研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 68 |
| 2024-03 | - | 57 |
| 2023-03 | - | 43 |
| 2022-03 | - | 63 |
| 2021-03 | - | 40 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,496 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のSWCCパーパスのもと、ソリューション提案型のメーカーへの進化を目指し、持続可能な社会に向けた課題解決や未来社会に貢献する研究開発を実行しております。 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、電装・コンポーネンツ事業、通信・産業用デバイス事業では、高い公共性を有するインフラ、モビリティ分野に大きく関わる新製品やサービスの開発を進めております。また、次世代のビジネス領域を切り拓く既存事業と新しい領域をかけ合せ、あらたな優位性を創出する技術・研究開発を推進しております。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,991百万円であり、その成果は次のとおりであります。 (エネルギー・インフラ事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱、冨士電線㈱および㈱昭和サイエンスを中心に進められております。 電力事業分野では、当社戦略製品である高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX®(サイコネックス)」を核とし、主に変電所に対し、ケーブル・機器部品・接続工事システム「SICOPLUS®(サイコプラス)」を展開しています。154kVクラスのT形終端接続部を開発、リリースし、主力製品であるSICONEX®のラインナップを拡充しました。本製品は変電所で使用される機器の省スペース化や接続工事の省力化に大きく寄与が見込まれ今後の適用拡大が期待できます。 免震分野では、(一社)日本ゴム工業会と(一社)日本免震構造協会の共同プロジェクト「実大動的特性評価委員会」に参加し、大サイズ免震製品用試験機E-Isolationで当社製積層ゴムの動的特性が評価されました。大学および建設会社との積層ゴムや弾性すべり支承の共同研究も継続しており、成果を(一社)日本建築学会等で発表しました。これらの知見は今後、災害に有効な免震構造の発展に活用される予定です。 除振分野では、半導体ウエハ検査装置向けアクティブ除振台の開発に注力しています。検査装置内のウエハを搭載するステージは検査効率を上げるため移動加速度が高まると同時にステージ移動時の衝撃を素早く減衰させる除振台の要求が増しています。高い制御推力と応答速度を持つVCMを搭載したアクティブ除振台を開発中であり、リリースの予定です。 当事業に係る研究開発費は480百万円であります。 (電装・コンポーネンツ事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱にて進められております。 モビリティ分野では、サーキュラーエコノミー実現に向けグリーン車載巻線の開発をしております。導体と絶縁材料のリサイクルの技術検証や高効率な製造システムの導入を進めています。また、耐火性能を求められる車載バスバー用に耐火被覆付き平角線を車メーカーや部品メーカーに試供品を提供し、量産車への採用に向け活動を進めております。 半導体分野では、すでに検査装置用ピン材として市場投入している銅銀合金の極細線を、高強度、高導電性といった優位性をいかし、ピン加工への展開も進めております。 国立大学法人東京大学が中心に進めている日本初電動車への走行中給電公道実証実験にて非接触コイルユニットが採用され実証試験中です。また本技術は、大阪万博のEVバス用ワイヤレス給電コイルユニットに採用されました。 当事業に係る研究開発費は288百万円であります。 (通信・産業用デバイス事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱および冨士電線㈱を中心に進められております。 メタルLANケーブルでは、細径・軽量化した超細径導体10G伝送用Cat.6Aの型のLANケーブルをビル用途向けに、そして耐屈曲・高遮へい機能を付加し産業用途向けに開発し、「FLANTEC®(フランテック)」のラインアップを拡充しました。 また、モビリティ分野では車載用STQ(Shielded Twist Quad)高速伝送ケーブルに続き、より軽量な車載用同軸ケーブルの開発を進めております。 光通信分野では、生成AIの適用拡大に従いデータセンターの建設が進展する中、各種機器の小型化、ケーブルの細径化・軽量化・高密度化が可能な戦略商品である光ローラブルリボン「e-Ribbon®(イーリボン)」のラインナップ拡充を図り、各国・各用途に合わせた、さらなる製品開発・ラインナップ拡充を進めてまいりました。 当事業に係る研究開発費は129百万円であります。(その他) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱および㈱アクシオを中心に進められております。 Smart Streamでは、電力インフラ業界での「作業安全・技能継承・業務効率化」の課題を解決するDXソリューションのADTPS®(Advanced Digital Transporter System)を開発しました。これは、仮想と現実の融合空間に3Dホログラム映像を組み込み、かつリアルタイムに離れた空間に体験者を“転送”します。本技術はマンホール内や鉄塔上などの点検に活用可能です。 ICT分野では、クラウドID管理の分野で、㈱アクシオの提供サービスである『Keyspider』に加え、会社間出向や異動後の引継ぎ対応など日本特有の複雑なIDライフサイクル要件に対して、より確実なIDガバナンスを実現するため、新たに「Keyspider Plus」のサービスを開始し、更に機能の拡張・向上のために開発を進めています。 国立大学法人東北大学に設置した「SWCC×東北大学 高機能金属共創研究所」を通じて、銅合金や超電導などの共同研究を開始しました。本研究成果は、関係学会等で発表していく予定です。また、超電導では、大電力・大電流の送配電において、省エネ効果がある超電導ケーブルシステムの開発や、NEDO委託事業の航空機用超電導推進システム用途の細径・軽量な超電導ケーブルや高強度線材の開発を進めております。 当事業に係る研究開発費は1,092百万円であります。
FY2024|2,429 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のSWCCパーパスのもと、信頼とイノベーションにより「社会課題の解決」と「企業価値向上」を図るサステナブルな未来社会に貢献する研究開発を実行しております。 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、電装・コンポーネンツ事業、通信・産業用デバイス事業では、高い公共性を有するインフラ、モビリティ分野に大きく関わる新製品やサービスの開発を進めております。また、DXによるソリューションビジネスへ展開するとともに、電線事業以外の領域への新製品・商品開発や新規事業の開拓を推進しております。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,568百万円であり、その成果は次のとおりであります。 (エネルギー・インフラ事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱、冨士電線㈱および㈱昭和サイエンスを中心に進められております。 電力事業分野では、軽量・コンパクトで環境にも配慮した戦略製品である66kV~275kVの接続部品「SICONEX®(サイコネックス)」を用いた高電圧電力ケーブル接続工事に加え、就労人口減少に対応するため、SICONEX®に工事や教育を含めた電力工事のソリューションビジネスである「SICOPLUS®(サイコプラス)」を推進しております。さらに教育ツールの1つとして仮想空間と現実とを重ね合わせるAVR®(Advanced Virtual Reality)システムを66/77kVのSICONEX®施工技能教育に導入しました。また、新人施工人員の現場での経験値を補うツールとして、ベテラン技術支援者と作業現場を映像と音声でリアルタイムにつなぐ遠隔サポートシステム「SICOREMO®(サイコリモ)」を実用化しました。これらは、各電圧階級の変電所・発電所・送電線の建設工事において、接続作業の省力化、簡素化、品質管理の強化が図れるため適用が広がっております。 免震分野では、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」で設置された大サイズ免震製品用試験機を使い、建物に多く使われる大サイズの天然ゴム系積層ゴムや弾性すべり支承の製品性能を測定しました。また錫プラグ入り積層ゴムや弾性すべり支承の基礎的な研究成果を大学と共同で(一社)日本建築学会で発表しました。本成果は、災害に有効な免震構造の発展に活用される予定です。 当事業に係る研究開発費は391百万円であります。 (電装・コンポーネンツ事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱にて進められております。 電動化など大きな変革期にあるモビリティ市場への貢献を目的に「モビリティ開発センター」を設立しました。本センターで低損失巻線技術を応用した非接触給電コイルを開発し、国立大学法人東京大学が中心となり進めている柏の葉スマートシティ内の日本初電動車への走行中給電公道実証実験にて当社のコイルユニットが採用されました。また電動車向けの電装部品である車載バスバー用耐火仕様覆付き平角線を開発し、試供品提供を開始しました。本製品には高機能無酸素銅「MiDIP®(ミディップ)」を使用することで高い加工性や導電性を有しております。 高強度、高導電性で優位性がある銅銀合金の極細線製造技術を応用し、半導体検査装置用ピン材を開発し市場投入を開始しました。 当事業に係る研究開発費は84百万円であります。 (通信・産業用デバイス事業) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱および冨士電線㈱を中心に進められております。 メタルLANケーブル「FLANTEC®(フランテック)」の技術を活用し、産業機器の自動化やプロセス制御用のインダストリー向けとして、10G伝送用Cat.6Aに対応した製品の超細径型・耐屈曲・高遮へいタイプの開発を継続しております。またモビリティ分野の車載カメラに使用されるSTQ(Shielded Twist Quad)高速伝送ケーブルを開発し市場参入しました。さらに細径・軽量なSPE(Single Pair Ethernet)ケーブルの開発と新市場展開を進めてまいります。 光通信分野では、各種機器の小型化、ケーブルの細径化・軽量化・高密度化が可能な戦略商品である光ローラブルリボン「e-Ribbon®(イーリボン)」を用い、米国市場に対応するためにTelecordia GR-20規格に適合したケーブルを開発しリリースしました。引き続き各国・各用途に合わせたさらなる製品ラインナップの開発・拡充を推進いたします。 当事業に係る研究開発費は144百万円であります。 (その他) 当事業における研究開発活動は、SWCC㈱および㈱アクシオを中心に進められております。 研究開発テーマの探索と推進・人財育成を目的に国立大学法人東北大学と「SWCC×東北大学 高機能金属共創研究所」を設置しました。銅合金等の革新的材料をはじめ次世代の技術・商品につながる研究開発を進めます。 超電導システムでは、大きな省エネルギー効果が期待できる大電流送配電システムへの実装検討を進めております。また、NEDO委託事業として、航空機用超電導推進システムにて、小型軽量化した超電導ケーブルや機器との接続部品を開発しております。 ICT分野では、クラウドID管理の分野で、ID棚卸機能、ID更新履歴などID管理が適切に行われるように統制された仕組み(IGA:IDガバナンス管理機能)の充実を求める企業が増加しており、㈱アクシオの提供サービスである『Keyspider』において、IGA機能とAI(人工知能)/ML(Machine Learning:機械学習機能)の実装に向けて開発を行っております。 当事業に係る研究開発費は948百万円であります。
FY2023|2,225 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、「SWCC VISION 2030 未来につなぐ価値を創造する」を掲げ、サステナビリティ経営のもと持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決に貢献する研究開発を実行しております。 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、電装・コンポーネンツ事業、通信・産業用デバイス事業では、高い公共性を有するインフラ、モビリティ分野に大きく関わる「信頼」に根差した新製品やサービスの開発を進めております。また、DXによるソリューションビジネスへ展開するとともに、ヘルスケア・インダストリーといった電線事業以外の領域への新製品・商品開発や新規事業の開拓を推進しております。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,378百万円であり、その成果は次のとおりであります。 (エネルギー・インフラ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、冨士電線㈱、および㈱昭和サイエンスを中心に進められております。電力事業分野では、軽量・コンパクトで環境にも配慮した戦略製品である接続部品「SICONEX®(サイコネックス)」を用いた電力高圧ケーブル接続工事に加え、少子高齢化を背景とした就労人口減少に対応するための施工人員ソリューション「SICOPLUS®(サイコプラス)」を推進しております。また、プラグインタイプの超高圧275kVスマート気中終端接続部を製品化し、「SICONEX®」の66kV~275kVまでのフルラインナップが完成し、各電圧階級の変電所・発電所・送電線の建設工事において、大幅な工期短縮、接続作業の省力化、簡素化が可能となりました。免震分野では、錫プラグ入り積層ゴムの基礎的な熱力学挙動を解明し、研究論文を(一社)日本建築学会で発表しました。この基礎的な研究の成果を今後の製品設計等へ反映していく予定です。また内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」で設置される大サイズ免震製品用試験機の実現に協力し、当社製品を含む縮小試験体を用いた試験機構造の検証結果を(一財)免震研究推進機構が発表しております。当事業に係る研究開発費は512百万円であります。 (電装・コンポーネンツ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および昭和電線ユニマック㈱を中心に進められております。高機能無酸素銅「MiDIP® OFC(ミディップ オーエフシー)」の加工性、導電性といった技術的優位性を明らかにし、モビリティ電動化に欠かせない材料として、市場ニーズに対応しています。自動車内の省スペース化や自動車組み立ての自動化などに貢献する電動車(xEV)向けの電装部品として、車載バスバー用被覆付き平角線の開発を進めております。銅銀合金の極細線製造技術を応用した半導体市場への適用等、特に高強度、高導電性で優位性がある半導体検査装置用ピン材用途開発に注力しております。また、産業技術総合研究所とAIを利用した高機能銅合金の開発プロセスの構築に向け共同研究を行っております。顧客ニーズ、環境負荷物質含有材料の代替としてソリューション貢献を図っていきます。当事業に係る研究開発費は18百万円であります。 (通信・産業用デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、および冨士電線㈱を中心に進められております。メタルLANケーブルの技術を活用し、産業機器の自動化やプロセス制御用のインダストリー向けとして、10G伝送用Cat.6Aに対応した超細径型・耐屈曲・高遮へいタイプや高温環境・耐熱(125℃)・屋外用タイプを開発し、ラインナップ拡充を継続しております。また、車載カメラやADAS(先進運転支援システム)に用いられる細径・軽量なSPE(Single Pair Ethernet)やSTQ(Shielded Twisted Quad)ケーブルの製品化や拡販を進めております。当事業に係る研究開発費は177百万円であります。 (その他、新規事業を含む)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および㈱アクシオを中心に進められております。ヘルスケア分野においては、低侵襲性医療における次世代ヘルスケア用途として、ロボット医療・介護、高度医療機器に必要とされる製品、感染症対策を考慮したディスポーザブル製品(カテーテルチューブなど)や、医療機関と共同研究中の医療機器用非接触給電の技術開発を進めております。超電導システム製品では、BASFジャパン㈱戸塚工場での三相同軸超電導ケーブルシステムの実証試験の成果において2022年度NEDO省エネルギー開発賞を受賞しました。2030年のカーボンニュートラルに向けての脱炭素要求の高まりにより、国内外のお客様から超電導ケーブルについて問い合わせがあり、省エネルギー効果を明確化し市場開拓を進めています。また、NEDO委託事業として、航空機用超電導推進システムにて、大幅に小型軽量化した超電導ケーブルを開発しています。基盤技術については、デジタル駆動型研究開発を進めております。材料やプロセスに関したインフォマティクス技術を活用し研究開発のDXを進めています。本技術は、様々な事業分野の製品開発に活用しております。当事業に係る研究開発費は669百万円であります。
FY2022|4,105 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、長期ビジョン「SWCC VISION 2030」および中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を新たに策定し、Change「構造改革のさらなる積み上げ」、Growth「成長フェーズへの移行」を掲げ、ESG経営のもと持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決に貢献する研究開発を実行しております。 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、通信・産業用デバイス事業、電装・コンポーネンツ事業では、高い公共性を有するインフラや自動車や医療分野に大きく関わる「信頼」に根差した新製品やサービスの開発や、DXによるソリューションビジネスへの展開を行っております。また新規事業ではIT分野への展開をはじめ、モビリティ・インダストリーといった電線事業以外の領域への新製品・商品開発やラインナップ増強を推進しております。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,414百万円であり、その成果は次のとおりであります。 (エネルギー・インフラ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められております。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した戦略製品である接続部品「SICONEX®(サイコネックス)」を用いた電力高圧ケーブル接続工事に加え、さらなる効率化・省力化と人財育成システム等を兼ね備えた接続工事システムの展開を新たなブランド「SICOPLUS®(サイコプラス)」の下で始動しました。これにより、今後も拡大していく電力市場における接続工事へのソリューションビジネス展開をさらに加速してまいります。また、人財教育プログラムには仮想現実(VR)映像に実写映像を重ねるAVR®技術を導入し、これまで現場中心のOJT教育であったところを、工事現場などを再現した仮想空間内で実在の工具や安全器具を使い、より高い臨場感を持って反復的に訓練を行うことで、早期の技能習得を可能としていきます。耐火電線分野では、近年自動火災報知設備等において、60V以下で耐火配線を行うケースが増えています。このことから、消防庁告示(耐火電線の基準)の60V以下の耐火ケーブルの性能基準が追加され、細径・軽量化した耐火電線を使用することができるようになりました。当社グループでは小勢力回路用耐火ケーブル(品名:EM-JSH®)を開発し、2022年1月に(一社)電線総合技術センターより、業界最速で消防庁告示適合品としての認証を受け、販売を開始しました。汎用電線分野では、やわらかいタイプのCVケーブルである低反発CVケーブルを開発しました。低反発CVケーブルは、延線時の可とう性に優れ延線工事等の施工性を改善することが可能となります。2022年度4月より販売を開始しており、CVケーブルの売上増を目指します。免震分野では、文化財保護技術として伝統木造建築物の制振構造化等を大学・設計事務所および建設会社とともに調査し、(一社)日本建築学会や海外の学会に発表しております。他に錫プラグ入り積層ゴムに関する学術研究の成果の一部を発表しております。またお客様との対話から、これまでに得られた知見を活かして、例えば積層ゴムを浮き床の拘束材に転用する等、当社製品の別用途展開を継続して提示できるようにしております。当事業に係る研究開発費は457百万円であります。 (通信・産業用デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、冨士電線㈱を中心に進められております。光通信分野では、5Gや高度化サービスの普及展開に必要な無線基地局用光ケーブルを上市すると共にラインナップ拡充に向けた開発を継続して進めております。総務省の高度無線化事業にも使われている光ローラブルケーブルは、国内では今後民需用途でも適用が進むことが想定され、さらに細径・高密度化の利点を活かした海外市場への拡販が見込まれるため、ケーブルのラインナップ拡充を進めております。 メタルLANケーブル分野では、主に商用ビルやデータセンターで用いられていた伝送方式「イーサネット」の高速化・大容量化に対応した次世代超高速伝送規格(25/40ギガビット伝送)Category 8(Cat.8)ケーブルの開発に業界最速で成功しております。また、工場等の過酷な環境で使用できる産業用LANケーブルの、高遮へい・耐屈曲に対応したCat.6A超細径仕様のラインナップ増強をしました。さらに次世代車載ネットワークとして、車載カメラやADAS(先進運転支援システム)に用いられる細径・軽量なSPE(Single Pair Ethernet)ケーブルの製品化も継続しております。また、これからの高速化・多目的用途による製品ラインナップ増強に伴い、新たにFLANTEC®(フランテック)ブランドを立上げ、開発活動・拡販活動に注力しております。精密デバイス関連では、プリンタ・複写機・商用印刷機に使用される定着ローラ、加圧ローラ、ベルト等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化などに対応した製品の市場投入を継続しております。また、従来比5倍の生産効率を高めた高品質・高効率の生産革新ラインをさらに増強しました。当事業に係る研究開発費は156百万円であります。 (電装・コンポーネンツ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、昭和電線ユニマック㈱を中心に進められております。線材では、高機能無酸素銅「MiDIP® OFC(ミディップ オーエフシー)」の安定稼働・BCM(事業継続マネジメント)対応を引き続き展開し、万一の事故に備えた炉体保守システムをアップグレードさせています。また品質(特に酸素量)の安定化・連続監視は、「流動溶融銅中の酸素濃度を連続的に測定するシステム」の実証実験・検証を重ねており、お客様・パートナーメーカーと共に最終段階の仕上げに取り組んでいるところです。銅銀合金は高強度・高導電性・高屈曲特性の特長を備えた銅合金であり、自動車の電動化対応としてバッテリーヒータ用途への展開をしております。さらに進歩が著しいカテーテル治療などの医療関連、そして極細線製造技術を応用した半導体市場への適用等、細径化・軽量化・長寿命化へのニーズに応えるため、開発を進めております。巻線では、高耐熱性および高効率・高信頼性が要求される車載機器関連分野においてポリイミド樹脂被覆の高電圧仕様のエナメル平角線を増産しております。現在、更なる高効率・低損失な車載機器用巻線の開発を進めており、お客様と協業しながら量産化に向け注力しております。また5G機器やPC・サーバに使用される電子部品向けとして、耐熱性および耐加工に優れた絶縁材料を開発し、当社独自の加工技術により製造した巻線を開発・上市し、採用が進んでおります。お客様の使用条件に対応した改良を行い、ICT、IoTの進展に合わせて、適用拡大を進めてまいります。電子機器分野の巻線応用製品として、弊社独自の耐熱性および耐加工に優れた材料と線材加工技術を生かし、高強度と高導電率を合わせ持った機能材の製品開発を進めております。当事業に係る研究開発費は12百万円であります。 (新規事業・その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、㈱アクシオを中心に進められております。自動車用電線・応用製品分野では、銅合金線技術を活かし、引張強度と伸びを調質することにより調整した銅錫合金電線を上市に向け開発しております。また、先進運転支援システム等の自動車内データを高速処理するための、車載高速伝送用の細径1対および2対のEthernetケーブルを開発するとともに小型・防水化された加工品の製品開発を進めております。ヘルスケア分野においては、遠隔医療・医療情報システムや、手術室における高精細医用映像システムに不可欠な高速・大容量ネットワークを支える配線部材、システム構築の提供について検討しております。また、低侵襲性医療における次世代ヘルスケア用途として、ロボット医療・介護、高度医療機器に必要とされる製品、感染症対策を考慮したディスポーザブル製品の技術開発を進めております。 基礎・基盤技術については、デジタル駆動型研究開発を進めております。MI(マテリアル・インフォマティクス)等を用いた研究開発のDXを進め、プラスチック・ゴム・銅合金等の新規材料の研究開発を進めています。ここで探索・開発された材料は、様々な事業分野の製品開発に活用しています。超電導システム製品では、BASFジャパン㈱戸塚工場に建設した三相同軸超電導ケーブルシステム(全長約200mの実証試験線路)の実証試験を2020年11月から開始し、2021年9月をもって終了しました。30MW以上の電力を使う大規模プラントで従来のケーブルを本超電導ケーブルへ置き換えることにより、従来のケーブルで発生していた送電時の損失を95%以上削減できる目処が立ちました。問合せが何件かあり、実用化に向けた次のプロジェクトを獲得する為の活動を継続しております。ICT分野では、企業におけるクラウドサービスの利用が年々増加しており、またDXの推進やテレワークの増加、内部不正による情報漏洩に対し、ゼロトラストネットワークへの移行が始まっております。このような環境を実現する為にはIDを中心とした認証基盤の構築が必要で、㈱アクシオでは長年培ってきたノウハウを活かし容易に認証基盤の構築を可能とするパッケージ(アクシオモデル)を発表しました。また、クラウド環境におけるID管理を実現するIDaaSを提供している「Keyspider㈱」に出資するとともに、RADIUS・オープンソースに強みを持つ「かもめエンジニアリング㈱」を子会社化し、ゼロトラストネットワークでの認証基盤事業を展開させていきます。当事業に係る研究開発費は788百万円であります。
FY2021|3,610 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、長期ビジョン「SWCC VISION2026」および中期経営計画「Change SWCC2022」で掲げた「技術力と創造力で未来をつなぐ」をテーマに"モビリティ"、"スマートインフラ"、"スマートインダストリー"を中心にESG経営のもと研究開発を実行しております。 基盤事業であるエネルギー・インフラ事業、通信・産業用デバイス事業、電装・コンポーネンツ事業では、高い公共性を有するインフラや自動車や医療分野に大きく関わる「信頼」に根差した新製品の開発を行っております。また新規事業ではIT分野への展開をはじめ、モビリティ・インダストリーといった電線事業以外の領域への新製品・商品開発やラインナップ増強を推進しております。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,276百万円であり、その成果は次のとおりであります。 (エネルギー・インフラ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められております。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力機器部品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開しております。2020年度には、特別高圧の電力量計であるVCT(電力取引用計器用変圧変流器)用のダイレクトモールドブッシングの開発を行いました。また、今後の154kV変圧器更新需要を見据えた「154kV T形終端接続部」の開発を進めております。耐火電線では、建築物大規模化・高層化に対応し従来の30分/840℃の加熱条件から、より長時間(60分/925℃)の火災環境に耐え、かつ低発煙・ノンハロゲン材料で構成された1時間低圧耐火ケーブルを開発し販売を開始しました。汎用電線分野では、循環型社会に対応しリサイクル困難な架橋ポリエチレンの再利用を開始しました。また、トンネル照明用分岐付ケーブルおよびコネクタのラインナップに、新たにトンネル入口警告灯照明用として遮へい付分岐付ケーブルおよびコネクタを開発し、販売を開始しました。免震分野では、環境貢献製品である錫プラグ入り積層ゴムの開発や文化財保護技術として伝統木造建築物の制振構造化等を大学・設計事務所および建設会社とともに調査し、(一社)日本建築学会や海外の学会に発表しております。得られた知見をもとに当社製品の開発、設計を継続実施することで、これまでのスクラップアンドビルド以外の選択肢を顧客に提示できるようにしております。制振・制音分野では、高速道路の防犯体制強化に伴う監視カメラの設置数増加計画に基づき、照明柱に設置するカメラの映像ブレ対策用防振装置を開発し、フィールド試験を実施しました。当事業に係る研究開発費は391百万円であります。 (通信・産業用デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、冨士電線㈱を中心に進められております。光通信分野では、2020年からサービスが開始された5Gや高度化サービスの普及展開に必要な無線基地局用光ケーブルの開発を継続して進めております。総務省の高度無線化事業にも使われている光ローラブルケーブルは、データセンター内光配線で需要が拡大することが見込まれております。細径・高密度化の要求が民需用途でも進むと想定し、ラインナップ増強のための開発を継続しております。データセンターを取り巻く市場では、クラウド化の進展によりLANケーブルの需要も拡大すると想定されております。さらなる高速化要求に対応する25/40ギガビット伝送に対応したCategory 8(Cat.8)ケーブルの開発を継続しております。LANケーブルの新製品としては、工場等の過酷な高温環境で使用できる125℃耐熱LANケーブルのラインナップを増強しました。従来の超細径仕様の製品は最大配線長が40mでしたが、今回開発した125℃耐熱LANケーブルは最大60m~80mまで配線可能となりました。また、工場・製造現場用途として高遮へい・高温環境に加え過酷なノイズ環境においても使用可能な製品もラインナップしました。 通信ケーブル関係では、道路のトンネル内で電波遮へい対策として使用される漏えい同軸ケーブルと機器を接続するコネクタを国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)へ登録しました。精密デバイス関連では、プリンタ・複写機・商用印刷機に使用される定着ローラ、加圧ローラ、ベルト等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化などに対応した製品の市場投入を継続しております。また、高品質・低コストを目指した生産革新ラインを構築し、生産性を従来比5倍に高めました。当事業に係る研究開発費は131百万円であります。 (電装・コンポーネンツ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、昭和電線ユニマック㈱を中心に進められております。線材では、高機能無酸素銅を(MiDIP® OFC/ミディップ オーエフシー)ブランドとして主に車載用途の巻線素材展開しております。無酸素銅製造技術をさらに高めるために低レベル酸素濃度を連続的に計測するシステムの開発を進め、無酸素銅の増産を進めております。また当社無酸素銅の特徴を活かし押出製法とのコラボレーションによる伸銅製品開発・拡販にも注力しております。銅銀合金は高強度・高導電性・高屈曲特性の特長を備えた銅合金であり、高導電率特性を活かして自動車のシートヒータ、ハンドルヒータへの適用だけでなく、電動化対応としてバッテリーヒータ用途への展開をしております。さらに進歩が著しいカテーテル治療などの医療関連、そして極細線製造技術を応用した半導体市場への適用等、高強度・高導電性・高屈曲性へのニーズに応えるための開発を進めております。巻線では、高耐熱性および高効率・高信頼性が要求される車載機器関連分野においてポリイミド樹脂被覆の高電圧仕様のエナメル平角線を増産しております。現在、車載機器以外のモビリティ分野などでの適用検討をしており、顧客との協業による開発に注力しております。また5G機器やPC・サーバに使用される電子部品向けとして、耐熱性および耐加工に優れた絶縁材料を開発し、当社独自の加工技術により製造した巻線を開発・上市し、採用が進んでおります。顧客使用条件に対応した改良を行い、ICT、IoTの進展に合わせて、適用拡大を進めてまいります。電子機器分野の巻線応用製品として、弊社独自の耐熱性および耐加工に優れた材料と線材加工技術を生かし、高強度と高導電率を合わせ持った配線材の製品開発を進めております。当事業に係る研究開発費は5百万円であります。 (新規事業・その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、㈱アクシオを中心に進められております。自動車用電線・応用製品分野では、銅合金線やアルミ合金線技術を活かし、高い機械的強度を有する細径電線の開発をしております。また、通信・ワイヤハーネス分野で培った技術を応用し、先進運転支援システムや自動運転用途の自動車内データを高速処理するための、細径・小型・防水化された車載高速通信ケーブルおよび加工品の製品開発を進めております。ヘルスケア分野においては、遠隔医療・医療情報システムや、手術室における高精細医用映像システムに不可欠な高速・大容量ネットワークを支える配線部材、システム構築の提供について検討しております。また、低侵襲性医療における次世代ヘルスケア用途として、ロボット医療・介護、高度医療機器に必要とされる製品の技術開発を進めております。超電導システム製品では、三相同軸超電導ケーブルシステムをBASFジャパン㈱戸塚工場に全長約200m実証試験線路を建設し、2020年11月から工場の省エネルギー化の実証試験を開始しました。実証試験は2021年9月まで行い、液体窒素での冷却検証のほか運用コストや安全性を確認いたします。民間工場の実系統に三相同軸超電導ケーブルを導入した実証試験は世界で初めてとなります。 ICT分野では、企業におけるクラウドサービスの利用が年々増加しており、またDXの推進やテレワークの増加、内部不正による情報漏洩に対し、ゼロトラストネットワークへの移行が始まっております。このような環境を実現する為にはIDを中心とした認証基盤の構築が必要で、㈱アクシオでは長年培ってきたノウハウを活かし容易に認証基盤の構築を可能とするパッケージ(アクシオモデル)を発表しました。また、クラウド環境におけるID管理を実現するパッケージを有するKeyspider㈱に出資し、ゼロトラストネットワークでの認証基盤事業展開を拡大させていきます。当事業に係る研究開発費は747百万円であります。
FY2020|3,476 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、エネルギー・インフラ事業、通信・産業用デバイス事業、電装・コンポーネンツ事業、新規事業における新技術・新製品の研究開発を積極的に推進している。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,255百万円であり、その成果は次のとおりである。 (エネルギー・インフラ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められている。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。2019年度には、架空送電線から屋内変電所等の建屋内に直接送電線を引き込む壁貫通ブッシングにおいて、既に当社で実用化済みの完全乾式タイプ66/77kV壁貫通ダイレクトモールドブッシングのラインナップに、変流器(CT)を実装したタイプを新たに加え納入を開始した。また、シロアリによる蟻害から電力ケーブルを守る方法で、従来のナイロン等の硬いプラスチックシースで保護する構造では柔軟性が悪くなることが問題とされていたが、防蟻剤とPVCコンパウンドの組み合わせにより、一般のCVケーブルと同等の柔軟性を有する新たな防蟻CVケーブルを開発した。さらに、耐火電線では、建築物大規模化・高層化に対応した長時間(60分/925℃)の火災環境に耐えうるケーブル開発を進めている。機器電材分野では、トンネル照明用分岐ケーブルおよびコネクタをラインナップしているが、トンネル入口警告灯照明用として遮へい付分岐ケーブルおよびコネクタ開発を進めている。免震分野では、免震建物に設置後30年以上経過した積層ゴムの経年変化の挙動について、大学、設計事務所および建設会社とともに知見を得ており、その知見をもとに当社製品の開発、設計および材料の開発を行っている。制振・制音分野では、鉄道騒音対策用制振材について、人手不足等を背景とした施工性向上のニーズの高まりに対して、簡易施工タイプの制振材をリリースし納入を開始した。鉄道・モノレール向け防振ゴムでは、海外需要に対応したVACD版製品の開発を進めている。騒音規制が強化された改正SOLAS条約に対応した制振材NH-S1について、施工コスト削減タイプを開発し、造船所での採用が開始された。当事業に係る研究開発費は294百万円である。 (通信・産業用デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、冨士電線㈱および㈱ダイジを中心に進められている。光通信分野では、5Gなど高度化サービスの普及展開に必要な無線基地局用光ケーブルの開発を進めている。また、モジュール用途の細径型光・メタル複合ケーブルの開発も進めている。LANケーブル市場では、2019年12月に文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」により10ギガビット伝送に対応したCategory 6A(Cat.6A)の需要増が見込まれているが、データセンターでは更なる高速化要求に対応すべく、25/40ギガビット伝送に対応したCategory 8(Cat.8)が規格化されており、それに対応したケーブルの開発を継続して進めている。また、お客様からの「手軽にLANパッチコードを利用したい」というニーズに応えるべく、伸縮自在なLANカールコード「スーパーカール」をラインナップした。一方、工場・製造現場等の過酷な環境においてもオフィス環境と同様なイーサネットシステムの採用が年々増加している背景から、産業用に対応した防水・防塵性の高い「丸型ねじ込み式コネクタ(M12コネクタ)」付きケーブル、高温環境やノイズ環境でも使用可能な125℃耐熱高遮へいLANケーブルや、ロボットの可動部に使用可能な細径型の耐屈曲高遮へいLANケーブルの開発も進めている。情報機器では、複写機・プリンター・商業印刷機に使用される様々な部品の開発を継続し、省エネルギー・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を継続している。さらに当社コアコンピタンスである押出し技術を活用したチューブ製品の量産を開始した。 ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。また、半導体製造装置やロボット等の産業機器向けや高齢化社会に対応した医療・介護向け等の成長が期待される分野の製品(アシスト機器など)およびスマート家電の開発も進めている。当事業に係る研究開発費は145百万円である。 (電装・コンポーネンツ事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱、昭和電線ユニマック㈱を中心に進められている。線材では、高機能無酸素銅を(MiDIP® OFC/ミディップ オーエフシー)ブランドとして展開しており、主に車載用途の巻線素材として拡販を進めている。当社のコアコンピタンスである無酸素銅製造技術をさらに高めるために低レベル酸素濃度を連続的に計測するシステム導入に向けての開発を進めていて、さらなる技術力アップと無酸素銅の増産を進めている。また当社無酸素銅は他の無酸素銅に比べて柔らかく冷間鍛造においても優位であることから精密加工部品や成型加工品などの伸銅製品への商品開発を進めている。また、銅銀合金は高強度と高導電性を両立し高屈曲特性の特長を備えた銅合金であり、高導電率特性を生かして自動車の快適性を求めたシートヒーター、ハンドルヒーターへの製品展開をしており、多様化した市場ニーズに合わせた製品開発を進めている。さらにこれらの銅銀合金線の特長を活かした新用途への製品開発を進めている。進歩が著しいカテーテル治療などの医療関連、小型・高性能化が進む産業用ロボット用ケーブルや精密測定機器関連等、高強度・高導電性・高屈曲性へのニーズに応えるための開発を進めている。巻線では、車載機器関連分野において高耐熱性および高効率・高信頼性巻線が求められており、ポリイミド樹脂に関する技術やその材料に適合した製造技術の確立により、耐熱性に優れた高電圧仕様のエナメル平角線を量産し、拡販・増産につながっている。現在は、材料開発に加え、巻線構造の最適化により性能向上を図っている。また、5G機器やサーバーに使用される電子部品向けとして、耐熱性および耐加工に優れた材料を開発、これを絶縁被覆として使用し、弊社独自の加工技術により製造した巻線を上市した。顧客での使用条件にも適合しており、今後、ICT、IoTの進展に伴い、適用拡大が期待される。当事業に係る研究開発費は6百万円である。 (新規事業・その他)事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。自動車電線・応用製品では、環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を活かし、高い機械的強度を確保した細径電線の製品化に成功し、納入を継続している。また、リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システム用部材の開発を行っており、今後無人搬送車用、ロボット等への適用拡大が期待される。ヘルスケア分野においては、遠隔医療・医療情報システムや、手術室における4K8Kなどで高度化する高精細医用映像システムに不可欠な高速・大容量ネットワークを支える配線部材、システム構築の提供について検討している。また、次世代ヘルスケアの実現として、高度医療機器に必要とされる商材の技術開発を進めている。超電導応用製品では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により公募・採択された「プラント内利用のための低コスト型三相同軸超電導ケーブルシステムの開発」において実証試験フェーズに進む事を承認された。2019年9月よりBASFジャパン㈱戸塚工場において実証試験線路の建設を開始、2020年3月末までに冷却システムとの接続を除く工事を終了した。また、九州大学、産業技術総合研究所を主体とするNEDO委託事業である航空機用先進システム実用化プロジェクト「革新的航空機用推進システムの研究開発」に再委託先として参画し、航空機用軽量超電導ケーブルと端子の開発を担当、2019年9月より研究を開始した。本プロジェクトは航空機のCO2排出量を削減する為に必須のシステム開発であり、米国のボーイング社も注目している。当事業に係る研究開発費は808百万円である。
FY2019|2,795 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、電線線材事業、電力システム事業、巻線事業、コミュニケーションシステム事業、デバイス事業、その他新しい分野における新技術・新製品の研究開発を各事業子会社の技術開発部門が中心となって積極的に推進している。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額1,119百万円であり、その成果は次のとおりである。 (電線線材事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められている。当社には耐燃性架橋ポリエチレン電線としてEM-TNCがあるが、配電盤や制御盤の小型化に対応し盤内配線の作業性を向上させるためEM-TNCの柔軟性を向上させた新製品(LTNC®)を開発した。2017年に埼玉県で発生した大規模倉庫火災を受け国土交通省は耐熱電線端末部の耐熱性能強化を義務付けた。これに対応して耐熱電線に耐火性能を付加した「小勢力回路用耐火ケーブル(EM-JSH®)」を業界で初めてリリースし納入を開始した。線材分野では、高機能無酸素銅を(MiDIPTM OFC/ミディップ オーエフシー)ブランドとして展開し、精密加工部品や成型加工品などの商品開発を進めている。また、銅銀合金線では、高屈曲特性を生かして医療関連、精密測定機器等へ適用すべく開発を継続している。当事業に係る研究開発費は21百万円である。 (電力システム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。当社の66/77kV・154kV用の気中終端およびブッシングのラインナップであるダイレクトモールド製品は、これまでの磁器がい管構造に代わり、固体絶縁構造(ポリマー樹脂一体構造)を適用して軽量化・耐震性・環境調和・省力化を実現しており、電力製品の標準規格である電気規格調査会規格(JEC規格)おいて規格化されることになった。66/77kV・154kV 機器用コンパクト製品およびスマート製品は、変電所のコストダウン・工事の省力化に優れることから電力会社の変電所に適用が拡大している。特に66/77kV機器用コンパクト製品は電力会社の変圧器標準化にともない標準部品として採用されることになった。さらに、老朽化が進む275kVクラスの超高圧変電所のリニューアルに対応するため機器接続用275kVスマート終端接続部をラインナップに加え、このほど、国内電力設備に初適用された。当事業に係る研究開発費は248百万円である。 (巻線事業)当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。自動車関連分野では、高耐熱性および高効率・高信頼性巻線が求められており、当社ではポリイミド樹脂に関する技術やその材料に適合した製造技術の確立により、耐熱性に優れた高電圧仕様のエナメル平角線を量産し、拡販・増産につながっている。現在は、さらなる高電圧化および信頼性確保のための材料開発を進めている。当事業に係る研究開発費は3百万円である。 (コミュニケーションシステム事業)事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および冨士電線㈱を中心に進められている。光通信分野では、2020年頃に開始が想定される第5世代移動無線通信システムの無線基地局用に使用される光通信ケーブルおよび光応用製品の開発を進めている。LANケーブル市場では、クラウドサービスやデータセンター需要増に伴い、伝送速度の高速化要求が年々高まる中、超高速化に対応すべく25/40ギガビット伝送方式のケーブルが米国TIAで新たに規格制定された。それに対応した新規格ケーブルの開発を進めている。一方、主に工場内で使用される産業用ネットワーク市場についてもオフィス環境と同様な伝送方式(イーサネットシステム)の採用が増加しており、耐摩耗性に優れたノンハロゲンウレタンシース品、125℃耐熱製品、10ギガビット伝送対応製品をラインナップした。さらに産業用に対応した防水・防塵性の高い「丸型ねじ込み式コネクタ(M12コネクタ)」付きケーブルや伸縮自在なコードの開発を行っている。当事業に係る研究開発費は39百万円である。 (デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱および㈱ダイジを中心に進められている。制振・制音事業では、人手不足等を背景に鉄道騒音対策用制振材の施工性向上に対するニーズが高まっており、2019年度より市場投入すべく開発に着手した。建築分野は、首都圏を中心に増加している音響施設(各種ホール、スタジオ、シネコン)向け防振装置の開発を進めている。情報機器では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用される様々な部品の開発を継続し、省エネルギー・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を継続している。さらに当社独自のスポンジローラを開発し量産を開始した。ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。また、半導体製造装置やロボット等の産業機器向けや高齢化社会に対応した医療・介護向け等の成長が期待される分野の製品(アシスト機器など)の開発も進めている。当事業に係る研究開発費は121百万円である。 (その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。自動車電線・応用製品では、環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を活かした細径・高強度電線の開発を進めてきており、顧客が要求する高い機械的強度を確保した細径電線の製品化に成功し、2018年度から納入を開始した。また、リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システム用部材の開発を行っており、コイル単体で形状保持可能なハイブリット巻きコイルを開発した。非接触給電技術は、産業分野での採用も期待されており、今後無人搬送車用、ロボット等への適用拡大が期待される。超電導応用製品では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により公募・採択された「プラント内利用のための低コスト型三相同軸超電導ケーブルシステムの開発」で、2018年度末には国際規格であるCIGRE TB 538準拠の形式試験を実施し、2019年度からは実証試験フェーズへ移行することが決定した。本件は、三相同軸型ケーブル構造の採用とプラント内の冷熱ラインを冷却に使用し、システム全体のコスト低減および省エネルギー効果を実証するものである。これらの事業に係る研究開発費は685百万円である。
FY2018|3,215 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、電線線材事業、電力システム事業、巻線事業、コミュニケーションシステム事業、デバイス事業、その他新しい分野における新技術・新製品の研究開発を各事業子会社の技術開発部門が中心となって積極的に推進している。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額10億46百万円であり、その成果は次のとおりである。 (電線線材事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。被覆線では、平成31年に施行される特定有害物質の使用を制限したRoHS2指令に対応した材料を使用しての製造を平成29年1月から開始しており、規制対応の確認を継続している。また、変電所等に情報通信技術の導入が進んだことで雷害対策の重要性が高まっており、雷害対策のひとつとしてリッツ線を使用した接地線、および専用端子を接続工法も含め確立した。線材では、従来用途だけではなく、精密加工部品や強加工が必要な部品にも使用できる高品位無酸素銅線“MiDIP® OFC(ミディップ オーエフシー)”をブランド化して拡販を継続実施している。また、銅銀合金線では医療機器関連、測定機器部品用等のニーズがあり、顧客と共同開発を継続実施している。道路交通分野では、高速道路等のトンネル照明のLED化に対応すべく極コネクターを開発し、“ショウタッチ®”のラインナップに追加した。当事業に係る研究開発費は15百万円である。 (電力システム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。国内市場向けでは、耐震性・環境面・省力化に優れた点が評価され、ダイレクトモールド機器用ブッシングおよびケーブルヘッドの適用機会が大幅に増加し、154kV級のケーブルヘッドの納入を開始した。66kV級、154kV級SICONEX®製品の標準仕様化を電力会社向けに推進し、採用数が大幅に拡大した。当事業に係る研究開発費は2億30百万円である。 (巻線事業)当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。自動車分野では従来用途に加え、駆動モーターやリアクトルといった新しい用途向けに対応を進めてきた結果、高耐熱性および優れた耐加工性を実現した。また、システムの高電圧化に伴う絶縁特性(PDIV特性)に優れたポリイミド平角線を開発した。細物平角線でも自動車関連分野の電子部品に採用されており、スマートフォン等の通信機器用電子部品に搭載された極細平角線とともに増量が予定されているため、さらなる信頼性確保に向けて設計・開発を実施している。当事業に係る研究開発費は6百万円である。 (コミュニケーションシステム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。光通信ケーブルでは、スマートフォンの普及や動画サイトの充実とともに、手軽に動画を見る機会が増えており、通信機器の高速・大容量化の要求が高まっている。今後、さらなる高速・大容量化を実現するため、第5世代移動無線通信システム(5G)が検討されており、これら無線基地局用に使用される光通信ケーブルの開発を継続実施している。道路のトンネル内で使用されるLCX(漏えい同軸)ケーブルでは、FMラジオ放送の帯域拡大に対応したケーブルの開発を行い、広範囲の帯域の通信に対応できるV-Low帯域対応漏洩同軸ケーブルや各種ケーブル・コネクタをラインナップして販売を実施している。電子ワイヤでは、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)による、工場のネットワーク化が発展することに伴い、ネットワークケーブルとして産業イーサネットケーブル、フィールドバスケーブルの開発を実施している。また、今後需要の拡大が見込まれる、産業機器用センサケーブルやカスタム対応のインターフェースケーブル等の開発も実施している。当事業に係る研究開発費は88百万円である。 (デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。免震事業では、長周期長時間地震動や法的改正および市場の要求に応えた免震部材の耐久性や品質管理の取り組みを、複数の大学・設計事務所・建設会社や、国から審査を委託された機関とともに実証した。これらは、日本建築学会での研究発表や公的機関による性能評定の取得、また、当社の設計、材料、製法、検証方法の改善等の成果につなげている。また、30年経過した免震建物の振動試験を行う共同研究に参加して、免震建物および免震部材の経年変化を確認し問題がないことを検証した。その成果が(一社)日本免震構造協会から評価され、2017年度に第18回日本免震構造協会賞の普及賞を受賞した。制振・制音事業では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた首都圏再開発や既存建物改修案件向け振動制御製品の需要が高まっており、特定天井基準に対応した各種防振装置や4Dシアターを含めたシネマコンプレックスの製品開発を実施している。精密デバイス事業では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用されるカラーおよびモノクロ用定着ローラ、加圧ローラ、ベルト、パッド、コイル等の開発を継続し、省エネルギー・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を継続して行っている。また、低コスト要求に応えるために製造工程の省人化を図った生産革新ラインを構築して稼働を開始した。さらに当社独自のスポンジローラを開発し量産準備を進めている。ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工の技術を応用し、成長が期待される産業機器向けの自動化・省人化システム用センサー、モーター等や医療機器向けの高齢化社会に対応した医療・介護・介助向け等の製品開発を実施している。当事業に係る研究開発費は1億27百万円である。 (その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。エネルギーロス削減が期待される超電導ケーブルシステムに関しては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発」に平成29年6月に採択された「プラント内利用のための低コスト型三相同軸超電導ケーブルシステムの開発」を進めている。工場や自動車から発生する排熱から電気エネルギーを取り出し再利用する熱電変換素子の開発では、NEDOの委託研究である「クリーンデバイス社会実装推進事業/熱発電デバイスによる中温度域独立給電型センシングモジュールの用途開拓」において試作したシリサイド系熱電変換モジュールのさらなる耐久性向上に取り組んできた。排熱発電の用途として想定される自動車用途、工業用途への適用を考慮した開発・評価を継続実施している。環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を活かした細径・高強度電線の開発を進めてきており、顧客が要求する高い機械的強度を確保した細径電線の製品化を完了した。また、自動車の電動化が急速に進む中で当社製品の採用を拡大するために各種合金・加工方法・絶縁被覆の次世代環境対応製品の開発を実施している。さらに、リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システムの開発を実施している。用途は、主に電気自動車やプラグインハイブリッド車向けであったが、産業用自動走行システムへの採用が拡大している。これらの事業に係る研究開発費は5億78百万円である。
FY2017|3,391 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、電線線材事業、電力システム事業、巻線事業、コミュニケーションシステム事業、デバイス事業、その他新しい分野における新技術・新製品の研究開発を各事業子会社の技術開発部門が中心となって積極的に推進している。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額9億27百万円であり、その成果は次のとおりである。 (電線線材事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。被覆線では、環境規制で平成31年に施行されるRoHS指令フタル酸4物質規制に対応した主材料を使用し、平成29年1月より製造を開始した。線材分野では、従来の電線、芯線販売用途だけではなく、精密加工部品や強加工が必要な部品にも使用できる高品位無酸素銅線“MiDIP™ OFC(ミディップ オーエフシー)”をブランド化し、販売を開始した。また銅銀合金線では医療関連、測定機器部品用等のニーズがあり、顧客と共同で開発を実施している。当事業に係る研究開発費は15百万円である。 (電力システム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮した電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。国内市場向けでは、耐震性・環境面に優れた点が評価され、ダイレクトモールド機器用ブッシングおよびケーブルヘッドの適用機会が大幅に増加した。66kV級、154kV級SICONEX®製品の標準仕様化を電力会社向けに推進し、一部で採用された。また、他の電力会社でも今後の採用に向けて推進している。老朽化した275kV OFケーブルからCVケーブルへの引替え需要が加速しており、それに対応した超高圧ケーブル用ジョイントの製品開発が完了し、電力会社の型式申請中である。当事業に係る研究開発費は1億77百万円である。 (巻線事業)当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。自動車関連分野では、当社のポリイミド樹脂に関する技術や様々な設計要求に対応したことで、適用車種の増加につながりつつある。また、細物平角線も自動車関連分野の電子部品に採用されており、今後適用範囲が拡大されるにつれて、スマートフォン等の通信機器用電子部品に搭載された極細平角線とともに、さらなる信頼性確保のための開発を進めている。当事業に係る研究開発費は4百万円である。 (コミュニケーションシステム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。光通信ケーブルでは、スマートフォンの普及や動画サイトの充実とともに、手軽に動画を見る機会が増えており、通信機器の高速・大容量化の要求が高まっている。第4世代移動無線通信システムでは超高速大容量通信が実現されており、無線基地局に使用される光通信ケーブルを販売している。今後、さらなる高速・大容量化を実現するため、第5世代移動無線通信システムが検討されており、これら無線基地局用に使用される光通信ケーブルの開発を進めている。通信用同軸ケーブルでは、東京オリンピック・パラリンピック等を契機に普及が見込まれる4K、8K対応TVのデータ伝送用として、広帯域・細径同軸ケーブルの開発を進めている。また、道路のトンネル内で使用されるLCX(漏えい同軸)ケーブルでは、FMラジオ放送の帯域拡大に対応したケーブルの開発を行い、広範囲の帯域の通信に対応できるVLow帯域対応漏洩同軸径ケーブルの販売を開始した。電子ワイヤ関係では、FAイーサネットケーブルのロボット配線用ケーブルの開発や今後IoT(Internet of Things)が発展するのに伴い需要の増加が見込まれるセンサー用ケーブルやカスタム対応のインターフェースケーブル等の開発を行っている。当事業に係る研究開発費は35百万円である。 (デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線デバイステクノロジー㈱を中心に進められている。免震事業では、長周期長時間地震動や品質向上への法的改正および市場の要求に応えた免震部材の耐久性や品質管理の取り組みを、複数の大学・設計事務所・建設会社や、国から審査を委託された機関とともに実証した。これらは、日本建築学会での研究発表や国土交通大臣の免震材料認定の取得、また、当社の設計、材料、製法、検証方法の改善という成果につなげている。制振・制音事業における振動制御製品では、船舶分野の船内騒音規制強化に伴い、制振材の需要が従来の艦船など一部の特殊船から一般商船に広がり始めているため、一般商船向けに低価格で施工作業性の良いシート型制振材(ショウダンプ®NH-S1)を開発し、日本海事協会防火構造材料認定(NK認定)を取得した。情報機器では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用されるカラーおよびモノクロ用定着ローラ、加圧ローラ、ベルト、パッド、コイル等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を行っている。製造工程を見直し、生産革新ラインの構築および当社独自のスポンジローラの開発を顧客との緊密な協力関係の中で実施した。ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。また、これらの技術を応用し、ピッキングロボット等の産業機器向けや高齢化社会に対応した医療・介護向け等の成長が期待される分野の製品開発も進めている。当事業に係る研究開発費は1億77百万円である。 (その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。超電導ケーブルシステムに関しては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、平成27年度から2年間の実用化研究フェーズにあった「低コスト型超電導低電圧大電流母線の開発」は、端末付きのケーブルの性能評価試験を終了し、全業務を完了した。平成28年11月には、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」に調査研究として「プラント内利用のための低コスト型三相同軸超電導ケーブルシステム導入のためのケーススタディー」が採用され、ケーブルの冷却性能を高めるための要素技術を開発している。また、一般社団法人日本電線工業会と当社グループで経済産業省に共同提案した「省エネルギー等国際標準開発(国際電気標準分野)超電導ケーブルの交流損失測定方法および超電導線材の臨界電流測定方法に関する国際標準化」は業務を終了し、最終報告書を提出した。富通集団有限公司と共同で天津市濱海新区濱海科技園において行っていた超電導ケーブルシステムの実証試験は、運用試験へと移行している。工場や自動車から発生する排熱から電気エネルギーを取り出す熱電変換素子の開発では、NEDOの委託研究である「クリーンデバイス社会実装推進事業/熱発電デバイスによる中温度域独立給電型センシングモジュールの用途開拓」において、平成27年度に試作したシリサイド系熱電変換モジュールの耐久性向上に取り組み、目標とする特性を得ることができた。これらのモジュールを自動車およびバイオマスボイラーの排気系に装着し、本プロジェクトで目標としていた実装評価を計画どおりに実施できた。また、三重事業所内で実施している熱電発電の実証試験においても安定した出力が継続して得られており、1年以上に亘りデバイスの健全性が確認されている。環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を活かした細径・高強度ワイヤの開発を進めてきた。細径電線に特に要求される高い機械的強度を確保する電線の製品化の目途が立ち、量産準備を開始した。リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システムの開発を行っている。用途は、主に電気自動車やプラグインハイブリッド車向けの非接触給電用であったが、産業用自動走行システムへの採用にも広がりを見せている。これらの事業に係る研究開発費は5億17百万円である。
FY2016|3,298 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、電線線材事業、電力システム事業、巻線事業、コミュニケーションシステム事業、デバイス事業、その他新しい分野における新技術・新製品の研究開発を各事業子会社の技術開発部門が中心となって積極的に推進している。 当連結会計年度における、当社グループの研究開発費は総額10億45百万円であり、その成果は次のとおりである。 (電線線材事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。医療分野では、レントゲン機器に使用される直流用ゴムケーブルの高電圧化対応DC 300kVケーブルを開発し、販売を開始した。鉄道車両用電線では、日本鉄道車輌工業会規格に対応した600V、1,500V用の環境配慮型耐燃架橋ポリエチレン絶縁電線(EM-TNC)について、耐熱温度120℃の登録を行った。当事業に係る研究開発費は22百万円である。 (電力システム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。当社グループでは、小型・軽量・環境に配慮したコンパクトな電力用機器製品を“SICONEX®(サイコネックス)”ブランドとして展開している。国内市場向けは、耐震性・環境面に優れた点が評価され、ダイレクトモールド機器用ブッシングの適用機会が大幅に増加した。より研究開発に注力すべく電力機器事業開発プロジェクトを発足した。66kV級、154kV級SICONEX®製品の標準仕様化を国内電力向けに推進し、今後の採用に向けた検討を多くの電力会社で推進して頂いた。また、老朽化した275kV OFケーブルからCVケーブルへの引替え需要に対応すべく同電圧レベルを含む、超高圧ケーブル用ジョイントのラインナップ充実を図っている。当事業に係る研究開発費は1億94百万円である。 (巻線事業)当事業における研究開発活動は、㈱ユニマックを中心に進められている。マグネットワイヤ(巻線)に関しては、最近ではその需要動向から自動車関連分野の製品開発および通信機器に使用される電子部品向けが中心となっている。エコカーの戦略車種に当社の新規開発平角エナメル線が採用されて以降、適用車種拡大のために様々な設計要求に対応し、適用車種増加を図っている。電子部品分野では、当社のポリイミド樹脂に関する技術を生かし、性能を大幅に向上させた極細平角線が部品メーカーに採用され、スマートフォンに使用されている。当事業に係る研究開発費は8百万円である。 (コミュニケーションシステム事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。光通信ケーブルでは、増加が見込まれる次世代携帯基地局(4G:LTE-Advanced)に使用される光ケーブルを開発し、販売を開始した。通信用同軸ケーブルでは、東京オリンピック・パラリンピック等を契機に普及が見込まれる4K、8K対応TVのデータ伝送用として広帯域・細径同軸ケーブルの開発を進めている。また道路のトンネル内で使用されるLCX(漏えい同軸)ケーブルでは、FMラジオ放送の帯域拡大に対応したケーブルの開発を進めている。電子ワイヤ関係では、FAイーサネットケーブルのロボット配線用ケーブルの開発や今後IoT(Internet of Things)が発展するのに伴い需要の増加が見込まれるセンサー用ケーブルの開発・改良も行っている。当事業に係る研究開発費は48百万円である。 (デバイス事業)当事業における研究開発活動は、昭和電線デバイステクノロジー㈱を中心に進められている。免震事業では、長周期長時間地震動を想定した従来よりも過酷な試験を免震部材に実施し、優れた耐久性を証明した。また、複数の大学・設計事務所・建設会社と免震部材に関する共同研究に着手し、その成果の一部は特許化のために共同出願をしている。さらに市場からの一層の品質要求に対しても各種研究を継続し、その成果を設計、材料、製法、検証方法の改善につなげている。制振・制音事業における振動制御製品では、船舶分野の船内騒音規制強化に伴い、制振材(ショウダンプNH-5)の騒音低減効果について、船内を模擬したモックアップ実験により実用性のあるデ-タを取得した。電力機器では、災害対策として建物の中間階に変圧器が設置されるケ-スが増えたことにより、変圧器設置階下の騒音対策として、トップランナ-変圧器のラインナップに合わせた防振架台シリ-ズを設計、提案を開始した。鉄道車両分野では、安全面から要求される品質に対応した防振ゴム開発を行い、市場参入を果たした。情報機器では、複写機・プリンター・軽印刷機に使用されるカラーおよびモノクロ用定着ローラ、加圧ローラ、ベルト、パッド、コイル等の開発を継続し、省エネ・環境対応・超高画質化など年々高まる顧客要求に応える製品の市場投入を行っている。顧客との緊密な協力関係を維持しパ-トナ-として、開発から製造プロセスに至るまで、高品質かつ低コスト製品を開発し、市場投入すると同時に将来技術の研究開発を継続実施している。さらに自動車用ハンドルヒーターについても採用車種拡大を目指し開発や量産に注力している。ワイヤハーネス関係では、自動車用ハンドルヒーターやシートヒーターの端末加工方法を改良し、販売を伸ばしている。当事業に係る研究開発費は2億12百万円である。 (その他)当事業における研究開発活動は、昭和電線ケーブルシステム㈱を中心に進められている。超電導ケーブルシステムに関しては、国際規格に基づき35kV単芯ケーブルシステムの型式試験を第三者認証機関の立会のもとで実施し、全試験項目合格の評価を得た。富通集団有限公司とは天津市濱海新区濱海科技園において、ケーブルの設置工事を行っているところである。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において、2年間の実用化研究フェーズへ移行した「低コスト型超電導低電圧大電流母線の開発」について、初年度としてケーブル部、終端部の基礎検討を終了した。2015年10月にNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」に先導研究として「プラント内利用超電導ケーブルのための冷却システムの検討」が採用され、冷却についての調査を実施した。また、医療用の超電導機器に使うための特性向上を目的とした基礎研究を国立研究開発法人日本医療研究開発機構より受託し、産業用超電導線材・機器技術研究組合とともにその成果を報告した。工場や自動車から発生する排熱から電気エネルギーを取り出す熱電変換素子の開発では、NEDOが委託するクリーンデバイス社会実装推進事業に「熱発電デバイスによる中温度域独立給電型センシングモジュールの用途開拓」が2015年6月に新たな課題として採択された。本プロジェクトでは当社の熱電変換モジュールを電源として用いたセンシングデバイスの実装検証を自動車およびボイラー用途で実施する予定である。今年度は本用途に向けた新設計のシリサイド系熱電変換モジュールの試作評価を実施し、目標とする性能を得ることができた。また、三重事業所内で実施している熱電発電の実証試験では、発電デバイスの改善により安定した出力が継続して得られており、実証デモサイトとして運用中である。環境負荷低減のため自動車の軽量化が進められており、当社グループでは、アルミ合金線技術を生かした細径・高強度ワイヤの開発を進めてきた。細径電線に特に要求される高い機械的強度を確保する目途が立ち、製品化に向けたフェーズに入っている。リッツ線とそのコイル化技術を用いて、非接触給電システムの開発を行っている。用途は、主に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの非接触給電用である。本技術は、自動車分野以外の産業機器等にも応用が期待されている。これらの事業に係る研究開発費は5億59百万円である。