研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 0 |
| 2024-12 | - | 1 |
| 2023-12 | - | 1 |
| 2022-12 | - | 1 |
| 2021-12 | - | 1 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,614 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は3,553百万円(前年同期比230百万円(6.1%)の減少)となりました。当社グループは、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化及びゲノム編集技術の研究開発並びにACRLにおける拡大新生児スクリーニングを始め遺伝学的検査、バイオマーカー検査など希少遺伝性疾患検査の開発を行っております。さらに当社は国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。 当社開発プロジェクト ※HGF遺伝子治療用製品の日本国内における条件及び期限付き承認の期間満了に伴い、イスラエルKamada社及びトルコEr-Kim社との契約について両社と見直し中です。 ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)HGF遺伝子治療用製品の開発につきましては、軽度から中等度の包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)に対する米国における後期第Ⅱ相臨床試験で、良好な結果が示されました。その結果、2024年9月にFDAによるブレイクスルー・セラピーに指定されました。その後、FDAと協議を行い、米国における臨床試験を完了とし、BLA申請の準備を進めています。直近では、FDAとType B Clinical Meeting(※1)を実施し、臨床に関する申請方針について合意を得ることができました。2026年内にBLAを提出(段階的提出/Rolling Submission(※2))し、FDAによる審査(Rolling Review(※2))開始を予定しています。また、承認された場合の製品の原薬製造、供給について、ベーリンガー・インゲルハイム・バイオファーマシューティカルズ社と契約を締結し、製品供給体制を構築しました。なお、上記臨床試験結果につきましては、主導医師の論文が米国心臓学会(AHA)の発行する「Circulation: Cardiovascular Interventions」に掲載されました。※1 Type B Clinical Meeting:FDAが定める、医薬品・生物製剤の開発における主要マイルストーンで開催される「正式会合」で、開発中の医薬品や生物製剤において、臨床や製造、品質管理など、申請に向けた重要なポイントについてFDAと共同でデータ要件を確認・協議する場です。協議をとおして、申請の質を高め、審査過程における問題の早期解消を図ることができます。※2 Rolling SubmissionとRolling Review:Rolling Submissionは、FDAによりファストトラックやブレイクスルー・セラピーに指定された製品の審査書類を完成した書類ごとに提出することで、提出された書類を順次審査することをRolling Reviewといいます。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、日本国内における第Ⅱ相臨床試験を実施中で、2026年末迄の登録完了を目指しています。米国において実施した後期第Ⅰ相臨床試験の結果が米国の医学雑誌「The SPINE JOURNAL」に掲載されました。投与1年後でも鎮痛効果が持続するという画期的な結果となったことに加え、椎間板の修復を示唆するデータも得られました。なお、国内の第Ⅱ相臨床試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結しており、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。 ■高血圧治療用DNAワクチン(自社品)高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認しました。今後の開発につきましては、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討を進めてまいります。 ■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結しています。現在、インフルエンザなどのウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした前期第Ⅱ相臨床試験を米国で実施しており、計画した患者登録は完了しましたが、脱落症例に対応する追加の登録を2026年第1四半期末までに完了できるように取り組んでいます。なおAV-001は、2024年5月に米国FDAにより重篤な疾患に対する治療薬やアンメットメディカルニーズに対して有効性が期待される医薬品をより早く患者に届けることを目的としたFast Trackに指定をされました。また、医師主導試験として、新たに血液透析によって認知機能に障害をもたらす細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できるか評価いたします。2026年1月に最初の患者が登録されました。このような新たな適応を含む血管漏出が関与する疾患領域への応用可能性を検討するため、新たなAV-001共同開発契約をVasomune社と締結しました。 EmendoBio社開発プロジェクト ■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にEmendoBio社を子会社化しました。EmendoBio社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※3)を探索・最適化するOMNI Platformを確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※4)を回避できるなど、新たな特徴をもった独自のOMNI ヌクレアーゼを数多く作出し、特許を出願しております。当年度はイスラエルの研究所における研究成果を米国でバックアップする体制を構築し、米国における研究開発活動及び導出などに取り組みました。また、OMNIヌクレアーゼの更なる最適化、効率化などを進めました。なお、2024年3月に、OMNIヌクレアーゼの非独占的ライセンス契約を締結したスウェーデンのバイオ企業であるAnocca社と、2025年9月にライセンスの適用範囲を拡大する契約を新たに締結しました。さらに、スタンフォード大学医学部と共同で、EmendoBio社のゲノム編集技術を活用し新たながんゲノム編集治療法を研究しています。 ※3 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。※4 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。 検査受託サービス及び提携先における開発状況■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託ACRLでは、群馬県、沖縄県等の自治体(又はその関連団体)などから拡大新生児スクリーニング検査を受託しています。この拡大新生児スクリーニングにおいて陽性となった受検者のうち、偽陽性者を選別するための二次スクリーニング手法を新たに開発し、2025年には長野県における拡大新生児スクリーニングと併せて二次スクリーニングの受託を開始しました。さらに、早老症治療薬ゾキンヴィの対象疾患であるHGPS及びPDPLに関して遺伝学的検査体制を整備しました。また、拡大新生児スクリーニングの対象疾患の一部について、治療効果をモニタリングするためのバイオマーカー検査と疾患確定のための遺伝学的検査の受託も開始しています。今後は、まだ体制が整っていないスクリーニング対象疾患についても、バイオマーカー検査体制の構築を進め、希少遺伝性疾患のスクリーニングから診断、治療へと一連の流れを支える包括的な検査体制の提供を目指してまいります。 ■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.(以下「MyBiotics社」といいます。)と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物(SuperDonor)の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第Ⅰ相臨床試験をイスラエルにおいて完了いたしました。しかしながら、中東地域における紛争の影響により、MyBiotics社における研究開発の継続が懸念される状況となっております。
FY2024|4,663 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は3,783百万円(前年同期比23億89百万円(38.7%)の減少)となりました。当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化に取組んでおります。また、究極の遺伝子治療といわれるゲノム編集は、これまで治療の難しかった疾患を対象とした研究開発が進められていますが、当社グループのEmendo社は、独自のゲノム編集技術の開発を進めており、ゲノム編集の分野でも難易度の高い技術を開発しております。さらに、ACRLにおいて、希少遺伝性疾患の検査として拡大新生児スクリーニングの受託を始め、遺伝学的検査、バイオマーカー検査における新たな疾患への取り組みなどを行っております。さらに当社は国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。 当社開発プロジェクト ※HGF遺伝子治療用製品の日本国内における条件及び期限付き承認の期間満了に伴い、イスラエルKamada社及びトルコEr-Kim社との契約について両社と見直し中です。 ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)HGF遺伝子治療用製品の開発につきましては、米国での後期第Ⅱ相臨床試験の結果が良好であったことを踏まえ、今後は米国での開発を優先してまいります。具体的な開発状況としては、米国において、下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験の投与を2023年第1四半期に完了し、2024年6月に試験の速報値により、良好な結果を確認いたしました。この結果から、2024年9月に米国FDAによるブレイクスルー・セラピー(画期的新薬)に指定されました。今後の米国での開発計画については、FDAと協議を進めてまいります。なお、上記臨床試験結果につきましては、主導医師の論文が発表されたのちに詳細をお知らせする予定です。国内におけるHGF遺伝子治療用製品の開発について、2019年3月には国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン」として、慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善を効能効果として条件及び期限付承認を取得し、2019年9月10日より販売を開始し、2023年5月に条件解除に向けた製造販売承認の申請を厚生労働省に提出いたしました。その後、上記のとおり米国での後期第Ⅱ相臨床試験の結果速報値を確認し、日本国内の開発販売戦略を見直した結果、条件解除の申請を一旦取下げ、それに伴い上記承認の期限が満了し、販売を終了いたしました。今後の国内における承認申請につきましては、米国での開発の進捗を踏まえ、検討してまいります。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、米国において椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験を2020年2月に投与完了し、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。さらに、探索的にデータを評価したところ、患者の腰痛の著しい軽減とその効果の持続が認められ、有効性が示唆されました。当連結会計年度においては、2023年10月に開始した日本国内における第Ⅱ相臨床試験において順調に症例の登録を進めております。なお、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。■高血圧治療用DNAワクチン(自社品)高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認しました。今後の開発につきましては、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討を進めてまいります。■新型コロナウイルス感染症DNAワクチン(自社品)2020年から2022年まで実施した研究開発の知見を活かし、プラスミドの発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、並行して、将来発生する可能性のある新たな変異株を視野に入れた改良型DNAワクチン並びにワクチンの経鼻投与製剤の研究を米国スタンフォード大学と共同で実施してまいりました。これまでの研究において新型コロナウイルス感染症を含むウイルス性肺疾患に対するDNAワクチンに適用できる新しい薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)を開発することが出来ました。これにより、当初の目標を達成したことから当該研究開発を終了いたしました。■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)Tie2受容体アゴニスト(AV-001)は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結し、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象に2020年12月より米国において第Ⅰ相臨床試験を実施し、安全性と忍容性を確認いたしました。当初新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象としていましたが、その後、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが急速に進んだことに伴い、第Ⅱ相臨床試験の対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に広げるべく、開発計画を米国FDAと協議し、合意しました。当連結会計年度は、春以降季節的に対象疾患の患者が減少することから症例登録が計画よりも少なくなりました。このような状況に対し、今後も医療機関との連携を進め、2025年度下半期に目標症例数の登録を目指します。なおAV-001は、2024年5月に米国FDAにより重篤な疾患に対する治療薬やアンメットメディカルニーズに対する優秀な医薬品をより早く患者に届けることを目的としたFast Trackに指定をされました。医薬品がFast Track指定を受けると、医薬品開発および審査プロセス全体を通じて、FDAと製薬会社間の早期かつ頻繁なコミュニケーションが可能となります。頻度の高いコミュニケーションにより、質問や問題が迅速に解決され、多くの場合、早期の医薬品承認と患者によるアクセスにつながります。■ゾキンヴィ(一般名:ロナファルニブ)(導入品)当社は、2022年5月に米国の医薬品企業であるEiger BioPharmaceuticals Inc.と、HGPSとPDPLを適応症とする治療薬であるゾキンヴィについて、日本における独占販売契約を締結いたしました。2023年3月に希少疾病治療薬(オーファン・ドラッグ)の指定を受け、2024年1月18日に厚生労働省より製造販売承認を取得いたしました。承認取得により、研究開発は終了し、2024年5月より販売を開始いたしました。*2024年5月にSentynl Therapeutics Inc.に事業譲渡しました。 Emendo社開発プロジェクト ■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。Emendo社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※1)を探索・最適化するOMNI Platformを確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※2)を回避できるなど、新たな特徴をもったOMNI ヌクレアーゼを数多く作出し、特許を出願しております。2024年に入り、知識集約的な研究開発体制に移行するための事業再編成を実施し、Emendo社のイスラエルにある研究施設における研究開発活動を適正化いたしました。また、イスラエルと周辺国との戦争が拡大する状況を踏まえ、イスラエルの研究所における研究成果を米国でバックアップする体制を構築しており、米国における研究開発活動及び導出等の準備を進めております。また、これまでに開発してきたOMNIヌクレアーゼの更なる最適化、効率化などを進めております。なお、2024年3月には、スウェーデンのバイオ企業であるAnocca社と、Emendo社が開発したOMNIヌクレアーゼの非独占的ライセンス契約を締結し、Anocca社が開発しているT細胞受容体改変T細胞(TCR-T)療法による固形がん等の治療にEmendo社の技術が使用されることとなりました。さらに、今後スタンフォード大学医学部と共同で、Emendo社のゲノム編集技術を活用し新たながんゲノム編集治療法の研究を進める予定です。 ※1 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。 ※2 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。 検査受託サービス及び提携先における開発状況■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託ACRLでは、拡大新生児スクリーニング検査をCReARIDのほか、埼玉県、群馬県、沖縄県などの自治体(又はその関連団体)から受託しております。この拡大新生児スクリーニングにおいて陽性となった受検者のうち、偽陽性の受検者を選別するための二次スクリーニング検査方法を開発し、その成果を2024年8月に開催された日本マススクリーニング学会で発表し、当社研究員が「若手優秀演題賞」を受賞いたしました。2025年には長野県における拡大新生児スクリーニングの受託も開始され、当該二次スクリーニングについても併せて対応する予定です。これに加え、早老症治療薬ゾキンヴィの発売に伴い、HGPS及びPDPLの遺伝学的検査を受託できる体制を構築し、希少遺伝性疾患の確定のための遺伝学的検査の受託を開始しました。さらに、治療効果をモニタリングするバイオマーカーの検査について、拡大新生児スクリーニングの対象疾患の一部に対し検査体制を構築いたしました。今後、まだ体制が未整備のスクリーニング検査対象疾患へのバイオマーカー検査の体制構築を進め、希少遺伝性疾患のスクリーニングから診断、治療に至るまでの包括的な検査体制の提供を目指してまいります。■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.(以下「MyBiotics社」といいます。)と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物(SuperDonor)の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第Ⅰ相臨床試験をイスラエルにおいて完了いたしました。しかしながら、今般のイスラエルとパレスチナにおける紛争の影響次第で、MyBiotics社における研究開発の進捗への影響が懸念されます。
FY2023|5,271 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は6,172百万円(前年同期比48億26百万円(43.9%)の減少)となりました。当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化に取組んでおります。また、究極の遺伝子治療といわれるゲノム編集の分野において当社グループのEmendo社は、独自のゲノム編集技術の開発を進めており、ゲノム編集の分野でも難易度の高い技術を開発しております。さらに当社は国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。2024年1月18日には米国Eiger社より導入した所謂早老症治療薬ゾキンヴィが厚生労働省より製造販売承認を取得いたしました。以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。 当社開発プロジェクト *HGPS:ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群 PL:プロジェロイド・ラミノパチー ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)国内における慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品コラテジェンとして、慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善を効能効果として条件及び期限付承認を取得し、2019年9月より販売を開始いたしました。2021年末に製造販売後承認条件評価のための目標症例数である本品投与120例、比較対照80例の患者登録が完了し、2023年5月に条件解除に向けた製造販売承認の申請を厚生労働省に提出いたしました。当第4四半期においては、承認に向けた審査対応を実施いたしました。米国における開発につきましては、2022年末までに下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験の当初目標症例60例の投与を完了し、さらに、脱落例をふまえ、2023年第1四半期に追加症例の登録を完了しております。2023年度においては、投与後の経過観察を実施いたしました。その他、イスラエルでは、2022年に当社の提携先企業Kamada社が、イスラエル保健省に製造販売承認を申請し、現在審査が行われています。また、トルコでは、当社提携先企業Er-Kim社の申請に向け準備を進めておりますが、トルコ政府の財政面の問題等から停滞しております。当社は、コラテジェンの日本及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を田辺三菱製薬と締結しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、米国において椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験を実施し、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性が確認できました。さらに、探索的に有効性を評価したところ、患者の腰痛の著しい軽減とその効果の持続が認められました。当第4四半期においては、第Ⅱ相臨床試験の投与を開始し、日本人における安全性をみるために最初の投与2症例について独立データ安全性モニタリング委員会で評価した結果、安全性に特に問題はなく引き続き第Ⅱ相臨床試験の症例登録をすすめてまいります。なお、当該臨床試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。■高血圧治療用DNAワクチン(自社品)高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認しました。今後の開発につきましては、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討を進めてまいります。■新型コロナウイルス感染症DNAワクチン(自社品)2020年から2022年まで実施した研究開発の知見を活かし、プラスミドの発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、並行して、将来発生する可能性のある新たな変異株を視野に入れた改良型DNAワクチン並びにワクチンの経鼻投与製剤の研究を米国スタンフォード大学と共同で実施しております。これまでの研究において薬剤のデリバリーシステムの改良に関する研究に進捗が見られております。■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)Tie2受容体アゴニストは、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結し、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象に2020年12月より米国において第Ⅰ相臨床試験を実施し、安全性と忍容性を確認いたしました。当初新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象としていましたが、その後、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが急速に進んだことに伴い、第Ⅱ相臨床試験の対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に広げるべく米国FDAに試験計画の変更を申請し、承認を受けました。当第4四半期においては、米国において臨床試験を実施する医療機関を追加するとともに、当社の臨床試験の知見をもとに医療機関との連携を強化し、症例の登録を加速いたしました。2024年度は更なる医療機関との連携を進め年度内の目標症例数の登録を目指してまいります。■ゾキンヴィ(一般名:ロナファルニブ)(導入品)当社は、2022年5月に米国の医薬品企業であるEiger BioPharmaceuticals Inc.(以下「Eiger社」といいます。)と、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーを適応症とする治療薬であるゾキンヴィについて、日本における独占販売契約を締結いたしました。2023年3月に希少疾病治療薬(オーファン・ドラッグ)の指定を受け、2023年5月に厚生労働省に製造販売承認申請を提出いたしました。当第4四半期においては、承認に向けた審査対応を実施し、2024年1月18日に厚生労働省より製造販売承認を取得いたしました。 Emendo社開発プロジェクト ■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。Emendo社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※1)を探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※2)を回避できるなど、新たな特徴をもった新規ヌクレアーゼ(OMNI ヌクレアーゼ)を数多く作出し、特許を出願しております。Emendo社ではOMNI Platformの更なる性能向上、効率化を目指した開発を継続しております。同時にEmendo社では、様々な遺伝子疾患について、その疾患と遺伝子変異の分子機構の理解に基づき、疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNIヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。なかでも、対立遺伝子(※3)配列の一方のみの変異により発症するELANE関連重症先天性好中球減少症(※4)の治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。Emendo社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、早期の米国での臨床試験開始に向けた準備を継続しています。また、家族性高コレステロール血症(FH)を対象とするゲノム編集治療についても臨床試験に向けた研究開発を継続しております。当第4四半期は、今般のガザ地区における紛争の影響で、Emendo社のイスラエルにある研究施設(以下、「Emendo R&D」という)における研究開発が難しくなりました。今後のゲノム編集に関するEmendo社の研究開発活動並びに事業計画策定にあたり、地政学的リスクを考慮する必要が増しております。Emendo社では独自のOMNIヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってまいりましたが、これまで蓄積された大量のデータをベースに、人工知能、なかんずく機械学習を活用し、知識集約的な研究開発体制に移行することを検討しております。以上のように、Emendo社では人工知能の活用を中心とする研究開発機能を集約し、Emendo R&Dの規模もそれに見合ったものに再編成するとともに、その他の機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進することを決定いたしました。イスラエルにおけるEmendo R&Dの施設は継続して使用するものの、研究開発人員を現状から半数以下に削減する検討を始めます。一方米国では、臨床試験の準備を進めているゲノム編集製品並びに他のパイプラインの研究開発を加速するとともに、Emendo社のゲノム編集技術の導出等を進める目的で、米国における体制の強化を加速してまいります。 ※1 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。 ※2 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。 ※3 ヒトの細胞には父親から受継いだ染色体と母親から受継いだ染色体がペアとなって存在しています。それぞれの染色体には基本的に同じ遺伝子が載っており、片方の染色体に載っている遺伝子から見て、もう片方の染色体の同じ場所に載っている遺伝子を対立遺伝子と言います。 ※4 ELANE関連重症先天性好中球減少症:顆粒球系細胞の成熟障害により発症する好中球減少症で、発症すると細菌感染などが起きやすくなり、中耳炎や気道感染症、蜂窩織炎、皮膚感染症を繰り返し、敗血症などにより死亡することもある。 検査受託サービス及び提携先における開発状況■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託ACRLでは現在、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)が展開する拡大新生児スクリーニングである「オプショナルスクリーニング」を受託しております。2023年度は、拡大新生児スクリーニングの受検者が増加したことに加え、こども家庭庁による脊髄性筋萎縮症(SMA)・重症複合免疫不全症(SCID)の2疾患を新生児マススクリーニングに追加する実証事業が発表されるなど希少遺伝性疾患のスクリーニング検査が注目された年となりました。このような状況のもと、いくつかの地方自治体から拡大新生児スクリーニングに関するご相談をいただいており、CReARID以外から2024年上期中の受託開始に向けた準備を進めております。これに加え、希少遺伝性疾患の確定のための遺伝学的検査の技術対応を完了し、来年度から受託を開始する予定で準備を進めています。さらに、治療効果をモニタリングするバイオマーカーの検査については、実施体制の構築を進めており、希少遺伝性疾患のスクリーニングから診断、治療に至るまでの包括的な検査体制の提供を目指してまいります。また、現状のスクリーニング検査における偽陽性判定の削減に向けた検査手法の開発も行っており、スクリーニング検査の精度向上に取り組んでおります。■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBioticsPharma Ltd.(以下「MyBiotics社」といいます。)と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物の製造法を確立しており、イスラエルにおいて第Ⅰ相臨床試験を完了したクロストリジウム・ディフィシル感染症治療薬MBX-SD-202 の米国開発の準備を進め、スイスFerringPharmaceuticalsとその傘下にあるRebiotix Incと細菌性膣炎治療薬の共同開発に取り組んできましたが、今般のイスラエルとパレスチナにおける紛争の影響もあり、MyBiotics社における研究開発の継続が懸念される状況となりました。
FY2022|4,710 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は10,999百万円(前年同期比2億15百万円(+2.0%)の増加)となりました。当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子医薬を中心に医薬品の開発、実用化に取組んでおります。また、究極の遺伝子治療といわれるゲノム編集は、これまで治療の難しかった疾患を対象とした研究開発が進められていますが、当社グループのEmendo社は、独自のゲノム編集技術の開発を進めており、ゲノム編集の分野でも難易度の高い技術を開発しております。さらに当社は、国内外の企業と積極的に提携し、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。以下に、当社グループの開発品並びに当社提携先の開発状況についてご説明いたします。 当社開発プロジェクト ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品)国内における慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」により再生医療等製品の早期実用化を目的とした「条件及び期限付承認制度」を活用し、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として、慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善の効能効果で条件及び期限付承認を取得し、2019年9月10日より発売を開始いたしました。2021年末に製造販売後承認条件評価のための目標症例数である本品投与120例、比較対照80例の患者登録が完了し、2023年春に予定している本承認に向けた申請の準備を進めております。一方、HGF遺伝子治療用製品の適応拡大を目的として、国内において臨床試験を進めておりました慢性動脈閉塞症における安静時疼痛については、主要評価項目である「投与12週後の安静時疼痛の投与前値からの変化量」においてプラセボ群に対して有意差を見出せなかったことから、開発の中止を決定いたしました。米国における開発につきましては、2020年1月より、下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を実施しており、2022年末までに当初目標の60例の投与を完了しております。さらに、脱落例をふまえ、2023年第1四半期に数例の登録追加を予定しております。2023年度においては、投与後の経過観察を実施いたします。その他、イスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品の販売に向け、当社の提携先企業Kamada社は、2022年、イスラエル保健省に製造販売承認申請を提出し、受理されております。また、トルコにおける当社提携先企業Er-Kim社は、トルコ政府の財政面の問題から、販売に向けた準備が停滞しております。当社は、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の日本及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を田辺三菱製薬と締結しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、米国において椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めております。2018年2月より実施した椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験は、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。さらに、探索的にデータを評価したところ、患者の腰痛の著しい軽減とその効果の持続が認められ、有効性も確認できました。今後の開発計画につきましては、2023年1月30日に開示いたしましたとおり、日本国内において開発を進めてまいります。NF-κBデコイオリゴDNAのその他の開発については、これまで「キメラデコイ」の開発を進めておりましたが、今後は、薬剤を目的の場所に効率よく届けるためのドラッグデリバリーシステムの開発を含め、NF-κBデコイオリゴDNAの対応疾患領域や対象地域の拡大を目指して進めてまいります。■高血圧治療用DNAワクチン(自社品)高血圧治療用DNAワクチンについては、オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認し、アンジオテンシンⅡに対する抗体産生を認めました。分析結果は、論文としてHypertension Researchに掲載し、第43回日本高血圧学会総会Late Breaking Abstractでも発表いたしました。今後の開発につきましては、プラスミドDNAの発現に関して、新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なる改善策などの検討を進めてまいります。■新型コロナウイルス感染症DNAワクチン(自社品)当社は、2020年の新型コロナウイルス感染症(武漢型)の感染拡大を受け、プラスミドDNAの技術を用いたワクチンの開発を開始し、臨床試験を実施いたしました。この結果、安全性において問題はなく、細胞性免疫においてある程度の上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることができず、これまでのワクチン開発の中止を決定いたしました。一方、これまでの研究開発の知見を活かし、プラスミドの発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、並行して、将来発生する可能性のある新たな変異株を視野に入れた改良型DNAワクチン並びにワクチンの経鼻投与製剤の研究を開始いたしました。この新たなDNAワクチンの研究は、米国スタンフォード大学と共同で実施してまいります。■Tie2受容体アゴニスト(共同開発品)Tie2受容体アゴニストは、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と共同開発契約を締結し、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品として開発を進めております。2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年12月より米国において、Tie2受容体アゴニストを新型コロナウイルス感染症治療薬として健康成人を対象に第Ⅰ相臨床試験を実施し、安全性と忍容性を確認いたしました。2022年1月より前期第Ⅱ相臨床試験を米国で開始しておりましたが、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが急速に進んだことにより、対象となる新型コロナウイルス感染症肺炎患者の登録は難しい状況となりました。そこで、対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に広げるべく米国FDAに申請し、承認を受けることができました。2023年度は、前期第Ⅱ相臨床試験の目標症例数の登録完了を目指してまいります。■Zokinvy(一般名:ロナファルニブ)(導入品)当社は、2022年5月10日に米国の医薬品企業であるEiger社と、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロジェロイド・ラミノパチーを適応症とする治療薬であるZokinvyについて、日本における独占販売契約を締結いたしました。当社は、一日も早い薬事承認・薬価収載を目指し、希少疾患治療薬(オーファン・ドラッグ)として国内承認取得の準備を進めております。 Emendo社開発プロジェクト ■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。Emendo社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼ(※1)を探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」(※2)を回避できるなど、新たな特徴をもった新規ヌクレアーゼ(OMNI ヌクレアーゼ)を数多く作出し、特許を出願しております。Emendo社ではOMNI Platformの更なる性能向上、効率化を目指した開発を継続しております。同時にEmendo社では、様々な遺伝子疾患について、その疾患と遺伝子変異の分子機構の理解に基づき、疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNI ヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。なかでも、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)の異常によるELANE関連重症先天性好中球減少症(※3)では、対立遺伝子(※4)配列の一方のみの変異により発症するため、その治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。Emendo社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、2023年度中に米国での臨床試験開始に向け、FDAと協議を開始し、2022年11月にプレINDミーティングを実施いたしました。 ※1 新規CRISPRヌクレアーゼ:ゲノム編集で使用する新たなRNA誘導型DNA切断酵素で、ガイドRNAで規定した塩基配列を識別し、その標的とした塩基配列を切断する。 ※2 オフターゲット効果:ゲノム編集で、DNA鎖上の目的とする塩基配列以外の別の領域に、意図せぬ突然変異を引き起こしてしまうこと。 ※3 ELANE関連重症先天性好中球減少症:顆粒球系細胞の成熟障害により発症する好中球減少症で、発症すると細菌感染などが起きやすくなり、中耳炎や気道感染症、蜂窩織炎、皮膚感染症を繰り返し、敗血症などにより死亡することもある。 ※4 ヒトの細胞には父親から受継いだ染色体と母親から受継いだ染色体がペアとなって存在しています。それぞれの染色体には基本的に同じ遺伝子が載っており、片方の染色体に載っている遺伝子から見て、もう片方の染色体の同じ場所に載っている遺伝子を対立遺伝子と言います。 検査受託サービス及び提携先における開発状況■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRLの検査受託2021年4月に、希少遺伝性疾患検査を主目的とし、川崎生命科学・環境研究センターにACRLを開設いたしました。ACRLでは現在、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)が展開する「オプショナルスクリーニング」事業における検査業務を受託しております。今後、各自治体や民間の検査センターとの連携も含め新生児を対象とした追加スクリーニング検査の受託拡大を図るとともに、希少遺伝性疾患の確定検査や治療効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進めてまいります。 ■マイクロバイオームを用いた治療薬・サプリメントなどの開発当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルのMyBiotics社と2018年7月に資本提携しております。MyBiotics社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物(SuperDonor)の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第Ⅰ相臨床試験をイスラエルにおいて完了し、今後の開発を米国で実施するべく、FDAと協議を行っております。
FY2021|3,724 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は10,783百万円(前年同期比69億87百万円(+184.1%)の増加)となりました。当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子治療を中心に医薬品開発に取り組んでおります。中でも2019年末から拡大している新型コロナウイルス感染症に関しては、予防用のワクチンと治療薬の二軸で、国内外において開発を進めております。また、究極の遺伝子治療であるゲノム編集においては、先進の技術を持つEmendo社を子会社とし、共にゲノム編集技術を用いて、いままで治療法のなかった疾患に対する医薬品開発を進めてまいります。具体的には、患者の治療に際し安全に使うことのできるEmendo社の新たなゲノム編集ツールを作出する技術(OMNI Platform)を活用し、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)関連重症先天性好中球減少症を対象疾患とした開発品のプロジェクト化を検討しております。 2019年9月に製品化したHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、適応拡大及び米国での承認を目指して、国内外で臨床試験を実施しております。導出に向けた活動も積極的に行い、イスラエルのKamada社、トルコのEr-Kim社とそれぞれイスラエル、トルコにおける独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しております。椎間板性腰痛症を対象としてNF-κBデコイオリゴDNAや高血圧DNAワクチンの開発も継続して行っております。 当社は、海外企業との提携も積極的に行い、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。 ■新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチン(自社品)当社は、プラスミドDNAの技術を用いて2020年3月より大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンの開発を開始し、これまでに第Ⅰ/Ⅱ相および第Ⅱ/Ⅲ相の臨床試験を実施しました。これらの分析の結果、安全性において問題はなく、細胞性免疫においてある程度の上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることができず、今後さらに有効性を高める必要があることを確認いたしました。さらに有効性を高めるための取り組みとして、高用量製剤での第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、接種方法を筋肉注射と皮内投与の2種類とし、プラセボ(偽薬)なしの実薬のみで、目標症例数400例にて実施し、2021年11月に目標症例の接種を完了しました。■新型コロナウイルス感染症治療薬(共同開発品)当社は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発契約を締結しました。現在AV-001を新型コロナウイルス感染症治療薬として、2020年12月より健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験を米国において実施し、安全性と忍容性を認め、良好な結果を確認しました。2022年1月に前期第Ⅱ相臨床試験を米国で開始しております。 ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品) 慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」により再生医療等製品の早期実用化を目的とした「条件及び期限付承認制度」(2014年11月施行)を活用し、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として、慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善の効能効果で条件及び期限付承認を取得し、2019年9月10日より発売を開始いたしました。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります。2021年末に製造販売後承認条件評価のための目標症例数である「コラテジェン®」投与120例、比較対照(「コラテジェン®」非投与)80例の患者登録が完了いたしました。田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」といいます。)と当社は、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売に関し、日本及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売を担当いたしております。海外開発については、米国において2020年1月より、下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験を実施しております。「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、国内において慢性動脈閉塞症における安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より実施しており、2021年12月に目標症例の投与を完了しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNA核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めております。2018年2月より椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験は、投与後の観察期間6カ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高いうえ、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。さらに、探索的にデータを評価したところ、患者の腰痛の著しい軽減とその効果の持続が認められ、有効性も確認できました。現在、第Ⅱ相臨床試験へ向けた準備を進めています。核酸医薬デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイオリゴDNAとして、炎症に関わるNF-κBとSTAT6という2つの重要な転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイオリゴDNAと比較して、より強力で幅広い炎症抑制効果を発揮することが期待されます。■高血圧DNAワクチン(自社品)当社グループは、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、高血圧治療用DNAワクチンの開発を進めております。オーストラリアでの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験は投与後の初期の試験結果の評価を行ったところ、重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認し、アンジオテンシンⅡに対する抗体産生を認めました。分析結果は、論文としHypertension Researchに掲載し、第43回日本高血圧学会総会Late Breaking Abstractでも発表いたしました。今後、安全性、免疫原性および有効性を評価する試験の実施に向けて継続的に検討を行ってまいります。 新規研究開発プロジェクト及び新規事業プロジェクト■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。Emendo社のゲノム編集技術は、高い効率と精度を両立したゲノム編集を可能にする画期的かつ実用的な独自技術です。具体的には、患者の治療に際し安全に使うことのできるEmendo社の新たなゲノム編集ツールを作出する技術(OMNI Platform)を活用し、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)関連重症先天性好中球減少症を対象疾患とした開発品のプロジェクト化を検討しております。■希少遺伝性疾患検査を主目的としたACRL開設2021年4月に、希少遺伝性疾患検査を主目的とし、川崎生命科学・環境研究センターにACRLを開設いたしました。当面、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)が展開する「オプショナルスクリーニング」事業の規模拡大、対象疾患の拡充をサポートする活動をいたします。今後、希少遺伝性疾患検査の拡大を目指して、現在実施している新生児を対象としたスクーリング検査に加え、新生児だけでなくすべての患者様に対して、確定検査や治療効果をモニタリングするバイオマーカーの検査など、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制の構築を進めてまいります。 ■マイクロバイオームを用いた疾患予防・健康維持当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治療薬や健康維持のサプリメントを開発しているイスラエルMyBiotics Pharma Ltd.と2018年7月に資本提携し、1人1人の健康状態・体質に合った腸内細菌を見つけ出し、それらを含む医薬品やサプリメントを開発することを目指しています。■Brickell Biotech社(旧:バイカル社)との戦略的な開発協力当社と2016年12月に戦略的事業提携を締結したバイカル社は、2019年8月に米国のBrickell Biotech,Inc.との合併契約を締結し、合併後の新社名はBrickell Biotech, Inc.となりました。同社とは2020年9月に新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの米国での臨床開発に関する共同開発契約を締結しました。
FY2020|2,839 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は3,796百万円(前年同期比15億81百万円(+71.4%)の増加)となりました。当社グループは、“遺伝子医薬のグローバルリーダー”を目指し、遺伝子治療を中心に医薬品開発に取り組んでおります。中でも2019年末から拡大している新型コロナウイルス感染症に関しては、予防用のワクチンと治療薬の二軸で、国内外で開発を進めております。また、究極の遺伝子治療であるゲノム編集においては、先進の技術を持つEmendo社を完全子会社とし、共にゲノム編集技術で、いままで治療法のなかった患者にお届けできる医薬品開発を進めてまいります。 2019年9月に製品化したHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、適応拡大及び米国での承認を目指して、国内外で臨床試験を実施しております。導出に向けた活動も積極的に行い、トルコのEr-Kim社と独占販売契約を締結いたしました。椎間板性腰痛症を対象としてNF-κBデコイオリゴDNAや高血圧向けDNAワクチンの開発も継続して行っております。当社は、海外企業との提携も積極的に行い、有望な医薬品の実用化に向けて共同開発を進めております。 ■新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチン(自社品)当社は、プラスミドDNAの技術を用いて2020年3月より大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症に対する予防用ワクチンの開発を開始し、現在第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施しております。■新型コロナウイルス感染症治療薬(共同開発品)当社は、カナダのバイオ医薬品企業であるVasomune社と急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発契約を締結し、現在AV-001を新型コロナウイルス感染症治療薬として、2020年12月より健康成人を対象とした第Ⅰ相臨床試験を米国において実施し、安全性と忍容性を認め、良好な結果を確認しました。引き続き、第Ⅱ相臨床試験の準備を進めます。 ■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド)(自社品) 慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」により再生医療等製品の早期実用化を目的とした「条件及び期限付承認制度」(2014年11月施行)を活用し、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として、慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善効能効果で条件及び期限付承認を取得し、2019年9月10日より発売を開始いたしました。田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」といいます。)と当社は、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売に関し、日本及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売を担当いたしております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を2024年までに行い、本承認取得を目指してまいります。海外開発については、米国において2020年1月より、下肢潰瘍を有する閉塞性動脈硬化症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を実施しております。 「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、国内において慢性動脈閉塞症における安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNA核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めております。2018年2月より椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅰb相臨床試験は、投与後の観察期間6カ月間を経た結果として、患者の忍容性は高いうえ、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。さらに、探索的にデータを評価したところ、患者の腰痛に著しい軽減とその効果の持続が認められ、有効性も確認できました。今後12ヵ月後までの結果を踏まえて、第Ⅱ相臨床試験へ移行することとなります。 核酸医薬デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイオリゴDNAの研究を行っており、NF-κBとSTAT6という2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイオリゴDNAの作用に加えてさらに多くの炎症に関係する因子を抑制し幅広い作用を発揮することが期待されます。■高血圧治療用DNAワクチン(自社品)当社グループは、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、高血圧治療用DNAワクチンの開発を進めております。オーストラリアでの第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験は投与後の初期の試験結果の評価を行ったところ、重篤な有害事象はなく、安全性に問題がないことを確認し、アンジオテンシンⅡに対する抗体産生を認めました。今後、安全性、免疫原性および有効性を評価する試験を継続的に行ってまいります。 新規研究開発プロジェクト及び新規事業プロジェクト■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品開発当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社へ追加出資し、完全子会社化しました。Emendo社のゲノム編集技術は、高い効率で正確なゲノム編集を可能にする画期的かつ実用的な独自技術です。■マイクロバイオームを用いた疾患予防・健康維持当社は、腸内細菌叢を利用した疾患治癒の薬品や健康維持のサプリメントについて開発しているイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.と2018年7月に資本提携し、1 人 1 人の健康状態・体質に合った腸内細菌を見つけ出し、それらを含む薬品やサプリメントを開発することを目指しています。■診断事業への参入当社は、事業基盤拡大を目的としイスラエルのバイオハイテク企業Barcode Diagnostics Ltd.が開発した、個々のがん患者にとって最適な抗がん剤を迅速に特定する診断技術の早期実用化に向け、2020年2月に公益財団法人がん研究会と共同研究契約を締結いたしました。■Brickell Biotech,Inc.(旧:バイカル社)との戦略的な開発協力当社と2016年12月に戦略的事業提携を締結したバイカル社は、2019年8月に米国のBrickell Biotech, Inc.との合併契約を締結し、合併後の新社名はBrickell Biotech, Inc.となりました。同社とは2020年9月に新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの米国での臨床開発に関する共同開発契約を締結しました。
FY2019|1,608 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は2,215百万円(前年同期比3億24百万円(△12.8%)の減少)となりました。■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品) 慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」により再生医療等製品の早期実用化を目的とした「条件及び期限付承認制度」(2014年11月施行)を活用し、2018年1月に厚生労働省に対し再生医療等製品の製造販売承認申請を行い、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として、慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善効能効果で条件及び期限付承認を取得し、9月10日より発売を開始いたしました。田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」)と当社は、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売に関し、日本国内及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売を担当いたしております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を5年以内に行い、本承認取得を目指してまいります。また、この「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。試験期間は約2年間で、症例数は約40例を予定しています。海外での開発については、米国において2020年より、下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を開始いたしました。また、2019年2月にイスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNANF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています。2018年2月より椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅰb相臨床試験を実施し、2020年2月に予定した25例の患者投与が完了いたしました。デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6という2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。 ■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品) 当社は、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの開発を進めています。2017年7月にオーストラリア規制当局(TGA)に治験届け(CTN)を提出し、2018年4月より第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を実施しておりましたが、2020年3月に予定していた24例の患者投与が完了いたしました。 ■バイカル社(現:Brickell Biotech社)との戦略的な事業協力当社と2016年12月に戦略的事業提携を締結したバイカル社は、2019年8月にBrickell Biotech社との合併契約を締結し、合併後の新社名はBrickell Biotech社となりました。Brickell Biotech社とは今後の提携関係を精査中です。 ■Vasomune社との提携当社は、2018年7月にVasomune社と全世界を対象とした、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発に合意、契約締結したことを発表いたしました。現在、非臨床段階の共同開発を進めております。
FY2018|1,676 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は25億39百万円(前年同期比60百万円(△2.3%)の減少)となりました。 当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。 ■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品) 重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の開発については、条件及び期限付承認制度(2014年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」で導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用し、2018年1月に厚生労働省に対し再生医療等製品の製造販売承認申請を行っておりましたが、2019年3月26日に国内初の遺伝子治療薬として、条件及び期限付製造販売承認を取得いたしました。海外での開発については、2016年6月に決定した開発計画の変更に基づき、米国での新試験計画の策定を進めております。なお、日本国内及び米国におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権の許諾について、田辺三菱製薬株式会社と契約を締結しております。また、2019年2月にイスラエルにおけるHGF遺伝子治療薬の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。 ■NF-κBデコイオリゴDNANF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています。当社は、2017年4月に米国FDAから新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を受け、2018年2月より第Ⅰb相臨床試験を実施、現在当初計画より若干の遅れがあるものの特段の問題なく患者登録中です。 デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6という2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。 ■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品) 当社は、遺伝子治療薬、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの開発を進めています。当社は、2017年7月にオーストラリア規制当局(TGA)に治験届け(CTN)を提出、2018年4月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施、現在特段の問題なく計画通りに患者登録中です。 ■バイカル社との戦略的な事業協力当社は、2016年12月にバイカル社と戦略的事業提携を締結し、共同開発を進めていくことで合意しています。本戦略的提携に基づく最初の具体案件として、2017年4月に慢性B型肝炎の完治を目指した遺伝子治療薬を共同開発することで合意、契約締結したことを発表いたしました。同契約において当社は、日本における開発・販売権を対象とした優先交渉権を獲得しております。今後も、さらなる共同開発の可能性を含め、協力の具体策を検討してまいります。 ■Vasomune社との提携 当社は、2018年7月にVasomune社と全世界を対象とした、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発に合意、契約締結したことを発表いたしました。現在、非臨床段階の共同開発を進めております。 医薬品・医療機器の開発の状況(自社品)区分製品名/プロジェクト適応症地域開発段階主な提携先医薬品 HGF遺伝子治療薬重症虚血肢(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)日本条件及び期限付製造販売承認取得田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)米国試験計画中田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)NF-κBデコイオリゴDNA椎間板性腰痛症 第Ⅰb相試験(米国)未定高血圧DNAワクチン 高血圧症 第Ⅰ/Ⅱ相試験(オーストラリア) 未定
FY2017|2,771 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は26億円(前年同期比15億88百万円(△37.9%)の減少)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の国際第Ⅲ相臨床試験にかかる費用が減少したことにより、研究用材料費が2億円、外注費が13億99百万円減少しております。 当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。 ■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品) 重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の開発については、国内では大阪大学医学部附属病院が主導する医師主導型臨床研究を平成26年10月より実施してまいりました。今回、申請が可能となる結果を得ることができたことから、条件及び期限付承認制度(平成26年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」で導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用し、今回の結果と既存の臨床データ等を併せ、平成30年1月22日、厚生労働省に対し再生医療等製品の製造販売承認申請を行っております。海外での開発については、平成28年6月に決定した開発計画の変更に基づき、米国での新試験計画の策定を進めております。なお、日本国内及び米国におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権の許諾について、田辺三菱製薬株式会社と契約を締結しております。 リンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患であるリンパ浮腫に対する治療薬の実用化を目指したHGF遺伝子治療薬の開発については、平成25年10月に原発性リンパ浮腫患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始し、平成28年4月に症例登録を完了したことを発表いたしました。データ解析の結果、主要評価項目である浮腫の体積に大きな減少は認められなかったため、当社が実施する企業治験としては次の段階に進まないことを決定いたしました。ただし、医師主導治験・臨床研究の実施には協力し、よい結果が得られた場合には将来的に自社開発を再開する可能性があります。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品)NF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています(開発コード:AMG0103、注射剤)。当社は、平成29年4月に米国FDAから新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を受け、平成30年2月より、第Ⅰb相臨床試験を開始しております。 アトピー性皮膚炎の治療薬(開発コード:AMG0101、軟膏剤)の開発については、平成27年3月から国内第Ⅲ相臨床試験を進めてまいりました。本試験については、解析速報において主要評価項目でプラセボ群に対する統計学的な有意差が示されなかったことを平成28年7月5日に発表いたしました。現在、試験の詳細な解析結果に基づき、今後の開発方針について検討しております。なお、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患適応について、当社は塩野義製薬株式会社に対し全世界における独占的な販売権を許諾する契約を締結しております。デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6という2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。 ■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品) 当社は、遺伝子治療薬、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの開発を進めています。オーストラリアにおける臨床試験開始に向け、同国の規制当局に治験届けを提出したことを平成29年7月20日に発表いたしました。臨床試験準備は完了し、今後対象患者が特定され次第、第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始いたします。 ■バイカル社との戦略的な事業協力当社は、平成28年12月8日にバイカル社と戦略的事業提携を締結し、共同開発を進めていくことで合意しています。本戦略的提携に基づく最初の具体案件として、平成29年4月4日に慢性B型肝炎の完治を目指した遺伝子治療薬を共同開発することで合意、契約締結したことを発表いたしました。また、同契約において当社は、日本における開発・販売権を対象とした優先交渉権を獲得しております。今後も、さらなる共同開発の可能性を含め、協力の具体策を検討してまいります。また当社は、がん治療薬 Allovectin®(アロベクチン)に関し、バイカル社よりアジアの開発権を取得しており、開発計画を検討してきましたが、有望な対象市場が存在しないことからプロジェクトを継続しないことを決定いたしました。 ■CIN治療ワクチン(GLBL101c、導入・導出開発品) 当社は、韓国のBioLeaders Corporation(以下「バイオリーダース社」といいます。)より、子宮頸がん前がん病変(CIN) の治療ワクチン(CIN治療ワクチン)について日米英中の開発、製造、使用および販売の独占的実施権を取得しています。本開発品については、当社が保有する権利を森下仁丹株式会社に独占的に再許諾する契約を平成28年12月に同社と締結し、本開発品の開発主体は当社から森下仁丹株式会社に移管されました。今後は商業化時のロイヤリティを受け取ります。 医薬品・医療機器の開発の状況(自社品)区分製品名/プロジェクト適応症地域開発段階主な提携先 医薬品 HGF遺伝子治療薬重症虚血肢(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)日本製造販売承認申請済み田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)米国試験計画中田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)高血圧DNA治療 ワクチン高血圧症 第Ⅰ/Ⅱ相試験準備完了(オーストラリア)未定NF-κBデコイオリゴDNAアトピー性皮膚炎日本(軟膏剤)第Ⅲ相試験終了※1塩野義製薬株式会社 (販売権供与(全世界))椎間板性腰痛症 第Ib相試験(米国)未定 ※1 主要評価項目においてプラセボ投与群との間に統計学的な有意差は示されませんでした。詳細な解析結果に基づき、今後の開発方針を検討中です。(導入開発品)区分製品名/プロジェクト適応症当社の権利開発段階導入元医薬品 CIN治療ワクチン子宮頸がん前がん病変日米英中の開発販売権 研究者主導臨床研究(日本)バイオリーダース社 (韓国)から導入し、森下仁丹株式会社に導出
FY2016|3,387 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度における研究開発費は41億88百万円(前年同期比6億55百万円(+18.6%)の増加)となりました。主に、HGF遺伝子治療薬の臨床試験にかかる費用、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎治療薬の第Ⅲ相臨床試験にかかる費用及び椎間板性腰痛症の非臨床試験にかかる費用が増加したことにより、研究用材料費が34百万円、外注費が6億24百万円増加しております。 当社グループでは、以下のプロジェクトを中心に研究開発を進めました。 ■HGF遺伝子治療薬(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品)重症虚血肢を対象疾患としたHGF遺伝子治療薬の海外での開発については、平成28年6月に決定した開発計画の変更に基づき、早期に承認申請データを取得することを目的とした米国での試験計画の策定を進めております。今後、新たな第Ⅲ相臨床試験について米国FDAと協議を開始する予定です。国内では、大阪大学附属病院が主導する医師主導型臨床研究が平成26年10月より実施されております。当社は、この臨床研究の結果も合わせ、条件及び期限付承認制度(平成26年11月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」で導入された再生医療等製品の早期実用化を目指した新しい承認制度)を活用することで重症虚血肢を対象とした日本国内での承認申請を行うことを目指しております。なお、日本国内におけるHGF遺伝子治療薬の末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権の許諾については、田辺三菱製薬株式会社と平成27年6月に契約を締結しております。 リンパ管の障害によりリンパ流が停滞して手足等が高度に腫れる疾患であるリンパ浮腫に対する治療薬の実用化を目指したHGF遺伝子治療薬の開発については、平成25年10月に原発性リンパ浮腫患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始し、平成28年4月に症例登録を完了したことを発表いたしました。この試験は世界で初めてのリンパ浮腫に対する遺伝子治療薬の臨床試験であり、原発性リンパ浮腫患者に対するHGF遺伝子治療薬の有効性と安全性を探索的に確認することを目的としております。 ■NF-κBデコイオリゴDNA(自社品) NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎の治療薬(AMG0101、軟膏剤)の開発については、平成27年3月から国内第Ⅲ相臨床試験を進めてまいりました。本試験については、解析速報において主要評価項目でプラセボ群に対する統計学的な有意差が示されなかったことが判明し平成28年7月5日に発表いたしました。現在、試験の結果を詳細に解析しており、今後の開発方針について検討しております。なお、NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患適応について、当社は塩野義製薬株式会社に対し全世界における独占的な販売権を許諾する契約を締結しております。 NF-κBデコイオリゴDNAの新たな適用疾患として椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています(AMG0103、注射剤)。当社は、平成29年3月23日(現地時間)米国FDAに対し新薬臨床試験開始届け(IND)を申請しました。本申請後30日以内に米国FDAから通知がなければ、臨床試験実施が承認されたことになり、平成29年半ばよりカリフォルニア州立大学サンディエゴ校などで第Ⅰb相臨床試験を開始する予定です。 NF-κBデコイオリゴDNAをPTAバルーンカテーテルの外表面に塗布した新規医療機器(AMG0102、薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル)の開発については、透析シャントの血管狭窄を有する被験者を対象とした臨床試験を平成24年9月より開始し、平成27年1月に当該臨床試験の症例登録を完了後、同9月に全症例の観察期間が終了いたしました。データ解析の結果、本製品の治療群と既存のPTAバルーンカテーテル群の間で主要評価項目について統計学的な有意差は得られなかったため、本製品の開発を中止することを決定し、提携先であったメディキット株式会社との共同開発契約を終了したことを平成28年12月6日に発表いたしました。 デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6の2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の基盤技術開発を完了し、この開発を進めていく方針を決定いたしました。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。また、新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)技術に関する共同研究契約を大阪大学と締結いたしました。DDSとは、必要な量の薬物を目標とする細胞に効率的に送達するための技術です。当社が開発を手がける遺伝子医薬は、従来の低分子医薬とは異なる新たなメカニズムで効果を発揮します。反面、低分子医薬に比べサイズが大きいため細胞内に入りにくいという課題があります。このため、DDSの開発は遺伝子医薬の実用化において極めて重要です。まずはこの新規DDS技術をキメラデコイに適用し、炎症性疾患向けの治療薬への応用を検討いたします。 ■CIN治療ワクチン(GLBL101c、導入・導出開発品) 当社は、韓国のBioLeaders Corporation(以下「バイオリーダース社」といいます。)より、子宮頸がん前がん病変(CIN) の治療ワクチン(CIN治療ワクチン)について日米英中の開発、製造、使用及び販売の独占的実施権を取得しています。本開発品については、当社が保有する権利を森下仁丹株式会社に独占的に再許諾する契約を平成28年12月6日に同社と締結し、同日発表いたしました。当社は同社から契約一時金を受領しており、今後商業化時のロイヤリティを受け取ります。同契約により、本開発品の開発主体は当社から森下仁丹株式会社に移管されます。 ■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品) 当社は遺伝子治療薬、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を本格化させることとし、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの臨床開発を開始することを決定いたしました。平成29年度の臨床試験開始に向け、現在,準備を進めております。 ■バイカル社との戦略的な事業協力 当社は平成28年12月8日にバイカル社と戦略的事業提携を締結し、DNAワクチン分野を中心に広範な事業協力を進めていくことで合意しました。今後、共同開発の可能性を含め、協力の具体策を検討してまいります。 また当社は、がん治療薬 Allovectin®(アロベクチン)に関し、バイカル社よりアジアの開発権を取得しており、開発計画を検討しております。 医薬品開発の状況(自社品)区分製品名/プロジェクト適応症地域開発段階主な提携先 医 薬 品 HGF遺伝子治療薬重症虚血肢(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)日本 第Ⅲ相終了、医師主導臨床研究※1田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)米国第Ⅲ相計画中田辺三菱製薬株式会社(販売権供与)リンパ浮腫日本第I/Ⅱ相未定高血圧DNA治療 ワクチン高血圧症 第Ⅰ相準備中(オーストラリア)未定NF-κBデコイオリゴDNAアトピー性皮膚炎日本(軟膏剤)第Ⅲ相終了※2塩野義製薬株式会社(販売権供与(全世界))椎間板性腰痛症 第Ib相準備中(米国)未定 ※1 日本は今後、条件及び期限付承認制度を活用して承認申請を行う計画です。 ※2 主要評価項目においてプラセボ投与群との間に統計学的な有意差は示されませんでした。詳細な結果を検証し、今後の開発方針を決定する予定です。 (導入開発品)区分製品名/プロジェクト適応症当社の権利開発段階導入元医 薬 品 CIN治療ワクチン子宮頸がん前がん病変日米英中の開発販売権 研究者主導臨床研究(日本)バイオリーダース社 (韓国)から導入し、森下仁丹株式会社に導出Allovectin®(遺伝子治療薬)癌全般アジアの開発販売権検討中バイカル社(米国)