4218

ニチバン(4218)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 粘着技術を基盤とした多角化
    ニチバンは、粘着技術と高分子技術を核に、医薬品、各種粘着テープ、接着剤、関連機械器具の製造販売を行っています。絆創膏などの医療品から、産業用粘着テープ、文具・事務用品まで幅広い製品を提供し、多様な市場ニーズに応えることで収益を上げています。
  • 製品の製造と販売体制
    製品は主に自社で製造していますが、一部の子会社(ニチバンメディカル、ニチバンプリント、ニチバンテクノ)にも製造を委託しています。販売は国内だけでなく、NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が東南アジア・南アジア・中東地域を、NICHIBAN EUROPE GmbHが欧州地域を担当し、グローバルに展開しています。
  • セグメント別の事業展開
    事業は大きく「メディカル事業」と「テープ事業(工業品・ステーショナリー)」に分かれています。メディカル事業では絆創膏などを、テープ事業では産業用や文具用の粘着テープなどを扱っており、それぞれの市場特性に合わせた戦略で収益を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医療事業(Medical Business)
    このセグメントは、主に絆創膏などの医薬品を扱っており、売上高245.84億円、営業利益66.16億円と、ニチバングループの収益の柱となっています。国内での製造販売に加え、子会社を通じて東南アジア、南アジア、中東、欧州地域へも展開し、グローバルな医療ニーズに応えています。
  • テープ事業(Tape Business)工業品
    このセグメントは、産業用粘着テープの製造販売が中心で、売上高248.73億円、営業利益7.06億円を計上しています。子会社への製造委託や海外子会社による販売も行い、国内外の産業分野に貢献しています。
  • テープ事業(Tape Business)ステーショナリー
    文具・事務用品向けの粘着テープなどを扱うセグメントです。工業品と同様に、子会社への製造委託や海外子会社を通じた販売網を持ち、オフィスや家庭での需要に応える製品を提供しています。売上高はテープ事業全体で計上されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MedicalBusiness 地域 246 66 26.9%
TapeBusiness 地域 249 7 2.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,266 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社5社、関連会社3社及びその他の関係会社1社で構成しております。その主な事業内容は、粘着技術を基盤に高分子技術を駆使して、布・紙・セロファン・プラスチックをベースとした医薬品、各種感圧性粘着テープ及び接着剤並びにそれらに関連する機械器具の製造販売であります。なお、当社グループの製品・商品は、医薬品業界向けの絆創膏等、産業用粘着テープ業界及び文具・事務用品業界向けの粘着テープ等に大別され、セグメントもこの区分によっております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 メディカル事業メディカル…………当社が製造販売する他、子会社であるニチバンメディカル㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、その他の関係会社である大鵬薬品工業㈱とはその子会社を通じ製品の販売及び半製品の仕入を行っております。 テープ事業工業品………………当社が製造販売する他、子会社であるニチバンプリント㈱及びニチバンテクノ㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、関連会社である㈱飯洋化工及びUNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.よりその親会社を通じ商品の仕入を、大東化工㈱より各種フィルム製品の仕入を行っております。ステーショナリー…当社が製造販売する他、子会社であるニチバンプリント㈱及びニチバンテクノ㈱に製造を委託し、東南アジア・南アジア・中東地域へは、子会社であるNICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.が、欧州地域へは、子会社であるNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を行っております。また、関連会社であるUNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.より、その親会社を通じ商品の仕入を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 子会社及び関連会社の名称及び業務内容は次のとおりであります。連結子会社ニチバンプリント㈱粘着テープ・ラベル・テープ用巻心等の製造販売ニチバンテクノ㈱粘着テープ・テープ用カッター・テープ用巻心等の製造販売ニチバンメディカル㈱医薬部外品・医療機器・医療補助用テープ等の製造販売NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.当社グループ製品の東南アジア・南アジア・中東地域への販売NICHIBAN EUROPE GmbH当社グループ製品の欧州地域への販売 持分法適用関連会社㈱飯洋化工粘着テープの製造UNION THAI-NICHIBAN CO.,LTD.粘着テープの製造大東化工㈱機能性フィルムの製造

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格高騰に対し製品・商品価格への適正な転嫁を図る方針があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の高い技術力と確かな品質を軸に、高機能・高付加価値製品を提供している。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:原材料価格の変動リスク及び特定の購入先からの供給リスク / 市場動向、需要変化に関するリスク / 価格競争のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

「ニチバン」ブランドは一般用医薬品・衛生用品分野で認知度が高い。特に「ばんそうこう」の代名詞的存在であり、長年の信頼が蓄積されている。しかし、特許や独占的IPによる明確な競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

一般用医薬品・衛生用品は、価格や利便性で選ばれることが多く、顧客のスイッチング・コストは低い。ただし、長年のブランドロイヤリティや使い慣れた製品からの乗り換えには一定の心理的ハードルが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品はBtoCおよびBtoBで利用されるが、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるネットワーク効果は観察されない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学メーカーとしての生産効率や調達力は一定程度存在するが、競合他社と比較して構造的なコスト優位性を示す明確な証拠はない。規模の経済による恩恵は限定的。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

一般用医薬品・衛生用品市場において一定のシェアを持つが、グローバルな化学メーカーと比較すると規模は小さく、業界全体を代表するような寡占状態にはない。国内市場での一定の地位は確保。

  • 粘着技術と高分子技術
    ニチバンは長年にわたり培ってきた粘着技術と高分子技術を基盤としています。これにより、医療用から産業用、文具用まで幅広い用途に対応できる高品質で多様な製品を開発・製造しており、これが他社との差別化につながる強みとなっています。
  • グローバルな製造販売網
    国内の子会社だけでなく、タイやドイツの子会社を通じて東南アジア、中東、欧州といった広範な地域に製品を販売しています。このグローバルな供給・販売体制は、特定の地域市場の変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を築く上で有利に働きます。
  • 多様な製品ポートフォリオ
    医薬品(絆創膏など)、産業用粘着テープ、文具・事務用品用粘着テープといった多岐にわたる製品群を持つことで、特定の市場の景気変動や需要変化の影響を受けにくい事業構造を構築しています。これにより、安定した経営基盤を維持できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループの経営理念は、「粘着の分野を原点として新たな価値を創造する技術で快適な生活に貢献し続ける」ことで「当社グループにかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。この理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する取組を進めてまいります。当社グループは、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープ®」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、今後の企業価値及び株主価値を高めるため、収益性重視の観点から営業利益とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点からROE(自己資本当期純利益率)としております。中期経営計画「CREATION 2026」の最終年度である2026年度の目標値は、営業利益45億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上であります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題今後の日本経済の見通しは、インバウンド需要が底堅く継続する一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、為替の動向やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇など、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、快適な生活を支える価値を創出し続ける企業を目指し、イノベーション創出とグローバル貢献を果たすための事業構造の創造を進めてまいります。2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」を推進し、重点テーマである「事業ポートフォリオの再構築」「グローバル企業化」「人的資本経営」を実行し、中長期ビジョン「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」として制定した「快適な生活を支える価値を創出し続けグローバルに貢献する企業へ!」の目標実現に向けて取り組んでまいります。 (重点テーマ)①事業ポートフォリオの再構築ニチバングループの持続的な成長に向けた事業ポートフォリオマネジメントとして、テープ事業セグメントの抜本的な収益改善を実行し、成長事業と新領域へ経営資源を重点的に配分します。外部環境の変化に伴う原材料やエネルギー価格の高騰、為替変動は利益構造に大きな影響を与えており、テープ事業セグメントにおける収益改善は喫緊の課題です。これに対処するため、不採算製品の黒字化を最優先とし、生産体制の見直しを含むローコストオペレーションを実現するための施策を展開します。成長領域であるヘルスケアとグローバル市場へ経営資源を重点的に配分し、医療材分野と工業品分野においては、オープンイノベーションや産官学連携の強化によるアライアンスなどを活用することで、新領域における高付加価値製品の開発と競争優位性の確立を目指してまいります。また、イノベーション創出・新製品比率向上に向けて営業・開発連動での新規市場開拓、新規事業創出を推進してまいります。 ②グローバル企業化現行の販売3拠点(日本・タイ・ドイツ)による成長を追求するとともに、中長期ビジョン「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」の「2030年度グローバル比率30%」達成に向けた新たな施策を着実に実施し、グループ全体のグローバル企業化を図ります。グローバル市場においては、販売3拠点を中心にヘルスケア、工業品、医療材の各分野で成長を目指します。また、上海駐在員事務所の成果創出、グローバルサプライチェーンマネジメント体制の構築、現地での販売・マーケティング力の強化、ローカライズ製品の開発を重視し、本社機能・品質管理・開発機能のグローバル化を推進することで、持続可能な成長と競争力強化を目指してまいります。 ③人的資本経営事業ポートフォリオの再構築とグローバル企業化への取組による企業価値向上、そしてステークホルダー価値の創出の基盤となる「人的資本経営」を実践します。「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」の実現に向けて、その基盤となる従業員の健康とエンゲージメントの向上、多様な人財の活躍促進、女性活躍やシニア・障がい者の雇用支援、LGBTQ+への理解増進など、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重視した取組を実施してまいります。組織や業界などの様々な壁を「越境」して牽引する次世代リーダーの育成や、新たな人事制度による多様な働き方を実現できる環境の整備などを通じて、社会への貢献と持続的な成長を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループの経営理念は、「粘着の分野を原点として新たな価値を創造する技術で快適な生活に貢献し続ける」ことで「当社グループにかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。この理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する取組を進めてまいります。当社グループは、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープ®」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、今後の企業価値及び株主価値を高めるため、収益性重視の観点から営業利益とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点からROE(自己資本当期純利益率)としております。中期経営計画「CREATION 2026」の最終年度である2026年度の目標値は、営業利益45億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上であります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題今後の日本経済の見通しは、インバウンド需要が底堅く継続する一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、為替の動向やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇など、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、快適な生活を支える価値を創出し続ける企業を目指し、イノベーション創出とグローバル貢献を果たすための事業構造の創造を進めてまいります。2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」を推進し、重点テーマである「事業ポートフォリオの再構築」「グローバル企業化」「人的資本経営」を実行し、中長期ビジョン「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」として制定した「快適な生活を支える価値を創出し続けグローバルに貢献する企業へ!」の目標実現に向けて取り組んでまいります。 (重点テーマ)①事業ポートフォリオの再構築ニチバングループの持続的な成長に向けた事業ポートフォリオマネジメントとして、テープ事業セグメントの抜本的な収益改善を実行し、成長事業と新領域へ経営資源を重点的に配分します。外部環境の変化に伴う原材料やエネルギー価格の高騰、為替変動は利益構造に大きな影響を与えており、テープ事業セグメントにおける収益改善は喫緊の課題です。これに対処するため、不採算製品の黒字化を最優先とし、生産体制の見直しを含むローコストオペレーションを実現するための施策を展開します。成長領域であるヘルスケアとグローバル市場へ経営資源を重点的に配分し、医療材分野と工業品分野においては、オープンイノベーションや産官学連携の強化によるアライアンスなどを活用することで、新領域における高付加価値製品の開発と競争優位性の確立を目指してまいります。また、イノベーション創出・新製品比率向上に向けて営業・開発連動での新規市場開拓、新規事業創出を推進してまいります。 ②グローバル企業化現行の販売3拠点(日本・タイ・ドイツ)による成長を追求するとともに、中長期ビジョン「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」の「2030年度グローバル比率30%」達成に向けた新たな施策を着実に実施し、グループ全体のグローバル企業化を図ります。グローバル市場においては、販売3拠点を中心にヘルスケア、工業品、医療材の各分野で成長を目指します。また、上海駐在員事務所の成果創出、グローバルサプライチェーンマネジメント体制の構築、現地での販売・マーケティング力の強化、ローカライズ製品の開発を重視し、本社機能・品質管理・開発機能のグローバル化を推進することで、持続可能な成長と競争力強化を目指してまいります。 ③人的資本経営事業ポートフォリオの再構築とグローバル企業化への取組による企業価値向上、そしてステークホルダー価値の創出の基盤となる「人的資本経営」を実践します。「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」の実現に向けて、その基盤となる従業員の健康とエンゲージメントの向上、多様な人財の活躍促進、女性活躍やシニア・障がい者の雇用支援、LGBTQ+への理解増進など、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重視した取組を実施してまいります。組織や業界などの様々な壁を「越境」して牽引する次世代リーダーの育成や、新たな人事制度による多様な働き方を実現できる環境の整備などを通じて、社会への貢献と持続的な成長を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日外国人の人数と消費額が過去最高を更新するなどインバウンド消費が継続する一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、為替の動向やエネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇など、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続きました。このような状況のなか、快適な生活を支える価値を創出し続ける企業を目指し、イノベーション創出とグローバル貢献を果たすための事業構造の創造を進めるため、2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」を推進し、その重点テーマである「事業ポートフォリオの再構築」「グローバル企業化」「人的資本経営」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいりました。 ①事業ポートフォリオの再構築・テープ事業セグメントの抜本的収益改善・成長事業と新領域へ経営資源を重点配分②グローバル企業化・販売3拠点の成長追求・2030年度グローバル比率30%実現に向けた機能拡充・グループ全体のグローバル企業化の推進③人的資本経営・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進・自己変革し成長する自律的人財の育成・従業員の健康とエンゲージメントの向上・新人事制度の導入以上の取組を実施いたしました結果、売上高は高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズを中心としたヘルスケアフィールドの売上拡大やテープ事業セグメントの価格改定の影響等により、前年同期比5.5%増の494億5千7百万円となりました。営業利益は、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高構成比率上昇や価格改定による収益性改善等により、前年同期比24.8%増の25億8千6百万円となりました。経常利益は、営業利益の増加等により、前年同期比21.8%増の26億8千1百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したものの、一部の新製品の上市の見通しが不透明となり開発中断を決定したことによる建設仮勘定に係る減損損失5千3百万円の影響等により、前年同期比7.2%増の19億5千9百万円となりました。なお、ROE(自己資本当期純利益率)は前年同期比0.2ポイント上昇の4.6%となりました。 (連結業績の概要) (営業利益の前期比増減) (フィールド別売上高、前期比増減)当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社は、当連結会計年度より、成長事業への経営資源の重点配分及び全社視点での事業戦略体制の見直しを目的に「事業戦略本部」を設置し、その傘下に、販路別に以下の営業統括部・本部を設置しております。・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業統括本部」を設置し、ヘルスケア、EC、ステーショナリーの各営業担当管掌を管轄させております。・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「医療材営業統括部」、「工業品営業統括部」を置いております。・グローバル企業化実現に向けて、全社戦略との一貫性を高め、より積極的な事業活動を展開するために、「グローバル事業本部」を設置しております。 当社グループは、以上の営業担当管掌に、各子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「ステーショナリーフィールド」、「医療材フィールド」、「工業品フィールド」及び「グローバルフィールド」を設定しております。なお、2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」の策定にあたり、当社グループの事業展開、経営資源の配分及び経営管理体制の実態等の観点から、事業フィールド及び組織の一部見直しを行いました。その結果、前連結会計年度において「コンシューマー営業本部」傘下であった「ヘルスケア営業統括部」、「EC営業統括部」、「オフィスホーム営業統括部」を統合し、「コンシューマー営業統括本部」としました。また、「オフィスホームフィールド」を「ステーショナリーフィールド」と改称し、「海外フィールド」を「グローバルフィールド」と改称しました。 経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。 「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下の通りです。 事業フィールドメディカル事業テープ事業国内コンシューマー営業統括本部ヘルスケアフィールド〇 ECフィールド〇〇ステーショナリーフィールド 〇医療材フィールド〇 工業品フィールド 〇海外グローバルフィールド〇〇 事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。メディカル事業(ヘルスケアフィールド)ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、国内需要や訪日外国人のインバウンド消費に支えられました。 このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズについては、国内需要拡大に向けて認知度向上のためにテレビCMなどの広告媒体を活用したPR活動を積極的に展開し、売上高は前年同期を上回りました。鎮痛消炎剤“ロイヒ”シリーズについては、夏季シーズンの一時的なインバウンド需要の低迷は回復し、第4四半期には価格改定を実施しましたが、売上高は前年同期並みとなりました。その結果、フィールド全体としての売上高は152億4千3百万円(前年同期比6.0%増)となりました。 (医療材フィールド)医療機関向け医療材料市場におきましては、医療現場の生産性向上への取組が急務と考えられるなど、医療現場の人手不足が深刻化する中での厳しい販売環境となりました。このような状況のなか、極低刺激性テープ“スキナゲートTM”シリーズについては競合他社品からの切り替え採用が進行し、売上高は前年同期を上回りました。その一方、術後ケアシリーズ“アスカブリックTM”は、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」においてユーザーへの認知が進み需要は伸張しておりますが、消費者の購買先がECサイトへ移行している影響で、売上高は前年同期を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は57億4千万円(前年同期比0.2%減)となりました。 ((メディカル事業に係る)ECフィールド)EC市場におきましては、オンライン購買に対するWEBマーケティングの取組を強化してきたことにより、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズについての売上高は、前年同期を大きく上回るとともに、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」の売上についても消費者の購買先がECサイトへ移行している影響を受けて好調に推移しました。その結果、フィールド全体としての売上高は11億3千3百万円(前年同期比28.7%増)となりました。 ((メディカル事業に係る)グローバルフィールド))グローバルにおけるメディカル事業については、重点地域であるアジア及び欧州において、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズや止血製品シリーズ“セサブリックTM”を中心に、販売代理店と協力して現地密着型の営業活動を展開してまいりました。高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズは、韓国で好調な売上を記録し、止血製品シリーズ“セサブリックTM”はタイ・欧州での採用が増加した結果、売上高が前年同期を大きく上回りました。これらに加えて為替の円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は24億6千6百万円(前年同期比42.2%増)となりました。 以上の結果、メディカル事業全体の売上高は245億8千4百万円(前年同期比8.1%増)となりました。また、ヘルスケアフィールドにおけるテレビCMなどの広告媒体を活用したPR活動や、成長事業への経営資源の重点配分に伴いメディカル事業に係る人員が増加したこと等によって販売費及び一般管理費が増加した一方、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上構成比率が上昇したことにより、セグメント利益は66億1千6百万円(前年同期比8.5%増)となりました。 テープ事業(ステーショナリーフィールド)文具事務用品市場におきましては、DX化などで紙の消費が大きく減少し、オフィス需要が低迷する中、オンライン購買拡大に伴う消費者の購買先の変化もあり、厳しい販売環境となりました。このような状況のなか、主要製品である「セロテープ®」については、価格改定を実施しましたが、売上高は前年同期並みとなりました。その一方、両面テープ「ナイスタックTM」については、使用シーンの想起等の拡大策を図るも、オフィス需要の低迷と店頭からECサイトへ消費者の購買先に変化があり、売上高は前年同期を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は48億4千万円(前年同期比3.2%減)となりました。 (工業品フィールド)産業用テープ市場におきましては、粘着テープの出荷量が低調に推移し、依然として厳しい販売環境が続きました。このような状況のなか、主要製品の「セロテープ®」については前連結会計年度に実施した価格改定の効果や、天然素材を使用した環境配慮型製品であることを積極的に啓発し多くの企業や自治体の賛同を得たこともあり売上高は前年同期を上回りました。また、車両用マスキングテープについては、新車生産台数の増加に伴う塩ビマスキングテープが新規採用と使用量ともに増加したこともあり、売上高は前年同期を上回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は131億8千9百万円(前年同期比0.8%増)となりました。 ((テープ事業に係る)ECフィールド)EC市場におきましては、オンライン購買拡大に伴う消費者の購買先の変化に対応し、WEBマーケティングを強化するとともに、「セロテープ®」については価格改定を実施したことにより売上高は前年同期を上回りました。また、両面テープ「ナイスタックTM」についても、店頭からECサイトへ消費者の購買先の変化もみられましたが、売上高は前年同期並みとなりました。その結果、フィールド全体としての売上高は41億1千6百万円(前年同期比9.5%増)となりました。 ((テープ事業に係る)グローバルフィールド)グローバルにおけるテープ事業については、アジアと欧州を重点地域として、製品戦略を展開してまいりました。「PanfixTMセルローステープ」については、香港やインドネシア市場に展開し、前連結会計年度に実施した価格改定による効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。和紙マスキングテープについては、欧州や中国市場に焦点を当て、販売チャネルの構築や製品育成に注力し、売上高は前年同期を上回りました。これらに加えて為替の円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は27億2千6百万円(前年同期比20.4%増)となりました。 以上の結果、テープ事業全体の売上高は248億7千3百万円(前年同期比3.1%増)となりました。また、前連結会計年度から継続して進めてきた価格改定の影響等により、セグメント利益は7億6百万円(前年同期比145.9%増)となりました。 調整額報告セグメントに帰属しない一般管理費の計上等により、営業利益と報告セグメントの利益の合計額との調整額が47億3千6百万円(前年同期比9.8%増)となりました。 (トピックス コンシューマー営業統括本部) (トピックス 医療材フィールド) (トピックス 工業品フィールド) (トピックス グローバルフィールド) 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)メディカル事業25,858+4.2テープ事業20,249+3.4合計46,108+3.8 (注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 ②受注実績当社グループは需要見込による生産方式をとっております。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)メディカル事業24,584+8.1テープ事業24,873+3.1合計49,457+5.5 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)ピップ株式会社6,67314.28,09516.4 3.テープ事業においては、主要原材料であるセロハンの価格が円安の影響で上昇したことにより、原材料価格が前年同期比で上昇しました。これを受け、主要製品である「セロテープ®」等について価格改定を実施し、商品・製品への適正な価格転嫁を図った結果、販売価格も前年同期比で上昇しています。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ4億3千6百万円減少し、676億3百万円となりました。流動資産は11億1千6百万円の増加、固定資産は15億5千3百万円の減少となりました。流動資産の増加は、前年と比べ増加した当第4四半期連結会計期間の売上債権の回収が進み現金及び預金が12億5千7百万円増加したこと等によるものです。固定資産の減少は、減価償却費が投資額を上回った結果、有形固定資産が18億9千4百万円減少したこと等によるものです。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。メディカル事業当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前連結会計年度末と比べ5千9百万円減少し、263億4千6百万円となりました。テープ事業当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前連結会計年度末と比べ25億1千3百万円減少し、202億1百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末と比べ19億2千万円減少し、244億1千5百万円となりました。流動負債は、1億5千9百万円の増加、固定負債は、20億7千9百万円の減少となりました。流動負債の増加は、営業債務の支払いにより電子記録債務が4億5百万円減少したものの、未払法人税等が5億3千4百万円増加したこと、2025年に予定する本社及び東京オフィスの移転に係る資産除去債務を固定負債から流動負債に振り替えたことにより資産除去債務が1億2千万円増加したこと等によるものです。固定負債の減少は、退職給付信託の設定に伴い、退職給付に係る負債が19億9千万円減少したこと等によるものです。純資産は前連結会計年度末と比べ14億8千4百万円増加し、431億8千7百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.6ポイント上昇し、63.9%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ12億5千7百万円(9.6%)増加し、143億7百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ5億3百万円(15.8%)増加し、36億9千万円となりました。当連結会計年度の主な内容は税金等調整前当期純利益26億2千8百万円の計上、減価償却費31億4千5百万円の計上、仕入債務の減少額3億1百万円、退職給付信託の設定に伴う退職給付に係る負債の減少額19億8千9百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ19億9千7百万円(54.1%)減少し、16億9千5百万円となりました。これは主に、埼玉工場及び安城工場の機械装置更新のため、有形固定資産の取得による支出12億9千5百万円があったこと、2025年度に予定している本社及び東京オフィスの移転に係る差入保証金の差入による支出3億5千7百万円があったこと等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ4億6千2百万円(37.7%)減少し、7億6千3百万円となりました。これは主に、配当金の支払額7億1千1百万円の支出があったこと等によるものです。 (4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化及び設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。なお、資金調達の柔軟性及び機動性を確保するため、取引銀行と30億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高30億円)を締結しております。当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入の他製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、安城工場、医薬品安城工場及び製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設又は更新によるものです。2025年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その内の一部について金利スワップ取引を利用することで、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 原材料価格変動と供給リスク
    石油由来のプラスチックフィルムや天然ゴムなど、市況に左右される原材料を多く使用しており、価格高騰は利益を圧迫する可能性があります。また、特定の購入先に依存する原材料があるため、その供給元の問題が生産に影響を及ぼすリスクがあります。
  • 市場動向と需要変化
    メディカル、産業用、ステーショナリーといった主要市場での消費者需要の変化(サステナビリティ意識の高まりや働き方改革など)は、販売代理店や小売店の販売政策を通じて、ニチバンの売上高に影響を与える可能性があります。
  • 価格競争の激化
    市場の縮小や新規参入による競争激化は、製品の販売価格下落を招き、収益性を悪化させる可能性があります。原材料価格の高騰を製品価格に転嫁できない場合も、利益に大きな影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,175 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループの事業上のリスク全てを網羅するものではありません。 (1) リスクマネジメント体制当社グループでは、「危機管理方針」を制定し、事業の継続を危うくする重大な危機に対して、事前に予測・予防措置を実行し、万一発生した場合には被害を最小限に抑え、再発防止措置をとることで、危機を適切に管理し、事業の継続・安定的発展を確保できるよう努めております。損失の危険の全社的な管理や対応については内部統制委員会が管轄し、「リスク管理規則」に基づき、総務担当部署が全社的なリスク管理体制の構築、規則類の整備、運用状況の確認、情報の適切な伝達など必要な措置を講じております。個々の損失(品質、財務等)の危険については「リスク管理規則」に基づき、当該危険の存在する各担当部署が、リスク管理体制整備、運用状況の確認等、必要な措置を講じております。また、大規模災害等、当社グループに対する危機が生じた場合には、「緊急時対応規則」に基づき、速やかに緊急対策本部を設置し、「事業継続計画(BCP)」に沿って損失の極小化及び復旧に向けた対応を行うこととしております。 (2) 認識している重要なリスク当社グループでは、(1) リスクマネジメント体制のもと、全社的なリスクのアセスメントを実施し、事業や社会環境の変化に合わせて定期的にリスクの確認や見直しを行っております。その結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減のための取組を実施しております。また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。 〇戦略リスク事業戦略及び戦略目標に影響を与える、又はそれらによって生じるリスク△オペレーショナルリスク戦略遂行に影響を及ぼす主要なリスク又は事象発生することから当社グループに生じる損失に係るリスク (リスクマップ及び凡例) ①原材料価格の変動リスク及び特定の購入先からの供給リスク  発生可能性:高  影響度:大                               発生する可能性のある時期:現在概要当社グループの製品は、プラスチックフィルム等石油を原料とするものや、紙やセロハン、天然ゴム等市況の影響を受ける原材料が多いため、自然災害や地政学的リスク等を起因とした市場動向の変化による価格高騰の影響を受けます。当該原材料の高騰について、購入先との交渉や代替可能な原材料等によって対応できない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、原材料を安定的に調達できるよう、複数社購買を前提としておりますが、原材料の一部の供給を特定の購入先に依存せざるを得ないものがあります。そのため、当該特定の購入先の被災、事故、倒産等により、必要な原材料を確保できなくなる場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。対応原材料価格の変動リスク及び特定の購入先からの供給リスクを低減するために、原材料の複数社購買、原材料の市場動向等の情報収集、適正在庫の確保及び生産性向上による原価低減等の様々な対応策を実施しております。また、このような対応策を実施したうえでの原材料価格の高騰に対しては、製品・商品価格への適正な転嫁を図ってまいります。 ②市場動向、需要変化に関するリスク             発生可能性:中  影響度:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループの製品・商品は、メディカル業界向けの絆創膏等、産業用粘着テープ業界及びステーショナリー業界向けの粘着テープ等であり、当社グループの販売先は、販売代理店となり、小売店等を通じて最終消費者に販売されることとなります。そのため、これらの製品・商品の主要市場におけるサステナビリティの取組や働き方改革に伴う消費者需要の変化は、小売店等の販売政策に影響するとともに、販売代理店を通じ、当社グループの販売高にも影響し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。また、次のような特殊性があります。季節性のある製品・商品の入れ替え時等の小売店等の製品ラインナップの変更時に、小売店等から販売代理店を通じ、当社グループの製品・商品の返品を受け入れる商習慣があります。また、当社グループの製品・商品の販売後に販売代理店に対して売上値引を行う商習慣があります。そのため、当該返品等が多額に発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。 対応当社グループは、サステナビリティへの積極的な取組を進め、販売代理店や小売店等からの販売データ等を活用し、製品・商品の主要市場における動向及びそれに伴う消費者需要の変化を即座に把握し、開発、生産計画、販売政策に適宜反映させ、廃棄・返品のリスクを最小限にとどめる取組を推進しております。また、将来の返品に伴う損失に備えるため、返品されると見込まれる製品・商品については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、当該製品・商品について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を計上することとしております。さらに、当社グループの製品・商品の販売後に発生が見込まれる販売代理店に対する売上値引に備えるため、値引が見込まれる製品・商品については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、取引対価の変動部分の額を見積り、認識した収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含めることとしております。 ③価格競争のリスク                     発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループの属する市場において、市場縮小や新規参入等により企業間の競争が激化し、販売価格が下落した場合、又は、原材料価格高騰や物価上昇に対する製品価格への転嫁の遅れ等が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応独自の高い技術力と確かな品質を軸に、地球環境に配慮した高機能・高付加価値製品をタイムリーに提供することにより、ブランド力の強化と他企業との差別化を常に図っております。 ④災害事故の発生リスク                   発生可能性:高  影響度:特大                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループは、地震・洪水等の天災や火災・爆発による不測の事故により、製造設備や物流拠点等が大きな損害を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応本社・工場等の事業所において「緊急時対応規則」に基づき、災害事故等発生時における緊急対策本部の設置訓練や、各種保全活動など、社内体制の整備を行うとともに、「事業継続計画(BCP)」への対応についても積極的に推進しております。 ⑤情報管理に関するリスク   発生可能性:高  影響度:大 発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループは、個人情報の他、多くの重要情報を保有しております。これらの情報はサイバー攻撃やシステム障害、災害等により、情報の漏洩等が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応これらの情報の取り扱いについては、「ITセキュリティ方針」及び「個人情報保護方針」に基づき、情報資産を犯罪・事故・災害等の脅威から守り、お客様及び社会の信頼に応えるべく、従業員に対し情報管理の重要性を継続的に教育するとともに、システム上のセキュリティ対策を行っております。 ⑥世界的な感染症流行等のリスク               発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要新たな変異ウィルスの出現などにより社会活動が停滞し、当社グループ製品・サービスの需要に影響を与える可能性があります。また、当社グループの事業拠点運営が困難な状況や、原材料調達等のサプライチェーンに支障をきたす状況となった場合においても、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応当社グループでは、複数の事業拠点・物流拠点等を設置し事業運営を行い、「緊急時対応規則」及び「事業継続計画(BCP)」を整備するとともに、従業員のテレワークや時差出勤等のフレキシブルな勤務体制の整備、並びにWeb会議システムによるリモート会議の活用により、安定して事業を継続できるような体制を構築しております。引き続き、従業員の健康と事業活動の両立に向けた取組を進めてまいります。 ⑦製品の品質に関するリスク   発生可能性:中  影響度:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループでは、不適切な行為や、重大な品質上の問題が発生し、当該製品及び当社グループの製品全体に対する評価が低下した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応当社グループでは、製品・商品の品質を保持すべく、企業理念に基づく「品質方針」を策定し、品質マネジメントシステムへの取組を中心とした管理のもと、製品・商品の企画、製造・仕入、販売を行っております。 ⑧退職給付債務に関するリスク                発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要当社グループにおける年金資産運用において、市場金利の低下及び運用環境の変化による運用利回りの悪化により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応年金資産の運用目標を達成する上で、運用利回りのリスクを最小化するように、投資対象の種類等について分散投資に努めております。 ⑨企業の社会的責任に関するリスク              発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要ESGを重視した経営やサステナブルな社会実現へ向けた取組はステークホルダーからの評価の大きなウェイトを占めており、当社グループがこれらの状況に適切に対応できない場合には、社会的評価の低下等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。対応当社グループでは、企業理念に基づく「ニチバングループのサステナビリティ」として方針を展開し、様々な事業活動を通じて企業の社会的責任を果たしていくよう取り組んでおります。具体的には、環境面ではISO14001を中心とした活動を堅実に遂行するとともに、「グリーン調達ガイドライン」の遵守を徹底してまいります。また、溶剤使用の問題はテープ製品を扱う当社グループが担うべき課題と捉え、技術革新に挑戦しながら脱溶剤を目指してまいります。天然素材である「セロテープ®」の積極的販売を通して環境問題の様々な取組を行ってまいります。社会面では、メーカーとして「お客様にとっての「良いもの」を届ける」ことを基本に、女性活躍やワークライフバランスなど、社員が長く安心して働ける職場環境を整備してまいります。さらに環境保全活動である「巻心ECOプロジェクト」やスポーツメディカル分野へのサポートなど、事業活動と密接に関連した社会貢献を推進いたします。 (3) 気候変動に関するリスク当社グループは、「サステナビリティの考え方」においてマテリアリティ(重要課題)を定め、「気候変動・温暖化対策」を最も優先度の高い項目として掲げております。(2) 認識している重要なリスクとは別に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言において開示が推奨されている、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの内容について検討を行い、以下の通りリスクの認識をしております。 ①炭素税の導入によるリスク                 発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要排出量原単位の高いFSC認証紙や樹脂、ゴムなどの原材料や副資材コストへの価格転嫁、炭素税の支払いにより、コストが上昇し利益が圧迫される可能性があります。対応調達条件や調達先の見直し等の調達機能強化による調達コストの削減と価格転嫁の実施、生産拠点再編や新工法の導入等によるエネルギー使用量削減により、生産、調達コストの軽減を図っております。 ②GHG排出規制を含む各種規制の強化によるリスク        発生可能性:中  影響度:中                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要証書等環境価値購入による操業コストの増加や脱炭素(CO2排出目標達成)へ向けた新たな設備投資や生産拠点再編にともなう設備更新コストの増加により財務負担が増加する可能性があります。対応環境価値の価格交渉や調達先多様化を通じた購入コストの削減、CO2排出量や環境負荷の総合的判断基準導入によるコストの抑制、長期的な投資計画にもとづく設備投資等の平準化により、利益の確保を図っております。 ③投資家のESG重視姿勢の高まりによるリスク          発生可能性:中  影響度:大 発生する可能性のある時期:特定時期なし概要気候変動などへの取組の情報開示の遅延により、投資家評価の低下を招く可能性があります。 対応適切な気候変動への取組と情報の開示を継続しております。 ④気候変動による天然資源由来原料の生産高減少のリスク    発生可能性:中  影響度:大                              発生する可能性のある時期:特定時期なし概要生産に必要な資材の調達が困難になることでの生産停止になる可能性があります。 対応原材料調達先の多様化によりリスクの分散を図っております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ニチバン の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →