において、国土強靭化基本法に沿った耐震診断、補強対策検討、老朽化対応等を実施しています。今後も我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業に参画していきます。 (EFEXIS®開発) 解析・診断技術等、当社がこれまでに培ったプラントエンジニアリングの専門知識や知見と最新のクラウド技術、IoT技術を融合させたEFEXIS®ソリューションは、国内外の顧客プラントで導入が進んでおり、従来、熟練した操作員の知見や感覚に頼ることが多かった部分の自動化・効率化による操業中プラントの収益性向上に貢献しています。EFEXIS®FCC最適運転AIシステム(FCC AI Optimizer®)を導入した太陽石油㈱四国事業所では、重油を高温下で触媒と反応させガソリンや軽油を製造する残油流動接触分解装置(RFCC装置)の運転最適化が実現し、安定操業に寄与するなど大きな導入効果が出ています。 また、西部石油㈱と共同で実施している、装置監視AIを活用した運転支援システム構築事業は、一般社団法人社会実装推進センターの2020年度補正産業保安高度化推進事業費補助金に採択されており、EFEXIS®の更なる展開・効果検証を推進しています。 (5) その他の取組み (宇宙関連) 当社はエンジニアリングの技術や知見を宇宙利用の拡大に活かすことを視野に入れ、1990年代から国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けに、画像処理・通信装置、細胞培養実験・植物生育実験に用いる科学機器といった国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に搭載する機器設備の開発を中心に取組みを継続してきました。 現在、JAXAとインド宇宙開発機関との国際共同ミッションとして、2025年に打ち上げを目標にしている月極域探査ミッションで使用する月探査ローバに搭載される水資源分析計や、2026年以降にアメリカ、カナダ、欧州及び日本の宇宙開発機関の協働での組立が予定されている月周回有人拠点(月探査ゲートウェイ)に設置するCO2除去装置の開発を担当しています。地球低軌道にある国際宇宙ステーションから月面に向けて事業領域の拡大を進めています。
FY2024|5,715 文字
6【研究開発活動】 当社は、1951年に研究施設(R&Dセンター)を設置後、70年以上にわたり、ミッションである「エネルギーと環境の調和」を目指し、高度なエンジニアリングの技術力を通じて、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘とともに付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する新たな技術・商品の開発を進めてきました。 事業環境が急激に変化を遂げる中、当社は「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を念頭に、エネルギーという枠を超えた領域での取組みをより一層加速させていきます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,405百万円です。 (1) カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた取組み (水素サプライチェーン構築) 脱炭素社会の実現に向けた社会的要請に応えるべく、当社は様々な再生可能エネルギーに関連する取組みを行っています。このうち、燃焼時にCO2が排出されない水素は、究極のクリーンエネルギーとしてその利用の実現が期待されていますが、その普及には、取扱いに留意を要する水素を石油や天然ガスのように大規模に貯蔵・輸送する技術の確立が社会的な課題となっています。 当社は、将来の水素エネルギー社会へ対応するため、有機ケミカルハイドライドを用いて水素をガソリンの主要成分であるトルエンに固定し、常温・常圧で取り扱いやすいメチルシクロヘキサンとして輸送/貯蔵するSPERA水素TM技術の開発を実施しています。三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と共同で、ブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給するNEDO実証事業を2020年12月に無事に完了し、当技術の商業規模へのスケールアップが可能であることを確認しました。SPERA水素TM技術は、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で覚書を締結し、当社の独自技術を用いた水素の輸入利用・事業化に向けての技術及び商務面での協議・検討を進めています。2022年3月から、シンガポール政府からの助成金交付を得て現地大学Nanyang Technological University及びNational University of Singaporeの研究者と共に水素サプライチェーン構築のための連携プログラムを進めています。 (アンモニア利用拡大) 水素と同様に、燃焼時にCO2が排出されないアンモニアは、石油や天然ガスのように大規模な貯蔵・輸送する技術が既に確立されていることから、今後、火力発電所や船舶等で化石燃料の代替としての利用拡大が期待されています。しかし、既存のアンモニアの製造方法(ハーバーボッシュ法)は高温・高圧環境が必要であり、複雑な製造設備を必要とするため、製造コストが低減しない一因となっています。 当社は、東京電力ホールディングス㈱、㈱JERAと共同で、既存の触媒以上の高い活性を持つ新触媒をコアとする国産技術の開発と、製造コストの低減を実現するため複雑な製造設備を要さない低温・低圧環境でのアンモニア製造プロセスの技術実証を進めており、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されています。新触媒開発においては、精力的に触媒性能向上に向けて大学・研究機関と共同で開発を進めるとともに、新触媒を活用したプロセスの開発も進めています。 また、早期の水素社会実現のためにアンモニアから水素を取り出すアンモニア分解技術の高効率化・低コスト化が求められています。当社は、水素キャリアとしてのアンモニア利用拡大に向け、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発事業に採択されています。当社では、㈱日本触媒の開発する触媒の特徴を活かせるプロセスの開発を進めています。 (CCS/CCU関連) 火力発電などから排出されるCO2の削減は、地球温暖化対策として炭素循環社会を実現するために重要であり、CO2を資源として捉えて、回収・貯蔵し、有効利用するCCS/CCUの拡大が社会から求められています。しかし、燃焼効率の高い天然ガスを使用する火力発電所から排出されるCO2は濃度が低く、既存の技術では大型・高コストな分離・回収設備が必要なことから、本格的な社会普及を実現するには、設備の小型化・低コスト化を実現する技術の開発が必要です。 当社は、㈱JERA、公益財団法人地球環境産業技術研究機構と共に、CO2吸収技術開発に関して、NEDOからグリーンイノベーション基金事業の採択を受け、天然ガス火力発電所のガスタービンから排出されるCO2の分離・回収を小面積・低コストで実現するための固体吸収材をコアとする国産技術の開発に着手しました。2022年から30年までの9年間で革新的なCO2分離・回収技術の確立を目指します。 CO2の有効利用の方法として、NEDO事業において共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニアリング㈱、日本製鉄㈱、ハイケム㈱及び三菱商事㈱と協力して、CO2からパラキシレンを製造する触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討を進めています。2023年3月には、CO2を原料として製造した化合物から、パラキシレンを取り出すことに成功し、事業化に向けた動きを加速させています。 また、国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、UBE㈱、清水建設㈱、国立大学法人東京大学及び国立大学法人大阪大学と共に採択されたNEDOのムーンショット型研究開発事業では、回収したCO2を、電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を進めています。さらにマクセル㈱が加わり、2024年度まで当該研究開発事業の延長が決定しています。 (触媒・脱硫装置関連) 大気汚染への対応が世界的な課題となる中、ガソリン及び軽油中の硫黄分の削減は、大気汚染物質の排出抑制に繋がり、環境負荷の低減に大きな役割を果たします。当社が開発した、水素化脱硫触媒(CT-HBT®)は、灯油・軽油の精製時に、原料油に含まれる硫黄酸化物(大気汚染や酸性雨の原因物質)を大幅に削減するものです。当製品は国内の商業装置へ6件の納入実績と、新たに1件の受注をし、顧客から高い評価をいただいています。加えて、本触媒の担体は高機能素材として触媒以外への適用の可能性も見込まれるため、用途の検討を進めています。 また、石炭・重油燃焼ボイラーなどの排煙から少ない消費電力で二酸化硫黄成分(SO2)を吸収することができるCT-121排煙脱硫プロセスは、石炭火力発電所向けに多く導入され、海外でも広くライセンスを展開しており、2016年にはインドの大手重工メーカーであるLarsen&Toubro社と技術供与契約を締結しました。経済成長に伴う大気汚染が深刻化し、火力発電所等から排出される硫黄酸化物の除去が社会要請となっている同地において、10件超の案件を受注しており、更なる拡大を目指しています。 (2) バイオ・医薬・ライフサイエンス分野に係る取組み ヒト細胞に培養等の加工を施して用いる細胞医薬品は、これまで有効な手段がなかった様々な疾患に対する効果が期待されている一方で、普及のためには、産業利用可能な規模での実用化に向け、製造の安定性向上やコストの低減が必要となっています。 当社は、これらの課題に対応するため、当社R&Dセンター内にラボを設置し、iPS細胞等幹細胞の品質評価・製造プロセスに関する技術開発を進めています。また、国立大学法人筑波大学と特別共同研究事業を実施しており、2020年11月には、同大学内に「つくば幹細胞ラボ」を開設し、当分野における最先端の技術を当社事業に導入できる体制を構築しています。 また、化石資源に依存せず、植物や微生物の生体機能を利用して有用な物質の生産を行う、バイオものづくり産業の更なる発展に貢献するため、㈱ニッピ、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学と共同で、植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を遂行中です。本件は、NEDOの助成事業である「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」に採択されており、従来、動物素材からの抽出が必要であった機能性タンパク質を、植物を用いてヒト生体適合型に改変したうえで、大量かつ安価に生産する技術とシステムを開発中です。2024年度末までに実証デモプラントを子安リサーチパーク内に建設し、NEDO助成事業期間終了後は、植物によるバイオものづくりの実証基盤「植物バイオファウンドリ」として、様々な受託サービスを展開していく予定です。 さらに、当社は、ガス・石油・環境分野で培った触媒開発・スケールアップの知見を活かし、低分子医薬品原薬・中間体開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性を向上とする連続生産技術の開発を行っています。また、この技術の早期社会実装を目指し、シオノギファーマ㈱との共同研究も実施しています。 (3) DX促進等による業務効率改善に向けた取組み (最適設計技術、安全設計技術) プラント建設において様々なプロセスを設計・改良するうえで、シミュレーションや解析技術は極めて重要な技術として位置付けられています。 当社は、設計の各段階で、3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やプラントの起動・停止・異常時の挙動を再現するダイナミック・シミュレーションの技術を活用して、精度の高い設計を進めるほか、プラント運転の最適化、定量・定性リスク評価による安全設計、最適保全計画の策定などを行っています。 (プラント設備最適配置と空間自動設計技術) ㈱Arent及び当社が共同出資する㈱PlantStreamが開発した空間設計システム「PlantStream®」によって、プラント計画時にプラント設備や機器装置の最適配置を検討し、また配管や配線の配置を効率的に設計しています。これにより設計や調達の手戻りを解消し、プロジェクト全体の遂行リスクを軽減します。さらに電気、計装品や小口径配管などへ自動設計技術を適用し材料の早期拾い出しを行い、購入量の最適化や輸送コストの軽減に寄与しています。 (プロジェクト遂行技術)プラント建設における工事業務の円滑な遂行を管理する手段として、各業務を管理可能な単位で分割(パッケージ化)したうえで遂行スケジュールを策定し、各業務に必要な図面、資機材、人員等のリソースを計画・管理する手法であるAWP(Advanced Work Packaging)が一般的になりつつあります。当社は、このAWPの手法にプラントエンジニアリングの専門知識、これまでのプロジェクト遂行で得た知見及び複数のデジタルソリューションを組み込み、建設工事の上流段階である設計・調達業務を含めて図面、資機材、人員等のリソースを包括的に計画・管理する手法「Chiyoda AWP」をプラント建設の現場で実践しています。これにより、プロジェクトの進捗状況を含む膨大なデータの可視化を実現し、工事の待機時間を減少させるとともに、不測の事態に対する工事計画の修正を早期に行うことを可能にし、サブコントラクターとの透明性のある情報共有により作業効率が明らかに向上しています。 (4) O&M(Operation & Maintenance)事業の革新に係る取組み (耐震診断・補強対策・老巧化対応技術) 3次元解析やダイナミック・シミュレーションを中心とした運転最適化と設備保全技術を活かし、国内製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地において、国土強靭化基本法に沿った耐震診断、補強対策検討、老朽化対応等を実施しています。今後も我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業に参画していきます。 (EFEXIS®開発) 解析・診断技術等、当社がこれまでに培ったプラントエンジニアリングの専門知識や知見と最新のクラウド技術、IoT技術を融合させたEFEXIS®ソリューションは、国内外の顧客プラントで導入が進んでおり、従来、熟練した操作員の知見や感覚に頼ることが多かった部分の自動化・効率化による操業中プラントの収益性向上に貢献しています。EFEXIS®FCC最適運転AIシステム(FCC AI Optimizer®)を導入した太陽石油㈱四国事業所では、重油を高温下で触媒と反応させガソリンや軽油を製造する残油流動接触分解装置(RFCC装置)の運転最適化が実現し、安定操業に寄与するなど大きな導入効果が出ています。 また、西部石油㈱と共同で実施している、装置監視AIを活用した運転支援システム構築事業は、一般社団法人社会実装推進センターの2020年度補正産業保安高度化推進事業費補助金に採択されており、EFEXIS®の更なる展開・効果検証を推進しています。 (5) その他の取組み (宇宙関連) 当社はエンジニアリングの技術や知見を宇宙利用の拡大に活かすことを視野に入れ、1990年代から国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けに、画像処理・通信装置、細胞培養実験・植物生育実験に用いる科学機器といった国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に搭載する機器設備の開発を中心に取組みを継続してきました。 現在、JAXAとインド宇宙開発機関との国際共同ミッションとして、2025年に打ち上げを目標にしている月極域探査ミッションで使用する月探査ローバに搭載される水資源分析計や、2024年頃からアメリカ、カナダ、欧州及び日本の宇宙開発機関の協働での組立が予定されている月周回有人拠点(月探査ゲートウェイ)に設置するCO2除去装置の開発を担当しています。地球低軌道にある国際宇宙ステーションから月面に向けて事業領域の拡大を進めています。
FY2023|5,206 文字
6【研究開発活動】 当社は、1951年に研究施設(R&Dセンター)を設置後、70年以上にわたり、経営理念である「エネルギーと環境の調和」を目指し、高度なエンジニアリングの技術力を通じて、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘とともに付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する新たな技術・商品の開発を進めてきました。 事業環境が急激に変化を遂げる中、当社は「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を念頭に、エネルギーという枠を超えた領域での取組みをより一層加速させていきます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,052百万円です。 (1) カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けた取組み (水素サプライチェーン構築) 脱炭素社会の実現に向けた社会的要請に応えるべく、当社は様々な再生可能エネルギーに関連する取組みを行っています。このうち、燃焼時にCO2が排出されない水素は、究極のクリーンエネルギーとしてその利用の実現が期待されていますが、その普及には、取扱いに留意を要する水素を石油や天然ガスのように大規模に貯蔵・輸送する技術の確立が社会的な課題となっています。 当社は、将来の水素エネルギー社会へ対応するため、有機ケミカルハイドライドを用いて水素をガソリンの主要成分であるトルエンに固定し、常温・常圧で取り扱いやすいメチルシクロヘキサンとして輸送/貯蔵するSPERA水素TM技術の開発を実施しています。三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と共同で、ブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給するNEDO実証事業を2020年12月に無事に完了し、当技術の商業規模へのスケールアップが可能であることを確認しました。SPERA水素TM技術は、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で覚書を締結し、当社の独自技術を用いた水素の輸入利用・事業化に向けての技術及び商務面での協議・検討を進めています。2022年3月から、シンガポール政府からの助成金交付を得て現地大学Nanyang Technological University及びNational University of Singaporeの研究者と共に水素サプライチェーン構築のための連携プログラムを進めています。 (アンモニア利用拡大) 水素と同様に、燃焼時にCO2が排出されないアンモニアは、石油や天然ガスのように大規模な貯蔵・輸送する技術が既に確立されていることから、今後、火力発電所や船舶等で化石燃料の代替としての利用拡大が期待されています。しかし、既存のアンモニアの製造方法(ハーバーボッシュ法)は高温・高圧環境が必要であり、複雑な製造設備を必要とするため、製造コストが低減しない一因となっています。 当社は、東京電力ホールディングス㈱、㈱JERAと共同で、既存の触媒以上の高い活性を持つ新触媒をコアとする国産技術の開発と、製造コストの低減を実現するため複雑な製造設備を要さない低温・低圧環境でのアンモニア製造プロセスの技術実証を進めており、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されています。 (CCS/CCU関連) 火力発電などから排出されるCO2の削減は、地球温暖化対策として炭素循環社会を実現するために重要であり、CO2を資源として捉えて、回収・貯蔵し、有効利用するCCS/CCUの拡大が社会から求められています。しかし、燃焼効率の高い天然ガスを使用する火力発電所から排出されるCO2は濃度が低く、既存の技術では大型・高コストな分離・回収設備が必要なことから、本格的な社会普及を実現するには、設備の小型化・低コスト化を実現する技術の開発が必要です。 当社は、㈱JERA、公益財団法人地球環境産業技術研究機構と共に、CO2吸収技術開発に関して、NEDOからグリーンイノベーション基金事業の採択を受け、天然ガス火力発電所のガスタービンから排出されるCO2の分離・回収を小面積・低コストで実現するための固体吸収材をコアとする国産技術の開発に着手しました。2022年から30年までの9年間で革新的なCO2分離・回収技術の確立を目指します。 CO2の有効利用の方法として、NEDO事業において共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニアリング㈱、日本製鉄㈱、ハイケム㈱及び三菱商事㈱と協力して、CO2からパラキシレンを製造する触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討を進めています。2023年3月には、CO2を原料として製造した化合物から、パラキシレンを取り出すことに成功し、事業化に向けた動きを加速させています。 また、国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、UBE㈱、清水建設㈱、国立大学法人東京大学及び国立大学法人大阪大学と共に採択されたNEDOのムーンショット型研究開発事業では、回収したCO2を、電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を進めています。この度、2024年度まで当該研究開発事業の延長が決定しています。 (触媒・脱硫装置関連) 大気汚染への対応が世界的な課題となる中、ガソリン及び軽油中の硫黄分の削減は、大気汚染物質の排出抑制に繋がり、環境負荷の低減に大きな役割を果たします。当社が開発した、水素化脱硫触媒(CT-HBT®)は、灯油・軽油の精製時に、原料油に含まれる硫黄酸化物(大気汚染や酸性雨の原因物質)を大幅に削減するものです。当製品は国内の商業装置へ6件の納入実績があり、いずれも顧客から高い評価をいただいています。加えて、本触媒の担体は高機能素材として触媒以外への適用の可能性も見込まれるため、用途の検討を進めています。 また、石炭・重油燃焼ボイラーなどの排煙から少ない消費電力で二酸化硫黄成分(SO2)を吸収することができるCT-121排煙脱硫プロセスは、石炭火力発電所向けに多く導入され、海外でも広くライセンスを展開しており、2016年にはインドの大手重工メーカーであるLarsen&Toubro社と技術供与契約を締結しました。経済成長に伴う大気汚染が深刻化し、火力発電所等から排出される硫黄酸化物の除去が社会要請となっている同地において、複数の案件を受注しており、更なる拡大を目指しています。 (2) バイオ・医薬・ライフサイエンス分野に係る取組み ヒト細胞に培養等の加工を施して用いる再生医療等製品は、これまで有効な手段がなかった様々な疾患に対する効果が期待されている一方で、普及のためには、産業利用可能な規模での実用化に向け、製造の安定性向上やコストの低減が必要となっています。 当社は、これらの課題に対応するため、当社R&Dセンター内にラボを設置し、iPS細胞等幹細胞の品質評価・製造プロセスに関する技術開発を進めています。また、国立大学法人筑波大学と特別共同研究事業を実施しており、2020年11月には、同大学内に「つくば幹細胞ラボ」を開設し、当分野における最先端の技術を当社事業に導入できる体制を構築しています。 また、化石資源に依存せず、植物や微生物の生体機能を利用して有用な物質の生産を行う、バイオものづくり産業の更なる発展に貢献するため、㈱ニッピ、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人大阪大学と共同で、植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を開始しました。本事業は、NEDOのカーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発に採択されており、従来、動物素材からの抽出が必要であった機能性タンパク質を、植物を用いてヒト生体適合型に改変したうえで、大量かつ安価に生産する技術とシステムの開発を目指しています。 さらに、当社は、ガス・石油・環境分野で培った触媒開発・スケールアップの知見を活かし、低分子医薬品原薬・中間体開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性を向上とする連続生産技術の開発と実装化を、シオノギファーマ㈱が中心となって設立し当社も出資参画しているPharmira㈱とともに実施しています。 (3) DX促進等による業務効率改善に向けた取組み (最適設計技術、安全設計技術) プラント建設において様々なプロセスを設計・改良するうえで、シミュレーションや解析技術は極めて重要な技術として位置付けられています。 当社は、設計の各段階で、3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やプラントの起動・停止・異常時の挙動を再現するダイナミック・シミュレーションの技術を活用して、精度の高い設計を進めるほか、プラント運転の最適化、定量・定性リスク評価による安全設計、最適保全計画の策定などを行っています。 (プラント設備最適配置と空間自動設計技術) ㈱Arent及び当社が共同出資する㈱PlantStreamが開発した空間設計システム「PlantStream®」によって、プラント計画時にプラント設備や機器装置の最適配置を検討し、また配管や配線の配置を効率的に設計しています。これにより設計や調達の手戻りを解消し、プロジェクト全体の遂行リスクを軽減します。 (プロジェクト遂行技術) プラント建設における工事業務の円滑な遂行を管理する手段として、各業務を管理可能な単位で分割(パッケージ化)したうえで遂行スケジュールを策定し、各業務に必要な図面、資機材、人員等のリソースを計画・管理する手法であるAWPが一般的になりつつあります。当社は、このAWPの手法にプラントエンジニアリングの専門知識、これまでのプロジェクト遂行で得た知見及び複数のデジタルソリューションを組み込み、建設工事の上流段階である設計・調達業務を含めて図面、資機材、人員等のリソースを包括的に計画・管理する手法「Chiyoda AWP」をプラント建設の現場で実践しています。これにより、プロジェクトの進捗状況を含む膨大なデータの可視化を実現し、工事の待機時間を減少させるとともに、不測の事態に対する工事計画の修正を早期に行うことを可能にしています。(4) O&M(Operation & Maintenance)事業の革新に係る取組み (耐震診断・補強対策・老巧化対応技術) 3次元解析やダイナミック・シミュレーションを中心とした運転最適化と設備保全技術を活かし、国内製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地において、国土強靭化基本法に沿った耐震診断、補強対策検討、老朽化対応等を実施しています。今後も我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業に参画していきます。 (EFEXIS®開発) 解析・診断技術等、当社がこれまでに培ったプラントエンジニアリングの専門知識や知見と最新のクラウド技術、IoT技術を融合させたEFEXIS®ソリューションは、国内外の顧客プラントで導入が進んでおり、従来、熟練した操作員の知見や感覚に頼ることが多かった部分の自動化・効率化による操業中プラントの収益性向上に貢献しています。EFEXIS®FCC最適運転AIシステム(FCC AI Optimizer®)を導入した太陽石油㈱四国事業所では、重油を高温下で触媒と反応させガソリンや軽油を製造する残油流動接触分解装置(RFCC装置)の運転最適化が実現し、安定操業に寄与するなど大きな導入効果が出ています。 また、西部石油㈱と共同で実施している、装置監視AIを活用した運転支援システム構築事業は、一般社団法人社会実装推進センターの2020年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金に採択されており、EFEXIS®の更なる展開・効果検証を推進しています。 (5) その他の取組み (宇宙関連) 当社はエンジニアリングの技術や知見を宇宙利用の拡大に活かすことを視野に入れ、1990年代から国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)向けに、画像処理・通信装置、細胞培養実験・植物生育実験に用いる科学機器といった国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に搭載する機器設備の開発を中心に取組みを継続してきました。 現在、JAXAとインド宇宙開発機関との国際共同ミッションとして、2024年に打ち上げを目標にしている月極域探査ミッションで使用する月探査ローバに搭載される水資源分析計や、2024年頃からアメリカ、カナダ、欧州及び日本の宇宙開発機関の協働での組立が予定されている月周回有人拠点(月探査ゲートウェイ)に設置するCO2除去装置の開発を担当しています。地球低軌道にある国際宇宙ステーションから月面に向けて事業領域の拡大を進めています。
FY2022|2,157 文字
5【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでいます。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③バイオ・医薬・ライフサイエンス分野④エンジニアリング力強化 <ガス・石油・環境分野>・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)は、国内の商業装置へ6件の納入実績があり、何れも顧客から高い評価を頂いています。国内他社へのセールス活動に加えて、海外へ展開すべく、海外パートナー候補企業との協議を進めています。・既に多くの商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121 CHIYODATHOROUGHBRED 121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において複数の案件を受注、更なる拡大を目指しています。・その他CO2の化成品等への有効利用に向けた開発及び実用化について積極的に取り組んでいます。CO2の化成品への有効利用の一例として、ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂等の原料となるパラキシレン製造に関する技術開発を開始しており、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニアリング㈱、日本製鉄㈱、ハイケム㈱、三菱商事㈱と協力して画期的な触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討などを進めています。またアメリカBlue Planet社、三菱商事㈱と共に、CO2の炭酸塩化に関する技術開発と事業化を推進しています。<再生可能エネルギー分野>・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素TM)の開発を実施しており、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と共同で、ブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給するNEDO実証事業を2020年12月無事に完了し当技術の商業規模へのスケールアップが可能であることを確認しました。同システムについては、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で覚書を締結し、当社の独自技術を用いた水素の輸入利用・事業化に向けての技術及び商務面での協議・検討を進めています。さらに2022年3月からはシンガポール政府からの助成金交付を得て現地大学NTU(Nanyang Technological University)およびNUS(National University of Singapore)の研究者と共に水素サプライチェーン構築のための連携プログラムを進めています。・CO2を電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術は、NEDOのムーンショット型研究開発事業に採択されました。国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、UBE㈱、清水建設㈱、国立大学法人東京大学及び国立大学法人大阪大学と共同で開発を進めていきます。・アンモニアの燃料利用拡大に向けアンモニア製造コストを低減する新触媒の開発・技術実証はNEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択され、東京電力ホールディングス㈱、JERA㈱と共同で開発を進めていきます。<バイオ・医薬・ライフサイエンス分野>・医薬・ライフサイエンス分野では、シオノギファーマ㈱と協力して医薬品開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性の向上を可能とする医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発・検討を実施し、同技術を実装するため、シオノギファーマ㈱を中心としてジョイントベンチャーを設立することを決定し、当社もこれに参画することにしました。また、再生医療等製品・細胞医薬品を安全かつ安定に製造するため、筑波大学内に設置したつくば幹細胞ラボと連携し、iPS細胞等幹細胞の品質評価・製造プロセスに関する技術開発を進めています。<エンジニアリング力強化>・プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やダイナミック・シミュレーションを中心とした運転最適化と設備保全技術の高度化を図っています。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や補強対策検討、老朽化対応技術を高度化、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しています。・デジタルイノベーション関連では、一般社団法人社会実装推進センターの令和2年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金に採択され、西部石油㈱と共同で「装置監視AIを活用した運転支援システム構築事業」を遂行し、実装後の効果検証を開始しました。 なお、当社は研究開発センターを含む技術開発部約60名を中心に研究開発業務を遂行しており、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 1,343百万円です。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2021|2,103 文字
5【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでいます。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化 <ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商業展開を進めています。本技術はCO2を原料として利用することから、製造プロセスの低炭素化を目指す化学メーカーからも注目され、現在、複数の案件について取り組んでいます。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)は、国内の商業装置へ6件の納入実績があり、何れも顧客から高い評価を頂いています。国内他社へのセールス活動に加えて、海外へ展開すべく、海外パートナー候補企業との協議を進めています。・既に多くの商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において複数の案件を受注、更なる拡大を目指しています。触媒酸化法排煙脱硫装置(CASOX PROCESS®)は、システムの簡便性、無排水という利点を生かし、ビジネス化を図っています。・その他CO2の化成品等への有効利用に向けた開発及び実用化について積極的に取り組んでいます。CO2の化成品への有効利用の一例として、ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂等の原料となるパラキシレン製造に関する技術開発を開始しており、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として共同研究者である国立大学法人富山大学、日鉄エンジニアリング㈱、日本製鉄㈱、ハイケム㈱、三菱商事㈱と協力して画期的な触媒の改良、量産技術の開発やCO2削減効果を含めた事業性検討などを進めています。また米国Blue Planet社、三菱商事㈱と共に、CO2の炭酸塩化に関する技術開発と事業化を推進しています。<再生可能エネルギー分野>・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しており、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と共同で実施していた、ブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給するNEDO実証事業は、予定どおり2020年12月無事に運転を完了し当技術の商業規模へのスケールアップが可能であることを確認しました。同システムについては、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で覚書を締結し、当社の独自技術を用いた水素の輸入利用・事業化に向けての技術及び商務面での協議・検討を進めています。・CO2を電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術は、NEDOのムーンショット型研究開発事業に採択されました。国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱、宇部興産㈱、清水建設㈱、国立大学法人東京大学及び国立大学法人大阪大学と共同で開発を進めていきます。<新化学・バイオ・水分野>・植物工場は、市場拡大と施設大型化が進行する葉物植物工場を対象に、国内大手植物工場事業者であるMIRAI㈱と技術提携し、市場開拓や新技術の検討を遂行しています。・医薬・ライフサイエンス分野では、シオノギファーマ㈱と協力して、医薬品開発のスピードアップと生産時の品質や作業安全性の向上を可能とする医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発・検討を進めています。また、細胞医薬品・再生医療製品の安定・安全な製造工程を実現するiPS細胞の製造品質や自動化に関する技術開発を遂行しています。<エンジニアリング力強化>・プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やダイナミック・シミュレーションを中心とした高度解析技術と高度制御技術の高度化を図っています。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対応技術を高度化、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しています。・デジタルイノベーション関連では、一般社団法人環境共創イニシアチブの令和2年度 産業保安高度化推進事業費補助金に採択され、西部石油㈱と共同で「IoTセンサーデータと運転データの融合AIを活用した運転支援システム構築事業」を遂行し、実装後の効果検証を開始しました。 なお、当社は研究開発センターを含む技術開発部約60名を中心に研究開発業務を遂行しており、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 1,582百万円です。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2020|2,103 文字
5【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、それぞれの時代、或いは、将来の社会・顧客課題の解決、それを通じたビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでいます。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化 <ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商品化を進めています。本技術はCO2を原料として利用することから、製造プロセスの低炭素化を目指す化学メーカーからも注目され、現在、複数の国内2号基案件について取り組んでいます。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)は、国内で3基の商用運転を行っており、この度新たに2基の触媒交換を受注しました。何れも顧客からも高い評価を頂いています。国内他社へのセールス活動に加えて、海外へ展開すべく、海外パートナー候補企業との協議を進めています。・既に多くの商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において複数の案件を受注、更なる拡大を目指しています。触媒酸化法排煙脱硫装置(CASOX PROCESS®)は、システムの簡便性、無排水という利点を生かし、ビジネス化を図っています。・従来技術に比べて低炭素な形でナフサからプロピレンを製造する新技術開発の実装を検討するために、パートナー企業候補との議論を進めています。・その他CO2の化成品等への有効利用、廃プラスチック問題の解決に向けた開発及び実用化について積極的に取り組んでいます。<再生可能エネルギー分野>・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しており、2020年にブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給する実証事業を、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と技術組合を設立し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として進めています。ブルネイ、川崎の実証プラントの建設を終了し、実証運転を行っています。同システムについては、シンガポール水素社会実現の鍵となる候補技術としても注目されており、同国政府・関係民間各社との間で協議・検討を進めています。・NEDO先導研究プログラムにて、CO2を電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱と進めています。<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結しており、KBRの販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めています。・植物工場は、従来型の葉物植物工場技術について、国内大手植物工場事業者である㈱MIRAIと技術提携し、セールス活動、新技術の検討などを遂行しています。・医薬・ライフサイエンス分野では、現在のEPC主力分野である低分子・高分子医薬品施設向けの連続製造技術開発、中分子医薬品(ペプチド・核酸)の自動合成機開発や今後の成長分野である再生医療医薬品の安定・安全な製造工程に向けたiPS細胞品質管理技術開発を実施しています。<エンジニアリング力強化>・プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析(FEM解析、熱流動解析等)やダイナミック・シミュレーションを中心とした高度解析技術と高度制御技術の高度化を図っています。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対応技術を高度化、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しています。・デジタルイノベーション関連では、国内有数のAIベンチャー企業である㈱グリッドとの業務提携に基づき、引き続きAI技術を活用したプラント生産性向上に向けた活動を継続しています。その一環として、アラブ首長国連邦のアブダビ・ガス液化公社と、同社が保有するLNGプラントに対し、「先進的デジタル技術」を提供する内容の覚書を締結し、各種スタディを遂行しています。また、インドネシアのドンギ・スノロLNG社の稼動中LNGプラント向けの、生産効率の改善とLNG増産支援を目的としたAI技術の本開発は完了し、定量的に増産効果を確認、2019年9月に新聞発表を行いました。 なお、当社は研究開発センターを含む技術開発部約60名を中心に研究開発業務を遂行しており、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 1,620百万円です。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2019|2,142 文字
5【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、ビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでいます。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化 <ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商品化を進めています。本技術はCO2を原料として利用することから、化学メーカーからも注目され、現在、複数の国内2号基案件について取り組んでいる他、海外新規プロジェクト案件についても対応を進めており、今後が期待されています。・東南アジアに多く存在するCO2ガスを多量に含む天然ガス田は高付加価値化が求められています。原料ガスからCO2を効率的に除去するため、高性能ゼオライト膜を利用した技術開発を三菱ケミカル㈱と共同で進めています。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)は、国内で3基の商用運転を行っており、顧客からも高い評価を頂いています。国内他社へのセールス活動に加えて、海外へ展開すべく、海外パートナー候補企業との協議を始めました。・既に多くの商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において受注拡大を目指しています。触媒酸化法排煙脱硫装置(CASOX PROCESS®)は、システムの簡便性、無排水という利点を生かし、ビジネス化を図っています。・ナフサからの新規プロピレン製造技術開発の実装を検討するために、パートナー企業候補との議論を始めました。<再生可能エネルギー分野>・太陽熱と高温溶融塩(Molten Salt)を利用した次世代型太陽熱発電システムは、内閣府SIPプロジェクトを終了し、要素技術である溶融塩を利用した蓄熱エネルギー発電技術の可能性についてエネルギー企業と検討しています。・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しており、2020年にブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給する実証事業を、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と技術組合を設立し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として進めています。・NEDO先導研究プログラムにて、CO2を電気還元してオレフィンやアルコールに転換する技術開発を国立研究開発法人理化学研究所、古河電気工業㈱と進めています。<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結しており、KBRの販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めています。・植物工場は、従来型の葉物植物工場技術について、国内大手植物工場事業者である㈱MIRAIと技術提携し、セールス活動、新技術の検討などを遂行しています。・医薬・ライフサイエンス分野では、現在のEPC主力分野である低分子・高分子医薬品施設向けの連続製造技術開発、中分子医薬品(ペプチド・核酸)の自動合成機開発や今後の成長分野である再生医療医薬品の製造工程に向けたiPS細胞品質管理技術開発を行い、案件獲得に向け積極的に学会発表や社外講演を実施中です。<エンジニアリング力強化>・PLE(プロジェクト・ライフサイクル・エンジニアリング)に対する各種エンジニアリング力強化に向け、デジタル技術を活用した各種開発を推進・支援しています。・プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析やダイナミック・シミュレーションを中心とした高度解析技術と高度制御技術の高度化を図っています。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対応技術を高度化、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しています。・デジタルイノベーション関連では、国内有数のAIベンチャー企業である㈱グリッドとの業務提携に基づき、AI技術を活用したプラント生産性向上に向けた活動を継続しています。その一環として、アラブ首長国連邦のアブダビ・ガス液化公社と、同社が保有するLNGプラントに対し、「先進的デジタル技術」を提供する内容の覚書を締結し、各種スタディを遂行しています。また、インドネシアのドンギ・スノロLNG社の稼動中LNGプラント向けに、生産効率の改善とLNG増産支援を目的としたAI技術の本開発を進めています。 なお、研究開発業務に従事している人員は研究開発センターを含む技術開発部を中心に約70名であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 1,917百万円です。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2018|2,316 文字
5【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、ビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでいます。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化<ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の社会実装化を進めています。本技術はCO2を原料として利用することから、化学メーカーからも注目され、現在、複数の国内2号基案件について取り組んでいる他、海外新規プロジェクト案件についても対応を進めており、今後が期待されています。・東南アジアに多く存在するCO2ガスを多量に含む天然ガス田は高付加価値化が求められています。原料ガスからCO2を効率的に除去するため、高性能ゼオライト膜を利用した技術開発を三菱ケミカル㈱と共同で進めており、平成27年より独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の国内実証試験プロジェクトを立ち上げ、三菱ケミカル黒崎工場内にパイロットプラントを建設し実証運転を継続しています。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)の商用1号基は顧客の評価も高く、3年間順調に稼働したのちに、触媒を交換して稼働しています。国内他社へのセールス活動や、海外顧客からの問い合わせ対応など、営業展開が広がっており、商用2号基への触媒納入も実施しました。・既に多くの商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において受注を目指しています。触媒酸化法排煙脱硫装置(CASOX PROCESS®)は、システムの簡便性、無排水という利点を生かし、ビジネス化を図っています。・ナフサからの新規プロピレン製造技術開発を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託し、研究開発を実施しています。<再生可能エネルギー分野>・7年目の取り組みとなるメガソーラー発電所建設分野の受注実績も37か所累計で約460MWとなりました。FIT改正法の施行後も引き続き当社のシステムインテグレーションによる高い発電量と建設コスト競争力が高い評価を得ています。・太陽熱と高温溶融塩(Molten Salt)を利用した次世代型太陽熱発電システムは、NEDOより受託した「地球温暖化対策技術普及等推進事業」(JCMプロジェクト実現可能性調査)を完了し、次のステップへ向けての取り組みに入りました。・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しています。子安の研究開発センターに設置したデモンストレーションプラントで再生可能エネルギーからの水素製造/貯蔵・利用システムの実証運転及びデータ解析を実施した他、水素ステーション向け小型システムの開発・実証運転をNEDO事業として実施しました。また、2020年にブルネイで調達した水素を日本へ輸送・供給する実証事業を、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱と技術組合を設立しNEDO事業として進めています。<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結しており、KBRの販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めています。・非在来型水処理技術開発では、油田の随伴水処理についてJOGMECの国内実証試験プロジェクトにて国際石油開発帝石㈱八橋油田にパイロットプラントを建設し、実証運転を実施しました。・植物工場は海外展開を行なうにあたり、栽培レシピ、運転マニュアルを作成、又、2017年11月にU.A.E.のドバイで運転開始した第1号デモプラントの運転支援を行っています。・医薬・ライフサイエンス分野では、現在のEPCの主力である低分子・高分子医薬品施設向けの連続製造等の製造技術開発や、今後の成長産業である再生医療分野に向けたiPS細胞品質管理技術開発を進めています。<エンジニアリング力強化>・エンジニアリング力強化では、プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析やダイナミックシミュレーションを中心とした高度解析技術と高度制御技術への展開、IoTを視野に入れた各種検査/センシング技術・ICT技術、レーザースキャンなどを用いたプラントの3Dデジタル化、AIやBig Data解析技術を用いた高度な設備診断や運転の高度化支援を進めることにより、顧客へ総合的且つ適切なソリューションを提供し、当社のPLE(プロジェクト・ライフサイクル・エンジニアリング)の事業を様々な分野に展開しています。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対策を継続中で、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しています。 なお、研究開発業務に従事している人員は研究開発センターを含む技術開発ユニットを中心に約80名であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 18億73百万円です。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2017|2,226 文字
6【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、ビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでおります。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化<ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商業化を進めております。本技術はCO2を原料として利用することから、化学メーカーからも注目され、現在、複数の国内2号基案件について取り組んでいる他、海外新規プロジェクト案件についても対応を進めており、今後が期待されております。・東南アジアに多く存在するCO2ガスを多量に含む天然ガス田は高付加価値化が求められています。原料ガスからCO2を効率的に除去するため高性能ゼオライト膜を利用した技術開発を三菱化学株式会社と共同で進めており、平成27年より独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の国内実証試験プロジェクトを立ち上げ、三菱化学黒崎工場内にパイロットプラントを建設し実証運転を継続しております。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒(CT-HBT®)の商用1号基は顧客の評価も高く、3年間順調に稼働したのちに、触媒を交換して稼働しています。国内他社へのセールス活動や、海外顧客からの問い合わせ対応など、営業展開が広がっており、商用2号基への触媒納入も実施しました。・既に商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置(CT-121®)は、インドL&T社とライセンス契約を締結し、インド市場において受注を目指しています。触媒酸化法排煙脱硫装置(CASOX PROCESS®)は、システムの簡便性、無排水という利点を生かし、ビジネス化を図っております。・ナフサからの新規プロピレン製造技術開発を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託し、研究開発を実施しております。<再生可能エネルギー分野>・太陽熱と高温溶融塩(Molten Salt)を利用した次世代型太陽熱発電システムは、NEDOより「地球温暖化対策技術普及等推進事業」(JCMプロジェクト実現可能性調査)を受託し、チリ共和国で案件調査を遂行しております。・6年目の取り組みとなるメガソーラー発電所の受注実績も36か所累計で約300MWとなりました。FIT改正法の施行へ向けて、引き続き、当社のシステムインテグレーションによる高い発電量と建設コスト競争力が高い評価を頂いております。・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しております。子安の研究開発センターに設置したデモンストレーションプラントは、再生可能エネルギーからの水素製造/貯蔵・利用システムの実証運転をNEDO委託事業として行っております。また、2020年の実証事業に向けた各種検討を進めている他、水素ステーション向け小型システムの開発もNEDO事業として進めております。<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結しており、KBRの販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めております。・非在来型水処理技術開発では、油田の随伴水処理についてJOGMECの国内実証試験プロジェクトにて国際石油開発帝石株式会社八橋油田にパイロットプラントを建設し、現在、実証運転を実施しております。・植物工場の海外展開を行なうにあたり、栽培レシピ、運転マニュアルを作成しております。<エンジニアリング力強化>・エンジニアリング力強化では、プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる3次元解析やダイナミックシミュレーションを中心とした高度解析技術、IoTを視野に入れた各種検査/センシング技術・IT技術、レーザースキャンなどによる3Dモデル化技術、AIやBig Data解析技術を用いた高度な設備診断や運転の高度化支援を進めることにより、顧客へ総合的且つ適切なソリューションを提供し、当社のPLE(プロジェクト・ライフサイクル・エンジニアリング)の事業を様々な分野に展開しております。平成27年度から、宇宙関連事業で培ってきたバイオサイエンス技術や医薬分野のエンジニアリング力を生かして先端医療技術分野へエンジニアリング事業を広げるべく、再生医療技術やバイオ医薬品技術開発ラボの運用を開始しました。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対策を継続中で、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しております。 なお、研究開発業務に従事している人員は研究開発センターを含む技術開発ユニットを中心に約80名であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 20億75百万円であります。 (2) その他の事業 該当活動はありません。
FY2016|1,894 文字
6【研究開発活動】(1) エンジニアリング事業 当社の研究開発活動は、ビジネスの発掘、受注の促進、付加価値の増大、技術優位性の確立等に寄与する技術・商品の開発を目指し、以下の4つを重点分野として取り組んでおります。①ガス・石油・環境分野②再生可能エネルギー分野③新化学・バイオ・水分野④エンジニアリング力強化<ガス・石油・環境分野>・天然ガスをCO2により改質し、GTL、メタノール、オキソアルコールなどの原料となる合成ガス(CO/H2)を製造するCO2改質プロセス(CT-CO2AR®)の商業化を進めております。本技術はCO2を原料として利用することから、化学メーカーからも注目され、現在、複数の国内2号基案件について取り組んでいる他、海外新規プロジェクト案件についても対応を進めており、今後が期待されております。・軽油の超深度脱硫用として開発したハイブリッドチタニア触媒CT-HBTTMは、商用1号基が一昨年2月から順調に稼働しております。また国内別顧客向けのサンプル油処理試験を実施しています。国内他社へのセールス活動や、海外顧客からの問い合わせ対応など、営業展開が広がっております。・既に商業化実績のある排煙脱硫技術では、湿式石灰石石膏法排煙脱硫装置CT-121®は、石炭種の低品位化、微量成分の規制強化に対して技術改良・技術強化を進め、営業展開を図っております。触媒酸化法排煙脱硫装置CASOX PROCESS®は、システムの簡便性、ゼロエミッションという利点を生かしビジネス化を図っております。・ナフサからの新規プロピレン製造技術開発を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より受託し、事業として開始しております。<再生可能エネルギー分野>・太陽熱と高温溶融塩(Molten Salt)を利用した次世代型太陽熱発電システムのデモプラントの実証運転を成功裡に終え、現在はNEDOより「地球温暖化対策技術普及等推進事業」(JCMプロジェクト実現可能性調査)を受託し、チリ共和国で案件調査を遂行しております。・5年目の取り組みとなるメガソーラー発電所の受注実績も累計で230MWを超え、引き続き当社のシステムインテグレーションによる高い発電量と建設コスト競争力が高い評価を頂いております。・将来の水素エネルギー社会への対応として、有機ケミカルハイドライドを用いた水素輸送/貯蔵システム(SPERA水素®)の開発を実施しております。子安の研究開発センターに設置したデモンストレーションプラントは、再生可能エネルギーからの水素製造/貯蔵・利用システムの実証運転に向けた準備を行っております。また、実証事業に向けた各種検討を進めております。<新化学・バイオ・水分野>・一酸化炭素とメタノールを原料とする新酢酸合成プロセス(CT-ACETICA®)は、ライセンス販売に関し米国KBR社と業務提携契約を締結しており、KBR社の販売網も活用しながら新規顧客獲得に向けた活動を精力的に進めております。・非在来型水処理技術開発では、油田の随伴水処理について独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の国内実証試験プロジェクトがスタートし、国際石油開発帝石株式会社八橋油田にてパイロットプラントを建設中です。<エンジニアリング力強化>・エンジニアリング力強化では、プラント建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)で重要となる高度解析技術(特に3Dやダイナミックシミュレーションを中心とした高度解析技術、複数技術統合など)や各種検査/センシング技術・IT技術、レーザースキャンやストリートビューによる3Dモデル化技術の開発を進めることにより、高度なソリューションを提供し、当社のPLE(プロジェクト・ライフサイクル・エンジニアリング)の事業を様々な分野に展開しております。特に平成27年度からは、宇宙関連事業で培ってきたバイオサイエンス技術や医薬分野のエンジニアリング力を生かし、我が国の先端医療技術分野へエンジニアリング事業を広げました。また、国土強靭化法に沿った製油所・油槽所を中心とするプラント設備や燃料供給基地の耐震診断や老朽化対策を継続中で、我が国の要となるエネルギー供給設備の強化事業にも参画し、我が国のエネルギー安全保障に貢献しております。 なお、研究開発業務に従事している人員は研究開発センターを含む技術開発ユニットを中心に約80名であり、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は 19億8百万円であります。 (2) その他の事業 該当活動はありません。