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FY2025|8,189 文字
3【事業等のリスク】(1)味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会 当社グループは、マクロの環境変化や、発生の蓋然性(高・中・低)、影響度(高・中・低)などを総合的に勘案して、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスクと機会を特定しております。本年度のリスク・機会の分類と重要度は以下の通りで、「極めて重要」が10項目、「重要」が4項目でした。 総合評価リスク・機会の分類極めて重要a)アミノサイエンス®、 b)気候変動、自然資本・生物多様性、資源枯渇、 c)経済安全保障、d)人的資本・人権、 e)ブランド、 f)技術革新、 g)紛争・戦争、テロ、暴動、社会不安、h)ITセキュリティ、知的財産、 i)人口動態、 j)財務・会計税務重要k)パンデミック、自然災害、 l)ガバナンス・コンプライアンス、 m)非財務データ活用、n)消費者嗜好・価値観その内容を次表に示します。 当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っておりますが、以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の表においては、●をリスク、〇を機会として記載しております。 主要なリスクと機会蓋然性影響度総合評価分類具体的内容#aアミノサイエンス®●アミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創にアミノサイエンス®を活用し切れずにその価値がスケールせず、事業の競争優位性や成長が鈍化するリスク〇味の素グループの強みであるアミノサイエンス®を活かすことにより食品事業とバイオ&ファインケミカル事業が成長する機会高高極めて重要#b気候変動、自然資本・生物多様性、資源枯渇●一部の主要国における政策変更に伴う、化石燃料使用の拡大・再生可能エネルギー調達の難化等による脱炭素等環境取り組みが遅延するリスク●気候変動、自然資本の毀損、水不足、動物資源枯渇課題(タンパク質クライシス、家畜の伝染病等)の顕在化により地球全体のサステナビリティが確保できなくなることで、原材料の調達・生活者への食の提供が困難になるリスク●国内外で制定・厳格化が進む法規制(脱炭素、自然資本・生物多様性、包装材、水分野、グリーンウォッシュ、DSI)や、再生可能エネルギーの調達要請により、対応コストが発生・増加するリスク〇環境・食料課題へのホリスティック(包括的)なアプローチの一般化、他企業・機関との共創の機運の高まり、気候変動対策資金および農家支援政策の拡充により、環境負荷が低くレジリエントなアグリフードシステムの実現が容易になる機会〇気候変動・自然資本対応および農家との協働によるアグリフードシステムのレジリエンス強化の必要性の高まりにより、再生農業や持続可能な畜産業に資する製品・ソリューションの需要が拡大する機会〇渉外活動の強化によりインテリジェンス機能を強化し、規制環境に早期に対応する機会高高極めて重要#c経済安全保障●各国は多国間の協調よりも自国の利益を優先する方向に傾き、国際的な経済連携の枠組みが弱体化。結果として、グローバリゼーションの弱体化、経済的なデカップリング(分断)が進行するリスク●経済と安全保障の分野がより密接に結びつき、同盟関係の分断、国家間の対立が深まるリスク〇日本政府による経済安全保障としての製造業の国内生産回帰により、国内における技術開発推進や、地産地消を通じた、地域経済活性化への貢献の機会〇代替原材料の検討により、より良い原材料の安定的調達に結びつく機会〇他国の競合企業に対して発動される輸出規制・関税措置・金融制裁により、当社の販売が拡大する機会〇半導体の特定重要物資としての指定により、半導体需要が増大する機会(世界的なAIの普及やサーバーの需要増大、自動運転車の広がりなどを背景として)高高極めて重要#d人的資本・人権●厳格化の進む人権尊重に関する法令・情報開示基準への対応の遅れにより企業価値毀損につながるリスク●人権への無配慮発覚により企業価値毀損につながるリスク●労働市場における人財不足により、イノベーションや事業活動に必要な人財が確保できないリスク〇“多様性”と“挑戦”にフォーカスした積極的な人財投資や働き方の多様化により、人財を獲得・保持し、また従業員の生産性を向上させる機会高高極めて重要#eブランド●様々なステークホルダーの価値観が多様化する中で、事業活動への共感が得られず、ブランドが棄損されるリスク●MSGや甘味料に関するネガティブ情報が拡散され、コーポレートブランドが棄損されるリスク●AI技術の悪用により、フェイク情報生成・拡散が容易化、また模倣品や当社グループ企業を騙るWebサイト・SNSアカウント等が巧妙化し、ブランドが棄損されるリスク〇社会・地球のWell-beingに配慮した経営、サステナビリティに関する任意要請への先行対応、地域に根付く強いブランド力の活用により、サステナビリティ先進企業としての地位を維持・向上する機会高高極めて重要#f技術革新●イノベーション(AI技術含む)への対応の遅れによる新しい価値の創造や事業機会の損失、また拙速な利活用により、法規制違反、倫理上の問題、技術の過信による誤った経営判断などが引き起こされるリスク〇DXによる様々な事業活動の改善、新たな事業モデルや顧客接点の創出、先端技術によるモダリティの進化の先取りなど、新たな事業やバリューチェーンを跨ぐ価値創造に繋がる機会〇GX(グリーン・トランスフォーメーション)が進み、サステナビリティに関する技術革新・規制緩和・市場創出および資金調達などの拡大により、農業・食料分野におけるソリューションが進展する機会高高極めて重要#g紛争・戦争、テロ、暴動、社会不安●武力行使等により原材料調達(家畜用飼料の原料を含む)、その他物資の供給、国をまたぐ情報共有、資金移動が制限され、全社および事業戦略の浸透や開発、製造が滞るリスク●敵対国グループの企業と見なされ、著しく製品需要が落ち込むリスク●現地幹部・駐在員の安全が脅かされる又は拘束されるリスク、特定国の事業活動が妨害を受けて継続できなくなるリスク●紛争・インフレなどによる社会不安の高まり、表現・集会への弾圧強化、特定グループの差別・迫害、社会的弱者の権利の侵害により、一部の国における事業活動が困難となるリスク●インフレーション進行に起因する、原燃料コスト上昇による収益の悪化リスク●収用リスクや、戦争や紛争などの発生による財務上のカントリーリスク高高極めて重要#hITセキュリティ、知的財産●技術ノウハウや事業上の営業秘密が競合会社に漏洩し、技術的、事業的な競争力に影響が及ぶリスク●生成AI技術やランサムウェア攻撃のビジネス化(分業化)により、サイバー攻撃がさらに高度化し、大規模なシステム停止や個人情報・機密情報流出につながるリスク●生成AIを用いたなりすまし詐欺の被害に遭うことで、財務的な損失を被るリスク●個人情報の流出が発生して、行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク〇知的財産ポートフォリオの構築をはじめとする知的財産戦略の強化により、さらなる競争優位性と事業成長が後押しされる機会〇ITセキュリティ強化により、コミュニケーションや意思決定が効率的、スピーディーかつ安全に行われ、顧客の信用を得て取引拡大につながる機会高高極めて重要#i人口動態●一部の主要国による開発支援の縮小等により、途上国における経済発展および市場の拡大が減速するリスク●日本・欧州における人口増加が望みにくい中、一部の途上国・エリアでの事業展開が遅れ、事業機会を逃すリスク〇世界人口増加や公的機関による途上国への資本の流入により健康・栄養課題の解決に資するソリューションの需要が高まる、またヘルスケアなどの市場が大きく拡大する機会高高極めて重要#j財務・会計・税務〇●租税制度・繰延税金資産/負債の変動による、税負担増加のリスク、あるいは税負担軽減の機会●金融危機による資金の枯渇、主に新興国における流通量低下等によるUSD等主要通貨の調達難、格付けの低下による資金調達リスク●得意先や子会社の経営環境悪化による経営破綻・減損リスク●為替・金利の急激な変動による事業収益への影響リスク(海外での事業活動の停滞、海外子会社業績の円貨への換算影響、利息費用の増加)高高極めて重要#kパンデミック、自然災害●パンデミックや大震災をはじめとした大規模/広域自然災害等に伴う物資の不足や人財へのダメージによりイノベーションの推進や事業活動が困難となるリスク○パンデミックや自然災害以外の危機発生時にも対応可能な、オールハザード対応BCPへの進化により、レジリエントかつ柔軟な組織体制構築に結びつく機会中高重要#lガバナンス・コンプライアンス●コンプライアンス(宗教対応規制、動物保護規制等を含む)違反や品質・安全管理の不備等(想定しない成分の混入等)により刑事処分・行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク〇ガバナンス強化により、当社らしい安全・品質・環境マネジメント活動が継続しステークホルダーからの信頼が蓄積されることで生まれる機会〇従業員へのAGP浸透、ポリシーや規程類の正しい理解と実践などのガバナンス強化により、より良い企業風土が醸成され、ビジネスの持続可能性を高める機会高中重要#m非財務データ活用●社会価値(人権リスク等)や環境価値(CO2排出量、自然資本への影響等)の評価・測定の水準(社会要請)の高まりに対応が遅れ、事業機会を逃すリスク〇技術革新、また指標や制度(炭素クレジット等)の確立により、非財務データの収集や定量化手法開発およびスタンダード作り・展開が後押しされ、環境・社会価値を財務価値に転換しやすくなる機会中中重要#n消費者嗜好・価値観●消費者の社会・環境意識の高まりやパーソナライズド・ヘルスケアの志向に対応した事業、サービス、商品展開が遅れ、生活者や社会の受容性に遅れが生じて事業機会を逃すリスク〇消費者の価値観の変化(サステナビリティ意識の高まりやこころの豊かさの重視、推し活など)に対応することで、事業が拡大する機会中中重要 (2) 味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会に基づく、取組みと目標・KPI 「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)」に記載のとおり、現在の味の素グループが取り組む6つの「重要テーマ」①「持続可能な地球環境の実現」②「食を通じたウェルビーイングの実現」③「先端医療・予防への貢献」④「スマートソサエティの進化への貢献」⑤「多様な価値観・人権の尊重」⑥「経営基盤の強化」に対して、リスク・機会、対象領域、取組みおよび目標・KPIは以下になります。リスク・機会は前述の主要なリスクと機会を簡潔にまとめたものであり、リスク・機会のカッコ内のアルファベットは前述のリスクと機会の項目で該当する分類記号を示しています。 重要テーマに関わる主なリスク・機会と、対象領域、取組み、目標・KPI (リスク・機会のカッコ内のアルファベットは、前述の主要なリスクと機会の分類番号を示す)6つの重要テーマ(●リスク)/〇機会)対象領域取組み目標・KPI持続可能な地球環境の実現 ●気候変動・自然資本毀損・動物資源枯渇による原材料調達の困難化および関連法規制や社会要請の厳格化・緩和、また培養肉や包装材リサイクル・AIなど先端技術の活用の遅れ・拙速な導入による事業機会の損失 〇技術革新、規制緩和・政策支援拡大、規制への早期対応、資金流入および他企業等との共創機運高まりによる地球にやさしくレジリエントなアグリフードシステム構築の後押し、および関連製品・サービスの需要拡大(a,b,f)気候変動緩和と適応・温室効果ガス排出削減 -2030年度:スコープ1+2 50.4%削減(対2018年度) スコープ3 30%削減(対2018年度) -2050年度:ネットゼロ、電力再生可能エネルギー化100%(対2018年度) -飼料用アミノ酸を活用したソリューションの提供による、牛由来の温室効果ガス排出削減(政府、地方自治体、乳業・畜肉メーカーとの連携によるエコシステムの構築)・持続可能な農業への貢献 -バイオスティミュラント製品の展開拡大(肥料削減による温室効果ガス削減、環境ストレス耐性の向上、収穫物の品質向上、劣化土壌の改善) -バイオサイクル(循環型アミノ酸発酵サイクル)の拡大・環境負荷の低い食品素材や製法で作られた食品・素材の提供と生活者の行動変容促進(培養肉や精密発酵などの技術開発、バイオマス発酵やプラントベースを用いた食品開発)自然資本生物多様性保全・TNFDの情報開示フレームワークに基づいた情報開示 -SBTi for Natureに沿った評価・優先順位の検討森林破壊防止・森林破壊ゼロ -2025年:対象原材料:パーム油、大豆、牛肉、紙水資源の保全・水使用量削減 -2040年度:15%削減(対2018年度)持続可能な調達・重要原料の持続可能な調達比率100% -2030年度:対象原材料:紙、パーム油、大豆、コーヒー豆、牛肉、サトウキビ・アニマルウェルフェア向上の推進サーキュラーエコノミー(循環経済)廃棄物ゼロエミッション・資源化率 -99%以上維持プラスチック廃棄物削減・プラスチック廃棄物削減 -2030年度:ゼロ化・当社化成品素材を活用したパーソナルケア製品の提供による生活者の行動変容促進フードロス削減・フードロス削減 -2025年度:原料受け入れからお客様納品まで50%削減(対2018年度) -2050年度:製品ライフサイクル全体で50%削減(対2018年度) -レシピ等情報発信や地域(行政、流通等)との連携による家庭内フードロス削減への貢献 -当社業務用(BtoB)製品を活用した、顧客におけるロス削減食を通じたウェルビーイングの実現 ●価値観の変化・多様化やAI等先端技術の不適切な利用がみられる中、消費者の価値観の変化への対応が遅れる、また製品・事業活動に対する理解が得られないことによる事業機会の損失・ブランドの棄損 〇各地域の消費者の嗜好、またサステナビリティや健康への意識の高まりなどに対応した製品・サービスの提供による事業拡大、および社会・地球のWell-beingに配慮した経営によるブランドの向上(a,e,m,n)健康・栄養食を通じた健康・栄養課題の解決・栄養バランスのとれた食生活への貢献(2030年度) -栄養バランスの良い*製品を年間21億食提供 *Health Star Rating(HSR)ランク3.5以上 -減塩した調味料により年間11億食分の減塩に貢献 -甘味料により年間7億人の減糖に貢献 -栄養バランスの良いメニューの提供 -栄養に役立つ情報の発信・こころの豊かさへの貢献 -調理、共食のWell-beingへの貢献の可視化(関係性の解明)と貢献度の高い製品の拡大・新たな体験価値の拡大(顧客理解の深化を通じたパーソナライズ化された体験価値開発の加速) -2030年度:POND*顧客数(共通ID数):1,000万人(日本) -2030年度:年間二桁億円以上の新製品数:年間2-3製品(日本) *POND:自社で保有する全社顧客基盤先端医療・予防への貢献 ●医療分野の技術発展への対応が遅れる・技術適用が拙速で倫理上の問題が発生する、またアミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創を活用しきれずに価値がスケールしないことによる、事業や企業価値増大の抑制 〇継続的なモダリティの進化の先取りや、DX活用により先端医療を顧客に届けることによる新しい価値の提供(a,f)治療・予防の進化・アミノ酸の生理機能や栄養機能を活用した製品の利用機会拡大 -2030年度:2倍(対2020年度)・メディカルフード領域の強化 -2030年度:提供数2倍(対2024年度)・輸液等医薬品向けの高品質な医薬用アミノ酸の安定供給・培地や先端医療素材のサービスソリューション提供型ビジネスへの進化・バイオ医薬品開発製造受託サービスの強化および領域拡大スマートソサエティの進化への貢献 ●各国政府が経済安全保障の一環として半導体関連製品の貿易規制・関税・金融制裁を発動することによるバリューチェーンの混乱、および貿易摩擦相手国による関連製品の国産化による競争の激化〇半導体需要の増大、国内回帰が進むことによる国内の半導体関連技術の開発の進展、関税をはじめとした法的措置の発動による自社の販売機会の拡大 (a,c)先端半導体パッケージ材料提供・エコシステム創出を通じた先端半導体進化・半導体の進化に貢献するイノベーション創造のスピードアップと先端材料の提供拡大、半導体バリューチェーンにおける共創エコシステムの強化・光電融合分野などの先端半導体分野における技術および材料の開発の実現多様な価値観・人権の尊重 ●人権配慮や、人権等の非財務データの評価・測定の要請への対応が遅れることによる、事業機会および企業価値の損失 〇技術革新や指標・制度の確立によって人権等の非財務データの収集が可能になることによる長期目線かつ財務・非財務両面からの経営判断促進、および自社の環境・社会価値を活かした競争優位性に繋がる各種スタンダード作りへの関与(d,m)人権責任ある雇用・国際基準に則った人権・環境デュー・ディリジェンスの着実な推進。 -サプライチェーン上の取組み 深掘性:国別人権リスク評価結果に基づく人権影響評価の実施、および予防・是正措置、モニタリング 網羅性:「サプライヤー取引に関するグループポリシーガイドライン」に基づくサプライヤーの実態把握および改善に向けた伴走、モニタリング -グループ従業員の取組み グローバルイシューに関する動向ウオッチと実態把握、方針策定(責任ある採用、生活賃金など) グローバル方針の周知:2030年度 グループグローバル70%以上経営基盤の強化 ●経済安全保障を名目とした関税政策の変更、人口動態、紛争、パンデミック、大震災、人財の需給ギャップ、法規制の厳格化、ITセキュリティへの脅威等の激しい事業環境変化による経営基盤への多面的な脅威の拡大 〇経営における無形資産の重要性が高まる中、人財の多様化と挑戦の促進による創造的活動の活発化、および知的財産やITシステムの強化、財務戦略強化による競争優位性の強化(a,c,d,g,h,i,j,k,l)人的資本人財の活用・ASV実現プロセスESスコア -80%(2025年度)⇒85%(2030年度)・リーダーシップ層の多様化ダイバーシティ -27%(2025年度)⇒30%(2030年度)・女性管理職比率 -30%(2025年度)⇒40%(2030年度)・挑戦する人財の促進 -「ASVアワード」の推進・従業員のリテラシー向上 -環境、人権、DX などのリテラシー向上施策の展開 -2025年度:栄養教育を受けた従業員数 10万人事業環境変化レジリエンス強化・経営インテリジェンス機能の強化による、将来からバックキャストした経営リスク・機会の検討と戦略への活用・グローバルな品質保証システム、戦略的知財ポートフォリオ構築・コンプライアンス意識向上のための継続的な施策・安全衛生に関するアセスメント・監査・点検の継続実施・減損や為替・金利変動リスクの極小化、柔軟な資金調達によるリスク軽減
FY2024|7,931 文字
3【事業等のリスク】(1)味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会 当社グループは、マクロの環境変化や、発生の蓋然性(高・中・低)、影響度(高・中・低)などを総合的に勘案して、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスクと機会を特定しており、その内容は以下のとおりです。 当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っておりますが、以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の表においては、●をリスク、〇を機会として記載しております。 なお、昨年度は「財務に関わるリスクと機会」と「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会」を分けて開示していましたが、今年度から双方を統合し、当社グループにとっての事業上のリスクと機会として開示します。 主要なリスクと機会蓋然性影響度総合評価分類具体的内容#1アミノサイエンス®〇モダリティの進化を先取りし、味の素グループの強みであるアミノサイエンス®を活かすことにより事業が成長する機会●アミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創にアミノサイエンス®を活用し切れずにその価値がスケールせず、事業の競争優位性や成長が鈍化するリスク高高極めて重要#2ITセキュリティ、知的財産〇知的財産戦略と事業・R&D戦略が連動することにより知財ポートフォリオが構築され、知的財産を事業に積極的に活用することで、競争優位性と事業成長に繋がる機会〇ITセキュリティ強化により、コミュニケーションや意思決定が効率的、スピーディーかつ安全に行われ、顧客の信用を得て取引拡大につながる機会●技術ノウハウや事業上の営業秘密が競合会社に漏洩し、技術的、事業的な競争力に影響が及ぶリスク●AI技術の悪用やランサムウェア攻撃など、サイバー攻撃がさらに高度化するリスク●個人情報の流出が発生して、行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク高高極めて重要#3ブランド〇社会・地球のWell-beingに配慮した経営、サステナビリティに関する任意要請への先行対応、地域に根付く強いブランド力の活用により、サステナビリティ先進企業としての地位を維持・向上する機会●様々なステークホルダーの価値観が多様化する中で、事業活動への共感が得られず、ブランドが棄損されるリスク●MSGや甘味料に関するネガティブ情報が拡散され、コーポレートブランドが棄損されるリスク●AI技術の悪用により、フェイク情報生成・拡散が容易化、また模倣品や当社もしくはグループ個社を騙るWebサイト・SNSアカウント等が巧妙化し、ブランドが棄損されるリスク高高極めて重要#4技術革新〇DXによる様々な事業活動の自動化・加速・効率化、新たな事業モデルや顧客接点の創出、先端技術によるモダリティの進化の先取りなど、生産性向上や事業・技術革新、新たな事業やバリューチェーンを跨ぐ価値創造に繋がる機会〇GX(グリーン・トランスフォーメーション)が進み、サーキュラー・エコノミー、精密発酵、再生農業など地球持続性や生物多様性に関する技術革新・規制緩和・市場創出および資金調達などの拡大により、農業・食料分野におけるソリューションが進展する機会●イノベーション進化への対応の遅れにより、新しい価値の創造や事業機会を逃すリスク●AI技術の利活用が遅れることで事業機会を逃すリスク、またはAI技術の利活用が拙速に推進されることで、法規制の違反、倫理上の問題、AI判断の正確性などの問題が顕在化するリスク高高極めて重要#5人的資本・人権〇“多様性”と“挑戦”にフォーカスした積極的な人財投資や働き方の多様化により、共創価値をスケールする機会●人権尊重に関する法令や情報開示基準の整備が進む中で対応の遅れにより企業価値損失につながるリスク●労働市場における人財不足により、イノベーションや事業活動に必要な人財が確保できないリスク高高極めて重要#6気候変動、自然資本・生物多様性、資源枯渇〇環境・食料課題へのホリスティック(包括的)なアプローチの一般化、他企業・機関とのサステナブルなソリューション共創の機運の高まりにより、レジリエントなフードシステムの実現が容易になる機会〇気候変動対策資金および農家支援に向けた政策支援の拡充により、環境負荷が低くレジリエントなフードシステムの構築が後押しされる機会〇自然資本・生物多様性への注目の高まりにより、再生農業や持続可能な畜産業に資する製品・ソリューションの需要が拡大する機会●気候変動、自然資本の毀損、水不足、動物資源枯渇課題(タンパク質クライシス、家畜の伝染病等)の顕在化により地球全体のサステナビリティが確保できなくなることで、原材料の調達・生活者への食の提供が困難になるリスク●国内外で制定・厳格化が進む法規制(脱炭素、自然資本・生物多様性、包装材、水分野、グリーンウォッシュ)や、再生可能エネルギーの調達要請により、対応コストが発生・増加するリスク高高極めて重要#7紛争・戦争、テロ、暴動、社会不安○代替原材料の検討により、より良い原材料の安定的調達に結びつく機会●輸出規制・関税措置・金融制裁・武力行使等により原材料調達(家畜用飼料の原料を含む)、その他物資の供給、国をまたぐ情報共有、資金移動が制限され、全社および事業戦略の浸透や開発、製造が滞るリスク●敵対国グループの企業と見なされ、著しく製品需要が落ち込むリスク●現地幹部・駐在員の安全が脅かされる又は拘束されるリスク、特定国の事業活動が妨害を受けて継続できなくなるリスク●紛争・インフレなどによる社会不安の高まり、表現・集会への弾圧強化や女性の権利の侵害により、一部の国における事業活動が困難となるリスク●インフレーション進行に起因する、原燃料コスト上昇による収益の悪化●収用リスクや、戦争や紛争などの発生による財務上のカントリーリスク高高極めて重要#8財務・会計・税務〇●租税制度・繰延税金資産/負債の変動による、税負担増加のリスク、あるいは税負担軽減の機会●買収した子会社等の事業計画未達、資本コストや金利の急激な上昇による減損リスク●金融危機による資金の枯渇、主に新興国における流通量低下等によるUSD等主要通貨の調達難、格付けの低下による資金調達リスク●海外を含めた予期せぬ得意先の経営破綻リスク●為替・金利の急激な変動による事業収益への影響リスク(海外での事業活動の停滞、海外子会社業績の円貨への換算影響、利息費用の増加)高高極めて重要#9非財務データ活用〇技術革新により、従来測定・分析できなかった非財務データの収集や定量化手法開発およびスタンダード作り・展開が後押しされ、環境・社会価値を財務価値に転換しやすくなる機会〇自然資本分野における技術の進歩により、レジリエントなフードシステムの構築に必要なデータが得やすくなる機会●社会価値や人権リスクの評価・測定の水準(社会要請)の高まりに対応が遅れ、事業機会を逃すリスク中高重要#10パンデミック、自然災害○パンデミックや自然災害以外の危機発生時にも対応可能な、オールハザード対応BCPへの進化により、レジリエントかつ柔軟な組織体制構築に結びつく機会●パンデミックや大規模/広域自然災害等に伴う物資の不足や人財へのダメージによりイノベーションの推進や事業活動が困難となるリスク中高重要#11消費者嗜好・価値観〇サステナビリティ意識の高まりやこころの豊かさの重視など消費者の価値観の変化に対応することで、事業が拡大する機会●消費者の社会・環境意識の高まりやパーソナライズド・ヘルスケアの志向に対応した事業、サービス、商品展開が遅れ、生活者や社会の受容性に遅れが生じて事業機会を逃すリスク中高重要#12人口増加、高齢化、途上国への資本流入〇世界人口増加や公的機関による途上国への資本の流入により健康・栄養課題の解決に資するソリューションの需要が高まる、またヘルスケア市場が大きく拡大する機会●日本・欧州における人口増加が望みにくい中、一部の途上国・エリアでの事業展開が遅れ、事業機会を逃すリスク中高重要#13ガバナンス・コンプライアンス〇ガバナンス強化により、当社らしい安全・品質・環境マネジメント活動の継続によりステークホルダーからの信頼が蓄積されることで生まれる機会〇従業員へのAGP浸透、ポリシーや規程類の正しい理解と実践などのガバナンス強化により、より良い企業風土が醸成され、ビジネスの持続可能性を高める機会●コンプライアンス(宗教対応規制、動物保護規制等を含む)違反や品質・安全管理の不備等(想定しない成分の混入等)により刑事処分・行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク中高重要#14経済安全保障(半導体)〇日本政府による経済安全保障としての半導体の国内生産回帰により、国内における技術開発が容易になる機会●各国政府による半導体を用いた経済安全保障の影響を受け、サプライチェーンの混乱や市場競争の激化のあおりを受けるリスク中中重要 (2) 味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会に基づく、取組みと目標・KPI 「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)」に記載のとおり、現在の味の素グループが取り組む6つの「重要テーマ」①「持続可能な地球環境の実現」②「食を通じたウェルビーイングの実現」③「先端医療・予防への貢献」④「スマートソサエティの進化への貢献」⑤「多様な価値観・人権の尊重」⑥「経営基盤の強化」に対して、取組みおよび目標・KPIは以下になります。リスク・機会は前述の主要なリスクと機会を簡潔にまとめたものであり、カッコ内の番号は前述のリスクと機会の該当する分類番号を示しています。 重要テーマに関わる主なリスク・機会と、取組み、目標・KPI (リスク・機会のカッコ内の番号は、前述の主要なリスクと機会の分類番号を示す)重要テーマリスク・機会(カッコ内はリスク・機会の番号)取組み目標・KPI持続可能な地球環境の実現〇技術革新、規制緩和・政策支援拡大、資金流入および他企業等との共創機運高まりによる地球にやさしくレジリエントなフードシステム構築の後押し、および関連製品・サービスの需要拡大●気候変動・自然資本毀損・動物資源枯渇による原材料調達の困難化および関連法規制や社会要請の厳格化、また培養肉や包装材リサイクル・AIなど先端技術の活用の遅れ・拙速な導入による事業機会の損失(#1,#4,#6)① ネットゼロへの挑戦 ② 100億人を支えるレジリエントなフードシステム変革への貢献①・GHG排出削減(対2018年) 2030年:スコープ1、2で50%、スコープ3は24%削減 2050年:ネットゼロ、電力再生可能エネルギー化100%・生物多様性への対応推進 (LEAPアプローチ(※)対象として選定した原料における、リスク機会評価および気候変動等との相互解決を含む取組み推進) ※LEAPアプローチ:TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が提唱するガイダンスで、自然関連のリスクと機会を科学的根拠に基づいて評価するためのプロセス。・プラスチック廃棄物 2030年:ゼロ化・フードロス削減(対2018年) 2025年:50%削減(原料受け入れからお客様納品) 2050年:50%削減(製品ライフサイクル全体)・フードロス削減、プラスチックリサイクルなど社会実装における各地域での協働・水使用量削減(対2005年) 2030年:水使用量削減率80%削減・持続可能な原材料調達 2030年:重点原材料の持続可能な調達比率100% アニマルウェルフェア向上の推進②・バイオサイクル拡大による資源循環社会実現への貢献・バイオスティミュラント製品を通じた持続可能な農業への貢献 (単位面積当たり収量増、環境ストレスへの耐性増などにより、気候変動緩和・適応へ貢献)・アミノ酸を用い持続可能な方法で飼育された乳牛、肉牛由来製品の提供。乳業・食肉メーカーとの連携によるエコシステム構築・環境負荷の少ないアンモニアのオンサイト生産の実用化推進食を通じたウェルビーイングの実現〇各地域の消費者の嗜好、またサステナビリティや健康への意識の高まりなどに対応した製品・サービスの提供による事業拡大、および社会・地球のWell-beingに配慮した経営によるブランドの向上●価値観の変化・多様化やAI等先端技術の不適切な利用がみられる中、消費者の価値観の変化への対応が遅れる、また製品・事業活動に対する理解が得られないことによる事業機会の損失・ブランドの棄損(#1,#3,#9,#11)③ 食文化を尊重し、地球にも人にも健康で、おいしい食を選択できる環境を作り、多くの人に価値を提供する ④ 調理の楽しさ・共食による人のつながりの提供を通じて、こころの豊かさへ貢献する ⑤ 一人ひとりに寄り添った製品・サービスの提供を通じて「自己実現」へ貢献する③・業務用(BtoB)顧客向けソリューションの提供拡大・食と健康の課題解決に向けた各地域での協業者との協働・味の素グループ栄養プロファイリングシステム(ANPS)等の栄養評価技術に基づく、栄養バランスのよい製品・サービスの提供、生活者の健康的な食行動支援・栄養コミットメントを通じた健康的な製品提供 -栄養価値を高めた製品の割合 60%(2030年) -「おいしい減塩」「たんぱく質摂取」に役立つ製品提供 年間4億人(2030年) -アミノ酸の生理機能や栄養機能を活用した製品の利用機会 対2020年2倍(2030年)・環境負荷の低い食品素材や製法で作られた食品・素材の提供(培養肉・プラントベース食品など) ④・調理、共食のWell-beingへの貢献の可視化(関係性の解明)と貢献度の高い製品の拡大 ⑤・顧客理解の深化を通じたパーソナライズ化された体験価値開発の加速(日本) KPI①:POND※顧客数(共通ID数) 1,000万人(2030年) KPI②:年間二桁億円以上の新製品数:年間2-3製品(2030年) ※POND:自社で保有する全社顧客基盤・冷食コア事業カテゴリー(GYOZA及び周辺Dumpling製品)での提供価値進化先端医療・予防への貢献〇継続的なモダリティの進化の先取りや、DX活用により先端医療を顧客に届けることによる新しい価値の提供 ●医療分野の技術発展への対応が遅れる、またアミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創を活用しきれずに価値がスケールしないことによる、事業や企業価値増大の抑制(#1,#4)⑥ 先端医療モダリティの実現に貢献する⑥・治療や予防の進化、健康寿命の延伸につながるソリューションの提供拡大・バイオ医薬製造サービスの強化および領域拡大・培地や先端医療素材のサービスソリューション提供型ビジネスへの進化・メディカルフード領域の強化スマートソサエティの進化への貢献〇経済安全保障政策の影響で半導体生産の国内回帰が進むことによる、国内における半導体関連技術の開発の進展 ●各国政府が経済安全保障の一環として半導体関連製品の貿易を規制することによるバリューチェーンの混乱、および貿易摩擦相手国による関連製品の国産化による競争の激化(#1,#14)⑦ サステナブルかつ快適なICT社会の実現をめざし、継続したイノベーションによる先端材料の開発と提供拡大、サステナブルなビジネスモデルの共創⑦・半導体バリューチェーンにおける共創エコシステムの強化、半導体の進化に貢献するイノベーション創造のスピードアップと先端材料の提供拡大・光電融合分野などの先端半導体分野における技術および材料の開発の実現多様な価値観・人権の尊重〇技術革新で人権等の非財務データの収集が可能になることによる長期目線かつ財務・非財務両面からの経営判断促進、および自社の環境・社会価値を活かした競争優位性に繋がる各種スタンダード作りへの関与●人権等非財務データの評価・測定の要請への対応が遅れることによる、事業機会および企業価値の損失(#5,#9)⑧ バリューチェーンにおける人権の取組みの推進・マルチステークホルダーの共感醸成⑧・国際基準に則った人権・環境デュー・ディリジェンスの着実な推進。ステークホルダーとの対話を通じ、以下両面から取り組む。(深掘性)国別人権リスク評価(1回/4年)結果に基づく人権影響評価の実施、および予防・是正措置、モニタリング(網羅性)「サプライヤー取引に関するグループポリシーガイドライン」に基づくサプライヤーの実態把握および改善に向けた伴走、モニタリング (2024年 国内一次サプライヤー完了予定、2025年 海外一次サプライヤー着手予定)経営基盤の強化〇経営における無形資産の重要性が高まる中、人財の多様化と挑戦の促進による創造的活動の活発化、および知的財産やITシステムの強化、財務戦略強化による競争優位性の強化●人口動態変化、紛争、パンデミック、人財の需給ギャップ、法規制の厳格化、ITセキュリティへの脅威等の激しい事業環境変化による経営基盤への多面的な脅威の拡大(#1,#2,#5,#7,#8,#10,#12,#13)⑨ 地域社会の手本となるDE&Iの取組みや挑戦を促す人財投資等による従業員well-beingの向上、イノベーション創出。そして、すべての従業員が働きがいを感じられる会社の実現へ ⑩ 事業環境変化に対するレジリエンス強化 ⑪ 従業員のリテラシー向上⑨・ASV実現プロセス エンゲージメントサーベイスコア(グローバル) 80%(2025年) ⇒ 85%(2030年)・リーダーシップ層の多様化(グローバル) 20%(2025年度) ⇒ 30%(2030年度)・女性管理職比率(グローバル) 35%(2025年) ⇒ 40%(2030年)・全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比(味の素㈱単体) 20%(2025年) ⇒ 30%(2030年) ※毎年、味の素㈱に入社する従業員の内、キャリア採用者の構成比は50%以上を目標とする。・挑戦する人財を促す「ASVアワード」(グローバル)や「公募異動や横断プロジェクト参加」(味の素㈱単体)の推進⑩・グローバルな、品質保証システム、戦略的知財ポートフォリオ構築によるレジリエンス強化・コンプライアンス意識向上のための継続的な施策・安全衛生に関するアセスメント・監査・点検の継続実施・経営リスクの特定、対応策検討(毎年)・未来予測、機会の特定、ポートフォリオ戦略(適宜)・減損や為替・金利変動リスクの極小化、グループ内資金の有効活用や柔軟な資金調達によるリスクの軽減 ⑪・環境、人権、DXなどのリテラシー向上施策の展開・栄養教育を受けた従業員数 10万人(2025年)
FY2023|4,222 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、マクロの環境変化や、発生の蓋然性(高・中・低)、影響の大きさ(大・中・小)などを総合的に勘案して、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスクと機会を特定しており、その内容は以下のとおりです。 当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っておりますが、以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の表においては、●をリスク、〇を機会として記載しております。 (1) 財務に関わるリスクと機会主要なリスクと機会蓋然性影響度総合評価前年比較味の素グループの主な取り組み減損●買収した子会社等の事業計画未達●金利の急激な上昇高小注視→・企業提携等審議会や経営会議等における買収価格の適切性に関する審議・買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング資金調達●金融危機による資金の枯渇●格付けの低下●各種リスク要因により計画を達成できないことで生じる追加の資金調達などのリスク発生、格付けの悪化●主に新興国における流通量低下等によるUSD等主要通貨の調達難リスク中中重要→・資金調達方法先及び期間の適度な分散・財務体質の維持・強化・各種リスク要因の適時の分析と対応・最新の情報に基づく適時の計画の見直し・グループ各社での流動化等活用促進・グローバル・プーリングの活用(ノーショナルプーリング他)・USD建コミットメントラインの維持・各種資金使途に柔軟に対応できる地域別CMSの運営・一部新興国の経済指標等の定期的モニタリングと金融機関との密な情報交換・外貨調達の多様化得意先の経営破綻●海外を含めた予期せぬ得意先の経営破綻の発生高小注視→・情報収集、与信管理等(グループ全体に適用する与信管理ガイドライン作成及びモニタリング)、債権保全為替・金利変動●為替・金利の急激な変動による事業収益への影響(海外での事業活動の停滞、海外子会社業績の円貨への換算影響)高小注視→・(予定取引における)為替予約の検討・借入資金の長期化及び社債の発行、サステナブルファイナンスの活用・長期資金については当社での調達集中・外貨調達の多様化インフレーション●原燃料コストの上昇による収益の悪化○製品価格の適正化を通じた収益の改善中大極めて重要→・主要原燃料のモニタリング・製品価格への適時の反映・製品改定・コストダウンカントリーリスク●収用リスク●戦争や紛争などの発生リスク中中重要→・進出国の適度な分散租税制度・繰延税金資産/負債の変動●○租税制度・繰延税金資産/負債の変動による税負担変動●繰延税金資産の取り崩し高小注視→・各国における税制や税務行政の変更への対応策を実施・税金及び税務関連費用を最小化する方策又はスキームを立案実行 (2) 味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会 当社は、ありたい姿の実現や長期視点での企業価値向上にむけて、味の素グループにとって重要な事項(マテリアリティ)とそのつながりを整理しました。これは、4つのドメインと12の要件から構成され、項目やつながりを意識しながら具体的な取組みやKPI等を今後、経営戦略の一環として測定・開示し、ステークホルダーの皆様と対話をしていきます。 提出日現在、各マテリアリティに対して当社グループとしてどのように取り組むか、各関係者とともに議論を深めております。当社グループとしての取り組みが定まり次第、四半期報告書をはじめ、各種開示をいたします。 主要なリスクと機会関連するマテリアリティ要件蓋然性影響度総合評価アミノサイエンス®〇味の素グループの強みであるアミノサイエンス®を活かした事業成長の機会、および市場におけるモダリティの進化を先取りしアミノサイエンス®で貢献する機会●アミノサイエンス®だけでは市場におけるモダリティの進化に対応し切れないリスク1.1 変革能力高高極めて重要ブランド●MSGや甘味料に関するネガティブ情報が拡散され、コーポレートブランドが棄損されるリスク〇地域に根付く強いブランド力を活かした事業成長の機会1.2 透明性・客観性高高極めて重要人財●人財の需給imbalanceにより、イノベーションや事業活動に必要な人財が確保できないというリスク〇当社の志に共感して集う人財が、“多様性”と“挑戦”にフォーカスした積極的な人財投資のもと、共創価値をスケールするという機会 1.1 変革能力2.1 ホリスティック&インクルーシブ視点3.1 ヒューマン・ウェルビーイング3.2 コミュニティー・ウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高高極めて重要非財務データの収集・定量化〇技術革新により、従来測定・分析できなかった非財務データの収集が可能になり、機会を評価できる定量化メソッド開発へと貢献し、効果的なスタンダード作りと展開に参加しやすくなるという機会●社会価値の評価・測定の水準(社会要請)の高まりに対応が遅れ、事業機会を逃すリスク1.2 透明性・客観性高高極めて重要SDGsネイティブ世代の台頭、SNS普及、未来志向●若者に見放され事業成長が抑制されるリスクや「おいしさ」が食の重要な要素ではなくなるリスク〇フードシステム上に存在する他企業・機関とのサステナブルなソリューション共創の機運が高まり、リジェネラティブなフードシステム実現のためのエコシステム構築が容易になるという機会 2.3 未来世代の視点3.3 地球のウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高高極めて重要気候変動、資源枯渇●気候変動の環境影響や動物資源枯渇課題(プロテインクライシス等)の顕在化により地球全体のサステナビリティが確保できなくなり、原材料の調達ならびに生活者への食の提供、事業継続が困難になるというリスク、およびリジェネラティブなフードシステムの実現が困難になるというリスク 1.3 共同力3.1 ヒューマン・ウェルビーイング3.3 地球のウェルビーイング4.1 健幸寿命4.3 ソリューションによる価値創造高高極めて重要技術革新(フード・農業・環境・デジタル分野)〇リジェネラティブなフードシステムを実現するソリューションの選択肢の幅が広がるという機会、高栄養価の農作物など健康的なライフスタイルに資する技術が普及するという機会、またデジタル化やAI技術導入により広範囲にバリューチェーンを形成しやすくなるという機会●食を取り巻くテクノロジーの進化(調理自動化、培養肉など)への対応遅れが事業成長を抑制したり事業機会を損失するリスク 1.2 透明性・客観性2.3 未来世代の視点3.2 コミュニティー・ウェルビーイング3.3 地球のウェルビーイング4.1 健幸寿命4.2 コー・ウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高高重要サステナビリティ消費・習慣●サステナビリティ消費・習慣の一般化により、サステナビリティに関する取り組みが経済価値に転嫁できず投資・コストを吸収できないリスクや 日々進化を続けるサステナビリティやグリーン化に係る技術が先行し、地域によって生活者や社会の受容性に遅れが生じるリスク1.1 変革能力2.1 ホリスティック&インクルーシブ視点2.2 地域コミュニティー視点3.1 ヒューマン・ウェルビーイング3.2 コミュニティー・ウェルビーイング3.3 地球のウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高中重要人口増加、途上国への資本流入〇世界人口増加や公的機関による途上国への資本の流入の促進により健康・栄養をベースにしたソリューションの需要が高まるという機会やヘルスケア市場が大きく拡大する機会、新興国も含めたソリューション共創が促進される機会 2.3 未来世代の視点4.1 健幸寿命4.2 コー・ウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高中重要法規制●法規制の整備や一部地域で再生可能エネルギーの選択肢を選べず事業継続が困難となるリスク〇フードシステムのレジリエンス向上に関連する法規制に適切に対応することで生まれる事業機会1.1 変革能力1.3 共同力3.1 ヒューマン・ウェルビーイング3.3 地球のウェルビーイング4.2 コー・ウェルビーイング高中重要ガバナンス●コンプライアンス違反や品質・安全管理の不備等により基盤リスクマネジメントが疎かになることによる事業継続リスク〇当社らしい安全・品質・環境マネジメント活動の継続によりステークホルダーからの信頼が蓄積されることで生まれる機会 1.2 透明性・客観性2.2 地域コミュニティー視点3.1 ヒューマン・ウェルビーイング中中重要パンデミック、紛争●パンデミックやウクライナ侵攻等に伴う物資の不足によりイノベーションの推進や事業活動が困難となるリスク、および紛争・貿易戦争等により国をまたぐ情報共有が制限され、全社および事業戦略の浸透や開発が滞るリスク1.1 変革能力1.3 共同力2.2 地域コミュニティー視点3.1 ヒューマン・ウェルビーイング3.2 コミュニティー・ウェルビーイング4.1 健幸寿命4.2 コー・ウェルビーイング4.3 ソリューションによる価値創造高高重要テロリズム・クーデター●テロリズム・クーデターにより現地幹部・駐在員が拘束されるリスクや特定国の事業活動が継続できなくなるリスク1.1 変革能力1.3 共同力2.2 地域コミュニティー視点4.2 コー・ウェルビーイング低高重要ITセキュリティ、知的財産●ナレッジマネジメントの不備や急速な技術革新により戦略・重要機密などが漏洩・紛失されるリスクやサイバー犯罪のターゲットとなりセキュリティが脆弱化するリスク〇グローバル視点での知的財産ポートフォリオの構築をはじめとする知的財産戦略の強化により、さらなる競争優位性と事業成長を後押しする機会1.1 変革能力1.2 透明性・客観性高中重要
FY2022|6,013 文字
2【事業等のリスク】 当社グループは、マクロの環境変化や、影響の大きさ(大・中・小)、発現の蓋然性や時期(高・中・低)などを総合的に勘案して、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスクを特定しており、その内容は以下のとおりです。 当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っておりますが、以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 財務に関わる機会とリスク財務リスク①関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)②味の素グループの主要な取り組み減損●買収した子会社等の事業計画未達●金利の急激な上昇・企業提携等審議会や経営会議等における買収価格の適切性に関する審議・買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング資金調達●金融危機による資金の枯渇●格付けの低下●各種リスク要因により計画を達成できないことで生じる追加の資金調達などのリスク発生、格付けの悪化・資金調達方法先及び期間の適度な分散・財務体質の維持・強化・各種リスク要因の適時の分析と対応・最新の情報に基づく適時の計画の見直し・グループ各社での流動化等活用促進・グローバル・プーリングの導入(ノーショナルプーリング)・USD建コミットメントラインの新設・運転資金に限定している北米・欧州CMSの資金使途範囲変更(「グループ資金調達基本方針」)得意先の経営破綻●海外を含めた予期せぬ得意先の経営破綻の発生・情報収集、与信管理等(グループ全体に適用する与信管理ガイドライン作成及びモニタリング)、債権保全為替・金利変動●為替・金利の急激な変動による事業収益への影響(海外での事業活動の停滞、海外子会社業績の円貨への換算影響)・(予定取引における)為替予約の検討・借入資金の長期化及び社債の発行、サステナブルファイナンスの活用・長期資金については親会社での調達集中・外貨調達の多様化インフレーション●原燃料コストの上昇による収益の悪化○製品価格の適正化を通じた収益の改善・主要原燃料のモニタリング・製品価格への適時の反映・製品改定・コストダウンカントリーリスク●収用リスク●戦争や紛争などの発生リスク・進出国の適度な分散租税制度・繰延税金資産/負債の変動●○租税制度・繰延税金資産/負債の変動による税負担変動・各国における税制や税務行政の変更への対応策を実施・税金及び税務関連費用を最小化する方策又はスキームを立案実行 財務リスク③貢献するSDGsのゴール④中計で掲げる戦略への影響⑤影響の大きさ⑥発現の蓋然性、時期⑦評価⑧前年比較減損-財務目標の未達、金利上昇により生活者への新たな価値提案に向けた成長投資が遅れ、オーガニック成長が減速。小高注視→資金調達-資金の不足による成長投資の遅延に伴う顧客への新たな価値提案の遅れ、オーガニック成長の減速。中中重要→得意先の経営破綻--小高注視↗為替・金利変動--小高注視↗(一部の新興国)インフレーション--大中極めて重要新規カントリーリスク--中中重要↗租税制度・繰延税金資産/負債の変動--小高注視→ (2) マテリアリティマテリアリティ項目①関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)②味の素グループの主要な取り組み食と健康の課題解決への貢献●健康・栄養関連の法制化・ルール強化によるコスト上昇(砂糖税・栄養表示等)●グローバルトップ10をはじめ競合他社も注力する健康・栄養分野における競争激化・劣後リスク○健康課題の深刻化による食事・運動などの生活習慣の見直しに基づく新たなビジネス機会の創出○調理や栄養バランス、免疫強化への関心や生活習慣病に対する予防意識の高まりに基づく新たなビジネス機会の創出○グローバルでの高齢化に基づく新たなビジネス機会の創出○生活者の栄養課題の多様化に基づく新たなビジネス機会の創出○減塩に対する意識の高まりに伴うビジネス機会の増加・おいしく摂取し、心身のすこやかさに繋がる食品・アミノ酸製品及びメニューの提供・うま味によるおいしい減塩・たんぱく質摂取の推進・減糖、減脂・「アミノインデックス技術」による予防医療への貢献・当社グループ製品が満たす栄養基準の整備・生活者一人一人への栄養改善の個別提案(パーソナル栄養)生活者のライフスタイルの変化に対する迅速な提案●生活者のライフスタイルの変化、価値観の多様化への対応遅れによる成長機会の損失と既存事業の競争力低下●新興企業参入による競争激化●○顧客のデジタルシフト加速や購買行動の変化に対する対応遅れによる機会損失、ECなどD2C市場の成長に伴う事業機会の増加○消費者の新たな健康ニーズ等に迅速に対応することによるブランド価値や企業イメージアップ○●家庭で喫食機会増加に伴う機会と、外食産業の回復による手作り機会減少リスク○食の多様化(ベジタリアン、ビーガン)に基づく新たなビジネス機会の創出・ビッグデータ・生活者データの活用によるマーケティングの高度化・スモールマス(都市化等)への対応強化・スマートな調理等、簡便ニーズに対応した製品・サービスの拡充・食を通じた人と人とのつながり・コミュニティの創出・製品・サービス・情報のお客様への適切な届け方の実践 製品の安全・安心の確保○テクノロジーを活用した食のトレーサビリティの確保による新たな顧客層の獲得●アミノ酸含有食品、栄養ケア食品における競争激化リスク●うま味・MSGに対するネガティブな風評の拡大による調味料事業への影響●製品の品質クレーム・トラブルによるお客様からの信頼低下・「お客様の声」の製品・サービスの開発・改善への反映・製品パッケージやWEBでの適切な情報共有・味の素グループ品質保証システム「ASQUA(アスカ)」に基づく品質保証活動の徹底と人財育成多様な人財の活躍●人財獲得競争の激化によるコスト上昇○様々なバックグラウンドを持つ人材登用による人材の獲得ルートの増加と新たなビジネス機会の創出●多様な人材の獲得が進まない場合の企業イメージ低下・健康経営の推進・従業員の「ASV自分事ごと化」促進・エンゲージメントサーベイを活用したPDCAサイクルの推進・ダイバーシティ推進に向けた組織風土改革・女性人財の育成・登用・人権教育・啓発活動・イノベーション創出のための企業文化醸成(統合型アクセラレータープログラム) マテリアリティ項目①関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)②味の素グループの主要な取り組み気候変動への適応とその緩和●気候変動による原材料の調達リスクの増大・生産活動の停滞●脱炭素への取り組み遅延、排出権取引制度の導入や炭素税の負担増加による生産コスト上昇●メタンなどのCO₂以外のGHG削減への取り組み遅延による生産コスト上昇○再生可能エネルギーの導入により、炭素税の導入後あるいは課税強化後のコスト競争力確保●1.5℃目標基準に則しない企業活動に対する企業価値毀損・企業イメージ低下●気候変動への対応遅れと事業影響の開示不足による企業価値毀損・企業イメージ低下・製品ライフサイクル全体でのカーボンニュートラルに向けた長期的な取り組み・生産時・輸送時のエネルギー削減の取り組み・再生可能エネルギーへのシフト・TCFDに対応した情報開示(シナリオ分析等) 資源循環型社会実現への貢献○循環型サプライチェーンを実現するためのトレーサビリティシステムの活用○化学メーカー等との連携によるリサイクル素材の開発●欧州等で進むプラスチック廃棄物規制やタクソノミーへの対応遅延による事業機会損失●廃棄物削減、リサイクルへの取り組み遅延による企業価値毀損・企業イメージ低下○サステナビリティに関する取り組み加速による企業価値の向上○人口増加に伴う需要の高まり(動物原料フリー、培養肉など)・容器包装の3R推進(プラスチック廃棄物の削減等)・環境対応型包装資材(単層材/生分解性プラスチック/植物由来原料/認証紙)の使用・生分解性が高いアミノ酸系洗浄剤の供給・環境ラベルの普及・製品パッケージを活用したプラスチック廃棄削減訴求 フードロスの低減●食資源の枯渇による原材料調達不全○製造工程での歩留まり向上、返品・製品廃棄の削減の取り組みによるコスト削減●フードロス半減に向けた取り組み遅延による企業価値毀損・企業イメージ低下、及び食資源の枯渇の助長・原料をムダなく活かしきるモノづくりの実践・デジタルを活用したSCMの高度化・効率化・賞味期限延長等による返品・製品廃棄の削減・お客様の使用時のロス削減・美味しく残さず食べ切る「食エコ」提案持続可能な原材料調達●サプライチェーンにおける社会・環境問題への対応遅れによる原料調達リスクの増大●特定地域の輸出規制への対応遅れによるサプライチェーンへの断絶○パンデミック等発生時のグローバルサプライチェーン断絶に備えたサプライチェーンの強化●サプライチェーンにおける環境問題への対応遅延による企業価値毀損・企業イメージ低下・重要原材料の特定と責任ある調達(紙、パーム油、かつお等)・コプロ活用による持続可能な農業への貢献・公正な事業慣行マネジメントの実践(トレーサビリティ等)・サプライヤーのサステナビリティ推進・人権デュー・ディリジェンス・公正な競争の確保と従業員教育の徹底水資源の保全●渇水・洪水・水質悪化による生産停滞や原料調達リスクの増大○水リスク低減による原料安定調達、製品安定供給の実現●水資源保全への対応遅れによる企業価値毀損・企業イメージ低下・水源の森林整備・排水処理技術の開発 マテリアリティ項目①関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)②味の素グループの主要な取り組みガバナンスの強化①コーポレート・ガバナンスに関する取組●コーポレート・ガバナンスの組織・体制整備の遅れによる機能不全●コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク、予期せぬ損失の発生②投資家等への情報開示に関する取組●目的に応じた適切な情報開示の不足による投資家などステークホルダーからの評価の低下○投資家が求める価値の高い情報の開示による評価の高まり(事業活動が社会・環境へ与える影響の定量評価、COVID-19による事業への具体的な影響など主要な環境変化に対する影響の詳細明示、など)○非財務情報の開示に対する取り組み強化による投資家等ステークホルダーからの信頼性向上③生活者への信頼性確保への取組○トレーサビリティ・マッピングの確立による信頼性向上④会社・従業員への事業継続のための環境改善対応への取組○サプライチェーン上流への労働安全衛生の強化○こころとからだの健康を維持・増進できる職場環境づくり(環境経営)○ダイバーシティ&インクルージョンの推進●○知的財産リスクによる事業への影響(知財侵害・模倣リスク)・労働安全衛生マネジメント・グループ従業員全員への味の素グループポリシーの浸透・ホットライン(内部通報制度)の整備・コーポレート・ガバナンス体制の強化・「全社重要リスク」の選定とその対応策の検討・知的財産リスクマネジメント・IT管理運用規程の制定による情報セキュリティの強化 グローバルな競争激化への備え①デジタル技術等の発展に伴う新規参入者の増加●強固な参入障壁を構築しきれないことによる多数の競合企業(グローバル・ローカル)の出現②マクロ情勢(地政学リスク)の顕在化●グローバルでの金融危機、貿易摩擦等の不安定な政治・経済・社会情勢による組織運営への混乱や事業採算性低下●中東・アフリカの重点国における政治・経済不安定化によるリスク●米中スーパーパワーの政治方針・通商政策の変化が、各国法人業績を左右するリスク●特定国への依存度が高いサプライチェーン(調達・生産)構造による、有事の事業停滞リスク、原燃料費高騰リスク③グローバル市場の変化●ASEAN・南米の重点国における中産階級の伸び悩みによる市場成長鈍化リスク●コロナ禍における消費者行動の変化を受けた、グローバル競合の商品ポートフォリオ戦略見直しによる競争激化リスク(冷凍食品など当社注力領域をwith/afterコロナにおける成長分野とみて競合が強化、など)●同様の背景から、当社注力領域において廉価品を出すローカル競合との競争激化○SDGsの認知率の高まり等を受けたエシカル消費に対応した新たなビジネス機会の創出・食品とアミノサイエンスの部門間連携強化・サプライチェーンマネジメントの進化(デジタル活用、エコシステム確立等)・デジタルトランスフォーメーションの推進・課題解決型R&D体制の確立・本社主導によるコンシューマー食品3事業(調味料/栄養・加工食品/冷凍食品)のグローバル戦略推進・コンペティティブ・インテリジェンス(中長期の取り組み)・オープン&リンクイノベーションの推進・グローバル生産体制、物流体制、雇用制度の見直し・顧客セグメントの見直し(自宅需要の拡大、ケータリング事業者需要の拡大など) マテリアリティ項目③貢献するSDGsのゴール④中計で掲げる戦略への影響⑤影響の大きさ⑥発現の蓋然性、時期⑦評価⑧前年比較食と健康の課題解決への貢献 健康を軸とした生活者への価値提案力の低下、及び提案の競争力低下による生活者需要の低下。大中極めて重要→生活者のライフスタイルの変化に対する迅速な提案 中高極めて重要→製品の安全・安心の確保 -小高注視→多様な人財の活躍 多様な人材が活躍できないことによる計画の実行力、及び食と健康の課題解決力の低下。中中重要→気候変動への適応とその緩和 コスト上昇による、食と健康の課題解決を通じて効率性高く成長できる収益構造実現(ROIC向上)の遅れ。環境対応の不足によりブランド価値が毀損することによって、提供価値が低下、又は提供価値への信頼が低下する。大中極めて重要→資源循環型社会実現への貢献 中高極めて重要→フードロスの低減 小中注視→持続可能な原材料調達 中高極めて重要→水資源の保全 中中重要→ガバナンスの強化 ガバナンス強化に向けたマネジメント変革の遅れによる組織の機能低下、機能不全による、計画実行力の低下。中中重要→グローバルな競争激化への備え 主要事業への重点化の遅れにより、重点事業における新たな付加価値の提供が遅れ、効率性、オーガニック成長が低下。中高極めて重要→
FY2021|463 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、重要項目ごとに以下のようなものがありますが、中でも新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)については、現在進行形で極めて重要な経営リスクの1つであると認識しています。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響、及び同感染症に対する当社グループの対応策等に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の 新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識 をご参照ください。 (1) 財務に関わる機会とリスク (2) マテリアリティ
FY2020|466 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、重要項目ごとに以下のようなものがありますが、中でも新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)については、現在進行形で極めて重要な経営リスクの1つであると認識しています。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響、及び同感染症に対する当社グループの対応策等に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(5) 新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識 をご参照ください。 (1) 財務に関わる機会とリスク (2) マテリアリティ
FY2019|3,222 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、重要項目ごとに以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。財務リスク関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)主要な取り組み減損●買収した子会社等の事業計画未達●金利の急激な上昇・企業提携等審議会や経営会議等における買収価格の適切性に関する審議・買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング得意先の経営破綻●海外を含めた予期せぬ得意先の経営破綻の発生・情報収集、与信管理等、債権保全競合の出現●参入障壁が低い事業分野において、多数の競合企業が存在●差別化をはかるものの、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合・競合に対する差別化、技術、サービス向上資金調達●金融危機による資金の枯渇●格付けの低下●各種リスク要因により計画を達成できないことで生じる追加の資金調達等のリスク発生、格付けの悪化・資金調達先及び期間の適度な分散・財務体質の維持・強化・各種リスク要因の適時の分析と対応・最新の情報に基づく適時の計画の見直し為替・金利変動リスク●為替・金利の変動による海外での事業活動の停滞●為替・金利の変動による海外子会社業績の円貨への換算への影響・為替予約および変動金利から固定金利へのスワップ等・親会社を含めた為替変動リスクの低い国での資金調達カントリーリスク●収用リスク●戦争や紛争等の発生リスク・進出国の適度な分散租税制度の変動リスク○制度改正による将来税負担の減少(例:米国税制改正)●制度改正による事業運営コストの増加(例:ブラジルにおける付加価値税)税務リスク対応策の一例として「グローバル・タックスに関するグループポリシー」を以下参照https://www.ajinomoto.com/jp/activity/policy/global_tax_policy.html ・各国における税制や税務行政の変更への対応策を実施 ・税金および税務関連費用を最小化する方策またはスキームを立案実行税効果の変動リスク○●将来課税所得の見積り変更等による税金費用の減少または増加 マテリアリティ項目関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)主要な取り組み製品の安全・安心の確保○お客様の満足度向上によるブランドへの信頼獲得○ステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得●うま味・MSGに対するネガティブな風評の拡大による事業への影響●製品の品質クレーム・トラブルによるお客様からの信頼低下・パッケージやWEBでの適切な情報共有・「お客様の声」の製品・サービスの開発・改善への反映・うま味・MSGの価値共有のためのコミュニケーションを強化・味の素グループ品質保証システム「ASQUA(アスカ)」に基づく品質保証活動の徹底と人財育成健康・栄養課題への貢献○生活者の健康意識、健康ニーズの高まり○ブランドへの信頼獲得○企業価値の向上・おいしく摂取し、心身のすこやかさに繋がる食品・アミノ酸製品およびメニューの提供・減塩、減糖、減脂・たんぱく質摂取の推進・「アミノインデックス技術」による予防医療への貢献・当社製品が満たすべき栄養基準の整備・生活者一人一人への栄養改善の個別提案(パーソナル栄養)生活者のライフスタイルの変化に対する迅速な提案○共に食べる楽しさ・喜びの提供による企業レピュテーションの向上○デジタル活用等による新しい価値の創造●生活者のライフスタイルの変化、価値観の多様化への対応遅れによる成長機会の損失●調理時間の短縮、調理技術の低下に伴う調味料事業への影響・食を通じた人と人のつながり・コミュニティの創出・ビッグデータ・生活者データの活用によるマーケティングの高度化・スモールマス(都市化等)への対応強化・製品・サービス・情報のお客様への適切な届け方の実践・スマート調理等、簡便ニーズに対応した製品・サービスの拡充 マテリアリティ項目関連する機会とリスク(○機会 ●リスク)主要な取り組み持続可能な原材料調達●サプライチェーンにおける社会・環境問題への対応遅延による原材料調達不全リスクの増大●気候変動による原材料の調達不全リスクの増大・公正な事業慣行マネジメントの実践(トレーサビリティ等)・サプライヤーのサステナビリティ推進・人権デュー・ディリジェンス・重要原材料の特定と責任ある調達(紙、パーム油、かつお等)・公正な競争の確保と従業員教育の徹底・コプロ活用による持続可能な農業への貢献フードロスの低減○返品・製品廃棄の削減の取り組みによるコスト削減●食資源の枯渇・原料をムダなく活かしきるモノづくりの実践・デジタルを活用したSCMの高度化・効率化・賞味期限延長等による返品・製品廃棄の削減・お客様の使用時のロス削減・おいしく残さず食べ切る「食エコ」提案気候変動への適応とその緩和○脱炭素に向けた外部連携●脱炭素への取り組み遅延、炭素税の負担増加による生産コスト上昇●持続可能な原材料調達リスク●気候変動への対応遅延による企業価値毀損・製品ライフサイクル全体でのカーボンニュートラルに向けた長期的な取り組み・生産時・輸送時のエネルギー削減の取り組み・再生可能エネルギーへのシフト・TCFDに対応した情報開示(シナリオ分析等)・飼料用アミノ酸による環境負荷低減(土壌・水質汚染の低減)資源循環型社会実現への貢献○環境に配慮した素材の開発●廃棄物削減、リサイクルへの取り組み遅延による企業価値毀損・生分解性が高いアミノ酸系洗浄剤の供給・容器包装の3R推進(プラスチック廃棄物の削減等)・生分解性プラスチック/植物由来原料/認証紙の使用・環境ラベルの普及水資源の保全●渇水・洪水・水質悪化による生産停滞●水資源の枯渇による原材料調達不全・水源の森林整備・排水処理技術の開発多様な人財の活躍○働きがいの向上による会社の成長○イノベーションが起きやすい環境づくり●人財獲得競争の激化によるコスト上昇・エンゲージメントサーベイを活用したPDCAサイクルの推進・ダイバーシティ推進に向けた組織風土改革・女性人財の育成・登用・健康経営の推進・人権教育・啓発活動・労働安全衛生マネジメントガバナンスの強化○企業価値の向上○適切なリスクテイク●デジタル技術革新に対応できないことによる競争力低下●脆弱なITマネジメント体制による競争力低下●金融危機、貿易摩擦等の不安定な政治・経済・社会情勢による組織運営への混乱や事業採算性低下●知的財産リスクによる事業への影響・味の素グループ従業員全員への味の素グループポリシーの浸透・ホットライン(内部通報制度)の整備・コーポレートガバナンス体制の強化・「全社重要リスク」の選定とその対応策の検討・知的財産リスクマネジメント・IT管理運用規程の制定による情報セキュリティの強化グローバルな競争激化への備え○外部連携による価値共創○技術革新によるスペシャリティの創出○変化の先読みによる競争優位の確立○デジタル・ディスラプションによる事業基盤改革の推進●デジタル・ディスラプションによる主要事業への影響・バリューチェーン再構築(生産体制再編)・デジタル・トランスフォメーションの推進・研究成果のスピーディーな事業への展開(R&D体制再編)・コンペティティブ・インテリジェンス(中長期の取組み)・オープン&リンクイノベーションの推進
FY2018|4,579 文字
2【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営環境に関するリスク1.為替変動の影響 当社グループは、グローバルな生産供給体制の確立と強化を図っており、日本のほかに全世界で34の国・地域に拠点を持ち、海外の比重が高くなっています。 前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本以外の地域(アジア、米州及び欧州)での外部顧客に対する売上高は5,716億円及び6,278億円(連結売上高に占める割合は52.4%及び54.6%)、事業利益は522億円及び506億円(事業利益全体に占める割合は53.9%及び52.0%)でありました。連結財務諸表は、海外グループ会社の現地通貨建て財務諸表を円に換算することにより、換算為替レートの変動を受けます。また、当社グループでは、外貨建て取引に伴う債権及び債務につき、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、その業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 2.天変地異等の影響 当社グループは、日本国内での事業展開はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。これらの事業展開地域においては、次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 気候変動等に伴う水資源の不足による生産量減少等 ② 地震、台風・ハリケーン・サイクロン、洪水等の天変地異の発生 ③ 大規模停電等による中断事象の発生 ④ 感染性疾病の流行等による社会的混乱 3.予期しない不利な経済的又は政治的要因の発生 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、テロ又は紛争等による政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違並びに商習慣に関する障害、投資、海外送金、輸出入、外国為替などの規制の変更、さらには接収など様々な経済的、政治的若しくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 4.原燃料価格変動の影響 当社グループの使用する主要な原材料並びに重油等のエネルギー原料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。天候不順による農作物の不作やエタノール需要拡大による穀物価格の上昇などに加えて、これらが投機的取引の対象となることもあり、従来に比べて原燃料価格変動要因が増加してきております。これら原燃料の価格が高騰した場合は製造コストの上昇につながり、この上昇が新技術導入や各種活動等によるコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業活動に関するリスク1.製品市況の変動の影響 当社グループがライフサポート事業において取り扱っている飼料用アミノ酸は、穀物市況と飼料用アミノ酸の需給動向によって販売価格が変動する傾向があります。当社グループでは、複数の種類のアミノ酸(リジン、スレオニン及びトリプトファン等)を取り扱うことでリスクの低減・分散を図るとともに、乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材によるスペシャリティ化をはかり、またアミノ酸の発酵生産技術によるコストダウンを通じて収益性の安定と向上を図ることを目指しておりますが、穀物市況の変動の影響及び飼料用アミノ酸の需給動向によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。2.商品・サービスの品質に影響を与える事項 当社グループは、コンプライアンス及びお客様起点の品質保証意識の醸成も含む組織風土改善に継続的に取り組むことを各仕組み・取り組みのベースとしています。更に、独自の厳しい品質保証システムを一層強化するとともに、製法やそのデータ妥当性を評価・判断する委員会等など社内の専門家が集まる場で多角的視野を以て、公正に評価し、更に、これらの仕組みが目的の通りに運営されていることを、監査活動、外部認証審査を通じて常に確認する等、全事業の存立基盤となる「安全・安心」を確保するため、万全の体制で臨んでおります。 また、医薬原薬製造部門においては、生産した製品に関わる記録や分析データなどが、不正操作されない状態で保管されるシステムが、世界標準として求められており、データインテグリティーと言われ、これに従う管理を更に強化していますが、食品製造部門でも順次、強化しています。 その一方で、社会全般にわたる新たな品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.情報の漏洩等の影響 当社グループは、通信販売や販促キャンペーン等により多くのお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「味の素グループ情報セキュリティポリシー」を定め、「情報取扱ガイドブック」の社内配布や研修等を実施することにより、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピューターウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4.資金の調達 金融市場の混乱又は停止、格付会社による当社格付けの引下げ、金融機関等の融資判断及び方針の変更が、当社グループの資金調達活動に影響を与えるとともに、資金調達コストを増加させ、流動性を悪化させる、すなわち必要なときに必要な額の資金を調達できない可能性があります。 5.得意先の経営破綻 当社グループは、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力しておりますが、今後海外を含め予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用 当社グループの事業運営は、各国及び各職種において高度な専門性を有した人材が担っており、将来の成長を達成するため、その様な人材の獲得・育成が欠かせません。次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の幹部ポジションへの登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいりますが、人材の獲得競争が激しいなか、高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用が出来ない可能性があります。 (3)法的規制及び訴訟等1.法的規制等の影響 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外において、食品衛生、薬事、環境・リサイクル、事業・投資の許認可、個人情報保護、輸出入、外国為替管理、税金等にかかわる種々の法的規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンスに真剣に取り組んでおり、国内外の法令等の制定・改廃の動向に常に注意を払っていますが、将来において、現在予期し得ない法令やいわゆるソフトローによる規制等が設けられる可能性があり、また運用の変更や法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性もあります。このような事態が生じた場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績が影響を受ける可能性があります。 2.訴訟等の影響 当社グループは、日本国内外で訴訟等の当事者になっております。当社グループは、知的財産等の自らの権利を守るために訴訟を提起することもありますが、多くの国で多岐にわたる事業を展開する中、種々の訴訟や請求等を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合は、当社グループの業績及び評判が悪影響を受ける可能性があります。 3.租税制度に関する影響 新たな租税制度の導入又は改廃によって、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。味の素グループは味の素グループ行動規範及びグローバル・タックスに関するグループポリシーに基づき、世界各国で適用される税法を遵守し事業活動を行っておりますが、特に日本国外における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。 4.環境法令等 当社グループは、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、アスベストなどの有害物質、廃棄物、及び土壌又は地下水の汚染などに関する様々な環境法令等の適用を受けております。この様な環境法令等は、現在の当社グループの事業活動だけでなく、過去の事業活動や企業買収などで他社から引き継いだ事業の過去の活動にも適用される可能性があります。さらに、サプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。そこで「サプライヤーCSRガイドライン」を策定し、サプライチェーン全体で環境や人権に配慮した調達を実践してまいります。当社グループでは、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを国内外グループ各サイトで適用しており、国や地域に応じた環境法令等への対応や、環境トラブルの防止を図るとともに、環境改善の取り組みを進めております。 このマネジメントシステムの下、法改正の動向を注視するとともに、当社グループは、当社グループとサプライチェーン全体にわたって法令等を確実に遵守する体制を強化しておりますが、将来の環境法令等の遵守や環境改善取組みの強化などにより、環境に関連する費用負担が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (4)その他のリスク1.減損会計適用の影響 当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形固定資産・無形資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.繰延税金資産等 当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測及び仮定に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産の計上額が修正され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
FY2017|4,461 文字
4【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営環境に関するリスク1.為替変動の影響 当社グループは、グローバルな生産供給体制の確立と強化を図っており、日本を含め全世界で30の国・地域に拠点を持ち、そのうち22の国・地域の118工場で生産活動を展開し、海外の比重が高くなっています。 前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本以外の地域(アジア、米州及び欧州)での外部顧客に対する売上高は6,293億円及び5,716億円(連結売上高に占める割合は54.8%及び52.4%)、事業利益は 602億円及び522億円(連結営業利益に占める割合は61.4%及び53.9%)でありました。連結財務諸表は、海外グループ会社の現地通貨建て財務諸表を円に換算することにより、換算為替レートの変動を受けます。また、当社グループでは、外貨建て取引に伴う債権及び債務につき、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、その業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 2.天変地異等の影響 当社グループは、日本国内での事業展開はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。これらの事業展開地域においては、次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 気候変動等に伴う水資源の不足による生産量減少等 ② 地震、台風・ハリケーン・サイクロン、洪水等の天変地異の発生 ③ 大規模停電等による中断事象の発生 ④ 感染性疾病の流行等による社会的混乱 3.予期しない不利な経済的又は政治的要因の発生 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、海外ではテロ又は紛争等による政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違並びに商習慣に関する障害、投資、海外送金、輸出入、外国為替などの規制の変更、さらには接収など様々な経済的、政治的若しくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 4.原燃料価格変動の影響 当社グループの使用する主要な原材料並びに重油等のエネルギー原料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作やエタノール需要拡大による穀物価格の上昇などに加えて、これらが投機的取引の対象となることもあり、従来に比べて原燃料価格変動要因が増加してきております。これら原燃料の価格が高騰した場合は製造コストの上昇につながり、この上昇が新技術導入や各種活動等によるコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業活動に関するリスク1.製品市況の変動の影響 当社グループがライフサポート事業において取り扱っている飼料用アミノ酸は、穀物市況と飼料用アミノ酸の需給動向によって販売価格が変動する傾向があります。当社グループでは、複数の種類のアミノ酸(リジン、スレオニン及びトリプトファン等)を取り扱うことでリスクの低減・分散を図るとともに、乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材によるスペシャリティ化をはかり、またアミノ酸の発酵生産技術に関するコストダウンを通じて収益性の安定と向上を図ることを目指しておりますが、穀物市況の変動の影響及び飼料用アミノ酸の需給動向によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。2.食の安全性に影響を与える事項 当社グループは、独自の厳しい品質保証システムを一層強化するとともに、グループ横断の品質監査の実施、トレーサビリティシステム(商品の生産、加工、流通等の各段階における情報を追跡するためのシステム)の構築に注力する等、全事業の存立基盤となる「安心と安全」を確保するため、万全の体制で臨んでおります。 とりわけ、昨今日本で発生した食の安全に関する事件を受けて、労働・人権課題を含む良好な組織風土を要として、製造設備などのハード面と、品質基準やガイドラインなどのソフト面の見直しや強化により、サプライチェーン全体の、リスクの極小化、グループの食の安全体制の一層の強化を図っております。 その一方で、社会全般にわたる新たな品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.情報の漏洩等の影響 当社グループは、通信販売や販促キャンペーン等により多くのお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「味の素グループ情報セキュリティポリシー」を定め、「情報取扱ガイドブック」の社内配布や研修等を実施することにより、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピューターウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4.資金の調達 金融市場の混乱又は停止、信用格付機関による当社格付けの引下げ、金融機関等の融資判断及び方針の変更が、当社グループの資金調達に影響を与えるとともに、資金調達コストを増加させ、流動性の悪化、すなわち資金を必要なときに必要な額を調達できない可能性があります。 5.得意先の経営破綻 当社グループは、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力しておりますが、今後海外を含め予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用 当社グループの事業運営は、各国及び各職種において高度な専門性を有した人材が担っており、将来の成長を達成するため、その様な人材の獲得・育成が欠かせません。次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいりますが、人材の獲得競争が激しいなか、高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用が出来ない可能性があります。 (3)法的規制及び訴訟等1.法的規制等の影響 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますので、国内外において、食品衛生、薬事、知的財産、環境・リサイクル、事業・投資の許認可、輸出入、外国為替管理、及び種々の税金にかかわる法の規制等の適用を受けております。このような中、当社グループとしては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しております。しかしながら、将来において、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、また法解釈の多様性によるリスクに晒される可能性もあります。これらの法的規制等に係る適用を受けた場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 2.訴訟等の影響 当社グループは、日本国内外で訴訟等の事件に関わっております。また、多くの国で多岐にわたる事業を展開している関係から、新たに不測の訴訟や請求等を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合は、当社グループの業績及び評判が悪影響を受ける可能性があります。 3.租税制度に関する影響 新たな租税制度の導入又は改廃によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。味の素グループは味の素グループ行動規範及び味の素グローバル・タックス・ポリシーに基づき、世界各国で適用される税法を遵守し事業活動を行っておりますが、特に日本国外における頻繁な租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。 4.環境法令等 当社グループは、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、アスベストなどの有害物質、廃棄物、及び土壌又は地下水の汚染などに関する様々な環境法令等の適用を受けております。この様な環境法令等は、現在の当社グループの事業活動だけでなく、過去の事業活動や企業買収などで他社から引き継いだ事業の過去の活動にも適用される可能性があります。さらに、サプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。そこで「CSR調達ガイドライン」を策定し、サプライチェーン全体で環境や人権に配慮した調達を実践してまいります。当社グループでは、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを国内外グループ各サイトで適用しており、国や地域に応じた環境法令等への対応や、環境トラブルの防止を図るとともに、環境改善の取り組みを進めております。このマネジメントシステムの下、法改正の動向を注視するとともに、当社グループは、当社グループとサプライチェーン全体にわたって法令等を確実に遵守する体制を強化しておりますが、将来の環境法令等の遵守や環境改善取組みの強化などにより、環境に関連する費用負担が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (4)その他のリスク1.減損会計適用の影響 当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形固定資産・無形資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.繰延税金資産等 当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測及び仮定に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産の計上額が修正され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
FY2016|4,458 文字
4【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営環境に関するリスク1.為替変動の影響 当社グループは、グローバルな生産供給体制の確立と強化を図っており、日本を含め全世界で27の国・地域に拠点を持ち、そのうち22の国・地域の119工場で生産活動を展開し、海外の比重が高くなっています。 前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本以外の地域(アジア、米州及び欧州)での外部顧客に対する売上高は5,462億円及び6,293億円(連結売上高に占める割合は54.3%及び53.1%)、営業利益は448億円及び526億円(連結営業利益に占める割合は60.2%及び57.8%)でありました。連結財務諸表は、海外グループ会社の現地通貨建て財務諸表を円に換算することにより、換算為替レートの変動を受けます。また、当社グループでは、外貨建て取引に伴う債権及び債務につき、為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、その業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。 2.天変地異等の影響 当社グループは、日本国内での事業展開はもとより、海外市場の開拓を積極的に進めております。これらの事業展開地域においては、次のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ① 気候変動等に伴う水資源の不足による生産量減少等 ② 地震、台風・ハリケーン・サイクロン、洪水等の天変地異の発生 ③ 大規模停電等による中断事象の発生 ④ 感染性疾病の流行等による社会的混乱 3.予期しない不利な経済的又は政治的要因の発生 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、海外ではテロ又は紛争等による政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違並びに商習慣に関する障害、投資、海外送金、輸出入、外国為替などの規制の変更、さらには接収など様々な経済的、政治的若しくは法的な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 4.原燃料価格変動の影響 当社グループの使用する主要な原材料並びに重油等のエネルギー原料には、その価格が市場の状況により変動するものがあります。地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作やエタノール需要拡大による穀物価格の上昇などに加えて、これらが投機的取引の対象となることもあり、従来に比べて原燃料価格変動要因が増加してきております。これら原燃料の価格が高騰した場合には製造コストの上昇につながり、この上昇が新技術導入や各種活動等によるコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業活動に関するリスク1.製品市況の変動の影響 当社グループがライフサポート事業において取り扱っている飼料用アミノ酸は、穀物市況と飼料用アミノ酸の需給動向によって販売価格が変動する傾向があります。当社グループでは、複数の種類のアミノ酸(リジン、スレオニン及びトリプトファン等)を取り扱うことでリスクの低減・分散を図るとともに、乳牛用リジン製剤「AjiPro®―L」等の高付加価値素材による「スペシャリティ」化をはかり、またアミノ酸の発酵生産技術に関するコストダウンを通じて収益性の安定と向上を図ることを目指していますが、穀物市況の変動の影響及び飼料用アミノ酸の需給動向によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。2.食の安全性に影響を与える事項 当社グループは、独自の厳しい品質保証システムを一層強化するとともに、グループ横断の品質監査の実施、トレーサビリティシステム(商品の生産、加工、流通等の各段階における情報を追跡するためのシステム)の構築に注力する等、全事業の存立基盤となる「安心と安全」を確保するため、万全の体制で臨んでおります。 とりわけ、昨今日本で発生した食の安全に関する事件を受けて、労働・人権課題を含む良好な組織風土を要として、製造設備などのハード面と、品質基準やガイドラインなどのソフト面の見直しや強化により、サプライチェーン全体の、リスクの極小化、グループの食の安全体制の一層の強化を図っております。 その一方で、社会全般にわたる新たな品質問題等、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.情報の漏洩等の影響 当社グループは、通信販売や販促キャンペーン等により多くのお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの個人情報を含む重要な情報の漏洩等を防ぐために、「味の素グループ情報セキュリティポリシー」を定め、「情報取扱ガイドブック」の社内配布や研修等を実施することにより、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、現在予期し得ない不正アクセス等により情報が漏洩、改ざんされるリスクがあります。また、コンピューターウイルスの感染等によって情報システムが一定期間使用できないリスクも考えられます。このような事態が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 4.資金の調達 金融市場の混乱又は停止、信用格付機関による当社格付けの引下げ、金融機関等の融資判断及び方針の変更が、当社グループの資金調達に影響を与えるとともに、資金調達コストを増加させ、流動性の悪化、すなわち資金を必要なときに必要な額を調達できない可能性があります。 5.得意先の経営破綻 当社グループは、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力しておりますが、今後海外を含め予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 6.高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用 当社グループの事業運営は、各国及び各職種において高度な専門性を有した人材が担っており、将来の成長を達成するため、その様な人材の獲得・育成が欠かせません。次期経営人材の育成を加速するための制度を整備し、海外法人における現地社員の役員への登用、女性のマネージャーへの登用等により多様性を高め、分厚い人材層を造ってまいりますが、人材の獲得競争が激しいなか、高度な専門性を有した人材の獲得及び継続雇用が出来ない可能性があります。 (3)法的規制及び訴訟等1.法的規制等の影響 当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますので、国内外において、食品衛生、薬事、知的財産、環境・リサイクル、事業・投資の許認可、輸出入、外国為替管理、及び種々の税金にかかわる法の規制等の適用を受けています。このような中、当社グループとしては、法的手続きによる権利の保全にも万全を期しております。しかしながら、将来において、現在予期し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、また法解釈の多様性によるリスクにさらされる可能性もあります。これらの法的規制等に係る適用を受けた場合、当社グループの事業活動が制限される可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 2.訴訟等の影響 当社グループは、日本国内外で訴訟等の事件に関わっています。また、多くの国で多岐にわたる事業を展開している関係から、新たに不測の訴訟や請求等を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合には、当社グループの業績及び評判が悪影響を受ける可能性があります。 3.租税制度に関する影響 新たな租税制度の導入又は改廃によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは味の素グループ行動規範及び味の素グローバル・タックス・ポリシーに基づき、世界各国で適用される税法を遵守し事業活動を行っていますが、特に日本国外における頻繁な租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。 4.環境法令等 当社グループは、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、アスベストなどの有害物質、廃棄物、及び土壌又は地下水の汚染などに関する様々な環境法令等の適用を受けています。この様な環境法令等は、現在の当社グループの事業活動だけでなく、過去の事業活動や企業買収などで他社から引き継いだ事業の過去の活動にも適用される可能性があります。さらに、サプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。そこで「CSR調達ガイドライン」を策定し、サプライチェーン全体で環境や人権に配慮した調達を実践して参ります。当社グループでは、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを国内外グループ各サイトで適用しており、国や地域に応じた環境法令等への対応や、環境トラブルの防止を図るとともに、環境改善の取り組みを進めています。このマネジメントシステムのもと、法改正の動向を注視するとともに、当社グループは、当社グループとサプライチェーン全体にわたって法令等を確実に遵守する体制を強化しておりますが、将来の環境法令等の遵守や環境改善取組みの強化などにより、環境に関連する費用負担が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (4)その他のリスク1.減損会計適用の影響 当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 2.繰延税金資産等 当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測及び仮定に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。