事業等のリスク
アンジェスは、遺伝子治療やゲノム編集といった最先端技術を扱っており、その新規性ゆえに未知のリスクや実用化に至らない可能性があります。医薬品開発は長期にわたり多額の費用がかかる上、臨床試験の遅延や中止、製造委託先からの供給問題、競合他社の出現、薬価決定の不確実性、予期せぬ副作用などにより計画通りに進まないリスクがあります。また、特許が成立しない、他社の優れた技術に淘汰される、知的財産権侵害訴訟が発生する可能性も存在します。検査受託サービスにおいても、競合激化などにより事業計画が実現しないリスクがあります。
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FY2025|9,473 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正・削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。しかしながら、最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (2)医薬品開発及び販売について一般に新薬の開発には、長期にわたる開発期間と多額の費用が必要です。しかしながら、以下の理由等により、当社グループが開発、販売する医薬品が計画通り進捗しない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。① 研究開発について医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止する可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。② 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、若しくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足になる可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。③ 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在するものもあります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定より早く承認を取得する、あるいは想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益を上げられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益を上げられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高が減少する可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。④ 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (3) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在開発しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済NF-κBデコイオリゴDNA椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済キメラデコイ当社株式会社ジーンデザイン物質特許。日本、米国、欧州(EP)にて成立済デコイを含む薬学的組成物の新規な用途当社日本国内で出願済み今後、海外へも展開予定 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 但し、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題が発生する可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)検査受託サービスについてACRLの検査事業は、受託先や地域の拡大、検査の種類・項目を増やすことにより、事業の拡大を図る計画です。検査受託サービスの拡大のためには、検査機器等への投資が必要となりますが、他の検査会社の進出による競合の激化やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第23期第24期第25期第26期第27期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)64,14867,061152,985643,638874,120経常損失(千円)△13,588,973△14,610,015△5,651,225△7,537,856△5,288,775親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△13,675,587△14,714,772△7,437,607△28,128,983△5,123,269純資産額(千円)38,634,74130,425,40626,103,1662,156,5913,076,080総資産額(千円)45,455,74638,820,71128,892,5364,668,5995,405,983営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△11,380,546△11,214,246△8,745,759△6,612,875△5,750,366投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△154,873△97,141△356,653△130,80118,814財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)17,378,6703,572,5432,036,4654,202,1275,902,042現金及び現金同等物の期末残高(千円)17,835,70410,969,6844,092,1601,627,6691,796,068(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)64,14867,061138,919567,793857,662経常利益又は経常損失(△)(千円)△7,932,836△8,001,3511,989,979△3,143,453△4,509,032当期純利益又は当期純損失(△)(千円)△8,086,792△8,115,4521,067,726△39,305,588△5,659,293資本金(千円)33,359,56835,146,36835,053,89037,255,88740,228,661純資産額(千円)38,688,58734,141,34237,266,7892,398,2952,663,736総資産額(千円)44,879,50040,718,61338,691,2683,746,0654,425,152 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第23期から第27期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。但し、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第23期から第27期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (6) 重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹にかかわる重要な契約であると認識しております。従って、当該契約の解除及び解約が行われた場合、あるいは当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない等の場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況の中で、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 訴訟について当社グループは、有価証券報告書提出日現在において医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起されておりません。但し、将来、当社グループが上記に関して提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (9) 配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、主力の開発品であるHGF遺伝子治療用製品や他のプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。但し、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。しかしながら、開発中の新薬の上市や販売が計画通りに進捗しない場合は配当政策を見直す必要が出る可能性があります。 (10)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (11)地政学的リスクについて当社連結子会社EmendoBio社は、イスラエル中部のテルアビブ近郊に研究施設を有しており、今般の中東における紛争の影響で、EmendoBio社のイスラエルにある研究施設(以下、「Emendo R&D」といいます)における研究開発体制の見直しを行いましたが、事業計画を推進するにあたり地政学的リスクを考慮する必要があります。以上のように、EmendoBio社では人工知能の活用を中心とする研究開発機能を集約し、Emendo R&Dの規模もそれに見合ったものに再編成するとともに、その他の機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進する計画ですが、中東の紛争が拡大する場合には、今後EmendoBio社の研究開発活動の遅延や当社の経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (12)継続企業の前提に関する重要事象等について 当社グループは、創薬系バイオベンチャーとして、次世代のバイオ医薬品である遺伝子医薬(DNAプラスミド製剤、核酸医薬)などの医薬品開発と製造販売の事業を推進しております。さらに2020年度より、先進のゲノム編集技術を有するEmendoBio社を買収し、事業基盤の拡大を推進してまいりました。一方で、医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、当社グループは継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。このような環境のもと、当社グループは、当該状況の解消と継続的な発展を目指し、下記を重要な課題として取り組んでおります。① 自社既存プロジェクトの推進当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが重要な課題と認識しております。当社グループでは、2019年3月にHGF遺伝子治療用製品の条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。その後、米国で実施された後期第Ⅱ相臨床試験の結果が2024年6月に良好であることが判明したことを踏まえ、戦略的な観点から、同年6月に期限満了に伴い販売も終了いたしました。一方、米国では、2024年9月に米国FDAからブレイクスルー・セラピーに指定され、2025年11月に米国心臓学会(AHA)が発行する学術誌「Circulation: Cardiovascular Interventions」に臨床試験結果の論文が掲載されました。これらの状況から、米国での製品化を最優先とし、最短での製造販売承認を目指し米国での開発に注力しております。椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、米国において後期第Ⅰ相臨床試験を完了し、その結果が北米脊椎学会(NASS)が発行する「The SPINE JOURNAL」に掲載されました。2023年10月からは、日本国内における第Ⅱ相臨床試験を開始し、予定どおり症例登録を実施しております。これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を明確にし、開発速度を最大限に高めながら進めてまいります。② 開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループの主力事業である医薬品開発において、上記プロジェクトのように遺伝子医薬や核酸医薬等、新しい分野の医薬品開発に取り組んでおりますが、これらの製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。そのため、当社グループではアカデミアによる研究成果や他社の開発品について共同開発を行う等、開発パイプラインの拡充に努めております。開発パイプラインの拡充実績として、2018年にカナダのVasomune社との共同開発契約を締結したTie2受容体アゴニストがあり、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸切迫症候群(ARDS)として現在米国において前期第Ⅱ相臨床試験を実施中です。また、2025年12月にVasomune社と共同開発契約の対象を全ての疾患に拡大する契約を締結いたしました。今後も、アカデミアとの協業並びに提携先との共同開発等により、開発パイプラインの拡充を目指してまいります。また、事業基盤の拡大としては、既に海外で販売され、日本国内では販売されていない医薬品を日本において製造販売承認を取得し販売することや、希少遺伝性疾患の治療に必要な各種検査を受託する事業等による実現を目指しております。事業基盤の拡大実績としては、2022年5月に米国のバイオ医薬品企業Eiger社と早老症治療薬ゾキンヴィの日本における独占販売契約を締結し、2023年5月に、厚生労働省に国内製造販売承認申請を行い、2024年1月に同省から製造販売承認を取得し、本治療薬を販売しております。また、希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査を受託しているACRLでは自治体や民間の検査センター等との連携により受託拡大を進めております。今後も、ライセンス導入や希少遺伝性疾患への取り組み等による事業基盤の拡大を図り、開発パイプラインの拡充をとおして将来の成長を実現してまいります。③ 開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを事業運営の基本方針としております。提携状況につきましては、NF-κBデコイオリゴDNAの日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験では、塩野義製薬株式会社から臨床試験費用の一部負担等の協力を受けるとともに、続く第Ⅲ相臨床試験の実施について協議いたします。また、HGF遺伝子治療用製品に関しましては、その高い有効性への期待からFDAからブレイクスルー・セラピーに指定されたことを生かし、欧米地域を中心にグローバル展開を行っていくことができるパートナーとの提携を検討しております。今後も、製薬会社等との更なる提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。④ 資金調達の実施当社グループにとって、上記①②を実現するために機動的に資金調達を行うことは重要な課題と認識しており、この課題に取り組んでおります。2024年9月にCantor Fitzgerald Europeを割当先とした第45回新株予約権(第三者割当て)を発行し、開始から2025年8月末日までに71億60百万円(新株予約権発行に伴う入金を含む)を調達いたしました。2025年11月にCantor Fitzgerald Europeを割当先とした第46回新株予約権(第三者割当て)を発行し、2025年12月末日までに2億11百万円(新株予約権発行に伴う入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。しかしながら、現時点において、第46回新株予約権の行使は株価等の動向に左右されることから未確定であり、また上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための更なる資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、当社は継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。なお、連結財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。
FY2024|9,734 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正・削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。しかしながら、最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (2)医薬品開発及び販売について一般に新薬の開発には、長期に亘る開発期間と多額の費用が必要です。しかしながら、以下の理由等により、当社グループが開発、販売する医薬品が計画通り進捗しない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。① 研究開発について医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止する可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。② 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足になる可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。③ 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在するものもあります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定より早く承認を取得する、あるいは想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高が減少する可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。④ 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (3) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在開発しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済NF-κBデコイオリゴDNA椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済キメラデコイ当社株式会社ジーンデザイン物質特許。日本、米国、欧州(EP)にて成立済デコイを含む薬学的組成物の新規な用途当社日本国内で出願済み今後、海外へも展開予定 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題が発生する可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4)検査受託サービスについてACRLの検査事業は、受託先や地域の拡大、検査の種類・項目を増やすことにより、事業の拡大をはかる計画です。検査受託サービスの拡大のためには、検査機器等への投資が必要となりますが、他の検査会社の進出による競合の激化やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。そのような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第22期第23期第24期第25期第26期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)39,99864,14867,061152,985643,638経常損失(千円)△6,618,353△13,588,973△14,610,015△5,651,225△7,537,856親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△4,209,511△13,675,587△14,714,772△7,437,607△28,128,983純資産額(千円)32,679,67538,634,74130,425,40626,103,1662,156,591総資産額(千円)38,354,61145,455,74638,820,71128,892,5364,668,599営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,961,329△11,380,546△11,214,246△8,745,759△6,612,875投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△6,963,969△154,873△97,141△356,653△130,801財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)11,403,57617,378,6703,572,5432,036,4654,202,127現金及び現金同等物の期末残高(千円)11,537,02817,835,70410,969,6844,092,1601,627,669(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)39,99864,14867,061138,919567,793経常利益又は経常損失(△)(千円)△5,318,582△7,932,836△8,001,3511,989,979△3,143,453当期純利益又は当期純損失(△)(千円)△5,318,038△8,086,792△8,115,4521,067,726△39,305,588資本金(千円)24,612,07633,359,56835,146,36835,053,89037,255,887純資産額(千円)29,356,32638,688,58734,141,34237,266,7892,398,295総資産額(千円)34,147,67744,879,50040,718,61338,691,2683,746,065 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第22期から第26期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第22期から第26期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (6) 経営上の重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の解除及び解約が行われた場合、あるいは当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない等の場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (8) 訴訟について当社グループは、有価証券報告書提出日現在において医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起されておりません。ただし、将来、当社グループが上記に関して提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (9) 配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、主力の開発品であるHGF遺伝子治療用製品や他のプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。しかしながら、開発中の新薬の上市や販売が計画通りに進捗しない場合は配当政策を見直す必要が出る可能性があります。 (10)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (11)地政学的リスクについて当社連結子会社Emendo社は、イスラエル中部のテルアビブ近郊に研究施設を有しており、今般のガザ地区における紛争の影響で、Emendo社のイスラエルにある研究施設(以下、「Emendo R&D」といいます)における研究開発体制の見直しを行いましたが、事業計画を推進するにあたり地政学的リスクを考慮する必要があります。以上のように、Emendo社では人工知能の活用を中心とする研究開発機能を集約し、Emendo R&Dの規模もそれに見合ったものに再編成するとともに、その他の機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進する計画ですが、ガザ地区の紛争が拡大する場合には、今後Emendo社の研究開発活動の遅延や当社の経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (12)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループは、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。①自社既存プロジェクトの推進当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが重要な課題と認識しております。当社グループでは、2019年3月にHGF遺伝子治療用製品の条件及び期限付承認を取得し、同年9月から販売を開始いたしました。その後、2023年5月に条件解除に向けた製造販売承認の申請を行いましたが、米国の良好な臨床試験結果を踏まえて、戦略的な観点から2024年6月に申請を一旦取り下げ、販売も終了いたしました。一方、米国での後期第Ⅱ相臨床試験は2024年6月に良好な結果が得られ、同年9月に米国FDAからブレイクスルーセラピー(画期的新薬)に指定され、2024年11月の米国心臓病学会において臨床試験の主導医師からトップラインデータが発表されました。椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、米国において後期第Ⅰ相臨床試験を完了し、2023年10月から日本国内における第Ⅱ相臨床試験を実施し、予定どおり症例登録を実施しております。Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストはこれまで重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎を対象としておりましたが、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが進んだことから、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸切迫症候群(ARDS)に広げて米国FDAに申請し承認を受け前期第Ⅱ相臨床試験を進めております。これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。②開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループの主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。当社グループでは上記プロジェクトに加え、ゲノム編集における先進技術を持つ米国の子会社Emendo社において、ゲノム編集治療の研究開発を進めております。同社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するOMNI Platformを確立し、多数のOMNIヌクレアーゼを開発しております。2024年には同社のOMNIヌクレアーゼの技術をスウェーデンのAnocca社へライセンスする契約を締結しており、今後は米国においてゲノム編集技術の導出等を進める目的で体制強化を進めるとともに、今後スタンフォード大学とがんゲノム編集治療の共同研究を進めます。また、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤に関してスタンフォード大学と共同研究を実施し、薬物送達システムを開発いたしました。また、2022年5月に早老症治療薬ゾキンヴィの日本における独占販売権を獲得し、厚生労働省から希少疾病治療薬(オーファンドラッグ)の指定を受け、2023年5月に同省に国内製造販売承認申請を行い、2024年1月に製造販売承認を取得いたしました。同年5月より販売を行っております。さらに、希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査を受託しているACRLでは自治体や民間の検査センター等との連携により受託拡大を進めております。さらに、これまでの拡大新生児スクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定検査)や治療の効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進め、検査業務の売上拡大を目指してまいります。今後も、ライセンス導入や共同開発、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。③開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを事業運営の基本方針としております。HGF遺伝子治療用製品について田辺三菱製薬と締結していた日本と米国を対象とした独占的販売契約が終了となりましたが、患者数が日本に比べて圧倒的に多い米国及び欧州の当該医療事情に精通している、欧米地域を中心にグローバル展開を行っていくことができるパートナーとの提携を検討しております。NF-κBデコイオリゴDNAの日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験では、塩野義製薬株式会社から臨床試験費用の一部負担などの協力を受けるとともに、続く第Ⅲ相臨床試験の実施について協議いたします。今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。④資金調達の実施当社グループにとって、上記①②を実現するために機動的に資金調達を行うことは重要な課題と認識しており、以下のようにこの課題に取り組んでおります。2023年7月にBofA証券株式会社を割当先とする第43回新株予約権(第三者割当て)を発行し、調達開始から2024年3月末日までに12億8百万円を調達いたしました。また、2024年4月にCantor Fitzgerald Europeを割当先とした第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、13億円の調達を行い5月24日までにすべての当該社債が株式に転換されました。Cantor Fitzgerald Europeを割当先とした第44回新株予約権は6月14日から行使が開始され、2024年9月30日までに14億73百万円(新株予約権発行に伴う入金を含む)を調達いたしました。さらに、2024年9月にCantor Fitzgerald Europeを割当先とした第1回無担保普通社債を発行し、13億円の調達を行い、2024年12月20日までにすべての当該社債を償還いたしました。加えて、Cantor Fitzgerald Europeを割当先とした第45回新株予約権(第三者割当て)を発行し、2024年12月末日までに14億32百万円(新株予約権発行に伴う入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。しかしながら、現時点において、第45回新株予約権の行使は株価等の動向に左右されることから未確定であり、また上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための更なる資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、当社は継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。なお、連結財務諸表は継続企業を前提としており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。
FY2023|11,515 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正・削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。「ゲノム編集」の前段階として、1990年代に本格的に始まった遺伝子治療(Gene Therapy)の研究は患者の骨髄から幹細胞を取り出し、正常な遺伝子をその幹細胞の核に組み込み、再度その細胞を患者の体内へ戻すことにより、正常な遺伝子が体内で機能するようにするものでした。 2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。しかしながら、最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を受けており、2023年5月に条件解除のための製造販売承認を申請しましたが、当該製造販売承認を取得できない可能性があります。また、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結し、2022年に同国において製造販売承認を申請しております。更にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。今後これらの導出先がそれぞれの国での使用の承認を受けた場合、海外での売り上げを見込むことができます。しかしながら導出先のイスラエルやトルコの薬事承認制度は異なるため、それらの国の当局による判断次第で販売承認を取得できないこともあり、事業計画が実現しない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、現在国内で進めている椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。Vasomune社と共同開発を進めている急性呼吸窮迫症候群の治療薬についても、大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画で、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、導出条件やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬として米国Eiger BioPharmaceuticals Inc.より導入したZokinvyは、国内承認を取得し、自社販売により安定的な売り上げを計上していく計画です。しかしながら、対象患者数が想定より少ないなどの理由により、売上が計画を下回る可能性があります。また、ACRLの検査事業は、事業地域を広げ、検査の種類・項目を増やすことにより、事業の拡大をはかる計画ですが、他の検査会社の進出による競合やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。以上のように、当社グループが開発、販売する医薬品並びに受託している検査業務が計画通り進捗しない場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在するものもあります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定より早く承認を取得したり、想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済キメラデコイ 当社株式会社ジーンデザイン 物質特許。日本、米国、欧州(EP)にて成立済 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第21期第22期第23期第24期第25期2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)326,75939,99864,14867,061152,985経常損失(千円)△3,293,214△6,618,353△13,588,973△14,610,015△5,651,225親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△3,750,823△4,209,511△13,675,587△14,714,772△7,437,607純資産額(千円)12,055,35132,679,67538,634,74130,425,40626,103,166総資産額(千円)12,524,60038,354,61145,455,74638,820,71128,892,536営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,179,918△2,961,329△11,380,546△11,214,246△8,745,759投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△1,249,757△6,963,969△154,873△97,141△356,653財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)7,676,98111,403,57617,378,6703,572,5432,036,465現金及び現金同等物の期末残高(千円)10,040,59511,537,02817,835,70410,969,6844,092,160(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)326,75939,99864,14867,061138,919経常利益又は経常損失(△)(千円)△3,310,372△5,318,582△7,932,836△8,001,3511,989,979当期純利益又は当期純損失(△)(千円)△3,773,328△5,318,038△8,086,792△8,115,4521,067,726資本金(千円)13,291,91224,612,07633,359,56835,146,36835,053,890純資産額(千円)11,919,84129,356,32638,688,58734,141,34237,266,789総資産額(千円)12,434,67234,147,67744,879,50040,718,61338,691,268 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第21期から第25期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第21期から第25期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の解除及び解約が行われた場合、あるいは当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない等の場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、有価証券報告書提出日現在において医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起されておりません。ただし、将来、当社グループが上記に関して提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販売しているものの、「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。しかしながら、開発中の新薬の上市や販売が計画通りに進捗しない場合は配当政策を見直す必要が出る可能性があります。 (13)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (14)地政学的リスクについて当社連結子会社Emendo社は独自のOMNIヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってまいりましたが、これまで蓄積された大量のデータをベースに、人工知能、なかんずく機械学習を活用し、知識集約的な研究開発体制に移行することを検討しております。Emendo社は、イスラエル中部のテルアビブ近郊に研究施設を有しており、今般のガザ地区における紛争の影響で、Emendo社のイスラエルにある研究施設(以下、「Emendo R&D」といいます)における研究開発体制の見直しを行いました。今後のゲノム編集に関するEmendo社の研究開発活動は知識集約的な研究開発体制に移行する計画ですが、事業計画策定にあたり地政学的リスクを考慮する必要が増しております。以上のように、Emendo社では人工知能の活用を中心とする研究開発機能を集約し、Emendo R&Dの規模もそれに見合ったものに再編成するとともに、その他の機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進する計画ですが、ガザ地区の紛争が拡大する場合には、今後Emendo社の研究開発活動の遅延や当社の経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (15)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループは、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。① 自社既存プロジェクトの推進当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが重要な課題と認識しております。当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品コラテジェンの条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。その後、製造販売後承認条件評価のための目標症例数の患者登録が完了し、2023年5月に厚生労働省に条件解除に向けた製造販売承認の申請を行いました。また、米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験は2022年度末までに当初目標症例の投与を完了し、2023年3月に脱落例をふまえた追加登録を完了し、投与後の経過観察を実施しております。椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、米国において後期第Ⅰ相臨床試験を完了し、2023年10月に日本国内における第Ⅱ相臨床試験における最初の患者投与を実施し、安全性が確認され、予定どおり症例登録を実施しております。Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストはこれまで重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎を対象としておりましたが、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが進んだことから、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸切迫症候群(ARDS)に広げて米国FDAに申請し承認を受け前期第Ⅱ相臨床試験を進めております。これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。 ② 開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループの主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。当社グループでは上記プロジェクトに加え、ゲノム編集における先進技術を持つ米国の子会社Emendo社において、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集治療のプロジェクト化に向けて準備を進めております。同社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立し、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域についてパイプラインを構築しており、最も進んだELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けた準備を進めております。同社はゲノム編集技術の開発をとおして、遺伝性希少疾患に加え様々な疾患へのゲノム編集技術による治療を検討しております。また、イスラエルにある同社研究所では、研究開発体制を従来の労働集約型から人工知能の活用を中心とする知識集約的な研究開発体制に移行し、規模もそれに見合ったものにするため、事業の再編成を進めてまいります。そのような研究開発体制の再編成に加えて、今般のイスラエルとパレスチナにおける紛争の影響の地政学的リスクを考慮した結果、イスラエルにある同社研究所の人員削減を進めるとともに、米国における臨床試験の準備を加速し、ゲノム編集技術の導出等を進める目的で、米国での体制強化を進めてまいります。また、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤に関する共同研究をスタンフォード大学と推進しており、これまでの研究において薬剤のデリバリーシステムの改良に関する研究の進捗が見られております。これらの開発並びに提携先との共同開発などにより、事業基盤の拡大を目指してまいります。開発パイプラインの拡充実績として、2022年5月に米国のバイオ医薬品企業 Eiger社と早老症治療薬ゾキンヴィの日本における独占販売契約を締結し、厚生労働省から希少疾病治療薬(オーファンドラッグ)の指定を受け2023年5月に、同省に国内製造販売承認申請を行いました。ゾキンヴィは、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬として、すでに米国及び欧州で承認を受け、販売されており、2024年1月に厚生労働省から製造販売承認を取得いたしました。また、事業基盤の拡大として、首都圏を中心に「希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査」を受託しているACRLでは自治体や民間の検査センター等との連携により受託拡大を進めてまいります。さらに、これまでの拡大新生児スクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定検査)や治療の効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進め、検査業務の売上拡大を目指してまいります。今後も、ライセンス導入や共同開発、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。③ 開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを事業運営の基本方針としております。コラテジェンに関しましては、日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、イスラエルにおきましては、独占的販売権の許諾について2019年に基本合意書を締結したKamada社が、2022年にイスラエル保健省に承認申請を行い受理され審査中です。さらにトルコにおいては、2020年にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うEr-Kim社と独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しました。また、NF-κBデコイオリゴDNAの日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅱ相臨床試験では、塩野義製薬株式会社の協力を受けるとともに、続く第Ⅲ相臨床試験の実施について協議いたします。今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。④ 資金調達の実施当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2022年10月12日に発行したCantor Fitzgerald & Co.を割当先とする第42回新株予約権(第三者割当て)について調達開始から2023年3月末日までに46億50百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。また、2023年6月26日開催の取締役会において、BofA証券株式会社を割当先とする第43回新株予約権(第三者割当て)発行の決議を行い、2023年12月末日までに9億94百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。しかしながら、現時点において、第43回新株予約権の今後の行使される個数、行使価額、行使時期は未確定であり、また上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための更なる資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、当社は継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。
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2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正・削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。「ゲノム編集」の前段階として、1990年代に本格的に始まった遺伝子治療(Gene Therapy)の研究は患者の骨髄から幹細胞を取り出し、正常な遺伝子をその幹細胞の核に組み込み、再度その細胞を患者の体内へ戻すことにより、正常な遺伝子が体内で機能するようにするものでした。 2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。ただし最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を受けておりますが、今後の本承認を目指して実施される製造販売後承認調査評価における条件(投薬量、投薬回数、投薬期間)やその他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。また、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。更にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。今後これらの導出先がそれぞれの国での使用の承認を受けた場合、海外での売り上げを見込むことができます。しかしながら導出先のイスラエルやトルコの薬事承認制度は異なるため、それらの国の当局による判断次第で販売承認を取得できないこともあり、事業計画が実現しない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取ります。椎間板性腰痛症を対象に臨床開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNA、Vasomune社と共同開発を進めている急性呼吸窮迫症候群の治療薬などのプロジェクトについても、大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画で、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、導出条件やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬として米国Eiger BioPharmaceuticals Inc.より導入したZokinvyは、国内承認後は自社販売により安定的な売り上げを計上していく計画です。しかしながら、予定通りに承認を取得できない、対象患者数が想定より少ないなどの理由により、売上が立たない、または計画を下回る可能性があります。また、ACRLの検査事業は、事業地域を広げ、検査の種類・項目を増やすことにより、事業の拡大をはかる計画ですが、他の検査会社の進出による競合やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、長期的観点から、Fresh Tracks Therapeutics Inc.(旧バイカル社)及びMyBiotics Pharma Ltd.に資本参加しています。しかしながら、これらの事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在するものもあります。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定より早く承認を取得したり、想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済キメラデコイ 当社株式会社ジーンデザイン 物質特許。日本、欧州(EP)にて成立済 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第20期第21期第22期第23期第24期2018年12月期2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)610,050326,75939,99864,14867,061経常損失(千円)△3,096,213△3,293,214△6,618,353△13,588,973△14,610,015親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△2,996,629△3,750,823△4,209,511△13,675,587△14,714,772純資産額(千円)7,734,45912,055,35132,679,67538,634,74130,425,406総資産額(千円)8,050,67212,524,60038,354,61145,455,74638,820,711営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,522,501△2,179,918△2,961,329△11,380,546△11,214,246投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△122,742△1,249,757△6,963,969△154,873△97,141財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)7,283,3457,676,98111,403,57617,378,6703,572,543現金及び現金同等物の期末残高(千円)5,784,89410,040,59511,537,02817,835,70410,969,684(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)610,050326,75939,99864,14867,061経常損失(千円)△3,103,216△3,310,372△5,318,582△7,932,836△8,001,351当期純損失(千円)△3,015,015△3,773,328△5,318,038△8,086,792△8,115,452資本金(千円)9,395,82513,291,91224,612,07633,359,56835,146,368純資産額(千円)7,619,30411,919,84129,356,32638,688,58734,141,342総資産額(千円)7,939,24512,434,67234,147,67744,879,50040,718,613 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第20期から第24期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第20期から第24期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販売しているものの、「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (14)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け予防ワクチン開発プロジェクトのリスク当社は、2020年3月に当社の保有するDNAプラスミドの技術を用いた新型コロナウイルス(武漢型)に対するワクチン(以下、「初期のワクチン」という。)の開発を決定し、同月より初期のワクチンの非臨床試験を開始し、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験と開発を進めてまいりました。しかしながら、2021年11月に初期のワクチンでは期待どおりの効果を上げることが難しいとの判断に至りました。また、当社は、2021年8月より、初期のワクチンの薬剤濃度を上げた高用量製剤(以下、「高用量製剤」という。)を用いた第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験も併せて進め、投与を完了し、データの整理、分析を行っております。この高用量製剤の最終的な臨床試験結果の確定には今後数か月が必要ですが、高用量製剤の臨床試験の速報データにより、当初開発した初期のワクチンよりも免疫原性は増強したものの、期待する水準には至らないことが判明いたしました。これに伴い、新型コロナウイルス(武漢型)に対する高用量製剤を含む初期のワクチンの開発を中止することを決定いたしました。 しかしながら、初期のワクチン開発において、DNAワクチンの安全性が確認できたことから、2022年9月、新型コロナウイルスの変異株(オミクロンBA.5等)にも有効な改良型DNAワクチン及びその経鼻投与製剤(以下、「経鼻投与型ワクチン」という。)の研究開始を決定いたしました。経鼻投与型ワクチンの開発計画には、次のようなリスクが想定されます。すなわち、初期のワクチン開発は上記のとおり、既に第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験まで完了しておりました。一方、経鼻投与型ワクチンは、現時点では非臨床の研究段階にあります。このため、製品化までの研究開発期間が初期のワクチンよりも長くなることが見込まれ、その結果、研究開発が完了した時点で、新型コロナウイルス感染症の感染が収束しているなど、ワクチンへの需要が予想と異なるリスクがあります。また、現時点ではオミクロン株の最新変異株が感染の主流となっておりますが、今後、より感染力が強く、致死率が高い変異株が出現した場合は、それに対応したワクチン開発へと方針の見直しを迫られ、研究開発期間のより一層の長期化を来す可能性があります。 さらに、研究の結果によっては、期待した有効性を確認出来ない、あるいは、安全性に関して許容出来ない等の問題が生じた場合、臨床試験に進まず研究開発を中止するリスクがあります。これらのリスクが今後の事業戦略、財政状態、経営成績及び当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 (15)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取組んでおります。① 自社既存プロジェクトの推進当社グループは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが当社グループの重要な課題と認識しております。当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。現在、製造販売後承認条件評価を行うとともに米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を進めております。また、米国において第Ⅰ相臨床試験を実施した椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAは、2023年1月30日に日本国内における第Ⅱ相臨床試験を行うことを決定いたしました。また、2020年3月より開発を進めていた新型コロナウイルス感染症の武漢型予防DNAワクチンの開発は中止に至りましたが、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤に関する共同研究をスタンフォード大学と開始いたしました。Vasomune社と共同開発しているTie2受容体アゴニストは2022年1月より重度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎を対象に前期第Ⅱ相臨床試験を米国及び南米で進めておりましたが、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含むARDSに広げて継続的に進めております。 これら開発中の医薬品について、今後も優先順位を意識しながら開発を進めてまいります。② 開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループの主力事業である医薬品開発では、開発品の製品化は非常に難易度が高いため、常に開発パイプラインを充実させることが重要な課題と認識しております。当社グループはゲノム編集における先進技術を持つ子会社のEmendo社において、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集で具体的なプロジェクト化に向けて準備を進めています。同社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域についてパイプラインを構築しており、最も進んだELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けFDAと協議を開始しております。Emendo社ではゲノム編集技術の開発をとおして、遺伝性希少疾患に加え様々な疾患へのゲノム編集技術による治療を検討しております。当社グループは、大変希少な致死性の遺伝的早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬Zokinvyの日本での独占販売契約を2022年5月に米国のバイオ医薬品企業Eiger社と締結し、現在承認申請に向けた準備を進めております。また、新型コロナウイルス感染症を含むウイルス性肺疾患に対する改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤についてスタンフォード大学と開始した共同研究を進め、早期に臨床開発に移行し開発パイプライン拡大に繋げられるように取組んでまいります。また、2021年に開設いたしましたACRLの「希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査」はこれまで首都圏を対象として受託をしておりましたが、今後は対象地域の拡大並びに民間の検査会社などからの受託を目指し受託活動を進めてまいります。さらに、これまでのスクリーニング検査に加え、希少遺伝性疾患の確定検査や治療の効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進めてまいります。これらの開発パイプラインの拡充や事業基盤の拡大により、当社グループは遺伝子治療の世界でグローバルリーダーを目指します。今後も、ライセンス導入や共同開発、創薬プラットフォーム技術の獲得を目指した事業提携に加え、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。③ 開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、製薬会社との提携により、開発リスクを低減するとともに、契約一時金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進め、上市後にロイヤリティを受領するという提携モデルを基本方針としております。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」に関しましては、日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、イスラエルにおきましては、独占的販売権の許諾について2019年2月に基本合意書を締結したKamada社が、2022年にイスラエル保健省に承認申請を行い受理されました。さらにトルコにおいては、2020年10月にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うEr-Kim社と独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しました。今後も、更なる製薬会社等との提携を検討するとともに、開発プロジェクトに協力いただける企業を開拓し、事業基盤の強化に努めてまいります。④ 資金調達の実施当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2022年10月12日に発行したCantor Fitzgerald & Co.を割当先とする第42回新株予約権(第三者割当て)について2022年12月末日までにその一部が行使され、35億89百万円(新株予約権発行による入金を含む)を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。しかしながら、現時点において上記に記載したプロジェクトを継続的に進めるための資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。
FY2021|11,755 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正、削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。「ゲノム編集」の前段階として、1990年代に本格的に始まった遺伝子治療(Gene Therapy)の研究は患者の骨髄から幹細胞を取り出し、正常な遺伝子をその幹細胞の核に組み込み、再度その細胞を患者の体内へ戻すことにより、正常な遺伝子が体内で機能するようにするものでした。 2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。ただし最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を受けておりますが、今後の本承認を目指して実施される製造販売後承認調査評価における条件(投薬量、投薬回数、投薬期間)やその他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。また、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。更にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。今後これらの導出先がそれぞれの国での使用の承認を受けた場合、海外での売り上げを見込むことができます。しかしながら導出先のイスラエルやトルコの薬事承認制度は異なるため、それらの国の当局による判断次第で販売承認を取得できないこともあり、事業計画が実現しない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取ります。NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験が良好な結果であったため、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画で、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、導出条件やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社グループは遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果、安全性並びにアンジオテンシンⅡに対する抗体産生が確認できたことから、さらに今後臨床開発を進め、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、DNAワクチンでは新型コロナウイルスの感染を予防するDNAワクチンの臨床開発を実施しています。今後大規模な臨床での効果を確認し、早期に大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、現在世界的大流行の新型コロナウイルス感染症については、今後の感染状況の推移、変異株の影響などは不明であり、また、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。カナダのVasomune社と新型コロナウイルス感染症治療薬として共同開発しているAV-001は、米国で実施した第Ⅰ相臨床試験で安全性、忍容性が確認されたことから、前期第Ⅱ相臨床試験の準備を進めるとともに、大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかし、DNAワクチンと同様、今後の感染状況の推移、変異株の影響などは不明であり、また、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、長期的観点から、Brickell Biotech,Inc.(旧バイカル社)及びMyBiotics Pharma Ltd.に資本参加しています。しかしながら、これらの事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済キメラデコイ 当社株式会社ジーンデザイン 物質特許。日本、欧州(EP)にて成立済、米国出願中 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第19期第20期第21期第22期第23期2017年12月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期2021年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)365,183610,050326,75939,99864,148経常損失(千円)△3,307,139△3,096,213△3,293,214△6,618,353△13,588,973親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△3,764,699△2,996,629△3,750,823△4,209,511△13,675,587純資産額(千円)3,621,8817,734,45912,055,35132,679,67538,634,741総資産額(千円)3,963,6098,050,67212,524,60038,354,61145,455,746営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,991,223△2,522,501△2,179,918△2,961,329△11,380,546投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)227,062△122,742△1,249,757△6,963,969△154,873財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)2,916,0357,283,3457,676,98111,403,57617,378,670現金及び現金同等物の期末残高(千円)1,147,7535,784,89410,040,59511,537,02817,835,704(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)365,183610,050326,75939,99864,148経常損失(千円)△3,349,163△3,103,216△3,310,372△5,318,582△7,932,836当期純損失(千円)△3,777,738△3,015,015△3,773,328△5,318,038△8,086,792資本金(千円)5,658,3499,395,82513,291,91224,612,07633,359,568純資産額(千円)3,522,8557,619,30411,919,84129,356,32638,688,587総資産額(千円)3,861,6717,939,24512,434,67234,147,67744,879,500 (注) 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第19期から第23期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第19期から第23期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販売しているものの、「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (14)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け予防ワクチン開発プロジェクトのリスク当社グループは2020年3月より大阪大学とDNAプラスミド製造技術を用いた新型コロナウイルス感染症予防ワクチン(以下、「本ワクチン」といいます。)の開発を行っております。本ワクチンは、不活化ワクチンとは異なり、危険なコロナウイルスを使用せず、対象とする当該ウイルスの一部であるタンパク質をコードする環状DNAプラスミド(DNAワクチン)を接種することで、当該ウイルスのタンパク質を体内で生産し、当該ウイルスに対する免疫を付与します。非臨床試験で動物への本ワクチンの投与を行い、抗体価の上昇及び各種試験結果が確認され、これまでに第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅱ/Ⅲ相の臨床実験を実施した結果、安全性において問題なく、細胞性免疫においてある程度上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることが出来ませんでした。現在は、より有効性を高める取り組みとして2021年8月より開始した高用量製剤での第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験に絞って開発を進めております。本ワクチンの製造は大腸菌を用いて行うため、鶏卵を用いる不活化ワクチンと比べて安全で短期間に製造することができます。しかしながら、本ワクチンの開発は従来の開発プロジェクトで想定されるリスクに加え、下記のリスクが想定され、今後の事業戦略、財政状態、経営成績及び当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。①開発の進捗に関するリスク本プロジェクトは緊急性が高く、短期間での非臨床試験、臨床試験から承認を経ての製品化が要請されております。この状況下で緊急性は要するものの、健常者に投与するワクチン開発において、安全性および有効性を様々な角度から慎重に検証していく必要があり、また2021年2月より国内で接種が開始されたワクチンの安全性情報によっては、一層慎重な安全性評価を求められる可能性があり、その結果、想定していたよりも工数や時間がかかり、スケジュール遅延が起こる可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認出来ない、安全性に関して許容出来ない等の問題が生じた場合には、研究開発を中止するリスクがあります。②開発競争のリスク新型コロナウイルスワクチン開発は国内外の大手製薬会社からベンチャー企業まで、参入企業が増加し開発競争が激化しております。当社はプラスミドDNA製造技術を用いた新型コロナウイルスワクチンの開発で優位性があるものと認識しておりますが、将来的に競業他社による様々な開発ワクチンの開発進捗・技術力・有効性・安全性等により当社の優位が低下する可能性があります。③開発戦略のリスク新型コロナウイルス感染症パンデミックの発端となったのは従来型の新型コロナウイルスでしたが、その後相次いで変異型が見つかり、それらの中には従来型より感染力が高く、致死率が高いものもあると言われております。本プロジェクトのワクチンは、従来型ウイルスの遺伝子配列に基づいて作られたものですが、その有効性が減弱あるいは消失する変異型ウイルスが主流となった場合には、それに対応したワクチンに切り替えるなど開発戦略の見直しを迫られる可能性があります。④供給体制のリスク開発の進捗に関するリスクで記載のとおり、本ワクチン開発は緊急性が高く、一方で短期間での供給体制の確立が必要となっております。しかしながら、予測不能の製造設備の稼働問題等の要因から、充分な供給体制の構築ができない可能性があります。 (15)新型コロナウイルス感染症拡大に伴うリスク当社グループはHGF遺伝子治療用製品について、適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象とする第Ⅲ相臨床試験を実施しております。また、米国においては、下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、治験施設への訪問制限や新規患者の登録組み入れ鈍化などの影響が出ており、臨床開発ステージにあるプロジェクトの進捗に影響を受ける可能性があります。また、臨床試験以外にも研究開発材料の調達や外部委託をおこなう各種試験の遅延など事業活動全般に制約を受ける可能性が想定され、当該事象が長期化した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (16)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。 当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取り組んでおります。①自社既存プロジェクトの推進当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。現在、製造販売後承認条件評価を行うとともに国内での同製品の適応拡大のための臨床試験及び米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした臨床試験を進めております。また、現在海外で臨床試験を進めております椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNA、高血圧DNAワクチンに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延を機に2020年3月に開発を開始した、新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチン、Vasomune社と共同開発している新型コロナウイルス感染症治療薬を含めた5プロジェクトを推進しております。これらのプロジェクトを確実に推進していくことが最優先課題であると考えております。②開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループでは新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延を機に予防用ワクチンおよび治療薬の開発を進めています。また、ゲノム編集における先進技術を持つEmendo社を子会社化し、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集で具体的なプロジェクト化に向けて準備を進めています。これらの開発パイプラインの拡充や事業基盤の拡大により、当社グループは遺伝子治療の世界でグローバルリーダーを目指します。今後も、ライセンス導入や共同開発、創薬プラットフォーム技術の獲得を目指した事業提携に加え、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。③開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、開発プロジェクトのリスクを低減するために、製薬会社と提携し、契約金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進めるという提携モデルを基本方針としております。「コラテジェン®」について日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、2019年2月にイスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。さらに2020年10月にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNA、高血圧DNAワクチンにつきましては臨床試験が予定どおり進捗しており、製薬企業等へ早期に導出することで、契約一時金、ロイヤリティー等を確保し、開発費の負担削減と定期的な収入確保を目指してまいります。今後も、製薬会社との提携を進めることにより、事業基盤の強化に努めてまいります④資金調達の実施当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2021年3月24日に発行したCantor Fitzgerald & Co.を割当先とする第41回新株予約権(第三者割当て)について2021年5月までに全数が行使され、当連結会計年度において174億74百万円を調達いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。これら諸施策の実施により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
FY2020|11,416 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では「ゲノム編集」技術の医療への応用が急速に進歩しています。「ゲノム編集」とは、ヒトゲノムの特定の部位で外因性の遺伝子を追加・挿入、あるいは遺伝子変異を修正、削除できる最新の遺伝子工学技術であり、従来の遺伝子組み換え技術と比べて著しく精度と効率が高いため、今後医療や科学にとって不可欠な技術になるとみられております。「ゲノム編集」の前段階として、1990年代に本格的に始まった遺伝子治療(Gene Therapy)の研究は患者の骨髄から幹細胞を取り出し、正常な遺伝子をその幹細胞の核に組み込み、再度その細胞を患者の体内へ戻すことにより、正常な遺伝子が体内で機能するようにするものでした。 2010年代になり遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」(Genome Editing)技術が開発され、その技術は今日ますます発展を遂げております。特に遺伝子異常による難病を持つ患者の治療方法として開発が進んでおり、医療・ヘルスケア業界だけでなく、農業・食品分野に革命的な影響を及ぼしており事業性の面からも注目されております。ただし最新の「ゲノム編集」技術を利用した遺伝子(細胞)治療は新規性が高く有効性が期待されるものの、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を受けておりますが、今後の本承認を目指して実施される製造販売後承認調査評価における条件(投薬量、投薬回数、投薬期間)やその他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。また、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。更にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim 社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。今後これらの導出先がそれぞれの国での使用の承認を受けた場合、海外での売り上げを見込むことができます。しかしながら導出先のイスラエルやトルコの薬事承認制度は異なるため、それらの国の当局による判断次第で販売承認を取得できないこともあり、事業計画が実現しない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取ります。NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験が良好な結果であったため、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画で、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、導出条件やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社グループは遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果、安全性が確認されたため、さらに今後臨床開発を進め、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、DNAワクチンでは新型コロナウイルスの感染を予防するDNAワクチンの臨床開発を実施しています。今後大規模な臨床での効果を確認し、早期に大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、現在世界的大流行の新型コロナウイルス感染症については、インフルエンザのように毎年流行するのか、あるいは感染が終息するのかは不明であり、また、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、長期的観点から、Brickell Biotech,Inc.(旧バイカル社)、MyBiotics Pharma Ltd.、Barcode Diagnostics Ltd.に資本参加しています。しかしながら、これらの事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品糖尿病性虚血性疾患遺伝子治療当社日本において延長登録済リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダにて成立済 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第18期第19期第20期第21期第22期2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)514,269365,183610,050326,75939,998経常損失(千円)△4,847,297△3,307,139△3,096,213△3,293,214△6,618,353親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△4,776,780△3,764,699△2,996,629△3,750,823△4,209,511純資産額(千円)3,869,3823,621,8817,734,45912,055,35132,679,675総資産額(千円)4,539,2013,963,6098,050,67212,524,60038,354,611営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△4,983,694△2,991,223△2,522,501△2,179,918△2,961,329投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△829,815227,062△122,742△1,249,757△6,963,969財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)4,793,3882,916,0357,283,3457,676,98111,403,576現金及び現金同等物の期末残高(千円)995,6201,147,7535,784,89410,040,59511,537,028(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)514,269365,183610,050326,75939,998経常損失(千円)△4,762,602△3,349,163△3,103,216△3,310,372△5,318,582当期純損失(千円)△4,683,230△3,777,738△3,015,015△3,773,328△5,318,038資本金(千円)17,651,1905,658,3499,395,82513,291,91224,612,076純資産額(千円)3,777,8973,522,8557,619,30411,919,84129,356,326総資産額(千円)4,452,8623,861,6717,939,24512,434,67234,147,677 (注) 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第18期から第22期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第18期から第22期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社グループのビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販売しているものの、「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (14)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け予防ワクチン開発プロジェクトのリスク当社グリープは2020年3月より大阪大学とDNAプラスミド製造技術を用いた新型コロナウイルス感染症予防ワクチン(以下、「本ワクチン」といいます。)の開発を行っております。本ワクチンは、不活化ワクチンとは異なり、危険なコロナウイルスを使用せず、対象とする当該ウイルスの一部であるタンパク質をコードする環状DNAプラスミド(DNAワクチン)を接種することで、当該ウイルスのタンパク質を体内で生産し、当該ウイルスに対する免疫を付与します。非臨床試験で動物への本ワクチンの投与を行い、抗体価の上昇及び各種試験結果が確認され、現在第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施しております。本ワクチンの製造は大腸菌を用いて行うため、鶏卵を用いる不活化ワクチンと比べて安全で短期間に行うことができます。しかしながら、本ワクチンの開発は従来の開発プロジェクトで想定されるリスクに加え、下記のリスクが想定され、今後の事業戦略、財政状態、経営成績及び当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。 ①開発の進捗に関するリスク:本プロジェクトは緊急性が高く、短期間での非臨床試験、臨床試験から承認を経ての製品化が要請されております。この状況下で緊急性は要するものの、健常者に投与するワクチン開発において、安全性および有効性を様々な角度から慎重に検証していく必要があり、また本年2月より国内で接種が開始されたワクチンの安全性情報によっては、一層慎重な安全性評価を求められる可能性があり、その結果、想定していたよりも工数や時間がかかり、スケジュール遅延が起こる可能性があります。また、現在実施中の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験に引き続いて1万人から数万人規模の第Ⅲ相臨床試験を予定していますが、今後先行ワクチンの接種率増加に伴い、ワクチン非接種の臨床試験参加者を国内だけで適時に確保することが困難になり、海外での臨床試験が必要になった場合、スケジュールの遅延や費用の増大が起こる可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じた場合には、研究開発を中止するリスクがあります。②開発競争のリスク:新型コロナウイルスワクチン開発は国内外の大手製薬会社からベンチャー企業まで、参入企業が増加し開発競争が激化しております。当社はプラスミドDNA製造技術を用いた新型コロナウイルスワクチンの開発で優位性があるものと認識しておりますが、将来的に競業他社による様々な開発ワクチンの開発進捗・技術力・有効性・安全性等により当社の優位が低下する可能性があります。③開発戦略のリスク: 新型コロナウイルス感染症パンデミックの発端となったのは従来型の新型コロナウイルスでしたが、その後相次いで変異型が見つかり、それらの中には従来型より感染力が高く、致死率が高いものもあると言われております。本プロジェクトのワクチンは、従来型ウイルスの遺伝子配列に基づいて作られたものですが、その有効性が減弱あるいは消失する変異型ウイルスが主流となった場合には、それに対応したワクチンに切り替えるなど開発戦略の見直しを迫られる可能性があります。④供給体制のリスク:開発の進捗に関するリスクで記載のとおり、本ワクチン開発は緊急性が高く、一方で短期間での供給体制の確立が必要となっております。しかしながら、予測不能の製造設備の稼働問題等の要因から、充分な供給体制の構築ができない可能性があります。 (15)新型コロナウイルス感染症拡大に伴うリスク当社グループはHGF遺伝子治療用製品について、適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象とする第Ⅲ相臨床試験を実施しております。また、米国においては、下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を開始しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、治験施設への訪問制限や新規患者の登録組み入れ鈍化などの影響が出ており、臨床開発ステージにあるプロジェクトの進捗に影響を受ける可能性があります。また、臨床試験以外にも研究開発材料の調達や外部委託をおこなう各種試験の遅延など事業活動全般に制約を受ける可能性が想定され、当該事象が長期化した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (16)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。 当社グループは当該状況を解消すべく、下記を重要な課題として取り組んでおります。①自社既存プロジェクトの推進当社グループでは、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の条件及び期限付承認を厚生労働省から取得し、同年9月から販売を開始いたしました。現在、製造販売後承認条件評価を行うとともに国内での同製品の適用拡大のための臨床試験及び米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした臨床試験を進めております。また、現在海外で臨床試験を進めております椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNA、高血圧DNAワクチンを含めた3プロジェクトを推進しております。これらのプロジェクトを確実に推進していくことが最優先課題であると考えております。②開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大当社グループでは新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延を機に予防用としてのDNAワクチンの開発を2020年3月より開始し、現在第Ⅱ/Ⅲ相の臨床試験を実施しております。また、ゲノム編集における先進技術を持つEmendo社を完全子会社化し、究極の遺伝子治療ともいわれるゲノム編集で世界に戦いを挑みます。これらの開発パイプラインの拡充や事業基盤の拡大により、当社グループは遺伝子治療の世界でグローバルリーダーを目指します。今後も、ライセンス導入や共同開発、創薬プラットフォーム技術の獲得を目指した事業提携に加え、他社に対する資本参加や他社の買収等により開発品パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、将来の成長を実現してまいります。③開発プロジェクトにおける提携先の確保当社グループでは、開発プロジェクトのリスクを低減するために、製薬会社と提携し、契約金・マイルストーンや開発協力金を受け取ることにより財務リスクを低減しながら開発を進めるという提携モデルを基本方針としております。「コラテジェン®」について日本と米国を対象とした独占的販売契約を田辺三菱製薬と締結しており、マイルストーン収入やロイヤリティ収入が見込めます。また、2019年2月にイスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。さらに2020年10月にスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kim社と「コラテジェン®」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しました。椎間板性腰痛症向けの核酸医薬NF- κBデコイオリゴDNA、高血圧DNAワクチンにつきましては臨床試験が予定どおり進捗しており、早期に製薬企業等に導出することで契約一時金等を得ることにより開発費の負担削減を目指してまいります。今後も、製薬会社との提携を進めることにより、事業基盤の強化に努めてまいります。④資金調達の実施当社グループにとって、研究開発活動及び事業基盤の拡大を推進することは継続的な発展のために重要であり、そのためには状況に応じ機動的に資金調達を行うことが必要となります。2020年3月4日に発行したフィリップ証券株式会社を割当先とする第37回新株予約権(第三者割当て)について2020年4月までに全数が行使され、当連結会計年度において114億69百万円を調達いたしました。また、2021年3月8日開催の取締役会において、第41回新株予約権(第三者割当て)(行使価額修正条項付)の発行を決議いたしました。今後も、研究開発活動推進及び企業維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいります。 これら諸施策の実施により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
FY2019|8,005 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については連結会計年度末現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。最近では血管疾患や心臓疾患、神経変性疾患など慢性疾患も遺伝子治療の対象として研究が進められております。特に、当社が開発を進めているHGF遺伝子治療の対象である足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症は、遺伝子疾患に比べ一般に患者数が多い疾患領域であり、事業性の面からも注目されております。 ただし遺伝子治療薬については、未だ本格的な普及には至っていません。これまで先進国で承認された製品は、ADA欠損症や特殊な眼科疾患を対象とした数例にとどまっています。遺伝子治療は新規性が高い治療法であることから、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について慢性動脈閉塞症を適応症としたHGF遺伝子治療用製品に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は2019年度に厚生労働省から条件及び期限付きの製造販売承認を受けておりますが、今後の本承認を目指して実施される製造販売後承認調査評価における条件(投薬量、投薬回数、投薬期間)やその他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上しております。しかしながら、当社が開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の国内第Ⅲ相臨床試験の解析速報において主要評価項目である投与開始から4週間(28日間)後における主有効性評価部位の「皮膚症状スコア」の変化について、NF-κB デコイオリゴDNA投与群とプラセボ投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。当社は当該臨床試験の結果の解析を進めておりますが、上記の解析結果を踏まえると、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)を医薬品として承認申請を行うことは極めて困難な状況であり、今後開発の中止を決定する可能性があります。このような場合には、当社グループの将来の業績が影響を受ける可能性があります。また、NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーンを、さらに上市後には売上高の一定料率を対価として受け取る予定です。しかしながら、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社は遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、不十分な臨床効果やその他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、長期的観点から、バイカル社(現Brickell Biotech Inc.)、Emendo Biotherapeutics社、My Biotics Pharma社、Barcode Diagnostics社 に資本参加しています。しかしながら、これらの事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療用製品肝実質細胞増殖因子及びそれをコードする遺伝子田辺三菱製薬株式会社(旧 三菱ウェルファーマ株式会社)(注)米国にて成立済リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダ、にて成立済 (注) 当社は当該特許の実施権を有しております。 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム連結会計年度末現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第17期第18期第19期第20期第21期2015年12月期2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)430,154514,269365,183610,050 326,759経常損失(千円)△4,089,362△4,847,297△3,307,139△3,096,213 △3,293,214親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△4,143,335△4,776,780△3,764,699△2,996,629 △3,750,823純資産額(千円)4,221,3563,869,3823,621,8817,734,459 12,055,351総資産額(千円)4,751,9944,539,2013,963,6098,050,672 12,524,600営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△4,599,416△4,983,694△2,991,223△2,522,501△2,179,918投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△69,371△829,815227,062△122,742△1,249,757財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)716,7134,793,3882,916,0357,283,3457,676,981現金及び現金同等物の期末残高(千円)2,068,825995,6201,147,753 5,784,89410,040,595(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)430,154514,269365,183610,050 326,759経常損失(千円)△4,131,649△4,762,602△3,349,163△3,103,216 △3,310,372当期純損失(千円)△4,169,657△4,683,230△3,777,738△3,015,015 △3,773,328資本金(千円)15,214,94117,651,1905,658,3499,395,825 13,291,912純資産額(千円)4,017,5953,777,8973,522,8557,619,304 11,919,841総資産額(千円)4,572,8394,452,8623,861,6717,939,245 12,434,672 (注) 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第17期から第21期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第17期から第21期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社のビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2008年4月よりムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」を、また2019年9月よりHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を販売しているものの、「ナグラザイム®」は2019年6月で販売が終了し「コラテジェン®」は条件及び期限付の承認であります。また他の主要なプロジェクトにおいても医薬品の開発段階であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (14)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売を行っておりますが、すべての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を改善するための対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
FY2018|8,427 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。将来に関する事項については2018年12月末現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。さらに癌領域でも遺伝子治療が期待されております。癌領域では従来の治療法では十分な治療効果が得られない場合が多く、新しい治療法である遺伝子治療に期待が高まっております。癌の遺伝子治療には、癌抑制遺伝子を投与する方法や、患者の免疫力を高める遺伝子を投与する方法などが研究されています。最近では血管疾患や心臓疾患、神経変性疾患など慢性疾患も遺伝子治療の対象として研究が進められております。特に、当社が開発を進めているHGF遺伝子治療の対象である足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症は、遺伝子疾患に比べ一般に患者数が多い疾患領域であり、事業性の面からも注目されております。 ただし遺伝子治療薬については、未だ本格的な普及には至っていません。これまで先進国で承認された製品は、ADA欠損症や特殊な眼科疾患を対象とした数例にとどまっています。遺伝子治療は新規性が高い治療法であることから、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について事業収益は、各プロジェクトの開発に関して提携先から得られる収益及び「ナグラザイム®」の販売による収益によって構成されております。「ナグラザイム®」は2008年4月に発売され、当社グループは「ナグラザイム®」の販売による収益を計上していますが、2019年3月末日をもって「ナグラザイム®」の製造販売承認及び販売を他社に承継します。 重症虚血肢を適応症としたHGF遺伝子治療薬に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上しております。しかしながら、当社が開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の国内第Ⅲ相臨床試験の解析速報において主要評価項目である投与開始から4週間(28日間)後における主有効性評価部位の「皮膚症状スコア」の変化について、NF-κB デコイオリゴDNA投与群とプラセボ投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。当社は当該臨床試験の結果の解析を進めておりますが、上記の解析結果を踏まえると、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)を医薬品として承認申請を行うことは極めて困難な状況であり、今後開発の中止を決定する可能性があります。このような場合には、当社グループの将来の業績が影響を受ける可能性があります。また、NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社は遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、当社グループはDNAワクチン事業推進の目的のため長期的観点から、バイカル社に資本参加しています。しかしながら、同社の事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療薬、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療薬肝実質細胞増殖因子及びそれをコードする遺伝子田辺三菱製薬株式会社(旧 三菱ウェルファーマ株式会社)(注)1米国にて成立済。リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済。NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済。デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済。椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダ、にて成立済。 (注) 当社は当該特許の実施権を有しております。 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム2018年12月31日現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第16期第17期第18期第19期第20期2014年12月期2015年12月期2016年12月期2017年12月期2018年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)909,922 430,154514,269365,183610,050 経常損失(千円)△2,395,329 △4,089,362△4,847,297△3,307,139△3,096,213 親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△2,369,205 △4,143,335△4,776,780△3,764,699△2,996,629 純資産額(千円)7,734,440 4,221,3563,869,3823,621,8817,734,459 総資産額(千円)8,183,524 4,751,9944,539,2013,963,6098,050,672 営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,703,624 △4,599,416△4,983,694△2,991,223△2,522,501投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△52,082△69,371△829,815227,062△122,742財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)6,426,732 716,7134,793,3882,916,0357,283,345現金及び現金同等物の期末残高(千円)6,011,3292,068,825995,6201,147,753 5,784,894(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)909,922 430,154514,269365,183610,050 経常損失(千円)△2,421,204 △4,131,649△4,762,602△3,349,163△3,103,216 当期純損失(千円)△2,386,709 △4,169,657△4,683,230△3,777,738△3,015,015 資本金(千円)14,847,066 15,214,94117,651,1905,658,3499,395,825 純資産額(千円)7,556,177 4,017,5953,777,8973,522,8557,619,304 総資産額(千円)8,049,938 4,572,8394,452,8623,861,6717,939,245 (注) 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第16期から第20期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の研究開発を着実に進め、パイプラインの拡充を図り、将来医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益の拡大を目指してまいります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第16期から第20期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社のビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、2008年4月よりムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」を販売しているものの、主要なプロジェクトにおいては医薬品を開発中であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は、2018年4月23日開催の取締役会決議により会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき、予約権を付与する方式により、当社の取締役に対してストック・オプションを付与しており、2018年12月31日現在で当該新株予約権による潜在株式数は48,000株となります。また、2018年9月25日開催の取締役会決議に基づき、新株予約権(第三者割当て)を発行しており、2018年12月31日現在当該新株予約権による潜在株式数は8,940,000株となります。 2018年12月31日現在で潜在株式数総数は8,988,000株となり、発行済株式総数の9.17%に相当し、これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 (14)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (15)継続企業の前提に関する重要事象等について 医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行っておりますが、すべての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を改善するための対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
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4 【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社2社)の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項は以下のようなものがあります。 また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」等にも記載しておりますので、併せてご参照ください。将来に関する事項については平成29年12月末現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年以上に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。さらに癌領域でも遺伝子治療が期待されております。癌領域では従来の治療法では十分な治療効果が得られない場合が多く、新しい治療法である遺伝子治療に期待が高まっております。癌の遺伝子治療には、癌抑制遺伝子を投与する方法や、患者の免疫力を高める遺伝子を投与する方法などが研究されています。最近では血管疾患や心臓疾患、神経変性疾患など慢性疾患も遺伝子治療の対象として研究が進められております。特に、当社が開発を進めているHGF遺伝子治療の対象である足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症や、心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の硬化によって起こる虚血性心疾患は、患者数が非常に多い疾患領域であり、事業性の面からも注目されております。 ただし遺伝子治療薬については、未だ本格的な普及には至っていません。これまで先進国で承認された製品は、ADA欠損症や特殊な眼科疾患を対象とした数例にとどまっています。遺伝子治療は新規性が高い治療法であることから、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について事業収益は、各プロジェクトの開発に関して提携先から得られる収益及び「ナグラザイム®」の販売による収益によって構成されております。「ナグラザイム®」は平成20年4月に発売され、当社グループは「ナグラザイム®」の販売による収益を計上しています。今後、対象疾患であるムコ多糖症Ⅵ型の患者に対する啓蒙活動により国内売上の増加が見込まれます。しかしながら、見込み通り患者の増加が実現しない可能性があります。重症虚血肢を適応症としたHGF遺伝子治療薬に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上しております。しかしながら、当社が開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の国内第Ⅲ相臨床試験の解析速報において主要評価項目である投与開始から4週間(28日間)後における主有効性評価部位の「皮膚症状スコア」の変化について、NF-κB デコイオリゴDNA投与群とプラセボ投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。当社は当該臨床試験の結果の解析を進めておりますが、上記の解析結果を踏まえると、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)を医薬品として承認申請を行うことは極めて困難な状況であり、今後開発の中止を決定する可能性があります。このような場合には、当社グループの将来の業績が影響を受ける可能性があります。また、NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発を実施しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社は遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発の実施を計画しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、当社グループはDNAワクチン事業推進の目的のため長期的観点から、バイカル社に資本参加しています。しかしながら、同社の事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療薬、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療薬肝実質細胞増殖因子及びそれをコードする遺伝子田辺三菱製薬株式会社(旧 三菱ウェルファーマ株式会社)(注)1米国にて成立済。HGF遺伝子からなる医薬当社日本、米国、欧州(EP)、カナダ、豪州、中国、韓国、台湾にて成立済。リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済。NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済。デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済。椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダ、にて成立済。 (注) 当社は当該特許の実施権を有しております。 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム平成29年12月31日現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第15期第16期第17期第18期第19期平成25年12月期平成26年12月期平成27年12月期平成28年12月期平成29年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)491,311909,922 430,154514,269365,183経常損失(千円)△1,383,225△2,395,329 △4,089,362△4,847,297△3,307,139親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△1,409,686△2,369,205 △4,143,335△4,776,780△3,764,699純資産額(千円)3,543,5347,734,440 4,221,3563,869,3823,621,881総資産額(千円)3,904,1648,183,524 4,751,9944,539,2013,963,609営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△1,456,637△2,703,624 △4,599,416△4,983,694△2,991,223投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△27,203△52,082△69,371△829,815227,062財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)3,389,8806,426,732 716,7134,793,3882,916,035現金及び現金同等物の期末残高(千円)2,295,1536,011,3292,068,825995,6201,147,753(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)441,311909,922 430,154514,269365,183経常損失(千円)△1,436,883△2,421,204 △4,131,649△4,762,602△3,349,163当期純損失(千円)△1,468,456△2,386,709 △4,169,657△4,683,230△3,777,738資本金(千円)11,552,85314,847,066 15,214,94117,651,1905,658,349純資産額(千円)3,414,4037,556,177 4,017,5953,777,8973,522,855総資産額(千円)3,790,3818,049,938 4,572,8394,452,8623,861,671 (注) 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第15期から第19期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の事業計画に沿って研究開発を着実に進め、将来、医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益を拡大する計画であります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第15期から第19期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社のビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、平成20年4月よりムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」を販売しているものの、主要なプロジェクトにおいては医薬品を開発中であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社は、平成22年3月30日開催の株主総会、および平成29年6月26日開催の取締役会決議により会社法第236条、第238条、第239条及び第240条の規定に基づき、予約権を付与する方式により、当社従業員並びに当社子会社の取締役及び従業員に対してストック・オプションを付与しており、平成29年12月31日現在で当該新株予約権による潜在株式数は298,700株となります。また、平成29年8月28日開催の取締役会決議に基づき、新株予約権(第三者割当て)を発行しており、平成29年12月31日現在当該新株予約権による潜在株式数は11,000,000株となります。 平成29年12月31日現在で潜在株式数総数は11,298,700株となり、発行済株式総数の14.17%に相当し、これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 (14)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (15)継続企業の前提に関する重要事象等について医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行っておりますが、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金11億47百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進めるための十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
FY2016|8,766 文字
4 【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社2社)の事業展開その他に関してリスク要因と考えられる主な事項は以下のようなものがあります。 また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況」の他の項目、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」等にも記載しておりますので、併せてご参照ください。将来に関する事項については平成28年12月末現在において判断したものであります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 (1) 遺伝子治療の現状について遺伝子治療とは、遺伝子を用いて病気を治療することです。世界初の遺伝子治療は1990年に米国で、アデノシン・デアミナーゼ(ADA)欠損症という先天的に免疫が正常に働かない遺伝子疾患を対象に実施されました。その後、遺伝子疾患に加え、有効な治療法がない癌や後天性免疫不全症候群などに対しても、遺伝子治療が実施されてきました。国内でも1995年に北海道大学においてADA欠損症を対象とした初めての遺伝子治療が行われ以来、過去20年間に亘り数多くの臨床試験が行われてきました。 遺伝子治療が有効と考えられる対象疾患としてはまず、遺伝子の変異が原因の遺伝子疾患があります。遺伝子疾患では、遺伝子治療により正常な遺伝子を補充することで治療効果が期待しやすいと考えられます。さらに癌領域でも遺伝子治療が期待されております。癌領域では従来の治療法では十分な治療効果が得られない場合が多く、新しい治療法である遺伝子治療に期待が高まっております。癌の遺伝子治療には、癌抑制遺伝子を投与する方法や、患者の免疫力を高める遺伝子を投与する方法などが研究されています。最近では血管疾患や心臓疾患、神経変性疾患など慢性疾患も遺伝子治療の対象として研究が進められております。特に、当社が開発を進めているHGF遺伝子治療の対象である足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症や、心筋に酸素や栄養を送る冠動脈の硬化によって起こる虚血性心疾患は、患者数が非常に多い疾患領域であり、事業性の面からも注目されております。 ただし遺伝子治療薬については、これまで米国を中心に数多くの臨床試験が実施されてきたものの、本格的な普及には至っていません。これまで先進国で承認された製品は、稀な代謝疾患であるLPL(リポプロテインリパーゼ)欠損症とADA欠損症を対象とした2例(共に欧州での承認)にとどまっています。遺伝子治療は新規性が高い治療法であることから、現段階では未知のリスクを否定できず、幅広い実用化には至らないリスクがあります。 (2) 今後の事業展開について事業収益は、各プロジェクトの開発に関して提携先から得られる収益及び「ナグラザイム®」の販売による収益によって構成されております。「ナグラザイム®」は平成20年4月に発売され、当社グループは「ナグラザイム®」の販売による収益を計上しています。今後、対象疾患であるムコ多糖症Ⅵ型の患者に対する啓蒙活動により国内売上の増加が見込まれます。しかしながら、見込み通り患者の増加が実現しない可能性があります。重症虚血肢を適応症としたHGF遺伝子治療薬に関しては、田辺三菱製薬株式会社に対し末梢性血管疾患を対象とした米国と日本における独占的販売権を付与しており、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、製造販売承認を取得できない可能性があります。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間でアトピー性皮膚炎などを治療する外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しており、その契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上しております。しかしながら、当社が開発を進めているNF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の国内第Ⅲ相臨床試験の解析速報において主要評価項目である投与開始から4週間(28日間)後における主有効性評価部位の「皮膚症状スコア」の変化について、NF-κB デコイオリゴDNA投与群とプラセボ投与群の間で統計学的な有意差は示されませんでした。当社は当該臨床試験の結果の解析を進めておりますが、上記の解析結果を踏まえると、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)を医薬品として承認申請を行うことは極めて困難な状況であり、今後開発の中止を決定する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。また、NF-κBデコイオリゴDNAの新たな対象疾患として、椎間板性腰痛を対象とした臨床開発の実施を計画しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。当社は遺伝子治療薬、デコイオリゴDNAに続く第三の事業の柱としてDNAワクチン事業の推進を掲げています。その一環として高血圧を対象としたDNAワクチンの臨床開発の実施を計画しています。初期段階の臨床試験の結果が良好であれば、その後大手製薬企業に開発・販売権を導出する計画であり、実現すれば契約締結に伴う一時金、開発の進捗に伴ったマイルストーン、さらに上市後には売上高の一定率を対価として受け取る予定です。しかしながら、臨床開発の失敗その他の理由により、こうした事業計画が実現しない可能性があります。また、当社グループはDNAワクチン事業推進の目的のため長期的観点から、バイカル社に資本参加しています。しかしながら、同社の事業が計画通りに進展しなかった場合やその他の理由により、投資資金を回収できない可能性があります。また、当社グループはバイカル社との間でAllovectin®に関する研究開発契約を締結しており、アジア地域における独占的開発販売権の許諾を受けています。転移性メラノーマ(悪性黒色腫)以外の癌疾患への適用可能性を検討しておりますが、今後、適切な対応策を見いだせない場合には、Allovectin®による将来の収入が見込めない可能性があります。 (3) 研究開発について一般に新薬の開発には、長期に亘る期間と多額の費用が必要です。それにもかかわらず、医薬品の開発は計画通りに進行するとは限らず、臨床試験のために必要とされる症例数を適時に確保できないこと、臨床試験の実施に係る各種業務を支援・代行するCRO(医薬品開発業務受託機関)における業務が計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。さらに、様々な試験の結果、期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を中止するリスクがあります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (4) 製造について当社グループは、製品及び治験薬等を自社で製造しておらず、他社からの供給に依存しております。従って、製品や治験薬等について、何らかの要因により、品質上の問題が生じたり、もしくは予定通りに必要な数量を確保できない場合には、開発に遅れが生じたり、製品供給の不足により当社グループの業績が影響を受けたりする可能性があります。 (5) 販売について当社グループが開発中の医薬品については、国内、米国及び欧州等の各地域において、将来競合する可能性のある製品及び開発品が存在します。当社グループは、競争力の高い製品を早期に開発、上市することで、一定の市場シェアの獲得を目指しております。しかしながら、競合他社が当社の想定以上のシェアを獲得した場合には、当社グループが開発した製品が上市された場合においても期待通りの収益をあげられない可能性があります。また、日本や欧州においては新薬の価格は原則として政府あるいはそれに準じた公的機関により決定され、また、米国においては保険会社・マネージドケア(健康保険運営団体)及び政府のメディケア・プログラムとの交渉により決定されます。そのため、当社グループが開発した製品について当社グループが想定した薬価とならない場合があり期待通りの収益をあげられない可能性があります。加えて、当社が販売する医薬品について、予期しない副作用が発生した場合には売上高の減少要因となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6) 薬事法制による規制について薬事法制は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性確保の観点から、企業が行う開発・製造・販売等に関して必要な規制を行う法律であり、当社グループが実施している医薬品の研究開発は日本をはじめ各国の薬事法制の規制を受けております。各国において、治療環境の変化など様々な要因による承認要件の変更、さらに薬事法制度の変更により、承認を計画通りに取得できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 知的財産権について① 特許戦略当社グループが現在展開しているHGF遺伝子治療薬、NF-κBデコイオリゴDNAの研究開発活動は、主に当社グループが保有する又は当社グループが実施権を有する特許権あるいは特許出願中の権利に基づき実施しております。以下において、それらのうち特に重要なものを記載しております。しかしながら、当社グループが現在出願中の特許が全て登録されるとは限りません。また、当社グループの研究開発を超える優れた研究開発により当社グループの特許が淘汰される可能性は、常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの今後の事業展開の中でライセンスを受けることが必要な特許が生じ、そのライセンスが受けられなかった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 対象表題保有者登録(出願)状況HGF遺伝子治療薬肝実質細胞増殖因子及びそれをコードする遺伝子田辺三菱製薬株式会社(旧 三菱ウェルファーマ株式会社)(注)1米国にて成立済。HGF遺伝子からなる医薬当社日本、米国、欧州(EP)、カナダ、豪州、中国、韓国、台湾にて成立済。リンパ管新生促進剤当社日本、欧州(EP)にて成立済。NF-κBデコイオリゴDNANF-κBに起因する疾患の治療及び予防剤当社米国、欧州(EP)にて成立済。日本においては、物質特許及び虚血性疾患・臓器移植・癌などの医薬用途特許について成立済。デコイを含む薬学的組成物及びその使用方法(アトピー性皮膚炎が対象)当社日本、米国、欧州(EP)にて成立済。なお日本においては乾癬に対する用途特許も分割出願として成立済。椎間板の疾患を治療、阻害及び回復するための方法及び組成物当社ラッシュ大学(米国)日本、米国、欧州(EP)、カナダ、にて成立済。 (注)1 当社は当該特許の実施権を有しております。 ② 知的財産権に関する訴訟、クレーム平成28年12月31日現在において、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。 ただし、他社が当社グループと同様の研究開発を行っていないという保証はなく、今後とも知的財産について問題が発生しないという保証はありません。 当社グループとしても、このような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許調査を実施しており、当社グループ特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループのような研究開発型企業にとって、このような知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。 (8) 業績の推移について当社グループの主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。 第14期第15期第16期第17期第18期平成24年12月期平成25年12月期平成26年12月期平成27年12月期平成28年12月期(1) 連結経営指標等 事業収益(千円)444,509491,311909,922 430,154514,269経常損失(千円)△1,716,366△1,383,225△2,395,329 △4,089,362△4,847,297親会社株主に帰属する当期純損失(千円)△1,708,366△1,409,686△2,369,205 △4,143,335△4,776,780純資産額(千円)1,738,5623,543,5347,734,440 4,221,3563,869,382総資産額(千円)2,260,2293,904,1648,183,524 4,751,9944,539,201営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△1,631,074△1,456,637△2,703,624 △4,599,416△4,983,694投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)7,174△27,203△52,082△69,371△829,815財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)387,1603,389,8806,426,732 716,7134,793,388現金及び現金同等物の期末残高(千円)354,7782,295,1536,011,3292,068,825995,620(2) 個別経営指標等 事業収益(千円)442,075441,311909,922 430,154514,269経常損失(千円)△1,704,583△1,436,883△2,421,204 △4,131,649△4,762,602当期純損失(千円)△1,684,339△1,468,456△2,386,709 △4,169,657△4,683,230資本金(千円)9,848,42711,552,85314,847,066 15,214,94117,651,190純資産額(千円)1,703,8873,414,4037,556,177 4,017,5953,777,897総資産額(千円)2,146,9393,790,3818,049,938 4,572,8394,452,862 (注) 1 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より、「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。 (注) 2 事業収益には消費税等は含まれておりません。 当社グループは、事業のステージが先行投資の段階にあるため、現時点では、上記記載のように、第14期から第18期において親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、現在の事業計画に沿って研究開発を着実に進め、将来、医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益を拡大する計画であります。ただし、現在の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、当社グループが将来においても親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、上記記載のように、第14期から第18期においては、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、現状の事業計画に沿った医薬品の研究開発や販売が実現しない場合には、将来においても営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 (9) 経営上の重要な契約等について当社のビジネス展開上重要と思われる契約の内容を本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。なお、当社グループは、これらの契約に関して、いずれも当社グループの根幹に関わる重要な契約であると認識しております。したがって、当該契約の破棄が行われた場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合及び契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)組織体制について① 人材の確保当社グループの競争力は研究開発力にあり、専門性の高い研究及び開発担当者の確保が不可欠です。また、事業の成長拡大を支えるためには事業開発、営業、製造、内部管理等の人材も充実させる必要があります。当社グループは、優秀な人材の確保及び社内人材の教育に努めますが、人材の確保及び社内人材の教育が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。 一方、当社グループは、業務遂行体制の充実に努めますが、小規模組織であり、限りある人的資源に依存しているために、社員に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは社員が社外流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。② 特定人物への依存 当社グループの事業の推進者は、代表取締役である山田英です。代表取締役山田英は、当社グループの最高責任者として、当社グループの経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。また、当社メディカルアドバイザーである森下竜一には、研究開発の面でアドバイスを受けております。 当社グループではこれらの特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っていますが、当面の間はこれらの特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。このような状況のなかで、これらの特定人物が何らかの理由により当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟について当社グループは、医薬品の副作用、製造物責任、知的財産権及び労務問題等に関して、訴訟を提起される可能性があります。将来、当社グループが提訴された場合には、その内容次第で当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (12)配当政策について当社グループは、創薬系バイオベンチャーであり、平成20年4月よりムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」を販売しているものの、主要なプロジェクトにおいては医薬品を開発中であり、事業のステージは、先行投資の段階にあります。このため、現時点においては、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、剰余金の配当は実施しておりません。ただし、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって利益が計上され分配可能額が生じる時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、剰余金の配当を検討したいと考えております。 (13)新株予約権の付与(ストック・オプション)制度について当社はストック・オプション制度を採用しております。当該制度は会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、新株予約権を付与する方式により、当社従業員並びに当社子会社の取締役及び従業員に対して付与することを株主総会において決議されたものです。 これらの新株予約権の目的となる株式の数は平成28年12月31日現在で合計21,000株となり、発行済株式数の0.03%となっております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 (14)外国為替変動について当社グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動、海外企業とのライセンス、海外からの製品及び治験薬の仕入等において外貨建取引が存在します。また、当社グループが現在開発を行っている製品は、日本のみならず、米国を含む海外市場での販売が見込まれます。そのため、急激な為替変動によって為替リスクが顕在化した場合には、当社グループの事業戦略や業績が影響を受ける可能性があります。 (15)継続企業の前提に関する重要事象等について医薬品事業は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等特性があり、創薬ベンチャーである当社グループにおいては、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、一部のプロジェクトにおいては提携先を確保し、開発協力金等を得ることにより開発資金の低減に努めているほか、ムコ多糖症Ⅵ型治療薬「ナグラザイム®」の販売を行っておりますが、全ての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。当社グループは、当連結会計年度末において現金及び預金9億95百万円を有しているものの、全てのプロジェクトを継続的に進めるための十分な資金が不足していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。