4008

住友精化(4008)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 主力事業の概要
    住友精化グループは、主に「吸水性樹脂」と「機能マテリアル」の2つの事業で収益を上げています。吸水性樹脂は、紙おむつや生理用品などの衛生用品に使われる高吸水性素材で、生活に密着した製品の基盤を支えています。機能マテリアルは、水溶性ポリマーや医薬製品、エレクトロニクスガスなど多岐にわたる高機能素材を提供し、幅広い産業分野に貢献しています。
  • グローバルな事業展開
    同社グループは、日本だけでなくシンガポール、ベルギー、韓国、中国、台湾など世界各地に子会社を持ち、吸水性樹脂や機能マテリアルを製造・販売しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の市場ニーズに対応できる体制を構築しており、国際的な事業展開が収益の柱となっています。
  • 多角的な収益源
    吸水性樹脂や機能マテリアルといった主要事業に加え、「その他」事業として化学品の製造受託なども行っています。これにより、特定の製品や市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。多様な製品とサービスを提供することで、幅広い顧客層からの収益を確保するビジネスモデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 吸水性樹脂事業
    この事業は、紙おむつや生理用品などの衛生材料、ペットシート、ケーブル用止水材といった工業用材料に使われる吸水性樹脂の製造・販売が中心です。最新年度の売上高は1,155.42億円、営業利益は80.88億円と、同社グループの主要な収益源であり、生活必需品を支える重要な素材を提供しています。
  • 機能マテリアル事業
    水溶性ポリマー、エマルジョン、微粒子ポリマー、医薬製品、エレクトロニクスガス、標準ガス、工業薬品、医療用ガス、ケミカルガスなど、多岐にわたる高機能素材の製造・販売を行っています。また、酸素・窒素・水素等のガス発生装置の設計・製作・販売も手掛けています。最新年度の売上高は317.89億円、営業利益は26.22億円で、幅広い産業分野に貢献しています。
  • その他の事業
    上記の主要事業以外に、化学品の製造受託事業などを行っています。この事業は、特定の製品に特化せず、外部からの委託を受けて化学品の生産を行うことで、事業の多角化と収益源の安定化に寄与しています。具体的な売上や利益の数値は示されていませんが、グループ全体の事業ポートフォリオを補完する役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WaterAbsorbingResin 事業 1,155 81 7.0%
FunctionMaterialReportableSegment 事業 318 26 8.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|663 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社11社で構成され、その事業内容は次のとおりであります。 [吸水性樹脂] 当事業においては、吸水性樹脂(紙おむつや生理用品などの衛生材料、ペットシート、ケーブル用止水材などの工業用材料)の製造・販売を行っております。 [機能マテリアル] 当事業においては、水溶性ポリマー、エマルジョン、微粒子ポリマー、医薬製品、機能製品等、エレクトロニクスガス、標準ガス、工業薬品、医療用ガス、ケミカルガスの製造・販売及び酸素・窒素・水素等のガス発生装置(PSA方式)等の設計・製作・販売を行っております。 [その他] 当事業においては、化学品の製造受託事業等を行っております。  また、当社及び連結子会社に関わるセグメントとの関連は、次のとおりであります。所在地名称セグメント名称吸水性樹脂機能マテリアルその他日本住友精化㈱(当社)○○ シンガポール共和国スミトモ セイカ シンガポール プライベート リミテッド〇 ベルギー王国スミトモ セイカ ヨーロッパ S.A./N.V.○○ 大韓民国スミトモ セイカ ポリマーズ コリア カンパニー リミテッド○ 大韓民国住精ケミカル㈱○○ 中華人民共和国住精科技(揚州)有限公司 ○中華人民共和国住友精化(中国)投資有限公司○○ 台湾台湾住精科技(股)有限公司○○ 中華人民共和国住精高分子技術(上海)有限公司○○ 中華人民共和国住精国際貿易(上海)有限公司○ 日本セイカテクノサービス㈱ ○日本セイカリサーチ㈱ ○  事業系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内外の競合企業参入、安価な輸入品流入、中国市場でのコモディティ化による厳しい価格競争。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
吸水性樹脂の独自の製法である逆相懸濁重合法、LIB電解液用添加剤、高性能絶縁被覆材料、半導体絶縁膜材料などの開発技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:市場環境の悪化と価格競争の激化 / 原材料調達の特定の購入先依存と価格変動 / 為替レートの変動による業績への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

住友精化は、高機能化学品分野で長年の研究開発実績とノウハウを持つ。特に、光学材料や電子材料分野における特定の製品群で、独自の技術や特許を保有している可能性があるが、その具体的な範囲や競合優位性は限定的と見られる。ブランド力は住友グループの一員としての信用に依存する部分が大きい。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の機能を持つ化学品を調達する際に、品質や供給安定性を重視する。住友精化の製品が特定の用途で不可欠な場合、顧客は代替品の探索や切り替えにコスト(評価・試験・設備変更等)を要する可能性がある。しかし、化学品市場は代替品が多く、スイッチングコストはそれほど高くないと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

住友精化の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその製品自体の価値が高まるネットワーク効果を生む構造ではない。化学品のサプライヤーとユーザーの関係であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産経験とスケールメリットにより、一定のコスト競争力を持つ可能性がある。特に汎用的な化学品においては、効率的な生産プロセスや原料調達力がコスト優位に繋がる。しかし、高付加価値製品においては、研究開発費や設備投資が先行し、必ずしも圧倒的なコスト優位とは言えない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

住友精化は、特定の高機能化学品分野において、一定の生産規模と市場シェアを有している。これにより、競合他社が容易に追随できない生産能力やコスト効率を実現している可能性がある。しかし、グローバルな化学品市場全体で見ると、巨大な総合化学メーカーと比較すると規模の経済性は限定的である。

  • 高機能素材の技術力
    住友精化は、紙おむつなどに使われる吸水性樹脂や、エレクトロニクス分野で利用される高純度ガスなど、高い技術力を要する製品を製造・販売しています。これらの製品は、特定の用途において優れた性能を発揮するため、他社との差別化要因となり、競争優位性を確立しています。
  • グローバルな生産・販売網
    同社グループは、日本、アジア、ヨーロッパなど世界各地に生産拠点と販売網を持っています。これにより、各地域の市場ニーズに迅速に対応できるだけでなく、原材料の調達や製品供給の安定性を高めています。広範なネットワークは、規模の経済を享受し、コスト競争力にも寄与する可能性があります。
  • 多様な製品ポートフォート
    吸水性樹脂だけでなく、水溶性ポリマー、医薬製品、各種ガスなど、多岐にわたる機能性マテリアルを提供しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益を確保しやすい構造となっています。幅広い産業分野に製品を供給することで、顧客基盤の安定化にも繋がっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  2026年3月以降、中東地域での軍事的衝突や、ホルムズ海峡を含む主要海上交通路の通航リスクの顕在化等により、エネルギー資源および各種原材料の供給が不安定化し、原燃料市況は高騰しております。当社グループは、原料調達先の多様化や原料価格上昇分の価格転嫁など可能な限りの対策を講じてまいります。 一方、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画の重点施策として、「事業構造の強靭化」、「研究開発の結実」、「徹底した合理化」、「サステナビリティへの取り組み深化」に取り組んでまいりました。 <事業構造の強靭化> 吸水性樹脂事業では、インドなどアジア市場を中心に需要の増加が続くと想定し、さらなる販売増加を実現するため、シンガポール子会社において新しい製造設備を建設いたしました。同時に、プラントの生産性を向上させる合理化工事の継続的な実施などにより、販売シェアの維持・拡大を図ってまいります。 機能マテリアル事業では、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオの見直しおよび水溶性ポリマーの販売拡大などに取り組んでおります。同時に、各種製品において売価の是正などによる収益性の向上を図ってまいります。 <研究開発の結実> 吸水性樹脂事業では、これまで以上に環境・安全に配慮し、資材・廃棄物削減に資する新製品を順次開発し、上市しております。また、使用済み紙おむつから分離した吸水性樹脂の水平ケミカルリサイクル技術の開発などに取り組んでおります。本技術の工業化を進めるため、姫路地区においてパイロット設備を建設しております。 機能マテリアル事業では、次世代半導体材料やリチウムイオン電池用電解液添加剤、絶縁被覆材料などの開発に取り組んでおります。 これらの新技術、新製品の開発を加速するため、別府地区で新研究棟を建設し、2026年6月に竣工しております。 <徹底した合理化> 吸水性樹脂事業では、合理化プロジェクトで計画している原単位の改善や増産によるメリットを確実に発現させるとともに、CO2排出原単位削減にも貢献する製造プロセスの改善など、さらなる合理化に取り組みます。 機能マテリアル事業では、生産性向上や徹底的なコスト削減に取り組んでおります。 さらに、全社横断の生産性向上の取り組みとして、基幹業務システムの活用による業務プロセスの改善、工場や研究所におけるデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化などを推進しております。 <サステナビリティへの取り組み深化> 当社グループは、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定しております。各項目の取り組み状況を定量的に把握するためのKPIを定め、その目標達成に向けて具体的な施策を実行してまいります。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとしては、当社グループが排出するGHGの削減や、社会全体のGHG排出削減に貢献する低濃度CO2分離回収などの技術開発を進めてまいります。 以上の取り組みをふまえ、次期中期経営計画の策定を現在進めており、2026年秋の公表を予定しております。  また、昨年、お取引先様に販売する製品の原材料の調達先を無断で変更し、製品代金を過剰に請求していた事案が判明しました。このことから、お取引先様にお届けする製品の品質確保を最重要課題と認識し、教育の強化と品質・取引の再点検によるコンプライアンスの徹底、組織間の相互牽制やチェック機能の再構築による実効的な監督・監査の実施、お客様視点・品質視点でのグループ会社運営の実現に注力してまいりました。上記課題に関しては、これらの対策の一巡により改善が図られておりますが、一過性の是正対応にとどめることなく、品質管理と品質保証の日常業務に落とし込み、定着させてまいります。 併せて、事業運営をより適切に遂行していくため、役員・従業員のコンプライアンス意識をより高めるべく、報酬・給与制度におけるコンプライアンス項目の見直しを検討してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。  2026年3月以降、中東地域での軍事的衝突や、ホルムズ海峡を含む主要海上交通路の通航リスクの顕在化等により、エネルギー資源および各種原材料の供給が不安定化し、原燃料市況は高騰しております。当社グループは、原料調達先の多様化や原料価格上昇分の価格転嫁など可能な限りの対策を講じてまいります。 一方、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画の重点施策として、「事業構造の強靭化」、「研究開発の結実」、「徹底した合理化」、「サステナビリティへの取り組み深化」に取り組んでまいりました。 <事業構造の強靭化> 吸水性樹脂事業では、インドなどアジア市場を中心に需要の増加が続くと想定し、さらなる販売増加を実現するため、シンガポール子会社において新しい製造設備を建設いたしました。同時に、プラントの生産性を向上させる合理化工事の継続的な実施などにより、販売シェアの維持・拡大を図ってまいります。 機能マテリアル事業では、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオの見直しおよび水溶性ポリマーの販売拡大などに取り組んでおります。同時に、各種製品において売価の是正などによる収益性の向上を図ってまいります。 <研究開発の結実> 吸水性樹脂事業では、これまで以上に環境・安全に配慮し、資材・廃棄物削減に資する新製品を順次開発し、上市しております。また、使用済み紙おむつから分離した吸水性樹脂の水平ケミカルリサイクル技術の開発などに取り組んでおります。本技術の工業化を進めるため、姫路地区においてパイロット設備を建設しております。 機能マテリアル事業では、次世代半導体材料やリチウムイオン電池用電解液添加剤、絶縁被覆材料などの開発に取り組んでおります。 これらの新技術、新製品の開発を加速するため、別府地区で新研究棟を建設し、2026年6月に竣工しております。 <徹底した合理化> 吸水性樹脂事業では、合理化プロジェクトで計画している原単位の改善や増産によるメリットを確実に発現させるとともに、CO2排出原単位削減にも貢献する製造プロセスの改善など、さらなる合理化に取り組みます。 機能マテリアル事業では、生産性向上や徹底的なコスト削減に取り組んでおります。 さらに、全社横断の生産性向上の取り組みとして、基幹業務システムの活用による業務プロセスの改善、工場や研究所におけるデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化などを推進しております。 <サステナビリティへの取り組み深化> 当社グループは、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定しております。各項目の取り組み状況を定量的に把握するためのKPIを定め、その目標達成に向けて具体的な施策を実行してまいります。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとしては、当社グループが排出するGHGの削減や、社会全体のGHG排出削減に貢献する低濃度CO2分離回収などの技術開発を進めてまいります。 以上の取り組みをふまえ、次期中期経営計画の策定を現在進めており、2026年秋の公表を予定しております。  また、昨年、お取引先様に販売する製品の原材料の調達先を無断で変更し、製品代金を過剰に請求していた事案が判明しました。このことから、お取引先様にお届けする製品の品質確保を最重要課題と認識し、教育の強化と品質・取引の再点検によるコンプライアンスの徹底、組織間の相互牽制やチェック機能の再構築による実効的な監督・監査の実施、お客様視点・品質視点でのグループ会社運営の実現に注力してまいりました。上記課題に関しては、これらの対策の一巡により改善が図られておりますが、一過性の是正対応にとどめることなく、品質管理と品質保証の日常業務に落とし込み、定着させてまいります。 併せて、事業運営をより適切に遂行していくため、役員・従業員のコンプライアンス意識をより高めるべく、報酬・給与制度におけるコンプライアンス項目の見直しを検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 2025年3月期2026年3月期増減売上高(百万円)147,571148,354783営業利益(百万円)10,71214,4643,752経常利益(百万円)11,10615,2494,142親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,9617,6771,7151株当たり当期純利益(円)90.12117.4827.36自己資本当期純利益率(%)(ROE)6.37.81.5ptD/Eレシオ(倍)0.190.17△0.02平均為替レート(円/米ドル)152.58150.78-平均為替レート(円/人民元)21.1121.25-ナフサ価格(円/KL)75,60065,200-(注)2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。2025年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり当期純利益」を算定しております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメント 2025年3月期2026年3月期増減吸水性樹脂売上高115,542116,121578営業利益8,08811,5243,436機能マテリアル売上高31,78931,939149営業利益2,6222,910287その他売上高23929354営業利益22927調整売上高---営業利益00△0合計売上高147,571148,354783営業利益10,71214,4643,752  当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ112億円増加し、1,527億3千2百万円となりました。 流動資産は、商品及び製品が減少した一方で、売上債権や現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22億3千9百万円増加し、823億6千2百万円となりました。 固定資産は、シンガポールの連結子会社における吸水性樹脂製造設備の増強により、前連結会計年度末に比べ89億6千万円増加し、703億7千万円となりました。 負債は、短期借入金が減少した一方で未払金および長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億9千2百万円増加し、491億1千1百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ、93億8百万円増加し、1,036億2千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.2ポイント増加し、67.8%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、18億9千万円増加し、179億8千9百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、174億8千万円(前期は136億8千1百万円の増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が116億7千7百万円、減価償却費が55億2千4百万円、法人税等の支払額が32億9千7百万円、過剰請求関連費用が32億8百万円、棚卸資産の減少額が16億1千2百万円、仕入債務の減少が15億8千2百万円などであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、113億3千1百万円(前期は209億1千5百万円の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が123億8千7百万円、投資有価証券の売却による収入が10億4千9百万円などであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、50億9千1百万円(前期は31億8千6百万円の増加)となりました。主な内訳は、短期借入金の純減額が107億1千9百万円、長期借入れによる収入が94億5千5百万円、配当金の支払額が26億1千9百万円などであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)吸水性樹脂113,051+1.7機能マテリアル25,769△6.5その他--合計138,820+0.0(注)1 金額は、販売価格によっております。2 セグメント間の取引については相殺消去しております。 ロ.受注実績 当連結会計年度における「機能マテリアル」セグメントのうち、エンジニアリングの受注実績は次のとおりであります。なお、エンジニアリングを除く製品については、見込み生産を行っております。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)機能マテリアル2,105△53.3%1,663△52.7%(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 ハ.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)吸水性樹脂116,121+0.5機能マテリアル31,939+0.5その他293+22.8合計148,354+0.5(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画などに基づき見積りを行っている事項があり、主な事項は次のとおりですが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 ② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当期の世界経済は、米国の大幅な関税引き上げ措置を背景に広がった世界的な貿易およびサプライチェーンの混乱による影響を受けました。また3月以降、米国・イスラエルによる軍事行動に端を発して、イランをはじめとした中東諸国において発生している軍事的衝突やホルムズ海峡の封鎖などにより、地政学的緊張が急速に高まるとともに、資源供給が不安定化し、石油関連製品の価格が高騰しています。 当期の当社グループの売上高は1,483億5千4百万円(前期比0.5%増)、営業利益は144億6千4百万円(前期比35.0%増)となりました。経常利益は152億4千9百万円(前期比37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、お取引先様に対する製品代金の過剰請求に関連する費用および機能マテリアル事業の一部製品に関わる減損損失を特別損失に計上したことから76億7千7百万円(前期比28.8%増)となりました。 また、1株当たり当期純利益は117.48円、ROEは7.8%となりました。 1株当たり純資産額は期末の自己株式数が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ162.8円増加し、1,601.96円となりました。  セグメントの業績は次のとおりであります。 <吸水性樹脂セグメント> 当セグメントでは、売上高は1,161億2千1百万円(前期比0.5%増)、営業利益は115億2千4百万円(前期比42.5%増)となりました。売上高は、販売数量が中国市場などにおいて増加しましたが、原燃料市況の低下を販売価格に反映したことなどにより前期並みとなりました。営業利益は、固定費の増加の影響があった一方で、原燃料価格が低下したことなどにより、増加しました。 <機能マテリアルセグメント> 当セグメントでは、売上高は319億3千9百万円(前期比0.5%増)、営業利益は29億1千万円(前期比11.0%増)となりました。前期にIRラテックス事業が終了した影響がありましたが、水溶性ポリマーやPSA酸素発生装置の販売が拡大したことなどにより、売上高は前期並みとなり、営業利益は増加しました。 <その他セグメント> 当社グループは上記事業のほか、製造受託事業等を行っております。当セグメントでは、売上高は2億9千3百万円(前期比22.8%増)、営業利益は2千9百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。 資金需要に応じ有利かつ円滑な資金調達ができるよう信用格付の維持・向上や金融機関との良好な関係維持に努めるとともに、緊急な資金需要に備え融資枠の設定を含め十分な手元流動性を確保しております。また、資金調達の方法については、金融機関から短期借入金にて調達を行うほか、設備資金については、金利状況等を勘案して長期借入金にて調達を行っております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は前連結会計年度末より9億3千万円減少し、179億3千4百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末より1.2ポイント増の67.8%となりましたが、引き続き安定的な水準にあるものと認識しております。 当社における資金の使途は、大別すると、運転資金、事業投資、株主還元となります。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金を含む手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金としております。 事業投資につきましては、将来の持続的成長を実現するために、研究開発や設備投資などに充てる計画としております。 株主還元につきましては、毎期の業績、中長期の収益動向、投資計画、財務状況を総合的に勘案し、連結配当性向30%以上を目標に、安定的に継続することを基本方針とし、自己株式の取得も状況に応じ機動的に実施しております。  なお、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 市場競争の激化
    吸水性樹脂市場では、国内外の競合他社の参入や安価な輸入品の流入、特に中国市場でのコモディティ化(製品の均一化)や出生数の低下により、価格競争が激化する可能性があります。これにより、製品の販売価格が下落し、同社グループの業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 原材料価格の変動と調達リスク
    製品製造に必要な原材料の一部は、特定の購入先に依存しており、需給バランスや市況、国際情勢の変化により価格が急激に変動する可能性があります。また、地政学的要因や国際物流環境の変化により、原材料の調達コストが増加したり、安定的な調達が困難になったりするリスクがあり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 気候変動と環境規制
    気候変動による極端な気象現象の増加は、沿岸部に立地する生産拠点での高潮などによる生産活動の停滞を引き起こす可能性があります。また、温室効果ガス排出に関する政策規制の強化は、再生可能エネルギー導入や低炭素燃料への転換などの対応費用を増加させ、財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、環境負荷の低い製品への市場価値観の変化に対応が遅れると、競争力を失うリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,798 文字
3【事業等のリスク】1 リスクマネジメントの考え方 当社では、リスクマネジメントを「リスクの顕在化に備えて、リスクの特定、分析および評価を行い、当社グループの財務的状況や社会的信用に与える影響度に応じて、予防および軽減の事前準備の対策をとること」と定義し、以下の取り組みを行っております。① 具体的リスクを積極的に予見し、これを定期的に評価し、最小のコストで最良の結果が得られるよう、その回避、軽減、その他必要な措置を講じ、必要に応じて対応を検討すること② リスクマネジメントを確実に実施するため、リスクに関わる情報収集を行うこと③ リスクの顕在化に備えて、計画を立てて、教育訓練を実施すること これらにより、リスクへの適切な対応を進めてまいります。 2 主要なリスク 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループがリスクとして判断したものでありますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。 (1)経営判断や事業戦略に関するリスク① 市場環境 当社グループが販売する製品群は、事業を展開する市場において、国内外の競合企業による当該市場への参入、安価な輸入品の流入など、様々な理由により今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。また、吸水性樹脂事業の主要な市場の一つである中国においても、価格競争、現地メーカー製品の品質向上などによる吸水性樹脂のコモディティ化や出生数の低下などにより当社グループの競争環境が激化する可能性があります。当該リスクへの対応策として、コストの削減、製品品質の向上および新製品開発による製品競争力の強化や市場分析による販売力の向上に努めております。 ② 原材料調達 当社グループの購入する原材料の一部は、特定の購入先に依存しております。当該リスクへの対応策として、購入先の分散化等により主要原料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、原燃料等の仕入価格は、需給バランス、市況、国際情勢の変化等により急激な価格変動を起こすことがあります。さらに、産油国を含む資源供給地域における地政学的要因や国際物流環境の変化により、原材料の価格、調達コスト、調達条件等に影響が生じる可能性があります。これらの影響が顕在化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替レート変動 当社グループは、グローバルに生産販売活動を展開しており、為替の変動が外貨建て売上や原材料の調達コストに影響を及ぼします。連結財務諸表作成上、海外の連結子会社の業績は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。特に、人民元レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、為替予約などによりリスクを最小限にするように努めております。 ④ 固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により投資額の回収が見込めなくなった場合、その認識時点において減損損失を計上することで、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 気候変動 気候変動の進行は、当社グループの持続可能性に大きな影響を与えると考えております。温暖化の進行にともなう極端現象の増加、激甚化によって、沿岸地区に立地する生産拠点では、高潮等による影響により生産活動が停滞し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、GHG排出への政策規制が強化されることへの対応策として、再生可能エネルギーの導入、低炭素燃料への転換、製造プロセスの改修、省エネ機器の導入などがありますが、その反面、これらに係る費用が増加することも想定され、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、カーボンニュートラルな世界では、環境負荷の低い製品・サービスが求められるなど、市場での価値観や競争軸が変わっていくことが想定されます。この変化への対応が当社の将来的な課題ですが、これに遅れるようなことがあれば、当社グループの製品・サービスは競争力を失い、業績に大きく影響を及ぼす可能性があると考えております。 (2)経理・財務に関するリスク① 退職給付債務 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、年金資産の長期期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されております。年金資産運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合や退職給付信託に拠出している上場株式の株価の下落は、将来の退職給付費用の増加になり、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他経営全般に関するリスク① 災害・事故 当社グループは、製造設備の停止や製造設備に起因する事故などによる潜在的なマイナス要因を最小化するため、すべての製造設備において定期的な点検を実施しておりますが、自然災害、事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与えるリスクがあります。 ② 情報セキュリティ 当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々拡大しており、その対応として、セキュリティの高度化などによりシステムやデータの保護に努めておりますが、停電、自然災害やコンピューターウィルス、ハッカー等のシステム犯罪などにより、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。 ③ 法令及び規制 当社グループが事業活動を遂行している各国で将来的に環境および化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たなコストが発生する可能性があります。当該リスクへの対応として、世界的な規制の動向について注視し、必要な対応を講じてまいります。 ④ 人事労務 労働災害、感染症・伝染病の蔓延などにより、業務遂行が停滞する可能性、従業員の人権問題、メンタルヘルス問題、ハラスメントによる就労環境が悪化する可能性、これらにより当社が損害賠償義務を負うなどの可能性があります。当該リスクへの対応として、人権の尊重の基本的な考え方を社内に浸透させ、人権尊重を図るための仕組みを構築・運用いたします。 ⑤ 法令違反、コンプライアンス 国内外の法令等に抵触するなどのコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課されるなど、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、コンプライアンス教育や違反を生じさせない仕組みづくりに取り組んでおります。 ⑥ 製品の品質 当社グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にわたってリコールが発生しない保証はありません。大規模な製品事故が発生した場合、多額のコストが発生する恐れや、当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、品質マネジメントシステムを有効に機能させ、品質保証の仕組みと運用を継続的に改善してまいります。また、グループ全体で「お客様目線」「品質目線」での事業運営を行う組織風土の醸成に引き続き取り組んでまいります。 ⑦ 知的財産権 当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、特定の地域において完全な保護が不可能で、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、現在及び将来の知的財産に係る紛争の結果、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。当該リスクへの対応として、知的財産戦略を策定の上、その着実な実行を進めております。 ⑧ 人的資本 当社グループは、多様な人財によって支えられております。主たる研究開発・生産拠点である日本においては、少子化等による労働人口の減少が予測されます。採用者数の減少、離職者の増加などにより事業運営に必要な人財の確保ができない場合や、中期的な成長を牽引する人財の育成が遅れるなどした場合、事業計画を達成できず、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、人財育成方針を定めて計画的に人財を確保し、個々人が能力を発揮できる組織文化の醸成に努めております。 ⑨ その他 当社グループが事業活動を遂行している各国の法律や規制等の変更、国際情勢の変化、物価の変動や感染症の拡大など、さまざまなリスクが存在しています。これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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