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AGC

ガラス・土石製品 建設・資材

研究開発費(時系列)

年度R&D費用(億円)設備投資(億円)
2025-12 - 2,513
2024-12 - 2,575
2023-12 - 2,317
2022-12 - 2,366
2021-12 - 2,165

研究開発活動(本文)

FY2025|3,644 文字
6【研究開発活動】 当社グループは長期経営戦略「2030年のありたい姿」として、「独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献すると共に継続的に成長・進化する」を目標として掲げました。また、この確実な達成に向けて策定した中期経営計画 AGC plus-2026 では、「“両利きの経営”の進化」と「サステナビリティ経営の深化」「価値創造DXの推進」という戦略を示しました。 この戦略を受けて、「“両利きの開発”によるコーポレート・トランスフォーメーション(CX)加速に貢献」「デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速による競争力の強化」「サステナビリティ経営の推進」「オープンイノベーションの推進」を掲げて研究開発活動に取り組んでいます。 〇両利きの開発 「右利きの開発」とは、①既存の生産・基盤技術を革新し、②お客様と共に新商品を開発することにより、お客様に密着し、ともに成長を目指す開発であり、現状の課題をもとに改善策を積み上げていくようなフォアキャスティングのアプローチです。生産性の改善や新商品開発を通じた既存コア事業の強化につながる技術開発です。 一方、③既存の保有技術を活用(再定義)し、新しい市場を開拓していくのが「左利きの開発」で、こちらは、将来起こりえる大きな時代の変化を予測し、新事業を創出することで、その変化の波を乗り越えていくようなバックキャスティングのアプローチです。モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスなど戦略事業の領域での新事業の創出につながる技術開発です。 この2つはどちらも重要であり、「右利きの開発」によって既存事業の競争力を高めながら、「左利きの開発」で未来を創ることにより、当社グループは成長・進化していきます。この両方のバランスをとることが「両利きの開発」を進める要諦となります。 〇デジタルトランスフォーメーション(DX) 材料開発や組成開発に計算科学や情報科学を用いることで、素材開発を大幅に効率化するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)については、当社でも早くから取り組み、ガラス開発や環境対応型フッ素系溶剤AMOLEA®の開発などに活用してきました。その後、実験データベースシステム「AGC R&D Data Input & Storage(ARDIS)」およびMI専用分析ツール「AGC Materials Informatics Basis Analysis Tool (AMIBA)」を独自に開発し、さらに、量子計算、分子シミュレーション計算などの計算科学を支援する内製ソフトの活用により、実験と理論計算を連動したMIによる材料開発を進めることが可能となりました。 また、DX人材の育成にも以前から注力しています。当社では製造現場や管理業務の高いスキルを持ちながら自らDXを活用し改善・革新を推進できる「二刀流人財」の育成を軸に進めてきました。現在、基礎・応用レベルの人財は、目標の5,000名を超えました。また、最新のデジタル技術を開発し展開できる「トップデータサイエンティスト」も、目標の100名に近づいており、これらの人財がDXを駆使して各現場の革新を進めており、Innovation&Operational Excellenceを加速しています。 〇サステナビリティ経営の推進サステナビリティKPIとして挙げているいくつかの項目の中で、技術面から貢献できる喫緊かつ最大の課題は、GHGガス排出量削減です。板ガラスの製造は、ガラスを溶かす燃焼工程で大量のエネルギーが必要であり、結果として温室効果ガスを多く排出します。そのため、温室効果ガス排出量を抑えるための技術開発に継続して取り組んでいます。これはガラス業界にとっても大きな課題です。現在、フランスのガラス製造大手のSaint-Gobain社と協業し、板ガラス製造時のCO2排出量を大幅に削減する技術の実証実験を共同で行い、ガラス業界の脱炭素化に取り組んでいます。さらに、排出量削減だけでなく、CO2を原料として回収し化学合成により有価物として再利用するカーボンリサイクルなど、他社と当社の技術・アセットを持ち寄って脱炭素化に取り組んでいます。一方、環境負荷低減や環境規制はビジネスチャンスでもあり、温室効果ガス排出量削減貢献製品の開発などにも取り組んでいます。 〇オープンイノベーション 社会の変化が加速し、社会課題も複雑さを増しています。お客様のニーズも高度化、多様化しているため、当社単独での開発では課題解決が難しくなりつつあり、外部パートナーとのオープンイノベーションによる協創活動が重要となっています。 当社では、2軸でのオープンイノベーションを進めています。1つは大学をはじめとするアカデミアやスタートアップ企業などとの協創で、革新的な技術や当社に無い技術を開発することです。東京大学や東京科学大学、名古屋大学などと共同研究を進め、難しい課題に挑んでいます。 こうして得られた新規技術やソリューションを活用して、お客様であるリーディングカンパニーと新たな商品を開発するのが2つ目のオープンイノベーションです。事例として、大手通信会社である株式会社NTTドコモとの共同開発が挙げられます。都市部では移動通信アンテナを設置する場所の確保が課題となっていますが、既存の窓ガラスの室内側から取り付け可能なガラスアンテナ「WAVEATTOCH®(ウェーブアトッチ)」を開発し、都心のビル窓をアンテナ化しました。 2020年には、AGC横浜テクニカルセンター(YTC)内に新研究棟を新設し、従来2拠点に分かれていた開発機能を統合して、材料開発、プロセス開発から設備技術開発までをシームレスにつなぐ体制を整えました。また、新研究棟にはオープンイノベーションを加速する場として、協創空間「AO(アオ/AGC OPEN SQUARE)」を設けました。AOは「つなぐ」「発想する」「ためす」をコンセプトに、社外のパートナーとの協創の場を用意しています。 さらに北米、欧州、中国、及び東南アジアに駐在員を配置し、海外大学や研究機関等への積極的な情報収集活動を行うとともに、当社グループとのシナジーが期待できる技術を保有するベンチャー企業の探索を行っています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は60,324百万円でした。当連結会計年度における各事業部門別の研究開発課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりです。 (1) コーポレート コーポレートが担当している研究開発には、技術プラットフォームの強化拡大を目指した長期的・基礎的な研究開発と、新規事業の創出を目指した研究開発があります。また上記の戦略に基づいた全社的研究開発体制の構築もコーポレートが策定・調整しています。コーポレートが担当しているテーマとしては、高度な解析技術などの共通基盤技術の開発、既存事業及び新事業に資する材料技術の開発等があります。 当連結会計年度における、コーポレートの研究開発費は20,013百万円でした。 (2) 建築ガラス 当事業の研究開発部門では、板ガラスに関する商品設計や新技術開発、生産技術開発を行っています。また、省エネ効果の高い建築用ガラスに関する技術開発を行っています。 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は4,366百万円でした。 (3) オートモーティブ 当事業の研究開発部門では、自動車用ガラスに関する商品設計や新技術開発、生産技術開発を行っています。 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は6,899百万円でした。 (4) 電子 当事業の研究開発部門では、ガラス溶解・成形・研磨・検査などの生産技術開発に注力しています。さらに、その他にも多岐にわたる研究開発テーマがあり、主に半導体製造装置用部材、ディスプレイ関連部材、光電子部材等に関する新商品・新技術・生産技術の開発を行っています。 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は13,326百万円でした。 (5) 化学品 当事業の研究開発部門では、フッ素化学、高分子化学、無機化学、電気化学などの基盤技術を生かした新商品・新技術の開発を行っています。特に、環境に配慮した製品やプロセスの開発に注力しています。 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は11,271百万円でした。 (6) ライフサイエンス 当事業の研究開発部門では、医農薬中間体・原体やバイオ分野といったライフサイエンス関連の新商品・新技術の開発を行っています。 当連結会計年度における、当事業部門に係る研究開発費は1,088百万円でした。 (7) セラミックス・その他 上記以外の事業部門における当連結会計年度の研究開発費は3,357百万円でした。

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