事業の概要
- 多角的な事業展開AGCグループは、建築ガラス、自動車用ガラス、電子・ディスプレイ材料、化学品、ライフサイエンスといった幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の産業に依存することなく、多様な市場からの収益を確保するビジネスモデルを構築しています。
- グローバルな製造・販売網日本だけでなく、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界各地に開発・生産拠点を持ち、製品をグローバルに供給しています。これにより、地域ごとの需要変動リスクを分散し、安定した事業運営を目指しています。
- 素材・材料の提供主にBtoB(企業間取引)で、様々な産業の基盤となる素材や材料を提供することで収益を上げています。最終製品の需要動向に影響を受けつつも、幅広い産業を支えることで安定的な需要を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 建築ガラス事業建築用板ガラスや加工ガラス(複層ガラス、強化ガラスなど)を製造・販売しています。主に日本・アジア、欧州で事業を展開しており、建設投資の動向が収益に大きく影響します。
- 自動車関連事業自動車用ガラスや車載ディスプレイ用カバーガラスを提供しています。日本・アジア、欧州、米州に拠点を持ち、自動車生産台数の変動が事業収益に直結する傾向があります。
- 電子・ディスプレイ事業液晶/有機ELディスプレイ用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、半導体関連部材などを扱っています。液晶テレビやスマートフォン、半導体業界の市場動向が収益に大きな影響を与える事業です。
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3【事業の内容】 当社及び当社の子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社は、当社、子会社192社及び関連会社26社により構成され、その主な事業内容は次のとおりであります。 なお、以下の区分とセグメント情報における事業区分とは、同一です。 報告セグメント主要製品等建築ガラス建築用板ガラス、建築用加工ガラス(複層ガラス、強化ガラス、合わせガラス)オートモーティブ自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス電子・ディスプレイ 液晶/有機ELディスプレイ用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス・電子部材 半導体関連部材、光学関連部材化学品・エッセンシャルケミカルズ 苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂、ウレタン原料・パフォーマンスケミカルズ フッ素製品(樹脂、ガス、溶剤)、ヨウ素製品ライフサイエンス合成医農薬開発製造受託、バイオ医薬品開発製造受託、医農薬中間体・原体 上記の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。 事業の系統図は以下のとおりであります。各区分の会社数には当社を含んでおりません。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 市場や顧客ニーズを把握し、品質、価格、デリバリー、新技術開発で競争優位性を維持 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自の素材・ソリューション提供、新技術開発、知的財産権の取得、マテリアルズ・インフォマティクス活用 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:地政学・カントリーリスク / 市場環境の変化 / 競争優位性に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
AGCは長年の研究開発により、フッ素化学やセラミックスなどの先端材料分野で独自の技術ポートフォリオを構築。特に、半導体製造プロセスに不可欠な特殊ガラスやフッ素樹脂は、高い技術的参入障壁を持つ。しかし、特許の陳腐化リスクや競合他社のキャッチアップの可能性も存在する。
スイッチングコスト★★★☆☆
自動車用ガラスや建築用ガラスなど、顧客との長期的な取引関係と仕様のカスタマイズにより、一定のスイッチング・コストが発生。特に、自動車メーカーとの共同開発や認証プロセスは、他社への切り替えを困難にする要因となる。ただし、汎用性の高い製品ではスイッチング・コストは低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
AGCの事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増すネットワーク効果を直接的に享受するものではない。各事業は独立性が高く、プラットフォーム型ビジネスではない。
コスト優位★★☆☆☆
ガラス製造における大規模な生産設備と長年の操業ノウハウによる効率化は、一定のコスト優位性をもたらす。特に、エネルギー効率の改善や原料調達の最適化は継続的に行われている。しかし、原材料価格の変動やエネルギーコストの高騰は、コスト優位性を圧迫する要因となりうる。
規模の経済★★★★★
AGCは、ガラス、化学品、セラミックス、電子材料など多岐にわたる事業分野で、グローバルにトップクラスのシェアを誇る。特に、フロート板ガラスや自動車用ガラス、ディスプレイ用ガラスなどの分野では、圧倒的な生産能力と販売網を有しており、規模の経済による効率性と市場への影響力は大きい。
- 多様な技術と製品ポートフォリオ建築用板ガラスから自動車用ガラス、液晶ディスプレイ用ガラス基板、半導体関連部材、さらにはフッ素製品や合成医農薬まで、多岐にわたる製品とそれを支える高度な技術を有しています。これにより、顧客の多様なニーズに対応し、幅広い市場で競争力を維持しています。
- グローバルな事業展開力世界各地に生産・開発拠点を持ち、地域ごとの市場特性に合わせた製品供給とサービス提供が可能です。これにより、特定の地域経済の変動リスクを吸収し、グローバルな規模で事業を拡大できる強みがあります。
- 研究開発と知的財産新技術の開発に積極的に取り組み、知的財産権の取得にも注力しています。これにより、競合他社に対する技術的な優位性を確立し、長期的な競争力を維持するための基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)経営の基本方針当社グループでは、グループの全ての事業活動、社会活動を貫く企業理念として “Look Beyond” を定めています。この “Look Beyond” において、当社グループが世の中に提供すべき価値、グループの存在意義を示すものとして「私たちのパーパス:“AGC、いつも世界の大事な一部”~私たちは先を見据え、独自の素材・ソリューションで、いつもどこかで世界中の人々の暮らしを支えます~」を掲げています。 当社グループは、“いつも世界の大事な一部”であり続けるために、それぞれの時代で求められる変革に取り組んでいます。その変革を加速するため、2016年に既存事業を「コア事業」、成長分野での新事業群を「戦略事業」と定義し、両利きの経営を推進してきました。2021年には長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定するとともに、「コーポレート・トランスフォーメーション第二章」として事業ポートフォリオ改革の方向性を明確にし、企業変革をさらに加速することを宣言しました。 (2)対処すべき課題 当社グループは、長期経営戦略「2030年のありたい姿」の実現に向け、2024年2月に策定した中期経営計画 AGC plus-2026(以下、「現中計」といいます。)の戦略に基づく取り組みを実行しています。 独自の素材・ソリューションの追求を通じて事業構造の変革を図り、市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオの構築を目指しています。 現中計の基本戦略は、次のとおりです。 ① 2026年の財務KPI 現中計の策定時点では、2026年の財務KPIを営業利益2,300億円、ROE8%以上と設定していました。しかしながら、中国・欧州の景気低迷及びライフサイエンス事業における販売数量の大幅な未達を受け、2025年2月に目標を下方修正しました。更に、電子部材事業(EUV露光用フォトマスクブランクス、オプトエレクトロニクス)、ライフサイエンス事業での売上目標未達、並びにエッセンシャルケミカルズ東南アジア事業における価格低迷が見込まれるため、今般、2026年の財務KPIを以下のとおりとしました。 * EBITDA=営業利益+減価償却費 ** 2023-2025平均。CAPM(資本資産価格モデル)で算出 現中計の最終年である2026年度においてROE5%以上を達成し、2027年以降早期に、株主資本コストを上回るROE8%超えを目指します。この達成に向けて、以下の施策を実行していきます。 ② 主要課題と対応施策(ⅰ) ROCEの改善 当社グループは、ROE向上のため、事業管理指標としてROCE*1を用いています。 エレクトロニクス事業及びインテグレイテッドケミカルズ事業*2は、製品の差別化により高収益を確保しており、今後も高水準のROCE継続を目指します。 一方、資産規模の大きい事業の収益性が不十分であることが全社ROCEを引き下げており、これらの事業における営業利益の向上及び営業資産の適正化を喫緊の課題と位置付け、対応を継続しています。その結果、オートモーティブ事業では2025年にROCEが10%を超える水準を達成し、ディスプレイ事業*3でも改善が進んでいます。しかしながら、エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業*2及びライフサイエンス事業は依然として改善途上にあります。 (注)*1. ROCE(営業資産営業利益率)=(当年度営業利益)÷(当年度末営業資産残高)*2. インテグレイテッドケミカルズ事業: 日本国内のクロール・アルカリ及びウレタン製品事業並びに主に日本に開発・製造機能を置く機能化学品事業 エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業: 東南アジア地域のクロール・アルカリ事業*3. 化学強化用特殊ガラス事業を含まない 全ての事業における営業利益の向上及び営業資産の適正化に向けて、次の取り組みを実行のうえ、ROE8%に相当する全社ROCE10%以上の達成を目指していきます。 - 営業利益の向上施策:コスト改善(安定生産・生産性改善)、価格政策、高付加価値化 - 営業資産の適正化:投資の厳選、在庫の縮減、事業の売却・撤退 (ⅱ) 各事業の状況と取り組み<エレクトロニクス事業> 半導体関連市場が拡大する中、高い市場シェアを有する独自性の高い製品群により高収益を確保していますが、2025年は成長が鈍化しました。オプトエレクトロニクスは更なる高機能化に向けた移行期にあり、その着実な実行により再成長を目指します。一方、半導体関連部材は概ね成長を継続しており、EUV露光用フォトマスクブランクスについては先端分野の開発及び拡販に注力することで、成長軌道への回帰を図ります。 <インテグレイテッドケミカルズ事業> 半導体関連を主としたエレクトロニクス市場の拡大を背景に、多様で差別化された製品群が高収益に寄与しています。また、組織改正により日本でのケミカルチェーン全体を最適化し、事業運営の機動性と収益性を高める体制を整えました。パフォーマンスケミカルズでは、エレクトロニクス・エネルギー・モビリティの3分野における高収益製品に注力し、収益性の更なる向上を図ります。 <オートモーティブ事業> 価格政策、事業構造改革及び高機能・高付加価値化による収益改善施策により、2025年にROCEが10%を上回る水準を達成しました。これらの取り組みを継続し、数年以内にROCE15%の達成を目指します。 <建築ガラス事業> 欧州では需要低迷が継続する一方、需給改善により価格水準は適正に維持されています。Low-E複層ガラス、真空断熱ガラス等の高断熱・高遮熱製品の拡販と継続的なコスト削減により、収益性の強化を図ります。日本ではリノベーション需要が下支えとなり、当社が有する強固なお客様基盤を活かして価格政策や高付加価値製品の拡販を進め、収益力の向上を目指します。東南アジアでは需要は緩やかに増加するものの競争環境は激化しており、販売・流通網の強化や高付加価値化等を継続します。南米については経済成長に伴い需要は堅調であり、高付加価値化の推進により収益化の更なる向上に努めます。 <ディスプレイ事業> 事業構造改革、価格政策及び技術革新を通じた競争力強化により収益性は着実に改善しています。今後も施策を継続し、ROCE10%の達成を目指します。 <エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業> 東南アジア域内の需要は年平均約4%で拡大しており、特に苛性ソーダはインドネシアのアルミナ・ニッケル精錬向け需要が増加しています。一方、塩化ビニル樹脂・苛性ソーダの市場価格は中国経済の低迷やインドによるアンチダンピング課税見送りの影響で引き続き低調に推移しています。こうした需給・価格環境を踏まえ、東南アジア域内生産の優位性を最大限に活用し、域内での販売比率を高めることで物流費等の販売コストを削減し、マージンの拡大を図ります。併せて、域内での安定的なエチレン供給を確保して原料面での競争力を高め、収益改善を進めていきます。 <ライフサイエンス事業> バイオ医薬品CDMOの微生物及び遺伝子・細胞治療、並びに合成医農薬CDMOは、安定した品質と実績を維持しています。一方で、ライフサイエンス事業の売上高のうち半分を占めるバイオ医薬品CDMOの動物細胞は、受注獲得が課題であり、営業・マーケティングの強化、当社グループの生産技術力の活用、コスト削減などの改善策を順次実施しています。 本事業全体の業績は、米国コロラド拠点撤退に伴うコスト構造の改善や生産の安定化が進んでいることから回復を見込んでいるものの、動物細胞分野の受注拡大の効果発現に時間を要するため、黒字化は2027年を見込んでいます。 (ⅲ) 研究開発投資の方向性 当社グループは持続的成長と競争力強化を目的に研究開発投資を推進しており、投資効率向上のため、市場軸と技術軸の二軸で開発領域を選定する仕組みを運用しています。これらの仕組みに基づき、今後の開発の方向性を次のとおり定めており、最先端かつ高付加価値領域への投資を強化していきます。 イ 生産・基盤技術革新(AI/MI技術、量子コンピュータ活用、GHG削減等) ロ 次世代・新製品開発(IRカットフィルタ、EUV露光用フォトマスクブランクス、ガラスコア、車載用パネル等) ハ 新事業創出(半導体プロセス部材、電池用材料、DDS等)(注) MI:マテリアルズ・インフォマティクス、 DDS:ドラッグデリバリーシステム(薬剤を体内で必要な部位に、必要な量、必要な時間作用させるように工夫を施す技術) <半導体関連事業の拡大> 上記の方向性に基づき、半導体関連の研究開発投資を一層強化するとともに、事業展開を加速します。 半導体製造の前工程では、EUV露光用フォトマスクブランクスやCMPスラリーを中心に、半導体メーカーの厳しい要求に応える部材を供給してきました。前工程での価値提供は引き続き強化する一方で、今後は半導体の更なる性能向上に直結すると期待される後工程にも注力し、新技術・新製品の投入を図ります。当社グループの強みは、無機素材、有機素材、機能設計・加工技術を一貫して保有し、これらを融合したソリューションを提供できる点にあります。こうした強みを最大限に活用し、特に半導体パッケージング関連技術とソリューションの拡大を推進していきます。 (ⅳ) 設備投資 2018年から2025年にかけて、毎年2,000億円を超える設備投資を実施してきました。主に化学品事業やライフサイエンス事業における生産能力拡大のための投資であり、これらの大規模な投資は2025年で一段落しました。 2026年以降は、新規投資を大幅に抑制し、既存設備の最大活用によるROCE改善を図り、これまでの投資の回収に注力します。 (ⅴ) 株主還元 株主還元は、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%程度を目安とした安定的な配当を基本方針としており、2026年の1株当たり配当は2025年水準を維持する予定です。なお2027年以降の株主還元方針については、業績回復の状況を見極めたうえで、必要に応じて見直しを検討します。 当社グループは、これらの取り組みを着実に実行のうえ、「2030年のありたい姿」を実現することで、世の中、お客様・取引先様、従業員、株主・投資家の皆様、将来世代など、全てのステークホルダーに様々な価値をプラスします。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)経営の基本方針当社グループでは、グループの全ての事業活動、社会活動を貫く企業理念として “Look Beyond” を定めています。この “Look Beyond” において、当社グループが世の中に提供すべき価値、グループの存在意義を示すものとして「私たちのパーパス:“AGC、いつも世界の大事な一部”~私たちは先を見据え、独自の素材・ソリューションで、いつもどこかで世界中の人々の暮らしを支えます~」を掲げています。 当社グループは、“いつも世界の大事な一部”であり続けるために、それぞれの時代で求められる変革に取り組んでいます。その変革を加速するため、2016年に既存事業を「コア事業」、成長分野での新事業群を「戦略事業」と定義し、両利きの経営を推進してきました。2021年には長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定するとともに、「コーポレート・トランスフォーメーション第二章」として事業ポートフォリオ改革の方向性を明確にし、企業変革をさらに加速することを宣言しました。 (2)対処すべき課題 当社グループは、長期経営戦略「2030年のありたい姿」の実現に向け、2024年2月に策定した中期経営計画 AGC plus-2026(以下、「現中計」といいます。)の戦略に基づく取り組みを実行しています。 独自の素材・ソリューションの追求を通じて事業構造の変革を図り、市況変動に強く、資産効率・成長性・炭素効率の高い事業ポートフォリオの構築を目指しています。 現中計の基本戦略は、次のとおりです。 ① 2026年の財務KPI 現中計の策定時点では、2026年の財務KPIを営業利益2,300億円、ROE8%以上と設定していました。しかしながら、中国・欧州の景気低迷及びライフサイエンス事業における販売数量の大幅な未達を受け、2025年2月に目標を下方修正しました。更に、電子部材事業(EUV露光用フォトマスクブランクス、オプトエレクトロニクス)、ライフサイエンス事業での売上目標未達、並びにエッセンシャルケミカルズ東南アジア事業における価格低迷が見込まれるため、今般、2026年の財務KPIを以下のとおりとしました。 * EBITDA=営業利益+減価償却費 ** 2023-2025平均。CAPM(資本資産価格モデル)で算出 現中計の最終年である2026年度においてROE5%以上を達成し、2027年以降早期に、株主資本コストを上回るROE8%超えを目指します。この達成に向けて、以下の施策を実行していきます。 ② 主要課題と対応施策(ⅰ) ROCEの改善 当社グループは、ROE向上のため、事業管理指標としてROCE*1を用いています。 エレクトロニクス事業及びインテグレイテッドケミカルズ事業*2は、製品の差別化により高収益を確保しており、今後も高水準のROCE継続を目指します。 一方、資産規模の大きい事業の収益性が不十分であることが全社ROCEを引き下げており、これらの事業における営業利益の向上及び営業資産の適正化を喫緊の課題と位置付け、対応を継続しています。その結果、オートモーティブ事業では2025年にROCEが10%を超える水準を達成し、ディスプレイ事業*3でも改善が進んでいます。しかしながら、エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業*2及びライフサイエンス事業は依然として改善途上にあります。 (注)*1. ROCE(営業資産営業利益率)=(当年度営業利益)÷(当年度末営業資産残高)*2. インテグレイテッドケミカルズ事業: 日本国内のクロール・アルカリ及びウレタン製品事業並びに主に日本に開発・製造機能を置く機能化学品事業 エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業: 東南アジア地域のクロール・アルカリ事業*3. 化学強化用特殊ガラス事業を含まない 全ての事業における営業利益の向上及び営業資産の適正化に向けて、次の取り組みを実行のうえ、ROE8%に相当する全社ROCE10%以上の達成を目指していきます。 - 営業利益の向上施策:コスト改善(安定生産・生産性改善)、価格政策、高付加価値化 - 営業資産の適正化:投資の厳選、在庫の縮減、事業の売却・撤退 (ⅱ) 各事業の状況と取り組み<エレクトロニクス事業> 半導体関連市場が拡大する中、高い市場シェアを有する独自性の高い製品群により高収益を確保していますが、2025年は成長が鈍化しました。オプトエレクトロニクスは更なる高機能化に向けた移行期にあり、その着実な実行により再成長を目指します。一方、半導体関連部材は概ね成長を継続しており、EUV露光用フォトマスクブランクスについては先端分野の開発及び拡販に注力することで、成長軌道への回帰を図ります。 <インテグレイテッドケミカルズ事業> 半導体関連を主としたエレクトロニクス市場の拡大を背景に、多様で差別化された製品群が高収益に寄与しています。また、組織改正により日本でのケミカルチェーン全体を最適化し、事業運営の機動性と収益性を高める体制を整えました。パフォーマンスケミカルズでは、エレクトロニクス・エネルギー・モビリティの3分野における高収益製品に注力し、収益性の更なる向上を図ります。 <オートモーティブ事業> 価格政策、事業構造改革及び高機能・高付加価値化による収益改善施策により、2025年にROCEが10%を上回る水準を達成しました。これらの取り組みを継続し、数年以内にROCE15%の達成を目指します。 <建築ガラス事業> 欧州では需要低迷が継続する一方、需給改善により価格水準は適正に維持されています。Low-E複層ガラス、真空断熱ガラス等の高断熱・高遮熱製品の拡販と継続的なコスト削減により、収益性の強化を図ります。日本ではリノベーション需要が下支えとなり、当社が有する強固なお客様基盤を活かして価格政策や高付加価値製品の拡販を進め、収益力の向上を目指します。東南アジアでは需要は緩やかに増加するものの競争環境は激化しており、販売・流通網の強化や高付加価値化等を継続します。南米については経済成長に伴い需要は堅調であり、高付加価値化の推進により収益化の更なる向上に努めます。 <ディスプレイ事業> 事業構造改革、価格政策及び技術革新を通じた競争力強化により収益性は着実に改善しています。今後も施策を継続し、ROCE10%の達成を目指します。 <エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業> 東南アジア域内の需要は年平均約4%で拡大しており、特に苛性ソーダはインドネシアのアルミナ・ニッケル精錬向け需要が増加しています。一方、塩化ビニル樹脂・苛性ソーダの市場価格は中国経済の低迷やインドによるアンチダンピング課税見送りの影響で引き続き低調に推移しています。こうした需給・価格環境を踏まえ、東南アジア域内生産の優位性を最大限に活用し、域内での販売比率を高めることで物流費等の販売コストを削減し、マージンの拡大を図ります。併せて、域内での安定的なエチレン供給を確保して原料面での競争力を高め、収益改善を進めていきます。 <ライフサイエンス事業> バイオ医薬品CDMOの微生物及び遺伝子・細胞治療、並びに合成医農薬CDMOは、安定した品質と実績を維持しています。一方で、ライフサイエンス事業の売上高のうち半分を占めるバイオ医薬品CDMOの動物細胞は、受注獲得が課題であり、営業・マーケティングの強化、当社グループの生産技術力の活用、コスト削減などの改善策を順次実施しています。 本事業全体の業績は、米国コロラド拠点撤退に伴うコスト構造の改善や生産の安定化が進んでいることから回復を見込んでいるものの、動物細胞分野の受注拡大の効果発現に時間を要するため、黒字化は2027年を見込んでいます。 (ⅲ) 研究開発投資の方向性 当社グループは持続的成長と競争力強化を目的に研究開発投資を推進しており、投資効率向上のため、市場軸と技術軸の二軸で開発領域を選定する仕組みを運用しています。これらの仕組みに基づき、今後の開発の方向性を次のとおり定めており、最先端かつ高付加価値領域への投資を強化していきます。 イ 生産・基盤技術革新(AI/MI技術、量子コンピュータ活用、GHG削減等) ロ 次世代・新製品開発(IRカットフィルタ、EUV露光用フォトマスクブランクス、ガラスコア、車載用パネル等) ハ 新事業創出(半導体プロセス部材、電池用材料、DDS等)(注) MI:マテリアルズ・インフォマティクス、 DDS:ドラッグデリバリーシステム(薬剤を体内で必要な部位に、必要な量、必要な時間作用させるように工夫を施す技術) <半導体関連事業の拡大> 上記の方向性に基づき、半導体関連の研究開発投資を一層強化するとともに、事業展開を加速します。 半導体製造の前工程では、EUV露光用フォトマスクブランクスやCMPスラリーを中心に、半導体メーカーの厳しい要求に応える部材を供給してきました。前工程での価値提供は引き続き強化する一方で、今後は半導体の更なる性能向上に直結すると期待される後工程にも注力し、新技術・新製品の投入を図ります。当社グループの強みは、無機素材、有機素材、機能設計・加工技術を一貫して保有し、これらを融合したソリューションを提供できる点にあります。こうした強みを最大限に活用し、特に半導体パッケージング関連技術とソリューションの拡大を推進していきます。 (ⅳ) 設備投資 2018年から2025年にかけて、毎年2,000億円を超える設備投資を実施してきました。主に化学品事業やライフサイエンス事業における生産能力拡大のための投資であり、これらの大規模な投資は2025年で一段落しました。 2026年以降は、新規投資を大幅に抑制し、既存設備の最大活用によるROCE改善を図り、これまでの投資の回収に注力します。 (ⅴ) 株主還元 株主還元は、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%程度を目安とした安定的な配当を基本方針としており、2026年の1株当たり配当は2025年水準を維持する予定です。なお2027年以降の株主還元方針については、業績回復の状況を見極めたうえで、必要に応じて見直しを検討します。 当社グループは、これらの取り組みを着実に実行のうえ、「2030年のありたい姿」を実現することで、世の中、お客様・取引先様、従業員、株主・投資家の皆様、将来世代など、全てのステークホルダーに様々な価値をプラスします。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度期間(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の当社グループを取り巻く世界経済は、主要国で投資・消費活動が緩やかに持ち直しつつも、地政学リスクの高まり、関税の動向、原燃材料価格の変動等、先行きの不透明な状況が続きました。 米国では、労働需給の緩和や設備投資の底堅さが景気を下支えする一方、金利水準の高止まりが企業の資金調達に影響を与える状況が続きました。中国では、内需の回復が鈍く、不動産市場の調整が継続したことから、景気の持ち直しは限定的でした。欧州においても、景気停滞が継続し、製造業の回復に遅れが見られました。日本では、賃上げ等を背景に個人消費は底堅く推移したものの、景気回復の勢いは緩やかなものとなりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 (ⅰ) 財政状態イ. 資産 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比604億円増の29,501億円となりました。これは主に、有形固定資産が増加したことによるものであります。ロ. 負債 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比4億円増の12,184億円となり、前連結会計年度末と同水準になりました。ハ. 資本 当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末比600億円増の17,317億円となりました。これは主に、利益剰余金や在外営業活動体の換算差額が増加したことによるものであります。 (ⅱ) 経営成績 当連結会計年度の業績については、オートモーティブ及び建築ガラスが増収増益となったものの、電子、化学品、ライフサイエンスが減収減益となり、売上高は前連結会計年度比88億円(0.4%)減の20,588億円、営業利益は同16億円(1.3%)増の1,275億円となりました。オートモーティブは品種構成改善や価格政策の効果、エッセンシャルケミカルズでは塩化ビニル樹脂の販売価格下落、電子部材ではEUV露光用フォトマスクブランクスの出荷減等がありました。 税引前利益は、その他費用として前連結会計年度に発生した、ロシア事業譲渡に伴う関係会社株式売却損及びライフサイエンス(バイオ医薬品CDMO)に係る減損損失が剥落したことから、前連結会計年度比1,748億円増の1,248億円(前連結会計年度は税引前損失501億円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同1,632億円増の692億円(前連結会計年度は親会社の所有者に帰属する当期純損失940億円)となりました。 <当連結会計年度の業績>(億円:千万単位四捨五入)売上高2兆588億円(前連結会計年度比0.4%減)営業利益1,275億円(前連結会計年度比1.3%増)税引前利益1,248億円(-)親会社の所有者に帰属する当期純利益692億円(-) なお、営業利益(前連結会計年度比16億円)の主な増減要因は以下のとおりです。販売数量・売値・品種構成199億円原燃材料価格△46億円コストその他△137億円 <報告セグメント別の概況> (億円:千万単位四捨五入) 売上高営業利益第101期第100期第101期第100期建築ガラス4,4114,380173164オートモーティブ5,2064,988293139電子3,5513,645475545化学品5,8425,936530568ライフサイエンス1,3311,412△223△212セラミックス・その他5997912651消去又は全社△351△47714合計20,58820,6761,2751,258 報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。イ. 建築ガラス 当連結会計年度の建築ガラスの売上高は、前連結会計年度比32億円(0.7%)増の4,411億円となりました。営業利益は、同9億円(5.5%)増の173億円となりました。 売上高は、欧米では、欧州での出荷減少及び2024年2月のロシア事業譲渡に伴う減収影響があったものの、価格政策の効果に加えて円安による増収影響により前連結会計年度を上回りました。アジアでは、出荷が減少したことに加え、インドネシア等で販売価格が下落したことにより、前連結会計年度を下回りました。営業利益は、人件費等のコストが増加したものの、前述の増収要因により、前連結会計年度を上回りました。 ロ. オートモーティブ 当連結会計年度のオートモーティブの売上高は、前連結会計年度比218億円(4.4%)増の5,206億円となりました。営業利益は、同153億円(110.2%)増の293億円となりました。 売上高は、出荷は欧州では減少したものの、日本で増加したことに加え、全地域での品種構成改善や価格政策効果、円安による増収影響により、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、原燃材料や人件費等のコストが増加したものの、前述の増収要因により、前連結会計年度を上回りました。 ハ. 電子 当連結会計年度の電子の売上高は、前連結会計年度比95億円(2.6%)減の3,551億円となりました。営業利益は、同69億円(12.7%)減の475億円となりました。 売上高は、ディスプレイは液晶ディスプレイ用ガラス基板の出荷増加により前期を上回った一方、電子部材はオプトエレクトロニクスが更なる高機能化に向けた移行期であったことや、EUV露光用フォトマスクブランクスの出荷が減少したことなどにより、前連結会計年度を下回りました。営業利益は、前述の減収要因に加え、化学強化用特殊ガラス事業の撤退決定に伴う費用計上により、前連結会計年度を下回りました。 ニ. 化学品 当連結会計年度の化学品の売上高は、前連結会計年度比94億円(1.6%)減の5,842億円となりました。営業利益は、同37億円(6.6%)減の530億円となりました。 売上高は、エッセンシャルケミカルズは、塩化ビニル樹脂の販売価格が下落したことにより、前連結会計年度を下回りました。パフォーマンスケミカルズは、価格政策や、エレクトロニクス・モビリティ向け等のフッ素関連製品の出荷増が寄与し、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、エッセンシャルケミカルズでの減収及び設備修繕に伴う製造原価悪化等の影響により、前連結会計年度を下回りました。 ホ. ライフサイエンス 当連結会計年度のライフサイエンスの売上高は、前連結会計年度比81億円(5.8%)減の1,331億円となりました。営業利益は、同11億円減の223億円の損失となりました。 売上高は、合成医農薬CDMO事業は堅調に推移したものの、バイオ医薬品CDMO事業で前連結会計年度に計上した受託案件精算に伴う一時収入の剥落や、米国コロラド拠点の閉鎖等により、前連結会計年度を下回りました。営業利益は、バイオ医薬品CDMO事業の米国拠点における固定費削減施策等の効果は発現したものの、前述の減収要因に加え、前連結会計年度に欧州で稼働を開始した増設設備による固定費増加等により、前連結会計年度を下回りました。 各報告セグメントに属する主要な製品等の種類は以下のとおりです。報告セグメント主要製品等建築ガラス建築用板ガラス、建築用加工ガラス(複層ガラス、強化ガラス、合わせガラス)オートモーティブ自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス電子・ディスプレイ 液晶/有機ELディスプレイ用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス・電子部材 半導体関連部材、光学関連部材化学品・エッセンシャルケミカルズ 苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂、ウレタン原料・パフォーマンスケミカルズ フッ素製品(樹脂、ガス、溶剤)、ヨウ素製品ライフサイエンス合成医農薬開発製造受託、バイオ医薬品開発製造受託、医農薬中間体・原体 上記の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、営業利益や有形固定資産の売却等により、961億円の収入(前連結会計年度は892億円の収入)となりました。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて、有利子負債の返済による支出、配当金の支払等がありました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より133億円(12.3%)減少し、947億円となりました。(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比103億円(3.6%)減の2,745億円となりました。(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における投資活動により使用された資金は、前連結会計年度比172億円(8.8%)減の1,784億円となりました。当該支出は、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものであります。(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における財務活動により使用された資金は、前連結会計年度比179億円(13.6%)減の1,141億円となりました。当該支出は、有利子負債の返済による支出、配当金の支払等があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの設備に使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとの生産規模や受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅱ) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けして示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 及び 3 重要性がある会計方針」に記載しております。また、ライフサイエンスセグメントに含まれているバイオ医薬品原薬の開発製造の受託を営むAGC Biologics A/S(所在国 デンマーク)の非金融資産の減損テストに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 非金融資産の減損」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、中期経営計画に則り、持続的な業績成長のための成長基盤の構築や事業体質・競争力の強化に取り組み、資産効率を高めながら株主価値の継続的な向上に努めております。また、今後の成長のために必要な設備及び研究開発活動に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としており、D/Eについては0.5以下を目標値として定めております。 資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債発行、コマーシャル・ペーパー発行等、多様な手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指しております。また、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで、借り換えリスクの低減を図っております。 資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金水準を充分満たす流動性を保持していると考えております。 ④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループの経営財務目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
事業リスク
- 地政学・カントリーリスク世界各地で事業を展開しているため、進出国の政治経済情勢の悪化、予期せぬ法改正、貿易規制、紛争などが事業活動に影響を及ぼす可能性があります。これにより、生産や物流が滞り、業績や財務状況に悪影響が出る恐れがあります。
- 市場環境の変化建築、自動車、電子機器、化学、医薬・農薬といった主要顧客業界の需要変動や景気後退は、製品の販売数量減少や価格下落に直結します。特に各セグメントの製品需要は特定の業界動向に強く連動しており、業績に大きな影響を与える可能性があります。
- 競争激化と技術革新の遅れ各事業分野には競合他社が存在し、品質、価格、技術開発、知的財産権の確保が競争優位性の鍵となります。顧客ニーズの変化への対応遅れや新技術開発の長期化、知的財産権に関する訴訟などは、収益性や成長性を低下させるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制 当社グループでは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④内部統制システムの整備の状況(ⅲ)当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制(リスク管理体制)」に記載する「統合リスクマネジメント」の取り組みを通じて、当社グループのリスク管理を行うとともに、危機対応の体制を整備しています。 当社グループでは、リスクの性質に応じた管理をする目的で、重要リスクを以下の7つに分類しています。 分類リスク事例戦略地政学・カントリーリスク、市場環境の変化、競争優位性、新事業探索・投資など、各事業運営上の個別のリスクオペレーションサプライチェーン上の問題による調達リスク環境安全関連法違反・労働災害による業務停止・賠償リスク製品の品質に関する法令・規制・お客様要求事項違反により生じるリスクコンプライアンス競争法・贈賄・安全保障貿易管理による行政罰・業務停止リスク品質・環境データの意図的な改ざんによる信頼失墜リスク不正経理・粉飾決算による信頼失墜リスクサステナビリティ気候変動や人権尊重等に関する要請に対応できないことによる信用低下・取引停止のリスク自然災害/感染症大規模地震・風水害などの自然災害、未知のウィルスの発生、パンデミックによる事業中断リスクサイバーセキュリティ/情報セキュリティサイバー攻撃による情報漏洩及び事業中断リスクサイバー攻撃以外による情報漏洩リスク財務財務報告の信頼性、財務・資金調達に関するリスク リスク管理にあたっては、影響度と発生可能性を考慮し、リスク発現時に当社グループ経営に大きな影響を与えることが想定されるものを「重要リスク」に選定し、重点的にモニタリングを行っています。 「戦略」については、社内カンパニー、SBU(戦略事業単位)、コーポレート部門が、事業・案件ごとにリスクの分析や対策を検討し、必要に応じ経営会議、取締役会で審議します。市場環境やリスクに影響を与える要因の変化に迅速に対応するため、重要リスクは毎年見直しを行います。 「戦略」以外のリスクについては、各リスクを所管するコーポレート部門が、ガイドライン等の制定・周知、研修、監査等を実施します。また、毎年当社グループ全体で自己点検を実施し、その結果を経営会議、取締役会で監視しています。重要リスクは、必要があれば都度追加をするとともに、中期経営計画策定年に、リスクの影響度と発生可能性を考慮した見直しを行います。 <発現したリスクへの対応>社内規程に基づき、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある不測の事態の発生に備え、「Bad News First」の考え方の下、社長執行役員に迅速かつ確実に情報を報告し、共有するための危機管理レポートラインを設定しています。加えて、社長執行役員の判断により、直ちにグループ対策本部を設置し、迅速かつ適切な初期対応が取れる体制を整備しています。 (2)事業等のリスク 当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しています。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本報告書の提出日現在において判断したものです。 <戦略リスク>①地政学リスク/カントリーリスク 当社グループでは、日本における事業活動に加え、製品の輸出入及び海外における現地生産等、海外においても事業活動を展開しています。これらグローバルな事業展開に関するリスクとして、事業を展開している国及び地域における政治経済情勢の悪化、輸出入・外資の規制、予期せぬ法令の改変、治安の悪化、国家間の経済制裁、テロ・戦争・感染症の発生その他の要因による社会的混乱等の地政学リスク/カントリーリスクが考えられ、当社グループとしては、当該政治経済情勢や各国・地域の規制の動向等について注視し、状況に応じた対応がとれるよう努めています。 しかしながら、これらの事象の発生により、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ②市場環境の変化 当社グループの製品に対する需要は、建築・建材業界、自動車業界、電子・ディスプレイ業界、化学品及び医薬・農薬業界等の市場動向の影響を受けます。また、当社グループの製品販売地域は、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、多岐にわたっており、各国・地域の経済状況は当社グループの製品の販売に影響を与えます。当社グループは、生産性の向上を図るとともに、固定費・変動費の削減を推進し、事業環境の変化に影響されにくい収益体質づくりを目指していますが、これらの関連業界の需要減少や販売地域での景気減退が、販売数量の減少や価格の下落を通じて当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。セグメントごとの状況は、以下のとおりです。 (ⅰ)建築ガラス 建築ガラスセグメントでは、日本・アジア、欧州のそれぞれに開発・生産拠点を構築し、グローバルに製品を提供しています。製品の需要は、地域ごと、国ごとの景気により変動する建設投資に連動しており、同事業の収益も当該需要変動の影響を受ける可能性があります。(ⅱ)オートモーティブ オートモーティブセグメントでは、日本・アジア、欧州、米州のそれぞれに開発・生産拠点を構築し、グローバルに製品を提供しています。自動車用ガラスの需要は、地域ごと、国ごとの景気変動等に連動する自動車生産台数の影響を受け、同事業の収益も当該需要変動の影響を受ける可能性があります。(ⅲ)電子 ディスプレイ事業の製品は液晶TV、スマートフォン、タブレット端末等に使用されています。同ビジネスについては、市場動向の変化、顧客のマーケットシェアの変動等が起きることが想定されます。当社グループは顧客ポートフォリオも考慮し拡販に努めていますが、市場や顧客の動向が同事業の収益に影響を与える可能性があります。電子部材事業については、半導体業界、オプトエレクトロニクス業界等に関連する企業が主な顧客です。これらの顧客の業績は、半導体、スマートフォン、通信インフラ、産業機器等の市場動向に依存するため、同事業の収益もこれらの市場動向の影響を受ける可能性があります。(ⅳ)化学品 インテグレイテッドケミカルズ事業においては、輸送用機器業界や半導体業界、建設業界、紙・パルプ業界に関連する企業が主な顧客であり、同事業の収益もこれら業界の市場動向や需要変動の影響を受ける可能性があります。エッセンシャルケミカルズ東南アジア事業については、インフラ整備が進展する東南アジアに生産拠点を構築し、事業を展開しています。製品の需要は、主に地域ごと、国ごとの経済成長率や基幹産業の稼働状況に連動しており、同事業の収益も当該需要変動の影響を受ける可能性があります。 (ⅴ)ライフサイエンス ライフサイエンスセグメントにおいては、医薬・農薬業界の経済状況及び新薬等の開発状況の影響を強く受け、同セグメントの収益もこれらの動向の影響を受ける可能性があります。 ③競争優位性に係るリスク 当社グループが展開する各事業においては、当社グループと同種の製品を供給する競合会社が存在します。当社グループでは、市場や顧客ニーズを把握し、競合会社に対する競争優位性を維持できるよう、品質、価格、デリバリーなど、要求への対応や新技術の開発・知的財産権の取得に努めています。 しかしながら、それら顧客ニーズの変化に対し適切に対応できなかった場合や、新技術開発の長期化・知的財産上の訴訟が発生した場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 なお、現在、当社グループが当事者となっている知的財産権関連の訴訟等もあり、これらの訴訟等において不利な結果が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④新事業探索・投資に係るリスク 当社グループでは、短期~中期での成長性の確保、収益性の向上を目指した新事業の探索に努めており、そのために投資を伴う技術や事業買収を展開しています。新事業探索・投資にあたっては、種々のリスクを考慮した採算性分析やデューデリジェンスにより、リスクの把握に努めています。 しかしながら、事業化期間中の環境変化や、想定しなかったリスク要因が顕在化した場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 <オペレーションリスク>①サプライチェーン 当社グループでは、外部に製造を委託した場合には、事業継続の観点から複数の委託先の確保に努めています。 しかしながら、当社グループ又は当社グループの製造委託先において重大な生産トラブル等が発生し、一時的又は長期にわたる生産の中断等があった場合、製品によっては代替生産できないものもあり、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの生産活動では、一部調達先が限られる特殊な原料、資材等も使用しており、代替原材料の検討並びに当該原料・資材等の複数購買の推進に努めています。 しかしながら、これらについての供給の逼迫や遅延、価格変動等が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ②環境安全品質 当社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて取り組んでいます。 しかしながら、予期せぬ事情により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する可能性が皆無とはいえず、製造物責任を追及された場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは、環境に関するあらゆる適用法規制を遵守するとともに、法規制値より厳しい自社管理基準を設けて運用するなど、事業活動に伴う環境負荷を抑制し地球環境保全に努めています。 しかしながら、環境規制リスクとして、当社グループの製造工程で排出、又は製品に含有した化学物質等により非意図的な環境汚染等が発生した場合に、社会的信用の低下、事業活動の制限や費用の発生などにより当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、各国又は地域での各種法規制の改正や強化により追加的費用や設備投資が必要になった場合、あるいは製品開発、生産、販売・サービス活動等に支障をきたした場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループの化学品セグメントでは、様々なフッ素関連製品を製造・販売しています。炭素とフッ素の原子を持つ化学物質(ペルフルオロアルキル化合物又はポリフルオロアルキル化合物)は、広い括りでPFASと総称されており、PFAS全体で約12,000種類あるとされています。現在、そのうち環境や人体への影響の懸念からごく一部のPFASのみが国際条約により規制の対象とされています。当社グループは、条約で規制対象となっているPFASのうち、PFOSやPFHxSについてはこれまで製造・販売をしておりません。また、PFOAの製造・販売は、条約による規制に先立ち、終了しています。PFASは物質ごとに異なる特性・性質を有するにもかかわらず、昨今、欧州や米国の一部の州で、全てのPFASを一括で規制しようとする動きがあります。当社グループでは、フッ素関連製品が産業上の重要な役割を担っていることを踏まえ、欧州当局へのパブリックコメントの提出などによりPFASに関する規制が十分な科学的知見に基づき個々の物質の性質を踏まえた適切な範囲となるよう努めております。PFASに関する規制の最終的な対象や内容は現時点では見通せませんが、規制の内容次第では、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 さらに、当社グループは、組織的な環境・保安防災・労働安全衛生管理体制の構築と運用及び設備の安全化や点検・保守管理により、労働災害及び生産設備等の事故防止に取り組んでいます。 しかしながら、重篤な労働災害や重大な火災・爆発・漏洩事故等の不測の事態が発生した場合、当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。 <コンプライアンスリスク>①公的規制 当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。当社グループでは、関係法令の改変動向を注視し、情報収集に努めていますが、関係法令の改変は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ②訴訟・法的手続 当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟等の対象となるリスクがあり、現在、当事者となっている訴訟等もあります。これらの訴訟等において、当社グループにとって不利な結果が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 なお、米国において、フッ素系消火剤メーカーや当社グループを含むフッ素化学メーカー等に対し、PFASを使用した消火剤などの製品による環境や健康への影響を請求原因とする複数の訴訟が個人、地方政府等により提起されております。これらの訴訟の結果が当社グループにとって望ましくないものとなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、弁護士の協力を得ながらこれら訴訟への対応を適切に進めています。 <サステナビリティリスク> 当社グループでは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、長期的な社会的課題認識(マテリアリティ)において、重要リスクと重要機会を特定し、管理しています。 しかしながら、以下の5つの重要リスクにおいて顧客等から求められる水準を満たすことができない場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ①気候変動問題への対応について 2015年のパリ協定合意以降、脱炭素化の流れが加速しており、エネルギー関連政策・法規制の厳格化が想定されるとともに、企業に対する温室効果ガス排出の実質ゼロ実現への社会的要請が強まっています。当社グループとしても、当該リスクを見据え、2050年目標として「自社の事業活動に伴う排出量ネットゼロ(Scope1,2)を目指すとともに、製品・技術を活かして世界のカーボン・ネットゼロ実現に貢献」することを定めています。当社グループは、2050年目標の達成に向け、温室効果ガス排出量の少ない製造技術・設備の開発など、温室効果ガスの排出源に応じた削減策の実施に努めるとともに、本項目を重要機会とも捉え、製品ライフサイクルにおける省エネ・創エネ効果を有する製品の拡販、再生可能エネルギー普及に寄与する事業モデルの構築などに努めていきます。 しかしながら、一部地域で導入され始めている炭素税等のカーボンプライシングが本格的に導入された場合、これらの規制等に対応するために必要な費用負担が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。また、温室効果ガス排出規制等の気候変動対応に係る各国・地域における規制の強化に対応できない場合、パリ協定に整合する温室効果ガス排出削減目標が達成できない場合、ステークホルダーからの脱炭素化への事業による貢献への要請の高まりに対応ができない場合に、レピュテーション及び社会的信用の低下による機会損失が発生する可能性があります。 ②資源の有効利用について レアアース等の枯渇性資源に関する利用規制の厳格化や都市化の進展に伴う水資源需要の増加による生産活動への影響が想定されるとともに、循環型経済の加速に伴う廃棄物削減・リサイクルの社会的要請が強まっています。当社グループでは、再生原材料や再生資材の活用、埋立て処分の削減に努めるとともに、本項目を重要機会とも捉え、水不足地域における地下水・雨水浄化に寄与する製品の拡販、枯渇性資源使用量の少ない製品・生産プロセスの開発、リサイクル・リユース性に優れた製品の拡販などに努めていきます。 しかしながら、循環経済システムの標準化・法制化の動きが想定以上に進み、廃棄物削減・リサイクルの要請に十分に対応できない場合、市場での機会損失に繋がる可能性があります。 ③社会・環境に配慮したサプライチェーンについて サプライチェーンのグローバル化・複雑化に伴い、サプライヤーや外部委託先における強制労働・児童労働等の違法雇用問題の発生や、環境規制強化等による操業停止、規制違反等の発生が想定されます。当社グループとしても、当該リスクを見据え、「AGCグループ人権方針」や、環境負荷低減などの取り組みを推進するなどサステナブルな調達等を定めた「AGCグループ購買取引基本方針」の制定に加え、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組み、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により取引先との共存共栄の構築を目指す「パートナーシップ構築宣言」を表明し、人権尊重・環境保護を重視したサプライヤー管理に努めていきます。 ④公正・平等な雇用と職場の安全確保について 雇用におけるコンプライアンスや労働者の人権尊重の動きや、未熟練者や高齢者の増加に伴う製造拠点の安全対策の必要性が高まっています。当社グループとしても、当該リスクを見据え、従業員エンゲージメントの向上、重篤災害・休業災害の発生防止に努めていきます。 ⑤地域社会との関係・環境配慮について 世界各地での都市化進展による生活圏拡大や周辺の生物多様性維持への関心、新興国での生活水準向上に伴うQOL(生活の質)向上への意識が高まっています。当社グループとしても、当該リスクを見据え、水使用量の削減や生物多様性の保全、環境事故の撲滅に努めるとともに、拠点設置地域との良好な関係構築を進めていきます。 <自然災害/感染症リスク> 当社グループは、自然災害・感染症等が発生した場合に備えて、グループ内の主要拠点においては、地震・津波・風水害・感染症等に関するリスクを評価し、ハザードの高い拠点では事業継続計画を策定しています。 しかしながら、事業継続計画の想定を超えた大規模な地震・津波・風水害等の自然災害や未知の感染症により、事業活動の中断、生産設備への被害、交通遮断による製品輸送停止など、不測の事態が発生するリスクが考えられ、当社グループ又は当社グループの構築するサプライチェーンにおいてこれらの不測の事態が発生し、一時的又は長期にわたる生産の中断があった場合には、製品によっては代替生産できないものもあり、お客様への供給に支障が生じる可能性や、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 <サイバーセキュリティ/情報セキュリティリスク> サイバー攻撃によるオペレーションの一時的な停止や情報資産の流出、災害、不正アクセスその他不測の事態の発生による情報セキュリティ上の脅威はますます高まっており、当社グループでは、ITシステム及び生産システムやデータ等の情報資産の保護に努め、またセキュリティインシデント予防対策及び発生時には影響を最小限に抑える対策を講じています。 しかしながら、サイバー攻撃、災害、不正アクセスその他不測の事態により、重要な業務の中断や機密データの漏洩等が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 <財務リスク>①原燃材料の価格上昇 当社グループの生産活動で使用している電力、燃料ガス、重油並びに原材料の価格変動等が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、一部原燃材料については商品デリバティブ取引等により価格変動リスクをヘッジしていますが、原燃材料価格の上昇による影響を完全に排除できない可能性があります。 ②為替レートの変動 当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。 また、当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品を複数の国に輸出しています。各国における生産及び販売では、外貨建で購入する原材料や販売する製品があります。したがって、為替レートの変動は、購入する原材料の価格や販売価格の設定に影響します。当社グループでは、短期的な為替レートの変動に対応するためヘッジ取引等の対策を講じるとともに、グローバルに生産拠点を配置して生産を行うなどリスクの軽減に努めていますが、大幅な為替レートの変動の結果、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③退職給付債務 当社グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率等の数理計算上の前提に基づいて計算されています。 しかしながら、年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合等は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④非金融資産の減損 当社グループの連結財政状態計算書に計上されている有形固定資産、のれん及び無形資産等の非金融資産の減損について、今後、収益性の低下及び公正価値の変動等により回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特に、ライフサイエンスセグメントに含まれているバイオ医薬品原薬の開発製造の受託を営むAGC Biologics A/S(所在国 デンマーク)については、主にバイオベンチャーへの資金流入減によるバイオ医薬品原薬市場の需要低迷からの回復遅れ及び新規ラインの操業に伴うコスト増加等により営業損益が悪化しており、当該有形固定資産、無形資産及びのれんが属する資金生成単位(関連する負債を含む)に減損の兆候が認められております。減損テストを実施した結果、回収可能価額が資金生成単位(関連する負債を含む)の帳簿価額を上回ったことから、減損損失は認識しておりませんが、今後の市場の経済状況等の影響を受ける可能性があります。