事業の内容
アンジェスは、遺伝子医薬品(遺伝子治療薬、核酸医薬品)の開発・販売と、希少遺伝性疾患の検査受託サービスを行う会社です。特に、治療法がなかった病気に対するゲノム編集製品の研究開発にも力を入れています。新薬開発は成功確率が低く、開発期間も長いため、研究開発費が先行する事業構造です。収益は、他社との提携による契約一時金、開発協力金、開発の進捗に応じたマイルストーン、製品販売後のロイヤリティなどで構成されます。
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FY2025|1,249 文字|出典 docID: S100XTMQ
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。また、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心として、検査受託サービスを実施しております。さらに当社子会社であるEmendoBio Inc.(以下「EmendoBio社」といいます。)では、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品の研究開発を進めております。 当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け>名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療用製品、核酸医薬品)などの医薬品の研究開発と販売希少遺伝性疾患等の検査受託AnGes USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.米国でのゲノム編集技術プラットフォーム及びゲノム編集技術による遺伝子治療の研究開発但し、研究開発はイスラエルの子会社であるEmendo Research and Development Ltd.にて実施 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 当社グループのような医薬品開発事業では、新薬開発において候補となる化合物から新薬として上市できる確率は、およそ3万分の1といわれ、その開発期間も10年を超えることも多く、新薬の製品化は大変難しいものであります。そのため、当社グループのような創薬ベンチャーでは、新薬の開発にかかる研究開発費が先行する事業構造となっております。医薬品の開発では、開発初期から販売までを一貫して行う以外に、他社が開発中の製品を導入して自社品として開発する場合や、その逆で、開発の途中で開発中の製品を他社に導出するなど様々な手法がとられます。これら、他社からの導入や他社への導出にあたっては、契約により、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」「ロイヤリティ」などの費用の支払いや、収入が発生します。当社の研究開発に関する詳細は、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご覧ください。さらに当社は、2021年4月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(以下、「ACRL」といいます。)を開設し、希少遺伝性疾患検査のスクリーニング検査を自治体や医療機関から受託しており(※)、手数料収入に計上しております。(※)2021年4月から一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)が運営する「オプショナルスクリーニング」の検体測定を受託していましたが、2025年4月より、当社が「オプショナルスクリーニング」の運営を引き継いでおります。 <医薬品開発における想定される主な収益>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2024|1,128 文字|出典 docID: S100VJ1A
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。また、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心として、検査受託サービスを実施しております。さらに当社子会社であるEmendoBio Inc.(以下「Emendo社」といいます。)では、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品の研究開発を進めております。 当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け>名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療用製品、核酸医薬品)などの医薬品の研究開発と販売希少遺伝性疾患等の検査受託AnGes USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.米国でのゲノム編集技術プラットフォーム及びゲノム編集技術による遺伝子治療の研究開発但し、研究開発はイスラエルの子会社であるEmendo Research and Development Ltd.にて実施 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 当社グループのような医薬品開発事業では、新薬開発において候補となる化合物から新薬として上市できる確率は、およそ3万分の1といわれ、その開発期間も10年を超えることも多く、新薬の製品化は大変難しいものであります。そのため、当社グループのような創薬ベンチャーでは、新薬の開発にかかる研究開発費が先行する事業構造となっております。医薬品の開発では、開発初期から販売までを一貫して行う以外に、他社が開発中の製品を導入して自社品として開発する場合や、その逆で、開発の途中で開発中の製品を他社に導出するなど様々な手法がとられます。これら、他社からの導入や他社への導出にあたっては、契約により、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」「ロイヤリティ」などの費用の支払いや、収入が発生します。当社の研究開発に関する詳細は、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご覧ください。さらに当社は、2021年4月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーを開設し、希少遺伝性疾患検査のスクリーニング検査を一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)から受託しており、手数料収入に計上しております。 <医薬品開発における想定される主な収益>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2023|1,377 文字|出典 docID: S100T6F4
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。また、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心として、検査受託サービスを実施しております。さらに当社子会社であるEmendoBio Inc.(以下「Emendo社」といいます。)では、究極の遺伝子治療であるゲノム編集について先進技術を保有しており、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品を患者の方々にお届けできるよう研究開発を進めております。 当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け>名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療用製品、核酸医薬品)や予防・治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売希少遺伝性疾患等の検査受託AnGes USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.イスラエルを研究拠点としたゲノム編集技術の研究開発但し、イスラエルにおける研究開発は子会社であるEmendo Research and Development Ltd.にて実施 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。当社グループのような医薬品開発事業では、新薬開発において候補となる化合物から新薬として上市できる確率は、およそ3万分の1といわれ、その開発期間も10年を超えることも多く、新薬の製品化は大変難しいものであります。そのため、当社グループのような創薬ベンチャーでは、新薬の開発にかかる研究開発費が先行する事業構造となっております。医薬品の開発では、開発初期から販売までを一貫して行う以外に、他社が開発中の製品を導入して自社品として開発する場合や、その逆で、開発の途中で開発中の製品を他社に導出するなど様々な手法がとられます。これら、他社からの導入や他社への導出にあたっては、契約により、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」「ロイヤリティ」などの費用の支払いや、収入が発生します。このような医薬品開発において、当社は2019年に世界で初めてプラスミドDNAを用いた遺伝子治療用製品であるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の「条件及び期限付き製造販売承認」を取得いたしました。「コラテジェン®」は、田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」といいます)に対し日本国内における独占的販売権を付与する契約を締結しており、2019年より田辺三菱製薬への販売を開始し、製品売上高に計上しております。当社の研究開発に関する詳細は、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご覧ください。さらに当社は、2021年4月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーを開設し、希少遺伝性疾患検査のスクリーニング検査を一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)から受託しており、手数料収入に計上しております。 <医薬品開発における想定される主な収益>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2022|1,367 文字|出典 docID: S100QIOK
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。また、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心として、検査受託サービスを実施しております。さらに当社子会社であるEmendoBio Inc.(以下「Emendo社」といいます。)では、究極の遺伝子治療であるゲノム編集について先進技術を保有しており、今まで治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品を患者の方々にお届けできるよう研究開発を進めております。 当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け>名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療用製品、核酸医薬品)や予防・治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売AnGes USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.イスラエルを研究拠点としたゲノム編集技術の研究開発但し、イスラエルにおける研究開発は子会社であるEmendoBio Research and Development Ltd.にて実施 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。当社グループのような医薬品開発事業では、新薬開発において候補となる化合物から新薬として上市できる確率は、およそ3万分の1といわれ、その開発期間も10年を超えることも多く、新薬の製品化は大変難しいものであります。そのため、当社グループのような創薬ベンチャーでは、新薬の開発にかかる研究開発費が先行する事業構造となっております。医薬品の開発では、開発初期から販売までを一貫して行う以外に、他社が開発中の製品を導入して自社品として開発する場合や、その逆で、開発の途中で開発中の製品を他社に導出するなど様々な手法がとられます。これら、他社からの導入や他社への導出にあたっては、契約により、「契約一時金」「開発協力金」「マイルストーン」「ロイヤリティ」などの費用の支払いや、収入が発生します。このような医薬品開発において、当社は2019年に世界で初めてプラスミドDNAを用いた遺伝子治療用製品であるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の「条件及び期限付き製造販売承認」を取得いたしました。「コラテジェン®」は、田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」といいます)に対し日本国内における独占的販売権を付与する契約を締結しており、2019年より田辺三菱製薬への販売を開始し、製品売上高に計上しております。当社の研究開発に関する詳細は、「第2 事業の状況 5.研究開発活動」をご覧ください。さらに当社は、2021年4月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーを開設し、希少遺伝性疾患検査のスクリーニング検査を一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)から受託しており、手数料収入に計上しております。 <医薬品開発における想定される主な収益>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2021|6,022 文字|出典 docID: S100NSW0
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療用製品、核酸医薬品)や予防・治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売アンジェス USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.イスラエルを研究拠点としたゲノム編集技術の研究開発 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子治療を中心に医薬品開発に取り組んでおります。HGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療用製品「コラテジェン®」に加え、2019年末から拡大している新型コロナウイルス感染症に関しては、予防用のワクチンと治療薬の二軸で、国内外で開発を進めております。また、究極の遺伝子治療であるゲノム編集については、先進の技術を持つEmendoBio Inc.(以下Emendo社といいます。)を子会社とし、共にゲノム編集技術を用いて、いままで治療法のなかった疾患をもつ患者さんの方々にお届けできる医薬品開発を進めてまいります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療用製品当社グループはHGF遺伝子を含む遺伝子治療用製品を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGFに血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療用製品(以下、本品といいます。)の開発を進めております。a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、動脈硬化や血管炎症が原因で足の血管が閉塞し、足先に血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法に加え、カテーテルなどにより血管を広げる血管内治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。 本品は、既存療法では効果が期待できず、潰瘍を伴う重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本品は血管が詰まっている、あるいは狭くなっている部分周辺の筋肉への注射をすることで血管新生を促す、簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず慢性動脈閉塞症を対象として開発を進めてまいりました。<末梢性血管疾患におけるHGF遺伝子治療の治療概念図> b) 技術導入の概況当社グループは、本品の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療用製品に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本品の投与法に関して、米国Brickell Biotech, Inc.(バイカル社は2019年9月に Brickell Biotech, Inc.に吸収合併されました)から特許実施権の許諾を受けております。 これらの一部については、実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本品の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市されたことにより、売上高に応じたロイヤリティの一部支払いを行っております。c) 研究開発の概況 当社グループでは、慢性動脈閉塞症を対象に開発を進めております。 国内においては、2018年1月に再生医療等製品として本品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、国内初の遺伝子治療用製品として、2019年3月26日に条件及び期限付承認を取得し販売を開始しております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります。製造販売後承認条件評価のための目標症例数である実薬120症例、プラセボ80例の登録が2021年末までに完了いたしました。 また、並行してこの「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、2019年10月に慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を開始し、2021年12月に目標症例の投与を完了しております。 一方海外では、2020年2月より米国において下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。d) 製造体制当社グループは、本品を自社では製造しておらず、外部に委託しております。e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しており、同契約に基づき国内については2019年9月から同社に対し販売を行っております。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療用製品のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイオリゴDNAはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる遺伝子の発現を調節するタンパク質がこのDNAに結合してそのスイッチが入ります。NF-κBデコイオリゴDNAはDNA上のNF-κB転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは炎症及び免疫反応を強める種々のタンパク質を作る遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイオリゴDNAを患部に投与することで、過剰な炎症反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な炎症反応を原因とする炎症性疾患及び過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫や反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与すると、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。当社グループは、慢性の椎間板性腰痛症を対象に、新たな疼痛改善作用を持つNF-κBデコイオリゴDNAの開発を進めています。b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症における慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として、米国で後期第Ⅰ相臨床試験を実施しております。NF-κBデコイDNAの投与後12ヶ月間の観察期間を通して、重篤な有害事象は認められず、高い安全性が確認されました。さらに、探索的に有効性を評価したところ、腰痛の軽減が認められ、その効果は投与12か月後まで持続しました。これらの結果を踏まえて、第II相臨床試験に移行する準備を進めております 。d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ③ アンジオテンシンⅡ高血圧治療用DNAワクチンa) 対象疾患高血圧を起こす原因の一つに血液中に存在するアンジオテンシンⅡというペプチドホルモンの増加があり、それに対する抗体は高血圧の治療剤として期待されます。b) 研究開発の概況当社グループは、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、アンジオテンシンⅡに対する抗体を産生する高血圧治療用のDNAワクチンの開発をオーストラリアにて実施しております。2020年12月に第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験の最終投与群の患者登録を終了後、観察期間を経て初期の結果を評価し、重篤な有害事象がなく、安全性に問題ないことを確認し、またアンジオテンシンⅡに対する抗体産生を認めました。分析結果は、論文としてHypertension Researchに掲載し、第43回日本高血圧学会総会Late Breaking Abstractでも発表いたしました。今後、安全性、免疫原性および有効性の評価を継続していきます。 c) 製造体制当社グループは、アンジオテンシンⅡ高血圧治療用DNAワクチンの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ④ 新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンa) 対象疾患現在、世界的な流行をしている新型コロナウイルスに対する抗体を体内で産生するDNAワクチンは新型コロナウイルス感染症予防ワクチンとして期待されます。b) 研究開発の概況当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、当社の持つDNAワクチンの技術を用いて2020年3月より、大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの開発を開始し、これまでに第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅱ/Ⅲ相の臨床試験を実施しました。これらの分析の結果、安全性において問題はなく、細胞性免疫においてある程度の上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることができず、今後さらに有効性を高める必要があることを確認いたしました。さらに有効性を高めるための取り組みとして、高用量製剤での第Ⅰ/Ⅱ相試験を、接種方法を筋肉注射と皮内投与の2種類とし、プラセボ(偽薬)なしの実薬のみで、目標症例数400例にて実施し、2021年11月に目標症例の接種を完了しました。c) 製造体制当社グループは、新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ⑤ 新型コロナウイルス感染症治療薬(共同開発品) a) 対象疾患現在、世界的に流行している新型コロナウイルス感染症において、感染症発症後に重症化した患者での急性呼吸不全など血管の不全に対する治療薬が望まれています。b) 研究開発の概況当社グループは、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune Therapeutics Inc(以下Vasomune社といいます。)と急性呼吸不全などを原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発契約を締結し、現在Vasomune社のAV-001を新型コロナウイルス感染症対する治療薬として、2020年12月より健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験を米国において実施いたしました。第Ⅰ相臨床試験では、48名の健康成人での投与を行い、安全性と忍容性を確認し、良好な結果を発表しました。その後、FDA(アメリカ食品医薬品局)との協議結果を踏まえ、前期第Ⅱ相臨床試験を開始しております。AV-001については、米国およびカナダ政府より助成金を獲得しております。具体的には、米国国防総省より医療研究プログラム(PRMRP)として、2020年9月に280万ドル、2021年11月に640万ドルを受賞しました。また、カナダ政府からはNRC IRAP(the National Research Council of Canada Industrial Research Assistance Program)を通じて、2021年3月(金額非開示)と2021年11月に最大 280万加ドルの資金援助を受けることとなりました。COVID-19治療薬として米国、カナダ政府の力強い支援で、この後に続く臨床試験を加速させます。c)製造体制AV-001 の研究用及び治験用原薬は当社グループの共同開発先であるVasomune社で製造しております。 (2) 事業の内容当社グループの医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg(以下「コラテジェン®」といいます。)」の販売による収益によって構成されております。「コラテジェン®」は、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を2015年6月に締結しており、当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、研究開発事業収益に計上しております。また、「コラテジェン®」は、2019年に厚生労働省より国内の慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月より田辺三菱製薬株式会社への販売を開始し、製品売上高に計上しております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります 。また、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を2012年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、米国での開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が米国で上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。2021年4月に開設したアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(以下ACRLといいます。旧:衛生検査所)において希少遺伝性疾患検査のオプショナルスクリーニング検査を実施しており、手数料収入に計上しております。 <主な収益内容>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2020|5,451 文字|出典 docID: S100L39W
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社3社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品及び遺伝子治療用製品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売アンジェス USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発EmendoBio Inc.イスラエルを研究拠点としたゲノム編集技術の研究開発 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子治療を中心に医薬品開発に取り組んでおります。HGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療用製品「コラテジェン® 」に加え、2019年末から拡大している新型コロナウイルス感染症に関しては、予防用のワクチンと治療薬の二軸で、国内外で開発を進めております。また、究極の遺伝子治療であるゲノム編集においては、先進の技術を持つEmendoBio Inc.(以下Emendo社といいます。)を完全子会社とし、共にゲノム編集技術で、いままで治療法のなかった患者にお届けできる医薬品開発を進めてまいります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療用製品当社グループはHGF遺伝子を含む遺伝子治療用製品を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGFに血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療用製品(以下、本品といいます。)の開発を進めております。a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、動脈硬化や血管炎症が原因で足の血管が閉塞し、足先に血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法に加え、カテーテルなどにより血管を広げる血管内治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。 本品は、既存療法では効果が期待できず、潰瘍を伴う重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本品は血管が詰まっている、あるいは狭くなっている部分周辺の筋肉への注射をすることで血管新生を促す、簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず慢性動脈閉塞症を対象として開発を進めてまいりました。<末梢性血管疾患におけるHGF遺伝子治療の治療概念図>b) 技術導入の概況当社グループは、本品の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療用製品に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本品の投与法に関して、米国Brickell Biotech, Inc.(バイカル社は2019年9月に Brickell Biotech,Inc.に吸収合併されました)から特許実施権の許諾を受けております。 これらの一部については、実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本品の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市されたことにより、売上高に応じたロイヤリティの一部支払いを行っております。c) 研究開発の概況 当社グループでは、慢性動脈閉塞症を対象に開発を進めております。 国内においては、2018年1月に再生医療等製品として本品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、国内初の遺伝子治療用製品として、2019年3月26日に条件及び期限付承認を取得し販売を開始しております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります。また、並行してこの「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、2019年10月より慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。 一方海外では、2020年2月より米国において下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を開始いたしました。d) 製造体制当社グループは、本品を自社では製造しておらず、外部に委託しております。e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しており、同契約に基づき国内については2019年9月から同社に対し販売を行っております。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療用製品のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイオリゴDNAはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる遺伝子の発現を調節するタンパク質がこのDNAに結合してそのスイッチが入ります。NF-κBデコイオリゴDNAはDNA上のNF-κB転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは炎症及び免疫反応を強める種々のタンパク質を作る遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイオリゴDNAを患部に投与することで、過剰な炎症反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な炎症反応を原因とする炎症性疾患及び過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫や反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与すると、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。当社グループは、慢性の椎間板性腰痛症を対象に、新たな疼痛改善作用を持つNF-κBデコイオリゴDNAの開発を進めています。b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症における慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待され米国で後期第Ⅰ相臨床試験を実施しております。NF-κBデコイDNAの投与後6ヶ月間の観察期間で患者の忍容性が高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性が確認されました。さらに、探索的にデータを評価したところ患者に著しい腰痛の軽減が認められ有効性が確認できました。今後、投与後12か月までの観察を踏まえて、第II相臨床試験に移行する予定です 。d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ③ アンジオテンシンⅡ高血圧治療用DNAワクチンa) 対象疾患高血圧を起こす原因の一つに血液中に存在するアンジオテンシンⅡというペプチドホルモンの増加があり、それに対する抗体は高血圧の治療剤として期待されます。b) 研究開発の概況当社グループは、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、アンジオテンシンⅡに対する抗体を産生する高血圧治療用のDNAワクチンの開発をオーストラリアにて実施しております。2020年12月に第Ⅰb/Ⅱa相臨床試験の最終投与群の患者登録を終了後、観察期間を経て初期の結果を評価し、重篤な有害事象がなく、安全性に問題ないこと、またアンジオテンシンⅡに対する抗体産生を認めました。今後安全性、免疫原性および有効性の評価を継続していきます。 c) 製造体制当社グループは、アンジオテンシンⅡ高血圧治療用DNAワクチンの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。④ 新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンa) 対象疾患現在、世界的な流行をしている新型コロナウイルスに対する抗体を体内で産生するDNAワクチンは新型コロナウイルス感染症予防ワクチンとして期待されます。b) 研究開発の概況当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受け、当社の持つDNAワクチンの技術を用いて2020年3月より、大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症に対する予防ワクチンの開発を開始し、現在第Ⅱ/Ⅲ 相臨床試験を実施しております。c) 製造体制当社グループは、新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ⑤ 新型コロナウイルス感染症治療薬(共同開発品) a) 対象疾患現在、世界的に流行している新型コロナウイルス感染症において、感染症発症後に重症化した患者での急性呼吸不全など血管の不全に対する治療薬が望まれています。b) 研究開発の概況当社グループは、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune Therapeutics Inc(以下Vasomune社といいます。)と急性呼吸不全などを原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発契約を締結し、現在Vasomune社のAV-001を新型コロナウイルス感染症対する治療薬として、2020年12月より健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験を米国において共同開発しております。第Ⅰ相臨床試験では、48名の健康成人での投与を行い、安全性と忍容性を確認し、良好な結果を発表しました。この後、FDA(アメリカ食品医薬品局)と前期第Ⅱ相に向けた協議を行う予定です。また、前期第Ⅱ相臨床試験では、米国に加えてカナダの施設も含めた実施を検討しています。AV-001については、2021年3月17日付で、Vasomune社がNational Research Council(NRC)を通じてカナダ政府より助成金を受けました。また、2020年8月にも、米国防総省から 280 万ドルの医療研究プログラム(PRMRP)助成金を獲得しています。COVID-19治療薬として米国、カナダ政府の力強い支援で、この後に続く臨床試験を加速させます。 c)製造体制AV-001 の研究用及び治験用原薬は当社グループの共同開発先であるVasomune社で製造しております。 (2) 事業の内容当社グループの医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg(以下「コラテジェン®」といいます。)」の販売による収益によって構成されております。「コラテジェン®」は、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を2015年6月に締結しており、当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、研究開発事業収益に計上しております。また、「コラテジェン®」は、2019年に厚生労働省より国内の慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月より田辺三菱製薬株式会社への販売を開始し、製品売上高に計上しております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります 。また、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を2012年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、米国での開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が米国で上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。 <主な収益内容>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2019|4,336 文字|出典 docID: S100IC57
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社1社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社グループと各事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品及び遺伝子治療用製品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売アンジェス USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発 ※アンジェス ユーロ リミテッドは清算が結了しております。 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療用製品当社はHGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療用製品を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGFに血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療用製品(以下、本品)の開発を進めております。 a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、動脈硬化や血管炎症が原因で足の血管が閉塞し、足先に血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法に加え、カテーテルなどにより血管を広げる血管内治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。 本品は、既存療法では効果が期待できず、潰瘍を伴う重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本品は血管が詰まっている、あるいは狭くなっている部分周辺の筋肉への注射をすることで血管新生を促す、簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず慢性動脈閉塞症を対象として開発を進めてまいりました。 <末梢性血管疾患におけるHGF遺伝子治療の治療概念図> b) 技術導入の概況当社グループは、本品の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療用製品に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本品の投与法に関して、米国Brickell Biotech, Inc.(Vical Incorporated(以下「バイカル社」といいます。)は2019年9月に Brickell Biotech, Inc.に吸収合併されました)から特許実施権の許諾を受けております。 これらの一部については、実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本品の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市された後には、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定となっております。c) 研究開発の概況 当社グループでは、慢性動脈閉塞症を対象に開発を進めております。 国内においては、2018年1月に再生医療等製品として本品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、国内初の遺伝子治療用製品として、2019年3月26日に条件及び期限付承認を取得しました。 HGF遺伝子治療用製品の開発は、当社が設立以来手がけてきた主力プロジェクトです。2004年から国内開発に着手し、2008年4月に医薬品として製造販売承認申請をしましたが、更なる臨床データの蓄積が必要との判断から2009年に申請取り下げをしました。その後、2013年に再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入が決まり、2014年10月より先進医療B制度を活用した重症虚血肢を対象とした医師主導臨床研究が実施され、2017年8月に終了しました。当社は、これらの新たな制度を活用し、従前に実施した臨床試験の結果とともに、先進医療B臨床研究に結果を併せ再生医療等製品「コラテジェン®」として製造販売承認申請を行い、慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得したものです。また、この「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。 一方海外では、重症虚血肢を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施していましたが、患者の登録に想定より長い期間が必要であることが判明したため、2016年6月にこの試験を中止しました。その後、これに代わる新試験の検討を進めておりましたが、2020年2月より米国において下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を開始いたしました。またリンパ浮腫に関しては、原発性の患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を2013年10月以降、国内で実施してきましたが、データ解析の結果、主要評価項目である浮腫の体積に大きな減少は認められなかったため、当社が実施する企業治験としては次の段階に進まないことを2017年7月に決定しました。ただし、医師主導治験・臨床研究の実施には協力し(治験薬の提供など)、良好な結果が得られた場合には将来的に自社開発を再開する可能性があります。d) 製造体制当社グループは、本品を自社では製造しておらず、他社に委託して製造しております。e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しており、同契約に基づき国内については2019年9月から同社に対し販売を開始いたしました。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療用製品のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる分子がゲノムに結合してそのスイッチが入ります。デコイはゲノム上の転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは免疫及び炎症反応を強める遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイを患部に投与することで、過剰な免疫反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。 a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与し、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症を対象とした開発を進めております。本剤は慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待されます。当社は、米国で第Ⅰb相臨床試験を実施中です。d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 ③ 「ナグラザイム®」「ナグラザイム®」は、米国のバイオマリンファーマシューティカルインクによって開発された治療薬であり、ムコ多糖症Ⅵ型に対して世界で初めて承認を取得した酵素補充療法剤です。当社は2008年3月に製造販売承認を取得し、同年4月から販売を行っておりましたが、2019年3月末日をもって製造販売承認及び販売をバイオマリンファーマシューティカルジャパンに承継することを2018年12月に発表し、2019年6月に販売を終了いたしました。 (2) 事業の内容当社の医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、「ナグラザイム®」及びHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg(以下「コラテジェン®」といいます。)」の販売による収益によって構成されております。「ナグラザイム®」に関しては、2008年4月以降当社は、「ナグラザイム®」を国内で販売しており、それによる収益を計上しておりましたが、2019年6月をもって販売を終了いたしました。「コラテジェン®」に関しては、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を2015年6月に締結しており、当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上いたします。「コラテジェン®」につきましては、2019年に厚生労働省より国内の慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月より田辺三菱製薬株式会社への販売を開始いたしました。また、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を2012年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。 <主な収益内容>収益内容契約一時金契約締結時に受ける収益開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益
FY2018|4,814 文字|出典 docID: S100FIQN
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社2社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。当社グループの各社と各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社とグループ各社の事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売アンジェス USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発アンジェス ユーロ リミテッド※欧州での遺伝子医薬品などの医薬品開発、事業提携 ※アンジェス ユーロ リミテッドは清算手続き中であります。 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療薬当社はHGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療薬を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGFに血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療薬(以下、本品)の開発を進めております。 a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、動脈硬化や血管炎症が原因で足の血管が閉塞し、足先に血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法に加え、カテーテルなどにより血管を広げる血管内治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。本品は、既存療法では効果が期待できず、潰瘍を伴う重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本品は血管が詰まっている、あるいは狭くなっている部分周辺の筋肉への注射をすることで血管新生を促す、簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず重症虚血肢を対象として開発を進めております。 <末梢性血管疾患におけるHGF遺伝子治療の治療概念図> b) 技術導入の概況当社グループは、本品の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療薬に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本品の投与法に関して、米国Vical Incorporated(以下「バイカル社」といいます。)から特許実施権の許諾を受けております。 これらの一部については、実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本品の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市された後には、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況 当社グループでは、重症虚血肢を対象に開発を進めております。 国内においては、2018年1月に再生医療等製品として本品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、国内初の遺伝子治療薬として、2019年3月26日に条件及び期限付承認を取得しました。 HGF遺伝子治療薬の開発は、当社が設立以来手がけてきた主力プロジェクトです。2004年から国内開発に着手し、2008年4月に医薬品として製造販売承認申請をしましたが、更なる臨床データの蓄積が必要との判断から2009年に申請取り下げをしました。その後、2013年に再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入が決まり、2014年10月より先進医療B制度を活用した重症虚血肢を対象とした医師主導臨床研究が実施され、2017年8月に終了しました。当社は、これらの新たな制度を活用し、従前に実施した臨床試験の結果とともに、先進医療B臨床研究に結果を併せ再生医療等製品として製造販売承認申請を行い、条件及び期限付製造販売承認を取得したものです。 一方海外では、重症虚血肢を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施していましたが、患者の登録に想定より長い期間が必要であることが判明したため、2016年6月にこの試験を中止しました。現在、これに代わる新試験の検討を進めております。またリンパ浮腫に関しては、原発性の患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を2013年10月以降、国内で実施してきましたが、データ解析の結果、主要評価項目である浮腫の体積に大きな減少は認められなかったため、当社が実施する企業治験としては次の段階に進まないことを2017年7月に決定しました。ただし、医師主導治験・臨床研究の実施には協力し(治験薬の提供など)、良好な結果が得られた場合には将来的に自社開発を再開する可能性があります。 d) 製造体制当社グループは、本品を自社では製造しておらず、他社に委託して製造しております。 e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しております。同契約に基づき、米国及び国内での販売は田辺三菱製薬株式会社が実施します。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療薬のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる分子がゲノムに結合してそのスイッチが入ります。デコイはゲノム上の転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは免疫及び炎症反応を強める遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイを患部に投与することで、過剰な免疫反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。 <NF-κBデコイオリゴDNAの作用原理> a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与し、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。 b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症を対象とした開発を進めております。本剤は慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待されます。当社は、米国で第Ⅰb相臨床試験を実施中です。過去、アトピー性皮膚炎を対象とした開発を実施していましたが、顔面のアトピー性皮膚炎を対象とした軟膏製剤の第Ⅲ相臨床試験の結果、実薬群とプラセボ群の間で統計学的な有意差がなかったことを2016年7月に発表しました。現在、試験結果の詳細な解析を進めており、今後の開発方針を検討中です。 d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 e) 販売体制当社グループは、外用剤を使った皮膚疾患分野において、全世界における独占的な販売権を塩野義製薬株式会社に付与しております。 ③ 「ナグラザイム®」「ナグラザイム®」は、米国のバイオマリンファーマシューティカルインクによって開発された治療薬であり、ムコ多糖症Ⅵ型に対して世界で初めて承認を取得した酵素補充療法剤です。 a) 対象疾患ムコ多糖症Ⅵ型は先天性代謝異常疾患で、現在、国内で確認されている患者数は数名という極めて希な疾患です。アリルサルファターゼBと呼ばれる酵素の欠損によりデルマタン硫酸やコンドロイチン硫酸といったムコ多糖が分解されずに体内に蓄積する結果、生後1年程度から関節の運動制限や骨変形が認められ、肝腫大・脾腫大、角膜混濁、聴力障害、心弁膜障害等の種々の症状を呈する進行性の疾患です。従来の治療法としては骨髄移植術がありますが、ドナー確保の問題や移植に伴うリスクのため、より安全で有効な治療法が求められていました。 b) 研究開発の概況「ナグラザイム®」は、米国では2005年5月に、欧州では2006年1月に販売承認を受けております。国内においても、当社が2007年8月に同剤の承認申請を行い、2008年3月に製造販売承認を取得いたしました。 c) 製造体制当社グループが国内で販売するナグラザイム®は、バイオマリンファーマシューティカルインクが米国において製造しております。 d) 販売体制当社グループは、バイオマリンファーマシューティカルインクから国内での販売権を取得し、2008年4月より販売しておりますが、2019年3月末日をもって製造販売承認及び販売をバイオマリンファーマシューティカルジャパンに承継することを2018年12月25日に発表いたしました。 (2) 事業の内容当社の医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、及びナグラザイム®の販売による収益によって構成されております。ナグラザイム®に関しては、バイオマリンファーマシューティカルインクから当社が国内での販売権を取得しています。当社グループは、2008年4月以降ナグラザイム®を国内で販売しており、それによる収益を計上しています。なお、2019年3月末日をもって国内の製造販売承認及び販売をバイオマリンファーマシューティカルジャパンに承継することを2018年12月25日に発表いたしましたHGF遺伝子治療薬に関しては、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を2015年6月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、HGF遺伝子治療薬が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受け取る予定です。同様に、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を2012年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しております。将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る予定です。
FY2017|4,851 文字|出典 docID: S100CP5Q
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社2社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。このような状況のもと、当社は国内外のグループ社員が従来以上に力を結集し、事業の推進を目指して、第18期定時株主総会の決議事項に基づき、平成29年7月1日をもちまして、アンジェス MG株式会社からアンジェス株式会社に社名変更をいたしました。当社グループの各社と各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社とグループ各社の事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売アンジェス USA, Inc. ※米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発アンジェス ユーロ リミテッド欧州での遺伝子医薬品などの医薬品開発、事業提携 ※平成29年7月1日付で当社の商号変更に伴い連結子会社であるアンジェス インクも、商号をアンジェス USA, Inc. に変更しております。当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療薬当社はHGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療薬を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGF遺伝子に血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療薬の開発を進めております。 a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、糖尿病などが原因で足の血管が閉塞し血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法の他、カテーテルにより血管を広げる治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。本剤は、既存療法では効果が期待できず、足を切断するリスクがある重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本剤は血管が詰まっている部分周辺の筋肉への注射という簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず重症虚血肢を対象として開発を進めております。 <注射によるHGF遺伝子治療(末梢性血管疾患)> b) 技術導入の概況当社グループは、本剤の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療薬に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本剤の投与法に関して、米国Vical Incorporated(以下「バイカル社」といいます。)から特許実施権の許諾を受けております。これらの実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本剤の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市された後には、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況当社グループでは、重症虚血肢を対象に開発を進めております。 国内においては、平成30年1月22日に再生医療等製品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行いました。HGF遺伝子治療薬の開発は、当社が設立以来手がけてきた主力プロジェクトです。平成26年10月より大阪大学医学部附属病院及び協力医療機関により、先進医療B制度を活用し、重症虚血肢を対象とした医師主導臨床研究が実施され、平成29年8月に終了しました。HGF遺伝子治療薬について当社は、従前に実施した第Ⅲ相臨床試験の結果を受け、平成20年3月に製造販売承認申請を行いましたが、更なる臨床データの集積が必要との判断に至ったことから、一旦、申請を取り下げました。その後、平成25年に再生医療等製品への条件及び期限付承認制度の導入が決まったことから、医師主導臨床研究の結果と過去に実施した臨床データ等を合わせて、再生医療等製品として、今回製造販売承認申請を行いました。一方海外では、重症虚血肢を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施していましたが、患者の登録に想定より長い期間が必要であることが判明したため、平成28年6月にこの試験を中止しました。現在、これに代わる新試験の検討を進めております。またリンパ浮腫に関しては、原発性の患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を平成25年10月以降、国内で実施してきましたが、データ解析の結果、主要評価項目である浮腫の体積に大きな減少は認められなかったため、当社が実施する企業治験としては次の段階に進まないことを平成29年7月に決定しました。ただし、医師主導治験・臨床研究の実施には協力し(治験薬の提供など)、良好な結果が得られた場合には将来的に自社開発を再開する可能性があります。 d) 製造体制当社グループは、本剤を自社では製造しておらず、他社に委託して製造しております。 e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しております。同契約に基づき、米国及び国内での販売は田辺三菱製薬株式会社が実施します。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療薬のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる分子がゲノムに結合してそのスイッチが入ります。デコイはゲノム上の転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは免疫及び炎症反応を強める遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイを患部に投与することで、過剰な免疫反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。 <NF-κBデコイオリゴDNAの作用原理> a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与し、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。 b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症を対象とした開発を進めております。本剤は慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待されます。当社は、米国での第Ⅰb相臨床試験の実施に向け、平成29年3月23日(現地時間)米国食品医薬品局(以下「米国FDA」といいます。)に対し新薬臨床試験開始届け(IND)を申請し、その後平成30年2月26日(現地時間)に1例目の患者への投与を実施し、試験を開始しました。過去、アトピー性皮膚炎を対象とした開発を実施していましたが、顔面のアトピー性皮膚炎を対象とした軟膏製剤の第Ⅲ相臨床試験の結果、実薬群とプラセボ群の間で統計学的な有意差がなかったことを平成28年7月に発表しました。現在、試験結果の詳細な解析を進めており、今後の開発方針を検討中です。 d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 e) 販売体制当社グループは、外用剤を使った皮膚疾患分野において、全世界における独占的な販売権を塩野義製薬株式会社に付与しております。 ③ 「ナグラザイム®」「ナグラザイム®」は、米国のバイオマリンファーマシューティカルインクによって開発された治療薬であり、ムコ多糖症Ⅵ型に対して世界で初めて承認を取得した酵素補充療法剤です。 a) 対象疾患ムコ多糖症Ⅵ型は先天性代謝異常疾患で、現在、国内で確認されている患者数は数名という極めて希な疾患です。アリルサルファターゼBと呼ばれる酵素の欠損によりデルマタン硫酸やコンドロイチン硫酸といったムコ多糖が分解されずに体内に蓄積する結果、生後1年程度から関節の運動制限や骨変形が認められ、肝腫大・脾腫大、角膜混濁、聴力障害、心弁膜障害等の種々の症状を呈する進行性の疾患です。従来の治療法としては骨髄移植術がありますが、ドナー確保の問題や移植に伴うリスクのため、より安全で有効な治療法が求められていました。 b) 研究開発の概況「ナグラザイム®」は、米国では平成17年5月に、欧州では平成18年1月に販売承認を受けております。国内においても、当社が平成19年8月に同剤の承認申請を行い、平成20年3月に製造販売承認を取得いたしました。 c) 製造体制当社グループが国内で販売するナグラザイム®は、バイオマリンファーマシューティカルインクが米国において製造しております。 d) 販売体制当社グループは、バイオマリンファーマシューティカルインクから国内での販売権を取得し、平成20年4月より販売しております。 (2) 事業の内容当社の医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、及びナグラザイム®の販売による収益によって構成されております。ナグラザイム®に関しては、バイオマリンファーマシューティカルインクから当社が国内での販売権を取得しています。当社グループは、平成20年4月以降ナグラザイム®を国内で販売しており、それによる収益を計上しています。HGF遺伝子治療薬に関しては、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を平成27年6月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、HGF遺伝子治療薬が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受け取る予定です。同様に、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を平成24年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間で外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しております。将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る予定です。
FY2016|5,929 文字|出典 docID: S100A0HN
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社2社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品や医療機器の開発及び販売、ヘルスケア分野の製品に関する研究開発と販売を進めております。当社グループの各社と各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。 <当社とグループ各社の事業における位置付け> 名称主要な事業の内容当社遺伝子医薬品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売、医療機器の研究開発アンジェス インク米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発アンジェス ユーロ リミテッド欧州での遺伝子医薬品などの医薬品開発、事業提携 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。 (1) プロジェクト① HGF遺伝子治療薬当社はHGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療薬を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGF遺伝子に血管新生作用があることが1995年に大阪大学の森下竜一博士(現大阪大学大学院医学研究科臨床遺伝子治療学講座教授)により明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療薬の開発を進めております。 a) 対象疾患血管が詰まることにより生じる疾患には主に、糖尿病などが原因で足の血管が閉塞し血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法の他、カテーテルにより血管を広げる治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。本剤は、既存療法では効果が期待できず、足を切断するリスクがある重症の末梢性血管疾患に対して治療効果が期待されています。本剤は血管が詰まっている部分周辺の筋肉への注射という簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず重症の末梢性血管疾患を対象として開発を進めております。 <注射によるHGF遺伝子治療(末梢性血管疾患)> b) 技術導入の概況当社グループは、本剤の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療薬に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本剤の投与法に関して、米国Vical Incorporated(以下「バイカル社」といいます。)から特許実施権の許諾を受けております。これらの実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本剤の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市された後には、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況当社グループでは、主に末梢性血管疾患及びリンパ浮腫を対象に開発を進めております。 このうち末梢性血管疾患に関しては、国内においては、平成20年に重症虚血肢を有する閉塞性動脈硬化症及びバージャー病を適応症として製造販売承認申請を行ないました。独立行政法人医薬品医療機器総合機構との協議を重ねた結果、国内第Ⅲ相臨床試験において本剤の有効性は確認できたものの、承認取得には更なる臨床データの集積が必要との結論に至ったことから一旦承認申請を取り下げ、追加試験の実施後に再申請することにいたしました。その後平成26年11月に、再生医療等製品の早期の実用化につながる条件及び期限付承認制度を含む「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」が施行されました。当社は、この新しい制度の下で、承認申請を行うことを計画しております。現在、重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬の医師主導臨床研究が先進医療B制度の下で実施されており、当社はこの結果と過去に実施した第Ⅲ相臨床試験の結果をあわせて承認申請を行う方針です。一方海外では、重症虚血肢を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施していましたが、患者の登録に想定より長い期間が必要であることが判明したため、平成28年6月にこの試験を中止しました。現在、より短期間で実施可能な新試験の検討を進めております。またリンパ浮腫に関しては、平成18年にHGF遺伝子治療薬の新たな薬理作用として「リンパ管の新生」が発見されました。リンパ浮腫はリンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患で、現在、有効な治療法がありません。この疾患の病変は上肢、下肢にあり、且つ病変部と正常部の境界が明瞭であるため筋肉注射薬であるHGF遺伝子治療薬の投与に適していること、マウスモデルにおいてリンパ管再生による有効性が検証されていること、さらに末梢性血管疾患を対象とした臨床試験において既に安全性を確認していることなどを勘案すると、HGF遺伝子治療薬はリンパ浮腫に対する初めての標準治療法となることが期待されます。当社は、まず原発性リンパ浮腫を対象として、POC(Proof of Concept:治療コンセプトの正しさを臨床試験で確認すること)の確認を目的とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を国内で実施しております。 d) 製造体制当社グループは、本剤を自社では製造しておらず、他社に委託して製造しております。 e) 販売体制当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しております。同契約に基づき、米国及び国内での販売は田辺三菱製薬株式会社が実施します。 ② NF-κBデコイオリゴDNA遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療薬のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。デコイはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる分子がゲノムに結合してそのスイッチが入ります。デコイはゲノム上の転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。NF-κBは免疫及び炎症反応を強める遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイを患部に投与することで、過剰な免疫反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。 <NF-κBデコイオリゴDNAの作用原理> a) 対象疾患NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与し、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。 b) 技術導入の概況当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。 c) 研究開発の概況NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症を対象とした開発を進めております。本剤は慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待されます。当社は、平成29年3月23日(現地時間)米国食品医薬品局(以下「米国FDA」といいます。)に対し新薬臨床試験開始届け(IND)を申請しました。本申請後30日以内に米国FDAから通知がなければ臨床試験実施が承認されたことになり、平成29年半ばよりカリフィルニア州立大学サンディエゴ校などで第Ⅰb相臨床試験を開始する予定です。過去、アトピー性皮膚炎を対象とした開発を実施していましたが、顔面のアトピー性皮膚炎を対象とした軟膏製剤の第Ⅲ相臨床試験の結果、実薬群とプラセボ群の間で統計学的な有意差がなかったことを平成28年7月に発表しました。現在、試験結果の詳細な解析を進めており、今後の開発方針を検討中です。 d) 製造体制当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。 e) 販売体制当社グループは、外用剤を使った皮膚疾患分野において、全世界における独占的な販売権を塩野義製薬株式会社に付与しております。 ③ 「ナグラザイム®」「ナグラザイム®」は、米国のバイオマリンファーマシューティカルインクによって開発された治療薬であり、ムコ多糖症Ⅵ型に対して世界で初めて承認を取得した酵素補充療法剤です。 a) 対象疾患ムコ多糖症Ⅵ型は先天性代謝異常疾患で、現在、国内で確認されている患者数は数名という極めて希な疾患です。アリルサルファターゼBと呼ばれる酵素の欠損によりデルマタン硫酸やコンドロイチン硫酸といったムコ多糖が分解されずに体内に蓄積する結果、生後1年程度から関節の運動制限や骨変形が認められ、肝腫大・脾腫大、角膜混濁、聴力障害、心弁膜障害等の種々の症状を呈する進行性の疾患です。従来の治療法としては骨髄移植術がありますが、ドナー確保の問題や移植に伴うリスクのため、より安全で有効な治療法が求められていました。 b) 研究開発の概況「ナグラザイム®」は、米国では平成17年5月に、欧州では平成18年1月に販売承認を受けております。国内においても、当社が平成19年8月に同剤の承認申請を行い、平成20年3月に製造販売承認を取得いたしました。 c) 製造体制当社グループが国内で販売するナグラザイム®は、バイオマリンファーマシューティカルインクが米国において製造しております。 d) 販売体制当社グループは、バイオマリンファーマシューティカルインクから国内での販売権を取得し、平成20年4月より販売しております。 (2) ビジネスモデル当社グループでは、以下のビジネスモデルに沿って事業を進めてまいります。 <当社グループの事業領域> 当社グループは、設立以来、遺伝子医薬品の創薬技術・開発技術を活かした事業化を目指しております。遺伝子医薬品とは、HGF遺伝子治療薬やNF-κBデコイオリゴDNAなど核酸医薬品を含んだ総称です。遺伝子医薬の領域は、既存の製薬会社にとってノウハウが少なく、研究開発に取り組みにくい技術分野です。当社グループは、国内外の大学などで生まれた研究成果を積極的に導入し、遺伝子医薬を中心とした次世代バイオ医薬の開発と実用化を進めてまいります。 <一般的な新薬開発のプロセスと期間> プロセス期間内容基礎研究2~3年医薬品ターゲットの同定、候補物質の創製及び絞込み前臨床試験3~5年実験動物を用いた有効性及び安全性の確認試験臨床試験3~7年第Ⅰ相:少数の健康人を対象に、安全性及び薬物動態を確認する試験第Ⅱ相:少数の患者を対象に、有効性及び安全性を確認する試験第Ⅲ相:多数の患者を対象に、有効性及び安全性を最終的に確認する試験申請・承認1~2年国(厚生労働省)による審査 医薬品開発には一般に多額の資金と長い期間が必要とされ、しかも開発の成功確率の点で大きなリスクを伴います。最先端の技術を使い革新的な医薬品開発に挑戦している当社の場合には、特にこれが当てはまります。さらに販売面においても、マーケティング・販売機能を自社で構築するには多額の資金を必要とします。このため、経営資源の限られたベンチャー企業である当社グループは、当社医薬品の販売権を確保したい製薬企業と積極的に提携することで、提携先が持つ医薬品開発力・販売力を活用し、さらに提携先から契約金・マイルストーン及びロイヤリティを受け取ることで、開発・財務面でのリスクを低減することを目指しています。なお当社グループは、事業が未だ先行投資の段階にあるため現時点では親会社株主に帰属する当期純損失を計上しておりますが、事業計画に沿って研究開発を着実に進め、将来、医薬品の販売から得られる収益によって損益を改善し、さらには利益を拡大する計画です。 (3) 事業の内容当社の医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、及びナグラザイム®の販売による収益によって構成されております。ナグラザイム®に関しては、バイオマリンファーマシューティカルインクから当社が国内での販売権を取得しています。当社グループは、平成20年4月以降ナグラザイム®を国内で販売しており、それによる収益を計上しています。HGF遺伝子治療薬に関しては、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を平成27年6月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、HGF遺伝子治療薬が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受け取る予定です。同様に、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を平成24年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。NF-κBデコイオリゴDNAについては、塩野義製薬株式会社との間でアトピー性皮膚炎などを治療する外用剤全般の全世界における独占的な販売権を付与する契約を締結しております。将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る予定です。