研究開発活動(本文)
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FY2025|3,417 文字
6 【研究開発活動】 当社グループは、中期経営計画「中計'21」に基づき、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化に継続的に取り組んでおります。最新の技術を積極的に活用し、モビリティ社会の発展及び豊かなクルマ文化の活性化に貢献することを目指し、研究開発を推進しています。 基盤技術センターでは、事業部門や社外の研究機関と連携し、環境配慮をはじめとする次世代モビリティに対応した素材及びサステナブル材料の研究開発を進めています。その取り組みの一環として、使用原材料におけるサステナブル素材の比率を従来の90%から大幅に向上させ、96.5%まで高めたコンセプトタイヤを開発しました。今後、市販用タイヤへの実装に向けて、引き続き技術革新と研究開発に取り組んでまいります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は13,795百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,742百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 国内市販用タイヤについては、グローバル・フラッグシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、軽ハイトワゴン専用プレミアムタイヤ「PROXES LuKⅡ(プロクセス エルユーケーツー)」を2025年3月より発売しました。「PROXES LuKⅡ」は、従来品の静粛性、しっかり感、上質な快適性、摩耗性能を継承しながら、ウェット制動性能が向上、転がり抵抗が低減した軽ハイトワゴン専用プレミアムタイヤです。非対称のトレッドパターンを採用することにより、操縦安定性と静粛性を両立しています。また同じく2025年3月より、商用車カテゴリーブランド「DELVEX」シリーズにおいて、ビジネスバン用タイヤ「DELVEX V-03e(デルベックス ブイゼロスリーイー)」を発売しました。「DELVEX V-03e」はコンパウンド中のシリカを増量するとともにその分散性を高めるスーパーアクティブポリマーを採用することで配合設計を最適化し、転がり抵抗性能とウェット性能を高次元で両立しております。またSUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズにおいては、デザインにもこだわり、街乗り用としての静粛性と転がり抵抗性能を兼ね備えたハイウェイテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY H/T Ⅱ(オープンカントリー エイチティー ツー)」を、2025年4月より発売しました。「OPEN COUNTRY H/T Ⅱ」のパターン設計では、ノイズを抑えるためにタイヤのショルダー(両肩)部をリブ形状とする「ショルダーリブ化」、ショルダー部とセンター部の間の縦ミゾをストレート形状とする「ショルダーグルーブストレート化」を組み合わせたデザインを採用することで、タイヤラベリング制度における「低車外音タイヤ」に適合する静粛性を実現しております。SUV用スタッドレスタイヤ「OBSERVE W/T-R(オブザーブ ダブルティーアール)」のサイズラインアップを拡充し、2025年9月より国内で順次発売しました。「OBSERVE W/T-R」は、深雪や荒れた氷雪路での走破性を追求したSUV専用スタッドレスタイヤです。当社のオフロード向けタイヤで使用している大型のサイドブロックを採用、深雪路面でのトラクション性に効果を発揮するとともに、ワイルドで力強いデザインが好評をいただいています。また、ピックアップトラック/SUV用ラギットテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY R/T TRAIL(オープンカントリー アールティー トレイル)」、街乗り用ハイウェイテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY H/T Ⅱ(オープンカントリー エイチティー ツー)」、軽ハイトワゴン専用プレミアムタイヤ「PROXES LuKⅡ(プロクセス エルユーケーツー)」の3商品が2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。今回受賞した3商品はいずれも機能性とデザインの両面で優れたバランスを実現している点が特長です。当社は今後もマーケットの情報を広く収集し、タイヤに求められる性能とデザインを高次元で両立させる付加価値の高い商品開発に取り組んでまいります。 トラック・バス用タイヤについては、北米市場で、鉱山やエネルギー関連、建設関連、林業や農業関係などの業態で使用される、過酷な使用に耐える頑丈さと優れたトラクション性能を備えた好評の「TOYO M655(トーヨーエムロクゴゴ)」に、新たにホイール径22.5インチと24.5インチを装着する中型トラック用のサイズを拡充し、小型トラック向けに17インチと18インチ、中型トラック向けに19.5インチ、22.5インチ、24.5インチのサイズを揃えたM655シリーズでパワーライン化しました。また、長距離用ステアタイヤとして前モデルM177の後継「TOYO M177+(トーヨーエムイチナナプラス)」を発売しました。新ディファレンシャルグルーブを採用し耐偏摩耗性能を向上させ、高い低燃費性能を両立しています。 日本市場では、EV路線バス専用タイヤ「NANOENERGY M648 EV(ナノエナジーエムロクヨンハチイーブイ)」を2025年9月より発売しました。都市部や地域路線で大型バスのEV化を見据え、耐摩耗NCコンパウンドを採用し、耐摩耗性能と低電費性能を高次元で両立しています。また、大型4軸低床トラック向けにオールウェザータイヤ「M630(エムロクサンマル)」を2026年1月より発売しました。4軸低床トラック特有の耐偏摩耗課題に対応すべく、ショルダーブロックの剛性を高めた新パターンを採用し、肩落ち摩耗を抑制することによって低メンテナンス性を向上させました。燃費効率にも配慮しています。また、低メンテナンス性を追求したトラック・バス用リブタイヤ「M170(エムイチナナマル)」を2026年1月より発売しました。19.5インチ以上には4本溝、17.5インチには3本溝を採用するなどインチごとにパターンを最適化し、車両条件に応じた剛性バランスを確保することで高い耐摩耗性能、トラクション性能や操縦安定性も向上しています。 技術開発においては、これまでの商品開発で採用してきた独自のタイヤ設計基盤技術において、TOYO TIREのめざす次代のタイヤづくりに不可欠と考える領域を基軸に据え、これらの革新と融合によって進化させていくための体系化を行いました。この新技術体系「THiiiNK(シンク)」は、当社が将来にわたる中核的技術として位置づけた 「材料技術」、「シミュレーション技術」、「デザイン技術」の3分野の技術を、今後さらに研鑽、高度化し、価値創造を推進していくための道しるべとしていくものであり、各技術を進化させながら横断的に連動させ、「設計プロセスの効率化と最適化」と「商品価値の最大化」を図り、今後、本技術を搭載した魅力ある商品をより多くの皆様にお届けしてまいります。 当事業に係る研究開発費は11,122百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存の主要部品に集中した設計・材料・生産技術の標準化と効率化の推進とともに、適地生産と製造性を考慮した収益改善につなげる設計仕様変更や工程変更を推進し、技術力と競争力の向上を進めています。また、電気自動車などの次世代車向けの商品開発としては、従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントと、そのマウントを保持し振動伝達系となる金具も含めた最適化設計技術の構築を進めています。特に、先行技術開発においては、軽量化を重要テーマと位置付けて、既存の鉄やアルミの金具製品の最適化とともに、金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めています。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術と独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は930百万円であります。
FY2024|3,089 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、2025年に向けた新中期経営計画「中計'21」に基づき、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化を進めており、最新の技術を駆使し、モビリティ社会の発展、豊かなクルマ文化の活性に寄与すべく研究開発を推進しております。 基盤技術センターでは、事業部門と連携し、環境配慮など次世代モビリティに対応した素材・サステナブル材料の研究開発や独自技術の高度化によるユーザーオリエンテッドなソリューションのビジネス化に向けた取り組みを行いました。 環境に配慮した研究開発の一環として、使用原材料の90%にサステナブル素材を用いたコンセプトタイヤを開発し、東京オートサロン2024に参考出品しました。また、ソリューションビジネス関連では、トラック・バス用タイヤの使用環境や使用状態を把握、管理するデジタル・アプリケーション「Tire SAPRI(タイヤサプリ)」を開発し、一部のお客様へのテストマーケティングを開始しております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は13,587百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,716百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 国内市販用タイヤについては、グローバル・フラングシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、低燃費コンフォートタイヤ「PROXES CF3(プロクセス シーエフスリー)」を2024年1月より発売しました。「PROXES CF3」は、低燃費性能とウェットグリップ性能を高次元で両立した商品です。非対称のトレッドパターンを採用することによって機能の分担を図り、制動性と操縦安定性を高め、また静粛性を確保し、スムーズで快適な走りに寄与しています。またコンパウンドにはシリカ分散剤を採用し、転がり抵抗の低減、ウェット性能及び耐摩耗性能の向上に効果を発揮するシリカをより均一に分散させることで、これらの性能を高次元で最適化させています。また、2024年8月より乗用車向けスタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ3(オブザーブ ギズ スリー)」を発売しました。「OBSERVE GIZ3」はアイス路面でのブレーキ性能や発進時のトラクション性能を大幅に進化させつつ、その効き目がより長く続き、またサステナブル素材を使用した環境にも配慮したスタッドレスタイヤとなります。タイヤと路面の密着性に着目し、パターン設計と配合技術の両面から性能向上を図ることで、アイス路面でのブレーキ性能は当社従来品(OBSERVE GIZ2)比で22%向上しました。経年変化による性能低下を抑え、アイスブレーキ性能の効き目を持続させたほか、ポリマーの一部に自然由来のサステナブル素材を使用し、環境配慮も実現しています。 トラック・バス用タイヤについては、国内市場で小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151EV(ナノエナジーエムイチゴイチイーブイ)」を2024年6月より、小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ「NANOENERGY M951EV(ナノエナジーエムキューゴイチイーブイ)」を2024年9月より発売しました。「NANOENERGY M151EVとM951EV」は今後増加が予想されるEVの特性に合わせて、当社トラック・バス用タイヤでは初めてのEV専用非対称パターンと、新開発の耐摩耗NCPコンパウンドの採用により、「NANOENERGY M151EV」はトラクション性能と耐摩耗性能を高次元で両立させ、「NANOENERGY M951EV」は氷雪上性能と耐摩耗性能を高次元で両立させ、さらにEVにおける低電費性能を追求した商品です。また小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135(デルベックスエムイチサンゴ)」を2024年6月より発売しました。「DELVEX M135」は小口配送が主体の小型トラックに最も重要な耐摩耗性能と、低燃費性能の向上を兼ね備え、ウェット性能を維持した経済性と安全性に配慮した商品です。なお、小型EVトラック専用タイヤ「NANOENERGY M151 EV(ナノエナジー エム イチゴイチ イーブイ)」、「NANOENERGY M951 EV(ナノエナジー エム キューゴイチ イーブイ)」が、シリーズとして2024年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。 北米市場では、エネルギー採掘、農業、建設、林業などの用途で、悪路走破性と雪路での走行性に優れ好評の「TOYO M655(トーヨーエムロクゴゴ)」を、ホイール径17インチと18インチを装着するピックアップトラック用にサイズ拡充し2024年4月より発売しました。大型トラック用として、「TOYO M171+(トーヨーエムイチナナイチプラス)」「TOYO M671A+(トーヨーエムロクナナイチエープラス)」「TOYO M677+(トーヨーエムロクナナナナプラス)」の3商品に、新開発の耐摩耗NCPコンパウンドを採用し、従来の低燃費性能は維持しつつ耐摩耗性能を向上させ2024年4月より発売しました。また中短距離輸送車両の全輪に装着される大型トラック用タイヤ「TOYO M156(トーヨーエムイチゴーロク)」を2024年7月より発売しました。耐摩耗性能と低燃費性能を高次元で両立させ、従来の安全性能とリトレッド性能を維持した商品となります。 基盤技術開発においては、当社独自の高効率・高精度タイヤ設計プラットフォーム「T-MODE(ティーモード)」において第7世代HPCシステム(High-Performance Computing system)を新たに採用し、より高性能なタイヤをよりスピーディーに開発する商品開発基盤を整えました。今回の最新HPCシステムの導入により、設計者が利用する大規模シミュレーションの計算時間を最大2分の1以下に短縮しました。空力予測や材料物性予測など、大規模シミュレーションの飛躍的な実行回数増大により、今後、EV用タイヤには欠かせない要求性能である転がり抵抗や耐摩耗性に優れた製品の早期具現化に取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は10,919百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存の主要部品に集中した設計・材料・生産技術の標準化と効率化の推進とともに、適地生産と製造性を考慮した収益改善につなげる設計仕様変更や工程変更を推進させ、技術力と競争力の向上を進めています。また、電気自動車などの次世代車向けの商品開発としては、従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントと、そのマウントを保持し振動伝達系となる金具も含めた最適化設計技術の構築を進めています。特に、先行技術開発においては、軽量化を重要テーマと位置付けて、既存の鉄やアルミの金具製品の最適化とともに、金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めています。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は951百万円であります。
FY2023|2,082 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、2025年に向けた新中期経営計画「中計'21」に基づき、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化を進めており、最新の技術を駆使し、モビリティ社会の発展、豊かなクルマ文化の活性に寄与すべく研究開発を推進しております。 基盤技術センターでは、事業部門と連携し、環境配慮など次世代モビリティに対応した素材・サステナブル材料の研究開発や独自技術の高度化によるユーザーオリエンテッドなソリューションのビジネス化に向けた取り組みを行いました。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は12,729百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,610百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 国内市販用タイヤについては、グローバル・フラングシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、プレミアムスポーツタイヤ「PROXES Sport 2(プロクセス・スポーツツー)」を2月より、またプレミアムコンフォートタイヤ「PROXES Comfort Ⅱs(プロクセス・コンフォート ツーエス)」を3月より発売しました。「PROXES Sport 2」は、スポーツタイヤに求められるハンドリング性能とブレーキ性能を高次元で実現させたプレミアムスポーツタイヤで、「PROXES Comfort Ⅱs」は上質なクルージングを追求し、環境性能を進化させたプレミアムコンフォートタイヤです。またSUV向け本格オールテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY A/T Ⅲ(オープンカントリー・エーティースリー)」のホワイトレターを9月より発売しました。SUVの市場拡大とともに多様化するユーザーニーズに合わせて、当社はOPEN COUNTRYシリーズのラインアップ拡充を行なってきました。特にタイヤサイド部のブランド名や商品名を白い文字で立体的に表記した「ホワイトレター」を採用した商品が高い支持をいただいています。なお、プレミアムコンフォートタイヤ「PROXES Comfort Ⅱs」は、デザイン性と機能性が評価され2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。またプレミアムスポーツタイヤ「PROXES Sport 2」は、世界的に権威のあるデザイン賞「Red Dot Award(レッドドット・アワード)」の2023年プロダクトデザイン賞を受賞しました。Red Dot Awardは、ドイツのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)が主催し、1955年に創設された60年以上の歴史があるデザイン賞で、世界三大デザイン賞の一つと言われています。今後もタイヤに求められる性能の進化を追求しながら、付加価値の高い製品開発に取り組んでまいります。 トラック・バス用タイヤについては、スタッドレスタイヤ「M939(エムキュウサンキュウ)」を8月より国内市場で発売しました。国内における昨今の気象の特長や運送業界を取り巻く社会課題から、高いアイス性能と耐摩耗性能を両立し、さらに低メンテナンス性を向上させたスタッドレスタイヤが求められるようになりました。「M939」は、タイヤトレッド面のブロック内に細かい溝を高密度に配置しアイス路面でのグリップ力を確保しながら、路面接地時にブロックが過度に動かないようにすることで偏摩耗の発生を抑制しました。これにより、当社従来品(M929)比で推定摩耗ライフを7%向上、偏摩耗の発生を45%低減しました。また、非降雪路面での走行も考慮し、転がり抵抗の低減も実現した商品となっております。 当事業に係る研究開発費は10,116百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存の主要部品に集中した設計・材料・生産技術の標準化と効率化の推進とともに、適地生産と製造性を考慮した収益改善につなげる設計仕様変更や工程変更を推進させ、技術力と競争力の向上を進めています。また、電気自動車などの次世代車向けの商品開発としては、従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントと、そのマウントを保持し振動伝達系となる金具も含めた最適化設計技術の構築を進めています。特に、先行技術開発においては、軽量化を重要テーマと位置付けて、既存の鉄やアルミの金具製品の最適化とともに、金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めています。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は1,002百万円であります。
FY2022|2,272 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、2025年に向けた新中期経営計画「中計'21」に基づき、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化を進めており、最新の技術を駆使し、モビリティ社会の発展、豊かなクルマ文化の活性に寄与すべく研究開発を推進しております。 基盤技術センターでは、事業部門と連携し、環境配慮など次世代モビリティに対応した素材・サステナブル材料の研究開発や独自技術の高度化によるユーザーオリエンテッドなソリューションのビジネス化に向けた取り組みを行いました。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は11,320百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,347百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 当社は、2017年よりタイヤと路面の間に働く表面凹凸と摩擦力の評価法について大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻の田中展准教授と共同研究を実施しておりました。この度「タイヤゴム摩耗面の高精度スペクトル解析法の構築」の研究課題で2021年度機械学会関西支部賞研究賞を受賞し、3月16日の機械学会関西支部総会で表彰されました。本研究成果により、摺動試験後のゴム表面の粗さの情報を高精度に解析することが可能になりました。 国内市販用タイヤについては、ミニバン専用タイヤの新商品として「TRANPATH mp7(トランパス エムピーセブン)」を2022年1月より発売を開始いたしました。「TRANPATH mp7」は、当社がミニバン専用タイヤの特長として長年培ってきたロングライフとふらつき抑制の基本性能を踏襲し、摩耗性能と雨の日などにおけるウェット性能の向上を実現しました。また、グローバル・フラングシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、「PROXES TR1(プロクセス・ティーアールワン)」を2022年5月より国内市場で発売を開始いたしました。「PROXES TR1」はドライバーの要求に応える確かなハンドリング性能と独創的なデザインを兼ね備えたスポーティータイヤです。加えて、SUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズにおいて、オールテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY A/T Ⅲ(オープンカントリー エーティースリー)」を2022年7月より発売を開始いたしました。一般道での操縦安定性と快適性を確保するとともに、キャンプ場など凸凹のある路面や林道などに入った際にも安定した走行をサポートし、また降雪時における性能も向上し季節を問わず国内におけるSUVの用途の広がりに対応した商品となっております。今後もマーケットの情報を広く収集し、タイヤに求められる性能の進化を追求しながら、付加価値の高い製品開発に取り組んでまいります。 トラック・バス用タイヤについては、建設や採掘・伐採等のオン アンド オフロードの現場で使用される新商品「TOYO M325(トーヨーエムサンニゴ)」を北米市場で2022年3月より発売を開始いたしました。耐外傷性を向上させた溝形状やトレッド配合により厳しい路面での走行性能を高め、求められる耐久性・リトレッド性を実現しております。また、通年での使用を考慮して開発したコミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937(エムキュウサンナナ)」を2022年9月より国内市場で発売を開始いたしました。導入事例数が増加傾向のコミュニティバスは、その使用環境から摩耗性能が求められる一方で、降雪が少ない地域であっても、突然の積雪に備えてスタッドレスタイヤを装着する事例が増えています。「M937」は、タイヤが路面に接地するトレッド面の構成により推定摩耗ライフを当社従来品(M935)比で38%向上させるとともに、積雪や凍結した路面における走行性能を確保した商品となっております。 なお、ミニバン専用タイヤ「TRANPATH mp7」、オールテレーンタイヤ「OPEN COUNTRY A/T Ⅲ」、コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」は、デザイン性と機能性が評価され2022年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。 当事業に係る研究開発費は8,971百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存の主要部品に集中した設計・材料・生産技術の標準化と効率化の推進とともに、適地生産と製造性を考慮した収益改善につなげる設計仕様変更や工程変更を推進させ、技術力と競争力の向上を進めております。また、電気自動車などの次世代車向けの商品開発としては、従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントと、そのマウントを保持し振動伝達系となる金具も含めた最適化設計技術の構築を進めています。特に、先行技術開発においては、軽量化を重要テーマと位置付けて、既存の鉄やアルミの金具製品の最適化とともに、金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めております。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は1,000百万円であります。
FY2021|1,626 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、2025年に向けた新中期経営計画「中計'21」に沿って、「変化に迅速・柔軟に適応する力」の強化に取り組んで進めております。最新の技術を駆使し、モビリティ社会の発展、豊かなクルマ文化の活性に寄与すべく研究開発に取り組んでまいります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は11,159百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,455百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 国内市販用タイヤについては、SUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY」シリーズにおいて、オフロード性能とオンロード性能を高い次元で両立させたハイブリッド商品「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリー アールティー)」、オフロード向け商品「OPEN COUNTRY M/T(オープンカントリー エムティー)」の新サイズを2021年2月より発売開始いたしました。加えて、オフロード走行における優れたトラクション性能を有しつつ、オンロード走行時での静粛性を確保したSUV用ALL Terrain(オールテレイン:全地形型)タイヤ「OPEN COUNTRY A/T EX(オープンカントリー エーティーイーエックス)」を、2021年5月より発売開始いたしました。また、昨今のコロナ禍で人々が在宅中心の生活スタイルへシフトしたことによる宅配をはじめとする小口配送の需要の増加に適したビジネスバン・小型トラック用スタッドレスタイヤ「DELVEX 935(デルベックス キュウサンゴ)」を2021年8月より発売開始、加えてオールシーズン(全天候型)タイヤとして販売している「CELSIUS(セルシアス)」ブランドにおいて、ビジネスバン専用となる「CELSIUS CARGO(セルシアス・カーゴ)」を2021年10月に発売し市場ニーズに応えてまいります。2021年1月に発売した「PROXES CL1 SUV(プロクセス・シーエルワン・エスユーブイ)」は2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞し、今後もマーケットの情報やニーズを的確にとらえ、タイヤ性能の進化を追求するとともに、魅力あるデザインの両立を図った製品開発に取り組んでまいります。 また、空気の要らないエアレスタイヤ「ノアイア」をゴルフカートに適応し、エアレスタイヤの実用化に向けた「ノアイアビジョン」を発表いたしました。「ノアイア」を適応したゴルフカートは過疎地や観光地の足として活用されつつあり、将来の低炭素型交通の実証としても普及が推進されております。エアレスタイヤのメリットであるパンクレス、メンテナンスフリーはこういった小型モビリティと親和性が高いと考えており、ゴルフ場や施設内での実証実験を進めるとともに、よりエアレスタイヤのメリットを活かせる市場開拓を進めてまいります。 当事業に係る研究開発費は8,580百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存部品の設計技術の標準化や効率化による競争力向上とともに、次世代電気自動車向けとして従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントの開発を行っております。また、先行技術開発においては、軽量化を軸に新製品の開発を進め、ゴムや金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めております。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は1,123百万円であります。
FY2020|2,827 文字
5 【研究開発活動】 当社は、魅力的な商品を提供することはもちろん、最新の技術を駆使することにより、未来のモビリティ社会の創造にも取り組み、自動車産業の振興や発展、豊かなクルマ文化の活性につながるべく、研究、開発を推進しております。 Nano Balance Technologyの一環として、新たにマテリアルズ・インフォマティックス(MI技術)を利用したゴム材料の特性予測技術や材料構造の最適化技術を開発しました。今後、MI技術を駆使した新素材の実現を進め、「高性能な製品開発」と「開発時間短縮・コスト低減」の両立を図ってまいります。 また、トラックやバスなど、運輸車両の個別運行状況に応じ、AIを駆使し、タイヤの使用(摩耗)状態を推定するモデルを構築しました。今後、各種デジタル情報を有機的に連関し、顧客使用状況から素材開発へのフィードバック、タイヤ設計への適用、最適生産へ展開といった「付加価値のループ」を図ってまいります。 2012年からオンプレミスで利用開始した仮想デスクトップ環境のクラウドへの移行、回線接続の整備などをおこない、社内外から同一環境での業務遂行が可能となりました。これにより、二度の緊急事態宣言下においても、在宅勤務が可能となりました。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は10,437百万円であります。うち、各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,145百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1)タイヤ事業 当社は、データ分析やAI技術を活用し、タイヤに取り付けられたセンサー情報から走行中のタイヤグリップ力とその限界(タイヤ力)をリアルタイムに検知し、可視化する「タイヤセンシング技術」を開発しました。より安全で安心な移動を支援するだけでなく、路面と唯一接するタイヤをセンサーとして扱うことで、外部のさまざまな知見や技術との共創(オープンイノベーション)により、次世代のモビリティ社会に向けてタイヤに新しい付加価値を生んでまいります。現在、種々の条件におけるデータを収集し、公道実証に向けた仕組み作りに取り組んでおります。 またCAEとAIを融合した自動車用タイヤ開発プロセス「T-MODE」を活用したリアルタイムシミュレーション技術のプレスリリースを行いました。設計仕様と解析データを一元管理するデータマネージメントシステム(SPDM)を活用し、設計仕様をインプットすれば機械学習を用いてタイヤ性能の予測値を瞬時に導き出すリアルタイムシミュレーションが可能となりました。このことによって、タイヤ開発のリードタイムの削減が期待できます。さらに、SPDMの解析自動化技術開発を進め、設計者が解析作業時にパラメータスタディを容易に実施できる環境を構築しました。このことによって、機械学習に用いる解析データを効率的に蓄積することが可能になりました。 国内市販用タイヤについては、国内市場に投入しているSUV用タイヤ「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリーアールティー)」において、2020年4月下旬より、新サイズを加え、サイズラインアップを拡充し続けております。「OPEN COUNTRY R/T」はマッドテレインとオールテレインの特徴を兼ね備えた新カテゴリのタイヤとして、国内では軽自動車からSUVまで、充実のラインアップを取り揃えております。加えて、乗用車用スタッドレスタイヤ「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」を新商品として8月1日より国内市場で発売しました。OBSERVE GIZ2は地球温暖化時代の日本の降雪期に求められる性能を追求し、ウェット性能を高めて冬道での路面変化に対応するとともに、ゴムの経年変化による氷上での摩擦力低下を抑制、アイス路面での性能が長持ちするようにも配慮しました。また、SUV用タイヤとして販売している全天候型のタイヤ「CELSIUS(セルシアス)」の適用対象車種を広げ、2020年11月より順次、サイズラインアップを拡充しております。さらにSUV専用の新商品として「PROXES CL1 SUV(プロクセス・シーエルワン・エスユーブイ)」を2021年1月14日より国内市場で発売します。前述の「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」及び「CELSIUS(セルシアス)」につきましては、2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を同時受賞しました。 トラック・バス用タイヤについては、国内市場向けにオールウェザータイヤ「M646(エムロクヨンロク)」を新商品として、2020年3月より発売しております。「M646」は昨今の運輸業界において、メンテナンスや輸送体制の効率化に向けた取り組みが加速する中、環境変化に伴うニーズを踏まえて、耐摩耗性能とウェット駆動力を高次元で両立した商品であります。独自のプロセス技術により、ゴムコンパウンドのエネルギ-ロスを約20%低減できるポリマー「Nano Composite Polymer(ナノコンポジットポリマー)」を採用した新商品を、国内市場向けには「NANOENERGY M176(ナノエナジーエムイチナナロク)」を2020年1月より、北米市場向けには「NANOENERGY M671(ナノエナジーエムロクナナイチ)」を2020年4月より、「NANOENERGY M171(ナノエナジー・エムイチナナイチ)」を2020年7月より発売しております。求められる低燃費性と摩耗性を高次元で達成しております。また国内市場では小型トラック用スタッドレスタイヤ「DELVEX M935(デルベックス エムキュウサンゴ)」を2020年8月より発売しております。刻々と変化する冬の路面での小型トラックの使用環境を踏まえて、アイス性能と耐摩耗性能を高次元で両立することを追求した商品です。 当事業に係る研究開発費は8,068百万円であります。 (2)自動車部品事業 自動車部品では、既存部品の設計技術の標準化や効率化による競争力向上とともに、次世代電気自動車向けとして従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、静粛性ニーズに対応する高トルク負荷時や高周波数領域でも低い動バネ定数を持つモーターマウントの開発を行っております。また、先行技術開発においては、軽量化を軸に新製品の開発を進め、ゴムや金属の代替として樹脂の適用技術も含めた更なる技術向上の取り組みも進めております。 その他、タイヤ事業の解析技術や評価技術との独自技術を融合させたモデルベース開発の技術構築も進めており、これにより自社の強みを生かしたサスペンションモジュールに関連する自動車部品の最適化提案ができるように取り組んでまいります。 当事業に係る研究開発費は1,222百万円であります。
FY2019|1,672 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、2017年から2020年に向けて新中期経営計画「中計'17」に沿って進めております。 技術統括部門方針として、『技術革新と差別化技術により、顧客に「感動や驚き」のある商品を提供する』を掲げ、顧客感動に繋がる技術をスピーディーに具現化すべく研究開発を推進しております。 未来の変化を視野に入れ、社会から求められるものを具現化するべく、「人の感覚や感性に働きかけるテクノロジー」や「未来モビリティをデザインするテクノロジー」など、当社独自のユニークな技術アプローチにて、研究、開発を続けております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は11,092百万円であります。うち、基盤技術センターで行っている各事業部門に配分できない基礎研究の費用は1,265百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。 (1) タイヤ事業高効率・高精度な新タイヤ開発プラットフォーム「T-MODE」のプレスリリースを行いました。タイヤは路面と接する唯一のパーツとして、自動車に求められるさまざまな性能を満たす上で大きな役割を担っています。EV化や自動運転など、次世代モビリティへの技術革新競争が産業界に席捲し始めているなか、タイヤには、「モビリティの進化」を支える明確な性能や機能をスピーディーに実現していくことが求められており、今後、設計の高精度化・高速化がカギを握ります。当社はSPDM(Simulation Process and Data Management)を活用し、従来のT-mode(独自の各種シミュレーション基盤技術)に、AI技術を用いた設計支援技術を組み込み、新たに「T-MODE」としてタイヤ開発プロセスをより高度に進化させました。これまでの約20年間に蓄積してきた知見と新しいシステムによって、知的にデータを科学することで、短期間に高性能タイヤを開発できるプロセスを新たに構築しました。新タイヤ開発プラットフォームにより、設計データ、実験データ、シミュレーションデータを一元管理することが可能となり、データの付加価値が高まりました。今後はこのデータを機械学習に活用することで、さらなるタイヤ設計の高効率化、高性能化が期待できます。国内市販用タイヤについては、国内市場に投入しているSUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズにおいて、2019年12月より順次、新サイズを加えております。オフロード性能とオンロード性能を高い次元で両立させたハイブリッド商品「OPEN COUNTRY R/T(アールティー)」より、3サイズが新たにラインアップとして加わり、オールラウンドSUV専用「OPEN COUNTRY A/T plus(エーティープラス)」では新たに9サイズをラインナップに加え、幅広い車種に対応しております。 当事業に係る研究開発費は8,405百万円であります。 (2) 自動車部品事業 自動車用防振ゴム部品については、電気自動車向けとして従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、高い減衰力を持ちながら、高周波数領域では低い動バネ定数を持つゴム製品の開発を行っております。また、顧客のコモンモジュール化に対する部品のラインナップ増加についても、設計モジュール化での対応により、精度の高い開発体制の構築を目指しています。 先行技術開発においては、高性能化、軽量化、コストダウンを軸に新製品の開発を進め、軽量化についてはゴムや金属の代替として樹脂の適用を進めています。また、自動運転に対応した乗り心地向上のため、タイヤと防振製品の独自技術とモデルベース開発を基盤としたサスペンションモジュールの開発も行っております。 トラック・バス用部品については、自動車用防振ゴムの技術を流用し、一部の鋼製部品の樹脂化により、コストダウン、軽量化を図り、競争力向上を目指しております。 当事業に係る研究開発費は1,421百万円であります。
FY2018|2,796 文字
5 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、2017年から2020年に向けて新中期経営計画「中計'17」に沿って進めております。 技術統括部門方針として、『技術革新と差別化技術により、顧客に「感動や驚き」のある商品を提供する』を掲げ、顧客感動に繋がる技術をスピーディーに具現化すべく研究開発を推進しております。タイヤ事業部門・自動車部品事業部門・中央研究所の連携強化により、未来モビリティ(EV、自動運転車等)を見据え、自動車用タイヤを含め、単一機能製品群を組み合わせた「足回りモジュール」の開発に着手いたしました。引き続き、研究と技術開発の進化に取り組んでおります。 また、モビリティ社会の変化とともに、製品に求められる役割も皆さまに提供していくべき価値も変化し始めています。当社では、すでにさまざまな先行技術開発に取り組んでおり、将来に向けた新しいテクノロジーの開発を進めてまいります。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は108億78百万円であります。うち、基盤技術センターで行っている各事業部門に配分できない基礎研究の費用は10億33百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。(1) タイヤ事業国内市販用タイヤについては、乗用車用低燃費タイヤカテゴリーの新スタンダードタイヤ「SD-7(エスディーセブン)」を発売いたしました。「SD-7」は低燃費性能と耐摩耗性能を高い次元で両立し、タイヤラベリング制度における転がり抵抗「A」、ウェットグリップ性能「c」を取得しております。当社独自の材料設計基盤技術「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を用いたトレッドゴムをはじめ、高いシミュレーション技術によるパターンデザインの採用等により、当社従来品(「TOYO TEO plus(トーヨーテオプラス)」)比で転がり抵抗を17%低減、耐摩耗性能(摩耗ライフ)を12%向上いたしました。また、プレミアムSUV用スポーツタイヤ「PROXES Sport SUV(プロクセス・スポーツエスユーブイ)」及びオンロード向けSUV用タイヤ「OPEN COUNTRY U/T(オープンカントリーユーティー)」を発売いたしました。「PROXES Sport SUV」は「Nano Balance Technology」を用いて新しく開発したゴムコンパウンドをはじめ、ブロックの変形を抑制して接地面積を保持するテーパー(面取り)や、接地圧を均一化させるリブ設計等、種々の独自技術を採用し、高いレベルでのウェットグリップを実現することにより、ウェットグリップ性能で最高グレードとなる「a」を全サイズで実現いたしました。「OPEN COUNTRY U/T」は「サイレントウォール」、「5バリアブルピッチ」等の技術を採用し、オンロードにおける静粛性と快適な乗り心地を実現し、「スペシャルシリカコンパウンド」を用い、ウェット性能と転がり抵抗性能を高い次元で両立するとともに、耐摩耗性能を確保しております。 トラック・バス用タイヤについては、北米市場において、超扁平スーパーシングル445/50R22.5トレーラ用「M175(エムイチナナゴウ)」とドライブ用「M675(エムロクナナゴウ)」を発売いたしました。当社独自の設計基盤技術「e-balance(イーバランス)」と当社独自技術の特殊ベルトパッケージ採用により、タイヤ形状保持性能の実現と内部歪み低減を図り、優れた耐久性能、均一摩耗性能、低燃費性能を実現し、米国環境保護庁の定める「SmartWay(スマートウェイ)」認証を取得いたしました。また、「Nano Balance Technology」の技術革新のなかで、「ナノ加工」から耐摩耗性能を維持し、低燃費化を実現する新たな開発プロセスを確立いたしました。これにより、均一高度分散の理想的フィラーの状態が確保でき、ゴムのエネルギーロスを従来比約20%低減可能といたしました。これをベースに、トラック・バス用タイヤにおいて、高い耐摩耗性能を維持しながら、さらなる低燃費化を実現しました。この当社独自の新技術によって生み出したポリマー「Nano Composite Polymer」を活用し、マレーシア工場内に導入した製造ラインで作製したゴム材料をもとに、日本の桑名工場で更なる低燃費化を実現した超扁平スーパーシングルタイヤの製造を開始しました。また、オンアンドオフ使用のサービストラック向けのオールポジション新商品「M655(エムロクゴウゴウ)」を発売いたしました。1年を通してフロントとドライブの両方で使用でき、なおかつシビアな路面に対応できるタイヤという求めに応じるため、「M655」は深溝新パターンにより、マッド・スノー路面での優れたトラクション性能と耐偏摩耗性能を、耐悪路配合採用により、優れた耐カット性能と耐久性能を実現し、独自の新サイドプロテクター採用により、チェーンによるダメージ軽減を向上いたしました。日本市場においては、低燃費タイヤブランド「NANOENERGY(ナノエナジー)」シリーズより、オールウェザータイヤの新商品「NANOENERGY M676(エムロクナナロク)」を発売いたしました。トラック・バス用タイヤは、低燃費性能と耐摩耗性能という相反性能の両立が求められております。「e-balance」と「Nano Balance Technology」を活用し、現行低燃費商品「ZEROSYS(ゼロシス)」シリーズの優れた低燃費性能を受け継ぎ、相反性能である摩耗ライフを大きく向上いたしました。 当事業に係る研究開発費は80億36百万円であります。 (2) 自動車部品事業 自動車用防振ゴム部品については、電気自動車向けとして従来の耐熱性、耐寒性、高耐久性に加え、高い減衰力を持ちながら、高周波数領域では低い動バネ定数を持つゴム製品の開発を行っております。また、顧客のコモンモジュール化に対する部品のラインナップ増加についても、設計モジュール化での対応により、精度の高い開発体制の構築を目指しています。 先行技術開発においては、高性能化、軽量化、コストダウンを軸に新製品の開発を進め、軽量化についてはゴムや金属の代替として樹脂の適用を進めています。また、自動運転に対応した乗り心地向上のため、タイヤと防振製品の独自技術とモデルベース開発を基盤としたサスペンションモジュールの開発も行っております。 トラック・バス用部品については、自動車用防振ゴムの技術を流用し、一部の鋼製部品の樹脂化により、コストダウン、軽量化を図り、競争力向上を目指しております。 当事業に係る研究開発費は18億8百万円であります。
FY2017|3,971 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、2017年から2020年に向けて新中期経営計画「中計'17」に沿って進めております。 技術統括部門方針として、『技術革新と差別化技術により、顧客に「感動や驚き」のある商品を提供する』を掲げ、顧客感動に繋がる技術をスピーディーに具現化すべく取り組んでおります。 基盤技術センターでは、事業部門と連携し、事業の成長戦略に繋がるテーマの選択と集中による研究資源の有効活用と開発のスピードアップをはかり、開発領域をモビリティー分野に定め、未来のニーズとそれに合致する新技術・新商品を確立、提供すべく先端的研究や基盤技術力の強化を行ってきました。これまで、中央研究所とタイヤ事業部門が連携し、空気充填を不要としながらもタイヤの基本性能を担保するという新しい概念をテーマとして、エアレスタイヤの研究に取り組んできたことにより、コンセプトタイヤとして「noair(ノアイア)」を開発いたしました。引き続き、実用化を展望した研究と技術開発の進化に取り組んでおります。 また、「スピード感あふれる研究所」へ変革のため、技術人材育成計画を改訂いたしました。中堅・若手のスキル向上を目的として、研究開発に重要な資質「論理的思考・技術専門性・伝える力」や「技術シーズ先行型から顧客ニーズ思考型へ」を備えた人材を育成すべく教育を展開しております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は109億43百万円であります。うち、基盤技術センターで行っている各事業部門に配分できない基礎研究の費用は10億73百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。(1) タイヤ事業国内市販用タイヤにおいては、NITTOブランドタイヤとして、ハイエンドカー向けのUHP(ウルトラ・ハイ・パフォ-マンス)タイヤ「NT555 G2(エヌティーゴウゴウゴウジーツー)」と優れた低燃費性能を持つSUV(多目的スポーツ車)用タイヤ「NT421Q(エヌティーヨンニイイチキュー)」の新商品2種を発売いたしました。「NT555 G2」は操縦安定性や優れたドライグリップ性能を継承し、UHPタイヤでありながら転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を高い次元で両立した低燃費性能を備えております。また、「NT421Q」はウェットグリップ性能と転がり抵抗性能を高次元で両立するとともに、ユニークでスタイリッシュな非対称トレッドパターンを採用し、街乗りでも快適な静粛性と乗り心地を実現しております。TOYOブランドタイヤとして、SUV用タイヤの新商品「OPEN COUNTRY A/T plus(オープンカントリーエーティープラス)」とUHPタイヤの当社グローバル・フラッグシップブランド「PROXES(プロクセス)」シリーズより、プレミアムスポーツタイヤ「PROXES Sport(スポーツ)」を発売いたしました。「OPEN COUNTRY A/T plus」は、オフロード走行における優れたトラクション性能を有しつつ、オンロード走行時での静粛性を確保した「All Terrain(A/T:オール・テレイン、全天候型)タイプ」のタイヤであります。リブパターン基調を採用することで、国際基準ECE R117-2(国連欧州経済委員会(UN/ECE)がタイヤ騒音の低減対策として策定した国際基準)をクリアした高い静粛性とトラクション性能も高い次元で両立させております。新配合のトレッドコンパウンドによってウェットグリップ及び転がり抵抗性能の低減とロングライフを実現し、高剛性構造を採用することで高速操縦安定性を向上させております。また、「PROXES Sport」は、国内タイヤラベリング制度におけるウェットグリップ性能において、最高グレードの「a」を満たしたプレミアムスポーツタイヤであります。「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」によって実用化した新配合ゴムを採用し、転がり抵抗性能と高いレベルでのウェットグリップ性能という相反する性能の両立を実現いたしました。さらに、タイヤの路面接地面積にかかる圧力(接地圧)を解析し、その圧力を均一に分散することによって、ウェットブレーキ性能を向上、また、ドライ操縦安定性やウェット操縦安定性能、ウェットグリップ性能、乗り心地、摩耗ライフ、転がり抵抗性能など、8つの性能をそれぞれ向上し、高い次元でバランスさせております。また、ハイト系SUV・ミニバン車両用スタッドレスタイヤ「Winter TRANPATH TX(ウィンタートランパスティーエックス)」を発売いたしました。「NEO吸着ナノゲルゴム」「3Dダブルウェーブグリップサイプ」「鬼クルミ」などの採用により、アイスブレーキ性能を向上、「高剛性・スーパーハイターンアップ構造」「トリプルトレッド構造」の採用により、コーナリングやレーンチェンジ時のふらつきを極小化し、アイス性能がさらに進化いたしました。 海外市販用タイヤにおいては、ピックアップトラック/SUV/CUV用タイヤ「PROXES S/TⅢ(エスティースリー)」を全米で発売いたしました。アグレッシブでスポーティーな方向性パターンを採用し、パターン中央部の先鋭な矢じりデザイン(Arrowhead Taper)は操縦安定性を確保し、稲妻模様の縦溝(Lightning Grooves)がウェットパフォーマンスの向上に寄与し、ウェットグリップ性能が従来品(「PROXES S/TⅡ(エスティーツー)」)比で向上するなど、デザイン性と走行性能の両立を高い次元で実現しております。 トラック・バス用タイヤ新商品に関し、日本市場において、低燃費タイヤブランド「NANOENERGY(ナノエナジー)」シリーズのトラック・バス用タイヤのスタッドレス新商品「NANOENERGY M966(エムキュウロクロク)」を発売いたしました。環境意識が高まる中、装着されるタイヤにもより高い燃費性能や摩耗性能が求められております。「NANOENERGY M966」は、独自のトラック・バス用タイヤ基盤技術「e-balance(イーバランス)」と材料設計基盤技術「Nano Balance Technology」を駆使し、低燃費・低メンテナンス型を追及したトラック・バス用スタッドレスタイヤで、さらなる低燃費化を実現した高付加価値商品であります。 また、定評ある耐摩耗性を維持しながら優れたトラクション性能を高次元で両立したダンプ用ラグタイヤ「M520P(エムゴウニイマルピー)」を発売いたしました。「M520P」は、摩耗末期まで縦溝横溝をできるだけ残すことによりトラクション性を追求し、さらにワイドトレッドと新プロファイルの採用により優れたトラクション性能と摩耗性能の両立を実現いたしました。 また、除雪トラック用スノーラジアルタイヤ「M925(エムキュウニイゴウ)」を発売いたしました。ホイールローダー、グレーダーなど除雪用大型建機では、バイアスタイヤが主流でありますが、高速道路・幹線道路の除雪には高速化が求められるようになり、大型建機に代わり除雪トラックが主流となりつつあります。「M925」は独自のワンウェイパターンの採用により、雪路・凍結路でのトラクション効果及び牽引力のアップとともに横すべり抵抗が増大し、優れた機動性を確保いたしました。 北米市場においては、ヘビーマッド路のオフロード走行性と一般走行性能を両立した深溝ブロックパターン新商品「M588(エムゴウハチハチ)」を発売いたしました。シェールガスオイル掘削の需要に伴い、ヘビーマッドやスノーのオフロード走行における優れたトラクション性能と一般走行性能の両立が求められております。「M588」は、深溝新パターンにより摩耗末期まで溝を残し、優れたトラクション性能を、耐悪路配合採用により優れた耐カット性と摩耗性能を実現し、オフロード走行性と一般走行性能の高次元での両立を実現いたしました。また、独自の新サイドプロテクター採用によりチェーンによるダメージも向上いたしました。 当事業に係る研究開発費は73億9百万円であります。 (2) ダイバーテック事業自動車用防振ゴム部品については、グローバルでの自動車販売先の多様化に対応すべく、従来の耐熱性を重視した製品に加え、耐寒性、高耐久性を兼ね備えた製品の開発、上市を行っております。また、カーメーカーのコモンモジュール化に対して、最適化検討を行い、多くの部品を受注し、開発を行っております。 先行技術開発においては、高性能化、軽量化を軸に開発を進め、次世代車両への適用を目指しております。 解析技術においては、実車性能と設備評価との相関を求めるなど、解析精度を高めることにより、最適設計(軽量化、コストダウン)に取り組んでおり、高機能部品の受注増と確実な開発を図っております。 トラック・バス用部品については、自動車用防振ゴムの技術を流用し、一部の鋼製部品の樹脂化により、コストダウン、軽量化を図り、競争力向上を目指しております。 シートクッションの分野においては、低燃費化(軽量化)、車室空間の確保(シートの薄肉化)、環境負荷物質の低減化、低コスト化の高いニーズがある中で、お客様との共同開発・評価も精力的に行い、お客様に喜んでいただける材料・製品開発を行っております。 また、乗り心地性能向上の観点でも材料・製品開発を行い、より良い自動車作りの役に立てるよう、提案活動を行っております。 当事業に係る研究開発費は25億60百万円であります。
FY2016|3,558 文字
6 【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、「GO BEYOND~いまを超えていく」をスローガンに、2014年度からの3ヶ年計画「中期経営計画'14」に沿って進めております。 研究課題においては、次世代タイヤ技術構築に向けて、環境負荷低減・性能向上・新システム確立のため、大学や公共研究機関との連携を強化し、構造設計・材料設計・解析技術・製造技術などを中心に研究開発を推進しております。 基盤技術センターでは、事業を支える各種素材の先端的研究や基礎技術力の強化を研究活動の中心とし、他方面では新しい成長戦略分野での新事業や新技術の創出を目指し、コア技術であるゴム材料やウレタン材料を核にして、「環境/エネルギー」「ライフイノベーション」「交通/モビリティ」「園芸/アグリカルチャー」などの新たな成長分野への展開に向けた取り組みも行って参りました。 また、2014年度より実施した研究活動活性化のための「新しい価値を創造する技術人材の育成」プログラムは2016年度も継続し、「プレゼン能力向上」と「課題への対応強化」を目的に中堅・若手研究者の教育を展開いたしました。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は104億74百万円であります。うち、基盤技術センターで行っている各事業部門に配分できない基礎研究の費用は10億94百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。(1) タイヤ事業国内市販用タイヤにおいては、ミドルクラスミニバンをターゲットとしたミニバン専用タイヤ「TRANPATH(トランパス)」シリーズの新商品「TRANPATH ML(エムエル)」を発売いたしました。 同シリーズの22年間にわたる技術蓄積を踏襲、進化させ、ミドルクラスミニバンに相応しいパターンデザインとタイヤ性能を備えております。使用されるゴム材料開発には、当社独自の材料設計基盤技術「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を駆使し、ナノレベルで素材設計と加工の最適化を行い、ロングライフを実現する耐摩耗性能は確保しながら、国内タイヤラベリング制度における転がり抵抗性能「AA」グレード、ウェットグリップ性能「b」グレードを獲得しております。トレッドデザインは、力強い外装を持つミドルクラスミニバンにマッチする、鋭角的でシャープなデザインとし、タイヤの一部だけが摩耗する、偏摩耗の抑制に寄与する非対称パターンデザインを採用しております。重心が高く車重のあるミニバンを支えるしっかり感を追求するため、パターン設計と構造設計の最適化で横方向への剛性を確保し、国内タイヤラベリング制度では上記グレードを獲得しながらも、フラつきを軽減させた安定感ある走行を実現いたしました。また、クロスカントリー・ビークル(SUV/CUV)タイプの軽自動車専用タイヤの提案型新商品として「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリーアールティー)」を発売いたしました。軽自動車の車両特長を踏まえた“遊び心”のある専用タイヤとして、オフロードにおけるトラクション性能と、オンロード走行に求められる耐摩耗性能や走行安定性を高い次元で両立させております。当社では、泥濘地や雪道などオフロードでの走破性を重視するユーザーには、地面にパワーを伝える能力(トラクション性能)に優れた「Mud Terrain(M/T:マッド・テレイン、泥濘地用)タイプ」のタイヤを、また、オンロード中心でありながらオフロードとのバランスも重視するユーザーには、「All Terrain(A/T:オール・テレイン、全天候型)タイプ」のタイヤを提案しておりますが、当商品は、Mud TerrainタイプとAll Terrainタイプとの中間を充足する全く新しいジャンルのタイヤといえます。タイヤのショルダー(両端)部は、アグレッシブなパターンデザインによってオフロード性能を確保し、トレッドのセンター部にはオンロード走行を考慮したパターンデザインを採用し、それぞれの特性を発揮する「ハイブリッドデザイン」が特長となっており、軽自動車の小型の躯体でも存在感ある独特の商品デザインは、アウトドア派のアクティブなカーユーザーの趣向をも満たすものであります。 なお、「TRANPATH ML」と「OPEN COUNTRY R/T」の2商品は、「2016年度グッドデザイン賞」(公益財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞いたしました。 また、走りを追求したモータースポーツ用タイヤ「PROXES R888R(プロクセスアールハチハチハチアール)」を発売いたしました。サーキットでのレースやジムカーナ等のモータースポーツ競技では、正確なステアリング操作のみならず、状況に適したアクセル・ブレーキコントロールが要求され、車両を構成する部品の中で唯一、地面と接するタイヤは、競技者が車両を正確にコントロールするうえで重要な役割を担っておりますが、当商品はサーキット走行等で高い次元のハンドリング、グリップ性能とコントロール性を発揮させることを目的としたトレッド配合と構造を採用し、トレッドパターンはグリップ性能の向上を図る非対称パターンとなっております。 海外市販用タイヤでは、米国市場においては、NITTOブランドのライトトラック用タイヤの主力商品「GRAPPLER(グラップラー)」シリーズの次世代商品「RIDGE GRAPPLER(リッジ)」を発売いたしました。「Mud Terrain」と「All Terrain」の両方のベストを提供するために、特徴的でダイナミックなハイブリッドトレッドパターンと、深く・アグレッシブなサイドウォールにより、オフロード性能を備えながら、静粛性と快適性を実現いたしました。 欧州市場においては、プレミアム・ハイパフォーマンスカーをターゲットとしたウィンタータイヤ「SNOWPROX S954(スノープロックスエスキュウゴウヨン)」を発売いたしました。非対称トレッドパターンと配合設計技術により、WET及びSNOW路面におけるブレーキ・グリップ性能を高めることで、典型的な欧州の冬道における安全性と正確なハンドリング性能を実現いたしました。 また、年間を通して様々な気象変化がある中で、タイヤ交換することなく快適性と安全性を提供する新ブランド「TOYO CELSIUS(トーヨーセルシウス)」を発売いたしました。非対称トレッドパターンと配合設計技術により、WETやSNOW路面等の様々な路面状況変化においても多用途な性能を兼ね備えております。 当事業に係る研究開発費は68億34百万円であります。 (2) ダイバーテック事業〔輸送機器〕カーメーカーから高級車種向けとして、エンジンマウントなど高機能部品を多く受注し、順調に立ち上げたことで客先からの高い評価を得ております。先行技術開発においては、環境対応車向けの新商品の開発を行い、市場展開を目指しております。 環境問題に対しては、6価クロムフリーの製品開発を実施し、製造工程、製品からVOC(揮発性有機化合物)及び産業廃棄物を削減するため、新たな素材への切り替えを進めております。また、車の燃費向上のために部品の軽量化及び性能向上を目指し、アルミや樹脂材料の採用と新工法・新材料の開発も進めております。解析技術においては、振動解析技術や金具性能及び加工の解析技術により、最適設計に取り組んでおります。 また、鉄道車両用空気バネについては、技術の横展開と顧客ニーズに適応した開発を進め、さらなるグローバルでの拡販を図っております。〔産業・建築資材〕産業・建築資材では、生コン圧送用ゴムホースの需要が高まっており市場ニーズに対応するため、高耐久構造の開発を進めております。〔断熱・防水資材〕硬質ウレタン商品分野では、環境・安全に関する課題を中心とした技術開発に取り組んでおり、独自技術による脱フロン化技術開発を進めております。同分野ではノンフロンシステムの高性能化を図り、さらに地球温暖化に影響がなくノンフロンシステムより断熱性能が高い発泡剤を使用した新たなシステムを開発・量産化し脱フロンを推進しております。 また、防水資材でも、さらなる環境・安全対応として、2成分ウレタン塗膜防水材「ソフランシール141」における脱VOCや脱特定化学物質を行っております。また、市場ニーズにより高強度ウレタン防水材の製品開発にも取り組んでおり、引続き、環境・安全に配慮した商品を中心に開発中であります。 当事業に係る研究開発費は25億45百万円であります。