アスクル(2678)に経済的な堀はあるか
株価
主要指標
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株価推移
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10年財務トレンド
| 年度 | 売上(億) | 営業利益(億) | 純利益(億) | FCF(億) | ROE(%) | EPS(円) | 配当(円) | 自己資本比率(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2016 | 3,150 | 85 | 53 | 22 | 10.3 | 100.5 | 33.0 | 36.6 |
| FY2017 | 3,359 | 89 | 10 | 110 | 2.2 | 19.8 | 36.0 | 29.6 |
| FY2018 | 3,604 | 42 | 47 | 86 | 9.5 | 92.2 | 36.0 | 28.3 |
| FY2019 | 3,875 | 45 | 4 | 3 | 0.9 | 8.5 | 36.0 | 28.6 |
| FY2020 | 4,004 | 88 | 57 | 106 | 10.7 | 110.8 | 38.0 | 30.1 |
| FY2021 | 4,222 | 139 | 78 | 69 | 13.1 | 75.8 | 49.0 | 30.9 |
| FY2022 | 4,285 | 143 | 92 | 72 | 16.1 | 90.8 | 31.0 | 30.2 |
| FY2023 | 4,467 | 146 | 98 | -28 | 14.6 | 100.4 | 34.0 | 28.2 |
| FY2024 | 4,717 | 170 | 191 | 54 | 23.5 | 196.5 | 36.0 | 32.2 |
| FY2025 | 4,811 | 140 | 91 | -37 | 11.2 | 95.5 | 38.0 | 34.2 |
バフェット流モート診断
総合スコア:9/25 主要モート:スイッチング・コスト 持続性:判定中
「アスクル」ブランドはBtoB領域で一定の認知度を持つが、特許や独占的IPは限定的。個人向けEC「LOHACO」はPayPayとの連携強化でブランド価値向上を目指すが、競合他社も同様の戦略をとるため、無形資産による明確な優位性はまだ確立されていない。
BtoB事業では、オフィス用品の定期購入や消耗品調達において、アスクルのプラットフォームに慣れた顧客は、価格以外の要因(品揃え、配送スピード、利便性)から他社への乗り換えに抵抗を感じやすい。特に、請求書払いなどの決済システムは乗り換えコストとなる。
アスクルのビジネスモデルは、プラットフォーム上のユーザー増加が直接的なサービス価値向上に繋がるネットワーク効果を生まない。顧客は個別の取引を行うのみであり、他の顧客の利用状況が自身の利用体験に影響を与える構造ではない。
物流網の効率化やPB商品の開発によりコスト削減努力は行われているが、EC業界全体で価格競争が激しく、他社も同様の効率化を進めているため、構造的なコスト優位性は限定的。特に個人向けECでは、送料負担が収益性を圧迫する要因となりうる。
BtoB向けオフィス用品通販市場においては、一定のシェアを確保しており、規模の経済が働きやすい。物流網の整備や品揃えの拡充は、規模が大きいほど効率化が進み、競合に対する優位性を維持する一因となっている。
競合との比較優位
強気シナリオ
BtoB事業における顧客基盤の維持・拡大
LOHACO事業の収益性改善とPayPay連携によるシナジー効果
物流効率化によるコスト競争力の維持・向上
弱気シナリオ(モート侵食)
大手競合他社(Amazon Business等)の攻勢によるシェア低下
個人向けEC(LOHACO)における継続的な赤字と収益化の遅延
物流コストの上昇や人件費増加による採算悪化
反転思考(マンガー流:どうすればこの会社は壊れるか)
アスクルの投資が失敗するには、まずBtoB事業におけるスイッチング・コストの優位性が崩壊する必要がある。これは、競合他社がより低価格で同等以上の利便性、品揃え、配送スピードを提供するようになり、顧客が乗り換えのメリットを強く感じるようになる場合に起こりうる。さらに、個人向けEC事業であるLOHACOが、PayPayとの連携強化にもかかわらず、慢性的な赤字から脱却できず、事業継続が困難になるほどの財務負担となるシナリオも考えられる。また、物流網の維持・拡大に必要な巨額の設備投資が、期待されるリターンを生み出せず、財務体質を悪化させる可能性も否定できない。これらの要因が複合的に作用し、アスクルの競争優位性が根底から覆されることが、投資の失敗に繋がる。
5年後のモート予測
BtoB事業の安定成長とLOHACOの収益改善が進み、PayPayとの連携がシナジーを生み出す。物流効率化も進み、緩やかながらも持続的な成長軌道に乗る。
BtoB事業は堅調に推移するものの、LOHACOの収益化には時間がかかる。価格競争の激化により、利益率は伸び悩む可能性が高い。
競合の攻勢や物流コスト増により、BtoB事業の成長が鈍化。LOHACOは赤字が継続し、事業全体の収益性を大きく圧迫する。
グレアム防衛的投資家 7基準
| 1. 適切な企業規模 | 時価総額 1,172億 | |
| 2. 健全な財務 | 自己資本比率 34.2% | |
| 3. 利益の安定性 | 10年連続黒字 | |
| 4. 配当の継続性 | 11年連続配当 | |
| 5. 利益成長 | EPS 3年成長 1.7% | |
| 6. 適度なPER | PER 12.9倍 | |
| 7. 適度なPBR | PBR 1.48倍 |
合格数:5/7 防衛的投資家候補水準