事業の概要
- 持株会社体制飯田グループホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営管理を行います。傘下に複数の事業会社を持ち、それぞれの事業会社が戸建分譲、マンション分譲、請負工事といった具体的な事業を展開しています。これにより、グループ全体の効率的な運営とリスク分散を図っています。
- 戸建分譲事業が主力グループの中核事業は戸建分譲事業であり、連結子会社がそれぞれブランドを展開しています。これは、土地の仕入れから住宅の設計、建設、販売までを一貫して行うビジネスモデルで、安定した収益源となっています。
- 関連事業と多角化戸建・マンション分譲、請負工事に加え、これらに関連する事業も手掛けています。これにより、住宅関連市場における幅広いニーズに対応し、事業ポートフォリオの多様化を進めることで、特定の事業に依存するリスクを低減しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 一建設グループ戸建分譲事業を主軸とする連結子会社の一つで、飯田グループホールディングスの中核を担うセグメントです。主に首都圏や地方都市圏で、高品質かつ手頃な価格の戸建住宅を提供し、グループ全体の売上高に大きく貢献しています。
- 飯田産業グループ、東栄住宅グループ、タクトホームグループ、アーネストワングループこれらもそれぞれ戸建分譲事業を主力とする連結子会社であり、報告セグメントとして認識されています。各社が独自のブランド戦略と事業展開を行い、多様な顧客ニーズに対応することで、グループ全体の市場シェア拡大に貢献しています。
- アイディホーム戸建分譲事業を展開する連結子会社であり、報告セグメントの一つです。他のグループ会社と同様に、土地の仕入れから販売までを一貫して手掛けることで、グループ全体の収益基盤を支えています。各セグメントは地域やターゲット層を分けることで、グループ全体での効率的な事業運営を実現しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループ(当社及び連結子会社)は、当社、連結子会社56社を中心として構成されており、当社は持株会社として、戸建分譲事業、マンション分譲事業、請負工事事業及びこれらに関連する事業を行う子会社等の経営管理並びにこれらに附帯する業務を行っております。なお、当社は連結子会社単位及び当社の事業単位を事業セグメントとして認識し、「一建設グループ」、「飯田産業グループ」、「東栄住宅グループ」、「タクトホームグループ」、「アーネストワングループ」及び「アイディホーム」を報告セグメントとしております。なお、各社の主要な事業の内容につきましては、「4 関係会社の状況」をご参照ください。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 以上、述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。<事業系統図>
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料・資材価格・人件費・物流費等の上昇を販売価格へ転嫁することが難しい場合があるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内人口、世帯数の減少 / 労働力不足・人材確保 / 原材料・資材価格・人件費、物流費、外注費等の上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
飯田グループホールディングスは、特定のブランド力や特許、規制ライセンスによる独占的な優位性は限定的。ただし、長年の事業活動で培われた「飯田」ブランドへの一定の認知度は存在する。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
住宅購入は人生における大きな決断であり、一度購入した顧客が他の住宅メーカーへ容易に乗り換えることは考えにくい。しかし、住宅の機能やデザインに対する顧客の要求は多様化しており、乗り換えコストが極めて高いとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
飯田グループホールディングスの事業モデルには、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に見られない。
コスト優位★★★★☆
大量仕入れ、標準化された建築プロセス、効率的な用地仕入れ・開発体制により、業界内で顕著なコスト競争力を有している。これにより、手頃な価格帯での住宅供給を可能にしている点が強み。
規模の経済★★★★★
国内有数の住宅供給戸数を誇り、スケールメリットを活かした事業運営を行っている。用地仕入れから販売、アフターサービスまで一貫したバリューチェーンを効率的に管理し、業界内で圧倒的な地位を確立している。
- 規模の経済性によるコスト優位飯田グループホールディングスは、複数の大手住宅メーカーを傘下に持つことで、資材調達において圧倒的なスケールメリットを享受しています。木材や内装建材、住設機器などの主要資材を大量に一括調達することで、仕入れコストを抑え、競争力のある価格で住宅を提供できる強みがあります。
- 多様なブランドと市場対応力グループ内に「一建設」「飯田産業」「東栄住宅」「タクトホーム」「アーネストワン」「アイディホーム」といった複数のブランドを持つことで、異なる顧客層や地域ニーズに合わせた住宅供給が可能です。これにより、幅広い市場セグメントに対応し、市場変動リスクを分散しています。
- 品質と安定供給体制分譲戸建住宅全棟で住宅性能表示制度の「耐震等級」「耐風等級」で最高等級を取得するなど、高い品質基準を設けています。また、資材の内製化や調達先の情報収集により、安定的な資材供給体制を構築しており、品質と供給の両面で信頼性を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、「誰もがあたり前に家を買える社会」の実現を目指し、理想の住まいづくりを通じて社会の発展に貢献していくことを経営の基本方針としております。更に、今後展開を進める海外市場においては、「良質で安全、安価な住宅を供給して社会に貢献する」という経営方針を掲げ、「時代の変革をいち早く読み、素早く対応できる企業集団」として、常に変革に挑みながら、世界中により良い住まいを提供できるよう、更なる発展・成長を続けてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループの主要な事業である不動産事業は、景気等の影響を受けて業績が変動することから、中期的な視点で目標とする経営指標を設定し、経営を行っていくことが妥当であると考えます。この考え方に基づき、当社グループは資本収益性を意識しつつ、事業ポートフォリオの拡大を推進するための経営指標として、2030年3月期をターゲットとした下記の数値をガイドラインとして掲げ、収益構造の変革を推進してまいります。目標とする経営指標ガイドラインオーガニック成長率4.0%戸建分譲売上依存率70.0%自己資本利益率(ROE)10.0%以上(注)1.上記経営指標の各目標値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。2.オーガニック成長率とは、既存事業領域による売上高の平均成長率のこと。 (3)経営環境当社グループの主要な事業である不動産事業の経営環境は以下のとおりです。① マクロ環境国内における人口・世帯数の減少、特に住宅の一次取得者層である生産年齢人口が減少することにより住宅市場の縮小が懸念されます。他方、長寿命化の進展に伴い、長く健康でいたいというニーズは大きくなり、住宅に求められる機能は変化していくことが予想されます。また世界全体を見ると、人口・世帯数の増加により住宅需要の拡大が見込まれる国や、市場規模が大きく安定的な需要が見込まれる国があります。国内における経済環境は、政策金利が上昇傾向にあり、長く続いてきたデフレ経済からインフレ経済への転換期にあり、住宅ローン金利の動向によっては、住宅需要に対して影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場動向中長期的には人口・世帯数の減少により住宅市場の縮小が懸念されますが、注文住宅市場、賃貸住宅市場、分譲マンション市場と比較すると、分譲戸建住宅市場は安定的な成熟市場であるといえます。近年、物価上昇に伴い建築コストが上がったことから、相対的に販売価格が低い地方圏から物件に割高感が出始めており、地域によって需要動向に差異が見られます。他方、優良な住宅ストック市場の拡大に伴い、今後は中古住宅市場とリフォーム市場の成長が予想されます。 ③ 競合動向戸建分譲業界は、中小事業者を含めた多数の競合企業が存在する業界構造です。また参入障壁が低いことから、注文住宅メーカーによる分譲戸建市場への参入や、分譲住宅メーカーの営業エリアの拡大により競争環境は厳しくなっております。 ④ 当社グループの構造当社グループは、持株会社である当社を中心に、戸建分譲事業を主業とする6つの事業会社と、機能別事業会社で構成されております。各事業会社は、グループ統一的な事業方針のもと、それぞれの自主性、独自性を尊重した事業運営を行っております。戸建分譲事業においては、各事業会社が販売する住宅の価格帯や仕様が異なるため、多様な顧客ニーズに対して全方位的に対応できる商品群を提供しております。 ⑤ 主要な製品・サービスの内容戸建分譲事業では、「誰もがあたり前に家を買える社会」を実現するために、住宅の一次取得者を主要ターゲットとして、耐震性能や断熱性能などに優れた住宅を、お買い求めしやすい適正な価格で提供しております。また、住宅を購入して頂いたお客様に対しては、定期的なメンテナンスを行うことにより、住宅の性能を維持し、長く安心して快適に暮らして頂けるようなサービスも提供しております。戸建分譲事業以外にも、マンション分譲事業、注文住宅事業、メンテナンス・リフォーム事業や、不動産賃貸事業、住宅設備機器販売事業、ホテル事業など幅広くお客様の人生や日常生活に寄り添う商品・サービスの提供を行っております。 ⑥ その他当連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善がみられるなど景気回復への期待感が高まっている一方、ウクライナ情勢の長期化や中東地域での緊張の高まりに加え、米国の経済政策に端を発した貿易摩擦は、経済環境の先行きを不透明にしております。加えて、建築コスト高騰等による住宅販売価格の高止まりや住宅ローン金利の上昇による消費マインドの低下等が住宅需要を抑制する懸念があり、引き続き注視が必要であります。 (4)中期的な経営戦略中核事業である戸建分譲事業は、エリア毎の需給バランスを考慮した上で、利益成長を重視した事業展開を行っていく方針です。また、収益構造を安定化させるために、当社グループの分譲戸建住宅を購入頂いた顧客を対象としたメンテナンス・リフォーム事業の拡大と、戸建賃貸をはじめとする収益不動産事業の拡大を図ると共に、マンション分譲事業や請負工事事業などの業容拡大によって事業ポートフォリオを拡げていく方針です。国内における不動産事業で創出したキャッシュは、今後の成長事業として位置付ける海外事業の拡大や、住宅の安全性能、環境性能、居住性能の向上に加え、施工の省力化に資する研究開発に投資をしていく方針です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① コア事業の競争力強化実質賃金が伸び悩む中、分譲戸建住宅の販売価格は上昇傾向にあります。足許では住宅ローン金利上昇の兆しも見られ、長く続いたデフレ経済からインフレ経済への大きな転換点を迎えようとしております。このような事業環境下において、当社グループの強みであるコスト競争力を更に強化することに加え、ターゲットとなるお客様のニーズの変化を的確に捉え、マーケット・イン的な発想によって販売戦略の再構築を図ります。戸建分譲事業を展開する主要グループ6社が、それぞれの特長を活かして競争力を高め、当社グループ全体として、市場のカバレッジを高めてまいります。 ② 事業ポートフォリオの拡大メンテナンス・リフォーム事業は、既にビジネスモデルの型化(標準化)が完了しており、グループ内に横展開することによって確実に業容拡大を進めてまいります。収益不動産事業は、資本収益性に配慮しながら、戸建賃貸も含め計画的な物件取得を進めてまいります。 ③ サステナビリティ経営の推進当社グループは、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長の両立を図るべく、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ経営を推進しております。2025年1月には、「健康経営推進委員会」を新設し、健康的で働きがいのある職場環境づくりを通じて、人的資本経営を加速させてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、「より多くの人々が幸せに暮らせる住環境を創造し、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、「誰もがあたり前に家を買える社会」の実現を目指し、理想の住まいづくりを通じて社会の発展に貢献していくことを経営の基本方針としております。更に、今後展開を進める海外市場においては、「良質で安全、安価な住宅を供給して社会に貢献する」という経営方針を掲げ、「時代の変革をいち早く読み、素早く対応できる企業集団」として、常に変革に挑みながら、世界中により良い住まいを提供できるよう、更なる発展・成長を続けてまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループの主要な事業である不動産事業は、景気等の影響を受けて業績が変動することから、中期的な視点で目標とする経営指標を設定し、経営を行っていくことが妥当であると考えます。この考え方に基づき、当社グループは資本収益性を意識しつつ、事業ポートフォリオの拡大を推進するための経営指標として、2030年3月期をターゲットとした下記の数値をガイドラインとして掲げ、収益構造の変革を推進してまいります。目標とする経営指標ガイドラインオーガニック成長率4.0%戸建分譲売上依存率70.0%自己資本利益率(ROE)10.0%以上(注)1.上記経営指標の各目標値については、有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。2.オーガニック成長率とは、既存事業領域による売上高の平均成長率のこと。 (3)経営環境当社グループの主要な事業である不動産事業の経営環境は以下のとおりです。① マクロ環境国内における人口・世帯数の減少、特に住宅の一次取得者層である生産年齢人口が減少することにより住宅市場の縮小が懸念されます。他方、長寿命化の進展に伴い、長く健康でいたいというニーズは大きくなり、住宅に求められる機能は変化していくことが予想されます。また世界全体を見ると、人口・世帯数の増加により住宅需要の拡大が見込まれる国や、市場規模が大きく安定的な需要が見込まれる国があります。国内における経済環境は、政策金利が上昇傾向にあり、長く続いてきたデフレ経済からインフレ経済への転換期にあり、住宅ローン金利の動向によっては、住宅需要に対して影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場動向中長期的には人口・世帯数の減少により住宅市場の縮小が懸念されますが、注文住宅市場、賃貸住宅市場、分譲マンション市場と比較すると、分譲戸建住宅市場は安定的な成熟市場であるといえます。近年、物価上昇に伴い建築コストが上がったことから、相対的に販売価格が低い地方圏から物件に割高感が出始めており、地域によって需要動向に差異が見られます。他方、優良な住宅ストック市場の拡大に伴い、今後は中古住宅市場とリフォーム市場の成長が予想されます。 ③ 競合動向戸建分譲業界は、中小事業者を含めた多数の競合企業が存在する業界構造です。また参入障壁が低いことから、注文住宅メーカーによる分譲戸建市場への参入や、分譲住宅メーカーの営業エリアの拡大により競争環境は厳しくなっております。 ④ 当社グループの構造当社グループは、持株会社である当社を中心に、戸建分譲事業を主業とする6つの事業会社と、機能別事業会社で構成されております。各事業会社は、グループ統一的な事業方針のもと、それぞれの自主性、独自性を尊重した事業運営を行っております。戸建分譲事業においては、各事業会社が販売する住宅の価格帯や仕様が異なるため、多様な顧客ニーズに対して全方位的に対応できる商品群を提供しております。 ⑤ 主要な製品・サービスの内容戸建分譲事業では、「誰もがあたり前に家を買える社会」を実現するために、住宅の一次取得者を主要ターゲットとして、耐震性能や断熱性能などに優れた住宅を、お買い求めしやすい適正な価格で提供しております。また、住宅を購入して頂いたお客様に対しては、定期的なメンテナンスを行うことにより、住宅の性能を維持し、長く安心して快適に暮らして頂けるようなサービスも提供しております。戸建分譲事業以外にも、マンション分譲事業、注文住宅事業、メンテナンス・リフォーム事業や、不動産賃貸事業、住宅設備機器販売事業、ホテル事業など幅広くお客様の人生や日常生活に寄り添う商品・サービスの提供を行っております。 ⑥ その他当連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善がみられるなど景気回復への期待感が高まっている一方、ウクライナ情勢の長期化や中東地域での緊張の高まりに加え、米国の経済政策に端を発した貿易摩擦は、経済環境の先行きを不透明にしております。加えて、建築コスト高騰等による住宅販売価格の高止まりや住宅ローン金利の上昇による消費マインドの低下等が住宅需要を抑制する懸念があり、引き続き注視が必要であります。 (4)中期的な経営戦略中核事業である戸建分譲事業は、エリア毎の需給バランスを考慮した上で、利益成長を重視した事業展開を行っていく方針です。また、収益構造を安定化させるために、当社グループの分譲戸建住宅を購入頂いた顧客を対象としたメンテナンス・リフォーム事業の拡大と、戸建賃貸をはじめとする収益不動産事業の拡大を図ると共に、マンション分譲事業や請負工事事業などの業容拡大によって事業ポートフォリオを拡げていく方針です。国内における不動産事業で創出したキャッシュは、今後の成長事業として位置付ける海外事業の拡大や、住宅の安全性能、環境性能、居住性能の向上に加え、施工の省力化に資する研究開発に投資をしていく方針です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① コア事業の競争力強化実質賃金が伸び悩む中、分譲戸建住宅の販売価格は上昇傾向にあります。足許では住宅ローン金利上昇の兆しも見られ、長く続いたデフレ経済からインフレ経済への大きな転換点を迎えようとしております。このような事業環境下において、当社グループの強みであるコスト競争力を更に強化することに加え、ターゲットとなるお客様のニーズの変化を的確に捉え、マーケット・イン的な発想によって販売戦略の再構築を図ります。戸建分譲事業を展開する主要グループ6社が、それぞれの特長を活かして競争力を高め、当社グループ全体として、市場のカバレッジを高めてまいります。 ② 事業ポートフォリオの拡大メンテナンス・リフォーム事業は、既にビジネスモデルの型化(標準化)が完了しており、グループ内に横展開することによって確実に業容拡大を進めてまいります。収益不動産事業は、資本収益性に配慮しながら、戸建賃貸も含め計画的な物件取得を進めてまいります。 ③ サステナビリティ経営の推進当社グループは、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長の両立を図るべく、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ経営を推進しております。2025年1月には、「健康経営推進委員会」を新設し、健康的で働きがいのある職場環境づくりを通じて、人的資本経営を加速させてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が景気の下押し圧力となっていたものの、雇用・所得環境の改善もあり景気回復への期待感が高まってきました。一方で、米国の政権交代に伴う経済政策や外交安全保障政策の動向には注視が必要な状況です。また、ウクライナ情勢の長期化や中東地域での緊張の高まりは、特にエネルギー、食糧価格に影響を及ぼしており、経済環境の先行きを不透明にしております。当不動産業界におきましては、分譲戸建住宅の着工数は前期比で減少し、市中在庫量も緩やかに減少していることから、需給バランスは引き続き改善傾向にあります。しかしながら、建築コスト高騰等による住宅販売価格の高止まりや住宅ローン金利の上昇は、住宅取得マインドを低下させる懸念があります。このような事業環境のなか、当社グループは、2030年3月期をターゲットとした経営目標(オーガニック成長率4.0%、戸建分譲売上依存率70.0%、ROE10.0%以上)の達成に向けて、基本戦略である「コア事業の競争力強化」と「事業ポートフォリオの拡大」を推進してまいりました。戸建分譲事業においては、適正な在庫保有水準を維持することを優先し、エリアの特性や保有在庫状況のバランスを注視しながら、土地仕入・販売を行う等のきめ細かいエリア戦略を徹底しております。その結果、当連結会計年度の売上収益は1兆4,596億39百万円(前期比1.4%増)、営業利益は804億52百万円(前期比36.0%増)、税引前利益は743億15百万円(前期比33.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は506億97百万円(前期比36.3%増)となりました。 セグメント別の業績は、以下のとおりであります。セグメントの名称件数売上収益(百万円)前期比(%)一建設グループ (区分)戸建分譲事業10,153305,8331.6マンション分譲事業69232,46218.5請負工事事業1,13832,753△13.5その他-36,37231.3小計11,983407,4223.4飯田産業グループ (区分)戸建分譲事業6,221229,1384.5マンション分譲事業34822,106△3.8請負工事事業2897,03211.3その他-9,6744.7小計6,858267,9513.9東栄住宅グループ (区分)戸建分譲事業4,747179,3984.1マンション分譲事業2462,827360.7請負工事事業27915,7231.0その他-2,81611.4小計5,272200,7655.1タクトホームグループ (区分)戸建分譲事業5,281177,2060.1マンション分譲事業17791-請負工事事業1737,506220.7その他-2,045△23.2小計5,471187,5503.0 セグメントの名称件数売上収益(百万円)前期比(%)アーネストワングループ (区分)戸建分譲事業9,524237,732△7.6マンション分譲事業60630,06947.7請負工事事業42413,37212.0その他-87028.9小計10,554282,044△2.8アイディホーム (区分)戸建分譲事業2,68179,082△11.8マンション分譲事業145△97.2請負工事事業3893960.5その他-43225.0小計2,72080,500△12.7その他(注)4 (区分)戸建分譲事業20727△0.7マンション分譲事業3689061.4請負工事事業-1,084△12.1その他-30,7015.0小計5633,4035.2(区分計)戸建分譲事業38,6271,209,120△0.7マンション分譲事業1,94689,19421.3請負工事事業2,34178,4123.4その他-82,91214.6総合計42,9141,459,6391.4(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.戸建分譲事業には、戸建住宅のほか、宅地等が含まれます。マンション分譲事業には、分譲マンション(JV持分含む)のほか、マンション用地等が含まれます。請負工事事業には、注文住宅のほか、リフォームやオプション工事等が含まれます。3.請負工事事業等の売上収益は、一定期間にわたり履行義務が充足されることに伴って認識される収益ですが、件数はいずれの区分も資産の引渡し件数を記載しております。4.「その他」のセグメントは、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ファーストウッドグループ及びRFPグループの木材製造事業等、ホームトレードセンター及び当社の事業に係るもの等であります。 ② 財政状態当連結会計年度末の資産合計は1兆8,538億30百万円となり、前連結会計年度末比で426億51百万円の増加となりました。当連結会計年度末の負債合計は8,718億44百万円となり、前連結会計年度末比で329億44百万円の増加となりました。当連結会計年度末の資本合計は9,819億86百万円となり、前連結会計年度末比で97億7百万円の増加となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は4,756億75百万円となり、前連結会計年度末比で425億77百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は922億52百万円(前連結会計年度は164億49百万円の使用)となりました。これは主に、税引前利益743億15百万円、棚卸資産の減少額272億93百万円及び法人所得税の支払額192億6百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は386億20百万円(前連結会計年度は177億88百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出251億49百万円、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出171億74百万円及び有形固定資産及び投資不動産の売却による収入52億59百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は110億44百万円(前連結会計年度は273億55百万円の獲得)となりました。これは主に、借入金の増加300億6百万円、リース負債の返済による支出68億68百万円、自己株式の取得による支出91億81百万円及び配当金の支払額252億33百万円があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績(ⅰ)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称件数金額(百万円)前期比(%)一建設グループ (区分)戸建分譲事業9,710283,818△10.0マンション分譲事業77736,56025.3請負工事事業(注文住宅)1,14024,081△25.0小計11,627344,460△8.5飯田産業グループ (区分)戸建分譲事業6,217227,387△6.5マンション分譲事業61334,880151.4請負工事事業(注文住宅)2896,43511.3小計7,119268,7032.3東栄住宅グループ (区分)戸建分譲事業4,797184,2861.4マンション分譲事業2532,917-請負工事事業(注文住宅)2807,274△2.5小計5,330194,4782.8タクトホームグループ (区分)戸建分譲事業4,870173,520△6.9マンション分譲事業281,166-請負工事事業(注文住宅)2186,044214.7小計5,116180,731△4.0アーネストワングループ (区分)戸建分譲事業8,525209,941△19.0マンション分譲事業72737,41649.4請負工事事業(注文住宅)4327,1584.6小計9,684254,516△12.5アイディホーム (区分)戸建分譲事業1,94359,101△50.7マンション分譲事業--△100.0請負工事事業(注文住宅)3979535.1小計1,98259,896△50.9その他 (区分)戸建分譲事業23843△7.4マンション分譲事業368909.1小計591,7340.4(区分計)戸建分譲事業36,0851,138,900△12.8マンション分譲事業2,434113,83061.3請負工事事業(注文住宅)2,39851,790△5.3総合計40,9171,304,521△8.9(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。2.戸建分譲事業には、戸建住宅のほか、宅地等が含まれます。 (ⅱ)受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期末比(%)一建設グループ請負工事事業(注文住宅)30,796△3.921,044△3.1飯田産業グループ請負工事事業(注文住宅)7,34832.54,58824.8東栄住宅グループ請負工事事業(注文住宅)8,06612.36,03012.0タクトホームグループ請負工事事業(注文住宅)5,415190.63,695195.4アーネストワングループ請負工事事業(注文住宅)7,67916.54,39116.9アイディホーム請負工事事業(注文住宅)2,37775.11,441176.3合計61,68413.041,19213.5(注)セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。 (ⅲ)販売実績当連結会計年度における販売実績につきましては、前述の「① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の事業全体及びセグメントごとの経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであり、経営者の視点によるこれらの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、当社グループのセグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報」に記載のとおり、共通した事業を行う連結子会社単位等を報告セグメントとしておりますが、ここでは事業区分ごとに経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容を記載しております。 (ⅰ)戸建分譲事業戸建分譲事業の業績は、売上収益が1兆2,091億20百万円(前期比83億24百万円減)、販売棟数が38,627棟(前期比1,866棟減)となりました。当社グループの売上収益の大半を占める戸建分譲事業では、20~30代の一次取得者を主要ターゲットとして、耐震性能や断熱性能に優れた値ごろ感のある住宅を供給しております。物件の値ごろ感は、販売エリアの相場、需給バランスに加え、主要ターゲット層の可処分所得や住宅ローンの返済額等によって常に変化するため、これらの動向を的確に捉え、販売価格に応じた土地の仕入と、建物原価のコントロールを行うことが経営成績に重要な影響を与えます。当連結会計年度は、物価上昇が景気の下押し圧力となっていたものの、雇用・所得環境の改善もあり景気回復への期待感が高まってきました。物価上昇や建築コスト高騰等による住宅販売価格相場の高止まり、住宅ローン金利の上昇によって住宅取得マインド低下の懸念はあるものの、需要は継続しております。供給面においては、不動産流通機構が運営しているレインズによると、新築戸建住宅の登録在庫数は、期初から約16%減少していることから、分譲戸建住宅市場の需給バランスは緩やかに改善傾向にあり、エリアによっては利益が確保しやすい環境となったことから、売上総利益率が増加しました。しかしながら、第4四半期以降は、木材をはじめとした建築資材価格並びに土地原価が上昇したものの、原価上昇分を物件販売価格に織り込みきれず、売上総利益率が低下しました。また、当社グループは利益重視の戦略を徹底しており、無理に販売棟数を追わなかったことから、販売棟数は前期比で減少しました。以上の結果、戸建分譲事業の販売棟数は38,627棟、売上総利益率は13.9%となり前期比で1.7ポイント増加となりました。(ⅱ)マンション分譲事業マンション分譲事業の業績は、売上収益が891億94百万円(前期比156億73百万円増)、販売戸数が1,946戸(前期比206戸増)となりました。新築分譲マンション市場は、地価の上昇や建設費の高騰等を背景として販売価格は逓増しており、高い購買力が要求される状況が継続しております。マンション分譲事業は、戸建分譲事業に比べ事業期間が長いことから、用地仕入を厳選し採算性の面から選択的に事業を推進することを基本スタンスとしております。また、建設コストは上昇を続けており、適正な利益率を確保しづらい環境となっていることから、1棟売りや土地売りも選択肢として適正な利益確保を行っており、概ねその方針に沿った結果となりました。(ⅲ)請負工事事業請負工事事業の業績は、売上収益が784億12百万円(前期比25億67百万円増)、注文住宅の販売棟数が2,341棟(前期比246棟減)となりました。請負工事事業については、累計約80万棟の顧客基盤を活かしたリフォーム事業が順調に拡大しております。利益率の高いリフォーム工事の受注が増加したことにより、増収増益となりました。請負工事事業の中の注文住宅については、建築コストの上昇による販売価格高騰の影響で需要が弱く、販売棟数は減少となりましたが、原価上昇分を販売価格に転嫁できているため、販売価格は増加し売上総利益率は上昇しております。(ⅳ)その他事業その他事業の業績は、売上収益が829億12百万円(前期比105億42百万円増)となりました。RFPグループの業績回復は遅れているものの、戸建賃貸事業を含む投資不動産事業については、ビジネスモデル化を進めており順調に拡大しているため、増収増益となりました。 当連結会計年度末の資産合計は1兆8,538億30百万円となり、前連結会計年度末比で426億51百万円の増加となりました。流動資産については1兆3,426億22百万円となり、前連結会計年度末比で440億70百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加671億62百万円、棚卸資産の減少269億84百万円等によるものであります。非流動資産については5,112億8百万円となり、前連結会計年度末比で14億18百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産の増加45億31百万円、投資不動産の増加111億3百万円、その他の金融資産の減少190億17百万円等によるものであります。 当連結会計年度末の負債合計は8,718億44百万円となり、前連結会計年度末比で329億44百万円の増加となりました。流動負債については4,724億18百万円となり、前連結会計年度末比で76億28百万円の減少となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務の減少169億86百万円、未払法人所得税等の増加87億6百万円等によるものであります。非流動負債については3,994億25百万円となり、前連結会計年度末比で405億72百万円の増加となりました。これは主に、社債及び借入金の増加387億71百万円、その他の金融負債の増加43億67百万円等によるものであります。 当連結会計年度末の資本合計は9,819億86百万円となり、前連結会計年度末比で97億7百万円の増加となりました。これは主に、剰余金の配当252億34百万円に対し、当期利益491億1百万円を計上したこと等によるものであります。 上記の結果、在庫回転率(戸建)は年1.5回転、営業利益率は5.5%となりました。引き続き、高い資本効率と持続的なキャッシュ・フローの創出に不可欠な羅針盤として位置づけ、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中期的な経営戦略、(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の経営戦略及び各種施策を推進してまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、持続的な成長に必要な経営の健全性・効率性の観点から、経営環境の変化によって変動するリスクに見合った適正な資本水準と負債・資本構成を維持していくことを基本方針としております。当社グループの資金需要は、その大部分が戸建分譲事業及びマンション分譲事業を行うための事業用土地購入費でありますが、不動産賃貸事業などのストックビジネスや海外展開、バリューチェーン強化といった事業ポートフォリオの拡大に関連した投資等に加え、コア事業の競争力強化に向けた営業拠点の展開などに伴う設備投資でも資金需要が生じます。株主還元につきましては、経営体質の強化と将来を見据えた成長投資を考慮しつつ、1株当たり90円以上の累進配当を基本方針としております。これらの資金需要につきましては、自己資金に加え、銀行借入を中心に、主要事業に対応する機動性と資金需要の性格に応じた長期安定性のバランスを重視した資金調達をグループ一体となって実施することとしております。なお、当連結会計年度における資金調達の状況については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 20.社債及び借入金(リース負債及びその他の金融負債含む)」をご参照ください。また、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源につきましては、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断、見積りの方法及び仮定、並びにそれらの不確実性等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の各項目をご参照ください。
事業リスク
- 国内市場の縮小日本の人口および世帯数の減少は、特に主力である不動産分譲事業の主要ターゲットである生産年齢人口の減少に直結します。これにより、中長期的には住宅需要が減退し、グループ全体の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料価格の高騰と人件費上昇国内外の市場動向により、木材や建材などの原材料・資材価格、人件費、物流費、外注費などが上昇するリスクがあります。これらのコスト増を販売価格に転嫁できない場合、利益率が圧迫され、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 不動産市況の悪化と資産価値下落不動産市況が著しく悪化した場合、販売用不動産などの棚卸資産や有形固定資産の価値が下落し、評価損や減損処理が必要となる可能性があります。これにより、グループの業績や財政状態に大きな影響を与えるリスクがあります。在庫回転率を高めることでリスク軽減を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)国内人口、世帯数の減少について日本国内における人口、世帯数は減少していくことが予測されております。特に、当社グループの不動産分譲事業の主要ターゲットでもある生産年齢人口が減少することにより、中長期的には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「事業ポートフォリオの拡大」を経営戦略の一つとして掲げており、住宅周辺分野への事業領域の拡大と、今後経済成長が見込まれる海外市場への事業展開を推進しております。 (2)労働力不足・人材確保について人口減少による影響は業績のみに留まらず、建設現場や事業運営に携わる人材獲得という点においても、影響を及ぼす可能性があります。具体的には、人材の獲得競争の激化や従業員の退職等によって十分な人材の確保及び育成ができなかった場合に、競争力の低下に繋がり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、優秀な人材を幅広く採用・育成することで、事業活動の推進と競争力の維持向上を図っており、社会環境の急速な変化や価値観の多様化を考慮しつつ「社員ひいては会社の繁栄につながる職場環境」の整備を進めております。また、建設現場におけるDX推進や大工等の内製化、事業運営における資格取得等のキャリア形成を促進することにより、グループ内人材育成の基盤作りも強化してまいります。 (3)原材料・資材価格・人件費、物流費、外注費等について国内外の市場の動向等により、原材料・資材価格・人件費・物流費等の上昇、またそれによる外注先の原材料調達状況等に起因する外注費等の上昇は、その影響額を販売価格へ転嫁することが難しい場合に、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような資材調達リスクに対しては、日常的に調達先の情報収集に努め、必要に応じて前倒しで確保する等、安定調達に努めるとともに、当社グループのスケールメリットを活かし、競争原理を活用した調達を行っております。また木材や内装建材、住設機器等主要な住宅資材の調達に関しては、グループ内での内製化を進めており、品質・コスト両面での安定的な調達体制を構築すると共に、外部の調達先に対する交渉力を高める取り組みを行っております。 (4)保有資産の価値下落について当社グループが保有している販売用不動産等の棚卸資産(2025年3月期7,913億72百万円)や有形固定資産(2025年3月期1,305億98百万円)について、不動産市況の著しい悪化等によってそれらの価値が下落し、評価損の計上や減損処理を行うことになった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような不動産市況によるリスクに対して当社グループでは、在庫回転率を重要な経営指標の一つとして事業運営を行っております。在庫回転率を高めることによって、市況変動による保有資産の価格下落の影響を極小化するべく対応を進めております。また、当社グループが行う輸出入及び外国間取引において外貨建決済を行うことに伴い、外貨レート変動のリスクがあります。これらの取引に対し、当社グループでは必要に応じて適切なヘッジを行っておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5)海外事業について海外での事業活動には、経済状況の変化・景気の後退、為替レートの変動、法令・規制等の予期せぬ変更、政情の悪化、テロ・紛争・暴動等による社会的又は政治的混乱のリスクが存在するとともに、社会的慣習の違いが外国公務員等への贈賄等の法規制に問われるリスクも存在します。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。海外事業の推進に当たって当社グループでは、事前の市場調査から把握されたリスク要因と想定する事業価値を総合的に考慮しながらコンプライアンス体制の構築と事業推進の判断を行うとともに、監督官庁や現地のグループ会社と連携し、状況の的確な把握と速やかな対策の協議等、管理体制の強化に取り組んでおります。ウクライナ情勢については、引き続き情勢を注視するとともに、事業活動に及ぼす影響の最小化に努め、適時適切な対応を進めてまいります。 (6)住宅の需給動向について当社グループの売上高の約9割を占める不動産分譲事業の業績は、景気動向、金利動向、地価動向及び税制等に基づく購買者の購入意欲や需要動向に影響を受けやすいため、景気の見通しの悪化や大幅な金利の上昇、地価の上昇、税制の変更等があった場合には、購買者の購入意欲が減退し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、供給に対して極端に需要が少なくなる場合や他社との競合が激化した場合は、大幅な価格引き下げによる対応が強いられる可能性があります。住宅需給動向は常に変化していることから、当社グループでは、建物の工事進捗状況、仕掛・完成在庫の販売状況、他社の供給動向や市場在庫の先行き見通し等に関する分析を定常的に行い、事業用地の仕入価格及び住宅販売価格、供給戸数及び時期等について、グループ全体の対応方針を決定しております。各事業会社においては、このグループ対応方針に基づき、事業エリア毎に異なる環境に応じた事業運営を行っております。 (7)自然災害、事故等について地震、台風、洪水等の大規模な自然災害のほか、当社グループの工場等において、火災・爆発等の産業事故が発生した場合、対応費用の発生や生産活動の停止による機会損失又は当社グループが所有する不動産価値の下落等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの自然災害、事故等の発生可能性を予想することは困難でありますが、事象が発生した場合には大きな影響を被る可能性があることから、当社グループでは損害保険等の加入により対応を行っております。また、事象発生時における事業継続性を担保するための計画立案も行っております。一方、地震、台風、洪水等の大規模な自然災害は、当社が販売した住宅を損傷する可能性もあります。当社グループでは、分譲戸建住宅全棟で住宅性能表示制度の「耐震等級」「耐風等級」で最高等級を取得するとともに、住宅を引き渡した後のメンテナンス体制も強化しており、提供する住宅の基本性能の向上と維持に努めております。 (8)情報セキュリティについて当社グループは、事業を展開する上で多くの個人情報や機密情報を有しております。これらの情報は、外部流出や改ざん等がないように、徹底した管理と従業員教育等の施策を展開し、ハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊・改ざん、システム停止等が生じた場合には対応に多額の費用負担が生じ、あるいは社会的信用が低下することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)法的規制について当社グループは、日本のみならず各国において事業活動を展開しており、各地域の法律・許認可等さまざまな法規制のもと、その改正動向を注視しつつ、適時適切に対応するよう努めております。また、法令遵守の徹底や不正行為の未然防止に向けた体制整備を行うとともに、教育啓発活動を随時実施し、全社的なコンプライアンス意識の向上に努めております。しかしながら、各種対策を行ったとしても、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避できるものではなく、各種法令に抵触する事態が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の行政・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃、司法による予期せぬ法解釈の変更が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更の可能性も否定できません。このような場合には、将来の当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)気候変動について当社グループは、安全で高品質の住宅供給を通じて継続的に環境課題への取り組みを推進しており、中でも気候変動については重要な課題であると認識しております。気候変動における移行リスクとしては、炭素税など法規制の厳格化といった政策動向の変化、低炭素社会に対応できない企業に対する需要低下やレピュテーション毀損、物理的リスクとしては、自然災害の激甚化や異常気象の深刻化、降雨や気象パターンの変化、平均気温の上昇等による対応費用の発生や生産活動の停止による機会損失、建設作業員の熱中症等による健康被害などが想定され、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、分譲戸建住宅全棟で住宅性能表示制度の「断熱等性能等級」等級4を取得しており、温室効果ガス(CO2)排出削減に努めております。また、CO2を排出しないエネルギーシステムである人工光合成を利用した住宅の研究開発や、長く健康で暮らせるための未来型住宅の開発を推進するほか、供給する住宅の給排水設備に節水機能を積極的に導入する等、持続可能で豊かな社会づくりに貢献するサステナビリティ経営を推進しております。更に、気候変動に係るリスク及び機会が自社の事業活動や収益等に与える影響については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づき、各種取組みを進めております。しかしながら、将来において環境規制の変更や気候変動の影響等により、更に多くの対策コストが必要になった場合、あるいは想定外の経済・社会環境の変化が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)事業資金の調達について事業用地の仕入資金の一部は金融機関からの借入金によって調達しております。事業資金の調達及び返済は、金融機関の経営状態や金利情勢その他の外的環境に左右されるため、これにより当社グループの業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。また、当社グループの信用力低下等何らかの理由により調達に制約を受けた場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが長期間にわたり顕在化する可能性は高くないと考えておりますが、仮にリスクが顕在化した場合、その影響の程度は相応に大きくなることを想定し、当社グループとしては経営戦略に基づく財務方針に従い財務安全性を最優先しつつ、持株会社である当社と事業会社である子会社が、資金使途に応じて一体的に事業資金の調達・運用を行っております。 (12)住宅品質保証について当社グループは、人生100年時代に向けた住宅品質の向上を経営戦略の一つとして掲げており、グループで供給する分譲戸建住宅全棟で住宅性能表示制度4分野の最高等級を取得する体制を整備する等、品質管理に万全を期しております。しかしながら、万一、当社グループの販売した物件に重大な問題があることが判明した場合には、その直接的な原因が当社グループの責めに帰すべきものでない場合であっても、売主としての契約不適合責任を負わなければならない場合があります。その結果として生じる保証工事費の引当金の増加や、当社グループの信用力低下等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)M&Aについて当社グループは、既存事業の規模拡大や新規事業進出に際し、事業戦略の一環としてM&Aを実施しております。M&A実施に当たっては、当社グループの既存事業とのシナジー効果、事業計画、財務内容及び契約関係等を慎重に調査・検討し、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合に実行しておりますが、市場環境や競争環境の著しい変化等により当社グループとの期待されたシナジー効果が出ないことや、当初計画された事業が予定通り展開できなくなることも考えられ、その場合にはグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。