有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|13,465 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは、経営会議の諮問機関として、社長執行役員を委員長とし、執行役員などをメンバーとする「経営リスク委員会」を設置しております。同委員会は、全社のリスクマネジメントを統括し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営リスク)の特定やそのリスクの低減に向けた取組み、顕在化したリスクに対する対応策など、リスクマネジメントに関する重要事項を審議しております。また、監査役(社外を含む)も出席し、必要に応じて助言等を行っております。経営リスク委員会で審議された内容は、その都度経営会議および取締役会に報告され、取締役会では、その報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しております。経営リスク委員会は、その傘下に「リスクマネジメント部会」および「コンプライアンス部会」を置き、両部会を統括管理することで、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを中心とする内部統制システムの運用と維持管理の機能も果たしております。リスクマネジメント部会は、リスクの想定と予防、危機への対応を任務としており、コンプライアンス部会は、リスクマネジメントの重要な要素であるコンプライアンスを司り、従業員意識の向上やコンプライアンス違反への対処などを任務としております。特定した経営リスクには、それぞれリスク管理責任者が設定され、リスク管理責任者のリーダーシップの下、リスク対応計画の策定および具体的な施策に取り組みます。リスク管理責任者には、経営リスク委員会が指名したCxOを含む執行役員が充てられ、社長執行役員であるCEOは経営リスク全体を統括する責任者として位置づけております。当社各部門および子会社は、上記体制の下、自律的にリスク対応策に取り組めるよう、各リスク責任部門や各種委員会・会議等が指導・支援します。経営リスクのうち、人権や気候変動・環境問題などのサステナビリティに関連するリスクについては、サステナビリティ委員会が審議し、リスク対応策を検討、推進しております。 (2) リスクマネジメントプロセス中期経営計画や行動規範を踏まえ、またESG(環境・社会・ガバナンス)に関するリスクにも着目し、毎年度、経営リスクの見直しを行っております。2024年度においては、経営上のリスク認識を把握するべく、執行役員アンケートおよび社内取締役インタビューを実施した上で、当社グループを取り巻く経営環境の変化や社会情勢などを踏まえ、また中長期的な視点での潜在リスクや経営課題なども鑑み、経営リスク委員会で審議し、2025年度の経営リスクを特定しました。また、リスク管理責任者として、CxOを含む執行役員を指名しました。特定した経営リスクについては、リスクを低減・防止する取組み施策が有効に機能しているかを半期に1回、経営リスク委員会がモニタリングしております。さらに、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化し企業価値に重大な影響を及ぼすもの)については、当社社長執行役員CEOを最高責任者とし、リスクマネジメント部会長が陣頭指揮を執る危機管理体制を整備し、迅速・適切な対応を図っております。クライシス鎮静後は、経営リスク委員会の主導の下、発生したクライシスの真因分析を行った上で、是正措置を展開し全社的な再発防止に努めております。 経営リスクリスク管理責任者前期比較① 原材料調達・為替相場等に関するリスク執行役員製油統括部長継続 ② 自然災害・感染症・事故等に関するリスク副社長執行役員CTO継続 ③ 海外展開に関するリスク執行役員事業戦略統括部長継続 ④ 製品の安全、品質、安定供給に関するリスク副社長執行役員CTO継続 ⑤ 物流に関するリスク執行役員SCM統括部長継続 ⑥ 情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク副社長執行役員CTO継続 ⑦ 気候変動・環境に関するリスク副社長執行役員CTO継続 ⑧ 人権に関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO継続 ⑨ 人財確保・労務に関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO変更タイトルを「人財・労務に関するリスク」から「人財確保・労務に関するリスク」に変更⑩ 資金調達に関するリスク執行役員財務統括部長CFO継続 ⑪ のれんや固定資産の減損損失に関するリスク執行役員財務統括部長CFO継続 ⑫ 知的財産に関するリスク副社長執行役員研究開発統括部長CTO継続 ⑬ コンプライアンスに関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO継続 ⑭ グループ経営体制の整備に関するリスク執行役員経営戦略統括部長CSO継続 (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、当社グループが定義する「経営リスク」であります。経営リスクの影響度と発生頻度で評価したリスクマップは以下のとおりであります。なお、このリスクマップは、当社グループにおける状況から独自に評価したものであり、定期的に見直しを図っております。 リスクマップを踏まえ、また他の委員会や会議体における審議事項との重複を避け、経営リスク委員会で重点的に討議するリスクを選定し、リスク対策の実効性を高めております。2024年度は、次の4つの経営リスクについて重点討議を行いました。❷自然災害・感染症・事故等に関するリスク❸海外展開に関するリスク❹製品の安全、品質、安定供給に関するリスク⓮グループ経営体制の整備に関するリスク2025年度においては、上記❷❹について、経営リスク委員会にて重点的に討議します。 経営リスクおよびその影響と対応については、以下のとおりであります。なお、記述内容は、2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在におけるものです。 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加○地政学リスクや各国の規制等による調達不能および調達コスト増加○バイオ燃料その他用途での需要増加による調達コスト増加○気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化などによる原料の安定確保困難 (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子の相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産、バイオ燃料その他向けの新規需要の増加など、需給バランスの変化により大きく変動いたします。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動いたします。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落しますと、オイルコストの上昇につながります。当期において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは依然として高い水準にあり、ドル円為替相場も30年来の円安水準にあるなど、厳しい事業環境は継続しております。加えて、トランプ政権の関税施策による世界的なインフレ懸念や、地政学リスクの高まりからスエズ運河の通航回避の事情もあり、調達コストは増加し、原料や油脂の安定調達にも懸念が生じております。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題など、サステナビリティの問題に積極的に取組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。(対応)当社グループは、海外からの原料や油脂の調達にあたり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組合わせに努めております。値決めについては、商品先物取引を用いた売買と為替予約を用いた一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また、新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っております。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識の下、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程までを事業範囲とした製油パートナーズジャパン株式会社を設立し、その取組みを着実に実行しております。また、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに、持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進しております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《自然災害・感染症・事故等に関するリスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨、火災や爆発などの事故等による従業員等の人的被害、施設・設備等の損壊○感染症の蔓延による操業停止、製品供給の停滞○サプライチェーンの分断や社会インフラの機能停止による事業活動の継続困難 (影響)大規模な地震、台風、集中豪雨などによる災害リスクが年々高まってきており、人的被害、施設・設備等の損壊が生じた際には、安定供給に支障をきたす可能性があります。また、感染症が発生・蔓延した場合には、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞などにより、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外輸入品に関しては、自然災害・感染症の他、国際情勢の変化により、物流の遅延・変更が生じた場合には、供給不安定になり、顧客に対する供給責任へ影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保した上で、お客様への供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、危機管理体制の見直しを行い有事・平時の危機管理体制を強化するとともに、BCPの見直しを通じて、災害に対する対応力強化を図っております。感染症対応については、発生した場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進など、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応をフレキシブルに行える体制を整え、また、委託先や協力先の確保などにより生産・供給体制の複線化などを実施し、今後も安定供給を実現してまいります。海外輸入品に関しては、適正な在庫確保と顧客への連絡・情報共有のスピード化で影響を最小限にする対応を行ってまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現コーポレートガバナンスの強化 《海外展開に関するリスク》○事業展開する地域における不利な影響を及ぼす法律・規制・税制等の変更○紛争・テロなどの発生、政治的・社会的情勢の変動、自然災害の発生○海外子会社におけるガバナンス不全による不正会計や不法行為の発生 (影響)当社グループは、海外事業の拡大を重点目標として取り組んでおります。法規や税制の改正、また紛争・テロなどの地政学リスクや自然災害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。特に昨今は異常気象による自然災害頻発に加え、国家間における緊張の高まりや、保護貿易的な政策転換による経済環境の変化といった、地政学的な要因が事業に及ぼす影響がさらに高まっております。また、海外子会社での不正・不法行為は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響ならびに信用の棄損および企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)リスク課題が発生した場合に迅速に対策が取れるように、事業が関係する海外各国の法規やリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページ、進出しているグループ企業、海外で協業しているパートナー企業などから入手しております。入手したリスク情報をもとに、リスクが顕在化する前の具体的対応ならびにその影響を最小限にするための対応を行っております。海外子会社での不正・不法行為に対しては、内部統制の強化と定期的な監査の実施などによる対応を行っております。(関連するマテリアリティ)食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献コーポレートガバナンスの強化 《製品の安全、品質、安定供給に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反、異物混入などによる自主回収(リコール)の発生、および食品偽装やデータ改ざんの発生○外部委託先における品質、食品安全等に関する法令違反、事業中断、製造の遅延や不良品発生などによる欠品 (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により自主回収(リコール)が発生した場合、異物混入および食品偽装やデータ改ざんが行われた場合、またはお客様への欠品リスクにつながるような製造遅延や不良品が発生した場合は、当社ブランドの信頼失墜に加え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、ISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に商品の開発設計・工業化段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場において食品安全マネジメントシステム(ISO22000またはFSSC22000)の認証を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運用について常に確認しております。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで、従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《物流に関するリスク》○ドライバーや荷役作業員の不足や配送車両を確保できないことによる製品供給の停滞や大幅な配送遅延等、適切な物流コスト管理の未実施による物流破綻○原料・包装資材の入荷遅延や停滞による生産および出荷の停止 (影響)ドライバーや倉庫作業者の不足などの物流危機に対する対応を講じなかった場合や物流業務に関する料金適正化を怠った場合、物流事業者が当社業務から撤退してしまう可能性があります。当社製品の供給停滞や大幅な配送遅延は販売機会の損失につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼします。(対応)当社グループは、サステナブルな物流環境を構築するために、物流事業者とともにドライバーや倉庫作業者の労働環境の改善に努めております。具体的には、配送業務外の附帯作業の改善、納品待機時間の把握と長時間待機の削減、計画的な車両確保が出来るようなリードタイムの確保など物流環境改善や適切な料金設定を販売物流(発荷主)と調達物流(着荷主)の両面で進めております。また、行政方針に沿った活動に取り組んでおり、国内物流問題への対応を目指して2025年4月に施行された「物資の流通の効率化に関する法律」に沿った改善活動を進めながら、2026年に施行される「特定事業者」の役割を全うすべく、社内の取組み体制の構築と社外との連携強化を図っております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染、ランサムウェア等による情報の漏洩・改ざん・消失、ICT(※1)インフラ・生産ラインなどの停止○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、経営成績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは、最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステムの導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフトの導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。2.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。3.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRT(※2)の継続的強化。4.情報漏洩対策を目的とした、個人情報取扱いシステムのセキュリティ対策向上。5.ゼロトラストセキュリティ(※3)基盤への移行推進。また、今後も引き続き拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともにインシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化※1 ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術※2 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題につながる事象が発生した際に対応する組織※3 ゼロトラストセキュリティ:社内外を問わず、すべてのユーザーやデバイス、ネットワークを最初から信用せず、アクセスのたびに厳格な認証や検証を行うことで情報資産を守る、新しいセキュリティの考え方。従来の「社内は安全」という前提を捨て、常に監視・確認を徹底することで、不正アクセスや情報漏洩のリスク低減を図る。 《気候変動・環境に関するリスク》○CO2排出規制強化による生産コスト増加○環境対策の対応不足や環境関連法令違反による企業価値の低下○TNFDの考え方に基づく生物多様性への対応不備による社会的信用の失墜 (影響)当社グループは、各工場でISO14001を取得し、また国や地方自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保などに影響を及ぼす可能性があります。また、近年、自然資本や生物多様性に関する動きも加速しており、それらへの対応や情報開示が不十分とみなされた場合、社会的信用を失い、資金調達などに影響を及ぼす可能性があります。(対応)ESGの取組みは、当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しております。環境負荷を極小化するために、省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。加えて、当社事業が依存し影響を与えている自然資本の状況を適切に把握し、生物多様性の保全、持続可能な資源利用を目指してまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《人権に関するリスク》○サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下○ハラスメントなどの人権侵害 (影響)生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権などの問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっております。これらの社会的課題への取組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)当社グループは、2019年に世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供しているSedex(※4)にA/B会員として入会し、Sedexのプログラムを有効活用することで、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。持続可能な調達の実効性を高めるためにはサプライヤーとの協働が重要と考えております。当社は「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、自社だけでなくサプライヤーに対して順守をお願いするとともに、2022年度よりグローバル・コンパクト・ ネットワーク・ジャパンが作成した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」(GCNJ共通 SAQ)を用いて、原料・資材のサプライヤーへ調査を実施し、サステナビリティへの取組み状況を確認しております。さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂であり、当社グループの事業活動を支える重要な原材料の1つであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」に基づき、原産国の環境保全に配慮し人権を尊重するとともに、食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現いたします。2024年度は人権デューデリジェンスにおける人権リスク評価・特定の1つとして、従業員への人権に関わる実態調査を実施し、 グループ会社を含めた教育や人権週間の周知、性的指向・ 性自認(LGBTQ+)等に基づく差別待遇や嫌がらせ(ハラスメント)排除に向けた研修会を実施いたしました。2025年度は人権を含めた当社サステナビリティ関連方針・基準の順守状況確認(SAQ、対話などによるコミュニケーション強化)の継続と、外部ステークホルダーに向けた苦情処理メカニズムの構築に向けて取組みを進めてまいります。また、人権をはじめとする社会課題の解決に向けて、当事者意識の醸成に努めております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現多様性の尊重と従業員の働きがい向上※4 Sedex:グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームであります。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでおります。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を保有しております。 《人財確保・労務に関するリスク》○労働人口減少等における継続的な採用や育成が計画通りに進まないことによる、高度な専門性を持つ人財、多様な価値観を持つ人財および次世代を担う人財の不足○労働災害、労働関連法令違反や労務トラブル等による企業価値の失墜、損害賠償請求など (影響)日本全体の社会情勢の変化により、雇用環境や必要となる専門性、人々の労働に対する価値観などが大きく変わりつつある中、当社の成長の原動力となる、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の確保、育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は労働安全を重要な課題と位置づけ、当社グループで働く従業員の安全と健康に配慮し、事故の予防に努めております。しかし、労働災害が発生した場合には、当社グループの経営成績や評判に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、人的資本経営として、多様な人財の挑戦と成長を促す職場環境を実現し、「サステナブルに強い個が創出されること」および「強い個がエンゲージメント高くチームとして活躍すること」を目指しております。多様な人財にとって働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組んでおります。高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の更なる推進、働き方の見直しや健康経営をさらに推進しております。当社では、毎年、労働安全衛生目標を掲げ、当社グループで働く従業員の安全と健康を確保し、労働災害の発生を防止するための取組みを進めております。例えば、安全衛生教育の実施や安全衛生管理体制の整備、労働環境の改善、さらには事故発生時の迅速な対応などに取り組んでおります。(関連するマテリアリティ)多様性の尊重と従業員の働きがい向上 《資金調達に関するリスク》○市中金利の上昇による金利負担の増加○金融市場の混乱による資金調達難○格付が低下した場合における資金調達難 (影響)当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化などによる資金調達を行っております。市場金利が上昇した場合、または金融市場の混乱による取引金融機関の融資方針が変更された場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これにより、格付会社による当社グループの信用格付が大幅に低下した場合には、資金調達に制約が課される可能性があります。(対応)資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要も踏まえ、財務健全性に配慮した資金調達を行うこととし、資金需要の性質、金融市場環境、長短バランス、資金調達コスト、調達先の分散などを総合的に検討し、資金調達手法を選択しております。金利上昇リスクに対しては、社債や長期借入による固定金利での資金調達を併用することで、金利変動リスクの低減を図っております。格付低下リスクに対しては、定期的に自己資本比率やD/Eレシオなど格付け機関が重視する指標をモニタリングするとともに適正水準の維持に努め、さらにキャッシュフロー創出力の向上、運転資本管理や政策保有株式縮減などによる資産圧縮を徹底し、資本効率の改善を目指しております。また、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等の業績不振、事業計画の大幅未達○固定資産の公正価値の下落 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けた定期的なモニタリングと評価、マクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュフローの見積りの実施などにより、減損処理の適否を判断しております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《知的財産に関するリスク》○競合他社による同様の技術開発に対し当社の知的財産の権利化が不十分なこと、あるいは競合他社により自社の知的財産を侵害されることによる競争優位性の喪失○第三者の知的財産権の侵害による販売の差し止めや損害賠償請求など (影響)知的財産の権利化が不十分なこと、あるいは発明を権利化した技術を他者に模倣・侵害されることにより、競争優位性が失われ、開発投資を充分に回収できなくなる可能性があります。この競争力の低下により、次への開発投資ができなくなることで、お客様に価値の高い製品の提供が難しくなる可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害は、お客様への製品提供の継続が困難になるだけでなく、当社ブランドの信頼失墜につながる恐れがあります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)知財部門からの開発や生産部門等の定期的な会議への参加や、相互連携による発明等の早期発掘により迅速に知的財産の権利化を実施するとともに、自社知的財産の保護に努め、侵害が疑われる際には適切な対処をしてまいります。また、製品化の際には、第三者の知的財産権の侵害調査を実施し、侵害による差し止めなどを未然に防ぐ仕組みを構築しております。さらに、知的財産の権利化の重要性や第三者の知的財産権の侵害リスクの認識を向上するために、継続的な研修を実施してまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法などの様々な法的規制の下で事業展開しております。法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、法規制および社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、有効性の見直しを定期的に行うとともに、継続的な啓発と全社員を対象とした研修やeラーニングなどを実施することで周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為などの発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《グループ経営体制の整備に関するリスク》○グループガバナンスやグループ内における内部統制に重大な不備や弱点が認められた場合の改善に要する追加コストの発生○グループ戦略の立案や見直しが適切に行われないことによるシナジー効果の希薄化 (影響)当社は、国内外に子会社、関連会社を有しております。当社グループとしての企業価値の向上と業務の適正を確保する体制を整備しておりますが、グループ会社の統治が十分に機能せず、発生したインシデントの対応の遅れなどが生じた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業環境の変化に対してグループ戦略の策定・推進が適切に行われない場合には、グループ経営の効率化や競争力が低下する可能性があります。(対応)当社グループは、中期経営計画の策定と推進を通じて、グループ経営によるシナジー創出を推進し、企業価値向上に努めております。また、グループ会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、グループ会社の内部統制の有効性を確保するため、「関係会社運営規程」において、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしております。さらに、グループ会社トップミーティングや役員向けのガバナンス研修会の開催、グループ横断的支援体制の推進により、グループガバナンスの強化に努めております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報にもとづき、当社グループが判断したものであります。
FY2024|12,716 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは、当社代表取締役社長執行役員を委員長とし、取締役、執行役員などをメンバーとする「経営リスク委員会」を設置しております。同委員会は、全社のリスクマネジメントを統括し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営リスク)の特定やそのリスクの低減に向けた取り組み、顕在化したリスクに対する対応策など、リスクマネジメントに関する重要事項を審議しております。また、監査役(社外を含む)も出席し、必要に応じて助言等を行っています。経営リスク委員会で審議された内容は、その都度経営会議および取締役会に報告され、取締役会では、その報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しております。経営リスク委員会は、その傘下に「リスクマネジメント部会」および「コンプライアンス部会」を置き、両部会を統括管理することで、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを中心とする内部統制システムの運用と維持管理の機能も果たしております。リスクマネジメント部会は、リスクの想定と予防、危機への対応を任務としており、コンプライアンス部会は、リスクマネジメントの重要な要素であるコンプライアンスを司り、従業員意識の向上やコンプライアンス違反への対処などを任務としております。特定した経営リスクには、それぞれリスク管理責任者が設定され、リスク管理責任者のリーダーシップの下、リスク対応計画の策定および具体的な施策に取り組みます。リスク管理責任者には、経営リスク委員会が指名したCxOが充てられ、代表取締役社長執行役員であるCEOは経営リスク全体を統括する責任者として位置づけています。当社各部門および子会社は、上記体制の下、自律的にリスク対応策に取り組めるよう、各リスク責任部門や各種委員会・会議等が指導・支援します。経営リスクのうち、人権や気候変動・環境問題などのサステナビリティに関連するリスクについては、サステナビリティ委員会が審議し、リスク対応策を検討、推進しております。 (2) リスクマネジメントプロセス当社では、中期経営計画や行動規範を踏まえ、またESG(環境・社会・ガバナンス)に関するリスクにも着目し、毎年度、経営リスクの見直しを行っております。当期においては、従前の当社各部門および各子会社が洗い出した重要なリスクをもとに経営リスクを特定するボトムアップアプローチを見直し、執行役員アンケートおよび社内取締役インタビューを実施し、経営上のリスク認識を反映させるとともに、経営陣の経営リスク特定プロセスへの関与を強めるトップダウンアプローチへの転換を図りました。当社グループを取り巻く経営環境の変化や社会情勢などを踏まえ、また中長期的な視点での潜在リスクや経営課題なども鑑み、経営リスク委員会で審議し、経営リスクを特定し、またリスク管理責任者(CxO)を指名しました。特定した経営リスクについては、リスクを低減・防止する取り組み施策が有効に機能しているかを半期に1回、経営リスク委員会がモニタリングしております。さらに、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化し企業価値に重大な影響を及ぼすもの)については、当社代表取締役社長執行役員CEOを最高責任者とし、リスクマネジメント部会長が陣頭指揮を執る危機管理体制を整備し、迅速・適切な対応を図っております。クライシス鎮静後は、経営リスク委員会の主導の下、発生したクライシスの真因分析を行った上で、是正措置を展開し全社的な再発防止に努めております。 経営リスクリスク管理責任者前期比較① 原材料調達・為替相場等に関するリスクCOO継続 ② 自然災害・感染症・事故等に関するリスクCTO変更従前の「自然災害・感染症に関するリスク」に火災や爆発などの「事故等」を追加し再編③ 海外展開に関するリスクCOO変更従前の「海外進出に潜在するリスク」を経営課題である「海外展開の加速」に合わせてタイトル変更④ 製品の安全、品質、安定供給に関するリスクCHRO変更異物混入などの品質事故のほか、外部委託先における法令違反や事業中断などに起因する製品の供給途絶にも着目し、従前の「食品安全に関するリスク」を再編⑤ 物流に関するリスクCOO継続 ⑥ 情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスクCTO継続 ⑦ 気候変動・環境に関するリスクCTO継続 ⑧ 人権に関するリスクCHRO継続 ⑨ 人財・労務に関するリスクCHRO継続 ⑩ 資金調達に関するリスクCFO継続 ⑪ のれんや固定資産の減損損失に関するリスクCFO継続 ⑫ 知的財産に関するリスクCTO継続 ⑬ コンプライアンスに関するリスクCHRO継続 ⑭ グループ経営体制の整備に関するリスクCSO新規財務報告に係る内部統制を含めたグループ統制の不備やガバナンスが十分に機能しない場合、当社グループの評価に大きな影響を与える可能性があることから、新たに特定当社製品の需要低下に対するリスク-取り下げ前期まで経営リスクとしていたが、経営課題として、通常の事業活動において取り組みを進めることとし、取り下げ (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、当社グループが定義する「経営リスク」であります。各経営リスクの影響度と発生頻度で評価したリスクマップは以下のとおりであります。 経営リスクおよびその影響と対応については、以下のとおりであります。 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加○地政学リスクや各国の規制等による調達不能および調達コスト増加○バイオ燃料需要増加による調達コスト増加○気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化などによる原料の安定確保困難 (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子の相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産など、需給バランスの変化などにより大きく変動いたします。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動いたします。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落しますと、オイルコストの上昇につながります。当期において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは依然として高い水準にあり、ドル円為替相場も30年来の円安水準にあるなど、厳しい事業環境は継続しております。加えて、地政学リスクの高まりからスエズ運河の通航回避、異常気象によるパナマ運河の通航制限などの事情もあり、調達コストは増加しており、原料や油脂の安定調達にも懸念が生じております。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題など、サステナビリティの問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。(対応)当社グループは、海外からの原料や油脂の調達にあたり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせに努めております。値決めについては、商品先物取引を用いた売買と為替予約を用いた一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また、新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っております。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識の下、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、製品の価格改定の継続的な取り組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに、持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進しております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《自然災害・感染症・事故等に関するリスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨、火災や爆発などの事故等による従業員等の人的被害、施設・設備等の損壊○新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止、製品供給の停滞○サプライチェーンの分断や社会インフラの機能停止による事業活動の継続困難 (影響)大規模な地震、台風、集中豪雨などによる災害リスクが年々高まってきており、人的被害、施設・設備等の損壊が生じた際には、安定供給に支障をきたす可能性があります。2020年より顕在化した新型コロナウイルス感染拡大の影響は、一定数の自然感染、さらには多くの人がワクチン接種をしたことなどによる免疫獲得もあり、ほぼ収束した状況となりました。しかしながら、今後も病原性の高い新たな変異株や、別の感染症が拡大した場合には、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞などにより、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害・感染症・国際情勢の変化においても、海外輸入品に関しては物流の遅延・変更による供給不安定により、顧客に対する供給責任へ影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保した上で、お客様への供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、危機管理体制の見直しを行い有事・平時の危機管理体制を強化するとともに、BCPの見直しを通じて、災害に対する対応力強化を図っております。感染症対応については、発生した場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進など、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応をフレキシブルに行える体制を整え、また、委託先や協力先の確保などにより生産体制の複数化などを実施し、今後も安定供給を実現してまいります。海外輸入品に関しては、適正な在庫確保と顧客への連絡・情報共有のスピード化で影響を最小限にする対応を行ってまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現コーポレートガバナンスの強化 《海外展開に関するリスク》○事業展開する地域における不利な影響を及ぼす法律・規制・税制等の変更○紛争・テロなどの発生、政治的・社会的情勢の変動○海外子会社におけるガバナンス不全による不正会計や不法行為の発生 (影響)当社グループは、海外事業の拡大を重点目標として取り組んでおります。法規や税制の改正、また紛争・テロなどの地政学リスクや自然災害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。海外子会社での不正・不法行為は、当社グループの財政状態及び経営成績への悪影響ならびに信用の棄損および企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)リスク課題が発生しないように、あるいはそれが発生した場合に迅速に対策が取れるように、事業が関係する海外各国の法規やリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページ、進出しているグループ企業、海外で協業しているパートナー企業などから入手しております。その結果、入手したリスク情報をもとに、必要に応じた対応を行っております。海外子会社での不正・不法行為に対しては、内部統制の強化と定期的な監査の実施などによる対応を行っております。(関連するマテリアリティ)食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献コーポレートガバナンスの強化 《製品の安全、品質、安定供給に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反、異物混入などによる、自主回収(リコール)の発生○食品偽装やデータ改ざんの発生○外部委託先における法令違反、事業中断、製造の遅延や不良品発生など (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により自主回収(リコール)が発生した場合、異物混入および食品偽装やデータ改ざんが行われた場合、またはお客様への欠品リスクに繋がるような製造遅延や不良品が発生した場合は、当社ブランドの信頼失墜に加え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、ISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に商品の開発設計・工業化段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運用について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで、従業員との信頼関係にもとづいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《物流に関するリスク》○ドライバーや荷役作業員の不足や配送車両を確保できないことによる製品供給の停滞や大幅な配送遅延等、適切な物流コスト管理の未実施による物流破綻 (影響)ドライバーや倉庫作業者の不足などの物流危機に対する対応を講じなかった場合や物流業務に関する料金適正化を怠った場合、物流事業者が当社業務から撤退してしまう可能性があります。当社製品の供給停滞や大幅な配送遅延は販売機会の損失に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼします。(対応)当社グループは、サステナブルな物流環境を構築するために、物流事業者とともにドライバーや倉庫作業者の労働環境の改善に努めております。具体的には、配送業務外の附帯作業の改善、納品待機時間の把握と長時間待機の削減、計画的な車両確保が出来るようなリードタイムの確保など物流環境改善や適切な料金設定を販売物流(発荷主)と調達物流(着荷主)の両面で進めております。また、物流2024年問題への対応を加速することを目的として、2023年6月に示された行政ガイドラインを鑑み、2023年12月、当社グループとしての取り組みを「自主行動計画」として取りまとめ管轄官庁である農林水産省に提出(内閣府ホームページ掲載済み)するなど、行政方針に沿った活動に取り組んでおります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染、ランサムウェア等による情報の漏洩・改ざん・消失、ICT(※1)インフラ・生産ラインなどの停止○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、経営成績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは、最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステムの導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフトの導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。2.添付メールによる情報漏洩防御のためのPPAP(※2)対策の導入。3.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。4.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRT(※3)の設置。また、今後も引き続き拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともにインシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 ※1 ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術※2 PPAP:パスワード付きzipによってファイルをメール送信する方式※3 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題に繋がる事象が発生した際に対応する組織 《気候変動・環境に関するリスク》○CO2排出規制強化による生産コスト増加○環境対策の対応不足や環境関連法令違反による企業価値の低下 (影響)当社グループは、各工場でISO14001を取得し、また国や地方自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保などに影響を及ぼす可能性があります。(対応)ESGの取り組みは、当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しております。環境負荷を極小化するために、省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《人権に関するリスク》○サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下○ハラスメントなどの人権侵害 (影響)生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権などの問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっております。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)当社グループは、2019年に世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供しているSedex(※4)にA/B会員として入会し、Sedexのプログラムを有効活用することで、グローバルな視点で「労働基準」、「安全衛生」、「環境」、「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。持続可能な調達の実効性を高めるためにはサプライヤーとの協働が重要です。当社は「サステナブル調達方針・基準」を定め、自社だけでなくサプライヤーに対して順守をお願いするとともに、2022年度よりグローバル・コンパクト・ ネットワーク・ジャパンが作成した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」(GCNJ共通 SAQ)を用いて、原料・資材のサプライヤーへ調査を実施し、サステナビリティへの取り組み状況を確認しております。さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂であり、当社グループの事業活動を支える重要な原材料の1つであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」にもとづき、原産国の環境保全に配慮し人権を尊重するとともに、食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現いたします。また、2023年度には「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン」にもとづき、人権デューデリジェンスでプロセス構築における課題、ステークホルダーを特定し、当社の現状と検討事項を整理しました。今後、課題の緊急度と重要度による優先順位付けを行い、対応策を決定し取り組みを進めてまいります。国内外の当社グループ全従業員に向けては、人権教育を実施しております。人権をはじめとする社会課題の解決に向けて、当社事業活動への落とし込みや従業員が自分ごと化できるよう、当事者意識の醸成に努めております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現多様性の尊重と従業員の働きがい向上 ※4 Sedex:グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームであります。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでおります。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を保有しております。 《人財・労務に関するリスク》○高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の不足○DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の進展不足による企業競争力の低下○労働災害、労働関連法令違反や労務トラブル等による企業価値の失墜、損害賠償請求など (影響)日本全体の社会情勢の変化により、雇用環境や必要となる専門性、人々の労働に対する価値観などが大きく変わりつつある中、当社の成長の原動力となる、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の確保、育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は労働安全を重要な課題と位置づけ、当社グループで働く従業員の安全と健康に配慮し、事故の予防に努めております。しかし、労働災害が発生した場合には、当社グループの経営成績や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、人的資本経営として、多様な人財の挑戦と成長を促す職場環境を実現し、「サステナブルに強い個が創出されること」および「強い個がエンゲージメント高くチームとして活躍すること」を目指しています。多様な人財にとって働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組んでおります。高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンのさらなる推進、働き方の見直しや健康経営をさらに推進しております。当社では、毎年、労働安全衛生目標を掲げ、当社グループで働く従業員の安全と健康を確保し、労働災害の発生を防止するための取り組みを進めております。例えば、安全衛生教育の実施や安全衛生管理体制の整備、労働環境の改善、さらには事故発生時の迅速な対応などに取り組んでおります。(関連するマテリアリティ)多様性の尊重と従業員の働きがい向上 《資金調達に関するリスク》○市中金利の上昇による金利負担の増加○金融市場の混乱による資金調達難 (影響)当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化などによる資金調達を行っております。市場金利が上昇した場合、または金融市場の混乱による取引金融機関の融資方針が変更された場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、格付会社による当社グループの信用格付が大幅に低下した場合には、資金調達に制約が課される可能性があります。(対応)資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要も踏まえ、財務健全性に配慮した資金調達を行うこととし、資金需要の性質、金融市場環境、長短バランス、資金調達コスト、調達先の分散などを総合的に検討し、資金調達手法を選択しております。金利上昇リスクに対しては、社債や長期借入による固定金利での資金調達を併用することで、金利変動リスクの低減を図っております。定期的に自己資本比率やD/Eレシオなどをモニタリングするとともに、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しております。また、運転資本管理、政策保有株式縮減などによる資産圧縮を徹底し、資本効率の改善を目指しております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等の業績不振、事業計画の大幅未達○固定資産の公正価値の下落 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップ、マクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画にもとづく将来キャッシュ・フローの見積りの実施などにより、減損処理の適否を判断しております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《知的財産に関するリスク》○競合他社による同様の技術開発に対し、当社の知的財産の権利化が不十分なことによる競争優位性の喪失○第三者の知的財産権の侵害による販売の差し止めや損害賠償請求など (影響)知的財産の権利化が不十分なことにより、競争優位性が失われ、開発投資を充分に回収できなくなる可能性があります。その結果、次への開発投資ができなくなることにより、お客様に価値の高い製品の提供が難しくなる可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害は、お客様への製品提供の継続が困難になるだけでなく、当社ブランドの信頼失墜につながる恐れがあります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)知財部門からの開発や生産部門等の定期的な会議への参加や、相互連携による発明等の早期発掘により、迅速かつ適切な知的財産の権利化取得を実施しております。また、製品化の際には、第三者の知的財産権の侵害調査を実施し、侵害による差し止めなどを未然に防ぐ仕組みを構築しております。さらに、知的財産の権利化の重要性や第三者の知的財産権の侵害リスクの認識を向上するために、継続的な研修を実施しております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法などの様々な法的規制の下で事業展開しております。法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、法規制および社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な啓発と全社員を対象とした研修やeラーニングなどを実施することで周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為などの発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《グループ経営体制の整備に関するリスク》○グループガバナンスやグループ内における内部統制に重大な不備や弱点が認められた場合の改善に要する追加コストの発生○グループ戦略の立案や見直しが適切に行われないことによるシナジー効果の希薄化 (影響)当社は、国内外に子会社、関連会社を有しております。当社グループとしての企業価値の向上と業務の適正を確保する体制を整備しておりますが、グループ会社の統治が十分に機能せず、発生したインシデントの対応の遅れなどが生じた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業環境の変化に対してグループ戦略の策定・推進が適切に行われない場合には、グループ経営の効率化や競争力が低下する可能性があります。(対応)当社グループは、中期経営計画の策定と推進を通じて、グループとしての企業価値向上に努めております。また、グループ会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、グループ会社の取締役の職務執行の適正を確保するため、「関係会社運営規程」において、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしております。さらに、グループ会社トップミーティングや役員向けのガバナンス研修会の開催、グループ横断的支援体制の推進により、当社グループ間の連携強化に努めております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報にもとづき、当社グループが判断したものであります。
FY2023|11,021 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは、当社代表取締役社長執行役員を委員長とし、取締役、執行役員などをメンバーとする「経営リスク委員会」を設置しております。同委員会は、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営リスク)の特定や全社横断的に取り組むべきリスク低減活動、顕在化したリスクに対する対応策など、リスクマネジメントに関する重要事項を審議しております。また、同委員会は、審議内容について、半年に一回経営会議および取締役会に報告し、取締役会ではその報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しております。経営リスク委員会は、その傘下に「リスクマネジメント部会」および「コンプライアンス部会」を置き、両部会を統括管理することで、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを中心とする内部統制システムの運用と維持管理の機能も果たしております。リスクマネジメント部会は、リスクの想定と予防、危機への対応をミッションとしており、コンプライアンス部会は、リスクマネジメントの重要な要素であるコンプライアンスを司り、従業員意識の向上やコンプライアンス違反への対処などをミッションとしております。また、経営リスクのうち、人権や気候変動・環境問題などのサステナビリティに関連するリスクについては、リスクと機会の両方の機能を有するサステナビリティ委員会との連携の下、同委員会傘下の部会および分科会がリスク対応策を検討、推進しております。 (2) リスクマネジメントプロセス経営リスクの特定にあたっては、経営管理部内部統制グループが事務局となり、毎年度、各部門および各子会社において、自らにとっての重要なリスクの洗い出し・分析・評価を行った上で、リスク対応策を実施しております。経営リスク委員会では、各部門および各子会社が洗い出した重要なリスクを集約し精査した上で、当社グループを取り巻く経営環境や社会情勢等を踏まえ、中長期的な視点での潜在リスクなどにも着目し、経営リスクを特定しております。また、経営リスクごとに、経営リスク委員会が指名したリスク管理責任者(執行役員等)が、全社レベルでリスクを低減・防止する取り組みを推進し、定期的に同委員会が有効に機能しているかをモニタリングしております。また、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化し企業価値に重大な影響を及ぼすもの)については、当社代表取締役社長執行役員を最高責任者とし、リスクマネジメント部会長が陣頭指揮を執る危機管理体制を整備し、迅速・適切な対応を図っております。クライシス鎮静後は、経営リスク委員会の主導の下、発生したクライシスの真因分析を行った上で、是正措置を展開し全社的な再発防止に努めております。 (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、当社グループが定義する「経営リスク」であります。経営リスクおよびその影響と対応については、以下のとおりであります。 経営リスク一覧分類テーマ戦略リスク当社製品の需要低下に対するリスク海外進出に潜在するリスク財務リスク原材料調達・為替相場等に関するリスク資金調達に関するリスクのれんや固定資産の減損損失に関するリスクハザードリスク自然災害・感染症の蔓延リスクオペレーショナルリスク気候変動・環境に関するリスク人権に関するリスク物流に関するリスク情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク食品安全に関するリスク人財・労務に関するリスクコンプライアンスに関するリスク知的財産に関するリスク 《当社製品の需要低下に対するリスク》○関税引き下げによる海外からの安価な製品の流入○少子高齢化の継続による市場縮小に伴う製品需要の減少○油脂やミール製品の価格上昇に伴う需要の減少○顧客の嗜好や社会情勢の変化に適合した製品開発や技術開発の遅れによる競争力の低下○製品の特徴や価値が顧客に適切に伝わらないことによる需要の低迷○需給管理不足による不良在庫の発生 (影響)当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりましたが、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)締結国のカナダと日豪EPA(経済連携協定)による豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、2023年4月より無税となったため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。また、少子高齢化の進行や主原料費の高止まりに伴う需要減とそれをリカバリーする製品・技術・サービス開発が遅れた場合には競争力を低下させるリスクがあります。需給管理に関しては市場環境の急変に応じた販売品種ごとの需給バランス調整の対応の遅延により不良在庫が発生するリスクがあります。(対応)当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、ボリュームの大きい外食・中食市場向けに長持ち油の機能強化と合わせて油の使用状況や劣化状況をデジタルで把握して適正な使用をリコメンドする仕組み(フライエコシステム)の提案を強化することで付加価値提案と競争力強化を行ってまいります。また、調理油・調味油などの高付加価値品の機能強化に加え、スターチ・マーガリン・PBF(プラントベースフード)の組み合わせ提案により、肉・魚・卵といったたんぱく代替や、動物脂の代替需要拡大への対応力を強化することで、競争力を深化してまいります。家庭用市場向けには、クッキングオイルの機能価値強化による付加価値化と容器・容量の最適化提案を行うことで生活者の価値観変化や需要減に対応し、競争力強化を図ってまいります。オリーブオイルやごま油といったシーズニングオイルカテゴリーにおいては、機能価値と健康価値の両面から新たな価値提案を進めることにより競争力の強化に努めてまいります。ブランド、製品のコミュニケーションに関しては、お客様のセグメントに応じた最適なコミュニケーションを実施すべくDX化と並走しながら取り組んでまいります。需給管理不足に伴う欠品や過剰・不良在庫の発生抑制に関しては、全社システムの改修に合わせたシステム対応強化とトータルSCM(サプライチェーンマネジメント)管理の最適化フロー確立に取り組んでおります。 《海外進出に潜在するリスク》○海外進出に潜在する、予期せぬ法律・規制・税制の改正○予期せぬ紛争・テロなどの政治的・社会的リスク○海外子会社におけるガバナンス不全による不正会計や不法行為の発生 (影響)当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。海外子会社での不正・不法行為は、当社グループの財政状態及び経営成績への悪影響並びに信用の棄損および企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)リスク課題が発生しないように、あるいはそれが発生した場合に迅速に対策が取れるように、事業が関係する海外各国の法規やリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手しております。そうして入手したリスク情報を基に、必要に応じた対応を行っております。海外子会社での不正・不法行為に対しては、内部統制の拡充と定期的な監査の実施による対応を行ってまいります。 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加○国際情勢の変化(ウクライナ情勢、インドネシアによるパーム油輸出禁止等)による調達不能および調達コスト増加○バイオ燃料需要増加による調達コストの増加 (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産などの需給バランスの変化等により大きく変動いたします。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動いたします。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落すると、オイルコストの上昇につながります。当期において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは引き続き高止まりしており、ドル円為替相場も円安基調が続いていることから、依然として厳しい事業環境にあります。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題などサステナビリティの問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。(対応)当社グループは海外からの原料や油脂の調達にあたり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせに努めております。値決めについては先物原料相場のプライシングと為替予約等により一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っております。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識の下、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進してまいります。 《資金調達に関するリスク》○市中金利の上昇による金利負担の増加○金融市場の混乱による資金調達難 (影響)当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化等による資金調達を行っております。市場金利が上昇した場合、または金融市場の混乱による取引金融機関の融資方針が変更された場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。これにより、格付会社による当社グループの信用格付が大幅に低下した場合には、資金調達に制約が課される可能性があります。(対応)資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要も踏まえ、財務健全性に配慮した資金調達を行うこととし、資金需要の性質、金融市場環境、長短バランス、資金調達コスト、調達先の分散等を総合的に検討し、資金調達手法を選択しております。金利上昇リスクに対しては、社債や長期借入による固定金利での資金調達を併用することで、金利変動リスクの低減を図っております。定期的に自己資本比率やD/Eレシオ等をモニタリングするとともに、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しております。また、運転資本管理、政策保有株式縮減等による資産圧縮を徹底し、資本効率の改善を目指しております。 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等の業績不振、事業計画の大幅未達○有形固定資産・無形固定資産の公正価値の下落 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップ、マクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りの実施等により、減損処理の適否を判断しております。 《自然災害・感染症の蔓延リスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨などによる従業員等の人的被害、施設・設備等の損壊○新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止、製品供給の停滞○サプライチェーンの分断や社会インフラの機能停止による事業活動の継続困難 (影響)大規模な地震、台風、集中豪雨などによる災害リスクが年々高まってきており、人的被害、施設・設備等の損壊が生じた際には、安定供給に支障をきたす可能性があります。2020年より顕在化した新型コロナウイルス感染拡大の影響は、一定数の自然感染、さらには多くの人がワクチン接種したことなどによる免疫獲得もあり、収束の兆しが見えてきました。しかしながら今後も病原性の高い新たな変異株や、別の感染症が拡大した場合には、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害・感染症のどちらにおいても、海外輸入品に関しては物流の遅延・変更による供給不安定により、顧客に対する供給責任へ影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保した上で、お客様への供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、危機管理体制の見直しを行い有事平時の危機管理体制を強化するとともに、事業継続計画(BCP)の見直しを通じて、災害に対する対応力強化を図っております。感染症対応については、万一の場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進等、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応をフレキシブルに行える体制を整え、また、委託先や協力先の確保などにより生産体制の複数化などを実施し、今後も安定供給を実現してまいります。海外輸入品に関しては適正な在庫確保と顧客への連絡・情報共有のスピード化で影響を最小限にする対応を行ってまいります。 《気候変動・環境に関するリスク》○気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化等による原料の安定確保困難○CO2排出規制強化による生産コスト増加○環境対策の対応不足や環境関連法令違反による企業価値の低下 (影響)当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や地方自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を及ぼす可能性があります。(対応)ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しております。環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。 《人権に関するリスク》○サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下○ハラスメント等の人権侵害 (影響)生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権等の問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっております。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)当社グループは、2019年に世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供しているSedex※にA/B会員として入会し、Sedexのプログラムを有効活用することで、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂で、当社グループの事業活動を支える重要な原材料のひとつであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」に基づき、原産国の環境保全に配慮し、人権を尊重するとともに食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現いたします。 ※Sedexは、グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームであります。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでおります。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を保有しております。 《物流に関するリスク》○ドライバーや荷役作業員の不足や配送車両を確保できないことによる製品供給の停滞や大幅な配送遅延等、適切な物流コスト管理の未実施による物流破綻 (影響)ドライバーや倉庫作業者の不足などの物流危機に対する対応を講じなかった場合や物流業務に関する料金適正化を怠った場合、物流事業者が当社業務から撤退してしまう可能性があります。当社製品の供給停滞や大幅な配送遅延は販売機会の損失に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼします。(対応)当社グループは、サステナブルな物流環境を構築するために、物流事業者とともにドライバーや倉庫作業者の労働環境の改善に努めております。配送業務外の付帯作業の改善、長時間待機の削減への取り組み、計画的な車両確保が出来るよう、リードタイムの延長などの物流環境改善や適切な料金設定を進めております。また様々な法規制の変更や追加に対応するため、行政動向も注視し、適切に対応してまいります。 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報の漏洩・改ざん・消失、ICTインフラ・生産ライン等の停止○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、経営成績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステムの導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフトの導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。2.添付メールによる情報漏洩防御のためのPPAP対策の導入。3.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。4.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRT※の設置。また、今後も引き続き、年々拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともに万一インシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。 ※CSIRT(Computer Security Incident Response Team)とは、コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題に繋がる事象が発生した際に対応する組織を意味します。 《食品安全に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反による、自主回収やリコールの発生○意図的な異物混入および食品偽装やデータ改ざんの発生 (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により、自主回収やリコールが発生した場合、さらには意図的な異物混入および食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜および、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に商品の開発設計・工業化段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運用について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。 《人財・労務に関するリスク》○高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の不足○DE&I(ダイバーシティエクイティ&インクルージョン)の進展不足による企業競争力の低下○労働災害、業務中の事故、労働関連法令や労務トラブル等による企業価値の失墜、損害賠償請求等 (影響)日本全体の社会情勢の変化により、雇用環境や必要となる専門性、人々の労働に対する価値観等が大きく変わりつつある中、当社の成長に必要な、各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財や次世代を担う人財の採用や確保、育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は労働安全を重要な課題と位置づけ、当社で働く従業員の安全と健康に配慮し、事故の予防に努めております。しかし、万一労働災害が発生した場合には、当社グループの経営成績や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはESG経営やSDGsの推進を通じて企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組んでおります。高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのダイバーシティの更なる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。また、当社では毎年労働安全衛生目標を掲げ、当社グループで働く従業員の安全と健康を確保し、労働災害の発生を防止するための取り組みを進めております。例えば、安全衛生教育の実施や安全衛生管理体制の整備、労働環境の改善、さらには事故発生時の迅速な対応などに取り組んでおります。 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げております。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは法規制および社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な啓発と全社員を対象とした研修やeラーニングなどを実施することで周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。 《知的財産に関するリスク》○競合他社による同様の技術開発に対し、当社の知的財産の権利化が不十分なことによる競争優位性の喪失○第三者の知的財産権の侵害による販売の差し止めや損害賠償請求等 (影響)知的財産の権利化が不十分なことにより、競争優位性が失われ、開発投資を充分に回収できなくなる可能性があります。その結果、次への開発投資ができなくなることにより、お客様に価値の高い製品の提供が難しくなる可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害は、お客様への製品提供の継続が困難になるだけでなく、当社ブランドの信頼失墜につながる恐れがあります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)知財部門からの開発や生産部門等の定期的な会議への参加や、相互連携による発明等の早期発掘により、迅速かつ適切な知的財産の権利化取得を実施しております。また、製品化の際には、第三者の知的財産権の侵害調査を実施し、侵害による差し止め等を未然に防ぐ仕組みを構築しております。さらに、知的財産の権利化の重要性や第三者の知的財産権の侵害リスクの認識を向上するために、継続的な研修を実施しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
FY2022|7,875 文字
2 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、リスクマネジメントの基本方針及び管理体制を「経営リスク委員会規程」において定め、これに基づき、代表取締役社長執行役員を委員長とする経営リスク委員会の指揮監督の下、当社を取り巻くリスクを適切に管理し、防止と回避に努めております。 (2) リスクマネジメントプロセス当社グループの事業活動に関する事業等のリスクについては、執行役員の職務分掌に基づいて各執行役員がリスクの特定・分析・評価からリスク対応、モニタリングを実施し、経営リスク委員会およびその傘下であるリスクマネジメント部会・コンプライアンス部会が支援をしております。また、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化したもの)については経営リスク委員会に情報を集約し、迅速な対応を図るとともに是正措置を展開し全社的な再発防止を行う体制を整えております。 (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応分類テーマ戦略リスク油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク海外進出に潜在するリスク財務リスク原材料調達・為替相場等に関するリスクのれんや固定資産の減損損失に関するリスクハザードリスク感染症の蔓延リスク自然災害に関するリスクオペレーショナルリスク環境に関するリスク人権に関するリスクサステナブル課題に関するリスク情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク食品安全に関するリスク人的資本の確保・育成に関するリスクコンプライアンスに関するリスク 《油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク》○関税引き下げによる海外からの安価な製品の流入○少子高齢化の継続による市場縮小に伴う製品需要の減少○油脂やミール製品の価格上昇に伴う需要の減少 (影響)当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりますが、TPP協定締結国のカナダと日豪EPAによる豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、段階的に引き下げられており、海外からの安価な原油・油脂製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内での製造と販売量が減少するリスクがあります。(対応)当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、成長している中食やコンビニエンスストア向けの長持ち油や調味・調理機能油などの高付加価値品の開発や、従来から持っている素材であるスターチ、マーガリン、粉末油脂等の組み合わせによる食感改良など、当社独自の提案をさらに進めてまいります。また、業務提携などを通じて、国際競争力を高めてまいります。 《海外進出に潜在するリスク》○海外進出に潜在する、予期せぬ法律・規制・税制の改正○予期せぬ紛争・テロなどの政治的・社会的リスク (影響)当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績及び財政状態、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはこの影響を最小限に抑え、問題が発生した場合には迅速に対策が取れるよう、海外のリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手し、必要な対応を行ってまいります。 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加○地政学リスク(ウクライナ情勢等)による調達不能リスク、および調達コスト増加○バイオ燃料需要増加による調達コストの増加○政策変更リスク(インドネシアによるパーム油輸出禁止)による調達コストの増加〇上記調達コスト増加を販売価格へ反映できないリスク (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産などの需給バランスの変化等により大きく変動しています。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動します。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落すると、オイルコストの上昇につながります。提出日時点において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは過去に類をみない急激かつ大幅な上昇により事業環境は厳しさを増しております。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題などサステナビリティの問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。 (対応)当社グループは海外からの原料や油脂の調達に当たり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせに努めています。値決めについては先物原料相場のプライシングと為替予約等により一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っています。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識のもと、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、提出日時点において、原料相場高騰の影響を大きく受けておりますが、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進していきます。 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等事業計画未達○公正価値の下落○金利の急激な上昇 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りを実施すること等により、減損処理の適否を判断しております。 《感染症の蔓延リスク》○新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止○サプライチェーンの停滞〇外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による需要の減退 (影響)2020年より顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による当社製品の需要減退により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保したうえで、お客さまへの供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。代表取締役社長執行役員を本部長とする感染症対策本部を設置し、衛生管理の徹底や時差出勤等の実施により社内の感染拡大を防止するとともに、万一の場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進等、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応を行っております。また、委託先や協力先の確保などにより生産体制の複数化などを実施し、安定供給を実現してまいります。また、需要減退リスクに対しては、生産体制をフレキシブルに対応するなどの需要減退への対応を行ってまいります。 《自然災害に関するリスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨などによる操業停止○サプライチェーンの停滞 (影響)大規模な地震・台風等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、大規模地震を想定して策定していた事業継続計画(BCP)の見直しを行い、大規模地震以外の災害に対する対応力についても範囲を広げさらなる向上を図り、業務提携などを通じて、安定供給を実現してまいります。また、安否確認システムの導入により、大規模災害発生時に従業員の安否が迅速に確認できる体制を整備しております。 《環境に関するリスク》○環境対策の対応不足による企業価値の低下○CO2排出規制強化による生産コスト増加 (影響)当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を受ける可能性があります。(対応)ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進し、環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。 《人権に関するリスク》○サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下○ハラスメント等の人権侵害 (影響)生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権等の問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっています。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)当社グループは、2019年に、世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供している、Sedex※にA/B会員として入会。今後Sedexのプログラムを有効活用し、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでおります。また、2021年9月に国連グローバルコンパクト(UNGC)に署名し、会員企業に登録されました。UNGC署名企業として人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗防止の4分野、10原則の順守、実践に取り組んでおります。さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂で、当社グループの事業活動を支える重要な原材料のひとつであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」および「パーム油調達方針」に基づき、原産国の環境保全に配慮し、人権を尊重するとともに食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現します。 ※Sedexは、グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームです。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでいます。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を持ちます。 《サステナブル課題に関するリスク》○環境に配慮しない製品の排除○サステナビリティ重視の消費者ニーズや製品需要の変化○サステナブルな課題への対応不足による企業価値の低下 (影響)原料の多くを天然資源に依存する当社は、CO2の排出増に伴う地球温暖化等の気候変動や水資源の枯渇により大きな影響を受けます。地球環境の深刻な危機に対して、当社だけでなく、バリューチェーン全体での環境負荷低減が求められています。またプラスチック問題や人権など様々な課題に対する取り組みも求められています。(対応)当社グループは、様々な社会課題の解決を商品やサービスで貢献し、多様な価値を創造することを目指しています。「健康」や「おいしさ」の提供だけでなく、食を取り巻く廃棄物やフードロス、限りある資源の利用などの社会課題に対し、長年培ってきた技術を活かし、社会課題の解決を見据えた商品の開発に努めています。 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報漏洩○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、当社業績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステム構成導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフト導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。2.添付メールによる情報漏洩防御のためのPPAP対策の導入。3.全社員を対象としたセキュリティ自己点検、標的型攻撃メール訓練、eラーニング実施による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。4.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRTの設置。また、今後も引き続き、年々拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともに万が一インシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。 《食品安全に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反による、流通回収やリコールの発生○食品偽装やデータ改ざんの発生 (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により、流通回収やリコールが発生した場合、さらには食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜及び、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に製品の開発設計段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運営について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。 《人的資本の確保・育成に関するリスク》○各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用不足○次世代を担う人財の確保・育成・配置の計画的推進不足○ダイバーシティ&インクルージョンの進展不足による企業競争力の低下 (影響)IT革命や少子高齢化の進行、ESG経営の推進といった社会の変化により、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用や、次世代を担う人財の確保、個性を尊重し活かす育成および配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはESG経営やSDGsの推進を通じて企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組み、高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍やシニア活躍などのダイバーシティのさらなる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。あわせて、AIを活用した効率化を一層進めてまいります。 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げています。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは法規制及び社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な社内啓発と全社員を対象とした社内研修で周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
FY2021|7,443 文字
2 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、リスクマネジメントの基本方針及び管理体制を「経営リスク委員会規程」において定め、これに基づき、代表取締役社長執行役員を委員長とする経営リスク委員会の指揮監督の下、当社を取り巻くリスクを適切に管理し、防止と回避に努めております。 (2) リスクマネジメントプロセス当社グループの事業活動に関する事業等のリスクについては、執行役員の職務分掌に基づいて各執行役員がリスクの特定・分析・評価からリスク対応、モニタリングを実施し、経営リスク委員会およびその傘下であるリスクマネジメント部会・コンプライアンス部会が支援をしております。また、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化したもの)については経営リスク委員会に情報を集約し、迅速な対応を図るとともに是正措置を展開し全社的な再発防止を行う体制を整えております。 (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応分類テーマ戦略リスク油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク海外進出に潜在するリスク財務リスク原材料調達・為替相場等に関するリスクのれんや固定資産の減損損失に関するリスクハザードリスク感染症の蔓延リスク自然災害に関するリスクオペレーショナルリスク環境に関するリスク社会的課題に関するリスク情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク食品安全に関するリスク人財の確保に関するリスクコンプライアンスに関するリスク 《油脂・ミール製品の需要低下に対するリスク》○関税引き下げによる海外からの安価な製品の流入○少子高齢化の継続による市場縮小に伴う製品需要の減少○サステナビリティ重視の消費者ニーズや製品需要の変化 (影響)当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりますが、TPP協定締結国のカナダと日豪EPAによる豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、段階的に引き下げられることになっているため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。(対応)当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、成長している中食やコンビニエンスストア向けの長持ち油や調味・調理機能油などの高付加価値品の開発や、従来から持っている素材であるスターチ、マーガリン、粉末油脂等の組み合わせによる食感改良など、当社独自の提案をさらに進めてまいります。また、業務提携などを通じて、国際競争力を高めてまいります。 《海外進出に潜在するリスク》○海外進出に潜在する、予期せぬ法律・規制・税制の改正○予期せぬ紛争・テロなどの政治的・社会的リスク (影響)当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績及び財政状態、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはこの影響を最小限に抑え、問題が発生した場合には迅速に対策が取れるよう、海外のリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手し、必要な対応を行ってまいります。 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加〇上記調達コスト増加を販売価格へ反映できないリスク (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は、世界人口の増加による植物油需要の増加や天候などによる需給バランスの変化等の要因により大きく変動することがあります。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。提出日時点において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは過去に類をみない急激かつ大幅な上昇により事業環境は厳しさを増しております。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、自然環境だけでなく、安全性や品質の確保、労働者の人権問題に積極的に取り組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。(対応)当社グループは海外からの原料(穀物)や購入油の調達に当たり、原料・購入油・為替事情を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組み合わせを作り上げております。値決めについては先物相場のプライシングと為替予約等により一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っています。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識のもと、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程(原料と油粕の受委託製造とスワップ)までを範囲とした業務提携基本契約を締結し、その取り組みを着実に実行しております。また、提出日時点において、原料相場高騰の影響を大きく受けておりますが、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進していきます。 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等事業計画未達○公正価値の下落○金利の急激な上昇 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(対応)投融資委員会や経営会議における買収価格の適切性に関する審議や買収後のシナジー実現に向けたフォローアップやマクロ経済環境の定期的なモニタリング、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りを実施すること等により、減損処理の適否を判断しております。 《感染症の蔓延リスク》○新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延による操業停止○サプライチェーンの停滞〇外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による需要の減退 (影響)2020年より顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、外出自粛や飲食店の営業時間短縮要請等による当社製品の需要減退により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保したうえで、お客さまへの供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。代表取締役社長執行役員を本部長とする感染症対策本部を設置し、衛生管理の徹底や時差出勤等の実施により社内の感染拡大を防止するとともに、万一の場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進等、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応を行ってまいります。また、委託先や協力先の確保など、生産体制の複数化などの実施をし、安定供給を実現してまいります。また、需要減退リスクに対しては、生産体制をフレキシブルに対応するなどの需要減退への対応を行ってまいります。 《自然災害に関するリスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨などによる操業停止○サプライチェーンの停滞 (影響)大規模な地震・台風等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループは昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、大規模地震を想定して策定していた事業継続計画(BCP)の見直しを行い、大規模地震以外の災害に対する対応力についても範囲を広げさらなる向上を図ってまいります。また、業務提携などを通じて、安定供給を実現してまいります。 《環境に関するリスク》○環境対策の対応不足による企業価値の低下○CO2排出規制強化による生産コスト増加 (影響)当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を受ける可能性があります。(対応)ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進し、環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。 《社会的課題に関するリスク》○環境に配慮しない製品の排除○サステナビリティ重視の消費者ニーズ対応不足○人権・環境保全等、サステナブルな課題への対応不足による企業価値の低下 (影響)原料の多くを天然資源に依存する当社は、CO2の排出増に伴う地球温暖化等の気候変動や水資源の枯渇により大きな影響を受けます。地球環境の深刻な危機に対して、当社だけでなく、バリューチェーン全体での環境負荷低減が求められています。またプラスチック問題や人権など様々な課題に対する取り組みも求められています。生活者の環境に対する意識も高まっており、サプライチェーン上で環境や品質、人権等の問題が生じた場合、そのサプライチェーン全体での管理・責任が問われる時代となっています。これらの社会的課題への取り組みが不十分と見なされた場合、企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)当社グループは、様々な社会課題の解決を商品やサービスで貢献し、多様な価値を創造することを目指しています。「健康」や「おいしさ」の提供だけでなく、食を取り巻く廃棄物やフードロス、限りある資源の利用などの社会課題に対し、長年培ってきた技術を活かし、社会課題の解決を見据えた商品の開発に努めています。また2019年に、世界規模で企業とサプライヤーを結ぶ共通のプラットフォームを提供している、Sedex※にA/B会員として入会。今後Sedexのプログラムを有効活用し、グローバルな視点で「労働基準」「安全衛生」「環境」「ビジネス倫理」の4領域に関するサプライチェーンのサステナブルな課題の把握とその改善に取り組んでいきます。さらに、アブラヤシの果実から搾油されるパーム油は、我々の生活に欠かせない油脂で、当社グループの事業活動を支える重要な原材料のひとつであるため、「サステナブル調達方針・調達基準」に基づき、原産国の環境保全に配慮し、人権を尊重するとともに食を支える企業として、パーム油の安定供給の社会的責任を果たすために持続可能なパーム油調達を実現します。※Sedexは、グローバルサプライチェーンにおける倫理的で責任あるビジネス慣行の実現を目指し、サプライチェーンデータを管理・共有する世界最大のプラットフォームです。顧客とサプライヤーが共通のプラットフォームを活用して情報を共有し、サプライヤーにおける問題点を抽出するとともに、その課題解決への取り組み状況を把握し、サステナブルな事業慣行の拡大に取り組んでいます。A/B会員は、バイヤー機能を持つA会員と、サプライヤーとしてSAQに回答するB会員の両方の資格を持ちます。 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報漏洩○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、当社業績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステム構成導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフト導入。2.不正侵入、情報漏洩など不審なデータトラフィックをモニターするためのシステム構成導入。3.標的型eメールへの対応などに関する従業員への周知徹底。(eラーニングなど)4.インシデント発生時の対応手順準備と徹底。また、今後も引き続き、年々拡大するリスクへの対策(製造工場のスマート化に応じたセキュリティ対策など)を講じるとともに万が一インシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。 《食品安全に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反による、流通回収やリコールの発生○食品偽装やデータ改ざんの発生 (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により、流通回収やリコールが発生した場合、さらには食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜及び、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に製品の開発設計段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場においてISO22000認証(食品安全マネジメント)を取得するとともに、品質監査により仕組みの適切な運営について常に確認しています。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行うことで従業員との信頼関係に基づいた風通しの良い組織風土醸成に努めております。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室を通じていただいたお客様の声を商品開発に活かしてまいります。 《人財の確保に関するリスク》○各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用不足○次世代を担う人財の確保・育成・配置の計画的推進不足 (影響)IT革命や少子高齢化の進行、ESG経営の推進といった社会の変化により、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用や、次世代を担う人財の確保・育成・配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (対応)当社グループはESG経営やSDGsの推進を通じて企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組み、高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍や定年後雇用延長制度などのダイバーシティのさらなる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。あわせて、AIを活用した効率化を一層進めてまいります。 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げています。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは法規制及び社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な社内啓発と全社員を対象とした社内研修で周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。
FY2020|4,604 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスクマネジメント委員会規程」において定め、これに基づき、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会の指揮監督の下、当社を取り巻くリスクを適切に管理し、防止と回避に努めております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。リスクの内容取り組み・対策《原材料調達・為替相場等の影響》当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は、世界人口の増加による植物油需要の増加や天候などによる需給バランスの変化等の要因により大きく変動することがあります。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。 当社グループは原料(穀物)や海外からの購入油の調達にあたっては、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見ながら、競争優位と思われるポジションを取っていくと同時に、先物相場のプライシングと為替予約等により、一定のヘッジを行います。原料の産地の新規探索なども継続的に行っています。また、営業活動において各種相場の状況をお伝えし、適切な価格交渉を行ってまいります。《感染症の蔓延》2020年1月より顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保したうえで、お客さまへの供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。感染症の蔓延に際しては、社長を本部長とする感染症対策本部を安全に配慮して速やかに設置し、衛生管理の徹底や時差出勤・在宅勤務等の効率的な事業運営の実施により社内の感染拡大を防止するとともに、万一の場合にも事業が継続できるよう、チーム制を敷いて従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応を行ってまいります。また、委託先や協力先の確保など、生産体制の複数化などの実施をし、安定供給を実現してまいります。 リスクの内容取り組み・対策《自然災害》大規模な地震・台風等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、大規模地震を想定して策定していた事業継続計画(BCP)の見直しを行い、大規模地震以外の災害に対する対応力についても範囲を広げさらなる向上を図ってまいります。また、業務提携などを通じて、安定供給を実現してまいります。《輸入関税》当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されておりますが、TPP協定締結国のカナダと日豪EPAによる豪州からの菜種油、日米貿易協定が発効した米国からの大豆油に対する関税は、段階的に引き下げられることになっているため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。 当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、成長している中食やコンビニエンスストア向けの長持ち油や調味・調理機能油などの高付加価値品の開発や、従来から持っている素材であるスターチ、マーガリン、粉末油脂等の組み合わせによる食感改良など、当社独自の提案をさらに進めてまいります。また、業務提携などを通じて、国際競争力を高めてまいります。《油脂・ミール製品の需要低下》畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合の海外からの安価な製品の流入や、口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性があり、その場合には配合飼料に使われる大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。また、家庭における油を使用した調理機会の減少、油脂の摂取量を抑えるダイエットや油を使用しない調理法の普及などにより、油脂製品の消費量が減少する可能性があります。 当社グループはこれらの影響を最小限に抑えるべく、需要予測を精査し、的確な原料調達を実現するとともに、調理の現場においてプロの味が簡単に再現できる調味・調理機能油や、から揚げに特化した家庭用の揚げ油など、あらゆる場面で油のおいしさを楽しんでいただける商品の開発や、卓上で調味料のように使っていただく油の新しい使い方の提案などを進め、ミールの需要に左右されにくい量から質へと経営体質の変換をさらに進めてまいります。《国内人口の少子高齢化》日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。 当社グループはこの影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対応した栄養機能表示油やω-3オイルなどの新商品開発をさらに進めてまいります。また、業務提携などを通じて、国際競争力を高めてまいります。《海外進出に潜在するリスク》当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績及び財政状態、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはこの影響を最小限に抑え、問題が発生した場合には迅速に対策が取れるよう、海外のリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページや進出しているグループ企業から入手し、必要な対応を行ってまいります。《環境・社会問題》当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取り組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保等に影響を受ける可能性があります。 ESGの取組みは当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進し、環境負荷を極小化するために省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。《情報の漏洩や不正アクセス等の影響》当社グループは情報資産及びコンピュータシステムに関して、運用体制の整備や情報管理の徹底など、適切なセキュリティ対策を実施しております。しかし、当社の想定を超えた不正アクセスやコンピュータウイルスの感染等による情報漏洩やデータ改ざんが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは年に一回、社内の機密文書の管理状況についてモニタリングを行うとともに、e‐ラーニングを通じた従業員向けの情報管理教育を定期的に行っております。また、強固なセキュリティ対策を講じ、外部からのサイバー攻撃に対するモニタリングの強化を進めるなど、リスクの低減を図ってまいります。 リスクの内容取り組み・対策《食品安全》お客様への健康危害や表示等の法令違反により、流通回収やリコールが発生した場合、さらには食品偽装やデータ改ざんが行われた場合には、当社ブランドの信頼失墜及び、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはISO9001による品質マネジメントシステムの運用、特に製品の開発段階での品質アセスメントの実施と仕組みの強化による品質リスクの低減に取り組んでおります。また、自社工場や関係会社の品質監査の際に、データ改ざんや食品偽装についてもチェックを行っております。仕組みの運用だけでなく品質や食品安全に関する従業員教育を継続して行ってまいります。さらに、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、研究開発活動を強化するとともに、お客様相談室を通じていただいた声を商品開発に活かしてまいります。《人財の確保》IT革命や少子高齢化の進行、ESG経営の推進といった社会の変化により、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。各分野で必要とする高度な専門性を持つ人財の採用や、次世代を担う人財の確保・育成・配置が計画的に推進できない場合には、事業活動の停滞等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループはESG経営やSDGsの推進を通して企業価値を高めております。また、働きやすい職場環境を維持・改善し、公正な人事・処遇制度の構築とその適正な運用に取り組み、高度な専門性を持つ人財や次世代の経営を担う人財の育成に取り組むとともに、女性活躍や定年後雇用延長制度などのダイバーシティのさらなる推進、働き方の見直しによるワーク・ライフ・バランスをさらに推進してまいります。あわせて、AIを活用した効率化を一層進めてまいります。《コンプライアンス》当社グループは食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。これらに対し、当社グループはESG経営の高度化を図るべく特定したマテリアリティのうち優先すべき課題としてリスクマネジメントの強化とコンプライアンスの推進を掲げています。万一、法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、予測し得ない法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは法規制及び社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、継続的な社内啓発と全社員を対象とした社内研修で周知し、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為等の発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。
FY2019|2,339 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。(1) 経営環境に関するリスク① 搾油原料の調達リスク当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種等の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。② 原材料・為替相場等の影響当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動することがあります。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。③ 輸入関税当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されております。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの「永久離脱」をうたう米国との今後のEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉については不透明な状況となっておりますが、カナダ・豪州産の大豆油・菜種油に対する関税は段階的に引き下げられることになっているため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。④ 油脂・ミール製品の需要低下を及ぼす要因今後何らかの事由により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性があります。また口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性もあり、その場合には配合飼料に使われる大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。また、家庭における油を使用した調理機会の減少、油脂の摂取量を抑えるダイエットや油を使用しない調理法の普及などにより、油脂製品の消費量が減少する可能性があります。⑤ 国内人口の少子高齢化日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対応して新商品開発などの対策を講じてまいります。⑥ 海外進出に潜在するリスク当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑦ 自然災害大規模な地震・台風等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑧ 感染症の蔓延新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2) 事業活動に関するリスク① 食品安全当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、食品表示法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 情報の漏洩や不正アクセス等の影響当社グループは情報資産およびコンピュータシステムに関して、運用体制の整備や情報管理の徹底など、適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、当社の想定を超えた不正アクセスやコンピュータウィルスの感染等による情報漏洩やデータ改ざんが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) 法的規制その他のリスク① 法的規制当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。当社グループはESG経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に努めて事業運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、事業上の制約などにつながることで当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。②環境規制当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、将来、環境法令や環境改善の取組みの強化などにより、環境に関する費用負担が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|2,347 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。(1) 経営環境に関するリスク① 搾油原料の調達リスク当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種等の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。② 原材料・為替相場等の影響当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動することがあります。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。③ 輸入関税当社グループが主力とする大豆油・菜種油は、輸入に対して関税が課されております。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの「永久離脱」をうたう米国との今後のEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉については不透明な状況となっておりますが、カナダ・豪州産の菜種油に対する関税は段階的に引き下げられることになっているため、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。④ 油脂・ミール製品の需要低下を及ぼす要因今後何らかの事由により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性があります。また口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受ける可能性もあり、その場合には配合飼料に使われる大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。また、家庭における油を使用した調理機会の減少、油脂の摂取量を抑えるダイエットや油を使用しない調理法の普及などにより、油脂製品の消費量が減少する可能性があります。⑤ 国内人口の少子高齢化日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対応して新商品開発などの対策を講じてまいります。⑥ 海外進出に潜在するリスク当社グループは海外事業の拡大を重点課題として取り組んでおります。予期せぬ法律・規制・税制の改正、また、紛争・テロなどの政治的・社会的リスクや自然災害の発生により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑦ 自然災害大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑧ 感染症の蔓延新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2) 事業活動に関するリスク① 食品安全当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、食品表示法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。② 情報の漏洩や不正アクセス等の影響当社グループは情報資産およびコンピュータシステムに関して、運用体制の整備や情報管理の徹底など、適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、当社の想定を超えた不正アクセスやコンピュータウィルスの感染等による情報漏洩やデータ改ざんが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) 法的規制その他のリスク① 法的規制当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制の下で事業展開しております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に努めて事業運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、事業上の制約などにつながることで当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。②環境規制当社グループは各工場でISO14001を取得し、また、国や自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、将来、環境法令や環境改善の取組みの強化などにより、環境に関する費用負担が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|2,038 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。(1) 搾油原料の調達リスク当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種他の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。(2) 原材料・為替相場等の影響当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動する事があります。海外からの調達である為、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を販売価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。(3) 輸入関税当社グループが主力とする大豆油・菜種油の輸入に対しては関税が課されておりますが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの「永久離脱」をうたう米国により、今後のEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉については不透明な状況となっております。このような環境下で何らかの事由により関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。(4) 中国リスク中国製油業者による大量の穀物買い付けは、穀物相場の上昇や海上運賃の高騰を引き起こします。さらに中国からの余剰ミ-ルの日本への大量安値流入が増加する可能性があります。大量の購買量・生産能力を有する中国は、当社グループのような国内製油業者にとって、常に潜在的な脅威であります。(5) 自然災害大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) 感染症の蔓延新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 食品安全当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。 しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(8) ミール製品の需要低下を及ぼす要因TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関しては前述のとおりの状況となっておりますが、今後何らかの事由により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受け、配合飼料に使われる大豆ミール・菜種ミールの販売量が減少する可能性があります。 米国におけるエタノール蒸留粕(DDGS)は、配合飼料用途でとうもろこし、大豆ミールと競合しており、日本への輸入は増加傾向にあり、将来的には大量輸入される可能性もあります。 口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病については、主な需要家の家畜飼養頭数への影響により、大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。(9) 国内人口の少子高齢化日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対して新商品開発などの対策を講じてまいります。(10) 法的規制当社グループは、前述した食品衛生法、JAS法等以外に環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制を受けております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に務めて運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、事業上の制約などにつながる事で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|1,971 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。(1) 搾油原料の調達リスク当社グループの中核事業である製油事業においては、大豆・菜種他の搾油原料をすべて海外から調達しております。中国、インドを始めとした新興国の経済発展や人口増加による植物油需要の増加に加え、バイオ燃料向けの植物油需要、世界的な低金利に伴う投機資金の流入等もあり、穀物価格は依然高い水準にあり、調達環境も厳しい状況が続いております。今後も原料穀物に対する需要が増加し続けますと、製品の安定供給面でのリスクが更に増大する可能性があります。(2) 原材料・為替相場等の影響当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物の相場は天候・需給バランス等の要因により大きく変動する事があります。海外からの調達である為、原料代決済において為替相場の影響を受けます。また、海上運賃(フレート)は世界経済や石油価格の影響を受けて変動します。さらに、ミール相場が低下すると、オイルコストの上昇につながります。以上の穀物・為替・海上運賃・ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分を販売価格に転嫁できない場合、収益を圧迫する可能性があります。(3) 輸入関税当社グループが主力とする大豆油・菜種油の輸入に対しては関税が課されておりますが、今後TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を含むEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)交渉の進展により、関税が引き下げられる可能性があります。関税が引き下げられた場合、海外からの安価な製品の流入により国内の販売価格が低下し、国内製造品の販売量が減少するリスクがあります。(4) 中国リスク中国製油業者による大量の穀物買い付けは、穀物相場の上昇や海上運賃の高騰を引き起こします。さらに中国からの余剰ミ-ルの日本への大量安値流入が増加する可能性があります。大量の購買量・生産能力を有する中国は、当社グループのような国内製油業者にとって、常に潜在的な脅威であります。(5) 自然災害大規模な地震等の災害が発生した場合、生産設備の毀損あるいは事業活動の中断等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) 感染症の蔓延新型インフルエンザのような感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 食品安全当社グループは食品安全を確実に確保するため、原材料調達先から、食品衛生法、JAS法、健康増進法など関連法規に違反しないことを証する書面による保証を入手するとともに自社でも確認しています。また、輸入原材料に対するトレ-サビリティの確保など、万全の体制で臨んでおります。 しかし、想定されていない社会全般にわたる安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(8) ミール製品の需要低下を及ぼす要因TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)等の進展により、畜産物や乳製品に対する関税が引き下げられた場合には、海外からの安価な製品の流入によって国内の畜産業・酪農業が大きな打撃を受け、配合飼料に使われる大豆ミール・菜種ミールの販売量が減少する可能性があります。米国におけるエタノール蒸留粕(DDGS)は、配合飼料用途でとうもろこし、大豆ミールと競合しており、日本への輸入は増加傾向にあり、将来的には大量輸入される可能性もあります。口蹄疫や鳥インフルエンザ等の家畜伝染病については、主な需要家の家畜飼養頭数への影響により、大豆ミール、菜種ミールの販売量が減少するリスクがあります。 (9) 国内人口の少子高齢化日本国内においては依然として少子高齢化が進んでおります。このまま少子高齢化が続きますと、需要の減少により市場が縮小し製品販売量が減少するリスクがあります。この影響を最小限に抑えるべく、高齢者層の人口増加による健康志向の高まり等の需要の変化に対して新商品開発などの対策を講じてまいります。(10) 法的規制当社グループは、食品衛生法、JAS法、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法等の様々な法的規制を受けております。当社グループはCSR経営の推進を経営方針とし、法規の遵守に務めて運営しておりますが、予測し得ない法的規制の変更や追加により、コストの増加などにつながる事で当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。