経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 2026年3月以降、中東地域での軍事的衝突や、ホルムズ海峡を含む主要海上交通路の通航リスクの顕在化等により、エネルギー資源および各種原材料の供給が不安定化し、原燃料市況は高騰しております。当社グループは、原料調達先の多様化や原料価格上昇分の価格転嫁など可能な限りの対策を講じてまいります。 一方、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画の重点施策として、「事業構造の強靭化」、「研究開発の結実」、「徹底した合理化」、「サステナビリティへの取り組み深化」に取り組んでまいりました。 <事業構造の強靭化> 吸水性樹脂事業では、インドなどアジア市場を中心に需要の増加が続くと想定し、さらなる販売増加を実現するため、シンガポール子会社において新しい製造設備を建設いたしました。同時に、プラントの生産性を向上させる合理化工事の継続的な実施などにより、販売シェアの維持・拡大を図ってまいります。 機能マテリアル事業では、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオの見直しおよび水溶性ポリマーの販売拡大などに取り組んでおります。同時に、各種製品において売価の是正などによる収益性の向上を図ってまいります。 <研究開発の結実> 吸水性樹脂事業では、これまで以上に環境・安全に配慮し、資材・廃棄物削減に資する新製品を順次開発し、上市しております。また、使用済み紙おむつから分離した吸水性樹脂の水平ケミカルリサイクル技術の開発などに取り組んでおります。本技術の工業化を進めるため、姫路地区においてパイロット設備を建設しております。 機能マテリアル事業では、次世代半導体材料やリチウムイオン電池用電解液添加剤、絶縁被覆材料などの開発に取り組んでおります。 これらの新技術、新製品の開発を加速するため、別府地区で新研究棟を建設し、2026年6月に竣工しております。 <徹底した合理化> 吸水性樹脂事業では、合理化プロジェクトで計画している原単位の改善や増産によるメリットを確実に発現させるとともに、CO2排出原単位削減にも貢献する製造プロセスの改善など、さらなる合理化に取り組みます。 機能マテリアル事業では、生産性向上や徹底的なコスト削減に取り組んでおります。 さらに、全社横断の生産性向上の取り組みとして、基幹業務システムの活用による業務プロセスの改善、工場や研究所におけるデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化などを推進しております。 <サステナビリティへの取り組み深化> 当社グループは、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定しております。各項目の取り組み状況を定量的に把握するためのKPIを定め、その目標達成に向けて具体的な施策を実行してまいります。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとしては、当社グループが排出するGHGの削減や、社会全体のGHG排出削減に貢献する低濃度CO2分離回収などの技術開発を進めてまいります。 以上の取り組みをふまえ、次期中期経営計画の策定を現在進めており、2026年秋の公表を予定しております。 また、昨年、お取引先様に販売する製品の原材料の調達先を無断で変更し、製品代金を過剰に請求していた事案が判明しました。このことから、お取引先様にお届けする製品の品質確保を最重要課題と認識し、教育の強化と品質・取引の再点検によるコンプライアンスの徹底、組織間の相互牽制やチェック機能の再構築による実効的な監督・監査の実施、お客様視点・品質視点でのグループ会社運営の実現に注力してまいりました。上記課題に関しては、これらの対策の一巡により改善が図られておりますが、一過性の是正対応にとどめることなく、品質管理と品質保証の日常業務に落とし込み、定着させてまいります。 併せて、事業運営をより適切に遂行していくため、役員・従業員のコンプライアンス意識をより高めるべく、報酬・給与制度におけるコンプライアンス項目の見直しを検討してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 2026年3月以降、中東地域での軍事的衝突や、ホルムズ海峡を含む主要海上交通路の通航リスクの顕在化等により、エネルギー資源および各種原材料の供給が不安定化し、原燃料市況は高騰しております。当社グループは、原料調達先の多様化や原料価格上昇分の価格転嫁など可能な限りの対策を講じてまいります。 一方、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画の重点施策として、「事業構造の強靭化」、「研究開発の結実」、「徹底した合理化」、「サステナビリティへの取り組み深化」に取り組んでまいりました。 <事業構造の強靭化> 吸水性樹脂事業では、インドなどアジア市場を中心に需要の増加が続くと想定し、さらなる販売増加を実現するため、シンガポール子会社において新しい製造設備を建設いたしました。同時に、プラントの生産性を向上させる合理化工事の継続的な実施などにより、販売シェアの維持・拡大を図ってまいります。 機能マテリアル事業では、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオの見直しおよび水溶性ポリマーの販売拡大などに取り組んでおります。同時に、各種製品において売価の是正などによる収益性の向上を図ってまいります。 <研究開発の結実> 吸水性樹脂事業では、これまで以上に環境・安全に配慮し、資材・廃棄物削減に資する新製品を順次開発し、上市しております。また、使用済み紙おむつから分離した吸水性樹脂の水平ケミカルリサイクル技術の開発などに取り組んでおります。本技術の工業化を進めるため、姫路地区においてパイロット設備を建設しております。 機能マテリアル事業では、次世代半導体材料やリチウムイオン電池用電解液添加剤、絶縁被覆材料などの開発に取り組んでおります。 これらの新技術、新製品の開発を加速するため、別府地区で新研究棟を建設し、2026年6月に竣工しております。 <徹底した合理化> 吸水性樹脂事業では、合理化プロジェクトで計画している原単位の改善や増産によるメリットを確実に発現させるとともに、CO2排出原単位削減にも貢献する製造プロセスの改善など、さらなる合理化に取り組みます。 機能マテリアル事業では、生産性向上や徹底的なコスト削減に取り組んでおります。 さらに、全社横断の生産性向上の取り組みとして、基幹業務システムの活用による業務プロセスの改善、工場や研究所におけるデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化などを推進しております。 <サステナビリティへの取り組み深化> 当社グループは、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定しております。各項目の取り組み状況を定量的に把握するためのKPIを定め、その目標達成に向けて具体的な施策を実行してまいります。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとしては、当社グループが排出するGHGの削減や、社会全体のGHG排出削減に貢献する低濃度CO2分離回収などの技術開発を進めてまいります。 以上の取り組みをふまえ、次期中期経営計画の策定を現在進めており、2026年秋の公表を予定しております。 また、昨年、お取引先様に販売する製品の原材料の調達先を無断で変更し、製品代金を過剰に請求していた事案が判明しました。このことから、お取引先様にお届けする製品の品質確保を最重要課題と認識し、教育の強化と品質・取引の再点検によるコンプライアンスの徹底、組織間の相互牽制やチェック機能の再構築による実効的な監督・監査の実施、お客様視点・品質視点でのグループ会社運営の実現に注力してまいりました。上記課題に関しては、これらの対策の一巡により改善が図られておりますが、一過性の是正対応にとどめることなく、品質管理と品質保証の日常業務に落とし込み、定着させてまいります。 併せて、事業運営をより適切に遂行していくため、役員・従業員のコンプライアンス意識をより高めるべく、報酬・給与制度におけるコンプライアンス項目の見直しを検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 2025年3月期2026年3月期増減売上高(百万円)147,571148,354783営業利益(百万円)10,71214,4643,752経常利益(百万円)11,10615,2494,142親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,9617,6771,7151株当たり当期純利益(円)90.12117.4827.36自己資本当期純利益率(%)(ROE)6.37.81.5ptD/Eレシオ(倍)0.190.17△0.02平均為替レート(円/米ドル)152.58150.78-平均為替レート(円/人民元)21.1121.25-ナフサ価格(円/KL)75,60065,200-(注)2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。2025年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、「1株当たり当期純利益」を算定しております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメント 2025年3月期2026年3月期増減吸水性樹脂売上高115,542116,121578営業利益8,08811,5243,436機能マテリアル売上高31,78931,939149営業利益2,6222,910287その他売上高23929354営業利益22927調整売上高---営業利益00△0合計売上高147,571148,354783営業利益10,71214,4643,752 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ112億円増加し、1,527億3千2百万円となりました。 流動資産は、商品及び製品が減少した一方で、売上債権や現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ22億3千9百万円増加し、823億6千2百万円となりました。 固定資産は、シンガポールの連結子会社における吸水性樹脂製造設備の増強により、前連結会計年度末に比べ89億6千万円増加し、703億7千万円となりました。 負債は、短期借入金が減少した一方で未払金および長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億9千2百万円増加し、491億1千1百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ、93億8百万円増加し、1,036億2千1百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.2ポイント増加し、67.8%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、18億9千万円増加し、179億8千9百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、174億8千万円(前期は136億8千1百万円の増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が116億7千7百万円、減価償却費が55億2千4百万円、法人税等の支払額が32億9千7百万円、過剰請求関連費用が32億8百万円、棚卸資産の減少額が16億1千2百万円、仕入債務の減少が15億8千2百万円などであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、113億3千1百万円(前期は209億1千5百万円の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が123億8千7百万円、投資有価証券の売却による収入が10億4千9百万円などであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、50億9千1百万円(前期は31億8千6百万円の増加)となりました。主な内訳は、短期借入金の純減額が107億1千9百万円、長期借入れによる収入が94億5千5百万円、配当金の支払額が26億1千9百万円などであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績イ.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)吸水性樹脂113,051+1.7機能マテリアル25,769△6.5その他--合計138,820+0.0(注)1 金額は、販売価格によっております。2 セグメント間の取引については相殺消去しております。 ロ.受注実績 当連結会計年度における「機能マテリアル」セグメントのうち、エンジニアリングの受注実績は次のとおりであります。なお、エンジニアリングを除く製品については、見込み生産を行っております。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)機能マテリアル2,105△53.3%1,663△52.7%(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 ハ.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)吸水性樹脂116,121+0.5機能マテリアル31,939+0.5その他293+22.8合計148,354+0.5(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画などに基づき見積りを行っている事項があり、主な事項は次のとおりですが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (繰延税金資産の回収可能性) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 ② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当期の世界経済は、米国の大幅な関税引き上げ措置を背景に広がった世界的な貿易およびサプライチェーンの混乱による影響を受けました。また3月以降、米国・イスラエルによる軍事行動に端を発して、イランをはじめとした中東諸国において発生している軍事的衝突やホルムズ海峡の封鎖などにより、地政学的緊張が急速に高まるとともに、資源供給が不安定化し、石油関連製品の価格が高騰しています。 当期の当社グループの売上高は1,483億5千4百万円(前期比0.5%増)、営業利益は144億6千4百万円(前期比35.0%増)となりました。経常利益は152億4千9百万円(前期比37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、お取引先様に対する製品代金の過剰請求に関連する費用および機能マテリアル事業の一部製品に関わる減損損失を特別損失に計上したことから76億7千7百万円(前期比28.8%増)となりました。 また、1株当たり当期純利益は117.48円、ROEは7.8%となりました。 1株当たり純資産額は期末の自己株式数が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ162.8円増加し、1,601.96円となりました。 セグメントの業績は次のとおりであります。 <吸水性樹脂セグメント> 当セグメントでは、売上高は1,161億2千1百万円(前期比0.5%増)、営業利益は115億2千4百万円(前期比42.5%増)となりました。売上高は、販売数量が中国市場などにおいて増加しましたが、原燃料市況の低下を販売価格に反映したことなどにより前期並みとなりました。営業利益は、固定費の増加の影響があった一方で、原燃料価格が低下したことなどにより、増加しました。 <機能マテリアルセグメント> 当セグメントでは、売上高は319億3千9百万円(前期比0.5%増)、営業利益は29億1千万円(前期比11.0%増)となりました。前期にIRラテックス事業が終了した影響がありましたが、水溶性ポリマーやPSA酸素発生装置の販売が拡大したことなどにより、売上高は前期並みとなり、営業利益は増加しました。 <その他セグメント> 当社グループは上記事業のほか、製造受託事業等を行っております。当セグメントでは、売上高は2億9千3百万円(前期比22.8%増)、営業利益は2千9百万円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。 資金需要に応じ有利かつ円滑な資金調達ができるよう信用格付の維持・向上や金融機関との良好な関係維持に努めるとともに、緊急な資金需要に備え融資枠の設定を含め十分な手元流動性を確保しております。また、資金調達の方法については、金融機関から短期借入金にて調達を行うほか、設備資金については、金利状況等を勘案して長期借入金にて調達を行っております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は前連結会計年度末より9億3千万円減少し、179億3千4百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末より1.2ポイント増の67.8%となりましたが、引き続き安定的な水準にあるものと認識しております。 当社における資金の使途は、大別すると、運転資金、事業投資、株主還元となります。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金を含む手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金としております。 事業投資につきましては、将来の持続的成長を実現するために、研究開発や設備投資などに充てる計画としております。 株主還元につきましては、毎期の業績、中長期の収益動向、投資計画、財務状況を総合的に勘案し、連結配当性向30%以上を目標に、安定的に継続することを基本方針とし、自己株式の取得も状況に応じ機動的に実施しております。 なお、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。