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荏原製作所

機械 機械

研究開発費(時系列)

年度R&D費用(億円)設備投資(億円)
2025-12 - 1,007
2024-12 - 586
2023-12 - 407
2022-12 - 276
2021-12 - 228

研究開発活動(本文)

FY2025|4,451 文字
6 【研究開発活動】当社グループでは、2020年に策定した“価値創造ストーリー”である「E-Vision2030」の実現に向け、重要課題とした「5つのマテリアリティ」を解決するプロセスを通じて持続的に社会に貢献するため、各事業部門の研究開発組織、及びコーポレートの研究開発組織で研究開発に取り組んでいます。各事業部門、及び各グループ会社では、新技術の実用化・新製品応用のための研究開発、及び技術や製品の高付加価値化に向けた研究開発を、業務提携などの外部との協業も活用して効果的に進めました。コーポレート研究組織では、事業部門と密接に連携を取りながら、事業を支える共通基盤と重要なコア技術の開発を進めています。今期は前期に進めたナノ領域の研究人材強化を更に推進するため、カンパニーの基礎技術開発人材をコーポレート研究組織に移すとともに連携強化のための会議体を充実させることで、研究成果を効率的に、かつ速やかに事業移管できる体制としました。さらに「研究開発戦略策定委員会」にて、2030年以降を見据えた中長期の技術開発戦略策定のためのテーマ選定活動を継続的に実施しました。この活動は長期のメガトレンドを起点にして社会課題解決に必要なテーマを見出し、概念検証などを繰り返しながら研究テーマ化することで、将来の社会課題解決および当社の成長に不可欠な研究テーマを創出するものです。また、新事業創出のための制度であるEIX(Ebara Innovation for X)制度を活用した仮想・拡張・複合現実(xR)技術の開発は、既に複数の事業部門で実用段階となり、製造現場のDX化に貢献しています。また社内の技術情報や知識を学習して社員の技術・研究開発活動を支援する当社独自の「自律分散型AIエージェント」の開発も、順調に進んでいます。水素関連事業は、全社が有する技術やノウハウを活かし、「つくる」「はこぶ」「つかう」のすべての分野でクリーン水素関連技術の社会実装に向けて活動をさらに強化してきました。2030年に向けて世界で検討されている液体水素サプライチェーンの構築には液体水素遠心ポンプが必要不可欠です。当社は、世界に先駆けてこれを開発し、実証プロジェクトへ参画し、検証を始めました。また、水素ステーション用のプランジャポンプの実液試験、水素焚吸収式冷温水機の長期運転実証など、これまで取り組んできたソリューション開発が進み、受注を伴う事業フェーズに入ってきました。航空宇宙産業領域では、衛星用ロケットや水素航空機用の燃料供給ポンプの開発や実液試験などが計画通りに進み、顧客との共同開発を通じて市場へ投入する段階になりました。水素関連事業では、水素および航空宇宙といった新市場探索および新たな技術開発を強力に推進し、将来の成長に資する事業創出を加速させています。天然ガスを使ったターコイズ水素製造では、NEDO委託事業のステージゲート審査を通過し、2026年3月までの継続が決定しました。本決定は、当社の独自触媒を用いたプロセスで、メタンの94%以上を分解し、高純度の水素を生成することに成功した技術が評価されたものです。マリン関連では、静岡県内に陸上養殖の実証施設が稼働し、2025年より生産と出荷を開始しました。実証施設で得た課題を開発製品に反映し「水や食べるものに困らない世界」への貢献につなげます。バイオ関連では、細胞を大量培養可能な還流培養装置を開発し、有用性を実証するため外部機関においても性能評価を実施しています。本評価結果を踏まえ、装置のさらなる改善を行い、2026年度中のテスト販売を目指しています。製造技術関連では、袖ヶ浦事業所内に設けたグループ全体の製造技術をサポートする実証開発環境「EMTAC(Ebara Manufacturing Technology Advanced Center)」において、鋳造・溶接/接合・機械加工・プレス・表面改質・3D(造形/計測)・非破壊(CT)技術を対象に、開発試作のスピードアップを推進してきました。「開発試作品を3日でお手元に」の実現に向け、新たにインクリメンタルフォーミング技術、バイオプラスチック射出成型技術など新製造技術も取り入れ、更なるスピードアップおよび新たな製造技術開発を推進しています。また、AM(Additive manufacturing)技術に関する部門を製造技術関連部門に集約し開発及び試作・製作の事業展開を加速させています。生産プロセス技術関連では、生産ラインシミュレーションによる工程の最適化およびAI映像解析による自動分析を導入し、生産体制の強化を図っています。当連結会計年度の研究開発費は23,233百万円です。セグメントごとの研究開発活動の状況は、以下のとおりです。 (建築・産業)建築・産業分野では、標準ポンプ、送風機、冷熱機器の各製品とサービスの開発に加えて、これら製品の組合せによるソリューション技術を模索、提案することで、より複雑化した顧客の課題解決に取り組んでいます。標準ポンプでは、インバータ内蔵PMモーター(IVM:Intelligent Variable-speed Motor)を搭載した高効率可変速ポンプシリーズのラインナップを拡充しました。高い省エネルギー性(平均35%の電力削減)と既設ポンプからの取替容易性といった特長を生かし幅広い顧客のエネルギーコストの削減及びカーボンニュートラルの実現に貢献します。また、グローバル市場向けに、異物が詰まりにくい構造と高効率運転を両立した「ノンクロッグ汚水水中ポンプDKE型」の販売を開始しました。本製品は2023年から米国向けに先行販売しており、欧州、中国、東南アジア、中東などへ販売地域を拡大しました。冷熱機器では、環境に配慮したヒートポンプなどの廃熱利用製品や、地球温暖化係数の小さい冷媒を採用したターボ・スクリュー式冷凍機のラインナップ拡充、応用範囲拡大を継続しています。産業チラーでは、安定稼働と省エネルギー効果を検証するため、市場での評価を継続しています。半導体業界における先端エッチング装置では、ウエハー上の回路加工精度やエッチング速度向上のため、製造プロセスの極低温化が進行中であり、これに対応する製品開発を進めています。また、低消費電力化および脱フロン化などの市場ニーズに対し、消費電力・冷却水使用量の低減を追求し、自然冷媒を用いた装置の開発を継続しています。送風機では、省エネルギー化に向けて送風機効率をより高める開発や、送風機に使用する材料をレアメタル含有量の少ない材料に変更するなど、持続可能な社会に貢献する製品の開発を継続します。遠隔監視ソリューションでは、建築設備、生産設備および熱源設備全体において、状態監視の無人化、点検の省力化、ライフサイクルコストの最適化などの価値提供を目指し、遠隔監視システムである荏原メンテナンスクラウドの市場実装に注力しました。当連結会計年度の研究開発費は5,505百万円です。 (エネルギー)エネルギー分野では、市場を取り巻く環境が大きな変革期を迎える中で、エネルギートランジションに対応した水素、アンモニア、CCUSなどの次世代エネルギー向けの製品開発と製品ラインナップの拡充に取り組んでいます。コンプレッサでは、サステナビリティ領域向けに高効率・省スペースのCO₂、水素コンプレッサの開発が進行しており、市場投入に向けた準備を進めています。タービンでは、省エネ・省資源に貢献する新型高効率タービンの開発を完了し、販売を推進しています。また、コンプレッサ、タービン、クライオポンプの性能改善と信頼性向上に向けた要素技術の開発に関しても継続して進めています。カスタムポンプでは、昨年開発を完了したアンモニアキャンドモータポンプが国内を中心に多くの引合いをいただいており、受注も始まっております。また、顧客の保全コストやCO₂の削減、プラントの長期安定稼働などの課題を解決し、プラントの収益の最大化を支援するために、顧客現場のデータと当社が保有する回転機械技術を用いた遠隔監視・予知診断の商用化に向けて国内外の顧客とPoC(概念実証)を進めています。当連結会計年度の研究開発費は2,678百万円です。 (インフラ)インフラ分野では、製品、システム技術および建設に関して国内外の各顧客の特徴に沿った最適化を実現するための開発を行っています。用途、使用環境による様々な要望に応える設備の実現のみならず、管理・運営技術の高度化、省エネ・省資源・環境負荷低減を目指した継続的な開発を行っています。一方でカスタムポンプ製品の製造を担う富津工場では、インフラカンパニーのみならず、エネルギー、建築・産業分野における海外工場での開発支援および脱炭素のニーズに応える製品の供給に関しても継続して進めています。当連結会計年度の研究開発費は752百万円です。 (環境)環境分野では、廃棄物処理施設の建設工事(EPC)から施設運営・維持管理(O&M)までを一括して行うDBO事業、既存施設の延命化を提案する延命化事業、既存施設の長期にわたる運営委託を受ける長期包括事業に取り組んでいます。こうした中、施設更新に伴う機能強化、ライフサイクルコスト低減を可能とする新技術・新製品開発、保守運営技術の改良開発に加え、運転自動化の実現を視野に入れたAI/ICT技術の活用を推進しています。また、再生可能エネルギーの需要拡大を見込み、廃棄物処理施設やバイオマス発電施設における発電効率や運転の安定性を向上するための要素技術の開発に取り組んでいます。さらに、最近の世界的な動きとなっているカーボンニュートラルやプラスチックによる海洋汚染抑制に寄与すべく、廃プラスチックのケミカルリサイクルに適用する資源化技術の開発を行っています。当連結会計年度の研究開発費は2,287百万円です。 (精密・電子)精密・電子分野では、半導体デバイス製造プロセスにおいて、チップの微細化や3次元集積化そして重要度が増している新しいパッケージング技術など急成長する生成AIや自動運転などの高性能コンピューティング分野に関する技術要求にも対応するよう、装置の改良・改善及び新機種の開発に取り組んでいます。コンポーネント製品においては、更なる省エネ・省スペース化及び環境負荷低減に貢献できる総合排気機器メーカの強みを活かした製品の開発、さらには、DX技術やxR技術による生産性や品質の向上及び顧客の安定稼働を支える状態監視・予知診断の商用化にも取り組んでいます。また、顧客との共同開発・コンソーシアムへの参画、さらには各大学との共同研究などを通して、次世代半導体プロセス技術の研究も継続しています。当連結会計年度の研究開発費は12,009百万円です。

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