研究開発活動(本文)
FY2025|5,325 文字
6【研究開発活動】当社は、研究開発を成長の源泉と捉え、化学メーカーの中でも高水準の売上高研究開発比率を維持し、新製品・新技術の開発および新事業の創出に取り組んでおります。研究活動拠点として、国内には物質科学研究所、材料科学研究所および生物科学研究所の3つがあり、これら研究所と韓国、台湾、中国のR&Dセンター、そして関連部門とが緊密な連携を図り、「未来のための、はじめてをつくる。」というコーポレートスローガンのもと、研究開発を推進しております。2022年度に始動した長期経営計画Atelier2050では、長い歴史の中で培った5つのコア技術である精密有機合成、機能性高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御に更に磨きをかけるとともに、事業領域の拡充に向け新たなコア技術の修得を目指しております。現在、新たなコア技術として情報科学と微生物制御の技術向上に注力しております。情報科学については、研究員のデジタルリテラシー向上とコア人材の発掘・育成に取り組み、医農薬や機能性材料、エネルギーなどの各研究分野で機械学習や人工知能を用いるデータ駆動型研究を根づかせるべく、日々の研究活動への適用を検討しております。また、生物科学研究所を中心に微生物の活用を始めとする微生物制御技術の育成を進め、微生物由来の農業資材への適用やゲノム・代謝物のオミクス解析技術の拡充に取り組んでおります。2024年度の研究開発活動の概要につきまして、化学品セグメントでは、自社製品や技術をベースに開発した独自エポキシ製品を半導体実装用途や高周波基板用途に展開しております。また、微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、優れた油脂分解力で食品工場の産業廃棄物削減に寄与する製品として開発普及を進めております。機能性材料セグメントでは、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドで既存製品の高品質・高性能グレードに向けた検討を、また、多様化する顧客ニーズに応え将来の主要事業になる新規材料の研究開発を進めております。ディスプレイ材料では光配向材の更なる高性能化に加え、OLEDやAR/VRデバイス、フレキシブルデバイス用材料の開発を、半導体材料では既存製品の高品質化とともに今後の世代で必要になる微細加工技術や実装技術の積極的な開発を、無機コロイドではシリカゾルの持つ強みを活かした材料開発を行っております。農業化学品セグメントでは、当社オリジナルの水稲用除草剤原体「ジメスルファゼット」を含む各種製品の発売を開始し、新規除草剤有効成分「イプトリアゾピリド」のグローバル開発も進めております。スマート農業関連では、ドローン散布への農薬登録の拡大やAI病害虫雑草診断でスマートフォン用アプリケーションへの参加などに取り組んでおります。ヘルスケアセグメントでは、封じ込め設備を拡充し、高生理活性医薬品原薬の新規開発に注力しております。また、独自のペプチド製造技術 SYNCSOL®を活用してジェネリック医薬品原薬の開発や顧客ニーズに合致したソリューションを提供しております。創薬においては、当社が創製した新規疼痛治療薬候補化合物について2024年にマルホ株式会社とライセンス契約を締結、今後、共同開発を推進してまいります。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は17,578百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品セグメント成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。例えば、シアヌール酸を原料とする「スターファイン®」は金属と樹脂との密着力を向上できる添加剤であり、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。また、液状TEPICである「TEPIC®-VL」「TEPIC®-FL」は機械物性と耐熱信頼性の両立が達成できることを訴求し、半導体実装用途に展開しております。更に、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、食品工場を中心にその採用件数が伸びており、産業廃棄物削減に貢献する製品として開発普及を進めております。当セグメントに係る研究開発費は273百万円であります。 (2) 機能性材料セグメント船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を進めております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、各種用途での要求に応じ、更なる高性能化を進めております。また、韓国、中国、台湾にR&Dセンターを設置し、材料開発、評価技術、解析能力の充実度を高め、顧客ニーズにタイムリーに対応できるよう研究開発体制の強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、先端リソグラフィー技術のEUVに対応した下層膜材料開発、および実装技術に対応する製品・材料の研究開発に注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加や、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等向けの製品開発や市場開拓を展開しております。シリカゾル以外では、ジルコニアやチタニアのゾルをスマートフォンやタブレット用の光学フィルムの屈折率調整用途や眼鏡用ハードコート用途向けに開発しております。また、近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組み、米国のみならずアジアや中東地域等への展開を図っております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社外との共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいるOLED向けの材料やディスプレイの表示性能を向上させる材料、フレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を進めております。当セグメントに係る研究開発費は8,303百万円であります。 (3) 農業化学品セグメント独自に創薬開発した殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品として、日本では、野菜および茶用の「グレーシア®乳剤」、芝用の「イザナミ®フロアブル」、果樹用の「グレーシア®フロアブル」を販売しております。海外では、アジア・中東・西アフリカ地域を中心に製品の登録作業を進め、2024年12月には南米アルゼンチンで登録を取得しました。また、更なる販売拡大を目的に混合剤の開発を進めております。抵抗性、難防除雑草に卓効を示す水稲用除草剤「ベルダー®(原体名:ジメスルファゼット)」を含有する製品として、日本では「ゼアス®」「銀河α®」を2025年2月に発売開始し、また、韓国での開発も進めております。グローバル展開を目指す新規水稲用除草剤「NC-656(原体名:イプトリアゾピリド)」については、アジア・米州を中心に開発を進め、更に評価・開発する対象国を拡大しております。水稲用除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」含有する製品として、日本では、一発処理剤第4世代製品でベルダー®も配合した「銀河α®」を発売し、中後期剤第2世代製品の「レブラスギア®」「ゲパードギア®」を2025年3月から販売しております。海外においては、2021年度に本格上市した台湾で、水田の抵抗性カヤツリグサを防除対象とした販売が順調に推移しております。更にインドでも登録申請し、中東地域では評価試験を継続しております。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ®マックスロード」は、散布水量を低減させるULV5(Ultra Low Volume 5 Litter)散布技術の開発を進め、使用場面に応じた各種ノズルを普及し作物生産や緑地管理の省力化に貢献しております。その他海外開発では、殺ダニ剤「スターマイト®」がサウジアラビア、殺菌剤「ライメイ®」がペルーで認可されております。また、スマート農業関連では、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」にも参加しております。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品はイヌ・ネコに寄生するノミ・マダニ防除用経口投与錠剤(ブランド名:Bravecto®**)を中心に日本を含め世界100か国以上で販売されております。近年では、内部寄生虫薬を含むネコ用混剤「Bravecto® PLUS」、8週齢以上のイヌ向けの「Bravecto® 1-Month Chews」、イヌ用注射剤「Bravecto® Quantum」等、ペット向け製品のラインアップを充実させております。家畜向け製品(ブランド名:Exzolt®**)としては、ニワトリに寄生するワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤が、日本を含むアジアのほか、欧州、南米、アフリカ、中東で承認され、登録国数は70か国を超えております(2025年4月現在)。また、ブラジル、メキシコを中心としたウシ向けノミ・マダニ防除剤、オーストラリア、ニュージーランドでのヒツジ向けシラミ防除剤としても販売されております。当セグメントに係る研究開発費は4,472百万円であります。*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。現在農薬メーカー6社が参加。**ブラベクト®、Bravecto®、Exzolt®ならびにエクゾルト®は、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。 (4) ヘルスケアセグメント当社独自技術をもとに将来の事業の柱となる新薬およびジェネリック医薬品原薬の研究開発を推進しております。100gから数kgまで製造可能な封じ込め設備を拡充し、高生理活性医薬品原薬の新規開発を行い、研究・開発受託と新規ジェネリック医薬品原薬の自社開発に注力しております。独自の効率的なペプチド製造技術 SYNCSOL®*を活用し、新規ジェネリック医薬品原薬の開発を行い本技術の実需化を図っております。本技術を当社出資先のペプチスター株式会社との協業に活かしていくとともに、顧客の抱える課題を解決することで製造受託の事業を拡大してまいります。また、創薬については、マルホ株式会社と共同開発している新規疼痛治療薬候補化合物NIP-322の原薬を供給しており、今後、開発を推進してまいります。当セグメントに係る研究開発費は589百万円であります。* SYNCSOL®は、シリル保護技術(SIPS®)と無保護アミノ酸縮合(R-Coupling®)からなる独創的なペプチド液相合成技術のプラットフォームです。 (5) 全社共通及びその他の研究分野情報通信分野においては、次世代半導体分野における新規電子材料、および高速通信分野を目指した光機能材料の企画と市場開発を行っております。半導体デバイスの熱マネジメントにおいて重要な役割を果たす放熱材料として、アリエカ社の開発した液体金属を用いた放熱材料に注目し、同社との共同開発に取り組んでおります。また、大容量信号処理かつ低消費電力を可能にする光電融合技術に向け、低伝搬損失と高信頼性を特長とする光配線材「SUNCONNECT®」の研究開発を進めてまいります。環境エネルギー分野においては、リチウムイオン電池の特性及び生産性向上を目的としたスラリー添加剤、燃料電池用のPFASフリーイオン伝導ポリマー、次世代太陽電池材料としてペロブスカイト太陽電池の耐久性を向上可能なコーティング材料の開発を行っており、カーボンニュートラルに資するエネルギーデバイスへの材料提供に向けて鋭意進めてまいります。ライフサイエンス分野においては、当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術を活用した製薬企業数社との共同研究が順調に進捗し、複数のプロジェクトでテーマが進展するなど、提携を拡大させております。2019年より実施してきました株式会社三和化学研究所との歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症の治療を目的としたアンチセンス核酸創薬共同研究においては開発化合物(SK-2407/SN-001)の選定に成功し、共同で国内開発を進めてまいります。また、同社とは新たに包括的提携契約を締結、戦略的に複数の新規核酸医薬品の創製、開発に取り組んでまいります。更に生体物質付着防止材料 prevelex®や細胞培養材料 FCeM®などの再生医療材料の開発に注力しております。全社共通及びその他の研究分野に係る研究開発費は3,941百万円であります。
FY2024|4,842 文字
6【研究開発活動】当社グループは、新長期経営計画Atelier2050、および新中期経営計画Vista2027を2022年度より開始いたしました。「未来のための、はじめてをつくる。」をコーポレートスローガンに掲げ、精密有機合成、機能性高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御の5つの従来のコア技術に更に磨きをかけるとともに、事業領域の拡充に向け、新たなコア技術の修得を目指しています。現在、新たなコア技術として情報科学と微生物制御の修得に注力しています。具体的には、材料と農薬の分野で機械学習や人工知能を用いるマテリアルズ・インフォマティクスの検証を進めており、研究開発の高速化、高度化とともに、研究員のデジタルリテラシーの向上に取り組んでいます。また、生物科学研究所を中心に微生物の活用を始めとする微生物制御技術の育成を進めており、微生物由来の農業資材や有用化合物探索への適用を検討しています。当社グループは、物質科学研究所、材料科学研究所、生物科学研究所の3つの国内の研究所を中心に、これら国内の研究所と、韓国、台湾、中国のR&Dセンターにおいて研究活動を行っています。それぞれの研究所、R&Dセンターが連携し、既存事業拡大に向けた開発や新技術の開発を進めております。2023年度の研究開発活動の概要につきまして、化学品セグメントでは、自社製品や技術をベースとして独自エポキシを半導体実装用途や高周波基板用途に展開しております。また、SDGsへ貢献可能な微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、優れた油脂分解力で食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。機能性材料セグメントでは、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドで既存製品の高品質・高性能グレードに向けた検討を、また、多様化する顧客ニーズに応えた将来の主要事業とすべく新規材料の研究開発を進めております。ディスプレイ材料では光配向材の更なる高性能化に加えて、OLEDやマイクロLED、フレキシブルデバイス用材料の開発を、半導体材料では既存製品の高品質化とともに今後の世代で必要になる微細加工技術や実装技術の積極的な開発を、無機コロイドではシリカゾルの持つ強みを活かした材料開発を行っております。農業化学品セグメントでは、当社オリジナルの殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品において、野菜、茶、芝向けに続く、果樹用の「フロアブル」を上市しました。水稲用除草剤原体「ジメスルファゼット」、「イプトリアゾピリド」の開発も進めております。スマート農業関連では、ドローン散布への農薬登録の拡大やAI病害虫雑草診断でスマートフォン用アプリケーションへの参加などに取り組んでおります。ヘルスケアセグメントでは、中分子医薬品の技術開発の取り組みを拡大しており、独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術について、数社の製薬企業や国内外のアカデミアとの共同研究により、核酸創薬研究を広く展開しております。また、ペプチド医薬品原薬の供給については、独自の製造技術 SYNCSOL®を活用して安価で高品質な長鎖および環状ペプチドの大量製造が可能となり、顧客ニーズや課題に合致したソリューションを提案しております。更にジェネリック医薬品原薬や再生医療材料の開発に注力し、事業の拡大を図ってまいります。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は17,334百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品セグメント化学品事業では、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。機械物性と耐熱信頼性を両立する液状エポキシ「TEPIC®-VL」、「TEPIC®-FL」を半導体実装用途に、低誘電正接エポキシ「FOLDI®」を高周波基板用途に展開しております。樹脂添加剤「スターファイン®」は金属基材との密着力を高めることができ、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。当セグメントに係る研究開発費は256百万円であります。 (2) 機能性材料セグメント機能性材料セグメントは、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、各種用途での要求に応じ、更なる高性能化を進めております。また、韓国,中国,台湾にR&Dセンターを設置しており、材料開発,評価技術,解析能力の充実度を高め、顧客ニーズにタイムリーに対応できるよう体制強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、先端リソグラフィー技術のEUVに対応した下層膜材料開発、および実装技術に対応する製品・材料の研究開発に注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加や、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等向けの製品開発や市場開拓を展開しております。シリカゾル以外では、ジルコニアやチタニアのゾルをスマートフォンやタブレット用の光学フィルムの屈折率調整用途や眼鏡用ハードコート用途向けに開発しております。また、近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずアジアや中東地域等への展開を図っております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社外との共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいるOLED向けの材料やディスプレイの表示性能を向上させる材料、フレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を進めております。当セグメントに係る研究開発費は8,172百万円であります。 (3) 農業化学品セグメント当社が独自に創薬開発した殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品としては、日本では、野菜および茶向けの「グレーシア®乳剤」、芝用の「イザナミ®フロアブル」に続いて、果樹用の「グレーシア®フロアブル」も上市しました。海外では、アジア・中東・西アフリカ地域での登録を進めており、ここ最近では、2023年12月にはベトナム、2024年4月にはバングラデシュでも登録されました。また、更なる販売拡大を目的に、インドでは混合剤も2剤を登録致しました。抵抗性、難防除雑草に卓効を示す水稲用除草剤「ベルダー®(原体名:ジメスルファゼット)」は国内を中心に、韓国でも開発を行っております。グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤「NC-656(原体名:イプトリアゾピリド)」についても、アジア・米州中心に開発が進んでおり、更に評価・開発国を拡大しております。水稲用除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」は、国内においては、高性能な混合剤「ディオーレ®」および「流星®」を一発処理剤第3世代製品として2021年より販売を開始し、次世代製品も開発も進めております。海外においては、2021年度に本格上市した台湾では、抵抗性カヤツリグサを対象として、販売は順調に推移しています。2022年2月には水稲面積(延べ栽培面積)が11,692千ヘクタールのバングラデシュで登録を取得し、2022年11月に販売を開始しました。更にインドでも登録申請し、東南アジア諸国ならびに中東地域では評価試験を継続します。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ®マックスロード」は、散布水量を低減させるULV5(Ultra Low Volume 5 Litter)散布技術の開発を進め、使用場面に応じた各種ノズルを販売して作物生産や緑地管理の省力化に貢献しております。その他海外開発では、殺ダニ剤「スターマイト®」がベトナム、殺菌剤「ライメイ®」がホンジュラスで認可されました。また、スマート農業関連では、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」にも参加しています。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ・ネコ用経口投与錠剤(ブランド名:Bravecto®**)を中心に日本を含め世界100か国以上で販売されております。近年では、内部寄生虫薬とのネコ用混剤「Bravecto® PLUS」や8週齢以上の子犬向けの「Bravecto® 1-Month Chews」をはじめ、犬用注射剤「Bravecto® Quantum」等ペット向け製品ラインアップを充実させています。家畜向け製品(ブランド名:Exzolt®**)としては、ニワトリに寄生するワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤が、日本を含むアジアのほか、欧州、南米、アフリカ、中東で承認され、登録国数は70か国を超えました(2024年4月現在)。また、ブラジル、メキシコを中心としたウシ向けノミ・マダニ防除剤、オーストラリア、ニュージーランドでのヒツジ向けシラミ防除剤としても販売されています。当セグメントに係る研究開発費は4,306百万円であります。*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。当社は他2社と共に参加。**ブラベクト®、Bravecto®、Exzolt®およびエクゾルト®は、Intervet International B.V.およびIntervet Inc.の登録商標です。 (4) ヘルスケアセグメント当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術を活用した製薬企業数社との共同研究が順調に進捗し、複数のプロジェクトでテーマが進展するなど、提携を拡大させております。2019年より実施してきました株式会社三和化学研究所とのアンチセンス核酸創薬共同研究においては開発候補化合物の選定に成功するとともに新たに包括的提携契約を締結、戦略的に複数の新規核酸医薬品の創製に取り組んでまいります。また、国内外のアカデミアと新規標的遺伝子に対する共同研究を進めているとともに、ルクサナバイオテク㈱の保有する修飾核酸群(XNA)について、創薬研究利用に関するライセンス許諾を受けるなど、その提携の範囲を拡げております。安価で高品質な直鎖状および環状ペプチドの製造技術 SYNCSOL®の実用化を目的として、それらを駆使した医薬品原薬および周辺医療用材料への展開を図っております。本技術をペプチスター㈱との協業に活かしていくとともに、顧客の抱える課題を解決することで事業を拡大してまいります。モジュラス㈱との低分子医薬品に関する戦略的業務提携では、モジュラス㈱の開発化合物について当社の原薬開発・製造技術およびノウハウを提供し、協働してその開発を推進しております。今後、共同で製薬企業への導出を目指します。更に高生理活性やペプチドジェネリック医薬品原薬の新規開発、および生体物質付着防止材料 prevelex®や細胞培養材料 FCeM®などの再生医療材料の開発に注力して、事業の拡大を図ってまいります。当セグメントに係る研究開発費は440百万円であります。
FY2023|4,855 文字
6【研究開発活動】 当社は2022年度、新長期経営計画Atelier2050、および新中期経営計画Vista2027を開始いたしました。「未来のための、はじめてをつくる。」をコーポレートスローガンに据え、精密有機合成、機能性高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御の5つの従来のコア技術にさらに磨きをかけるとともに新たなコア技術を修得し、新事業領域へ挑戦しています。当社は、物質科学研究所、材料科学研究所、生物科学研究所の3つの国内の研究所を中心に、これら国内の研究所と、韓国、台湾、中国のR&Dセンターにおいて研究活動を行っています。それぞれの研究所、R&Dセンターが連携し、既存事業拡大に向けた開発や新技術の開発を進めております。 現在、主に材料分野で、機械学習、人工知能を用いたマテリアルズ・インフォマティクスの導入検討を進めており、研究開発の高速化と高度化を図っています。また、2022年度に生物科学研究所に創設したバイオロジカルグループが主体となり、微生物を活用する技術の育成に取り組んでおり、新しいコア技術修得に向け検討を進めております。 2022年度の研究進捗につきまして、化学品分野では、自社製品や技術をベースとして独自エポキシを半導体実装用途や高周波基板用途に展開しております。また、SDGsへ貢献可能な微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、優れた油脂分解力で食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。 機能性材料分野では、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドで既存製品の高品質・高性能グレードに向けた検討を、また、多様化する顧客ニーズに応えた将来の主要事業とすべく新規材料の研究開発を進めております。ディスプレイ材料では光配向材のさらなる高性能化に加えて、OLEDやマイクロLED、フレキシブルデバイス用材料の開発を、半導体材料では既存製品の高品質化とともに今後の世代で必要になる微細加工技術や実装技術の積極的な開発を、無機コロイドではシリカゾルの持つ強みを活かした材料開発を行っております。 農業化学品分野では、当社オリジナルの殺虫剤原体フルキサメタミドを含有する製品において、野菜、茶、芝向けに続く、果樹用のフロアブルを上市しました(2023年4月発売開始)。スマート農業関連では、ドローン散布への農薬登録の拡大やAI病害虫雑草診断でスマートフォン用アプリケーションへの参加など、各種IT企業とのスマート農業参入に向けた検討が進んでおります。 ヘルスケア分野では、中分子医薬品の技術開発の取り組みを拡大しており、独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術について、数社の製薬企業や国内外のアカデミアとの共同研究により、核酸創薬研究を広く展開しております。また、ペプチド医薬品原薬の供給については、独自の製造技術 SYNCSOL®を活用して安価で高品質な長鎖および環状ペプチドの大量製造が可能となり、顧客ニーズや課題に合致したソリューションを提案しております。さらにジェネリック医薬品原薬や再生医療材料の開発に注力し、事業の拡大を図ってまいります。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は16,838百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品セグメント化学品セグメントでは、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。機械物性と耐熱信頼性を両立する液状エポキシ「TEPIC®-VL」、「TEPIC®-FL」を半導体実装用途に、低誘電正接エポキシ「FOLDI®」を高周波基板用途に展開しております。樹脂添加剤「スターファイン®」は金属基材との密着力を高めることができ、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場から出る産業廃棄物の削減を達成しております。当セグメントに係る研究開発費は281百万円であります。 (2) 機能性材料セグメント機能性材料セグメントでは、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、各種用途での要求に応じ、さらなる高性能化を進めております。また、中国R&Dセンターの解析および評価能力の向上に向けた設備拡充により、拡大する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、および実装技術に対応する製品・材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等向けの製品開発や市場開拓を展開しております。シリカゾル以外では、ジルコニアやチタニアのゾルをスマートフォンやタブレット用の光学フィルムの屈折率調整用途や眼鏡用ハードコート用途向けに開発しております。また、近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずアジア地域等への展開を図っております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいるOLED向けの材料やディスプレイの表示性能を向上させる材料、フレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を進めております。当セグメントに係る研究開発費は7,576百万円であります。 (3) 農業化学品セグメント当社が独自に創薬開発した殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品としては、日本では、野菜および茶向けの「グレーシア®乳剤」、芝用の「イザナミ®フロアブル」に続いて、果樹用の「グレーシア®フロアブル」も上市しました(2023年4月発売開始)。海外では、2018年に韓国で発売を開始して以降、2020年にサウジアラビア、2021年にアラブ首長国連邦、インドネシアおよびイランの3カ国、2022年にインドおよびウズベキスタンの2カ国、そして2023年4月にはヨルダンで登録されるなど、製品の販売国は着実に拡大しています。その他東南アジア諸国ならびに中東および西アフリカ地域での評価や登録申請も順次進めており、さらなる販売エリアの拡大と製品の拡販を目指します。抵抗性、難防除雑草に卓効を示す水稲用除草剤「ベルダー®(原体名:ジメスルファゼット)」は国内開発に加えて、韓国での開発を行っております。グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤「NC-656(原体名:イプトリアゾピリド)」についても、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。水稲用除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」は、国内においては、高性能な混合剤「ディオーレ®」および「流星®」を一発処理剤第3世代製品として2021年より販売を開始し、2022年には製剤ラインナップを充実させ販売を本格化しました。海外においては、2021年度に本格上市した台湾では、抵抗性カヤツリグサを対象として、販売は順調に推移しています。2022年2月には水稲面積が1,170千ヘクタールのバングラデシュで登録を取得し、2022年11月に販売を開始しました。さらにインドでも登録申請し、東南アジア諸国および中東地域では評価試験を継続します。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ®マックスロード」は、ULV5(Ultra Low Volume 5 Litter)散布技術の開発を進め、「ラウンドノズル®ULV5セット 動力用」、「ラウンドノズル®ULV5セット バッテリー・人力用」、「ラウンドノズル®ULV5ブームスプレーヤー用」を販売しております。なお、「ラウンドノズル®ULV5ブームスプレーヤー用」については、北海道仕様の製品の販売も開始しました(2023年4月発売開始)。その他海外開発では、殺菌剤「ライメイ®」がヨルダンで認可されました。また、スマート農業関連では、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」にも参加しており、各種IT企業とともにスマート農業への参画を検討しています。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ・ネコ用経口投与錠剤(ブランド名:Bravecto®**)を中心に日本を含め世界100か国で販売されております。近年では、内部寄生虫薬とのネコ用混剤「Bravecto® PLUS」や8週齢以上の子犬向けの「Bravecto® 1-Month Chews」等ペット向け製品ラインアップを充実させています。家畜向け製品としては、ニワトリに寄生するワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「Exzolt®**」または「エグゾルト®**」が、日本を含むアジアのほか、欧州、南米、アフリカ、中東で承認され、登録国数は70か国を超えました(2023年4月現在)。また、ウシ向けノミ・マダニ防除用「Exzolt®**」は、2022年3月にブラジル、5月にメキシコで承認されました。当セグメントに係る研究開発費は4,341百万円であります。*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。当社は他2社と共に参加。**ブラベクト®、Bravecto®、Exzolt®およびエクゾルト®は、Intervet International B.V.およびIntervet Inc.の登録商標です。 (4) ヘルスケアセグメント当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術については、製薬企業数社との共同研究が順調に進捗し、2019年より開始した複数のプロジェクトではテーマが進展するなど、提携を拡大させております。また、国内外のアカデミアと新規標的遺伝子に対する共同研究を進めております。安価で高品質な直鎖状および環状ペプチドの製造技術 SYNCSOL®の実用化を目的として、直鎖状および環状ペプチド医薬品原薬および周辺医療用材料への展開を図っております。本技術をペプチスター㈱との協業に活かしていくとともに、顧客の抱える課題を解決することで事業を拡大してまいります。「NTC-801」(不整脈治療薬)については、大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を完了、本治験結果をもとに一般徐脈治療薬としての開発可能性を精査するとともに、引き続き提携先を検討しております。モジュラス㈱との低分子医薬品に関する戦略的業務提携において、モジュラス㈱の開発化合物について当社の原薬開発・製造技術およびノウハウを提供し、協働してその開発を推進しております。今後、共同で製薬企業への導出を目指します。さらに高生理活性ジェネリック医薬品原薬の新規開発、および生体物質付着防止材料 prevelex® や細胞培養材料 FCeM®などの再生医療材料の開発に注力して、事業の拡大を図ってまいります。当セグメントに係る研究開発費は436百万円であります。
FY2022|4,846 文字
5【研究開発活動】当社は本年度、新長期経営計画Atelier2050、および、新中期経営計画Vista2027を開始いたしました。「未来のための、はじめてをつくる。」をコーポレートスローガンに据え、精密有機合成、機能性高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御の5つの従来のコア技術にさらに磨きをかけるとともに新たなコア技術の取得、新事業領域へ挑戦していきます。当社の研究活動は、物質科学研究所、材料科学研究所、生物科学研究所の3つの国内の研究所を中心に、韓国、台湾、中国のR&Dセンターで行っています。それぞれの研究所、R&Dセンターが連携し、既存事業拡大に向けた開発や新技術開発を進めております。最近では、材料分野を中心に、機械学習、人工知能を用いたマテリアルズ・インフォマティクスの導入検討を進めており、研究開発の高速化と高度化を図っています。また、オープンイノベーションとして、特色ある企業とのアライアンスや大学との共同研究で外部機関との連携を強化、当社技術と融合をはかることで、新たな技術の創製を推進しております。2021年度の研究進捗につきまして、化学品分野では、自社製品や技術をベースとして独自エポキシの半導体実装用途や高周波基板用途に展開しております。また、SDGsへ貢献可能な微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、優れた油脂分解力で食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。機能性材料分野では、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドで既存製品の高品質・高性能グレードに向けた検討が、また、多様化する顧客ニーズに答えた将来の主要事業とすべく新規材料の研究開発が進展しております。ディスプレイ材料では光配向材のさらなる高性能化に加えて、有機ELやマイクロLED、フレキシブルデバイス用材料の開発、半導体材料では既存製品の高品質化とともに今後の世代で必要になる微細加工技術や実装技術の検討に注力、無機コロイドではシリカゾルの持つ強みを活かした研究を、それぞれ検討しております。農業化学品分野では、当社オリジナルの殺虫剤原体フルキサメタミドを含有する製品において、野菜、茶、芝向けに続く、果樹用のフロアブルを開発中です。スマート農業関連では、ドローン散布への農業登録の拡大やAI病害虫雑草診断でスマートフォン用アプリケーションへの参加など、各種IT企業とスマート農業に向けた検討も進んでおります。医薬品分野では、独自の核酸構造を利用した創薬基盤技術について、数社の製薬企業との共同研究の進捗に加え、国内外のアカデミアとの共同研究がスタートし、核酸創薬研究を広く展開しております。ペプチド医薬品原薬の供給に当たり、新たな製造技術SYNCSOL™を開発しました。これにより、高品質なペプチド製造が可能になります。本技術を活用し、希少疾病用医薬品など社会課題に向けたソリューション提案を通して事業の拡大を図ってまいります。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は16,023百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品セグメント化学品セグメントでは、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。機械物性と耐熱信頼性を両立する液状エポキシ「TEPIC®-VL」「TEPIC®-FL」を半導体実装用途に、低誘電正接エポキシ「FOLDI®」を高周波基板用途に展開しております。樹脂添加剤「スターファイン®」は金属基材との密着力を高めることができ、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場から出る産業廃棄物の削減を達成しております。当セグメントに係る研究開発費は290百万円であります。 (2) 機能性材料セグメント機能性材料セグメントでは、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、各種用途での要求に応じ、さらなる高性能化を進めております。また、中国R&Dセンターの解析および評価技術の充実に向けた設備拡充により、拡大する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、および実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等への製品開発、市場開拓を展開しております。シリカゾル以外にもジルコニアやチタニアのゾルを開発し、スマートフォンやタブレット用の光学フィルムの屈折率調整や、眼鏡用のハードコートに使用されております。また近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずアジア地域等への展開を図っております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELや、ディスプレイの表示性能を向上させる材料、およびフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を進めております。当セグメントに係る研究開発費は7,037百万円であります。 (3) 農業化学品セグメント当社が独自に創薬開発した殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品は、日本において野菜および茶向けの「グレーシア®乳剤」、芝用の殺虫剤「イザナミ®フロアブル」に続いて、果樹用のフロアブルも現在開発中です。海外では、2018年に韓国で発売以降、2020年にサウジアラビア、2021年にアラブ首長国連邦、インドネシア及びイランの3カ国で、そして2022年2月にはインドで登録されるなど、製品の販売国は着実に拡大しています。その他東南アジア諸国並びに中東アフリカ地域での評価や登録申請も順次進めており、さらなる販売エリアの拡大、拡販を目指します。抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)は国内開発に加えて、韓国での開発を継続、米国では適用性・市場性を確認すべく性能評価を開始しました。グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤化合物NC-656についても、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。水稲用除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」は、高性能な混合剤「ディオーレ®」および「流星®」を一発処理剤第3世代製品として開発、2021年より販売を開始しました。2022年はラインナップを充実させ、販売を本格化します。海外においては、2021年度に本格上市した台湾では、抵抗性カヤツリグサを対象として、販売は順調に推移しています。中国では、新剤型となる水和剤の登録を2021年12月に取得し初出荷を達成致しました。2022年2月には水稲面積が400万ヘクタールを超えるバングラデシュで登録を取得し、2022年後半の販売開始を目指します。更にインドでは近く登録申請予定、東南アジア諸国ならびに中東地域では評価試験を継続します。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ®マックスロード」は、ULV5(Ultra Low Volume 5Litter)散布技術の開発を進め、「ラウンドノズル®ULV5セット 動力用」「ラウンドノズル®ULV5セット バッテリー・人力用」「ラウンドノズル®ULV5ブームスプレーヤー用」を販売しております。その他海外開発では、殺菌剤「ライメイ®」、除草剤「タルガ®」及び除草剤「パーミット®」等の製品の登録について、インドやタイに加えアゼルバイジャン、そしてペルーで認可されました。また、スマート農業関連では、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」にも参加しており、各種IT企業とスマート農業への参画も検討しています。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ・ネコ用経口投与錠剤(ブランド名:Bravecto®**)を中心に日本を含め世界100か国で販売しており、近年では内部寄生虫薬とのネコ用混剤「Bravecto® PLUS」や8週齢以上の子犬向けの「Bravecto® 1-Month Chews」等ペット向け製品ラインアップを充実させています。家畜であるニワトリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「Exzolt®**」は欧州、南米、アジア、アフリカ、中東、更に日本でも「エグゾルト®**」として承認され、登録国数は70か国を超えました(2022年4月現在)。当セグメントに係る研究開発費は4,204百万円であります。*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。当社は他2社と共に参加。**ブラベクト®、Bravecto®、Exzolt®ならびにエクゾルト®は、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。 (4) 医薬品セグメント「NTC-801」(不整脈治療薬)については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による革新的医療シーズ実用化研究事業に採択され、共同研究先である大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を完了しました。本治験結果をもとに、引き続き提携先を検討してまいります。モジュラス㈱との低分子医薬品に関する戦略的業務提携において、モジュラス㈱の開発化合物について当社の原薬開発・製造技術およびノウハウを提供し、協働してその開発を推進しています。今後、共同で製薬企業に導出を目指します。当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術につきましては、製薬企業数社との共同研究が順調に進捗しており、2019年の研究開始から複数のプロジェクトにおいて開発候補化合物の選定ステージに到達しております。2021年度、新たに製薬企業との共同創薬を開始した他、国内外のアカデミアと新規標的遺伝子に対する共同研究を開始し、当社技術を活用する核酸創薬の提携先を拡大しています。ルクサナバイオテク㈱との核酸医薬品開発協業につきましては、希少疾患に対する創薬プロジェクトが順調に進捗すると共に、高い安全性と幅広い疾患領域において有効性を示す核酸医薬品を効率的に創製するプラットフォームの構築に取り組んでおります。また、ルクサナバイオテク㈱の保有する修飾核酸群(XNA)について創薬研究利用に関するライセンス許諾を受けるなど、その提携の範囲を拡げています。安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術SYNCSOL™の実用化を目的としてペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制の確立に着手しました。本技術をペプチスター㈱との協業に活かしていくとともに、顧客の抱える課題を解決することで事業の拡大を図ってまいります。当セグメントに係る研究開発費は2,125百万円であります。
FY2021|4,451 文字
5【研究開発活動】当社グループは、ビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、2019年4月からスタートした中期経営計画「Vista 2021」StageⅡ(2019~2021年度)では、基本戦略のひとつに「新製品創出力の強化」を掲げ、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。2020年度の進捗につきまして、化学品分野では、自社製品・技術をベースとした独自エポキシの用途拡大を進めております。またSDGsへ貢献可能な製品開発として微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数が伸びており、食品工場の産業廃棄物削減に寄与しております。機能性材料分野(ディスプレイ・半導体・無機)では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズの高性能化・多様化に対応した新材料の開発が進展しております。当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。また顧客対応力を強化するため、中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充も進めております。農業化学品分野では、抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)」の国内開発に加えて、韓国での開発も開始しております。またグローバル向け新規水稲用除草剤化合物NC-656は、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。またスマート農業チームを立ち上げ、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断に参加するなど、各種IT企業とスマート農業への参画検討を開始しております。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は適用拡大により、販売国を拡げております。医薬品分野では、モジュラス㈱と低分子医薬品に関する戦略的業務提携契約を新たに締結いたしました。最先端の計算科学により、短期間で精度の高い創薬に挑戦しております。また、ペプチドリーム㈱との共同研究により、安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術を確立いたしました。本技術を活用し、医薬品受託製造事業の拡大を図っております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は16,459百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業化学品事業では、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした新しいファインケミカルの創出、高機能化、用途拡大に取り組んでおります。機械物性と耐熱信頼性を両立する液状エポキシ「TEPICⓇ-VL」「TEPICⓇ-FL」を半導体実装用途に、低誘電正接エポキシ「FOLDIⓇ」を高周波基板用途に展開しております。樹脂添加剤「スターファインⓇ」は金属基材との密着力を高めることができ、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場から出る産業廃棄物の削減を達成しております。当事業に係る研究開発費は291百万円であります。 (2) 機能性材料事業機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、用途拡大が進行する中、さらなる高性能化を進めております。また、中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充により、拡大する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、及び実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等への製品開発、市場開拓を展開しております。シリカゾル以外にもジルコニアやチタニアのゾルを開発し、スマートフォンやタブレット等用の光学フィルムの屈折率調整、眼鏡のハードコートに使用されております。また近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずロシア、中東、アジア地域等への展開を図っております。 新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は6,983百万円であります。 (3) 農業化学品事業当社が独自に創薬開発し、新規作用機序を有する殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品は、日本において野菜および茶向けに「グレーシアⓇ乳剤」として2019年5月に販売を開始しました。更に芝用の殺虫剤として「イザナミⓇフロアブル」の登録を取得し2020年4月販売開始、果樹用のフロアブルも現在開発中です。海外では、日本に先行し2018年に韓国で発売され、2020年末にはサウジアラビアで登録されました。またインド、インドネシアに続きアルゼンチン、及び台湾等で登録申請が進み、その他東南アジア諸国並びに中東アフリカ地域での評価を進めております。抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)」は国内開発に加えて、韓国での開発も開始しました。更に、グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤化合物NC-656についても、2019年度からアジアを中心に評価・開発を進めております。水稲除草剤「アルテアⓇ(原体名:メタゾスルフロン)」は、一発処理剤第3世代製品として更に高性能な混合剤「ディオーレⓇ」および「流星Ⓡ」の各種製剤の販売を本年より段階的に開始いたしました。海外においては、中国での拡販が進み、ベトナム、ドミニカ共和国での登録に続き2021年1月に台湾で登録を取得しました。更に、インド、東南アジア諸国ならびに中東地域での評価試験を実施中で、2019年に申請したバングラデシュでは2021年中の登録が見込まれております。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップⓇマックスロード」は、ULV(Ultra Low Volume)散布技術の開発を進め、「ラウンドノズルULV5セット動力用」に加えて「バッテリー・人力用」を販売しており、本年から大型農家向けの「ラウンドノズルULV5ブームスプレーヤー用」の販売を予定しています。その他海外開発では、殺菌剤「ライメイⓇ」のフロアブルがインドにおいてブドウで、また顆粒水和剤がオーストラリア及びニュージーランドでアブラナ科植物等向けに登録されました。加えて除草剤「タルガⓇ」がマケドニアで登録されました。また、昨年7月にスマート農業チームを立ち上げ、ドローン用散布への農薬登録拡大を進めるとともに、AI病害虫雑草診断「レイミ―*」に参加するなど、各種IT企業とスマート農業への参画検討を開始致しました。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ・ネコ用経口投与錠剤(ブランド名:BravectoⓇ**)を中心に日本を含め世界100か国で販売しております。また家畜であるニワトリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「ExzoltⓇ**」は欧州、南米、アジア、アフリカ、中東、更に日本でも「エグゾルトⓇ**」として承認され、その数は70か国を超えました(登録国数は2021年3月現在)。当事業に係る研究開発費は4,331百万円であります。*レイミ―:日本農薬株式会社発表のスマートフォン用アプリケーション。当社は他2社と共に参加。**ブラベクトⓇ、BravectoⓇ、ExzoltⓇならびにエクゾルトⓇは、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。 (4) 医薬品事業「NIP-022」(血小板増加薬)については、日本およびアジアにおける想定適応症の事業性評価を行った結果、投資回収が不能と判断し、プロジェクトを中止いたしました。「NTC-801」(不整脈治療薬)については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による革新的医療シーズ実用化研究事業に採択され、共同研究先である大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を開始しました。本治験計画および結果をもとに、引き続き提携先を検討してまいります。継続的な原薬開発機会を獲得する為に、モジュラス㈱(以下、モジュラス)と低分子医薬品に関する戦略的業務提携契約を新たに締結しました。モジュラスは最先端の計算科学を駆使することで、これまで低分子でアプローチが難しかった創薬標的に対する開発候補化合物を短期間に高い精度で創製することに挑戦しています。本提携により、モジュラスの複数の開発化合物について当社の原薬開発・製造技術およびノウハウを提供し、協働してその開発を加速させ、製薬企業に共同導出を目指します。当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術につきましては、製薬企業数社との共同研究が順調に進捗しており、2019年の研究開始から2年で一つ目の開発候補化合物の選定ステージに到達しております。今後も提携先の拡大を進めてまいります。一方、ルクサナバイオテク㈱と共に、希少疾患に対する創薬と並行し、高い安全性と有効性を示す核酸医薬品を効率的に創製するためのプラットフォームの構築に取り組んでおります。ペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制の確立を目指し、ペプチドリーム㈱との共同研究により、安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術SYNCSOL™を確立いたしました。本技術をペプチスター㈱との協業に活かしていくとともに、医薬品受託製造事業の拡大を図ってまいります。当事業に係る研究開発費は2,438百万円であります。
FY2020|4,322 文字
5【研究開発活動】当社グループは、ビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、2019年4月からスタートした中期経営計画「Vista 2021」StageⅡ(2019~2021年度)では、基本戦略のひとつに「新製品創出力の強化」を掲げ、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。2019年度の進捗につきまして、化学品事業では、SDGsへ貢献可能な製品開発として微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数が伸びており、食品工場の産業廃棄物削減に寄与しています。機能性材料事業(ディスプレイ・半導体・無機)では、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズの高性能化・多様化に対応した新材料の開発が進展しており、顧客対応力の強化のために中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充も進めております。近年はシリカゾルをオイル&ガス分野製品への応用も進めております。農業化学品事業では、日本において業界初のドローン散布用の水稲除草剤として中・後期処理剤「レブラスⓇエアー粒剤」「ゲパードⓇエアー粒剤」が登録され、販売を開始しました。また非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップⓇマックスロード」はULV(Ultra Low Volume)散布技術の開発を進めており、新たに「バッテリー・人力用」の販売を開始しています。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は適用拡大により、外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ用経口投与錠剤を中心に使用され、内部寄生虫フィラリアの防除も可能なネコ用、およびニワトリのワクモ防除用飲水添加剤としても承認され、適用が拡大し販売国も広がっています。医薬品事業では、「NTC-801」(不整脈治療薬)が革新的医療シーズ実用化研究事業(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED))に採択され、共同研究先である大阪大学にて遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を開始しました。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は17,161百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業化学品事業では、成長分野の市場ニーズを見据え、自社製品・技術をベースとした機能材料開発に取り組み、次世代事業を担う製品開発を進めております。半導体実装用に柔軟性と低熱膨張を両立するエポキシ「TEPICⓇ-VL」、層間絶縁層用に低誘電正接エポキシ「FOLDIⓇ」等を開発し、それぞれ採用に至っております。樹脂添加剤「スターファインⓇ」は、基材と金属との密着性を改善する機能を有し、高機能なコート材・塗料など幅広い分野において採用を拡大しております。また、SDGsへ貢献可能な製品の市場開発も進めております。油脂分解力に優れる微生物製剤「ビーナスⓇオイルクリーン」の採用件数を増加させており、食品工場から出る産業廃棄物の削減を達成しております。当事業に係る研究開発費は360百万円であります。 (2) 機能性材料事業機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、既存製品をベースに高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、用途拡大に向けたさらなる高性能化を進めております。また、中国R&Dセンターの解析および評価設備拡充により、拡大する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化・高性能化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、及び実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等への製品開発、市場開拓を展開しております。シリカゾル以外にもジルコニアやチタニアのゾルを開発し、スマートフォンやタブレット等用の光学フィルムの屈折率調整、眼鏡のハードコートに使用されております。また近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組んでおり、米国のみならずロシア、中東、アジア地域等への展開を図っております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいる有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は7,727百万円であります。 (3) 農業化学品事業当社が独自に創薬開発し、新規作用機序を有する殺虫剤「グレーシアⓇ(原体名:フルキサメタミド)」乳剤は、2019年1月日本において野菜および茶向けに農薬登録され、2019年5月に発売しました。更に芝用の殺虫剤として「イザナミフロアブル」の登録を取得し2020年4月販売開始、果樹用のフロアブルを開発中です。海外では、日本に先行し2018年韓国で発売され、インド、インドネシアでの開発、その他東南アジア諸国・南米並びに中東アフリカで評価を進めております。園芸用殺菌剤NC-241(原体名:ピラプロポイン)については、2016年度より国内で開発を開始し、海外ではアジア・北米・南米・豪州を中心に評価・開発を進めております。抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名:ジメスルファゼット)の開発は順調に進捗しています。更に、自社創薬パイプラインの中から、グローバルな展開が期待される新規水稲用除草剤化合物(NC-656)について2019年度より本格開発を開始しました。水稲除草剤「アルテアⓇ(原体名:メタゾスルフロン)」は、日本において業界初のドローン散布用の中・後期処理剤として「レブラスⓇエアー粒剤」「ゲパードⓇエアー粒剤」が、また後期の茎葉散布剤として「アレイルSC」が登録され、販売を開始しました。更に、一発処理剤ではアルテア剤第3世代製品として更に高性能な混合剤開発も進めています。海外においては、中国での拡販が進み、ベトナム、ドミニカでの登録に続きインド、東南アジアならびに中東での評価試験を実施中で、2019年には新たにバングラデシュでの登録申請を行いました。非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップⓇマックスロード」は、ULV(Ultra Low Volume)散布技術の開発を進め、「ラウンドノズルⓇULV5セット動力用」に加えて「バッテリー・人力用」の販売を開始し2019年度からは大型農家向けの「ラウンドノズルⓇULV5ブームスプレーヤー用」の開発を進めております。その他海外開発では、殺ダニ剤「サンマイト」並びに「スターマイト」がインドにおいてそれぞれ茶、果樹で登録され、また、殺菌剤「ライメイ」がインドネシアでキャベツ向けに、ジョージアで果菜、果樹向けに登録されました。加えてブラジルにおいて殺菌剤「パルサーⓇ」のコーヒー向け灌注処理の登録拡大が認可されました。当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は適用拡大により、外部寄生虫ノミ・マダニ防除用のイヌ用経口投与錠剤を中心に日本を含め世界100か国で販売しております。更に、内部寄生虫フィラリアの防除も可能なネコ用「ブラベクトⓇ*プラス」(スポットオン製品)は欧州、豪州、米州、アフリカでも承認され40カ国超に、また家畜であるニワトリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「ExzoltⓇ*」は欧州、南米、アジア、アフリカ、更に中東でも承認され、その数は60か国を超えました(登録国数は2020年3月現在)。当事業に係る研究開発費は4,533百万円であります。*ブラベクトⓇ、BravectoⓇならびにExzoltⓇは、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。 (4) 医薬品事業「NIP-022」(血小板増加薬)については、㈱ヤクルト本社(以下、ヤクルト)と共同して開発を進め国内における健康成人を対象とした臨床第Ⅰ相試験を完了しておりましたが、ヤクルトが戦略上の理由から本剤の開発中止を決定したことからライセンス契約を終了いたしました。これに伴い、当社はヤクルトから開発・販売権などすべての権利の返還を受け、新たな提携先を検討してまいります。「NTC-801」(不整脈治療薬)については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による革新的医療シーズ実用化研究事業に採択され、共同研究先である大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験を開始しました。本治験計画および結果をもとに、引き続き提携先を検討してまいります。革新的な開発候補品を継続的に創製する為に、戦略的に構築した低分子化合物ライブラリ―、精密有機合成力、イオンチャネル評価などの最先端の評価技術を基軸に、循環器疾患領域と神経疾患領域にリソースを集中して自社創製研究を進めるとともに、製薬企業およびバイオベンチャー企業数社とお互いの強みを活かした共同研究を進めております。また、これまで低分子医薬品や抗体医薬品による有効な治療法の無かった希少疾患等の治療が期待できる中分子医薬品への取り組みとして、当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術を利用する共同創薬を製薬企業数社と進めているとともに、ルクサナバイオテク㈱とは高い安全性と有効性を示す核酸医薬品を効率的に創製するためのプラットフォームの構築を目指しています。一方、ペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制の確立を目指したペプチスター㈱との協業においては、当社の強みである原薬製造技術および品質保証の経験を活かし、安価で高品質なペプチド医薬品の製造技術を構築することにより、医薬品受託製造事業の拡大を図ってまいります。当事業に係る研究開発費は2,508百万円であります。
FY2019|3,915 文字
5【研究開発活動】 当社グループは、ビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、2019年4月からスタートした中期経営計画「Vista 2021」StageⅡ(2019~2021年度)では、基本戦略のひとつに「新製品創出力の強化」を掲げ、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。 StageⅠ最終年度である2018年度の進捗につきまして、化学品事業では油脂分解微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」の顧客採用が始まっております。機能性材料事業(ディスプレイ・半導体・無機)では、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズの高性能化・多様化に対応した新材料の開発が進展しております。農業化学品事業では、新規作用機序の汎用性殺虫剤「グレーシア®」が韓国で発売されました。日本でも登録され、2019年5月に発売しました。殺菌剤、除草剤についても順調に開発を進めております。また、動物薬の開発が進捗し、販売国の拡大と併せて適用拡大も承認されました。医薬品事業では、新たな創薬プログラムの開始など、開発パイプラインの創出に取り組むとともに、特殊ペプチド医薬品製造の技術構築および核酸創薬の基盤技術構築も進めております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は17,751百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業 化学品事業では、ファインケミカル分野の新製品開発によって一層の事業強化を図っております。「テピックⓇ」 においては、液状品の「TEPIC-PAS」、光硬化性を有する「TEPIC-VL」、および「TEPIC-FL」の顧客における評価・採 用が進み、新規開発品の「FOLDI」でも次世代半導体分野や携帯端末向けを中心に、多くの企業で採用へ向けての開発 が進んでおります。また、樹脂添加剤「スターファインⓇ」は密着性改良剤、防錆剤用途といった複数の分野で各社 から高い評価を頂いており、2018年度に数社で採用されました。 一昨年度販売を開始した「ビーナスⓇオイルクリーン」も多くの企業から問い合わせを頂き、数件の採用導入とと もに大手食品メーカーを中心に新規導入検討が本格化しております。本製品は、高い油脂分解力により産業廃棄物の 削減を可能とし、水処理分野での課題解決に大きく貢献できると見込んでおります。 当事業に係る研究開発費は571百万円であります。 (2) 機能性材料事業 機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材 料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。 ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、新たな技術を加 えることで、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材の高性能化を進 めており、新規顧客での採用を達成いたしました。また、台湾および韓国に加え、中国でR&Dセンターの稼働を開始 し、拡大が進行する中国市場での顧客対応力のさらなる強化を図っております。 半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化・高性能化を進めるとともに、次 世代あるいは次々世代の微細加工技術、および実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、こ のような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り 組んでおります。 無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理等への製品開発、市場開拓を展開してお ります。シリカゾル以外にもジルコニアやチタニアのゾルを開発し、スマホやタブレット等の光学用樹脂、フィルム の屈折率調整、ハードコートへの製品展開を行っております。またこれからの持続可能社会の実現、環境エネルギー 分野への貢献を目指し、コロイドおよび界面化学を駆使しオイル&ガスの増産回収向上材を開発し、北米を中心に販売 実績をあげております。更には今後の市場成長が期待できる電気自動車モーター用樹脂の高絶縁化といった用途への 新規製品開発にも取り組んでおります。 新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社内外の共同研究を活用して、今後本格的な 進展が期待される有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っておりま す。 当事業に係る研究開発費は8,219百万円であります。 (3) 農業化学品事業 当社が独自に創薬開発し、新規作用機序を有する殺虫剤「グレーシアⓇ(原体名:フルキサメタミド)」乳剤は、2019年1月日本において野菜および茶向けに農薬登録され、2019年5月に発売しました。海外では、日本に先行し2018年韓国で発売され、中国、インドでの開発、その他アジア諸国・南米で評価および開発を進めております。 園芸用殺菌剤NC-241(原体名:ピラプロポイン)については、2016年度より国内で開発を開始し、海外ではアジア・北米・南米・豪州を中心に評価・開発を進めております。抵抗性、難防除雑草防除に優れる水稲用除草剤、NC-653(原体名未定)の開発は順調に進捗しています。更に、自社創薬パイプラインの中から、グローバルな展開が期待される新規水稲除草剤化合物の本格開発に向け評価が進められています。 水稲除草剤「アルテアⓇ(原体名:メタゾスルフロン)」は、日本において中・後期処理の高性能ジャンボ剤として「レブラスⓇジャンボ」「ゲパードⓇジャンボ」が登録され、新たな施用技術となるドローン散布製品の開発も進めています。海外においては、韓国、中国およびベトナムでの上市に続き、中南米で開発を継続しております。 非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップⓇマックスロード」は、5L少水量散布技術の開発を進め、2018年8月には「ラウンドノズルⓇULV5セット動力用」を上市し、更に「ラウンドノズルⓇULV5セットバッテリー・人力用」、大型農家向けの「ラウンドノズルⓇULV5ブームスプレーヤー用」の開発を進めております。 その他海外開発では、ブラジルにおいて除草剤「タルガⓇ」の大豆向け混合剤の登録に加え、殺菌剤「ライメイⓇ」がアルゼンチン並びにチリにおいて野菜向けに登録されました。また、殺ダニ剤「サンマイトⓇ」がインドで、「スターマイトⓇ」が台湾で登録されました。 当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品は適用拡大に より、イヌ用経口投与錠剤を中心に日本を含め世界100か国に達しました(2019年3月現在)。また、家畜であるニワ トリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「ExzoltⓇ*」が欧州に続き南米、アジア、アフリカでも承認されま した。更に、従来の外部寄生虫ノミ・マダニ防除用に加え、内部寄生虫フィラリアの防除も可能なネコ用「ブラベク トⓇ*プラス」(スポットオン製品)は欧州に続き、豪州、ニュージーランドでも承認されました。 当事業に係る研究開発費は4,452百万円であります。*ブラベクト®、Bravecto®ならびにExzolt®は、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。 (4) 医薬品事業 「NIP-022」(血小板増加薬)については、2015年10月に㈱ヤクルト本社とライセンス契約を締結し、両社で共同して開発を進めております。2016年に開始した国内における健康成人を対象とした臨床第Ⅰ相試験は2017年に完了し、現在、今後の臨床開発計画について検討中です。 「NTC-801」(不整脈治療薬)については、日本医療研究開発機構(AMED)による革新的医療シーズ実用化研究事業 に採択され、共同研究先である大阪大学において遺伝性徐脈性不整脈を対象とした医師主導治験に向けた準備を開始 しました。本治験計画および結果をもとに、引き続き新たな提携先の検討を進めております。 自社創薬においては、戦略的に構築した化合物ライブラリ―、精密有機合成力、イオンチャネル評価などの最先端 の評価技術を基軸に、循環器疾患領域と神経疾患領域に集中して革新的な医薬品の創製に向けた研究を進めておりま す。 共同創薬においては、塩野義製薬㈱との新規真菌感染症治療薬のプログラムをはじめ、製薬企業数社とお互いの強 みを活かした画期的新薬の創製研究を進めております。 抗体医薬と低分子医薬の優れた点を兼ね備えることが期待され注目の集まる中分子医薬品関連の取り組みとして、 核酸医薬品について当社独自の核酸構造を用いた創薬基盤技術により、ルクサナバイオテク㈱をはじめ数社と革新的 医薬品創出に向けた共同研究を開始いたしました。また、ペプチド医薬品については、特殊ペプチド医薬品原薬の安 定的な供給体制の確立を目指すペプチスター㈱へ出資しております。当社の強みである原薬製造技術および品質保 証の経験を活かし、革新的なペプチド製造技術を構築することにより、医薬品受託製造事業の拡大を図ってまいりま す。 当事業に係る研究開発費は2,499百万円であります。
FY2018|3,440 文字
5【研究開発活動】当社グループは、ビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、中期経営計画「Vista 2021」StageⅠ(2016~2018年度)の基本戦略のひとつに「研究開発力の強化」を掲げ、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。2017年度の進捗につきまして、化学品事業では、油脂分解処理剤の販売を開始しました。機能性材料事業(ディスプレイ・半導体・無機)では、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズおよび次世代技術に対応した新材料の開発が進展しております。農業化学品事業では、水稲用除草剤の混合剤、新規殺虫剤、殺菌剤など農薬のほか、動物薬の開発が順調に進捗いたしました。医薬品事業では、新たな創薬プログラムを開始し、開発パイプラインの充実に取り組むとともに、特殊ペプチド医薬品の製造技術構築も進めております。また、生体材料分野では、京都大学や九州大学との産学連携を活用して、新しい材料探索と実用化研究を行っております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は172億28百万円であります。 セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業油脂分解微生物製剤の販売を開始しました。本製品は、名古屋大学から特許を譲受したもので、高い油脂分解力を持つとともに産業廃棄物の削減効果も期待でき、水処理分野での課題解決に大きく貢献できると見込んでおります。また、ファインケミカル分野の新製品開発によって一層の事業強化を図っております。「テピック®」では、液状品の「TEPIC-PAS」、「TEPIC-VL」の実需化に続き、「TEPIC-FL」が新たに顧客に採用されたほか、新規開発品の「FOLDI」を含め、ディスプレイ・半導体分野を中心に、多くのユーザーで採用へ向けた評価が進んでおります。また、樹脂添加剤「スターファイン®」は密着性改良剤、防錆剤用途で開発を進めております。当事業に係る研究開発費は5億64百万円であります。 (2) 機能性材料事業機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドの研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、新たな技術を取り込み、時代のニーズに即した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材の高性能化を進めており、新規顧客での採用を達成いたしました。また、台湾および韓国に加え、中国でR&Dセンターの稼働を予定しており、今後もさらなる高度化・多様化が進んでいくアジア市場での顧客対応力の強化を図っております。半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化・高性能化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。無機コロイドでは、各種電子材料やハードコートなど製品用途の拡大と新規顧客の獲得を目指し、シリカゾルを中心に金属酸化物ナノ粒子の開発と新規市場開拓を進めております。加えて、大学等との共同研究にも取り組み、特長あるナノ材料の創出に注力しております。新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させ、今後本格的な進展が期待される有機ELやフレキシブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は81億38百万円であります。 (3) 農業化学品事業水稲除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」は、日本において中・後期処理の高性能ジャンボ剤として「ゲパード®ジャンボ」の登録を取得いたしました。海外においては、韓国、中国及びベトナムでの上市に続き、中南米で開発を継続しております。家庭用除草剤「ラウンドアップマックスロード®AL」シリーズは、速効性の「ALⅡ」に続き、長期間の除草効果を付与した第三弾の「ALⅢ」が登録されました。米国における除草剤展開では、「パーミット®」の水稲向け混合剤である「Butte®」並びに「Gambit®」の登録取得に加え、「タルガ®」は「タルガ®」耐性小麦用が登録されました。また、中国で殺ダニ剤「スターマイト®」の登録を取得しました。更に、ブラジルで「タルガ®」並びに殺ダニ剤「サンマイト®」の新製剤を、マレーシアでは水稲用殺菌剤「パルサー®」を上市しました。一方、新規農薬候補化合物について、野菜および茶向け汎用性殺虫剤「グレーシア®(原体名:フルキサメタミド)」乳剤は、日本において2019年の発売を見込んでおります。海外では、韓国で2018年度の上市を計画していることに加え、中国、インドでの開発、その他アジア諸国・南米で評価を進めております。また、園芸用殺菌剤NC-241(原体名:ピラプロポイン)については、2016年度より国内における開発を開始、海外についてもアジア・北米・南米を中心に評価・開発を進めております。更に、「アルテア®」に続く水稲用除草剤として、NC-653(原体名未定)の本格開発に着手しました。当社発明化合物フルララネルを含む外部寄生虫薬「ブラベクト®」は、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社、米国メルク社のアニマルヘルス事業部門)が新たな製品を開発・発売し、販売量が拡大しています。イヌ用経口投与錠剤、イヌ・ネコ用経皮投与スポットオン製品の販売国は、日本を含め世界87か国に達しました(2018年3月現在)。また、新たに家畜用製品として、ニワトリのワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤「Exzolt®」が2017年に欧州で承認・発売されました。更に、従来の外部寄生虫ノミ・マダニ防除用に加え、内部寄生虫フィラリアの防除も可能となる、ネコ用「ブラベクト®プラス」(スポットオン製品)が欧州で販売承認されました。当事業に係る研究開発費は43億6百万円であります。*ブラベクト®、Bravecto®ならびにExzolt®は、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。Butte®ならびにGambit® は、Gowan Company, LLCの登録商標です。 (4) 医薬品事業「NIP-022」(血小板増加薬)については、2015年10月に㈱ヤクルト本社とライセンス契約を締結し、両社で共同して開発を進めております。2016年に開始した国内における健康成人を対象とした臨床第Ⅰ相試験は2017年に完了し、現在、今後の臨床開発計画を策定中です。2017年3月、田辺三菱製薬㈱と共同研究契約を締結した新規自己免疫疾患治療薬創製に関する共同研究プログラムは、当社が創出した化合物を用い、両社で共同研究を進めてまいりましたが、予定した試験が完了したことから、本年4月に共同研究を終了いたしました。 「NTC-801」(不整脈治療薬)については、引き続き新たな提携先の検討を進めてまいります。「NT-702」(閉塞性動脈硬化症治療薬および気管支喘息治療薬)は、戦略上の理由により開発中止を決定しました。塩野義製薬㈱との共同研究に関し、2016年1月に開始した新規真菌感染症治療薬の創薬プログラムが順調に進捗しております。2017年4月には、2つ目の創薬プログラムとなる新規疼痛治療薬創製について共同研究契約を締結いたしました。両社で共同して画期的新薬の創製に向けた研究を進めてまいります。抗体医薬と低分子医薬の優れた点を兼ね備えることが期待され注目の集まる中分子医薬品関連の取り組みとして、特殊ペプチド医薬品原薬の安定的な供給体制の確立を目指すペプチスター株式会社へ出資しております。当社の強みである原薬製造技術および品質保証の経験を活かし、革新的なペプチド製造技術を構築することにより、医薬品受託製造事業の拡大を図ってまいります。当事業に係る研究開発費は24億52百万円であります。
FY2017|2,999 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、2016年4月に6ヵ年の中期経営計画「Vista2021」を始動させました。その策定にあたりビジネスモデルを「独自の革新的な技術で社会の要請に応える未来創造企業」と定め、人と環境にやさしい未来づくりにつながる研究開発活動を推進しております。各分野での進捗につきまして、機能性材料分野(電子・無機・有機)では、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズおよび次世代技術に対応した新材料の開発が進展しております。ライフサイエンス分野(農薬・医薬・動物用医薬品)では、新規水稲用除草剤の混合剤や新規殺菌剤など農薬および動物用薬品の開発が順調に進捗いたしました。医薬品では、新たな創薬プログラムの開始など、開発パイプラインの創出に取り組んでおります。生体材料分野では、京都大学や九州大学との産学連携を活用して、新しい材料探索と実用化研究を行っております。 このように研究開発活動を進める一方で、3年前に物質科学研究所、材料科学研究所、生物科学研究所の3研究所体制に変更して以来、当社のコア技術である「精密有機合成」、「機能性高分子設計」、「微粒子制御」、「生物評価」の融合による新分野の開拓を進めております。さらにライフサイエンスにおける研究開発力の強化を目的に、2011年度から2016年度までの6年をかけて生物科学研究所の抜本的な整備工事を行い、今春、完工いたしました。また材料科学研究所の新研究棟の整備など、研究インフラの拡充を図っております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は160億78百万円であります。 セグメント別の内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業化学品事業では、イソシアヌール酸の高い機能を活かした誘導体展開を加速しております。特に「テピック®」については、液状品の「TEPIC-PAS」および「TEPIC-VL」がLEDおよびディスプレイ分野で実需化を達成したほか、多くのユーザーで採用へ向けた評価が進んでおります。また、パワー半導体分野をターゲットとする低粘度および低誘電率に特長のある「TEPIC-FL」および「FOLDI」、イソシアヌール酸骨格を有する新しい密着性改良剤「スターファイン」についても順調に開発を進めております。当事業に係る研究開発費は、5億2百万円であります。 (2) 機能性材料事業機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイド材料の研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。 ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、新たな技術を取り込み、時代のニーズに即した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材の高性能化を進めており、新規顧客での採用を達成いたしました。また、台湾および韓国のR&Dセンターとの連携を深め、今後もさらなる高度化・多様化が進んでいくアジア市場での顧客対応力の強化を図っております。 半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化・高性能化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術、3次元実装技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。 無機コロイド材料では、各種電子材料やハードコートなど製品用途の拡大と新規顧客の獲得を目指し、シリカゾルを中心に金属酸化物ナノ粒子の開発を進めております。加えて、大学等との共同研究にも取組み、特長あるナノ材料の創出に注力しております。 新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させ、今後本格的な進展が期待される有機ELやフレキブルデバイス向けの材料など、次世代につながる材料の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、79億21百万円であります。 (3) 農業化学品事業水稲除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」については、日本において第二弾の初・中期一発剤として「シグナス®」、「天空®」の登録を取得いたしました。海外においては、韓国と中国に続きベトナムで「アルテア®」を上市した他、中南米で開発を進めております。また、家庭用除草剤の「ラウンドアップマックスロード®AL」シリーズでは、第二弾の「ALⅡ」の登録に続き長期間の除草効果を有する第三弾の開発を進めております。更に、除草剤「パーミット®」が新たにトウモロコシ向けとしてスペインで登録を取得いたしました。米国においては除草剤「タルガ®」が「タルガ®」耐性を付与された水稲に登録を取得したことに加え、殺ダニ剤「サンマイト®フロアブル」の登録を取得いたしました。殺菌剤については、「オラクル®」が新たにタバコ向けとして中国で、「パルサー®」がイネ用としてインドネシアとマレーシアで製品登録されました。 一方新規農薬候補化合物については、国内で2013年度より開始した野菜および茶向け汎用性殺虫剤「グレーシア®(原体名:フルキサメタミド)乳剤」は日本において2019年度の登録を見込んでおります。海外では韓国をはじめ中国、インドでの開発を進めております。また園芸用殺菌剤NC-241(原体名未定)については、2016年度より国内における開発を開始、海外についてもアジア・北米・南米を中心に評価を開始しております。 当社発明化合物フルララネルを含む外部寄生虫薬「ブラベクト™」はMAH社(米国メルク社のアニマルヘルス事業部門、Merck Animal HealthまたはMSD Animal Health社)により販売が拡大され、そのイヌ用経口投与錠剤の販売国が日本を含め世界80か国に達しました(2017年3月現在)。また、2016年より欧州(EU)、米国にて経皮投与スポットオン製品がイヌ用、ネコ用ともに販売承認され、ネコ用は2016年、イヌ用は2017年に発売されました。当事業に係る研究開発費は、38億45百万円であります。 *ブラベクト™はIntervet International B.V. の商標です。 (4) 医薬品事業「NIP-022」(血小板増加薬)については、2015年10月に㈱ヤクルト本社とライセンス契約を締結し、両社で共同して本剤の開発を進め、2016年には国内で健康成人を対象とした臨床第Ⅰ相試験を開始いたしました。 また、2017年3月、田辺三菱製薬㈱と新規自己免疫疾患治療薬創製に関する共同研究プログラムの共同研究契約を締結いたしました。今後両社で共同して当社が創出した化合物を用いた研究開発を進めてまいります。 「NT-702」(閉塞性動脈硬化症治療薬および気管支喘息治療薬)および「NTC-801」(不整脈治療薬)については、引き続き新たな提携先の検討を進めてまいります。 2016年1月に塩野義製薬㈱と共同で開始した新しい作用機序を有する真菌感染症治療薬の創製プログラムについては、順調に進捗しております。当事業に係る研究開発費は、22億15百万円であります。
FY2016|2,748 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、2015年度までの3ヵ年の中期経営計画「Vista2015 StageⅡ」において掲げた基本戦略である「新事業・新製品の創出」に向け、研究開発活動を推進してまいりました。各分野での進捗につきましては、機能性材料分野(電子・無機・有機)では、既存製品の高品質・高性能グレード、顧客ニーズおよび次世代技術に対応した新材料の開発が進展しております。ライフサイエンス分野(農薬・医薬)では、新規水稲用除草剤の混合剤や新規殺虫剤など農薬の開発が順調に進捗いたしました。医薬品は、新薬候補品の臨床開発は中止となりましたが、新たな創薬プログラムの開始など、開発パイプラインの創出に取り組んでおります。生体材料分野では、京都大学や九州大学との産学連携を活用して、新しい材料探索と実用化研究を行っております。 また研究開発活動を進める一方で、一昨年、物質科学研究所、材料科学研究所、生物科学研究所の3研究所体制に変更して以来、当社のコア技術である「精密有機合成」、「機能性高分子設計」、「微粒子制御」、「生物評価」の融合による新分野の開拓を進めております。さらに、材料科学研究所の新研究棟の整備、生物科学研究所の農薬研究棟や温室の新設など、研究インフラの拡充を図っております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は157億78百万円であります。 セグメント別の内訳は以下の通りであります。 (1) 化学品事業化学品事業では、イソシアヌール酸の高い機能を活かした誘導体展開を加速しております。特に「テピック®」については、液状品の「TEPIC-PAS」および「TEPIC-VL」がLEDを中心とした市場で採用されました。また、今後さらに大きな成長が期待されているパワー半導体分野をターゲットとして、低粘度および低誘電率に特長のある「TEPIC-FL」および「FOLDI」を新たに投入し、製品ラインナップを拡充いたしました。 さらに、イソシアヌール酸骨格を有する新しい防錆白色顔料についても順調に開発を進めております。 当事業に係る研究開発費は、5億24百万円であります。 (2) 機能性材料事業機能性材料事業では、船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ、半導体、無機コロイド材料の研究開発、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を実施しております。 ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、新たな技術を取り込み、時代のニーズに即した材料開発に取り組んでおります。また、台湾および韓国のR&Dセンターとの連携を深め、今後もさらなる高度化・多様化が進んでいくアジア市場での顧客対応力の強化を図っております。 半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化・高性能化を進めるとともに、次世代あるいは次々世代の微細加工技術に対応する材料の研究開発にも注力しております。また、このような新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。 無機コロイド材料では、各種電子材料やハードコートなど製品用途の拡大と新規顧客の獲得を目指し、シリカゾルを中心に金属酸化物ゾルの開発を進めております。加えて、大学等との共同研究にも取組み、特長あるナノ材料の創出に注力しております。 新規材料については、当社のコア技術を基盤として深化・発展させ、今後本格的な進展が期待される有機ELやフレキブルデバイス向けの材料、伸縮性ハイドロゲルなど、次世代につながる材料の研究開発を行っております。 当事業に係る研究開発費は、73億89百万円であります。 (3) 農業化学品事業水稲除草剤「アルテア®」(原体名:メタゾスルフロン)については、日本において次世代混合剤の開発が進捗し、中後期剤として「レブラス®」、「ゲパード®」の登録を取得いたしました。海外においては、韓国と中国に続きベトナムでの「アルテア®」開発を進めております。また、家庭用除草剤「ラウンドアップ®マックスロードAL」では、シリーズ第2弾の「ラウンドアップ®マックスロードALⅡ」の登録を取得いたしました。殺菌剤については、アミスルブロムが新たにフランスでブドウ向けとして製品登録されました。 一方新規農薬候補化合物については、国内で2013年度より開始した野菜および茶向け汎用性殺虫剤NC-515(原体名:フルキサメタミド)の開発は2019年度登録に向かって進展、海外でも韓国をはじめアジアを中心に開発を推進いたします。さらに、次期中期計画では新たな汎用性殺菌剤と水稲用除草剤を開発してまいります。 当社が発明した化合物フルララネルを含むイヌ用外部寄生虫薬「ブラベクト™」の経口投与錠剤については、MSD社(米国メルク社のアニマルヘルス事業部門、MSD Animal Health社)による販売承認国が、2016年3月現在では日本を含め世界約65か国まで拡大いたしました。また、MSD社はフルララネルの新たな適用として欧州においてイヌ・ネコ用経皮投与スポットオン製品の販売承認を2016年5月に獲得しております。 当事業に係る研究開発費は、38億84百万円であります。 *ブラベクト™はIntervet International B.V. の商標です。 (4) 医薬品事業「NT-702」(閉塞性動脈硬化症治療薬および気管支喘息治療薬)については共同開発先の大正製薬㈱から、「NTC-801」(不整脈治療薬)については共同開発先の帝人ファーマ㈱および米ブリストル・マイヤーズスクイブ社から、それぞれ開発・販売権などすべての権利の返還を受け、新たな提携先を検討しております。 「NIP-022」(血小板増加薬)については、これまで共同開発を進めてきた小野薬品工業㈱から開発・販売権などすべての権利の返還を受け、新たな提携先を検討した結果、2015年10月に㈱ヤクルト本社とライセンス契約を締結いたしました。今後、両社が共同して本剤の開発を進めてまいります。 また、2016年1月、塩野義製薬㈱と、新規真菌感染症治療薬創製に関する創薬プログラムについて共同研究を行う契約を締結いたしました。真菌感染症に関しては、既存の治療薬の有効性および安全性が不十分であり、治療薬が効果を示さない耐性菌の増加も課題となっているため、同社と共同で新しい作用機序を有する真菌感染症治療薬の創製を進めてまいります。 当事業に係る研究開発費は、23億66百万円であります。