3880

大王製紙(3880)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

パルプ・紙 素材・化学

事業の概要

  • 主力事業の多角化:大王製紙グループは、主に「紙・板紙事業」と「ホーム&パーソナルケア事業」の2つの柱で収益を上げています。紙・板紙事業では新聞用紙、印刷用紙、段ボールなどを製造販売し、ホーム&パーソナルケア事業では衛生用紙、紙おむつ、フェミニンケア用品などを手掛けており、幅広い製品で市場ニーズに対応しています。
  • 国内外での製造販売網:国内では、当社および子会社がいわき大王製紙やエリエールプロダクトなどを通じて製品を製造し、当社およびEBSが販売を担っています。海外では、中国向けに紙おむつなどを製造販売する大王(南通)生活用品有限公司や、ブラジル向けに衛生用紙などを手掛けるサンテルS.A.などがあり、グローバルに事業を展開しています。
  • その他事業による補完:上記主要事業の他に、植林・木材販売、エンジニアリング、物流といった「その他事業」も展開しています。これらの事業は、主要事業の原材料調達や生産活動を支える役割を果たすとともに、グループ全体の安定的な収益基盤を補完しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 紙・板紙事業:新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、板紙、段ボール、パルプなどの製造販売を行っています。この事業は、売上高3,511.66億円、営業利益88.87億円と、グループの主要な収益源となっています。主に当社といわき大王製紙が製造を担い、当社とEBSが販売を行っています。
  • ホーム&パーソナルケア事業:衛生用紙、紙おむつ、フェミニンケア用品、ウエットワイプ、ペット用品などの製造販売を行っています。売上高は2,951.88億円ですが、営業利益は-13.67億円と赤字を計上しており、収益改善が課題となっています。国内ではエリエールプロダクトなどが製造し、海外では中国やブラジル市場向けに製品を展開しています。
  • その他事業:植林・木材販売、エンジニアリング、物流など、多岐にわたる事業を含んでいます。フォレスタル・アンチレLTDA.やダイオーエンジニアリング株式会社などがこの区分に含まれ、主要事業をサポートする役割を担っています。具体的な売上高や営業利益の数値は開示されていませんが、グループ全体の事業基盤を支える重要な位置づけです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PaperAndPaperboard 事業 3,512 89 2.5%
HomeAndPersonalCare 事業 2,952 -14 -0.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,101 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社32社及び関連会社1社によって構成され、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりです。 なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。 (1)紙・板紙事業 新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、板紙、段ボール、パルプ等の製造販売を行っています。 新聞用紙は、当社及びいわき大王製紙株式会社(以下、「いわき大王製紙」という。)が製造し、当社及び株式会社EBS(以下、「EBS」という。)が販売を行っています。 印刷用紙は、主に当社が製造し、当社及びEBSが販売を行っており、一部については印刷加工物としてダイオーミウラ株式会社が販売を行っています。 包装用紙は、当社が製造し、当社及びEBSが販売を行っています。 板紙は、主に当社、いわき大王製紙、大津板紙株式会社及びダイオーペーパーテクノ株式会社が製造し、当社及びEBSが販売を行っており、一部については段ボールとして大王パッケージ株式会社等が販売を行っています。 (2)ホーム&パーソナルケア事業 衛生用紙、紙おむつ、フェミニンケア用品、ウエットワイプ、ペット用品等の製造販売を行っています。 衛生用紙は、主に当社、エリエールペーパー株式会社及びダイオーペーパープロダクツ株式会社が製造し、当社及びEBSが販売を行っています。 紙おむつ、フェミニンケア用品等は、主にエリエールプロダクト株式会社が製造し、当社及びEBSが販売を行っています。 海外については、大王(南通)生活用品有限公司は主に中国市場向けに紙おむつ及びフェミニンケア用品等の製造販売を行っており、サンテルS.A.は主にブラジル市場向けに衛生用紙及び紙おむつ等の製造販売を行っています。 (3)その他 フォレスタル・アンチレLTDA.及びオレゴンチップターミナルINCが行っている植林・木材販売事業、ダイオーエンジニアリング株式会社が行っているエンジニアリング事業、ダイオーロジスティクス株式会社が行っている物流事業等を含んでいます。  当社グループの事業系統図は、以下のとおりです。 ※ 持分法適用関連会社(注)1.EBS、エリエールペーパーテクノロジー東海、ダイオーペーパープロダクツ、ダイオーペーパーテクノ、大日製紙は、紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業の両事業を行っています。2.正式名称は、エリエール・インターナショナル・ターキー・キシセル・バクム・ウルンレリ・ウレティムA.S.です。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主力製品の需要減少や市況下落が財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
紙・板紙事業では基幹工場での柔軟な生産品種シフト、ホーム&パーソナルケア事業では幅広い商品ラインナップ。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:需要・市況変動による影響 / 原燃料価格変動、及び為替相場の変動による影響 / 海外事業による影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

大王製紙は「エリエール」ブランドを持つが、競合他社も有力ブランド(例:王子ネピアのネピア、日本製紙クレシアのクリネックス)を有しており、ブランド力による明確な差別化は限定的。特許やIPによる独占的優位性も特筆すべき点はない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ティッシュペーパーや紙おむつなどの日用品は、ブランドロイヤリティが一定程度存在するものの、価格やセール、他のブランドへの試用などにより顧客が乗り換えるハードルは低い。B2B事業においても、紙・パルプ製品の調達先変更は比較的容易と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

パルプ・紙製品の製造・販売事業には、ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるネットワーク効果は存在しない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

製紙業界は規模の経済が重要であり、大王製紙は国内有数の生産能力を持つ。原燃料調達や生産効率の改善により、コスト競争力を維持・向上させている可能性がある。特に、自社発電設備やバイオマス燃料の活用などがコスト優位に寄与する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

国内の製紙業界は、王子ホールディングス、日本製紙、大王製紙の3社で市場の大部分を占める寡占構造にある。大王製紙は、この業界において十分な生産規模と販売網を有しており、効率的な事業運営が可能である。

  • 幅広い製品ラインナップ:大王製紙グループは、新聞用紙や段ボールといった産業向け製品から、衛生用紙や紙おむつといった消費者向け製品まで、非常に幅広い製品群を持っています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できる強みがあります。
  • 国内外の生産・販売体制:国内に複数の基幹工場と生産子会社を持ち、海外にも中国やブラジルなどで製造販売拠点を展開しています。この国内外に広がる生産・販売ネットワークは、安定的な供給能力と市場への迅速な対応を可能にし、事業の持続性を高める上で有利に働きます。
  • 事業継続への取り組み:自然災害や感染症といった予期せぬ事態に備え、グループ全体でBCM(事業継続マネジメント)の整備を進めています。これにより、災害発生時の被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図る体制を構築しており、安定した事業運営に繋がる競争優位性と言えます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 私たちは、経営理念である「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を実現するため、「誠意と熱意を持つ者が事を成す」という創業の精神を胸に、衛生・人生・再生の「3つの生きる」を成し遂げます。この「3つの生きる」は経営理念の4つの柱「ものづくりへのこだわり」「地域社会とのきずな」「安全で働きがいのある企業風土」「地球環境への貢献」を通じて展開しています。 <大王グループのパーパス> 「誠意と熱意」をもって、「3つの生きる」を成し遂げ、「やさしい未来」を実現する。これが私たちの存在意義です。すなわち経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」そのものです。 <大王グループのビジョン:3つの生きる>衛生:人々の健康を守る人生:人生の質を向上させる再生:地球を再生する <経営理念4つの柱>1.ものづくりへのこだわり(Dedicated) 現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。2.地域社会とのきずな(Attentive) 各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観を持って地域社会との調和ある成長を目指します。3.安全で働きがいのある企業風土(Integrated) 持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。4.地球環境への貢献(Organic) 地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。 <大王グループのマテリアリティ> 大王グループでは、ステークホルダーの関心ごとと、当社グループにおいて今対応しなければ、近い将来企業価値に影響を与えるという視点から、リスクと機会(対応)を抽出するとともに、将来のありたい姿からやるべき事項を抽出し、現時点では何が重要かを取締役会などで議論し、10のマテリアリティ(重要課題)を特定しています。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは2024年度より3カ年計画の第5次中期事業計画「Reframe ~基盤の強化~」をスタートさせるとともに、第8次中計が終了する2035年度にはグループ連結売上高1兆2,000億円、営業利益率10%の達成を目標に掲げた長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」を策定しました。 外部環境が目まぐるしく変化する中、経営陣と社員が常に目標を共有し、一丸となって取り組むことが、持続的な企業価値向上の第一歩になると考え、長期ビジョンでは4つのテーマ「エリアのTransformation:活動領域と発想の基準を日本中心から、グローバル視点へシフト」「強みのTransformation:環境変化に対応できる力、新しい商品やサービスを生み出す研究開発力・マーケティング力を当社の強みに」「エネルギーのTransformation:石炭依存のエネルギー構成から、地域共生型の廃棄物燃料や木質燃料への転換を進め、化石燃料由来のCO2排出量の削減」「価値創造の源泉強化:3つのTransformationの土台となる人財育成強化と企業文化の変革」に焦点を当て、事業ポートフォリオの変革に取り組んでいます。  長期ビジョンの達成に向け、第5次中期事業計画ではさらなるステップアップに向けた力を蓄える期間とし、人財・財務基盤の強化を中心とした経営基盤の再構築に向けた取組を進めています。 第5次中期事業計画の初年度である2024年度は、紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア国内事業は原価低減や価格改定の取組効果が発現し、想定通りの実績を確保しましたが、ホーム&パーソナルケア海外事業においては中国での業績不振を受け、当初見込みを下回る結果となりました。これらの状況を踏まえ、第5次中期事業計画の残り2ヵ年では、各セグメントにおいて以下の3点に取り組みます。 ① ホーム&パーソナルケア海外事業の構造改革 2025年3月に、中国においてはベビー用紙おむつ関連の固定資産売却を決定し、トルコからは事業撤退を決断しました。固定費削減と不採算事業の整理により、キャッシュ・フローを改善させ、ホーム&パーソナルケア海外事業の早期立て直しに取り組みます。 ② ホーム&パーソナルケア国内事業の収益改善 付加価値商品の販売を強化することで、他社との差別化を図るとともに、原燃料価格や物流費の高騰に対応した価格改定に取り組みます。 ③ 紙・板紙事業の収益拡大と新規事業投資 パッケージ分野の需要は安定しており、段ボール原紙や包装用紙分野の営業を強化します。加えて、2025年度にはCNF複合樹脂の商用プラントが稼働予定であり、新素材事業への投資を継続し、国内洋紙需要減退を補完できる体制を構築します。 (3)会社の対処すべき課題 当社グループは、長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」のもと、国内市場の縮小や地政学リスクの増大、地球規模での気候変動といった急激な環境変化に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を実現すべく、以下の6つの重点課題に取り組んでいます。 ① ホーム&パーソナルケア海外事業:収益性改善と事業構造改革の断行 ホーム&パーソナルケア海外事業では、地政学リスクや市場変動への対応遅れなどにより損失が継続しており、早急な構造改革を進めています。2025年3月、中国においてはベビー用紙おむつ関連の固定資産売却を決定し、経営資源をフェミニンケアのブランド育成に集中させるとともに、トルコからは事業撤退を決断しました。今後は、地域特性や生活者ニーズに対応したマーケティング・商品戦略の強化、収益性を確保できる事業モデルの確立、各国・各地域における現地幹部社員の育成や権限委譲などによる迅速な市場動向把握と意思決定体制の構築により、早期の黒字化を目指します。 ② ホーム&パーソナルケア国内事業:収益力とブランド強化 少子高齢化による市場縮小が見込まれる中、「エリエール」ブランドを中心に商品ラインナップの最適化や市場トレンドに合わせた供給体制を構築することで、市場シェアの維持・拡大を目指します。さらに、衛生用紙市場をけん引するメーカーとして、適切な市場環境を作り上げ、安定的な収益基盤の構築を図ります。また、成長分野であるペットケア事業のブランド確立、研究開発投資、組織体制の強化にも取り組み、収益基盤の多角化を進めます。 ③ 紙・板紙事業:収益基盤の安定化とパッケージ分野へのシフト 国内市場の需要構造が大きく変化する中、紙・板紙事業においては売上高拡大から安定収益の確保へと方針転換を図っています。段ボールなど加工度の高い最終製品や、脱プラスチック・減プラスチックに貢献可能なパッケージ分野の強化、北越コーポレーション株式会社との戦略的業務提携を通じたコスト構造改革などを推進します。 ④ 環境対応:カーボンニュートラルに向けたエネルギー転換 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年度までに化石由来CO₂排出量を2013年度比46%削減するという目標を掲げています。バイオマスボイラーの導入、省エネルギー設備の導入、生産品種の見直し、石炭ゼロ化の推進などの取組を進め、ロードマップに基づいた施策を着実に実行します。 ⑤ 新規事業:新素材領域の事業育成 中長期的な成長基盤の構築に向け、事業ポートフォリオの変革の一つとして、セルロースナノファイバー(CNF)やバイオリファイナリー領域の事業化を推進しています。2025年7月にはCNF複合樹脂商用プラントの稼働を予定しており、コスト競争力の確保と自動車部材や家電等の分野への展開を進めます。また、バイオリファイナリー領域におけるジェット燃料やバイオプラスチックなど、次世代素材の実装に向けた技術開発も加速しています。 ⑥ 人財・ガバナンス:将来成長・変革を支える基盤の強化 当社グループは、人財こそ価値創造の源泉であるとの認識のもと、グローバル人財の育成、多様性を尊重する企業文化の醸成、挑戦を後押しする組織風土の育成、キャリア制度や評価制度の見直しなどを通じた人的資本の戦略的活用を進めています。また、第5次中期事業計画では、経営基盤の再構築を最優先課題と位置づけ、ROIC経営の推進や投融資委員会の設置による資本コストを意識した経営を推し進めるとともに、ガバナンス体制の強化にも取り組んでいます。  当社は以上の課題への対応を通じて、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献します。 (業績計画) 2024年度実績2026年度計画(第5次中計最終年度)(参考)長期ビジョン2035年度目標売上高6,689億円7,400億円1兆2,000億円営業利益(営業利益率)98(1.5億円%)300(4.1億円%)1,200(10.0億円%)経常利益45億円210億円- ネットD/Eレシオ1.4倍1.2倍- 為替レート152.6円/ドル150.0円/ドル- (事業別計画) 2024年度実績2026年度計画 売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率紙・板紙事業3,512892.5%3,5001002.9%ホーム&パーソナルケア事業2,952△14-3,6001855.1%(内訳)国内事業2,0431135.5%2,3001456.3%    海外事業908△126-1,300403.1%その他事業(調整額を含む)2262310.1%300155.0% 合 計6,689981.5%7,4003004.1%
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 私たちは、経営理念である「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を実現するため、「誠意と熱意を持つ者が事を成す」という創業の精神を胸に、衛生・人生・再生の「3つの生きる」を成し遂げます。この「3つの生きる」は経営理念の4つの柱「ものづくりへのこだわり」「地域社会とのきずな」「安全で働きがいのある企業風土」「地球環境への貢献」を通じて展開しています。 <大王グループのパーパス> 「誠意と熱意」をもって、「3つの生きる」を成し遂げ、「やさしい未来」を実現する。これが私たちの存在意義です。すなわち経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」そのものです。 <大王グループのビジョン:3つの生きる>衛生:人々の健康を守る人生:人生の質を向上させる再生:地球を再生する <経営理念4つの柱>1.ものづくりへのこだわり(Dedicated) 現場・現物・現実に基づいた新たな商品と付加価値の創造・提供を通じて、国際社会から信頼される企業グループであり続けます。2.地域社会とのきずな(Attentive) 各国・各地域の発展に寄与するために、「良き企業市民」として高い倫理観を持って地域社会との調和ある成長を目指します。3.安全で働きがいのある企業風土(Integrated) 持続的な企業価値の向上を図るために、安全で働きがいのある企業風土づくりに取り組み、社員相互の信頼関係に基づいた一体運営を推進します。4.地球環境への貢献(Organic) 地球環境と調和したグローバルな事業展開を通じて環境問題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。 <大王グループのマテリアリティ> 大王グループでは、ステークホルダーの関心ごとと、当社グループにおいて今対応しなければ、近い将来企業価値に影響を与えるという視点から、リスクと機会(対応)を抽出するとともに、将来のありたい姿からやるべき事項を抽出し、現時点では何が重要かを取締役会などで議論し、10のマテリアリティ(重要課題)を特定しています。 (2)中長期的な会社の経営戦略 当社グループは2024年度より3カ年計画の第5次中期事業計画「Reframe ~基盤の強化~」をスタートさせるとともに、第8次中計が終了する2035年度にはグループ連結売上高1兆2,000億円、営業利益率10%の達成を目標に掲げた長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」を策定しました。 外部環境が目まぐるしく変化する中、経営陣と社員が常に目標を共有し、一丸となって取り組むことが、持続的な企業価値向上の第一歩になると考え、長期ビジョンでは4つのテーマ「エリアのTransformation:活動領域と発想の基準を日本中心から、グローバル視点へシフト」「強みのTransformation:環境変化に対応できる力、新しい商品やサービスを生み出す研究開発力・マーケティング力を当社の強みに」「エネルギーのTransformation:石炭依存のエネルギー構成から、地域共生型の廃棄物燃料や木質燃料への転換を進め、化石燃料由来のCO2排出量の削減」「価値創造の源泉強化:3つのTransformationの土台となる人財育成強化と企業文化の変革」に焦点を当て、事業ポートフォリオの変革に取り組んでいます。  長期ビジョンの達成に向け、第5次中期事業計画ではさらなるステップアップに向けた力を蓄える期間とし、人財・財務基盤の強化を中心とした経営基盤の再構築に向けた取組を進めています。 第5次中期事業計画の初年度である2024年度は、紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア国内事業は原価低減や価格改定の取組効果が発現し、想定通りの実績を確保しましたが、ホーム&パーソナルケア海外事業においては中国での業績不振を受け、当初見込みを下回る結果となりました。これらの状況を踏まえ、第5次中期事業計画の残り2ヵ年では、各セグメントにおいて以下の3点に取り組みます。 ① ホーム&パーソナルケア海外事業の構造改革 2025年3月に、中国においてはベビー用紙おむつ関連の固定資産売却を決定し、トルコからは事業撤退を決断しました。固定費削減と不採算事業の整理により、キャッシュ・フローを改善させ、ホーム&パーソナルケア海外事業の早期立て直しに取り組みます。 ② ホーム&パーソナルケア国内事業の収益改善 付加価値商品の販売を強化することで、他社との差別化を図るとともに、原燃料価格や物流費の高騰に対応した価格改定に取り組みます。 ③ 紙・板紙事業の収益拡大と新規事業投資 パッケージ分野の需要は安定しており、段ボール原紙や包装用紙分野の営業を強化します。加えて、2025年度にはCNF複合樹脂の商用プラントが稼働予定であり、新素材事業への投資を継続し、国内洋紙需要減退を補完できる体制を構築します。 (3)会社の対処すべき課題 当社グループは、長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」のもと、国内市場の縮小や地政学リスクの増大、地球規模での気候変動といった急激な環境変化に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を実現すべく、以下の6つの重点課題に取り組んでいます。 ① ホーム&パーソナルケア海外事業:収益性改善と事業構造改革の断行 ホーム&パーソナルケア海外事業では、地政学リスクや市場変動への対応遅れなどにより損失が継続しており、早急な構造改革を進めています。2025年3月、中国においてはベビー用紙おむつ関連の固定資産売却を決定し、経営資源をフェミニンケアのブランド育成に集中させるとともに、トルコからは事業撤退を決断しました。今後は、地域特性や生活者ニーズに対応したマーケティング・商品戦略の強化、収益性を確保できる事業モデルの確立、各国・各地域における現地幹部社員の育成や権限委譲などによる迅速な市場動向把握と意思決定体制の構築により、早期の黒字化を目指します。 ② ホーム&パーソナルケア国内事業:収益力とブランド強化 少子高齢化による市場縮小が見込まれる中、「エリエール」ブランドを中心に商品ラインナップの最適化や市場トレンドに合わせた供給体制を構築することで、市場シェアの維持・拡大を目指します。さらに、衛生用紙市場をけん引するメーカーとして、適切な市場環境を作り上げ、安定的な収益基盤の構築を図ります。また、成長分野であるペットケア事業のブランド確立、研究開発投資、組織体制の強化にも取り組み、収益基盤の多角化を進めます。 ③ 紙・板紙事業:収益基盤の安定化とパッケージ分野へのシフト 国内市場の需要構造が大きく変化する中、紙・板紙事業においては売上高拡大から安定収益の確保へと方針転換を図っています。段ボールなど加工度の高い最終製品や、脱プラスチック・減プラスチックに貢献可能なパッケージ分野の強化、北越コーポレーション株式会社との戦略的業務提携を通じたコスト構造改革などを推進します。 ④ 環境対応:カーボンニュートラルに向けたエネルギー転換 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年度までに化石由来CO₂排出量を2013年度比46%削減するという目標を掲げています。バイオマスボイラーの導入、省エネルギー設備の導入、生産品種の見直し、石炭ゼロ化の推進などの取組を進め、ロードマップに基づいた施策を着実に実行します。 ⑤ 新規事業:新素材領域の事業育成 中長期的な成長基盤の構築に向け、事業ポートフォリオの変革の一つとして、セルロースナノファイバー(CNF)やバイオリファイナリー領域の事業化を推進しています。2025年7月にはCNF複合樹脂商用プラントの稼働を予定しており、コスト競争力の確保と自動車部材や家電等の分野への展開を進めます。また、バイオリファイナリー領域におけるジェット燃料やバイオプラスチックなど、次世代素材の実装に向けた技術開発も加速しています。 ⑥ 人財・ガバナンス:将来成長・変革を支える基盤の強化 当社グループは、人財こそ価値創造の源泉であるとの認識のもと、グローバル人財の育成、多様性を尊重する企業文化の醸成、挑戦を後押しする組織風土の育成、キャリア制度や評価制度の見直しなどを通じた人的資本の戦略的活用を進めています。また、第5次中期事業計画では、経営基盤の再構築を最優先課題と位置づけ、ROIC経営の推進や投融資委員会の設置による資本コストを意識した経営を推し進めるとともに、ガバナンス体制の強化にも取り組んでいます。  当社は以上の課題への対応を通じて、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献します。 (業績計画) 2024年度実績2026年度計画(第5次中計最終年度)(参考)長期ビジョン2035年度目標売上高6,689億円7,400億円1兆2,000億円営業利益(営業利益率)98(1.5億円%)300(4.1億円%)1,200(10.0億円%)経常利益45億円210億円- ネットD/Eレシオ1.4倍1.2倍- 為替レート152.6円/ドル150.0円/ドル- (事業別計画) 2024年度実績2026年度計画 売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率紙・板紙事業3,512892.5%3,5001002.9%ホーム&パーソナルケア事業2,952△14-3,6001855.1%(内訳)国内事業2,0431135.5%2,3001456.3%    海外事業908△126-1,300403.1%その他事業(調整額を含む)2262310.1%300155.0% 合 計6,689981.5%7,4003004.1%
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、次期の見通しについては、不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と乖離する可能性があります。 (1)経営成績の状況 当社グループは、経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」の実現に向け、2035年をターゲットとする長期ビジョン「Daio Group Transformation 2035」を策定し、当連結会計年度より開始する第5次中期事業計画(対象期間は2024年度から2026年度)において「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」をテーマに掲げ、経営基盤の再構築に向けて各施策を実行しています。 当連結会計年度の連結業績については、売上高は前年同期並みとなったものの、紙・板紙事業における国内需要の減退及び原燃料価格の高止まり等の影響に加え、ホーム&パーソナルケア事業の海外事業では構造改革を推進中であり、営業利益・経常利益は減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、これらに加え、在外子会社株式並びに固定資産の一部譲渡に伴う損失見込額を計上したこと等により減益となりました。 当連結会計年度の連結業績は、以下のとおりです。① 売上高 売上高は、ホーム&パーソナルケア事業の国内事業が各カテゴリーにおいて販売好調であった一方で、海外事業の停滞及び紙・板紙事業における国内需要減退等の影響により、前連結会計年度に比べ2,776百万円減少(前年同期比 0.4%減)し、668,912百万円となりました。 ② 営業利益 営業利益は、原燃料価格の高止まりに加えて、修繕費・労務費等の製造固定費の上昇や物流費高騰等の要因により、前連結会計年度に比べ4,559百万円減少(前年同期比 31.7%減)し、9,807百万円となりました。 ③ 経常利益 経常利益は、営業利益の減少に加えて、為替差損を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ5,092百万円減少(前年同期比 52.9%減)し、4,530百万円となりました。 ④ 特別損益 特別利益は、主に固定資産売却益の増加により、前連結会計年度に比べ2,255百万円増加し、7,531百万円となりました。特別損失は、主に事業構造改善費用の計上及び減損損失の増加により、前連結会計年度に比べ10,159百万円増加し、14,039百万円となりました。 ⑤ 親会社株主に帰属する当期純損失 親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ15,669百万円減少(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4,472百万円)し、△11,197百万円となりました。 この結果、1株当たり当期純損失は△67円29銭となりました(前連結会計年度の1株当たり当期純利益26円89銭)。  当連結会計年度のセグメントの状況は、次のとおりです。 ① 紙・板紙売上高351,166百万円(前年同期比   1.2%減)セグメント利益8,887百万円(前年同期比   44.4%減) 紙・板紙事業において、新聞用紙はデジタル化の進展やネット広告の定着化等といった構造的要因により発行部数及び頁数が減少しており、販売数量・売上高ともに前年同期を下回りました。 洋紙(新聞用紙を除く。)は国内需要の減退は継続していますが、輸出販売増加により販売数量は前年同期を上回り、売上高は前年同期並みとなりました。 包装用紙は需要が減少する中、環境配慮型製品や機能材分野及び輸出販売の増加により、販売数量・売上高ともに前年同期を上回りました。 板紙・段ボールは国内段ボール需要の低迷が継続していることに加え、輸出販売も中国及び東南アジア市場の停滞の影響を受けたこと等により、販売数量・売上高ともに前年同期を下回りました。 これらの結果、紙・板紙事業では、売上高は前年同期並みとなり、セグメント利益は前年同期を下回りました。 ② ホーム&パーソナルケア売上高295,188百万円(前年同期比   0.7%増)セグメント損失(△)△1,367百万円(前年同期はセグメント損失△4,087百万円) ホーム&パーソナルケア事業において国内事業では、衛生用紙は需要が拡大するソフトパックティシューや長尺トイレットペーパー等の付加価値商品の販売が伸長するとともに、原燃料価格や物流費高騰を背景にした価格改定の浸透により、売上高は前年同期を上回りました。紙加工品については価格改定の定着化に取り組むとともに、生活者の要望を反映した新商品やリニューアル品が好評を得たほか、フェミニンケアやベビーケアでの企画品連続投入及び好調なヘルスケア関連商品が販売拡大を牽引しました。また、ペットケアは販売から1年が経ち、日本で唯一(注)のパンツタイプの犬用おむつを中心に導入店舗やEC市場においてユーザーの獲得が着実に進むとともに取扱店舗も増加したことから、販売数量・売上高ともに前年同期を上回りました。(注)サイズ調整可能でお腹まわりにポケット構造ができるパンツ形状おむつとして先行技術調査及びMintel GNPDを用いた当社調べ(2023年4月) 海外事業では、ブラジルにおいて、衛生用紙、ベビーケア、フェミニンケア等の付加価値商品の販売が伸長し、中国・タイでは、付加価値商品を中心にフェミニンケアの拡販が進みました。一方、ブラジルレアル安等の為替換算影響があり海外事業全体の売上高は前年同期を下回りました。 これらの結果、ホーム&パーソナルケア事業の売上高は前年同期並みとなり、セグメント損失は縮小しました。 ③ その他売上高22,557百万円(前年同期比   3.3%減)セグメント利益2,221百万円(前年同期比   8.2%減) 主に売電事業、機械事業、木材事業及び物流事業であり、木材事業における海外での木材チップの販売減少等により、売上高及びセグメント利益は前年同期を下回りました。 <主要品種別販売数量・金額増減要因>紙・板紙事業セグメント品種数量金額動向新聞用紙--新聞発行部数及び頁数の減少洋紙+→国内の需要減少、輸出販売の増加包装用紙++産業分野の回復、脱プラ・減プラ製品や機能材分野及び輸出販売の増加板紙・段ボール--段ボール需要の減少、輸出販売の減少 ホーム&パーソナルケア事業セグメント(国内)品種数量金額動向ファミリーケア(衛生用紙)→+ソフトパックティシュー、長尺トイレットペーパー等の付加価値商品の販売伸長、価格改定の浸透ベビーケア++紙おむつの新商品導入店舗拡大、価格改定の浸透ヘルスケア++価格改定の浸透、夜用パンツや産学連携商品等の高機能・高付加価値商品の販売伸長、病院・介護施設への導入拡大フェミニンケア++ショーツタイプの販売伸長、夜用ナプキンの販売回復、価格改定の浸透ハウスホールドケア(ウエットワイプ)-→除菌関連商品の需要減少、トイレクリーナーの販売伸長、価格改定の浸透ペットケア++商品使用ユーザー数の増加、「犬用おむつ」、「猫用システムトイレ用シート」を中心に商品導入店舗の拡大による販売伸長 (2)財政状態の状況 当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や機械装置及び運搬具の減少等により、前連結会計年度末に比べ53,679百万円減少し、886,066百万円となりました。 負債は社債や借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ43,306百万円減少し、636,352百万円となりました。 純資産は為替換算調整勘定の増加があるものの、利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末に比べ10,373百万円減少し、249,713百万円となりました。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.3ポイント上昇し、26.7%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して10,878百万円減少し、112,872百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、44,649百万円(前連結会計年度比14,648百万円の獲得の減少)となりました。これは主に、減価償却費44,815百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は、20,901百万円(前連結会計年度比5,641百万円の支出の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出32,407百万円、有形固定資産の売却による収入10,327百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により支出した資金は、35,486百万円(前連結会計年度比21,874百万円の支出の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入71,700百万円、長期借入金の返済による支出90,478百万円、社債の償還による支出10,136百万円によるものです。 (4)資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金源泉を安定的に確保することを基本方針としています。 事業活動における資金需要の主なものは、運転資金需要と投資資金需要です。運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動における原材料及び商品仕入、製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、事業戦略の遂行に必要な投資や品質改善・安全・環境のために必要な設備投資等です。 運転資金につきましては主に金融機関からの短期借入金で調達し、投資資金につきましては主に長期社債及び金融機関からの長期借入金により調達しています。また、今後の資金需要や金利動向等の調達環境、既存借入金や長期社債の償還時期等を総合的に考慮し、調達額及び調達手段等を適宜判断して実施することとしています。 なお、当社は国内子会社との間で導入しているキャッシュマネジメント・システムの一層の機能充実による資金効率化により、成長投資を進めながらも財務規律の維持に努めています。 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (6)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)紙・板紙319,48399.5ホーム&パーソナルケア226,239102.0報告セグメント計545,723100.5その他31,549103.5合計577,272100.7(注)金額は製造原価によっています。 (7)受注実績 紙・板紙事業及びホーム&パーソナルケア事業の製品については、需要を予測して見込生産を行っており、特に受注生産は行っていません。 (8)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)紙・板紙351,16698.8ホーム&パーソナルケア295,188100.7報告セグメント計646,35499.7その他22,55796.7合計668,91299.6(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。なお、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、「相手先別の販売実績」は記載していません。 (9)次期の見通し 当社グループを取り巻く事業環境は、国内外において景気の不透明感が続く中、原燃料価格の高止まりや物流費の上昇、人手不足によるコスト増加等に加え、新聞用紙、印刷用紙等のグラフィック用紙の市場縮小の傾向が顕著であり、引き続き厳しい状況が想定されます。一方、脱プラスチック・減プラスチックへの取組の加速等、持続可能な資源利用を目指す市場の広がりは、紙製品の需要拡大も期待されます。 このような状況下において当社グループは、紙・板紙事業では国内生産子会社のいわき大王製紙においてバイオマスボイラーの復旧を予定しており、環境負荷低減及びエネルギーコスト改善を見込んでいます。また、今後の成長を担うホーム&パーソナルケア事業について、国内では、各カテゴリーにおける高付加価値商品の拡販や価格改定の浸透、ペットケア事業の拡大に取り組んでいます。海外では、中国事業における構造改革効果の早期発現を目指すなど、海外事業全体の再構築を進め、経営基盤の強化を図ります。 これらの取組により、2026年3月期の連結業績については、売上高670,000百万円、営業利益22,000百万円、経常利益14,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円を予想しています。

事業リスク

  • 需要・市況変動リスク:主力製品である紙・板紙製品や家庭紙商品の需要が大幅に減少したり、市場価格が著しく下落したりすると、売上高や利益が減少し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に紙・板紙事業では品種ごとの需要変動が、ホーム&パーソナルケア事業では特定カテゴリーの市況下落がリスクとなります。
  • 原燃料価格・為替変動リスク:木材チップ、古紙、重油などの原材料を国内外から調達しているため、これらの価格が変動すると製造コストが増加する可能性があります。また、外貨建て取引が多いため、為替相場の変動も原材料調達コストや海外での販売価格に影響を与え、会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外事業固有のリスク:中国、韓国、東南アジア、トルコ、ブラジルなどでの海外事業展開は、為替変動に加え、現地政府の規制強化、外交関係の悪化、政治不安による経済環境の変化など、日本国内とは異なるリスクに直面する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、海外事業の収益性が低下し、グループ全体の業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,428 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書等に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。 また、リスク管理の体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しています。 (1)需要・市況変動による影響 当社グループは、紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業及びその他の事業を行っていますが、主力製品である紙・板紙製品及び家庭紙商品の大幅な需要減少、製品市況の著しい下落により販売数量・販売金額の減少が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 紙・板紙事業においては、品種毎の需要変動や市況変動に対し、基幹工場である三島工場・可児工場及び生産子会社にて柔軟な生産品種のシフトを行うといった生産体制の整備・見直しを実施しています。 また、ホーム&パーソナルケア事業においては、特定の商品カテゴリーにおける需要変動又は市況下落が全体に及ぼす影響を極小化できるよう、衛生用紙から吸収体製品まで幅広い商品ラインナップを持ち、それらを複合的に組み合わせた営業戦略を遂行するとともに、お客様の生活満足度を向上させる商品を提供することを通じて、市況の変動に負けない強い営業スタイルを確立しています。 (2)原燃料価格変動、及び為替相場の変動による影響 当社グループは木材チップ・古紙・薬品・重油・石炭等の原燃料を国内及び海外から購入しており、原燃料価格の変動に加え、外貨建てで取引されている原燃料の調達に関しては為替相場の変動も、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、為替相場変動については、海外への紙・板紙製品及び家庭紙商品の輸出販売や海外子会社での販売活動にも影響を与える可能性があります。なお、当社グループでは為替相場変動による経営成績への影響を軽減する目的で、一部の取引に為替予約を利用したリスクヘッジを実施しています。また、原燃料価格変動に対する取引先を含めた体制強化や情報交換の活発化の重要性を踏まえ、「SDGs調達」を推進することで、取引先と一体となってCSRやSDGsに配慮しつつ、公平・公正な取引の実現、品質・技術力の向上、事業継続計画の策定による安定供給体制の確保を図っています。 (3)海外事業による影響 当社グループは成長戦略のひとつとして、ホーム&パーソナルケア海外事業部が中心となって中国、韓国、東南アジア諸国、トルコ、ブラジル等での事業展開に取り組んでいますが、海外における事業展開には為替相場の変動や現地政府による規制、外交関係や国民感情の悪化、政治不安等による経済環境の変化等が発生するリスクがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 これらに対し当社グループでは、グループ各社や日本の担当部署が収集した最新情報を関係者間で共有し、適切に対応することで、リスクの最小化を図っています。 (4)自然災害及び感染症等による影響 当社グループの生産、物流拠点等がある地域で災害が発生した場合には、生産設備の破損、操業の中断や遅延、物流機能の停止、原材料・製品・商品の滅失、復旧費用の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、感染症等の拡大が発生した場合には、世界的な景気の悪化により販売数量の減少や原材料価格の高騰、原材料確保の難化、物流機能の低下等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 そうした中で当社グループでは、災害発生時の被害の極小化、事業の早期復旧を図るため、グループを横断したBCM(事業継続マネジメント)の整備、実効性向上に向けた取組を進めています。 (5)法的規制・訴訟による影響① 法的規制に関するリスク 当社グループは、環境規制、知的財産権、製品及び原材料の品質・安全性、商品の表示に関する法令や競争法、労働法令等その他様々な国内外の法規制等の適用を受けて事業を行っています。 当社グループでは、海外子会社を含むグループ全体へ「大王グループ行動規範」を周知・教育する等してコンプライアンスの強化に取り組んでいますが、法規制等について遵守できなかった場合や変更・改正が生じた場合には、当社グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスクを識別・評価するとともに、リスクの重要性に応じた適切な対応策を講じることで、リスクの顕在化を未然に防止し、法規制等を遵守した運営に取り組んでいます。 ② 訴訟に関するリスク 当社グループは事業活動に関連して各種の訴訟等に巻き込まれるおそれがあり、その結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 訴訟等やレピュテーションに悪影響を及ぼす事象が生じた場合には、弁護士事務所と連携し、対応する体制を整備しています。迅速な対応を行い、必要に応じて適切な情報を公表することで、当社グループのレピュテーションの維持に努めていきます。 (6)情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、サイバー攻撃による事業停止や情報漏洩を重要なリスクと認識しています。そのため、ファイアウォールによる不正通信の遮断や次世代ウィルス対策ソフトの導入、不正アクセスの監視、メールフィルタリング、セキュリティパッチの適用、セキュリティ診断等を実施しており、復旧計画に基づき定期的なシステム復旧訓練も行っています。 個人情報漏洩防止に関しては、AI機械学習等の最新のウィルス対策の導入やクラウドサービスの利用により特に強化を図っています。教育面では、標的型攻撃メール訓練を毎年実施するとともに、ITセキュリティ管理規則を制定し、外部デバイスの使用禁止等のセキュリティ対策を社員に徹底しています。 (7)金利変動による影響 当社グループは有利子負債の削減に取り組んでいますが、大幅な金利の上昇が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは金利変動による経営成績への影響を軽減するため、主として固定金利の長期借入にて資金調達を行うことにより、短期的な金利上昇リスクへの対応を図っています。 (8)財務制限条項の付された金銭消費貸借契約による影響 当社グループが金融機関との間で締結している金銭消費貸借契約の一部には、各年度の決算期の末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額や、各年度の決算期における連結損益計算書の経常損益等を基準とした財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には借入金の返済を求められ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)投資有価証券の価格変動による影響 市場価格のない株式等以外のその他有価証券は決算日の市場価格等に基づく時価法により評価するため、決算日の株価によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは政策保有株式の縮減を進めており、保有株式を削減することで価格変動による影響も総額として縮小させていく方針です。 (10)固定資産の減損会計による影響 当社グループは、有形固定資産やのれん等の固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計が適用されており、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー又は当該資産の正味売却価額の何れか高い方の金額によって資産の帳簿価額の回収可能性を検証し、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、経営環境の著しい悪化により事業の収益性が低下した場合や市場価格が著しく下落した場合等には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)気候変動に関するリスク 気候変動に関するリスク内容、対応策については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動への対応」に記載のとおりです。

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