事業等のリスク
ダイドーグループは、人財の確保・育成、原材料・資材の調達、海外情勢の変動を重要なリスクと認識しています。少子高齢化や労働市場の流動化により人財確保が困難になる可能性があり、原材料価格の高騰や為替変動は収益に影響を与えます。特にコーヒー豆は国際市況商品であり、エネルギーコスト上昇も加わり調達コストが高騰しています。また、地政学リスクや各国の法令・経済情勢の変化が海外事業に影響を及ぼす可能性があります。トルコのハイパーインフレは会計上の調整を必要とし、経営成績に大きな影響を与えるリスクがあります。国内飲料事業の自販機ビジネスは、原材料価格高騰や消費者の節約志向により収益性が課題となっています。
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FY2026|5,256 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 当社グループでは、企業理念に基づく経営戦略達成において発生する様々な阻害要因をリスクと位置付け、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、当社グループにおけるリスク管理体制に関する基本的事項を定め、リスク管理の効率的かつ確実な運用を図っています。常設委員会として、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしています。「グループリスク管理委員会」は、リスク管理の方針や重要リスクの評価及び対策の承認、統制状況の効果検証・是正指導等の役割を担っています。グループリスク管理委員会においては、リスク項目を「グループ横断のリスク」と「事業特有のリスク」に分類して整理し、評価を行っています。さらに、2023年度より採用した新たなリスクマネジメントの手法として、TCFDのシナリオ分析の枠組みを活用した、人口動態の変化に伴う中長期的なリスクに対する評価並びに対応策の進捗確認を実施しました。 (1)グループリスク管理委員会で特に議論された重要リスク当連結会計年度のグループリスク管理委員会においては、影響度・発生可能性の高い重要リスクを抽出し、足元の業績に影響を与えるリスクが高まっている「原材料・資材の調達」及び「海外情勢」について議論を行いました。また、独自で実施した人口動態の変化に伴う中長期リスク分析の結果により、グループとして「人財の確保・育成」に関するリスクについて、中長期的に対策を検討していくべきとの認識が示されました。 (2)経営成績等に与える影響の内容及び当該リスクへの対応策等当連結会計年度のグループリスク管理委員会が評価した重要リスクと対応策等は、次の通りです。 ①グループ横断のリスクⅰ.人財の育成・確保当社グループは、国内の少子高齢化に伴う人口減少や労働市場の流動化などにより、新たな人財の確保等が進まず、当社グループの安定的な事業継続等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しています。その上で、当社グループの2030年のありたい姿である「グループミッション2030」を実現するためには、多様な価値観や能力を有する人財からなる組織の構築と、人財一人ひとりの主体的な成長と活躍が不可欠と考えています。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業において、少ない人数でもオペレーションができる「スマート・オペレーション」の確立に加え、人工知能(AI)の活用により自販機オペレーションの効率化並びに生産性の向上に取り組んでいます。また、事業戦略と連動した人的資本経営を体系的に特定し、人財一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する仕組み「DyDoキャリア・クリエイト」を導入しました。個人のキャリア形成に主眼を置いた人事制度・育成プログラム・評価制度等を導入し、これらの運用を通じて、当社グループが求める資質を備えた人財一人ひとりの成長とエンゲージメントの向上を図り、能力の多様性に富む強い組織の構築に取り組んでいます。 ⅱ.原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されていますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、直近のエネルギーコスト上昇も相俟って、原材料・資材の調達コストの高騰は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業及び食品事業において、2022年10月より段階的に商品の価格改定を実施したほか、海外飲料事業(トルコ飲料事業)においては、強いインフレ下にあるトルコにおいて戦略的な価格改定を継続的に実施する等、適正な限界利益率の確保による収益構造の改善に取り組んでいます。また、各事業において定期的に原料、資材及び調達先の見直し並びに複数調達先の検討等を進め、安定的な原料・資材の調達に向けて取り組んでいます。 ⅲ.海外情勢ロシア・ウクライナ情勢やパレスチナ・イスラエル情勢に起因した資材価格・原油価格の高騰、為替相場の急激な変動等、近年、地政学リスクをはじめとする海外情勢の変化が日本国内での事業活動にも影響を及ぼす可能性が高まっています。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制としております。加えて、グループ各社が有する海外情勢に関する情報については、海外事業に限らず国内事業への影響も含めて経営会議等でタイムリーに共有・議論し、経営としての監督および意思決定に活用する体制を強化しています。こうした取り組みを通じて、トルコ・ポーランド・中国飲料事業の基盤を活かしながら、安定した収益基盤をもつグループ体制の構築に向け、海外飲料事業戦略の再構築を進めています。 ②事業特有のリスクⅰ.トルコ国内のハイパーインフレに関連するリスク海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、2022年度以降の急激なインフレの進行を背景に、戦略的な価格改定と機動的な販売促進活動などを実施したことで、販売単価の改善を図りながら販売ボリュームを伸ばし、着実に業績を改善させており、中長期的にも成長が期待されています。一方、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたことを示したため、当社グループは、トルコリラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断しました。このため、当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、2022年度第2四半期連結会計期間よりIAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件およびトルコ現地会計基準に従い、会計上の調整を加えています。今後、トルコにおけるインフレがさらに深刻化した場合、会計上の調整が多額にのぼり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、商標権を含む固定資産の修正再表示額は、通常の固定資産と同様に減損の要否を検討し、その修正再表示額が回収可能価額を超過する場合は回収可能価額まで減損する必要がある等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、持株会社の財務部による、収益管理、キャッシュ・コンバージョンサイクルに関する管理体制を強化・拡充するとともに、トルコ現地子会社においては、継続的な価格改定の実施による適正な限界利益率の確保や、トルコからの輸出取引の拡大等によるリスクの低減に努めています。 ⅱ.既存の自販機ビジネスへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業の自販機チャネルは、従来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能でした。しかしながら、昨今のコーヒー豆をはじめとした各種原材料価格の高騰や消費者の節約志向の高まりにより、自販機チャネルにおける収益性の改善が課題となっています。来期以降もこの厳しい環境の継続が見込まれることなどから、2025年度第4四半期において、自販機等の事業関連資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとなりました。中長期的に持続可能な収益構造への転換が不可欠と考え、その実現に向けて収益体質への転換に向けたプロジェクトを遂行しています。具体的には、パーマシン(PM)向上や原価率の抑制に向けた商品ポートフォリオの最適化や不採算先自販機の政策的な引き上げなどを進めていき、利益を生み出す筋肉質な自販機網を再構築していきます。また、当社グループは、今後の労働力不足の時代に対応すべく、最新のテクノロジーを活用したスマート・オペレーションのさらなる進化に取り組むとともに、カーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開を進め、持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざしていきます。 ⅲ.希少疾病用医薬品事業への参入当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月にダイドーファーマ株式会社を設立しました。2024年9月には、ダイドーファーマ株式会社の新薬第1号となるランバート・イートン筋無力症候群治療剤「ファダプス®錠10mg」の製造販売承認を取得し、2025年1月に販売を開始するなど着実に歩みを進めていますが、希少疾病用医薬品の開発には不確実性を伴うことから開発の延長や中止を行う可能性、想定通りの内容で薬事承認が下りない、または薬事承認に想定以上の時間を要する可能性、想定した薬価を下回る可能性等があります。また、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上しキャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役を選任し、個々の開発プロジェクトに基づくダイドーファーマ株式会社の事業計画に対するモニタリングを強化し、また医薬品業界の経験を長く積んだ事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整え、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら事業運営を推進していきます。 上記以外にも事業活動を進めていく上において、大規模災害、法的規制、情報セキュリティの様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることによりリスクマネジメントを推進しています。 (3)人口動態の変化による中長期的リスク人口減少・少子高齢化が続く国内市場を中心に、人口動態の変化がビジネスに与える影響は、今後ますます高まっていくと当社グループでは考えています。2023年度よりシナリオ分析のフレームワークを応用し、サプライチェーン全体の中で注視すべき中長期的なリスクに対する評価並びに対応策の進捗確認を実施しました。 リスク項目事業インパクト↑:非常に大きな影響 ↗:やや大きな影響→:軽微な影響現時点で実施している対応策分類サプライチェーン考察中期(2029年度)長期(2030~2040年)生産年齢人口の減少営業・販売■国内飲料事業オペレーション人財の不足により自販機稼働台数が減少するリスク↗↑・スマート・オペレーションの推進製造・調達■医薬品関連事業適切なスキル・知識を持った専門人財の確保ができないリスク↗↑・キャリア採用の強化■食品事業製造部門における人財確保が進まないことによる需要に応じた製造ができないリスク↗↑・省人化に向けた設備の導入・更新・EDI活用による業務効率化の推進・多様な人財の確保物流■医薬品関連事業スケジュール通りに商品を配送できないリスク↑↗・新たな輸送・保管方法の検討採用■食品事業未来の事業を支える新卒採用者の確保ができないリスク↗↑・新卒採用者向けの新たな施策の実施・グループ連携での人財育成の計画 人口減少の影響は、一部の分野で売上・利益への影響を及ぼすものの、事業の縮小に繋がる可能性は限定的で事業戦略による対応が充分可能だと考えています。しかしながら人財の確保においては、中長期的に重要な影響を及ぼす可能性があることを認識しています。当社グループでは、これらのリスクに対応するために、人財育成や生産性の向上に向けた人財投資を強化しています。今後も継続的なリスクのモニタリングを実施するとともに、リスク低減に向けた対応策の検討を中長期的な視点で実施していきます。
FY2025|5,843 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 当社グループでは、企業理念に基づく経営戦略達成において発生する様々な阻害要因をリスクと位置付け、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、当社グループにおけるリスク管理体制に関する基本的事項を定め、リスク管理の効率的かつ確実な運用を図っています。常設委員会として、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしています。「グループリスク管理委員会」は、リスク管理の方針や重要リスクの評価及び対策の承認、統制状況の効果検証・是正指導等の役割を担っています。グループリスク管理委員会においては、リスク項目を「グループ横断のリスク」と「事業特有のリスク」に分類して整理し、評価を行っています。さらに、2023年度より採用した新たなリスクマネジメントの手法として、TCFDのシナリオ分析の枠組みを活用した、人口動態の変化に伴う中長期的なリスクに対する評価並びに対応策の進捗確認を実施しました。 (1)グループリスク管理委員会で特に議論された重要リスク当連結会計年度のグループリスク管理委員会においては、影響度・発生可能性の高い重要リスクを抽出し、足元の業績に影響を与えるリスクが高まっている「原材料・資材の調達」及び「生産・物流体制」について議論を行いました。また、独自で実施した人口動態の変化に伴う中長期リスク分析の結果により、グループとして「人財の確保・育成」に関するリスクについて、中長期的に対策を検討していくべきとの認識が示されました。 (2)経営成績等に与える影響の内容及び当該リスクへの対応策等当連結会計年度のグループリスク管理委員会が評価した重要リスクと対応策等は、次の通りです。 ①グループ横断のリスクⅰ.人財の育成・確保当社グループは、国内の少子高齢化に伴う人口減少や労働市場の流動化などにより、新たな人財の確保等が進まず、当社グループの安定的な事業継続等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しています。その上で、当社グループの2030年のありたい姿である「グループミッション2030」を実現するためには、多様な価値観や能力を有する人財からなる組織の構築と、人財一人ひとりの主体的な成長と活躍が不可欠と考えています。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業において、少ない人数でもオペレーションができる「スマート・オペレーション」の確立に加え、人工知能(AI)の活用により自販機オペレーションの効率化並びに生産性の向上に取り組んでいます。また、事業戦略と連動した人的資本経営を体系的に特定し、人財一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援する仕組み「DyDoキャリア・クリエイト」を導入しました。個人のキャリア形成に主眼を置いた人事制度・育成プログラム・評価制度等を導入し、これらの運用を通じて、当社グループが求める資質を備えた人財一人ひとりの成長とエンゲージメントの向上を図り、能力の多様性に富む強い組織の構築に取り組んでいます。 ⅱ.原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されていますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、直近のエネルギーコスト上昇も相俟って、原材料・資材の調達コストの高騰は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業及び食品事業において、2022年10月より段階的に商品の価格改定を実施したほか、海外飲料事業(トルコ事業)においては、強いインフレ下にあるトルコにおいて戦略的な価格改定を継続的に実施する等、適正な限界利益率の確保による収益構造の改善に取り組んでいます。また、各事業において定期的に原料、資材及び調達先の見直し並びに複数調達先の検討等を進め、安定的な原料・資材の調達に向けて取り組んでいます。 ⅲ.生産・物流体制近年、生産・物流を取り巻く経営環境は大きく変化しており、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流コストの大幅な上昇や、物流キャパシティーの逼迫による供給リスクが高まっています。社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されることから、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化による安定的な物流網の確保や配送拠点の見直しのほか、医薬品関連事業や食品事業においては、外部委託倉庫の拡大による配送効率の向上に向けた取り組みを推進しています。 ⅳ.海外情勢ロシア・ウクライナ情勢やパレスチナ・イスラエル情勢に起因した資材価格・原油価格の高騰、為替相場の急激な変動等、近年、地政学リスクをはじめとする海外情勢の変化が、日本国内での事業活動にも影響を及ぼす可能性が高まっています。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、既存のトルコ・中国飲料事業の基盤を活かしながら、安定した収益基盤をもつポーランド飲料事業を新たに加え、海外飲料事業戦略の再構築を進めています。 ⅴ.環境問題への対応(気候変動問題)気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策等の法令等の規制も強まっています。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害等のサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、TCFDのフレームワークに基づいた実態の把握と対応策の検討を継続的に実施しています。気候変動リスクは中長期的に顕在化する可能性を有することから「グループリスク管理委員会」と「グループサステナビリティ委員会」の両委員会を連動させながらマネジメントを行っています。 ②事業特有のリスクⅰ.トルコ国内のハイパーインフレに関連するリスク海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、2022年度以降の急激なインフレの進行を背景に、戦略的な価格改定と機動的な販売促進活動などを実施したことで、販売単価の改善を図りながら販売ボリュームを伸ばし、着実に業績を改善させており、中長期的にも成長が期待されています。一方、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたことを示したため、当社グループは、トルコリラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断しました。このため、当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件およびトルコ現地会計基準に従い、会計上の調整を加えています。今後、トルコにおけるインフレがさらに深刻化した場合、会計上の調整が多額にのぼり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、商標権を含む固定資産の修正再表示額は、通常の固定資産と同様に減損の要否を検討し、その修正再表示額が回収可能価額を超過する場合は回収可能価額まで減損する必要がある等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、持株会社の財務部による、収益管理、キャッシュ・コンバージョンサイクルに関する管理体制を強化・拡充するとともに、トルコ現地子会社においては、継続的な価格改定の実施による適正な限界利益率の確保や、トルコからの輸出取引の拡大等によるリスクの低減に努めています。 ⅱ.既存の自販機ビジネスへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業の自販機チャネルは、従来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能でしたが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題等による自販機市場全体の総台数の減少傾向や原材料・資材の高騰による収益性の低下が課題となっています。当社グループの既存の自販機ビジネスが、これらの環境変化に対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす能性があります。当社グループは、「自販機ビジネスの進化による社会的価値の創造」をマテリアリティに掲げ、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざしています。当社グループは、今後の労働力不足の時代に対応すべく、最新のテクノロジーを活用したスマート・オペレーションのさらなる進化に取り組むとともに、カーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開を進めています。今後とも、自販機の設置先との協働も含め、DyDoの店舗である自販機を通じて、お客様の求める価値をお届けすることにより、自販機市場における確固たる優位性を確立していきます。 ⅲ.希少疾病用医薬品事業への参入当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマ株式会社を設立しました。2024年9月には、ダイドーファーマ株式会社の新薬第1号となる、ランバート・イートン筋無力症候群治療剤「ファダプス®錠10mg」の製造販売承認を取得し、2025年1月に販売を開始するなど、着実に歩みを進めていますが、希少疾病用医薬品の開発には不確実性を伴うことから、開発の延長や中止を行う可能性、想定通りの内容で薬事承認が下りない、または薬事承認に想定以上の時間を要する可能性、想定した薬価を下回る可能性等があります。また、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役を選任し、個々の開発プロジェクトに基づくダイドーファーマ株式会社の事業計画に対するモニタリングを強化し、また医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整え、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進していきます。 上記以外にも事業活動を進めていく上において、大規模災害、法的規制、情報セキュリティの様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。 (3)人口動態の変化による中長期的リスク人口減少・少子高齢化が続く国内市場を中心に、人口動態の変化がビジネスに与える影響は、今後ますます高まっていくと当社グループでは考えています。2023年度より、シナリオ分析のフレームワークを応用し、サプライチェーン全体の中で注視すべき中長期的なリスクに対する評価並びに対応策の進捗確認を実施しました。 リスク項目事業インパクト↑:非常に大きな影響 ↗:やや大きな影響→:軽微な影響現時点で実施している対応策分類サプライチェーン考察中期(2026年)長期(2030年)生産年齢人口の減少営業・販売■国内飲料事業オペレーション人財の不足により自販機稼働台数が減少するリスク↗↑・スマート・オペレーションの推進製造・調達■医薬品関連事業適切なスキル・知識を持った専門人財の確保ができないリスク↗↑・キャリア採用の強化■食品事業製造部門における人財確保が進まないことによる需要に応じた製造ができないリスク↗↑・省人化に向けた設備の導入・更新・多様な人財の確保物流■医薬品関連事業スケジュール通りに商品を配送できないリスク↑↗・新たな輸送・保管方法の検討採用■食品事業未来の事業を支える新卒採用者の確保ができないリスク↗↑・新卒採用者向けの新たな施策の実施・グループ連携での人財育成の計画 人口減少の影響は、一部の分野で売上・利益への影響を及ぼすものの、事業の縮小に繋がる可能性は限定的で事業戦略による対応が充分可能だと考えています。しかしながら人財の確保においては、中長期的に重要な影響を及ぼす可能性があることを認識しています。当社グループでは、これらのリスクに対応するために、人財育成や生産性の向上に向けた人財投資を強化しています。今後も継続的なリスクのモニタリングを実施するとともに、リスク低減に向けた対応策の検討を中長期的な視点で実施していきます。
FY2024|5,427 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 当社グループでは、企業理念に基づく経営戦略達成において発生する様々な阻害要因をリスクと位置付け、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、当社グループにおけるリスク管理体制に関する基本的事項を定め、リスク管理の効率的かつ確実な運用を図っています。常設委員会として、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしています。「グループリスク管理委員会」は、リスク管理の方針や重要リスクの評価及び対策の承認、統制状況の効果検証・是正指導等の役割を担っています。グループリスク管理委員会においては、リスク項目を「グループ横断のリスク」と「事業特有のリスク」に分類して整理し、評価を行っています。さらに、当連結会計年度より採用した新たなリスクマネジメントの手法として、TCFDの枠組みを活用した、人口動態の変化に伴う中長期的なリスクに対する評価を実施しました。 (1)グループリスク管理委員会で特に議論された重要リスク当連結会計年度のグループリスク管理委員会においては、影響度・発生可能性の高い重要リスクを抽出し、足元の業績に影響を与えるリスクが高まっている「原材料・資材の調達」及び「生産・物流体制」について議論を行いました。また、独自で実施した人口動態の変化に伴う中長期リスク分析の結果により、グループとして「人財の確保・育成」に関するリスクについて、中長期的に対策を検討していくべきとの認識が示されました。 (2)経営成績等に与える影響の内容及び当該リスクへの対応策等当連結会計年度のグループリスク管理委員会が評価した重要リスクと対応策等は、次の通りです。 ①事業横断的なリスクⅰ.原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されていますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、直近のエネルギーコスト上昇も相俟って、原材料・資材の調達コストの高騰は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業及び食品事業において、2022年10月より段階的に商品の価格改定を実施したほか、海外飲料事業(トルコ事業)においては、強いインフレ下にあるトルコにおいて戦略的な価格改定を継続的に実施する等、適正な限界利益率の確保による収益構造の改善に取り組んでいます。 ⅱ.生産・物流体制近年、生産・物流を取り巻く経営環境は大きく変化しており、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流コストの大幅な上昇や、物流キャパシティーの逼迫による供給リスクが高まっています。社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されることから、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化による安定的な物流網の確保、「物流の2024年問題」を見据えた配送拠点の見直し等の取り組みを推進しています。 ⅲ.海外情勢ロシア・ウクライナ情勢やパレスチナ・イスラエル情勢に起因した資材価格・原油価格の高騰、為替相場の急激な変動等、近年、地政学リスクをはじめとする海外情勢の変化が、日本国内での事業活動にも影響を及ぼす可能性が高まっています。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、既存のトルコ・中国事業の基盤を活かしながら、海外事業戦略の再構築を進めていきます。 ⅳ.企業買収及び事業・資本提携当社グループは、「グループミッション2030」に掲げた2030年のありたい姿の実現に向けて、企業買収及び事業・資本提携等の戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しています。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に遅れが生じる等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施、またグループとしての投資領域とその優先度について議論をする枠組みを立ち上げるなどコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みを進めています。 ⅴ.環境問題への対応(気候変動問題)気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策等の法令等の規制も強まっています。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害等のサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、TCFDのフレームワークに基づいた実態の把握と対応策の検討を継続的に実施しています。気候変動リスクは中長期的に顕在化する可能性を有することから「グループリスク管理委員会」と「グループサステナビリティ委員会」の両委員会を連動させながらマネジメントを行っています。 ②事業特有のリスクⅰ.トルコ国内のハイパーインフレに関連するリスク海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実に成長を続けており、中長期的にも成長が期待されています。一方、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたことを示したため、当社グループは、トルコリラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断しました。このため、当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件およびトルコ現地会計基準に従い、会計上の調整を加えています。今後、トルコにおけるインフレがさらに深刻化した場合、会計上の調整が多額にのぼり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、商標権を含む固定資産の修正再表示額は、通常の固定資産と同様に減損の要否を検討し、その修正再表示額が回収可能価額を超過する場合は回収可能価額まで減損する必要がある等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、持株会社の財務部による、収益管理、キャッシュ・コンバージョンサイクルに関する管理体制を強化・拡充するとともに、トルコ現地子会社においては、継続的な価格改定の実施による適正な限界利益率の確保や、トルコからの輸出取引の拡大等によるリスクの低減に努めています。 ⅱ.既存の自販機ビジネスへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業の自販機チャネルは、従来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能でしたが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題等による自販機市場全体の総台数の減少傾向や原材料・資材の高騰による収益性の低下が課題となっています。当社グループの既存の自販機ビジネスが、これらの環境変化に対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす能性があります。当社グループは、「自販機ビジネスの進化による社会的価値の創造」をマテリアリティに掲げ、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざしています。当社グループは、今後の労働力不足の時代に対応すべく、最新のテクノロジーを活用したスマート・オペレーションのさらなる進化に取り組むとともに、カーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開を進めています。今後とも、自販機の設置先との協働も含め、DyDoの店舗である自販機を通じて、お客様の求める価値をお届けすることにより、自販機市場における確固たる優位性を確立していきます。 ⅲ.希少疾病用医薬品事業への参入当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマ株式会社を設立しました。2023年12月には、ダイドーファーマ株式会社として初めての治療薬の承認申請を行うなど、着実に歩みを進めていますが、希少疾病用医薬品の開発には不確実性を伴うことから、開発の延長や中止を行う可能性、想定通りの内容で薬事承認が下りない、または薬事承認に想定以上の時間を要する可能性、想定した薬価を下回る可能性等があります。また、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役を選任し、個々の開発プロジェクトに基づくダイドーファーマ株式会社の事業計画に対するモニタリングを強化し、また医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整え、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進していきます。 上記以外にも事業活動を進めていく上において、経済情勢の変化、法規制、情報セキュリティの様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。 (3)人口動態の変化による中長期的リスク 人口減少・少子高齢化が続く国内市場を中心に、人口動態の変化がビジネスに与える影響は、今後ますます高まっていくと当社グループでは考えています。当連結会計年度より、シナリオ分析のフレームワークを応用し、サプライチェーン全体の中で注視すべき中長期的なリスクに対する評価を実施しました。 リスク項目事業インパクト↑:非常に大きな影響 ↗:やや大きな影響→:軽微な影響現時点で実施している対応策分類サプライチェーン考察中期(2026年)長期(2030年)生産年齢人口の減少営業・販売■国内飲料事業オペレーション人財の不足により自販機稼働台数が減少するリスク↗↑・スマート・オペレーションの推進製造・調達■医薬品関連事業適切なスキル・知識を持った専門人財の確保ができないリスク↗↑・キャリア採用の強化■食品事業製造部門における人財確保が進まないことによる需要に応じた製造ができないリスク↗↑・省人化に向けた設備の導入・更新・多様な人財の確保採用■医薬品関連事業、食品事業未来の事業を支える新卒採用者の確保ができないリスク↗↑・新卒採用者向けの新たな施策の実施・グループ連携での人財育成の計画 人口減少の影響は、一部の分野で売上・利益への影響を及ぼすものの、事業の縮小に繋がる可能性は限定的で事業戦略による対応が充分可能だと考えています。しかしながら人財の確保においては、中長期的に重要な影響を及ぼす可能性があることを認識しています。当社グループでは、これらのリスクに対応するために、人財育成や生産性の向上に向けた人財投資を強化しています。今後も継続的なリスクのモニタリングを実施するとともに、リスク低減に向けた対応策の検討を中長期的な視点で実施していきます。
FY2023|7,118 文字
2【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制当社グループでは、企業理念に基づく経営戦略達成において発生する様々な阻害要因をリスクと位置付け「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、当社グループにおけるリスク管理体制に関する基本的事項を定め、リスク管理の効率的かつ確実な運用を図っています。常設委員会として、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を年2回開催するほか、必要に応じて都度開催することとしております。「グループリスク管理委員会」は、リスク管理の方針や重要リスクの評価及び対策の承認、統制状況の効果検証・是正指導等の役割を担っております。当連結会計年度のグループリスク管理委員会においては、昨今の外部環境の変化に伴い、リスク項目を「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類して整理いたしました。また、各事業セグメントにおけるリスクの抽出・評価における抜け漏れの発生を防止すべく、リスク項目の追加と名称の一部変更を実施すると共に、より適切な評価につながるよう「影響度」「発生可能性」に関する評価基準についても見直しを行いました。 (2)グループ重要リスク及びその影響度・発生可能性の評価当連結会計年度のグループリスク管理委員会におきましては、影響度・発生可能性の高い重要リスクを抽出し、足元の業績に影響を与えるリスクが高まっている「原材料・資材の調達」及び「生産・物流体制」について議論を行いました。また、「海外情勢」に関するリスクについては、近年、地政学的リスクの顕在化が経済やビジネスに影響を与える頻度が増加していることから、海外飲料事業に限らず、各事業がリスクとして捉え、対策を検討していくべきとの認識が示されました。 これらを踏まえ、当連結会計年度のグループリスク管理委員会が評価した重要リスクと対応策等は、次の通りであります。 (3)経営成績等に与える影響の内容及び当該リスクへの対応策等①事業横断的なリスクⅰ.原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、直近のエネルギーコスト上昇も相俟って、原材料・資材の調達コストの高騰は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、海外飲料事業(トルコ飲料事業)においては、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は大きな影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。原材料・資材の調達価格の大幅な上昇は、当社グループの収益を大きく圧迫する要因となっており、原材料をはじめとするあらゆるコストの上昇傾向は、今後も続くことが想定されます。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業及び食品事業において、2022年10月より一部商品の価格改定を実施したほか、海外飲料事業(トルコ事業)においては、積極的な価格改定を継続的に実施する等、適正な限界利益率の確保による収益構造の改善に取り組んでおります。また、コーヒー豆については、国内焙煎業者との連携による情報収集を強化すると共に、調達先の分散や調達スキーム変更等、調達価格の安定化に向けた取り組みを進めるほか、コーヒーのみに依存しない魅力ある商品ラインアップの開発を推進しております。 ⅱ.生産・物流体制当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としております。 近年、生産・物流を取り巻く経営環境は大きく変化しており、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流コストの大幅な上昇や、物流の逼迫による供給リスクが高まっております。社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されることから、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化による安定的な物流網の確保、「物流の2024年問題」を見据えた配送拠点の見直し等の取り組みを推進しております。 ⅲ.海外情勢ロシア・ウクライナ情勢に起因した資材価格・原油価格の高騰、為替相場の急激な変動等、近年、地政学リスクをはじめとする海外情勢の変化が、日本国内での事業活動にも影響を及ぼす可能性が高まっております。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないこと等により、事業展開の継続や投資回収が困難になった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出る等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、既存のトルコ・中国事業の基盤を活かしながら、海外事業戦略の再構築を進めてまいります。 ⅳ.企業買収及び事業・資本提携当社グループは、「グループミッション2030」に掲げた2030年のありたい姿の実現に向けて、企業買収及び事業・資本提携等の戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に遅れが生じる等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画通り進まない場合、のれん等の固定資産の減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高める等、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みを進めております。 ⅴ.業界における市場競争日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況が続いています。そのような中、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、原材料価格の高騰や物流費の上昇が、自販機ビジネスの収益構造に大きな影響を与えました。その結果、現在では、自販機に対する業界各社の取り組み姿勢は二極化し、上位寡占化の傾向がより強いものとなっております。また、コンビニエンスストアや量販店等の流通市場においては、業界各社の販売数量確保に向けた販売競争が引き続き熾烈なものとなっております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場環境の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、グループスローガンである「こころとからだに、おいしいものを。」を追求した商品やサービスによるお客様への価値提供や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組み、業界における市場競争に対応してまいります。 ⅵ.環境問題への対応(気候変動問題)気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策等の法令等の規制も強まっております。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害等のサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、グループとしてのCO2排出削減目標を設定し、2050年の自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラルをめざすと共に、国内飲料事業では、循環型社会への貢献に向けた3つの環境目標を設定し、事業を通じた環境問題への取り組みを推進しております。また、気候変動リスクは中長期的に顕在化する可能性を有することから、短期のみならず、中長期の時間軸でリスクを評価する体制を構築すべく、「グループリスク管理委員会」と「グループサステナビリティ委員会」を設置し、両委員会を中心としたそれぞれの取り組みを連動させながらマネジメントを行っております。 ②事業特有のリスクⅰ.トルコ国内のハイパーインフレに関連するリスク海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、トルコ国内のインフレ率上昇、急激な為替変動による輸入原材料価格の高騰等、足元の事業環境は激しく変化しておりますが、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実に成長を続けており、中長期的にも成長が期待されております。一方、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたことを示したため、当社グループは、トルコリラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断いたしました。このため、当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、当連結会計年度より、会計上の調整を加えております。今後、トルコにおけるインフレがさらに深刻化した場合、会計上の調整が多額にのぼり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産の修正再表示額は、通常の固定資産と同様に減損の要否を検討し、その修正再表示額が回収可能価額を超過する場合は回収可能価額まで減損する必要がある等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対応するため、持株会社の財務部による、収益管理、キャッシュ・コンバージョンサイクルに関する管理体制を強化・拡充すると共に、トルコの子会社におきましては、継続的な価格改定の実施による適正な限界利益率の確保や、トルコからの輸出取引の拡大等によるリスクの低減に努めております。 ⅱ.既存の自販機ビジネスへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史と共に発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は約80%となっており、業界平均を大きく上回っております。自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題等もあり、自販機市場全体の総台数は減少傾向にあります。また、コロナ禍を契機として、自販機市場を取り巻く環境は大きく変化し、上位寡占化の傾向がより強いものとなっております。当社グループの既存の自販機ビジネスが、これらの環境変化に対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「自販機ビジネスの進化による社会的価値の創造」をマテリアリティに掲げ、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざしております。今後の労働力不足の時代に対応すべく、最新のテクノロジーを活用したスマート・オペレーションのさらなる進化に取り組むと共に、カーボンニュートラルに対応した“お客様と共にサステナブルな未来を創る”自販機「LOVE the EARTHベンダー」の展開を進めております。今後とも、自販機の設置先との協働も含め、DyDoの店舗である自販機を通じて、お客様の求める価値をお届けすることにより、自販機市場における確固たる優位性を確立してまいります。 ⅲ.希少疾病用医薬品事業への参入当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマを設立いたしました。希少疾病用医薬品事業のビジネスモデルは、様々なフィールドのパートナーとの協業、提携をベースとしており、希少疾病治療に関わる創薬シーズに関する提携や開発候補品のライセンスイン、特に日本における独占的な製造販売権の獲得によって、開発・承認取得を行います。臨床開発業務に関してはCRO(Contract Research Organization)、医薬品製造に関してはCMO(Contract Manufacturing Organization)等の外部機関を活用いたします。世界のバイオベンチャーが開発した新薬候補を、導入・開発・承認取得して、一刻も早く患者様にお届けすべく事業展開を進めてまいりますが、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、希少疾病用医薬品の開発には不確実性を伴うことから、開発候補品への投資にあたっては、発生する研究開発費総額の見積り、開発品の上市時期、上市後の薬価の推移、潜在的な患者数及び将来の年平均増加数等の前提条件について、十分な検討を行った上で、経営判断を行っておりますが、個々の開発プロジェクトは、開発の延長や中止を行う可能性、想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認に想定以上の時間を要する可能性、想定していた薬価を下回る可能性等があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役を選任し、個々の開発プロジェクトに基づくダイドーファーマの事業計画に対するモニタリングの強化を図っております。また、希少疾病用医薬品事業における投資対象については、すでに相応の開発が進行している案件に絞り込むと共に、複数のパイプラインの開発を手掛けていくことにより、事業基盤の構築を図っていく方針であります。なお、希少疾病用医薬品事業には、医薬品医療用機器法等の関連法規による厳格な規制があります。また、知的財産権や研究開発に係るリスクのほか、製造物責任や副作用等のリスクがあることを常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整えると共に、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進してまいります。 上記以外にも事業活動を進めていく上において、経済情勢の変化、法規制、感染症等の外部要因によるリスクのほか、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。
FY2022|10,986 文字
2【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、リスク対策の妥当性を評価しております。当連結会計年度の「グループリスク管理委員会」においては、気候変動問題の深刻化に対応し、より掘り下げたリスク評価を行うため、グループリスクとしての「環境問題への対応」を「気候変動問題」と「それ以外」に分けて管理し、各事業会社に対し、理解・浸透を図っていくことを確認いたしました。また、直近の原材料価格高騰や為替の急激な変動など、今後の経営成績等に影響を与えるリスクが顕在化していることから、各事業会社において適切な対応策を講じていくとともに、リスク評価についても見直しを検討することといたしました。 (1)人材の確保・育成・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等コロナ禍を契機とした社会変革により事業環境が大きく変化していく中で、お客様や社会に価値を提供し、持続的な成長を実現していくためには、イノベーションの担い手となり得る多様な人材の確保・育成と社内環境の整備が極めて重要な課題であると認識しております。当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。また、当社グループの成長戦略を推進していくためには、事業領域の拡大に応じた高度な専門性や経験を有する人材や、イノベーションを創出することのできる多様な知見・スキル・価値観を有する人材を確保・育成していく必要がありますが、今後の社会情勢や雇用環境の変化により、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策近年、人々のワークスタイルに対する価値観の多様化が進行し、働き方に対するニーズも大きく変化していることから、当該リスクが顕在化する可能性は常に認識しておく必要があります。当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図っております。また、健康経営の推進により、従業員自身が自らの健康への意識を高め、健康維持・増進に努めることができる環境の整備に取り組むとともに、従業員が自律的に業務を推進する「新たな働き方」への移行や、「副業制度」「副業受入制度」の導入など、ワークスタイルに対する価値観の多様化に対応するとともに、イノベーションの創出につながる多様な知見・価値観・スキルを持つ自律型のプロフェッショナル人材を確保・育成するための取り組みを推進し、従業員のエンゲージメント向上を図ってまいります。 (2)海外子会社の管理・統制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、「中期経営計画2026」においては、海外事業戦略の再構築に取り組むこととしております。海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、コロナ禍による個人消費や経済活動への影響が懸念されるほか、トルコ国内のインフレ率上昇、急激な為替変動による輸入原材料価格の高騰など、足元の事業環境は激しく変化しておりますが、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実に成長を続けており、中長期的にも成長が期待されております。一方、トルコ飲料事業に係るのれん及び商標権は、当該株式取得に係る取得原価と比較すると相対的に多額となっており、将来の環境変化等により、期待されるメリットをもたらさず著しい企業価値の減価がある場合には、減損損失が計上される可能性があります。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度・、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開の継続や投資回収が困難になった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、「グループミッション2030」の達成に向けて、海外での事業展開の拡大に取り組む方針であることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、既存のトルコ・中国飲料事業の基盤を活かしながら、海外事業戦略の再構築を進めてまいります。なお、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下においては、海外への渡航に一定の制約があり、持株会社の監査部による現地監査の実施が困難であることなど、海外子会社の管理・統制については、工夫の余地があるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の監査部に対する第三者の評価結果に基づき、優先順位を定めながら、監査体制の強化を図ってまいります。 (3)企業買収及び事業・資本提携・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、「グループミッション2030」に掲げた2030年のありたい姿の実現に向けて、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に遅れが生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんなどの固定資産の減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、「中期経営計画2026」において、営業キャッシュ・フローの2年分を戦略投資枠と定め、新たな成長機会を常に模索する方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。 (4)自販機チャネルへの集中・依存・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は約80%となっており、業界平均を大きく上回っております。自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コロナ禍により、消費者の行動様式は大きく変容し、飲料業界全体の自販機を通じた販売数量は大きく減少するなど、市場環境は大きく変化しており、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。一方、コロナ禍を契機として、業界各社の自販機チャネルに対する取り組み姿勢には変化が生じていることから、当社グループは、これらのリスクをビジネスチャンスへと転換すべく、売れる場所の変化を的確に捉えた営業活動を推進し、収益性の高い自販機網の拡充を図ってまいります。また、自販機オペレーション現場の働き方においても業界をリードする存在となるべく、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーションのさらなる進化に取り組むとともに、DyDoの店舗である自販機を通じて、お客様の求める価値をお届けすることにより、自販機市場における確固たる優位性を確立してまいります。 (5)業界における市場競争・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中、コロナ禍を契機として、自販機やコンビニエンスストアを通じた販売数量が大きく減少しております。また、足元では原材料価格の高騰が業界各社の収益を大きく圧迫するリスクが高まっておりますが、市場競争の厳しさなどを背景として、販売価格への転嫁は難易度が高いことから、業界各社は、数量確保に向けた価格面・販促面での提案を強化するなど、企業間競争環境はさらに激しさを増しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場環境の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、コロナ禍により急速に変化しており、原材料価格高騰リスクとともに、当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、当社グループのコアビジネスである「国内飲料事業の再成長」を「中期経営計画2026」の基本方針に掲げ、自販機市場における確固たる優位性の確立してまいります。市場環境の変化に対応した「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様に寄り添った顧客志向の営業活動の強化により、業界における市場競争に対応してまいります。 (6)原材料・資材の調達・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様でありますが、特に、直近のコーヒー豆価格の高騰は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、海外飲料事業(トルコ飲料事業)においては、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は大きな影響を受けております。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けるものであり、国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆価格の高騰は、収益を圧迫する大きな要因になるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、国内焙煎業者との連携による情報収集を強化するとともに、調達先の分散や調達スキーム変更など、調達価格の安定化に向けた取り組みをすすめるほか、コーヒーのみに依存しない魅力ある商品ラインアップの開発を推進しております。また、トルコ飲料事業におきましては、市場の状況を注視しつつ、販売価格への適切な転嫁を随時実施していくほか、リラ安を利用した輸出取引の拡大に取り組むことにより、業績の安定を図ってまいります。 (7)生産・物流体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としております。近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、コロナ禍も相俟って大きく変化しており、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流コストの大幅な上昇や、物流の逼迫による供給リスクが高まっております。また、海外事業におきましては、特に、トルコ国内の物流コストの上昇や、世界的なコンテナ不足を背景とした海上運賃の上昇が大きな経営課題となるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業においては、将来の成長に向けた設備投資を積極化しておりますが、コロナ禍により顧客企業の販売動向は厳しい推移となっております。足元では、受注回復の兆しが見えはじめておりますが、将来の環境変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることになった場合には、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されます。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティクス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。トルコ飲料事業におきましては、トルコ南西部に所在する工場の製造キャパシティを高めることにより、主力商品であるミネラルウォーターの製造分散による物流コスト上昇リスクの低減を図ってまいります。また、医薬品関連事業におきましては、2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進してまいります。 (8)品質管理体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。 (9)環境問題への対応・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識のもと、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな経営課題ともなっております。これらの規制強化や、容器包装等に対する取り組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動を変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、グループとしてのCO2排出削減目標を設定し、2050年の自販機ビジネスにおけるカーボンニュートラルをめざすとともに、国内飲料事業では、循環型社会への貢献に向けた3つの環境目標を設定し、事業を通じた環境問題への取り組みを推進しております。また、従来の「グループESG委員会」を「グループサステナビリティ委員会」に改称し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、中長期的な気候変動リスクと機会に対して、より掘り下げた分析と対応策の検討をすすめてまいります。 (10)希少疾病の医療用医薬品事業への参入・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマを設立いたしました。希少疾病の医療用医薬品事業のビジネスモデルは、さまざまなフィールドのパートナーとの協業、提携をベースとしており、希少疾病治療に関わる創薬シーズに関する提携や開発候補品のライセンスイン、特に日本における独占的な製造販売権の獲得によって、開発・承認取得を行います。臨床開発業務に関してはCRO(Contract Research Organization)、医薬品製造に関してはCMO(Contract Manufacturing Organization)などの外部機関を活用いたします。2021年には、ダイドーファーマとして初めてのライセンス契約を締結するなど、着実な歩みを進めており、会社設立時の事業計画との大きな乖離は発生しておりません。希少疾病の医療用医薬品の開発には不確実性を伴うことから、開発候補品への投資にあたっては、発生する研究開発費総額の見積り、開発品の上市時期、上市後の薬価の推移、潜在的な患者数及び将来の年平均増加数などの前提条件について、十分な検討を行った上で、経営判断を行っております。世界のバイオベンチャーが開発した新薬候補を、導入・開発・承認取得して、一刻も早く患者様にお届けすべく事業展開をすすめてまいりますが、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内臨床開発の過程において予見できない事由により医療用医薬品の開発を中止した場合や、わが国の医療保険制度における薬価基準が想定を超えて大幅に引き下げられた場合には、投資コストの回収が困難となり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策希少疾病の医療用医薬品事業は、一定の先行投資が必要な事業であることから、当面の間、営業損失の計上が続くことを想定しております。ライセンス契約に伴う一時金や開発マイルストンに応じた費用及び開発にかかる研究開発費等を販売費一般管理費として計上することにより、開発中止に伴う多額の減損損失が発生するリスクの低減を図っておりますが、費用計上の時期や金額の規模によっては、当社グループの期間損益の変動要因となる可能性があります。また、新薬開発には不確実性が伴うことから、開発の延長や中止の判断を行う可能性や、想定どおりの内容で薬事承認がおりない又は薬事承認に想定以上の時間を要する可能性も否定できません。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役を選任し、個々の開発プロジェクトに基づくダイドーファーマの事業計画に対するモニタリングの強化を図っております。また、希少疾病の医療用医薬品事業における投資対象については、すでに相応の開発が進行している案件に絞り込むとともに、複数のパイプラインの開発を手掛けていくことにより、事業基盤の構築を図っていく方針であります。なお、希少疾病の医療用医薬品事業には、医薬品医療用機器法等の関連法規による厳格な規制があります。また、知的財産権や研究開発にかかるリスクのほか、製造物責任や副作用などのリスクがあることを常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整えるとともに、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進してまいります。 (11)その他のリスク上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。 なお、直近では、新型コロナウイルスの感染再拡大によるリスクに十分注意が必要な状況にあります。新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しは不透明であり、当社グループの経営成績等へ重要な影響を与える可能性があります。当連結会計年度末時点において、新型コロナウイルス感染拡大により想定される主な影響と対応策は以下のとおりであります。 想定される主な影響今後の対応策国内飲料事業・2022年度の飲料業界全体の販売数量は、人流の戻りによる回復が期待されるが、コロナ禍前の水準には達しないことが想定される。・在宅勤務の定着や消費者の行動変容により、自販機市場は大きく変化し、競合他社の自販機に対する取り組み姿勢には、変化がみられる。・「自販機ビジネスの進化による社会価値の創造」をマテリアリティに掲げ、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざす。海外飲料事業・トルコ飲料事業においては、感染の再拡大による生産活動・経済活動への影響が懸念される。・経済活動の制約により、海上輸送の遅延やトルコ国内のトラック不足が発生しており、配送コストは大幅に上昇している。・トルコ飲料事業の業績安定化に向けた取り組みを進めるとともに、既存の事業基盤を活かしながら、海外事業戦略の再構築を進めていく。医薬品関連事業・顧客企業の販売動向は、足元では、受注回復の兆しも見えつつあるが、感染再拡大による受注への影響には、引き続き留意が必要な状況にある。・2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進する。食品事業・消費者の行動変容により、コンビニエンスストア向けの販売は、引き続き苦戦することが想定される。・果肉原料の生産現場におけるコロナ対策や、労働者不足による海上運賃上昇等により、原材料価格が高騰傾向にある。・ニューノーマルの時代に求められる付加価値商品の開発を進めるとともに、多面的なコスト見直しの継続により、収益力強化を図る。その他・希少疾病の医療用医薬品事業における治験に遅れが生じる可能性がある。・感染再拡大による治験への影響予測は困難であるが、引き続き情報収集につとめていく。
FY2021|10,699 文字
2【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、リスク対策の妥当性を評価しております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるリスクが顕在化しております。当社グループは、お客様と従業員の健康・安全を最優先に考慮し、感染拡大防止につとめております。当連結会計年度の「グループリスク管理委員会」においては、新型コロナウイルス感染拡大による各事業セグメントへの影響と対応策を確認したほか、人材の確保・育成や海外子会社の管理・統制などの重要課題への取り組みについて協議いたしました。 (1)人材の確保・育成・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等コロナ禍を契機とした社会変革により事業環境が大きく変化していく中で、お客様や社会に価値を提供し、持続的な成長を実現していくためには、イノベーションの担い手となり得る多様な人材の確保・育成と社内環境の整備が極めて重要な課題であると認識しております。当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。また、当社グループの成長戦略を推進していくためには、事業領域の拡大に応じた高度な専門性や経験を有する人材や、イノベーションを創出することのできる多様な知見・スキル・価値観を有する人材を確保・育成していく必要がありますが、今後の社会情勢や雇用環境の変化により、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策近年、人々のワークスタイルに対する価値観の多様化が進行し、働き方に対するニーズも大きく変化していることから、当該リスクが顕在化する可能性は常に認識しておく必要があります。当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図っております。また、健康経営の推進により、従業員自身が自らの健康への意識を高め、健康維持・増進に努めることができる環境の整備に取り組むとともに、従業員が自律的に業務を推進する「新たな働き方」への移行や、「副業制度」「副業受入制度」の導入など、ワークスタイルに対する価値観の多様化に対応するとともに、イノベーションの創出につながる多様な知見・価値観・スキルを持つ自律型のプロフェッショナル人材を確保・育成するための取り組みを推進しております。 (2)海外子会社の管理・統制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業の足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、新型コロナウイルス感染拡大による消費への影響に留意が必要な状況にあるものの、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実に成長を続けており、中長期的にも成長が期待されております。一方、トルコ飲料事業に係るのれん及び商標権は、当該株式取得に係る取得原価と比較すると相対的に多額となっており、将来の環境変化等により、期待されるメリットをもたらさず著しい企業価値の減価がある場合には、減損損失が計上される可能性があります。また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、「グループミッション2030」の達成に向けて、海外での事業展開の拡大に取り組む方針であることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、海外事業セグメント全体の黒字確保を当面の目標としながら、海外事業戦略の再構築を進めてまいります。なお、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下においては、海外への渡航に一定の制約があり、持株会社の監査部による現地監査の実施が困難であることなど、海外子会社の管理・統制については、工夫の余地があるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の監査部に対する第三者の評価結果に基づき、優先順位を定めながら、監査体制の強化を図ってまいります。 (3)企業買収及び事業・資本提携・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんなどの固定資産の減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。 (4)自販機チャネルへの集中・依存・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は80%超となっており、業界平均を大きく上回っております。自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コロナ禍により、消費者の行動様式は大きく変容し、在宅勤務の定着化などによる売れる場所の変化とともに、飲料業界全体の自販機を通じた販売数量は大きく減少するなど、市場環境は大きく変化しており、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。一方、コロナ禍を契機として、業界各社の自販機チャネルに対する取組み姿勢には変化が生じていることから、当社グループは、これらのリスクをビジネスチャンスへと転換すべく、売れる場所の変化を的確に捉えた営業活動を推進し、収益性の高い自販機網の拡充を図ってまいります。また、自販機オペレーション現場の働き方においても業界をリードする存在となるべく、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築を着実に推進することにより、自販機市場における確固たる優位性を確立してまいります。 (5)業界における市場競争・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。コロナ禍を契機とした在宅勤務の定着化などによる消費者の行動変容により、自販機やコンビニエンスストアを通じた販売数量が大きく減少し、飲料市場全体の販売数量も前年実績を大きく下回って推移するなど、飲料業界各社は大きな影響を受けております。また、流通チェーン各社も事業環境の変化に対応すべく、店舗の付加価値を追求するなど、他業態との差別化や独自性を訴求した販売方針への転換を図っております。このような状況に対応するため、飲料業界各社は、価格面・販促面での提案を強化するなど、競争環境はさらに厳しさを増しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場環境の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、コロナ禍により急速に変化していることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様にとって付加価値の高い提案を推進する課題解決型営業により、業界における市場競争に対応してまいります。 (6)原材料・資材の調達・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ飲料事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。 (7)生産・物流体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としておりますが、近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、大きく変化しており、生産を委託する協力工場の設備投資計画の内容によっては、当社商品を生産できる製造ラインが減少することも懸念されます。また、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流の逼迫による供給リスクは、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に共通する大きな課題であり、物流コストの大幅な上昇とともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。医薬品関連事業を担う大同薬品工業においては、2019年9月に、奈良工場にパウチ容器入りの指定医薬部外品の製造が可能なラインを新設(2020年2月より稼働開始)し、製造受託剤形の多様化への取り組みを進めたほか、2019年10月には、群馬県館林市に関東工場を新設(2020年7月より稼働開始)し、BCP対策の一環として、生産のリスク分散にも対応できる体制とするなど、将来の成長に向けた設備投資を積極化しておりますが、コロナ禍により顧客企業の販売動向は低調に推移しており、受注回復には時間を要する可能性があります。将来の環境変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることになった場合には、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されます。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業の生産体制については委託先に関する施策の検討をすすめるほか、物流体制については、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティックス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。医薬品関連事業におきましては、2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進してまいります。 (8)品質管理体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。 (9)環境問題への対応・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識が急速に高まっており、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな課題ともなっております。これらの規制強化や、容器包装等に対する取組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動を変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、2020年度より代表取締役社長を委員長とする「グループESG委員会」を設置しております。ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から中長期的な事業環境の変化による課題を整理し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、ESG経営を推進しております。(10)希少疾病の医療用医薬品事業への参入・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマ株式会社を設立いたしました。希少疾病の医療用医薬品事業のビジネスモデルは、さまざまなフィールドのパートナーとの協業、提携をベースとしており、希少疾病治療に関わる創薬シーズに関する提携や開発候補品のライセンスイン、特に日本における独占的な製造販売権の獲得によって、開発・承認取得を行います。臨床開発業務に関してはCRO(ContractResearchOrganization)、医薬品製造に関してはCMO(ContractManufacturingOrganization)などの外部機関を活用いたします。ダイドーファーマ株式会社は、世界のバイオベンチャーが開発した新薬候補を、導入・開発・承認取得して、一刻も早く患者様にお届けすべく事業展開をすすめてまいりますが、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内臨床開発の過程において予見できない事由により医療用医薬品の開発を中止した場合や、わが国の医療保険制度における薬価基準が想定を超えて大幅に引き下げられた場合には、投資コストの回収が困難となり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策希少疾病の医療用医薬品事業は、一定の先行投資が必要な事業であることから、当面の間、営業損失の計上が続くことを想定しており、ライセンス契約に伴う一時金や開発マイルストンに応じた費用の発生などにより、その計上時期や金額規模によっては、当社グループの期間損益の変動要因となる可能性があります。また、新薬開発には不確実性が伴うことから、開発の延長や中止の判断を行う可能性や、想定どおりの内容で薬事承認がおりない又は薬事承認に想定以上の時間を要する可能性も否定できません。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、投資判断に高度な専門知識を要する案件について、客観的な立場から評価・助言を行う仕組みとして、社外取締役・社外監査役とは異なる社外有識者によって構成するアドバイザリーボードを代表取締役社長の諮問機関として設置しております。また、取締役会の監督機能の強化を図るべく、2021年4月16日開催予定の第46回定時株主総会には、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役候補者の選任を上程いたします。希少疾病の医療用医薬品事業における投資対象については、海外ですでに相応の開発が進行している案件などに絞り込むとともに、複数のパイプラインの開発を手掛けていくことにより、事業基盤の構築を図っていく方針であります。なお、希少疾病の医療用医薬品事業には、医薬品医療用機器法等の関連法規による厳格な規制があります。また、知的財産権や研究開発にかかるリスクのほか、製造物責任や副作用などのリスクがあることを常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整えるとともに、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進してまいります。 (11)その他のリスク上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。 なお、直近では、新型コロナウイルスの感染再拡大により、再び経済が停滞するリスクに十分注意が必要な状況にあります。ワクチンの普及による効果が期待されているものの、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しは不透明であり、当社グループの経営成績等へ重要な影響を与える可能性があります。当連結会計年度末時点において、新型コロナウイルス感染拡大により想定される主な影響と対応策は以下のとおりであります。 想定される主な影響今後の対応策国内飲料事業・2020年4月~5月をボトムとして、販売は緩やかな回復基調で推移も、2021年1月の緊急事態宣言による影響を懸念。・在宅勤務の定着や消費者の行動変容により、自販機市場は大きく変化することが想定される。・自販機展開の強化を図るとともに、スマートオペレーション体制の構築により、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざす。海外飲料事業・トルコ飲料事業の販売は感染の再拡大による行動制限により、販売への影響が懸念される。利益面では、為替変動による原材料高騰に対し、価格転嫁が難しい可能性。・感染の再拡大により、イギリス、ロシアへの輸出の本格化には、時間を要する状況。・海外における戦略拠点の選択と集中の方針のもと、2020年10月をもってマレーシア飲料事業から撤退。海外飲料事業セグメント全体の黒字確保を当面の目標とし、海外における事業戦略の再構築を図る。医薬品関連事業・顧客企業の販売動向は、低調に推移。2021年1月の緊急事態宣言による影響も懸念され、受注回復には時間を要する状況。・奈良工場に新設したパウチラインは2020年2月、関東工場は2020年7月よりそれぞれ稼働を開始。2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進する。食品事業・量販店向けの販売は引き続き堅調ながら、コンビニエンスストア向けの販売は減少が続く可能性。・ライフスタイルの変化に対応した商品開発や、生産性向上への取り組みを引き続き進め、さらなる収益力強化をめざす。
FY2020|7,546 文字
2【事業等のリスク】当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、リスク対策の妥当性を評価しております。当連結会計年度の「グループリスク管理委員会」においては、国内飲料事業において「人材の確保・育成」のリスク顕在化への対策の妥当性等を評価したほか、危機管理事案が発生した場合のグループ間連携の徹底を再確認いたしました。前連結会計年度末との比較では、「生産・物流体制」を取り巻く経営環境の変化により、当社グループの経営成績等への影響の発生可能性が高まっていると評価したほか、「企業買収及び事業・資本提携」については、今後の方向性を検討すべき投資先もあることから、グループ全体への影響度は比較的小さいものの、経営成績等への影響の発生可能性が高まっていると評価いたしました。また、「環境問題への対応」に関する社会的な問題意識の高まりによるリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等へ与える影響度が高まっているものと評価いたしました。 (1)人材の確保・育成・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。また、当社グループの成長戦略であるヘルスケア分野における事業領域の拡大には、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。近年、少子高齢化の進行と労働人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策近年の労働市場の変化により、企業の人手不足感は高水準となっており、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図ってまいります。また、国内飲料事業においては、人材確保の遅れが翌期の業績にも影響を及ぼす可能性があることから、自販機オペレーション体制の高度化による生産性向上にチャレンジするとともに、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの新規開拓にかかる営業体制の増強に向けてキャリア採用を積極化し、組織体制のさらなる活性化を図っております。 (2)海外子会社の管理・統制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループの海外飲料事業は、トルコ飲料事業が大きなウエイトを占めており、その業績は比較的好調に推移しているものの、足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、景気の減速による消費への影響にも留意が必要な状況にあることから、トルコから周辺諸国への輸出取引の拡大により、収益の安定化を図る必要があります。また、マレーシア・ロシア・中国の各飲料事業については、今後、事業継続の見極めも必要な状況にあることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外飲料子会社を管理・統括することにより、海外飲料事業全体の黒字化に向けた戦略拠点の見直しをすすめるとともに、持株会社の監査部による海外飲料子会社への監査体制を強化するなど、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめております。 (3)企業買収及び事業・資本提携・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。 (4)自販機チャネルへの集中・依存・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は80%超となっており、業界平均を大きく上回っております。自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などにより、自販機1台当たりの売上高も減少傾向にあり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィスや工場などの安定的な販売が見込める場所への自販機の設置促進や商品ラインアップの最適化などにより、売上高の向上に努めるとともに、自販機オペレーション体制の生産性向上により、売上高に対する固定費率の低減に取り組んでおります。また、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、非飲料事業での第2の柱を構築することにより、自販機チャネルへの依存度を低減する方針としております。(5)業界における市場競争・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。また、eコマースの普及や、ドラッグストア業界の積極的な出店戦略への対応策として、流通チェーン各社は、店舗の付加価値を追求するとともに、価格戦略、販売促進強化の動きを強めていることから、市場の実勢価格は低下傾向にあり、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加するなど、競争環境は急速に変化しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、厳しい状況が続いていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様にとって付加価値の高い提案を推進する課題解決型営業により、業界における市場競争に対応してまいります。 (6)原材料・資材の調達・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。 (7)生産・物流体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としておりますが、近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、大きく変化しており、生産を委託する協力工場の設備投資計画の内容によっては、当社商品を生産できる製造ラインが減少することも懸念されます。また、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流の逼迫による供給リスクは、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に共通する大きな課題であり、物流コストの大幅な上昇とともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇傾向は、当面続くことが想定されることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、生産体制については委託先に関する施策の検討をすすめるほか、物流体制については、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティックス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。(8)品質管理体制・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東新工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。 (9)環境問題への対応・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識が急速に高まっており、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな課題ともなっております。これらの規制強化や、容器包装等に対する取組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、2020年度より代表取締役社長を委員長とする「グループESG委員会」を新たに設置し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から中長期的な事業環境の変化による課題を整理し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、ESG経営を推進してまいります。 (10)その他のリスク上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。 なお、直近では、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が長期化することが懸念されており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|4,863 文字
2【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。前連結会計年度末との比較では、「業界における市場競争」による当社グループの業績及び財政状態への影響の発生可能性が高まっているものと判断しております。また、「環境問題への対応」に関する消費者意識の高まりや、規制強化の動きなどによるリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態へ与える影響度が高まっているものと評価しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 人材の確保・育成当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。また、当社グループの成長戦略であるヘルスケア領域の拡大や希少疾病の医療用医薬品事業への新規参入を図るためには、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。近年、少子高齢化の進行と労働力人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「中期経営計画2021」において、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図ってまいります。また、国内飲料事業では、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築にチャレンジすることにより、労働力不足の時代における確固たる優位性の確立をめざしてまいります。 (2) 海外子会社の管理・統制当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社が海外飲料子会社を直接管理・統制する体制とし、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめるとともに、「中期経営計画2021」では、戦略拠点の選択と集中により、海外飲料事業全体での黒字化をめざしてまいります。 (3) 企業買収及び事業・資本提携当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、事業領域の拡大に機動的に対応できる体制を持株会社に整備とするとともに、取締役会の実効性評価の結果をふまえて、取締役会のさらなる機能強化を図るなど、コーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。 (4) 自販機チャネルへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は82.8%となっており、業界平均を大きく上回る状況となっております。自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人材不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などにより、自販機1台当たりの売上高も減少傾向にあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィス内などの安定的な販売が見込める場所への設置促進や商品ラインアップの最適化などの取り組みをすすめるとともに、国内飲料事業のイノベーションを「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、時代の変化やお客様ニーズの多様化を捉え、もっと身近で毎日の生活に役立つ事業へと進化させてまいります。 (5) 業界における市場競争日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。また、eコマースの普及や、ドラッグストア業界の積極的な出店戦略への対応策として、流通チェーン各社は、店舗の付加価値を追求するとともに、価格戦略、販売促進強化の動きを強めていることから、市場の実勢価格は低下傾向にあり、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加するなど、競争環境は急速に変化しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、「中期経営計画2021」において、収益改善に軸足を置き、キャッシュ・フローの最大化を図るべく、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大に取り組むとともに、テクノロジーを活用した最適な商品ラインアップの実現をめざしてまいります。 (6) 原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。 (7) 生産体制・品質管理体制当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。当社グループでは、食品の安全性、品質管理及び表示不良商品に関して重大な事故及び訴訟等は発生しておりませんが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上をめざしております。 (8) 環境問題への対応気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、また、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制が強まっております。これらの規制強化や、環境改善に対する取組みへの追加的な義務の発生により、対応費用が増加する可能性があります。また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、「人と社会と、共に喜び、共に栄える。」のグループ理念のもと、気候変動や資源枯渇などの環境問題への対応を経営上の課題と捉え、サプライチェーン全体での環境負荷低減を図るとともに、事業活動に関わる環境関連法規等を遵守し、自然環境の保全と汚染の予防に努めております。また、国内飲料事業では、製造を全国の協力工場に分散して委託するファブレス経営であることから、気候変動に起因する自然災害や渇水等により、一部地域での製造が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としております。 (9) その他のリスク上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。
FY2018|3,959 文字
4【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 人材の確保・育成当社グループの成長戦略である海外における事業展開の強化拡充や新たな事業領域への参入を図るためには、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。また、既存事業成長へのチャレンジを推進するためには、全国広範囲にわたり保有する自販機のオペレーションを支える人材や、医薬品関連事業・食品事業等の製造工場のオペレーションを支える人材を継続的に確保・育成していく必要があります。近年、少子高齢化の進行と労働力人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、人材の確保・育成への取り組みを強化するとともに、人材のさらなる定着化を図るための諸制度の整備や業務効率の改善など、働き方改革への取り組みをすすめております。 (2) 海外子会社の管理・統制当社グループは、海外における本格的な事業展開を図ることを中期的な成長戦略に掲げ、将来の飛躍的成長に向けた戦略拠点として、トルコ、マレーシア、ロシア、中国の4カ国に海外飲料子会社を有しております。海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社が海外飲料子会社を直接管理・統制する体制とし、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめるとともに、海外飲料事業の強化・育成を図り、国内飲料事業とのシナジーの発揮による飛躍的成長の実現にチャレンジしております。 (3) 企業買収及び事業・資本提携当社グループは、“食や健康”関連の新規事業展開を図ることを中期的な成長戦略のひとつとしており、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社体制への移行により、事業領域の拡大に機動的に対応できる体制を整備とするとともに、取締役会の実効性評価の結果をふまえて、取締役会のさらなる機能強化を図るなど、コーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。 (4) 自販機チャネルへの集中・依存当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、全国約28万台の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は83.1%となっており、業界平均を大きく上回る状況となっております。自販機チャネルは、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機市場全体の総台数は減少に転じており、自販機においても低価格販売が広がっていることや、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などから、自販機1台あたりの売上高が低下する傾向が続いており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィス内などの安定的な販売が見込める場所への設置促進や商品ラインアップの最適化などの取り組みをすすめるとともに、自販機チャネルにかかる固定費構造の改革やIoT自販機の展開を通じて、自販機ビジネスモデルの革新にチャレンジしております。 (5) 業界における市場競争日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社は収益重視の方針を掲げ、重点ブランドへの集中や商品・容器構成の見直しなどに取り組んでいるものの、消費の二極化による低価格志向の高まりや、流通チェーンの合併・統合等による販売促進活動に対する交渉力強化や競争力の高いプライベートブランドの展開、ドラッグストア業界の競争激化を背景とした価格戦略なども相俟って、販売単価の改善は進展しておらず、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加する傾向にあります。また、業界各社からは、お客様ニーズの多様化に対応すべく、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品が相次いで発売されており、価格戦略を含めたマーケティング戦略など、市場における競争環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、1975年の発売以来、本格的な味わいと香料を使わない製品作りにこだわり続けてきた「ダイドーブレンド」ブランドのさらなるブランド力強化や、近年のお客様ニーズの多様化に対応したイノベーティブな商品の展開など、商品力強化へのチャレンジをすすめております。 (6) 原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。 (7) 生産体制・品質管理体制当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。当社グループでは、食品の安全性、品質管理及び表示不良商品に関して重大な事故及び訴訟等は発生しておりませんが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上をめざしております。 (8) その他のリスク上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、天候・自然災害、法規制等の外部要因によるリスクのほか、気候変動や資源枯渇をはじめとする環境問題への対応、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。
FY2017|4,541 文字
4【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。(1) 国内経済情勢当社グループは、日本国内において事業展開を行っているため、日本国内の経済情勢や景気動向、金融情勢並びにこれらの影響を受ける個人消費の動向等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。政府は平成31年10月に消費税率の再引き上げを実施する予定であります。かかる政策が国内経済情勢や景気動向に与える影響は、現時点では不透明でありますが、個人消費の低迷により需要が低下した場合や価格低下圧力が増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2) 飲料業界における市場競争当社グループの主力事業である国内飲料事業の市場環境は、近年大きく変化しております。消費者嗜好の多様化により、高付加価値商品が求められる一方で、低価格志向が強まるなど、消費の二極化が進展しております。また、流通チェーンの合併・統合等による販売促進活動に対する交渉力強化や競争力の高いプライベートブランドの展開などを背景として、飲料業界各社のシェア確保に向けた販売競争・価格競争がさらに激化しており、新商品等の店頭への配荷を図るための販売促進費や自販機ロケーションの獲得にかかる関連費用も増加傾向にあります。今後も柔軟に市場動向を予測し、消費者嗜好の多様化に対応する魅力ある商品の開発に注力するとともに、サプライチェーン全般におけるコストの最適化を図り、売上高に対する販売促進費等の比率を適正に維持すべく効果検証と予算統制を徹底してまいりますが、これらの戦略が市場環境の変化に十分対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) 販売の自販機チャネルへの集中及びコーヒー飲料への依存当社グループは、「自販機で缶コーヒーを売る」ことを事業の柱として発展してまいりました。その結果、当連結会計年度において、飲料販売部門(国内)の自販機による売上比率が83.7%、コーヒー飲料の売上比率が56.1%となっており、いずれも業界平均をはるかに上回る状況となっております。しかしながら、自販機市場はすでに成熟化しており、近年は市場全体の総台数がほぼ横ばいで推移する一方でコンビニエンスストアの店舗数は増加が続いていることや、自販機においても低価格販売が広がってきていることなどから、自販機1台あたりの売上が低下する傾向にあります。また、コーヒー飲料についても、コンビニエンスストアにおけるカウンターコーヒーの普及など、新たな競合も生まれてきております。今後とも、自販機ロケーションの特性に合わせた魅力ある商品ラインアップの実現や競争力の高い自販機の開発に努めるとともに、コーヒー飲料に加えてソフトドリンクのラインアップ強化を図ってまいりますが、お客様の支持を得られる魅力ある商品・自販機を提供できない場合は、販売に影響を及ぼし、収益の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。(4) 原材料・資材の調達当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも主要原料のコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動を受けます。当社グループは、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っておりますが、その範囲を超えた長期の価格変動には対応できず、その場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、一部の原材料・資材について突発的な需要拡大が発生し、当社グループの商品生産に必要な数量が確保できない場合、当該原材料・資材により構成される商品の販売機会喪失の可能性もあります。また、原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5) 生産体制当社グループが販売する大部分の清涼飲料につきましては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の複数の飲料製造委託業者に製造を委託する生産体制をとっております。委託先については、不測の事態が発生した場合に備えて全国各地の飲料製造業者と契約し、互いに補完できる体制をとっておりますが、自然災害等による生産への影響を完全に排除できる保証はなく、委託先にて十分な生産が確保できない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) 天候・自然災害当社グループが取り扱う清涼飲料やドリンク剤は、天候や気温により需要が変動します。特に異常気象と言われるほどの冷夏や暖冬の場合には、売上の低迷をもたらし、業績及び財政状態が悪化する可能性があります。また、地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合、被災した自販機の修理もしくは廃棄、代替機の調達及び設置の安全強化等の対策が必要となり、それらに要する費用が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 法的規制等当社グループの事業においては、食品衛生法、医薬品医療機器等法、不当景品類及び不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規等、様々な法的規制を受けております。当社グループでは、すべての法的規制等を遵守すべく体制整備に取り組んでおりますが、その範囲を超えた事象が発生した場合、また規制が強化され、規制遵守に係るコスト負担が増加した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(8) 顧客情報当社グループは、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、相当数のお客様情報を保有しております。これらお客様の個人情報は、当社グループで管理するほか、一部はグループ外の管理会社に管理を委託しております。これらの個人情報の管理につきましては、万全の管理体制を構築しておりますが、今後これらの情報が外部に流出するような事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(9) 食の安全・品質管理当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。当社グループでは、食品の安全性、品質管理及び表示不良商品に関して重大な事故及び訴訟等は発生しておりませんが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(10)有価証券の時価変動当社グループは、安全性重視の堅実運用のスタンスで有価証券投資を行っておりますが、市場の悪化による時価の下落や投資先の信用悪化等によって減損処理が必要となることも考えられます。その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(11)人材の確保・育成当社グループの事業運営は人材に大きく依存しており、お客様をはじめとする様々なステークホルダーの皆さまとの共存共栄を実現できる人材を継続的に確保・育成していくことが必要不可欠であります。特に、全国広範囲にわたり保有する約28万台の自販機のオペレーションは、当社グループの従業員と特約オペレーターである「共栄会」の従業員が直接行う体制としており、人材に大きく依存しております。自販機を常に良好な状態に保ち、自販機ロケーションの特性に応じた最適な商品ラインアップを実現していくためには、共栄会を含めたオペレーション体制の充実を図る必要がありますが、昨今の経営環境や雇用環境の変化により、相応しい人材の確保やオペレーション体制の維持が困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外における事業展開の強化拡充や新たな事業領域への参入を図るためには、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要がありますが、今後、人材獲得競争の激化等により、相応しい人材の確保が困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(12)海外における事業展開当社グループは、海外における事業展開の強化拡充を中期的な成長戦略のひとつとしております。しかしながら、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商慣習の違いや為替レートの変動等をはじめとした様々なリスクが存在します。海外における事業展開にあたっては、対象市場に関する詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外子会社の財務諸表は、連結財務諸表作成時に日本円に換算する必要があるため、為替レートの変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(13)企業買収及び事業・資本提携当社グループは、“食や健康”関連の新規事業展開を図ることを中期的な成長戦略のひとつとしており、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(14)その他のリスク上記以外にも事業活動を進めていく上において、環境問題への対応やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しています。