5805

SWCC(5805)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

非鉄金属 鉄鋼・非鉄

事業の概要

  • エネルギー・インフラ事業
    電線、電力ケーブル、免震装置などの製造販売と、それらの設計・請負を行うエンジニアリング事業が柱です。社会の基盤を支える製品とサービスを提供しており、安定した収益源となっています。
  • 電装・コンポーネンツ事業
    巻線、裸線、無酸素銅、銅合金線、自動車用電線といった、電気製品や自動車の主要部品となる素材や製品の製造販売を手掛けています。幅広い産業分野に貢献する事業です。
  • 通信・産業用デバイス事業
    通信ケーブル、ワイヤハーネス、精密デバイスの製造販売を行っています。情報通信技術の発展や産業機械の高度化に伴い、需要が見込まれる分野で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エネルギー・インフラ事業
    電線、電力ケーブル、免震装置、制振・防振製品の製造販売、およびエンジニアリングの設計・請負が主な事業内容です。社会の基盤を支える重要な役割を担い、売上高1412.1億円、営業利益180.63億円と、グループの稼ぎ頭となっています。
  • 電装・コンポーネンツ事業
    巻線、裸線、無酸素銅、銅合金線、自動車用電線などの製造販売を手掛けています。自動車産業や電気製品分野に不可欠な部品を提供しており、売上高567.61億円、営業利益13.98億円を計上しています。
  • 通信・産業用デバイス事業
    通信ケーブル、ワイヤハーネス、精密デバイスの製造販売を行っています。情報通信技術の進化や産業のデジタル化を支える製品を提供し、売上高351.16億円、営業利益27.82億円を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EnergyAndInfrastructureOperations 事業 1,412 181 12.8%
ElectricalEquipmentAndComponentsOperations 事業 568 14 2.5%
CommunicationAndIndustrialDevicesOperations 地域 351 28 7.9%
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FY2025|1,763 文字
3【事業の内容】 当社および当社の主要な関係会社の、セグメント情報との関連における事業内容および当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。また、2025年3月31日時点の当社グループの事業の系統図は、「SWCCグループ事業系統図(2025年3月31日時点)」のとおりであります。なお、当社は、2025年4月1日付で、電装・コンポーネンツ事業と通信・産業用デバイス事業を統合し、通信・コンポーネンツ事業へ再編いたしました。 (エネルギー・インフラ事業) 当事業では、主に電線、電力ケーブル、免震装置、制振・防振の製造販売等およびエンジニアリングの設計・請負等を行っています。 製造販売会社としてSWCC㈱、SFCC㈱、冨士電線㈱、昭光機器工業㈱、㈱昭和サイエンス、販売会社として㈱SDS、愛世達喜(上海)投資有限公司、その他の会社として㈱ロジス・ワークス、㈱エステックがあります。なお、昭和電線電纜(上海)有限公司は、当社グループの中国事業運営体制を強化するため、2024年9月10日付で、中間持株会社(投資性公司)に会社形態を変更するとともに、「愛世達喜(上海)投資有限公司」に商号変更しております。 (電装・コンポーネンツ事業) 当事業では、主に巻線、裸線、無酸素銅、銅合金線、自動車用電線の製造販売を行っています。 製造販売会社としてSWCC㈱、販売会社として㈱SDS、愛世達喜(上海)投資有限公司があります。 (通信・産業用デバイス事業) 当事業では、主に通信ケーブル、ワイヤハーネス、精密デバイスの製造販売を行っています。 製造販売会社としてSWCC㈱、冨士電線㈱、SWCC SHOWA(VIETNAM)CO.,LTD.、嘉興昭和機電有限公司、福清昭和精密電子有限公司、東莞昭和機電有限公司、SWCC SHOWA VIETNAM INTERCONNECT PRODUCTS CO.,LTD.、販売会社として㈱SDS、愛世達喜(上海)投資有限公司、香港昭和有限公司があります。なお、香港昭和有限公司は、2025年3月31日付で解散し、現在清算手続き中です。 (その他) 当事業では、上記の報告セグメントに含まれない事業セグメントとして物流業、リサイクル業、事務管理業務、材料の研究開発、超電導技術の研究開発、ネットワークソリューションの販売等を含んでおります。 製造販売等の会社としてSWCC㈱、販売会社として㈱SDS、愛世達喜(上海)投資有限公司、その他の会社として㈱アクシオ、㈱ロジス・ワークスがあります。  また、当社は2025年3月27日付で、㈱日本政策投資銀行と共同で、㈱TOTOKUの発行済み株式のすべてを取得し、同社および同社子会社である㈱特電、㈱トクデンプロセル、東特(浙江)有限公司、TTI LAGUNA PHILIPPINES INC.、PT. TOTOKU INDONESIAを連結子会社といたしましたが、2025年3月31日時点では貸借対照表のみ連結しているため、上記の各事業セグメントには含めておりません。 当社グループの事業の系統図は次のとおりであります。「SWCCグループ事業系統図(2025年3月31日時点)」*は持分法適用会社。その他は全て連結子会社。(注)1 昭和電線電纜(上海)有限公司は、当社グループの中国事業運営体制を強化するため、2024年9月10日付で、中間持株会社(投資性公司)に会社形態を変更するとともに、「愛世達喜(上海)投資有限公司」に商号変更しております。2 香港昭和有限公司は、2025年3月31日付で解散し、現在清算手続き中であります。3 当社は2025年3月27日付で、㈱日本政策投資銀行と共同で、㈱TOTOKUの発行済み株式のすべてを取得し、同社および同社子会社である㈱特電、㈱トクデンプロセル、東特(浙江)有限公司、TTI LAGUNA PHILIPPINES INC.、PT. TOTOKU INDONESIAを連結子会社といたしましたが、2025年3月31日時点では貸借対照表のみ連結しているため、上記の各事業セグメントには含めておりません。 「SWCCグループ事業系統図(2025年4月1日現在)」*は持分法適用会社。その他は全て連結子会社。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
製品価格へのスライド転嫁が困難な場合や相場が大きく下落する局面で損失が生じる可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX®」や免震装置、半導体ウエハ検査装置向けアクティブ除振台などの開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:自然災害等による製造拠点の操業停止や物流機能の麻痺 / 原材料・エネルギー価格の変動 / 人材の確保および育成の困難
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

SWCCは非鉄金属業であり、特許やブランドによる明確な無形資産の優位性は確認できない。同社の事業内容は主に電線・ケーブルの製造・販売であり、技術的な優位性は存在する可能性はあるが、それが特許等で保護され、競合に対する持続的な優位性となっているかは不明。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

SWCCの製品である電線・ケーブルは、インフラ投資や建設プロジェクトにおいて、仕様や品質基準が厳格に定められている場合が多い。一度採用された製品やサプライヤーを変更するには、再設計や再認証が必要となる可能性があり、一定のスイッチング・コストが発生しうる。しかし、価格競争力や代替品の存在により、その効果は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

SWCCの事業は、製品の利用者が増えることでその価値が増加するようなネットワーク効果は発生しない典型的な製造業である。製品の品質や供給能力が重要であり、ユーザー間の相互作用による価値向上は見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

非鉄金属(銅、アルミニウム等)の調達価格や製造プロセスの効率化がコスト競争力に影響を与える。SWCCが長年の事業運営で培った調達ノウハウや生産技術により、一定のコスト優位性を有している可能性はある。しかし、原材料価格の変動リスクや、他の大手メーカーとのコスト競争は激しいと考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

SWCCは電線・ケーブル業界において、一定の生産能力と販売網を持つ中堅企業である。国内市場においては、大手メーカーとの寡占状態にあり、規模の経済による効率的な生産・供給体制を構築していると考えられる。特に、特定の分野や地域においては、その規模が競争優位に寄与している可能性がある。

  • 社会インフラを支える技術力
    電線や電力ケーブル、免震装置といった社会インフラに不可欠な製品の製造販売およびエンジニアリングを手掛けており、長年培った技術力と実績が強みです。これにより、安定した事業基盤を築いています。
  • 多岐にわたる製品ラインナップ
    巻線、裸線、銅合金線、自動車用電線から通信ケーブル、ワイヤハーネス、精密デバイスまで、幅広い製品を提供しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる体制を構築しています。
  • グループ会社による事業展開
    SWCC㈱を核に、SFCC㈱、冨士電線㈱、昭光機器工業㈱など多数のグループ会社が製造・販売・エンジニアリングを分担しています。これにより、専門性を高めつつ、効率的な事業運営と市場への浸透を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のSWCCパーパスのもと、経営理念である「SWCCグループは、信頼の輪をひろげます。」に基づき、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。 そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けるために、「SWCCはソリューション提案型メーカーへ!」をビジョンとして掲げております。 また、当社グループは、ビジョンを実現するために大切にすべき価値観や行動を示した行動基準として、「「迅速」・「情熱」・「考動」で価値創造を実現する」とする「SWCCウェイ」を定めております。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは、2022年度を起点とし2026年度を最終年度とする中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を2021年11月に公表しました。そして2024年5月、2年間の進捗と足元の事業環境変化を織り込んだ「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」を公表しました。ローリングプランでは、3つの基盤事業の強化に伴うオーガニック成長を見込み、2026年度の利益目標をアップサイドに見直しましたが、当連結会計年度において、エネルギー・インフラ事業の事業環境が想定以上に好調であり、計画を大きく上回り推移したことから、2025年2月、2026年度の営業利益および株主還元の目標をさらに上方修正いたしました。  その折に開示しましたローリングプランの位置づけと主な数値目標は以下のとおりですが、2025年3月に株式を取得した㈱TOTOKUの業績を織り込んだ2026年度の数値目標については「SWCC VISION 2030」を具体化する新たな中期経営計画の公表と共に、2026年2月にお知らせする予定です。なお、新たな中期経営計画の策定においては、2025年度にスタートした新経営体制で推し進める「Change & Growth」の主な取り組みである、1.成長牽引事業のさらなる強化、2.第2の成長事業の確立、3.DX経営の加速、を含む成長ステージへのあらたな戦略を具体化していくものです。 ローリングプランの位置づけと主な財務数値目標は以下のとおりです。 (3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、少子高齢化による労働人口減少、米国の関税政策に伴う原材料価格の上昇やサプライチェーンの混乱、さらに国際情勢の不透明化など、先行きに対する不確実性はより一層高まっております。その中で、当社が直面する主要課題の一つである労働力不足への対応として、特に、エネルギー・インフラ事業において、2024年問題による施工面および物流面への労働力不足に対し、「製品(ユニバーサルデザインの推進)」「人(サステナブル人材教育の確立)」「物流(ロジスティクスのDX推進)」の3つの視点から、省力化・省人化・作業効率化を推進し、着実に対策を推進しております。 さらに、会社の対処すべき課題として、2025年2月7日に開示いたしました「持分法による投資損失および貸倒引当金繰入額(営業外費用)の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、中国の持分法適用会社の対応につきましては、中国の政府機関等と協力しながら対処に努めてまいります。 ①セグメント別の状況および課題各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。(エネルギー・インフラ事業) エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。 電力インフラ事業は、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフト、データセンターの市場拡大や送配電網増強に伴う旺盛な需要に対し、主力製品である高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX®(サイコネックス)」の増産投資が旺盛な需要を捉え受注を拡大したことを受けて、2025年度からさらなる第二期増産投資に着手します。また、少子高齢化や2024年問題を背景とする施工作業員不足の課題に対しては、施工人財開発センターにてDX教材活用・模擬施設訓練・知識習得・現場OJTによる技術者の早期育成プログラムを実施して優秀な人材を確保してまいります。さらにスキルレスなユニバーサルデザインケーブルの浸透等をとおして省力化、省人化、作業効率化を推進することで旺盛な需要に対応できる体制を構築してまいります。 国内の建設関連向け電線・ケーブル事業は、工事現場の働き方改革による大型案件の遅れや資材価格の高騰により、一時的に需要が調整局面にありますが、今後については、大型プラントやデータセンター向け案件が堅調に推移しており、需要は底堅く継続すると見込んでいます。合弁会社のSFCC㈱では、この調整期間を活用して三重事業所をマザー倉庫化して在庫管理を強化し、キャッシュ・フローの改善を図っていきます。さらに、顧客の購買利便性を高める営業支援ツール「Web Sales Office」の拡充などDXを通じた各種生産性向上施策を進め、さらなる収益改善に取り組んでまいります。 (電装・コンポーネンツ事業) 電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっておりますが、2025年度より通信・産業用デバイス事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。 特にモビリティおよび半導体領域を成長分野とし、素材製品の付加価値をより高めるべく、2025年3月に㈱TOTOKUの株式を取得し子会社化いたしました。半導体製造工程などにおける両社の技術開発のほか、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。 (通信・産業用デバイス事業) 通信・産業用デバイス事業は、通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向けデバイスが主体の事業となっておりますが、2025年度より電装・コンポーネンツ事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。 通信ケーブルは、通信トラフィックの増大によるオフィスネットワーク向け需要の取り込みや海外のテレコム・データコム市場の拡大およびADAS市場拡大に伴う需要捕捉に注力してまいります。 また、グローバルに事業を展開する㈱TOTOKUの技術開発、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。 (その他) インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。IT事業の強化としては、㈱アクシオにおいてクラウドでのID管理マネージドサービスを中心とするゼロトラスト事業の拡大を推進しております。また、当社グループでは、これまで培ってきた技能やデータとDXに関する技術やツールを掛け合わせ、新しいビジネスモデルを創出する「SWCC Smart Stream(スマートストリーム)事業」を推進してまいります。 ②品質向上に向けた取り組み 当社グループは、法令・規制、お客様との合意事項を遵守し、お客様に寄り添い、迅速な技術開発、サービスとものづくりを実現するため、グループ営業力を発揮して、お客様のニーズを確実に共有し、販・技・製一体での新たなサービスを提案するとともに、お客様に信頼いただける品質優先のものづくりを実現いたします。また、お客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーに満足を得られる品質活動を推進しております。 また、品質におけるコンプライアンスに関し、法令・法規、お客様との合意事項を遵守することを基本方針とし、品質不正を防止するためのチェック機能の強化、品質コンプライアンス教育の拡充を進めるとともに、トップマネジメントと第一線の社員とのコミュニケーション強化として、タウンホールミーティングなどを実施しております。 さらに、当社グループでは、2018年度より失敗コストの概念を導入し、品質向上に取り組んでおります。製品の企画・開発、設計、製造、検査、納入に至るまでのプロセスにおいて、品質管理体制を構築し、2026年度に品質起因による失敗コストを、2021年度比50%減とする目標の達成に向け取り組みを継続し、内部失敗コスト削減を重点的に取り組んでおります。 あわせて、ものづくりの基盤強化にむけ、モノづくり人財開発センターおよび2035ファクトリーPJを新たに立ち上げるとともに、DX取り組みの一環として、品質データのデジタル化に取り組むことにより、検査記録および合否判定の自動化も進めております。品質データのデジタル化では、全社報告会をとおし各部門の取り組みを共有化することにより、全体のレベルアップを図っております。 (4)2025年度のグループ経営方針 2025年度におきましても、先行き不透明な国際情勢を背景とした事業環境への影響は免れない状況が見込まれます。SWCCパーパスを軸に、多様性に富んだ従業員のエンゲージメント向上に取り組みながら、中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」の達成に向けた変革を着実に推進してまいります。あわせて、市場や経営環境の変化に応じて柔軟かつ迅速な意思決定と施策を実行することで、厳しい経営環境下においても経営体質の一層の強化と資本効率の向上を図り、持続的に成長する高収益企業を目指してまいります。こうした考えのもと、2025年度の当社グループの経営方針を以下のとおり定めております。(ⅰ)「Change & Growth」のスローガンのもと、果断な構造改革と積極的な成長戦略の継続(ⅱ)ROIC経営のさらなる高度化による、フリーキャッシュフローの最大化と資本効率向上 (ⅲ)安全・快適な職場づくりと業務改革に向けたIT戦略による、生産性の向上(ⅳ)ゼロ災への強いこだわり「ご安全に!」、信頼に応える「品質遵守」の徹底(ⅴ)新たな価値創造に向けた人材開発と現場改善の強化
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「いま、あたらしいことを。いつか、あたりまえになることへ。」のSWCCパーパスのもと、経営理念である「SWCCグループは、信頼の輪をひろげます。」に基づき、信頼される製品でインフラを支え、社会の安心安全に貢献する会社であり続けることを使命としております。 そして、長年積み上げてきた技術とサービスでお客様のニーズを掘り起こし、付加価値を創造する企業体として成長し続けるために、「SWCCはソリューション提案型メーカーへ!」をビジョンとして掲げております。 また、当社グループは、ビジョンを実現するために大切にすべき価値観や行動を示した行動基準として、「「迅速」・「情熱」・「考動」で価値創造を実現する」とする「SWCCウェイ」を定めております。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは、2022年度を起点とし2026年度を最終年度とする中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を2021年11月に公表しました。そして2024年5月、2年間の進捗と足元の事業環境変化を織り込んだ「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」を公表しました。ローリングプランでは、3つの基盤事業の強化に伴うオーガニック成長を見込み、2026年度の利益目標をアップサイドに見直しましたが、当連結会計年度において、エネルギー・インフラ事業の事業環境が想定以上に好調であり、計画を大きく上回り推移したことから、2025年2月、2026年度の営業利益および株主還元の目標をさらに上方修正いたしました。  その折に開示しましたローリングプランの位置づけと主な数値目標は以下のとおりですが、2025年3月に株式を取得した㈱TOTOKUの業績を織り込んだ2026年度の数値目標については「SWCC VISION 2030」を具体化する新たな中期経営計画の公表と共に、2026年2月にお知らせする予定です。なお、新たな中期経営計画の策定においては、2025年度にスタートした新経営体制で推し進める「Change & Growth」の主な取り組みである、1.成長牽引事業のさらなる強化、2.第2の成長事業の確立、3.DX経営の加速、を含む成長ステージへのあらたな戦略を具体化していくものです。 ローリングプランの位置づけと主な財務数値目標は以下のとおりです。 (3)経営環境および優先的に対処すべき事業上の課題 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、少子高齢化による労働人口減少、米国の関税政策に伴う原材料価格の上昇やサプライチェーンの混乱、さらに国際情勢の不透明化など、先行きに対する不確実性はより一層高まっております。その中で、当社が直面する主要課題の一つである労働力不足への対応として、特に、エネルギー・インフラ事業において、2024年問題による施工面および物流面への労働力不足に対し、「製品(ユニバーサルデザインの推進)」「人(サステナブル人材教育の確立)」「物流(ロジスティクスのDX推進)」の3つの視点から、省力化・省人化・作業効率化を推進し、着実に対策を推進しております。 さらに、会社の対処すべき課題として、2025年2月7日に開示いたしました「持分法による投資損失および貸倒引当金繰入額(営業外費用)の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、中国の持分法適用会社の対応につきましては、中国の政府機関等と協力しながら対処に努めてまいります。 ①セグメント別の状況および課題各セグメントの状況および課題については以下のとおりであります。(エネルギー・インフラ事業) エネルギー・インフラ事業は、国内の電力インフラ、建設関連向けの電線・ケーブル、免制震部材が主体の事業となっております。 電力インフラ事業は、国土強靭化対策による底堅い需要に加えて、再生可能エネルギーへのシフト、データセンターの市場拡大や送配電網増強に伴う旺盛な需要に対し、主力製品である高電圧電力ケーブル用コネクタ「SICONEX®(サイコネックス)」の増産投資が旺盛な需要を捉え受注を拡大したことを受けて、2025年度からさらなる第二期増産投資に着手します。また、少子高齢化や2024年問題を背景とする施工作業員不足の課題に対しては、施工人財開発センターにてDX教材活用・模擬施設訓練・知識習得・現場OJTによる技術者の早期育成プログラムを実施して優秀な人材を確保してまいります。さらにスキルレスなユニバーサルデザインケーブルの浸透等をとおして省力化、省人化、作業効率化を推進することで旺盛な需要に対応できる体制を構築してまいります。 国内の建設関連向け電線・ケーブル事業は、工事現場の働き方改革による大型案件の遅れや資材価格の高騰により、一時的に需要が調整局面にありますが、今後については、大型プラントやデータセンター向け案件が堅調に推移しており、需要は底堅く継続すると見込んでいます。合弁会社のSFCC㈱では、この調整期間を活用して三重事業所をマザー倉庫化して在庫管理を強化し、キャッシュ・フローの改善を図っていきます。さらに、顧客の購買利便性を高める営業支援ツール「Web Sales Office」の拡充などDXを通じた各種生産性向上施策を進め、さらなる収益改善に取り組んでまいります。 (電装・コンポーネンツ事業) 電装・コンポーネンツ事業は、電線導体用の線材や汎用モータ用の巻線等の一般汎用製品と無酸素銅MiDIP®およびヒータ用銅合金線等の高品位線材や、環境対応車向け高機能巻線といった高機能製品が主体の事業となっておりますが、2025年度より通信・産業用デバイス事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。 特にモビリティおよび半導体領域を成長分野とし、素材製品の付加価値をより高めるべく、2025年3月に㈱TOTOKUの株式を取得し子会社化いたしました。半導体製造工程などにおける両社の技術開発のほか、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。 (通信・産業用デバイス事業) 通信・産業用デバイス事業は、通信ケーブル、家電や産業機器向けのワイヤハーネス、複写機向けデバイスが主体の事業となっておりますが、2025年度より電装・コンポーネンツ事業とともに通信・コンポーネンツ事業として統合いたします。 通信ケーブルは、通信トラフィックの増大によるオフィスネットワーク向け需要の取り込みや海外のテレコム・データコム市場の拡大およびADAS市場拡大に伴う需要捕捉に注力してまいります。 また、グローバルに事業を展開する㈱TOTOKUの技術開発、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、事業の成長を実現していきます。 (その他) インダストリ、ITを軸に新たな事業創出に向けて取り組みを推進しております。IT事業の強化としては、㈱アクシオにおいてクラウドでのID管理マネージドサービスを中心とするゼロトラスト事業の拡大を推進しております。また、当社グループでは、これまで培ってきた技能やデータとDXに関する技術やツールを掛け合わせ、新しいビジネスモデルを創出する「SWCC Smart Stream(スマートストリーム)事業」を推進してまいります。 ②品質向上に向けた取り組み 当社グループは、法令・規制、お客様との合意事項を遵守し、お客様に寄り添い、迅速な技術開発、サービスとものづくりを実現するため、グループ営業力を発揮して、お客様のニーズを確実に共有し、販・技・製一体での新たなサービスを提案するとともに、お客様に信頼いただける品質優先のものづくりを実現いたします。また、お客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーに満足を得られる品質活動を推進しております。 また、品質におけるコンプライアンスに関し、法令・法規、お客様との合意事項を遵守することを基本方針とし、品質不正を防止するためのチェック機能の強化、品質コンプライアンス教育の拡充を進めるとともに、トップマネジメントと第一線の社員とのコミュニケーション強化として、タウンホールミーティングなどを実施しております。 さらに、当社グループでは、2018年度より失敗コストの概念を導入し、品質向上に取り組んでおります。製品の企画・開発、設計、製造、検査、納入に至るまでのプロセスにおいて、品質管理体制を構築し、2026年度に品質起因による失敗コストを、2021年度比50%減とする目標の達成に向け取り組みを継続し、内部失敗コスト削減を重点的に取り組んでおります。 あわせて、ものづくりの基盤強化にむけ、モノづくり人財開発センターおよび2035ファクトリーPJを新たに立ち上げるとともに、DX取り組みの一環として、品質データのデジタル化に取り組むことにより、検査記録および合否判定の自動化も進めております。品質データのデジタル化では、全社報告会をとおし各部門の取り組みを共有化することにより、全体のレベルアップを図っております。 (4)2025年度のグループ経営方針 2025年度におきましても、先行き不透明な国際情勢を背景とした事業環境への影響は免れない状況が見込まれます。SWCCパーパスを軸に、多様性に富んだ従業員のエンゲージメント向上に取り組みながら、中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」の達成に向けた変革を着実に推進してまいります。あわせて、市場や経営環境の変化に応じて柔軟かつ迅速な意思決定と施策を実行することで、厳しい経営環境下においても経営体質の一層の強化と資本効率の向上を図り、持続的に成長する高収益企業を目指してまいります。こうした考えのもと、2025年度の当社グループの経営方針を以下のとおり定めております。(ⅰ)「Change & Growth」のスローガンのもと、果断な構造改革と積極的な成長戦略の継続(ⅱ)ROIC経営のさらなる高度化による、フリーキャッシュフローの最大化と資本効率向上 (ⅲ)安全・快適な職場づくりと業務改革に向けたIT戦略による、生産性の向上(ⅳ)ゼロ災への強いこだわり「ご安全に!」、信頼に応える「品質遵守」の徹底(ⅴ)新たな価値創造に向けた人材開発と現場改善の強化
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。①財政状態の状況 当連結会計年度末における資産合計は1,977億7百万円で、前連結会計年度末より361億24百万円増加しております。その内訳としては、流動資産の増加160億96百万円、固定資産の増加200億28百万円であります。流動資産の増加は、主に現金および預金、売掛金が増加したことによるものであります。固定資産の増加は、主に㈱TOTOKUの株式取得に伴うのれんを計上したことによるものであります。 当連結会計年度末における負債合計は1,120億89百万円で、前連結会計年度末より276億32百万円増加しております。その内訳としては、流動負債の増加334億62百万円、固定負債の減少58億30百万円であります。流動負債の増加は、主に㈱TOTOKUの株式取得に伴い借入金が増加したことによるものであります。固定負債の減少は、主に長期借入金が減少したことによるものであります。 当連結会計年度末における純資産の合計は856億18百万円で、前連結会計年度末より84億92百万円増加しております。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益114億円を計上したことによるものであります。 当連結会計年度末の有利子負債は547億29百万円となり前連結会計年度末より244億46百万円増加しました。自己資本比率は前連結会計年度比で4.7ポイント減の42.3%となりました。その結果、DEレシオは当連結会計年度末で65%となり、前連結会計年度比で25ポイントの増加となりました。 ②経営成績の状況 当社グループを取り巻く事業環境につきましては、物価と賃金が上昇する好循環を背景に景気は緩やかな回復を見せましたが、2024年問題を背景とする労働力不足や物資高騰などが懸念される状況で推移いたしました。また、2025年に入ってからは、米国の関税政策をはじめとする経済政策動向、不安定な国際情勢など、依然先行き不透明な状況が続いております。しかしながら、国内電力インフラ向けは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みや、半導体・デジタル分野への投資拡大、さらに工事の年間平準化の進展も相まって、好調に推移しました。また、国内建設関連向けについては、当初想定していた前年度の電線需給逼迫からの反動は見られず、堅調に推移しました。一方で、自動車関連市場では、一部国内自動車メーカーの生産・出荷停止による調整局面等の影響が続きました。 このような環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は2,378億62百万円(前年度比11.2%増)、営業利益は209億35百万円(前年度比63.2%増)、経常利益は持分法適用会社に対する投資損失と債権の貸倒リスクを勘案し最大限引当を行ったことなどが影響し112億72百万円(前年度比7.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は114億円(前年度比29.0%増)となりました。 次にセグメントの状況をご説明いたします。 (エネルギー・インフラ事業) 電力インフラ向けは、戦略製品であるSICONEX®の増産投資が旺盛な需要を捉え、受注を拡大しました。さらに電力会社のレベニューキャップ対応や施工人員の適正確保を目的とする工事案件の年間平準化を背景とする構造的な収益改善に加え、年間を通じて工事案件の受注が高まったことから、大幅な増収増益となりました。また、国内建設関連向けは、エネルギー・原材料等の価格高騰を織り込んだ販売価格見直しに加え、DX推進や各種生産性向上の施策を進め、堅調に推移した需要を捕捉しました。これらの結果、当事業における売上高は1,412億10百万円(前年度比14.6%増)、営業利益は180億63百万円(前年度比68.8%増)となりました。 (電装・コンポーネンツ事業) xEV向け高機能製品は、一部国内自動車メーカーの生産・出荷停止による調整局面が続き、低調に推移しました。一方で一般汎用巻線については、重電向けが概ね堅調に推移するも、産業機械向けは低調に推移しました。これらの結果、当事業における売上高は567億61百万円(前年度比2.7%増)、営業利益は13億98百万円(前年度比14.1%減)となりました。 (通信・産業用デバイス事業) 通信ケーブルは販売価格見直しの効果に加え、データセンターを含む建設関連向けと車載高速通信ケーブルの需要が堅調に推移しました。また、事務機器用ローラについても、収益改善の取り組み効果に加え、個人、オフィス向けのほか産業向けの需要回復に伴い堅調に推移しました。一方で、ワイヤハーネスは、日系家電メーカーの国内および中国での販売不振の影響が続きました。これらの結果、当事業における売上高は351億16百万円(前年度比14.3%増)、営業利益は27億82百万円(前年度比101.4%増)となりました。 (その他) 売上高は47億75百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は4億78百万円(前年度比139.3%増)となりました。(注) 上記、各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高または振替高を含めておりません。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、191億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ119億26百万円増加しております。 営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益207億44百万円が計上され、棚卸資産が増加したこと等により131億12百万円の収入(前期比46億28百万円収入減)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、㈱TOTOKUの株式取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、有形固定資産の取得による支出、有形固定資産の売却による収入等により71百万円の収入(前期比9億49百万円収入減)となり、フリーキャッシュ・フローは131億83百万円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により14億51百万円の支出(前期比141億75百万円支出減)となりました。 ④生産、受注および販売の状況 当社および連結子会社の生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も含まれるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 このため、生産、受注および販売の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載のとおりであります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。当該連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、損益の計上金額ならびに関連する偶発資産および偶発債務の開示に影響する見積りを用いております。過去の実績や見積り時点で取得可能な情報に基づき、合理的と考えられる様々な要因を考慮し見積りを行っておりますが、当該見積りに基づく計上金額や開示額は実際の結果と異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 当社グループの連結会計年度における売上高は、xEV関連市場、産業機械向けおよび白物家電市場における需要は低迷するも、電力インフラ市場において、戦略製品であるSICONEX®の増産投資が旺盛な需要を捉え、受注を拡大したほか、通信ケーブル市場向けは、データセンターを含む建設関連向けと車載高速通信ケーブルの需要が堅調に推移し、前年度比で増収となりました。営業利益については、原材料・エネルギーコストの上昇を、販売価格への転嫁や各種収益力改善の取り組みによりカバーし、前年度比で増益となりました。③経営成績に重要な影響を与える要因について 経営者の問題意識と今後の方針については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④経営戦略の現状と見通し 当社グループは、2022年度を起点とし2026年度を最終年度とする中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」を2021年11月に公表しました。2024年5月には、2年間の進捗と足元の事業環境変化を織り込んだ「Change & Growth SWCC 2026 ローリングプラン2024」を公表しています。ローリングプランでは、3つの基盤事業の強化に伴うオーガニック成長を見込み、2026年度の利益目標をアップサイドに見直しましたが、当連結会計年度において、エネルギー・インフラ事業の事業環境が想定以上に好調であり、計画を大きく上回り推移したことから、2025年2月、2026年度の営業利益および株主還元の目標をさらに上方修正しています。 事業別の経営戦略と今後の見通しについては、エネルギー・インフラ事業のうち電力インフラ向けは、脱炭素社会の進展を背景に、電力網の強靱化や再生可能エネルギー関連が引き続き好調に推移すると見込まれます。当社グループでは、この事業を成長牽引事業と位置付けており、2023年度に増産投資した戦略製品であるSICONEX®の生産能力の最大活用による売上拡大に加え、2025年度に第二期の増産投資に着手いたします。また建設関連は、底堅い需要が見通せるものの、工事現場の働き方改革による工程および竣工の遅れや、資材価格高騰による建設計画の見直し等による需要の調整が想定されることから、キャッシュ創出力を向上すべく、当社グループを横断した、あらたな営業サービスの提供や物流改革等に取り組みます。一方、電装・コンポーネンツ事業と通信・産業用デバイス事業は、次期連結会計年度より通信・コンポーネンツ事業として統合し、エネルギー・インフラ事業に並ぶ、あらたな成長の柱として事業拡大を目指します。特にモビリティおよび半導体領域を成長分野とし、素材製品の付加価値をより高める川下戦略を展開していますが、これをより加速すべく、2025年3月に㈱TOTOKUの株式を取得し子会社化いたしました。㈱TOTOKUは、「細く、軽く、小さく」を実現する独自の技術とノウハウに基づく高い競争優位性を有する製品群を抱えており、今後も高い成長が見込まれます。これらの製品群について、両社グループ共通の成長領域において技術開発、製造、営業・マーケティング等に係るリソースをクロスセルや共同開発により融合させることで、通信・コンポーネンツ事業の成長を実現させていきます。 なお、足元にて不透明感が増している米国の関税政策に関しては、当社グループ全体において米国への直接および間接輸出の割合は低いことから、業績への影響は限定的であると想定し、現時点において、次期連結会計年度の業績予想には、この影響額を織り込んでおりませんが、今後も継続して事業への影響を確認し、適切な対応を取ってまいります。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑥資本の財源および資金の流動性について 当社グループは、安定した財務基盤の強化に努めつつ、中長期的な将来の成長に向け、現中計において企業価値を高めていくために必要な成長投資や戦略製品の増産投資等にキャッシュ・フローを戦略的に振り向けてまいりました。これらの投資等のための所要資金は事業で創出されるキャッシュ・フローを充当することを主とし、金融情勢や金利水準などを考慮しながら、資金需要に応じた調達に努めております。 また、資金の流動性を確保するために、金融機関とコミットメントラインを締結するとともに、当連結会計年度末現在においては、㈱日本格付研究所(JCR)より「A-格」の格付を取得しております。また、急激な市況変動や非鉄金属相場の変動等に備えるため、手元資金は事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。 今後も引き続き、収益力強化および資本効率の向上を通じたキャッシュ創出力の維持・強化により企業価値向上を実現し、株主還元の充実をはかってまいります。

事業リスク

  • 自然災害による事業活動への影響
    大規模な地震、台風、洪水などの自然災害が発生した場合、製造拠点の操業停止や物流機能の麻痺により、製品の生産や供給が滞る可能性があります。これにより、計画的な生産活動に大幅な制限が生じ、業績に重要な影響を及ぼす恐れがあります。
  • 原材料・エネルギー価格の変動リスク
    主要原材料である銅やポリエチレンなどの石油化学製品の価格変動、およびエネルギー価格の変動は、製造コストに直接影響を与えます。製品価格への転嫁が困難な場合や相場が大きく変動する局面では、損失が発生し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
  • サプライチェーン寸断・喪失のリスク
    原材料の供給元における問題(廃業、事業撤退、災害など)により、サプライチェーンが寸断または喪失した場合、原材料の供給停止や遅延が発生する可能性があります。これにより、事業活動に支障が生じたり、調達コストが増大したりする恐れがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,105 文字
3【事業等のリスク】 文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  当社グループにおいて、リスクとは、経営の目的の達成を阻害する潜在的な要因であると定義しております。 また、リスクを適切に管理することは、経営上極めて重要な課題であるとの認識のもと、当社グループはリスクマネジメント委員会を中心とするリスクマネジメント体制を整備しております。当社グループのリスクマネジメント体制については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。 リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要リスクについては、本委員会にてリスクを識別、分析、評価をして判断しております。具体的には、グループ各社から挙げられたリスクを影響度、発生可能性、リスク管理の脆弱性(リスクが顕在化した場合にその影響をコントロールできているか)の評価軸からリスク軽減策を実施してもなお残存するリスクを数値化して定量的に分析を行い、その上で当社グループとして重要な影響を及ぼす可能性があるリスクを主要リスクとして特定しております。また、「サステナビリティ基本方針」に基づきマテリアリティを定めていることから、それらとの関連付けやコーポレート部門で認識したリスクについても追加の上、全社的に主要リスクへの対策を行っております。なお、マテリアリティに関する詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。 ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクもあります。それらのリスク要因のいずれによっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、米国の関税政策に関しては、当社グループ全体において米国への直接および間接輸出の割合は低いことから、業績への影響は限定的であると想定しておりますが、今後も継続して事業への影響を確認し、適切な対応を取ってまいります。 主要リスクとしては、以下のようなものがあります。 主要リスクリスク項目マテリアリティ認識しているリスク内容主要な取り組み残存するリスク自然災害等・地球にやさしい 〇以下の自然災害等による製造拠点の操業停止や物流機能の麻痺等・大規模な地震・台風・洪水等の自然災害・事前に想定されるリスクに対して円滑な初期対応を講じるために、BCP(事業継続計画)を策定、見直し・製造拠点ではインフラ設備の強靭化投資を計画的に実施・災害保険の付保・想定を超えた自然災害等により電力不足・物流の停滞等が生じ、社会インフラ機能そのものの低下が長期化する等、計画的な生産活動に大幅な制限が生じた場合の業績等への重要な影響原材料・エネルギー価格変動・みらいを創る・地球にやさしい 〇主要原料の銅の価格変動〇ポリエチレン等の石油化学製品の価格変動 ・グループ調達本部による管理強化・計画的な安定調達実施による在庫削減・製品価格へのスライド転嫁・先物取引等を活用した銅価格変動リスクヘッジ・調達先の多様化、複数購買の推進によるリスク低減・省エネ設備の導入・製品価格への転嫁が困難な場合や相場が大きく下落する局面で、損失が生じた場合の業績等への重要な影響 リスク項目マテリアリティ認識しているリスク内容主要な取り組み残存するリスク人材の確保および育成・ひとが輝く〇営業機会の損失〇製造の技能承継困難による事業継続への影響〇製品やサービスの品質低下〇成長機会の逸失による業績目標達成への影響主要な取り組みについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。・組織編制上の制約や事業上の機会の逸失による業績等への重要な影響サプライチェーン寸断・喪失・ともに生きる 〇サプライチェーンの寸断・喪失による原材料供給の停止、遅延・調達先の多様化、複数購買の推進によるリスク低減・代替品の確保・調達先の個別管理徹底(廃業、事業撤退リスク管理)・原材料調達の停止、遅延による事業活動や業績への影響・調達難に起因する調達コストの増大サイバーセキュリティ・より良き企業に〇サイバー攻撃、情報漏洩、システム障害による知的財産や顧客情報その他の機密情報の損失、レピュテーションの毀損・CSIRTの設置、モニタリング・年2回の訓練を通したイン シデント発生時の情報伝達体制の確認・サイバーセキュリティ保険の付保・未知の攻撃に晒された場合の機密情報の損失やレピュテーションの毀損・保険適用外の損失の発生品質問題・より良き企業に〇品質問題の発生(欠陥、不良品)〇各種規格、法令、お客様との取り決め等に違反する製品の製造・販売・品質統括部門によるモニタリング、監査統括部による監査・品質保証業務のデジタル化推進による品質管理徹底、不正防止・全社的教育プログラムの展開・品質部門の人財確保・育成・賠償保険の付保・品質問題に起因する損失補償や製造物責任訴訟等・品質問題による信頼失墜、レピュテーションの毀損

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