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ハウス食品グループ本社(2810)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

ハウス食品グループ本社は、持株会社体制で、食料品の製造販売を主な事業としています。カレーやスパイスなどの加工食品、健康食品、海外での食品事業、レストラン経営など多岐にわたる食関連事業を展開しており、これらを通じて収益を上げています。連結子会社48社と関連会社5社で構成され、食を通じて人々の暮らしを豊かにすることを目指しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

同社の事業セグメントは多岐にわたります。「スパイス・加工食品」事業が売上1262.49億円、営業利益128.16億円と最も大きく、主要な稼ぎ頭です。「健康食品」事業は売上165.36億円、営業利益24.37億円。「海外食品」事業は売上618.15億円、営業利益30.44億円と、海外展開も積極的に行っています。「外食」事業は売上608.3億円、営業利益36.04億円。「その他の食品関連」事業は売上498.27億円、営業利益12.35億円となっています。加工食品が中核を担いつつ、海外や外食事業も収益に貢献する構成です。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SpicesAndProcessedFood 事業 1,262 128 10.2%
HealthyFood 事業 165 24 14.7%
OverseasFoodProducts 事業 618 30 4.9%
FoodRestaurant 事業 608 36 5.9%
OtherFoodsRelated 事業 498 12 2.5%
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FY2025|293 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、持株会社体制を採っており、当社、連結子会社48社および関連会社5社で構成され、食料品の製造販売を主な事業内容とし、さらに当該事業に関連するその他のサービスおよびレストラン経営等の事業活動を展開しております。  当社グループの事業における各社の位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、関連会社については、どのセグメントにも属しておりません。  また、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料高騰や物価上昇に対応した価格改定を実施しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
長年にわたりご愛顧いただいている各製品ブランド力の維持・強化に努めている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:国内市場動向に関するリスク / 事業拡大に関するリスク / 技術革新に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ハウス食品グループ本社は「ハウス」ブランドで長年培われた高い認知度と信頼性を有する。特に「バーモントカレー」「ジャワカレー」などの主力商品は、家庭用カレールウ市場で圧倒的なシェアを誇り、長年のブランドロイヤルティが競争優位の源泉となっている。また、特定調味料や健康食品分野でも独自のブランドイメージを構築している。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

家庭用カレーや調味料は、消費者の嗜好や価格への感応度が高く、ブランドへのスイッチングコストは限定的である。ただし、長年の愛用者は他社製品への乗り換えに抵抗を感じる場合もあり、一定のスイッチングコストが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す性質のものではない。製品の利用者が増えることで、製品自体の価値が向上するような構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

食料品業界は規模の経済が働きやすいが、同社が突出したコスト優位性を持つという明確な証拠はない。原材料調達や製造プロセスにおける効率化は図られていると推測されるが、競合他社とのコスト構造に大きな差はないと考えられる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

家庭用食品、特にカレールウやシチューミックス、香辛料などの分野で、国内トップクラスの販売網と生産能力を有している。この規模は、新規参入者にとって大きな障壁となり得る。また、海外事業も展開しており、グローバルなサプライチェーンと販売網の構築を進めている。

同社グループは、長年にわたり培ってきた「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」の3つのバリューチェーンをグローバルに展開することで成長を加速させています。また、M&Aにより「壱番屋」や「ギャバン」などをグループに迎え、事業領域を拡大し競争力を強化しています。さらに、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて新たな価値基盤の創出にも取り組んでおり、これらの多角的な事業展開とM&A戦略が、同社の強みとなっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。『創業理念』日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~『グループ理念』食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。『ハウスの意(こころ)』社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成 (2)経営環境当社の経営環境は、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しました。また人的資本の面では、生産労働人口の減少など外部環境変化に対応すべく、人材の多様性を高めることや、様々な人材が集まることで生じる価値観の違いをシナジーに変換していくことが不可欠となってきております。さらに、気候変動など環境問題も世界規模で取り組むべき大きな課題であり、企業の対応強化が求められております。このような状況下において、当社グループは原材料価格を中心とする事業コストの上昇に対し、一部製品で価格改定を実施するなど足元の環境変化に対応するとともに、将来のあるべき姿を見据え、バックキャスト視点でクオリティ企業への変革を推進しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループは、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」というグループ理念の考え方となる、一企業市民として果たすべき「お客さまに対して」「社員とその家族に対して」「社会に対して」という「3つの責任」を企業活動の柱としております。2024年4月からスタートした第八次中期計画では、中期計画2個分の第九次中期計画までを見据え、“「食で健康」クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン(以下「VC」)構築で成長をめざす”をスローガンに掲げました。第八次から第九次中期計画までの6か年を成長に向けて礎を築く期間に据え、グローバルにプレゼンスあるクオリティ企業をめざし、バックキャスト視点で「3つの責任」の取組を推進しております。 ①お客様に対する責任当社グループは、「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」「付加価値野菜系」の4つのVCを自ら価値提供する領域と定め、「食で健康」をグローバルにお届けしてまいります。さらに第八次中期計画では、VC経営による成長加速や体制構築、共創による新価値創出に取り組んでおります。スパイス系VCでは、スパイス・カレーを取り扱うグループ各社が共創し、川上から川下までのVC全体で価値創出をめざす「VC統合」と、グローバル市場に視野を拡げた「顧客接点の拡大」を中長期的な戦略ストーリーの軸に据えています。「VC統合」では、川上から川下までを俯瞰した製品設計や調達・生産プロセスの変革に取り組むことで、原材料調達の柔軟性を確保するとともに収益基盤強化や生産性向上をめざしております。そうしたなか、成長領域である国内業務用事業では、ハウス食品グループ東北工場㈱を設立いたしました。当事業を推進するハウスギャバン㈱は、多様化するお客様ニーズに柔軟かつ迅速に対応するためDXも活用しながら製品提案のスピードおよび精度の向上を図っております。同社では、新製法を採用することで多品種変量の生産を実現し、製品開発・営業・生産まで一貫した事業体制を構築してまいります。「顧客接点の拡大」では、事業会社ごとに国内外で展開するカレー事業のマネジメント一本化にハウス食品㈱がチャレンジしてまいります。そうしたなか、日本・中国に次ぐ新たな顧客接点の拡大に向けて取り組むインドネシアカレー事業において、新たに工場建設用地の取得契約を締結するとともに、新生産会社を設立いたします。先行して2016年から展開している業務用事業は、同国における外食市場の拡大やカレーメニューの浸透などを背景に販売が伸長しているほか、2024年より開始した家庭用事業は、現地の嗜好に合った味づくりやルウ調理の簡便性が高く評価されるなど順調に事業が立ち上がっております。機能性素材系VCでは、国内事業の収益構造変革と健康戦略素材(ビタミン・ターメリック・乳酸菌)を軸としたグローバルシフトの推進に取り組んでまいります。国内においては、主要製品の売上拡大と効果的なコスト運用を図ることで収益力の維持・拡大に取り組んでまいります。海外においては、東南アジアにおけるビタミン飲料事業の拡大を進めており、特に既存事業エリアのタイでは、主力製品「C-vitt」のビタミンC配合量を1,000mgへリニューアルしたほか、マルチビタミン市場の創出に向けて新製品「One Day Vitamins」を上市いたしました。また、これに加え新規事業エリアのベトナム・フィリピンでは、ビタミンC飲料市場の開拓を加速してまいります。欧米では乳酸菌BtoB事業の拡大と収益力強化に注力してまいります。大豆系VCでは、中長期視点でPBF市場におけるプレゼンス拡大に取り組む一方、足元の収益性が低下していることから、収益構造改革による収益力の早期回復が喫緊の課題と捉え取り組んでまいります。主にTOFU事業を展開するハウスフーズアメリカ社は、競合他社による価格攻勢と対峙しており、営業提案力の強化による顧客接点の拡大を進めてまいります。一方、主にPBF事業を展開するキーストーンナチュラルホールディングス社は、高価格帯PBF製品を中心とした販売苦戦や製品ミクスの悪化により収益性が低下しています。製品別損益の見える化に基づく選択と集中を進めることで損益構造の立て直しを図ります。加えて両事業を束ねる大豆系VC全体では、生産・物流などのサプライチェーンや固定費の適正化を推進し収益力の早期回復に努めてまいります。なお、ハウスフーズホールディングUSA社を事業持株会社として機能させるべく、2025年1月に米国豆腐事業各社の戦略機能や販売・マーケティング機能を同社に統合するなど米国豆腐事業の組織再編を実施しました。今後は同体制のもと大豆系VCとしての経営基盤を確立してまいります。新規事業の位置づけである付加価値野菜系VCでは、引き続き社外パートナーとビジネスモデル構築に向けて取り組み、新規事業を次世代のグループの成長力へと変換してまいります。 ②社員とその家族に対する責任第八次中期計画のスローガンである「グローバルなVC構築で成長をめざす」を実現するため、高まりつつある多様性を社員とグループの成長に変換していく必要があります。これに加え、多様な人材がより個性を発揮しながら、組織の壁を超えて協働・共創することが求められることから、「ダイバーシティを力に変える」を取組テーマに据え、以下3つの観点から取組を実行しております。 1)多様な個人が集い働きがいを感じられる社内環境整備では、主要事業会社を中心に「役割等級・役割給」を軸とした新人事制度の導入を進めており、当社グループ内の人材流動性を高めると同時に、当社グループ外の労働市場との親和性を高め、キャリア採用の受け入れと活躍を促進する仕組みづくりに取り組んでおります。加えて、多様性を受け入れチャレンジを後押しする組織風土をめざし、組織風土診断結果に基づく改善取組を継続的に実施しております。2)個と組織の活性化では、女性活躍支援を推進することで女性管理職比率を高めるほか、障がい者雇用も法定雇用率を上回る水準としております。加えて、自律的なキャリア開発を可能にする仕組みを浸透させるなど、社員一人ひとりの「経験」と「適性」の多様性を高める多くの施策を進めております。3)グローバルなVC構築を実現するための人材ポートフォリオ構築では、4系列VC毎の事業戦略実現に向けて、人材流動性の確保、VC戦略推進においてキーとなるポジションの要件定義、自律的なキャリア開発促進を軸とした人材の充当、これら取組を支える人材データベースなどのインフラ構築を進めております。 ③社会に対する責任当社は、食に関わる企業として「人と地球の健康」の実現に向け、VC全体で社会課題の解決に取り組んでおります。第八次中期計画では、循環型モデルの構築への取組を加速するべく、「ハウス食品グループ長期環境戦略2050」を策定し、重要課題を「気候変動への対応」、「資源循環社会の実現」に定めております。気候変動への対応では、2050年カーボンニュートラルをめざすなか、Scope1・2では多拠点一括エネルギーネットワークサービスの運用開始やハウス食品㈱福岡工場におけるエネルギー由来のCO2排出量実質ゼロ化を達成するなど再生可能エネルギーの拡充に取り組んでおります。Scope3では、原材料調達時や家庭内調理時のCO2排出量削減に向けた重点テーマを設定し、サプライチェーン全体で排出量削減を図ります。排出量上位4カテゴリー(カテゴリ1:購入した財及びサービス、カテゴリ4:上流の輸送及び流通、カテゴリ11:販売した製品の使用、カテゴリ14:フランチャイズ)は、資材サプライヤーのみなさまと連携し、CO2排出量の見える化や製品ごとのCO2排出量算定(カーボンフットプリント)に取り組むなど、削減効果の見える化を進めてまいりました。今後は具体的テーマに落とし込み、第八次中期計画では5,000トンのCO2排出量削減をめざしてまいります。資源循環社会の実現では、廃棄物を「減らす」だけでなく、「活かす」「戻す」の方向も含め限りある資源を有効活用してまいります。廃棄物・副産物においては、当社グループ内で発酵と堆肥化させ活用する「自社内資源循環」の取組を推進するほか、社外パートナーの技術活用の検討を進めております。また、食品メーカーとして影響が大きいプラスチックゴミの削減にも取り組んでおり、ハウス食品㈱が手掛ける家庭用製品においてバイオプラスチックを活用するほか、製品サイズ変更によるプラスチック使用量の削減などを推進しております。加えて、水枯渇リスク地域を中心に、生産拠点での水の効率的な使用に努め、節水に配慮した設備の導入や、各国の法律や地域の仕組みに準じ、きれいな状態にして自然環境に戻す取組にも注力してまいります。④財務資本政策(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて)第八次中期計画では、資本コスト(当社方針6%)や株価を意識した経営を推進するべく、ROICマネジメントの導入、資源配分の明確化、株主のみなさまとの価値共有を高める仕掛けに取り組んでまいります。 ・ROICマネジメントの導入当社グループは、グループ理念の実現に向けて様々なステークホルダーとつながり「3つの責任」を果たしていきたいという想いを財務資本政策にも反映させており、マルチステークホルダーの観点から、「あるべきプロポーション」として「5つの経営指標」(ATO、ROS、ROA、自己資本比率、ROE)を掲げています。第八次中期計画では、あるべきプロ―ションの実現に向けてこれまで以上にB/S志向の取組を強化していくことや、資本コストをより意識した経営を推進していくためにROICマネジメントを導入しております。ROICは、「事業ROIC」と「事業性資本割合」に分解し、その双方を改善することで当社グループ全体の投下資本に対する収益性の向上をめざしてまいります。「事業ROIC」の課題は、コア事業の資本収益性の向上にあることから、限界利益、稼働率、設備効率の視点で資本収益性改善に取り組んでまいります。これに加え、事業及び投資計画精度・モニタリングの強化、設備効率視点の追加、資本コストを上回るハードルレートの設定等、従来の投資判断基準を見直すことで新規投資の収益性及び生産効率の改善にも取り組んでまいります。「事業性資本割合」の改善に向けては、非事業性資産の縮減に取り組んでおり、特に政策保有株式は第八次中期計画3か年において150億円の縮減を進めてまいります。 ・資源配分の明確化第八次中期計画では、営業キャッシュ・フローに加えて新たな資金調達方法を活用し、VC構築に向けて積極投資を継続するほか、資本コストを意識した経営を推進するべく、政策保有株式の縮減など資本効率を高めるとともにその原資を株主還元に充当いたします。事業投資は、4系列VCの成長領域へ500億円、既存領域へ150億円、デジタル変革・環境領域へ50億円の、総額700億円を計画しております。株主還元は、当連結会計年度より利益配分の基本方針を「総還元性向40%以上」「安定配当として年間配当金額1株当たり46円以上を継続的に配当」に変更しております。特に、第八次中期計画3か年においては、政策保有株式の縮減を原資とした自己株式取得による株主還元を進めることから、総還元性向50%以上をめざしてまいります。 [ご参考]経営指標推移投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標ROIC4.5%6.0%以上事業ROIC5.4%6.7%事業性資本割合83.7%90.0%超ATO0.73回0.83回ROS6.3%7.5%EBITDAマージン10.8%11.4%ROA4.6%6.2%ROE4.3%7.0% [ご参考]政策保有株式の縮減および自己株式の取得状況投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標政策保有株式の縮減額55億円150億円自己株式の取得金額60億円150億円 [ご参考]事業投資目標・実績投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標成長領域49億円500億円既存領域42億円150億円DX・環境領域14億円50億円合計105億円700億円 ⑤コーポレート・ガバナンスの強化当社グループは、内部統制システムをコーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。当社は、監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することにより、監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を一層充実させることを目的としております。監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(うち、社外取締役4名)で構成され、取締役の職務の執行および取締役会の決議の適法性、妥当性の監査・監督を行っております。取締役会は、取締役12名(うち、社外取締役4名)で構成され、当社グループの重要な業務執行を決定するとともに、他の取締役およびグループ会社の業務執行を監視・監督しております。なお、取締役会の運営強化と実効性向上を目的として、全取締役へのアンケート形式による取締役会実効性評価を実施しております。取締役会の任意の諮問機関として、委員の過半数を独立した社外取締役で構成し、独立社外取締役を委員長とする指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置し、取締役の選任・解任、報酬決定の手続きにおいて、客観性と透明性を確保しております。また、経営会議の諮問機関である投資委員会は、4系列VCの構築に欠かせない資本提携を目的とした合併や買収等において、成長投資資源をより有効に活用するために案件起案時の審議フェーズと、投資実行後のモニタリングフェーズの両面でチェック機能の役割を果たし、企業価値向上につなげております。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等に係る制度および取締役の報酬等の額については、2024年6月25日開催の定時株主総会における承認を経て、業務執行取締役の報酬構成比率(報酬総額に占める各報酬額水準の割合)の見直しを行いました。業績連動部分の割合を高めることで、短期および中長期の目標達成に向けた動機づけを強化しております。また、譲渡制限付株式報酬については、その比率を高めることに加え、新たに業績達成条件を付すことにより、中期計画達成の意欲を喚起すると同時に、株主のみなさまをはじめとしたステークホルダーのみなさまとの一層の価値共有を図ってまいります。 [ご参考]取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬構成概要報酬の種類報酬に占める割合業績連動月例報酬(固定報酬)60%-短期インセンティブ単年度業績連動報酬会社業績評価25%対象個人業績評価中長期インセンティブ事前交付型譲渡制限付株式報酬10%-業績連動型譲渡制限付株式報酬5%対象(注)1.監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみとしております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、次の3要素をグループ理念体系と位置づけております。グループ理念体系により、めざす方向性を明確にし、一貫性をもった事業活動による成長を図っております。『創業理念』日本中の家庭が幸福であり、そこにはいつも温かい家庭の味ハウスがある。~幸せな家庭のマーク~『グループ理念』食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。『ハウスの意(こころ)』社是(「誠意・創意・熱意を持とう。」)・ハウス十論で構成 (2)経営環境当社の経営環境は、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しました。また人的資本の面では、生産労働人口の減少など外部環境変化に対応すべく、人材の多様性を高めることや、様々な人材が集まることで生じる価値観の違いをシナジーに変換していくことが不可欠となってきております。さらに、気候変動など環境問題も世界規模で取り組むべき大きな課題であり、企業の対応強化が求められております。このような状況下において、当社グループは原材料価格を中心とする事業コストの上昇に対し、一部製品で価格改定を実施するなど足元の環境変化に対応するとともに、将来のあるべき姿を見据え、バックキャスト視点でクオリティ企業への変革を推進しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題当社グループは、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」というグループ理念の考え方となる、一企業市民として果たすべき「お客さまに対して」「社員とその家族に対して」「社会に対して」という「3つの責任」を企業活動の柱としております。2024年4月からスタートした第八次中期計画では、中期計画2個分の第九次中期計画までを見据え、“「食で健康」クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン(以下「VC」)構築で成長をめざす”をスローガンに掲げました。第八次から第九次中期計画までの6か年を成長に向けて礎を築く期間に据え、グローバルにプレゼンスあるクオリティ企業をめざし、バックキャスト視点で「3つの責任」の取組を推進しております。 ①お客様に対する責任当社グループは、「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」「付加価値野菜系」の4つのVCを自ら価値提供する領域と定め、「食で健康」をグローバルにお届けしてまいります。さらに第八次中期計画では、VC経営による成長加速や体制構築、共創による新価値創出に取り組んでおります。スパイス系VCでは、スパイス・カレーを取り扱うグループ各社が共創し、川上から川下までのVC全体で価値創出をめざす「VC統合」と、グローバル市場に視野を拡げた「顧客接点の拡大」を中長期的な戦略ストーリーの軸に据えています。「VC統合」では、川上から川下までを俯瞰した製品設計や調達・生産プロセスの変革に取り組むことで、原材料調達の柔軟性を確保するとともに収益基盤強化や生産性向上をめざしております。そうしたなか、成長領域である国内業務用事業では、ハウス食品グループ東北工場㈱を設立いたしました。当事業を推進するハウスギャバン㈱は、多様化するお客様ニーズに柔軟かつ迅速に対応するためDXも活用しながら製品提案のスピードおよび精度の向上を図っております。同社では、新製法を採用することで多品種変量の生産を実現し、製品開発・営業・生産まで一貫した事業体制を構築してまいります。「顧客接点の拡大」では、事業会社ごとに国内外で展開するカレー事業のマネジメント一本化にハウス食品㈱がチャレンジしてまいります。そうしたなか、日本・中国に次ぐ新たな顧客接点の拡大に向けて取り組むインドネシアカレー事業において、新たに工場建設用地の取得契約を締結するとともに、新生産会社を設立いたします。先行して2016年から展開している業務用事業は、同国における外食市場の拡大やカレーメニューの浸透などを背景に販売が伸長しているほか、2024年より開始した家庭用事業は、現地の嗜好に合った味づくりやルウ調理の簡便性が高く評価されるなど順調に事業が立ち上がっております。機能性素材系VCでは、国内事業の収益構造変革と健康戦略素材(ビタミン・ターメリック・乳酸菌)を軸としたグローバルシフトの推進に取り組んでまいります。国内においては、主要製品の売上拡大と効果的なコスト運用を図ることで収益力の維持・拡大に取り組んでまいります。海外においては、東南アジアにおけるビタミン飲料事業の拡大を進めており、特に既存事業エリアのタイでは、主力製品「C-vitt」のビタミンC配合量を1,000mgへリニューアルしたほか、マルチビタミン市場の創出に向けて新製品「One Day Vitamins」を上市いたしました。また、これに加え新規事業エリアのベトナム・フィリピンでは、ビタミンC飲料市場の開拓を加速してまいります。欧米では乳酸菌BtoB事業の拡大と収益力強化に注力してまいります。大豆系VCでは、中長期視点でPBF市場におけるプレゼンス拡大に取り組む一方、足元の収益性が低下していることから、収益構造改革による収益力の早期回復が喫緊の課題と捉え取り組んでまいります。主にTOFU事業を展開するハウスフーズアメリカ社は、競合他社による価格攻勢と対峙しており、営業提案力の強化による顧客接点の拡大を進めてまいります。一方、主にPBF事業を展開するキーストーンナチュラルホールディングス社は、高価格帯PBF製品を中心とした販売苦戦や製品ミクスの悪化により収益性が低下しています。製品別損益の見える化に基づく選択と集中を進めることで損益構造の立て直しを図ります。加えて両事業を束ねる大豆系VC全体では、生産・物流などのサプライチェーンや固定費の適正化を推進し収益力の早期回復に努めてまいります。なお、ハウスフーズホールディングUSA社を事業持株会社として機能させるべく、2025年1月に米国豆腐事業各社の戦略機能や販売・マーケティング機能を同社に統合するなど米国豆腐事業の組織再編を実施しました。今後は同体制のもと大豆系VCとしての経営基盤を確立してまいります。新規事業の位置づけである付加価値野菜系VCでは、引き続き社外パートナーとビジネスモデル構築に向けて取り組み、新規事業を次世代のグループの成長力へと変換してまいります。 ②社員とその家族に対する責任第八次中期計画のスローガンである「グローバルなVC構築で成長をめざす」を実現するため、高まりつつある多様性を社員とグループの成長に変換していく必要があります。これに加え、多様な人材がより個性を発揮しながら、組織の壁を超えて協働・共創することが求められることから、「ダイバーシティを力に変える」を取組テーマに据え、以下3つの観点から取組を実行しております。 1)多様な個人が集い働きがいを感じられる社内環境整備では、主要事業会社を中心に「役割等級・役割給」を軸とした新人事制度の導入を進めており、当社グループ内の人材流動性を高めると同時に、当社グループ外の労働市場との親和性を高め、キャリア採用の受け入れと活躍を促進する仕組みづくりに取り組んでおります。加えて、多様性を受け入れチャレンジを後押しする組織風土をめざし、組織風土診断結果に基づく改善取組を継続的に実施しております。2)個と組織の活性化では、女性活躍支援を推進することで女性管理職比率を高めるほか、障がい者雇用も法定雇用率を上回る水準としております。加えて、自律的なキャリア開発を可能にする仕組みを浸透させるなど、社員一人ひとりの「経験」と「適性」の多様性を高める多くの施策を進めております。3)グローバルなVC構築を実現するための人材ポートフォリオ構築では、4系列VC毎の事業戦略実現に向けて、人材流動性の確保、VC戦略推進においてキーとなるポジションの要件定義、自律的なキャリア開発促進を軸とした人材の充当、これら取組を支える人材データベースなどのインフラ構築を進めております。 ③社会に対する責任当社は、食に関わる企業として「人と地球の健康」の実現に向け、VC全体で社会課題の解決に取り組んでおります。第八次中期計画では、循環型モデルの構築への取組を加速するべく、「ハウス食品グループ長期環境戦略2050」を策定し、重要課題を「気候変動への対応」、「資源循環社会の実現」に定めております。気候変動への対応では、2050年カーボンニュートラルをめざすなか、Scope1・2では多拠点一括エネルギーネットワークサービスの運用開始やハウス食品㈱福岡工場におけるエネルギー由来のCO2排出量実質ゼロ化を達成するなど再生可能エネルギーの拡充に取り組んでおります。Scope3では、原材料調達時や家庭内調理時のCO2排出量削減に向けた重点テーマを設定し、サプライチェーン全体で排出量削減を図ります。排出量上位4カテゴリー(カテゴリ1:購入した財及びサービス、カテゴリ4:上流の輸送及び流通、カテゴリ11:販売した製品の使用、カテゴリ14:フランチャイズ)は、資材サプライヤーのみなさまと連携し、CO2排出量の見える化や製品ごとのCO2排出量算定(カーボンフットプリント)に取り組むなど、削減効果の見える化を進めてまいりました。今後は具体的テーマに落とし込み、第八次中期計画では5,000トンのCO2排出量削減をめざしてまいります。資源循環社会の実現では、廃棄物を「減らす」だけでなく、「活かす」「戻す」の方向も含め限りある資源を有効活用してまいります。廃棄物・副産物においては、当社グループ内で発酵と堆肥化させ活用する「自社内資源循環」の取組を推進するほか、社外パートナーの技術活用の検討を進めております。また、食品メーカーとして影響が大きいプラスチックゴミの削減にも取り組んでおり、ハウス食品㈱が手掛ける家庭用製品においてバイオプラスチックを活用するほか、製品サイズ変更によるプラスチック使用量の削減などを推進しております。加えて、水枯渇リスク地域を中心に、生産拠点での水の効率的な使用に努め、節水に配慮した設備の導入や、各国の法律や地域の仕組みに準じ、きれいな状態にして自然環境に戻す取組にも注力してまいります。④財務資本政策(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて)第八次中期計画では、資本コスト(当社方針6%)や株価を意識した経営を推進するべく、ROICマネジメントの導入、資源配分の明確化、株主のみなさまとの価値共有を高める仕掛けに取り組んでまいります。 ・ROICマネジメントの導入当社グループは、グループ理念の実現に向けて様々なステークホルダーとつながり「3つの責任」を果たしていきたいという想いを財務資本政策にも反映させており、マルチステークホルダーの観点から、「あるべきプロポーション」として「5つの経営指標」(ATO、ROS、ROA、自己資本比率、ROE)を掲げています。第八次中期計画では、あるべきプロ―ションの実現に向けてこれまで以上にB/S志向の取組を強化していくことや、資本コストをより意識した経営を推進していくためにROICマネジメントを導入しております。ROICは、「事業ROIC」と「事業性資本割合」に分解し、その双方を改善することで当社グループ全体の投下資本に対する収益性の向上をめざしてまいります。「事業ROIC」の課題は、コア事業の資本収益性の向上にあることから、限界利益、稼働率、設備効率の視点で資本収益性改善に取り組んでまいります。これに加え、事業及び投資計画精度・モニタリングの強化、設備効率視点の追加、資本コストを上回るハードルレートの設定等、従来の投資判断基準を見直すことで新規投資の収益性及び生産効率の改善にも取り組んでまいります。「事業性資本割合」の改善に向けては、非事業性資産の縮減に取り組んでおり、特に政策保有株式は第八次中期計画3か年において150億円の縮減を進めてまいります。 ・資源配分の明確化第八次中期計画では、営業キャッシュ・フローに加えて新たな資金調達方法を活用し、VC構築に向けて積極投資を継続するほか、資本コストを意識した経営を推進するべく、政策保有株式の縮減など資本効率を高めるとともにその原資を株主還元に充当いたします。事業投資は、4系列VCの成長領域へ500億円、既存領域へ150億円、デジタル変革・環境領域へ50億円の、総額700億円を計画しております。株主還元は、当連結会計年度より利益配分の基本方針を「総還元性向40%以上」「安定配当として年間配当金額1株当たり46円以上を継続的に配当」に変更しております。特に、第八次中期計画3か年においては、政策保有株式の縮減を原資とした自己株式取得による株主還元を進めることから、総還元性向50%以上をめざしてまいります。 [ご参考]経営指標推移投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標ROIC4.5%6.0%以上事業ROIC5.4%6.7%事業性資本割合83.7%90.0%超ATO0.73回0.83回ROS6.3%7.5%EBITDAマージン10.8%11.4%ROA4.6%6.2%ROE4.3%7.0% [ご参考]政策保有株式の縮減および自己株式の取得状況投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標政策保有株式の縮減額55億円150億円自己株式の取得金額60億円150億円 [ご参考]事業投資目標・実績投資領域2025年3月期第八次中期計画最終年度目標成長領域49億円500億円既存領域42億円150億円DX・環境領域14億円50億円合計105億円700億円 ⑤コーポレート・ガバナンスの強化当社グループは、内部統制システムをコーポレート・ガバナンス体制の充実と企業理念・経営目標の実現・達成のための仕組みととらえ、企業価値のさらなる向上と持続的な発展をめざし、グループ経営の視点でリスクマネジメント、コンプライアンスを含めたガバナンス体制の構築と運用の強化を図っております。当社は、監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することにより、監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を一層充実させることを目的としております。監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(うち、社外取締役4名)で構成され、取締役の職務の執行および取締役会の決議の適法性、妥当性の監査・監督を行っております。取締役会は、取締役12名(うち、社外取締役4名)で構成され、当社グループの重要な業務執行を決定するとともに、他の取締役およびグループ会社の業務執行を監視・監督しております。なお、取締役会の運営強化と実効性向上を目的として、全取締役へのアンケート形式による取締役会実効性評価を実施しております。取締役会の任意の諮問機関として、委員の過半数を独立した社外取締役で構成し、独立社外取締役を委員長とする指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置し、取締役の選任・解任、報酬決定の手続きにおいて、客観性と透明性を確保しております。また、経営会議の諮問機関である投資委員会は、4系列VCの構築に欠かせない資本提携を目的とした合併や買収等において、成長投資資源をより有効に活用するために案件起案時の審議フェーズと、投資実行後のモニタリングフェーズの両面でチェック機能の役割を果たし、企業価値向上につなげております。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等に係る制度および取締役の報酬等の額については、2024年6月25日開催の定時株主総会における承認を経て、業務執行取締役の報酬構成比率(報酬総額に占める各報酬額水準の割合)の見直しを行いました。業績連動部分の割合を高めることで、短期および中長期の目標達成に向けた動機づけを強化しております。また、譲渡制限付株式報酬については、その比率を高めることに加え、新たに業績達成条件を付すことにより、中期計画達成の意欲を喚起すると同時に、株主のみなさまをはじめとしたステークホルダーのみなさまとの一層の価値共有を図ってまいります。 [ご参考]取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬構成概要報酬の種類報酬に占める割合業績連動月例報酬(固定報酬)60%-短期インセンティブ単年度業績連動報酬会社業績評価25%対象個人業績評価中長期インセンティブ事前交付型譲渡制限付株式報酬10%-業績連動型譲渡制限付株式報酬5%対象(注)1.監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみとしております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。 (1)経営成績当社グループは、2024年4月よりスタートした第八次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン(以下「VC」)構築による成長” をテーマに掲げ、グローバルにVC体制を構築し、将来に向け持続的に成長できる礎を築くと同時に、資本コストを意識した経営に向けてROIC(投下資本利益率)を新たな経営指標として導入するなど、企業価値向上に向けた取組を進めております。こうしたなか当連結会計年度の経営環境は、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しました。当連結会計年度は香辛・調味加工食品事業が前期価格改定の残存効果やコストダウンの取組により全体をけん引したことで営業利益・経常利益ベースでは増収増益を確保いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した退職給付制度改定益の反動や、第4四半期連結会計期間に計上したキーストーンナチュラルホールディングス社ののれんに関する減損損失により減益となりました。 これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。 2025年3月期金額(百万円)前期比(%)売上高315,418105.3営業利益20,004102.7経常利益21,388101.4親会社株主に帰属する当期純利益12,49371.1 当社が重視する経営指標は次のとおりとなりました。 2024年3月期2025年3月期ROIC(投下資本利益率)4.6%4.5%ATO(総資産回転率)0.72回0.73回ROS(売上高営業利益率)6.5%6.3%ROA(総資産営業利益率)4.7%4.6%ROE(自己資本当期純利益率)6.2%4.3%  セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。事業の種類別セグメント売上高営業利益(セグメント利益又は損失(△))金額(百万円)前期比(%)金額(百万円)前期比(%)香辛・調味加工食品事業131,402104.112,816118.3健康食品事業17,043101.12,43798.9海外食品事業62,407110.73,04499.2外食事業60,986110.63,604106.2その他食品関連事業54,40598.81,23564.0小計326,242105.323,136106.7調整(消去)△10,824-△3,132-合計315,418105.320,004102.7(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。 <香辛・調味加工食品事業>ハウス食品㈱を中心とする当事業セグメントの家庭用事業は、前期、前々期と二度行った価格改定後の販売数量の回復に努めるとともに、コストダウンテーマの推進による持続的な収益力強化に取り組みました。売上高は、スナックが物流効率改善のため価格改定を行うも販売面で苦戦しましたが、ルウカレー、レトルトカレーを中心に堅調に推移し増収となりました。ハウスギャバン㈱が推進する業務用事業に関しても大手外食向けを中心に売上が拡大したことから、事業セグメントとして原材料価格の上昇を増収効果と価格改定効果で吸収し、増収増益となりました。以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,314億2百万円、前期比4.1%の増収、営業利益は128億16百万円、前期比18.3%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.8%となり、前期より1.2pt向上いたしました。 <健康食品事業>当事業セグメントを担うハウスウェルネスフーズ㈱は、国内事業の更なる収益基盤強化とグローバルでの機能性素材系バリューチェーンの構築に取り組んでおります。ビタミン事業は「1日分のビタミンゼリー」の販売が国内ゼリー市場の競争激化もあり前期並みで推移した一方、「C1000」の販売がプロモーションの強化や第4四半期連結会計期間に発売したバラエティ品の貢献により売上が拡大した結果、当事業セグメントは増収となり、原材料価格の上昇はあったものの前期並みの営業利益を確保しました。以上の結果、健康食品事業の売上高は170億43百万円、前期比1.1%の増収、営業利益は24億37百万円、前期比1.1%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は14.3%となり、前期より0.3pt減少いたしました。 <海外食品事業> 連結対象期間:主として2024年1月~12月当事業セグメントは、主要3エリア(米国・中国・タイ)の持続的成長に向けた基盤強化および課題解決に取り組んでおります。米国の豆腐事業は、ハウスフーズアメリカ社の販売がチャネル別営業施策により伸長したものの、キーストーンナチュラルホールディングス社の販売苦戦に伴う収益性低下をカバーするには至らず、増収減益となりました。中国のカレー事業は、家庭用事業がコロナ禍の影響で膨らんだ社内在庫・流通在庫の適正化に注力したことにより、減収減益となりました。なお、下期より流通チャネルの変化に対応した配荷型の営業戦略へ転換し、業績は回復傾向にあります。業務用事業は外食を中心に新規顧客開拓が進み増収増益となりました。以上により、中国カレー事業全体では減収減益となりましたが、日本円換算では為替影響により増収減益となりました。東南アジアで展開する機能性飲料事業は、タイ国内のビタミン飲料市場の再構築に取り組み、主力製品「C-vitt」の販売が回復したことから増収増益となりました。なお、下期は「C-vitt」のビタミンC配合量の増量および新フレーバーの発売、マルチビタミン領域の新製品発売など、今後の市場活性化に向けた製品施策の展開に注力しております。以上の結果、海外食品事業の売上高は624億7百万円、前期比10.7%の増収、営業利益は30億44百万円、前期比0.8%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は4.9%となり、前期より0.6pt減少いたしました。<外食事業> 連結対象期間:㈱壱番屋は2024年3月~2025年2月、海外子会社は2024年1月~12月当事業セグメントは、国内既存事業の収益力強化、海外事業の拡大、新業態の育成に取り組んでおります。売上高は、㈱壱番屋が推進する国内事業において各種営業施策に加え、8月に価格改定を実施したことなどから増収となりました。利益面は、米をはじめとする食材の価格高騰や人件費、物流費など本部販管費が増加したものの、価格改定効果により吸収して増益を確保しました。以上の結果、外食事業の売上高は609億86百万円、前期比10.6%の増収、営業利益は36億4百万円、前期比6.2%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は5.9%となり、前期より0.2pt減少いたしました。 <その他食品関連事業>㈱デリカシェフは、総菜・デザートの販売が減少する一方で労務費などの増加により大幅な減収減益となり、赤字に転落しております。㈱ヴォークス・トレーディングは、当上期に発生した一部商材のコスト増加影響が大きく減収減益となりました。以上の結果、その他食品関連事業の売上高は544億5百万円、前期比1.2%の減収、営業利益は12億35百万円、前期比36.0%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は2.3%となり、前期より1.2pt減少いたしました。  生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)香辛・調味加工食品事業114,705106.4健康食品事業16,618104.1海外食品事業43,736110.7外食事業14,702104.7その他食品関連事業21,26098.4合計211,021106.1(注)1.金額は販売価格により算出しております。 ② 受注状況主要製品の受注生産は行っておりません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)香辛・調味加工食品事業131,402104.1健康食品事業17,043101.1海外食品事業62,407110.7外食事業60,986110.6その他食品関連事業54,40598.8小計326,242105.3調整(消去)△10,824-合計315,418105.3(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)加藤産業㈱34,78811.636,29311.5三菱食品㈱17,1235.717,4445.5 (2)財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて32億38百万円増加し4,350億74百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて185億94百万円増加し1,898億2百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて153億56百万円減少し2,452億72百万円となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が167億21百万円、商品及び製品が11億36百万円増加したことなどによるものです。固定資産の減少の主な要因は、建設仮勘定が29億70百万円、退職給付に係る資産が15億57百万円増加した一方で、投資有価証券が173億46百万円、のれんが55億62百万円減少したことなどによるものです。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて19億69百万円増加し1,121億96百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて26億57百万円減少し631億21百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて46億26百万円増加し490億75百万円となりました。流動負債の減少の主な要因は、未払金が19億10百万円減少したことなどによるものです。固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が28億97百万円減少した一方で、長期借入金が63億56百万円増加したことなどによるものです。当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が減少したほか、「信託型社員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」の導入に伴う自己株式の取得により自己株式が増加した一方で、為替換算調整勘定が増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて12億69百万円増加の3,228億78百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の67.7%から67.3%となり、1株当たり純資産が3,016円19銭から3,113円86銭となりました。なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前連結会計年度については、取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を使用しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。 (3)キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー265億68百万円に対し、「有形固定資産の取得」「定期預金の預入」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△122億81百万円、「自己株式の取得」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△90億60百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は883億57百万円となり、期首残高より81億92百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は265億68百万円(前期比+9億97百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益201億98百万円、減価償却費129億40百万円などによるものであります。また、前連結会計年度に比べての増加は、売上債権の増減額の減少(前期比+40億51百万円)、税金等調整前当期純利益の減少(前期比△70億78百万円)、投資有価証券売却損益の増加(前期比△20億9百万円)、退職給付制度改定益の減少(前期比+69億88百万円)などが要因であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は122億81百万円(前期比△99億83百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出131億56百万円によるものであります。また、前連結会計年度に比べての減少は、定期預金の預入による支出の増加(前期比△65億86百万円)、有価証券の取得による支出の増加(前期比△37億2百万円)などが要因であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は90億60百万円(前期比△16億78百万円)となりました。これは主に自己株式の取得による支出80億89百万円、配当金の支払額45億95百万円、長期借入れによる収入66億57百万円などによるものであります。また、前連結会計年度に比べての減少は、自己株式の取得による支出の増加(前期比△60億87百万円)、短期借入金の純増減額の減少(前期比△17億52百万円)、長期借入れによる収入の増加(前期比+66億57百万円)などが要因であります。 (4)資本の財源及び資金の流動性について(財務戦略の基本的な考え方)当社グループは、財務体質の健全性の維持と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。財務体質の健全性の維持に関しては、「シングルA(安定的)」以上の信用格付の取得・維持を目指し、信用力及び透明性の向上を図ります。資金効率の向上に関しては、当社及び国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、国内子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。企業価値向上に関しては、第八次中期計画では、営業キャッシュ・フローに加えて新たな資金調達方法を活用し、VC構築に向けて積極投資を継続する他、資本コストを意識した経営を推進するべく、政策保有株式の縮減など資本効率を高めるとともにその原資を株主還元に充当いたします。事業投資は、4系列VCの成長領域へ500億円、既存領域へ150億円、デジタル変革・環境領域へ50億円の、総額700億円を計画しております。株主還元は、当連結会計年度より利益配分の基本方針を「総還元性向40%以上」「安定配当として年間配当金額1株当たり46円以上を継続的に配当」に変更しております。特に、第八次中期計画3か年においては、政策保有株式150億円の縮減(2024年3月期比30%縮減)を原資とした自己株式取得による株主還元を進めることから、総還元性向50%以上を目指してまいります。なお、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しております。また人的資本の面では、生産労働人口の減少など外部環境変化に対応すべく、人材の多様性を高めることや、様々な人材が集まることで生じる価値観の違いをシナジーに変換していくことが不可欠となってきております。さらに、気候変動など環境問題も世界規模で取り組むべき大きな課題であり、企業の対応強化が求められております。このような状況下で、当社グループは原材料価格を中心とした事業コストの上昇に対し、一部製品で価格改定を実施するなど足元の環境変化に対応するとともに、将来のあるべき姿を見据え、バックキャスト視点でクオリティ企業への変革を推進しております。食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすため、今後も当社グループの企業価値向上に努めてまいります。 (経営資源の配分に関する考え方)当社グループは、適正な手元資金の水準について、事業上の資金を回収するまでの運転資金調達期間の観点と不測の事態に対応できる安全資産の額の観点から検証し、適正な水準として売上高の2.0か月分を設定しております。適正な水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上のために既存領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでまいります。 (資金需要の主な内容)当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などがあります。投資活動に係る資金支出では、香辛・調味加工食品事業において、業務用レトルト食品新工場の建設(ハウス食品グループ東北工場㈱)や工場増築(ハウスギャバン㈱)などがあり、海外食品事業において、堅調な豆腐需要に応えるための工場生産設備更新(ハウスフーズアメリカ社)などがあります。また、持続的な成長の実現のため、既存領域だけでなく、4系列バリューチェーンによる成長実現を目指し、成長領域や新規領域についても、投資を行ってまいります。 (資金調達)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを内部的な資金の源泉と考えており、設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金や社債の発行等により充当することとしております。 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

主要なリスクとして、国内市場の縮小や消費動向の変化が挙げられ、国内売上が約7割を占めるため業績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&Aによる事業拡大においては、買収後の事業計画未達やシナジー効果が得られない場合に減損損失が発生するリスクがあります。さらに、技術革新への対応の遅れは競争優位性の低下を招き、海外事業では食文化への浸透の遅れやカントリーリスクが利益創出力を低下させる恐れがあります。食の安全・安心に関する品質トラブルも、ブランド毀損やコスト増加のリスクとなります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,637 文字
3 【事業等のリスク】当社グループはグループ理念「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」の実現に向けて、「3つの責任」(お客様に対して、社員とその家族に対して、社会に対して)の全てにおいて企業市民としての責任を果たしながら、“「食で健康」クオリティ企業への変革”を進めております。当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等(以下「財政状態等」)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できないまたは問題視されていないリスクの影響を将来受ける可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生(顕在化)の可能性を認識し、発生の抑制・回避に努めております。また、リスクが顕在化した際には、経営および事業リスクの最小化に取り組んでまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)お客様に対する責任に関連するリスク事業会社として持続的に成長し、世の中に独自の価値を提供し続けるための活動に関する主要なリスクは以下のとおりです。① 国内市場動向に関するリスク《背景》《リスク概要・影響》《主要な対策》中長期では景気減速や人口減少などにより、国内需要全体が低下する影響があります。コロナ禍を経て、働き方や食事への接し方など、お客様のライフスタイルが大きく変わってきておりコロナ前の生活には戻らない中で、地政学的リスクによる原材料高騰、物価上昇に伴い、消費動向にも変化が出てきています。当社グループは売上の約7割以上を国内販売が占めており、国内市場の縮小が当社の財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。また、お客様の変化や物価高に迅速に対応することは新たな成長機会になる一方、対応が遅れた場合には、提供価値(製品・サービス)が毀損するリスクがあります。新価値創出や生産性向上を進め、リスク対応力の強化と機会獲得に取り組みます。・事業基盤のある「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」の3つのバリューチェーン(以下「VC」)のグローバル展開により成長を加速・調達/栽培・加工・生産・販売といった川上~川下の統合により競争力・リスク対応力を強化・ROIC(投下資本利益率)を活用した、資本コストや株価を意識した経営の実現と投資収益性の向上・社内外との共創による新価値創出を推進(付加価値野菜系VCによるビジネスモデルの確立など) ② 事業拡大に関するリスク《背景》《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループは、2013年の持株会社体制移行後、2015年に㈱壱番屋を、2016年に㈱ギャバンを、2022年にキーストーンナチュラルホールディングス社をグループに迎えるなど、VCの拡大を進めております。また2017年にはコーポレートベンチャーキャピタルを設立し、事業シナジーが見込まれる企業への投資を通じた新たな価値基盤の創出に取り組んでおります(2023年には2号ファンドを設立)。その結果、企業買収に伴うのれんや無形資産を計上することがあります。当社グループの成長戦略との親和性が高く、ユニークな強みを持つ事業会社をグループに迎えることで、当社グループのVCの強靭化が図られる一方、事業計画の未達や市場環境の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローを生み出せない場合、また当初想定したシナジーが得られない場合、企業買収に伴うのれんや無形資産について減損損失等が生じるリスクがあります。・経営会議等における投資計画の検証(財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等)・投資計画の検証精度向上に向けた投資判断基準の見直し・投資委員会(経営会議の諮問委員会)の運営を通じた、M&A等の事業投資に関わる妥当性・効率性の確保、並びに投資前後の各フェーズにおけるチェック体制の強化 ③ 技術革新に関するリスク《背景》《リスク概要・影響》《主要な対策》成熟した食品産業においては、既存の事業競合に加え、異業種参入や新技術の台頭により競争環境も多様化しております。お客様や社会が直面する課題の解決に繋がるR&D機能の強化やデジタル化、グローバル化への対応強化による成長機会の獲得に努めておりますが、こうした対応が遅れた場合、競争優位性が低下し、提供価値が陳腐化するリスクがあります。・R&D重点領域およびテーマの設定と経営資源の集中投下・イノベーション創出力と実現力向上への意識改革、風土醸成・グループ企業間の技術課題の解決だけでなく、事業創造をめざしたVC間の連携強化・特許などでの保護による自社技術の知的財産化と知的財産活用によるオープンイノベーションを通じた共創戦略の推進・デジタル投資の積極化による基盤構築と新価値創出 ④ 海外事業展開に関するリスク《背景》《リスク概要・影響》《主要な対策》進出各国・地域においてカレー・スパイス製品、豆腐・PBF、機能性飲料製品等の事業を展開しております。食文化は元来保守的な性質を有しており、進出各国の食文化へ浸透、定着には、緻密な事前調査や継続的な事業基盤の強化が必要不可欠です。また、世界情勢が刻々と変化するなか、有事顕在化への備えが求められます。当社グループが保持する知見・ノウハウを成長領域に積極的に配分することで、早期の事業拡大に取り組んでおります。一方、進出各国・地域の食文化への浸透、定着が想定を下回ることで事業計画の遅れや減損損失が生じる恐れがあります。また、事業規模に見合う経営基盤の構築や整備の遅れ、各国法令の発布や改正への対応の遅れ、カントリーリスク顕在化等により、利益創出力の低下、ガバナンス機能不全等が生じるリスクがあります。・食文化の受容性や認知度に関する緻密な市場調査に基づいた市場ポテンシャルの予測・経営マネジメント人材の継続的な育成・確保、外部機関とも連携した各国法令情報の収集等による事業基盤の強化・グループ本社と海外事業会社が連携し、事業規模に応じたリスクマネジメント体制の構築・整備・複数エリアへの事業展開を進めることによる事業基盤分散、カントリーリスク低減 ⑤ 食の安全・安心に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》価値ある商品やサービスをお客様に安全・安心に提供し続けるために、グループ一丸となって品質の維持・向上に取り組んでおります。しかしながら万一、製品、サービスの品質トラブルが発生した場合には、お客様の健康危害や不安の発生、それに伴う企業ブランドの毀損、社会的信用の失墜、対応に係るコスト増加のリスクがあります。・グループ品質保証会議・グループ品質保証責任者会議を通じて、品質保証に関する重要課題について討議を行い、継続的なグループの品質保証活動を推進・製品の品質・安全の信頼性向上をめざし、各事業会社の特性に応じたISO9001やFSSC22000等の国際的な品質・食品安全マネジメントシステムの認証取得および運用・品質情報リスクマネジメント活動を通じて法規制遵守やお客様の安全への関心事をグループ全体で検討・対応することで食品安全の活動を推進・食の安全、安心をテーマとして、HACCP学習会や製品の表示学習会、または品質の基本などの様々な社内外の活動を通して人材育成を推進・生産現場の「安全・安心」のための創意・工夫を称賛するプロフェッショナル表彰制度等を通じた品質を重視する組織風土の醸成・製品設計から販売に至る各工程では、お客様の声を反映した活動を通じて製品の品質向上を図るとともに、製品パッケージやWEB等では、お客様に分かりやすい情報発信を徹底 (2)社員とその家族に対する責任に関するリスク当社グループの中長期的な成長には、性別や国籍などの属性の多様性とともに、一人ひとりが持つ多様な経験や適性をいかしていくことが欠かせません。そのためにも、他者への理解を深めて、自分と組織の固定観念を打破し、イノベーションの創出につなげることが重要と考えております。社員一人ひとりが尊重され、仕事を通じて豊かな人生を過ごしていけるよう、成長や活躍を支援する活動における主要なリスクは、以下のとおりです。① 多様性のある人材の確保、育成、活躍に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》グローバルなVC構築で成長をめざすにあたり、戦略の実現に必要な人材を育成・確保・供給できないことや、多様性やチャレンジを尊重する組織風土が醸成できないことは、イノベーション創出力の毀損、事業における機会損失や優秀人材の流出を起こすリスクがあります。また、社員が事業活動を進める中で、社内外の多様な価値観を尊重しない行動をとるようなことがあった場合には、信用失墜による企業価値の低下や組織風土へ悪影響を及ぼすリスクがあります。・グループ内・外の人材の流動性を高める役割に基づくオープンな人事制度の導入・グローバルなVC構築による成長を実現するためのバックキャスト視点での組織構築、人材投下と育成・高度な専門性や新たな知見を有する社外人材の獲得・育児・介護などの事情により、主体的なキャリア開発や活躍が妨げられないようにするためのサポート体制の充実・社内公募制や副業制度、およびグループ内外での人材交流により、社員が多様な成長経験を積むことへの支援・アセスメントを通じた適性の把握と、適性の強化・拡大に向けた社内外での学習機会の更なる提供・定期的な組織風土診断の実施と、その結果を受けてのディスカッション等を通じた、性別、国籍、キャリア、障がいの有無等を問わず、多様な人材が成長に向けてチャレンジをできる組織風土づくり・多様性を力に変える源としてのグループ理念の浸透・「ハウスウェイ」による価値観の共有・グループ理念やハウスの意、およびハウス食品グループ行動指針・人権方針等の規範を理解・共有することでの差別やハラスメントのないコンプライアンスを遵守する安全・安心な職場環境づくり (3)社会に対する責任に関連するリスク社会に存在する企業市民として、本業を通じて社会の様々な課題解決に貢献するための活動に関する主要なリスクは以下のとおりです。① 持続可能な原材料調達に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループはスパイスをはじめ様々な原材料を世界各国から調達しており、持続可能な原材料調達の推進は事業活動を継続する上で必要不可欠です。原材料の調達にあたっては、国際的な需要の拡大に伴う食資源の調達競争の激化や需給動向の変化、気候変動・生物多様性や地政学的リスク、資材お取引先での感染症集団発生による原材料の供給停止・遅れ、物流業界のドライバー不足や紛争・天候の船舶運航影響等による輸送遅れ、VCの各段階における社会・環境問題への対応の遅れ等により、調達の不全やコストの増加、社会的信用の失墜等に繋がるリスクがあります。・川上領域の取組強化に向けた各種施策の遂行(産地多様化による安定調達、原材料の使いこなしを推進することによる調達の柔軟性拡大、技術開発・品質向上等における調達地との協働取組、サプライヤー監査の実施等)・持続可能な調達の実現に向けた仕組みの構築(生産地の社会課題や環境等に配慮した原材料調達の推進(RSPO認証パーム油、FSC認証紙、バイオマスPE)、第三者機関(Sedex)等を活用した人権デューデリジェンスの強化、地政学的リスクを考慮した代替品の検討・輸送ルートの開拓、より効率的な輸送方法への見直し)・重要原材料の安全在庫基準の見直し、その他原材料の安全在庫基準内での運用・製品・サービスの適切な価格改定によるコスト増加影響の低減 ② 気候変動に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》気候変動は世界規模で影響を与える問題であり、国内外でVCを構築する当社グループにとって重要な課題と認識し対策を実施しております。気温の上昇や異常気象、自然災害等によって原材料の調達不全やコスト増、生産停止等の事業活動の分断、消費動向の変化等が生じるリスクがあります。また、脱炭素への対応が不足および遅延することで、排出量などによるコストの上昇や事業活動の制限、企業価値の毀損が生じるリスクがあります。・環境方針の改訂・2050年カーボンニュートラルに向けたグローバルかつバリューチェーン全体での気候変動取組の促進・環境投資判断基準の策定による環境負荷低減に向けた投資の促進(インターナルカーボンプライシング制度の導入)・Scope1・2の排出削減取組の加速(再生可能エネルギーへのシフト)、Scope3への対応※グループ内に電力を融通する、多拠点一括エネルギーネットワークサービスの導入・TCFDに即した情報開示など、積極的な情報開示によるパートナーシップの強化 ③ 大規模自然災害、重篤な感染症の流行に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループの事業は、大規模な自然災害の発生・重篤な感染症の大流行により、財政状態等に影響を及ぼすリスクがあります。・大規模災害発生、重篤な感染症の大流行に際して、食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすため、生産・供給体制の整備等の危機管理体制の更なる改善を推進・国内外グループ会社の事業特性や事業規模に応じた事業継続計画(BCP)の策定と定期的な訓練等を通じた事業継続マネジメント(BCM)の運用の強化 (4)その他共通のリスク① 法的規制とソフトローに関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループは、国内・海外を問わず、適用される法令等を遵守して事業活動を行っております。しかしながら、社会環境の変化、価値観の多様化のなかで、各国において新たな法令等が制定され、また、さまざまな形で、企業として遵守すべき規範が形成されております。既存の法令等の改正情報はもちろん、新しい法令等に関する情報を適時入手し、その内容にそった実務対応が適切にできていない場合、また、多様化した価値観を尊重し、道徳観、倫理観をもった事業活動ができていない場合には、事業活動が制限される可能性があるほか、お客様利益の損失、処罰や事業活動の制限を受けた場合の対応コストの増加、信用失墜による企業価値の低下等につながるリスクがあります。・グループ共通の価値観である「ハウスウェイ」や行動原則である「ハウス食品グループCSR方針」「ハウス食品グループ行動指針」に基づく、役員・社員一人ひとりの関係各国における法令・国際ルールの遵守、現地の人権、文化、伝統、慣習の尊重による友好的な関係の維持・促進・当社グループの取締役等で構成される「グループCSR委員会」を通じて、グループ全体のCSR重要テーマの取組状況のモニタリング・レビューの実施・CSR重要テーマであるコンプライアンスについては、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、各社の課題解決を推進・コンプライアンス上の問題の早期発見、解決に向けた「グループ共通コンプライアンス・ヘルプライン」の整備、周知徹底・各種法令に係る主管部門や法務部門による新規法律情報、法改正情報の収集とその実務対応 ② 情報セキュリティに関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループ(海外拠点含む)は、開発・生産・物流・販売・労務等の情報や通信販売等によるお客様の個人情報について、多くをITシステムにより管理しております。災害によりソフトウエアや機器が被災した場合のシステム作動不能や内部情報の消失、想定を超えたサイバー攻撃等によるシステム障害や情報漏洩、改ざん等の被害が発生した場合、また働き方の多様化に伴う情報の持ち出しや不適切な取扱いにより社有情報の外部漏洩が発生した場合、財政状態等や社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。・海外拠点含む情報セキュリティを包括的に管理するための組織体制強化と、各国独自法令を含むルールの徹底・ソフトウエアや機器によるシステムセキュリティ対策、社員教育の実施・在宅勤務やWEB会議等の働き方の多様化に対する定期的な社内調査による現状確認と対策の実施・守るべき社有情報の特定と影響評価の実施、適切な情報漏洩防止策の設定と実施の徹底・情報漏洩が発生した際に、迅速に対応し、被害の極小化を図るため、インシデント対応マニュアルの整備と周知・訓練の実施 ③ 為替・金利変動に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループが海外から調達する原材料において、為替変動の影響により調達コストが増加する可能性があります。当社グループの外貨建て債権債務については、為替変動の影響により為替差損益が発生する可能性があります。当社グループの海外売上高比率は2割超の水準でありますが、海外事業展開の加速に取り組んでおり、今後重要性が高まることを見込んでおります。連結財務諸表作成のため、展開各エリアの現地通貨で作成された財務諸表を円換算しており、為替変動の影響があります。当社グループの有利子負債については、金利上昇による直接的な影響は当面軽微であると見込んでおりますが、将来的な金利上昇局面においては資金調達による金利負担が増大する可能性があります。(海外から調達する原材料)・合理的な範囲で輸入原料の国内在庫を積み増すことで将来的な為替変動によるリスクを低減(外貨建て債権債務)・為替予約や通貨スワップ等により将来的な為替変動によるリスクのヘッジ(金利変動)・金利動向に応じた調達方法や金利スワップ等により将来的な金利変動によるリスクのヘッジ ④ 投資有価証券に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループが保有する投資有価証券については、大幅な株式相場の下落や投資先における企業価値の毀損が生じた場合には、保有有価証券を減損処理する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。・投資有価証券の保有状況を毎年取締役会に報告し、保有の是非や保有規模を継続的に検証・中期計画に基づく政策保有株式の縮減実施 ⑤ 固定資産の減損に関するリスク《リスク概要・影響》《主要な対策》当社グループが保有する固定資産について、将来の収益性低下等により減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。・一定額以上の投資案件については、社内基準に基づき回収可能性に基づく投資判断を実施・投資実行後に投資効果検証を行い、継続的なモニタリングを実施

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