事業等のリスク
ヘリオスの事業は、開発期間が長期にわたり、上市まで収益が見込めず追加の資金調達が必要となる可能性があります。再生医療分野は技術革新が著しく、競合他社が優れた技術を開発したり先行して上市したりするリスクがあります。また、再生医療等製品に関する法規制は継続的に見直される可能性があり、新たな規制によって多額の費用や開発遅延が生じる恐れがあります。さらに、ヒト細胞を扱う製品の特性上、予期せぬ副作用や医療事故のリスクも存在し、製造・販売体制の構築が計画通りに進まない可能性もあります。
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FY2025|7,816 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社グループは、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社グループの事業成果は、両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインは、骨髄由来体性幹細胞治療薬HLCM051を用いて急性呼吸窮迫症候群(ARDS)及び脳梗塞急性期並びに外傷を対象疾患とするもので、早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施いたしました。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、当社グループの体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発には多額の資金が必要となることから、当社グループは追加の資金調達を行う可能性があります。このように、当社グループが想定しない追加の費用が発生したり、資金調達が想定通り行えない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てる戦略を展開しております。ARDS及び脳梗塞急性期並びに外傷を対象とした医薬品の開発について規制当局と協議を進めております。 ② 技術革新と競合について 当社グループが実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、すでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社グループの保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ③ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(以下、「薬機法」と言います。)は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を設定しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、他家iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がない(2025年12月時点)ことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります(2025年5月、改正薬機法成立)。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資や追加の開発費用が必要となり、また当社グループの想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ④ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑤ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社グループの体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社グループ単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社グループの計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に向け、営業・マーケティング組織の立ち上げを計画しており、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑥ 海外での事業展開について 当社グループは、当社グループの開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 治験の実施について 当社グループは、将来的に、iPSC再生医薬品分野において治験の実施を検討しております。一般的に治験の実施において、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。 このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施してまいります。 ⑧ 治験データの解析・評価結果、承認申請の不確実性について 当社グループは、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験データの解析・評価結果において、その結果の確たる予測は困難であり、当社グループの予期せぬ結果となることも想定されます。また、承認申請において、PMDAとの相談の経過によっては、当社グループの想定どおりに進捗せず、同様に当社グループが想定するスケジュールどおりに行うことができない可能性があります。このような場合、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、継続的にPMDAと相談を続けながら、製造・販売承認申請に向けた準備を進めております。 ⑨ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。また、これらとは別に、当社はSaisei Ventures LLCを通じて、国内外のバイオ領域に成長資金となる投資を行っております。 提携先または投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社グループが想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社グループが開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社グループでは、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストーン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループは、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2025年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、24,404,700株であり、発行済株式総数の21.1%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社グループは、海外に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、当連結会計年度末において、現金及び現金同等物を5,679百万円保有しておりますが、当連結会計年度における営業損失は3,340百万円、営業活動によるキャッシュ・フローは△3,165百万円となりました。これらの財務指標の状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。 当社は、当該事象を解消すべく2026年1月29日開催の執行役会において第三者割当の方法による新株式及び第27回新株予約権の発行について決議し、2026年2月13日に払込が完了しております。また、これに加えて、以下の対応策を図ってまいります。a.継続的な収益源の確保 UDCやiPS細胞株の提供による売上収益に加え、培養上清に関する共同研究を推進し、その成果としての製品の販売による収益の獲得に取り組みます。b.ARDS治療薬の開発推進 開発が先行しているARDSを対象とする治療薬について国内における条件及び期限付承認申請に向けて速やかに準備を進めます。c.既存パイプラインにおける提携先の開拓 体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野におけるパイプラインについて製薬会社とのパートナリング、また一部地域における独占的開発・販売権の製薬会社へのライセンスアウトを進めることにより、開発リスク、財務リスクの低減を図ります。d.コスト削減 従来からの固定費削減を継続し、当社グループの資金状況を見ながら研究開発を進めてまいります。e.資金調達 第21回、第22回、第26回及び第27回新株予約権の行使による資金調達、補助金等の活用、また他の対応策の状況に応じて必要な資金調達を行っていきます。 これらの対応策を講じること、奏功しない場合にはパイプラインの見直しによる研究開発費の削減、人件費の削減等のさらなるコスト削減を実施していくことから、現時点において継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しています。
FY2024|7,789 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社グループは、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社グループの両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、幹細胞製品MultiStem®を用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)並びに外傷を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施いたしました。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、当社グループの体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発には多額の資金が必要となることから、当社グループは追加の資金調達を行う可能性があります。このように、当社グループが想定しない追加の費用が発生したり、資金調達が想定通り行えない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てるハイブリッド戦略を展開しております。脳梗塞急性期及びARDS並びに外傷を対象とした医薬品の開発について規制当局と協議を進めております。 ② 技術革新と競合について 当社グループが実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、すでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社グループの保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ③ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(以下、「薬機法」と言います。)は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、他家iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資や追加の開発費用が必要となり、また当社グループの想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ④ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑤ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社グループの体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社グループ単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社グループの計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に先立ち、営業・マーケティング組織の立ち上げ、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑥ 海外での事業展開について 当社グループは、当社グループの開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 治験の実施について 当社グループは、将来的に、iPSC再生医薬品分野において治験の実施を検討しております。一般的に治験の実施において、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。 このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施してまいります。 ⑧ 治験データの解析・評価結果、承認申請の不確実性について 当社グループは、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験データの解析・評価結果において、その結果の確たる予測は困難であり、当社グループの予期せぬ結果となることも想定されます。また、承認申請において、PMDAとの相談の経過によっては、当社グループの想定どおりに進捗せず、同様に当社グループが想定するスケジュールどおりに行うことができない可能性があります。このような場合、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、継続的にPMDAと相談を続けながら、製造・販売承認申請に向けた準備を進めております。 ⑨ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。また、これらとは別に、当社はSaisei Ventures LLCを通じて、国内外のバイオ領域に成長資金となる投資を行っております。 提携先または投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社グループが想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社グループが開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社グループでは、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストーン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループは、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2024年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、29,097,300株であり、発行済株式総数の32.3%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社グループは、海外に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、当連結会計年度末において、現金及び現金同等物を3,672百万円保有しておりますが、当連結会計年度における営業損失は2,843百万円、営業活動によるキャッシュ・フローは△1,817百万円となりました。これらの財務指標の状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。 当社は、当該事象を解消すべく、2025年1月27日開催の執行役会において第三者割当の方法による新株式及び第26回新株予約権の発行について決議し、2025年2月13日に払込が完了しております。また、これに加えて、以下の対応策を図ってまいります。a.継続的な収益源の確保 UDCやiPS細胞株の提供による売上収益に加え、培養上清に関する共同研究を推進し、その成果としての製品の販売による収益の獲得に取り組みます。b.ARDS治療薬の開発推進 開発が先行しているARDSを対象とする治療薬について国内における条件及び期限付承認申請に向けて速やかに準備を進めます。c.既存パイプラインにおける提携先の開拓 体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野におけるパイプラインについて製薬会社とのパートナリング、また一部地域における独占的開発・販売権の製薬会社へのライセンスアウトを進めることにより、開発リスク、財務リスクの低減を図ります。d.コスト削減 従来からの固定費削減を継続し、当社グループの資金状況を見ながら研究開発を進めてまいります。e.資金調達 第21回、第22回及び第26回新株予約権の行使による資金調達、補助金等の活用、また他の対応策の状況に応じて必要な資金調達を行っていきます。 これらの対応策を講じること、奏功しない場合にはパイプラインの見直しによる研究開発費の削減、人件費の削減等のさらなるコスト削減を実施していくことから、現時点において継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しています。
FY2023|8,161 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStem®を用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施いたしました。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、当社の体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発には多額の資金が必要となることから、当社は追加の資金調達を行う可能性があります。このように、当社が想定しない追加の費用が発生したり、資金調達が想定通り行えない場合には、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てるハイブリッド戦略を展開しております。脳梗塞急性期及びARDSを対象とした医薬品の開発について規制当局と協議を進めております。 ② ライセンス契約元等との関係について 当社は、HLCM051に関しては、アサシス社細胞治療医薬品の開発・製造・販売に関し国内及び一部海外も含めた独占的なライセンス契約を締結しております。HLCM051の商用製造に関しては、医薬品製造受託機関(CMO)に対して当社から製造委託を行う予定です。アサシス社は、2024年1月、米国連邦破産法第11条に基づく破産手続きを申請しました。当社は、米国連邦破産法第363条に基づく取引に関する契約をアサシス社と締結し、アサシス社のほぼ全ての資産の取得を目指しています。なお、アサシス社との契約下における当社の既存の権利は、連邦破産法下の保護を受けることが合意されており、今後、本手続きの中で、当社事業へ影響が及ばないよう適切に管理される予定です。アサシス社の上記資産獲得に何等かの障害が発生した場合やCMOの製造・供給体制になんらかの支障が生じた場合等、HLCM051の開発又は販売計画に変更が発生する可能性があります。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、すでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(以下、薬機法と言います。)は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、他家iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資や追加の開発費用が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社の体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に先立ち、営業・マーケティング組織の立ち上げ、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑦ 海外での事業展開について 当社グループは、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、将来的に、iPSC再生医薬品分野において治験の実施を検討しております。一般的に治験の実施において、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。 このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施してまいります。 ⑨ 治験データの解析・評価結果、承認申請の不確実性について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験データの解析・評価結果において、その結果の確たる予測は困難であり、当社の予期せぬ結果となることも想定されます。また、承認申請において、PMDAとの相談の経過によっては、当社の想定どおりに進捗せず、同様に当社が想定するスケジュールどおりに行うことができない可能性があります。このような場合、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、継続的にPMDAと相談を続けながら、製造・販売承認申請に向けた準備を進めております。 ⑩ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。また、これらとは別に、当社はSaisei Ventures LLCを通じて、国内外のバイオ領域に成長資金となる投資を行っております。 提携先または投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権及び新株予約権付社債を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2023年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、15,644,223株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の21.0%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、海外に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、当連結会計年度末において、現金及び現金同等物を6,722百万円保有しておりますが、第2回無担保転換社債型新株予約権付社債4,000百万円(額面金額)の償還期日が1年以内となっています。また、当連結会計年度における営業損失は3,379百万円、営業活動によるキャッシュ・フローは△2,822百万円となりました。これらの財務指標の状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。 当社は、当該事象を解消すべく、2024年1月25日開催の執行役会において第三者割当の方法による新株式及び第22回新株予約権の発行について決議し、2024年2月9日に払込が完了しております。また、これに加えて、以下の対応策を図ってまいります。a.継続的な収益源の確保UDCやiPS細胞株の提供による売上収益に加え、当社の保有するその他医療材料を用いた研究の受託に伴う収益の獲得に取り組みます。b.既存パイプラインにおける提携先の開拓体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野におけるパイプラインについて製薬会社とのパートナリング、また一部地域における独占的開発・販売権の製薬会社へのライセンスアウトを進めることにより、開発リスク、財務リスクの低減を図ります。c.コスト削減従来からの固定費削減を継続し、当社グループの資金状況を見ながら研究開発を進めてまいります。d.資金調達ARDSを対象とする治療薬の臨床試験を推進するための株式会社プロセルキュア及びeNK®細胞を用いたがん免疫療法の研究・開発を推進するための株式会社 eNK Therapeuticsにおいて、ベンチャー・キャピタルからの出資及び補助金等を活用した資金調達を実行すること、また当社においても他の対応策の状況に応じて必要な資金調達を行っていきます。 これらの対応策のもと、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断しています。
FY2022|7,518 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStem®を用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施いたしました。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、当社の体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発には多額の資金が必要となることから、当社は追加の資金調達を行う可能性があります。このように、当社が想定しない追加の費用が発生したり、資金調達が想定通り行えない場合には、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てるハイブリッド戦略を展開しております。脳梗塞急性期及びARDSを対象とした医薬品の開発について規制当局と協議を進めております。 ② 特定の提携先への依存について 当社は、HLCR011の開発に関して、住友ファーマとの間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、HLCM051に関しては、アサシス社とのライセンス契約に基づき治験を実施しております。HLCM051の商用製造に関しては、医薬品製造受託機関(CMO)に対して当社から製造委託を行う予定です。今後、アサシス社の財政状態が著しく悪化した場合やCMOの製造・供給体制になんらかの支障が生じた場合、HLCM051の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051の開発を進めるにあたり、アサシス社との提携関係を強化して協力体制を築くことを目的として、同社の株式を保有しております。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、すでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(以下、薬機法と言います。)は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、他家iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資や追加の開発費用が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社の体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に先立ち、営業・マーケティング組織の立ち上げ、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑦ 海外での事業展開について 当社グループは、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、将来的に、iPSC再生医薬品分野において治験の実施を検討しております。一般的に治験の実施において、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。 このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)やアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施してまいります。 ⑨ 治験データの解析・評価結果、承認申請の不確実性について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験データの解析・評価結果において、その結果の確たる予測は困難であり、当社の予期せぬ結果となることも想定されます。また、承認申請において、PMDAとの相談の経過によっては、当社の想定どおりに進捗せず、同様に当社が想定するスケジュールどおりに行うことができない可能性があります。このような場合、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、継続的にPMDAと相談を続けながら、製造・販売承認申請に向けた準備を進めております。 ⑩ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。また、これらとは別に、当社はSaisei Ventures LLCを通じて、国内外のバイオ領域に成長資金となる投資を行っております。 提携先または投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権付社債を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2022年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、4,584,388株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の7.3%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、海外に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新型コロナウイルス感染症によるリスク 当社従業員や臨床試験委託先の従業員の新型コロナウイルス感染症の罹患等による要員不足により、当社の実施する治験の進捗に遅れが生じる等、当社の開発スケジュール及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|7,769 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、当社の体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野の研究開発には多額の資金が必要となることから、当社は追加の資金調達を行う可能性があります。このように、当社が想定しない追加の費用が発生したり、資金調達が想定通り行えない場合には、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てるハイブリッド戦略を展開しております。脳梗塞急性期を対象とした治験については、患者組み入れを完了しております。また、ARDSを対象とした治験については、治験の結果の一部を公表しております。当社は、引き続き規制当局との相談を重ねながら、製造・販売承認に向けた申請準備を進める計画です。 ② 特定の提携先への依存について 当社は、HLCR011の開発に関して、大日本住友製薬株式会社との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、HLCM051に関しては、アサシス社とのライセンス契約に基づき治験を実施しております。HLCM051の商用製造に関しては、医薬品製造受託機関(CMO)に対して当社から製造委託を行う予定です。今後、アサシス社の財政状態が著しく悪化した場合やCMOの製造・供給体制になんらかの支障が生じた場合、HLCM051の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051の開発を進めるにあたり、アサシス社との提携関係を強化して協力体制を築くことを目的として、同社の株式を保有しております。また、アサシス社の適切な事業運営を支援するため、非常勤の取締役を1名派遣しています。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、すでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(以下、薬機法と言います。)は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、他家iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資や追加の開発費用が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社の体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に先立ち、営業・マーケティング組織の立ち上げ、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑦ 海外での事業展開について 当社グループは、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験の実施において、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。 このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施しております。 ⑨ 治験データの解析・評価結果、承認申請の不確実性について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。一般的に治験データの解析・評価結果において、その結果の確たる予測は困難であり、当社の予期せぬ結果となることも想定されます。また、承認申請において、PMDAとの相談の経過によっては、当社の想定どおりに進捗せず、同様に当社が想定するスケジュールどおりに行うことができない可能性があります。このような場合、当社グループの今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、継続的にPMDAと相談を続けながら、製造・販売承認申請に向けた準備を進めております。 ⑩ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。また、これらとは別に、当社はSaisei Ventures LLCを通じて、国内外のバイオ領域に成長資金となる投資を行っております。 提携先または投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権付社債を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2021年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、6,589,426株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の11.9%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、海外に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新型コロナウイルス感染症によるリスク 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。これらの治験の患者組み入れに関して、新型コロナウイルス感染症の影響をうけ、2020年12月以降、治験対象となる患者さんの組み入れペースが予想より低下し、両治験の進捗が遅延するなどの影響が生じました。 今後、医療機関が新型コロナウイルスへの対応を優先せざるを得ない状況が生じた場合や、当社従業員や試験の委託先の従業員の新型コロナウイルス感染症の罹患等による要員不足により、当社の実施する治験の進捗にさらなる遅れが生じ、当社の開発スケジュール及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|7,283 文字
2【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社グループに関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051を先行して上市させることにより、その販売からの収益を、iPSC再生医薬品分野の開発に充てるハイブリッド戦略を展開しております。HLCM051の治験につきましては、近々に患者組み入れが完了する予定であり、引き続き規制当局との相談を重ねながら、製造・販売承認に向けた申請を進める計画です。 ② 特定の提携先への依存について 当社は、HLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、HLCM051に関しては、アサシス社とのライセンス契約に基づき治験を実施しており、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、HLCM051の開発を進めるにあたり、アサシス社との提携関係を強化して協力体制を築くことを目的として、同社の株式を保有しております。また、アサシス社の適切な事業運営を支援するため、非常勤の取締役を1名派遣しています。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 これらの周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合、また、当社グループで実施している再生医療分野に関する最新業界動向の収集・分析が不十分で環境変化への迅速な対応ができない場合などには、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでおります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした見直しにいち早く対応すべく情報収集、関係規制当局との相談、社内体制の整備等に努めております。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。今後予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、再生医療分野における知見を有する人材や薬事制度に精通した専門家に関与いただくなど様々な施策を講じております。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社の体性幹細胞/iPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。 販売体制については、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、開発中の製品の上市に先立ち、営業・マーケティング組織の立ち上げ、国内医療用医薬品等卸売大手との契約締結など、販売開始に向けた準備を始めています。 ⑦ 海外での事業展開について 当社グループは、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)とも事前に相談し、綿密な計画を立て、治験を実施しております。 ⑨ 投資に関するリスク 当社グループでは、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。提携先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、提携先の選定やその投資価額の妥当性等において、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めております。 (2)医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任について 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3)人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社グループは、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社グループの行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社グループの業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループの事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社グループでは適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社グループでは、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社グループは、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社グループとしては、このような場合には当社グループの知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社グループと競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社グループは、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社グループに関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社グループが事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社グループの設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社グループのようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社グループとしましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社グループは創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権付社債を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2020年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、6,305,935株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の12.2%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、米国に子会社を設立しており、今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 新型コロナウイルス感染症によるリスク 当社は、日本国内にてHLCM051を用いて、脳梗塞急性期を対象とした治験(治験名称:TREASURE試験)及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした治験(治験名称:ONE-BRIDGE試験)を実施しております。これら2つの治験の患者組み入れに関して、新型コロナウイルス感染症の第3波による急速な感染再拡大の影響をうけ、治験実施病院において医療資源が新型コロナウイルス感染症治療に配分されたことにより、2020年12月以降、治験対象となる患者さんの組み入れペースが予想より低下し、両治験の進捗が遅延するなどの影響が生じました。 今後、医療機関が新型コロナウイルスへの対応を優先せざるを得ない状況が継続した場合、当社の実施する治験の進捗にさらなる遅れが生じ、当社の開発スケジュール及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|6,408 文字
2【事業等のリスク】 当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定の提携先への依存について 当社は、HLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、体性幹細胞再生医薬品に関しては、アサシス社とのライセンス契約により実施しており、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制については、いまだ決定しておりません。こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外での事業展開について 当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 投資に関するリスク 当社では、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。提携先の選定やその投資価額の妥当性等においては、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めてまいりますが、提携先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任において 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社は、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社の行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社のようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対し、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。また、パイプライン開発や新技術開発等の資金需要に対応するため、新株予約権付社債を発行しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2019年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、6,619,335株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の11.4%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、事業活動をグローバルに展開するため米国子会社を設立いたしました。今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|6,373 文字
2【事業等のリスク】 当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、2016年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いて脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得も想定し、治験を実施しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定の提携先への依存について 当社は、HLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、体性幹細胞再生医薬品に関しては、アサシス社とのライセンス契約により実施しており、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 2014年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度下での承認実績は既にあるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制についてもサイレジェンを活用した販売体制の整備を進めておりますが、こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外での事業展開について 当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、現在、体性幹細胞再生医薬品分野において治験を実施しております。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 投資に関するリスク 当社では、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資やM&A等(買収、合併、事業譲渡・譲受)という形で提携を進める可能性があります。提携先の選定やその投資価額の妥当性等においては、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めてまいりますが、提携先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任において 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社は、小規模な組織であります。また、代表執行役社長CEOである鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社の行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結しておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社のようなバイオテクノロジー企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や補助金の活用、金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対して、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2018年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,460,000株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の2.9%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、事業活動をグローバルに展開するため米国子会社を設立いたしました。今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
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4【事業等のリスク】 当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野に加えて、平成28年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めており、当社の両分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野のパイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いた脳梗塞急性期を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得を想定し、第Ⅱ/Ⅲ相試験として治験を開始しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までにはさらなる段階が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定のパイプラインに関する提携先への依存について 当社は、その主要パイプラインであるHLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、HLCM051に関しては、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 平成26年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度においてすでに承認実績があるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制についてもサイレジェンを活用した販売体制の整備を進めておりますが、こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外での事業展開について 当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、当社の主要パイプラインであるHLCR012を欧米において開発する準備を進めており、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを進めております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、HLCM051において治験を実施しております。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 投資に関するリスク 当社では、常に最先端の技術開発に取り組み、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手に先んじるため、関連する技術や特許を保有する企業に対して投資という形で提携を進める可能性があります。投資先の選定やその投資価額の妥当性等においては、第三者機関の評価を得たうえで慎重に進めてまいりますが、投資先において予期せぬ問題が生じた場合や、予想通りに研究開発が進まない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任において 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社は、非常に小規模な組織であります。また、代表執行役社長である鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社の行う事業の性質上、他の役員及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結してきておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社のような製薬企業を目指している企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対して、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。 これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、平成29年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,781,500株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の3.5%に相当しております。 ⑧ 為替変動のリスク 当社は、事業活動をグローバルに展開するため米国子会社を設立いたしました。今後、海外企業とのライセンス契約の締結、海外での研究開発活動等において外貨建取引が増加する可能性があります。急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合は、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|6,482 文字
4【事業等のリスク】 当社では当社の事業展開その他に関する主要なリスク要因として以下の事項を認識しております。当社ではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また当社に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野のリスク① 開発期間が長期にわたることに伴う損失の計上と追加の資金調達の可能性について 当社は、iPSC再生医薬品分野及び化合物医薬品分野に加えて、平成28年1月より体性幹細胞再生医薬品分野においても研究開発を進めております。化合物医薬品分野においては平成22年より、欧州等において製品を上市しておりますが、当該分野の市場規模は小さく、当社の事業の成長は体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野の今後の研究開発の進展及び事業展開の成否に依拠しています。 体性幹細胞再生医薬品分野の新規パイプラインHLCM051は、アサシス社の開発する幹細胞製品MultiStemを用いた脳梗塞急性期を対象疾患とするもので、法改正で新設された早期承認制度に基づいた承認の取得を想定し、第Ⅱ/Ⅲ相試験として治験を開始しております。 またiPSC再生医薬品は、前臨床試験段階であり、製品の上市までには長い年月が必要となります。 このため、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野において、実際に上市されるまでは収益が上がらず、損失を計上し続ける見込みとなっております。また、その開発には多額の資金が必要となることから、追加の資金調達を行う可能性があります。これらの場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 特定のパイプラインに関する提携先への依存について 当社は、その主要パイプラインであるHLCR011の開発に関して、大日本住友製薬との間で共同開発契約、実施許諾契約及び合弁契約を締結し、これらの契約を前提に国内におけるRPE細胞製品の開発計画を立てております。また、新規パイプラインHLCM051に関しては、その製品はアサシス社によって製造され、当社はその供給を受けて国内にて開発・販売を行ってまいります。アサシス社の製造・供給体制に何らかの支障が生じた場合、当社の開発又は販売計画が大幅に遅れる、あるいは継続が困難となる可能性があります。 さらに、これらの契約は、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性が全くないとはいえません。これらの契約が終了した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新と競合について 当社が実施しているiPSC再生医薬品に係る研究開発の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発対象としているiPSC再生医薬品の対象疾患である加齢黄斑変性に関しては、ES細胞由来の細胞医薬品を含め、様々な治療法の開発が進展しているところであります。 体性幹細胞再生医薬品分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。 当社では、大学や公的研究機関と連携し、常に最先端の技術開発に取り組んでいると考えておりますが、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 再生医療等製品に関する法規制について 平成26年11月に施行された薬機法は、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るものであり、体性幹細胞/iPSC再生医薬品を含む再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設しております。この制度においてすでに承認実績があるものの、iPS細胞を由来とする製品はいまだ実績がないことから、他の細胞由来の製品とは異なる検証が必要となる可能性も考えられます。また、かかる薬機法を含む再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。当社は、そうした見直しにいち早く対応すべく体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容如何によっては、これまで認められてきた品質管理基準を上回る品質管理が求められる等の理由によって、多額の設備投資が必要となり、また当社の想定よりも多数の試験が求められた場合、開発スケジュールが大幅に遅れるなどの事態が生じる可能性があります。このような場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 体性幹細胞/iPSC再生医薬品の製品特性について 体性幹細胞/iPSC再生医薬品は、ヒト細胞・組織を原材料とした細胞を人体へ移植・投与するという特性上、原材料の安全性に関するリスクや、様々な予期せぬ副作用・医療事故の発生などの可能性があり、そのために法制度上も厳しい規制がなされております。当社では、そうした規制に対応し、事故を防止するためにも、臓器移植に知見を持つ関係者を集めるなど様々な施策を講じております。しかしながら今後さらに予期せぬ事態が発生する可能性を完全に防ぐことは難しく、そうした事態が発生した場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 製造・販売体制の構築に関する不確実性について 当社のiPSC再生医薬品事業は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、提携先企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。しかしながら、医薬品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお当社は、日本向けiPS細胞由来RPE細胞懸濁液(HLCR011)については、大日本住友製薬と当社の共同出資会社であるサイレジェンに対して製造を委託することとしており、現在、製造体制の構築に向けた準備を行っております。販売体制についてもサイレジェンを活用した販売体制の整備を進めておりますが、こうした取組みが当社の想定どおりに進まなかった場合には当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 一方、HLCM051におきましては、当社単独で販売体制を構築するのか、あるいは製薬企業等との提携により販売体制を構築するのか、その方針はいまだ決定しておりません。今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外での事業展開について 当社は、当社の開発するiPSC再生医薬品が、国内のみならず、世界各国の難治性疾患の罹患者の方々にとって需要のあるものであると考えております。このため、当社の主要パイプラインであるHLCR012を欧米において開発する準備を進めており、今後、海外子会社の設立等といった形で海外展開に向けた取組みを視野に入れております。 しかしながら、海外における特有の法的規制や取引慣行により、必要な業務提携や組織体制の構築に困難が伴うなど、当社の事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 治験の実施について 当社は、HLCM051において治験計画届書をPMDAに提出し受理されたことを受け、治験段階に入りました。治験計画は、PMDAとも事前に相談し、綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品の治験実施例は多くはないことから、治験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、治験実施施設における各種手続きが計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、安全性に関する許容できない問題が生じた場合や、期待した有効性を確認できない場合には、開発を中止するリスクがあります。このような場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 化合物医薬品分野に関するリスク① 当社パイプラインHLM0021及びHLM0023の開発について 化合物医薬品分野のパイプラインである眼科手術補助剤HLM0022については、平成22年に欧州のCEマーキング適合製品として有効性・安全性の確認を得た上で海外市場向けのサブライセンス先であるオランダのDORC社により販売されており、当社はDORC社による同製品の売上の一定割合をロイヤルティ収入として受け取っております。一方で、日本向けのHLM0021及び米国向けHLM0023は、日米において医薬品に分類されます。このため、日米における治験に際しては、欧州よりも厳しい基準に基づき、追加の治験や製造に関わる試験を求められるため、当初の計画通りに進まず、想定通りの成果があげられない場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (3) 医薬品の研究開発一般に関するリスク① 薬価に係る法規制の改正等について 世界的な医療費抑制の流れの中で、薬価に係る法規制の改正により当社が想定している製品価値よりも低い薬価・保険償還価格となった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 製造物責任において 当社が開発した医薬品が健康被害等を引き起こした場合、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人材及び組織に関するリスク① 特定の個人への依存について 当社は、非常に小規模な組織であります。また、代表取締役社長である鍵本忠尚は、研究開発や経営方針、戦略の決定、提携先との関係構築等、当社の事業活動において重要な役割を果たしております。当社では、過度に特定の人物に依存しない組織的な経営体制の強化を進めておりますが、何らかの理由により、鍵本忠尚が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 社内管理体制について 当社の行う事業の性質上、他の取締役及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分も大きく、今後、当社の業務の拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図っていく方針でありますが、想定どおりに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、又は社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じ、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (5) その他の事業リスク① 大学等公的研究機関との関係について 当社では、これまで、公的研究機関との連携や特許実施許諾契約の締結等を通じて、積極的な研究開発活動を実施して参りました。しかしながら、国立大学の法人化により大学の知的財産権に関する意識も変化しつつあるため、特許実施許諾契約の新規締結や更新が困難となる等の事態が生じた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 知的財産権について 当社の事業を遂行していく中で、第三者が有する知的財産権を使用することがあります。当社では適法な手続きのもとに知的財産権を使用することとしておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なく実施許諾契約(ライセンス契約)を締結してきておりますが、今後、事業の拡大とともにこのようなリスクは増大するものと思われます。 当社は、知的財産権に関する管理体制をより強化していく方針でありますが、訴訟等が提起された場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社が有する知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。当社としては、このような場合には当社の知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、その場合、当該第三者が当社と競合する事業を行う可能性も否定できないことから、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 風評上の問題の発生について 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社に関してマスコミ報道などにおいて事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 災害等の発生に関する不確実性について 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 資金繰りについて 当社のような製薬企業を目指している企業においては、研究開発費用の負担により開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社としましては、新規に模索している提携先からの契約一時金及びマイルストン収入や金融機関等からの借入を実施することで資金確保に努め、必要に応じて増資による資金調達を実施する方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 配当政策について 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、当分の間は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社は、役員及び従業員等に対して、モチベーションの向上を目的に新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、平成28年12月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は1,882,700株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計の4.4%に相当しております。