事業の概要
- ビジュアルコミュニケーション事業ブイキューブグループは、リモートでのコミュニケーションを円滑にするためのツールやサービスを提供しています。具体的には、Web会議システムやオンラインイベント配信、防音個室ブースの提供を通じて、企業や官公庁、個人の働き方や学び方、イベントのあり方をデジタル化し、効率化を支援することで収益を得ています。
- DX支援サービス企業や官公庁のデジタルトランスフォーメーション(DX)を多角的に支援しています。Web会議ツール「Zoom」の提供や、映像組み込み型サービス開発を支援する「Agora」、学習管理システム(LMS)などを通じて、顧客の社内外コミュニケーションや人材育成の課題解決に貢献し、主に期間契約型の定額制サービスで収益を上げています。
- ハイブリッド型サービス提供オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型のサービス展開が特徴です。例えば、オンラインイベントだけでなく、リアル会場とオンライン配信を融合したイベント支援や、防音個室ブース「テレキューブ」の販売・レンタルを通じて、場所にとらわれない多様な働き方やイベント開催をサポートし、収益源としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- エンタープライズDX事業企業や官公庁向けに、Web会議システム「Zoom」や映像組み込み型プラットフォーム「Agora」、学習管理システム(LMS)などを提供し、社内外のコミュニケーションや人材育成のデジタル化を支援しています。主に期間契約型の定額制サービスで、売上高は約34.99億円、営業利益は約5.28億円と、グループの利益を牽引する事業です。
- イベントDX事業オンラインやハイブリッド形式のイベント開催を支援する事業で、Webセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」や「EventIn」などを提供しています。企画・制作から運営、効果測定までをワンストップでサポートするSaaS+サービス型が中心です。売上高は約35.19億円とグループ内で最も大きいですが、営業利益は約-20.83億円と赤字であり、収益改善が課題となっています。
- サードプレイスDX事業自宅や職場とは異なる「第3の場所」での働き方を支援する事業で、防音個室ブース「テレキューブ」の提供や管理運営システムの開発を行っています。企業への販売やレンタル、公共空間での時間レンタルサービスを展開しています。売上高は約28.41億円、営業利益は約7.88億円と、安定した収益を上げている事業です。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EnterpriseDXSegment | 事業 | 35 | 5 | 15.1% |
| EventDXSegment | 事業 | 35 | -21 | -59.2% |
| ThirdplaceDXSegment | 事業 | 28 | 8 | 27.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社(株式会社ブイキューブ)、アジアを中心とした海外の連結子会社6社、国内の連結子会社2社、持分法適用関連会社1社の計10社で構成されており、リモートを活用したコミュニケーションDX実現のためのビジュアルコミュニケーションツールやサービスの提供、及び、テレワーク定着実現をサポートする製品及び関連サービスの提供を行っております。 当社グループが提供するサービスの概要は以下のとおりです。 なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 1.エンタープライズDX事業主に企業や官公庁等を対象に、社内外のコミュニケーションにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するため、Web会議、SDK/プラットフォーム、LMS等のサービス提供を行っております。Web会議は、主にZoom Communications Inc.社の「Zoom」を提供しております。提供形式は、契約期間に応じて定額制サービスを提供する期間契約型が中心です。SDK/プラットフォームは、映像組み込み型サービスの開発を容易にするAgoraの提供やサービス開発及び運用支援をすることで、顧客企業におけるソリューション開発を支援しております。契約期間に応じて定額制サービスを提供する期間契約型に加えて、顧客ニーズに応じてサービスのカスタマイズや開発を請け負う受注販売型の2つの提供形式があります。LMSは学習管理システムの提供を行う事業で、契約期間に応じて定額制サービスを提供する期間契約型、顧客ニーズに応じてサービスのカスタマイズやラーニングコンテンツ開発を請け負う受注販売型の2つの提供形式があります。上記のプロダクトの提供のみならず、マネジメント課題や営業組織のセールス・イネーブルメントをAIを活用して解決・実現するマネジメント支援を提供しております。当社のほか、Wizlearn Technologies Pte. Ltd.(シンガポール)、V-cube (Thailand) Co., Ltd.(タイ)の子会社2社において、サービス提供を行っております。<主なプロダクトラインナップ>・Zoom、V-CUBE ミーティング・Agora・Qumu・ManeAI・ASKnLearn(Wizlearn Technologies Pte. Ltd.が提供するサービス) 2.イベントDX事業様々な分野におけるイベントにおいて、顧客のニーズや課題に応じて企画・制作、当日の運営・効果測定までワンストップで支援する事業であり、具体的には、Webセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」や「EventIn」などのセミナー配信ソフトウエアを提供するほか、イベント配信に係る運用設計、当日の配信サポートや後日のイベントデータ解析などの運用支援サービスをワンストップで提供しております。また、オンラインのイベントのみならず、リアル開催とオンライン配信をシームレスに融合し、場所や環境を超えて一体感を生み出すハイブリッドイベントの支援も提供しております。基幹となる配信ソフトウエアと各種運用支援サービスを加えた、SaaS+サービス型の販売形態でイベント配信サービスの提供を行っております。当社のほか、TEN Events, Inc.でサービス提供を行っております。<主なプロダクトラインナップ>・V-CUBE セミナー・EventIn・バーチャル株主総会・V-CUBE Communication Platform・Xyvid Pro Platform(TEN Events,Incが提供するサービス) 3.サードプレイスDX事業自宅や職場とは異なるサードプレイス(第3の場所)の提供や運用支援を行うことで、場所にとらわれない働き方を実現することを目的とする事業であります。具体的には、企業及び公共空間への「テレキューブ」の提供、公共空間における防音個室ブースの管理運営システムの開発、「テレキューブ」において提供する関連サービスの開発を行っております。企業向けテレキューブの販売のほか、月額課金方式であるサブスクリプション形態によるテレキューブのレンタルを行っております。また、連結子会社であるテレキューブ株式会社より、公共空間での時間レンタルに使用されるテレキューブの販売と設置後の管理サービスの提供を行っております。当社のほか、テレキューブ株式会社でサービス提供を行っております。<主なプロダクトラインナップ>・テレキューブ [事業系統図] 以上の事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い オンラインイベント市場での価格競争激化により、案件単価の値下げリスクがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 AI技術の急速な進展により、既存サービスが代替される可能性があり、技術適応が課題。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:継続企業の前提に関する重要な不確実性 / 米国子会社TENの業績低迷と減損損失 / イベントDX事業の収益性低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ブイキューブは、遠隔コミュニケーションプラットフォーム「V-CUBE」を提供しており、長年のサービス提供で培われたブランド認知とノウハウは一定の無形資産となりうる。しかし、特許や強力なIPによる明確な独占性は確認できない。
スイッチングコスト★★☆☆☆
同社のサービスは、導入済みの企業においては、システム変更に伴うコストや従業員の再教育の手間から、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、競合サービスへの移行障壁は限定的と見られる。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
ビデオ会議システムは、参加者が増えるほど利便性が向上する側面があるが、ブイキューブのサービスにおいて顕著なネットワーク効果が発揮されている証拠は乏しい。プラットフォームとしての規模の経済はまだ発展途上。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、サービス提供における構造的なコスト優位性は見出しにくい。価格競争力よりも機能性や安定性が重視される傾向にある。
規模の経済★☆☆☆☆
国内のWeb会議・ビジネスチャット市場は競争が激化しており、ブイキューブが圧倒的なシェアを持つ状況ではない。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えない。
- 多様なDXソリューションWeb会議、オンラインイベント、学習管理システム、防音個室ブースなど、幅広いビジュアルコミュニケーションDXソリューションをワンストップで提供しています。これにより、顧客は複数のベンダーと契約する手間なく、多様なニーズに対応できるため、顧客にとっての利便性が高いと考えられます。
- 主要ツールの提供と開発支援世界的に広く利用されているWeb会議ツール「Zoom」の提供に加え、映像組み込み型サービス開発を容易にする「Agora」の提供や、顧客の要望に応じたカスタマイズ開発支援も行っています。これにより、顧客は既成のツール利用から、より高度なソリューション開発まで、柔軟に選択できる点が強みです。
- ハイブリッド対応と運用支援オンラインイベントだけでなく、リアルとオンラインを融合したハイブリッドイベントの企画・制作から運営、効果測定までを一貫して支援しています。また、防音個室ブース「テレキューブ」の提供を通じて、多様な働き方に対応する環境を提供しており、単なるツール提供に留まらない総合的なサポート体制が競争優位につながります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 I.経営方針 当社グループは、「Evenな社会の実現 ~すべての人が平等に機会を得られる社会の実現~」をミッションに掲げ、ビジュアルコミュニケーション技術を基盤とした事業を展開しております。 本年度は、事業ポートフォリオの再編を進めるとともに、成長領域への投資を強化し、収益性の向上を目指してまいります。また、業績回復及び成長戦略を推進してまいります。 <各事業の成長戦略>エンタープライズDX事業・サービスの選択と集中が完了し、成長を見込むサービスへの注力・生成AIを活用した新規サービスの拡充・AI×ロボティクス事業の拡大イベントDX事業・コロナ後のポートフォリオ変化を元にしたオーガニックな成長・データを徹底活用するイベントの効果分析等による差別化サードプレイスDX事業・テレキューブのラインナップ拡充と利用用途の拡大によるオーガニックな成長 Ⅱ.経営環境及び対処すべき課題(1)当連結会計年度の実績数値と振り返り 2025年12月期の売上高は9,859百万円となり、計画値の10,000百万円を下回りました。これは、TEN Holdings, Inc.を中心としたイベントDX事業の回復の遅れが影響したためであります。 営業損益は1,683百万円の損失となり、計画値の営業損失700百万円を大きく下回りました。主な要因として、TEN Holdings, Inc.の業績低迷とNASDAQ上場時の費用負担の発生が挙げられます。 親会社株主に帰属する当期純損益は3,696百万円の損失となり、計画値の100百万円から大幅に乖離しました。これは、TEN Holdings, Inc.の事業環境の悪化並びに米国NASDAQの上場によって発生した費用の影響の他、国内のイベント事業のソフトウエア及び有形固定資産についての減損損失の計上並びに繰延税金資産の一部取崩しが発生したこと等によるものであります。 2026年12月期以降は、事業ポートフォリオの最適化やコスト管理の強化、特にTEN Holdings, Inc.のグループからの切り離しを進め、収益性の改善を目指します。 当連結会計年度の計画と実績の比較主要経営目標(連結ベース)2025年12月期(計画)2025年12月期(実績)売上高10,000百万円9,859百万円営業損失(△)△700△1,683 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①財務体質の改善・TEN Holdings, Inc.のグループからの切り離しの推進と同社への投資の回収の最大化・有利子負債の削減と自己資本比率の改善・ROI(投資収益率)の最大化を目的とした開発投資の適正化 ②売上成長の促進・コア事業の強化と新規事業の創出・エンタープライズDX、イベントDX、サードプレイスDXの各分野での拡大・MRRの成長、新規事業創出、社内外連携の強化 これらの課題に対し、全社一丸となって取り組むことで、社会課題の解決と企業価値の向上を同時に実現し、「Evenな社会」の実現に向けて前進してまいります。 Ⅲ.会社の対処すべき課題(1)特別調査委員会の設置及び米国当局による調査の趣旨及び経緯 連結子会社TEN Holdings, Inc.(以下、「TEN」といいます。)は、2025年2月のNASDAQへの上場に際し、上場後の資本政策等に関する業務委託報酬(合計約5.4M USD、円換算額808,434千円)の支払を行いましたが、当時の当社の代表取締役であった間下直晃氏が、当社取締役会の承認を経ることなく、当該業務委託報酬の支払に関し当社がTENへの財務的支援を行う旨の書面を当社名義でTENに差し入れていた事実が判明いたしました。また、当該業務委託報酬の契約先と支払先の相違や当該取引に係る役務提供の実態が確認できない等の事実も判明いたしました。 当社は、これらの一連の事項に関し、当社及びTENから独立した外部の専門家で構成される特別調査委員会による客観的な調査を行う必要があると判断し、2026年4月24日に当該委員会を設置いたしました。 当社は、同特別調査委員会に対して、上記一連の事項に関する事実関係の調査、類似案件の有無に関する調査、並びに、かかる調査の結果、当社の過去の対応について問題が発見された場合には、当該問題に関する発生原因の分析及び再発防止策の提言を行うことを委嘱しております。 また、TENは、2025年10月27日付で米国連邦検事局(USAO)米国連邦検事局(USAO)より、同社の2025年2月の新規株式公開(IPO)に関する大陪審召喚状を受領しております。また、2026年3月10日には、米国証券取引委員会(SEC)よりIPO及びその他の事項に関する資料提出を求める召喚状を受領いたしました。 (2)今後の対応及び会計処理の方針 当社は、特別調査委員会による調査に対して全面的に協力するとともに、TENは米国当局による調査に対して全面的に協力してまいる方針です。現時点において、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中です。調査等の結果、不適切な事象が判明し次第、原因の究明と分析、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の連結財務諸表等に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針であります。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示いたします。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 I.経営方針 当社グループは、「Evenな社会の実現 ~すべての人が平等に機会を得られる社会の実現~」をミッションに掲げ、ビジュアルコミュニケーション技術を基盤とした事業を展開しております。 本年度は、事業ポートフォリオの再編を進めるとともに、成長領域への投資を強化し、収益性の向上を目指してまいります。また、業績回復及び成長戦略を推進してまいります。 <各事業の成長戦略>エンタープライズDX事業・サービスの選択と集中が完了し、成長を見込むサービスへの注力・生成AIを活用した新規サービスの拡充・AI×ロボティクス事業の拡大イベントDX事業・コロナ後のポートフォリオ変化を元にしたオーガニックな成長・データを徹底活用するイベントの効果分析等による差別化サードプレイスDX事業・テレキューブのラインナップ拡充と利用用途の拡大によるオーガニックな成長 Ⅱ.経営環境及び対処すべき課題(1)当連結会計年度の実績数値と振り返り 2025年12月期の売上高は9,859百万円となり、計画値の10,000百万円を下回りました。これは、TEN Holdings, Inc.を中心としたイベントDX事業の回復の遅れが影響したためであります。 営業損益は1,683百万円の損失となり、計画値の営業損失700百万円を大きく下回りました。主な要因として、TEN Holdings, Inc.の業績低迷とNASDAQ上場時の費用負担の発生が挙げられます。 親会社株主に帰属する当期純損益は3,696百万円の損失となり、計画値の100百万円から大幅に乖離しました。これは、TEN Holdings, Inc.の事業環境の悪化並びに米国NASDAQの上場によって発生した費用の影響の他、国内のイベント事業のソフトウエア及び有形固定資産についての減損損失の計上並びに繰延税金資産の一部取崩しが発生したこと等によるものであります。 2026年12月期以降は、事業ポートフォリオの最適化やコスト管理の強化、特にTEN Holdings, Inc.のグループからの切り離しを進め、収益性の改善を目指します。 当連結会計年度の計画と実績の比較主要経営目標(連結ベース)2025年12月期(計画)2025年12月期(実績)売上高10,000百万円9,859百万円営業損失(△)△700△1,683 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①財務体質の改善・TEN Holdings, Inc.のグループからの切り離しの推進と同社への投資の回収の最大化・有利子負債の削減と自己資本比率の改善・ROI(投資収益率)の最大化を目的とした開発投資の適正化 ②売上成長の促進・コア事業の強化と新規事業の創出・エンタープライズDX、イベントDX、サードプレイスDXの各分野での拡大・MRRの成長、新規事業創出、社内外連携の強化 これらの課題に対し、全社一丸となって取り組むことで、社会課題の解決と企業価値の向上を同時に実現し、「Evenな社会」の実現に向けて前進してまいります。 Ⅲ.会社の対処すべき課題(1)特別調査委員会の設置及び米国当局による調査の趣旨及び経緯 連結子会社TEN Holdings, Inc.(以下、「TEN」といいます。)は、2025年2月のNASDAQへの上場に際し、上場後の資本政策等に関する業務委託報酬(合計約5.4M USD、円換算額808,434千円)の支払を行いましたが、当時の当社の代表取締役であった間下直晃氏が、当社取締役会の承認を経ることなく、当該業務委託報酬の支払に関し当社がTENへの財務的支援を行う旨の書面を当社名義でTENに差し入れていた事実が判明いたしました。また、当該業務委託報酬の契約先と支払先の相違や当該取引に係る役務提供の実態が確認できない等の事実も判明いたしました。 当社は、これらの一連の事項に関し、当社及びTENから独立した外部の専門家で構成される特別調査委員会による客観的な調査を行う必要があると判断し、2026年4月24日に当該委員会を設置いたしました。 当社は、同特別調査委員会に対して、上記一連の事項に関する事実関係の調査、類似案件の有無に関する調査、並びに、かかる調査の結果、当社の過去の対応について問題が発見された場合には、当該問題に関する発生原因の分析及び再発防止策の提言を行うことを委嘱しております。 また、TENは、2025年10月27日付で米国連邦検事局(USAO)米国連邦検事局(USAO)より、同社の2025年2月の新規株式公開(IPO)に関する大陪審召喚状を受領しております。また、2026年3月10日には、米国証券取引委員会(SEC)よりIPO及びその他の事項に関する資料提出を求める召喚状を受領いたしました。 (2)今後の対応及び会計処理の方針 当社は、特別調査委員会による調査に対して全面的に協力するとともに、TENは米国当局による調査に対して全面的に協力してまいる方針です。現時点において、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中です。調査等の結果、不適切な事象が判明し次第、原因の究明と分析、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の連結財務諸表等に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針であります。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示いたします。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、海外経済の減速、米国の通商政策動向の不透明感、為替変動などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続く中、国内においては断続的な金利上昇に伴う資金調達環境の変化や、人件費・エネルギーコストの高止まりによる物価上昇が継続いたしました。一方で、生成AIの社会実装が本格化したことによるDX投資の加速や、賃上げに伴う個人消費の底堅さも見られ、景気は緩やかな回復基調の中で推移いたしました。日本市場では、デジタルとリアルを高度に融合させたハイブリッド型のビジネスモデルが定着し、当社においても顧客ニーズに即した柔軟なサービス提供に努めました。特に、コストコントロールと事業ポートフォリオの見直しを継続して進めてきたことで、国内事業の収益構造の適正化を一段と進展させてまいりました。一方、米国市場においては、前期より課題となっていた新規案件の立ち上げ遅延の解消を目指し、NASDAQ市場への上場を契機に財務基盤の安定化を進めてまいりましたが、上場に伴う株式報酬費用727,185千円等の販管費が一時的に増大し、著しい業績の悪化がグループ全体の損益の下押し要因となりました。こうした環境の中、当社グループは持続的な成長と資本効率の向上を最優先課題と捉え、事業ポートフォリオの抜本的な見直しを進めております。その一環として、米国子会社の非連結化に伴う体制見直しによりグループ体制の再編を加速させ、経営資源を成長分野及び収益性の高い事業領域へ集中させるとともに、機動的な経営体制を構築し、グループ全体の企業価値最大化に最善を尽くしてまいります。 また、テレワークの定着及びリモートを活用したコミュニケーションDXによる生産性・生活の質の向上の実現に向けて、当連結会計年度において以下の項目を実施いたしました。(ⅰ)Web会議ツールの継続的提供と市場拡大への貢献 ハイブリッドワークが企業の標準的な働き方として定着する中、Web会議ツールは今や企業活動に欠かせない社会インフラとなっており、当社が代理店として販売する「Zoom」は堅調に推移しました。今後も提供サービスの安定運用ができるよう機能開発・品質改善活動を継続してまいります。 (ⅱ)イベント配信サービス事業の拡大 配信件数は前年度に比べ減少いたしましたが、様々な業界ではイベント及びセミナー開催の方法が対面でのリアル開催、場所を問わないオンライン開催、双方を組み合わせたハイブリッド型と、開催方法が多様化しており、イベント開催の需要は今後も堅調に推移していく見込みです。当社は、イベントの準備段階から当日の現場での安定的な配信・運営、終了後のデータ分析まで全体をワンストップで支援する「Oneイベント」を提供しており、付加価値の向上による単価の向上に取り組んでまいりました。市場環境の変化に柔軟に対応するため、開発投資や人材や機材等のリソース配分の適正化も継続的に実施しており、収益性の高い事業構造をつくるための取り組みを推進いたしました。(ⅲ)テレワークを支援するセキュアな個室ブース「テレキューブ」の提供 企業においてテレワークが普及した一方でオフィスへ出社する機会も戻りつつあり、様々なワークスタイルが広がる中で、オフィスではWeb会議を開催するための場所や会議室の不足に対し低コストかつ短期間での設置やレイアウト変更が可能なブースとしての需要が拡大した結果、企業におけるテレキューブの設置台数は大幅に増加いたしました。 これらのミッション実現施策とともに、企業として持続的成長を実現していくための新規事業領域の創出や、株式会社としての使命たる企業価値最大化のための業績向上のため施策を実施いたしております。 当連結会計年度の業績は以下のとおりです。(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高10,463,8469,859,467△604,379△5.8営業損失(△)△236,769△1,683,043△1,446,274-経常損失(△)△320,861△2,026,101△1,705,240-親会社株主に帰属する当期純損失(△)△1,417,278△3,696,528△2,279,250- 当連結会計年度において、売上高は前年同期比で5.8%減少し9,859,467千円となりました。これは、主に企業向けの防音型個室ブースの設置販売が堅調に推移した一方で、前連結会計年度に実施したプロフェッショナルワーク事業の譲渡による減収のほか、特定の大口顧客の案件減少の影響によるものです。 営業損失につきましては、主に連結子会社TEN Holdings, Inc.においてNASDAQ市場への上場に伴う株式報酬費用727,185千円の発生や上場維持の諸費用の増加等により、営業損失は1,683,043千円(前年同期は236,769千円の営業損失)となりました。 営業外損益においては、主に為替相場の変動により、グループ間ローンの決済及び換算により為替差損97,053千円計上したほか、主にTEN Holdings, Inc.の資金調達費用として支払手数料127,224千円を計上いたしました。 特別損益においては、投資有価証券売却益を1,121,787千円計上したほか、主に収益性の低下した一部の有形固定資産及びソフトウエアについて減損損失1,993,619千円を計上いたしました。 セグメント別の業績は、以下のとおりです。 Ⅰ.エンタープライズDX事業(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高4,058,5843,499,442△559,142△13.8セグメント利益667,446527,909△139,537△20.9 エンタープライズDX事業は、主に企業や官公庁等を対象に、社内外のコミュニケーションにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービスを提供しております。 具体的には、「Zoom」「Zoomphone」等のZoom Communications Inc.の提供するサービスのリセール販売を中心とした「ハイブリッド」事業、高品質な通話・配信・会話型AIの機能を簡単に実装できる「Agora」を中心とした「ビジネスグロース」事業、動画の制作・管理・配信が可能な企業向け動画配信プラットフォーム「Qumu」を中心とした「リスキリング」事業で構成されています。 当連結会計年度のセグメント売上高は、前年同期比13.8%減の3,499,442千円、セグメント利益は前年同期比20.9%減の527,909千円となりました。これは主に、前連結会計年度に実施したプロフェッショナルワーク事業の譲渡及び一部のサービス終了に伴う減収の影響によるものであります。 Ⅱ.イベントDX事業(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高3,763,9963,519,496△244,500△6.5セグメント損失(△)△566,367△2,083,393△1,517,026- イベントDX事業は、様々な分野におけるイベントにおいて、顧客のニーズや課題に応じて企画・制作、当日の運営・効果測定までワンストップで支援する事業であります。 具体的には、Webセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」や「EventIn」などのセミナー配信ソフトウエアを提供するほか、イベント配信に係る運用設計、当日の配信サポートや後日のイベントデータ解析などの運用支援サービスを提供しております。 当連結会計年度では、国内の製薬業界の講演会市場の縮小は底打ちし、今後の注力領域であるハイブリッドイベントが成長したものの、特定の大口顧客の案件減少の影響により、セグメント売上高は前年同期比6.5%減の3,519,496千円となりました。 また、セグメント損失は2,083,393千円(前年同期は566,367千円のセグメント損失)となりました。これは、主に米国の連結子会社TEN Holdings, Inc.においてNASDAQ市場への上場に伴う株式報酬費用727,185千円を計上したこと等により、同社で1,628,850千円の営業損失となったことによるものです。この結果、当セグメント全体では営業損失2,083,393千円を計上することとなりました。 Ⅲ.サードプレイスDX事業(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)売上高2,641,2652,840,528199,2637.5セグメント利益746,632787,87141,2395.5 サードプレイスDX事業は、自宅や職場とは異なるサードプレイス(第3の場所)の提供や運用支援を行うことで、場所にとらわれない働き方を実現することを目的とする事業であります。 具体的には、企業及び公共空間への「テレキューブ」の提供、公共空間における防音個室ブースの管理運営システムの開発、「テレキューブ」において提供する関連サービスの開発を行っております。 当連結会計年度では、セグメント売上高は前年同期比7.5%増の2,840,528千円、セグメント利益は前年同期比5.5%増の787,871千円となりました。これは、主に企業向け防音型個室ブースの販売が堅調に推移し、特に多人数用の製品が好調であったことに加え、今期投入した新製品であるエアコン関連商品が、昨今の酷暑を背景に売れ行きを伸ばしたことが寄与したためです。 ② 財政状態の状況(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減資産10,481,0528,730,961△1,750,091負債10,457,3879,838,643△618,744純資産23,664△1,107,682△1,131,346 a.資産 当連結会計年度末において、資産残高は前期末比1,750,091千円減の8,730,961千円となりました。これは主に、減損損失を計上したことによる有形及び無形固定資産残高の減少のほか、繰延税金資産の取崩しにより残高が減少したことによるものであります。 b.負債 負債残高は前期末比618,744千円減の9,838,643千円となりました。これは主に、長期借入金の返済により残高が減少したことによるものであります。 c.純資産 純資産残高は前期末比1,131,346千円減の△1,107,682千円の債務超過となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失3,696,528千円を計上したため利益剰余金が減少したことによるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況(単位:千円) 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー815,786△570,788△1,386,574投資活動によるキャッシュ・フロー△473,127418,208891,335財務活動によるキャッシュ・フロー△759,5951,121,0711,880,666現金及び現金同等物の当期末残高1,006,7352,002,098995,363 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は570,788千円となりました。これは主に、非資金項目である減損損失や株式報酬費用の計上による増加があった一方で、税金等調整前当期純損失3,671,958千円の計上によって減少となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は418,208千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却により1,217,295千円の収入が得られたことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は1,121,071千円となりました。これは主に、非支配株主からの払込みにより2,164,495千円の収入が得られたことによるものであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、当社サービスの新規開発や機能拡充のための開発投資、イベント配信サービス(オンラインセミナー配信サービス)に使用する配信機材の調達、テレキューブを中心とするハードウェアの仕入調達であります。 開発投資についてはソフトウエア償却額と同程度の水準を目安とすることにより財務健全性を維持することとしております。また、配信機材やハードウェアは自己資金またはリースによる調達を行っておりますが、特に配信機材の調達については回収期間や機材の陳腐化を総合的に判断して、リースの期間を決定しております。 また、得られたフリーキャッシュ・フローについては、上述の開発投資やイベント配信ビジネスへの投資を行ってまいります。なお、株価が割安と判断された場合は手許資金及び会社法上の分配可能額を勘案しながら積極的に自社株買いを実施してまいります。 なお、キャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりです。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期自己資本比率(%)33.134.95.0△1.3△23.0時価ベースの自己資本比率(%)171.5104.764.248.039.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.34.18.69.1-インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)58.540.621.713.0-(注)1.各指標の計算方法は以下のとおりであります。自己資本比率 :自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。6.2025年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2)生産、受注及び販売の実績① 生産実績及び受注実績 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 ② 販売実績 「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。 Ⅰ.エンタープライズDX事業 エンタープライズDX事業ではハイブリッドワーク、ビジネスグロース、プロフェッショナルワーク、リスキリングの4つのカテゴリでサービス提供を行っております。各サービスの売上高推移は以下のとおりです。サービス別売上高推移 (単位:千円)種別2024年第1四半期2024年第2四半期2024年第3四半期2024年第4四半期2025年第1四半期2025年第2四半期2025年第3四半期2025年第4四半期ハイブリッドワーク469,269413,889446,500516,844442,682429,283406,985427,030ビジネスグロース267,492251,837273,165273,528279,819273,819266,485241,194プロフェッショナルワーク164,278144,133------リスキリング212,551208,154219,653197,287190,384176,070185,017180,669合計1,113,5911,018,014939,319987,659912,886879,173858,488848,894 当連結会計年度においては、中長期的な成長に向けた事業ポートフォリオの入れ替えの一環として前連結会計年度に実施したプロフェッショナルワーク事業の事業譲渡と「V-CUBE ミーティング」のサービス終了に伴い、売上高は前期を下回る結果となりました。 ハイブリッドワーク事業については、世界的な企業によるサービス提供がなされる競争の激しい分野であることから、将来的には大きな成長は見込めないものの、底堅い需要を背景に堅調に推移するものと考えております。 Agoraを展開するビジネスグロース事業については、前期と同水準で推移いたしました。 また、リスキリング事業を展開するシンガポール子会社のWizlearn Technologies Pte. Ltd.は、買収後10年経過し、安定的に推移いたしました。 Ⅱ.イベントDX事業 イベントDX事業においては、その後、大規模配信案件や高付加価値案件の割合の上昇により配信1回当たりの平均単価は上昇したものの、年間配信回数は減少し、売上高は前連結会計年度より減少いたしました。イベントDX事業の連結売上高推移 (単位:千円)種別2024年第1四半期2024年第2四半期2024年第3四半期2024年第4四半期2025年第1四半期2025年第2四半期2025年第3四半期2025年第4四半期配信回数1,149回1,155回931回1,171回990回920回716回994回平均単価8329687808238801,157903943セグメント売上高955,8901,117,927726,614963,563870,9211,064,218646,690937,666 季節的変動については大きくはないものの、配信回数については第1四半期に増加し、第3四半期に減少、平均単価については株主総会開催が集中する第2四半期に増加するという傾向が見受けられます。当連結会計年度においては、大規模配信案件や高付加価値案件の割合が増加したために1配信あたりの単価は前年同期比で平均12万円程度増加したものの、一方で配信回数が3ヶ月平均900回前後(前年同期比約200回減)となったために、当連結会計年度における連結売上高は前年同期比6.5%減の3,519,496千円となりました。 Ⅲ.サードプレイスDX事業 サードプレイスDX事業においては、企業及び公共空間においてWeb会議に対応したセキュアな防音個室ブースである「テレキューブ」の需要が根強く、当連結会計年度における販売実績台数は7,612台(前年同期比3.5%増)と前連結会計年度より増加し、累計設置台数は39,756台に拡大いたしました。 主要駅やオフィスビルを中心とした公共空間に設置するテレキューブを販売する公共向けについては、Web会議の定着に伴い、公共空間における会議スペース需要が増加したことから設置箇所が拡大し、設置台数は1,318台となりました。 企業向けテレキューブの提供については、テレキューブ本体を購入いただく「販売型」に加え、契約期間中は月額定額料金で利用可能な「サブスクリプション型」の2形態で展開しております。「サブスクリプション型」は「販売型」に比べて初期導入コストが抑えられるメリットがあるため、より幅広い顧客層へのアプローチを可能としております。 当連結会計年度においては、出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドな勤務形態が定着し、オフィス内での会議スペースに対する需要が一段と高まりました。こうした環境下、当社は多人数用製品のラインナップを拡充することで、多様化する顧客ニーズにきめ細かく対応いたしました。また、昨今の酷暑を受け、エアコンの追加設置を可能にするなど、利用環境の快適性を向上させた施策も奏功いたしました。これらの取り組みの結果、利便性の高いサブスクリプション型の導入が加速し、稼働台数は提供開始から6年で1,002台に達しました。テレキューブ累計設置台数 (単位:台)種別2024年第1四半期末2024年第2四半期末2024年第3四半期末2024年期末2025年第1四半期末2025年第2四半期末2025年第3四半期末2025年期末公共向け1,0981,1281,1491,2061,2291,2401,2821,318企業向け(販売型)25,24927,19128,66630,19632,31333,85535,56537,436企業向け(サブスクリプション型)7057147297428068559251,002合計27,05229,03330,54432,14434,34835,95037,77239,756 (4)経営成績に重要な影響を与える要因について 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 継続企業の前提に関する不確実性米国子会社の業績低迷や減損損失、国内イベントDX事業の収益性低下により、営業損失と純損失を計上し、債務超過に陥っています。これにより、上場廃止基準に抵触する見込みであり、事業継続に重大な疑義が生じています。子会社の切り離しや資本増強、金融機関との協議を進めていますが、これらが計画通りに進まない場合、事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- AI技術の進展による競争激化AI技術の急速な進展により、同社グループが提供するコミュニケーションツールやソリューションが、AIエージェントなどの新技術に代替される可能性があります。これにより、既存サービスの陳腐化や競争力の低下を招き、事業戦略の見直しや追加的な開発費用、人材投資が必要となるリスクがあります。
- イベントDX事業の収益性低下オンラインイベント市場の需要鈍化やリアルイベントへの回帰傾向、価格競争の激化により、イベントDX事業の収益性が低下するリスクがあります。特定の大型顧客やイベントへの依存度が高い収益構造のため、顧客方針の変更やイベントの有無が業績に大きく影響し、利益率の低下につながる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 1.継続企業の前提に関する重要事象等(1)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況当社グループは、当連結会計年度において、米国連結子会社であるTEN Holdings, Inc.(以下、「TEN」といいます。)の著しい業績の低迷とソフトウエアの減損損失の計上に加え、国内のイベントDX事業における収益性低下に伴う固定資産の減損損失を計上したこと等により、営業損失1,683,043千円及び親会社株主に帰属する当期純損失3,696,528千円を計上いたしました。その結果、前連結会計年度から継続して一部の借入金に付された財務制限条項に抵触するとともに、当連結会計年度末において純資産が△1,107,682千円と債務超過の状態となっており、当社株式は証券取引所の上場廃止基準に抵触し、今後上場廃止となる見込みであります。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報) (特別調査委員会による調査及び米国当局による調査等について)」に記載のとおり、当社は、判明した一連の事項に関して、当社及びTENから独立した外部の専門家で構成される特別調査委員会による客観的な調査を行う必要があると判断し、2026年4月24日に特別調査委員会を設置いたしました。また、TENにおいても米国当局より同社の2025年2月の新規株式公開(IPO)等に関する召喚状を受領しており、調査を受けております。特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中であり、調査等の結果によっては、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における勘定科目、金額及び注記が明らかでないため、連結財務諸表には反映しておりません。これらの一連の事象は、当社グループの収益の大半を占める国内事業の顧客や取引先への信用力及び事業継続に重大な影響を及ぼすものと認識しております。したがって、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 (2)当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策当社は、当該状況を解消し、事業継続の安定化を図るため、以下の施策を最優先で実行してまいります。 ・不採算事業の切り離しと収益構造の改革 当社グループの業績悪化の主因であるTENについて、株式売却及び貸付金の回収によるグループからの切り離しを断行し、当社の国内事業の業績への負の影響を遮断いたします。国内のイベントDX事業についても、減損を機とした更なる固定費削減と収益拡大施策の実行により、早期の収益改善を図ってまいります。 ・スポンサー選定による資本増強と非公開化 新たなスポンサーを選定の上で、第三者割当増資等による資本増強及び有利子負債の圧縮を実施する方針です。あわせて、当社株式の非公開化を進めることで、上場廃止による影響を最小限に留め、抜本的な事業再建に注力できる体制を構築してまいります。 ・金融機関との関係維持 財務制限条項に抵触している借入金について、全取引金融機関に対し、上述のTENの切り離し及び資本増強を通じた有利子負債の削減による財務状況の改善計画並びに今後の事業計画を説明し、期限の利益の喪失の猶予及び継続的な支援について協議を行ってまいります。 (3)重要な不確実性が認められる旨及びその理由 上記のとおり、当社はTENの切り離しやスポンサー選定による非公開化、及び金融機関との協議を進めておりますが、現時点においてこれら一連の手続は完了に至っておりません。また、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中であり、当該事実及び調査等の結果がこれらの対応策の実現可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。 これらの施策が想定通りに進行しない場合には、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。 (4)財務諸表への反映の有無 なお、当連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、上記のような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。 2.当社の事業及び業界固有の重要なリスク項目名影響度評価前年比較2.当社の事業及び業界固有の重要なリスク(1)AI技術の進展による事業への影響について中重要→(2)イベントDX事業の収益性低下に関するリスク大重要→(3)サードプレイスDX事業の市場環境の変化に関するリスク中注視→(4)エンタープライズDX事業の不確実性に関するリスク中注視→(注) 上記リスクはいずれも年間を通じて常時発生する可能性があると認識しております。 (1) AI技術の進展による事業への影響について AI技術の急速な進展により、当社グループが提供するコミュニケーションツールやソリューションが、AIエージェント等の新技術により代替される可能性があります。このような競合環境の変化は、当社グループの競争力に影響を与え、事業戦略の見直しや既存サービスの陳腐化リスクを引き起こすおそれがあります。当社グループでは、AI関連技術の動向を注視しつつ、新たな技術との連携や独自価値の訴求に努めております。 (2) イベントDX事業の収益性低下に関するリスク オンラインイベント市場においては、需要の鈍化やリアルイベントへの回帰傾向がみられており、当社グループのイベントDX事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。特に、特定の大型顧客や大型イベントへの依存度が高い収益構造においては、顧客方針やイベントの有無が業績に大きく影響することが懸念されます。また、価格競争の激化により、案件単価の値下げにより利益率が低下するリスクも存在します。当社グループでは、オンラインイベントへの付加価値の提供、ハイブリッド対応サービスの強化や案件ポートフォリオの見直しを通じて、収益の安定化を図っております。 (3) サードプレイスDX事業の市場環境の変化に関するリスク 出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークが定着する中で、社内外でのウェブ会議の実施機会が増加しており、静かな個室空間を求めるニーズが高まっております。当社グループが展開するサードプレイス型サービスは、こうしたニーズを捉えて拡大してきましたが、一方で一部企業ではオフィスへの完全回帰の動きもみられ、設置先の稼働率や導入意欲に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、設置環境の最適化や用途拡大に向けた取り組みを進めることで、稼働率と収益性の改善を図っております。 (4) エンタープライズDX事業の不確実性に関するリスク 企業の働き方が対面中心に戻る動きが広がった場合、当社グループが提供するオンライン会議・配信ソリューションの利用率に影響を及ぼす可能性があります。特に、ZoomやQumu等のサブスクリプション型顧客の解約が進行した場合、売上高が減少し、収益性が悪化するリスクが懸念されます。これに対し、当社グループは機能改善や顧客接点の強化を図り、継続的な価値提供を目指しております。 3.技術及びシステムリスク項目名影響度評価前年比較3.技術及びシステムリスク(1)技術革新及び市場変化のリスク中重要→(2)システム障害及び情報セキュリティのリスク中注視→(注) 上記リスクはいずれも年間を通じて常時発生する可能性があると認識しております。 (1) 技術革新及び市場変化のリスク インターネット関連市場では、新技術の導入やサービスモデルの転換が急速に進んでおります。当社グループのサービスがこれらの変化に迅速に適応できない場合、競争力が低下し、収益に影響を与える可能性があります。また、AIや先端技術への対応には、追加的な開発費用や人材投資が必要となることから、費用対効果の管理が課題となります。当社グループでは、先端技術のモニタリング体制を整備し、機動的な事業開発を推進しております。 (2) システム障害及び情報セキュリティのリスク 当社グループが提供するサービスは、外部クラウドインフラに依存しており、これらの障害が発生した場合には、サービスの提供が一時的に停止し、顧客満足度や信頼性の低下につながる可能性があります。また、サイバー攻撃や内部不正等により、顧客情報の漏洩やデータ改ざん等が生じた場合、法的責任やレピュテーションリスクが顕在化するおそれがあります。これらに対しては、継続的なシステム監視体制の整備や外部監査の活用などを通じて、リスク管理の強化に取り組んでおります。 なお、本報告書に記載したリスク要因は、当社グループの持続的な成長を図る上での重要な課題であり、取締役会等においても随時検討を行いながら、引き続き適切な対策を講じてまいります。 4.内部統制に係るリスク当社は、コンプライアンス重視の経営を行っていくほか、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題のひとつとして位置付け、グループを挙げて関係会社の管理体制等の点検・改善等に取り組むことにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。当連結会計年度において識別した経営者による内部統制の無効化を防止すべき取締役会による監督・監視機能及び子会社管理並びに決算・財務報告プロセスに係る内部統制における開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しています。なお、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査の結果、以下の対応策に変更が生じる可能性があります。 (1) ガバナンスに対する意識・コンプライアンス意識の改善(2) 経理部門における子会社管理体制の強化(3) 監査部門によるモニタリング体制の強化(4) 規程に沿った経営実施のための教育(5) 社外取締役による監督体制の強化 5.適正決算に係るリスク連結子会社であるTEN Holdings, Inc.(以下、「TEN」といいます。)は、2025年2月のNASDAQへの上場に際し、上場後の資本政策等に関する業務委託報酬(合計約5.4M USD、円換算額808,434千円)の支払を行いましたが、当時の当社の代表取締役であった間下直晃氏が、当社取締役会の承認を経ることなく、当該業務委託報酬の支払に関し当社がTENへの財務的支援を行う旨の書面を当社名義でTENに差し入れていた事実が判明いたしました。また、当該業務委託報酬の契約先と支払先の相違や当該取引に係る役務提供の実態が確認できない等の事実も判明いたしました。当社は、これらの一連の事項に関し、当社及びTENから独立した外部の専門家で構成される特別調査委員会による客観的な調査を行う必要があると判断し、2026年4月24日に当該委員会を設置いたしました。また、TENは、2025年10月27日付で米国連邦検事局(USAO)より、同社の2025年2月の新規株式公開(IPO)に関する大陪審召喚状を受領いたしました。また、2026年3月10日には、米国証券取引委員会(SEC)よりIPO及びその他の事項に関する資料提出を求める召喚状を受領いたしました。現時点において、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中であり、調査等の結果によっては、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があります。 主要な対応策当社は特別調査委員会による調査に対して全面的に協力するとともに、TENは米国当局による調査に対して全面的に協力してまいる方針です。現時点において、特別調査委員会による調査及び米国当局による調査は継続中です。調査等の結果、不適切な事象が判明し次第、速やかに原因の究明と分析を行い、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の連結財務諸表等に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針であります。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示いたします。